JP2004198039A - 空気調和システム及び個室ユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】床暖房手段1と、天井2側から床面3に向けて給気する給気手段4とを備える。床暖房手段1からの暖気と、給気手段4からの給気とで空気調和空間を形成する。空気調和空間に配置した机11の天板12の下方において天板手前から天板奥側へと排気を流して空気調和空間から排出する排気口16を設けた。排気口16を机11の天板12よりも下方位置に設けた。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気調和システム及び個室ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
机に向かって仕事等を行う場合、足元が暖かく、頭が冷たい状態、つまり頭寒足熱状態が最も仕事がはかどる。そして、頭寒足熱状態を形成するものとして、従来から、個室の天井に冷暖房ユニットを組み込み、さらに、個室の床等に加熱器を設けた冷暖房装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この冷暖房装置は、例えば、夏季においては、天井側の冷暖房ユニットから冷却された調温空気が下方に向かって吹き出され、床等から加熱器の輻射熱にて微弱の暖房が行われる。これによって、天井側からの気流による空調と、床等からの輻射による空調とで個室内が空調される。この際、使用者は、頭部側が冷却された調温空気にて冷やされて、足元が床等からの輻射により暖められ、頭寒足熱状態となるようにしている。また、冬季においては、天井側の冷暖房ユニットから加熱された調温空気が下方に向かって吹き出され、床等から加熱器の輻射熱にて暖房が行われる。この際、冷暖房ユニットからは微弱の送風とされ、この冬季においても使用者は頭寒足熱状態となるようにしている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−264058号公報(第2−4頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、一般には、暖かい空気は上昇し、冷たい空気は下降する。このため、床等からの輻射による熱気が次第に上昇して、使用者の上半身を暖めることになる。従って、頭寒足熱状態を形成できたとしても、熱気が次第に上昇して、頭寒足熱状態を維持することができなくなる。しかも、天井側からの気流によって、個室内に対流が生じ、これによって、使用者の頭部に暖気が直接的に当る場合もある。このようなとき、特に使用者の顔に暖気が直接的に当る場合には、使用者は大きな不快感を感じることになる。
【0006】
この発明は、上記従来の欠点を解決するためになされたものであって、その目的は、机に向かって仕事等を行う場合に、使用者に対しては顔に暖気が当らず、しかも、足元が温かくかつ天井からは床面に向けて給気されて頭部が涼しい頭寒足熱状態を維持できる空気調和システム及び個室ユニットを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、請求項1の空気調和システムは、床暖房手段1と、天井2側から床面3に向けて給気する給気手段4とを備え、上記床暖房手段1からの暖気と、上記給気手段4からの給気とで空気調和空間を形成する空気調和システムであって、上記空気調和空間に配置した机11の天板12の下方において天板手前から天板奥側へと排気を流して上記空気調和空間から排出する排気口16を設けたことを特徴としている。
【0008】
上記請求項1の空気調和システムでは、床暖房手段1から暖気と、天井2側から床面3に向けての給気手段4の給気にて、空気調和空間を形成することによって、机11に向かって仕事等をする使用者は、足元が暖かく、天井2からは床面3に向けて給気されて、頭寒足熱状態となる。そして、排気口16を設けたことによって、机11の天板12の下方において天板手前から天板奥側へと排気を流して上記空気調和空間から排出することができる。これによって、床暖房手段1からの暖気が天板奥側から天板手前へと流れず、天板手前から使用者に向かって暖気が上昇するのを防止することができる。
【0009】
請求項2の空気調和システムは、上記給気手段4による給気を冷却する冷却手段10を設けたことを特徴としている。
【0010】
上記請求項2の空気調和システムでは、給気手段4の給気が冷却されているので、冷気が天井側から床面に下降することになって、夏場等において頭部側を冷やして能率よく仕事等を行うことができる。
【0011】
請求項3の空気調和システムは、上記排気口16を上記机11の天板12よりも下方位置に設けたことを特徴としている。
