JP2004192314A - 情報表示手段付icカード、及びその製造方法 - Google Patents

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直幸 坂田
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Abstract

【課題】ICカード上に情報を表示する薄型の表示手段を備え、ICカードがもつ情報をその表示手段に表示することができ、特に従来備わっているICカードの機能を低下させずに済む情報表示機能付きICカードとその製造方法を提供する。
【解決手段】電子制御で情報表示・消去する情報表示手段、アンテナ、及び、アンテナを介して外部のデータ通信手段と非接触式によるデータ通信の機能を有するICチップを備えたICカードで、ICカード外への読み出しが許されているメモリ情報、又は、ICカード外からの受信情報の、いずれかに基づく情報を表示画面に表示可能であ、表示画面が有る部分とアンテナコイルが有る部分との配置が、ICカードの厚さ方向に関しては互いに重なり合わない位置に配置されていること、を特徴とする情報表示手段付ICカードとその製造方法である。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくとも非接触式による通信機能(ICカードの外部にある外部読み書き装置との間でアンテナを介して非接触でデータの送受信を行う機能)を備えたICカードとその製造方法に関して、特には、そのICカードが情報を表示する表示手段を有するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
ICカードは一般に、磁気カード等に比べて大量のデータを記憶できるメモリを搭載しているので、たった1枚のカードであっても多くの情報を格納することができる。また、マイクロコンピュータによりデータ管理を行うのでセキュリティ性が高いという特徴を有する。このため社員証、定期券、キャッシュカード、クレジットカードなど様々な分野で利用されるようになってきている。
しかしながら、メモリ内のデータは一般に電子的な情報なので、この内容を知るには一旦ICカードの内容をリーダライタ等の読取装置から読み取り、ディスプレイに表示させたり、紙に出力するなどの処理を行わなければならない。
【0003】
このような問題点を解決するために、ICカードの表面に可逆性感熱記録層を設けたICカードが提案されている(例えば特許文献1を参照)。この可逆性感熱記録層には、所望のデータを可視情報としてカード表面に表示することが可能であり、しかも必要に応じて表示データを書き換えることが可能である。
このようなICカードであれば、有効期限や利用可能残金などのICカード内の必要なデータを可視情報として表示できるので極めて便利である。しかしながら、上記発明では可逆性感熱記録層を用いて表示データを形成するために、専用の外部書き込み装置が必要となる。
【0004】
一方、可変情報を目視可能に表示する液晶表示装置をICカードに設けるといったアイデアが過去提案され、当時から存在していた接触式ICカードに関して一部では開発や試作が進んだ(例えば非特許文献2を参照)。
しかし、これらには次のような欠点もあった。例えば、(1)液晶表示装置の表示方式(液晶材料とも関係)によっては、液晶材料が封入されたセルとその他に偏向板や保護層等も必要となり、適合させようとするICカードの規格類によっては、ディスプレイ自体の厚さをある程度まで薄する対策が必要となる問題点。(2)もしディスプレイ自体を薄くできても、その駆動には比較的高い電圧又は多くの電力を必要とする為に、ICカードに電池類[ボタン型電池、太陽電池、等]を備えておく等の対策が必要となる問題点。(3)もしICカードに電池類を備える場合は、不要となった電池の廃棄に関わる環境保護対策も必要となる問題点。また(4)これらの問題解決の為に、結果的にそのICカードのコストも高揚させてしまう問題点もあった。
【0005】
そこでこれらに鑑みて、例えば、ICカードの表面側に従来の液晶表示装置の場合よりも薄型なディスプレイを設けるといったアイデアが提案されている。即ち、エレクトロルミネセンス材料、ポリマー分散型液晶、ポリマー安定型液晶、スメクティック液晶、又は、強誘電性液晶のいずれかを応用したディスプレイ、あるいは、マイクロカプセル型電気泳動方式を用いたディスプレイである。
ここで、特に強誘電性液晶か又はマイクロカプセル型電気泳動方式による場合には、いわゆる不揮発性を有していることから、情報の表示を敢えて消去しない限りは、表示に用いた電力の供給が無くなってもその情報(画像、文字、パターン、等)の表示を維持し続けることができる長所がある。しかしながら、これら薄型のディスプレイをICカード上に搭載した場合、搭載位置によっては従来のICカードの機能あるいは製造の容易性やコスト性を低下/又は損なってしまう可能性もあり問題であった。
【0006】
図10は従来のICカード10の概略図である。ここで、点線で示す部分はカード内に収納されていることを意味する。
尚、ICカードには外部のデータ通信手段との間の通信方式により大別して、接触式、非接触式、又は、複合式の3方式がある(より詳しくは後述する)。そして、図10に示すICカードの例は複合式ICカードにあたる。
【0007】
