JP2004195670A - ラミネート部品及びラミネーター - Google Patents
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Abstract
【課題】被転写体に形成された画像上に画像保護のための透明フィルムを形成するラミネート部品において、発熱素子数が増加しても大幅なコスト高を生じることがなく、また常に安定したラミネートを行うことができるようにする。
【解決手段】同時に通電されるN(偶数)個の発熱素子(5a,5b)を導体12により直列に接続し、そのうちの1番目の発熱素子(5a)を個別電極13に、N番目の発熱素子(5b)を共通電極14にそれぞれ接続し、また同時に通電される他のN(偶数)個の発熱素子(5c,5d)を導体12により直列に接続し、そのうちの1番目の発熱素子(5c)を共通電極14に、N番目の発熱素子(5d)を個別電極13にそれぞれ接続すると共に、個別電極と前13と共通電極14を、耐熱基板11の端部11aと反対方向に引き出す。
【選択図】 図1
【解決手段】同時に通電されるN(偶数)個の発熱素子(5a,5b)を導体12により直列に接続し、そのうちの1番目の発熱素子(5a)を個別電極13に、N番目の発熱素子(5b)を共通電極14にそれぞれ接続し、また同時に通電される他のN(偶数)個の発熱素子(5c,5d)を導体12により直列に接続し、そのうちの1番目の発熱素子(5c)を共通電極14に、N番目の発熱素子(5d)を個別電極13にそれぞれ接続すると共に、個別電極と前13と共通電極14を、耐熱基板11の端部11aと反対方向に引き出す。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、被転写体に形成された画像上に画像保護のための透明フィルムをラミネートするためのラミネート部品及びラミネーターに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、印画紙、光沢紙等の被転写体に転写、若しくは形成された画像を保護するため、被転写体の表面に透明なフィルムをラミネートすることが行われている。その効果としては、大気中に含まれるガスを遮断し画質劣化を防止することや、紫外線による画質の変質防止、画像を外力による傷から保護することなどが挙げられる。
【0003】
また、被転写体の表面にラミネート層を形成する方法としては、熱ローラを用いてフィルムを被転写体に熱圧着する方法や、一列に形成されたヒータを発熱させて、被転写体の表面にフィルムをラミネートする方法(例えば、特許文献1参照)等、熱を介在させて圧着する手法が一般的である。
【0004】
このうち、一列に形成されたヒータを発熱させる方法において、ヒータのヘッド部分は、例えばセラミック基板等の支持基体上にヒータ層となる発熱素子、アルミニウム等の電極となる導電層をスパッタ法等の膜形成法によって積層形成した後、フォトエングレービングプロセス等を通すことにより、一対となる発熱素子と電極層を一線上に複数組形成し、その後、少なくともその発熱素子とその周辺の電極層を保護するための保護被覆層を形成したものが用いられる。そして、複数の発熱素子に接続されたそれぞれの電極には駆動用ICが接続され、通電のON/OFFが制御できるように構成される。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−58956号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように構成されたヘッド部を備えたラミネート部品は、図4に示すように、全面に図示しないグレーズ層が形成されたセラミック基板からなる耐熱基板1上に、複数の発熱素子2が主走査方向(列方向)に所定ピッチで一列に配列されている。各発熱素子2の一方は、耐熱基板1の端部1aで共通電極3に共通に接続され、他方はそれぞれの個別電極4に接続されている。
【0007】
図4に示すように、多数の発熱素子2が配列されたラミネート部品では、それぞれの個別電極4から対応する発熱素子2に通電されることにより共通電極3には大電流が流れる。このため、共通電極3の電流容量により電圧降下が生じ、発熱素子2毎の温度が不均一となり、ラミネートムラを生じるという問題点があった。
【0008】
また、発熱素子2の数が増えた場合には、共通電極3の電流容量を確保するために、端部1aに近い領域を広くしなければならないが、セラミック基板は一般に高価であるため、耐熱基板1の面積を広くすることによりコストが高くなるという問題点があった。さらに、従来は発熱素子2毎に個別電極4を接続し、それぞれの個別電極4毎に図示しない駆動用ICを接続しているため、発熱素子2の数が増えるに従って駆動用ICも同数必要になり、コストが高くなる原因となっていた。
【0009】
一方、図4に示すような従来構成では、複数の発熱素子2が一つの共通電極3に接続された状態で、それぞれの個別電極4により発熱素子2に通電することで各々の発熱素子2が発熱される。このため、それら発熱素子2の列方向長さWによってはラミネート溶融に必要な温度範囲を得ることができず、未定着の部位が発生し、この結果、被転写体とフィルムとの間に気泡が巻き込まれるという問題点があった。なお、ラミネート溶融に必要な温度範囲を得るために発熱素子2に過剰に電力を供給すると、フィルムに穴があくという不具合を生じることになる。
