JP2004194596A - 糞尿処理部材および糞尿処理トイレ - Google Patents
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Abstract
【課題】小動物が排出する糞尿の処理を効率良く行うことができる共に、飼い主の経済的負担を軽減することができる糞尿処理部材および糞尿処理トイレを提供すること。
【解決手段】シート体に覆い被せられた糞尿固化剤に糞尿が排出されると、その糞尿は糞尿固化剤によって糞尿塊となる。シート体上の糞尿固化剤と糞尿塊とは、シート体で包み込まれた状態で持ち上げられ、シート体に穿設された落とし孔から糞尿塊以外の余剰糞尿固化剤がシート体の外部に振るい落とされる。よって、シート体の内側には糞尿塊が残留する。
【選択図】 図2
【解決手段】シート体に覆い被せられた糞尿固化剤に糞尿が排出されると、その糞尿は糞尿固化剤によって糞尿塊となる。シート体上の糞尿固化剤と糞尿塊とは、シート体で包み込まれた状態で持ち上げられ、シート体に穿設された落とし孔から糞尿塊以外の余剰糞尿固化剤がシート体の外部に振るい落とされる。よって、シート体の内側には糞尿塊が残留する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、糞尿処理部材および糞尿処理トイレに関し、特に、小動物が排出する糞尿の処理を効率良く行えると共に、飼い主の経済的負担を軽減することができる糞尿処理部材および糞尿処理トイレに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、小動物が排出した糞尿の処理の仕方としては、ペット用トイレに敷き詰めた砂の上に小動物が糞尿を排出して、その糞尿がある程度溜まった状態になったら、小動物の飼い主が、その砂を洗浄するか若しくは砂と糞尿とを一緒に処分することにより糞尿の処理をしていた。近年では、ペット用トイレに敷き詰められる砂の改良が進み、小動物が排出する糞尿を糞だけでなく尿までも固められた塊とする専用の砂が開発されている。この専用の砂によって固められた糞尿の塊は、一般的には、スコップなどで掬い上げ便器に流して処理するか若しくはビニール袋などに収納して燃えるゴミとして処理されている。しかし、固まった糞尿の塊をスコップなどで取り除くと、糞尿の塊の周辺に存在する固まっていない専用の砂も一緒に取り除いてしまうことになり、必要以上に専用の砂を取り除いてしまう。その結果、小動物の飼い主は、専用の砂を余分に処分してしまうことになり、必要以上に経済的負担がかかるという問題点があった。
【0003】
そこで、専用の砂によって固められた糞尿の塊のみを取り除き、必要以上に専用の砂を取り除かない装置が開発されている。
【0004】
特開2001−309731号公報に開示されているように、小動物が排出する糞尿を自動的に清掃する排出物処理装置が知られている。この排出物処理装置は、小動物の侵入をセンサーにより感知しており、猫などの小動物が専用のトイレから退出したのを確認すると、電力で駆動する車輪に連動した清掃櫛で固まった糞尿の塊を掻き出して、糞尿の塊のみを処理している(特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】特開2001‐309731号公報(図1等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した固められた糞尿の塊を電力による駆動力で自動的に処理する排出物処理装置では、排出物処理装置自体の製造コストが高くなるだけでなく、常に電力の供給が必要となるためランニングコストもかかる。そのため、小動物の飼い主に経済的負担が増すという問題点があった。
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、小動物の糞尿の処理を効率良く行えると共に、飼い主の経済的負担を軽減する糞尿処理部材および糞尿処理トイレを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために請求項1に記載の糞尿処理部材は、小動物の糞尿を固める糞尿固化剤によって固められた糞尿塊を処理する糞尿処理部材であって、前記糞尿固化剤に覆い被せられ、その覆い被せられた糞尿固化剤を包み込む柔軟なシート体と、そのシート体に穿設され、前記シート体に包み込まれた糞尿固化剤のうち前記糞尿塊と分離して存在する余剰糞尿固化剤を前記シート体から振るい落とす落とし孔とを備えている。
【0009】
この請求項1に記載の糞尿処理部材によれば、シート体に覆い被せられた糞尿固化剤に糞尿が排出されると、その糞尿は糞尿固化剤によって糞尿塊となる。シート体上の糞尿固化剤と糞尿塊とは、シート体で包み込まれた状態で持ち上げられ、シート体に穿設された落とし孔から糞尿塊以外の余剰糞尿固化剤がシート体の外部に振るい落とされる。よって、シート体の内側には糞尿塊が残留する。
【0010】
請求項2に記載の糞尿処理部材は、請求項1に記載の糞尿処理部材において、前記シート体の端部に連設され、前記糞尿塊を包み込んだ状態のシート体を収納する収納部材を備えている。
【0011】
請求項3に記載の糞尿処理部材は、請求項2に記載の糞尿処理部材において、前記収納部材は、対峙する2面を有する袋体であって、その袋体の少なくとも1面は前記シート体の一部で構成されている。
【0012】
請求項4に記載の糞尿処理部材は、請求項1から3のいずれかに記載の糞尿処理部材において、前記シート体には、そのシート体の位置ズレを防止するための位置決め孔が穿設されている。
【0013】
請求項5に記載の糞尿処理部材は、請求項1から4のいずれかに記載の糞尿処理部材において、前記小動物は、ペットとしての猫や犬であって、前記落とし孔は、略40平方ミリメートルから略160平方ミリメートルの大きさで構成されている。
【0014】
請求項6に記載の糞尿処理部材は、請求項1から4のいずれかに記載の糞尿処理部材において、前記小動物は、ペットとしての猫であって、前記落とし孔は、略60平方ミリメートルから略100平方ミリメートルの大きさで構成されている。
【0015】
請求項7に記載の糞尿処理部材は、請求項1から6のいずれかに記載の糞尿処理部材において、前記シート体は、不織布で構成されている。
【0016】
請求項8に記載の糞尿処理トイレは、小動物の糞尿を固める糞尿固化剤によって固められた糞尿塊を処理する糞尿処理トイレであって、請求項1から7に記載された糞尿処理部材や糞尿処理部材に覆い被せる糞尿固化剤を支持する支持プレート、および、その支持プレートを引き出し可能に装着し、その支持プレートを取り囲む側壁を有する第1処理容器と、その第1処理容器と着脱自在に装着され、前記側壁から前記支持プレートを引き出した場合に、前記支持プレートから落下する前記糞尿固化剤を受け止める第2処理容器とを備えている。
【0017】
この請求項8に記載の糞尿処理トイレによれば、請求項1から7のいずれかに記載された糞尿処理部材は支持プレート上に支持され、その糞尿処理部材上には糞尿固化剤が覆い被せられる。糞尿固化剤によって固められた糞尿塊を除去すべく、糞尿塊を有する糞尿固化剤を包み込むように糞尿処理部材のシート体を持ち上げると、シート体に穿設された落とし孔から糞尿塊以外の余剰糞尿固化剤が、支持プレート上に落下する。この状態では支持プレートと糞尿固化剤との間に糞尿処理部材が存在しない場合、再び支持プレートと糞尿固化剤との間に糞尿処理部材を敷設する必要がある。かかる場合には、支持プレートを側壁から引き出すと支持プレート上の余剰糞尿固化剤は、第1処理容器から第2処理容器に落下して第2処理容器の内部に貯留される。その後、支持プレートを側壁に装着し、その支持プレート上に糞尿処理部材を敷設する。こうして支持プレート上に糞尿処理部材を敷設した状態で、第2処理容器の内部に貯留されている糞尿固化剤を第1処理容器に投入する。
【0018】
請求項9に記載の糞尿処理トイレは、請求項8に記載の糞尿処理トイレにおいて、前記側壁には、前記第2処理容器を引き出し可能に装着するための開口部を形成しつつ、前記第1処理容器を支持する足場部材が連設されている。
【0019】
請求項10に記載の糞尿処理トイレは、請求項9に記載の糞尿処理トイレにおいて、前記足場部材の一端側には、前記第2処理容器の底面を支持する土台部材が連設されている。
【0020】