ICチップ2、外部機器と接触させて通信を行う為の端子5、外部機器と非接触で通信を行う為のアンテナ6、エンボス形成領域7等が内蔵あるいは形成されている。
一般には、複合式ICカードにおいては、ICチップ2はICモジュール基板を間に介して端子5とは反対側に形成され、端子をICカードの外側に面してICチップがそのICカード内に納まるように作成されている。また、図10に示す図の例で大まかに述べると、もし非接触通信用のアンテナ6が無い場合は接触式ICカードに相当し、もし端子5がカード表面に形成されない場合には非接触式ICカードに相当する説明図になる。
【0008】
ここで、図11(a)に示す様に、ICカード10表面に前述のディスプレイ3を搭載し、情報表示手段付ICカード得ようとすると、ディスプレイ3の搭載で採用する技術によってはそのディスプレイ3がある部分がカードとしては厚くなり、図11(b)に示す様にディスプレイ3がカード本体の表面から出っ張ってしまって、従来使用していた外部のデータ通信手段(リーダライター)に挿入できなくなってしまう問題とか、接触式の通信に用いる端子5が図10に示す位置に形成することができなくなり、従来使用していた外部機器との接触通信ができなくなるという問題、また、エンボス領域7が従来のそれよりも狭くなるという問題、あるいは、図11(b)のB部分に示すように、ディスプレイ3をカードに設置する際に非接触通信用のアンテナを切断してしまうという問題、等があった。
【0009】
【特許文献1】特開平09−290583号公報
【非特許文献1】安保秀雄著「ディスプレイとキーパッド付きICカードの試作品が完成,フィールド実験開始へ」日経エレクトロニクス(No.425)、日経BP社、1987年7月13日、p.143−149
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の従来の技術の問題点に鑑みて成されたものであり、少なくともアンテナを持つ(即ち少なくとも非接触式の機能を持つ)ICカードに関して、情報を表示するディスプレイをそのICカードに備えることができ、勿論そのICカードはICカードとしての機能を発現でき、特には、ディスプレイを備えていてもICカードの厚さをより薄く形成する為に有効であること、更には、ディスプレイとそのディスプレイの制御用ラインとの間をより簡便で高信頼性の下に電気信号的な接続を達成する為に有効であること、これらを満たす情報表示手段付ICカードとその製造方法を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明が提供する請求項1の発明は、少なくとも、電子制御によって情報の表示あるいは消去が可能な情報表示手段、外部のデータ通信手段との間で非接触式でデータ通信を行う為のアンテナ、及び、該アンテナを介して外部の該データ通信手段との間で非接触式でデータ通信を行う機能を有するICチップ、を備えた情報表示手段付のICカードにおいて、
該ICカードに設けられたメモリに記憶してある情報のうち該ICカード外への読み出しが許されている情報か、あるいは、該ICカード外から受信した情報、これらの少なくともいずれかに基づいた情報を該情報表示手段のディスプレイに表示することが可能であって、
該ディスプレイが有る部分と、該アンテナが設けてある部分との配置の関係が、該ICカードの厚さ方向に関して互いに重なり合わない位置に配置されていること、
を特徴とする情報表示手段付ICカード。
【0012】
請求項2の発明は、外部にあるデータ通信手段との間で接触式のデータ通信を行うための端子をさらに備え、ICチップは該端子を介して該接触式のデータ通信を行う機能を有すること、を特徴とする請求項1に記載の情報表示手段付ICカードである。
【0013】
請求項3の発明は、ICチップが、前記非接触式のデータ通信を行う機能と、前記接触式のデータ通信を行う機能を、1チップ内に有するICチップであること、を特徴とする請求項2に記載の情報表示手段付ICカードである。
【0014】
請求項4の発明は、情報の前記表示を消去しなければ、該情報を表示するときの情報の書き込みに必要なエネルギを除去した後であっても該情報の表示が消えない情報表示技術が、前記ディスプレイに用いてあること、
を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の情報表示手段付ICカードである。
【0015】
請求項5の発明は、前記ディスプレイには、マイクロカプセル方式の電気泳動型の表示技術が用いてあること、を特徴とする請求項4に記載の情報表示手段付ICカードである。
【0016】
また、請求項6の発明は、少なくとも、電子制御によって情報の表示あるいは消去が可能な情報表示手段、外部のデータ通信手段との間で非接触でデータ通信を行う為のアンテナ、及び、該アンテナを介して外部の該データ通信手段との間で非接触でデータ通信を行う機能を有するICチップ、を備えた情報表示手段付のICカードを製造する方法において、
該ICカードに設けられたメモリに記憶してある情報のうちで該ICカード外への読み出しが許されている情報か、あるいは、該ICカード外から受信した情報、これらの少なくともいずれかに基づいた情報を該情報表示手段のディスプレイに表示することが可能であって、
