JP2004192258A - 入力装置および電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】操作姿勢の自由度が高く、高齢者や身体障害者であっても簡単に文字等の入力操作を行うことができる入力装置を提供する。
【解決手段】入力装置10は、操作者の親指によってA方向およびB方向に回動操作される操作ローラ35を有している。この、操作ローラ35のA方向およびB方向の回動位置は、位置検出センサによって検出される。位置検出センサの検出結果に基づき、操作ローラ35が予め定めた複数位置のいずれかに位置したときに記憶手段から制御データを読み出して出力する。また、クリック感付与手段36,37により操作ローラ35を介して当該操作ローラ35の回動をクリック感として操作者に認識させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、文字などの入力に用いて好適な入力装置、およびこの入力装置を用いた電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンピュータにデータ入力を行う入力装置には、キーボード、マウス、タブレットまたはジョイスティックなど様々なものがある。周知のように、キーボードは文字入力に適した入力装置であり、マウスとタブレットは、位置指定に適した入力装置であり、ジョイスティックは、ゲーム操作に適した入力装置である。
キーボードは、多数のキーが存在し、しかも日本語のキー配列が感覚的に分かりやすい配列になっていない。例えば、一般的なPC/AT互換機向けキーボードでは、109個のキーが配列されている。さらに、キーボードは、両手操作を想定した入力装置である。
このため、高齢者や障害者のように体の不自由な方にとっては、キーボードは必ずしも操作性の良い入力装置ではなかった。さらに、キーボードは、机等に載せて使用するのが普通であるため、操作者がソファー等に座ったリラックスした状態で操作するには困難があった。
【0003】
そこで、後述する特許文献1に記載されているように、ジョイスティックを用いた文字入力装置がある。この特許文献1に記載の文字入力装置は、中心から円周上に配置された12個の方向に揺動される指示レバーを備えており、揺動された指示レバーの方向を検出することにより、子音・母音を確定して文字を確定するものである。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−148358号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特許文献1に記載の文字入力装置では、文字を確定するために、指示レバーを30度毎に切り替わる12個の方向に順次揺動させることが必要になる。しかしながら、例えば高齢者や体の不自由な身体障害者が、この装置を操作すると、指示レバーを30度毎に切り替わる方向に適切に傾けることは極めて困難であり、この文字入力装置であっても、必ずしも操作性の良い装置であるとは言えなかった。
【0006】
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、操作姿勢の自由度が高く、高齢者や身体障害者であっても簡単な操作によって文字等の入力を行うことができる入力装置、およびこの入力装置を用いた電子機器を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、操作者によって操作される操作部と、前記操作部を移動可能に支持する支持部と、前記支持部に対する前記操作部の相対位置を検出する位置検出手段と、前記操作部の予め定めた複数の相対位置に対応した制御データを記憶する記憶手段と、前記位置検出手段の検出結果に基づき、前記記憶手段から前記操作部の相対位置に対応した制御データを読み出して出力する出力手段と、操作者が前記操作部を移動させた際に、当該操作者に対して操作部が相対位置を移動したことを順次認識させるクリック感を前記操作部に与えるクリック感付与手段と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、操作部に付与されたクリック感は、この操作部を介して操作者に伝わる。操作者は、このクリック感から制御データを出力する相対位置に操作部が位置していることを認識することができる。