【0010】
また、発熱素子2の副走査方向の長さLによっては、副走査方向にラミネートが未定着の部位が発生し、ラミネートがライン状に形成されて行間が開いてしまうという問題が生じることになる。
【0011】
さらに、隣接する発熱素子2のギャップGによっては、副走査方向に未定着の部位が発生したり、隣接する発熱素子2の影響により定着させない部位もラミネートされてしまうという問題が生じる。
【0012】
この発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、発熱素子数が増加した場合でも大幅なコスト高を生じることがなく、また常に安定したラミネートを行うことができるラミネート部品及びラミネーターを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基体の主面上に配置された発熱素子と、前記発熱素子に電流を供給する一対の電極層とを有し、前記発熱素子と一対の電極層が一列に複数配列されたラミネート部品において、同時に通電されるN(偶数)個の発熱素子が導体により直列に接続され、そのうちの1番目の発熱素子は個別電極に、またN番目の発熱素子は共通電極にそれぞれ接続され、同時に通電される他のN(偶数)個の発熱素子が導体により直列に接続され、そのうちの1番目の発熱素子は前記共通電極に、またN番目の発熱素子は個別電極にそれぞれ接続されてなり、前記個別電極と前記共通電極は、前記基体の端部と反対方向に引き出されていることを特徴とする。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の前記発熱素子において、一列に複数配列された主走査方向の長さWと、前記主走査方向と直交する副走査方向の長さLとの関係がW>Lであり、同時に通電される発熱素子をN(偶数)個としたときに、W:(L×N)=1:1〜1:2となることを特徴とする。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1において、前記発熱素子の主走査方向の長さWが15μm〜1mmであり、且つ前記発熱素子の副走査方向の長さLがラミネート時に当該発熱素子と当接するラミネート部材の送りピッチLPに対しL>LPとなることを特徴とする。
【0016】
請求項4の発明は、請求項3において、前記複数配列された発熱素子の主走査方向の間隔が3〜20μmであることを特徴とする。なお、好ましくは、発熱素子の主走査方向の間隔を5〜20μmとする。
【0017】
さらに請求項5の発明は、上記請求項1乃至請求項4いずれか1項記載のラミネート部品を用いてラミネートフィルムを被転写体に熱圧着させるラミネーターであることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わるラミネート部品をラミネートヘッドに適用した場合の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0019】
まず、本実施の形態に係わるラミネートヘッドの基本的な構成を図2を用いて説明する。なお、ここに示すラミネートヘッドの断面構成図は、以下に説明する各実施の形態に共通の構成である。
【0020】
フィルム1は、図示しないラミネート基材上にラミネート層が貼り合わされたシート状のラミネート媒体として形成されている。このフィルム1の図示しないラミネート層側に被転写体2を重ね合せた状態で、図示しない供給手段により、プラテンローラ4と、主走査方向に一列に配列された複数の発熱素子5を有するラミネートヘッド6との間に供給する。このとき、図示しないラミネート基材側が発熱素子5と直接に当接するように供給し、一対の搬送ローラ3によりフィルム1を発熱素子5の配列方向と直交する副走査方向へ所定の送りピッチで矢印方向に移動させる。これにより、フィルム1の図示しないラミネート層と被転写体2はプラテンローラ4により加圧されるとともに、フィルム1の図示しないラミネート基材は発熱素子5により加熱されるため、フィルム1上の図示しないラミネート層は被転写体2に転写される。この後、図示しないラミネート基材をラミネート層から引き剥がすことにより、表面に保護のためのラミネート層が形成された被転写体2を得ることができる。
【0021】
図1は、実施の形態1に係わるラミネートヘッドの概略平面図である。この実施の形態1では、同時に通電される2個の発熱素子を導体により直列に接続した例について示す。
【0022】
図1において、ラミネートヘッド6は、図示しないグレーズ層が全面に形成された耐熱基板11上に、発熱素子5a〜5dが主走査方向に所定ピッチで一列に配列されている。この実施の形態1では、微細な4つの発熱素子を一組とした例について示しており、これら一組の発熱素子が主走査方向に複数配列されているものとする。
【0023】
図1において、同時に通電される発熱素子5aと同5bの一端、及び同時に通電される発熱素子5cと同5dの一端は、耐熱基板11の端部11aで導体12により接続されている。これにより、発熱素子5aと同5b、及び発熱素子5cと同5dは、それぞれ電気的に直列に接続されることになる。
【0024】
一方、発熱素子5aと同5dの他端は個別電極13に接続され、発熱素子5bと同5cの他端は一つの共通電極14に接続されている。個別電極13及び共通電極14は、それぞれ耐熱基板11の端部11aと反対方向に引き出されている。