該ディスプレイが有る部分と、該アンテナが設けてある部分との配置の関係が、該ICカードの厚さ方向に関して互いに重なり合わない位置に配置すること、を特徴とする情報表示手段付ICカードの製造方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下では本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明に関わる情報表示手段付ICカードの一例を示す機能ブロック図である。図1に示すICチップ2は、一例として、CPU、ROM(一般にはEEPROM)、RAM、RF回路、等を内蔵したものである。そして、情報を表示するディスプレイ3、ディスプレイを駆動するドライバ4を備える構成となっている。(尚、本発明では、ICチップ自体の構成は必ずしも限定されず、これとは違えたものを適宜採用してよい。)
図1において、ICチップ2、ディスプレイ3、ドライバ4はそれぞれ別々の構成となっている。尚、ICチップ2の仕様やディスプレイ3の駆動方式によっては色々なバリエーションがありえる。例えば、ICチップ2にドライバ4が内蔵されている場合、ドライバ4とディスプレイ3の少なくとも2つが(例えばディスプレイモジュールとして)一体化されている場合、又は、ICチップ2、ディスプレイ3、ドライバ4の少なくとも3つが(1モジュールとして)一体化されている場合、等も、検討のうえ適宜採用してよい。
【0018】
ICカードは、外部とのデータ通信(一般にデータの送受信)の方式により、一般に、接触式、非接触式、あるいは、複合式とに大別されるが、本発明に関わるICカードは、少なくとも非接触式でデータ通信を行うことができるICカードに採用することができる。
ここで、接触式とは、図示しない外部機器とICカード表面に接触式の為の導通性のある面が形成された端子5とを接触させて通信を行う方式であり、非接触式とは、カード内にアンテナ6を内蔵し外部機器と非接触で通信を行う方式である。また、複合式とは、端子5およびアンテナ6を具備し、接触式と非接触式の機能を1枚のカードに搭載したICカードである。
(尚、複合式の場合のICチップの機能と数については、大別して、両機能を1チップで1カードに有する方式と、片方の機能を1チップで持ち計2チップで両方の機能を1カードに有する方式のいずれかの場合が考えられる。本発明はいずれに対しても適用してよい。)
ICチップ2に対しては、端子5あるいはアンテナ6から電源の供給および信号の授受が行われ、ICチップ2内のメモリに情報が格納され、メモリに格納された情報は、ドライバ4の制御に基づきディスプレイ3に表示される。
【0019】
また、上記のICチップとは、集積回路技術を用いて製造されたチップの総称であって、いわゆるIC、LSI、VLSI等のいずれにも該当し、大きさ、集積度の規模、価格、等は関係ない。
また、上記メモリ類に関しては、一般に該ICチップに備わっていることがより好ましい。これは一般に、製造、コスト、又は、セキュリテイ対策、等の面の優位さとか利便性、等による。(但し、本発明の適用に関して云えば、メモリ類が必ずしも全てICチップに備えていなければならない必要性はなく、そのメモリ類にICチップがアクセス出来るのであれば、仮にカード内でICチップの外に設けてあるメモリ類であってもよい。)
【0020】
尚、本発明でいうアンテナには、大きく分けて2つの形態がありえる。
その一方は、導電体(導線、又は、膜状の導体パターン、等のいずれでもよい)がコイル状に巻いた形状をもつアンテナ(一般にはアンテナコイルと称されたりもする)であり、また他方は、導電体(この場合もやはり導線、又は、膜状の導体パターン、等のいずれでもよい)が前記コイル状以外の形状を成したアンテナであって、例えば、矩形、円形、又は、不定形、等の幾何学的形状とか、あるいはその他の例えば、板状、又は、棒状、等々の色々な形状を成しうる。
本発明を実施する場合、アンテナは、そのカードの使用形態等も考慮するなどして、適宜、設計してよい。
【0021】
以上のように構成される本発明に関わる情報表示手段付ICカード1は、例えば図2に示すような形態となる。
【0022】
図2(a)は本発明の情報表示手段付ICカードを複合式ICカードに応用した例であり、図2(b)はA−A´付近の断面図である。尚、図において、点線で示す部分はカード内に収納されていることを意味する。
図示しない外部機器と接触させて通信を行う為の端子5、ディスプレイ3、エンボス形成領域7がカード表面に形成され、図示しない外部機器と非接触で通信を行う為のアンテナ6、ドライバ4はカード内に収納されている。
【0023】
複合式ICカード(特に1カードに1チップ)の場合、ICチップ2は、モジュール基板を間にして、端子5がカードの外側に露出する面とは反対側に形成され、カード内に収納されている構造を採用するのが一般的である。
また、ICチップ2と、端子5、アンテナ6、ドライバ4、ディスプレイ3は詳細を図示しないが例えば配線パターンによりカード内で電気的に接続されており、図1に示すブロック図の構成となっている。(尚、本発明は、カード内部では電気信号を適切に送受信できれば、有線(配線、等)か無線(誘導結合、等)かを問わず、工学技術に基づいて回路を適宜設計し使用してよい。)
【0024】
また、図2に示す例において、端子5がカード表面に形成されない場合には、一般に、非接触式ICカードに本発明を適用した一例となる。
【0025】