【0012】
上記請求項3の空気調和システムでは、排気口16を上記机11の天板12よりも下方位置に設けたことにより、机11の天板12の下方において天板手前から天板奥側へと排気を確実に流すことができる。これにより、机11に向かって仕事等をする使用者に対して、天板手前から使用者に向かって暖気が上昇するのを確実に防止することができる。
【0013】
請求項4の空気調和システムは、上記空気調和空間に照明器25等の発熱体26が配置されており、この発熱体26からの熱気をこの空気調和空間から排出する排熱口27を設けたことを特徴としている。
【0014】
請求項4の空気調和システムでは、照明器25等の発熱体26からの熱気を排熱口27を介して空気調和空間から排出することができるので、机11に向かって仕事等をする使用者に対するこの熱気による不快感等の影響を防止することができる。
【0015】
請求項5の空気調和システムは、上記排熱口27と上記排気口16とが共通することを特徴としている。
【0016】
上記請求項5の空気調和システムでは、照明器25等の発熱体26からの熱気を空気調和空間から排出する排熱口27と、天板手前から天板奥側へと排気を流して空気調和空間から排出する排気口16とが共通であるので、この空気調和システムの施工の簡略化を図ることができる。
【0017】
請求項6の空気調和システムは、上記床暖房手段1の暖房能力及び給気手段4の給気能力を調整して、空気調和空間の上下方向温度分布を制御する制御手段20を設けたことを特徴としている。
【0018】
上記請求項6の空気調和システムでは、制御手段20にて、空気調和空間の上下方向温度分布を制御することができるので、使用者の好みや、季節等によって、空気調和空間を種々の上下方向温度分布に形成することができる。
【0019】
請求項7の個室ユニットは、床暖房手段1と、天井2側から床面3に向けて給気する給気手段4とを備え、上記床暖房手段1からの暖気と、上記給気手段4からの給気とで室内を空気調和空間とする個室ユニットであって、上記室内に机11を配置すると共に、上記机11の天板12の下方において天板手前から天板奥側へと排気を流して室外へ排出する排気口16を、個室側壁13に設けたことを特徴としている。
【0020】
上記請求項7の個室ユニットでは、床暖房手段1から暖気と、天井2側から床面3に向けての給気手段4の給気にて、室内を空気調和空間に形成することによって、机11に向かって仕事等をする使用者は、足元が暖かく、天井2からは床面3に向けて給気されて、頭寒足熱状態となる。そして、排気口16を設けたことによって、机11の天板12の下方において天板手前から天板奥側へと排気を流して室外へ排出することができる。これによって、床暖房手段1かの暖気が天板奥側から天板手前へと流れず、天板手前から使用者に向かって暖気が上昇するのを防止することができる。
【0021】
請求項8の個室ユニットは、上記給気手段4による給気を冷却する冷却手段10を設けたことを特徴としている。
【0022】
上記請求項8の個室ユニットでは、給気手段4の給気が冷却されているので、冷気が天井2側から床面3に下降することになって、夏場等において頭部側を冷やして能率よく仕事等を行うことができる。
【0023】
請求項9の個室ユニットは、上記排気口16を、上記机11の天板12よりも下方位置において、個室側壁13に設けたことを特徴としている。
【0024】
請求項9の個室ユニットでは、排気口16を上記机11の天板12よりも下方位置に設けたことにより、机11の天板12の下方において天板手前から天板奥側へと排気を確実に流すことができる。これにより、机11に向かって仕事等をする使用者に対して、天板手前から使用者に向かって暖気が上昇するのを確実に防止することができる。
【0025】
請求項10の個室ユニットは、上記室内に照明器25等の発熱体26が配置されており、この発熱体26からの熱気を室外へ排出する排熱口27を、個室側壁13に設けたことを特徴としている。
【0026】
上記請求項10の個室ユニットでは、照明器25等の発熱体26からの熱気を排熱口27を介して室外へ排出することができるので、机11に向かって仕事等をする使用者に対するこの熱気による不快感等の影響を防止することができる。
【0027】
請求項11の個室ユニットは、上記排熱口27と上記排気口16とが共通することを特徴としている。
【0028】
上記請求項11の個室ユニットでは、照明器25等の発熱体26からの熱気を室外へ排出する排熱口27と、天板手前から天板奥側へと排気を流して室外へ排出する排気口16とが共通であるので、この個室ユニットの施工の簡略化を図ることができる。
【0029】