請求項11に記載の糞尿処理トイレは、請求項8から10のいずれかに記載の糞尿処理トイレにおいて、前記第1処理容器の側壁には、前記糞尿処理部材に穿設された位置決め孔に挿嵌する挿嵌部材が配設されている。
【0021】
請求項12に記載の糞尿処理トイレは、請求項8から11のいずれかに記載の糞尿処理トイレにおいて、前記側壁には前記支持プレートと対峙するように、前記糞尿処理部材に穿設された落とし孔よりも小さい孔を有する網状体が固定されている。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施例における糞尿処理部材1の構成を概略的に示した構成図である。
【0023】
糞尿処理部材1は、小動物の糞尿を固める糞尿固化剤によって固められた糞尿塊を処理するための部材である。この糞尿処理部材1は、略長方形のシート体10で構成されており、シート体10の中央部には、角穴で構成された落とし孔12が縦横に複数穿設されている。シート体10の周縁部には、シート体10を設置した場合の位置ズレを防止する4つの位置決め孔11a,11b,11c,11dがそれぞれ穿設されている。また、シート体10の端部には収納部材20が連設されている。
【0024】
落とし孔12は、面積が略80平方ミリメートルの大きさの角穴で穿設され、4つの位置決め孔11a,11b,11c,11dは、φ6の貫通孔としてそれぞれ穿設されている。
【0025】
収納部材20は、後述する糞尿固化剤35によって固められた糞の塊、若しくは、固められた尿の塊としての糞尿塊Wを包み込んだ状態のシート体10を収納するためのものである。糞尿塊Wを包み込んだ状態のシート体10を収納した収納部材20は、そのままゴミとして処分することができる。また、収納部材20は、対峙する2面を有する袋体で構成され、その内の1面がシート体10の端部と連設されている。
【0026】
シート体10と収納部材20とは、不織布で構成されている。不織布は、一般的に、原料や製法の組み合わせによって、布状や紙状などの様々な形状で製作したり、しなやかなものから強靱なものまで製作することができるので、例えば、小動物の排出する糞尿に対する耐水性を持たしたり、糞尿の重さに耐える耐重性を持たすことができる。また、消臭剤や抗菌剤などを一緒に織り込んだり、シート体の表面に塗布することにより、消臭作用や抗菌作用も得られるよう構成することができる。
【0027】
本実施例では、シート体10と収納部材20とは、小動物の排出する尿に耐えられる若干の耐水性と、固められた糞尿塊Wの重さに耐えられる耐重性と、固められた糞尿の臭気を押さえる消臭効果と、固められた糞尿の雑菌の繁殖を抑える抗菌効果とを備えている。
【0028】
次に、図2を参照して糞尿処理部材1を使用する糞尿処理トイレ30について説明する。図2は、糞尿処理部材1を用いた糞尿処理トイレ30の構成を概略的に示した構成図である。なお、上述した糞尿処理部材1の詳細についての符号は、省略して図示している。
【0029】
糞尿処理トイレ30は、箱状の筐体31と筐体31の中段部にスライド式に引き出し可能に動作する支持プレート32と、その下方にメッシュ状の金属部材で構成された網状体33と、さらに、その下方にスライド式に引き出し可能に動作する受け容器34と、筐体31の側壁に配設された4つの挿嵌部材36a,36b,36c,36dとで主に構成されている。
【0030】
筐体31は、略正方形の箱状に形成されており、支持プレート32を差し込んだ状態のときに、支持プレート32の上部に存在する複数の糞尿処理部材1a〜1zの配置と後述する糞尿固化剤35の貯留とをする第1の領域と、支持プレート32の下部に存在する受け容器34を差し込み可能な第2の領域とを備えて構成されている。
【0031】
支持プレート32は、板状に構成され、筐体31から略水平方向に引き出し易いようツマミが取り付けられている。また、支持プレート32を筐体31に差し込んだときに、筐体31の第1の領域と第2の領域とを確実に遮断するように構成されている。よって、支持プレート32を筐体31に差し込んだ状態では、支持プレート32上の複数枚の糞尿処理部材1a〜1zと糞尿固化剤35とは、支持プレート32に支持され、第1の領域から第2の領域への落下が防止されている。
【0032】
網状体33は、支持プレート32と対峙して筐体31に囲まれるようにして固定されており、支持プレート32と網状体33との間隔は、略数ミリメートルとなっている。本実施例では、金属素材の断面の直径が略1ミリメートルの円柱状部材が略5ミリメートルの間隔でメッシュ状に構成されている。
【0033】
受け容器34は、上面が開放された箱状に構成され、支持プレート32の下方に配置され、筐体31の開口部から略水平方向に引き出し易いように取っ手が取り付けられている。また、受け容器34は、受け容器34を筐体31の第2の領域に差し込んだ状態で、支持プレート32を引き出した場合に、第1の領域から落下する糞尿固化剤35の全部を受け止めて貯留できるように構成されている。
【0034】
糞尿固化剤35は、一般に市販されている猫の糞尿を固める砂であり、主な原料として鉱物系で構成されたもの、紙材で構成されたもの、木材で構成されたものと種々存在するが、実施例では、木材で構成された固まる猫の砂を用いている。この糞尿固化剤35は、猫が排出する糞尿を固めるだけでなく、脱臭力の高い木粉を使用して臭気を閉じこめたり、高温殺菌処理と抗菌剤を配合して雑菌の発生を防止するものである。
【0035】
挿嵌部材36a,36b,36c,36dは、筐体31の第1の領域の内壁に取り付けられ、糞尿処理部材1a〜1zに穿設される4つの位置決め孔11a,11b,11c,11dに挿嵌する。また、挿嵌部材36a,36b,36c,36dは、複数枚の糞尿処理部材1a〜1zを積層できるように棒状に構成されており、実施例では、直径略5ミリメートルの円柱体として配設されている。挿嵌部材36a,36b,36c,36dに糞尿処理部材1a〜1zの位置決め孔11a,11b,11c,11dが挿嵌されると、例えば、猫が糞尿を排出した後に、その糞尿に糞尿固化剤35を掛けようとして糞尿固化剤35に穴を穿る動作をし、猫の爪が万一、糞尿処理部材1a〜1zに触れたとしても、糞尿処理部材1a〜1zの配置ズレを防止することができる。
【0036】
上述したように構成された糞尿処理トイレ30は、猫の糞尿の処理をするときには、筐体31に支持プレート32と受け容器34とを差し込んで、支持プレート32の上部には、複数枚の糞尿処理部材1a〜1zが、その糞尿処理部材1a〜1zに穿設されたそれぞれの位置決め孔11a,11b,11c,11dが挿嵌部材36a,36b,36c,36dに挿嵌するように配置される。また、その糞尿処理部材1a〜1zの上には、糞尿固化剤35が山積みにされる。
【0037】
ここで、糞尿処理部材1a〜1zは、支持プレート32より若干大きく製作されており、且つ、糞尿処理部材1a〜1zの四隅は、四角形を切り取った形状になっている。よって、糞尿処理部材1a〜1zを支持プレート32の上部に配置すると、糞尿処理部材1a〜1zの端部は、筐体31の側壁に沿って上方に折り曲げられつつ配置されることになる。よって、糞尿処理部材1a〜1zを糞尿処理トイレ30の内部から引っ張り上げる場合には、この上方に折り曲げられた糞尿処理部材1a〜1zの端部は取っ手として作用し、糞尿処理部材1a〜1zを糞尿処理トイレ30の内部から容易に引っ張り上げることができる。
【0038】
次に、上述したように構成された糞尿処理部材1と糞尿処理トイレ30との使用方法について、図3を参照して説明する。図3(a)は、図2のIII−III断面線における糞尿処理トイレ30の断面図であって、糞尿固化剤35によって糞尿が固められた状態を示す図であり、図3(b)は、糞尿処理部材1を上方に持ち上げた状態を示す図であり、図3(c)は、収納部材20にシート体10を収納したときの状態を示す図である。なお、上述した糞尿処理部材1の詳細の符号については省略して図示している。
【0039】
糞尿処理トイレ30には、予め、筐体31に支持プレート32と受け容器34とが差し込まれ、支持プレート32の上部に糞尿処理部材1が配置され、この糞尿処理部材1の上に糞尿固化剤35が山積みにされている。この山積みにされた糞尿固化剤35に猫が糞尿を排出すると、図3(a)に示すように、その糞尿は糞尿固化剤35によって固められ糞尿塊Wとして、糞尿処理トイレ30内に存在することになる。
【0040】