【0008】
また、上記構成において、前記クリック感付与手段は、前記操作部側または支持部側のうち一側に設けられる凹部と、前記凹部に係合され、前記操作部側または支持部側のうち他側に設けられる凸部と、前記凸部または前記凹部のうち、少なくともいずれか一方を他方に対して所定の押圧力で押圧させる押圧手段と、を備えることが好ましい。
【0009】
さらに、前記凹部は複数の凹を有する凹部群であり、前記凸部は、前記凹部群に向けて伸びるロッドであり、前記操作部が相対位置を移動する際に、前記押圧手段により前記ロッドを前記凹部群の凹に順次係合させることが望ましい。
【0010】
また、前記クリック感付与手段は、前記所定の押圧力の強さを変更するための調整手段を有することが望ましい。
【0011】
前記操作部は、異なる軸線を中心として回動されるローラであることが望ましい。
或いは、前記操作部は、同じ軸線を中心として回動される一対のローラであることが望ましい。
【0012】
前記支持部は操作者の片手に握られ、前記操作部は前記操作者の親指によって操作されることが望ましい。
【0013】
前記クリック感付与手段は、 前記操作部の操作に連動して軸が回動させられるステッピングモータであってもよい。
【0014】
前記入力装置は、1個または複数の操作ボタンと、前記操作ボタンの操作を検出するボタン操作検出手段とをさらに備え、前記出力手段は、前記ボタン操作検出手段の検出結果に基づき、前記操作部の相対位置に対応した制御データを変更することが好ましい。
【0015】
前記制御データは、文字を特定可能な文字特定データを含むことが望ましい。
【0016】
また、本発明は、上記記載の入力装置が接続され、前記入力装置が出力した制御データに基づいて文字を表示することを特徴とする電子機器といった態様でも実施され得る。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
【0018】
(1) 実施形態1
まず、本発明の実施形態1に係る入力装置を、図1乃至図7に基づいて説明する。
実施形態1に係る入力装置10は、図1に示すように、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」という)やPDA(Personal Digital Assistant)や携帯電話に接続され、キーボードやマウスの代わりとして機能する入力デバイスである。なお、本実施形態においては、入力装置10がこれら装置と分離可能な場合を説明するが、入力装置10をこれら装置に着脱可能に取り付けられるようにしても、固定的に取り付けられるようにしてもよい。
【0019】
1−a.構成
まず、この入力装置10の機械的な構成について説明する。
この入力装置10は、図1に示すように、操作者が手で握る有底筒状の把持部20(支持部)と、把持部20の開口部に設けられた操作部30とを具備している。
把持部20は、外周に操作ボタン21A〜21Dが設けられた4個のリング部材22A〜22Dを重ね合わせた上で、このリング部材22A〜22Dをボルト(図示せず)を用いて操作部30を構成する後述の蓋部31と底部23との間で挟み込むことによって形成されている。操作ボタン21A〜21Dは、操作者が把持部20を握ったときに親指以外の指先によって押圧操作されるものであり、具体的には操作ボタン21Aが人差し指、21Bが中指、21Cが薬指、21Dが小指によって操作される。リング部材22A〜22Dは、ボルトを緩めることにより回動自在となり、操作者の指の長さに応じて操作ボタン21A〜21Dの位置が調整可能となる。
なお、図1においては、把持部20が真円の円柱形状の場合を示しているが、この形状は、握力が比較的小さい人(高齢者、身体障害者、女性)が握り易い範囲で楕円状等の任意の形状でもよい。
【0020】
