JP2004197392A - カッタビット装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】先行ビット6を押出す押出し手段が、ビット6の基端面に当接されるカム31と、このカム31を回転させるカムシャフト16とを備えており、カム31が、所定回転角度毎に前記ビットの押出し量を徐々に増加させる複数段のカム面を備えている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビットを切羽側へ押出し可能に支持してなるカッタビット装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、シールド掘進機においては、掘進機本体の前部にカッタヘッドが設けられ、このカッタヘッドが回転されることで切羽が掘削されるようになっている。ここで、カッタヘッドの前部には複数のスポークが放射状に設けられ、各スポークの前面には多数個のビット(カッタビット)が面板に対し前方へ突出するように配されている。
【0003】
ところで、前記ビットは、その先端部が摩耗して面板からの突出量が減少すると掘進効率が低下することから、このビットをジャッキ装置によって切羽側に押出して再使用することが行われている。また、ビット押出し手段としてのジャッキ装置に代えて、回転駆動源により回転される押出しカムを用いたものも提案されている(特許文献1,2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−34780号公報
【特許文献2】
特開平11−22382号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記各特許文献に記載された押出しカムにおいては、図8に示されているように、そのカムプロフィルが略楕円形状に形成されているために、ビット基端面101とカム面102aとの当接部103とカムシャフト104との間にモーメントアームMが存在してカムシャフト104に回転モーメントが作用することとなり、この回転モーメントによりカム102が回転力を受けてビット105の突出量が変化してしまうという問題点がある。また、この従来のカムプロフィルでは、カムシャフトが少し回転しただけでビットの突出量が変化してしまうため、その突出量の制御が困難で、かつ所定回転位置でのビットの固定手段も複雑にならざるを得ないという問題点がある。
【0006】
本発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、カムシャフトへの回転モーメントが作用しないカムプロフィルを採用することにより、ビットの突出量を定め易く、しかもビットを所定位置で確実に固定することのできるカッタビット装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
前記目的を達成するために、本発明によるカッタビット装置は、
カッタヘッド内に配されるビット支持部に、押出し手段によってビットを押出し可能に支持してなるカッタビット装置において、
前記押出し手段が、前記ビットの基端面に当接されるカムと、このカムを回転させるカム回転手段とを備え、前記カムは、所定の回転角度で所定のビット押出し量を有する複数段のカム面を有し、前記複数段のカム面は、前記所定の回転角度近傍の一定の角度範囲においてビット押出し量が一定となるような形状であることを特徴とするものである。
【0008】
本発明においては、ビット先端の摩耗時に、カム回転手段によりカムを所定回転角だけ回転させることで、このカムのカム面に当接されるビット基端部が押圧されてビットが切羽側へ押出される。したがって、ビットを交換するための中間立坑や切羽安定のための補助工法が不要で、極めて容易にビットを新品のものと交換したのと同様の効果を得ることができる。本発明によれば、ビットの押出し手段を構成するカムが、所定の回転角度で所定のビット押出し量を有する複数段のカム面を有しており、しかもその複数段のカム面が、前記所定の回転角度近傍の一定の角度範囲においてビット押出し量が一定となるような形状とされているので、カムの回転角度がある程度ラフであっても所定の突出量を得ることができる。また、ビットを突出させる際のカムの回転角度が一定であるので、この回転後における位置固定が例えばピン等を用いて容易に行うことができる。さらに、ビット基端面とカム面との当接部とカムシャフトとの間のモーメントアームを無くすことができるので、カムシャフトに回転モーメントが作用することがなく、回転モーメントによりビットの突出量が変化するといった不具合が発生することがない。
【0009】
本発明において、前記カムは、少なくとも3段以上のビット押出し量のカム面を有し、所定回転角度毎に前記ビット押出し量を徐々に増加させるものであるのが好ましい。このようにすれば、ビット先端が摩耗した際に、カムを一定角度だけ回転させれば一定の突出量だけビットが突出されることになり、その突出量が定め易いという利点がある。
