JP2004195677A - 有機elアレイ露光ヘッド及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

有機elアレイ露光ヘッド及びそれを用いた画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】有機ELアレイの個々の素子に対応させてボールレンズを強固に固定して各素子からの光束をクロストークすることなく十分な解像力で効率良く感光体等の像担持体上に集光させるようにし、かつ、メンテナンス作業に対して十分な機械的強度を持った小型の露光ヘッドとそれを用いた画像形成装置。
【解決手段】長尺な基板3の上に、少なくとも1列の画素状に配列された有機EL素子のアレイを備え、有機EL素子のアレイの発光側に、各有機EL素子の発光部2各々に対応した整列位置にボールレンズ10が配置されており、ボールレンズ10の直径D、その屈折率nのとき、ボールレンズ10の入射側の面の面頂から距離D(1−1/n2 )までの高さ以下のボールレンズ10間の空隙が固定層14で埋められて固定されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機ELアレイ露光ヘッド及びそれを用いた画像形成装置に関し、特に、有機ELアレイの各素子からの発光を十分な解像力で効率良く利用できるようにし、かつ、十分な機械的強度を持った有機ELアレイ露光ヘッドの構成とその露光ヘッドを用いた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、有機ELアレイを画像形成装置用の露光ヘッドとして用いるものが種々提案されている。関係するものをあげると次の通りである。
【0003】
特許文献1においては、ガラス等の絶縁性基板上に有機ELアレイを一括作製し、別体のドライバーICを組み合わせ、有機ELアレイの発光部を感光ドラム上に結像させるのに集光性ロッドレンズアレイを用いている。
【0004】
特許文献2においては、複数列を持つワンチップ有機ELアレイを用いるもので、その発光部を感光ドラム上に結像させる光学系は不明である。なお、有機ELアレイのEL層は蒸着により堆積している。
【0005】
特許文献3においては、基板上面にインオ交換法でマイクロレンズを作成するか、基板裏面にフォトレジストを用いる方法あるいはレプリカ法でマイクロレンズを作成し、そのマイクロレンズに位置合わせて共振器構造を持つ有機ELアレイを蒸着により堆積する。
【0006】
特許文献4はアクティブマトリックス型有機EL表示体の製造方法に関するもので、薄膜トランジスタを有するガラス基板上に有機発光層をインクジェット法により形成するものである。
【0007】
特許文献5においては、有機EL素子の正孔注入層、有機発光層を隔壁を設けてインクジェット法により塗布して形成するものである。
【0008】
特許文献6においては、感光ドラム内部に発光層とその発光制御を行うTFT層を形成してプリンタを構成するものである。
【0009】
また、有機ELアレイ以外に、LEDアレイあるいは液晶シャッターアレイを画像形成装置用の露光ヘッドとして用いることも種々提案されており、それらの場合も、LEDアレイの発光部あるいは液晶シャッターアレイのシャッター部からの光束を感光ドラム上に集光させるのに集光性ロッドレンズアレイを用いるものが多く提案されている。
【0010】
【特許文献1】
特開平10−55890号公報
【0011】
【特許文献2】
特開平11−198433号公報
【0012】
【特許文献3】
特開2000−77188号公報
【0013】
【特許文献4】
特開平10−12377号公報
【0014】
【特許文献5】
特開2000−323276号公報
【0015】
【特許文献6】
特開2001−18441号公報
【0016】
【非特許文献1】
作花済夫著「ゾル−ゲル法の応用」(アグネ承風社(1997)pp.42〜47)
【0017】
【非特許文献2】
第8回電子ディスプレイ・フォーラム(2001.4.18)「高分子型有機ELディスプレイ」
【0018】
【非特許文献3】
(社)日本写真学会・日本画像学会合同出版委員会編「ファインイメージングとハードコピー」1999.1.7発行((株)コロナ社)p.43
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
以上の従来技術において、有機ELアレイを電子写真方式等のプリンタの露光ヘッドに用いる場合、有機ELアレイの有機EL素子発光部からの光束を感光ドラム上に集光させるのに集光性ロッドレンズアレイを用いる場合は、光路長が長くなり大型化してしまい、また、集光性ロッドレンズは各発光部に対して一対一に配置されないので周期的な光量むらが発生し、さらに、集光性ロッドレンズは製造方法上高度なためコストアップは避けられない。また、マイクロレンズを用いる場合は、各発光部に対応するマイクロレンズでなくその隣のマイクロレンズを経て対応しない画素位置に入射するクロストークが起こりやすくなり、解像力の低下につながる問題がある。
【0020】
また、マイクロレンズを個々に一つずつ基板に貼り付ける構成をとった場合、光学系に付着したトナーを拭き取る等のメンテナンス作業に対して機械的強度に間題がある。
【0021】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、有機ELアレイの個々の素子に対応させてボールレンズを強固に固定して各素子からの光束をクロストークすることなく十分な解像力で効率良く感光体等の像担持体上に集光させるようにし、かつ、メンテナンス作業に対して十分な機械的強度を持った小型の露光ヘッドとそれを用いた画像形成装置を提供することである。
【0022】