操作部30は、把持部20の開口部を施蓋する蓋部31を有する。この蓋部31上には、把持部20の軸方向に略平行に延びる第1回動軸32を回動中心として回動可能に可動部33が設けられ、この可動部33上には、第1回動軸32に対して略直交する方向に延びる第2回動軸34を回動中心として回動可能に操作ローラ35が設けられる。この操作ローラ35は、操作者の親指による操作を容易にするために、軸方向に延びる周面の軸方向中央部が剔られた臼状になると共に、表面にローレット加工が施されている。
また、第1回動軸32は軸受(図示せず)を介して蓋部31に回動可能に設けられ、第2回動軸34は軸受(図示せず)を介して可動部33に回動可能に設けられている。
さらに、図1および図2には図示を省略しているが、第1回動軸32の近傍には、当該第1回動軸32の回動位置を検出する後述の位置検出センサ40が設けられ、第2回動軸34の近傍には、当該第2回動軸34の回動位置を検出する後述の位置検出センサ41が設けられている。
【0021】
さらに、操作部30には、操作ローラ35を操作者がA方向に操作させた際に、当該操作者に対して操作ローラ35の変化を認識させるためのクリック感を付与する第1クリック感付与手段36が第1回動軸32近傍に設けられ、操作ローラ35をB方向に操作させた際に、当該操作者に対して操作ローラ35の変化を認識させるためのクリック感を付与する第2クリック感付与手段37が第2回動軸34近傍に設けられている。
【0022】
まず、第1クリック感付与手段36について説明する。
第1クリック感付与手段36は、図2に示すように、凹部群36A、凸部36B、板ばね36Cおよび調整機構36Dを具備する。凹部群36Aは、離間した円板間に等間隔毎にピンを立てることにより形成され、各円板を第1回動軸32に固定することにより当該第1回動軸32と共に回動される。板ばね36Cは、その起端が可動部33に固定され、先端に凸部36Bが設けられている。そして、板ばね36Cは、先端が半球状に形成された凸部36Bを凹部群36Aに対して所定の押圧力で押圧させるばね力を発生させる。
また、調整機構36Dは、前記板ばね36Cから突出する凸部36Bの寸法を、ネジとナットの構成で調整するものである。このように、凹部群36Aに対する凸部36Bの押圧力を調整することにより、クリック感の強度が調整される。
【0023】
このように構成される第1クリック感付与手段36にあっては、操作者が操作ローラ35を介してA方向に可動部33を回動させると、凸部36Bが板ばね36Cのばね力に抗して発生する押圧力を受けて凹部群36Aに接触しつつ移動する。この際、凹部群36Aに凸部36Bが係合する位置と、凹部群36Aの凹間の凸に凸部36Bの略中心部分が当たる位置とが生じるが、板ばね36Cによる押圧力を受けた凸部36Bは凹部群36Aの凹に係合して止まろうとする。この凸部36Bの動きが操作ローラ35をA方向へ回動する際に、操作ローラ35を介して操作者の親指にクリック感を順次与えることになる。
【0024】
次に、第2クリック感付与手段37について説明する。
第2クリック感付与手段37は、図2に示すように、凹部群37A、凸部37B、コイルばね37Cおよび調整ネジ37D(調整機構)を具備する。凹部群37Aは、離間した円板間に等間隔毎にピンを立てることにより形成され、各円板を第2回動軸34に固定することにより当該第2回動軸34と共に回動される。コイルばね37Cは、可動部33に穿設された保持孔37E内に収容され、保持孔37Eの一端には円柱状の凸部37Bが当該保持孔37E内を滑らかに動くように収容され、他側には調整ネジ37Dが螺合される。そして、凸部37Bが凹部群37Aに当接されているため、コイルばね37Cは、調整ネジ37Dと凸部37Bとの間で圧縮されて凸部37Bを凹部群37Aに対して押圧するばね力を発生させる。
また、調整ネジ37Dは、保持孔37E内に挿入される寸法を調整することにより、コイルばね37Cの圧縮量を調整して発生するばね力を変化させ、凹部群37Aに対する凸部37Bの押圧力を調整する。このように、第2クリック感付与手段37は、凹部群37Aに対する凸部37Bの押圧力を調整することにより、クリック感の強度が調整される。
【0025】
