JP2004192909A - 導光板及びこの導光板を用いた面光源装置並びにこれを用いた表示装置 - Google Patents
導光板及びこの導光板を用いた面光源装置並びにこれを用いた表示装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】この発明は、出射光量を可変にでき、輝度の均一性を向上させ、外形形状が殆ど変化しない導光板を提供することを目的とする。
【解決手段】この発明は、光を入射する側面に対して平行に延びるプリズム18が上面に形成された導光板14において、プリズム18の長さ方向の断面は山形に形成される。そして、少なくとも光入射側の斜面のなす角度(α)並びに頂角(γ)が入射側からの距離により異なるように形成され、α角は、光入射側から遠ざかるほど大きくする。
【選択図】 図2
【解決手段】この発明は、光を入射する側面に対して平行に延びるプリズム18が上面に形成された導光板14において、プリズム18の長さ方向の断面は山形に形成される。そして、少なくとも光入射側の斜面のなす角度(α)並びに頂角(γ)が入射側からの距離により異なるように形成され、α角は、光入射側から遠ざかるほど大きくする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、導光板及びこの導光板を用いた面光源装置並びにこれを用いた表示装置に関し、特に、液晶表示装置に適用され、複数のプリズムが上面に形成された導光板、面光源装置並びに表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の軽量化、小型化及び低消費電力化を図る技術は著しく発展してきている。この技術の流れの中で、液晶表示装置に代表される非発光表示デバイスを用いることにより、電子機器が軽量化、小型化され、しかも低消費電力化されてきている。
【0003】
液晶表示装置としては、透過型と反射型とがあり、透過型の液晶表示装置には、液晶表示装置を裏側から照明する照明装置、いわゆるバックライトが設けられ、反射型の液晶表示装置には、液晶表示装置を表側から照明する照明装置、いわゆるフロントライトが設けられている。
【0004】
これらの照明装置は、線状光源と、この線状光源の光を一端面より入射され、表裏のいずれか一面より平面的に分散させて出射させる面状の導光板とを備えた面光源装置が知られている。
【0005】
従来のこの種の導光板を用いた面光源装置としては、例えば、図6に示すような液晶表示装置1に適用されたものがある。同図に示すように、この液晶表示装置1は、反射型の液晶パネルユニット2、液晶パネルユニット2の上面に配置された導光板3、及び導光板3の一側面3aに平行に延びる線状光源4と、を備える。導光板3の上面3bには、線状のプリズム5が側面3aと平行に多数形成されている。
【0006】
図7に示すように、各プリズム5、5…の長さ方向の断面は山状に形成され、側面3aに対峙する側の斜面7は反射面を形成する。即ち、線状光源4から側面3aを経て導光板3内に入射された光は、同図に一点鎖線の矢印6で示すように、各反射面7、7…で反射され下面3cから出射される。この出射光は、液晶パネルユニット2内の図示しない反射部材によって反射された後、同図に二点鎖線の矢印8で示すように導光板3を通過して上面3bから外方に出射される。
【0007】
尚、各プリズム5、5…は、線状光源4から離れた位置に形成されているものほど、反射面7の高さ寸法H、即ち、面積が大きくなるように形成されている。これによって、線状光源4から離れた(反射面7への入射光量の小さい)場所でも、線状光源4に近い(反射面7への入射光量の大きい)場所と同等の出射光量を得ることができ、下面3c全体に亘って均一な輝度分布を得ることができる。このように、出射する光量が均一になるように、線状光源から離れるに従い反射面を構成する為の溝の深さを順次深くしたり、溝のピッチを順次狭くする方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
上記したように、フロントライト導光板においては、複数のプリズムを一定深さの連続パターンにした場合、輝度均一性が著しく低下する。輝度均一性を向上させるためには、線状光源から離れた位置に形成されているものほど、反射面の面積が大きくなるように溝の深さを深くするなどの方法が用いられている。反射面の面積を大きくする方法としては、溝の深さを線状光源から離れた位置に形成されているものほど深くする、いわゆる深さ可変パターン、或いは、山形プリズムの入射角度を大きくしていく入射側角度可変パターン(以下、α角可変パターンという。)を実施している。