【0025】
上記構成によれば、ラミネートヘッド6に多数の発熱素子5を配列した場合でも、共通電極14の電流容量を確保するために耐熱基板11の端部11aに近い領域を広くする必要がないため、図4に示した従来例と比較して耐熱基板11の面積を小さくすることができ、コストの低減を図ることができる。また、多数の発熱素子5を配列した場合でも、それぞれの共通電極14の電流容量が分割されて小さくなるために電圧降下の影響も小さくなる。したがって、発熱素子5毎の温度も均一化され、ラミネートムラの発生を防止することができる。さらに、多数の発熱素子5を配列した場合でも、駆動用ICの使用個数を削減できるため、コストの低減を図ることができる。ちなみに、実施の形態1と図4の従来例とを比較すると、図1では駆動用ICの数を1/2とすることができる。
【0026】
図3は、実施の形態2に係わるラミネートヘッドの概略平面図である。図3では、図1と同等部分を同一符号で示している。実施の形態2では、同時に通電される4個の発熱素子を導体により直列に接続した例について示す。
【0027】
図3において、同時に通電される発熱素子15aと同15bの一端、同じく同時に通電される発熱素子15cと同15dの一端は、耐熱基板11の端部11aで導体16によりそれぞれ接続されている。また発熱素子15bと同15cの他端は、導体17により接続されている。これにより、発熱素子15a、15b、15c、15dは、電気的に直列に接続されることになる。そして、発熱素子15aの他端は個別電極13に接続され、発熱素子15dの他端は共通電極14に接続されている。個別電極13及び共通電極14は、それぞれ耐熱基板11の端部11aと反対方向に引き出されている。
【0028】
他方、同時に通電される発熱素子15eと同15fの一端、同じく同時に通電される発熱素子15gと同15hの一端は、耐熱基板11の端部11aで導体18によりそれぞれ接続されている。また発熱素子15fと同15gの他端は、導体19により接続されている。これにより、発熱素子15e、15f、15g、15hは、電気的に直列に接続されることになる。そして、発熱素子15hの他端は個別電極13に接続され、発熱素子15eの他端は、発熱素子15dの他端とともに共通電極14に接続されている。個別電極13及び共通電極14は、それぞれ耐熱基板11の端部11aと反対方向に引き出されている。
【0029】
上記構成においても、ラミネートヘッド6に多数の発熱素子15を配列するに際して、共通電極14の電流容量を確保するために耐熱基板11の端部11aに近い領域を広くする必要がないため、図4に示した従来例と比較して耐熱基板11の面積を小さくすることができ、コストの低減を図ることができる。また、多数の発熱素子15を配列した場合でも、それぞれの共通電極14の電流容量が分割されて小さくなるために電圧降下の影響も小さくなる。したがって、発熱素子15毎の温度も均一化され、ラミネートムラの発生を防止することができる。さらに、多数の発熱素子5を配列した場合でも、駆動用ICの使用個数を削減できるため、コストの低減を図ることができる。ちなみに、実施の形態2では、図4に示すような従来例の構成で発熱素子毎に駆動用ICを接続した場合と比較して、駆動用ICの数を1/4とすることができるため、素子数の削減によるコストの低減を図ることができる。
【0030】
なお、本発明において、同時に通電される発熱素子の個数は上記実施の形態に限定されるものではなく、2個一組、4個一組、6個一組等、いずれも偶数個毎の発熱素子で構成することができる。
【0031】
また、発熱素子5及び15の主走査方向の長さWと副走査方向の長さLは、W>Lとなるように形成する。そして、同時に通電される発熱素子の数をN(偶数)個としたときに、W:(L×N)=1:1〜1:2となるように長さを調整する。これは、各発熱素子のWとLの寸法により抵抗値が変化するため、個別電極と共通電極の間にN個の発熱素子を接続した場合には、L×NをWの2倍までとすることにより、製造時の抵抗値のバラツキを±10%とすることができるからである。このように、抵抗値のバラツキを±10%とすることで、ラミネートの均一性を高めることができる。
【0032】
次に、発熱素子の形状に関する実施例について説明する。ここでは、図1に示すラミネート部品の素子構成を例とする。
【0033】
実施例1
発熱素子の主走査方向の長さWを15μm、20μm、50μm、100μm、500μm、1mm、1.5mm、2mmとなるように調整した8種類のサンプルを作製した。また、フィルムの送りピッチLPを125μm/lineと設定し、これに合わせて各サンプルにおける発熱素子の副走査方向の長さLを170μmとした。そして、各サンプルの発熱素子の抵抗値に合わせて発熱エネルギーが一定になるように制御しながら、フィルムを用いて定着走行試験を実施した。試験後、フィルム内における気泡の有無、及び未定着部位等のラミネート不良の有無について検査を行った。
【0034】
走行試験の結果、発熱素子の主走査方向の長さWを1mm以下とした6種類のサンプルについては、フィルム内に気泡の発生やラミネート不良は認められなかった。一方、それ以外のサンプルでは、フィルム内に気泡の発生が認められた。とくに、長さWを2mmとしたサンプルについては気泡だけでなく皺等のラミネート不良が発生し、所望のラミネート結果を得ることができなかった。
【0035】
実施例2