請求項12の個室ユニットは、上記床暖房手段1の暖房能力及び給気手段4の給気能力を調整して、室内の上下方向温度分布を制御する制御手段20を設けたことを特徴としている。
【0030】
上記請求項12の個室ユニットでは、制御手段20にて、室内の上下方向温度分布を制御することができるので、使用者の好みや、季節等によって、室内を種々の上下方向温度分布に形成することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の空気調和システム及び個室ユニットの具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は空気調和システムを使用した個室ユニットの全体簡略図を示し、図2は個室ユニットの個室5の斜視図を示している。空気調和システムは、図1に示すように、床暖房手段1と、天井2側から床面3に向けて給気する給気手段4とを備え、上記床暖房手段1からの暖気と、上記給気手段4からの給気とで空気調和空間を形成するものであり、個室ユニットは、個室5と、この個室5に空気調和システムを配置したものであって、個室内(室内)を上記空気調和空間に形成することができるようにしている。
【0032】
床暖房手段1は、この場合、温水床暖房パネル、電気ヒータパネル等からなる輻射パネル(図示省略)を備え、この輻射パネルが床内部に配設され、床面3を暖めて、暖気を上昇させることができる。また、給気手段4は給気ファン7を備え、この給気ファン7の駆動により、天井2に設けた吹出口8を介して室内へ給気する。なお、吹出口8には、給気方向変換用の羽根部材(フラップ)(図示省略)が設けられている。
【0033】
また、給気手段4の給気は冷却手段10にて冷却することができる。この場合、冷却手段10としては、例えば、ペルチェ素子を利用した冷却器を使用することができ、さらには、ヒートポンプ式冷暖房機の蒸発器として機能する熱交換器等を使用することができる。このように、冷却手段10を使用すれば、冷却した空気を室内へ給気することができる。
【0034】
そして、図2に示すように、個室5には机11が設置され、利用者Mはこの机11に向かって仕事や勉強を行うように設定される。この場合、机11は、天板12とこれと支持する脚部材15、15とからなる。この際、天板12は、4つの個室側壁13a、13b、13c、13dのうちの一つの個室側壁(第1個室側壁13a)に天板後端縁14が接触するように水平状に配置される。なお、他の個室側壁(第2個室側壁13b)には、出入口18が形成され、この出入口18にドア19が装着されている。
【0035】
そして、この机11の天板12よりも下方において、上記第1個室側壁13aに、排気口16が開設されている。この排気口16から、床暖房手段1の床面3からの暖気を室外へ排出することができる。すなわち、図1に示すように、給気手段4から矢印Aのように室内へ給気することによって、それに応じた量の空気が排気口16を介して矢印Bのように室外へ排出されることになる。この際、机11の天板12の下方において天板手前から天板奥側へと矢印Cのように排気を流して室外へ排出することになる。このため、床暖房手段1からの暖気が天板奥側から天板手前へと流れるの防止することができ、この机11に向かって椅子17(図2参照)に座っている使用者Mと、天板12との間の隙間から暖気が上昇するのを防止することができる。また、使用者Mの足元には暖たまりが形成される。
【0036】
ところで、この空気調和システムは、床暖房手段1の暖房能力、給気手段4の給気能力、及び冷却手段10の冷却能力を調整して、空気調和空間の上下方向温度分布を制御する制御手段(コントローラ)20を備えている。すなわち、床暖房手段1は、輻射パネルの発熱温度を調整してその暖房能力を調整でき、給気手段4は、給気量や給気温度を調整して給気能力を調整でき、冷却手段10は、冷却温度や給気手段4への供給量を調整して冷却能力を調整できる。このため、制御手段20から床暖房手段1の能力調整部1a、給気手段4の能力調整部4a、及び冷却手段10の能力調整部10aに変更指令信号を入力し、これによって、床暖房手段1の暖房能力や給気手段4の給気能力や冷却手段10の冷却能力を変更して、この室内(空気調和空間)の上下方向温度分布を調整することができる。なお、制御手段20はマイクロコンピュータ等にて構成することができ、その操作部20aが机11に置かれている。また、制御手段20としては、図1に示すようなパーソナルコンピュータ(パソコン)22にて構成することもできる。
【0037】
