JP2004192837A - X線管装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の目的は、従来より多くのガスを吸着可能な蒸飛型ゲッタを有するX線管装置を提供する
【解決手段】蒸飛型ゲッタ6はサンドブラスト処理または弗酸処理により粗面加工する。
【選択図】 図1
【解決手段】蒸飛型ゲッタ6はサンドブラスト処理または弗酸処理により粗面加工する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、X線管装置の陰極構造に係り、特に蒸飛型ゲッタがより多くの微小ガス(管内部品の温度上昇によるガス放出及び微小放電によって励起され発生するガスなど)を吸着可能なX線管装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のX線管装置は、[特許文献1]のように、真空外囲器内に陰極と陽極とが対向して配置され、陰極はガラスステムと蒸飛型ゲッタを具備する。ガラスステムには中央部に排気管、その周囲に複数本のリード線が配置されている。蒸飛型ゲッタは、排気管内に配置され、リード線にニッケル線でリード接続され、かつ支持されている。蒸飛型ゲッタはX線管の排気後、排気管の内周面に蒸飛されることで、微小ガスの吸着作用を有する広いゲッタ蒸飛面積をとることができる技術があった。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−074476号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、X線CT装置では連続してX線を出力する必要があるので、X線管装置に大容量化が要求されている。大容量化となれば、真空外囲器内に入れる陽極や陰極の部材の体積も大きくなるので、その体積が大きくなっただけ微小ガスの影響も大きくなる。上記従来技術の蒸飛型ゲッタでは微小ガスの吸着作用に限界があり、その対策が望まれていた。
【0005】
本発明の目的は、従来より多くのガスを吸着可能な蒸飛型ゲッタを有するX線管装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、陰極と陽極を真空外囲器内に対向して支持し、前記陰極に前記真空外囲器中の微小ガスを吸着する蒸飛型ゲッタが配置されているX線管装置において、前記蒸飛型ゲッタは前記微小ガスが蒸飛される位置を粗面とすることで達成される。前記粗面の加工は、サンドブラスト処理または弗酸処理により行う。
【0007】
つまり、本発明はX線管管球陰極部の組立工程において、管外より電位を与えるためのリード線にニッケル線を介してゲッタをさやに接触することの無い様、さやの外周囲に蒸飛型柱状ゲッタをサンドブラスト処理または弗酸処理を施したガラスステム側面方向に向けて配置することにある。これにより、蒸着面積自体で10倍、更に、サンドブラスト処理または弗酸処理により表面積が10倍程度増加するため、従来の100倍の蒸着面積を確保することができる。このことは蒸着膜の単位面積当りの吸着効率を上げることよりも蒸飛面積を広くして全体での吸収量を増加させたほうが実質的であることからもより多くのガスを吸着するための裕度を持つことができる。
【0008】
また、三極管においてもリード線根元付近に蒸着しないため、フィラメントリードとグリッドリード間で十分な絶縁抵抗を確保できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明のX線管の陰極構造の要部の構成例を示すものである。図1において、X線管の陰極は陽極(図示せず)と対向して外囲器(図示せず)に真空封止されている。集束部組1は、高電圧印加時の耐電圧を安定させるためのシリンダー4がホルダー2を介して取付けられ、さや3に支持されている。さや3はゲッタ6の蒸飛位置をサンドブラストまたは弗酸により粗面加工を施されたガラスステム7に固定されている。
【0010】
サンドブラスト処理は、金属やアルミナ等の、大きさ100μm程度の粒子を高圧エアー等により対象物に吹き付け、表面を梨地状に粗し、表面の改質,洗浄,面積増大等の目的で行われる処理のことをいう。弗酸処理は化学的にガラス表面の洗浄を行う一般的な方法であり、同様に表面積を増大させることができる。
この処理を行うと、見かけ上の表面積は変わらないが、加工後の表面は無数の凹凸(山谷)状になる為、加工前と比べ表面積を増加させることが出来る。
【0011】
このガラスステム7は陰極構成部全体の保持及び真空気密を確保し、真空管管内に外部より電位を与えるためのリード線5が封入されている。そのリード線5の管内側にニッケル線を介してさや3の外周方向にゲッタ6が外周囲に接触する事の無い様、蒸飛方向をガラスステム7の側面側に向けて支持されている。このゲッタ6は、バリウム等からなる材料をニッケル等より構成される凹状に加工された柱状容器に封入されている。前記の毎く配置されたゲッター6は、X線管管球を排気後封止切りし、管内を高真空に保つ。その後、ゲッター6がそれぞれ接続されたリード線に外部から例えば電流12A,3分程通電することによりゲッタ封入部が900℃程度に加熱され凹状の容器内に封入されたゲッタ材が蒸発,気化し、容器開口方向よりガラスステムの粗面加工部に一様に蒸飛し、前述の毎く従来構造の約100倍の蒸着面積を形成することができる。