本発明のもう1つの目的は、有機ELアレイの個々の素子に対応させてボールレンズを配置してなる有機ELアレイ露光ヘッドにおいて、トナーによる汚れにより露光不良が起こることをを防止するようにすることである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の有機ELアレイ露光ヘッドは、長尺な基板の上に、少なくとも1列の画素状に配列された有機EL素子のアレイを備え、前記有機EL素子のアレイの発光側に、各有機EL素子の発光部各々に対応した整列位置にボールレンズが配置されており、
前記ボールレンズの直径をD、その屈折率をnとするとき、前記ボールレンズの入射側の面の面頂から距離D(1−1/n2 )までの高さ以下の前記ボールレンズ間の空隙が固定層で埋められて固定されていることを特徴とするものである。
【0024】
この場合に、その固定層が光吸収性の層からなることが望ましい。
【0025】
本発明のもう1つの有機ELアレイ露光ヘッドは、長尺な基板の上に、少なくとも1列の画素状に配列された有機EL素子のアレイを備え、前記有機EL素子のアレイの発光側に、各有機EL素子の発光部各々に対応した整列位置にボールレンズが配置されており、
前記ボールレンズの直径をD、その屈折率をnとするとき、少なくとも前記ボールレンズの入射側の面の面頂から距離D(1−1/n2 )以上の高さであって前記ボールレンズの射出側の面全体を覆う高さまでエアロゲル層が設けられていることを特徴とするものである。
【0026】
この場合に、エアロゲル層の表面に透明保護層が設けられていることが望ましい。その場合に、透明保護層は透明導電層からなることが望ましい。
【0027】
また、エアロゲル層の基板側に光吸収性の固定層が設けられていてもよい。
【0028】
以上において、ボールレンズの屈折率nは2以上のものであることが望ましい。
【0029】
本発明は、以上のような有機ELアレイ露光ヘッドを像担持体に像を書き込むための露光ヘッドとして備えている画像形成装置を含むものであり、その1つとして、例えば、像担持体の周囲に帯電手段、露光ヘッド、トナー現像手段、転写手段を配した画像形成ステーションを少なくとも2つ以上設け、転写媒体が各ステーションを通過することにより、カラー画像形成を行うタンデム方式のカラー画像形成装置がある。
【0030】
本発明においては、長尺な基板の上に、少なくとも1列の画素状に配列された有機EL素子のアレイを備え、有機EL素子のアレイの発光側に、各有機EL素子の発光部各々に対応した整列位置にボールレンズが配置されており、ボールレンズの直径をD、その屈折率をnとするとき、ボールレンズの入射側の面の面頂から距離D(1−1/n2 )までの高さ以下のボールレンズ間の空隙が固定層で埋められて固定されているので、発光部から出てボールレンズで被投影面に投影されて画素を形成する光束を遮ることなしに、ボールレンズを発光部が配置された基板上に強固に固定することができ、メンテナンス作業に対して十分な機械的強度を持った小型の有機ELアレイ露光ヘッドを構成することができる。その固定層として光吸収性の層を用いることにより隣接画素間のクロストークが低減でき、低消費電力で、十分な解像力、明るさ、コントラストの有機ELアレイ露光ヘッドを得ることができる。
【0031】
また、本発明のもう1つの構成においては、ボールレンズの直径をD、その屈折率をnとするとき、少なくともボールレンズの入射側の面の面頂から距離D(1−1/n2 )以上の高さであってボールレンズの射出側の面全体を覆う高さまでエアロゲル層が設けられているので、同様に発光部から出てボールレンズで被投影面に投影されて画素を形成する光束を遮ることなしに、ボールレンズを発光部が配置された基板上に強固に固定することができ、メンテナンス作業に対して十分な機械的強度を持った小型の有機ELアレイ露光ヘッドを構成することができる。そして、そのエアロゲル層の表面に透明保護層、特に透明導電層からなる透明保護層を設けることにより、有機ELアレイ露光ヘッドの光学系がトナー等で汚れて露光不良等が起こるのを防止することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の有機ELアレイ露光ヘッドとそれを用いた画像形成装置の実施例を図面を参照にしながら説明する。
【0033】
図1は、本発明に基づく有機ELアレイ露光ヘッドの基本構成を示す模式的な断面図であり、基板3の表面に一定周期で有機ELの発光部2が配置されて有機ELアレイ1が構成されている。本発明に基づき、有機ELアレイ1の各発光部2に一対一に対応させて同一形状、特性のボールレンズ10を同一の位置関係で配置し、各発光部2からの光束12がボールレンズ10により被投影体を構成する感光体(電子写真の場合)等の像担持体11上に分離して投影されるようにする。なお、ボールレンズ10とは、透明球体からなる単一正レンズである。
【0034】
そして、各ボールレンズ10は対応する発光部2に接するか近接して配置するものとする。各ボールレンズ10を発光部2に接するか近接して配置すると、発光部2から出た発散光は対応するボールレンズ10中にほとんど入射するようになる(発光部2の径sがボールレンズ10の直径Dに比較して十分大きく、ボールレンズ10が発光部2に接していれば、略100%ボールレンズ10中に入射する。)。そのため、発光部2から出た光が対応するボールレンズ10でなくその隣のボールレンズ10を経て対応しない画素位置に入射するクロストークを少なくすることができるようになる。
【0035】
このように有機ELアレイ1の各発光部2に一対一に対応させて配置されたボールレンズ10は、基板3に対して透明接着層13により接着されているが、さらに、図1の例の場合は、各ボールレンズ10間の投影光束12が射出する有効面以外の面間を黒色樹脂等からなる固定層14で充填することにより、強固に固定されている。
