JP2004192337A - 管理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】管理システムとしての構成変更に柔軟に対応できるシステムを得る。
【解決手段】装置管理システム10の通信先データ保持部11は、監視制御システム20a、20bの位置情報を格納する。通信制御部13は、監視制御システム20a、20bに対してメッセージ送信を行う場合、通信先データ保持部11よりその位置情報を取り出して送信を行う。監視制御システム20a、20bでは、監視制御コマンドを装置管理システム10に送信する場合に、そのコマンドコードをコマンドコードデータ保持部21a、21bに保持する。通信制御部23a、23bは、装置管理システム10からメッセージを受信した場合、そのコマンドコードと、コマンドコードデータ保持部21a、21bに保持されているコマンドコードとを比較し、一致した場合に、自身の監視制御システム20a、20b宛の監視制御コマンド応答であると判定する。
【選択図】 図1
【解決手段】装置管理システム10の通信先データ保持部11は、監視制御システム20a、20bの位置情報を格納する。通信制御部13は、監視制御システム20a、20bに対してメッセージ送信を行う場合、通信先データ保持部11よりその位置情報を取り出して送信を行う。監視制御システム20a、20bでは、監視制御コマンドを装置管理システム10に送信する場合に、そのコマンドコードをコマンドコードデータ保持部21a、21bに保持する。通信制御部23a、23bは、装置管理システム10からメッセージを受信した場合、そのコマンドコードと、コマンドコードデータ保持部21a、21bに保持されているコマンドコードとを比較し、一致した場合に、自身の監視制御システム20a、20b宛の監視制御コマンド応答であると判定する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、監視対象装置の監視を行う装置管理システムと、上位装置とのインタフェースに対応して設けられた監視制御システムとからなる管理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上位装置からの指示に基づいて、ネットワーク上の監視対象装置の監視を行う管理システムがあった。このような管理システムでは次のように構成されていた。
1.上位装置によって必要な情報、通信手段(プロトコル)といったインタフェースが異なるために、それぞれ固有の通信方法を規定していた。
2.それぞれが固有の通信方法であったために、この管理システムを監視するための端末として、専用のHMI(ヒューマン・マシン・インタフェース)端末でしか用いることができなかった。
3.別々の構成の管理システムであるため、機能追加(例えば、通信手段の変更、システムの二重化等)毎に改造していた。
【0003】
また、上記1.のような問題に対処するため、異なるプロトコルを中継する中継装置があった(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−175226号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の管理システムでは次の問題があった。
1.従来の方式では、異なる上位装置への接続あるいはプロトコルの変更等が発生した場合、その都度、これらの構成に対応できるよう、管理システムの改造を行わなければならなかった。このような改造を行う場合は次のような問題があった。
▲1▼改造部分が、管理システム全体に関わるため、製造および動作の検証に時間を要していた。
▲2▼改造を施したファイルを入れ替えるときに管理システムの動作そのものを停止させる必要があり、従って、この時間中は装置の監視制御もできないという問題があった。本来、このような管理システムでは、24時間365日連続でその動作が継続して行われるべきものであり、これが停止してしまうことは管理システムとしての機能を十分果たしているとは言えないものであった。
【0006】
2.また、従来では、管理システムとして専用のHMI端末上でのみ監視可能であったため、保守者が24時間HMI端末の設置局で監視する必要があった。
【0007】
3.更に、従来のクラスタリング技術による管理システムの二重化の場合、二重化するサーバは共有するハードディスクのケーブルが届く範囲で設置しなければならず、従って、二重化するシステムの設置場所に制約があると共に、クラスタリングするための必要な機器にコストがかかるという問題があった。
【0008】
また、上述した、中継装置であっても、新しい上位装置やプロトコルが変更になった場合は、中継装置そのものに改造を施さなければならず、上述した問題と同様の問題を有していた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述の課題を解決するため次の構成を採用する。
即ち、本発明は、監視対象装置の監視を行う装置管理システムと、上位装置とのインタフェースに対応して設けられた監視制御システムとからなる管理システムであって、装置管理システムは、監視制御システムの位置情報を格納する通信先データ保持部と、監視対象装置の監視制御処理を行う監視制御処理部と、監視制御システムに対して、メッセージ送信を行う場合、通信先データ保持部より監視制御システムの位置情報を取り出し、位置情報の相手に送信する通信制御部とを備える。また、監視制御システムは、監視制御コマンドを装置管理システムに対して送信する場合に、この監視制御コマンドを識別するための識別情報を保持するコマンドコードデータ保持部と、上位装置との監視制御に関する通信を行う監視制御処理部と、装置管理システムからメッセージを受信した場合は、このメッセージの識別情報と、コマンドコードデータ保持部に保持されている識別情報とを比較し、一致した場合に、自身の監視制御システム宛の監視制御コマンド応答であると判定し、監視制御処理部に送信する通信制御部とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を具体例を用いて詳細に説明する。
《具体例1》
〈構成〉
図1は、本発明の管理システムの具体例1を示す構成図である。
管理システムは、装置管理システム10と監視制御システム20a、20bからなる。装置管理システム10は、監視対象装置30−1〜30−nの監視を行う機能部であり、通信先データ保持部11、監視制御処理部12、通信制御部13を備えている。
【0011】
通信先データ保持部11は、監視制御システム20a、20bのネットワーク上の位置情報、例えばIPアドレスといった識別情報を保持する機能部である。
図2は、通信先データ保持部11に保持される情報の説明図である。
図示のように、装置管理システム10が接続する全ての監視制御システム20a、20bの位置情報11−1〜11−nが格納される。尚、これらの位置情報としては初期値は0となっており、いずれかの監視制御システム20a、20bからの接続要求によって、その監視制御システム20a、20bの位置情報が格納されるようになっている。
【0012】
図3は、装置管理システム10が送受信するメッセージ構成の説明図である。
メッセージには、監視制御システム20a、20bが装置管理システム10に送信する接続要求コマンド100および監視制御コマンド200と、装置管理システム10が監視制御システム20a、20bに送信する監視制御コマンド応答300および監視イベント通知400がある。
【0013】
接続要求コマンド100は、監視制御システム20a、20bが自システムを装置管理システム10に登録要求するためのコマンドであり、このメッセージが何であるかを識別するためのメッセージコード101と、自システムの位置情報102を含んでいる。監視制御コマンド200は、監視制御システム20a、20bが上位装置40a、40bから指示された監視制御コマンドを装置管理システム10に与えるためのメッセージであり、これが何のメッセージであるかを識別するためのメッセージコード201と、監視制御コマンドに対応したコマンドコード202と、実際のコマンドデータ203からなる。
【0014】
監視制御コマンド応答300は、装置管理システム10が受信した監視制御コマンド200に対する応答であり、このメッセージが何のメッセージであるかを識別するためのメッセージコード301と、監視制御コマンド応答に対応したコマンドコード302と、実際のコマンド応答データ303からなる。監視イベント通知400は、例えば監視対象装置30−1〜30−nで発生した障害等を通知するためのメッセージであり、このメッセージが何のメッセージであるかを識別するためのメッセージコード401と、どのような監視イベントであるかを示す監視イベントデータ402からなる。
【0015】
図1に戻り、監視制御処理部12は、監視対象装置30−1〜30−nの監視制御処理を行う機能部である。即ち、通信先データ保持部11で受信される監視制御コマンド200に基づいて、対象となる監視対象装置30−1〜30−nの監視制御を行い、また、その監視制御結果としての監視制御コマンド応答300を送出したり、監視対象装置30−1〜30−nの障害発生通知等を示す監視イベント通知400といったデータ送信を行う機能を有している。
【0016】
通信制御部13は、装置管理システム10において、監視制御システム20a、20bや監視対象装置30−1〜30−nといった全ての装置の通信制御を行う機能部である。即ち、通信制御部13は、いずれかの監視制御システム20a、20bから監視制御コマンド200等が送信された場合に、この監視制御コマンド200を受信して、監視制御処理部12に渡すと共に、通信先データ保持部11を参照して、監視制御処理部12からの監視制御コマンド応答300等を通信先となる監視制御システム20a、20bに送信する機能を有している。
【0017】