フィルムの送りピッチLPを125μm/lineと設定し、副走査方向の長さLを50μm、100μm、130μm、150μm、170μmとなるように調整した5種類のサンプルを作製した。各サンプルにおける発熱素子の主走査方向の長さWを50μmとした。そして、各サンプルの発熱素子の抵抗値に合わせて発熱エネルギーが一定になるように制御しながら、フィルムを用いて定着走行試験を実施した。試験後、フィルム内における気泡の有無、及び未定着部位等のラミネート不良の有無について検査を行った。
【0036】
走行試験の結果、発熱素子の副走査方向の長さLを、フィルムの送りピッチである125μm以下とした2種類のサンプルについては、フィルム内に気泡が列状に発生したことが認められた。一方、フィルムの送りピッチ125μm以上とした3種類のサンプルについては、フィルム内に気泡の発生やラミネート不良は認められなかった。
【0037】
以上の結果から、発熱素子の主走査方向の長さWを15μm〜1mmとし、且つ副走査方向の長さLがフィルムの送りピッチLPに対しL>LPとした場合には、発熱素子間の発熱温度分布が安定し、複数の発熱素子が列状に配列された方向において、ラミネート溶融に必要な温度範囲が得られるようになるため、未定着の部位が発生しなくなり、被転写体とフィルムとの間に気泡の巻き込むみを生じないことが明らかとなった。また、発熱素子の主走査方向にラミネートが未定着の部位が発生することがなくなるため、ラミネートがライン状に形成されて行間が開いてしまうという問題が生じなくなることも明らかとなった。
【0038】
実施例3
発熱素子の主走査方向の長さWを50μmとし、且つフィルムの送りピッチLPを125μm/lineと設定し、発熱素子の副走査方向の長さLを170μmとした。そして、発熱素子間のギャップGを3μm〜50μmの間で調整したサンプルを数種類作製した。そして、各サンプルの発熱素子の抵抗値に合わせて発熱エネルギーが一定になるように制御しながら、フィルムを用いて定着走行試験を実施した。試験後、フィルム内における気泡の有無、及び未定着部位等のラミネート不良の有無について検査を行った。
【0039】
走行試験の結果、発熱素子間のギャップGが20μmを越えるサンプルについては、フィルムの搬送方向に未定着の部位が発生した。これに対しギャップGを3μm〜20μmとしたサンプルについては、未定着の部位が発生は認められなかった。ちなみに、ギャップGを5μm〜20μmの範囲とした場合には、とくに良好なラミネート結果を得ることができた。
【0040】
なお、ギャップGを3μm未満とした場合には、隣接する発熱素子の影響により、定着させない部位もラミネートされてしまうことが予測され、所望のラミネート結果が得られないと考えられる。
【0041】
以上の結果から、発熱素子の主走査方向の長さWを15μm〜1mm、副走査方向の長さLがフィルムの送りピッチLPに対しL>LPとし、さらに発熱素子間のギャップGを3μm〜50μmとした場合には、被転写体とフィルムとの間に気泡の巻き込むみを生じることがなく、またラミネートがライン状に形成されて行間が開いてしまうことがないうえ、さらにフィルムの搬送方向に未定着の部位が発生することがなく、隣接する発熱素子の影響により定着させない部位もラミネートされてしまうおそれが少ないことが明らかとなった。
【0042】
なお、本実施の形態では、図示しないラミネート基材上にラミネート層が貼り合わされたフィルム1を用いた例を示したが、単一の透明フィルムからなるフィルムが、直接に被転写体2の表面にラミネートされるものであっても本発明を適用することができる。
【0043】
上記、各実施例のラミネート部品をラミネーターに組み込み、ラミネートフィルムをインクジェット方式あるいはバブルジェット(登録商標)方式のプリンタにて画像を形成した被転写体に熱圧着したところ、均一に熱圧着することができ、被転写体の画像劣化を良好に防止できるラミネーターを得ることができた。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、発熱素子数が増加した場合でも、共通電極の電流容量を確保するために耐熱基板を広くする必要がないため、コストの低減を図ることができる。また、ラミネートムラや気泡の巻き込むみを生じることがなく、ラミネートがライン状に形成されて行間が開いたり、フィルムの搬送方向に未定着の部位が発生するなどの不具合を生じることがないため、常に安定したラミネートを行うことができるラミネート部品及びラミネーターを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係わるラミネートヘッドの概略平面図。
【図2】ラミネートヘッドの断面構成図。
【図3】実施の形態2に係わるラミネートヘッドの概略平面図。
【図4】従来例におけるラミネート部品の概略平面図。
【符号の説明】
1…フィルム、2…被転写体、3…搬送ローラ、4…プラテンローラ、5,15…発熱素子、6…ラミネートヘッド、11…耐熱基板、12,16,17…導体、13…個別電極、14…共通電極
【発明の属する技術分野】
