【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、いわゆる福祉車両と称される車両に好適に用いることができる車両用シートであって、例えば老人や身障者等の車いすを使用する人（以下、乗員ともいう）が車両への乗降を楽に行うための車両用シートに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、例えば実開平７−２７９３２号公報には、運転席のシートを助手席側へスライドさせて、一般的には車道側ではなく歩道側となる助手席側において車両への乗降を行う構成とすることにより、後続車等の心配をすることなく安心して乗降することができ、これにより運転席への乗降を楽に行えるようにした車両用シートが開示されている。また、同公報には、車室外において使用した車いすをシートの側方に折り畳んだ状態で保持し、シートとともに車いすを運転席側へ収納する構成とすることにより車いすを別途トランク等に格納する手間を掛ける必要のない車両用シートが開示されている。
【０００３】
【特許文献１】
実開平７−２７９３２公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の車両用シートは、着座者が介護者等を伴わずに一人で車両へ乗り込む場合に、着座者は助手席位置まで移動させたシート本体に着座した状態で車室内から手を伸ばして車室外の車いすを折り畳み、然る後これを車室内側へ持ち上げてシート本体の側方へ保持する動作を行わなければならず、この点で車いすを収納する作業が大変であった。
そこで、本発明では、車両への乗降動作のみならず、車いすの収納も楽に行うことができる車両用シートを提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明は、前記請求項に記載した構成の車両用シートとした。
請求項１記載の車両用シートによれば、シート本体は、車幅方向移動機構により運転席位置から助手席位置まで移動し、然る後回転機構によりドア開口部側に向けた横位置まで回転し、この横向き状態で室外移動機構により車室外側へ移動しつつ路面に近い高さまで下降される。このため、着座者は、車室外において横向きになったシート本体と路面上の車いすとの間で乗り移り動作を行うことができるので、より楽にシート本体に着座することができ、またシート本体から車いすへ戻ることができる。
また、車いすを保持する車いす保持装置がシート本体に設けられているので、当該車いす保持装置への車いすの保持動作を車室外において行うことができるので、車いす保持装置への車いす保持動作を前記従来のものよりも楽に行うことができる。
さらに、車いす保持装置に保持した状態の車いすをシート本体の周囲に移動させることができるので、シート本体を車室内へ移動させる際、あるいはその逆に車室内から車室外へ移動させる際に車両の他の部位に干渉しないように車いすおよび車いす保持装置を移動させることができ、この点で当該車両用シートひいては車いす保持装置の使い勝手をよくすることができる。
【０００６】
請求項２記載の車両用シートによれば、車室外においてシート本体と車いすとの間を移動する段階で、受けベースを上方へ回動して格納することにより、車いすをシート本体により接近させることができ、これにより両者間の乗り移り動作を一層楽に行うことができる。
また、車いすを車室内へ収納しない場合には、受けベースを格納しておくことにより、当該車いす保持装置をコンパクトにしておくことができる。受けベースの固定具としては、例えば車いすのキック部を差し込んで当該車いすを保持するための円筒形状の受け筒部を設けることができる。
請求項３記載の車両用シートによえば、シート本体に着座した着座者は、室内における高さよりも路面に近い高さ（例えば車いすを同じ座面高さ）で車いすを車いす保持装置に保持することができるので、従来室内から手を伸ばして同じ動作を行う場合に比してより楽に車いすを保持装置に保持することができ、この点で従来の車いす保持装置よりも楽に車いすを保持することができる。また、シート本体が車室内よりも低い位置まで下降しているので、着座者はシート本体と車いすとの間の乗り移り動作を一層楽に行うことができる。
請求項４記載の車両用シートは、前記したように当該車両シートを運転席として適用する場合の他、運転席の後ろ側の第二列席、第三列席としても適用することができる。いずれの場合であっても、シート本体を車幅方向歩道側に移動させ、歩道側のドア開口部を経てシート本体を車室外へ移動させ、歩道側において対向車または後続車を心配することなくシート本体と車いすとの間で乗り移り動作を楽に行うことができ、また車いすの車いす保持装置への保持動作あるいは車いす保持装置からの車いすの取り出し動作を楽に行うことができる。
【０００７】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図１〜図１０に基づいて説明する。図１に示すように以下説明する実施形態では、運転席が車両Ｍの進行方向右側に設定された場合（右ハンドル）であり、かつ車両は左側通行をする場合を例示する。従って、シート本体１０は、運転席位置から車両進行方向左側へ移動することにより助手席位置に至る。助手席位置に移動したシート本体１０は、その左方に位置する助手席用ドア開口部Ｋを経て車室外側（歩道側）へ振り出される。
さて、図２は、本実施形態の車両用シート１を示している。この車両用シート１は、シートクッション１１とシートバック１２を有するシート本体１０と、このシート本体１０を運転席位置と助手席位置との間で移動させるための車幅方向移動機構２０と、この車幅方向移動機構２０により助手席位置に移動したシート本体１０を車両正面向きの位置（以下、単に正面向き位置ともいう）と助手席用ドア開口部Ｋに向けた位置（以下、単に横向き位置ともいう）との間で回転させる回転機構３０と、この回転機構３０により横向き状態のシート本体１０を路面に近い高さに下降させつつ助手席用ドア開口部Ｋを経て車室外側へ移動させる室外移動機構４０と、シート本体１０の助手席側の側部に設けられ、車いす１００を保持した状態でシート本体１０とともに車室内側に移動して車いす１００を車室内に格納する車いす保持装置５０を備えている。なお、図２では車いす保持装置５０の図示が省略されている。
【０００８】
先ず、車幅方向移動機構２０について説明する。本実施形態の車幅方向移動機構２０の詳細が図３に示されている。車両ＭのフロアＦには、２本のねじ軸２１，２１が、車両Ｍの左右幅方向に沿って前後に一定の幅をおいて相互に平行に配置されている。両ねじ軸２１，２１は車両Ｍの運転席から助手席に至る長さを有している。
両ねじ軸２１，２１の運転席側端部は、それぞれスライドモータ２２の出力軸に連結されている。このため、両ねじ軸２１，２１はそれぞれスライドモータ２２により回転する。両スライドモータ２２，２２は、それぞれブラケット２２ａ，２２ａにより車両フロアＦ上に固定されている。また、両スライドモータ２２，２２は制御装置Ｃによりその回転方向および回転速度等について同期して運転される。すなわち、両スライドモータ２２，２２は、同じ方向へ同じ速度で同時に回転するように制御される。両ねじ軸２１，２１の助手席側端部は、それぞれブラケット２３により回転自在に支持されている。
両ねじ軸２１，２１にはそれぞれ一つのナット２４が噛み合わされている。この二つのナット２４，２４は、幅方向移動ベース２５の下面に固定されている。両スライドモータ２２，２２を同時に起動してねじ軸２１，２１を同じ方向に同じ速度で回転させることにより幅方向移動ベース２５が運転席側から助手席側へ、あるいはその反対方向に移動する。
幅方向移動ベース２５の下面四隅には、それぞれ車輪２６〜２６が回転自在に配置されている。
【０００９】
この幅方向移動ベース２５の上面に回転機構３０が取り付けられている。回転機構３０は、相互に回転可能な外輪３１と内輪３２を有している。内輪３２が幅方向移動ベース２５の上面に固定され、外輪３１が回転ベース３３の下面に固定されている。外輪３１の外周面にはギヤ３１ａが形成されている。一方、幅方向移動ベース２５の上面には回転モータ３４が取り付けられている。この回転モータ３４の出力軸に取り付けた駆動ギヤ３４ａは外輪３１のギヤ３１ａに噛み合わされている。このため、回転モータ３４が起動すると、外輪３１ひいては回転ベース３３が回転し、これによりシート本体１０が正面向き位置と横向き位置との間で約９０°回転する。回転モータ３４の起動停止、回転方向および回転速度等についても前記制御装置Ｃにより制御される。
【００１０】
回転ベース３３の上面側に室外移動機構４０が設けられている。この室外移動機構４０は、回転ベース３３の左右側部に上下に傾動可能に支持された左右一対の四節リンク機構４１，４１と、この両四節リンク機構４１，４１を上下に伸縮作動させるための駆動装置４２を備えている。両四節リンク機構４１，４１の先端側はシート本体１０のシートバック１２の側部に連結されている。すなわち、両四節リンク機構４１，４１は、それぞれアッパアーム４１ａとロアアーム４１ｂを備えており、アッパアーム４１ａの先端部がシートバック１２の側部の上側に回転可能に連結され、ロアアーム４１ｂの先端部がシートバック１２の側部の下部に回転可能に連結されている。アッパアーム４１ａとロアアーム４１ｂの基端部は回転ベース３３の側部に上下に傾動可能に支持されている。左右のアッパアーム４１ａ，４１ａの基端部間は、一本の連結バー４１ｃにより一体に連結されている。