監視制御システム20a、20bは、それぞれ監視制御システムとしては別々の機能を有しており、それぞれが接続される上位装置40a、40bのプロトコルに対応した構成となっている。これら監視制御システム20a、20bは、それぞれ、コマンドコードデータ保持部21a、21b、監視制御処理部22a、22b、通信制御部23a、23bを備えている。
【0018】
コマンドコードデータ保持部21a、21bは、何らかのコマンドを装置管理システム10に対して送信する場合に、そのコマンドを識別する識別情報(コマンドコードデータ)を保持する機能部である。尚、このコマンドコードデータとしては初期値は0となっており、装置管理システム10に対して何らかのコマンドを送信する場合に設定されるようになっている。
【0019】
監視制御処理部22a、22bは、上位装置40a、40bに対応した処理を行う機能部であり、上位装置40a、40bからの監視要求を受け取って処理したり、これら上位装置40a、40b宛のメッセージを作成して送信するといった機能を有している。
【0020】
通信制御部23a、23bは、装置管理システム10からデータを受信した場合は、当該データのコマンドコードと、前記コマンドコードデータ保持部21a、21bに保持されているコマンドコードデータとを比較し、一致した場合に、監視制御コマンド応答300であると判定して監視制御処理部22a、22bに送信し、また、監視イベント通知400であった場合は、これを監視制御処理部22a、22bに送信する機能を有している。即ち、これらの通信制御部23a、23bと、装置管理システム10の通信制御部13とによってリアルタイムの通信が行えるようになっている。
【0021】
尚、監視対象装置30−1〜30−nとは、例えばネットワークの通信制御装置といった装置である。また、上位装置40a、40bとは、種々の管理システムに指示を与えたり、管理システムにおける監視結果を取得するための管理システムの上位に位置する装置である。
【0022】
〈動作〉
次に、具体例1における動作を装置管理システム10と監視制御システム20a、20bに分けて説明する。
図4は、装置管理システム10における通信制御部13の動作フローチャートである。
先ず、装置管理システム10の初期状態では通信先データ保持部11の位置情報は全て0が格納されている。即ち、通信先データ保持部11は初期化されている。このような状態で、通信制御部13は、メッセージの受信待ちを行う(ステップS1)。そして、何らかのメッセージが受信された場合は、そのメッセージのメッセージコードに基づいて事象判定を行う(ステップS2)。
【0023】
ステップS2の事象判定の結果、メッセージが監視制御システム20a、20bからの接続要求コマンド100であった場合、その接続要求コマンド100から位置情報102を取り出す(ステップS3)。そして、通信先データ保持部11中の位置情報が0の位置に取り出した位置情報102を設定する(ステップS4)。
【0024】
また、ステップS2の事象判定の結果、メッセージが監視制御システム20a、20bからの監視制御コマンド200であった場合は、そのメッセージをそのまま監視制御処理部12に送信する(ステップS5)。更に、ステップS2の事象判定の結果、メッセージが監視制御処理部12からの監視制御コマンド応答300または監視イベント通知400であった場合は、先ず、通信先データ保持部11を参照して最初の位置情報11−1を取り出し(ステップS6)、これが0であるかを判定する(ステップS7)。即ち、送信すべき監視制御システム20a、20bの位置情報が保持されているか否かを判定する。ステップS7において、0であった場合は、ステップS6に戻って、次の位置情報11−2を取り出す。
【0025】
ステップS7で0でなかった場合、即ち、いずれかの監視制御システム20a、20bの位置情報が保持されていた場合は、その位置情報の内容に従って、メッセージを監視制御システム20a、20bに送信する(ステップS8)。このような処理(ステップS6〜ステップS8)を通信先データ保持部11の全ての位置情報に対して繰り返し行う(ステップS9)。
【0026】
次に監視制御システム20a、20bにおける通信制御部23a、23bの動作を説明する。
図5は、その動作フローチャートである。
尚、以下、監視制御システム20a、20bの一例として、監視制御システム20aの動作を例として説明する。
先ず、通信制御部23aは、起動された後、コマンドコードデータ保持部21aに0を設定する(ステップS11)。即ち、コマンドコードデータ保持部21aを初期化する。次に、接続要求コマンド100にメッセージコード101と自システムの位置情報102を設定し、装置管理システム10に対して送信する(ステップS12)。その後はメッセージ待ちとなる(ステップS13)。
【0027】
メッセージを受信すると、そのメッセージのメッセージコードから事象の判定を行う(ステップS14)。受信したメッセージが監視制御処理部22aからの監視制御コマンド200の場合は、受信した監視制御コマンド200からコマンドコード202を取り出して、このコマンドコード202をコマンドコードデータ保持部21aに設定する(ステップS15)。次に、この監視制御コマンド200を装置管理システム10に送信する(ステップS16)。
【0028】
ステップS14の事象判定の結果、受信したメッセージが装置管理システム10からの監視制御コマンド応答300であった場合、受信した監視制御コマンド応答300からコマンドコード302を取り出し(ステップS17)、コマンドコードデータ保持部21aに保持されているコマンドコードデータと比較する(ステップS18)。コマンドコード302とコマンドコードデータが一致した場合は、コマンドコードデータ保持部21aのコマンドコードデータに0を設定し(ステップS19)、受信した監視制御コマンド応答300を監視制御処理部22aに送信する(ステップS20)。一方、ステップS18において、コマンドコード302とコマンドコードデータ保持部21aのコマンドコードデータが一致しない場合は受信したメッセージを削除する(ステップS21)。即ち、自システム宛の監視制御コマンド応答300ではない場合は、そのまま削除する。
【0029】
ステップS14の事象判定の結果、受信したメッセージが装置管理システム10からの監視イベント通知400であった場合、受信した監視イベント通知400をそのまま監視制御処理部22aに送信する(ステップS22)。即ち、監視イベント通知400の場合は、自システムからのコマンドへの応答ではないため、コマンドコードの比較等の処理は行わずに監視制御処理部22aに送信する。
【0030】
尚、上記の通信制御部23aの動作において、複数の監視制御コマンド200を並列に処理するか、あるいは同一の監視制御コマンド200は受け付けない処理とするかは運用条件等に応じてその構成を任意に選択することができる。即ち、複数の監視対象装置30−1〜30−nに対して、同一の監視制御コマンド200が上位装置40a、40bから与えられた場合等、これらの監視制御コマンド200を並列に処理する場合は、各監視制御コマンド200を識別できるような識別情報をコマンドコードに付加してコマンドコードデータ保持部21aで保持する。一方、同一の監視制御コマンド200は受け付けないようにする場合は、上記のステップS15において、コマンドコードを取り出した後、このコマンドコードがコマンドコードデータ保持部21aに予め保持されているかを判定し、保持されているコマンドコードと一致した場合は、所定のエラー処理を行う、といった構成で対応することができる。
【0031】
また、監視制御システム20bの通信制御部23bの動作についても、以上説明した通信制御部23aの動作と同様である。
【0032】
〈効果〉
以上のように、具体例1によれば、管理システムとして、上位装置40a、40bのインタフェースに対応した監視制御システム20a、20bと、これら監視制御システム20a、20bに対して共通の装置管理システム10を設け、装置管理システム10は、全ての監視制御システム20a、20bに対して全ての情報を提供し、監視制御システム20a、20b側で、装置管理システム10から送られてきた情報から必要なもののみ取り出して処理するようにしたので、次のような効果がある。
【0033】
●新規の上位装置が加わったり、上位装置のプロトコル等が変更になった場合でも、これに対応した監視制御システムを用意すればよく、既存の装置管理システム10や監視制御システム20a、20bに手を加える必要がない。従って、上位装置とのインタフェースの変更等にも柔軟に対処することができる。
●その結果、管理システムの機能変更を行う場合も、管理システムそのものの動作を停止させる必要がなく、管理システムとしての本来の機能を十分に発揮することができる。
【0034】
《具体例2》
具体例2は、具体例1の構成に加えて、監視イベント通知を携帯端末等の通知先に送信するようにしたものである。
【0035】
〈構成〉
図6は、具体例2の主要部の構成図である。
図6では、監視制御システム24と障害通知システム50を示している。監視制御システム24は、具体例1の監視制御システム20a、20bと同様の機能を有すると共に、SNMPのTRAP機能を有している。この監視制御システム24は、通知先データ保持部25と、通信制御部26と、監視制御処理部27を備えている。
【0036】
通知先データ保持部25は、障害通知システム50のネットワーク上の位置情報を保持する機能部である。
図7は、具体例2における各種情報の説明図である。
図7(a)は、通知先データ保持部25における通知先情報25aを示している。この通知先情報25aとしては、例えばネットワークアドレスや装置名等である。通信制御部26は、具体例1における通信制御部23a、23bの機能を有すると共に、受信したメッセージが監視イベント通知400であった場合は、これを監視制御処理部27に送信し、これ以外のイベント通知であった場合は削除する機能を有している。監視制御処理部27は、具体例1の監視制御処理部22a、22bの機能を有すると共に、監視イベント通知400を受信した場合は、通知先データ保持部25を参照し、通知先情報が設定されていた場合は、その通知先に対してTRAP電文を作成して送信する機能を有している。尚、図6の監視制御システム24において、具体例1におけるコマンドコードデータ保持部21a、21b等の構成はその図示を省略している。