このように構成される第2クリック感付与手段37にあっては、操作者が操作ローラ35をB方向に回動させると、凸部37Bがコイルばね37Cのばね力に抗して発生する押圧力を受けて凹部群37Aに接触しつつ移動する。この際、凹部群37Aに凸部37Bが係合する位置と、凹部群37Aの凹間の凸に凸部37Bの略中央部分が当たる位置とが生じるが、コイルばね37Cによる押圧力を受けた凸部37Bは凹部群37Aの凹に係合して止まろうとする。この凸部37Bの動きが操作ローラ35をB方向へ回動する際に、操作ローラ35を介して操作者の親指にクリック感を与えることになる。
【0026】
この入力装置10においては、操作ローラ35をA方向或いはB方向のいずれかの方向、或いはA方向およびB方向の2つの方向に同時に回動させても、クリック感付与手段36および37によって操作ローラ35を介して操作者にクリック感を感じさせるように構成されている。しかも、凸部が凹に係合された位置に操作ローラ35が位置決めされることになる。
【0027】
次に、操作部30に設けられた位置検出センサ40,41について説明する。
図3は位置検出センサ41を模式的に表した図である。
位置検出センサ41は、第2回動軸34に設けられた発光素子41Aと、複数の受光素子41Bとから構成される。複数の受光素子41Bは、可動部33に第2回動軸34を中心とする円周上のリング41Cに略一定間隔で配置され、各々が操作ローラ35のB方向への回動動作に伴って移動する発光素子41Aと対向するように配置されている。各受光素子41Bの位置は、凹部群37Aの凹の位置に対応している。また、この位置検出センサ41は、後述する処理ユニット50に接続され、処理ユニット50によっていずれの受光素子41Bが発光素子41Aからの光を受光したか否かを検出するようになっている。
【0028】
従って、この位置検出センサ41は、これら受光素子41Bを、凸部37Bが凹部群37Aの凹に位置するときに発光素子41Aと対向するように配置されており、凸部37Bが凹部群37Aの凹に係合した位置(即ち、操作者にクリック感を認識させる位置)を検出するものである。
位置検出センサ40についてもほぼ同様に構成されているので、その説明を省略するものとする。
【0029】
次に、処理ユニット50について説明する。
この処理ユニット50は把持部20内に内蔵されている。処理ユニット50は、位置検出センサ40,41の検出結果および操作ボタン21A〜21Dの操作結果に基づいて、操作データを出力するものである。また、この処理ユニット50からは、入力装置10をPCなどに接続するための通信ケーブル(図示せず)が引き出されている。この通信ケーブルの先端には、PS/2ポート、またはUSB(Universal Serial Bus)ポートなどに対応したコネクタが設けられ、このコネクタによって簡単に入力装置10をPCなどに接続することができる。
【0030】
図4は、処理ユニット(出力手段)50のブロック図である。
処理ユニット50は、制御部51と、メモリ52とから構成される。メモリ52は、制御部51によって実行されるプログラム、複数の操作データおよび後述する複数のアドレステーブルT1〜T7などが記憶されている。制御部51は、メモリ52に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、位置検出センサ40,41の制御処理および操作ボタン21A〜21Dの操作検出処理を行い、これらの処理結果に応じてメモリ52から操作データを選択的に読み出して通信ケーブルを介して出力する処理を行う。なお、この処理ユニット50には、駆動電力が通信ケーブルを介して当該入力装置10の接続機器(PCなど)から供給される。ただし、入力装置10に電池などの電力供給手段を内蔵してもよいことは勿論である。
【0031】
ここで、操作データとは、ひらがな、カタカナ、英数字、記号などの文字や各種指示(ひらがな入力モードやカタカナ入力モードへの変更指示など)に対応するデータである。操作データの具体例としては、106日本語キーボードに対応したキースキャンコードなどを適用すればよい。ここで、キースキャンコードとは、キーボードの各キーが押下または解放されたときにキーボードから接続機器に出力されるデータであり、接続機器にインストールされたデバイスドライバによって接続機器側(OSなど)で解釈可能な文字データやコマンドに変換されるデータである。