この糞尿塊Wを処理する場合には、糞尿塊Wと他の糞尿固化剤35とを包み込むように糞尿処理部材1のシート体10を持ち上げる。シート体10を持ち上げると、シート体10に穿設された落とし孔12から、糞尿塊W以外の糞尿固化剤35の大部分が振り落とされて筐体31に戻される。
【0041】
一方、糞尿塊Wは依然としてシート体10に包み込まれた状態にある。この状態で糞尿処理者は、図3(b)の上方に示すように、収納部材20の内側に手を入れ、糞尿塊Wを包み込むでいるシート体を掴み取り、収納部材20の内面を外面にするように裏返しながら糞尿塊Wを包み込んだシート体10を収納部材20の内部に収納する。こうして、図3(c)に示すように、糞尿塊Wを包み込んだシート体10は収納部材20の内部に収納される。よって、糞尿処理者は、糞尿塊Wに一切触れることなく糞尿を処理することができる。
【0042】
以上のような順序で糞尿処理トイレ30に排出された糞尿を処理する仕方は、複数の糞尿処理部材1a〜1zが積層された状態であっても、同様の仕方で行われる。
【0043】
次に、支持プレート32上の糞尿処理部材1a〜1zがなくなった場合に、再度、糞尿処理部材を配置する方法について図4を参照して説明する。図4(a)は、図2のIII−III断面線における糞尿処理トイレ30の断面図であって、支持プレート上に糞尿処理部材1がなくなった状態を示す図であり、図4(b)は、支持プレート32を引き出した状態を示す図である。
【0044】
支持プレート32上に複数の糞尿処理部材1a〜1zが積層された状態から、上述した処理を繰り返し行い、支持プレート32上の糞尿処理部材1がなくなると、支持プレート上には図4(a)に示すように、糞尿処理部材1から落下した糞尿固化剤35と小さな塊としての尿塊Z1,Z2,Z3とが混在している。この尿塊Z1,Z2,Z3は、落とし孔12より小さいため糞尿塊Wを処理する際に、余剰糞尿固化剤といっしょに落とし穴12から落下したものである。
【0045】
この状態から、再度、糞尿処理部材1を支持プレート32の上に配置する場合には、図4(b)に示すように、支持プレート32を筐体34から引き抜く。すると、支持プレート32上の糞尿固化剤35と小さな塊としての尿塊Z1,Z2,Z3とは下方に落下し、尿塊Z1,Z2,Z3は支持プレート32の下方に配置され、落とし孔12より小さい孔を有する網状体33の上に受け止められる。一方、網状体33の網目より小さい糞尿固化剤35は、網状体33の網目を通過して、受け容器34の内部に落下する。
【0046】
網状体33に受け止められた尿塊Z1,Z2,Z3を排除した後、筐体31に支持プレート32を差し込み、再度、支持プレート32の上に複数枚の糞尿処理部材1a〜1zを積層して配置する。その状態で糞尿固化剤35が貯留されている受け容器34を筐体31から引き出し、その糞尿固化剤35を糞尿処理部材1a〜1zの上に投入して、 糞尿処理部材1a〜1zの再配置を終える。
【0047】
尚、この 糞尿処理部材1a〜1zの再配置をする方法は、支持プレート32上に糞尿処理部材1a〜1zがなくなった場合に限られず、例えば、糞尿処理部材1a〜1zのうちの何枚かがまだ残っている場合であっても、糞尿固化剤35の内部に小さな尿塊Z1,Z2,Z3が存在するときにも、上述した方法と同様な方法で、その尿塊Z1,Z2,Z3を排出しても良い。この場合には、網状体33は、糞尿処理部材1a〜1zが糞尿処理部材35と一緒に落下しないように支持部材としても作用する。
【0048】
以上説明したように、本実施例の糞尿処理部材1a〜1zによれば、従来のように余分な糞尿固化剤35を捨てることなく、糞尿固化剤35と糞尿塊Wとを分離することができる。よって、飼い主の経済的負担を軽減することができる。また、この糞尿処理部材1a〜1zを使用した糞尿処理トイレ30によれば、支持プレート32上に糞尿処理部材1a〜1zがなくなった場合であっても、支持プレート32を引き抜けば、支持プレート32上の糞尿固化剤35は一旦受け容器34の内部に貯留される。よって、再度、糞尿処理部材1a〜1zを設置する場合に、糞尿固化剤35を別の容器に移し替えるという工程は不要であり、ストレスなく糞尿処理部材1a〜1zを再設置することができる。
【0049】
以上、実施例に基づいて本発明を説明したが、本発明は、上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0050】
例えば、上記実施例では、猫が排出する糞尿を処理するために、シート体10に穿設される落とし孔12の大きさを略80平方ミリメートルとして構成するものとしたが、落とし孔12の大きさとしては、その大きさに限定されるものではなく、ペット用の猫であれば、その大きさは、略60平方ミリメートルから略100平方ミリメートルの範囲の大きさであれば、シート体10の内部において糞尿塊Wと余剰糞尿固化剤との分離を効率良くすることができる。また、犬用の糞尿処理部材であれば、その落とし孔12の大きさは、略40平方ミリメートルから略160平方ミリメートルの範囲の大きさで構成すれば、シート体10の内部において糞尿塊Wと余剰糞尿固化剤との分離を効率良くすることができる。
【0051】
また、上記実施例では、糞尿処理トイレ30に糞尿処理部材1を配置して用いるものとしたが、糞尿処理部材1を配置せずに糞尿処理トイレ30をペット用トレイとして使用しても構わない。この場合、小動物の固められた糞尿を処分する度に、支持プレート32を引き出せば、網状体33によって糞尿塊Wや小さな尿塊Z1,Z2,Z3を受け止め、糞尿の処理をすることができる。また、この場合には、網状体33の網の大きさは、落とし孔12と略同等の大きさとしてもよいし、小動物の種類や大きさに合わせて種々の大きさにするものとしてもよい。
【0052】
また、上記実施例では、糞尿処理部材1の素材を不織布で構成するものとしたが、小動物が排出する糞尿に対する若干の耐水性と糞尿の重量に対する耐重性とを備えるものであれば、例えば、ビニール素材で構成されたもの、又は、撥水性を持つ紙素材で構成されたものなど、如何なる素材で糞尿処理部材1を構成するものとしてもよい。これらの素材で構成された糞尿処理部材1に、消臭剤や抗菌剤を塗布して消臭作用や抗菌作用を得られるようにすることは、勿論構わない。
【0053】
また、上記実施例では、糞尿処理トイレ30からシート体10を上方に持ち上げやすくするように、シート体10の四隅を四角形を切り取った形状にしたが、シート体10の四隅の頂点からそれぞれシート体10の中心に向かって切り込みを入れた形状としてもよい。また、糞尿処理トイレ30の深さに合わせて四角形を切り取る大きさや切り込む長さを調整することは、勿論構わない。
【0054】
また、上記実施例では、収納部材20はシート体10の端部に連設されて構成されるものとしたが、収納部材20が連設されていない糞尿処理部材1として用いるものとしてもよい。この場合、シート体10に糞尿塊Wが包み込まれた後にビニール袋などの収納具に収納する作業が必要となるが、スコップなどによって糞尿塊Wの処理をする場合に比較して、余分な糞尿固化剤35が必要なくなるので、飼い主の経済的負担を軽減することができる。
【0055】
また、上記実施例では、シート体10の一辺の端部に連設された収納部材20は、対峙する2面を有する袋体として構成するものとしたが、円筒形の袋体として構成するものとしてもよい。また、収納部材20の開口部に、シート体10と糞尿塊Wとを収納した状態で、開口部を閉じるように構成された紐状の部材を取り付けたり、粘着性を持たせた接着部材を取り付けて、収納部材20から糞尿塊Wの流出をより確実に防止するような構成にするものとしてもよい。
【0056】
また、上記実施例では、糞尿処理トイレ30の形状を箱形状で構成されるものとしたが、糞尿処理トイレ30の形状は、例えば、円柱形にしたり、三角柱形にして構成するものとしてもよい。また、糞尿処理トイレ30の大きさは、対照となる小動物の種類や大きさに合わせて製作することは、勿論構わない。この糞尿処理トイレ30に合わせて、又は、対照となる小動物の種類や大きさに合わせて糞尿処理部材1の大きさや形状を変えて製作することも、勿論構わない。
【0057】
【発明の効果】請求項1に記載の糞尿処理部材によれば、シート体に包み込まれる糞尿固化剤のうち糞尿塊以外の余剰糞尿固化剤は、シート体に穿設された落とし孔からシート体の外部に振り落とされる。よって、従来のように、スコップなどにより糞尿塊の周辺にある固まっていない糞尿固化剤を必要以上に取り除いてしまう場合と比較して、固まっていない糞尿固化剤(余剰糞尿固化剤)と糞尿塊とをより確実に分離することができる。その結果、飼い主の経済的負担を軽減することができるという効果がある。
