JP2004193917A - 鉄道情報サービスシステム及びそれに用いられる携帯端末 - Google Patents
鉄道情報サービスシステム及びそれに用いられる携帯端末 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】列車走行に伴う電波状況の変化で通信品質が低下することを防止する鉄道情報サービスシステムを提供する。
【解決手段】車内の乗車者が所持し、携帯端末1−bと車両に設置された車上情報サービス無線通信装置5と、その通信装置に接続され、記憶された情報を更新可能なデータベース9とを備える車上情報通信制御装置6と、その車上情報通信制御装置6に接続され、地上に設置された通信装置とから成り、車上情報通信制御装置6は、携帯端末1−bからの通信要求信号を受信した場合、受信された通信要求信号の要求情報がデータベース9に記憶されている場合、予め定められた情報サービスメニュー内の情報サービスをその携帯端末1−bへ送信し、通信要求信号の要求情報がデータベース9に記憶されていない場合、その携帯端末1−bが予め決められた条件を満たした場合に、その条件に応じた提供可能な情報サービスを携帯端末1−bへ送信する。
【選択図】 図1
【解決手段】車内の乗車者が所持し、携帯端末1−bと車両に設置された車上情報サービス無線通信装置5と、その通信装置に接続され、記憶された情報を更新可能なデータベース9とを備える車上情報通信制御装置6と、その車上情報通信制御装置6に接続され、地上に設置された通信装置とから成り、車上情報通信制御装置6は、携帯端末1−bからの通信要求信号を受信した場合、受信された通信要求信号の要求情報がデータベース9に記憶されている場合、予め定められた情報サービスメニュー内の情報サービスをその携帯端末1−bへ送信し、通信要求信号の要求情報がデータベース9に記憶されていない場合、その携帯端末1−bが予め決められた条件を満たした場合に、その条件に応じた提供可能な情報サービスを携帯端末1−bへ送信する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、個人情報を特定する携帯端末を所有する鉄道の利用者に対して、情報サービスを行う鉄道情報サービスシステム及びその携帯端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
モバイル携帯端末に対する情報サービスが近年急速に広まっている。従来の情報提供サービスは、テレビやラジオ放送,紙のメディアでの文字や絵,写真等によるものが主体であった。しかし、近年の移動通信技術の発達によって、歩行中や乗り物で移動中でも手軽に電話ができるようになったり、携帯移動通信網を利用した情報サービス等が急速に発達してきた。放送系以外では、この携帯電話を用いた情報提供サービスがあり、移動中の利用者に対して情報を提供するサービスとして最も広く普及してきたと考えられる。その他、特定のモバイル通信設備を用いた情報サービス、例えば、ITS(高度道路交通システム)等でのDSRC(専用狭域通信)を用いた交通情報の提供や、衛星通信を用いた情報サービス等も行われている。
【0003】
鉄道会社も、IT(情報技術)化を進めており、通信環境を独自に強化整備する活動を行っている。このようなシステムに、例えば非特許文献1に記載されている新幹線車内での情報通信サービスシステムがある。本システムは、予め車上のデータベースに蓄積した情報を、貸し出す端末に表示して情報を提供するサービスをすることを主眼に置いたものである。前記データベースに蓄積する情報の更新は、列車が駅で停車中に必要に応じて通信して更新するなどの手法が開示されている。
【0004】
また、非特許文献2の記事のなかで、乗車中に車内外のWebアクセスやネット上でのビジネス等の構想が開示されている。このように、鉄道各社でIT(インフォメーションテクノロジー)を利用した情報サービスの提供が活発化している。
【0005】
【非特許文献1】
交通新聞社「交通新聞」,2001年11月12日発行
【非特許文献2】
東日本旅客鉄道、JRガゼット「特集研究・開発を強化する」、2001年、3月号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、列車に乗車中の乗客に対する情報サービスが活発化しているが、携帯電話の無線通信網を用いると、列車の走行に伴う電波状態の変化で通信品質が変動することは以下の理由から避けられない。携帯電話等の無線通信システムでは、無線基地局の配置と電話機の位置や移動速度で通信品質がある程度予測できる。例えば、電波の届き難いトンネルや電波を通し難い建物の影や内部では、品質が低下する事がある。電車はさまざまな場所を走っているので、乗車していると、前記のような通信品質が低下する場所を走行する場合があり、常に品質の高い通信サービスを受けられるとは限らない。携帯電話サービスを提供する運営会社では、サービス品質の向上に努め、無線基地局の整備を順次進めているが、電車は山間部等も走るためサービスが難しい場所も多々ある。
【0007】
前記非特許文献では、車内に事前に蓄積した情報に限り車内の無線通信環境を用いてユーザに情報提供する事で通信環境の悪化を防止していると考えられる。或いは、通信環境に関しては言及がされていない。現在携帯電話網を用いた情報提供サービスを受けているユーザは日本では非常に多く、ユーザが様々な場所で手軽に受けている情報サービスの品質が電車に乗車中低下してしまうことは、情報サービス提供を受けているユーザにとって大きな不満となる。
【0008】
本発明の目的は、電車に乗車中でも乗客に通信品質が高く、信頼性の高い情報サービスシステムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
車内の乗車者が所持し、認証機能を有する携帯端末と、その携帯端末とローカルに通信できる鉄道車両に設置された第1の通信装置とその通信装置に接続され記憶された情報を更新可能なデータベースとを有する車上情報通信制御装置と、その制御装置に接続され、地上に設置された通信装置との通信を行う第2の通信装置とを備え、車上情報通信制御装置は、携帯端末からの通信要求信号を受信した場合、携帯端末との間で認証処理を実行し、通信要求信号の要求情報がデータベースに記憶されている場合、予め定められた情報サービスメニュー内の情報サービスを送信し、通信要求信号の要求情報がデータベースに記憶されていない場合、携帯端末が予め決められた条件を満たせば、その条件に応じて提供可能な情報サービスを送信する。
【0010】
また鉄道車両の運転ダイヤに支障が発生、または支障が解除された場合、または他の線区で運転障害が発生した場合の障害情報を第2の通信装置が受信した場合は、携帯端末へ、現在配信中の情報に障害情報または障害からの回復情報を示す属性を加えて送信する。
【0011】
またデータベースは、列車の走行予定に基づいた列車の走行線区以外の運行情報提供内容を記憶している。
【0012】
また携帯端末から利用者の行き先情報が受信された場合、車上情報通信制御装置は、その行き先情報に基づいた路線の運行情報または沿線情報を携帯端末へ送信する。
【0013】
また列車に対して情報の送受信可能な通信部と、その受信された情報を表示する表示部と、列車から受信された情報及び車上の情報サービスを利用するための認証情報を記憶するメモリ部と、データを入力可能な入力部と、入力されたデータを処理する情報処理部とを有し、情報処理部は列車との通信を行い、認証情報に基づいて車上の情報サービスを利用可能か否かの認証を行う。
【0014】
また列車の運行状況が示された列車運行障害情報または障害回復情報が受信された場合に、表示部には利用者が要求した情報の表示とは区別して列車運行障害情報または障害回復情報が表示される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施例を説明する。図1に本発明の鉄道情報サービスシステムの全体構成の一例を示す。
【0016】
まず鉄道乗車中に提供される情報サービスを享受したいユーザは、携帯端末1−aを車上情報サービス利用登録装置3で事前に登録する。ここで、1−a,1−bと携帯端末が図中に複数示してあるが、機能は同じものであるので、数字の1は同じで、その後に続くアルファベットの添え字によって使用中の動作状況を区別している。その携帯端末1−aの登録は、登録機能を持ったハード的に取り外せる処理カード2で行う。
【0017】
