JP2004198258A - 画像測定機 - Google Patents
画像測定機 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004198258A JP2004198258A JP2002367176A JP2002367176A JP2004198258A JP 2004198258 A JP2004198258 A JP 2004198258A JP 2002367176 A JP2002367176 A JP 2002367176A JP 2002367176 A JP2002367176 A JP 2002367176A JP 2004198258 A JP2004198258 A JP 2004198258A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- measurement
- edge
- unit
- contour shape
- edge position
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【課題】被検物にバリやゴミが付着している場合であっても、その被検物の正確な輪郭形状の測定を実現することが出来る画像測定機を提供することを目的とする。
【解決手段】画像測定機に、被検物を撮像し光強度分布に応じた電気信号を出力する撮像部4と、前記撮像部4の撮像領域内に設定されるエッジ検出領域内にある前記被検物の輪郭形状のエッジを、前記電気信号に基づいて検出する画像処理部18と、複数の検出済みのエッジ位置に基づいて次のエッジ位置を予測し、前記画像処理部18が検出したエッジ位置が、該予測したエッジ位置から所定の差以上離れていた場合に、その検出したエッジ位置を輪郭形状測定の測定点から外す輪郭形状測定部19と、を設ける。
【選択図】 図2
【解決手段】画像測定機に、被検物を撮像し光強度分布に応じた電気信号を出力する撮像部4と、前記撮像部4の撮像領域内に設定されるエッジ検出領域内にある前記被検物の輪郭形状のエッジを、前記電気信号に基づいて検出する画像処理部18と、複数の検出済みのエッジ位置に基づいて次のエッジ位置を予測し、前記画像処理部18が検出したエッジ位置が、該予測したエッジ位置から所定の差以上離れていた場合に、その検出したエッジ位置を輪郭形状測定の測定点から外す輪郭形状測定部19と、を設ける。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検物を撮像し、その撮像された画像に基づいて被検物の輪郭形状を求める画像測定機に関する。
【0002】
【従来の技術】
被検物の輪郭形状を高精度に測定する技術に光学測定技術およびコンピュータによる画像処理技術を用いた画像測定機がある。
【0003】
この画像測定機は、例えば、ステージ上に載置された被検物の像を光学系を介し上方から捉え、該捉えた像の光強度分布に応じた電気信号を出力する測定機と、測定機から出力された光強度分布に応じた電気信号を受信し、該受信した電気信号に画像処理を行い、被検物の輪郭形状のエッジを検出し、そのエッジの座標値を表す信号を出力する制御ユニットと、を備え、被検物の輪郭形状の測定を行っている。
【0004】
そして、従来の画像測定機には、測定を行なう際に、直前に検出された測定点のエッジ座標値に基づいて次の測定目標点を予測し、この測定目標点に対して指標の位置と角度方向を設定し、その指標内にある輪郭形状のエッジを検出することを、輪郭形状に沿って繰り返し行なうものがある(例えば特許文献1)。そして、この画像測定機は、検出した輪郭形状のエッジを測定点として取り込み、その取り込んだ測定点に所定の演算処理を施し、各測定点の座標位置を算出している。
【特許文献1】
特開平09−196631号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術は、例えば、バリやゴミが付着している被検物を測定する際、そのバリやゴミを被検物の輪郭形状のエッジ座標と判断し、測定点として取り込むことがある。この場合、その取り込んだ測定点をそのまま用いると、被検物の形状(バリやゴミが付着されていない形状)が正確に測定出来ない場合がある。
【0006】
そこで、本発明は、被検物にバリやゴミが付着している場合であっても、その被検物の輪郭形状を正確に測定する画像測定機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題の解決のため、請求項1に係る発明は、
被検物を撮像し、光強度分布に応じた電気信号を出力する撮像手段と、前記撮像手段の撮像領域内に設定されるエッジ検出領域内にある前記被検物の輪郭形状のエッジ位置を前記電気信号に基づいて検出するエッジ検出手段と、複数の検出済エッジ位置に基づいてエッジ位置を予測する予測手段と、前記予測手段が予測したエッジ位置に基づいて設定されたエッジ検出領域内から前記エッジ検出手段が検出したエッジ位置が、前記予測手段の予測したエッジ位置から所定値以上離れていた場合に、その検出したエッジ位置を輪郭形状測定の測定点から外す判断手段とを有することを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、
請求項1に記載の画像測定機において、前記予測手段は、前記判断手段が前記エッジ検出手段の検出したエッジ位置を測定点から外す判断をした場合、該検出したエッジ位置を使用しないことを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、
請求項1に記載の画像測定機において、前記予測手段は、前記判断手段が前記エッジ検出手段の検出したエッジ位置を測定点から外す判断をした場合、次のエッジ位置の予測に、該検出したエッジ位置の代わりに前記予測したエッジ位置を使用することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0011】
先ず、本発明の実施形態が適用された画像測定機の概略について説明する。図1は、本発明の実施形態が適用された画像測定機の概略を示す図である。図示するように、本実施形態の画像測定機は、測定装置1と、制御ユニット2とを有する。また、測定装置1は、支持体3と、支持体3のベース部3aの上に設けられた、被検物6(例えば図3のような被検物)を載置するためのXYステージ5と、支持体3の支持部3bに支持されている撮像部4と、を有する。また、このXYステージ5には、制御ユニット2から出力されるステージ移動指令データを受信し、該受信したステージ移動指令データに基づいて、XYステージを水平2軸方向に駆動させるXYステージ駆動部(図1には図示せず)と、XYステージ5の座標位置を検出し該ステージ座標位置を表すデータを制御ユニット2に出力するステージ位置検出部(図1には図示せず)と、を有する。
【0012】
また、ベース部3aには透過照明光学系7が、撮像部4に落射照明光学系9が、それぞれ設けられている。そして、XYステージ5上に、二次元的な輪郭形状を有し、かつ僅かな厚みを有する被検物6(図3参照)が載置され、ベース部3aに設けられた透過照明光学系7又は、撮像部4に設けられた落射照明光学系9により照明される。また、撮像部4は、上述の落射照明光学系9と、被検物6の像を結像させる光学倍率が可変の結像光学系10と、結像された画像を撮像するCCDカメラ8とを有する。
【0013】
制御ユニット2は、測定装置1を制御し、測定装置1から取得したデータに基づいて被検物の輪郭形状データを計測する処理を行う制御装置12と、制御装置12に接続されたモニタ画面11aを有するモニタ11と、制御装置12に対する各種データの入力を受付ける入力装置13とを有する。
【0014】
上記の構成を備えた画像測定機は、XYステージ5を移動させ、撮像部4で被検物6を撮像する。そして、撮像した被検物6をモニタ11の画面11aに表示し、その画面11a上に表示する被検物6のエッジ座標を検出する。また、制御装置12は、XYステージ5から送信されるXYステージ5のステージ座標位置を示すデータを受信し、該受信したステージ座標位置を示すデータと上記測定したエッジ座標とに基づいて被検物6の測定点の座標置の算出を行う。そして、この被検物6の輪郭形状の測定点の座標値の算出を被検物に対応して順次行い、被検物6全体の測定を行う。
【0015】