【0058】
請求項2に記載の糞尿処理部材によれば、請求項1に記載の糞尿処理部材の奏する効果に加え、糞尿固化剤によって固められる糞尿塊を包み込むシート体の端部には、糞尿塊を包み込んだ状態のシート体を収納する収納部材が連設されている。よって、糞尿塊を包み込んだ状態のシート体を処分するための収納部材を別途用意する必要がなく、糞尿処理を効率よく行うことができるという効果がある。
【0059】
請求項3に記載の糞尿処理部材によれば、請求項2に記載の糞尿処理部材の奏する効果に加え、糞尿固化剤によって固められた糞尿塊を包み込んだシート体を収納する収納部材は、対峙する2面を有する袋体となっており、その2面のうちの少なくとも1面がシート体の一部となって構成されている。よって、シート体と収納部材とを一体として形成することができると共に、対峙する2面を有するシンプルな構造で製作できるので、シート体に収納部材を連設するための製造工程が簡易化され、製造コストを軽減することができるという効果がある。
【0060】
請求項4に記載の糞尿処理部材によれば、請求項1から3のいずれかに記載の糞尿処理部材の奏する効果に加え、シート体には、そのシート体の位置ズレを防止するための位置決め孔が穿設されているので、その位置決め孔を利用して、シート体の位置ズレを容易に防止することができるという効果がある。
【0061】
請求項5に記載の糞尿処理部材によれば、請求項1から4のいずれかに記載の糞尿処理部材の奏する効果に加え、シート体の内側から余剰糞尿固化剤を外部に振り落とす落とし孔が、略40平方ミリメートルから略160平方ミリメートルの大きさに構成されている。ペットして飼われている小動物としては猫や犬があるが、これらの小動物の体の大きさは様々であるものの、略40平方ミリメートルから略160平方ミリメート程度の大きさの落とし孔であれば、余剰糞尿固化剤と糞尿塊とを効率良く分離することができるという効果がある。
【0062】
請求項6に記載の糞尿処理部材によれば、請求項1から4のいずれかに記載の糞尿処理部材の奏する効果に加え、シート体の内側から余剰糞尿固化剤を外部に振り落とす落とし孔が、略60平方ミリメートルから略100平方ミリメートルの大きさに構成されている。小動物の中でも、特に、猫は、体の大きさに大きな違いがないので、排出される糞尿の大きさに関しても大きな違いはない。よって、略60平方ミリメートルから略100平方ミリメートル程度の大きさの落とし孔であれば、余剰糞尿固化剤と糞尿塊とを効率良く分離することができるという効果がある。
【0063】
請求項7に記載の糞尿処理部材によれば、請求項1から6のいずれかに記載の糞尿処理部材の奏する効果に加え、シート体は不織布で構成されている。不織布は、一般的に、原料や製法の組み合わせよって布状や紙状などの様々な形状で製作したり、しなやかなものから強靱なものまで製作することができるので、例えば、小動物の排出する糞尿に対する耐水性を持たしたり、糞尿の重さに耐える耐重性を持たすことができる。また、消臭剤や抗菌剤などを一緒に織り込んだり、シート体の表面に塗装することにより、消臭作用や抗菌作用も得られることができるという効果がある。
【0064】
請求項8に記載の糞尿処理トイレによれば、支持プレート上に糞尿処理部材がなくなった場合、支持プレートを側壁から引き出すと支持プレート上の糞尿固化剤は、第1処理容器から第2処理容器に落下して第2処理容器の内部に貯留される。その後、支持プレートを側壁に装着し、その支持プレート上に糞尿処理部材を敷設する。こうして支持プレート上に糞尿処理部材を敷設した状態で、第2処理容器の内部に貯留されている糞尿固化剤が、第1処理容器の内部に投入される。よって、糞尿処理部材を再配置する工程を手間無く、簡単にすることができるという効果がある。
【0065】
請求項9に記載の糞尿処理トイレによれば、請求項8に記載の糞尿処理トイレの奏する効果に加え、側壁には、第2処理容器を引き出し可能に装着するための開口部を形成しつつ、第1処理容器を支持する足場部材が連設されている。よって、第1処理容器から第2処理容器を脱着する場合には、第1処理容器の開口部から第2処理容器を引き出すことによって、簡単に第1処理容器から第2処理容器を脱着することができるという効果がある。
【0066】
請求項10に記載の糞尿処理トイレによれば、請求項9に記載の糞尿処理トイレの奏する効果に加え、第1処理容器に連設される第1処理容器を支持する足部材の一端側に、第2処理容器の底面を支持する土台部材が連設されている。よって、第1処理容器と支持プレートと第2処理容器とを一体として持ち運べることができる。従って、糞尿処理トイレの移動を容易にすることができるという効果がある。
【0067】
請求項11に記載の糞尿処理トイレによれば、請求項8から10のいずれかに記載の糞尿処理トイレの奏する効果に加え、第1処理容器の側壁には、糞尿処理部材に穿設された位置決め孔に挿嵌する挿嵌部材が配設されている。よって、挿嵌部材を糞尿処理部材の位置決め孔に挿嵌さえすれば、糞尿処理部材の位置ズレを簡単に防止することができるという効果がある。
【0068】
請求項12に記載の糞尿処理トイレによれば、請求項8から11のいずれかに記載の糞尿処理トイレの奏する効果に加え、側壁には支持プレートと対峙するように、糞尿処理部材に穿設された落とし孔よりも小さい孔を有する網状体が固定されている。よって、糞尿処理部材によって処理しきれない糞尿塊、即ち、小動物が尿を排出したときに飛び散ってしまう尿を固めた小さい糞尿塊を第2処理容器に落下させることなく処理することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における糞尿処理部材1の構成を概略的に示した構成図である。
【図2】糞尿処理部材1を使用した糞尿処理トイレ30の構成を概略的に示した構成図である。
【図3】図3(a)は、糞尿固化剤35によって糞が固められた状態を示す図であり、図3(b)は、糞尿処理部材1を上方に持ち上げた状態を示す図であり、図3(c)は、収納部材20にシート体10を収納したときの状態を示す図である。
【図4】図4(a)は、糞尿処理部材1が1枚も配置されていない状態を示す図であり、図4(b)は、支持プレート32を引き出した状態を示す図である。
【符号の説明】
1,1a〜1z 糞尿処理部材
10 シート体
11a,11b,11c,11d 位置決め孔
12 落とし孔
20 収納部材
30 糞尿処理トイレ
31 筐体(第1処理容器)
32 支持プレート
33 網状体
34 受け容器(第2処理容器)
35 糞尿固化剤
36a,36b,36c,36d 挿嵌部材
H 人間の手
Z1,Z2,Z3 尿塊
W 糞尿塊
【発明の属する技術分野】本発明は、糞尿処理部材および糞尿処理トイレに関し、特に、小動物が排出する糞尿の処理を効率良く行えると共に、飼い主の経済的負担を軽減することができる糞尿処理部材および糞尿処理トイレに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、小動物が排出した糞尿の処理の仕方としては、ペット用トイレに敷き詰めた砂の上に小動物が糞尿を排出して、その糞尿がある程度溜まった状態になったら、小動物の飼い主が、その砂を洗浄するか若しくは砂と糞尿とを一緒に処分することにより糞尿の処理をしていた。近年では、ペット用トイレに敷き詰められる砂の改良が進み、小動物が排出する糞尿を糞だけでなく尿までも固められた塊とする専用の砂が開発されている。この専用の砂によって固められた糞尿の塊は、一般的には、スコップなどで掬い上げ便器に流して処理するか若しくはビニール袋などに収納して燃えるゴミとして処理されている。しかし、固まった糞尿の塊をスコップなどで取り除くと、糞尿の塊の周辺に存在する固まっていない専用の砂も一緒に取り除いてしまうことになり、必要以上に専用の砂を取り除いてしまう。その結果、小動物の飼い主は、専用の砂を余分に処分してしまうことになり、必要以上に経済的負担がかかるという問題点があった。
【0003】
そこで、専用の砂によって固められた糞尿の塊のみを取り除き、必要以上に専用の砂を取り除かない装置が開発されている。
【0004】