【0036】
ボールレンズ10の入射側の面の面頂から固定層14の上面までの厚さdは、ボールレンズ10の屈折率に依存するが、例示的に、ボールレンズ10の屈折率nがn=2のとき、ボールレンズ10の直径をDとして、0.75D、n=2.2のとき、0.8D程度に設定される。
【0037】
ここで、上記厚さdの意味について説明する。図2に示すように、ボールレンズ10の最下点の1点Lで有機ELの発光部2と接していると仮定する。この最下点Lからボールレンズ10に入射した光線の進行角度(垂線との角度)θが、ボールレンズ10と空気界面の臨界角以上の角度の場合、その光線はボールレンズ10内部で全反射を続け、レンズ10の外には出てこない。
【0038】
図2で示すように、入射点Lから進行角度θを持つ光線とボールレンズ10との交点をR、Rから基板18の表面に垂線を下し、その垂線と基板18の表面との交点をA、その垂線に対してボールレンズ10の中心Oから下ろした垂線の交点をBとすると、
∠ORL=∠OLR=θ(∵OR=OL) ・・・(1)
∠BRL=∠OLR=θ(∵OLとBRは平行) ・・・(2)
∴∠ORB=∠ORL+∠BRL=2θ ・・・(3)
ボールレンズ10の直径をDとすると、
BR=ORcos2θ=(D/2)cos2θ ・・・(4)
AB=(D/2) ・・・(5)
よって、点Rの高さARは、
AR=AB+BR=(D/2)(1+cos2θ) ・・・(6)
となる。
【0039】
ボールレンズ10と空気界面の臨界角をα、ボールレンズ10の屈折率をnとすると、
sinα=1/n ・・・(7)
であり、このとき、
cos2α=cos2 α−sin2 α=1−2sin2 α=1−2/n2 ・・・(8)
となる。
【0040】
θ≦αのとき、その光線はボールレンズ10から出射するが、このθ≦αを式(6)に代入すると、
AR≧(D/2)(1+cos2α)=D(1−1/n2 )・・・(9)
となる。これは、ボールレンズ10の中の式(9)を満たす高さの部位からのみ光線が射出できることを意味し、それ以外の部位は黒色樹脂等からなる固定層14で覆っても、その機能が損なわれないことを意味する。
【0041】
仮に、n=2のとき、固定層14の上面までの厚さdは0.75D以下、n=2.2のとき、0.793D≒0.8D以下に設定すると、発光部2からの光が投影されて像担持体11上に画素を形成する光束12を遮ることなしに、ボールレンズ10を有機ELアレイ1の発光部2上に強固に固定することができる。
【0042】
固定層14は、透明材料で構成してもよいが、特定の発光部2から発光した光束が対応するボールレンズ10でなくその隣のボールレンズ10を経て対応しない画素位置に入射するクロストークとなる光、ボールレンズ10中で全反射を繰り返してフレアになる光等のノイズ光が存在し得るので、このようなノイズ光をカットするために、その固定層14は光吸収性の黒色樹脂等から構成するのが望ましい。
【0043】
ここで、このように発光部2表面に接するか近接させたボールレンズ10を経て発光部2に至る光束が画素として像担持体11上に分離して入射するようにするために、ボールレンズ10を構成する透明材料として、発光部2からの発光光に対する屈折率が2以上のものを使用することが望ましい。なお、屈折率が2以上のガラスの例として例えばビスマス系ガラスや重金属を多く含ませたガラス、あるいは、光学結晶がある。
【0044】
ここで、屈折率nが2以上のボールレンズ10の重要な幾何光学的な特性について説明する。近軸光学的なボールレンズ10の焦点距離fは、
f=nr/{2(n−1)} ・・・(10)
で定められ、主点はボールレンズ10の中心に一致する。屈折率nがn<2の場合は、図3(a)に示すように、焦点Fはボールレンズ10の外に位置するが、n=2の場合は、図3(b)に示すように、ボールレンズ10の入射側とは反対の球面(表面)上に位置する。
【0045】
したがって、図1に示すように、n≧2のボールレンズ10を発光部2表面に接するか近接して配置すると、発光部2から出てボールレンズ10を経た光束12は平行光束あるいは集光光束となって像担持体11上に分離して入射することとなるので、有機ELアレイ1に表示した画素(発光部2)を像担持体11上に一対一で対応させて投影することができるようになり、このようなボールレンズ10を有機ELの各発光部2表面に一対一に対応させて接するか近接して配置してなる有機ELアレイ1を露光ヘッドとして用いることができる。
【0046】
上記のように、クロストークを少なくする観点からは、ボールレンズ10は可及的に有機ELの発光部2に近接していた方が、すなわち、ボールレンズ10の入射側の面の面頂と発光部2の表面との距離ΔはΔ≒0であることが望ましいが、実際上発光部2表面には透明電極等が存在するため、距離Δはある程度の値を有することのなる。そこで、距離Δはどの程度まで許容できるか、以下に検討する。
【0047】
図4に示すように、ボールレンズ10から距離δをおいた点Cに見かけの光源Cを置いたとき、点Cから出射角度θ以下の光がボールレンズ10に入射し、それ以外の光はボールレンズ10に入らないので、クロストークになり得る。ここで、角度θは点Cを通りボールレンズ10と接する直線と中心軸(点Cとボールレンズ10の中心Oを通る直線)とのなす角度である。
【0048】
このとき、ボールレンズ10の半径をrとすると、角度θは次のように表すことができる。
【0049】
sinθ=r/(r+δ) ・・・(11)
次に、ボールレンズ10が屈折率nの基板18上に接着されており、光源が基板18内の点Dの位置にあるとすると、図4において、点Dから角度β以下で出る光がボールレンズ10に入射し、それ以外の光はボールレンズ10に入らないのでクロストークになり得る。ここで、角度βは、点Dから出て基板18表面で屈折された光が見かけの光源Cから角度θで出る光の出射角度である。