この発明は、被転写体に形成された画像上に画像保護のための透明フィルムをラミネートするためのラミネート部品及びラミネーターに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、印画紙、光沢紙等の被転写体に転写、若しくは形成された画像を保護するため、被転写体の表面に透明なフィルムをラミネートすることが行われている。その効果としては、大気中に含まれるガスを遮断し画質劣化を防止することや、紫外線による画質の変質防止、画像を外力による傷から保護することなどが挙げられる。
【0003】
また、被転写体の表面にラミネート層を形成する方法としては、熱ローラを用いてフィルムを被転写体に熱圧着する方法や、一列に形成されたヒータを発熱させて、被転写体の表面にフィルムをラミネートする方法(例えば、特許文献1参照)等、熱を介在させて圧着する手法が一般的である。
【0004】
このうち、一列に形成されたヒータを発熱させる方法において、ヒータのヘッド部分は、例えばセラミック基板等の支持基体上にヒータ層となる発熱素子、アルミニウム等の電極となる導電層をスパッタ法等の膜形成法によって積層形成した後、フォトエングレービングプロセス等を通すことにより、一対となる発熱素子と電極層を一線上に複数組形成し、その後、少なくともその発熱素子とその周辺の電極層を保護するための保護被覆層を形成したものが用いられる。そして、複数の発熱素子に接続されたそれぞれの電極には駆動用ICが接続され、通電のON/OFFが制御できるように構成される。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−58956号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように構成されたヘッド部を備えたラミネート部品は、図4に示すように、全面に図示しないグレーズ層が形成されたセラミック基板からなる耐熱基板1上に、複数の発熱素子2が主走査方向(列方向)に所定ピッチで一列に配列されている。各発熱素子2の一方は、耐熱基板1の端部1aで共通電極3に共通に接続され、他方はそれぞれの個別電極4に接続されている。
【0007】
図4に示すように、多数の発熱素子2が配列されたラミネート部品では、それぞれの個別電極4から対応する発熱素子2に通電されることにより共通電極3には大電流が流れる。このため、共通電極3の電流容量により電圧降下が生じ、発熱素子2毎の温度が不均一となり、ラミネートムラを生じるという問題点があった。
【0008】
また、発熱素子2の数が増えた場合には、共通電極3の電流容量を確保するために、端部1aに近い領域を広くしなければならないが、セラミック基板は一般に高価であるため、耐熱基板1の面積を広くすることによりコストが高くなるという問題点があった。さらに、従来は発熱素子2毎に個別電極4を接続し、それぞれの個別電極4毎に図示しない駆動用ICを接続しているため、発熱素子2の数が増えるに従って駆動用ICも同数必要になり、コストが高くなる原因となっていた。
【0009】
一方、図4に示すような従来構成では、複数の発熱素子2が一つの共通電極3に接続された状態で、それぞれの個別電極4により発熱素子2に通電することで各々の発熱素子2が発熱される。このため、それら発熱素子2の列方向長さWによってはラミネート溶融に必要な温度範囲を得ることができず、未定着の部位が発生し、この結果、被転写体とフィルムとの間に気泡が巻き込まれるという問題点があった。なお、ラミネート溶融に必要な温度範囲を得るために発熱素子2に過剰に電力を供給すると、フィルムに穴があくという不具合を生じることになる。
【0010】
また、発熱素子2の副走査方向の長さLによっては、副走査方向にラミネートが未定着の部位が発生し、ラミネートがライン状に形成されて行間が開いてしまうという問題が生じることになる。
【0011】
さらに、隣接する発熱素子2のギャップGによっては、副走査方向に未定着の部位が発生したり、隣接する発熱素子2の影響により定着させない部位もラミネートされてしまうという問題が生じる。
【0012】
この発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、発熱素子数が増加した場合でも大幅なコスト高を生じることがなく、また常に安定したラミネートを行うことができるラミネート部品及びラミネーターを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基体の主面上に配置された発熱素子と、前記発熱素子に電流を供給する一対の電極層とを有し、前記発熱素子と一対の電極層が一列に複数配列されたラミネート部品において、同時に通電されるN(偶数)個の発熱素子が導体により直列に接続され、そのうちの1番目の発熱素子は個別電極に、またN番目の発熱素子は共通電極にそれぞれ接続され、同時に通電される他のN(偶数)個の発熱素子が導体により直列に接続され、そのうちの1番目の発熱素子は前記共通電極に、またN番目の発熱素子は個別電極にそれぞれ接続されてなり、前記個別電極と前記共通電極は、前記基体の端部と反対方向に引き出されていることを特徴とする。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の前記発熱素子において、一列に複数配列された主走査方向の長さWと、前記主走査方向と直交する副走査方向の長さLとの関係がW>Lであり、同時に通電される発熱素子をN(偶数)個としたときに、W:(L×N)=1:1〜1:2となることを特徴とする。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1において、前記発熱素子の主走査方向の長さWが15μm〜1mmであり、且つ前記発熱素子の副走査方向の長さLがラミネート時に当該発熱素子と当接するラミネート部材の送りピッチLPに対しL>LPとなることを特徴とする。