図４に示すように駆動装置４２は、振り出しモータ４３とこれにより回転するねじ軸４４とこれに噛み合わされたナット４５を備えている。ナット４５の両側部には、支軸４６ａを介してリンクアーム４６，４６の一端側が上下に傾動可能に支持されている。両リンクアーム４６，４６の他端側はそれぞれ支軸４６ｂを介してブラケット４８に上下に傾動可能に連結されている。ブラケット４８は回転ベース３３の上面に取り付けられている。このため、ナット４５は、支軸４６ｂを中心としたリンクアーム４６，４６の上下の傾動動作により円弧移動し、これにより上下および前後に変位可能に支持されている。
振り出しモータ４３の左右側部には、それぞれ支軸４７ａを介してリンクアーム４７の一端側が上下に傾動可能に支持されている。両リンクアーム４７，４７の他端側は連結バー４１ｃに回転不能かつ軸方向移動不能に固定されている。
振り出しモータ４３が起動するとねじ軸４４が回転し、これによりナット４５が支軸４６ｂを中心にして上下および前後に円弧移動しながらねじ軸４４がその軸方向に移動し、従って振り出しモータ４３が、リンクアーム４７，４７を上下に傾動させながら円弧移動する。リンクアーム４７，４７が上下に傾動することにより連結バー４１ｃが回転し、これによりアッパアーム４１ａ，４１ａが上下に傾動し、ひいては両四節リンク機構４１，４１が上下に傾動する。両四節リンク機構４１，４１が上下に傾動することにより、シート本体１０が車室内から車室外へ降り出され、逆に車室外から車室内へ戻される。シート本体１０の車室内外間での移動は、平行移動であってこれにより着座者の着座姿勢が一定に保たれるように（座面が傾かないように）四節リンク機構４１，４１の各部の寸法等が適切に設定されている。
また、振り出しモータ４３の起動停止、回転方向および回転速度等についても前記制御装置Ｃにより制御される。
【００１１】
シート本体１０が車幅方向移動機構２０により助手席位置まで移動し、かつ回転機構３０により横向き位置にまで回転した状態で、上記駆動装置４２をシート振り出し側に起動させると両四節リンク機構４１，４１が下方に傾動し、これによりシート本体１０が助手席側のドア開口部Ｋを経て車室外側へ移動しながら下降して車室外のより路面に近い高さまで移動される。逆に、シート本体１０を車室外側へ移動させた状態で駆動装置４２をシート収納側に起動させると、両四節リンク機構４１，４１が上方へ傾動し、これによりシート本体１０が助手席用のドア開口部Ｋを経て車室内側へ移動しながら上昇して助手席位置に戻される。助手席位置に戻された後、引き続いて回転モータ３４が起動することによりシート本体１０は正面向き位置まで回転され、然る後に車幅方向移動機構２０の両スライドモータ２２，２２が起動して運転席側へ戻される。
図５に示すようにシート本体１０の着座者から見て右側部には、主として着座者が操作するスライドスイッチＳ１と振り出しスイッチＳ２が配置されている。着座者がスライドスイッチＳ１のノブＳ１ａを中間の「切」位置から下側の「左」位置に切り換えるとスライドモータ２２が起動して幅方向移動ベース２５ひいてはシート本体１０が運転席位置から助手席位置に向けて（車両Ｍの右側から左側へ）移動する。スライドスイッチＳ１は、着座者が指先でノブＳ１ａを「右」または「左」に切り換え、この切換え状態を保持する間、スライドモータ２２，２２は起動し続ける。着座者がノブＳ１ａから指先を離すと、当該スライドスイッチＳ１は自動的に「切」位置に復帰し、スライド途中で自由に停止させることができる。但し、幅方向移動ベース２５ひいてはシート本体１０の運転席位置および助手席位置は図示省略したセンサにより検知される。この検知信号が前記制御装置Ｃに入力され、これに基づいてスライドモータ２２，２２に対して停止信号が出力される。従って、スライドスイッチＳ１を上記のように「右」または「左」に保持したままであっても、シート本体１０が運転席位置若しくは助手席位置に至ったことがセンサにより検知された時点でスライドモータ２２，２２が停止される。
【００１２】
シート本体１０が助手席位置に至った後、振り出しスイッチＳ２を「切」位置から「下」位置に切り換えると、先ず回転モータ３４が起動してシート本体１０が正面向き位置からドア開口部Ｋ側に向けて回転し始める。シート本体１０が約９０°回転してドア開口部Ｋに向いた位置（横向き位置）に至ると回転モータ３４が停止する。シート本体１０が横向き位置に至ったことが図示省略したセンサにより確認されると、引き続いて振り出しモータ４３が起動して室外移動機構４０の両四節リンク機構４１，４１が下方へ傾動し始め、これによりシート本体１０がドア開口部Ｋを経て車室外側へ降り出される。シート本体１０は、車室外側へ移動しながら下方へ変位して車室内におけるよりも路面に近い高さまで下降する。
シート本体１０が車室側の振り出し位置に至ったことが、四節リンク機構４１の位置をセンサにより検知することで確認され、これにより振り出しモータ４３が停止する。このように、シート本体１０の回転動作と振り出し動作（車室内外間の移動動作）は、一つの振り出しスイッチＳ２により操作される。すなわち、振り出しスイッチＳ２を「下」位置に切り換えてこれを指先で保持しておくことにより、シート本体１０をドア開口部Ｋ側に向けた位置まで回転させることができ、そのまま振り出しスイッチＳ２を保持しておくことにより引き続いて振り出しモータ４３が起動してシート本体１０が車室外側に振り出される。従って、振り出しスイッチＳ２のノブＳ２ａから指先を離すとノブＳ２ａは自動的に「切」位置に戻され、これによりシート本体１０を回転動作途中あるいは振り出し動作途中において自由に停止させることができる。
こうしてシート本体１０が車室外の路面に近い高さまで振り出された状態で、着座者は当該シート本体１０と車いす１００との間を楽に移動することができる。シート本体１０に着座者が乗り移った後、着座者はそれまで使用していた車いす１００を自らの手であるいは介護者の手を借りて車いす保持装置５０に保持させてシート本体１０とともに車室内に収納することができる。この車いす保持装置５０については後述する。
【００１３】
次に、シート本体１０に着座者が乗り移った後、振り出しスイッチＳ２を「上」位置に切り換えると、室外移動機構４０の振り出しモータ４３が逆転して四節リンク機構４１，４１が上方へ傾動し、これによりシート本体１０がドア開口部Ｋを経て上昇しつつ車室内側へ戻される。そのまま、振り出しスイッチＳ２を「上」位置に保持しておくことにより振り出しモータ４３が停止した後、回転モータ３４が逆転側に起動し、これによりシート本体１０が正面向き位置に向けて回転し始める。シート本体１０が正面向きに位置に至ると、これがセンサにより検知され、これに基づいて回転モータ３４が停止する。以上で、シート本体１０は、助手席位置まで戻される。
シート本体１０が助手席位置まで戻された後、着座者がスライドスイッチＳ１を「右」位置に切り換えると、車幅方向移動機構２０のスライドモータ２２が前記とは逆方向に起動して幅方向移動ベース２５ひいてはシート本体１０が助手席位置から運転席位置に向けて（車両Ｍの左側から右側へ）移動する。シート本体１０が運転席位置に戻されるとこれがセンサにより検知され、これに基づいてスライドモータ２２が停止される。
なお、図示は省略したが、ドア開口部Ｋ付近には、上記スライドスイッチＳ１と振り出しスイッチＳ２と同じ機能を有するスイッチ類を備えたリモコンが配備されている。このリモコンは、シート本体１０に着座者が着座していない場合に、車いす利用者若しくは介護者等がシート本体１０を遠隔操作する際に用いる。以下、このリモコンのスイッチについても「スライドスイッチＳ１」、「振り出しスイッチＳ２」の名称を用いる。
【００１４】
次に、図６に示すようにシート本体１０の助手席側（着座者から見て左側）の側部には、車いす１００を保持するための車いす保持装置５０が装備されている。この車いす保持装置５０は、シートクッション１１の左側部に取り付けた回動支持部５１と、この回動支持部５１を介してシート本体１０の左前角部の周囲を移動可能に設けられた保持ベース５２と、この保持ベース５２に上下に回動可能に支持され、下方へ回動して水平位置に保持されて車いす１００を載置可能な受けベース５３を備えている。
回動支持部５１は、シートクッション１１（シートフレーム）の左側部から斜め前方へ張り出すように固定された下支持台５７を有している。この下支持台５７の基部側には、縦柱７０が起立状態で固定されている。この縦柱７０の上部には、上支持台５６が側方へ張り出すように設けられている。この上支持台５６は、下支持台５７に対して平行に延びている。この上下の支持台５６，５７の先端部間に支持軸５８が鉛直方向に沿って固定されている。この支持軸５８を内周側にガタツキなく回転自在に挿通させた状態で、上下の支持台５６，５７の先端部間に円筒形状の支持筒５９が支持軸５８回りに回転自在に設けられている。この支持筒５９の側部に支持柱６０を介して保持ベース５２が固定されている。これにより保持ベース５２および以下説明する受けベース５３は、支持軸５８を中心にしてシートクッション１１の側面に沿った位置（着座者から見て左側方）と、シートクッション１１の前面に沿った位置（着座者から見て前方）との間（左前角部の周囲）で水平に回動（スイング）させることができる。
【００１５】
保持ベース５２は、シートクッション１１の側面側に固定することができる。この保持ベース５２は、図示するように縦枠５２ａと横枠５２ｂを有するほぼＬ字形に枠組みされたもので、縦枠５２ａの一端側（図６において手前側端部）が上記支持柱６０を介して支持筒５９に連結されている。