【0037】
障害通知システム50は、通知元データ保持部51、通知先データ保持部52、通信制御部53、監視制御処理部54を備えている。
通知元データ保持部51は、監視イベント通知を通知する通知元の監視制御システム24の識別情報を保持する機能部であり、通知元情報51aを備えている(図7(b)参照)。尚、この通知元情報51aとしては、ネットワークアドレスや装置名等の識別情報である。通知先データ保持部52は、通知先となる携帯端末等のアドレス情報(52−1〜52−n)を保持する機能部である(図7(c)参照)。
【0038】
通信制御部53は、監視制御システム24との通信制御を行うための機能部であり、監視制御システム24からのイベント通知を受け取った場合、これが監視イベント通知か否かを判定し、監視イベント通知であった場合に監視制御処理部54へこの監視イベント通知を送信する機能を有している。
監視制御処理部54は、通信制御部53から監視イベント通知を受信した場合は、通知先データ保持部52を参照して、保持されている全てのアドレスに対して通知を行う機能を有している。
【0039】
通知される情報としては、図7(d)に示すようになっている。即ち、「発生状況」とは、障害が発生したのか、あるいは回復したのかを示す情報である。「発生場所」とは、例えばネットワーク制御装置等の場合、どの装置かを特定するための装置情報と、更に、その装置内のどの位置(場所)で発生したかを示す物理位置情報等を示している。また、「警報種別」とは、どのような警報であるかを示す情報であり、例えば、EQP(監視対象装置における物理的な障害等の警報)、REC(ネットワークにおける回線状態の異常等を示す警報)といった種別を示している。更に、「回線情報」とは、複数の回線におけるどの回線かを特定するための回線IDや、その回線の使用者といった情報を示している。
【0040】
〈動作〉
次に、具体例2の動作を、監視制御システム24と障害通知システム50とに分けて説明する。
図8は、監視制御システム24の動作を示すフローチャートである。
監視制御システム24は、起動された後、メッセージの受信を待つ(ステップS21)。通信制御部26でメッセージを受信すると、通信制御部26は、メッセージのメッセージコードから事象の判定を行う(ステップS22)。このステップS22において、監視イベント通知400以外のイベント通知を受信した場合は、そのメッセージを削除し(ステップS23)、メッセージ受信待ちに戻る。
ステップS22において、メッセージが監視イベント通知400であった場合は、そのメッセージから監視イベントデータ402を取り出し(ステップS24)、監視制御処理部27に送信する。
【0041】
監視制御処理部27では、監視イベントデータ402を受け取ると、通知先データ保持部25から通知先情報25aを取り出す(ステップS25)。そして、この通知先情報25aが0であるかを判定する(ステップS26)。この通知先情報25aが0である場合は、通知先情報が設定されていない(監視イベント通知400は障害通知システム50に通知しない)ため、その監視イベント通知400を削除し(ステップS23)、メッセージの受信待ちに戻る。
ステップS26において、0以外、即ち、通知先が設定されている場合、監視制御処理部27はTRAP電文を作成し(ステップS27)、障害通知システム50に送信する(ステップS28)。
【0042】
次に、障害通知システム50の動作について説明する。
図9は、障害通知システム50の動作を示すフローチャートである。
障害通知システム50は、起動された後、TRAP電文の受信を待つ(ステップS31)。通信制御部53は、TRAP電文を受信すると、通知元データ保持部51から通知元情報51aを取り出し(ステップS32)、通知元情報51aが0かどうかを判定する(ステップS33)。通知元情報51aが0である場合は、監視イベント通知を受ける設定ではない、即ち、自システムで処理する電文ではないため、受信TRAP電文を削除し(ステップS34)、ステップS31の受信待ちに戻る。
【0043】
ステップS33において、通知元情報51aが設定されていた場合、通信制御部53は、受信TRAP電文が監視イベント通知400であるかを判定し(ステップS35)、監視イベント通知400でなければ、受信TRAP電文を削除し(ステップS34)、ステップS31の受信待ちに戻る。
ステップS35において、監視イベント通知400であった場合、通信制御部53は、この監視イベントデータ402を監視制御処理部54に送信する。監視制御処理部54では、この監視イベントデータ402を受け取ると、通知先データ保持部52からアドレス情報を取り出し(ステップS36)、アドレス情報が0であるかを判定する(ステップS37)。0であった場合は、通知先が存在しないため、受信TRAP電文を削除し(ステップS34)、ステップS31の受信待ちに戻る。
【0044】
ステップS37において、0以外であった場合は受信TRAPから通知する障害情報を作成し(ステップS38)、障害情報を電子メールにて通知先に対して送信する(ステップS39)。即ち、図7(d)に示した、発生状況、発生場所、警報種別、回線情報を示す電子メールをアドレス情報52−1〜52−nの通知先に送信する。
【0045】
〈効果〉
以上のように、具体例2によれば、種々の通知先に監視イベントデータを通知するための障害通知システム50を設け、この障害通知システム50に対して監視制御システム24が監視イベント通知を行うようにしたので、従来のように管理システム専用のHMI端末を用いることなく、障害通知システム50からの通知を受けることができる装置であればどのような装置も用いることができる。また、このような装置を携帯電話やPDA(Personal Digital Assistants)等の携帯端末のメール機能を用いることで、保守作業者は、管理システムの監視対象装置でどのような障害が発生しているかといった状況をリアルタイムかつ、どのような場所でも把握することができる。
【0046】
《具体例3》
具体例3は、自系と他系の管理システムを多重化した管理システムにおいて、各管理システムの設置場所等の構成を柔軟に変更できるようにしたものである。
【0047】
〈構成〉
図10は、具体例3の構成図である。
図のシステムは、管理システム60a、60bからなる。各管理システム60a、60bは、独立に動作する二重化システムであり、それぞれは同様の構成を備えている。
管理システム60a、60bは、それぞれ装置管理システム70a、70b、監視制御システム80a、80b、コマンド変換システム90a、90bを備えている。尚、これら管理システム60a、60b内の各構成は同様であるため、以下、管理システム60aの構成を例として説明する。
【0048】
装置管理システム70aは、通信先データ保持部71a、通信制御部72a、データベース73a、コマンド処理部74aからなる。通信先データ保持部71aは、具体例1における通信先データ保持部11と同様の機能を有するものであるが、本具体例では、監視制御システム80aと共に、コマンド変換システム90a、90bの位置情報も保持されている。通信制御部72aは、具体例1の通信制御部13と同様の機能を有すると共に、コマンド処理部74aからの監視制御コマンドを受けた場合に、通信先データ保持部71aで保持されているコマンド変換システム90a、90b宛に、この監視制御コマンドを送信する機能を有している。データベース73aは、図示省略した具体例1における監視制御処理部12と同様の監視制御処理部による監視対象装置の全ての監視状態のデータを記憶するためのデータベースである。コマンド処理部74aは、通信制御部72aから監視制御コマンド等のメッセージに基づいてデータベース73aに監視制御内容を書き込むと共に、データベース73a上の内容に変更が発生する事象の場合は、この変更内容を示す変更通知を通信制御部72aに対して送信する機能を有している。
【0049】
監視制御システム80aは、コマンドコードデータ保持部81a、監視制御処理部82a、通信制御部83aからなる。
コマンドコードデータ保持部81aは、具体例1におけるコマンドコードデータ保持部21a、21bと同様の機能を有するものである。監視制御処理部82aは、具体例1における監視制御処理部22a、22bと同様の機能を有するものである。通信制御部83aは、具体例1における通信制御部23a、23bと同様の機能を有するものである。
【0050】
コマンド変換システム90aは、通信制御部91a、92a、コマンドコードデータ保持部93a、コマンド処理部94aからなる。通信制御部91aは、装置管理システム70aとの通信制御を行うための制御部である。即ち、装置管理システム70aからの変更通知を受信し、この変更通知をコマンド処理部94aに送信する機能を有している。通信制御部92aは、監視制御システム80aにおける通信制御部83aと同様の機能を備えている。即ち、コマンド処理部94aからのメッセージを受けた場合に、そのコマンドコードをコマンドコードデータ保持部93aに保持し、管理システム60bの装置管理システム70bに対して送信する機能を有している。
【0051】
コマンドコードデータ保持部93aは、監視制御システム80aにおけるコマンドコードデータ保持部81aと同様の機能を備えている。即ち、何らかのメッセージを送信する場合に、そのコマンドコードを保持する機能を有している。コマンド処理部94aは、通信制御部91aからの変更通知に基づいて、監視制御システム80aの監視制御処理部82aと同様のメッセージを生成し、これを通信制御部92aに送信する機能を有している。