【0010】
本発明において、前記ビットは、前記カッタヘッドの前面に放射状に設けられるスポークの長手方向に沿って位相をずらして配され、1本のカムシャフトに装着されるカムによって前記位相をずらして配された複数のビットが同時に押出される構成を採用するのが好ましい。このようにすれば、1本のカムシャフトの回転操作によりスポークの左右両側のビットを同時に突出させることができ、装置構成を簡易化して、省スペース化を図ることができる。
【0011】
また、前記カッタヘッドの内周側に対して外周側のビットの押出し量が大きくなるように前記カムの形状が設定されるのが好ましい。このようにすることで、内周側に比べて摩耗量の大きい外周側のビットにおいても、内周側のビットと同様、常に適正な初期突出量を維持することができる。
【0012】
さらに、前記ビットが前記ビット支持部に対してその軸心周りに回動するのを防止する回り止め手段が設けられるのが好ましい。こうすることで、ビットを回動させることなく、摺動させて突出させることができる。
【0013】
また、前記ビットとビット支持部との摺動部に粘性流体または流体が封入され、この粘性流体または流体の流出回路中にリリーフ弁が介挿されて、このリリーフ弁の設定圧によって前記ビットが反切羽側へ向けて押圧力を付与される構成とするのが好ましい。このようにすることで、リリーフ弁のみで、ビットの切羽側への抜け止めを防止することができ、簡易な構成で組立も容易に行えるという効果がある。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明によるカッタビット装置の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0015】
図1には、本発明の一実施形態に係るシールド掘進機の要部縦断面図が示され、図2(a)(b)には、図1のA矢視図およびB矢視図がそれぞれ示されている。
【0016】
本実施形態のシールド掘進機においては、掘進機本体1の前部に、中心部が中空とされたセンタシャフト2にて支持されるカッタヘッド3が設けられ、このカッタヘッド3が、カッタヘッド駆動用モータ4の駆動によりピニオンおよびリングギヤを介して回転されるように構成されている。
【0017】
前記カッタヘッド3は、その中心から半径方向に向けて放射状に延びる多数本のスポーク5を有し、各スポーク5には、中央部に先行ビット(第1先行ビット6および第2先行ビット7)が、この先行ビット6,7を挟む両側方にツールビット8,8および外周用メインビット9等がそれぞれ装着されている。また、カッタヘッド3の中心部にはアローヘッド10が装着され、このアローヘッド10の長手方向に沿うスポーク5の外周端にはコピーカッタ11,11が装着されている。本実施形態においては、前記第1先行ビット(以下、単に「先行ビット」という。)6が、その先端部の刃先の摩耗時に押出し機構(押出し手段)12によって切羽側へ向けて押出されるように構成されている。以下、この押出し機構12の詳細構造について説明する。
【0018】
前記押出し機構12は、前記センタシャフト2内を貫通するように配されるとともに、このセンタシャフト2に対して支持ブラケット13,14を介してその軸心周りに回転可能に支持されるカムシャフト回転軸15と、前記スポーク5内に半径方向に向けて配されるカムシャフト16とを備え、前記カムシャフト回転軸15の先端部に取り付けられる主傘歯車17と、各カムシャフト16,16の基端部に取り付けられる従傘歯車18,18とが噛合することにより、カムシャフト回転軸15の回転が各カムシャフト16,16に伝達されるように構成されている。なお、前記主傘歯車17および従傘歯車18は、アローヘッド10の取付け用ボルトを外して、カッタヘッド3の中央部の孔からカムシャフト回転軸15およびカムシャフト16にそれぞれ取り付けられる。
【0019】
前記カムシャフト回転軸15はそのカムシャフト回転軸15の基端側に配される押出し用ジャッキ19により回転される。この押出し用ジャッキ19は、基端部がスキンプレート20の内周面に枢着されるとともに、その先端部にレバー21が枢支されている。一方、カムシャフト回転軸15の基端部にはフランジ部15aが設けられるとともに、このカムシャフト回転軸15の基端面には端面板15bが取り付けられ、これらフランジ部15aと端面板15bとの間に形成される空間に前記レバー21が挿入されて固定されるようになっている。
【0020】