縦枠５２ａの上部には、ストライカ６８が取り付けられている。一方、前記縦柱７０の側部には、回転ロック装置７１が取り付けられている。保持ベース５２をシートクッション１１の側面側に位置させると、ストライカ６８が回転ロック装置７１に係合して（キャッチされて）、当該保持ベース５２はシートクッション１１の側面にほぼ沿った位置において回転不能にロックされる。回転ロック装置７１はその回転ロック状態を解除するための回転ロック解除レバー７２を備えている。この回転ロック解除レバー７２を解除操作することにより当該回転ロック装置７１のストライカ６８に対する係合状態が解除され、これにより保持ベース５２ひいては車いす保持装置５０をシートクッション１１の前側へ回動させることができるようになる。
保持ベース５２の横枠５２ｂの先端部に沿って受けベース５３がヒンジ５４を介して上下に回動可能に連結されている。これにより受けベース５３は、上方へ回動させると保持ベース５２の縦枠５２ａに対してほぼ平行な収納位置に収納され、下方へ回動させると保持ベース５２の横枠５２ｂから側方へ水平に張り出す取り出し位置に保持される。受けベース５３の横枠５２ｂ側の端縁には、ストッパ板５３ｂ，５３ｂが張り出し状態に設けられている。この両ストッパ板５３ｂ，５３ｂが横枠５２ｂの下面側に当接することによって受けベース５３が水平の取り出し位置に保持される。水平の取り出し位置に保持された受けベース５３の上面に車いす１００が折り畳み状態で載置される。収納位置に収納された受けベース５３は、トグル形式のロック錠５５により収納位置に保持される。
【００１６】
本実施形態において、車いす１００は市販されている一般的な折り畳み式のものをそのまま利用することができ、特に変更を要する点はない。この一般的な車いす１００の概略が図７に示されている。この車いすは、左右一対のフレーム１０１，１０１と、両フレーム１０１，１０１間に掛け渡された布製の座部１０２と背もたれ部１０３と、両フレーム１０１，１０１にそれぞれ一つずつ回転可能に支持された前輪１０４と後輪１０５を備えている。
両フレーム１０１，１０１の前部には、上方に回動して収納可能、下方に回動して使用位置に取り出し可能なフットレスト１０６，１０６が設けられている。また、両フレーム１０１，１０１の後ろ側上部には、介護者が把持するハンドル部１０７，１０７が設けられている。さらに、両フレーム１０１，１０１の後ろ側下部には、例えば当該車いす１００を段差を乗り越えて進行させる際に前輪１０４，１０４側を浮き上がらせるために介護者が足で踏んで押し下げるキック部１０８，１０８が後方へ突き出すように設けられている。
この車いす１００は、両フレーム１０１，１０１の間隔を広げ、図示省略したロックバーによりこの広げた状態に保持して座部１０２および背もたれ部１０３をピンと張った状態とすることにより使用することができる。一方、ロックバーを外して両フレーム１０１，１０１を接近させた状態とし、この接近させた状態を図示省略した固定ベルトにより固定することにより当該車いす１００を折り畳んだ状態に保持することができる。この折り畳み状態では、左右のフットレスト１０６，１０６、ハンドル部１０７，１０７およびキック部１０８，１０８も相互に接近した状態に保持される。
本実施形態では、この接近した状態に保持されたキック部１０８，１０８を利用して当該車いす１００を車いす保持装置５０に保持する構成となっている。
【００１７】
図６に示すように受けベース５３の上面後部には、折り畳み状態の車いす１００の左右一対のキック部１０８，１０８を差し込むための受け筒部６１，６１が取り出し、収納可能に設けられている。両受け筒部６１，６１は、それぞれキック部１０８を挿入可能な内径を有する筒体をなし、支持板６２および支え受け板６２ｂにより相互に平行に固定されている。また、両受け筒部６１，６１は、キック部１０８，１０８を十分な長さ範囲で挿入して車いす１００を確実に保持するに足る深さ（長さ）を有している。この受け筒部６１，６１が特許請求の範囲に記載した固定具の一実施形態に相当する。
支持板６２は、両受け筒部６１，６１の上部側に掛け渡し状態で設けられ、支え受け板６２ｂは、両受け筒部６１，６１の下部側に掛け渡し状態で設けられている。下側の支え受け板６２ｂと受けベース５３との間に取り付けたヒンジ６３を介して当該両受け筒部６１，６１が受けベース５３に上下に回動可能に支持されており、これにより両受け筒部６１，６１は受けベース５３の上面に沿った位置に倒して収納することができ、また受けベース５３に対してほぼ直角に立った使用位置に取り出すことができる。
この両受け筒部６１，６１の前側（図６において手前側）には、当該受け筒部６１，６１を立てた使用位置に保持するための支え板６４がヒンジ６５を介して上下に回動可能に設けられている。この支え板６４を斜め後方へ傾倒させて上記支え受け板６２ｂの上部に乗せ掛けるとともに、その先端部を支持板６２の前面上部に設けた突起部６２ａに係合させることにより両受け筒部６１，６１が前方へ倒れないように固定される。また、受けベース５３の後端部には、保持壁部５３ａが上方へ張り出した状態に設けられている。この保持壁部５３ａにより両受け筒部６１，６１の後方への倒れが防止される。
支え板６４は、図６において手前側へ倒すことにより、受けベース５３の上面に沿って収納することができる。
【００１８】
受けベース５３の前角部には、受け筒部６１，６１を受けベース５３に沿って収納した状態に保持するための保持爪６６が、当該受けベース５３の面方向に沿って回動可能に設けられている。この保持爪６６にはレバー部６７が一体に設けられている。支え板６４を受けベース５３の上面に沿って倒した状態で、両受け筒部６１，６１を支え板６４に被せるようにして倒し、然る後、レバー部６７を把持して保持爪６６を図６において右回りに回動させることにより、図９および図１０に示すようにその先端部を一方の受け筒部６１の内周側へ進入させた状態とし、これにより両受け筒部６１，６１の起立方向へ移動を規制して当該両受け筒部６１，６１を受けベース５３の上面に沿った収納位置に保持することができる。両受け筒部６１，６１が収納位置に保持されるので、結果的に支え板６４も収納位置に保持される。
上記のようにして支え板６４および両受け筒部６１，６１を収納した状態で、受けベース５３を上方へ回動し、然る後ロック錠５５により受けベース５３を保持ベース５２の縦枠５２ａに対して平行に保持することにより当該受けベース５３を収納しておくことができる。
一方、受けベース５３を水平に取り出した状態で、保持爪６６を図６において左回りに回転させてその先端部を受け筒部６１の内周側から外すことにより両受け筒部６１，６１および支え板６４を起立させることができる。両受け筒部６１，６１を起立させて、支え板６４を両受け筒部６１側へ傾倒させて支え受け板６２ｂに乗せ掛けるとともに、その先端部を支持板６２の突起部６２ａの下側に係合させることにより、当該両受け筒部６１，６１が起立状態にロックされる。
図８に示すようにこの起立状態の両受け筒部６１，６１に、折り畳んだ車いす１００の両キック部１０８，１０８を差し込み、かつ両後輪１０５，１０５を受けベース５３上に乗せ掛けることにより当該車いす１００を受けベース５３上に固定することができる。この車いす固定状態では、両受け筒部６１，６１が支え板６４と保持壁部５３ａにより倒れないように保持されるので、車いす１００は受けベース５３上に転倒しないよう強固に固定しておくことができる。
【００１９】
以上のように構成された車両用シート１および車いす保持装置５０を用いることにより、車室外において車いす１００を使用する着座者（車いす利用者）が楽にシート本体１０に着座して車室内へ乗り込み、かつ車いす１００を楽に車室内へ収納することができる。以下、そのための一連の動作について説明する。
先ず、車いす利用者若しくはその介護者がリモコンのスライドスイッチＳ１を「左」側に切り換えて車幅方向移動機構２０によりシート本体１０を助手席位置まで移動させる。然る後、リモコンの振り出しスイッチＳ２を「下」側に切り換えて、シート本体１０をドア開口部側へ回転させ、引き続き室外移動機構４０により横向き状態のシート本体１０をドア開口部を経て車室外側へ振り出す。車室外に振り出されたシート本体１０は、車室内におけるよりも路面に近い高さまで下降される。
こうして車室外に振り出されたシート本体１０の横に、車いす利用者が車いすに搭乗したまま接近する。この際、車いす保持装置５０の受けベース５３は予め上方へ起立させた状態に収納しておく。これにより、車いす利用者はシート本体１０の横により近くまで接近することができるので、車いす１００とシート本体１０との間で着座者は楽に乗り移り動作を行うことができる。
着座者が車いす１００からシート本体１０側への乗り移り動作を完了した後、着座者または介護者がロック錠５５を外して、受けベース５３を下方へ回動させて水平位置に取り出す。次に、保持爪６６をアンロック側に回転して両受け筒部６１，６１を起立させた後、支え板６４を斜め後方へ傾倒して支え受け板６２ｂの上部に乗せ掛けるとともに、その先端部を支持板６２の突起部６２ａの下側に係合させることにより両受け筒部６１，６１を起立状態に固定する。然る後、着座者または介護者が車いす１００を折り畳んで、その両キック部１０８，１０８を受け筒部６１，６１に差し込む。車いす１００は、両キック部１０８，１０８を受け筒部６１，６１に差し込むだけで、受けベース５３上すなわち当該車いす保持装置５０に固定される。
【００２０】
次に、着座者またはその介護者が回転ロック解除レバー７２をアンロック側に操作して、当該車いす保持装置５０の回転ロック状態を解除する。これにより保持ベース５２ひいては受けベース５３上の車いす１００を、回動支持部５１の支持軸５８を中心にして自由回動させることができる状態となる。然る後、着座者または介護者がシート本体側若しくはリモコンの振り出しスイッチＳ２を「上」側に切り換える。これにより室外移動機構４０が室内側に作動することにより、シート本体１０および着座者が上昇しながら車室内側へ戻される。シート本体１０および着座者が助手席位置まで戻されると、引き続いて回転機構３０が作動してシート本体１０および着座者が車両正面向き位置に戻される。
