JP2004195004A - ストレッチチェアー - Google Patents

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【課題】ストレッチ体操や柔軟体操,マッサージ及び筋力強化運動を別々の専用器具を使用することなく、利用者の体型,体力,年齢等に対応して最適な使用法を採ることによって安全性が高く、しかも広い設置場所を必要としないストレッチチェアーを提供することを目的とする。
【解決手段】座席2の背もたれ4の左右両側に前方支柱5a,5bを立設して、該前方支柱に利用者の脇下高さに相当する長尺の棒体7a,7bを前後方向に挿通支持し、前方支柱5a,5bの上端部近傍に左右方向に伸びる棒体8を挿通支持し、後方支柱9a,9bと延長部9c,9dに穿設された孔部30に複数本の棒体を位置調節可能に挿通支持し、後方支柱9a,9bの内側に、下段ローラ21と中段ローラ22及び上段ローラ23を配設したストレッチチェアーを基本構成としている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は各種ストレッチ体操,柔軟体操及び筋力強化とマッサージを平行して行うことができるストレッチチェアーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からストレッチ体操や柔軟体操及び筋力強化を行うための各種の補助器具が市販されており、一例を挙げると背筋を伸ばす「ぶら下がり健康器具」、全身運動である「ランニングマシン」、「ウォークマシン」、その他「各種マッサージ器具」、「腰椎ツイスト用ベルト」、更には足裏のツボを刺激して血行を高める「青竹踏み具」等がある。特にストレッチ体操はスポーツの準備運動の段階で筋肉をほぐすことによりケガを未然に防ぐ効果があり、近年ではほとんどのスポーツ分野での準備運動として採り入れられており、例えば、椅子に着座した状態で腰に負担なく背筋を伸ばす健康矯正器具も提供されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−591号
【0004】
ストレッチ体操は器具を用いずに一人でできるものから二人の共同により行うもの、更には前記した補助器具を用いるものまで多種類の方法が知られている。特に補助器具を用いることにより高い効果が得られる場合が多いため、これらの補助器具の採用が推奨されている。また、振動とかマッサージ効果を得るために電力を利用する補助器具も多く提供されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のストレッチ体操を行うための器具、筋力強化器具及び各種マッサージ器具は、単品または小単位の別々の専用器具であるため、これらの器具を全部揃えて使用可能にするには広い設置場所が必要であるとともに設備費と電気代等に多くの経費がかかってしまうという問題点がある。また、専用器具の種類によっては重量が大となって設置場所の移動が困難である外、利用者の体型,体力及び年齢的に自力で利用できないケースも多く、更に勢いをつけて行う体操は軟部組織である筋,腱,靱帯等を損傷する惧れがある。
【0006】
スポーツマンにとって競技前の準備体操、とりわけストレッチ体操は重要であり、一般の人にとっても適度なストレッチ体操は健康を維持する上から大切であるが、疲労時には体操をする意欲が生じない場合もあり、体力的に自力だけでできなかったり十分な効果が得られないこともある。
【0007】