具体的には、床暖房手段1の暖房能力と給気手段4の給気能力と冷却手段10の冷却能力に応じて形成される種々の上下温度分布のデータを予め測定しておき、これらのデータを制御手段20に入力し、床暖房手段1の暖房能力と給気手段4の給気能力と冷却手段10の冷却能力、さらには、室内の所定位置の温度(例えば、机11の天板12上の温度)に基づいて、上記予め測定した上下温度分布のデータから、現在の上下温度分布を決定し、この現在の上下温度分布を、例えば、図3(a)に示すような等温線L・・が表示されるパネル21にて示すことができる。この場合、パネル21を液晶パネルとして、指やペン等でこのパネル21の表面をタッチ(接触)することによって、図3(b)に示すように、このパネル21上の等温線Lの位置を変えることができる。すなわち、このパネル21はいわゆるタッチパネル方式の入力手段を構成している。そして、パネル21の温度分布が変更されれば、この変更された分布となるように、床暖房手段1の暖房能力と給気手段4の給気能力と冷却手段10の冷却能力とが調整される。この場合、机に向かって仕事等をする使用者Mの位置(座位)を、図示省略の検出センサ(位置検出センサ)等にて検出して、この座位に応じて、制御手段20は、吹出口8に付設されたフラップの位置を調整して給気方向を変更することができる。また、上記パネル21は、例えば、机11に置かれるパソコン22のモニター23にて構成することができるが、もちろん別途、独立したものであってもよい。また、制御手段20の操作部20aに、このようなタッチパネル方式の入力手段を設けるようにしてもよく、さらに、入力方式としてはタッチパネル方式に限るものではなく、押し釦やダイヤル等のスイッチ方式であってもよい。なお、図1において、図3(a)(b)に示される等温線Lを二点鎖線で示している。
【0038】
ところで、個室ユニットを形成する場合、天井2と、床面3と、これらを連結する個室側壁13・・(図例では4枚)とで構成される個室5に、空気調和システムを組み込めばよいので、このような空気調和システムを具備しない個室5に、この空気調和システムを組み込むことによって個室ユニットとすることができる。また、ビル等の大きい空間を仕切ることによって、天井2と、床面3と、これらを連結する個室側壁13・・からなる個室5を形成し、これを個室ユニットとすることができる。
【0039】
上記空気調和システム及びこの空気調和システムを使用した個室ユニットは、床暖房手段1から暖気と、天井2側から床面3に向けての給気手段4の給気にて、空気調和空間を形成することによって、机11に向かって仕事等をする使用者Mは、足元が暖かく、天井11からは床面3に向けて給気されて、頭寒足熱状態となる。そして、排気口16を設けたことによって、机11の天板12の下方において天板手前から天板奥側へと排気を流して空気調和空間(室内)から排出することができる。これによって、床暖房手段1からの暖気が天板奥側から天板手前へと流れず、天板手前から使用者Mに向かって暖気が上昇するのを防止することができる。このため、使用者の顔には暖気が当らず、不快感が発生せず快適に過ごすことができる。
【0040】
また、給気手段4の給気が冷却手段10にて冷却されているので、冷気が天井2側から床面3に下降することになって、夏場等において頭部側を冷やして能率よく仕事等を行うことができる。さらに、排気口16を上記机11の天板12よりも下方位置に設けたことにより、机11の天板12の下方において天板手前から天板奥側へと排気を確実に流すことができる。しかも、空気調和空間(室内)の上下方向温度分布を制御することができるので、利用者Mの希望する上下方向温度分布とすることができ、利用者は一層快適に過ごすことができ、仕事や勉強がはかどることになる。また、この実施の形態のように、タッチパネル方式を使用することによって、簡単に温度分布を変更すすることができる。
【0041】
なお、排気口16に排気用ファンを付設することも可能であり、排気用ファンを付設すれば、安定した排気を行うことができる。また、給気側に給気ファン7を設け、排気側に排気用ファンを設けたことにより、室内に対する給排気制御が行い易い利点がある。そして、排気口16に排気用ファンを設ければ、上下温度分布を変更する際に、この排気用ファンの回転数も制御するようにするのが好ましい。
【0042】
ところで、机11に向かって仕事等を行う場合、図4に示すように、この机11の天板12に上面を照らす照明器25が配置される場合がある。このような場合には、照明器25は発熱体26となるので、この発熱体26からの熱気をこの空気調和空間(室内)から排出する排熱口27を設ける。また、この図4において、28はこの照明器25を支持するための支持部材であって、照明器25のカバーを兼ねることができ、しかも、発熱体26からの熱気を排熱口27へ案内するガイドとなる。なお、他の構成は、上記図1に示す個室ユニットと同様であるので、同一部材に同一符号を付してそれらの説明を省略する。