図2に示す本発明に関わる情報表示手段付ICカード1の一実施例では、ディスプレイ3の搭載部分のカードの厚み82が0.68〜0.84mmとなっている為に、カードの厚みに対してディスプレイが、必要以上に出っ張ることがなく、従来のICカードと同じように使用できる。
尚、ISOやJISによるとICカードの厚みが0.68〜0.84mmとうたわれている。例えば、“JIS X 6303”ではICカードの厚みが0.68〜0.84mmと規定されている。
【0026】
ところで、本発明によると、例えばICカードの厚みをこの範囲以内にすることも、またこの範囲外にすることも、設計上ではどちらも可能である。
しかし、もしこの厚みをこの範囲外にした場合には、ISOやJISで提唱されているICカードに関する基準には、必ずしも適合しないことになる(少なくとも現状では)。その為、場合によっては、そのICカードを使用するとき、実用上不便な事態も発生してしまう可能性はあるので、設計の際は使用目的や使用形態をよく考慮する等してよく検討しておく必要がある。ここで云う実用上不便な事態の、比較的判り易そうな具体例を挙げてみると、外部のデータ通信手段(読み取り書き込み手段)であって、データの読み取り,書き込みの際にICカードをカード挿入口に挿入する型式のデータ通信手段があった場合、もしICカードの挿入口の間隙の広さに対してICカードが厚過ぎれば、普通そのICカードは挿入できず、結局この外部のデータ通信手段ではデータの読み取り,書き込みが、巧くできない/又は全くできないということになる。
【0027】
ちなみに、「ICカード」の名称について本発明では、たとえICカードに関する世の中の規格類に整合しないものであっても、ICチップとそれが外部のデータ通信手段との間でデータ通信する機能を備えたカードであれば、総じてICカードと称することにする。
【0028】
また本発明によると、ディスプレイ3と端子5とが、カードの厚さ方向について互いに重なり合わない位置に配置されている為、希望の位置に端子5を形成することも可能であり、場合によっては“JIS X 6303”に規定の位置に端子5を形成することも可能である。
【0029】
さらに本発明においては基本的に、ディスプレイ3と非接触通信用のアンテナ6との配置関係が、カードの厚さ方向について互いに重なり合わない位置に配置される。これの狙いとするところの代表例を挙げると、次のようになる。
即ち、
(イ)ディスプレイ3をこのICカードに搭載する方法が、例えば後述するザグリ方式によるような場合では、ディスプレイ3を設置する際にアンテナ6を切断してしまうトラブルを予防する為である。[尚、この切断は、半製品や製造等に関わる諸精度のバラツキに主に起因する。]
(ロ)ディスプレイ3がその構成上から金属板を備えている場合あるが、その金属板を備えるディスプレイ3をこのICカードに設けるケースでは、場合によっては、非接触式のデータ通信に関わる電磁波が、その金属板によって遮蔽されるか又は悪影響を及ぼされることにより、ICカード(のICチップ)と外部のデータ通信の機器との間での、非接触通信の機能が障害をきたしたり又は低下したりしてしまう問題を、予防し又は低減する為である。
【0030】
また、
(ハ)エンボスを設けるICカードの場合、ディスプレイ3と、エンボスがある部分8との配置関係が、ICカードの厚さ方向について互いに重なり合わない位置に配置される。これによりエンボス形成時にディスプレイ3が破壊されてしまう危険性が無くなるだけでなく、ディスプレイ3を搭載することによって、従来のエンボス領域が狭くなってしまうこともない。
場合(設計)によっては、“JIS X 6302”のエンボス領域をすべて使用することも可能である。
(ニ)ディスプレイ3を設けた部分はそのICカードの厚さが厚くなりがちだが、前記のようにディスプレイ3とアンテナ6とが重なり合わないように配置することにより、ディスプレイ3を設けた部分であっても、[アンテナがそのICカードの厚さ方向には存在しないので基本的に]より薄く成すことができる。そして、ディスプレイ3自体がより薄くなり、又は、ディスプレイ3とドライバ等も含めた装置[例えばディスプレイ3の背面部にドライバ等を設けた構成の場合]がより薄くなることで、少なくともそのディスプレイ3が有る部分のICカードの厚さをさらに薄くすることに有効となる。
【0031】
この結果、本発明に関わる情報表示手段付ICカードでは、ディスプレイ3を搭載することにより、従来のICカードの機能を損なったり/あるいは性能を低下させたりしない。
【0032】
図3は本発明に関わる情報表示手段付ICカード1の製作工程を示す1例である。
まず図3(a)に示す様に、プラスチックシート62上の金属箔をエッチング処理することによって、非接触通信用のアンテナ6(ここではコイル状)、配線パターン63、端子用電極64が形成されたアンテナコイルシート61(アンテナコイルを有したシート。以下同様。)が形成される。
プラスチックシート62の材料としては、ポリイミドとか又はポリエチレンテレフタレート等が用いられ、金属箔の材料としては、主に、銅とか又はアルミ等が用いられる。また、プラスチックシート上に導電ペーストを印刷して得た印刷アンテナコイルシート(アンテナコイルを印刷で形成したシート。以下同様。)を用いることも、適宜可能である。
そして、上記のようにして得られたアンテナコイルシート61上に、適当な接着材料等を用いて、ICチップ2、ディスプレイ3、ドライバ4が実装される。