【0052】
以上説明した管理システム60aの構成は、管理システム60bにおける装置管理システム70b、監視制御システム80bおよびコマンド変換システム90bでも同様である。
【0053】
〈動作〉
動作の一例として、監視制御システム80aが現在運用している自系のシステム、監視制御システム80bが他系のシステムであるとする。
先ず、監視制御システム80aの監視制御処理部82aで監視制御コマンドが生成されると、これが通信制御部83aに送信される。監視制御コマンドを受信した通信制御部83aは、その監視制御コマンドからコマンドコードを取り出してコマンドコードデータ保持部81aに設定する。その後、その監視制御コマンドをそのまま装置管理システム70aに送信する。以上の動作は、具体例1における監視制御システム20a、20bの動作と同様である。
【0054】
監視制御コマンドを受信した装置管理システム70aの通信制御部72aは、受信したメッセージをそのままコマンド処理部74aに送信する。このときに、そのコマンドがデータベース73aのデータを書き換えるような処理であった場合、コマンド処理部74aから変更通知が通信制御部72aに送信される。通信制御部72aは、この変更通知を受信すると、通信先データ保持部71aに保持されている全ての通知先に対して監視制御コマンド通知を送信する。本具体例では、監視制御システム80aの通信制御部83a、コマンド変換システム90aの通信制御部91aおよびコマンド変換システム90bに監視制御コマンド通知を送信する。
【0055】
ここで、監視制御システム80aの通信制御部83aは、監視制御コマンド通知を受信するが、コマンドコードデータ保持部81aで保持されているコマンドコードとは一致しないため、この監視制御コマンド通知を削除する。また、コマンド変換システム90aの通信制御部91aでは、監視制御コマンド通知を受信すると、これをコマンド処理部94aに送信する。一方、コマンド変換システム90bでは、予備系であるため、監視制御システム80bおよびコマンド変換システム90bは待機状態となっており、通信制御部91bでは監視制御コマンド通知を受信しない。
【0056】
コマンド変換システム90aのコマンド処理部94aは、通信制御部91aから監視制御コマンド通知を受信すると、その監視制御コマンド通知の内容に基づいて、監視制御システム80aの監視制御処理部82aで生成された監視制御コマンドと同様のコマンドを生成し、そのコマンドを通信制御部92aに送信する。コマンドを受信した通信制御部92aは、監視制御システム80aの通信制御部83aと同様に、コマンドコードを取り出して、コマンドコードデータ保持部93aに設定する。その後、その監視制御コマンドをそのまま管理システム60bの装置管理システム70bの通信制御部72bに送信する。コマンドを受信した通信制御部72bは、上述した装置管理システム70aの通信制御部72aと同様に、そのメッセージをコマンド処理部74bに送信する。そして、コマンド処理部74bは、コマンド処理部74aと同様にデータベース73bに対して同様の書き換えを行う。このような動作により、管理システム60a側のデータベース73aの変更が、管理システム60b側のデータベース73bに反映される。
【0057】
また、上述した監視制御システム80aからの監視制御コマンド以外の監視イベントといった場合も、装置管理システム70aからコマンド変換システム90aに、監視イベントが通知される。これにより、コマンド変換システム90aは、上述した処理と同様に、通信制御部72bに対して通知を行う。通信制御部72bはこれを受信すると、そのままコマンド処理部74bに送信し、コマンド処理部74bは、これをデータベース73bに書き込む。
【0058】
尚、管理システム60bが自系のシステム、管理システム60aが他系のシステムの場合の動作も上記の動作と同様である。
【0059】
〈効果〉
以上のように、具体例3によれば、運用系の監視制御システム80a(80b)から装置管理システム70a(70b)に、そのデータベース73a(73b)に変更が発生するような事象が発生した場合、装置管理システム70a(70b)から、コマンド変換システム90a(90b)に対して、変更通知を行い、コマンド変換システム90a(90b)で、この変更通知に基づいて、変更内容を示すメッセージを他系の装置管理システム70b(70a)に対して送信するようにしたので、従来のような二重化するサーバは共有するハードディスクのケーブルが届く範囲で設置しなければならないという制約がなくなり、自系と他系の管理システム60a、60bが通信可能に接続されていれば、自系と他系の位置関係はどのようなものであってもよく、例えば、ネットワークを介して自系と他系のシステムが遠隔地に位置することも可能である。
【0060】
《利用形態》
●具体例2において、図7(d)に示すような警報種別や発生場所等に対して通知先を選択するよう構成してもよい。この場合は、図7(c)に示すアドレス情報に加えて、どのような場合に通知するかを識別する情報を付加する。そして、監視制御処理部54は、このような識別情報に基づいて、通知先を選択し、該当する通知先に通知する。これにより、例えば、発生状況、発生場所、警報種別、回線情報等の基づいて、通知先を任意に選択することも可能である。
●具体例2では、通知先への通知手段としてメールの場合を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば音声通知といった手段も用いることも可能である。
●具体例3では、管理システムを二重化する例を説明したが、具体例3の構成では、管理システムは他系の管理システムの動作状況について意識することなくデータベースにアクセスすることができるため、コマンド変換システムが送信する装置管理システムを増加させることで、二重化を超える多重化が可能である。即ち、他系として二つ以上の管理システムがあってもよい。
【0061】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、装置管理システムにて提供する通信方法や通信手段を一つの方法に統一し、装置管理システムは全ての監視制御システムに対して通知を行い、監視制御システムでは装置管理システムから送られてきた情報から必要なもののみ取り出して処理するようにしたので、管理システムとして改造に相当する変更を行う場合でも、変更するプロトコル等に対応した監視制御システムを追加するだけで済み、従って、製造および検証に要する時間も少なくて、しかも、このような変更を行う場合でも、管理システムそのものの動作は停止する必要がなく、管理システムとしての信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の管理システムの具体例1を示す構成図である。
【図2】具体例1における通信先データ保持部に保持される情報の説明図である。
【図3】具体例1における装置管理システムが送受信するメッセージ構成の説明図である。
【図4】具体例1の装置管理システムにおける通信制御部の動作フローチャートである。
【図5】具体例1の監視制御システムにおける通信制御部の動作フローチャートである。
【図6】具体例2の主要部の構成図である。
【図7】具体例2における各種情報の説明図である。
【図8】具体例2における監視制御システムの動作を示すフローチャートである。
【図9】具体例2における障害通知システムの動作を示すフローチャートである。
【図10】具体例3の構成図である。
【符号の説明】
10、70a、70b 装置管理システム
11、71a、71b 通信先データ保持部
12、22a、22b、27、54 監視制御処理部
13、23a、23b、26、53、72a、72b、92a、92b 通信制御部
20a、20b、24、80a、80b 監視制御システム
21a、21b、93a、93b コマンドコードデータ保持部
25 通知先データ保持部
50 障害通知システム
51 通知元データ保持部
52 通知先データ保持部
60a、60b 管理システム
73a、73b データベース
74a、74b、94a、94b コマンド処理部
90a、90b コマンド変換システム
【発明の属する技術分野】
本発明は、監視対象装置の監視を行う装置管理システムと、上位装置とのインタフェースに対応して設けられた監視制御システムとからなる管理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上位装置からの指示に基づいて、ネットワーク上の監視対象装置の監視を行う管理システムがあった。このような管理システムでは次のように構成されていた。
1.上位装置によって必要な情報、通信手段(プロトコル)といったインタフェースが異なるために、それぞれ固有の通信方法を規定していた。
2.それぞれが固有の通信方法であったために、この管理システムを監視するための端末として、専用のHMI(ヒューマン・マシン・インタフェース)端末でしか用いることができなかった。
3.別々の構成の管理システムであるため、機能追加(例えば、通信手段の変更、システムの二重化等)毎に改造していた。
【0003】
また、上記1.のような問題に対処するため、異なるプロトコルを中継する中継装置があった(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−175226号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の管理システムでは次の問題があった。
1.従来の方式では、異なる上位装置への接続あるいはプロトコルの変更等が発生した場合、その都度、これらの構成に対応できるよう、管理システムの改造を行わなければならなかった。このような改造を行う場合は次のような問題があった。
▲1▼改造部分が、管理システム全体に関わるため、製造および動作の検証に時間を要していた。