例えば、図示するように処理カード2を携帯端末1−aから取り外し、車上情報サービス利用登録装置3の取りつけ口14に取りつけ、操作盤15で必要な操作を行う。ここでは、便宜上このような登録手法を示しているが、特に登録手法は、例えば窓口の取り扱い者が行う場合や、事前に登録済みの処理カード2を鉄道情報サービス提供業者が申し込みに従い配布するなど手法が考えられる。
【0018】
また、取り付け口14にわざわざセットしなくても、無線通信機能を介して登録するなど登録手法を用いることを制限するものでは無い。登録情報は、携帯端末には処理カード2内の情報として蓄積され、逆にサービス提供者側のシステムには、図示するように通信網13,通信装置である鉄道事業者情報通信センタ12を通して鉄道車両4に取り付けられた車上情報通信制御装置6にその情報が送信される。登録情報の車上へのセット手法に関しても、特に本発明の本質とは係わらないので、車庫に在線している間にセットしたり、有線用の通信線を列車に接続してセットしたり、また、車上情報通信制御装置6に携帯端末1−bから通信要求が着信した時点で地上側システムに問い合わせる等様々な手法の中で適切な手法を用いれば良い。但し、以下の例では説明の簡単化のために、事前に車上情報通信制御装置6に携帯端末1−bの認証情報がセットされている場合を前提として説明する。
【0019】
前記したように事前に携帯端末をサービスシステムに登録しておき、鉄道車両4に乗車中に鉄道情報サービスを受ける場合は、まず、携帯端末1−bから第1の通信装置である車上情報サービス無線通信装置5に対して接続要求を出力する。車上情報サービス無線通信装置5で受信した情報は車上情報通信制御装置6で処理され、情報サービスが利用可能な登録済みの携帯端末であれば接続を許可する。この認証プロトコルは、車上情報通信制御装置6と処理カード2の間で処理される。後ほど図9を用いて、認証処理の変形例を説明するが、ここでは、携帯端末と列車の車上情報通信制御装置間で認証処理を実施する場合を示している。
【0020】
認証が済むと、データベース9が保有している情報を、データベース管理部8を通して情報サービスメニュー管理部7が処理して、携帯端末1−bに送信する。携帯端末ユーザは、携帯端末1−bに表示される情報サービスメニューに従い、必要な情報を入手する。その際、携帯端末ユーザが必要とする情報がデータベース9に無ければ、携帯端末ユーザは車外通信設備を利用して、そのユーザが契約している情報サービス事業者16、或いは鉄道会社が契約している情報サービス提供可能な情報サービス事業者17に、第2の通信装置である外部通信制御装置10,アンテナ11を用いて鉄道事業者情報通信センタ12,通信網13を経由してアクセスし、情報を入手する。携帯端末ユーザが、別の移動体通信網を経由して情報サービス事業者16にアクセスすることができる環境下にあり、鉄道事業者無線通信網ではなく別の移動体通信網を経由して情報を取得したいと思えば、もちろん、該通信網を利用する操作を行えばよい。
【0021】
但し、その携帯端末が認証結果、登録されていない、またはその携帯端末のユーザが要求する情報がデータベースに記憶されていない場合は、課金等の利用上の条件について携帯端末と車上情報通信制御装置または、情報サービス提供可能な情報サービス事業者間とで通信を行い、その条件を満足した場合に、そのユーザが要求したサービスを受けられる構成とする。
【0022】
つまり本発明では、車内の乗車者が所持し、認証機能を有する携帯端末1−bと、その携帯端末1−bとローカルに通信できる鉄道車両に設置された車上情報サービス無線通信装置5と、その無線通信装置に接続され、更新可能なデータベース9と、車上を伝送する情報の通信を制御する車上情報通信制御装置6と、その制御装置に接続され、地上に設置された鉄道事業者情報通信センタのような通信装置との通信を行うアンテナ11,外部通信制御装置10とを備え、車上情報通信制御装置6は、携帯端末1−bからの通信要求信号を受信した場合、携帯端末1−bとの間で認証処理を実行し、通信要求情報がデータベースに記憶されている場合は予め定められた情報サービスメニュー内の情報サービスを携帯端末へ送信し、通信要求情報がデータベースに記憶されていない場合は、携帯端末1−bが予め決められた条件を満たせば、その条件に応じて提供可能な情報サービスを携帯端末へ送信する。
【0023】
次に図2以降の図面を用いて、機能やシステム動作を詳細に説明する。
【0024】
図2は、携帯端末の機能ブロック図を示している。携帯端末の機能は、ユーザが所望の情報を受信できる環境を提供することである。
【0025】
まず、本発明の車上装置(車上情報サービス無線通信装置5,車上情報通信制御装置6など)を搭載した鉄道車両4上で通信できる環境を整える必要がある。そのために、システムを使用する趣旨の登録ができる機能を有する処理カード(処理カード2,処理カードI/O部21),車上で車上情報通信制御装置6と通信するための機能を有する通信部(無線通信機能部23,アンテナ部29),受信した情報を表示するための表示機能を有する表示部(表示出力制御部24,表示部27),ユーザが要求情報を特定するための入力機能を有する入力部(入出力I/O部25,入出力機器28)を少なくとも具備する。
【0026】
手順としては、まず、処理カード2を用いて、例えば図3に示す手法等で、
IDとパスワードを車上情報サービス利用登録装置3に登録する。その際、情報漏洩防止用の暗号方式や暗号鍵,解読鍵の登録等も一緒に行うこと等も考えられる。
【0027】
しかし、暗号鍵等の登録は、必須条件ではなく、運用上必要であれば行えばよい。暗号に関しては、携帯端末1と車上情報通信制御装置6の間、或いは、携帯端末1と鉄道事業者情報通信センタ12の間で用いるものであり、通信確立時点で互いに使用するものを取り決めても良いので、これはシステム運用時に取り決めればよい。但し、端末のシステムへの事前登録は、情報通信サービス開始のため最低限必要である。
【0028】
ここでの暗号化はメモリ部26に記憶された情報を情報処理部である演算処理部22によって暗号化し、無線通信機能部23,アンテナ部29を介して送信する構成としても良いし、予め暗号化された情報をメモリ部に記憶しておき、それを送信しても良い。
【0029】
システムへ登録した処理カード2が処理カードI/O部21にセットされた状態で、携帯端末1はサービスシステムを搭載した鉄道車両内に持ち込まれ、携帯端末ユーザからの情報取得要求に従い処理を実施する。そのときの制御処理は、演算処理部22,表示出力制御部24,入出力I/O部25,メモリ部26,無線通信機能部23,処理カードI/O部21を備える携帯端末制御処理部20で実施する。
【0030】
また、電源が投入された後、キーボードやペン入力装置,音声入力装置、或いはスピーカ等の出力装置である入出力機器28の入力機器から入出力I/O部25を通して入力されたコマンドを演算処理部22で解釈し、必要な処理を実施後無線通信機能部23にメッセージを出力する。また、これらの処理中に必要であれば表示出力制御部24に、例えば処理の進行状況を示すような表示出力用のデータとコマンドを出力し、表示部27から出力する。これら、演算処理部22での処理は、一般的なマイクロプロセッサとメモリ部26に蓄積されたプログラムや一時作業メモリ等を用いて実施可能である。メモリ部26は、ROM(Read only memory),RAM(Random Access Memory)やディスク装置等をさしている。メモリ部26は、プログラムやOS(Operating System)等を蓄積したり、処理カードI/O部から入力された車上の情報サービスを利用できるように登録した認証情報などを蓄積したり、演算に必要な一時メモリを提供したり、データを蓄積するための機能を実現するものであり、一般的な機能部品で構成されるものである。
【0031】
無線通信機能部23からアンテナ部29を通して送信された情報要求信号が、図1に示した車上情報通信制御装置6に送信され、その情報がデータベース9に蓄積されていれば、データベース9から情報が取り出され、要求が出された携帯端末1に応答が返信される。もし、データベース9に、要求された情報が無ければ、この場合に準備された手順に従いユーザへの確認処理が行われることになる。この手順に関しては後述する。
【0032】