【0050】
このとき、角度βは次の式で表される。
【0051】
sinβ=r/{n(r+δ)} ・・・(12)
次に、点Dからの出射光の中、基板(有機EL素子)3の外部へ取り出すことができる光量を求める。基板18の屈折率による全反射臨界角θc の存在により、出射角βで基板18内部から基板18表面に向かう光は、θc >βに限り基板(有機EL素子)3より外部に取り出される。有機EL素子の発光部2のように等方的な発光による面発光体の場合、その発光強度はLambert則に従い、I(θ)=I0 cosθとなるとすると、臨界角内に放射される光量は、
Figure 2004195677
となる(ここで、dΩは立体角である。)。
【0052】
点(光源)Dから臨界角θc 内に放射される光の中、ボールレンズ10に入らない光量は、以下の式で表される。
【0053】
Figure 2004195677
よって、有機ELアレイ1の各発光部2から出射される光の中、クロストークになり得る光量の割合は、
(2rδ+δ2 )/(r+δ)2 ・・・(15)
で表される。
【0054】
ここで、出射光の中5%までクロストークとなるのを許容すると、次のような条件が求まる。
【0055】
δ≦0.026r ・・・(16)
δ=0.026rのとき、有機ELアレイ1の屈折率(基板18の屈折率)nを1.5とおくと、図4の点Dと点Lの距離(発光部2とボールレンズ10の距離)は、0.132r=0.066Dとなる。
【0056】
以上の検討より、有機ELアレイ1の各発光部2の表面とその各発光部2対応させて配置されるボールレンズ10の入射側の面の面頂との距離Δは、
0≦Δ≦0.07D ・・・(17)
の関係を満足するようにすることが望ましいと言える。ここで、Dは上記のようにボールレンズ10の直径である。
【0057】
ところで、固定層の材料として、屈折率が1に近い透明材料を選択する場合には、各ボールレンズ10間を充填する高さは式(9)に限定されず、ボールレンズ10がその中に埋まるように固定層を設けてもよい。そのような屈折率が1に近い透明材料としては、エアロゲルがある(例えば非特許文献1参照)。そのようなエアロゲルの1つとしてシリカエアロゲルがある。以下に、シリカエアロゲルを固定層として用いた例を図5に示す。図5はこの実施例の図1と同様な図であり、有機ELアレイ1の各発光部2に一対一に対応させて同一形状、特性のボールレンズ10が同一の位置関係で基板3に対して透明接着層13により接着されている。そして、各ボールレンズ全体を埋め込むように、各ボールレンズ10の間及びそれらの射出側の面全体を覆うように、屈折率が1に近いシリカエアロゲル層15が設けられ、ボールレンズ10を有機ELアレイ1の発光部2上に強固に固定している。
【0058】
ただし、シリカエアロゲルは空隙率が非常に高いので、シリカエアロゲル層15をそのまま剥き出しにしておくと、空気中の水分を吸って屈折率等の物性が変化してしまう恐れがあり、また、トナー等がその表面の気孔に入り込んでしまって除去できなくなる恐れがあるので、そのシリカエアロゲル層15の表面に透明保護層16を設ける。この透明保護層16としては、ITO等の透明導電層から構成し、さらには、その透明導電層を電子写真装置における現像剤のトナーの電位と同電位に制御することにより、有機ELアレイ露光ヘッド1の光学系がトナーで汚れて露光不良等が起こるのを防止することができる。
【0059】
図6は、図1の黒色樹脂等からなる固定層14の上に、各ボールレンズ10の射出側の面全体を覆うように、屈折率が1に近いシリカエアロゲル層15を設け、さらに、シリカエアロゲル層15の表面に透明保護層16を設けた例を示す図1と同様な図であり、この場合も同様の理由で、透明保護層16をITO等の透明導電層で構成することが望ましい。なお、この例においても、固定層14は、図1の実施例と同様に、距離D(1−1/n2 )までの高さ以下のボールレンズ10間に充填される。
【0060】
ここで、上記のように、有機ELアレイ1の発光部2の寸法sを小さく設定した場合の露光に利用される光量(利用効率)について検討する。
【0061】
いま、図7に示すように、屈折率nの基板(有機EL素子)13の内部に発光点Dがあるとすると、基板18の屈折率による全反射臨界角θc の存在により、出射角θで素子内部から界面に向かった光は、θc >θに限り素子より外部に取り出される。有機EL素子のような等方的な発光による面発光体の場合、その発光強度は、Lambert則に従い、I(θ)=I0 cosθとなるとすると、上半面の立体角で積分すると、
Figure 2004195677
となり(ここで、Ωは立体角を示す。)、臨界角θc 内に放射される光量(式(13))をこの全光量πI0 で除すと、
Figure 2004195677
となる。
【0062】
したがって、有機EL素子自体の光取り出し効率は1/n2 で表される。
【0063】
素子基板の屈折率nをn=1.5とおくと、光取り出し効率は44.4%となる。
【0064】
従来例のように、有機ELの発光部2の像担持体11への投影光学系として集光性ロッドレンズアレイを用いた場合、集光性ロッドレンズアレイの集光係数は7%程度であるため、上記の計算値44.4%とこの集光係数7%を乗じた、0.444×0.07≒0.031が系全体の光利用効率となる。言い換えれば、有機EL素子の全発光量の3.1%が、像担持体11上に結像されることになる。
【0065】
一方、本発明のようにボールレンズ10を発光部2表面に接するか近接して配置する場合、光線追跡法による計算結果、発光部2の面発光強度中の30%を像担持体11上に集光することができる。
【0066】