そこで本発明は上記の問題点を解決して、ストレッチ体操や柔軟体操,マッサージ及び筋力強化運動を別々の専用器具を使用することなく行えるとともに、利用者の体型とか体力及び年齢等に対応して最適な使用法を採ることによって体力の消耗を最小限として安全性が高く、しかも広い設置場所を必要とせずに多用途に使用できるストレッチチェアーを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、座席の背もたれの左右両側に前方支柱を立設して、該前方支柱に接して配設した支持板に利用者の脇下高さに相当する長尺の棒体を高さ位置調節可能に前後方向に挿通支持するとともに、前方支柱の上端部近傍に左右方向に伸びる棒体を高さ位置調節可能に挿通支持し、前方支柱と横架材により連結された後方支柱の上端部に後方側に伸びる延長部を形成して該後方支柱と延長部に穿設された多数の孔部に複数本の棒体を位置調節可能に挿通支持し、後方支柱の内側に、下段ローラと該下段ローラの上方位置にある中段ローラ及び該中段ローラの上方位置にある上段ローラを配設したストレッチチェアーを基本構成としている。また、各構成部材は木工製品を利用している。
【0009】
かかるストレッチチェアーによれば、利用者の体型とか体力及び年齢等に応じて足関節の底屈とアキレス腱の押圧ストレッチ、ハムストリングス、頸、肩甲骨、肩、僧帽筋、胸郭のストレッチ、胸鎖乳突筋、棘上筋のストレッチその他の各種ストレッチ体操,柔軟体操及び筋力強化とマッサージを疲労感を伴うことなく安全に行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下図面に基づいて本発明にかかるストレッチチェアーの具体的な一実施形態を説明する。図1はストレッチチェアーを全体的に示す前方からの斜視図、図2は同後方からの斜視図、図3は同右側面図、図4は同平面図であり、基本的に各構成部材は間伐材等を用いた木工製品により構成されている。図中の1は木製の椅子であり、座席2の両側に肘掛け3a,3bが取り付けられており、背もたれ4の左右両側に前方支柱5a,5bが立設されている。この前方支柱5a,5bに接して配設された支持板6a,6bに長尺の棒体7a,7bが高さ位置調節可能に前後方向に挿通支持されている。この棒体7a,7bは座席2に着座した利用者の脇下高さに相当する位置にあるように設定されている。更に前方支柱5a,5bの上端部近傍には、左右方向に長く伸びる棒体8が高さ位置調節可能に挿通支持されている。
【0011】
9a,9bは幅広に構成された後方支柱であり、この後方支柱9a,9bの上端部には後方側に伸びる延長部9c,9dが形成されている。後方支柱9a,9bは前方支柱5a,5bと上下の横架材10,10により連結されており、該横架材10,10の外側部には中間支持板11a,11bが固設されていて、この中間支持板11a,11bには多数の孔部20,20が穿設され、この孔部20,20を利用して棒体12,13が位置調節可能に挿通支持されている。
【0012】
後方支柱9a,9bと延長部9c,9dにも多数の孔部30,30が穿設されており、この孔部30,30を利用して複数本の棒体14,15,16,17が位置調節可能に挿通支持されている。この後方支柱9a,9bの内側で中間支持板11a,11bとの間に、山形に構成された下段ローラ21と、該下段ローラ21の上方位置にあって左右に分割して構成された中段ローラ22,22と、該中段ローラ22,22の上方位置のセンター部に位置する上段ローラ23とが夫々支持部材を介在して配設されている。
【0013】
以下に本発明にかかるストレッチチェアーの具体的な使用例を説明する。
【0014】
〔使用例1〕…足関節の底屈とアキレス腱の押圧ストレッチ
図5に示すように利用者が仰臥位で上段ローラ23の上の棒体15,16の間に足関節を入れて底屈させる。アキレス腱と下腿三頭筋の強化に効果があり、アキレス腱炎と踵骨々端炎を予防する。
【0015】
〔使用例2〕…アキレス腱のストレッチ
図6に示すように利用者は仰臥位で上段ローラ23の上にある棒体16に踵を乗せ、更にその先の棒体14,15間に足指を入れて引っ掛ける。アキレス腱と下腿三頭筋及びハムストリングスの強化に効果があり、アキレス腱炎と踵骨々端炎を予防する。
【0016】
〔使用例3〕…ハムストリングスのストレッチ
図7に示すように利用者は仰臥位で後方支柱の延長部9c,9d間に挿通支持された棒体14に踵を乗せる。ハムストリングス〜大腿後面の膝屈筋郡、半腱様筋、半膜様筋、大腿二頭筋の強化に効果があり、肉離れ、挫傷を予防する。