【0009】
深さ可変パターンは、導光板の外形形状が太鼓形状となり、液晶モジュールの薄肉化の障害になる。α角可変パターンは、外形形状が殆ど変化しないために、液晶モジュールの薄肉化、生産性にも有利である。
【0010】
上記したα角可変パターンは、図8に示すように、各々のプリズム5の頂角をγ、プリズム5の斜面と導光板3の下面3cとがなす入射側角度をα、及び反射面と導光板3の下面3cとがなす角をβとした場合、α角を線状光源から離れた位置に形成されているものほど大きくする。尚、各プリズム5,5…間のピッチ(各谷間間の距離)は一定としている。
【0011】
従来のα角可変パターンの導光板において、光の入射側からの距離に対する視野角のピーク角度を測定した。測定は、導光板として、入射面の高さが1.0mm、幅寸法Wが74.2mm、長さ寸法Lが56.56mmのものを用い、各プリズム間のピッチは140μm、α角は最初のプリズムが1.6°、反射面のなす角度(以下、β角という)は46°で徐々に変化させ、α角を大きくした。そして、図11に示すように、12個の測定ポイントで光度ベースでの視野角を測定した。
【0012】
図11の測定ポイントは、表1に示す座標位置(mm)である。
【0013】
【表1】
【0014】
それぞれ視野角として10°、20°、30°にピークがくるよう設計した導光板を用いて測定し、その結果を図12乃至図14並びに表2乃至表4に示す。図12及び表2は視野角10°の時にピークがくるように設計した導光板、図13及び表3は視野角20°の時にピークがくるように設計した導光板、図14及び表4は視野角30°の時にピークがくるように設計した導光板の測定結果である。
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】
【表4】
【0018】
これらの図及び表に示すように、従来のα角可変の導光板においては、光の入射側からの距離の違いにより視野角のピーク角度が異なるという問題があった。
【0019】
導光板は、所定の金型を形成し、この金型を用いて、透明の樹脂を用いた樹脂成形により形成される。しかし、プリズムを形成するために金型を加工する工具頂角が一定なため、α角を可変にするに従い、β角も変化するからである。即ち、各プリズムの頂角が一定なまま入射角を変化させていることに起因する。即ち、図10に示すように、所定の頂角に設定した工具を用いて、入射側のα角を変更させるために工具の角度を変化させて加工すると、入射側のα角の変化に依存して、β角も変化する。図9に示すように、α角を大きくするに従って、β角は小さくなってしまう。図9において、α1<α2<α3の場合、β1>β2>β3となる。尚、頂角γは一定である。
【0020】
このように、α角可変の従来の導光板では、光の入射側からの距離の違いにより視野角のピーク角度が異なり、輝度にばらつきが生じる。
【0021】
【特許文献1】
特開2001−343532号公報 段落番号0004 図42(a)
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来のα角可変の導光板においては、光の入射側からの距離の違いにより視野角のピーク角度が異なるため、輝度均一性が低下するという問題があった。
【0023】
この発明は、上記した従来の問題点に鑑みなされたものにして、出射光量を可変にでき、輝度の均一性を向上させ、外形形状が殆ど変化しない導光板を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
この発明の導光板は、光を入射する側面に対して平行に延びるプリズムが上面に形成された導光板において、前記プリズムの長さ方向の断面は山形に形成され、且つ少なくとも光入射側の斜面のなす角度並びに頂角が入射側からの距離により異なるように形成されたことを特徴とする。
【0025】
そして、前記プリズムの反射面側の斜面のなす角度を入射側からの距離により異なるように形成してもよい。
【0026】
上記したように、線状光源に沿う方向において、当該線状光源からの距離に対する入射側の角度を調整にすることによって、線状光源に沿う方向における輝度を一定に揃えることができる。しかも、出射側の角度を入射側の角度に依存することなくを任意に調整することで、視野角のピーク角度も一定にできる。
【0027】
又、それぞれの角度を独自に可変することで、出射光量を可変させることができ、輝度均一性を改善することができる。
【0028】