したがって、集光性ロッドレンズアレイを用いる場合に比べて10倍程度の利用効率を得ることができる。
【0067】
ただし、集光性ロッドレンズアレイの場合は等倍光学系となるので、発光部2のサイズと像担持体11上の結像サイズは略同面積となるのに対し、本発明の露光ヘッドでは拡大光学系となるため、前記のように、発光部2のサイズを像担持体11上での画素サイズよりも拡大率分小さくする必要がある。しかし、発光部2の輝度が同じならば、集光性ロッドレンズアレイを使用する場合に比べて発光部2の面積を1/10(拡大率3.2)にしても、像担持体11上の画素の光強度は同じとなる。しがって、露光ヘッドの消費電力を大きく抑えることができる。
【0068】
次に、本発明に基づく有機ELアレイ露光ヘッドの1具体例の模式的な断面図を図8に示す。この図においては、発光部2からボールレンズ10の間の透明陰極24、封止層25、透明接着層13の厚さを実際よりは厚く図示してあるが、黒色樹脂等からなる固定層14の高さは、ボールレンズ10の有効射出面が式(9)を満たすような高さに設定されている。
【0069】
有機EL素子には、陰極から光を取り出すものと、陽極から光を取り出すものがあり、本具体例は陰極側から光を取り出す構成である。すなわち、ガラス、シリコン等よりなる基板3の表面の列方向に所定のピッチで有機EL素子の発光部2を設ける穴4が設けられ、穴4中には、底側からマグネシウム・銀の合金や、アルミニウム等からなる反射金属膜上にITO等を積層した陽極21、正孔注入層22、発光層23の順で積層され、各穴の発光層23と接するように基板3表面全体に光を透過するのに十分薄い金属電極である透明陰極24が設けられている。各穴4が対応する発光部2においては、電子輸送性の発光層23と正孔注入層22が積層された構造となっており、透明陰極24及び陽極21からそれぞれ電子と正孔が注入され、再結合することにより発光する。
【0070】
透明陰極24の上には水分に触れることにより発光層23が劣化するのを防止する封止層25が設けられ、その上に透明樹脂からなる接着層13が設けられ、この接着層13が各発光部2に整列して配置されたボールレンズ10を基板3に対して固定している。そして、各ボールレンズ10間の投影光束12が射出する有効面以外の面間に黒色樹脂等からなる固定層14で充填してあり、全てのボールレンズ10を有機ELアレイ1の発光部2上に強固に固定している。そして、この固定層14は特定の発光部2から発光した光束が対応するボールレンズ10でなくその隣のボールレンズ10を経て対応しない画素位置に入射するクロストークとなる光、ボールレンズ10中で全反射を繰り返してフレアになる光等のノイズ光を吸収するようになっている。
【0071】
なお、図8の例では、基板3の表面に設ける穴4をより深くして、有機EL発光部2をその穴4の底部に形成し、有機EL発光部2の上に保護機能を有する透明接着剤13を充填し、その穴4の上部を凹部になるようにして、その凹部内にボールレンズ10を落とし込んでボールレンズ10が発光部2に自動的に整列固定されるようにしている。
【0072】
次に、上記のような有機ELアレイ1の作製方法を簡単に説明する。この有機ELアレイ1は、例えば図9に示すように、3列のアレイ201 、202 、203 が平行で画素31が相互にそのピッチの3分の1だけずつずれて配列されたもので、各列のアレイ201 、202 、203 は直線状に配置された多数の画素31からなり、各画素31の構成は同じで、有機EL発光部2とその有機EL発光部2の発光を制御するTFT32とからなる。
【0073】
図10に図9の直線A−A’に沿う1画素31の有機EL発光部2とTFT32とを含む断面図を示す。この有機EL発光部2は陰極側から発光光を出射させる例である。有機EL発光部2は、陰極24及び陽極21からそれぞれ電子と正孔が注入され、再結合することにより発光するもので、電子輸送性の発光層23と正孔注入層22が積層された構造となっている。
【0074】
図10に1画素31の有機EL発光部2とTFT32とを含む断面図を示すが、その作製順に説明する。ガラス基板3上にまずTFT32を作製する。TFT32の作製方法を種々知られているが。例えば、ガラス基板3上に最初にシリコン酸化膜を堆積し、さらにアモルファスシリコン膜を堆積する。次に、このアモルファスシリコン膜に対してエキシマレーザ光を照射して結晶化を行い、チャネルとなるポリシリコン膜を形成する。このポリシリコン膜をパタニング後、ゲート絶縁膜を堆積し、さらに窒化タンタルからなるゲート電極を形成する。続いて、NチャンネルTFTのソース・ドレイン部をリンのイオン注入により、PチャンネルTFTのソース・ドレイン部をボロンのイオン注入によりそれぞれ形成する。イオン注入した不純物を活性化後、第1層間絶縁膜の堆積、第1コンタクトホールの開口、ソース線の形成、第2層間絶縁膜の堆積、第2コンタクトホールの開口、金属画素電極の形成を順次行い、TFT32のアレイが完成する(例えば非特許文献2参照)。ここで、この金属画素電極は、有機EL発光部2の陽極21の一部となるもので、有機EL発光部2の反射層を兼用するものであり、Ag、Al等の反射率の高い金属薄膜電極で形成される。陽極21はこの金属薄膜電極の上にITO等の仕事関数の大きな透明電極薄膜を真空蒸着法やスパッタ法等を用いて積層させることで完成する。陽極21の上層をITO等の仕事関数の大きな透明電極薄膜とすることにより、正孔注入障壁高さを低くできると同時に、下層の反射率の高い金属膜を反射層として活かすことが可能となる。
【0075】