また、本実施形態の制御装置12では、画面上のエッジ座標を検出する場合、後述する予め定めた規則に従って検出するエッジ位置を予測するための近似曲線を求め、該近似曲線に基づいてエッジ位置を予測した点である測定目標点を算出する処理を行う。そして、制御装置12は、実際に測定した画面上のエッジ座標が、前記求めた測定目標点から例えば、所定の差以上の距離がある場合、その測定したエッジ座標の値を、輪郭形状測定の測定点から外し、前記近似曲線に基づいて次の測定目標点を算出し、画面上のエッジ座標の測定を行う。このように、本実施形態によれば、被検物のエッジ座標を測定する際に、実際の測定値が正常なものであるか否かの判断を行うことにより、例えば、被検物にバリやゴミが付着している場合、そのバリやゴミを無視した画像測定処理を行うことが出来る(バリやゴミの付着した箇所が被検物全体の形状から不自然に変化している場合に、不自然な形状点を無視した測定が出来る)。すなわち、本実施形態によれば、バリやゴミの影響を無視して被検物の正確な輪郭形状の測定を行うことができる。
【0016】
続いて、本実施形態の画像測定機の機能構成について説明する。図2は、本実施形態の画像測定機の機能構成を示す図である。図示するように、測定装置1は、XYステージ駆動部15と、ステージ位置検出部14と、撮像部4とを有する。XYステージ駆動部15は、制御装置12から送信されるXYステージ5の移動を指示するデータを受信し、該受信した指示データに基づいて、測定装置のXYステージ5の位置を二次元方向に移動させる。このXYステージ駆動部15は、XYステージ5をX軸及びY軸方向にそれぞれ駆動するX軸用モータ及びY軸用モータを有する駆動装置により実現される。
【0017】
また、ステージ位置検出部14は、XYステージ5の座標を検出し、ステージ座標値を表わす信号を制御装置12に出力する。このステージ位置検出部14は、XYステージ5のX軸及びY軸方向の位置をそれぞれ検出するX軸用エンコーダ及びY軸用エンコーダにより実現される。
【0018】
撮像部4は、XYステージ5に載置された被検物6を撮像し、光強度分布に応じた電気信号を制御装置12に送信する。この撮像部4は、上述した落射照明光学系9と、被検物6の像を結像させる光学倍率が可変の結像光学系10と、結像された画像を撮影する一般的なCCDカメラ8と、を有する撮像機構により実現される。
【0019】
続いて、制御装置12と、入力装置13と、モニタ11と、を有する制御ユニット2の機能構成を説明する。制御装置12は、撮像部4から出力される電気信号が入力される画像処理部18と、輪郭形状測定部19と、指標設定部17と、測定データテーブル21と、測定条件テーブル22と、データ出力部16と、を有する。また、制御装置12は、表示部24を有するモニタ11及び入力部23を有する入力装置13に接続されている。
【0020】
画像処理部18は、撮像部4から出力される光強度分布に応じた電気信号を画像処理し、捉えた被検物6の像をモニタ11の画面(図4参照)上に画像として表示させるための画像信号を表示部24に出力する。また、画像処理部18は、指標設定部17から出力される指標位置のデータを受け、エッジの検出領域を示す指標(エッジ検出領域)27(図4参照)をモニタ画面11a上の前記指標位置のデータに対応する位置及び角度方向に表示させるための信号を表示部24に出力する。さらに、画像処理部18は、撮像部4から出力される光強度分布に応じた電気信号を画像処理し、指標27内にある被検物6の輪郭形状のエッジを検出し、該検出したエッジ点29(図4参照)のモニタ画面30内での座標値(エッジ座標値)を被検物6の輪郭形状6aに沿って設定される各測定目標点(これから測定する点)25(図3参照)について順次検出し、各エッジ座標値のデータを輪郭形状測定部19に出力する。
【0021】
輪郭形状測定部19は、被検物6の輪郭形状6aに沿ってある間隔で(例えば一定間隔で)設定される各測定目標点25のエッジ座標値を取り込む輪郭形状測定(スキャニング測定)を実行するように構成されている。輪郭形状測定部19は、輪郭形状測定を行なうために、指標27の移動先である次の測定目標点25及びこの点での指標27の角度方向を設定し、この測定目標点25に対応する指標27の位置及び角度方向のデータ(設定内容)を表す指標設定指令を指標設定部17に出力すると共に、ステージ移動指令をXYステージ駆動部15に出力するように構成されている。
【0022】
また、輪郭形状測定部19は、画像処理部18から出力される各測定点(測定済みの点)のエッジ座標値と、ステージ位置検出部14から出力される各測定点でのステージ座標値とに基づき各測定点の座標値(測定点座標値)を演算し、その演算結果を測定データテーブル21へ順次出力する測定点座標値演算部20を備えている。この測定点座標値演算部20は、下記の(式1)で表す演算処理を行なう。
(測定点座標値)=(ステージ座標値)+(エッジ座標値×モニタ画面補正値)・・・(式1)
ここで、モニタ画面補正値は、XYステージ5上での寸法とモニタ11の画面11a上での寸法との比である。
【0023】
指標設定部17は、輪郭形状測定部19から出力される指標設定指令により指定されたモニタ画面11a上の位置及び角度方向に指標27を設定させるための指標位置のデータを、画像処理部18へ出力する。
【0024】
測定条件テーブル22には、被検物6の輪郭形状6aの測定開始位置(最初の測定点)及び測定終了位置(最後の測定点)の座標、測定開始位置での測定目標方向、各測定目標点18の間隔(例えば一定間隔で、図7に示す測定ピッチL)、指標エリア方向(図7参照)をそれぞれ表すデータなどを含む測定条件データが格納されている。この測定条件データは、輪郭形状測定部19が、予め入力部23から送信されたデータを受付けて格納しておく。
【0025】
測定データテーブル21には、輪郭形状測定部19から出力される各測定点の座標値(測定点座標値)のデータが格納される。
【0026】
データ出力部16は、測定終了後に測定データテーブル21に格納された測定データ(全測定点の座標値)を画像表示させ(表示部24にデータを表示させる)又は印刷処理を実行する(測定データから予め定められた様式の印刷データを生成し、該印刷データを制御装置12に接続されているプリンタに送信し、印刷処理を実行させる)。
【0027】
また、輪郭形状測定部19は、図5に示すようにバリを有する(又はゴミが付着している)被検物6の輪郭形状を測定する場合、バリ等を無視して被検物6の輪郭形状を測定する機能を有している。この輪郭形状測定部19が有する機能について以下で図6を用いて説明する。
【0028】
図6は、輪郭形状測定部19が行う被検物6の輪郭形状測定処理を説明するための図である。ここで、図示する点26a〜26eは、既に測定された被検物6の画面11a上での測定点を示し、点25は、測定目標点を示すものとする。
また、図示するように被検物6にはバリが付着している。輪郭形状測定部19は、測定点26(26a、26b、26c、26d、26e)に予め定めた演算処理を施し(ここでは、5個の測定点を利用して次に測定する測定目標点を予測する場合を例に説明する)、近似曲線30を求めて、該近似曲線30を用いて、次の測定目標点25を算出する。
【0029】
そして、輪郭形状測定部19は、測定目標点25と指標27を、指標設定部17を介して画像処理部18に送信する。その後、画像処理部18は、指標27内に存在するエッジ29の検出を行ない(本例では、画像処理部18はバリの部分を被検物6の輪郭形状のエッジと認識する)、そのエッジ29のデータを輪郭形状測定部19に送信する。
【0030】
輪郭形状測定部19は、画像処理部18からのエッジ29のデータを受信し、該受信したデータが有効であるか否かを判定する。この有効か否かの判定は、例えば、受信したエッジ座標が測定目標点25から予め定めた特定の距離範囲に属するか否かにより行われる(本例では、図示する有効範囲28(円形で示した部分)にエッジ座標29が属するか否かにより判断する)。
【0031】
そして、本例においては、エッジ座標29が、有効範囲28に属さないため、輪郭形状測定部19は、エッジ座標29を無効なものと判断する。そして、輪郭形状測定部19は、次の測定目標点25´を算出してエッジ座標の計測を行う。このように、本実施形態は、輪郭形状測定部19が、実際に画像処理部18が検出したエッジの有効性の判断を行う。そのため、例えば被検物6にバリ(又はゴミ)が付着して、そのバリを被検物の輪郭形状として検出した場合であっても、その検出したデータを測定点から外すことができ、被検物の正確な輪郭形状を測定することが出来る。
【0032】
なお、上記の制御装置12には、プログラムを実行するCPU(中央演算処理装置)と、CPUが実行するプログラムやデータを一時的に記憶する主記憶装置と、各種プログラム等が予め記憶されているハードディスク等の補助記憶装置と、周辺装置とのデータの送受信の制御を行うインタフェースと、を有する一般的なコンピュータシステムを用いることができる。そして、制御装置12の上記各機能構成は、一般的なコンピュータシステムにおいて、CPUが、補助記憶装置に記憶されている特定のプログラム(OS、データ出力プログラム、指標設定プログラム、輪郭形状測定プログラム、画像処理プログラム)を、主記憶装置にロードし、実行することにより実現される。また、測定データテーブル21及び測定条件テーブル22は補助記憶装置に格納されていることとする。