また、この発明は、上記した導光板を備える面光源装置並びにこの面光源装置を備える表示装置を提供することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図1ないし図5に基づいて説明する。図1はこの発明の実施形態にかかる液晶表示装置の斜視図、図2は図1のI−I線断面図である。
【0030】
この発明にかかる液晶表示装置10は、板状の液晶パネルユニット12、液晶パネルユニット12の上面に配置された導光板14及び導光板14の側面14aに延びる線状光源16を備える。このうち、液晶パネルユニット12は、反射型のもので、図には詳細に示さないが、ガラス基板上に、反射板、液晶層、カラーフィルタ、ガラス板及び偏光板をこの順序で積層したものである。導光板14は、透光性部材である例えば透明のアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等により略平板状に形成されてなり、その上面14bには、後述する線状プリズム18が互いに平行して多数形成されている。線状光源16としては、熱陰極管や冷陰極管等の蛍光灯、或いは発光ダイオードを線状に配列したもの、発光ダイオードなどの点光源と線状導光板を用いたもの、白熱灯又は有機材料を線状に形成したものが用いられる。
【0031】
図2に示すように、各線状プリズム18,18…の長さ方向の断面は山状に形成され、各々山を形成する2つの斜面20及び22の内線状光源16に対峙する斜面22は、線状光源16から入射される光を反射するための反射面を形成する。即ち、線状光源16から入射される光は、導光板14内に側面14aから入射され、同図に一点鎖線の矢印24で示すように、各プリズム18,18…が形成する各反射面22,22…で反射された後、導光板14の下面14cから出射される。この出射光は、液晶パネルユニット12に照射され、上述した液晶層などを透過した後、反射板によって上方に反射され、再度液晶層を透過する。そして、この液晶層を透過した光が、同図二点鎖線の矢印26で示すように、導光板14を透過して導光板14の上面14bから外方に出射される。
【0032】
図2に示すように、各々のプリズム18の頂角をγ、斜面20と導光板14の下面14cとがなす入射側角度をα、及び反射面22と導光板14の下面14cとがなす角をβとする。そして、この実施形態では、少なくとも頂角γとα角を可変にしている。そして、各プリズム18,18…間のピッチ(各谷間間の距離)Pは一定としている。
【0033】
上記のように、各プリズム18,18…の各頂角γは可変に形成され、入射側角度αを可変にし、線状光源16から離れた位置に形成されるほど入射角度αを大きくしている。そして、各頂角γを可変にし、反射面22と導光板14の下面14cとなす角βも必要に応じて最適な視野角になるように可変にしている。図3に示すものは、頂角γとα角を可変にし、β角を一定にしたもの、図4に示すものは、頂角γ、α角、β角を可変にしたものである。
【0034】
このように、各プリズム18,18…は、線状光源16から離れた位置に形成されているものほど、α角を大きくして反射面22の面積が大きくなるように形成されている。図3に示す例では、入射側からα1<α2<α3とした場合、頂角γ1>γ2>γ3、β角は一定にしている。また、図4に示す例では、入射側からα1<α2<α3とした場合、頂角γ1>γ2>γ3、β1<β2<β3としている。
【0035】
尚、この第1の実施形態では、導光板14として、幅寸法が74.3mm、長さ寸法が56.56mm、厚さ寸法Tは、側面14aにおいてT=1.00mmとしている。
【0036】
上記した導光板14においては、導光板14の側面より入射した光は導光板内を伝播して行き、β角で形成されるプリズム18の反射面22に反射され、液晶パネルユニット12側へ出射される。そして、この実施形態では、入射側のα角度の可変分に依存することなく、β角度を形成することで、入射側からの距離の違いに関わらず視野角のピーク角度を一定にすることができる。視野角のピーク角度を一定にすることで、輝度均一性を向上させることができる。
【0037】
このように、線状光源16に沿う方向において、当該線状光源16からの距離に対するプリズムの入射側のα角を調整にすることによって、線状光源16に沿う方向における輝度を一定に揃えることができる。しかも、β角を任意に調整することで、視野角のピーク角度も一定にできる。
【0038】
又、それぞれの角度を独自に可変することで、出射光量を可変させることができ、輝度均一性を改善することができ、しかも外形形状が太鼓形状になることがなくほぼフラットな導光体形状を得ることができる。
【0039】