特開2001−309731号公報に開示されているように、小動物が排出する糞尿を自動的に清掃する排出物処理装置が知られている。この排出物処理装置は、小動物の侵入をセンサーにより感知しており、猫などの小動物が専用のトイレから退出したのを確認すると、電力で駆動する車輪に連動した清掃櫛で固まった糞尿の塊を掻き出して、糞尿の塊のみを処理している(特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】特開2001‐309731号公報(図1等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述した固められた糞尿の塊を電力による駆動力で自動的に処理する排出物処理装置では、排出物処理装置自体の製造コストが高くなるだけでなく、常に電力の供給が必要となるためランニングコストもかかる。そのため、小動物の飼い主に経済的負担が増すという問題点があった。
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、小動物の糞尿の処理を効率良く行えると共に、飼い主の経済的負担を軽減する糞尿処理部材および糞尿処理トイレを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために請求項1に記載の糞尿処理部材は、小動物の糞尿を固める糞尿固化剤によって固められた糞尿塊を処理する糞尿処理部材であって、前記糞尿固化剤に覆い被せられ、その覆い被せられた糞尿固化剤を包み込む柔軟なシート体と、そのシート体に穿設され、前記シート体に包み込まれた糞尿固化剤のうち前記糞尿塊と分離して存在する余剰糞尿固化剤を前記シート体から振るい落とす落とし孔とを備えている。
【0009】
この請求項1に記載の糞尿処理部材によれば、シート体に覆い被せられた糞尿固化剤に糞尿が排出されると、その糞尿は糞尿固化剤によって糞尿塊となる。シート体上の糞尿固化剤と糞尿塊とは、シート体で包み込まれた状態で持ち上げられ、シート体に穿設された落とし孔から糞尿塊以外の余剰糞尿固化剤がシート体の外部に振るい落とされる。よって、シート体の内側には糞尿塊が残留する。
【0010】
請求項2に記載の糞尿処理部材は、請求項1に記載の糞尿処理部材において、前記シート体の端部に連設され、前記糞尿塊を包み込んだ状態のシート体を収納する収納部材を備えている。
【0011】
請求項3に記載の糞尿処理部材は、請求項2に記載の糞尿処理部材において、前記収納部材は、対峙する2面を有する袋体であって、その袋体の少なくとも1面は前記シート体の一部で構成されている。
【0012】
請求項4に記載の糞尿処理部材は、請求項1から3のいずれかに記載の糞尿処理部材において、前記シート体には、そのシート体の位置ズレを防止するための位置決め孔が穿設されている。
【0013】
請求項5に記載の糞尿処理部材は、請求項1から4のいずれかに記載の糞尿処理部材において、前記小動物は、ペットとしての猫や犬であって、前記落とし孔は、略40平方ミリメートルから略160平方ミリメートルの大きさで構成されている。
【0014】
請求項6に記載の糞尿処理部材は、請求項1から4のいずれかに記載の糞尿処理部材において、前記小動物は、ペットとしての猫であって、前記落とし孔は、略60平方ミリメートルから略100平方ミリメートルの大きさで構成されている。
【0015】
請求項7に記載の糞尿処理部材は、請求項1から6のいずれかに記載の糞尿処理部材において、前記シート体は、不織布で構成されている。
【0016】
請求項8に記載の糞尿処理トイレは、小動物の糞尿を固める糞尿固化剤によって固められた糞尿塊を処理する糞尿処理トイレであって、請求項1から7に記載された糞尿処理部材や糞尿処理部材に覆い被せる糞尿固化剤を支持する支持プレート、および、その支持プレートを引き出し可能に装着し、その支持プレートを取り囲む側壁を有する第1処理容器と、その第1処理容器と着脱自在に装着され、前記側壁から前記支持プレートを引き出した場合に、前記支持プレートから落下する前記糞尿固化剤を受け止める第2処理容器とを備えている。
【0017】
この請求項8に記載の糞尿処理トイレによれば、請求項1から7のいずれかに記載された糞尿処理部材は支持プレート上に支持され、その糞尿処理部材上には糞尿固化剤が覆い被せられる。糞尿固化剤によって固められた糞尿塊を除去すべく、糞尿塊を有する糞尿固化剤を包み込むように糞尿処理部材のシート体を持ち上げると、シート体に穿設された落とし孔から糞尿塊以外の余剰糞尿固化剤が、支持プレート上に落下する。この状態では支持プレートと糞尿固化剤との間に糞尿処理部材が存在しない場合、再び支持プレートと糞尿固化剤との間に糞尿処理部材を敷設する必要がある。かかる場合には、支持プレートを側壁から引き出すと支持プレート上の余剰糞尿固化剤は、第1処理容器から第2処理容器に落下して第2処理容器の内部に貯留される。その後、支持プレートを側壁に装着し、その支持プレート上に糞尿処理部材を敷設する。こうして支持プレート上に糞尿処理部材を敷設した状態で、第2処理容器の内部に貯留されている糞尿固化剤を第1処理容器に投入する。
【0018】
請求項9に記載の糞尿処理トイレは、請求項8に記載の糞尿処理トイレにおいて、前記側壁には、前記第2処理容器を引き出し可能に装着するための開口部を形成しつつ、前記第1処理容器を支持する足場部材が連設されている。
【0019】
請求項10に記載の糞尿処理トイレは、請求項9に記載の糞尿処理トイレにおいて、前記足場部材の一端側には、前記第2処理容器の底面を支持する土台部材が連設されている。
【0020】
請求項11に記載の糞尿処理トイレは、請求項8から10のいずれかに記載の糞尿処理トイレにおいて、前記第1処理容器の側壁には、前記糞尿処理部材に穿設された位置決め孔に挿嵌する挿嵌部材が配設されている。
【0021】
請求項12に記載の糞尿処理トイレは、請求項8から11のいずれかに記載の糞尿処理トイレにおいて、前記側壁には前記支持プレートと対峙するように、前記糞尿処理部材に穿設された落とし孔よりも小さい孔を有する網状体が固定されている。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施例における糞尿処理部材1の構成を概略的に示した構成図である。
【0023】
糞尿処理部材1は、小動物の糞尿を固める糞尿固化剤によって固められた糞尿塊を処理するための部材である。この糞尿処理部材1は、略長方形のシート体10で構成されており、シート体10の中央部には、角穴で構成された落とし孔12が縦横に複数穿設されている。シート体10の周縁部には、シート体10を設置した場合の位置ズレを防止する4つの位置決め孔11a,11b,11c,11dがそれぞれ穿設されている。また、シート体10の端部には収納部材20が連設されている。
【0024】
落とし孔12は、面積が略80平方ミリメートルの大きさの角穴で穿設され、4つの位置決め孔11a,11b,11c,11dは、φ6の貫通孔としてそれぞれ穿設されている。
【0025】
収納部材20は、後述する糞尿固化剤35によって固められた糞の塊、若しくは、固められた尿の塊としての糞尿塊Wを包み込んだ状態のシート体10を収納するためのものである。糞尿塊Wを包み込んだ状態のシート体10を収納した収納部材20は、そのままゴミとして処分することができる。また、収納部材20は、対峙する2面を有する袋体で構成され、その内の1面がシート体10の端部と連設されている。
【0026】
シート体10と収納部材20とは、不織布で構成されている。不織布は、一般的に、原料や製法の組み合わせによって、布状や紙状などの様々な形状で製作したり、しなやかなものから強靱なものまで製作することができるので、例えば、小動物の排出する糞尿に対する耐水性を持たしたり、糞尿の重さに耐える耐重性を持たすことができる。また、消臭剤や抗菌剤などを一緒に織り込んだり、シート体の表面に塗布することにより、消臭作用や抗菌作用も得られるよう構成することができる。
【0027】
本実施例では、シート体10と収納部材20とは、小動物の排出する尿に耐えられる若干の耐水性と、固められた糞尿塊Wの重さに耐えられる耐重性と、固められた糞尿の臭気を押さえる消臭効果と、固められた糞尿の雑菌の繁殖を抑える抗菌効果とを備えている。
【0028】
次に、図2を参照して糞尿処理部材1を使用する糞尿処理トイレ30について説明する。図2は、糞尿処理部材1を用いた糞尿処理トイレ30の構成を概略的に示した構成図である。なお、上述した糞尿処理部材1の詳細についての符号は、省略して図示している。