まず、図3で処理カード2のID登録手順に関して説明する。処理カード2は、モバイル通信等に必要な認証機能や通信する信号の暗号化等の機能を実施できる構造のものを使用する。このようなカード機能は、最近のメモリカードやICカード技術の進歩により簡単に入手できる。ここで、認証処理や暗号化処理の実施機能を持たせたものを前提としたのは、通信にかかわる処理を携帯端末制御処理部20から分離し、適切に負荷分散を図る目的で分離した。しかし、この処理カード2を分離して使用する構造は唯一ではなく、機能的に変形例もありえる。一変形例として、図9に示すように携帯端末1に車上情報サービス利用登録装置I/O部100を具備させ、前記処理カードが実施する機能を演算処理部22で実施する構造も可能である。つまり単に処理カードには情報を格納できる機能を有し、処理カードI/O部に装着された後に、携帯端末制御処理部20内の演算処理部にて認証を行っても良い。
【0033】
図3では、図1に示したように例えば一般的なプリペイドカードの積み増しするような装置を想定して、手順を示している。特に図3に示す手順は、本発明とは密接に関係していないので基本手順のみ示している。
【0034】
手順1で処理カード2を車上情報サービス利用登録装置3にセットし、案内手順に従い手順2で必要な情報を操作盤15から入力する。セットする情報としては、例えばパスワードや料金の支払いに必要な情報を入力する。この時点で、例えば、車上情報サービス利用登録装置3からID情報が処理カード2にセットされる。また、必要に応じて、暗号手法や暗号鍵,解読鍵等のネゴシエーションをすればよい。システム動作上必要事項がセットされたら手順3に移行するが、間違いや情報不足等があった場合は、手順2を繰り返す。手順3は、セットした情報が正しいことの確認段階を示したものであり、入力が正しければ確認し、登録完了となるが、間違っていれば手順2に戻り、再度情報をセットし直し登録を完了する。この図3に示す手順は、一般的な情報のセット手順であり、図3に示す流れに必ずしも完全に合致する必要は無い。要は、情報サービスを受けたいユーザが、サービスを実際に受ける前に正当なユーザからの情報サービス要求であることを、サービス提供システムが判断できるように事前準備できればよいので、ユーザ自身が行わなくても、サービス提供者側や第3者にセットしてもらっても構わないし、別の認証方法、例えばIDコードと指紋やその他身体的特徴等の組み合わせでも本発明には特に影響は無い。
【0035】
前述のようにID登録と、認証の準備が完了すれば、車上での情報サービス授受の準備が整ったことになり、次は実際に情報のサービスの享受となる。図4,図5を用いて、データベース9に、サービス利用ユーザの要求した情報がセットされている場合とセットされていない場合の基本通信フローについて説明する。まず、図4を用いて車上情報通信制御装置6に既に蓄積されている情報を、携帯端末1が要求し情報を受信する基本フローを説明する。
【0036】
図4で、左側の上から下に流れるフローが携帯端末1の処理フロー30であり、右側の上から下に流れるフローが車上情報通信制御装置6の処理フロー31である。ここでは、携帯端末1は電源断の状態で電源が投入された動作から、車上情報通信制御装置6は既に電源が投入されており、動作状態にある状態から通信が開始される一般的な場合について例示している。
【0037】
まず、ユーザが処理32で示すように電源を投入し車上情報通信制御装置6との通信サービスを希望すれば、車上情報通信制御装置6と通信を確立するための認証処理34を起動する。そして、認証信号授受34を車上情報通信制御装置6との間で取り交わす。車上情報通信制御装置6は、起動中であり情報サービス処理稼動状態33であることを前提としているので、認証信号を受け付ければ、即認証処理36を実施し、正当な認証要求であれば、処理37で、車上情報通信制御装置6のデータベース9に既に蓄積されている情報内容を少なくとも図10に示すフォーマットに従い構築して、さらに提供可能な他の情報サービスを示す情報と共に携帯端末1に送信し、情報サービス要求を送信してきた携帯情報端末に対してサービス要求受け付け状態39に遷移する。
【0038】
携帯端末1は認証OK確認処理38で正当なユーザであると認められたと確認後、処理40で、図10に示すフォーマットに従って送られてきた情報の、例えばジャンルとタイトルだけを簡潔に一覧で表示部27に表示してユーザに情報要求指令の入力を促し、ユーザ入力に従い情報取得要求メッセージの作成と送信処理を実施する。
【0039】
その要求メッセージを受信した車上情報通信制御装置6は、データベース9を検索し、蓄積されている情報であると判断後、データベース9から情報を取り出し送信する処理41を実施後、再びサービス要求受け付け状態39に遷移する。受信した携帯端末1は、該情報を受信後表示部27に表示する処理43を実施し、ユーザからの要求待ち受け状態44に遷移する。
【0040】
以上図4に示した手順は、障害等が発生していない場合であり、現実的には、通信処理の授受が失敗した場合や、異なる手順での認証処理,情報の信頼性向上のための通信処理など様々な通信フローも考えられるが、説明の簡単化のためにこれらの場合を省いているに過ぎない。通信フローの細かな部分に関しては、本発明は特にこだわらない。
【0041】
図10に示す情報のフォーマットは特にこれに限定されるものではないが、ユーザが見て検索しやすいような代表的な形式になっている。例えば、整理番号は詳細情報を要求するときに、整理番号だけで識別したり、ジャンルやタイトルは検索を容易にするし、更新日時は情報の鮮度を認識するのに役立つ。内容は文字通り内容を保持する領域であり、その他は、付加的な情報の追加に使用する。ここでは、整理番号001に運行情報、002にニュース、003にスポーツ情報、nnnに外部情報サービスがセットされている例を示している。ここで、整理番号nnnの列に示す情報が、本発明で一つの特徴となるサービスの提供を表示する情報となる。即ち、ユーザがデータベース9で提供される情報以外の情報を取得したい場合は、ここの欄に示してある情報を見て、外部への情報をアクセスするかどうか判断する。外部へアクセスしたいと判断すれば、この列に示されたサービスを要求すればよい。
【0042】
そのサービスでは、列車に乗車中に、図1に示した列車通信用に設備された鉄道事業者無線通信設備を使用するので、列車専用の無線通信環境を使用できることになる。
【0043】
次に図5を用いて、データベース9に要求された情報が無い場合のフローについて説明する。図5では、図4に示した認証処理、データベース9に蓄積された情報サービス内容の表示までは同一であるので、処理40まで終了後のフローを示す。例えば、携帯端末1のユーザが、インターネット網への接続や特定機関への接続を要求した場合は、車上情報通信制御装置6ではその情報がデータベース9に蓄積されていないので、処理51で鉄道事業者情報通信センタ12との接続を希望するかどうか問い合わせる確認信号を作成し、携帯端末1宛に送信する。携帯端末ユーザが、処理52で接続を希望すると、車上情報通信制御装置6は、処理53で鉄道事業者情報通信センタ12に向けて、携帯端末1からの情報を送信する。情報を受信した鉄道事業者情報通信センタ12では、鉄道事業者情報通信センタ内での処理を示すフロー50上の処理54で受信した情報を処理し、要求された情報が鉄道事業者情報通信センタ内に蓄積された情報であれば情報を取り出して送信し、無ければ他の情報サービス事業者16や17にアクセスし要求された情報を取得後、車上情報通信制御装置6に送信する。情報を受信した車上情報通信制御装置6は、情報要求した携帯端末1に転送する。情報を受信した携帯端末1は、図4の説明でも述べたように情報を受信後表示部27に表示する処理43を実施し、ユーザからの要求待ち受け状態44に遷移する。
【0044】
図5に示した手順も、障害等が発生していない場合であり、現実的には、通信処理の授受が失敗した場合や、異なる手順での認証処理,情報の信頼性向上のための通信処理など様々な通信フローも考えられるが、説明の簡単化のためにこれらの場合を省いているに過ぎない。通信フローの細かな部分に関しては、本発明は特にこだわらない。
【0045】
図6は、鉄道サービス上有効な運行管理情報を携帯端末ユーザに送信する手順の一例を示したものである。
【0046】
図6に於いても、図4に示した認証処理、データベース9に蓄積された情報サービス内容の表示までは同一であるので、処理40まで終了後のフローを示す。
【0047】