【0033】
また、入力装置12には、キーボードやマウス等を用いることができる。また、モニタ11には、液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等の一般的なモニタ装置を用いることができる。
【0034】
続いて、輪郭形状測定部19が行う、被検物6のエッジ測定目標点を予測する処理について詳細に説明する。最初に、輪郭形状測定部19は、既に測定された測定点から近似曲線を求める。この近似曲線の算出方法について、本実施形態では、特に限定しない。既に測定している測定点を用いて次に測定する被検物6の輪郭形状のエッジの測定目標点25を求めることができればよい。なお、以下の説明では、測定点P1(P1x、P1y)〜P5(P5x、P5y)の5点を利用して、3次関数の近似曲線を求める場合を例に説明する。また、輪郭形状測定部19は、画像処理部18が検出したエッジ座標を有効なデータと判断した場合、そのデータを有効な測定点として測定条件テーブル22に格納しておくこととする。
【0035】
輪郭形状測定部19は、測定条件テーブル22から読み出したP1〜P5の5点を、3次関数の一般式である以下で示す(式2)にそれぞれ代入する。ここで、P1〜P5の5点は、現測定点から数えて直近の5つ測定点を指すこととする(例えば、図6の例では、測定点26eと、測定点26eから数えて5つの測定点26d、26c、26b、26aの5点)。
Y=aX3+bX2+cX+d・・・(式2)
そして、上記代入の結果、以下で示す(式3)〜(式7)の5式を得ることが出来る。
P1y=a(P1x)3+b(P1x)2+c(P1x)+d・・・(式3)
P2y=a(P2x)3+b(P2x)2+c(P2x)+d・・・(式4)
P3y=a(P3x)3+b(P3x)2+c(P3x)+d・・・(式5)
P4y=a(P4x)3+b(P4x)2+c(P4x)+d・・・(式6)
P5y=a(P5x)3+b(P5x)2+c(P5x)+d・・・(式7)
輪郭形状測定部19は、上記の(式3)〜(式7)の5式から最小二乗法を用いて、3次元関数のパラメータa、b、c、dを算出し、3次元関数の近似曲線を求める(例えば図6の例では、近似曲線30)。
【0036】
続いて、輪郭形状測定部19は、求めた近似曲線を利用して、現在点P(図6の例では、測定点26eを指す。なお、現在点Pの座標をP=(Px、Py)とする。)から予測する測定目標点Q=(Qx、Qy)を以下に示す(式8)〜(式11)に基づいて求める。
【0037】
具体的には、まず輪郭形状測定部19は、測定条件テーブル22から測定目標点Qを求めるために必要なデータ(予め格納されている図7で示す測定ピッチLのデータ等)を読み出す処理を行う。また、現在点P=(Px、Py)のデータを以下で示す(式8)〜(式10)に代入して、Q´=(Q´x、Q´y)を算出する。その後、輪郭形状測定部19は、求めたQ´=(Q´x、Q´y)のデータと現在点P=(Px、Py)との距離Nを、以下で示す(式11)に基づいて算出する。その後、輪郭形状測定部19は、上記算出した距離Nが(式12)を満たすか否かの判断を行い、以下で示す(式12)を満たさない場合は、以下の(式13)に基づいてΔLの値を増加させ、再度、上記同様の(式9)〜(式11)の演算処理を施す。なお、輪郭形状測定部19は、(式12)を具備するまで上記(式9)〜(式11)、(式13)の計算を繰り返し実行する。そして、輪郭形状測定部19は、(式12)を満たしたと判断した場合、その場合のQ´を測定目標点Qと認定する。
ΔL=L/10・・・(式8)
Q´x=Px+ΔL・・・(式9)
Q´y=a(Q´x)3+b(Q´x)2+c(Q´x)+d・・・(式10)
N=‖P−Q´‖・・・(式11)
N≧L・・・(式12)
ΔL=ΔL+L/10・・(式13)
続いて、輪郭形状測定部19が行う、画像処理部18が検出した被検物6のエッジ座標のデータの有効性の判断の処理の詳細な説明を行う。なお、ここでは、画像処理部18が検出したエッジ座標のデータをP´=(P´x、P´y)と置くこととする。輪郭形状測定部19は、画像処理部18が送信するエッジ座標のデータP´を受信した場合、該受信したデータP´が上記予測した測定目標点Q=(Qx、Qy)から特定の距離範囲に入るか否かの判断を、例えば以下の式に基づいて行う。
【0038】
輪郭形状測定部19は、測定条件テーブル22から画像処理部18が検出した被検物6のエッジ座標のデータの有効性の判断に必要なデータを読み出す。そして、輪郭形状測定部19は、上記受付けたデータP´と上記測定目標点Qのデータを以下で示す(式14)に代入し、P´とQの距離Nを求める。そして、輪郭形状測定部19は、上記で求めたNが以下で示す(式15)を満たすか否かを判定し、(式15)を満たしている場合は、P´が有効な測定点(被検物6の画面上でのエッジ座標値)であると判断する。一方、輪郭形状測定部19は、上記判定の結果、(式15)を満たさないと判断した場合(N>2×Lの場合)、測定点P´は無効なものと判断し、上記近似曲線上の次の測定目標点25を算出し(次の測定目標点を算出する処理は後述する)、次の目標点の測定処理を実行する。なお、本実施形態では、測定点P´が有効か否かの判定に、測定ピッチLの2倍以内であるか否かを閾値として用いたが、本実施形態は特にこれに限定しない。前記閾値は、被検物6に応じて最適な値に変更できるものとする。
N=‖P´−Q‖・・・(式14)
N≦2×L・・・(式15)
そして、輪郭形状測定部19の測定点座標値演算部20は、上記P´を有効であると判断した場合は、上記P´のデータとステージ位置検出部14から出力される各測定点でのステージ座標値データとに基づいて各測定点の座標値(測定点座標値)を演算し、その演算結果を測定データテーブル21に順次格納する(なお、輪郭形状測定部19の測定点座標値演算部20は、上記P´を無効であると判断した場合は、上記P´は測定点として扱わない)。
【0039】
このように、本実施形態によれば、被検物のエッジ座標を測定する際に、実際の測定値が正常なものであるか否か(バリやゴミを検出したか否か)の判断を行うことにより、正確な輪郭形状の測定を行うことができる。
【0040】
次に、輪郭形状測定部19が行う、輪郭形状測定処理のフローを説明する。図8は、輪郭形状測定部19の行う被検物6の輪郭形状測定処理のフローを説明する図である。
【0041】
図示するように、最初に、輪郭形状測定部19は、予め測定条件テーブル22に格納されている測定開始位置と測定終了位置の座標値をそれぞれ測定条件テーブル22から取り込む(S100)。
【0042】
次に、輪郭形状測定部19は、ステップ101で取り込んだ測定開始位置を、最初の測定目標点に設定する(S101)。そして、輪郭形状測定部19は、モニタ画面11a上の測定目標点(ここではステップ101で設定された最初の測定目標点)に指標27がくるように指標27を移動させる(S102)。
【0043】
続いて、輪郭形状測定部19は、指標27内にある輪郭形状6aのエッジ点座標を取り込む(S103)。すなわち、輪郭形状測定部19は画像処理部18から出力される最初の測定目標点のエッジ座標値を受信する。その後、輪郭形状測定部19は、検出したエッジ座標を測定条件テーブル22に格納する(S104)。
【0044】
また、輪郭形状測定部19は、S103で取り込んだエッジ座標とステージ位置検出部14から出力されるステージ座標値とに基づき指標27内にある測定点の座標値(測定点座標値:ここでは最初の測定目標点の座標値)を演算する(測定点座標値演算部20で上記(式1)の演算を行なう)。その後、輪郭形状測定部19は、上記演算した最初の測定点の測定点座標値を測定データテーブル21に格納する。
【0045】
続いて、輪郭形状測定部19は、次に測定する目標点の設定を行う。具体的には、輪郭形状測定部19は、測定条件テーブル22に、予め格納されている「2番目の測定目標点」の設定に必要なデータ(最初の測定目標点(測定開始位置)での測定目標方向を示すデータ)を取得する。そして、輪郭形状測定部19は、取得したデータを使って2番目の測定目標点と指標15の角度方向とを設定する(S105)。
【0046】
また、輪郭形状測定部19は、S105で取得した測定目標方向を示すデータに基づいて最初の近似曲線を算出する(S106)。
【0047】
その後、輪郭形状測定部19は、上記ステップ102と同様に、モニタ画面11a上の測定目標点に指標27がくるように指標27を移動させる(S107)。そして、輪郭形状測定部19は、上記ステップ103と同様の処理を行い、指標27内にある輪郭形状6aのエッジ点座標を取り込む(S108)。
【0048】