こうして、後述する先行ビット6の押出し時には、連結ピンを端面板15bの端面側からレバー21を貫通するように挿通してフランジ部15aに取り付けるとともに、フランジ部15aを支持ブラケット14に固定しているボルトを取り外してカムシャフト回転軸15を回転可能な状態にする。この状態で、押出し用ジャッキ19を伸長させると、図2(b)で二点鎖線にて示されるようにレバー21が回動操作されてカムシャフト回転軸15が回転される。一方、シールド掘進機の掘進中には、前記連結ピンを取り外すとともに、カムシャフト回転軸15のフランジ部15aを支持ブラケット14にボルト締結して、カムシャフト回転軸15をセンターシャフト2に固定する。これにより、掘進中においてカムシャフト回転軸15はカッタヘッド3と一体回転し、このカッタヘッド3に対して押出し用ジャッキ19はフリー状態となる。
【0021】
次に、先行ビット6を支持するビット支持部の構造について説明する。図3、図4に示されているように、前記スポーク5の前面板5aには、内周面に段部22aを有する略円筒状の支持座22が固着され、この支持座22の内周側にホルダ23が装着され、このホルダ23に前記先行ビット6が支持されている。前記ホルダ23は、切羽側にフランジ部23aを有する略円筒状のホルダ本体23Aと、このホルダ本体23Aの切羽側を覆うようにそのホルダ本体23Aに嵌合され、外周部にフランジ部23bを有する略円板状のカバー23Bとにより構成され、これらホルダ本体23Aおよびカバー23Bの各フランジ部23a,23bが前記支持座22の段部22aにボルトにて共締めされることで、これらホルダ本体23Aおよびカバー23Bよりなるホルダ23が支持座22に固定される。また、前記ホルダ本体23Aの機内側端部の内周面は段部23cを介して厚肉に形成され、この厚肉部の内周面に後述する先行ビット6のスプライン歯6bに嵌合する溝部が形成されている。
【0022】
一方、前記ホルダ23に支持される先行ビット6は、その軸部が略円柱状に形成されてその基端部寄りの位置に大径部6aを有し、この大径部6aの基端側の外周面にスプライン歯6bを有する形状とされている。こうして、このスプライン歯6bが前記ホルダ本体23A内周面の溝部に嵌合することで、小さな面圧でホルダ23に対する先行ビット6の回り止めができる構造とされている。また、前記大径部6aの切羽側であって、先行ビット6外周面とホルダ本体23A内周面との間にはチャンバ(グリース溜り室)24が形成されている。このチャンバ24にはグリース流路25が接続され、このグリース流路25から分岐するグリース供給路26側にはチェック弁27が、またグリース排出路28側にはリリーフ弁29がそれぞれ介挿されている。前記チャンバー24内には、掘進前に図示されない給脂ポンプによりグリース供給路26およびグリース流路25を介してグリースが充填される。このとき、先行ビット6はリリーフ弁29のセット圧(リリーフ圧)によってその大径部6aの機内側端面がホルダ本体23Aの段部23cに押し付けられた状態となる。なお、前記先行ビット6の大径部6aとホルダ本体23Aとの摺接面および先行ビット6の軸部とカバー23Bとの摺接面にはそれぞれシール部材30が介挿されている。
【0023】
前記先行ビット6の基端面には、前記カムシャフト16の外周面に配されるカム31が当接される。本実施形態において、前記カム31のカムプロフィルは、カムシャフト16の回転中心Oに対して半径R1の円弧面(第1段カム面)A0〜B0と、半径R2(R2>R1)の円弧面(第2段カム面)A〜Bと、半径R3(R3>R2)の円弧面(第3段カム面)C〜Dと、半径R4(R4>R3)の円弧面(第4段カム面)E〜Fとよりなる4段のカム面を備え、隣接するカム面もしくはカムシャフト面間、言い換えれば点B0〜点A間、点B〜点C間、点D〜点E間および点F〜点G間が直線にて連結された形状とされている。ここで、互いに隣接する各円弧面A0〜B0、A〜B、C〜D、E〜Fの中心位置と回転中心Oとを結ぶ線分同士のなす角度θはそれぞれ等しい角度になっている。
【0024】
次に、図5を参照しつつ、先行ビット6が第2段カム面A〜Bから第3段カム面C〜Dへリフト動作を行う場合についての先行ビット6の動作について説明する。
【0025】
いま、カム31が第2段カム面A〜Bの中心位置Qにおいて先行ビット6の基端面と接触(線接触)している状態から、カム31が矢印P方向に回転されると、この接触位置がQからBに移動する間は、カム面A〜Bが回転中心Oを中心とする円弧面であることから先行ビット6はリフト動作を行わない。この後、カム31が位置BからB'(先行ビット6の最大幅部がCに当接したときの先行ビット6の中心位置)の間を移動する際には、先行ビット6は高さH−R2(ただし、Hは位置B'でのリフト高さ)分だけ徐々にリフト動作を行っていき、さらに位置B'からCの間を移動する際には、先行ビット6は高さH'−H(ただし、H'は位置Cでのリフト高さ)分だけ徐々にリフト動作を行っていく。そして、カム31が位置Cに至ると、高さR3−R2だけリフトしたことになり、この後カム31がCからDに移動する間は、先行ビット6は一定位置(R3−R2)を保持する。
【0026】