【0029】
糞尿処理トイレ30は、箱状の筐体31と筐体31の中段部にスライド式に引き出し可能に動作する支持プレート32と、その下方にメッシュ状の金属部材で構成された網状体33と、さらに、その下方にスライド式に引き出し可能に動作する受け容器34と、筐体31の側壁に配設された4つの挿嵌部材36a,36b,36c,36dとで主に構成されている。
【0030】
筐体31は、略正方形の箱状に形成されており、支持プレート32を差し込んだ状態のときに、支持プレート32の上部に存在する複数の糞尿処理部材1a〜1zの配置と後述する糞尿固化剤35の貯留とをする第1の領域と、支持プレート32の下部に存在する受け容器34を差し込み可能な第2の領域とを備えて構成されている。
【0031】
支持プレート32は、板状に構成され、筐体31から略水平方向に引き出し易いようツマミが取り付けられている。また、支持プレート32を筐体31に差し込んだときに、筐体31の第1の領域と第2の領域とを確実に遮断するように構成されている。よって、支持プレート32を筐体31に差し込んだ状態では、支持プレート32上の複数枚の糞尿処理部材1a〜1zと糞尿固化剤35とは、支持プレート32に支持され、第1の領域から第2の領域への落下が防止されている。
【0032】
網状体33は、支持プレート32と対峙して筐体31に囲まれるようにして固定されており、支持プレート32と網状体33との間隔は、略数ミリメートルとなっている。本実施例では、金属素材の断面の直径が略1ミリメートルの円柱状部材が略5ミリメートルの間隔でメッシュ状に構成されている。
【0033】
受け容器34は、上面が開放された箱状に構成され、支持プレート32の下方に配置され、筐体31の開口部から略水平方向に引き出し易いように取っ手が取り付けられている。また、受け容器34は、受け容器34を筐体31の第2の領域に差し込んだ状態で、支持プレート32を引き出した場合に、第1の領域から落下する糞尿固化剤35の全部を受け止めて貯留できるように構成されている。
【0034】
糞尿固化剤35は、一般に市販されている猫の糞尿を固める砂であり、主な原料として鉱物系で構成されたもの、紙材で構成されたもの、木材で構成されたものと種々存在するが、実施例では、木材で構成された固まる猫の砂を用いている。この糞尿固化剤35は、猫が排出する糞尿を固めるだけでなく、脱臭力の高い木粉を使用して臭気を閉じこめたり、高温殺菌処理と抗菌剤を配合して雑菌の発生を防止するものである。
【0035】
挿嵌部材36a,36b,36c,36dは、筐体31の第1の領域の内壁に取り付けられ、糞尿処理部材1a〜1zに穿設される4つの位置決め孔11a,11b,11c,11dに挿嵌する。また、挿嵌部材36a,36b,36c,36dは、複数枚の糞尿処理部材1a〜1zを積層できるように棒状に構成されており、実施例では、直径略5ミリメートルの円柱体として配設されている。挿嵌部材36a,36b,36c,36dに糞尿処理部材1a〜1zの位置決め孔11a,11b,11c,11dが挿嵌されると、例えば、猫が糞尿を排出した後に、その糞尿に糞尿固化剤35を掛けようとして糞尿固化剤35に穴を穿る動作をし、猫の爪が万一、糞尿処理部材1a〜1zに触れたとしても、糞尿処理部材1a〜1zの配置ズレを防止することができる。
【0036】
上述したように構成された糞尿処理トイレ30は、猫の糞尿の処理をするときには、筐体31に支持プレート32と受け容器34とを差し込んで、支持プレート32の上部には、複数枚の糞尿処理部材1a〜1zが、その糞尿処理部材1a〜1zに穿設されたそれぞれの位置決め孔11a,11b,11c,11dが挿嵌部材36a,36b,36c,36dに挿嵌するように配置される。また、その糞尿処理部材1a〜1zの上には、糞尿固化剤35が山積みにされる。
【0037】
ここで、糞尿処理部材1a〜1zは、支持プレート32より若干大きく製作されており、且つ、糞尿処理部材1a〜1zの四隅は、四角形を切り取った形状になっている。よって、糞尿処理部材1a〜1zを支持プレート32の上部に配置すると、糞尿処理部材1a〜1zの端部は、筐体31の側壁に沿って上方に折り曲げられつつ配置されることになる。よって、糞尿処理部材1a〜1zを糞尿処理トイレ30の内部から引っ張り上げる場合には、この上方に折り曲げられた糞尿処理部材1a〜1zの端部は取っ手として作用し、糞尿処理部材1a〜1zを糞尿処理トイレ30の内部から容易に引っ張り上げることができる。
【0038】
次に、上述したように構成された糞尿処理部材1と糞尿処理トイレ30との使用方法について、図3を参照して説明する。図3(a)は、図2のIII−III断面線における糞尿処理トイレ30の断面図であって、糞尿固化剤35によって糞尿が固められた状態を示す図であり、図3(b)は、糞尿処理部材1を上方に持ち上げた状態を示す図であり、図3(c)は、収納部材20にシート体10を収納したときの状態を示す図である。なお、上述した糞尿処理部材1の詳細の符号については省略して図示している。
【0039】
糞尿処理トイレ30には、予め、筐体31に支持プレート32と受け容器34とが差し込まれ、支持プレート32の上部に糞尿処理部材1が配置され、この糞尿処理部材1の上に糞尿固化剤35が山積みにされている。この山積みにされた糞尿固化剤35に猫が糞尿を排出すると、図3(a)に示すように、その糞尿は糞尿固化剤35によって固められ糞尿塊Wとして、糞尿処理トイレ30内に存在することになる。
【0040】
この糞尿塊Wを処理する場合には、糞尿塊Wと他の糞尿固化剤35とを包み込むように糞尿処理部材1のシート体10を持ち上げる。シート体10を持ち上げると、シート体10に穿設された落とし孔12から、糞尿塊W以外の糞尿固化剤35の大部分が振り落とされて筐体31に戻される。
【0041】
一方、糞尿塊Wは依然としてシート体10に包み込まれた状態にある。この状態で糞尿処理者は、図3(b)の上方に示すように、収納部材20の内側に手を入れ、糞尿塊Wを包み込むでいるシート体を掴み取り、収納部材20の内面を外面にするように裏返しながら糞尿塊Wを包み込んだシート体10を収納部材20の内部に収納する。こうして、図3(c)に示すように、糞尿塊Wを包み込んだシート体10は収納部材20の内部に収納される。よって、糞尿処理者は、糞尿塊Wに一切触れることなく糞尿を処理することができる。
【0042】
以上のような順序で糞尿処理トイレ30に排出された糞尿を処理する仕方は、複数の糞尿処理部材1a〜1zが積層された状態であっても、同様の仕方で行われる。
【0043】
次に、支持プレート32上の糞尿処理部材1a〜1zがなくなった場合に、再度、糞尿処理部材を配置する方法について図4を参照して説明する。図4(a)は、図2のIII−III断面線における糞尿処理トイレ30の断面図であって、支持プレート上に糞尿処理部材1がなくなった状態を示す図であり、図4(b)は、支持プレート32を引き出した状態を示す図である。
【0044】
支持プレート32上に複数の糞尿処理部材1a〜1zが積層された状態から、上述した処理を繰り返し行い、支持プレート32上の糞尿処理部材1がなくなると、支持プレート上には図4(a)に示すように、糞尿処理部材1から落下した糞尿固化剤35と小さな塊としての尿塊Z1,Z2,Z3とが混在している。この尿塊Z1,Z2,Z3は、落とし孔12より小さいため糞尿塊Wを処理する際に、余剰糞尿固化剤といっしょに落とし穴12から落下したものである。
【0045】
この状態から、再度、糞尿処理部材1を支持プレート32の上に配置する場合には、図4(b)に示すように、支持プレート32を筐体34から引き抜く。すると、支持プレート32上の糞尿固化剤35と小さな塊としての尿塊Z1,Z2,Z3とは下方に落下し、尿塊Z1,Z2,Z3は支持プレート32の下方に配置され、落とし孔12より小さい孔を有する網状体33の上に受け止められる。一方、網状体33の網目より小さい糞尿固化剤35は、網状体33の網目を通過して、受け容器34の内部に落下する。
【0046】
網状体33に受け止められた尿塊Z1,Z2,Z3を排除した後、筐体31に支持プレート32を差し込み、再度、支持プレート32の上に複数枚の糞尿処理部材1a〜1zを積層して配置する。その状態で糞尿固化剤35が貯留されている受け容器34を筐体31から引き出し、その糞尿固化剤35を糞尿処理部材1a〜1zの上に投入して、 糞尿処理部材1a〜1zの再配置を終える。