【0043】
この図4に示すものでは、照明器25等の発熱体26からの熱気を排熱口27を介して空気調和空間(室内)から矢印Dのように排出することができるので、机11に向かって仕事等をする使用者Mに対するこの熱気による不快感等の影響を防止することができる。しかも、使用者Mは、床暖房手段1にて足元が暖かく、給気手段4にて天井2からは床面3に向けて給気されて、頭寒足熱状態となり、さらに、机11の天板12の下方において天板手前から天板奥側へと排気を流して空気調和空間から矢印Bのように排出することができる。これらによって、快適に過ごすことができ、仕事等を能率よく行うことができる。
【0044】
次に、図5では、発熱体26からの熱気をこの空気調和空間(室内)から排出する排熱口27が、天板手前から天板奥側へと排気を流して室外へ排出する排気口16を兼ねるようにしている。この場合、机11の天板12を第1個室側壁13aから僅かに離して設置され、この天板12の天板後端縁14と第1個室側壁13aとの間に隙間Sを設けている。また、排熱口27である排気口16は、支持部材28等から構成されるガイド部にて、下方からこの排気口16に排気を案内するようにしている。すなわち、排気口16への排気の導入口が下方に開口している。なお、他の構成は、上記図1に示す個室ユニットと同様であるので、同一部材に同一符号を付してそれらの説明を省略する。
【0045】
この場合も、給気手段4から室内へ給気されることによって、その分の空気が排気口16を介して室内から排出されることになるが、この際、排気は、矢印Eのように、机11の天板12の下方において天板手前から天板奥側へと流れ、さらに、天板12の天板後端縁14と第1個室側壁13aとの間の隙間Sを流れて、下方から排気口16へ侵入して室外へ排出することになる。このため、机11の天板12よりも下方に排気口16を設けなくても、床暖房手段1からの暖気が天板奥側から天板手前へと流れるのを防止することができ、使用者Mと天板12との間の隙間から暖気が上昇するのを防止することができる。しかも、床暖手段1にて足元が暖かく、給気手段4にて天井2からは床面3に向けて給気されて、頭寒足熱状態となる。また、発熱体26からの熱気も、矢印Fのように排熱口27を兼ねる排気口16から室外へ排出することができる。
【0046】
ところで、別の実施の形態として、個室5に入室した利用者の活動量や代謝量等を検出又は推定して、使用者Mの産熱量、快適性、及び室内での作業等に適した温度分布に調整できるようにしてもよい。すなわち、机11に向かって椅子17に座っている使用者Mの心拍数、皮膚温等を検出することによって、この使用者Mの現在の温感を測定する。そして、この測定したデータを上記制御手段20に入力し、このデータに基づいて、床暖房手段1の暖房能力と給気手段4の給気能力とを調整することによって、温度分布を変更することができる。なお、皮膚温は、例えば赤外線センサ等で測定することができる。
【0047】
このように、使用者Mの代謝量等の変化に応じて温度分布を調整すれば、使用者Mにとって最適な温度に調整することができ、一層快適に過ごすことができる。すなわち、空気調和空間(室内)においては、使用者Mからの発熱がこの空間内の温度分布に大きな影響を与えるため、この使用者Mからの発熱を考慮して、温度分布を変化させることができ、これによって、この空気調和空間を使用者Mにとって、最適な空気調和空間となるようにして、仕事や勉強等がはかどるようにすることができる。
【0048】
ところで、上記各実施の形態では、給気手段4の吹出口8から室内へ給気され、排気口16から室外へ排気されるものであるので、通常は、個室外の外気が給気に使用され、排気が個室外に排出される。しかしながら、設置場所等によっては、排気口16からの排気を室外へ排出する場合に、直接的に個室外へ排出できなかったり、給気手段4にて室内へ給気する場合に、直接的に外気を取り入れることができなかったりすることがあり、このような場合には、排気口16からの排気を供給手段4に供給して、これを給気に使用することができる。この際、排気を冷却手段10にて冷却して給気することになる。
【0049】