この際、着座者若しくはその介護者は、シート本体１０の室内側への移動に伴ってあるいは横向き位置から正面向き位置に回転するのに伴って、車いす保持装置５０および車いす１００が、車両ボディの例えばドア開口部Ｋに干渉等しないようにシートクッション１１の側方と前方との間で車いす１００を車いす保持装置５０ごと移動させることができる。なお、万が一、車いす１００あるいは車いす保持装置５０が車両ボディ等に干渉したときには、振り出しスイッチＳ２のノブＳ２ａからすぐに指を離せば、自動的に振り出しスイッチＳ２が「切」側に戻され、これにより室外移動機構４０または回転機構３０が即座に停止される。
シート本体１０が室外移動機構４０により車室内側へ戻される段階では、車いす保持装置５０をシート本体１０の前側に移動させておくことにより、車いす１００および車いす保持装置５０が車両Ｍの側面に干渉することを回避できる。また、室内側に戻されたシート本体１０を回転機構３０により車両正面向きに戻す段階では、車いす保持装置５０をシート本体１０の側方側に戻すことにより、車いす１００および車いす保持装置５０がドアあるいはドア開口部Ｋの縁部に干渉することを回避することができる。
【００２１】
こうしてシート本体１０および着座者が助手席位置において車両正面向き位置に戻され、かつ車いす１００および車いす保持装置５０がシート本体１０とともにドア開口部Ｋ付近まで移動された後、シート本体側若しくはリモコンのスライドスイッチＳ１を「右」側に切り換えて車幅方向移動機構２０によりシート本体１０を着座者が着座した状態のままで運転席側へスライドさせる。このとき、車いす保持装置５０および車いす１００がシート本体１０と一体となって車室内へ進入する。シート本体１０が運転席位置までスライドして車幅方向移動機構２０が動作停止すると、着座者は当該車両の運転席位置に着座した状態となる。この状態では、車いす保持装置５０により車いす１００がほぼ助手席位置において折り畳み状態で立てた状態に保持されている。
【００２２】
以上のように構成した本実施形態の車両用シート１によれば、シート本体１０は、車幅方向移動機構２０により運転席位置から助手席位置まで移動し、然る後回転機構３０によりドア開口部Ｋ側に向いた横向き位置まで回転し、この横向き状態で室外移動機構４０により車室外側へ移動しつつ路面に近い高さまで下降される。このため、着座者は、車室外において横向きになったシート本体１０と路面上の車いす１００との間で乗り移り動作を行うことができるので、より楽にシート本体１０と車いす１００との間で乗り移り動作を行うことができる。
また、車いす１００を保持する車いす保持装置５０がシート本体１０に設けられているので、当該車いす保持装置５０への車いす１００の保持動作を車室外においてかつ車室内よりも路面に近い高さで行うことができるので、車いす保持装置５０への車いす保持動作を前記従来のものよりも楽に行うことができる。
さらに、車いす保持装置５０に保持した状態の車いす１００をシート本体１０の周囲に移動させることができるので、シート本体１０を車室内へ移動させる際、あるいはその逆に車室内から車室外へ移動させる際にドア開口部Ｋ等の車両の他の部位に干渉しないように移動させることができ、この点で当該車いす保持装置５０ひいては車両用シート１の使い勝手をよくすることができる。
【００２３】
以上説明した実施形態には種々変更を加えることができる。例えば、車いすを受けベース５３上に固定するための固定具として、車いす１００のキック部１０８，１０８を利用する受け筒部６１，６１を例示したが、これに代えて例えば後輪１０５，１０５を受けベース５３上に固定するバンドあるいは金具等を設ける構成としてもよい。
また、進行方向の右側に運転席を有する車両（右ハンドル車）Ｍであってこの車両Ｍが道路の左側を走行する場合（図１参照）を例示したが、進行方向左側に運転席を有する車両（左ハンドル車）であってこの車両が道路の右側を走行する場合にも同様に適用することができる。この左ハンドル車の場合には、運転席に対して右側に助手席が位置し、さらにその右側に歩道が位置することとなる。従って、この場合には、着座者から見てシート本体の右側部に車いす保持装置を配置することとなる。
さらに、保持ベース５２に対して受けベース５３を上方へ回動させて格納可能な構成を例示したが、保持ベース５２の横枠５２ｂに対して受けベースを一体に設ける構成としてもよい。この場合には、両受け筒部を起立状態に固定した構成としてもよい。
また、当該車両用シート１を運転席に適用した場合を例示したが、その後ろ側の第二列席、第三列席、…であって、車道側の座席のすべてに適用することができる。要は、車道側のシート本体を車幅方向移動機構により歩道側へ移動させ、然る後回転機構によりシート本体を歩道側のドア開口部に向けて回転させ、さらに室外移動機構によりシート本体を歩道側のドア開口部を経て車室外に移動させる構成とすることにより、着座者あるいは車いす利用者は、対向車あるいは後続車の心配をすることなく歩道側においてシート本体と車いすとの間の乗り移り動作を楽に行うことができ、また車いすの車いす保持装置への保持動作および取り出し動作を楽に行うことができる。この明細書において、車道側とは、当該車両Ｍに対して対向車または後続車が通過する側であり、歩道側とはその反対側をいう。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施形態を示す図であり、車道に停止させた車両の平面図である。本図は、車両の左側のドア開口部を経て車いす利用者が運転席まで移動する形態を示している。
【図２】本実施形態の車両用シートを助手席側から見た側面図である。
【図３】車幅方向移動機構の斜視図である。
【図４】室外移動機構の側面図である。
【図５】シート本体の側面図であって、スライドスイッチおよび振り出しスイッチの側面図である。
【図６】車いす保持装置の分解斜視図である。
【図７】折り畳んだ状態の車いすの斜視図である。
【図８】車いす保持装置に車いすを保持した状態の正面図である。
【図９】保持爪により受け筒部を保持した状態の平面図である。
【図１０】保持爪により受け筒部を保持した状態の側面図である。
【符号の説明】
Ｍ…車両
Ｋ…ドア開口部
Ｃ…制御装置
Ｓ１…スライドスイッチ
Ｓ２…振り出しスイッチ
１…車両用シート
１０…シート本体
２０…車幅方向移動機構
２５…幅方向移動ベース
３０…回転機構
３３…回転ベース
３４…回転モータ
４０…室外移動機構
４１…四節リンク機構
４２…駆動装置
５０…車いす保持装置
５１…回動支持部
５２…保持ベース
５３…受けベース
６１…受け筒部
６４…支え板
７１…回転ロック装置
１００…車いす
１０８…キック部[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a vehicle seat that can be suitably used for a so-called welfare vehicle. For example, a person using a wheelchair such as an elderly person or a disabled person (hereinafter, also referred to as an occupant) can get on and off the vehicle. The present invention relates to a vehicular seat for easy operation.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, for example, Japanese Unexamined Utility Model Publication No. 7-27932 discloses a configuration in which a driver's seat is slid to a passenger seat side so that the driver gets on and off the vehicle on a passenger side which is generally a sidewalk side instead of a road side. By doing so, there is disclosed a vehicle seat that allows the driver to get on and off with ease without worrying about a following vehicle or the like, thereby making it easy to get on or off the driver's seat. In addition, the publication discloses that a wheelchair used outside a vehicle compartment is held in a folded state at the side of a seat, and the wheelchair is stored in a driver's seat side together with the seat, so that the wheelchair is separately stored in a trunk or the like. There is disclosed a vehicle seat that does not need to be overlaid.