【0016】
請求項4の発明は、請求項3において、前記複数配列された発熱素子の主走査方向の間隔が3〜20μmであることを特徴とする。なお、好ましくは、発熱素子の主走査方向の間隔を5〜20μmとする。
【0017】
さらに請求項5の発明は、上記請求項1乃至請求項4いずれか1項記載のラミネート部品を用いてラミネートフィルムを被転写体に熱圧着させるラミネーターであることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わるラミネート部品をラミネートヘッドに適用した場合の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0019】
まず、本実施の形態に係わるラミネートヘッドの基本的な構成を図2を用いて説明する。なお、ここに示すラミネートヘッドの断面構成図は、以下に説明する各実施の形態に共通の構成である。
【0020】
フィルム1は、図示しないラミネート基材上にラミネート層が貼り合わされたシート状のラミネート媒体として形成されている。このフィルム1の図示しないラミネート層側に被転写体2を重ね合せた状態で、図示しない供給手段により、プラテンローラ4と、主走査方向に一列に配列された複数の発熱素子5を有するラミネートヘッド6との間に供給する。このとき、図示しないラミネート基材側が発熱素子5と直接に当接するように供給し、一対の搬送ローラ3によりフィルム1を発熱素子5の配列方向と直交する副走査方向へ所定の送りピッチで矢印方向に移動させる。これにより、フィルム1の図示しないラミネート層と被転写体2はプラテンローラ4により加圧されるとともに、フィルム1の図示しないラミネート基材は発熱素子5により加熱されるため、フィルム1上の図示しないラミネート層は被転写体2に転写される。この後、図示しないラミネート基材をラミネート層から引き剥がすことにより、表面に保護のためのラミネート層が形成された被転写体2を得ることができる。
【0021】
図1は、実施の形態1に係わるラミネートヘッドの概略平面図である。この実施の形態1では、同時に通電される2個の発熱素子を導体により直列に接続した例について示す。
【0022】
図1において、ラミネートヘッド6は、図示しないグレーズ層が全面に形成された耐熱基板11上に、発熱素子5a〜5dが主走査方向に所定ピッチで一列に配列されている。この実施の形態1では、微細な4つの発熱素子を一組とした例について示しており、これら一組の発熱素子が主走査方向に複数配列されているものとする。
【0023】
図1において、同時に通電される発熱素子5aと同5bの一端、及び同時に通電される発熱素子5cと同5dの一端は、耐熱基板11の端部11aで導体12により接続されている。これにより、発熱素子5aと同5b、及び発熱素子5cと同5dは、それぞれ電気的に直列に接続されることになる。
【0024】
一方、発熱素子5aと同5dの他端は個別電極13に接続され、発熱素子5bと同5cの他端は一つの共通電極14に接続されている。個別電極13及び共通電極14は、それぞれ耐熱基板11の端部11aと反対方向に引き出されている。
【0025】
上記構成によれば、ラミネートヘッド6に多数の発熱素子5を配列した場合でも、共通電極14の電流容量を確保するために耐熱基板11の端部11aに近い領域を広くする必要がないため、図4に示した従来例と比較して耐熱基板11の面積を小さくすることができ、コストの低減を図ることができる。また、多数の発熱素子5を配列した場合でも、それぞれの共通電極14の電流容量が分割されて小さくなるために電圧降下の影響も小さくなる。したがって、発熱素子5毎の温度も均一化され、ラミネートムラの発生を防止することができる。さらに、多数の発熱素子5を配列した場合でも、駆動用ICの使用個数を削減できるため、コストの低減を図ることができる。ちなみに、実施の形態1と図4の従来例とを比較すると、図1では駆動用ICの数を1/2とすることができる。
【0026】
図3は、実施の形態2に係わるラミネートヘッドの概略平面図である。図3では、図1と同等部分を同一符号で示している。実施の形態2では、同時に通電される4個の発熱素子を導体により直列に接続した例について示す。
【0027】
図3において、同時に通電される発熱素子15aと同15bの一端、同じく同時に通電される発熱素子15cと同15dの一端は、耐熱基板11の端部11aで導体16によりそれぞれ接続されている。また発熱素子15bと同15cの他端は、導体17により接続されている。これにより、発熱素子15a、15b、15c、15dは、電気的に直列に接続されることになる。そして、発熱素子15aの他端は個別電極13に接続され、発熱素子15dの他端は共通電極14に接続されている。個別電極13及び共通電極14は、それぞれ耐熱基板11の端部11aと反対方向に引き出されている。
【0028】