【0047】
尚、この 糞尿処理部材1a〜1zの再配置をする方法は、支持プレート32上に糞尿処理部材1a〜1zがなくなった場合に限られず、例えば、糞尿処理部材1a〜1zのうちの何枚かがまだ残っている場合であっても、糞尿固化剤35の内部に小さな尿塊Z1,Z2,Z3が存在するときにも、上述した方法と同様な方法で、その尿塊Z1,Z2,Z3を排出しても良い。この場合には、網状体33は、糞尿処理部材1a〜1zが糞尿処理部材35と一緒に落下しないように支持部材としても作用する。
【0048】
以上説明したように、本実施例の糞尿処理部材1a〜1zによれば、従来のように余分な糞尿固化剤35を捨てることなく、糞尿固化剤35と糞尿塊Wとを分離することができる。よって、飼い主の経済的負担を軽減することができる。また、この糞尿処理部材1a〜1zを使用した糞尿処理トイレ30によれば、支持プレート32上に糞尿処理部材1a〜1zがなくなった場合であっても、支持プレート32を引き抜けば、支持プレート32上の糞尿固化剤35は一旦受け容器34の内部に貯留される。よって、再度、糞尿処理部材1a〜1zを設置する場合に、糞尿固化剤35を別の容器に移し替えるという工程は不要であり、ストレスなく糞尿処理部材1a〜1zを再設置することができる。
【0049】
以上、実施例に基づいて本発明を説明したが、本発明は、上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0050】
例えば、上記実施例では、猫が排出する糞尿を処理するために、シート体10に穿設される落とし孔12の大きさを略80平方ミリメートルとして構成するものとしたが、落とし孔12の大きさとしては、その大きさに限定されるものではなく、ペット用の猫であれば、その大きさは、略60平方ミリメートルから略100平方ミリメートルの範囲の大きさであれば、シート体10の内部において糞尿塊Wと余剰糞尿固化剤との分離を効率良くすることができる。また、犬用の糞尿処理部材であれば、その落とし孔12の大きさは、略40平方ミリメートルから略160平方ミリメートルの範囲の大きさで構成すれば、シート体10の内部において糞尿塊Wと余剰糞尿固化剤との分離を効率良くすることができる。
【0051】
また、上記実施例では、糞尿処理トイレ30に糞尿処理部材1を配置して用いるものとしたが、糞尿処理部材1を配置せずに糞尿処理トイレ30をペット用トレイとして使用しても構わない。この場合、小動物の固められた糞尿を処分する度に、支持プレート32を引き出せば、網状体33によって糞尿塊Wや小さな尿塊Z1,Z2,Z3を受け止め、糞尿の処理をすることができる。また、この場合には、網状体33の網の大きさは、落とし孔12と略同等の大きさとしてもよいし、小動物の種類や大きさに合わせて種々の大きさにするものとしてもよい。
【0052】
また、上記実施例では、糞尿処理部材1の素材を不織布で構成するものとしたが、小動物が排出する糞尿に対する若干の耐水性と糞尿の重量に対する耐重性とを備えるものであれば、例えば、ビニール素材で構成されたもの、又は、撥水性を持つ紙素材で構成されたものなど、如何なる素材で糞尿処理部材1を構成するものとしてもよい。これらの素材で構成された糞尿処理部材1に、消臭剤や抗菌剤を塗布して消臭作用や抗菌作用を得られるようにすることは、勿論構わない。
【0053】
また、上記実施例では、糞尿処理トイレ30からシート体10を上方に持ち上げやすくするように、シート体10の四隅を四角形を切り取った形状にしたが、シート体10の四隅の頂点からそれぞれシート体10の中心に向かって切り込みを入れた形状としてもよい。また、糞尿処理トイレ30の深さに合わせて四角形を切り取る大きさや切り込む長さを調整することは、勿論構わない。
【0054】
また、上記実施例では、収納部材20はシート体10の端部に連設されて構成されるものとしたが、収納部材20が連設されていない糞尿処理部材1として用いるものとしてもよい。この場合、シート体10に糞尿塊Wが包み込まれた後にビニール袋などの収納具に収納する作業が必要となるが、スコップなどによって糞尿塊Wの処理をする場合に比較して、余分な糞尿固化剤35が必要なくなるので、飼い主の経済的負担を軽減することができる。
【0055】
また、上記実施例では、シート体10の一辺の端部に連設された収納部材20は、対峙する2面を有する袋体として構成するものとしたが、円筒形の袋体として構成するものとしてもよい。また、収納部材20の開口部に、シート体10と糞尿塊Wとを収納した状態で、開口部を閉じるように構成された紐状の部材を取り付けたり、粘着性を持たせた接着部材を取り付けて、収納部材20から糞尿塊Wの流出をより確実に防止するような構成にするものとしてもよい。
【0056】
また、上記実施例では、糞尿処理トイレ30の形状を箱形状で構成されるものとしたが、糞尿処理トイレ30の形状は、例えば、円柱形にしたり、三角柱形にして構成するものとしてもよい。また、糞尿処理トイレ30の大きさは、対照となる小動物の種類や大きさに合わせて製作することは、勿論構わない。この糞尿処理トイレ30に合わせて、又は、対照となる小動物の種類や大きさに合わせて糞尿処理部材1の大きさや形状を変えて製作することも、勿論構わない。
【0057】
【発明の効果】請求項1に記載の糞尿処理部材によれば、シート体に包み込まれる糞尿固化剤のうち糞尿塊以外の余剰糞尿固化剤は、シート体に穿設された落とし孔からシート体の外部に振り落とされる。よって、従来のように、スコップなどにより糞尿塊の周辺にある固まっていない糞尿固化剤を必要以上に取り除いてしまう場合と比較して、固まっていない糞尿固化剤(余剰糞尿固化剤)と糞尿塊とをより確実に分離することができる。その結果、飼い主の経済的負担を軽減することができるという効果がある。
【0058】
請求項2に記載の糞尿処理部材によれば、請求項1に記載の糞尿処理部材の奏する効果に加え、糞尿固化剤によって固められる糞尿塊を包み込むシート体の端部には、糞尿塊を包み込んだ状態のシート体を収納する収納部材が連設されている。よって、糞尿塊を包み込んだ状態のシート体を処分するための収納部材を別途用意する必要がなく、糞尿処理を効率よく行うことができるという効果がある。
【0059】
請求項3に記載の糞尿処理部材によれば、請求項2に記載の糞尿処理部材の奏する効果に加え、糞尿固化剤によって固められた糞尿塊を包み込んだシート体を収納する収納部材は、対峙する2面を有する袋体となっており、その2面のうちの少なくとも1面がシート体の一部となって構成されている。よって、シート体と収納部材とを一体として形成することができると共に、対峙する2面を有するシンプルな構造で製作できるので、シート体に収納部材を連設するための製造工程が簡易化され、製造コストを軽減することができるという効果がある。
【0060】
請求項4に記載の糞尿処理部材によれば、請求項1から3のいずれかに記載の糞尿処理部材の奏する効果に加え、シート体には、そのシート体の位置ズレを防止するための位置決め孔が穿設されているので、その位置決め孔を利用して、シート体の位置ズレを容易に防止することができるという効果がある。
【0061】
請求項5に記載の糞尿処理部材によれば、請求項1から4のいずれかに記載の糞尿処理部材の奏する効果に加え、シート体の内側から余剰糞尿固化剤を外部に振り落とす落とし孔が、略40平方ミリメートルから略160平方ミリメートルの大きさに構成されている。ペットして飼われている小動物としては猫や犬があるが、これらの小動物の体の大きさは様々であるものの、略40平方ミリメートルから略160平方ミリメート程度の大きさの落とし孔であれば、余剰糞尿固化剤と糞尿塊とを効率良く分離することができるという効果がある。
【0062】
請求項6に記載の糞尿処理部材によれば、請求項1から4のいずれかに記載の糞尿処理部材の奏する効果に加え、シート体の内側から余剰糞尿固化剤を外部に振り落とす落とし孔が、略60平方ミリメートルから略100平方ミリメートルの大きさに構成されている。小動物の中でも、特に、猫は、体の大きさに大きな違いがないので、排出される糞尿の大きさに関しても大きな違いはない。よって、略60平方ミリメートルから略100平方ミリメートル程度の大きさの落とし孔であれば、余剰糞尿固化剤と糞尿塊とを効率良く分離することができるという効果がある。
【0063】