[0003]
[Patent Document 1]
Japanese Utility Model Laid-Open Publication No. 7-27932
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
In the above conventional vehicle seat, when the occupant gets into the vehicle alone without a caregiver or the like, the occupant reaches out of the passenger compartment while sitting on the seat body moved to the passenger seat position. The operation of folding the wheelchair outside the vehicle compartment and then lifting it up to the interior of the vehicle compartment and holding it to the side of the seat body has to be performed. In this respect, the operation of storing the wheelchair is difficult.
In view of the above, an object of the present invention is to provide a vehicle seat that can easily store and store a wheelchair as well as get into and out of a vehicle.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
Therefore, the present invention provides a vehicle seat having the configuration described in the claim.
According to the vehicle seat of the first aspect, the seat body is moved from the driver seat position to the passenger seat position by the vehicle width direction moving mechanism, and then rotated to the lateral position toward the door opening by the rotating mechanism. Then, in this sideways state, it is lowered to a height close to the road surface while moving to the outside of the vehicle compartment by the outdoor moving mechanism. Therefore, the seated person can perform a transfer operation between the seat body turned sideways outside the cabin and the wheelchair on the road surface, so that the seated person can more easily sit on the seat body, and the seat body can be moved from the seat body to the wheelchair. You can go back to
In addition, since the wheelchair holding device for holding the wheelchair is provided in the seat body, the operation of holding the wheelchair to the wheelchair holding device can be performed outside the vehicle cabin. Can be done more easily than
Furthermore, since the wheelchair held in the wheelchair holding device can be moved around the seat body, when the seat body is moved into the vehicle interior, or vice versa, the vehicle can be moved from the vehicle interior to the outside of the vehicle interior. The wheelchair and the wheelchair holding device can be moved so as not to interfere with other parts, and in this respect, the usability of the vehicle seat and thus the wheelchair holding device can be improved.
[0006]
According to the vehicle seat of the second aspect, at the stage of moving between the seat body and the wheelchair outside the cabin, the wheelchair is moved closer to the seat body by rotating the receiving base upward and storing it. Thus, the transfer operation between the two can be performed more easily.
When the wheelchair is not stored in the passenger compartment, the wheelchair holding device can be made compact by storing the receiving base. As the fixture for the receiving base, for example, a cylindrical receiving cylinder portion for inserting the kick portion of the wheelchair and holding the wheelchair can be provided.
According to the vehicle seat of the third aspect, the occupant seated on the seat body holds the wheelchair in the wheelchair holding device at a height closer to the road surface than in the room (for example, the wheelchair has the same seating surface height). Therefore, it is possible to more easily hold the wheelchair in the holding device as compared with the case where the same operation is performed by reaching out from the room in the past, and in this respect, the wheelchair can be more easily held than the conventional wheelchair holding device. Can be. Further, since the seat body is lowered to a position lower than the vehicle interior, the occupant can more easily perform the transfer operation between the seat body and the wheelchair.
The vehicle seat according to claim 4 can be applied not only to the case where the vehicle seat is applied as the driver seat as described above, but also to the second and third row seats behind the driver seat. In any case, the seat body is moved to the sidewalk side in the vehicle width direction, the seat body is moved out of the passenger compartment through the door opening on the sidewalk side, without worrying about an oncoming vehicle or a following vehicle on the sidewalk side. The transfer operation between the seat body and the wheelchair can be easily performed, and the operation of holding the wheelchair to the wheelchair holding device or the operation of removing the wheelchair from the wheelchair holding device can be easily performed.
[0007]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Next, an embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. As shown in FIG. 1, the embodiment described below exemplifies a case where the driver's seat is set on the right side in the traveling direction of the vehicle M (right handle) and the vehicle travels on the left side. Therefore, the seat body 10 reaches the passenger seat position by moving from the driver seat position to the left in the vehicle traveling direction. The seat body 10 that has moved to the passenger seat position is swung out of the vehicle compartment (to the sidewalk side) through the passenger seat door opening K located on the left side thereof.
FIG. 2 shows a vehicle seat 1 according to the present embodiment. The vehicle seat 1 includes a seat body 10 having a seat cushion 11 and a seat back 12, a vehicle width direction moving mechanism 20 for moving the seat body 10 between a driver seat position and a passenger seat position, and The seat body 10 that has been moved to the passenger seat position by the vehicle width direction moving mechanism 20 has a position facing the front of the vehicle (hereinafter, also simply referred to as a front position) and a position facing the door opening K for the passenger seat (hereinafter, simply a lateral position). ), And the horizontal rotation of the seat body 10 to the outside of the passenger compartment through the passenger seat door opening K while lowering the seat body 10 in the lateral state to a height close to the road surface. The outdoor moving mechanism 40 is provided on the side of the seat body 10 on the passenger seat side, and moves to the passenger compartment together with the seat body 10 while holding the wheelchair 100 to move the wheelchair 100 to the vehicle interior. And a wheelchair holding device 50 to be stored in. In FIG. 2, the illustration of the wheelchair holding device 50 is omitted.
[0008]
First, the vehicle width direction moving mechanism 20 will be described. FIG. 3 shows details of the vehicle width direction moving mechanism 20 of the present embodiment. On the floor F of the vehicle M, two screw shafts 21 and 21 are arranged parallel to each other with a certain width in the front-rear direction along the left-right width direction of the vehicle M. The two screw shafts 21 and 21 have a length from the driver seat of the vehicle M to the passenger seat.
The driver's seat side ends of the two screw shafts 21 and 21 are connected to the output shaft of the slide motor 22, respectively. Therefore, the two screw shafts 21 and 21 are respectively rotated by the slide motor 22. The two slide motors 22, 22 are fixed on the vehicle floor F by brackets 22a, 22a, respectively. The two slide motors 22, 22 are operated by the control device C in synchronization with respect to the rotation direction and the rotation speed. That is, the two slide motors 22, 22 are controlled so as to rotate simultaneously in the same direction at the same speed. The passenger seat side ends of the two screw shafts 21 and 21 are rotatably supported by brackets 23, respectively.
One nut 24 is meshed with each of the two screw shafts 21 and 21. These two nuts 24, 24 are fixed to the lower surface of the width-direction moving base 25. By starting both slide motors 22 and 22 at the same time and rotating the screw shafts 21 and 21 in the same direction and at the same speed, the width direction moving base 25 moves from the driver's seat side to the passenger seat side or in the opposite direction.
Wheels 26 to 26 are rotatably arranged at four corners on the lower surface of the width direction moving base 25, respectively.
[0009]
The rotation mechanism 30 is mounted on the upper surface of the width direction moving base 25. The rotation mechanism 30 has an outer ring 31 and an inner ring 32 that can rotate with each other. The inner race 32 is fixed to the upper surface of the width direction moving base 25, and the outer race 31 is fixed to the lower surface of the rotating base 33. A gear 31 a is formed on the outer peripheral surface of the outer ring 31. On the other hand, a rotation motor 34 is mounted on the upper surface of the width direction moving base 25. The drive gear 34a attached to the output shaft of the rotary motor 34 is meshed with the gear 31a of the outer race 31. Therefore, when the rotation motor 34 is started, the outer ring 31 and thus the rotation base 33 are rotated, whereby the seat body 10 is rotated by about 90 ° between the front position and the side position. The start and stop of the rotation motor 34, the rotation direction, the rotation speed, and the like are also controlled by the control device C.
[0010]
An outdoor moving mechanism 40 is provided on the upper surface side of the rotation base 33. The outdoor moving mechanism 40 includes a pair of left and right four-joint link mechanisms 41, 41 supported on the left and right sides of the rotary base 33 so as to be tiltable up and down, and causes the two four-joint link mechanisms 41, 41 to expand and contract vertically. And a driving device 42. The distal ends of the two four-bar linkages 41 are connected to the side of the seat back 12 of the seat body 10. That is, each of the four-joint link mechanisms 41, 41 includes an upper arm 41a and a lower arm 41b, and the distal end of the upper arm 41a is rotatably connected to the upper side of the side of the seat back 12, and the distal end of the lower arm 41b is connected to the upper arm 41a. The seat back 12 is rotatably connected to a lower portion of a side portion. The base ends of the upper arm 41a and the lower arm 41b are supported on the side of the rotary base 33 so as to be tiltable up and down. The base ends of the left and right upper arms 41a, 41a are integrally connected by a single connection bar 41c.