続いて、輪郭形状測定部19は、取り込んだエッジ点座標が、測定目標点から見て予め定めた有効範囲にあるか否かの判定を行う。この有効範囲の判定方法は特に限定しないが、例えば、上述の(式14)を用いて、取り込んだエッジ座標と測定目標点の距離を算出し、(式15)の要件を具備するか否かにより取り込んだエッジ座標が有効であるか否かを判断する(S110)。
【0049】
そして、輪郭形状測定部19は、エッジ座標が有効であると判断した場合、検出点を測定点として測定条件テーブル22に格納する(S111)。さらに、輪郭形状測定部19は、上記の検出したエッジ座標とステージ位置検出部14から出力されるステージ座標値とに基づき指標27内にある測定点の座標値を演算し、該演算した測定点の測定点座標値を測定データテーブル21に格納する。
【0050】
続いて、輪郭形状測定部19は、測定条件テーブル22に予め定めた近似曲線を作成するために「必要な個数の測定点」が格納されているか否かの判定を行う(S112)。なお、上記の「必要な個数」は、予め定めている近似方法(本実施形態は近似方法を特に限定していない)により異なる(例えば、上述の(式2)で示した3次元関数の近似曲線を求める場合には5個の測定点が必要になる)。
【0051】
そして、輪郭形状測定部19は、近似曲線を求めるために必要な個数の測定点が測定条件テーブル22に格納されていると判断した場合、直前に測定した測定点から数えて、近似に必要な数点の測定点を測定条件テーブル22から読み出し、該読み出した測定点を使用して近似曲線を算出する(S113)。例えば、輪郭形状測定部19は、上述した(式2)に、上記読み出した測定点を代入することにより近似曲線を算出する。
【0052】
その後、輪郭形状測定部19は、上記算出した近似曲線により次の測定目標点を設定する(S114)。
【0053】
一方、輪郭形状測定部19は、S110において、上記エッジ座標が有効ではないと判断した場合、S113と同様に、測定条件テーブル22に予め定めた近似曲線を作成するために「必要な個数の測定点」が格納されているか否かの判定を行う(S116)。なお、S110で有効範囲に属さないと判断されたエッジ座標は、測定条件テーブル22には格納されていない。
【0054】
そして、輪郭形状測定部19は、上記「必要な個数の測定点」が存在すると判断した場合、S113で前回算出した近似曲線と上記予測した測定点(有効範囲に属さないと判断されたエッジ座標は使用しない)に基づいて、次の測定目標点を設定し(S117)、S115の処理に進む。
【0055】
また、S116において、上記「必要な個数の測定点」が存在しない判断した場合、輪郭形状測定部19は、S106で算出した近似曲線と上記予測した測定点(有効範囲に属さないと判断されたエッジ座標は使用しないで)に基づいて、次の目標点を設定し(S118)、S115の処理に進む。
【0056】
また、S112において、上記「必要な個数の測定点」が存在しない判断をした場合、輪郭形状測定部19は、上記のS118の処理に進む。
【0057】
輪郭形状測定部19は、S114、S117、S118のそれぞれの処理が終了した場合、続いて、終了条件を満たしたか否かを判定する。この判定は、ステップ108で設定した次の測定目標点の座標がステップ100で取り込んだ測定終了位置の座標値(最後の測定目標点の座標値)を越えたか否かにより行う(S115)。その結果、輪郭形状測定部19は、終了条件を満たしたと判断した場合、測定動作を終了する。一方、輪郭形状測定部19は、終了条件を満たしていないと判断した場合、S107に戻り測定処理を繰り返し行う。
【0058】
なお、上記の説明で、輪郭形状測定部19の処理終了条件を、上記設定した次の測定目標点の座標がステップ100で取り込んだ測定終了位置の座標値を越えたか否かにより行うこととしているが、本実施形態は特にこれに限定されるものではない。例えば、S115の条件を満足した場合、処理を終了させないで、更にエッジ座標を数点測定(S112、S116に必要な点数分)して終了することとしてもよい(本実施形態は、S112、S116の要件を満足するまでは、測定目標点をS105、106において簡易な近似曲線で設定している。そのため、簡易な近似曲線で測定目標点を求めて測定点を求めた部分を、近似曲線の算出に必要な測定点が揃うS115の時点で再度測定することとしてもよい)。
【0059】
このように本実施形態によれば、被検物のエッジを測定する際に、そのエッジの検出値が予め定めた有効範囲に属するか否かの判断を行っている。そして、検出したエッジが予め定めた有効範囲に属さない場合、検出したエッジは、バリやゴミと認識し、無効な座標測定点とし扱うこととしている。そのため、本実施形態の画像測定機によれば、バリやゴミを無視して被検物の輪郭形状測定を進められるので、正確な被検物の測定を実現することができる。
【0060】
なお、本発明は以上で説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、バリやゴミがあっても被検物の輪郭形状測定を正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像測定機の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る画像測定機の機能構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る画像測定機で使用される被検物を示す平面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る画像測定機のモニタの画面表示例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る画像測定機で使用される被検物を説明するための図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る画像測定機がバリを有する被検物のエッジ検出する場合のモニタの画面表示例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る画像測定機の測定目標点と測定目標方向の設定方法を説明するための図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る画像測定機のエッジ検出処理のフローを説明するための図である。
【符号の説明】
1…測定装置、2…制御ユニット、3…支持体、3a…支持体3のベース部、3b…支持体3の支持部、4…撮像部、5…XYステージ、6…被検物、6a…被検物6の輪郭形状、7…透過照明光学系、8…CCDカメラ、9…落射照明光学系、10…結像光学系、11…モニタ、11a…モニタ画面、12…制御装置、13…入力装置、14…ステージ位置検出部、15…XYステージ駆動部、16…データ出力部、17…指標設定部、18…画像処理部、19…輪郭形状測定部、20…測定点座標演算部、21…測定データテーブル、22…測定条件テーブル、23…入力部、24…表示部、25…測定目標点、26…測定点、27…指標、28…有効範囲、29…エッジ、30…近似曲線
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検物を撮像し、その撮像された画像に基づいて被検物の輪郭形状を求める画像測定機に関する。
【0002】
【従来の技術】
被検物の輪郭形状を高精度に測定する技術に光学測定技術およびコンピュータによる画像処理技術を用いた画像測定機がある。
【0003】
この画像測定機は、例えば、ステージ上に載置された被検物の像を光学系を介し上方から捉え、該捉えた像の光強度分布に応じた電気信号を出力する測定機と、測定機から出力された光強度分布に応じた電気信号を受信し、該受信した電気信号に画像処理を行い、被検物の輪郭形状のエッジを検出し、そのエッジの座標値を表す信号を出力する制御ユニットと、を備え、被検物の輪郭形状の測定を行っている。
【0004】
そして、従来の画像測定機には、測定を行なう際に、直前に検出された測定点のエッジ座標値に基づいて次の測定目標点を予測し、この測定目標点に対して指標の位置と角度方向を設定し、その指標内にある輪郭形状のエッジを検出することを、輪郭形状に沿って繰り返し行なうものがある(例えば特許文献1)。そして、この画像測定機は、検出した輪郭形状のエッジを測定点として取り込み、その取り込んだ測定点に所定の演算処理を施し、各測定点の座標位置を算出している。
【特許文献1】
特開平09−196631号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術は、例えば、バリやゴミが付着している被検物を測定する際、そのバリやゴミを被検物の輪郭形状のエッジ座標と判断し、測定点として取り込むことがある。この場合、その取り込んだ測定点をそのまま用いると、被検物の形状(バリやゴミが付着されていない形状)が正確に測定出来ない場合がある。