携帯端末ユーザが処理60に示すように、自分の行き先や経由線区を通知して、列車での旅行に関連する情報のサービスを希望することを望むと、行き先や経由線区等の旅行行程情報を通知するための電文61を車上情報通信制御装置6に送信する。携帯端末1,車上情報通信制御装置6,鉄道事業者情報通信センタ12間は、図4,図5に示したような情報の授受動作62,63が平行して行われる状態にある。列車の運行情報は、処理64に示すように鉄道事業者情報通信センタ12に集められ、処理65で鉄道事業者情報通信センタ12内の情報を随時更新する。更新された情報がある都度、或いは定時送信などの手法で、運行情報60を車上情報通信制御装置6に送信する。また車上情報通信制御装置6では、ユーザから、情報を受信していない線区の運行情報や、下車予定駅の周辺情報等のサービス要求があった場合は、授受動作67を実施して収集する。このようにして集めた情報を、情報サービス要求のあった携帯端末1からの行き先や経由線区等の旅行行程情報にあわせて、通知すべき線区の運行情報や沿線情報を処理68で選定し、携帯端末1に送信する。その情報を受信した携帯端末1は、受信した情報に応じて適切な表示手法で表示するための処理69を実施し、表示部27に情報を表示する。
【0048】
図6では、行き先や経由線区等の旅行情報を通知してきた携帯端末1に対するサービス概要を示したが、もし行き先や経由線区等の旅行行程情報を通知するための電文61を、携帯端末1が送信しなかった場合は、車上情報通信制御装置6が送信するデフォルトの運行情報や沿線情報を携帯端末1は受信して表示する。デフォルトの運行情報や沿線情報等は、例えば、当該列車が走行中の線区や隣接する線区の情報を送信するようにする。
【0049】
また、列車が近距離の普通列車であれば、近距離情報を中心にデフォルトの情報を生成し、遠距離特急列車などであれば遠距離情報等も含めて情報を生成する。もし、行き先や経由線区等の旅行情報を送信はしていないが、前記デフォルトで送信してくる情報以外の運行情報等がほしい場合は、携帯端末1のユーザがほしい線区の要求情報をセットすれば、携帯端末1は要求するメッセージを作成し車上情報通信制御装置6に送信する。受信した車上情報通信装置は、図4,図5に示したように要求情報がデータベース9に蓄積されているかどうかで処理が分かれるが、必要情報を生成するために必要な動作を実施し情報を生成して要求してきた携帯端末1に対して応答する。
【0050】
つまり、携帯端末1−bからユーザの行き先情報が受信された場合、車上情報通信制御装置6は、その行き先情報に基づいた路線の運行情報または沿線情報を携帯端末へ送信することで、乗車しているユーザは鉄道車両内で要求した情報が随時入手でき安心して行き先までの乗車ができる。
【0051】
図7は、携帯端末1の表示の一例を示している。表示部27に情報サービスメニュー表示例70,ユーザが要求したサービスを出力している画面71,運行情報を表示する画面72を示している。また、操作部73は、例えば操作ボタンやキーボード的な機能を想定したものであり、一般的な操作機能部である。該操作部を通して、ユーザは情報サービスを要求する種別を選択したり、画面の表示設定等の入力を行う。
【0052】
また、操作部は、ここに示すように独立した領域を確保するものに限定されるものではなく、タッチパネル式等表示部に機能を持たせたものであっても構わない。表示画面配置や表示上内容には特に意味は無く、あくまで例である。また、常に3画面表示である必要も無く、どれか一つの情報だけを表示するように設定する機能があっても問題は無い。但し、運行情報等で障害が発生した等の属性がついた情報は、受信した時点で、運行情報の表示ウィンドが開かれていなくても、本図に示すように他の情報の表示ウィンドにオーバーレイして表示したり、図8に示すように何かしら運行障害が発生したことを示す表示80を出力し、ユーザに注意を喚起する表示を行い、ユーザが必要であれば運行情報を表示する画面72を出力させる操作を行う。
【0053】
つまり列車の運行状況が示された列車運行障害情報または障害回復情報が通信部を介して受信された場合に、表示部には利用者が要求した情報の表示とは区別して列車運行障害情報または障害回復情報が表示される構成にすることで、ユーザに分かりやすく、早急に注意を促すことが可能となる。
【0054】
図9は、携帯端末1の構成の変形例である。図1や図2では、認証や暗号化処理を処理カード2で実施する携帯端末を想定して例示したが、処理は、独立した処理カードだけでしか実施できないものではなく、演算処理部22でも実施させることができ、この処理構造とした場合の構成例である。処理カードI/O部21の代わりに、車上情報サービス利用登録装置I/O部100を具備している。
【0055】
本構成とすると、図1に示したように処理カード2が分離できない構造であるので、携帯端末1自体を車上情報サービス利用登録装置3にセットして、登録を行うことになるが、本発明の鉄道情報サービスシステムとして本質的機能が変化するものではない。
【0056】
以上、本発明の各実施例によれば、乗車中のユーザの選択で、該ユーザが持つ携帯端末がサービスを受ける事が出きるサービスセンタと通信するために、公衆通信環境に比較してより安定した通信環境を用いて情報取得サービスを代行し、スピーディーに情報を提供できる。
【0057】
また携帯端末で実施するアプリケーション処理と、登録や認証,暗号化処理等を実施するデバイスを独立させる構成によって、様々な仕様の携帯端末で情報提供サービスを容易に受ける事ができる携帯端末が提供できる。
【0058】
また情報サービスシステムに登録したユーザに対して、運転障害の発生や復旧等鉄道旅行者に対して重大な意味を持つ情報を、随時提供できる情報サービスシステムが提供できる。
【0059】
また情報サービスシステムに登録したユーザで予め目的地を鉄道車両に設置された通信システムに対してセットすれば、自動的に路線の運行情報や沿線情報等を提供できる。
【0060】
【発明の効果】
本発明により電車に乗車中でも乗客に通信品質が高く、信頼性の高い情報サービスシステムが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鉄道情報サービスシステムの一構成例を示す図である。
【図2】本発明に係る携帯端末の一構成例を示す図である。
【図3】本発明のID登録処理の一例を示す図である。
【図4】本発明の携帯端末と車上情報通信制御装置間通信フローを示す図である。
【図5】本発明に係る鉄道情報サービスシステムの情報通信フローの一例を示す図である。
【図6】本発明に係る運行管理情報送信処理フローの一例を示す図である。
【図7】本発明に係る運行管理情報の出力処理表示画面の一例を示す図である。
【図8】本発明に係る運行管理情報の出力処理表示画面の一例を示す図である。
【図9】本発明に係る携帯端末の他の構成例を示す図である。
【図10】本発明に係るデータベースの内容を示す情報フォーマットの一例を示す図である。
【符号の説明】
1…携帯端末、2…処理カード、3…車上情報サービス利用登録装置、4…鉄道車両、5…車上情報サービス無線通信装置、6…車上情報通信制御装置、7…情報サービスメニュー管理部、8…データベース管理部、9…データベース、10…外部通信制御装置、11…アンテナ、12…鉄道事業者情報通信センタ、13…通信網、14…取りつけ口、15…操作盤、16,17…情報サービス事業者、20…携帯端末制御処理部、21…処理カードI/O部、22…演算処理部、23…無線通信機能部、24…表示出力制御部、25…入出力I/O部、26…メモリ部、27…表示部、28…入出力機器、29…アンテナ部、100…車上情報サービス利用登録装置I/O部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、個人情報を特定する携帯端末を所有する鉄道の利用者に対して、情報サービスを行う鉄道情報サービスシステム及びその携帯端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
モバイル携帯端末に対する情報サービスが近年急速に広まっている。従来の情報提供サービスは、テレビやラジオ放送,紙のメディアでの文字や絵,写真等によるものが主体であった。しかし、近年の移動通信技術の発達によって、歩行中や乗り物で移動中でも手軽に電話ができるようになったり、携帯移動通信網を利用した情報サービス等が急速に発達してきた。放送系以外では、この携帯電話を用いた情報提供サービスがあり、移動中の利用者に対して情報を提供するサービスとして最も広く普及してきたと考えられる。その他、特定のモバイル通信設備を用いた情報サービス、例えば、ITS(高度道路交通システム)等でのDSRC(専用狭域通信)を用いた交通情報の提供や、衛星通信を用いた情報サービス等も行われている。