【0012】
なお、蒸飛したゲッタの蒸着膜は導電性であり、不用意な範囲への蒸着はX線管の耐電圧性能を劣化させるため、蒸着範囲は粗面加工部8に限定される。
【0013】
この蒸着膜は物理的に炭酸ガスや窒素,水素等のガスを吸着する作用を持っている。このため、長期に渡り管内部品の温度上昇により放出されるガス及び微小放電によって励起される残留ガスを吸着し、管内を高真空に保つことが可能となり、長寿命化を図ることが出来る。
【0014】
また、ゲッタをガラスステム側壁部に蒸飛させる構造により、リード線の周辺にゲッタ蒸着膜が形成されることもなくなる。その結果、三極管において問題となっていたフィラメントリードとグリッドリード間の絶縁破壊も生ずることがなくなり、三極管構造のX線管でも安定した動作が可能となる。
【0015】
以上述べたように、本実施形態のX線管の陰極構造は、長期に渡り高真空度を保つことができ、真空度の低下に伴う放電の起こらない安定したX線管を提供することができる。また、ゲッタをガラスステムの側面側に蒸飛させることにより、三極管構造のX線管においてもフィラメントリードとグリッドリード間で十分な絶縁抵抗を確保することができる。
【0016】
【発明の効果】
本発明は、従来より多くのガスを吸着可能な蒸飛型ゲッタを有するX線管装置を提供するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のX線管の陰極構造の要部の構成例を示す図。
【符号の説明】
1…集束部組、2…ホルダー、3…さや、4…シリンダー、5…リード線、6、…蒸飛型ゲッタ、7…ガラスステム、8…粗面加工部
【発明が属する技術分野】
本発明は、X線管装置の陰極構造に係り、特に蒸飛型ゲッタがより多くの微小ガス(管内部品の温度上昇によるガス放出及び微小放電によって励起され発生するガスなど)を吸着可能なX線管装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のX線管装置は、[特許文献1]のように、真空外囲器内に陰極と陽極とが対向して配置され、陰極はガラスステムと蒸飛型ゲッタを具備する。ガラスステムには中央部に排気管、その周囲に複数本のリード線が配置されている。蒸飛型ゲッタは、排気管内に配置され、リード線にニッケル線でリード接続され、かつ支持されている。蒸飛型ゲッタはX線管の排気後、排気管の内周面に蒸飛されることで、微小ガスの吸着作用を有する広いゲッタ蒸飛面積をとることができる技術があった。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−074476号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、X線CT装置では連続してX線を出力する必要があるので、X線管装置に大容量化が要求されている。大容量化となれば、真空外囲器内に入れる陽極や陰極の部材の体積も大きくなるので、その体積が大きくなっただけ微小ガスの影響も大きくなる。上記従来技術の蒸飛型ゲッタでは微小ガスの吸着作用に限界があり、その対策が望まれていた。
【0005】
本発明の目的は、従来より多くのガスを吸着可能な蒸飛型ゲッタを有するX線管装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、陰極と陽極を真空外囲器内に対向して支持し、前記陰極に前記真空外囲器中の微小ガスを吸着する蒸飛型ゲッタが配置されているX線管装置において、前記蒸飛型ゲッタは前記微小ガスが蒸飛される位置を粗面とすることで達成される。前記粗面の加工は、サンドブラスト処理または弗酸処理により行う。
【0007】
つまり、本発明はX線管管球陰極部の組立工程において、管外より電位を与えるためのリード線にニッケル線を介してゲッタをさやに接触することの無い様、さやの外周囲に蒸飛型柱状ゲッタをサンドブラスト処理または弗酸処理を施したガラスステム側面方向に向けて配置することにある。これにより、蒸着面積自体で10倍、更に、サンドブラスト処理または弗酸処理により表面積が10倍程度増加するため、従来の100倍の蒸着面積を確保することができる。このことは蒸着膜の単位面積当りの吸着効率を上げることよりも蒸飛面積を広くして全体での吸収量を増加させたほうが実質的であることからもより多くのガスを吸着するための裕度を持つことができる。
【0008】
また、三極管においてもリード線根元付近に蒸着しないため、フィラメントリードとグリッドリード間で十分な絶縁抵抗を確保できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明のX線管の陰極構造の要部の構成例を示すものである。図1において、X線管の陰極は陽極(図示せず)と対向して外囲器(図示せず)に真空封止されている。集束部組1は、高電圧印加時の耐電圧を安定させるためのシリンダー4がホルダー2を介して取付けられ、さや3に支持されている。さや3はゲッタ6の蒸飛位置をサンドブラストまたは弗酸により粗面加工を施されたガラスステム7に固定されている。
【0010】
サンドブラスト処理は、金属やアルミナ等の、大きさ100μm程度の粒子を高圧エアー等により対象物に吹き付け、表面を梨地状に粗し、表面の改質,洗浄,面積増大等の目的で行われる処理のことをいう。弗酸処理は化学的にガラス表面の洗浄を行う一般的な方法であり、同様に表面積を増大させることができる。