【0006】
そこで、本発明は、被検物にバリやゴミが付着している場合であっても、その被検物の輪郭形状を正確に測定する画像測定機を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題の解決のため、請求項1に係る発明は、
被検物を撮像し、光強度分布に応じた電気信号を出力する撮像手段と、前記撮像手段の撮像領域内に設定されるエッジ検出領域内にある前記被検物の輪郭形状のエッジ位置を前記電気信号に基づいて検出するエッジ検出手段と、複数の検出済エッジ位置に基づいてエッジ位置を予測する予測手段と、前記予測手段が予測したエッジ位置に基づいて設定されたエッジ検出領域内から前記エッジ検出手段が検出したエッジ位置が、前記予測手段の予測したエッジ位置から所定値以上離れていた場合に、その検出したエッジ位置を輪郭形状測定の測定点から外す判断手段とを有することを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、
請求項1に記載の画像測定機において、前記予測手段は、前記判断手段が前記エッジ検出手段の検出したエッジ位置を測定点から外す判断をした場合、該検出したエッジ位置を使用しないことを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、
請求項1に記載の画像測定機において、前記予測手段は、前記判断手段が前記エッジ検出手段の検出したエッジ位置を測定点から外す判断をした場合、次のエッジ位置の予測に、該検出したエッジ位置の代わりに前記予測したエッジ位置を使用することを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0011】
先ず、本発明の実施形態が適用された画像測定機の概略について説明する。図1は、本発明の実施形態が適用された画像測定機の概略を示す図である。図示するように、本実施形態の画像測定機は、測定装置1と、制御ユニット2とを有する。また、測定装置1は、支持体3と、支持体3のベース部3aの上に設けられた、被検物6(例えば図3のような被検物)を載置するためのXYステージ5と、支持体3の支持部3bに支持されている撮像部4と、を有する。また、このXYステージ5には、制御ユニット2から出力されるステージ移動指令データを受信し、該受信したステージ移動指令データに基づいて、XYステージを水平2軸方向に駆動させるXYステージ駆動部(図1には図示せず)と、XYステージ5の座標位置を検出し該ステージ座標位置を表すデータを制御ユニット2に出力するステージ位置検出部(図1には図示せず)と、を有する。
【0012】
また、ベース部3aには透過照明光学系7が、撮像部4に落射照明光学系9が、それぞれ設けられている。そして、XYステージ5上に、二次元的な輪郭形状を有し、かつ僅かな厚みを有する被検物6(図3参照)が載置され、ベース部3aに設けられた透過照明光学系7又は、撮像部4に設けられた落射照明光学系9により照明される。また、撮像部4は、上述の落射照明光学系9と、被検物6の像を結像させる光学倍率が可変の結像光学系10と、結像された画像を撮像するCCDカメラ8とを有する。
【0013】
制御ユニット2は、測定装置1を制御し、測定装置1から取得したデータに基づいて被検物の輪郭形状データを計測する処理を行う制御装置12と、制御装置12に接続されたモニタ画面11aを有するモニタ11と、制御装置12に対する各種データの入力を受付ける入力装置13とを有する。
【0014】
上記の構成を備えた画像測定機は、XYステージ5を移動させ、撮像部4で被検物6を撮像する。そして、撮像した被検物6をモニタ11の画面11aに表示し、その画面11a上に表示する被検物6のエッジ座標を検出する。また、制御装置12は、XYステージ5から送信されるXYステージ5のステージ座標位置を示すデータを受信し、該受信したステージ座標位置を示すデータと上記測定したエッジ座標とに基づいて被検物6の測定点の座標置の算出を行う。そして、この被検物6の輪郭形状の測定点の座標値の算出を被検物に対応して順次行い、被検物6全体の測定を行う。
【0015】
また、本実施形態の制御装置12では、画面上のエッジ座標を検出する場合、後述する予め定めた規則に従って検出するエッジ位置を予測するための近似曲線を求め、該近似曲線に基づいてエッジ位置を予測した点である測定目標点を算出する処理を行う。そして、制御装置12は、実際に測定した画面上のエッジ座標が、前記求めた測定目標点から例えば、所定の差以上の距離がある場合、その測定したエッジ座標の値を、輪郭形状測定の測定点から外し、前記近似曲線に基づいて次の測定目標点を算出し、画面上のエッジ座標の測定を行う。このように、本実施形態によれば、被検物のエッジ座標を測定する際に、実際の測定値が正常なものであるか否かの判断を行うことにより、例えば、被検物にバリやゴミが付着している場合、そのバリやゴミを無視した画像測定処理を行うことが出来る(バリやゴミの付着した箇所が被検物全体の形状から不自然に変化している場合に、不自然な形状点を無視した測定が出来る)。すなわち、本実施形態によれば、バリやゴミの影響を無視して被検物の正確な輪郭形状の測定を行うことができる。
【0016】
続いて、本実施形態の画像測定機の機能構成について説明する。図2は、本実施形態の画像測定機の機能構成を示す図である。図示するように、測定装置1は、XYステージ駆動部15と、ステージ位置検出部14と、撮像部4とを有する。XYステージ駆動部15は、制御装置12から送信されるXYステージ5の移動を指示するデータを受信し、該受信した指示データに基づいて、測定装置のXYステージ5の位置を二次元方向に移動させる。このXYステージ駆動部15は、XYステージ5をX軸及びY軸方向にそれぞれ駆動するX軸用モータ及びY軸用モータを有する駆動装置により実現される。
【0017】
また、ステージ位置検出部14は、XYステージ5の座標を検出し、ステージ座標値を表わす信号を制御装置12に出力する。このステージ位置検出部14は、XYステージ5のX軸及びY軸方向の位置をそれぞれ検出するX軸用エンコーダ及びY軸用エンコーダにより実現される。
【0018】
撮像部4は、XYステージ5に載置された被検物6を撮像し、光強度分布に応じた電気信号を制御装置12に送信する。この撮像部4は、上述した落射照明光学系9と、被検物6の像を結像させる光学倍率が可変の結像光学系10と、結像された画像を撮影する一般的なCCDカメラ8と、を有する撮像機構により実現される。
【0019】
続いて、制御装置12と、入力装置13と、モニタ11と、を有する制御ユニット2の機能構成を説明する。制御装置12は、撮像部4から出力される電気信号が入力される画像処理部18と、輪郭形状測定部19と、指標設定部17と、測定データテーブル21と、測定条件テーブル22と、データ出力部16と、を有する。また、制御装置12は、表示部24を有するモニタ11及び入力部23を有する入力装置13に接続されている。
【0020】
画像処理部18は、撮像部4から出力される光強度分布に応じた電気信号を画像処理し、捉えた被検物6の像をモニタ11の画面(図4参照)上に画像として表示させるための画像信号を表示部24に出力する。また、画像処理部18は、指標設定部17から出力される指標位置のデータを受け、エッジの検出領域を示す指標(エッジ検出領域)27(図4参照)をモニタ画面11a上の前記指標位置のデータに対応する位置及び角度方向に表示させるための信号を表示部24に出力する。さらに、画像処理部18は、撮像部4から出力される光強度分布に応じた電気信号を画像処理し、指標27内にある被検物6の輪郭形状のエッジを検出し、該検出したエッジ点29(図4参照)のモニタ画面30内での座標値(エッジ座標値)を被検物6の輪郭形状6aに沿って設定される各測定目標点(これから測定する点)25(図3参照)について順次検出し、各エッジ座標値のデータを輪郭形状測定部19に出力する。
【0021】
輪郭形状測定部19は、被検物6の輪郭形状6aに沿ってある間隔で(例えば一定間隔で)設定される各測定目標点25のエッジ座標値を取り込む輪郭形状測定(スキャニング測定)を実行するように構成されている。輪郭形状測定部19は、輪郭形状測定を行なうために、指標27の移動先である次の測定目標点25及びこの点での指標27の角度方向を設定し、この測定目標点25に対応する指標27の位置及び角度方向のデータ(設定内容)を表す指標設定指令を指標設定部17に出力すると共に、ステージ移動指令をXYステージ駆動部15に出力するように構成されている。
【0022】