【0017】
〔使用例4〕…頸、肩甲骨、肩、僧帽筋のストレッチ
図8に示すように利用者は座席2に座り、前方支柱5a,5b間に両肩を入れて支柱前方に突き出ている棒体7a,7bを片方ずつ握り、両肩甲骨を持ち上げて頸を前屈する。頸、肩甲骨、肩、僧帽筋の強化に効果があり、頸椎、肩こりを予防する。
【0018】
〔使用例5〕…頸、胸鎖乳突筋、棘上筋のストレッチ
図9に示すように利用者は座席2に座り、左肩を上方の棒体7bの下に入れた状態で頸を右屈する。頸、胸鎖乳突筋、棘上筋の強化に効果があり、頸椎、肩こりを予防する。
【0019】
〔使用例6〕…頸、肩甲骨、肩、僧帽筋、胸郭のストレッチ
図10に示すように利用者は座席2に座り、前方支柱5a,5b間に両肩を入れて該前方支柱5a,5bの上端部近傍から左右方向に長く伸びる棒体8を片方ずつ握り、両肩甲骨を持ち上げて頸を前屈する。頸、肩甲骨、肩、僧帽筋、胸郭の強化に効果があり、頸椎、肩こり、猫背を予防する。
【0020】
〔使用例7〕…腹筋、背筋、殿筋、大腿四頭筋、手関節の筋力強化
図11に示すように利用者は仰臥位で後方支柱9a,9bの延長部9c,9d間に挿通支持された棒体14に踵を乗せ、下段ローラ21の手前にある棒体17を後方支柱9a,9bの外側から両手で握り、矢印Aに示したように下腿部と腰を同時に浮かせる。腹筋、背筋、殿筋、大腿四頭筋、手関節の筋力強化に効果があり、腰痛症、膝関節と足のむくみを予防する。
【0021】
〔使用例8〕…足関節の底屈ストレッチ
図12に示すように利用者は仰臥位で中段ローラ22に両下腿部を乗せ、中段ローラ22の先の棒体12に足関節を引っかけて底屈させる。静脈の血流が悪い下腿三頭筋(腓腹筋、ひらめ筋)に効果があり、足の冷え性、足のむくみと足関節、下腿三頭筋の疲労回復と疼痛を予防する。
【0022】
〔使用例9〕…両下腿部のストレッチ
図13に示すように利用者は仰臥位で中段ローラ22に両足を乗せ、その中心の板と両脇の後方支柱9a,9bとの間に両足を入れ、徐々に両膝を外転しながら手前に引き寄せる。内顆、外顆、踵骨、前脛骨筋〜足関節背屈、中足骨の強化に効果があり、足のむくみとO脚、前脛骨筋と足関節の疲労回復と疼痛を予防する。
【0023】
〔使用例10〕…肩と肘と手首のストレッチ
図14に示すように利用者は座席2に座り、肩と肘を挙上して後方の棒体16を逆手に握り、肘を伸展する。次に肘の回内と回外をする。更に手首の屈曲と伸展と橈屈と尺屈を行う。肩、手首、肘(上腕骨外側上顆〜テニス肘、上腕骨内側上顆〜ゴルフ肘)の強化に効果があり、頸椎、肩こりを予防する。上腕骨外側上顆炎、上腕骨内側上顆炎を予防する。
【0024】
以上説明した使用例1〜10は、本発明にかかるストレッチチェアーの使用方法のごく一部を例示したものであって、その他にも多くの使用例が考えられるが、その他の詳細な使用例の説明は省略する。本発明にかかるストレッチチェアーは利用者の体力,体型とか体格,年齢等に応じて最適な使用が可能であり、筋力強化と下腿部等のマッサージは、中段ローラ22及び上段ローラ23等を利用して効果的に行うことができる。
【0025】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によればストレッチ体操、筋力強化及び各種マッサージを行うための単品または小単位の別々の専用器具は不要であり、しかも電力は用いないので無振動,無騒音であり、省エネ効果とも相俟って設備費と維持するためのランニング経費は最小限とすることができる上、広い設置場所は必要としないという利点がある。使用時には利用者の体型,体力及び年齢を考慮して各種のストレッチ体操を自力で行えるため安全性が高く、軟部組織である筋,腱,靱帯等を損傷する惧れは生じない。
【0026】