As shown in FIG. 4, the driving device 42 includes a swing motor 43, a screw shaft 44 rotated by the swing motor 43, and a nut 45 meshed with the screw shaft 44. On both sides of the nut 45, one ends of the link arms 46, 46 are supported via a support shaft 46a so as to be tiltable up and down. The other ends of the link arms 46, 46 are respectively connected to a bracket 48 via support shafts 46b so as to be tiltable up and down. The bracket 48 is attached to the upper surface of the rotation base 33. For this reason, the nut 45 is circularly moved by the up and down tilting operation of the link arms 46 and 46 about the support shaft 46b, and is thereby supported so as to be displaceable up and down and back and forth.
One end of a link arm 47 is supported on the left and right sides of the swing motor 43 via a support shaft 47a so as to be vertically tiltable. The other ends of the link arms 47 are fixed to the connecting bar 41c so that they cannot rotate and cannot move in the axial direction.
When the oscillating motor 43 is started, the screw shaft 44 rotates, whereby the screw shaft 44 moves in the axial direction while the nut 45 circularly moves up and down and back and forth about the support shaft 46b. The link arms 47 are moved in an arc while being tilted up and down. When the link arms 47, 47 are tilted up and down, the connecting bar 41c is rotated, whereby the upper arms 41a, 41a are tilted up and down, and as a result, both the four-bar link mechanisms 41, 41 are tilted up and down. When the two four-bar linkages 41 and 41 are tilted up and down, the seat body 10 descends from the vehicle interior to the exterior of the vehicle, and conversely returns from the exterior to the interior of the vehicle. The movement of the seat body 10 between the inside and outside of the vehicle is a parallel movement, and thereby each part of the four-joint link mechanism 41, 41 so that the seated posture of the seated person is kept constant (so that the seat surface is not inclined). Are set appropriately.
The control device C also controls the start / stop, rotation direction, rotation speed, and the like of the swing motor 43.
[0011]
When the driving device 42 is activated to the seat swinging side in a state where the seat body 10 is moved to the passenger seat position by the vehicle width direction moving mechanism 20 and is rotated to the lateral position by the rotating mechanism 30, the two-four-bar link mechanism 41 , 41 tilt downward, whereby the seat body 10 descends while moving to the outside of the cabin through the door opening K on the passenger seat side, and moves to a height outside the cabin closer to the road surface. Conversely, when the drive device 42 is activated to the seat storage side while the seat body 10 is moved to the outside of the passenger compartment, the two four-bar linkages 41, 41 are tilted upward, whereby the seat body 10 is moved to the passenger seat. The vehicle is moved upward through the door opening K and returned to the passenger seat position. After being returned to the passenger seat position, the rotation of the rotation motor 34 subsequently causes the seat body 10 to rotate to the front-facing position, and then the two slide motors 22, 22 of the vehicle width direction moving mechanism 20 to be activated. Returned to the driver's seat.
As shown in FIG. 5, a slide switch S1 and a swing-out switch S2 mainly operated by the occupant are disposed on the right side of the occupant of the seat body 10 as viewed from the occupant. When the occupant switches the knob S1a of the slide switch S1 from the middle “off” position to the lower “left” position, the slide motor 22 is activated, and the width-direction moving base 25 and, consequently, the seat body 10 are moved from the driver's seat position to the passenger seat. It moves toward the position (from the right side of the vehicle M to the left side). The slide switch S1 switches the knob S1a to "right" or "left" with a fingertip by a seated person, and the slide motors 22, 22 continue to be activated while maintaining this switching state. When the occupant releases the fingertip from the knob S1a, the slide switch S1 automatically returns to the “off” position, and can be stopped freely during the slide. However, the position of the driver's seat and the position of the passenger's seat of the width direction moving base 25 and thus the seat body 10 are detected by sensors not shown. This detection signal is input to the control device C, and a stop signal is output to the slide motors 22 based on the detection signal. Therefore, even when the slide switch S1 is held at the "right" or "left" as described above, the slide is performed when the sensor detects that the seat body 10 has reached the driver's seat position or the passenger seat position. The motors 22, 22 are stopped.
[0012]
When the swing switch S2 is switched from the "off" position to the "down" position after the seat body 10 reaches the passenger seat position, the rotary motor 34 is first activated to move the seat body 10 from the front-facing position to the door opening K side. Start spinning towards. When the seat body 10 rotates by about 90 ° to reach a position (sideways position) facing the door opening K, the rotation motor 34 stops. When it is confirmed by a sensor (not shown) that the seat body 10 has reached the horizontal position, the swinging motor 43 is subsequently activated, and both the four-joint link mechanisms 41 of the outdoor moving mechanism 40 start to tilt downward. As a result, the seat body 10 descends to the outside of the passenger compartment through the door opening K. The seat body 10 is displaced downward while moving to the outside of the vehicle compartment, and descends to a height closer to the road surface than in the vehicle compartment.
The fact that the seat body 10 has reached the swinging position on the vehicle compartment side is confirmed by detecting the position of the four-bar link mechanism 41 with a sensor, whereby the swing motor 43 stops. As described above, the rotation operation and the swing operation (movement operation between the inside and outside of the vehicle) of the seat body 10 are operated by one swing switch S2. That is, by switching the swinging switch S2 to the “down” position and holding it with the fingertip, the seat body 10 can be rotated to the position facing the door opening K side, and the swinging switch S2 is held as it is. By doing so, the swing motor 43 is subsequently activated to swing the seat body 10 out of the vehicle compartment. Therefore, when the fingertip is released from the knob S2a of the swinging switch S2, the knob S2a is automatically returned to the "OFF" position, whereby the seat body 10 can be freely stopped during the rotating operation or the swinging operation.
With the seat body 10 swung up to a height close to the road surface outside the passenger compartment, the occupant can easily move between the seat body 10 and the wheelchair 100. After the occupant has moved onto the seat body 10, the occupant holds the wheelchair 100 which has been used up to that time with his own hand or with the help of a caregiver in the wheelchair holding device 50, and enters the passenger compartment together with the seat body 10. Can be stored. The wheelchair holding device 50 will be described later.
[0013]
Next, when the swing switch S2 is switched to the "up" position after the occupant has moved onto the seat body 10, the swing motor 43 of the outdoor moving mechanism 40 rotates in the reverse direction, and the four-bar linkages 41, 41 tilt upward. As a result, the seat body 10 is returned to the vehicle interior side while rising through the door opening K. By keeping the swinging switch S2 at the “up” position, the swinging motor 43 is stopped, and then the rotation motor 34 starts to rotate in the reverse direction, whereby the seat body 10 starts rotating toward the front-facing position. . When the seat body 10 reaches the position facing the front, this is detected by a sensor, and based on this, the rotation motor 34 stops. Thus, the seat body 10 is returned to the passenger seat position.
After the seat body 10 is returned to the passenger seat position, when the occupant switches the slide switch S1 to the "right" position, the slide motor 22 of the vehicle width direction moving mechanism 20 is activated in the opposite direction to the above and the width direction is changed. The moving base 25 and thus the seat body 10 move from the passenger seat position to the driver seat position (from the left side to the right side of the vehicle M). When the seat body 10 is returned to the driver's seat position, this is detected by a sensor, and based on this, the slide motor 22 is stopped.
Although not shown, a remote controller including switches having the same functions as the slide switch S1 and the swinging switch S2 is provided near the door opening K. This remote control is used when a user of a wheelchair or a caregiver remotely controls the seat body 10 when a seated person is not sitting on the seat body 10. Hereinafter, the names of the slide switch S1 and the swing switch S2 are also used for the switches of the remote controller.
[0014]
Next, as shown in FIG. 6, a wheelchair holding device 50 for holding the wheelchair 100 is provided on a side portion of the seat body 10 on the passenger seat side (left side when viewed from a seated person). The wheelchair holding device 50 includes a rotation support portion 51 attached to the left side portion of the seat cushion 11 and a holding base movably provided around the left front corner of the seat body 10 via the rotation support portion 51. 52, and a receiving base 53 that is supported by the holding base 52 so as to be rotatable up and down, is rotatable downward, is held in a horizontal position, and on which the wheelchair 100 can be placed.
The rotation support section 51 has a lower support 57 fixed so as to project obliquely forward from the left side of the seat cushion 11 (seat frame). On the base side of the lower support 57, a vertical column 70 is fixed in an upright state. On the upper part of the vertical column 70, an upper support 56 is provided so as to project sideways. The upper support 56 extends parallel to the lower support 57. A support shaft 58 is fixed vertically between the upper and lower support bases 56 and 57 along the vertical direction. In a state in which the support shaft 58 is rotatably inserted into the inner peripheral side without looseness, a cylindrical support tube 59 is rotatably provided around the support shaft 58 between the distal ends of the upper and lower support bases 56 and 57. I have. A holding base 52 is fixed to a side portion of the support cylinder 59 via a support column 60. Thereby, the holding base 52 and the receiving base 53 described below are positioned along the side surface of the seat cushion 11 with the support shaft 58 as the center (left side as viewed from the seated person) and along the front surface of the seat cushion 11. It can be horizontally rotated (swinged) between (in front of the seated person) (around the front left corner).