【0003】
鉄道会社も、IT(情報技術)化を進めており、通信環境を独自に強化整備する活動を行っている。このようなシステムに、例えば非特許文献1に記載されている新幹線車内での情報通信サービスシステムがある。本システムは、予め車上のデータベースに蓄積した情報を、貸し出す端末に表示して情報を提供するサービスをすることを主眼に置いたものである。前記データベースに蓄積する情報の更新は、列車が駅で停車中に必要に応じて通信して更新するなどの手法が開示されている。
【0004】
また、非特許文献2の記事のなかで、乗車中に車内外のWebアクセスやネット上でのビジネス等の構想が開示されている。このように、鉄道各社でIT(インフォメーションテクノロジー)を利用した情報サービスの提供が活発化している。
【0005】
【非特許文献1】
交通新聞社「交通新聞」,2001年11月12日発行
【非特許文献2】
東日本旅客鉄道、JRガゼット「特集研究・開発を強化する」、2001年、3月号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、列車に乗車中の乗客に対する情報サービスが活発化しているが、携帯電話の無線通信網を用いると、列車の走行に伴う電波状態の変化で通信品質が変動することは以下の理由から避けられない。携帯電話等の無線通信システムでは、無線基地局の配置と電話機の位置や移動速度で通信品質がある程度予測できる。例えば、電波の届き難いトンネルや電波を通し難い建物の影や内部では、品質が低下する事がある。電車はさまざまな場所を走っているので、乗車していると、前記のような通信品質が低下する場所を走行する場合があり、常に品質の高い通信サービスを受けられるとは限らない。携帯電話サービスを提供する運営会社では、サービス品質の向上に努め、無線基地局の整備を順次進めているが、電車は山間部等も走るためサービスが難しい場所も多々ある。
【0007】
前記非特許文献では、車内に事前に蓄積した情報に限り車内の無線通信環境を用いてユーザに情報提供する事で通信環境の悪化を防止していると考えられる。或いは、通信環境に関しては言及がされていない。現在携帯電話網を用いた情報提供サービスを受けているユーザは日本では非常に多く、ユーザが様々な場所で手軽に受けている情報サービスの品質が電車に乗車中低下してしまうことは、情報サービス提供を受けているユーザにとって大きな不満となる。
【0008】
本発明の目的は、電車に乗車中でも乗客に通信品質が高く、信頼性の高い情報サービスシステムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
車内の乗車者が所持し、認証機能を有する携帯端末と、その携帯端末とローカルに通信できる鉄道車両に設置された第1の通信装置とその通信装置に接続され記憶された情報を更新可能なデータベースとを有する車上情報通信制御装置と、その制御装置に接続され、地上に設置された通信装置との通信を行う第2の通信装置とを備え、車上情報通信制御装置は、携帯端末からの通信要求信号を受信した場合、携帯端末との間で認証処理を実行し、通信要求信号の要求情報がデータベースに記憶されている場合、予め定められた情報サービスメニュー内の情報サービスを送信し、通信要求信号の要求情報がデータベースに記憶されていない場合、携帯端末が予め決められた条件を満たせば、その条件に応じて提供可能な情報サービスを送信する。
【0010】
また鉄道車両の運転ダイヤに支障が発生、または支障が解除された場合、または他の線区で運転障害が発生した場合の障害情報を第2の通信装置が受信した場合は、携帯端末へ、現在配信中の情報に障害情報または障害からの回復情報を示す属性を加えて送信する。
【0011】
またデータベースは、列車の走行予定に基づいた列車の走行線区以外の運行情報提供内容を記憶している。
【0012】
また携帯端末から利用者の行き先情報が受信された場合、車上情報通信制御装置は、その行き先情報に基づいた路線の運行情報または沿線情報を携帯端末へ送信する。
【0013】
また列車に対して情報の送受信可能な通信部と、その受信された情報を表示する表示部と、列車から受信された情報及び車上の情報サービスを利用するための認証情報を記憶するメモリ部と、データを入力可能な入力部と、入力されたデータを処理する情報処理部とを有し、情報処理部は列車との通信を行い、認証情報に基づいて車上の情報サービスを利用可能か否かの認証を行う。
【0014】
また列車の運行状況が示された列車運行障害情報または障害回復情報が受信された場合に、表示部には利用者が要求した情報の表示とは区別して列車運行障害情報または障害回復情報が表示される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施例を説明する。図1に本発明の鉄道情報サービスシステムの全体構成の一例を示す。
【0016】
まず鉄道乗車中に提供される情報サービスを享受したいユーザは、携帯端末1−aを車上情報サービス利用登録装置3で事前に登録する。ここで、1−a,1−bと携帯端末が図中に複数示してあるが、機能は同じものであるので、数字の1は同じで、その後に続くアルファベットの添え字によって使用中の動作状況を区別している。その携帯端末1−aの登録は、登録機能を持ったハード的に取り外せる処理カード2で行う。
【0017】
例えば、図示するように処理カード2を携帯端末1−aから取り外し、車上情報サービス利用登録装置3の取りつけ口14に取りつけ、操作盤15で必要な操作を行う。ここでは、便宜上このような登録手法を示しているが、特に登録手法は、例えば窓口の取り扱い者が行う場合や、事前に登録済みの処理カード2を鉄道情報サービス提供業者が申し込みに従い配布するなど手法が考えられる。
【0018】
また、取り付け口14にわざわざセットしなくても、無線通信機能を介して登録するなど登録手法を用いることを制限するものでは無い。登録情報は、携帯端末には処理カード2内の情報として蓄積され、逆にサービス提供者側のシステムには、図示するように通信網13,通信装置である鉄道事業者情報通信センタ12を通して鉄道車両4に取り付けられた車上情報通信制御装置6にその情報が送信される。登録情報の車上へのセット手法に関しても、特に本発明の本質とは係わらないので、車庫に在線している間にセットしたり、有線用の通信線を列車に接続してセットしたり、また、車上情報通信制御装置6に携帯端末1−bから通信要求が着信した時点で地上側システムに問い合わせる等様々な手法の中で適切な手法を用いれば良い。但し、以下の例では説明の簡単化のために、事前に車上情報通信制御装置6に携帯端末1−bの認証情報がセットされている場合を前提として説明する。
【0019】
前記したように事前に携帯端末をサービスシステムに登録しておき、鉄道車両4に乗車中に鉄道情報サービスを受ける場合は、まず、携帯端末1−bから第1の通信装置である車上情報サービス無線通信装置5に対して接続要求を出力する。車上情報サービス無線通信装置5で受信した情報は車上情報通信制御装置6で処理され、情報サービスが利用可能な登録済みの携帯端末であれば接続を許可する。この認証プロトコルは、車上情報通信制御装置6と処理カード2の間で処理される。後ほど図9を用いて、認証処理の変形例を説明するが、ここでは、携帯端末と列車の車上情報通信制御装置間で認証処理を実施する場合を示している。
【0020】
認証が済むと、データベース9が保有している情報を、データベース管理部8を通して情報サービスメニュー管理部7が処理して、携帯端末1−bに送信する。携帯端末ユーザは、携帯端末1−bに表示される情報サービスメニューに従い、必要な情報を入手する。その際、携帯端末ユーザが必要とする情報がデータベース9に無ければ、携帯端末ユーザは車外通信設備を利用して、そのユーザが契約している情報サービス事業者16、或いは鉄道会社が契約している情報サービス提供可能な情報サービス事業者17に、第2の通信装置である外部通信制御装置10,アンテナ11を用いて鉄道事業者情報通信センタ12,通信網13を経由してアクセスし、情報を入手する。携帯端末ユーザが、別の移動体通信網を経由して情報サービス事業者16にアクセスすることができる環境下にあり、鉄道事業者無線通信網ではなく別の移動体通信網を経由して情報を取得したいと思えば、もちろん、該通信網を利用する操作を行えばよい。
【0021】