【0032】
また、本実施形態の入力装置10のデバイスドライバは、入力装置10から出力された操作データを106日本語キーボードに対応する変換規則で文字データやコマンドに変換する点で、従来の日本語キーボードのデバイスドライバとほぼ共通である。
【0033】
この入力装置10のデバイスドライバにあっては、文字データに対応する操作データを入力した場合は、図5に例示するように、その文字をPC側で起動されている文書作成ソフトの画面に入力(表示)させるのではなく、所定の領域(図5において右下に設けた領域)ARに表示させる処理を行う。そして、入力装置10のデバイスドライバは、「文字確定指示」に対応する操作データを入力すると、その領域に表示される文字(図5における「は」)を文書作成ソフトの画面に入力(表示)させる処理を行う。
【0034】
このような処理を行う点で、本入力装置10のデバイスドライバは、入力したキースキャンコードに割り当てられた文字を直接文書作成ソフトの画面に入力(表示)させる従来のデバイスドライバと異なる。なお、デバイスドライバ側にて文字データに変換可能なデータであれば、キースキャンコードに限らず任意の文字特定データを使用することができる。
【0035】
1−b.処理動作
次に、処理ユニット50の制御部51の動作について説明する。
説明の便宜上、この入力装置10はPCに接続され、PCから処理ユニット50に電力が供給されているものとする。また、PCにおいては、文書作成ソフトが起動され、文字を入力可能な状態にあるものとする。
【0036】
処理ユニット50において、制御部51がPCから電力が供給される間に常時行う処理としては、操作ボタン21A〜21Dの操作検出処理と、操作部30の位置検出処理とがある。
具体的には、制御部51は、操作ボタン21A〜21Dの状態を所定周期で判別(スキャン)することにより、操作ボタン21A〜21Dが操作されたか否かを判別する。また、制御部51は、操作ローラ35の位置検出センサ40,41の検出結果から当該操作ローラ35の現在位置を検出し、位置が変わったか否かを判別する。
【0037】
また、制御部51は、図1に示す操作ボタン21A〜21Dのうち操作ボタン21Dの操作が検出されると、文字入力モードを変更する。具体的には、制御部51は、操作ボタン21Dの操作を検出する毎に、ひらがな入力モード→カタカナ入力モード→英字入力モード→数字入力モード→ひらがな入力モード、といった具合に入力モードを順次循環的に切り換える。なお、このとき、入力装置10において、現在どの入力モードかをランプや液晶表示パネルを用いて表示するようにしてもよい。例えば、操作ローラ35、蓋部31および把持部20を光が透過可能な樹脂材料によって形成し、各部位内に異なる色を発光させる発光素子を内蔵させ、入力モード毎に異なる色で操作ローラ35、蓋部31および把持部20を照明してもよい。
【0038】
ここで、図6および図7は、メモリ52に記憶されたアドレステーブルT1〜T7の内容を示す図である。この図において、A1〜A9は、操作ローラ35のA方向への回動による検出位置(以下、列座標という。)を示し、B1〜B13は、操作ローラ35のB方向への回動による検出位置(以下、行座標という。)を示している。なお、これら列座標および行座標は、クリック感付与機構36,37によって生じるクリック感が認識されるときの操作ローラ35の各位置に対応している。
【0039】
また、図6および図7においては、アドレステーブルT1〜T7を(列座標,行座標)から1つの文字を特定するテーブルとして示しているが、実際には、文字のデータが記述されているのではなく、その文字に対応する操作データの格納場所の情報(メモリ52のアドレスなど)が記述されている。以下、この図を参照しながら、制御部51が操作ボタン21A〜21Dの操作検出時に行う処理を説明する。また、アドレステーブルT1〜T7を特に区別する必要がないときは、便宜上アドレステーブルTと総称する。
【0040】
制御部51は、操作ボタン21A〜21Dの操作を検出すると、いずれか1つのアドレステーブルTを読み出す。なお、この読み出したアドレステーブルTは、制御部51によって図示しないRAMに展開される。