[0015]
The holding base 52 can be fixed to the side surface of the seat cushion 11. The holding base 52 is formed in a substantially L-shape having a vertical frame 52a and a horizontal frame 52b as shown in the figure, and one end of the vertical frame 52a (the front end in FIG. 6) supports the support column 60. It is connected to the support cylinder 59 through the support cylinder 59.
A striker 68 is attached to the upper part of the vertical frame 52a. On the other hand, a rotation lock device 71 is attached to the side of the vertical column 70. When the holding base 52 is positioned on the side surface of the seat cushion 11, the striker 68 engages (catches) with the rotation lock device 71, and the holding base 52 rotates at a position substantially along the side surface of the seat cushion 11. Locked to impossible. The rotation lock device 71 includes a rotation lock release lever 72 for releasing the rotation lock state. By releasing the rotation lock release lever 72, the engagement state of the rotation lock device 71 with the striker 68 is released, whereby the holding base 52 and, consequently, the wheelchair holding device 50 can be rotated to the front side of the seat cushion 11. become able to.
A receiving base 53 is connected via a hinge 54 so as to be rotatable up and down along the distal end of the horizontal frame 52 b of the holding base 52. Thus, when the receiving base 53 is rotated upward, it is stored in a storage position substantially parallel to the vertical frame 52a of the holding base 52, and when it is rotated downward, the receiving base 53 is horizontally moved from the horizontal frame 52b of the holding base 52 to the side. At the take-out position where it overhangs. Stopper plates 53b, 53b are provided in a protruding state at an edge of the receiving base 53 on the side of the horizontal frame 52b. The stopper bases 53b, 53b abut against the lower surface of the horizontal frame 52b, so that the receiving base 53 is held at the horizontal take-out position. The wheelchair 100 is placed in a folded state on the upper surface of the receiving base 53 held at the horizontal take-out position. The receiving base 53 stored at the storage position is held at the storage position by a toggle type lock lock 55.
[0016]
In the present embodiment, the wheelchair 100 can be a commercially available general folding type as it is, and does not require any particular change. FIG. 7 schematically shows this general wheelchair 100. This wheelchair is rotatably supported by a pair of left and right frames 101, 101, a cloth seat 102 and a backrest 103 bridged between the two frames 101, 101, and one by one on each of the two frames 101, 101. And a front wheel 104 and a rear wheel 105.
At the front of the frames 101, 101, there are provided footrests 106, 106 which can be turned upward and can be stored, and which can be turned downward and can be taken out to a use position. Further, handle portions 107, 107 to be held by a caregiver are provided on the upper rear side of the frames 101, 101. In addition, kick portions 108, 108 on which the caregiver steps and presses down on the rear lower portions of both frames 101, 101 to lift the front wheels 104, 104 when the wheelchair 100 advances over a step, for example. Is provided so as to protrude backward.
The wheelchair 100 can be used by widening the space between the frames 101, 101, holding the expanded state by a lock bar (not shown), and keeping the seat 102 and the backrest 103 in a taut state. . On the other hand, the wheelchair 100 can be held in a folded state by removing the lock bar, bringing the two frames 101, 101 closer together, and fixing the approached state with a fixed belt (not shown). In this folded state, the left and right footrests 106, 106, the handle parts 107, 107, and the kick parts 108, 108 are also kept close to each other.
In the present embodiment, the wheelchair 100 is held by the wheelchair holding device 50 using the kick portions 108, 108 held in the close state.
[0017]
As shown in FIG. 6, at the rear of the upper surface of the receiving base 53, receiving cylinder portions 61, 61 for inserting a pair of left and right kick portions 108, 108 of the folded wheelchair 100 are taken out and stored. Each of the receiving cylinder portions 61, 61 forms a cylinder having an inside diameter into which the kick portion 108 can be inserted, and is fixed in parallel to each other by a support plate 62 and a support receiving plate 62b. The receiving cylinder portions 61 have a depth (length) enough to insert the kick portions 108 in a sufficient length range and securely hold the wheelchair 100. The receiving cylinder portions 61 correspond to an embodiment of the fixing tool described in the claims.
The support plate 62 is provided on the upper side of both the receiving cylinder portions 61, 61 in a bridging state, and the support receiving plate 62b is provided on the lower side of the both receiving cylinder portions 61, 61 in a bridging state. The two receiving cylinder portions 61, 61 are vertically rotatably supported by the receiving base 53 via a hinge 63 attached between the lower support receiving plate 62b and the receiving base 53. The cylindrical portions 61, 61 can be stored by being tilted to a position along the upper surface of the receiving base 53, and can be taken out to a use position which stands substantially perpendicular to the receiving base 53.
On the front side (front side in FIG. 6) of the two receiving cylinder portions 61, 61, a support plate 64 for holding the receiving cylinder portions 61, 61 in the upright use position is rotated vertically via hinges 65. It is provided as possible. This support plate 64 is tilted obliquely rearward and rests on the upper portion of the support receiving plate 62b, and the front end of the support plate 64 is engaged with a projection 62a provided on the upper front surface of the support plate 62, thereby forming the two receiving cylinder portions 61. , 61 are fixed so as not to fall forward. At the rear end of the receiving base 53, a holding wall 53a is provided so as to protrude upward. The holding wall portion 53a prevents the receiving cylinder portions 61, 61 from falling backward.
The support plate 64 can be stored along the upper surface of the receiving base 53 by falling down to the front side in FIG.
[0018]
At the front corner of the receiving base 53, holding claws 66 for holding the receiving cylinders 61, 61 in a state of being received along the receiving base 53 are rotatable along the surface direction of the receiving base 53. Is provided. The holding claw 66 is integrally provided with a lever portion 67. In a state where the support plate 64 is received along the upper surface of the base 53, the two receiving cylinder portions 61 are lowered so as to cover the support plate 64, and then the holding portion 66 is held by grasping the lever portion 67. By turning clockwise in FIG. 6, the distal end portion is made to enter the inner peripheral side of one of the receiving cylinder portions 61, as shown in FIGS. The movement of the receiving cylinder 61 in the upright direction is restricted, and the receiving cylinder portions 61 can be held at the storage position along the upper surface of the base 53. Since both receiving cylinder portions 61, 61 are held at the storage position, as a result, the support plate 64 is also held at the storage position.
With the support plate 64 and the receiving cylinder portions 61, 61 housed as described above, the receiving base 53 is rotated upward, and then the receiving base 53 is locked by the lock lock 55 to the vertical frame 52a of the holding base 52. , The receiving base 53 can be stored.
On the other hand, in a state where the receiving base 53 is taken out horizontally, the holding claw 66 is rotated counterclockwise in FIG. The support plate 64 can be raised. The support cylinders 61, 61 are erected, the support plate 64 is tilted toward the both support cylinders 61 and mounted on the support support plate 62b, and the front ends of the support plates 64 are positioned below the protrusions 62a of the support plate 62. By the engagement, the receiving cylinder portions 61 are locked in the upright state.
As shown in FIG. 8, the kick portions 108, 108 of the folded wheelchair 100 are inserted into the upright receiving cylinder portions 61, 61, and the rear wheels 105, 105 are placed on the receiving base 53. The wheelchair 100 can be received and fixed on the base 53. In this wheelchair-fixed state, the receiving cylinder portions 61 are held by the support plate 64 and the holding wall portion 53a so as not to fall down. Therefore, the wheelchair 100 should be firmly fixed on the receiving base 53 so as not to fall. Can be.
[0019]
By using the vehicle seat 1 and the wheelchair holding device 50 configured as described above, a seated person (wheelchair user) using the wheelchair 100 outside the vehicle compartment can easily sit on the seat body 10 and enter the vehicle compartment, In addition, the wheelchair 100 can be easily stored in the vehicle interior. Hereinafter, a series of operations for that will be described.
First, a wheelchair user or a caregiver switches the slide switch S1 of the remote controller to the “left” side and moves the seat body 10 to the passenger seat position by the vehicle width direction moving mechanism 20. Thereafter, the swing switch S2 of the remote controller is switched to the “down” side to rotate the seat body 10 toward the door opening side, and then the seat body 10 in the horizontal state is continuously moved by the outdoor moving mechanism 40 through the door opening. Shake out. The seat body 10 swung out of the vehicle compartment is lowered to a height closer to the road surface than in the vehicle compartment.