次いで、有機EL発光部2に対応する穴4を有し所定の高さの隔壁(バンク)33を形成する。この隔壁33は、特許文献5に開示されているように、フォトリソグラフィ法や印刷法等、任意の方法で作成することができる。例えば、リソグラフィ法を使用する場合は、スピンコート、スプレーコート、ロールコート、ダイコート、ディップコート等所定の方法でバンクの高さに合わせて有機材料を塗布し、その上にレジスト層を塗布する。そして、隔壁33形状に合わせてマスクを施し、レジストを露光・現像することにより隔壁33形状に合わせたレジストを残す。最後に隔壁材料をエッチングしてマスク以外の部分の隔壁材料を除去する。また、下層が無機物で上層が有機物で構成された2層以上でバンク(凸部)を形成してもよい。また、特許文献5に開示されているように、隔壁33を構成する材料としては、EL材料の溶媒に対し耐久性を有するものえあれば特に限定されないが、フロロカーボンガスプラズマ処理によりテフロン化できることから、例えばアクリル樹脂、エポキシ樹脂、感光性ポリイミド等の有機材料が好ましい。液状ガラス等の無機材料を下層にした積層隔壁であってもよい。また、隔壁33は、上記材料にカーボンブラック等を混入してブラックあるいは不透明にすることが望ましい。
【0076】
次いで、有機ELの発光層用インク組成物を塗布する直前に、隔壁33を設けた基板を酸素ガスとフロロカーボンガスプラズマの連続プラズマ処理を行う。これにより例えば隔壁33を構成するポリイミド表面は撥水化、陽極21表面は親水化され、インクジェット液滴を微細にパターニングするための基板側の濡れ性の制御ができる。プラズマを発生する装置としては、真空中でプラズマを発生する装置でも、大気中でプラズマを発生する装置でも同様に用いることができる。
【0077】
次に、隔壁33の穴4内に正孔注入層用のインク組成物をインクジェット方式プリント装置70のヘッド71から吐き出し、各画素の陽極21上にパターニング塗布を行う。塗布後、溶媒を除去し、熱処理して正孔注入層22を形成する。
【0078】
なお、本発明で言うインクジェット方式とは、圧電素子等の機械的エネルギーを利用してインク組成物を吐き出すピエゾジェット方式、ヒータの熱エネルギーを利用して気泡を発生させ、その気泡の生成に基づいてインク組成物を吐き出すサーマル方式の何れでもよい(非特許文献3)。図11に、ピエゾジェット方式のヘッドの構成例を示す。インクジェット用ヘッド71は、例えばステンレス製のノズルプレート72と振動板73とを備え、両者は仕切部材(リザーバープレート)74を介して接合されている。ノズルプレート72と振動板73との間には、仕切部材74によって複数のインク室75と液溜り(不図示)とが形成されている。インク室75及び液溜りの内部はインク組成物で満たされており、インク室75と液溜りとは供給口を介して連通している。さらに、ノズルプレート72には、インク室75からインク組成物をジェト状に噴射するためのノズル孔76が設けられている。一方、インクジェット用ヘッド71には、液溜りにインク組成物を供給するためのインク導入孔が形成されている。また、振動板73のインク室75に対向する面と反対側の面上には、インク室75の位置に対応させて圧電素子78が接合されている。この圧電素子78は一対の電極79の間に位置し、通電すると圧電素子78が外側に突出するように撓曲する。これによってインク室75の容積が増大する。したがって、インク室75内に増大した容積分に相当するインク組成物が液溜りから供給口を介して流入する。次に、圧電素子78への通電を解除すると、圧電素子78と振動板73は共に元の形状に戻る。これにより空間75も元の容積に戻るためインク室75内部のインク組成物の圧力が上昇し、ノズル孔76から隔壁29を設けた基板に向けてインク組成物が噴出するものである。
【0079】
穴4内の陽極21上に正孔注入層22を形成した後、発光層用のインク組成物を穴4内の正孔注入層22上にインクジェットプリント装置70のヘッド71から吐き出し、各画素の正孔注入層22上にパターニング塗布を行う。塗布後、溶媒を除去し、熱処理して発光層23を形成する。
【0080】
なお、以上の発光層23と正孔注入層22の順番は反対であってもよい。水分に対してより耐性のある層を表面側(基板3からより離れた側)に配置するようにすることが望ましい。
【0081】
また、正孔注入層22と発光層23は、上記のようにインクジェット方式でインク組成物を塗布することにより作成する代わりに、公知のスピンコート法、ディップ法あるいは蒸着法で作成することもできる。
【0082】
また、発光層23に用いる材料、正孔注入層22に用いる材料については、例えば、特許文献4、特許文献5等で公知の種々のものが利用でき、その詳細は省く。
【0083】
隔壁33の穴4内に正孔注入層22と発光層23を順に形成した後、基板の表面全面にスパッタ法により有機EL発光部2の陰極24となる透明電極を被着させる。この透明電極の材料としては、カルシウム膜等の仕事関数の低い薄膜上に光が十分透過できる程度に薄い金薄膜等を付けたものがあげられる。
【0084】
このようにして、図8の実施例で用いた有機ELアレイ1が作製される。
【0085】
なお、隔壁33をより厚くして穴4をより深くして、有機EL発光部2をその穴4の底部に形成し、有機EL発光部2の上に保護機能を有する透明材料あるいは透明接着剤13を充填し、その穴4の上部内にボールレンズ10を落とし込んで発光部2に整列固定するようにしてもよい。
【0086】
さて、以上のような本発明の1実施例の有機ELアレイ露光ヘッド101は、図12に側面図を示すように、露光ヘッド101から作動距離WD(ボールレンズ10の射出側の面の面頂と像担持体11との間の距離)だけ離れた面S上に、その画素配列と同じ配列パターンで各有機EL発光部2の像2’を拡大投影する。したがって、露光ヘッド101の長手方向に直交する方向にこの面Sを相対的に移動させ、かつ、露光ヘッド101の各有機EL発光部2の発光をTFT33により制御することで、面S上に所定のパターンを記録することができる。
【0087】