【0033】
図3(a)でICチップ2等が実装されたアンテナコイルシート61は、図3(b)に示す様にカード化基材81によって挟み込まれ、熱ラミネート加工されることによりアンテナコイルシート61を内蔵したカード本体8が得られる。カード化基材81としては、塩化ビニール、ポリエチレンテレフタレート、ABS等を用いることができる。
図3(b)において、カード化基材81はディスプレイ3部分がくり抜かれたシートを用いている為、ディスプレイ3はカード表面に露出している。
カードの構成(例えばディスプレイ3の端部とカードの端部とが一致する構成のその端部では)によっては、ディスプレイが納まる為の部分がくり抜かれたシートを必ずしも用いなくとも、ディスプレイの為の部分のカード化基材81を透明なシートを用いてラミネート加工を行うことも可能である。また、カードとしての体裁を作るカード化の技術は、必ずしも前記のような熱ラミネート加工に限らず、他に例えば射出成型等の技術を適宜採用してもよい。
【0034】
いずれの場合にも、本発明に関わるこの1例では、好ましくはディスプレイ分の厚みを含むカードの厚みが0.68〜0.84mmとなるようにカード化が行われる。
アンテナコイルシート61を内蔵したカード本体8には、接触通信用端子5を設置する設置穴83がザグリ加工により形成される。このとき、端子5と電気的な接続をするアンテナコイルシート側の端子用電極64はカード本体8の設置穴83で露出している。
【0035】
次に、図3(c)に示す様に、カード本体8の設置穴83に端子5が設置され、さらに、エンボス形成領域7にエンボス71が形成され、本発明の情報表示手段付ICカード1が完成する。
【0036】
図4は本発明に関わる情報表示手段付ICカード1の別の製作工程を示す1例である。この例では、ディスプレイの厚み方向の下側にドライバが形成され、ディスプレイモジュール31として一体化されている。
本発明の課題にある、更にディスプレイとそのディスプレイの制御用ラインとの間を、より簡便で且つ高信頼性の下で(前述のような)電気信号的な接続を達成する為には、この図4に示すような例は、より好適な手法例となる。これによると、前記接続するライン数も少なく用意できるので、接続が行い易く好ましい。
【0037】
まず図4(a)に示す様に、プラスチックシート62上の金属箔をエッチング処理することによって、非接触通信用のアンテナ6、配線パターン63、端子用電極64が形成されたアンテナコイルシート61が形成される。プラスチックシート62、金属箔の材料としては図3に示す例と同様の材料が使用可能である。
【0038】
次に図4(a)で形成されたアンテナコイルシート61は、図3に示す例と同様にカード化され、図4(b)に示すカード本体8が形成される。アンテナコイルシート61を内蔵したカード本体には、接触通信用端子の設置穴83、ディスプレイモジュールの設置穴84がザグリ加工により形成される。このとき、端子5と電気信号的な接続(この例では導電体による接続)をするアンテナコイルシート側の端子用電極64、ディスプレイモジュール31と電気的な接続をするアンテナコイルシート側のディスプレイ用電極65はカード本体8の各設置穴83、84で露出している。
【0039】
次に、図4(c)に示す様に、カード本体8の設置穴83にICチップ2を内蔵した端子5が設置され、設置穴84にディスプレイモジュール31が設置される。さらに、エンボス形成領域7にエンボス71が形成され本発明の情報表示手段付ICカードが完成する。
【0040】
本発明の情報表示手段付ICカードでは、図3に示す例の様に、ディスプレイやICチップ等をアンテナコイルシート上に実装してからカード化を行うこともでき、また、図4に示す例の様にカード化を行ってから、ICチップやディスプレイ等を搭載してもよい。情報表示手段付ICカードを構成する各部材の搭載順序やカード化順序に関しては限定されない。
【0041】
ディスプレイ3としては、エレクトロルミネセンス材料、ポリマー分散型液晶、ポリマー安定型液晶、スメクティック液晶、強誘電性液晶、マイクロカプセル型電気泳動方式を用いた表示媒体等を用いることができる。
【0042】
従来の液晶表示装置では、保護層としてのガラスの厚みが0.3〜0.5mm程度あり、これを対で使うので結構な厚みになる。また、これは厚みが0.2〜0.3mm程度の偏光板(偏光フィルム)や位相差板(位相差フィルム)、またTFT等の電極が必要である。
このため、ディスプレイ3を含むカードの厚みが0.68〜0.84mmていどのICカードを得ることは、一般にはなかなか難しい。
上記の表示媒体を用いたディスプレイならば、ガラスの保護層等が不要であり、全体をフィルム構成とすることで、容易に薄くすることが可能であり、もちろんディスプレイのサイズも、用途、要望に応じて任意のサイズのものを作成することができるため、本発明のICカードに好適に用いることができる。
【0043】
また、強誘電性液晶やマイクロカプセル型電気泳動方式を用いた表示媒体を用いると、ディスプレイの電源を切っても表示画像が消えない不揮発性(メモリ性)を有するので、大幅な省電力化が可能である。
【0044】
次に、ディスプレイ3にフィルム式のマイクロカプセル型電気泳動方式のディスプレイを用いる場合について、より詳細に説明する。