他方、同時に通電される発熱素子15eと同15fの一端、同じく同時に通電される発熱素子15gと同15hの一端は、耐熱基板11の端部11aで導体18によりそれぞれ接続されている。また発熱素子15fと同15gの他端は、導体19により接続されている。これにより、発熱素子15e、15f、15g、15hは、電気的に直列に接続されることになる。そして、発熱素子15hの他端は個別電極13に接続され、発熱素子15eの他端は、発熱素子15dの他端とともに共通電極14に接続されている。個別電極13及び共通電極14は、それぞれ耐熱基板11の端部11aと反対方向に引き出されている。
【0029】
上記構成においても、ラミネートヘッド6に多数の発熱素子15を配列するに際して、共通電極14の電流容量を確保するために耐熱基板11の端部11aに近い領域を広くする必要がないため、図4に示した従来例と比較して耐熱基板11の面積を小さくすることができ、コストの低減を図ることができる。また、多数の発熱素子15を配列した場合でも、それぞれの共通電極14の電流容量が分割されて小さくなるために電圧降下の影響も小さくなる。したがって、発熱素子15毎の温度も均一化され、ラミネートムラの発生を防止することができる。さらに、多数の発熱素子5を配列した場合でも、駆動用ICの使用個数を削減できるため、コストの低減を図ることができる。ちなみに、実施の形態2では、図4に示すような従来例の構成で発熱素子毎に駆動用ICを接続した場合と比較して、駆動用ICの数を1/4とすることができるため、素子数の削減によるコストの低減を図ることができる。
【0030】
なお、本発明において、同時に通電される発熱素子の個数は上記実施の形態に限定されるものではなく、2個一組、4個一組、6個一組等、いずれも偶数個毎の発熱素子で構成することができる。
【0031】
また、発熱素子5及び15の主走査方向の長さWと副走査方向の長さLは、W>Lとなるように形成する。そして、同時に通電される発熱素子の数をN(偶数)個としたときに、W:(L×N)=1:1〜1:2となるように長さを調整する。これは、各発熱素子のWとLの寸法により抵抗値が変化するため、個別電極と共通電極の間にN個の発熱素子を接続した場合には、L×NをWの2倍までとすることにより、製造時の抵抗値のバラツキを±10%とすることができるからである。このように、抵抗値のバラツキを±10%とすることで、ラミネートの均一性を高めることができる。
【0032】
次に、発熱素子の形状に関する実施例について説明する。ここでは、図1に示すラミネート部品の素子構成を例とする。
【0033】
実施例1
発熱素子の主走査方向の長さWを15μm、20μm、50μm、100μm、500μm、1mm、1.5mm、2mmとなるように調整した8種類のサンプルを作製した。また、フィルムの送りピッチLPを125μm/lineと設定し、これに合わせて各サンプルにおける発熱素子の副走査方向の長さLを170μmとした。そして、各サンプルの発熱素子の抵抗値に合わせて発熱エネルギーが一定になるように制御しながら、フィルムを用いて定着走行試験を実施した。試験後、フィルム内における気泡の有無、及び未定着部位等のラミネート不良の有無について検査を行った。
【0034】
走行試験の結果、発熱素子の主走査方向の長さWを1mm以下とした6種類のサンプルについては、フィルム内に気泡の発生やラミネート不良は認められなかった。一方、それ以外のサンプルでは、フィルム内に気泡の発生が認められた。とくに、長さWを2mmとしたサンプルについては気泡だけでなく皺等のラミネート不良が発生し、所望のラミネート結果を得ることができなかった。
【0035】
実施例2
フィルムの送りピッチLPを125μm/lineと設定し、副走査方向の長さLを50μm、100μm、130μm、150μm、170μmとなるように調整した5種類のサンプルを作製した。各サンプルにおける発熱素子の主走査方向の長さWを50μmとした。そして、各サンプルの発熱素子の抵抗値に合わせて発熱エネルギーが一定になるように制御しながら、フィルムを用いて定着走行試験を実施した。試験後、フィルム内における気泡の有無、及び未定着部位等のラミネート不良の有無について検査を行った。
【0036】
走行試験の結果、発熱素子の副走査方向の長さLを、フィルムの送りピッチである125μm以下とした2種類のサンプルについては、フィルム内に気泡が列状に発生したことが認められた。一方、フィルムの送りピッチ125μm以上とした3種類のサンプルについては、フィルム内に気泡の発生やラミネート不良は認められなかった。
【0037】
以上の結果から、発熱素子の主走査方向の長さWを15μm〜1mmとし、且つ副走査方向の長さLがフィルムの送りピッチLPに対しL>LPとした場合には、発熱素子間の発熱温度分布が安定し、複数の発熱素子が列状に配列された方向において、ラミネート溶融に必要な温度範囲が得られるようになるため、未定着の部位が発生しなくなり、被転写体とフィルムとの間に気泡の巻き込むみを生じないことが明らかとなった。また、発熱素子の主走査方向にラミネートが未定着の部位が発生することがなくなるため、ラミネートがライン状に形成されて行間が開いてしまうという問題が生じなくなることも明らかとなった。
【0038】
実施例3
発熱素子の主走査方向の長さWを50μmとし、且つフィルムの送りピッチLPを125μm/lineと設定し、発熱素子の副走査方向の長さLを170μmとした。そして、発熱素子間のギャップGを3μm〜50μmの間で調整したサンプルを数種類作製した。そして、各サンプルの発熱素子の抵抗値に合わせて発熱エネルギーが一定になるように制御しながら、フィルムを用いて定着走行試験を実施した。試験後、フィルム内における気泡の有無、及び未定着部位等のラミネート不良の有無について検査を行った。