請求項7に記載の糞尿処理部材によれば、請求項1から6のいずれかに記載の糞尿処理部材の奏する効果に加え、シート体は不織布で構成されている。不織布は、一般的に、原料や製法の組み合わせよって布状や紙状などの様々な形状で製作したり、しなやかなものから強靱なものまで製作することができるので、例えば、小動物の排出する糞尿に対する耐水性を持たしたり、糞尿の重さに耐える耐重性を持たすことができる。また、消臭剤や抗菌剤などを一緒に織り込んだり、シート体の表面に塗装することにより、消臭作用や抗菌作用も得られることができるという効果がある。
【0064】
請求項8に記載の糞尿処理トイレによれば、支持プレート上に糞尿処理部材がなくなった場合、支持プレートを側壁から引き出すと支持プレート上の糞尿固化剤は、第1処理容器から第2処理容器に落下して第2処理容器の内部に貯留される。その後、支持プレートを側壁に装着し、その支持プレート上に糞尿処理部材を敷設する。こうして支持プレート上に糞尿処理部材を敷設した状態で、第2処理容器の内部に貯留されている糞尿固化剤が、第1処理容器の内部に投入される。よって、糞尿処理部材を再配置する工程を手間無く、簡単にすることができるという効果がある。
【0065】
請求項9に記載の糞尿処理トイレによれば、請求項8に記載の糞尿処理トイレの奏する効果に加え、側壁には、第2処理容器を引き出し可能に装着するための開口部を形成しつつ、第1処理容器を支持する足場部材が連設されている。よって、第1処理容器から第2処理容器を脱着する場合には、第1処理容器の開口部から第2処理容器を引き出すことによって、簡単に第1処理容器から第2処理容器を脱着することができるという効果がある。
【0066】
請求項10に記載の糞尿処理トイレによれば、請求項9に記載の糞尿処理トイレの奏する効果に加え、第1処理容器に連設される第1処理容器を支持する足部材の一端側に、第2処理容器の底面を支持する土台部材が連設されている。よって、第1処理容器と支持プレートと第2処理容器とを一体として持ち運べることができる。従って、糞尿処理トイレの移動を容易にすることができるという効果がある。
【0067】
請求項11に記載の糞尿処理トイレによれば、請求項8から10のいずれかに記載の糞尿処理トイレの奏する効果に加え、第1処理容器の側壁には、糞尿処理部材に穿設された位置決め孔に挿嵌する挿嵌部材が配設されている。よって、挿嵌部材を糞尿処理部材の位置決め孔に挿嵌さえすれば、糞尿処理部材の位置ズレを簡単に防止することができるという効果がある。
【0068】
請求項12に記載の糞尿処理トイレによれば、請求項8から11のいずれかに記載の糞尿処理トイレの奏する効果に加え、側壁には支持プレートと対峙するように、糞尿処理部材に穿設された落とし孔よりも小さい孔を有する網状体が固定されている。よって、糞尿処理部材によって処理しきれない糞尿塊、即ち、小動物が尿を排出したときに飛び散ってしまう尿を固めた小さい糞尿塊を第2処理容器に落下させることなく処理することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における糞尿処理部材1の構成を概略的に示した構成図である。
【図2】糞尿処理部材1を使用した糞尿処理トイレ30の構成を概略的に示した構成図である。
【図3】図3(a)は、糞尿固化剤35によって糞が固められた状態を示す図であり、図3(b)は、糞尿処理部材1を上方に持ち上げた状態を示す図であり、図3(c)は、収納部材20にシート体10を収納したときの状態を示す図である。
【図4】図4(a)は、糞尿処理部材1が1枚も配置されていない状態を示す図であり、図4(b)は、支持プレート32を引き出した状態を示す図である。
【符号の説明】
1,1a〜1z 糞尿処理部材
10 シート体
11a,11b,11c,11d 位置決め孔
12 落とし孔
20 収納部材
30 糞尿処理トイレ
31 筐体(第1処理容器)
32 支持プレート
33 網状体
34 受け容器(第2処理容器)
35 糞尿固化剤
36a,36b,36c,36d 挿嵌部材
H 人間の手
Z1,Z2,Z3 尿塊
W 糞尿塊
Claims (12)
- 小動物の糞尿を固める糞尿固化剤によって固められた糞尿塊を処理する糞尿処理部材であって、
前記糞尿固化剤に覆い被せられ、その覆い被せられた糞尿固化剤を包み込む柔軟なシート体と、
そのシート体に穿設され、前記シート体に包み込まれた糞尿固化剤のうち前記糞尿塊と分離して存在する余剰糞尿固化剤を前記シート体から振るい落とす落とし孔とを備えていることを特徴とする糞尿処理部材。 - 前記シート体の端部に連設され、前記糞尿塊を包み込んだ状態のシート体を収納する収納部材を備えていることを特徴とする請求項1に記載の糞尿処理部材。
- 前記収納部材は、対峙する2面を有する袋体であって、その袋体の少なくとも1面は前記シート体の一部で構成されていることを特徴とする請求項2に記載の糞尿処理部材。
- 前記シート体には、そのシート体の位置ズレを防止するための位置決め孔が穿設されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の糞尿処理部材。
- 前記小動物は、ペットとしての猫や犬であって、
前記落とし孔は、略40平方ミリメートルから略160平方ミリメートルの大きさで構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の糞尿処理部材。 - 前記小動物は、ペットとしての猫であって、
前記落とし孔は、略60平方ミリメートルから略100平方ミリメートルの大きさで構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の糞尿処理部材。 - 前記シート体は、不織布で構成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の糞尿処理部材。
- 小動物の糞尿を固める糞尿固化剤によって固められた糞尿塊を処理する糞尿処理トイレであって、
請求項1から7に記載された糞尿処理部材や糞尿処理部材に覆い被せる糞尿固化剤を支持する支持プレート、および、その支持プレートを引き出し可能に装着し、その支持プレートを取り囲む側壁を有する第1処理容器と、
その第1処理容器と着脱自在に装着され、前記側壁から前記支持プレートを引き出した場合に、前記支持プレートから落下する前記糞尿固化剤を受け止める第2処理容器とを備えていることを特徴とする糞尿処理トイレ。 - 前記側壁には、前記第2処理容器を引き出し可能に装着するための開口部を形成しつつ、前記第1処理容器を支持する足場部材が連設されていることを特徴とする請求項8に記載の糞尿処理トイレ。
- 前記足場部材の一端側には、前記第2処理容器の底面を支持する土台部材が連設されていることを特徴とする請求項9に記載の糞尿処理トイレ。
- 前記第1処理容器の側壁には、前記糞尿処理部材に穿設された位置決め孔に挿嵌する挿嵌部材が配設されていることを特徴とする請求項8から10のいずれかに記載の糞尿処理トイレ。
- 前記側壁には前記支持プレートと対峙するように、前記糞尿処理部材に穿設された落とし孔よりも小さい孔を有する網状体が固定されていることを特徴とする請求項8から11のいずれかに記載の糞尿処理トイレ。
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JP2002368901A JP2004194596A (ja) | 2002-12-19 | 2002-12-19 | 糞尿処理部材および糞尿処理トイレ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014195430A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-16 | 大王製紙株式会社 | 吸収性物品 |
KR200477509Y1 (ko) * | 2014-10-07 | 2015-06-17 | 김길호 | 애완동물 배변판 |
CN108260535A (zh) * | 2018-03-29 | 2018-07-10 | 深圳市沃特沃德股份有限公司 | 宠物厕所 |
-
2002
- 2002-12-19 JP JP2002368901A patent/JP2004194596A/ja not_active Withdrawn
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