この処理を行うと、見かけ上の表面積は変わらないが、加工後の表面は無数の凹凸(山谷)状になる為、加工前と比べ表面積を増加させることが出来る。
【0011】
このガラスステム7は陰極構成部全体の保持及び真空気密を確保し、真空管管内に外部より電位を与えるためのリード線5が封入されている。そのリード線5の管内側にニッケル線を介してさや3の外周方向にゲッタ6が外周囲に接触する事の無い様、蒸飛方向をガラスステム7の側面側に向けて支持されている。このゲッタ6は、バリウム等からなる材料をニッケル等より構成される凹状に加工された柱状容器に封入されている。前記の毎く配置されたゲッター6は、X線管管球を排気後封止切りし、管内を高真空に保つ。その後、ゲッター6がそれぞれ接続されたリード線に外部から例えば電流12A,3分程通電することによりゲッタ封入部が900℃程度に加熱され凹状の容器内に封入されたゲッタ材が蒸発,気化し、容器開口方向よりガラスステムの粗面加工部に一様に蒸飛し、前述の毎く従来構造の約100倍の蒸着面積を形成することができる。
【0012】
なお、蒸飛したゲッタの蒸着膜は導電性であり、不用意な範囲への蒸着はX線管の耐電圧性能を劣化させるため、蒸着範囲は粗面加工部8に限定される。
【0013】
この蒸着膜は物理的に炭酸ガスや窒素,水素等のガスを吸着する作用を持っている。このため、長期に渡り管内部品の温度上昇により放出されるガス及び微小放電によって励起される残留ガスを吸着し、管内を高真空に保つことが可能となり、長寿命化を図ることが出来る。
【0014】
また、ゲッタをガラスステム側壁部に蒸飛させる構造により、リード線の周辺にゲッタ蒸着膜が形成されることもなくなる。その結果、三極管において問題となっていたフィラメントリードとグリッドリード間の絶縁破壊も生ずることがなくなり、三極管構造のX線管でも安定した動作が可能となる。
【0015】
以上述べたように、本実施形態のX線管の陰極構造は、長期に渡り高真空度を保つことができ、真空度の低下に伴う放電の起こらない安定したX線管を提供することができる。また、ゲッタをガラスステムの側面側に蒸飛させることにより、三極管構造のX線管においてもフィラメントリードとグリッドリード間で十分な絶縁抵抗を確保することができる。
【0016】
【発明の効果】
本発明は、従来より多くのガスを吸着可能な蒸飛型ゲッタを有するX線管装置を提供するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のX線管の陰極構造の要部の構成例を示す図。
【符号の説明】
1…集束部組、2…ホルダー、3…さや、4…シリンダー、5…リード線、6、…蒸飛型ゲッタ、7…ガラスステム、8…粗面加工部
Claims (1)
- 陰極と陽極を真空外囲器内に対向して支持し、前記陰極に前記真空外囲器中の微小ガスを吸着する蒸飛型ゲッタが配置されているX線管装置において、前記蒸飛型ゲッタは前記微小ガスが蒸飛される位置を粗面とすることを特徴とするX線管装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002356156A JP2004192837A (ja) | 2002-12-09 | 2002-12-09 | X線管装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002356156A JP2004192837A (ja) | 2002-12-09 | 2002-12-09 | X線管装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004192837A true JP2004192837A (ja) | 2004-07-08 |
Family
ID=32756560
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002356156A Pending JP2004192837A (ja) | 2002-12-09 | 2002-12-09 | X線管装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004192837A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110767524A (zh) * | 2019-11-08 | 2020-02-07 | 国家纳米科学中心 | 一种自吸气式x射线发生装置及其用途 |
-
2002
- 2002-12-09 JP JP2002356156A patent/JP2004192837A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110767524A (zh) * | 2019-11-08 | 2020-02-07 | 国家纳米科学中心 | 一种自吸气式x射线发生装置及其用途 |
CN110767524B (zh) * | 2019-11-08 | 2022-02-15 | 国家纳米科学中心 | 一种自吸气式x射线发生装置及其用途 |
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