そこで、本発明においては、上記のような本発明の有機ELアレイ露光ヘッド101を例えば電子写真方式のカラー画像形成装置の露光ヘッドに用いることにする。図13は、本発明の同様な4個の有機ELアレイ露光ヘッド101K、1C、1M、1Yを対応する同様の4個の感光体ドラム41K、41C、41M、41Yの露光位置にそれぞれ配置したタンデム方式のカラー画像形成装置の1例の全体の概略構成を示す正面図である。図13に示すように、この画像形成装置は、駆動ローラ51と従動ローラ52とテンションローラ53とでテンションを加えて張架されて、図示矢印方向(反時計方向)へ循環駆動される中間転写ベルト50を備え、この中間転写ベルト50に対して所定間隔で配置された4個の像担持体としての外周面に感光層を有する感光体41K、41C、41M、41Yが配置される。符号の後に付加されたK、C、M、Yはそれぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエローを意味し、それぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエロー用の感光体であることを示す。他の部材についても同様である。感光体41K、41C、41M、41Yは中間転写ベルト50の駆動と同期して図示矢印方向(時計方向)へ回転駆動されるが、各感光体41(K、C、M、Y)の周囲には、それぞれ感光体41(K、C、M、Y)の外周面を一様に帯電させる帯電手段(コロナ帯電器)42(K、C、M、Y)と、この帯電手段42(K、C、M、Y)により一様に帯電させられた外周面を感光体41(K、C、M、Y)の回転に同期して順次ライン走査する本発明の上記のような有機ELアレイ露光ヘッド101(K、C、M、Y)と、この有機ELアレイ露光ヘッド101(K、C、M、Y)で形成された静電潜像に現像剤であるトナーを付与して可視像(トナー像)とする現像装置44(K、C、M、Y)と、この現像装置44(K、C、M、Y)で現像されたトナー像を一次転写対象である中間転写ベルト50に順次転写する転写手段としての一次転写ローラ45(K、C、M、Y)と、転写された後に感光体41(K、C、M、Y)の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニング装置46(K、C、M、Y)とを有している。
【0088】
ここで、各有機ELアレイ露光ヘッド101(K、C、M、Y)は、図12に示すように、各有機EL発光部2上に一対一に対応して整列してボールレンズ10を固定してなるもので、対応する感光体41(K、C、M、Y)の表面から作動距離WDだけ離れて、各有機ELアレイ露光ヘッド101(K、C、M、Y)のアレイ方向が感光体ドラム41(K、C、M、Y)の母線に沿うように設置される。そして、各有機ELアレイ露光ヘッド101(K、C、M、Y)の発光エネルギーピーク波長と感光体41(K、C、M、Y)の感度ピーク波長とは略一致するように設定されている。
【0089】
現像装置44(K、C、M、Y)は、例えば、現像剤として非磁性一成分トナーを用いるもので、その一成分現像剤を例えば供給ローラで現像ローラへ搬送し、現像ローラ表面に付着した現像剤の膜厚を規制ブレードで規制し、その現像ローラを感光体41(K、C、M、Y)に接触あるいは押厚させて感光体41(K、C、M、Y)の電位レベルに応じて現像剤を付着させることによりトナー像として現像するものである。
【0090】
このような4色の単色トナー像形成ステーションにより形成された黒、シアン、マゼンタ、イエローの各トナー像は、一次転写ローラ45(K、C、M、Y)に印加される一次転写バイアスにより中間転写ベルト50上に順次一次転写され、中間転写ベルト50上で順次重ね合わされてフルカラーとなったトナー像は、二次転写ローラ66において用紙等の記録媒体Pに二次転写され、定着部である定着ローラ対61を通ることで記録媒体P上に定着され、排紙ローラ対62によって、装置上部に形成された排紙トレイ68上へ排出される。
【0091】
なお、図13中、63は多数枚の記録媒体Pが積層保持されている給紙カセット、64は給紙カセット63から記録媒体Pを一枚ずつ給送するピックアップローラ、65は二次転写ローラ66の二次転写部への記録媒体Pの供給タイミングを規定するゲートローラ対、66は中間転写ベルト50との間で二次転写部を形成する二次転写手段としての二次転写ローラ、67は二次転写後に中間転写ベルト50の表面に残留しているトナーを除去するクリーニング手段としてのクリーニングブレードである。
【0092】
以上、本発明の有機ELアレイ露光ヘッド及びそれを用いた画像形成装置を実施例に基づいて説明したが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
【0093】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の有機ELアレイ露光ヘッドとそれを用いた画像形成装置によると、長尺な基板の上に、少なくとも1列の画素状に配列された有機EL素子のアレイを備え、有機EL素子のアレイの発光側に、各有機EL素子の発光部各々に対応した整列位置にボールレンズが配置されており、ボールレンズの直径をD、その屈折率をnとするとき、ボールレンズの入射側の面の面頂から距離D(1−1/n2 )までの高さ以下のボールレンズ間の空隙が固定層で埋められて固定されているので、発光部から出てボールレンズで被投影面に投影されて画素を形成する光束を遮ることなしに、ボールレンズを発光部が配置された基板上に強固に固定することができ、メンテナンス作業に対して十分な機械的強度を持った小型の有機ELアレイ露光ヘッドを構成することができる。その固定層として光吸収性の層を用いることにより隣接画素間のクロストークが低減でき、低消費電力で、十分な解像力、明るさ、コントラストの有機ELアレイ露光ヘッドを得ることができる。