図5にディスプレイ3の断面図を示す。紙 やプラスチック等の基材32上に、電極フィルム33、画像表示層35、電極フィルム34及びこの表示部を保護する表面保護層36が積層されている。なお、表面保護層36は省略することも可能である。
【0045】
電極フィルム34は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド等透明なプラスチックフィルムに電極が形成されているものである。電極フィルム33も同様な基材の電極が形成されてなるものであるが、必ずしも透明性は要求されない。電極の方式は任意のものを選択可能であるが、下記のようなマイクロカプセル型電気泳動方式を用いる場合は、電極フィルム34は全面に同一の電位がかかる共通電極とし、電極フィルム33にはアクティブマトリックス電極、セグメント電極等による電極を採用することができる。
【0046】
図6にマイクロカプセル9の一例を示す。マイクロカプセル9は、メタクリル酸樹脂、ユリア樹脂、アラビアゴム等をカプセル殻91とし、内部には酸化チタンからなる白の粒子93とカーボンブラックからなる黒の粒子94が、シリコーンオイル等の粘性の高い分散媒92で分散され封入されている。白の粒子である酸化チタンは正電荷を帯びており、一方黒の粒子であるカーボンブラックは負電荷を帯びている。
【0047】
このため、図7(b)に示すように、二つの電極フィルム34、33に電界を印加して、電極フィルム34が負極、電極フィルム33が正極になった場合、正に帯電した白の粒子93が電極フィルム34側に引かれ、黒の粒子94が電極フィルム33側に引かれるので、少なくとも電極フィルム34を透明電極としておき、電極フィルム34側の上方から観察するとその部分が白く見える。また、逆に電極フィルム34が正極、電極フィルム33が負極になった場合、正に帯電した白の粒子93が電極フィルム33側に引かれ、黒の粒子94が電極フィルム34側に引かれるので、電極フィルム34の上方から観察するとその部分が黒く見える。
画像表示層35は、このようなマイクロカプセル9を多数有しており、電極フィルム34、33の各アドレス電極の電界を制御することで、図7(a)で「A」という文字を黒で表示したように、所望の文字や図形を白と黒の画素で表示させることができる。
【0048】
上記の例に於いては、マイクロカプセルは白黒の2種類の粒子を含有させたモノクロ(白黒)の表示であるが、粒子の位置を電位のかけ方で多段階に調整することで中間調の表示を行うこと、異なる色の粒子を含有させてカラー表示させる或いは2種類以上の粒子を含有させることなども可能である。また、上記のマイクロカプセルでは白黒の2種類の粒子を含有させているが、1種類の粒子を用い、分散媒を黒に着色させることでもモノクロ(白黒)表示を実現することができる。
【0049】
すなわち、図8に示すように白の粒子である酸化チタンを正電荷に帯電させ、黒に着色した分散媒95に分散させたマイクロカプセルを用い、二つの電極フィルム34、33に電界を印加して、電極フィルム34が負極、電極フィルム33が正極になった場合、正に帯電した白の粒子93が電極フィルム34側に引かれ、黒に着色した分散媒95は必然的に33の電極フィルム側に押し下げられるので、電極フィルム34側の上方から観察するとその部分が白く見える。
また、逆に電極フィルム34が正極、電極フィルム33が負極になった場合、正に帯電した白の粒子93が電極フィルム33側に引かれ、黒に着色した分散媒95は必然的に電極フィルム34側に押し上げられるので、電極フィルム34側の上方から観察するとその部分が黒に見える。
【0050】
マイクロカプセルをアクティブマトリックス駆動法で駆動する場合は、電極フィルム33は画素電極として画素毎に独立してパターニングされ、図示しない薄膜トランジスタ、信号電極、および走査電極を併設し、電極フィルム34は光透過性基材上に一様に形成された透明な共通電極とする。
【0051】
この場合、電極フィルム34を共通電極にすると全面同一電位になるので(例えば電位をゼロとする)、電極フィルム33側の各アドレス電極の電界を制御(正または負の電位を与える)することで、上記の原理に基づき電極位置のマイクロカプセル内の粒子を移動させ、所望の画像を表示させることができる。同様に、電極フィルム33を共通電極とし、電極フィルム34側の各アドレス電極の電界を制御することで、電極位置のマイクロカプセル内の粒子を移動させることで所望の画像を表示させるようにしてもよい。
【0052】
時分割駆動の場合は、電極フィルム34、33が、それぞれにライン状の透明導電体(例えばITO等を用いる。[ITOはいわゆる“Indium Tin Oxide”の略])による複数の電極を有し、片方の電極フィルムにある透明導電体のラインの方向と他方の電極フィルムにある透明導電体のラインの方向とが互いに交差(一般には直交が適)するように、且つ、電極が有る面を対向させた配置(但し「交差する」といっても電極同士を接触させるわけではない)に構成され、少なくとも、この電極がそれぞれ交差する領域にマイクロカプセルが存在するように形成する。もちろん、駆動方式は上述したものに限定されず、用途に応じて最適なものを選択すればよい。
尚、透明導電体のラインの方向を両電極フィルム間で交差させる角度は、必ずしも直交(交差角度90°)でなく、例えば斜めになる他の角度であっても、駆動させること自体は可能である。例えば、画像品質の調整も含めた画像表示の制御性の簡便さ、等を考慮して、この交差する角度を適宜設定してよい。