In this way, the user of the wheelchair approaches the side of the seat body 10 swung out of the cabin while riding on the wheelchair. At this time, the receiving base 53 of the wheelchair holding device 50 is stored in an upright state in advance. Thereby, the user of the wheelchair can approach closer to the side of the seat body 10, so that the occupant can easily perform the transfer operation between the wheelchair 100 and the seat body 10.
After the occupant has completed the transfer operation from the wheelchair 100 to the seat body 10, the occupant or caregiver removes the lock 55 and pivots the receiving base 53 downward to take it out to a horizontal position. Next, after the holding claws 66 are rotated to the unlock side to raise the two receiving cylinder portions 61, 61, the support plate 64 is tilted obliquely rearward to rest on the upper portion of the support receiving plate 62b, and the tip thereof. The receiving cylinder portions 61, 61 are fixed in an upright state by engaging the portions below the protrusions 62a of the support plate 62. Thereafter, a seated person or a caregiver folds the wheelchair 100 and inserts both kick portions 108 thereof into the cylinder portions 61 61. The wheelchair 100 is fixed on the receiving base 53, that is, the wheelchair holding device 50, simply by inserting the kick portions 108, 108 into the receiving cylinder portions 61, 61.
[0020]
Next, the seated person or the caregiver operates the rotation lock release lever 72 to the unlock side to release the rotation locked state of the wheelchair holding device 50. As a result, the wheelchair 100 on the holding base 52 and thus the receiving base 53 can be freely rotated about the support shaft 58 of the rotation support portion 51. Thereafter, the seated person or caregiver switches the swinging switch S2 of the seat body or the remote controller to the "up" side. As a result, the outdoor movement mechanism 40 operates toward the interior of the vehicle, whereby the seat body 10 and the occupant are returned to the interior of the vehicle while ascending. When the seat body 10 and the occupant are returned to the passenger seat position, the rotation mechanism 30 subsequently operates to return the seat body 10 and the occupant to the vehicle front-facing position.
At this time, the seated person or the caregiver thereof moves the wheelchair holding device 50 and the wheelchair 100 along with the movement of the seat body 10 to the indoor side or the rotation of the seat body 10 from the sideways position to the frontward position. For example, the wheelchair 100 can be moved together with the wheelchair holding device 50 between the side and the front of the seat cushion 11 so as not to interfere with the door opening K. In the unlikely event that the wheelchair 100 or the wheelchair holding device 50 interferes with the vehicle body, if the finger is immediately released from the knob S2a of the swing switch S2, the swing switch S2 is automatically returned to the “OFF” side. As a result, the outdoor moving mechanism 40 or the rotating mechanism 30 is immediately stopped.
When the seat body 10 is returned to the vehicle interior by the outdoor moving mechanism 40, the wheelchair holding device 50 is moved to the front side of the seat body 10 so that the wheelchair 100 and the wheelchair holding device 50 interfere with the side surface of the vehicle M. Can be avoided. At the stage of returning the seat body 10 returned to the indoor side to the front of the vehicle by the rotation mechanism 30, the wheelchair holding device 50 is returned to the side of the seat body 10 so that the wheelchair 100 and the wheelchair holding device 50 Alternatively, interference with the edge of the door opening K can be avoided.
[0021]
After the seat body 10 and the occupant are returned to the front-facing position at the passenger seat position, and the wheelchair 100 and the wheelchair holding device 50 are moved together with the seat body 10 to the vicinity of the door opening K, the seat body 10 or the remote controller The slide switch S1 is switched to the “right” side, and the seat body 10 is slid toward the driver's seat by the vehicle width direction moving mechanism 20 while the seated person is seated. At this time, the wheelchair holding device 50 and the wheelchair 100 enter the passenger compartment integrally with the seat body 10. When the seat body 10 slides to the driver's seat position and the vehicle width direction moving mechanism 20 stops operating, the occupant is in a state of sitting at the driver's seat position of the vehicle. In this state, the wheelchair 100 is held by the wheelchair holding device 50 in a folded state at the passenger seat position.
[0022]
According to the vehicle seat 1 of the present embodiment configured as described above, the seat body 10 is moved from the driver seat position to the passenger seat position by the vehicle width direction moving mechanism 20, and then the door opening is performed by the rotating mechanism 30. It rotates to the lateral position facing the part K side, and in this lateral state, it is lowered to a height close to the road surface while moving to the outside of the vehicle compartment by the outdoor moving mechanism 40. Therefore, the occupant can perform the transfer operation between the seat body 10 turned sideways outside the vehicle compartment and the wheelchair 100 on the road surface, so that the transfer operation between the seat body 10 and the wheelchair 100 can be more easily performed. It can be performed.
Further, since the wheelchair holding device 50 for holding the wheelchair 100 is provided on the seat body 10, the operation of holding the wheelchair 100 in the wheelchair holding device 50 is performed outside the vehicle compartment and at a height closer to the road surface than the vehicle interior. Therefore, the operation of holding the wheelchair to the wheelchair holding device 50 can be performed more easily than the conventional one.
Furthermore, since the wheelchair 100 held by the wheelchair holding device 50 can be moved around the seat body 10, when the seat body 10 is moved into the vehicle interior, or vice versa, it is moved from the vehicle interior to the outside of the vehicle interior. In this case, the vehicle can be moved so as not to interfere with other parts of the vehicle such as the door opening K, and in this respect, the usability of the wheelchair holding device 50 and thus the vehicle seat 1 can be improved.
[0023]
Various modifications can be made to the embodiment described above. For example, as the fixing device for fixing the wheelchair on the base 53, the receiving cylinder portions 61, 61 using the kick portions 108, 108 of the wheelchair 100 are illustrated, but, for example, the rear wheels 105, 105 may be used instead. A configuration in which a band or a metal fitting fixed on the receiving base 53 may be provided.
Further, a vehicle (right-hand drive vehicle) M having a driver's seat on the right side in the traveling direction (see FIG. 1) where the vehicle M travels on the left side of the road is illustrated, but has a driver's seat on the left side in the traveling direction. The present invention can be similarly applied to a vehicle (left-hand drive vehicle) where the vehicle runs on the right side of the road. In the case of this left-hand drive vehicle, the passenger seat is located on the right side of the driver's seat, and the sidewalk is located on the right side. Therefore, in this case, the wheelchair holding device is disposed on the right side of the seat body when viewed from the seated person.
Further, the configuration in which the receiving base 53 can be stored by rotating the receiving base 53 upward with respect to the holding base 52 has been illustrated, but the receiving base may be provided integrally with the horizontal frame 52b of the holding base 52. In this case, a configuration in which both receiving cylinder portions are fixed in an upright state may be adopted.
Further, the case where the vehicle seat 1 is applied to the driver's seat is illustrated, but the second seat, the third seat,... Behind the seat 1 can be applied to all the roadside seats. The point is that the seat body on the side of the road is moved to the sidewalk by the vehicle width direction moving mechanism, and then the seat body is rotated by the rotation mechanism toward the door opening on the sidewalk, and the seat body is further moved by the outdoor moving mechanism. By adopting a configuration in which the vehicle is moved to the outside of the cabin through the door opening on the sidewalk side, a seated person or a wheelchair user can transfer between the seat body and the wheelchair on the sidewalk side without worrying about an oncoming vehicle or a following vehicle. The operation can be performed easily, and the operation of holding and taking out the wheelchair to and from the wheelchair holding device can be performed easily. In this specification, the road side is a side on which an oncoming vehicle or a following vehicle passes with respect to the vehicle M, and the sidewalk side is the opposite side.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a view showing an embodiment of the present invention, and is a plan view of a vehicle stopped on a roadway. This figure shows a mode in which a wheelchair user moves to a driver's seat via a door opening on the left side of the vehicle.
FIG. 2 is a side view of the vehicle seat of the embodiment as viewed from a passenger seat side.
FIG. 3 is a perspective view of a vehicle width direction moving mechanism.
FIG. 4 is a side view of the outdoor moving mechanism.
FIG. 5 is a side view of the seat body, showing a slide switch and a swing-out switch.
FIG. 6 is an exploded perspective view of the wheelchair holding device.
FIG. 7 is a perspective view of the wheelchair in a folded state.
FIG. 8 is a front view of a state where the wheelchair is held by the wheelchair holding device.
FIG. 9 is a plan view showing a state where the receiving cylinder is held by holding claws.
FIG. 10 is a side view of a state where the receiving cylinder is held by holding claws.
[Explanation of symbols]
M… Vehicle
K: Door opening
C ... Control device
S1: Slide switch
S2: Swinging switch
1: Vehicle seat
10: Sheet body
20: Vehicle width direction moving mechanism
25 ... width direction moving base
30 ... Rotating mechanism
33 ... Rotating base
34 ... Rotary motor
40… Outdoor moving mechanism
41… Four-bar link mechanism
42 ... Drive device
50 ... Wheelchair holding device
51: Rotation support
52 ... holding base
53 ... receiving base
61 ... receiving cylinder
64 ... Support plate
71 ... Rotation lock device
100 ... wheelchair
108 ... Kick part