但し、その携帯端末が認証結果、登録されていない、またはその携帯端末のユーザが要求する情報がデータベースに記憶されていない場合は、課金等の利用上の条件について携帯端末と車上情報通信制御装置または、情報サービス提供可能な情報サービス事業者間とで通信を行い、その条件を満足した場合に、そのユーザが要求したサービスを受けられる構成とする。
【0022】
つまり本発明では、車内の乗車者が所持し、認証機能を有する携帯端末1−bと、その携帯端末1−bとローカルに通信できる鉄道車両に設置された車上情報サービス無線通信装置5と、その無線通信装置に接続され、更新可能なデータベース9と、車上を伝送する情報の通信を制御する車上情報通信制御装置6と、その制御装置に接続され、地上に設置された鉄道事業者情報通信センタのような通信装置との通信を行うアンテナ11,外部通信制御装置10とを備え、車上情報通信制御装置6は、携帯端末1−bからの通信要求信号を受信した場合、携帯端末1−bとの間で認証処理を実行し、通信要求情報がデータベースに記憶されている場合は予め定められた情報サービスメニュー内の情報サービスを携帯端末へ送信し、通信要求情報がデータベースに記憶されていない場合は、携帯端末1−bが予め決められた条件を満たせば、その条件に応じて提供可能な情報サービスを携帯端末へ送信する。
【0023】
次に図2以降の図面を用いて、機能やシステム動作を詳細に説明する。
【0024】
図2は、携帯端末の機能ブロック図を示している。携帯端末の機能は、ユーザが所望の情報を受信できる環境を提供することである。
【0025】
まず、本発明の車上装置(車上情報サービス無線通信装置5,車上情報通信制御装置6など)を搭載した鉄道車両4上で通信できる環境を整える必要がある。そのために、システムを使用する趣旨の登録ができる機能を有する処理カード(処理カード2,処理カードI/O部21),車上で車上情報通信制御装置6と通信するための機能を有する通信部(無線通信機能部23,アンテナ部29),受信した情報を表示するための表示機能を有する表示部(表示出力制御部24,表示部27),ユーザが要求情報を特定するための入力機能を有する入力部(入出力I/O部25,入出力機器28)を少なくとも具備する。
【0026】
手順としては、まず、処理カード2を用いて、例えば図3に示す手法等で、
IDとパスワードを車上情報サービス利用登録装置3に登録する。その際、情報漏洩防止用の暗号方式や暗号鍵,解読鍵の登録等も一緒に行うこと等も考えられる。
【0027】
しかし、暗号鍵等の登録は、必須条件ではなく、運用上必要であれば行えばよい。暗号に関しては、携帯端末1と車上情報通信制御装置6の間、或いは、携帯端末1と鉄道事業者情報通信センタ12の間で用いるものであり、通信確立時点で互いに使用するものを取り決めても良いので、これはシステム運用時に取り決めればよい。但し、端末のシステムへの事前登録は、情報通信サービス開始のため最低限必要である。
【0028】
ここでの暗号化はメモリ部26に記憶された情報を情報処理部である演算処理部22によって暗号化し、無線通信機能部23,アンテナ部29を介して送信する構成としても良いし、予め暗号化された情報をメモリ部に記憶しておき、それを送信しても良い。
【0029】
システムへ登録した処理カード2が処理カードI/O部21にセットされた状態で、携帯端末1はサービスシステムを搭載した鉄道車両内に持ち込まれ、携帯端末ユーザからの情報取得要求に従い処理を実施する。そのときの制御処理は、演算処理部22,表示出力制御部24,入出力I/O部25,メモリ部26,無線通信機能部23,処理カードI/O部21を備える携帯端末制御処理部20で実施する。
【0030】
また、電源が投入された後、キーボードやペン入力装置,音声入力装置、或いはスピーカ等の出力装置である入出力機器28の入力機器から入出力I/O部25を通して入力されたコマンドを演算処理部22で解釈し、必要な処理を実施後無線通信機能部23にメッセージを出力する。また、これらの処理中に必要であれば表示出力制御部24に、例えば処理の進行状況を示すような表示出力用のデータとコマンドを出力し、表示部27から出力する。これら、演算処理部22での処理は、一般的なマイクロプロセッサとメモリ部26に蓄積されたプログラムや一時作業メモリ等を用いて実施可能である。メモリ部26は、ROM(Read only memory),RAM(Random Access Memory)やディスク装置等をさしている。メモリ部26は、プログラムやOS(Operating System)等を蓄積したり、処理カードI/O部から入力された車上の情報サービスを利用できるように登録した認証情報などを蓄積したり、演算に必要な一時メモリを提供したり、データを蓄積するための機能を実現するものであり、一般的な機能部品で構成されるものである。
【0031】
無線通信機能部23からアンテナ部29を通して送信された情報要求信号が、図1に示した車上情報通信制御装置6に送信され、その情報がデータベース9に蓄積されていれば、データベース9から情報が取り出され、要求が出された携帯端末1に応答が返信される。もし、データベース9に、要求された情報が無ければ、この場合に準備された手順に従いユーザへの確認処理が行われることになる。この手順に関しては後述する。
【0032】
まず、図3で処理カード2のID登録手順に関して説明する。処理カード2は、モバイル通信等に必要な認証機能や通信する信号の暗号化等の機能を実施できる構造のものを使用する。このようなカード機能は、最近のメモリカードやICカード技術の進歩により簡単に入手できる。ここで、認証処理や暗号化処理の実施機能を持たせたものを前提としたのは、通信にかかわる処理を携帯端末制御処理部20から分離し、適切に負荷分散を図る目的で分離した。しかし、この処理カード2を分離して使用する構造は唯一ではなく、機能的に変形例もありえる。一変形例として、図9に示すように携帯端末1に車上情報サービス利用登録装置I/O部100を具備させ、前記処理カードが実施する機能を演算処理部22で実施する構造も可能である。つまり単に処理カードには情報を格納できる機能を有し、処理カードI/O部に装着された後に、携帯端末制御処理部20内の演算処理部にて認証を行っても良い。
【0033】
図3では、図1に示したように例えば一般的なプリペイドカードの積み増しするような装置を想定して、手順を示している。特に図3に示す手順は、本発明とは密接に関係していないので基本手順のみ示している。
【0034】
手順1で処理カード2を車上情報サービス利用登録装置3にセットし、案内手順に従い手順2で必要な情報を操作盤15から入力する。セットする情報としては、例えばパスワードや料金の支払いに必要な情報を入力する。この時点で、例えば、車上情報サービス利用登録装置3からID情報が処理カード2にセットされる。また、必要に応じて、暗号手法や暗号鍵,解読鍵等のネゴシエーションをすればよい。システム動作上必要事項がセットされたら手順3に移行するが、間違いや情報不足等があった場合は、手順2を繰り返す。手順3は、セットした情報が正しいことの確認段階を示したものであり、入力が正しければ確認し、登録完了となるが、間違っていれば手順2に戻り、再度情報をセットし直し登録を完了する。この図3に示す手順は、一般的な情報のセット手順であり、図3に示す流れに必ずしも完全に合致する必要は無い。要は、情報サービスを受けたいユーザが、サービスを実際に受ける前に正当なユーザからの情報サービス要求であることを、サービス提供システムが判断できるように事前準備できればよいので、ユーザ自身が行わなくても、サービス提供者側や第3者にセットしてもらっても構わないし、別の認証方法、例えばIDコードと指紋やその他身体的特徴等の組み合わせでも本発明には特に影響は無い。
【0035】
前述のようにID登録と、認証の準備が完了すれば、車上での情報サービス授受の準備が整ったことになり、次は実際に情報のサービスの享受となる。図4,図5を用いて、データベース9に、サービス利用ユーザの要求した情報がセットされている場合とセットされていない場合の基本通信フローについて説明する。まず、図4を用いて車上情報通信制御装置6に既に蓄積されている情報を、携帯端末1が要求し情報を受信する基本フローを説明する。
【0036】
図4で、左側の上から下に流れるフローが携帯端末1の処理フロー30であり、右側の上から下に流れるフローが車上情報通信制御装置6の処理フロー31である。ここでは、携帯端末1は電源断の状態で電源が投入された動作から、車上情報通信制御装置6は既に電源が投入されており、動作状態にある状態から通信が開始される一般的な場合について例示している。