【0039】
走行試験の結果、発熱素子間のギャップGが20μmを越えるサンプルについては、フィルムの搬送方向に未定着の部位が発生した。これに対しギャップGを3μm〜20μmとしたサンプルについては、未定着の部位が発生は認められなかった。ちなみに、ギャップGを5μm〜20μmの範囲とした場合には、とくに良好なラミネート結果を得ることができた。
【0040】
なお、ギャップGを3μm未満とした場合には、隣接する発熱素子の影響により、定着させない部位もラミネートされてしまうことが予測され、所望のラミネート結果が得られないと考えられる。
【0041】
以上の結果から、発熱素子の主走査方向の長さWを15μm〜1mm、副走査方向の長さLがフィルムの送りピッチLPに対しL>LPとし、さらに発熱素子間のギャップGを3μm〜50μmとした場合には、被転写体とフィルムとの間に気泡の巻き込むみを生じることがなく、またラミネートがライン状に形成されて行間が開いてしまうことがないうえ、さらにフィルムの搬送方向に未定着の部位が発生することがなく、隣接する発熱素子の影響により定着させない部位もラミネートされてしまうおそれが少ないことが明らかとなった。
【0042】
なお、本実施の形態では、図示しないラミネート基材上にラミネート層が貼り合わされたフィルム1を用いた例を示したが、単一の透明フィルムからなるフィルムが、直接に被転写体2の表面にラミネートされるものであっても本発明を適用することができる。
【0043】
上記、各実施例のラミネート部品をラミネーターに組み込み、ラミネートフィルムをインクジェット方式あるいはバブルジェット(登録商標)方式のプリンタにて画像を形成した被転写体に熱圧着したところ、均一に熱圧着することができ、被転写体の画像劣化を良好に防止できるラミネーターを得ることができた。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、発熱素子数が増加した場合でも、共通電極の電流容量を確保するために耐熱基板を広くする必要がないため、コストの低減を図ることができる。また、ラミネートムラや気泡の巻き込むみを生じることがなく、ラミネートがライン状に形成されて行間が開いたり、フィルムの搬送方向に未定着の部位が発生するなどの不具合を生じることがないため、常に安定したラミネートを行うことができるラミネート部品及びラミネーターを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係わるラミネートヘッドの概略平面図。
【図2】ラミネートヘッドの断面構成図。
【図3】実施の形態2に係わるラミネートヘッドの概略平面図。
【図4】従来例におけるラミネート部品の概略平面図。
【符号の説明】
1…フィルム、2…被転写体、3…搬送ローラ、4…プラテンローラ、5,15…発熱素子、6…ラミネートヘッド、11…耐熱基板、12,16,17…導体、13…個別電極、14…共通電極
Claims (5)
- 基体の主面上に配置された発熱素子と、前記発熱素子に電流を供給する一対の電極層とを有し、前記発熱素子と一対の電極層が一列に複数配列されたラミネート部品において、
同時に通電されるN(偶数)個の発熱素子が導体により直列に接続され、そのうちの1番目の発熱素子は個別電極に、またN番目の発熱素子は共通電極にそれぞれ接続され、
同時に通電される他のN(偶数)個の発熱素子が導体により直列に接続され、そのうちの1番目の発熱素子は前記共通電極に、またN番目の発熱素子は個別電極にそれぞれ接続されてなり、
前記個別電極と前記共通電極は、前記基体の端部と反対方向に引き出されていることを特徴とするラミネート部品。 - 前記発熱素子は、一列に複数配列された主走査方向の長さWと、前記主走査方向と直交する副走査方向の長さLとの関係がW>Lであり、同時に通電される発熱素子をN(偶数)個としたときに、W:(L×N)=1:1〜1:2となることを特徴とする請求項1に記載のラミネート部品。
- 前記発熱素子の主走査方向の長さWが15μm〜1mmであり、且つ前記発熱素子の副走査方向の長さLがラミネート時に当該発熱素子と当接するラミネート部材の送りピッチLPに対しL>LPとなることを特徴とする請求項1に記載のラミネート部品。
- 前記複数配列された発熱素子の主走査方向の間隔が3〜20μmであることを特徴とする請求項3に記載のラミネート部品。
- 請求項1乃至請求項4いずれか1項記載のラミネート部品を用いてラミネートフィルムを被転写体に熱圧着させることを特徴とするラミネーター。
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Cited By (1)
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JP2007331109A (ja) * | 2006-06-12 | 2007-12-27 | Toshiba Hokuto Electronics Corp | サーマルヘッド装置 |
-
2002
- 2002-12-16 JP JP2002363700A patent/JP2004195670A/ja active Pending
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