また、輪郭形状測定部19は、画像処理部18から出力される各測定点(測定済みの点)のエッジ座標値と、ステージ位置検出部14から出力される各測定点でのステージ座標値とに基づき各測定点の座標値(測定点座標値)を演算し、その演算結果を測定データテーブル21へ順次出力する測定点座標値演算部20を備えている。この測定点座標値演算部20は、下記の(式1)で表す演算処理を行なう。
(測定点座標値)=(ステージ座標値)+(エッジ座標値×モニタ画面補正値)・・・(式1)
ここで、モニタ画面補正値は、XYステージ5上での寸法とモニタ11の画面11a上での寸法との比である。
【0023】
指標設定部17は、輪郭形状測定部19から出力される指標設定指令により指定されたモニタ画面11a上の位置及び角度方向に指標27を設定させるための指標位置のデータを、画像処理部18へ出力する。
【0024】
測定条件テーブル22には、被検物6の輪郭形状6aの測定開始位置(最初の測定点)及び測定終了位置(最後の測定点)の座標、測定開始位置での測定目標方向、各測定目標点18の間隔(例えば一定間隔で、図7に示す測定ピッチL)、指標エリア方向(図7参照)をそれぞれ表すデータなどを含む測定条件データが格納されている。この測定条件データは、輪郭形状測定部19が、予め入力部23から送信されたデータを受付けて格納しておく。
【0025】
測定データテーブル21には、輪郭形状測定部19から出力される各測定点の座標値(測定点座標値)のデータが格納される。
【0026】
データ出力部16は、測定終了後に測定データテーブル21に格納された測定データ(全測定点の座標値)を画像表示させ(表示部24にデータを表示させる)又は印刷処理を実行する(測定データから予め定められた様式の印刷データを生成し、該印刷データを制御装置12に接続されているプリンタに送信し、印刷処理を実行させる)。
【0027】
また、輪郭形状測定部19は、図5に示すようにバリを有する(又はゴミが付着している)被検物6の輪郭形状を測定する場合、バリ等を無視して被検物6の輪郭形状を測定する機能を有している。この輪郭形状測定部19が有する機能について以下で図6を用いて説明する。
【0028】
図6は、輪郭形状測定部19が行う被検物6の輪郭形状測定処理を説明するための図である。ここで、図示する点26a〜26eは、既に測定された被検物6の画面11a上での測定点を示し、点25は、測定目標点を示すものとする。
また、図示するように被検物6にはバリが付着している。輪郭形状測定部19は、測定点26(26a、26b、26c、26d、26e)に予め定めた演算処理を施し(ここでは、5個の測定点を利用して次に測定する測定目標点を予測する場合を例に説明する)、近似曲線30を求めて、該近似曲線30を用いて、次の測定目標点25を算出する。
【0029】
そして、輪郭形状測定部19は、測定目標点25と指標27を、指標設定部17を介して画像処理部18に送信する。その後、画像処理部18は、指標27内に存在するエッジ29の検出を行ない(本例では、画像処理部18はバリの部分を被検物6の輪郭形状のエッジと認識する)、そのエッジ29のデータを輪郭形状測定部19に送信する。
【0030】
輪郭形状測定部19は、画像処理部18からのエッジ29のデータを受信し、該受信したデータが有効であるか否かを判定する。この有効か否かの判定は、例えば、受信したエッジ座標が測定目標点25から予め定めた特定の距離範囲に属するか否かにより行われる(本例では、図示する有効範囲28(円形で示した部分)にエッジ座標29が属するか否かにより判断する)。
【0031】
そして、本例においては、エッジ座標29が、有効範囲28に属さないため、輪郭形状測定部19は、エッジ座標29を無効なものと判断する。そして、輪郭形状測定部19は、次の測定目標点25´を算出してエッジ座標の計測を行う。このように、本実施形態は、輪郭形状測定部19が、実際に画像処理部18が検出したエッジの有効性の判断を行う。そのため、例えば被検物6にバリ(又はゴミ)が付着して、そのバリを被検物の輪郭形状として検出した場合であっても、その検出したデータを測定点から外すことができ、被検物の正確な輪郭形状を測定することが出来る。
【0032】
なお、上記の制御装置12には、プログラムを実行するCPU(中央演算処理装置)と、CPUが実行するプログラムやデータを一時的に記憶する主記憶装置と、各種プログラム等が予め記憶されているハードディスク等の補助記憶装置と、周辺装置とのデータの送受信の制御を行うインタフェースと、を有する一般的なコンピュータシステムを用いることができる。そして、制御装置12の上記各機能構成は、一般的なコンピュータシステムにおいて、CPUが、補助記憶装置に記憶されている特定のプログラム(OS、データ出力プログラム、指標設定プログラム、輪郭形状測定プログラム、画像処理プログラム)を、主記憶装置にロードし、実行することにより実現される。また、測定データテーブル21及び測定条件テーブル22は補助記憶装置に格納されていることとする。
【0033】
また、入力装置12には、キーボードやマウス等を用いることができる。また、モニタ11には、液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等の一般的なモニタ装置を用いることができる。
【0034】
続いて、輪郭形状測定部19が行う、被検物6のエッジ測定目標点を予測する処理について詳細に説明する。最初に、輪郭形状測定部19は、既に測定された測定点から近似曲線を求める。この近似曲線の算出方法について、本実施形態では、特に限定しない。既に測定している測定点を用いて次に測定する被検物6の輪郭形状のエッジの測定目標点25を求めることができればよい。なお、以下の説明では、測定点P1(P1x、P1y)〜P5(P5x、P5y)の5点を利用して、3次関数の近似曲線を求める場合を例に説明する。また、輪郭形状測定部19は、画像処理部18が検出したエッジ座標を有効なデータと判断した場合、そのデータを有効な測定点として測定条件テーブル22に格納しておくこととする。
【0035】
輪郭形状測定部19は、測定条件テーブル22から読み出したP1〜P5の5点を、3次関数の一般式である以下で示す(式2)にそれぞれ代入する。ここで、P1〜P5の5点は、現測定点から数えて直近の5つ測定点を指すこととする(例えば、図6の例では、測定点26eと、測定点26eから数えて5つの測定点26d、26c、26b、26aの5点)。
Y=aX3+bX2+cX+d・・・(式2)
そして、上記代入の結果、以下で示す(式3)〜(式7)の5式を得ることが出来る。
P1y=a(P1x)3+b(P1x)2+c(P1x)+d・・・(式3)
P2y=a(P2x)3+b(P2x)2+c(P2x)+d・・・(式4)
P3y=a(P3x)3+b(P3x)2+c(P3x)+d・・・(式5)
P4y=a(P4x)3+b(P4x)2+c(P4x)+d・・・(式6)
P5y=a(P5x)3+b(P5x)2+c(P5x)+d・・・(式7)
輪郭形状測定部19は、上記の(式3)〜(式7)の5式から最小二乗法を用いて、3次元関数のパラメータa、b、c、dを算出し、3次元関数の近似曲線を求める(例えば図6の例では、近似曲線30)。
【0036】
続いて、輪郭形状測定部19は、求めた近似曲線を利用して、現在点P(図6の例では、測定点26eを指す。なお、現在点Pの座標をP=(Px、Py)とする。)から予測する測定目標点Q=(Qx、Qy)を以下に示す(式8)〜(式11)に基づいて求める。
【0037】
具体的には、まず輪郭形状測定部19は、測定条件テーブル22から測定目標点Qを求めるために必要なデータ(予め格納されている図7で示す測定ピッチLのデータ等)を読み出す処理を行う。また、現在点P=(Px、Py)のデータを以下で示す(式8)〜(式10)に代入して、Q´=(Q´x、Q´y)を算出する。その後、輪郭形状測定部19は、求めたQ´=(Q´x、Q´y)のデータと現在点P=(Px、Py)との距離Nを、以下で示す(式11)に基づいて算出する。その後、輪郭形状測定部19は、上記算出した距離Nが(式12)を満たすか否かの判断を行い、以下で示す(式12)を満たさない場合は、以下の(式13)に基づいてΔLの値を増加させ、再度、上記同様の(式9)〜(式11)の演算処理を施す。なお、輪郭形状測定部19は、(式12)を具備するまで上記(式9)〜(式11)、(式13)の計算を繰り返し実行する。そして、輪郭形状測定部19は、(式12)を満たしたと判断した場合、その場合のQ´を測定目標点Qと認定する。
ΔL=L/10・・・(式8)
Q´x=Px+ΔL・・・(式9)
Q´y=a(Q´x)3+b(Q´x)2+c(Q´x)+d・・・(式10)
N=‖P−Q´‖・・・(式11)
N≧L・・・(式12)
ΔL=ΔL+L/10・・(式13)