【0037】
まず、ユーザが処理32で示すように電源を投入し車上情報通信制御装置6との通信サービスを希望すれば、車上情報通信制御装置6と通信を確立するための認証処理34を起動する。そして、認証信号授受34を車上情報通信制御装置6との間で取り交わす。車上情報通信制御装置6は、起動中であり情報サービス処理稼動状態33であることを前提としているので、認証信号を受け付ければ、即認証処理36を実施し、正当な認証要求であれば、処理37で、車上情報通信制御装置6のデータベース9に既に蓄積されている情報内容を少なくとも図10に示すフォーマットに従い構築して、さらに提供可能な他の情報サービスを示す情報と共に携帯端末1に送信し、情報サービス要求を送信してきた携帯情報端末に対してサービス要求受け付け状態39に遷移する。
【0038】
携帯端末1は認証OK確認処理38で正当なユーザであると認められたと確認後、処理40で、図10に示すフォーマットに従って送られてきた情報の、例えばジャンルとタイトルだけを簡潔に一覧で表示部27に表示してユーザに情報要求指令の入力を促し、ユーザ入力に従い情報取得要求メッセージの作成と送信処理を実施する。
【0039】
その要求メッセージを受信した車上情報通信制御装置6は、データベース9を検索し、蓄積されている情報であると判断後、データベース9から情報を取り出し送信する処理41を実施後、再びサービス要求受け付け状態39に遷移する。受信した携帯端末1は、該情報を受信後表示部27に表示する処理43を実施し、ユーザからの要求待ち受け状態44に遷移する。
【0040】
以上図4に示した手順は、障害等が発生していない場合であり、現実的には、通信処理の授受が失敗した場合や、異なる手順での認証処理,情報の信頼性向上のための通信処理など様々な通信フローも考えられるが、説明の簡単化のためにこれらの場合を省いているに過ぎない。通信フローの細かな部分に関しては、本発明は特にこだわらない。
【0041】
図10に示す情報のフォーマットは特にこれに限定されるものではないが、ユーザが見て検索しやすいような代表的な形式になっている。例えば、整理番号は詳細情報を要求するときに、整理番号だけで識別したり、ジャンルやタイトルは検索を容易にするし、更新日時は情報の鮮度を認識するのに役立つ。内容は文字通り内容を保持する領域であり、その他は、付加的な情報の追加に使用する。ここでは、整理番号001に運行情報、002にニュース、003にスポーツ情報、nnnに外部情報サービスがセットされている例を示している。ここで、整理番号nnnの列に示す情報が、本発明で一つの特徴となるサービスの提供を表示する情報となる。即ち、ユーザがデータベース9で提供される情報以外の情報を取得したい場合は、ここの欄に示してある情報を見て、外部への情報をアクセスするかどうか判断する。外部へアクセスしたいと判断すれば、この列に示されたサービスを要求すればよい。
【0042】
そのサービスでは、列車に乗車中に、図1に示した列車通信用に設備された鉄道事業者無線通信設備を使用するので、列車専用の無線通信環境を使用できることになる。
【0043】
次に図5を用いて、データベース9に要求された情報が無い場合のフローについて説明する。図5では、図4に示した認証処理、データベース9に蓄積された情報サービス内容の表示までは同一であるので、処理40まで終了後のフローを示す。例えば、携帯端末1のユーザが、インターネット網への接続や特定機関への接続を要求した場合は、車上情報通信制御装置6ではその情報がデータベース9に蓄積されていないので、処理51で鉄道事業者情報通信センタ12との接続を希望するかどうか問い合わせる確認信号を作成し、携帯端末1宛に送信する。携帯端末ユーザが、処理52で接続を希望すると、車上情報通信制御装置6は、処理53で鉄道事業者情報通信センタ12に向けて、携帯端末1からの情報を送信する。情報を受信した鉄道事業者情報通信センタ12では、鉄道事業者情報通信センタ内での処理を示すフロー50上の処理54で受信した情報を処理し、要求された情報が鉄道事業者情報通信センタ内に蓄積された情報であれば情報を取り出して送信し、無ければ他の情報サービス事業者16や17にアクセスし要求された情報を取得後、車上情報通信制御装置6に送信する。情報を受信した車上情報通信制御装置6は、情報要求した携帯端末1に転送する。情報を受信した携帯端末1は、図4の説明でも述べたように情報を受信後表示部27に表示する処理43を実施し、ユーザからの要求待ち受け状態44に遷移する。
【0044】
図5に示した手順も、障害等が発生していない場合であり、現実的には、通信処理の授受が失敗した場合や、異なる手順での認証処理,情報の信頼性向上のための通信処理など様々な通信フローも考えられるが、説明の簡単化のためにこれらの場合を省いているに過ぎない。通信フローの細かな部分に関しては、本発明は特にこだわらない。
【0045】
図6は、鉄道サービス上有効な運行管理情報を携帯端末ユーザに送信する手順の一例を示したものである。
【0046】
図6に於いても、図4に示した認証処理、データベース9に蓄積された情報サービス内容の表示までは同一であるので、処理40まで終了後のフローを示す。
【0047】
携帯端末ユーザが処理60に示すように、自分の行き先や経由線区を通知して、列車での旅行に関連する情報のサービスを希望することを望むと、行き先や経由線区等の旅行行程情報を通知するための電文61を車上情報通信制御装置6に送信する。携帯端末1,車上情報通信制御装置6,鉄道事業者情報通信センタ12間は、図4,図5に示したような情報の授受動作62,63が平行して行われる状態にある。列車の運行情報は、処理64に示すように鉄道事業者情報通信センタ12に集められ、処理65で鉄道事業者情報通信センタ12内の情報を随時更新する。更新された情報がある都度、或いは定時送信などの手法で、運行情報60を車上情報通信制御装置6に送信する。また車上情報通信制御装置6では、ユーザから、情報を受信していない線区の運行情報や、下車予定駅の周辺情報等のサービス要求があった場合は、授受動作67を実施して収集する。このようにして集めた情報を、情報サービス要求のあった携帯端末1からの行き先や経由線区等の旅行行程情報にあわせて、通知すべき線区の運行情報や沿線情報を処理68で選定し、携帯端末1に送信する。その情報を受信した携帯端末1は、受信した情報に応じて適切な表示手法で表示するための処理69を実施し、表示部27に情報を表示する。
【0048】
図6では、行き先や経由線区等の旅行情報を通知してきた携帯端末1に対するサービス概要を示したが、もし行き先や経由線区等の旅行行程情報を通知するための電文61を、携帯端末1が送信しなかった場合は、車上情報通信制御装置6が送信するデフォルトの運行情報や沿線情報を携帯端末1は受信して表示する。デフォルトの運行情報や沿線情報等は、例えば、当該列車が走行中の線区や隣接する線区の情報を送信するようにする。
【0049】
また、列車が近距離の普通列車であれば、近距離情報を中心にデフォルトの情報を生成し、遠距離特急列車などであれば遠距離情報等も含めて情報を生成する。もし、行き先や経由線区等の旅行情報を送信はしていないが、前記デフォルトで送信してくる情報以外の運行情報等がほしい場合は、携帯端末1のユーザがほしい線区の要求情報をセットすれば、携帯端末1は要求するメッセージを作成し車上情報通信制御装置6に送信する。受信した車上情報通信装置は、図4,図5に示したように要求情報がデータベース9に蓄積されているかどうかで処理が分かれるが、必要情報を生成するために必要な動作を実施し情報を生成して要求してきた携帯端末1に対して応答する。
【0050】
つまり、携帯端末1−bからユーザの行き先情報が受信された場合、車上情報通信制御装置6は、その行き先情報に基づいた路線の運行情報または沿線情報を携帯端末へ送信することで、乗車しているユーザは鉄道車両内で要求した情報が随時入手でき安心して行き先までの乗車ができる。
【0051】
図7は、携帯端末1の表示の一例を示している。表示部27に情報サービスメニュー表示例70,ユーザが要求したサービスを出力している画面71,運行情報を表示する画面72を示している。また、操作部73は、例えば操作ボタンやキーボード的な機能を想定したものであり、一般的な操作機能部である。該操作部を通して、ユーザは情報サービスを要求する種別を選択したり、画面の表示設定等の入力を行う。
【0052】