以上にこの発明の空気調和システム及び個室ユニットの具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、床暖房手段1として、温水を使用したものであってもよい。すなわち、床内部に循環パイプを埋設し、給湯機等にて沸き上げた温水を循環パイプにて循環するようにすればよい。また、発熱体26を構成するものとしては、図4等に示す照明器25に限るものではなく、机11の天板12上に置かれるパソコンやコピー機等の各種の事務機器、さらには、音響機器等も発熱体26となる。そのため、排熱口27としては、これらの発熱体26からの熱気を排出できるような位置に設けるのが好ましい。また、机11の配置位置としては、各実施の形態のように、4つの個室側壁13を有する場合、どの個室側壁13に対応させてもよく、また、隣合う個室側壁13、13のコーナー部に配置してもよい。これらの場合であっても、机11の天板12の下方において天板手前から天板奥側へと排気を流して空気調和空間(室内)から排出するように、排気口16を設ければよい。さらに、机11の天板12の高さ位置、大きさ、及び形状、さらには、排気口16の開口大きさ等としても、排気口16から、机11の天板12の下方において天板手前から天板奥側へと排気を流して空気調和空間(室内)から排出することができれば、任意に設定することができる。また、上記図1に示す実施の形態では、給気を冷却する冷却手段10を設けているが、冷却手段10を設けることなく、給気手段4の給気ファン7が駆動することによって生じる送風のみであってもよい。さらに、排気口16の数としては、1個に限るものではなく、複数個であってもよく、また、排熱口27を設ける場合にも、その数としては、1個に限るものではなく、複数個であってもよい。
【0050】
【発明の効果】
請求項1の空気調和システムによれば、床暖房手段から暖気と、天井側から床面に向けての給気手段の給気にて、空気調和空間を形成することによって、机に向かって仕事等をする使用者は、足元が暖かく、天井からは床面に向けて給気されて、頭寒足熱状態となる。そして、床暖房手段からの暖気が天板奥側から天板手前へと流れず、天板手前から使用者に向かって暖気が上昇するのを防止することができる。このため、使用者の顔等には暖気が当らず、不快感が発生せず快適に過ごすことができる。
【0051】
請求項2の空気調和システムによれば、給気手段の給気が冷却されているので、冷気が天井側から床面に下降することになって、夏場等において頭部側を冷やして、頭寒状態を確実に形成することができ、能率よく仕事等を行うことができる。
【0052】
請求項3の空気調和システムによれば、机の天板の下方において天板手前から天板奥側へと排気を確実に流すことができる。これにより、机に向かって仕事等をする使用者に対する顔等への暖気の当りを確実に防止することができ、快適性の向上を達成できる。
【0053】
請求項4の空気調和システムによれば、照明器等の発熱体からの熱気を排熱口を介して空気調和空間から排出することができるので、机に向かって仕事等をする使用者に対するこの熱気による不快感等の影響を防止することができる。これによって、照明器等の発熱体があっても快適に過ごすことができる。
【0054】
請求項5の空気調和システムによれば、照明器等の発熱体からの熱気を空気調和空間から排出する排熱口と、天板手前から天板奥側へと排気を流して空気調和空間から排出する排気口とが共通であるので、この空気調和システムの施工の簡略化を図ることができ、コストの低減を達成することができる。
【0055】
請求項6の空気調和システムによれば、制御手段にて、空気調和空間の上下方向温度分布を制御することができるので、使用者の好みや、季節等によって、空気調和空間を種々の上下方向温度分布に形成することができる。これにより、使用者は一層快適に過ごすことができ、仕事や勉強等を能率よく行うことができる。
【0056】
請求項7の個室ユニットによれば、床暖房手段から暖気と、天井側から床面に向けての給気手段の給気にて、室内を空気調和空間に形成することによって、机に向かって仕事等をする使用者は、足元が暖かく、天井からは床面に向けて給気されて、頭寒足熱状態となる。そして、床暖房手段からの暖気が天板奥側から天板手前へと流れず、天板手前から使用者に向かって暖気が上昇するのを防止することができる。このため、使用者の顔等には暖気が当らず、不快感が発生せず快適に過ごすことができる。
【0057】
請求項8の個室ユニットによれば、給気手段の給気が冷却されているので、冷気が天井側から床面に下降することになって、夏場等において頭部側を冷やして、頭寒状態を確実に形成することができ、能率よく仕事等を行うことができる。
【0058】
請求項9の個室ユニットによれば、机の天板の下方において天板手前から天板奥側へと排気を確実に流すことができる。これにより、机に向かって仕事等をする使用者に対する顔等への暖気の当りを確実に防止することができ、快適性の向上を達成できる。
【0059】
請求項10の個室ユニットによれば、照明器等の発熱体からの熱気を排熱口を介して室外へ排出することができるので、机に向かって仕事等をする使用者に対するこの熱気による不快感等の影響を防止することができる。これによって、照明器等の発熱体があっても快適に過ごすことができる。