▲2▼改造を施したファイルを入れ替えるときに管理システムの動作そのものを停止させる必要があり、従って、この時間中は装置の監視制御もできないという問題があった。本来、このような管理システムでは、24時間365日連続でその動作が継続して行われるべきものであり、これが停止してしまうことは管理システムとしての機能を十分果たしているとは言えないものであった。
【0006】
2.また、従来では、管理システムとして専用のHMI端末上でのみ監視可能であったため、保守者が24時間HMI端末の設置局で監視する必要があった。
【0007】
3.更に、従来のクラスタリング技術による管理システムの二重化の場合、二重化するサーバは共有するハードディスクのケーブルが届く範囲で設置しなければならず、従って、二重化するシステムの設置場所に制約があると共に、クラスタリングするための必要な機器にコストがかかるという問題があった。
【0008】
また、上述した、中継装置であっても、新しい上位装置やプロトコルが変更になった場合は、中継装置そのものに改造を施さなければならず、上述した問題と同様の問題を有していた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述の課題を解決するため次の構成を採用する。
即ち、本発明は、監視対象装置の監視を行う装置管理システムと、上位装置とのインタフェースに対応して設けられた監視制御システムとからなる管理システムであって、装置管理システムは、監視制御システムの位置情報を格納する通信先データ保持部と、監視対象装置の監視制御処理を行う監視制御処理部と、監視制御システムに対して、メッセージ送信を行う場合、通信先データ保持部より監視制御システムの位置情報を取り出し、位置情報の相手に送信する通信制御部とを備える。また、監視制御システムは、監視制御コマンドを装置管理システムに対して送信する場合に、この監視制御コマンドを識別するための識別情報を保持するコマンドコードデータ保持部と、上位装置との監視制御に関する通信を行う監視制御処理部と、装置管理システムからメッセージを受信した場合は、このメッセージの識別情報と、コマンドコードデータ保持部に保持されている識別情報とを比較し、一致した場合に、自身の監視制御システム宛の監視制御コマンド応答であると判定し、監視制御処理部に送信する通信制御部とを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を具体例を用いて詳細に説明する。
《具体例1》
〈構成〉
図1は、本発明の管理システムの具体例1を示す構成図である。
管理システムは、装置管理システム10と監視制御システム20a、20bからなる。装置管理システム10は、監視対象装置30−1〜30−nの監視を行う機能部であり、通信先データ保持部11、監視制御処理部12、通信制御部13を備えている。
【0011】
通信先データ保持部11は、監視制御システム20a、20bのネットワーク上の位置情報、例えばIPアドレスといった識別情報を保持する機能部である。
図2は、通信先データ保持部11に保持される情報の説明図である。
図示のように、装置管理システム10が接続する全ての監視制御システム20a、20bの位置情報11−1〜11−nが格納される。尚、これらの位置情報としては初期値は0となっており、いずれかの監視制御システム20a、20bからの接続要求によって、その監視制御システム20a、20bの位置情報が格納されるようになっている。
【0012】
図3は、装置管理システム10が送受信するメッセージ構成の説明図である。
メッセージには、監視制御システム20a、20bが装置管理システム10に送信する接続要求コマンド100および監視制御コマンド200と、装置管理システム10が監視制御システム20a、20bに送信する監視制御コマンド応答300および監視イベント通知400がある。
【0013】
接続要求コマンド100は、監視制御システム20a、20bが自システムを装置管理システム10に登録要求するためのコマンドであり、このメッセージが何であるかを識別するためのメッセージコード101と、自システムの位置情報102を含んでいる。監視制御コマンド200は、監視制御システム20a、20bが上位装置40a、40bから指示された監視制御コマンドを装置管理システム10に与えるためのメッセージであり、これが何のメッセージであるかを識別するためのメッセージコード201と、監視制御コマンドに対応したコマンドコード202と、実際のコマンドデータ203からなる。
【0014】
監視制御コマンド応答300は、装置管理システム10が受信した監視制御コマンド200に対する応答であり、このメッセージが何のメッセージであるかを識別するためのメッセージコード301と、監視制御コマンド応答に対応したコマンドコード302と、実際のコマンド応答データ303からなる。監視イベント通知400は、例えば監視対象装置30−1〜30−nで発生した障害等を通知するためのメッセージであり、このメッセージが何のメッセージであるかを識別するためのメッセージコード401と、どのような監視イベントであるかを示す監視イベントデータ402からなる。
【0015】
図1に戻り、監視制御処理部12は、監視対象装置30−1〜30−nの監視制御処理を行う機能部である。即ち、通信先データ保持部11で受信される監視制御コマンド200に基づいて、対象となる監視対象装置30−1〜30−nの監視制御を行い、また、その監視制御結果としての監視制御コマンド応答300を送出したり、監視対象装置30−1〜30−nの障害発生通知等を示す監視イベント通知400といったデータ送信を行う機能を有している。
【0016】
通信制御部13は、装置管理システム10において、監視制御システム20a、20bや監視対象装置30−1〜30−nといった全ての装置の通信制御を行う機能部である。即ち、通信制御部13は、いずれかの監視制御システム20a、20bから監視制御コマンド200等が送信された場合に、この監視制御コマンド200を受信して、監視制御処理部12に渡すと共に、通信先データ保持部11を参照して、監視制御処理部12からの監視制御コマンド応答300等を通信先となる監視制御システム20a、20bに送信する機能を有している。
【0017】
監視制御システム20a、20bは、それぞれ監視制御システムとしては別々の機能を有しており、それぞれが接続される上位装置40a、40bのプロトコルに対応した構成となっている。これら監視制御システム20a、20bは、それぞれ、コマンドコードデータ保持部21a、21b、監視制御処理部22a、22b、通信制御部23a、23bを備えている。
【0018】
コマンドコードデータ保持部21a、21bは、何らかのコマンドを装置管理システム10に対して送信する場合に、そのコマンドを識別する識別情報(コマンドコードデータ)を保持する機能部である。尚、このコマンドコードデータとしては初期値は0となっており、装置管理システム10に対して何らかのコマンドを送信する場合に設定されるようになっている。
【0019】
監視制御処理部22a、22bは、上位装置40a、40bに対応した処理を行う機能部であり、上位装置40a、40bからの監視要求を受け取って処理したり、これら上位装置40a、40b宛のメッセージを作成して送信するといった機能を有している。
【0020】
通信制御部23a、23bは、装置管理システム10からデータを受信した場合は、当該データのコマンドコードと、前記コマンドコードデータ保持部21a、21bに保持されているコマンドコードデータとを比較し、一致した場合に、監視制御コマンド応答300であると判定して監視制御処理部22a、22bに送信し、また、監視イベント通知400であった場合は、これを監視制御処理部22a、22bに送信する機能を有している。即ち、これらの通信制御部23a、23bと、装置管理システム10の通信制御部13とによってリアルタイムの通信が行えるようになっている。
【0021】
尚、監視対象装置30−1〜30−nとは、例えばネットワークの通信制御装置といった装置である。また、上位装置40a、40bとは、種々の管理システムに指示を与えたり、管理システムにおける監視結果を取得するための管理システムの上位に位置する装置である。
【0022】
〈動作〉
次に、具体例1における動作を装置管理システム10と監視制御システム20a、20bに分けて説明する。
図4は、装置管理システム10における通信制御部13の動作フローチャートである。
先ず、装置管理システム10の初期状態では通信先データ保持部11の位置情報は全て0が格納されている。即ち、通信先データ保持部11は初期化されている。このような状態で、通信制御部13は、メッセージの受信待ちを行う(ステップS1)。そして、何らかのメッセージが受信された場合は、そのメッセージのメッセージコードに基づいて事象判定を行う(ステップS2)。
【0023】
ステップS2の事象判定の結果、メッセージが監視制御システム20a、20bからの接続要求コマンド100であった場合、その接続要求コマンド100から位置情報102を取り出す(ステップS3)。そして、通信先データ保持部11中の位置情報が0の位置に取り出した位置情報102を設定する(ステップS4)。
【0024】
また、ステップS2の事象判定の結果、メッセージが監視制御システム20a、20bからの監視制御コマンド200であった場合は、そのメッセージをそのまま監視制御処理部12に送信する(ステップS5)。更に、ステップS2の事象判定の結果、メッセージが監視制御処理部12からの監視制御コマンド応答300または監視イベント通知400であった場合は、先ず、通信先データ保持部11を参照して最初の位置情報11−1を取り出し(ステップS6)、これが0であるかを判定する(ステップS7)。即ち、送信すべき監視制御システム20a、20bの位置情報が保持されているか否かを判定する。ステップS7において、0であった場合は、ステップS6に戻って、次の位置情報11−2を取り出す。