上記した導光板14を作成するには、導光板14の金型加工を導光板での頂角よりも小さな頂角の工具を用いて、例えば、図5に示すように、2回加工することにより、入射側のα角の可変とは依存せずに、α角を変化させると共に、頂角γ、反射側角βを所定の角で加工できる。即ち、図5(a)から(c)に示すように、工具の角度を変更させて2回加工することで、α角度可変分に依存することなくβ角度を形成することができる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、線状光源に沿う方向において、当該線状光源からの距離に対するプリズムの入射側のα角を調整にすることによって、線状光源に沿う方向における輝度を一定に揃えることができる。しかも、β角を任意に調整することで、視野角のピーク角度も一定にできる。
【0041】
又、それぞれの角度を独自に可変することで、出射光量を可変させることができ、輝度均一性を改善することができ、しかも外形形状が太鼓形状になることがなくほぼフラットな導光体形状を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の実施形態にかかる液晶表示装置の斜視図である。
【図2】図1のI−I線断面を示す図で、導光板に形成されたプリズムの形状を示す部分拡大図である。
【図3】この発明のα角可変の導光板に形成されたプリズムの形状を示す部分拡大図である。
【図4】この発明のα角可変の導光板に形成されたプリズムの形状を示す部分拡大図である。
【図5】この発明に係るα角可変の導光板のプリズムを形成する金型の製造方法を示す模式図である。
【図6】従来の面光源装置を用いた液晶表示装置を示す概略斜視図である。
【図7】図6のII−II線断面を示す図で、導光板に形成されたプリズムの形状を示す部分拡大図である。
【図8】従来のα角可変の導光板を示す側面図である。
【図9】従来のα角可変の導光板に形成されたプリズムの形状を示す部分拡大図である。
【図10】従来のα角可変の導光板のプリズムを形成する金型の製造方法を示す模式図である。
【図11】導光板の光強度を測定した位置を示す平面図である。
【図12】視野角10°の時にピークがくるように設計した導光板の視野角と光強度の関係を示す特性図である。
【図13】視野角20°の時にピークがくるように設計した導光板の視野角と光強度の関係を示す特性図である。
【図14】視野角30°の時にピークがくるように設計した導光板の視野角と光強度の関係を示す特性図である。
【符号の説明】
10 液晶表示装置
12 液晶パネルユニット
14 導光板
14a 側面
16 線状光源
18 プリズム
【発明の属する技術分野】
この発明は、導光板及びこの導光板を用いた面光源装置並びにこれを用いた表示装置に関し、特に、液晶表示装置に適用され、複数のプリズムが上面に形成された導光板、面光源装置並びに表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の軽量化、小型化及び低消費電力化を図る技術は著しく発展してきている。この技術の流れの中で、液晶表示装置に代表される非発光表示デバイスを用いることにより、電子機器が軽量化、小型化され、しかも低消費電力化されてきている。
【0003】
液晶表示装置としては、透過型と反射型とがあり、透過型の液晶表示装置には、液晶表示装置を裏側から照明する照明装置、いわゆるバックライトが設けられ、反射型の液晶表示装置には、液晶表示装置を表側から照明する照明装置、いわゆるフロントライトが設けられている。
【0004】
これらの照明装置は、線状光源と、この線状光源の光を一端面より入射され、表裏のいずれか一面より平面的に分散させて出射させる面状の導光板とを備えた面光源装置が知られている。
【0005】
従来のこの種の導光板を用いた面光源装置としては、例えば、図6に示すような液晶表示装置1に適用されたものがある。同図に示すように、この液晶表示装置1は、反射型の液晶パネルユニット2、液晶パネルユニット2の上面に配置された導光板3、及び導光板3の一側面3aに平行に延びる線状光源4と、を備える。導光板3の上面3bには、線状のプリズム5が側面3aと平行に多数形成されている。
【0006】
図7に示すように、各プリズム5、5…の長さ方向の断面は山状に形成され、側面3aに対峙する側の斜面7は反射面を形成する。即ち、線状光源4から側面3aを経て導光板3内に入射された光は、同図に一点鎖線の矢印6で示すように、各反射面7、7…で反射され下面3cから出射される。この出射光は、液晶パネルユニット2内の図示しない反射部材によって反射された後、同図に二点鎖線の矢印8で示すように導光板3を通過して上面3bから外方に出射される。