ストレッチチェアーの構成部材は間伐材等を用いた木工製品であるため、間伐材の有効利用がはかれるとともにストレッチチェアー自体が全体的に軽量化されて設置場所の移動も容易である。利用場所としてはプロスポーツ又はアマチュアスポーツを問わずクラブハウスとか体育館、トレーニングセンター、リハビリセンター等の医療施設、市民センター、学校及び家庭での個人的な使用も可能である。
【0027】
特にスポーツマンにとってストレッチ体操はケガ防止の観点からも重要であるとともに一般人にとっても健康を維持するための適度なストレッチ体操は必要であり、疲労時でも簡単に自力だけでストレッチ体操をすることができて、疲労回復と疼痛予防,緩和、各種の障害防止と柔軟性,運動神経の向上、ストレス解消、その他にも足のむくみ予防、ねこ背の予防、胃下垂の緩和、O脚予防等に十分な効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるストレッチチェアーを全体的に示す前方からの斜視図。
【図2】図1の後方からの斜視図。
【図3】図1の右側面図。
【図4】図1の平面図。
【図5】本発明の使用例1を示す要部側面図。
【図6】本発明の使用例2を示す要部側面図。
【図7】本発明の使用例3を示す要部側面図。
【図8】本発明の使用例4を示す要部側面図。
【図9】本発明の使用例5を示す要部正面図。
【図10】本発明の使用例6を示す要部正面図。
【図11】本発明の使用例7を示す要部側面図。
【図12】本発明の使用例8を示す要部側面図。
【図13】本発明の使用例9を示す要部側面図。
【図14】本発明の使用例10を示す後方斜視図。
【符号の説明】
1…椅子
2…座席
3a,3b…肘掛け
4…背もたれ
5a,5b…前方支柱
6a,6b…支持板
7a,7b,8,12,13,14,15,16,17…棒体
9a,9b…後方支柱
10…横架材
11a,11b…中間支持板
21…下段ローラ
22…中段ローラ
23…上段ローラ
整理番号 P3558

Claims (3)

  1. 座席の背もたれの左右両側に前方支柱を立設して、該前方支柱に接して配設した支持板に利用者の脇下高さに相当する長尺の棒体を高さ位置調節可能に前後方向に挿通支持するとともに、前方支柱の上端部近傍に左右方向に伸びる棒体を高さ位置調節可能に挿通支持し、前方支柱と横架材により連結された後方支柱の上端部に後方側に伸びる延長部を形成して該後方支柱と延長部に穿設された多数の孔部に複数本の棒体を位置調節可能に挿通支持し、後方支柱の内側に、下段ローラと該下段ローラの上方位置にある中段ローラ及び該中段ローラの上方位置にある上段ローラを配設したことを特徴とするストレッチチェアー。
  2. 利用者が着座する座席の背もたれの左右両側に前方支柱を立設して、該前方支柱に接して配設した支持板に利用者の脇下高さに相当する長尺の棒体を高さ位置調節可能に前後方向に挿通支持するとともに前方支柱の上端部近傍に左右方向に長く伸びる棒体を高さ位置調節可能に挿通支持し、前方支柱と横架材により連結された後方支柱の上端部に後方側に伸びる延長部を形成するとともに横架材の外側部に左右一対の中間支持板を固設して、この中間支持板に穿設された多数の孔部に複数本の棒体を位置調節可能に挿通支持し、更に後方支柱と延長部に穿設された多数の孔部に複数本の棒体を位置調節可能に挿通支持し、後方支柱の内側にあって中間支持板との間に、山形に構成された下段ローラと、該下段ローラの上方位置にあって左右に分割して構成された中段ローラと、該中段ローラの上方位置のセンター部に構成された上段ローラを配設したことを特徴とするストレッチチェアー。
  3. 前記各構成部材は木工製品である請求項1又は2に記載のストレッチチェアー。
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JP2013102928A (ja) * 2011-11-14 2013-05-30 Fukuhara Imono Seisakusho:Kk 筋力トレーニング用具
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