【0025】
ステップS7で0でなかった場合、即ち、いずれかの監視制御システム20a、20bの位置情報が保持されていた場合は、その位置情報の内容に従って、メッセージを監視制御システム20a、20bに送信する(ステップS8)。このような処理(ステップS6〜ステップS8)を通信先データ保持部11の全ての位置情報に対して繰り返し行う(ステップS9)。
【0026】
次に監視制御システム20a、20bにおける通信制御部23a、23bの動作を説明する。
図5は、その動作フローチャートである。
尚、以下、監視制御システム20a、20bの一例として、監視制御システム20aの動作を例として説明する。
先ず、通信制御部23aは、起動された後、コマンドコードデータ保持部21aに0を設定する(ステップS11)。即ち、コマンドコードデータ保持部21aを初期化する。次に、接続要求コマンド100にメッセージコード101と自システムの位置情報102を設定し、装置管理システム10に対して送信する(ステップS12)。その後はメッセージ待ちとなる(ステップS13)。
【0027】
メッセージを受信すると、そのメッセージのメッセージコードから事象の判定を行う(ステップS14)。受信したメッセージが監視制御処理部22aからの監視制御コマンド200の場合は、受信した監視制御コマンド200からコマンドコード202を取り出して、このコマンドコード202をコマンドコードデータ保持部21aに設定する(ステップS15)。次に、この監視制御コマンド200を装置管理システム10に送信する(ステップS16)。
【0028】
ステップS14の事象判定の結果、受信したメッセージが装置管理システム10からの監視制御コマンド応答300であった場合、受信した監視制御コマンド応答300からコマンドコード302を取り出し(ステップS17)、コマンドコードデータ保持部21aに保持されているコマンドコードデータと比較する(ステップS18)。コマンドコード302とコマンドコードデータが一致した場合は、コマンドコードデータ保持部21aのコマンドコードデータに0を設定し(ステップS19)、受信した監視制御コマンド応答300を監視制御処理部22aに送信する(ステップS20)。一方、ステップS18において、コマンドコード302とコマンドコードデータ保持部21aのコマンドコードデータが一致しない場合は受信したメッセージを削除する(ステップS21)。即ち、自システム宛の監視制御コマンド応答300ではない場合は、そのまま削除する。
【0029】
ステップS14の事象判定の結果、受信したメッセージが装置管理システム10からの監視イベント通知400であった場合、受信した監視イベント通知400をそのまま監視制御処理部22aに送信する(ステップS22)。即ち、監視イベント通知400の場合は、自システムからのコマンドへの応答ではないため、コマンドコードの比較等の処理は行わずに監視制御処理部22aに送信する。
【0030】
尚、上記の通信制御部23aの動作において、複数の監視制御コマンド200を並列に処理するか、あるいは同一の監視制御コマンド200は受け付けない処理とするかは運用条件等に応じてその構成を任意に選択することができる。即ち、複数の監視対象装置30−1〜30−nに対して、同一の監視制御コマンド200が上位装置40a、40bから与えられた場合等、これらの監視制御コマンド200を並列に処理する場合は、各監視制御コマンド200を識別できるような識別情報をコマンドコードに付加してコマンドコードデータ保持部21aで保持する。一方、同一の監視制御コマンド200は受け付けないようにする場合は、上記のステップS15において、コマンドコードを取り出した後、このコマンドコードがコマンドコードデータ保持部21aに予め保持されているかを判定し、保持されているコマンドコードと一致した場合は、所定のエラー処理を行う、といった構成で対応することができる。
【0031】
また、監視制御システム20bの通信制御部23bの動作についても、以上説明した通信制御部23aの動作と同様である。
【0032】
〈効果〉
以上のように、具体例1によれば、管理システムとして、上位装置40a、40bのインタフェースに対応した監視制御システム20a、20bと、これら監視制御システム20a、20bに対して共通の装置管理システム10を設け、装置管理システム10は、全ての監視制御システム20a、20bに対して全ての情報を提供し、監視制御システム20a、20b側で、装置管理システム10から送られてきた情報から必要なもののみ取り出して処理するようにしたので、次のような効果がある。
【0033】
●新規の上位装置が加わったり、上位装置のプロトコル等が変更になった場合でも、これに対応した監視制御システムを用意すればよく、既存の装置管理システム10や監視制御システム20a、20bに手を加える必要がない。従って、上位装置とのインタフェースの変更等にも柔軟に対処することができる。
●その結果、管理システムの機能変更を行う場合も、管理システムそのものの動作を停止させる必要がなく、管理システムとしての本来の機能を十分に発揮することができる。
【0034】
《具体例2》
具体例2は、具体例1の構成に加えて、監視イベント通知を携帯端末等の通知先に送信するようにしたものである。
【0035】
〈構成〉
図6は、具体例2の主要部の構成図である。
図6では、監視制御システム24と障害通知システム50を示している。監視制御システム24は、具体例1の監視制御システム20a、20bと同様の機能を有すると共に、SNMPのTRAP機能を有している。この監視制御システム24は、通知先データ保持部25と、通信制御部26と、監視制御処理部27を備えている。
【0036】
通知先データ保持部25は、障害通知システム50のネットワーク上の位置情報を保持する機能部である。
図7は、具体例2における各種情報の説明図である。
図7(a)は、通知先データ保持部25における通知先情報25aを示している。この通知先情報25aとしては、例えばネットワークアドレスや装置名等である。通信制御部26は、具体例1における通信制御部23a、23bの機能を有すると共に、受信したメッセージが監視イベント通知400であった場合は、これを監視制御処理部27に送信し、これ以外のイベント通知であった場合は削除する機能を有している。監視制御処理部27は、具体例1の監視制御処理部22a、22bの機能を有すると共に、監視イベント通知400を受信した場合は、通知先データ保持部25を参照し、通知先情報が設定されていた場合は、その通知先に対してTRAP電文を作成して送信する機能を有している。尚、図6の監視制御システム24において、具体例1におけるコマンドコードデータ保持部21a、21b等の構成はその図示を省略している。
【0037】
障害通知システム50は、通知元データ保持部51、通知先データ保持部52、通信制御部53、監視制御処理部54を備えている。
通知元データ保持部51は、監視イベント通知を通知する通知元の監視制御システム24の識別情報を保持する機能部であり、通知元情報51aを備えている(図7(b)参照)。尚、この通知元情報51aとしては、ネットワークアドレスや装置名等の識別情報である。通知先データ保持部52は、通知先となる携帯端末等のアドレス情報(52−1〜52−n)を保持する機能部である(図7(c)参照)。
【0038】
通信制御部53は、監視制御システム24との通信制御を行うための機能部であり、監視制御システム24からのイベント通知を受け取った場合、これが監視イベント通知か否かを判定し、監視イベント通知であった場合に監視制御処理部54へこの監視イベント通知を送信する機能を有している。
監視制御処理部54は、通信制御部53から監視イベント通知を受信した場合は、通知先データ保持部52を参照して、保持されている全てのアドレスに対して通知を行う機能を有している。
【0039】
通知される情報としては、図7(d)に示すようになっている。即ち、「発生状況」とは、障害が発生したのか、あるいは回復したのかを示す情報である。「発生場所」とは、例えばネットワーク制御装置等の場合、どの装置かを特定するための装置情報と、更に、その装置内のどの位置(場所)で発生したかを示す物理位置情報等を示している。また、「警報種別」とは、どのような警報であるかを示す情報であり、例えば、EQP(監視対象装置における物理的な障害等の警報)、REC(ネットワークにおける回線状態の異常等を示す警報)といった種別を示している。更に、「回線情報」とは、複数の回線におけるどの回線かを特定するための回線IDや、その回線の使用者といった情報を示している。
【0040】
〈動作〉
次に、具体例2の動作を、監視制御システム24と障害通知システム50とに分けて説明する。
図8は、監視制御システム24の動作を示すフローチャートである。
監視制御システム24は、起動された後、メッセージの受信を待つ(ステップS21)。通信制御部26でメッセージを受信すると、通信制御部26は、メッセージのメッセージコードから事象の判定を行う(ステップS22)。このステップS22において、監視イベント通知400以外のイベント通知を受信した場合は、そのメッセージを削除し(ステップS23)、メッセージ受信待ちに戻る。
ステップS22において、メッセージが監視イベント通知400であった場合は、そのメッセージから監視イベントデータ402を取り出し(ステップS24)、監視制御処理部27に送信する。
【0041】
監視制御処理部27では、監視イベントデータ402を受け取ると、通知先データ保持部25から通知先情報25aを取り出す(ステップS25)。そして、この通知先情報25aが0であるかを判定する(ステップS26)。この通知先情報25aが0である場合は、通知先情報が設定されていない(監視イベント通知400は障害通知システム50に通知しない)ため、その監視イベント通知400を削除し(ステップS23)、メッセージの受信待ちに戻る。