【0007】
尚、各プリズム5、5…は、線状光源4から離れた位置に形成されているものほど、反射面7の高さ寸法H、即ち、面積が大きくなるように形成されている。これによって、線状光源4から離れた(反射面7への入射光量の小さい)場所でも、線状光源4に近い(反射面7への入射光量の大きい)場所と同等の出射光量を得ることができ、下面3c全体に亘って均一な輝度分布を得ることができる。このように、出射する光量が均一になるように、線状光源から離れるに従い反射面を構成する為の溝の深さを順次深くしたり、溝のピッチを順次狭くする方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
上記したように、フロントライト導光板においては、複数のプリズムを一定深さの連続パターンにした場合、輝度均一性が著しく低下する。輝度均一性を向上させるためには、線状光源から離れた位置に形成されているものほど、反射面の面積が大きくなるように溝の深さを深くするなどの方法が用いられている。反射面の面積を大きくする方法としては、溝の深さを線状光源から離れた位置に形成されているものほど深くする、いわゆる深さ可変パターン、或いは、山形プリズムの入射角度を大きくしていく入射側角度可変パターン(以下、α角可変パターンという。)を実施している。
【0009】
深さ可変パターンは、導光板の外形形状が太鼓形状となり、液晶モジュールの薄肉化の障害になる。α角可変パターンは、外形形状が殆ど変化しないために、液晶モジュールの薄肉化、生産性にも有利である。
【0010】
上記したα角可変パターンは、図8に示すように、各々のプリズム5の頂角をγ、プリズム5の斜面と導光板3の下面3cとがなす入射側角度をα、及び反射面と導光板3の下面3cとがなす角をβとした場合、α角を線状光源から離れた位置に形成されているものほど大きくする。尚、各プリズム5,5…間のピッチ(各谷間間の距離)は一定としている。
【0011】
従来のα角可変パターンの導光板において、光の入射側からの距離に対する視野角のピーク角度を測定した。測定は、導光板として、入射面の高さが1.0mm、幅寸法Wが74.2mm、長さ寸法Lが56.56mmのものを用い、各プリズム間のピッチは140μm、α角は最初のプリズムが1.6°、反射面のなす角度(以下、β角という)は46°で徐々に変化させ、α角を大きくした。そして、図11に示すように、12個の測定ポイントで光度ベースでの視野角を測定した。
【0012】
図11の測定ポイントは、表1に示す座標位置(mm)である。
【0013】
【表1】
【0014】
それぞれ視野角として10°、20°、30°にピークがくるよう設計した導光板を用いて測定し、その結果を図12乃至図14並びに表2乃至表4に示す。図12及び表2は視野角10°の時にピークがくるように設計した導光板、図13及び表3は視野角20°の時にピークがくるように設計した導光板、図14及び表4は視野角30°の時にピークがくるように設計した導光板の測定結果である。
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】
【表4】
【0018】
これらの図及び表に示すように、従来のα角可変の導光板においては、光の入射側からの距離の違いにより視野角のピーク角度が異なるという問題があった。
【0019】
導光板は、所定の金型を形成し、この金型を用いて、透明の樹脂を用いた樹脂成形により形成される。しかし、プリズムを形成するために金型を加工する工具頂角が一定なため、α角を可変にするに従い、β角も変化するからである。即ち、各プリズムの頂角が一定なまま入射角を変化させていることに起因する。即ち、図10に示すように、所定の頂角に設定した工具を用いて、入射側のα角を変更させるために工具の角度を変化させて加工すると、入射側のα角の変化に依存して、β角も変化する。図9に示すように、α角を大きくするに従って、β角は小さくなってしまう。図9において、α1<α2<α3の場合、β1>β2>β3となる。尚、頂角γは一定である。
【0020】
このように、α角可変の従来の導光板では、光の入射側からの距離の違いにより視野角のピーク角度が異なり、輝度にばらつきが生じる。
【0021】
【特許文献1】
特開2001−343532号公報 段落番号0004 図42(a)
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来のα角可変の導光板においては、光の入射側からの距離の違いにより視野角のピーク角度が異なるため、輝度均一性が低下するという問題があった。
【0023】