以上のように構成されているので、先行ビット6の先端が摩耗した際には、連結ピンによってレバー21をカムシャフト回転軸15に取り付けるとともに、フランジ部15aを支持ブラケット14に固定しているボルトを取り外してカムシャフト回転軸15を回転可能な状態にし、この状態で、押出し用ジャッキ19を所定ストローク伸長させてカムシャフト回転軸15を所定角度回転させる。そうすると、傘歯車17,18の噛合によってカムシャフト16が所定角度(θ)だけ回転され、カム31の回転によって、このカム31と先行ビット6の基端面との当接位置が、第1段カム面A0〜B0の中心位置Q0(図4参照)から第2段カム面A〜Bの中心位置Q1に移動し、これによって先行ビット6が切羽側へ所定量(R2−R1)だけ押出される。このとき、先行ビット6の基端面が第2段カム面Q1に当接する範囲(円弧A〜Bの範囲)にあれば先行ビット6の押出し量は一定であるため、カムシャフト16の回転角度を厳密にθに一致させる必要はない。
【0027】
この先行ビット6の押出し時に、チャンバ24内に封入されているグリースはリリーフ弁29から徐々にタンク側に漏出され、この所定量の押出し後において、先行ビット6はその押出し位置に固定される。なお、この押出し時には先行ビット6のスプライン歯6bがホルダ本体23A内周面の溝部に嵌合することで、先行ビット6は回転することなく摺動される。また、先行ビット6が所定量だけ押出された後は、切羽側からチャンバ24内のグリースをリリーフさせるだけの力(引っ張り力)が作用しない限りは、それ以上切羽側に突出することはない。勿論、先行ビット6は機内側に対してもカム31およびカムシャフト16によって移動することはない。
【0028】
なお、先行ビット6を所定量だけ押出した後は、カムシャフト回転軸15のフランジ部15aを支持ブラケット14にボルト(もしくは連結ピンにて)締結して、カムシャフト回転軸15をセンターシャフト2に固定するとともに、レバー21をカムシャフト回転軸15に取り付けている連結ピンを取り外して、カッタヘッド3に対して押出し用ジャッキ19をフリー状態にする。
【0029】
以上のように、本実施形態の押出し機構によれば、極めて簡単な構造によって先行ビットの押出しおよび固定を確実に行うことができる。また、従来構造のようにスプリング等を用いることがないので、破損等が発生することはなく、耐久性の面でも優れている。
【0030】
また、本実施形態においては、カム31の先行ビット6との当接面が常に円弧面になるようにそのカムプロフィルが設定されているので、掘進中における先行ビット6の使用時に、カムシャフト16に回転モーメントが作用することがない。したがって、回転モーメントにより先行ビット6の突出量が変化することがなく、この先行ビット6を確実に固定することができるという利点がある。また、カムシャフト16の回転角度を厳密にθに一致させなくても所定のビット押出し量を得ることができるため、押出し機構12の回転・固定が非常に簡便となる。さらに、前記カム31は、所定回転角度(θ)毎に先行ビット6の押出し量を徐々に増加させる複数段(本実施形態では4段)のカム面を備えているので、このカム31を一定角度だけ回転させれば一定の突出量だけビット先端を突出させることができ、その突出量が定め易いだけでなく、回転後における位置固定が例えばピン等を用いて容易に行うことができるという利点もある。
【0031】
さらに、本実施形態の押出し機構によれば、スポーク5内に配されたカムシャフト16を回転させるのに、このスポーク5内に収納された油圧モータ等を用いずに、掘進機本体1内に配される押出し用ジャッキ19を用いているので、従来とほぼ同じ大きさのスポークを用いることが可能である。また、スポーク5上に配置された複数個のビットを1本のカムシャフト16の回転により同時に突出させることができるので、突出量の制御を極めて容易に行うことができるという利点がある。
【0032】
本実施形態においては、カッタヘッド3の内周側および外周側にかかわらず、先行ビット6の押出し量を均一に設定するものについて説明したが、一般的に、内周側に比べて外周側のビットにおいてはその摩耗量が大きいことから、内周側に対して外周側のビットの押出し量が大きくなるように前記カムの形状を設定することができる。また、内周側と外周側とでカムの高さそのものを変えるようにするほか、外周側のカムが第2段のカム面のときに内周側のカムが第1段のカム面となるような形状としても良い。このような構成によれば、外周側のビットにおいても、常に、内周側のビットと同様の適正な初期突出量を維持することができる。
【0033】
本実施形態においては、先行ビット6の回り止め手段として、スプライン係合を用いたものを説明したが、この回り止め手段としては、ビットの基端部を四角形もしくは六角形等の多角形形状にしても良いし、あるいは円筒形状のビットにキリ穴をあけ、このキリ穴に回り止めのピンを挿通するようにしても良い。
【0034】