続いて、輪郭形状測定部19が行う、画像処理部18が検出した被検物6のエッジ座標のデータの有効性の判断の処理の詳細な説明を行う。なお、ここでは、画像処理部18が検出したエッジ座標のデータをP´=(P´x、P´y)と置くこととする。輪郭形状測定部19は、画像処理部18が送信するエッジ座標のデータP´を受信した場合、該受信したデータP´が上記予測した測定目標点Q=(Qx、Qy)から特定の距離範囲に入るか否かの判断を、例えば以下の式に基づいて行う。
【0038】
輪郭形状測定部19は、測定条件テーブル22から画像処理部18が検出した被検物6のエッジ座標のデータの有効性の判断に必要なデータを読み出す。そして、輪郭形状測定部19は、上記受付けたデータP´と上記測定目標点Qのデータを以下で示す(式14)に代入し、P´とQの距離Nを求める。そして、輪郭形状測定部19は、上記で求めたNが以下で示す(式15)を満たすか否かを判定し、(式15)を満たしている場合は、P´が有効な測定点(被検物6の画面上でのエッジ座標値)であると判断する。一方、輪郭形状測定部19は、上記判定の結果、(式15)を満たさないと判断した場合(N>2×Lの場合)、測定点P´は無効なものと判断し、上記近似曲線上の次の測定目標点25を算出し(次の測定目標点を算出する処理は後述する)、次の目標点の測定処理を実行する。なお、本実施形態では、測定点P´が有効か否かの判定に、測定ピッチLの2倍以内であるか否かを閾値として用いたが、本実施形態は特にこれに限定しない。前記閾値は、被検物6に応じて最適な値に変更できるものとする。
N=‖P´−Q‖・・・(式14)
N≦2×L・・・(式15)
そして、輪郭形状測定部19の測定点座標値演算部20は、上記P´を有効であると判断した場合は、上記P´のデータとステージ位置検出部14から出力される各測定点でのステージ座標値データとに基づいて各測定点の座標値(測定点座標値)を演算し、その演算結果を測定データテーブル21に順次格納する(なお、輪郭形状測定部19の測定点座標値演算部20は、上記P´を無効であると判断した場合は、上記P´は測定点として扱わない)。
【0039】
このように、本実施形態によれば、被検物のエッジ座標を測定する際に、実際の測定値が正常なものであるか否か(バリやゴミを検出したか否か)の判断を行うことにより、正確な輪郭形状の測定を行うことができる。
【0040】
次に、輪郭形状測定部19が行う、輪郭形状測定処理のフローを説明する。図8は、輪郭形状測定部19の行う被検物6の輪郭形状測定処理のフローを説明する図である。
【0041】
図示するように、最初に、輪郭形状測定部19は、予め測定条件テーブル22に格納されている測定開始位置と測定終了位置の座標値をそれぞれ測定条件テーブル22から取り込む(S100)。
【0042】
次に、輪郭形状測定部19は、ステップ101で取り込んだ測定開始位置を、最初の測定目標点に設定する(S101)。そして、輪郭形状測定部19は、モニタ画面11a上の測定目標点(ここではステップ101で設定された最初の測定目標点)に指標27がくるように指標27を移動させる(S102)。
【0043】
続いて、輪郭形状測定部19は、指標27内にある輪郭形状6aのエッジ点座標を取り込む(S103)。すなわち、輪郭形状測定部19は画像処理部18から出力される最初の測定目標点のエッジ座標値を受信する。その後、輪郭形状測定部19は、検出したエッジ座標を測定条件テーブル22に格納する(S104)。
【0044】
また、輪郭形状測定部19は、S103で取り込んだエッジ座標とステージ位置検出部14から出力されるステージ座標値とに基づき指標27内にある測定点の座標値(測定点座標値:ここでは最初の測定目標点の座標値)を演算する(測定点座標値演算部20で上記(式1)の演算を行なう)。その後、輪郭形状測定部19は、上記演算した最初の測定点の測定点座標値を測定データテーブル21に格納する。
【0045】
続いて、輪郭形状測定部19は、次に測定する目標点の設定を行う。具体的には、輪郭形状測定部19は、測定条件テーブル22に、予め格納されている「2番目の測定目標点」の設定に必要なデータ(最初の測定目標点(測定開始位置)での測定目標方向を示すデータ)を取得する。そして、輪郭形状測定部19は、取得したデータを使って2番目の測定目標点と指標15の角度方向とを設定する(S105)。
【0046】
また、輪郭形状測定部19は、S105で取得した測定目標方向を示すデータに基づいて最初の近似曲線を算出する(S106)。
【0047】
その後、輪郭形状測定部19は、上記ステップ102と同様に、モニタ画面11a上の測定目標点に指標27がくるように指標27を移動させる(S107)。そして、輪郭形状測定部19は、上記ステップ103と同様の処理を行い、指標27内にある輪郭形状6aのエッジ点座標を取り込む(S108)。
【0048】
続いて、輪郭形状測定部19は、取り込んだエッジ点座標が、測定目標点から見て予め定めた有効範囲にあるか否かの判定を行う。この有効範囲の判定方法は特に限定しないが、例えば、上述の(式14)を用いて、取り込んだエッジ座標と測定目標点の距離を算出し、(式15)の要件を具備するか否かにより取り込んだエッジ座標が有効であるか否かを判断する(S110)。
【0049】
そして、輪郭形状測定部19は、エッジ座標が有効であると判断した場合、検出点を測定点として測定条件テーブル22に格納する(S111)。さらに、輪郭形状測定部19は、上記の検出したエッジ座標とステージ位置検出部14から出力されるステージ座標値とに基づき指標27内にある測定点の座標値を演算し、該演算した測定点の測定点座標値を測定データテーブル21に格納する。
【0050】
続いて、輪郭形状測定部19は、測定条件テーブル22に予め定めた近似曲線を作成するために「必要な個数の測定点」が格納されているか否かの判定を行う(S112)。なお、上記の「必要な個数」は、予め定めている近似方法(本実施形態は近似方法を特に限定していない)により異なる(例えば、上述の(式2)で示した3次元関数の近似曲線を求める場合には5個の測定点が必要になる)。
【0051】
そして、輪郭形状測定部19は、近似曲線を求めるために必要な個数の測定点が測定条件テーブル22に格納されていると判断した場合、直前に測定した測定点から数えて、近似に必要な数点の測定点を測定条件テーブル22から読み出し、該読み出した測定点を使用して近似曲線を算出する(S113)。例えば、輪郭形状測定部19は、上述した(式2)に、上記読み出した測定点を代入することにより近似曲線を算出する。
【0052】
その後、輪郭形状測定部19は、上記算出した近似曲線により次の測定目標点を設定する(S114)。
【0053】
一方、輪郭形状測定部19は、S110において、上記エッジ座標が有効ではないと判断した場合、S113と同様に、測定条件テーブル22に予め定めた近似曲線を作成するために「必要な個数の測定点」が格納されているか否かの判定を行う(S116)。なお、S110で有効範囲に属さないと判断されたエッジ座標は、測定条件テーブル22には格納されていない。
【0054】
そして、輪郭形状測定部19は、上記「必要な個数の測定点」が存在すると判断した場合、S113で前回算出した近似曲線と上記予測した測定点(有効範囲に属さないと判断されたエッジ座標は使用しない)に基づいて、次の測定目標点を設定し(S117)、S115の処理に進む。
【0055】
また、S116において、上記「必要な個数の測定点」が存在しない判断した場合、輪郭形状測定部19は、S106で算出した近似曲線と上記予測した測定点(有効範囲に属さないと判断されたエッジ座標は使用しないで)に基づいて、次の目標点を設定し(S118)、S115の処理に進む。
【0056】
また、S112において、上記「必要な個数の測定点」が存在しない判断をした場合、輪郭形状測定部19は、上記のS118の処理に進む。
【0057】
輪郭形状測定部19は、S114、S117、S118のそれぞれの処理が終了した場合、続いて、終了条件を満たしたか否かを判定する。この判定は、ステップ108で設定した次の測定目標点の座標がステップ100で取り込んだ測定終了位置の座標値(最後の測定目標点の座標値)を越えたか否かにより行う(S115)。その結果、輪郭形状測定部19は、終了条件を満たしたと判断した場合、測定動作を終了する。一方、輪郭形状測定部19は、終了条件を満たしていないと判断した場合、S107に戻り測定処理を繰り返し行う。
【0058】
なお、上記の説明で、輪郭形状測定部19の処理終了条件を、上記設定した次の測定目標点の座標がステップ100で取り込んだ測定終了位置の座標値を越えたか否かにより行うこととしているが、本実施形態は特にこれに限定されるものではない。例えば、S115の条件を満足した場合、処理を終了させないで、更にエッジ座標を数点測定(S112、S116に必要な点数分)して終了することとしてもよい(本実施形態は、S112、S116の要件を満足するまでは、測定目標点をS105、106において簡易な近似曲線で設定している。そのため、簡易な近似曲線で測定目標点を求めて測定点を求めた部分を、近似曲線の算出に必要な測定点が揃うS115の時点で再度測定することとしてもよい)。