この発明は、上記した従来の問題点に鑑みなされたものにして、出射光量を可変にでき、輝度の均一性を向上させ、外形形状が殆ど変化しない導光板を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
この発明の導光板は、光を入射する側面に対して平行に延びるプリズムが上面に形成された導光板において、前記プリズムの長さ方向の断面は山形に形成され、且つ少なくとも光入射側の斜面のなす角度並びに頂角が入射側からの距離により異なるように形成されたことを特徴とする。
【0025】
そして、前記プリズムの反射面側の斜面のなす角度を入射側からの距離により異なるように形成してもよい。
【0026】
上記したように、線状光源に沿う方向において、当該線状光源からの距離に対する入射側の角度を調整にすることによって、線状光源に沿う方向における輝度を一定に揃えることができる。しかも、出射側の角度を入射側の角度に依存することなくを任意に調整することで、視野角のピーク角度も一定にできる。
【0027】
又、それぞれの角度を独自に可変することで、出射光量を可変させることができ、輝度均一性を改善することができる。
【0028】
また、この発明は、上記した導光板を備える面光源装置並びにこの面光源装置を備える表示装置を提供することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図1ないし図5に基づいて説明する。図1はこの発明の実施形態にかかる液晶表示装置の斜視図、図2は図1のI−I線断面図である。
【0030】
この発明にかかる液晶表示装置10は、板状の液晶パネルユニット12、液晶パネルユニット12の上面に配置された導光板14及び導光板14の側面14aに延びる線状光源16を備える。このうち、液晶パネルユニット12は、反射型のもので、図には詳細に示さないが、ガラス基板上に、反射板、液晶層、カラーフィルタ、ガラス板及び偏光板をこの順序で積層したものである。導光板14は、透光性部材である例えば透明のアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等により略平板状に形成されてなり、その上面14bには、後述する線状プリズム18が互いに平行して多数形成されている。線状光源16としては、熱陰極管や冷陰極管等の蛍光灯、或いは発光ダイオードを線状に配列したもの、発光ダイオードなどの点光源と線状導光板を用いたもの、白熱灯又は有機材料を線状に形成したものが用いられる。
【0031】
図2に示すように、各線状プリズム18,18…の長さ方向の断面は山状に形成され、各々山を形成する2つの斜面20及び22の内線状光源16に対峙する斜面22は、線状光源16から入射される光を反射するための反射面を形成する。即ち、線状光源16から入射される光は、導光板14内に側面14aから入射され、同図に一点鎖線の矢印24で示すように、各プリズム18,18…が形成する各反射面22,22…で反射された後、導光板14の下面14cから出射される。この出射光は、液晶パネルユニット12に照射され、上述した液晶層などを透過した後、反射板によって上方に反射され、再度液晶層を透過する。そして、この液晶層を透過した光が、同図二点鎖線の矢印26で示すように、導光板14を透過して導光板14の上面14bから外方に出射される。
【0032】
図2に示すように、各々のプリズム18の頂角をγ、斜面20と導光板14の下面14cとがなす入射側角度をα、及び反射面22と導光板14の下面14cとがなす角をβとする。そして、この実施形態では、少なくとも頂角γとα角を可変にしている。そして、各プリズム18,18…間のピッチ(各谷間間の距離)Pは一定としている。
【0033】
上記のように、各プリズム18,18…の各頂角γは可変に形成され、入射側角度αを可変にし、線状光源16から離れた位置に形成されるほど入射角度αを大きくしている。そして、各頂角γを可変にし、反射面22と導光板14の下面14cとなす角βも必要に応じて最適な視野角になるように可変にしている。図3に示すものは、頂角γとα角を可変にし、β角を一定にしたもの、図4に示すものは、頂角γ、α角、β角を可変にしたものである。
【0034】
このように、各プリズム18,18…は、線状光源16から離れた位置に形成されているものほど、α角を大きくして反射面22の面積が大きくなるように形成されている。図3に示す例では、入射側からα1<α2<α3とした場合、頂角γ1>γ2>γ3、β角は一定にしている。また、図4に示す例では、入射側からα1<α2<α3とした場合、頂角γ1>γ2>γ3、β1<β2<β3としている。
【0035】