【0060】
請求項11の個室ユニットによれば、照明器等の発熱体からの熱気を室外へ排出する排熱口と、天板手前から天板奥側へと排気を流して室外へ排出する排気口とが共通であるので、この個室ユニットの施工の簡略化を図ることがき、コストの低減を達成することができる。
【0061】
請求項12の個室ユニットによれば、制御手段にて、室内の上下方向温度分布を制御することができるので、使用者の好みや、季節等によって、室内を種々の上下方向温度分布に形成することができる。これにより、使用者は一層快適に過ごすことができ、仕事や勉強等を能率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の空気調和システムの実施の形態を示す簡略図である。
【図2】この発明の個室ユニットの個室の要部斜視図である。
【図3】上記空気調和システムの表示パネルを示し、(a)は変更前の温度分布の簡略図であり、(b)は変更後の温度分布の簡略図である。
【図4】この発明の個室ユニットの他の実施の形態の簡略図である。
【図5】この発明の個室ユニットの別の実施の形態の簡略図である。
【符号の説明】
1 床暖房手段
2 天井
3 床面
4 給気手段
5 個室
10 冷却手段
11 机
12 天板
13 個室側壁
16 排気口
20 制御手段
25 照明器
26 発熱体
27 排熱口
Claims (12)
- 床暖房手段(1)と、天井(2)側から床面(3)に向けて給気する給気手段(4)とを備え、上記床暖房手段(1)からの暖気と、上記給気手段(4)からの給気とで空気調和空間を形成する空気調和システムであって、上記空気調和空間に配置した机(11)の天板(12)の下方において天板手前から天板奥側へと排気を流して上記空気調和空間から排出する排気口(16)を設けたことを特徴とする空気調和システム。
- 上記給気手段(4)による給気を冷却する冷却手段(10)を設けたことを特徴とする請求項1の空気調和システム。
- 上記排気口(16)を上記机(11)の天板(12)よりも下方位置に設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2の空気調和システム。
- 上記空気調和空間に照明器(25)等の発熱体(26)が配置されており、この発熱体(26)からの熱気をこの空気調和空間から排出する排熱口(27)を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの空気調和システム。
- 上記排熱口(27)と上記排気口(16)とが共通することを特徴とする請求項4の空気調和システム。
- 上記床暖房手段(1)の暖房能力及び給気手段(4)の給気能力を調整して、空気調和空間の上下方向温度分布を制御する制御手段(20)を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかの空気調和システム。
- 床暖房手段(1)と、天井(2)側から床面(3)に向けて給気する給気手段(4)とを備え、上記床暖房手段(1)からの暖気と、上記給気手段(4)からの給気とで室内を空気調和空間とする個室ユニットであって、上記室内に机(11)を配置すると共に、上記机(11)の天板(12)の下方において天板手前から天板奥側へと排気を流して室外へ排出する排気口(16)を、個室側壁(13)に設けたことを特徴とする個室ユニット。
- 上記給気手段(4)による給気を冷却する冷却手段(10)を設けたことを特徴とする請求項7の個室ユニット。
- 上記排気口(16)を、上記机(11)の天板(12)よりも下方位置において、個室側壁(13)に設けたことを特徴とする請求項7又は請求項8の個室ユニット。
- 上記室内に照明器(25)等の発熱体(26)が配置されており、この発熱体(26)からの熱気を室外へ排出する排熱口(27)を、個室側壁(13)に設けたことを特徴とする請求項7〜請求項9のいずれかの個室ユニット。
- 上記排熱口(27)と上記排気口(16)とが共通することを特徴とする請求項10の個室ユニット。
- 上記床暖房手段(1)の暖房能力及び給気手段の給気能力を調整して、室内の上下方向温度分布を制御する制御手段(20)を設けたことを特徴とする請求項7〜請求項11のいずれかの個室ユニット。
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JP2015014422A (ja) * | 2013-07-05 | 2015-01-22 | アズビル株式会社 | 表示装置および方法 |
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