また、操作部は、ここに示すように独立した領域を確保するものに限定されるものではなく、タッチパネル式等表示部に機能を持たせたものであっても構わない。表示画面配置や表示上内容には特に意味は無く、あくまで例である。また、常に3画面表示である必要も無く、どれか一つの情報だけを表示するように設定する機能があっても問題は無い。但し、運行情報等で障害が発生した等の属性がついた情報は、受信した時点で、運行情報の表示ウィンドが開かれていなくても、本図に示すように他の情報の表示ウィンドにオーバーレイして表示したり、図8に示すように何かしら運行障害が発生したことを示す表示80を出力し、ユーザに注意を喚起する表示を行い、ユーザが必要であれば運行情報を表示する画面72を出力させる操作を行う。
【0053】
つまり列車の運行状況が示された列車運行障害情報または障害回復情報が通信部を介して受信された場合に、表示部には利用者が要求した情報の表示とは区別して列車運行障害情報または障害回復情報が表示される構成にすることで、ユーザに分かりやすく、早急に注意を促すことが可能となる。
【0054】
図9は、携帯端末1の構成の変形例である。図1や図2では、認証や暗号化処理を処理カード2で実施する携帯端末を想定して例示したが、処理は、独立した処理カードだけでしか実施できないものではなく、演算処理部22でも実施させることができ、この処理構造とした場合の構成例である。処理カードI/O部21の代わりに、車上情報サービス利用登録装置I/O部100を具備している。
【0055】
本構成とすると、図1に示したように処理カード2が分離できない構造であるので、携帯端末1自体を車上情報サービス利用登録装置3にセットして、登録を行うことになるが、本発明の鉄道情報サービスシステムとして本質的機能が変化するものではない。
【0056】
以上、本発明の各実施例によれば、乗車中のユーザの選択で、該ユーザが持つ携帯端末がサービスを受ける事が出きるサービスセンタと通信するために、公衆通信環境に比較してより安定した通信環境を用いて情報取得サービスを代行し、スピーディーに情報を提供できる。
【0057】
また携帯端末で実施するアプリケーション処理と、登録や認証,暗号化処理等を実施するデバイスを独立させる構成によって、様々な仕様の携帯端末で情報提供サービスを容易に受ける事ができる携帯端末が提供できる。
【0058】
また情報サービスシステムに登録したユーザに対して、運転障害の発生や復旧等鉄道旅行者に対して重大な意味を持つ情報を、随時提供できる情報サービスシステムが提供できる。
【0059】
また情報サービスシステムに登録したユーザで予め目的地を鉄道車両に設置された通信システムに対してセットすれば、自動的に路線の運行情報や沿線情報等を提供できる。
【0060】
【発明の効果】
本発明により電車に乗車中でも乗客に通信品質が高く、信頼性の高い情報サービスシステムが提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鉄道情報サービスシステムの一構成例を示す図である。
【図2】本発明に係る携帯端末の一構成例を示す図である。
【図3】本発明のID登録処理の一例を示す図である。
【図4】本発明の携帯端末と車上情報通信制御装置間通信フローを示す図である。
【図5】本発明に係る鉄道情報サービスシステムの情報通信フローの一例を示す図である。
【図6】本発明に係る運行管理情報送信処理フローの一例を示す図である。
【図7】本発明に係る運行管理情報の出力処理表示画面の一例を示す図である。
【図8】本発明に係る運行管理情報の出力処理表示画面の一例を示す図である。
【図9】本発明に係る携帯端末の他の構成例を示す図である。
【図10】本発明に係るデータベースの内容を示す情報フォーマットの一例を示す図である。
【符号の説明】
1…携帯端末、2…処理カード、3…車上情報サービス利用登録装置、4…鉄道車両、5…車上情報サービス無線通信装置、6…車上情報通信制御装置、7…情報サービスメニュー管理部、8…データベース管理部、9…データベース、10…外部通信制御装置、11…アンテナ、12…鉄道事業者情報通信センタ、13…通信網、14…取りつけ口、15…操作盤、16,17…情報サービス事業者、20…携帯端末制御処理部、21…処理カードI/O部、22…演算処理部、23…無線通信機能部、24…表示出力制御部、25…入出力I/O部、26…メモリ部、27…表示部、28…入出力機器、29…アンテナ部、100…車上情報サービス利用登録装置I/O部。
Claims (6)
- 車内の乗車者が所持し、認証機能を有する携帯端末と、
前記携帯端末とローカルに通信できる鉄道車両に設置された第1の通信装置と、前記第1の通信装置に接続され、記憶された情報を更新可能なデータベースとを有する車上情報通信制御装置と、
前記車上情報通信制御装置に接続され、地上に設置された通信装置との通信を行う第2の通信装置とを有し、
前記車上情報通信制御装置は、前記携帯端末からの通信要求信号を受信した場合、前記携帯端末との間で認証処理を実行し、
受信された前記通信要求信号の要求情報が前記データベースに記憶されている場合、予め定められた情報サービスメニュー内の情報サービスを前記携帯端末へ送信し、
前記通信要求信号の要求情報が前記データベースに記憶されていない場合、前記携帯端末が予め決められた条件を満たした場合に前記条件に応じた提供可能な情報サービスを前記携帯端末へ送信することを特徴とする鉄道情報サービスシステム。 - 請求項1項記載の鉄道情報サービスシステムにおいて、
鉄道車両の運転ダイヤに支障が発生、または支障が解除された場合、または他の線区で運転障害が発生した場合の障害情報を前記第2の通信装置が受信した場合は、
前記第1の通信装置を介して前記携帯端末へ、前記携帯端末に配信中の情報に前記障害情報または前記障害からの回復情報を示す属性を加えて送信することを特徴とする鉄道情報サービスシステム。 - 請求項2項記載の鉄道情報サービスシステムにおいて、
前記データベースは、列車の走行予定に基づいた前記列車の走行線区以外の運行情報提供内容を記憶していることを特徴とする鉄道情報サービスシステム。 - 請求項1乃至3のいずれか1項記載の鉄道サービスシステムにおいて、
前記携帯端末から前記第1の通信装置を介して利用者の行き先情報が受信された場合、車上情報通信制御装置は、前記行き先情報に基づいた路線の運行情報または沿線情報を前記第1の通信装置を介して前記携帯端末へ送信することを特徴とする鉄道情報サービスシステム。 - 列車に対して情報の送受信可能な通信部と、
前記受信された情報を表示する表示部と、
前記列車から受信された情報及び車上の情報サービスを利用するための認証情報を記憶するメモリ部と
データを入力可能な入力部と、
前記入力されたデータを処理する情報処理部とを有し、
前記情報処理部は、通信部を介して前記列車との通信を行い、前記認証情報に基づいて前記車上の情報サービスを利用可能か否かの認証を行うことを特徴とする携帯端末。 - 請求項5項記載の携帯端末において、
列車の運行状況が示された列車運行障害情報または障害回復情報が前記通信部を介して受信された場合に、前記表示部には利用者が要求した情報の表示とは区別して前記列車運行障害情報または障害回復情報が表示されることを特徴とする携帯端末。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002358835A JP2004193917A (ja) | 2002-12-11 | 2002-12-11 | 鉄道情報サービスシステム及びそれに用いられる携帯端末 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017011673A (ja) * | 2015-06-24 | 2017-01-12 | 財團法人工業技術研究院Industrial Technology Research Institute | ユーザ機器をpost認証する方法、コントローラおよびネットワークシステム |
CN113345115A (zh) * | 2021-05-26 | 2021-09-03 | 中国铁道科学研究院集团有限公司电子计算技术研究所 | 铁路服务方法、装置和电子设备 |
-
2002
- 2002-12-11 JP JP2002358835A patent/JP2004193917A/ja active Pending
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