【0094】
また、本発明のもう1つの構成によると、ボールレンズの直径をD、その屈折率をnとするとき、少なくともボールレンズの入射側の面の面頂から距離D(1−1/n2 )以上の高さであってボールレンズの射出側の面全体を覆う高さまでエアロゲル層が設けられているので、同様に発光部から出てボールレンズで被投影面に投影されて画素を形成する光束を遮ることなしに、ボールレンズを発光部が配置された基板上に強固に固定することができ、メンテナンス作業に対して十分な機械的強度を持った小型の有機ELアレイ露光ヘッドを構成することができる。そして、そのエアロゲル層の表面に透明保護層、特に透明導電層からなる透明保護層を設けることにより、有機ELアレイ露光ヘッドの光学系がトナー等で汚れて露光不良等が起こるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく有機ELアレイ露光ヘッドの基本構成を示す模式的な断面図である。
【図2】固定層の厚さの限定の意味を説明するための図である。
【図3】ボールレンズの特性を説明するための図である。
【図4】有機ELアレイの各発光部から出射される光の中クロストークになり得る光量の割合を検討するための図である。
【図5】シリカエアロゲルを固定層として用いた実施例の図1と同様な図である。
【図6】図1の固定層の上にシリカエアロゲル層を設けた実施例の図1と同様な図である。
【図7】有機EL素子自体の光取り出し効率を検討するための図である。
【図8】本発明に基づく有機ELアレイ露光ヘッドの1具体例の模式的な断面図である。
【図9】有機ELアレイのアレイ配置の例を示す平面図である。
【図10】図9のアレイの1画素の断面図である。
【図11】インクジェット方式中のピエゾジェット方式のヘッドの構成例を示す図である。
【図12】図9の例の有機ELアレイ露光ヘッドの集光の様子を示す側面図である。
【図13】本発明の有機ELアレイ露光ヘッドを配置したタンデム方式のカラー画像形成装置の1例の全体の概略構成を示す正面図である。
【符号の説明】
1…有機ELアレイ
2…発光部
3…基板
4…穴
10…ボールレンズ
11…像担持体
12…発光部からの投影光束
13…透明接着層
14…固定層
15…シリカエアロゲル層
16…透明保護層
18…基板
201 、202 、203 …発光部の列
21…陽極
22…正孔注入層
23…発光層
24…透明陰極
25…封止層
31…画素
32…TFT
41(K、C、M、Y)…感光体ドラム
42(K、C、M、Y)…帯電手段(コロナ帯電器)
44(K、C、M、Y)…現像装置
45(K、C、M、Y)…一次転写ローラ
46(K、C、M、Y)…クリーニング装置
50…中間転写ベルト
51…駆動ローラ
52…従動ローラ
53…テンションローラ
61…定着ローラ対
62…排紙ローラ対
63…給紙カセット
64…ピックアップローラ
65…ゲートローラ対
66…二次転写ローラ
67…クリーニングブレード
68…排紙トレイ
70…インクジェット方式プリント装置
71…ヘッド
72…ノズルプレート
73…振動板
74…仕切部材(リザーバープレート)
75…インク室
76…ノズル孔
78…圧電素子
79…電極
101(K、C、M、Y)…有機ELアレイ露光ヘッド
C…見かけの光源
D…光源
S…面
P…記録媒体

Claims (9)

  1. 長尺な基板の上に、少なくとも1列の画素状に配列された有機EL素子のアレイを備え、前記有機EL素子のアレイの発光側に、各有機EL素子の発光部各々に対応した整列位置にボールレンズが配置されており、
    前記ボールレンズの直径をD、その屈折率をnとするとき、前記ボールレンズの入射側の面の面頂から距離D(1−1/n2 )までの高さ以下の前記ボールレンズ間の空隙が固定層で埋められて固定されていることを特徴とする有機ELアレイ露光ヘッド。
  2. 前記固定層が光吸収性の層からなることを特徴とする請求項1記載の有機ELアレイ露光ヘッド。
  3. 長尺な基板の上に、少なくとも1列の画素状に配列された有機EL素子のアレイを備え、前記有機EL素子のアレイの発光側に、各有機EL素子の発光部各々に対応した整列位置にボールレンズが配置されており、
    前記ボールレンズの直径をD、その屈折率をnとするとき、少なくとも前記ボールレンズの入射側の面の面頂から距離D(1−1/n2 )以上の高さであって前記ボールレンズの射出側の面全体を覆う高さまでエアロゲル層が設けられていることを特徴とする有機ELアレイ露光ヘッド。
  4. 前記エアロゲル層の表面に透明保護層が設けられていることを特徴とする請求項3記載の有機ELアレイ露光ヘッド。
  5. 前記透明保護層が透明導電層からなることを特徴とする請求項4記載の有機ELアレイ露光ヘッド。
  6. 前記エアロゲル層の前記基板側に光吸収性の固定層が設けられていることを特徴とする請求項3から5の何れか1項記載の有機ELアレイ露光ヘッド。
  7. 前記ボールレンズの屈折率nが2以上であることを特徴とする請求項1から6の何れか1項記載の有機ELアレイ露光ヘッド。
  8. 請求項1から7の何れか1項記載の有機ELアレイ露光ヘッドを像担持体に像を書き込むための露光ヘッドとして備えていることを特徴とする画像形成装置。
  9. 前記画像形成装置が、像担持体の周囲に帯電手段、露光ヘッド、トナー現像手段、転写手段を配した画像形成ステーションを少なくとも2つ以上設け、転写媒体が各ステーションを通過することにより、カラー画像形成を行うタンデム方式のカラー画像形成装置であることを特徴とする請求項8記載の画像形成装置。
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