【0053】
マイクロカプセルの径は種々のものを採用することが可能だが、径に関しては一般に約40〜100μmのものを適宜採用することで、十分な解像度と応答性を得ることができる。表示画像の解像度は主として電極フィルム中の電極の配置(解像度)に依存するが、マイクロカプセルの径が小さければ分散媒中のマイクロカプセルの移動速度が速くなり、結果として表示の際の応答性に優れる(応答速度が速い)というメリットがある。
【0054】
上記の例では、モノクロ(白黒)の画像表示の例であるが、カラー画像表示の場合には図9に示すように画素単位に分割されたR(赤),G(緑),B(青)の色を有するカラーフィルタ37を画素単位で電界を印加することができる透明な電極フィルム34側に設けることで実現できる。すなわち、白い粒子が電極フィルム34側に引かれている部分の観察光は白粒子で反射されカラーフィルタを通過してくるので、カラーフィルタの色が観察されることになる。
【0055】
図9の例では、カラーフィルタのR画素部及びG画素部は白い粒子が電極フィルム34の透明電極側に引かれているのでR光及びG光が観察され、カラーフィルタのB画素部は黒い粒子が電極フィルム34の透明電極側に引かれているので観察光は吸収されB光は観察されない。このように、画素単位で観察されるR,G,B光を制御することでカラー画像表示が可能となる。なお、図9では電極33を共通電極としているが、電極34側を共通電極としても良い。
【0056】
以上のように、ディスプレイ3をフィルム式のマイクロカプセル型電気泳動方式のディスプレイとすると、画像表示層とフィルムによる電極のみでも良いので、非常に薄いディスプレイ3を得られるようになる。また、各粒子は粘性の高い分散媒に分散されており、一度電界を印加した後は電源が切断されても粒子の位置が変化しない。
このように、初期の表示や書き換え時のみ電界を印加すればよく、通常の液晶表示装置に比べて表示に必要な電力も少なくてすみ、大幅な省電力化が可能である。さらに、黒い粒子94のカーボンブラックは、通常の印刷を行うインクと同じ材料であるので、極めて紙の印刷物に近い自然な表示を行うことが可能となる。
【0057】
【発明の効果】
本発明は以上の構成であるから、下記に示す如き効果がある。 即ち、ディスプレイと非接触通信用のアンテナコイルとの配置関係が、カードの厚さ方向について互いに重なり合わない位置に配置される為、ディスプレイの搭載方法がザグリ方式による場合には、ディスプレイを設置する穴の形成時にアンテナコイルが切断される事を防止する事ができ、あるいは、ディスプレイが構成上、金属板を備えている場合、金属板による電磁波の遮蔽により、外部機器との非接触通信機能が低下する事を防止する効果がある。
【0058】
尚、ディスプレイ搭載部分であってもカードの厚みが0.68〜0.84mmとすることにより、厚さの観点でISO又はISOに準じた規格に合うことになり、カードの厚みに対してディスプレイが必要以上に出っ張ることがなく、従来のICカードと同じように使用できる。
即ち、(厚さ以外にも縦横の寸法が適合する必要があるが、)これにより接触式ICカード用の従来からある外部のデータ通信手段(リーダライター)に挿入でき、データの読み取り,書込みが可能になる。
また、ディスプレイと接触通信用の端子との配置の関係が、カードの厚さ方向について互いに重なり合わない位置に配置した場合、接触式の通信用の端子を、ICカードとして支障の無い位置をある程度まで自由に選んで形成することができる。
また、ディスプレイとエンボスがある部分との配置の関係が、ICカードの厚さ方向について互いに重なり合わない位置に配置した場合、エンボス形成時にディスプレイが破壊されることがなく、ディスプレイを搭載することによっても、従来のエンボスが設けられうる領域が狭くなってしまうこともない。
【0059】
さらに、本発明では、不揮発性を有するディスプレイを用いることにより、ディスプレイの電源を切っても表示画像が消えないので、大幅な省電力化が可能である。
また、ディスプレイをマイクロカプセル型電気泳動方式のディスプレイとすることにより、視野角が広く、不揮発性も高く、電力使用量が少なく、また、極めて紙の印刷物に近い自然な表示を行うことも可能となる。この場合、ディスプレイ用の透明基板として、従来のガラス基板に替えて、例えば、樹脂を主材料にした厚さのより薄い透明のシート又はフィルムを採用すること等によって、より厚さの薄いマイクロカプセル型電気泳動方式のディスプレイを得られるようになり、これを搭載することによって希望するICカードの薄さを満たしうることにつながる。
【0060】
つまるところ、本発明によると、少なくともアンテナを持つ(即ち少なくとも非接触式の機能を持つ)ICカードに関して、情報を表示するディスプレイをそのICカードに備えることができ、勿論そのICカードはICカードとしての機能を発現でき、特には、ディスプレイを備えていてもICカードの厚さをより薄く形成する為に有効であること、更には、ディスプレイとそのディスプレイの制御用ラインとの間を、より簡便で高信頼性の下に、電気信号的な接続を(工学技術により)達成する為に有効であること、これらを満たす情報表示手段付ICカードとその製造方法を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる情報表示手段付ICカードの1実施例(複合式)の機能ブロック図である。