尚、この第1の実施形態では、導光板14として、幅寸法が74.3mm、長さ寸法が56.56mm、厚さ寸法Tは、側面14aにおいてT=1.00mmとしている。
【0036】
上記した導光板14においては、導光板14の側面より入射した光は導光板内を伝播して行き、β角で形成されるプリズム18の反射面22に反射され、液晶パネルユニット12側へ出射される。そして、この実施形態では、入射側のα角度の可変分に依存することなく、β角度を形成することで、入射側からの距離の違いに関わらず視野角のピーク角度を一定にすることができる。視野角のピーク角度を一定にすることで、輝度均一性を向上させることができる。
【0037】
このように、線状光源16に沿う方向において、当該線状光源16からの距離に対するプリズムの入射側のα角を調整にすることによって、線状光源16に沿う方向における輝度を一定に揃えることができる。しかも、β角を任意に調整することで、視野角のピーク角度も一定にできる。
【0038】
又、それぞれの角度を独自に可変することで、出射光量を可変させることができ、輝度均一性を改善することができ、しかも外形形状が太鼓形状になることがなくほぼフラットな導光体形状を得ることができる。
【0039】
上記した導光板14を作成するには、導光板14の金型加工を導光板での頂角よりも小さな頂角の工具を用いて、例えば、図5に示すように、2回加工することにより、入射側のα角の可変とは依存せずに、α角を変化させると共に、頂角γ、反射側角βを所定の角で加工できる。即ち、図5(a)から(c)に示すように、工具の角度を変更させて2回加工することで、α角度可変分に依存することなくβ角度を形成することができる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、線状光源に沿う方向において、当該線状光源からの距離に対するプリズムの入射側のα角を調整にすることによって、線状光源に沿う方向における輝度を一定に揃えることができる。しかも、β角を任意に調整することで、視野角のピーク角度も一定にできる。
【0041】
又、それぞれの角度を独自に可変することで、出射光量を可変させることができ、輝度均一性を改善することができ、しかも外形形状が太鼓形状になることがなくほぼフラットな導光体形状を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の実施形態にかかる液晶表示装置の斜視図である。
【図2】図1のI−I線断面を示す図で、導光板に形成されたプリズムの形状を示す部分拡大図である。
【図3】この発明のα角可変の導光板に形成されたプリズムの形状を示す部分拡大図である。
【図4】この発明のα角可変の導光板に形成されたプリズムの形状を示す部分拡大図である。
【図5】この発明に係るα角可変の導光板のプリズムを形成する金型の製造方法を示す模式図である。
【図6】従来の面光源装置を用いた液晶表示装置を示す概略斜視図である。
【図7】図6のII−II線断面を示す図で、導光板に形成されたプリズムの形状を示す部分拡大図である。
【図8】従来のα角可変の導光板を示す側面図である。
【図9】従来のα角可変の導光板に形成されたプリズムの形状を示す部分拡大図である。
【図10】従来のα角可変の導光板のプリズムを形成する金型の製造方法を示す模式図である。
【図11】導光板の光強度を測定した位置を示す平面図である。
【図12】視野角10°の時にピークがくるように設計した導光板の視野角と光強度の関係を示す特性図である。
【図13】視野角20°の時にピークがくるように設計した導光板の視野角と光強度の関係を示す特性図である。
【図14】視野角30°の時にピークがくるように設計した導光板の視野角と光強度の関係を示す特性図である。
【符号の説明】
10 液晶表示装置
12 液晶パネルユニット
14 導光板
14a 側面
16 線状光源
18 プリズム
Claims (4)
- 光を入射する側面に対して平行に延びるプリズムが上面に形成された導光板において、前記プリズムの長さ方向の断面は山形に形成され、且つ少なくとも光入射側の斜面のなす角度並びに頂角が入射側からの距離により異なるように形成されたことを特徴とする導光板。
- 前記プリズムの反射面側の斜面のなす角度を入射側からの距離により異なるように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の導光板。
- 請求項1又2に記載の導光板を備える面光源装置。
- 請求項3に記載の面光源装置を備える表示装置。
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