本実施形態においては、先行ビット6の押出し時に、チャンバ24内のグリースを漏出させるものとしたが、カム形状によって先行ビット6が一旦機内側に押し戻されることがある場合には、図示されない給脂ポンプによりグリース供給路26を介してチャンバ24内にグリースを補給するようにすることができる。
【0035】
また、漏れが生じにくい点からグリースを用いるのが最も適切であるが、潤滑油を用いても同様の構造とすることも可能である。他の流体(水など)を用いることも可能であるが、グリース・潤滑油などの潤滑性のある粘性流体/流体を用いる方が望ましい。
【0036】
本実施形態においては、先行ビット6の押出し機構について説明したが、本発明の考え方は、ツールビットの押出し機構に対しても適用することができる。図6(a)(b)には、ツールビットに適用した本発明の他の実施形態に係るカッタビット装置の正面図およびそのD−D断面図がそれぞれ示されている。
【0037】
本実施形態において、ツールビット8の基端面がカムシャフト16の外周面に配されるカム31によって押出される点およびそのカム31のカムプロフィルが押出し量を徐々に増加させるカム面に形成されている点等については、先の実施形態と同様であるので、その詳細な説明を省略することとする。
【0038】
本実施形態では、スポーク5の左右の各ツールビット8がスポーク5の長手方向に沿って位相をずらせて千鳥状に配置され、それら各ツールビット8に対してカム31が独立に設けられている。このような構成にすることにより、カムシャフト16を所定角度だけ回転させることで、各ツールビット8を一斉に押出し操作することができる。勿論、これらツールビットと同時に先行ビットも同時に押出せるような構造を採用することもできる。
【0039】
前記各実施形態においては、ビット先端が摩耗したときに、ビットを押出し操作するものとしたが、この摩耗を検知する手段として、図7に示されているように、ビット32内に超音波センサ33を内蔵しておき、この超音波センサ33からビット先端に向けて発する超音波に基づきそのビット先端までの距離を検知してその摩耗量を検知する検知手段を用いるのが好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係るシールド掘進機の要部縦断面図である。
【図2】図2は、図1のA矢視図(a)およびB矢視図(b)である。
【図3】図3は、図2(a)のC−C断面図である。
【図4】図4は、図3の要部拡大図である。
【図5】図5は、先行ビットのリフト動作説明図である。
【図6】図6は、他の実施形態に係るカッタビット装置を示す正面図(a)およびそのD−D断面図(b)である。
【図7】図7は、ビット摩耗検知手段を示す図である。
【図8】図8は、従来のカッタビット装置の説明図である。
【符号の説明】
1 掘進機本体
3 カッタヘッド
5 スポーク
6,7 先行ビット
6b スプライン歯
8 ツールビット
12 押出し機構
15 カムシャフト回転軸
16 カムシャフト
19 押出し用ジャッキ
23 ホルダ
24 チャンバ
25 グリース流路
29 リリーフ弁
31 カム
Claims (6)
- カッタヘッド内に配されるビット支持部に、押出し手段によってビットを押出し可能に支持してなるカッタビット装置において、
前記押出し手段が、前記ビットの基端面に当接されるカムと、このカムを回転させるカム回転手段とを備え、前記カムは、所定の回転角度で所定のビット押出し量を有する複数段のカム面を有し、前記複数段のカム面は、前記所定の回転角度近傍の一定の角度範囲においてビット押出し量が一定となるような形状であることを特徴とするカッタビット装置。 - 前記カムは、少なくとも3段以上のビット押出し量のカム面を有し、所定回転角度毎に前記ビット押出し量を徐々に増加させるものである請求項1に記載のカッタビット装置。
- 前記ビットは、前記カッタヘッドの前面に放射状に設けられるスポークの長手方向に沿って位相をずらして配され、1本のカムシャフトに装着されるカムによって前記位相をずらして配された複数のビットが同時に押出される請求項1または2に記載のカッタビット装置。
- 前記カッタヘッドの内周側に対して外周側のビットの押出し量が大きくなるように前記カムの形状が設定される請求項1〜3のいずれかに記載のカッタビット装置。
- 前記ビットが前記ビット支持部に対してその軸心周りに回動するのを防止する回り止め手段が設けられる請求項1〜4のいずれかに記載のカッタビット装置。
- 前記ビットとビット支持部との摺動部に粘性流体または流体が封入され、この粘性流体または流体の流出回路中にリリーフ弁が介挿されて、このリリーフ弁の設定圧によって前記ビットが反切羽側へ向けて押圧力を付与される請求項1〜5のいずれかに記載のカッタビット装置。
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