【図2】(a)本発明に関わる情報表示手段付ICカードの1実施例(複合式)に関わる概念図である。
(b)A−A´付近の断面図である。
【図3】本発明に関わる情報表示手段付ICカードの1実施例(複合式)に関わる製作工程である
【図4】本発明に関わる情報表示手段付ICカードの1実施例(複合式)に関わる製作工程である
【図5】本発明に関わる情報表示手段付ICカードの、ディスプレイにマイクロカプセルを応用した1実施例に関わるディスプレイである。
【図6】本発明の情報表示手段付ICカードの、ディスプレイにマイクロカプセルを応用した1実施例に関わるマイクロカプセルの例である。
【図7】(a)本発明に関わる情報表示手段付ICカードの、ディスプレイにマイクロカプセルを応用した1実施例に関わるディスプレイの動作を示す説明図である。
(b)B部分の拡大図である。
【図8】本発明に関わる情報表示手段付ICカードの、ディスプレイにマイクロカプセルを応用した1実施例に関わるディスプレイの動作を示す説明図である。
【図9】本発明に関わる情報表示手段付ICカードの、ディスプレイにマイクロカプセルを応用した1実施例に関わるディスプレイの動作を示す説明図である。
【図10】従来の技術に関わるICカードの1例(複合式)である。
【図11】(a)従来の技術に関わるICカードの別の1例(複合式)に、単に情報表示手段を搭載しただけの形態を示す説明図である。
(b)A−A´付近の断面図である。
【符号の説明】
1 ・・・情報表示手段付ICカード
2 ・・・ICチップ
3 ・・・ディスプレイ
31・・・ディスプレイモジュール
32・・・ディスプレイの基材
33・・・電極フィルム
34・・・電極フィルム
35・・・画像表示層
36・・・表面保護層
4 ・・・ドライバ
5 ・・・接触通信用の端子
6 ・・・非接触通信用のアンテナコイル
61・・・アンテナコイルシート
62・・・プラスチックシート
63・・・配線パターン
64・・・端子用電極
65・・・ディスプレイ用電極
7 ・・・エンボス形成領域
71・・・エンボスがある部分
8 ・・・カード本体
81・・・カード化基材
82・・・カードの厚み
83・・・端子の設置穴
84・・・ディスプレイモジュールの設置穴
9 ・・・マイクロカプセル
91・・・カプセル殻
92・・・分散媒
93・・・白の粒子
94・・・黒の粒子
95・・・黒に着色した分散媒
10・・・従来のICカード

Claims (6)

  1. 少なくとも、電子制御によって情報の表示あるいは消去が可能な情報表示手段、外部のデータ通信手段との間で非接触式でデータ通信を行う為のアンテナ、及び、該アンテナを介して外部の該データ通信手段との間で非接触式でデータ通信を行う機能を有するICチップ、を備えた情報表示手段付のICカードにおいて、
    該ICカードに設けられたメモリに記憶してある情報のうち該ICカード外への読み出しが許されている情報か、あるいは、該ICカード外から受信した情報、これらの少なくともいずれかに基づいた情報を該情報表示手段のディスプレイに表示することが可能であって、
    該ディスプレイが有る部分と、該アンテナが設けてある部分との配置の関係が、該ICカードの厚さ方向に関して互いに重なり合わない位置に配置されていること、
    を特徴とする情報表示手段付ICカード。
  2. 外部にあるデータ通信手段との間で接触式のデータ通信を行うための端子をさらに備え、ICチップは該端子を介して該接触式のデータ通信を行う機能を有すること、
    を特徴とする請求項1に記載の情報表示手段付ICカード。
  3. ICチップが、前記非接触式のデータ通信を行う機能と、前記接触式のデータ通信を行う機能を、1チップ内に有するICチップであること、
    を特徴とする請求項2に記載の情報表示手段付ICカード。
  4. 情報の前記表示を消去しなければ、該情報を表示するときの情報の書き込みに必要なエネルギを除去した後であっても該情報の表示が消えない情報表示技術が、前記ディスプレイに用いてあること、
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の情報表示手段付ICカード。
  5. 前記ディスプレイには、マイクロカプセル方式の電気泳動型の表示技術が用いてあること、
    を特徴とする請求項4に記載の情報表示手段付ICカード。
  6. 少なくとも、電子制御によって情報の表示あるいは消去が可能な情報表示手段、外部のデータ通信手段との間で非接触でデータ通信を行う為のアンテナ、及び、該アンテナを介して外部の該データ通信手段との間で非接触でデータ通信を行う機能を有するICチップ、を備えた情報表示手段付のICカードを製造する方法において、
    該ICカードに設けられたメモリに記憶してある情報のうちで該ICカード外への読み出しが許されている情報か、あるいは、該ICカード外から受信した情報、これらの少なくともいずれかに基づいた情報を該情報表示手段のディスプレイに表示することが可能であって、
    該ディスプレイが有る部分と、該アンテナが設けてある部分との配置の関係が、該ICカードの厚さ方向に関して互いに重なり合わない位置に配置すること、を特徴とする情報表示手段付ICカードの製造方法。
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