ステップS26において、0以外、即ち、通知先が設定されている場合、監視制御処理部27はTRAP電文を作成し(ステップS27)、障害通知システム50に送信する(ステップS28)。
【0042】
次に、障害通知システム50の動作について説明する。
図9は、障害通知システム50の動作を示すフローチャートである。
障害通知システム50は、起動された後、TRAP電文の受信を待つ(ステップS31)。通信制御部53は、TRAP電文を受信すると、通知元データ保持部51から通知元情報51aを取り出し(ステップS32)、通知元情報51aが0かどうかを判定する(ステップS33)。通知元情報51aが0である場合は、監視イベント通知を受ける設定ではない、即ち、自システムで処理する電文ではないため、受信TRAP電文を削除し(ステップS34)、ステップS31の受信待ちに戻る。
【0043】
ステップS33において、通知元情報51aが設定されていた場合、通信制御部53は、受信TRAP電文が監視イベント通知400であるかを判定し(ステップS35)、監視イベント通知400でなければ、受信TRAP電文を削除し(ステップS34)、ステップS31の受信待ちに戻る。
ステップS35において、監視イベント通知400であった場合、通信制御部53は、この監視イベントデータ402を監視制御処理部54に送信する。監視制御処理部54では、この監視イベントデータ402を受け取ると、通知先データ保持部52からアドレス情報を取り出し(ステップS36)、アドレス情報が0であるかを判定する(ステップS37)。0であった場合は、通知先が存在しないため、受信TRAP電文を削除し(ステップS34)、ステップS31の受信待ちに戻る。
【0044】
ステップS37において、0以外であった場合は受信TRAPから通知する障害情報を作成し(ステップS38)、障害情報を電子メールにて通知先に対して送信する(ステップS39)。即ち、図7(d)に示した、発生状況、発生場所、警報種別、回線情報を示す電子メールをアドレス情報52−1〜52−nの通知先に送信する。
【0045】
〈効果〉
以上のように、具体例2によれば、種々の通知先に監視イベントデータを通知するための障害通知システム50を設け、この障害通知システム50に対して監視制御システム24が監視イベント通知を行うようにしたので、従来のように管理システム専用のHMI端末を用いることなく、障害通知システム50からの通知を受けることができる装置であればどのような装置も用いることができる。また、このような装置を携帯電話やPDA(Personal Digital Assistants)等の携帯端末のメール機能を用いることで、保守作業者は、管理システムの監視対象装置でどのような障害が発生しているかといった状況をリアルタイムかつ、どのような場所でも把握することができる。
【0046】
《具体例3》
具体例3は、自系と他系の管理システムを多重化した管理システムにおいて、各管理システムの設置場所等の構成を柔軟に変更できるようにしたものである。
【0047】
〈構成〉
図10は、具体例3の構成図である。
図のシステムは、管理システム60a、60bからなる。各管理システム60a、60bは、独立に動作する二重化システムであり、それぞれは同様の構成を備えている。
管理システム60a、60bは、それぞれ装置管理システム70a、70b、監視制御システム80a、80b、コマンド変換システム90a、90bを備えている。尚、これら管理システム60a、60b内の各構成は同様であるため、以下、管理システム60aの構成を例として説明する。
【0048】
装置管理システム70aは、通信先データ保持部71a、通信制御部72a、データベース73a、コマンド処理部74aからなる。通信先データ保持部71aは、具体例1における通信先データ保持部11と同様の機能を有するものであるが、本具体例では、監視制御システム80aと共に、コマンド変換システム90a、90bの位置情報も保持されている。通信制御部72aは、具体例1の通信制御部13と同様の機能を有すると共に、コマンド処理部74aからの監視制御コマンドを受けた場合に、通信先データ保持部71aで保持されているコマンド変換システム90a、90b宛に、この監視制御コマンドを送信する機能を有している。データベース73aは、図示省略した具体例1における監視制御処理部12と同様の監視制御処理部による監視対象装置の全ての監視状態のデータを記憶するためのデータベースである。コマンド処理部74aは、通信制御部72aから監視制御コマンド等のメッセージに基づいてデータベース73aに監視制御内容を書き込むと共に、データベース73a上の内容に変更が発生する事象の場合は、この変更内容を示す変更通知を通信制御部72aに対して送信する機能を有している。
【0049】
監視制御システム80aは、コマンドコードデータ保持部81a、監視制御処理部82a、通信制御部83aからなる。
コマンドコードデータ保持部81aは、具体例1におけるコマンドコードデータ保持部21a、21bと同様の機能を有するものである。監視制御処理部82aは、具体例1における監視制御処理部22a、22bと同様の機能を有するものである。通信制御部83aは、具体例1における通信制御部23a、23bと同様の機能を有するものである。
【0050】
コマンド変換システム90aは、通信制御部91a、92a、コマンドコードデータ保持部93a、コマンド処理部94aからなる。通信制御部91aは、装置管理システム70aとの通信制御を行うための制御部である。即ち、装置管理システム70aからの変更通知を受信し、この変更通知をコマンド処理部94aに送信する機能を有している。通信制御部92aは、監視制御システム80aにおける通信制御部83aと同様の機能を備えている。即ち、コマンド処理部94aからのメッセージを受けた場合に、そのコマンドコードをコマンドコードデータ保持部93aに保持し、管理システム60bの装置管理システム70bに対して送信する機能を有している。
【0051】
コマンドコードデータ保持部93aは、監視制御システム80aにおけるコマンドコードデータ保持部81aと同様の機能を備えている。即ち、何らかのメッセージを送信する場合に、そのコマンドコードを保持する機能を有している。コマンド処理部94aは、通信制御部91aからの変更通知に基づいて、監視制御システム80aの監視制御処理部82aと同様のメッセージを生成し、これを通信制御部92aに送信する機能を有している。
【0052】
以上説明した管理システム60aの構成は、管理システム60bにおける装置管理システム70b、監視制御システム80bおよびコマンド変換システム90bでも同様である。
【0053】
〈動作〉
動作の一例として、監視制御システム80aが現在運用している自系のシステム、監視制御システム80bが他系のシステムであるとする。
先ず、監視制御システム80aの監視制御処理部82aで監視制御コマンドが生成されると、これが通信制御部83aに送信される。監視制御コマンドを受信した通信制御部83aは、その監視制御コマンドからコマンドコードを取り出してコマンドコードデータ保持部81aに設定する。その後、その監視制御コマンドをそのまま装置管理システム70aに送信する。以上の動作は、具体例1における監視制御システム20a、20bの動作と同様である。
【0054】
監視制御コマンドを受信した装置管理システム70aの通信制御部72aは、受信したメッセージをそのままコマンド処理部74aに送信する。このときに、そのコマンドがデータベース73aのデータを書き換えるような処理であった場合、コマンド処理部74aから変更通知が通信制御部72aに送信される。通信制御部72aは、この変更通知を受信すると、通信先データ保持部71aに保持されている全ての通知先に対して監視制御コマンド通知を送信する。本具体例では、監視制御システム80aの通信制御部83a、コマンド変換システム90aの通信制御部91aおよびコマンド変換システム90bに監視制御コマンド通知を送信する。
【0055】
ここで、監視制御システム80aの通信制御部83aは、監視制御コマンド通知を受信するが、コマンドコードデータ保持部81aで保持されているコマンドコードとは一致しないため、この監視制御コマンド通知を削除する。また、コマンド変換システム90aの通信制御部91aでは、監視制御コマンド通知を受信すると、これをコマンド処理部94aに送信する。一方、コマンド変換システム90bでは、予備系であるため、監視制御システム80bおよびコマンド変換システム90bは待機状態となっており、通信制御部91bでは監視制御コマンド通知を受信しない。
【0056】
コマンド変換システム90aのコマンド処理部94aは、通信制御部91aから監視制御コマンド通知を受信すると、その監視制御コマンド通知の内容に基づいて、監視制御システム80aの監視制御処理部82aで生成された監視制御コマンドと同様のコマンドを生成し、そのコマンドを通信制御部92aに送信する。コマンドを受信した通信制御部92aは、監視制御システム80aの通信制御部83aと同様に、コマンドコードを取り出して、コマンドコードデータ保持部93aに設定する。その後、その監視制御コマンドをそのまま管理システム60bの装置管理システム70bの通信制御部72bに送信する。コマンドを受信した通信制御部72bは、上述した装置管理システム70aの通信制御部72aと同様に、そのメッセージをコマンド処理部74bに送信する。そして、コマンド処理部74bは、コマンド処理部74aと同様にデータベース73bに対して同様の書き換えを行う。このような動作により、管理システム60a側のデータベース73aの変更が、管理システム60b側のデータベース73bに反映される。
【0057】
また、上述した監視制御システム80aからの監視制御コマンド以外の監視イベントといった場合も、装置管理システム70aからコマンド変換システム90aに、監視イベントが通知される。これにより、コマンド変換システム90aは、上述した処理と同様に、通信制御部72bに対して通知を行う。通信制御部72bはこれを受信すると、そのままコマンド処理部74bに送信し、コマンド処理部74bは、これをデータベース73bに書き込む。