【0059】
このように本実施形態によれば、被検物のエッジを測定する際に、そのエッジの検出値が予め定めた有効範囲に属するか否かの判断を行っている。そして、検出したエッジが予め定めた有効範囲に属さない場合、検出したエッジは、バリやゴミと認識し、無効な座標測定点とし扱うこととしている。そのため、本実施形態の画像測定機によれば、バリやゴミを無視して被検物の輪郭形状測定を進められるので、正確な被検物の測定を実現することができる。
【0060】
なお、本発明は以上で説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、バリやゴミがあっても被検物の輪郭形状測定を正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る画像測定機の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る画像測定機の機能構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る画像測定機で使用される被検物を示す平面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る画像測定機のモニタの画面表示例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る画像測定機で使用される被検物を説明するための図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る画像測定機がバリを有する被検物のエッジ検出する場合のモニタの画面表示例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る画像測定機の測定目標点と測定目標方向の設定方法を説明するための図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る画像測定機のエッジ検出処理のフローを説明するための図である。
【符号の説明】
1…測定装置、2…制御ユニット、3…支持体、3a…支持体3のベース部、3b…支持体3の支持部、4…撮像部、5…XYステージ、6…被検物、6a…被検物6の輪郭形状、7…透過照明光学系、8…CCDカメラ、9…落射照明光学系、10…結像光学系、11…モニタ、11a…モニタ画面、12…制御装置、13…入力装置、14…ステージ位置検出部、15…XYステージ駆動部、16…データ出力部、17…指標設定部、18…画像処理部、19…輪郭形状測定部、20…測定点座標演算部、21…測定データテーブル、22…測定条件テーブル、23…入力部、24…表示部、25…測定目標点、26…測定点、27…指標、28…有効範囲、29…エッジ、30…近似曲線
Claims (3)
- 被検物を撮像し、光強度分布に応じた電気信号を出力する撮像手段と、
前記撮像手段の撮像領域内に設定されるエッジ検出領域内にある前記被検物の輪郭形状のエッジ位置を前記電気信号に基づいて検出するエッジ検出手段と、
複数の検出済エッジ位置に基づいてエッジ位置を予測する予測手段と、
前記予測手段が予測したエッジ位置に基づいて設定されたエッジ検出領域内から前記エッジ検出手段が検出したエッジ位置が、前記予測手段の予測したエッジ位置から所定値以上離れていた場合に、その検出したエッジ位置を輪郭形状測定の測定点から外す判断手段と、を有すること
を特徴とする画像測定機。 - 請求項1に記載の画像測定機において、
前記予測手段は、前記判断手段が前記エッジ検出手段の検出したエッジ位置を測定点から外す判断をした場合、該検出したエッジ位置を使用しないこと
を特徴とする画像測定機。 - 請求項1に記載の画像測定機において、
前記予測手段は、前記判断手段が前記エッジ検出手段の検出したエッジ位置を測定点から外す判断をした場合、次のエッジ位置の予測に、該検出したエッジ位置の代わりに前記予測したエッジ位置を使用すること
を特徴とする画像測定機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002367176A JP2004198258A (ja) | 2002-12-18 | 2002-12-18 | 画像測定機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002367176A JP2004198258A (ja) | 2002-12-18 | 2002-12-18 | 画像測定機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004198258A true JP2004198258A (ja) | 2004-07-15 |
Family
ID=32764157
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002367176A Pending JP2004198258A (ja) | 2002-12-18 | 2002-12-18 | 画像測定機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004198258A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009186338A (ja) * | 2008-02-07 | 2009-08-20 | Keyence Corp | 欠陥検出装置、欠陥検出方法及びコンピュータプログラム |
-
2002
- 2002-12-18 JP JP2002367176A patent/JP2004198258A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009186338A (ja) * | 2008-02-07 | 2009-08-20 | Keyence Corp | 欠陥検出装置、欠陥検出方法及びコンピュータプログラム |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5095644B2 (ja) | 画像計測装置及びコンピュータプログラム | |
JPH0475359A (ja) | コプラナリティ測定方法及びその装置 | |
JPH09196631A (ja) | 画像測定機 | |
KR101342523B1 (ko) | 위치 측정 장치 및 위치 측정 방법 | |
JP2019190969A (ja) | 画像処理装置、画像処理方法 | |
JP6599698B2 (ja) | 画像測定装置及びその制御プログラム | |
JP3887807B2 (ja) | 画像計測装置 | |
JP3673076B2 (ja) | 画像機器のフォーカス調整装置 | |
JP2000205821A (ja) | 三次元形状計測装置及びその三次元形状計測方法 | |
JP2004198258A (ja) | 画像測定機 | |
CN114518217A (zh) | 镜头间中心距离确定方法、显微镜控制设备及存储介质 | |
US20080008381A1 (en) | Coordinate acquisition apparatus for test of printed board, and coordinate acquisition method and program for test thereof | |
JP3508368B2 (ja) | 画像測定機 | |
JP4401126B2 (ja) | 寸法測定装置の所定部位登録方法 | |
JP6202875B2 (ja) | 画像測定装置及びその制御用プログラム | |
JP3519296B2 (ja) | 熱画像の自動測定方法及び自動測定装置 | |
JP3608932B2 (ja) | 画像測定方法及び装置 | |
JP2014197004A (ja) | 画像計測装置 | |
JP3446020B2 (ja) | 形状計測方法 | |
JP3595015B2 (ja) | 画像の重心位置検出方法 | |
JP2013029518A (ja) | 画像計測装置及びコンピュータプログラム | |
JP4513062B2 (ja) | 画像測定機 | |
JPH09189512A (ja) | 画像測定機 | |
JP4843394B2 (ja) | 角膜内皮細胞画像処理装置及び角膜内皮細胞画像処理プログラム | |
JP4320796B2 (ja) | パターン位置測定装置 |