【0058】
尚、管理システム60bが自系のシステム、管理システム60aが他系のシステムの場合の動作も上記の動作と同様である。
【0059】
〈効果〉
以上のように、具体例3によれば、運用系の監視制御システム80a(80b)から装置管理システム70a(70b)に、そのデータベース73a(73b)に変更が発生するような事象が発生した場合、装置管理システム70a(70b)から、コマンド変換システム90a(90b)に対して、変更通知を行い、コマンド変換システム90a(90b)で、この変更通知に基づいて、変更内容を示すメッセージを他系の装置管理システム70b(70a)に対して送信するようにしたので、従来のような二重化するサーバは共有するハードディスクのケーブルが届く範囲で設置しなければならないという制約がなくなり、自系と他系の管理システム60a、60bが通信可能に接続されていれば、自系と他系の位置関係はどのようなものであってもよく、例えば、ネットワークを介して自系と他系のシステムが遠隔地に位置することも可能である。
【0060】
《利用形態》
●具体例2において、図7(d)に示すような警報種別や発生場所等に対して通知先を選択するよう構成してもよい。この場合は、図7(c)に示すアドレス情報に加えて、どのような場合に通知するかを識別する情報を付加する。そして、監視制御処理部54は、このような識別情報に基づいて、通知先を選択し、該当する通知先に通知する。これにより、例えば、発生状況、発生場所、警報種別、回線情報等の基づいて、通知先を任意に選択することも可能である。
●具体例2では、通知先への通知手段としてメールの場合を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば音声通知といった手段も用いることも可能である。
●具体例3では、管理システムを二重化する例を説明したが、具体例3の構成では、管理システムは他系の管理システムの動作状況について意識することなくデータベースにアクセスすることができるため、コマンド変換システムが送信する装置管理システムを増加させることで、二重化を超える多重化が可能である。即ち、他系として二つ以上の管理システムがあってもよい。
【0061】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、装置管理システムにて提供する通信方法や通信手段を一つの方法に統一し、装置管理システムは全ての監視制御システムに対して通知を行い、監視制御システムでは装置管理システムから送られてきた情報から必要なもののみ取り出して処理するようにしたので、管理システムとして改造に相当する変更を行う場合でも、変更するプロトコル等に対応した監視制御システムを追加するだけで済み、従って、製造および検証に要する時間も少なくて、しかも、このような変更を行う場合でも、管理システムそのものの動作は停止する必要がなく、管理システムとしての信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の管理システムの具体例1を示す構成図である。
【図2】具体例1における通信先データ保持部に保持される情報の説明図である。
【図3】具体例1における装置管理システムが送受信するメッセージ構成の説明図である。
【図4】具体例1の装置管理システムにおける通信制御部の動作フローチャートである。
【図5】具体例1の監視制御システムにおける通信制御部の動作フローチャートである。
【図6】具体例2の主要部の構成図である。
【図7】具体例2における各種情報の説明図である。
【図8】具体例2における監視制御システムの動作を示すフローチャートである。
【図9】具体例2における障害通知システムの動作を示すフローチャートである。
【図10】具体例3の構成図である。
【符号の説明】
10、70a、70b 装置管理システム
11、71a、71b 通信先データ保持部
12、22a、22b、27、54 監視制御処理部
13、23a、23b、26、53、72a、72b、92a、92b 通信制御部
20a、20b、24、80a、80b 監視制御システム
21a、21b、93a、93b コマンドコードデータ保持部
25 通知先データ保持部
50 障害通知システム
51 通知元データ保持部
52 通知先データ保持部
60a、60b 管理システム
73a、73b データベース
74a、74b、94a、94b コマンド処理部
90a、90b コマンド変換システム
Claims (4)
- 監視対象装置の監視を行う装置管理システムと、上位装置とのインタフェースに対応して設けられた監視制御システムとからなる管理システムであって、
前記装置管理システムは、
前記監視制御システムの位置情報を格納する通信先データ保持部と、
前記監視対象装置の監視制御処理を行う監視制御処理部と、
前記監視制御システムに対して、メッセージ送信を行う場合、前記通信先データ保持部より前記監視制御システムの位置情報を取り出し、当該位置情報の相手に送信する通信制御部とを備え、
前記監視制御システムは、
監視制御コマンドを前記装置管理システムに対して送信する場合に、当該監視制御コマンドを識別するための識別情報を保持するコマンドコードデータ保持部と、
前記上位装置との監視制御に関する通信を行う監視制御処理部と、
前記装置管理システムからメッセージを受信した場合は、当該メッセージの識別情報と、前記コマンドコードデータ保持部に保持されている識別情報とを比較し、一致した場合に、自身の監視制御システム宛の監視制御コマンド応答であると判定し、前記監視制御処理部に送信する通信制御部とを備えたことを特徴とする管理システム。 - 請求項1に記載の管理システムにおいて、
前記監視制御システムは、
前記装置管理システムから監視イベント通知を受信した場合は、当該監視イベント通知を、前記監視制御処理部に送信する通信制御部とを備えたことを特徴とする管理システム。 - 請求項1または2に記載の管理システムにおいて、
監視制御システムから送信された情報を予め決められた通知先に通知する障害通知システムを設け、
前記監視制御システムは、
前記障害通知システムの位置情報を識別するための通知先情報を保持する通知先データ保持部と、
メッセージを受信した場合は、前記通知先データ保持部を参照して、当該通知先の障害通知システムを特定する通信制御部と、
前記通信制御部が特定した障害通知システムに前記メッセージを送信する監視制御処理部とを備え、
前記障害通知システムは、
通知元の監視制御システムの位置情報を示す通知元データ保持部と、
通知先の位置情報を示す通知先データ保持部と、
メッセージを受信した場合は、前記通知元データ保持部を参照し、当該メッセージの送信元が通知元データ保持部の監視制御システムと一致した場合は、自身の障害通知システム宛のメッセージであると判定し、当該メッセージを監視制御処理部に送信する通信制御部と、
メッセージを受信した場合は、前記通知先データ保持部を参照して通知先を特定し、当該通知先に前記メッセージを送信する監視制御処理部とを備えたことを特徴とする管理システム。 - 監視対象装置の監視を行う装置管理システムと、上位装置とのインタフェースに対応して設けられた監視制御システムと、他系の管理システムへのコマンド変換を行うコマンド変換システムとからなる管理システムを、自系と他系の管理システムで多重化した管理システムであって、
前記自系および他系のそれぞれの管理システムは、
前記監視制御システムおよび前記コマンド変換システムの位置情報を格納する通信先データ保持部と、前記監視対象装置の監視制御処理を行う監視制御処理部と、監視状態の情報を保存するデータベースと、受信したメッセージに基づいて前記データベースを変更すると共に、当該データベースに変更が発生する事象の場合、変更通知を送信するコマンド処理部と、任意のメッセージを受信した場合は、当該メッセージを前記コマンド処理部に送信すると共に、前記コマンド処理部より前記変更通知を受けた場合に、前記通信先データ保持部から前記コマンド変換システムおよび前記監視制御システムの位置情報を取り出し、当該位置情報の前記コマンド変換システムおよび前記監視制御システムに対して前記変更通知を送信する通信制御部とを有する装置管理システムと、
監視制御コマンドを前記装置管理システムに対して送信する場合に、当該監視制御コマンドを識別するための識別情報を保持するコマンドコードデータ保持部と、前記上位装置との監視制御に関する通信を行う監視制御処理部と、前記装置管理システムからメッセージを受信した場合は、当該メッセージの識別情報と、前記コマンドコードデータ保持部に保持されている識別情報とを比較し、一致した場合に、自身の監視制御システム宛の監視制御コマンド応答であると判定し、前記監視制御処理部に送信する通信制御部とを有する監視制御システムと、
前記変更通知を受けた場合は、変更内容を示すメッセージを生成するコマンド処理部と、前記コマンド処理部が生成したメッセージを前記他系の管理システムに通知する通信制御部とを有するコマンド変換システムとを備えたことを特徴とする管理システム。
Priority Applications (1)
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JP2002359579A Pending JP2004192337A (ja) | 2002-12-11 | 2002-12-11 | 管理システム |
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2002
- 2002-12-11 JP JP2002359579A patent/JP2004192337A/ja active Pending
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