詳しく説明すると、ひらがな入力モードにおいては、制御部51は、操作ボタン21Bの操作を検出すると、「50音+長音文字」を特定するアドレステーブルT1を読み出す。また、制御部51は、操作ボタン21Cの操作を検出すると、「濁音文字+拗音文字+半濁音+促音(っ)」を特定するアドレステーブルT2を読み出す。
【0041】
カタカナ入力モードにおいては、制御部51は、操作ボタン21Bの操作を検出すると、「50音+長音文字」を特定するアドレステーブルT3を読み出す一方、操作ボタン21Cの操作を検出すると、「濁音文字+拗音文字+半濁音+促音(っ)」を特定するアドレステーブルT4を読み出す。
【0042】
英字入力モードにおいては、制御部51は、操作ボタン21Bの操作を検出すると、「小文字+記号」のアドレステーブルT5を読み出す一方、操作ボタン21Cの操作を検出すると、「大文字+記号」のアドレステーブルT6を読み出す。
【0043】
数字入力モードにおいては、制御部51は、操作ボタン21Bの操作を検出すると、「数字+記号」のアドレステーブルT7を読み出す。なお、数字入力モードが選択された場合、読み出すアドレステーブルTは1つしかないため、操作ボタン21Bの操作がなくてもアドレステーブルT7を読み出すようにしてもよい。
【0044】
このように、この入力装置10においては、小指で操作される操作ボタン21Dに文字入力モードの切り替え操作を割り当て、中指、薬指で操作される操作ボタン21B,21CにアドレステーブルT1〜T7の選択操作を割り当てている。このとき、中指で操作される操作ボタン21Bに、50音、英字の小文字、といった頻繁に使用する文字群のアドレステーブルT1、T3、T5、T7の選択操作を割り当てているので、操作者は、各入力モードで最も使用すると予想されるアドレステーブルT1、T3、T5、T7を共通の操作で選択することができる。
【0045】
また、制御部51は、人差し指で操作される操作ボタン21Aの操作を検出すると、上述した「文字確定指示」に対応する操作データをメモリ52から読み出してPCに出力する。
【0046】
次に、制御部51が操作ローラ35の位置検出時に行う処理について説明する。
制御部51は、操作ローラ35の位置を位置検出センサ40,41の検出結果に基づき行座標および列座標を検出する。より具体的には、制御部51は、位置検出センサ40,41が有する複数の受光素子のうち、受光レベルを所定の閾値と比較し、閾値以上になった受光素子に基づいて列座標および行座標を特定する処理を行う。
【0047】
そして、制御部51は、特定した列座表または行座標が前回特定した位置と変わっているか否かを判別し、前回特定した位置と変わっている場合は、その列座表および行座標に基づいて、現在読み出し済みのアドレステーブルTを参照して、操作データの格納場所を特定する。そして、制御部51は、特定した格納場所に格納された操作データを読み出し、PCに出力する処理を行う。一方、特定した列座表および行座標が前回特定した位置と変わっていない場合、制御部51は何も処理を行わない。
【0048】
これにより、制御部51は、操作ローラ35がA方向またはB方向に操作されると、特定した列座表および行座標に基づいて対応する操作データを読み出し、PCに出力する処理を行う。
【0049】
次に、この入力装置10を用いて文字入力を行う場合の操作例を説明する。ここでは、「朝」を入力する場合を説明する。
まず、操作者は、操作ボタン21Dを操作することによって、文字入力モードをひらがな入力モードに設定する。次に、操作者は、操作ボタン21Bを操作する。操作ボタン21Bが操作されると、「50音+長音文字」のアドレステーブルT1が読み出されるため、制御部51によって操作ローラ35の列座表および行座標に基づいてアドレステーブルT1が参照され、1つの操作データがPCに出力される。したがって、PCの画面の領域ARに操作データに対応する文字が表示されることとなる。これによって、操作者は、「50音+長音文字」の中から文字を選択可能であることを確認することができる。
【0050】
次に、操作者は、操作ローラ35をB方向に回動操作させることによって、PCの画面の領域ARに「あ行」のいずれかの文字(「あいうえお」のいずれか)を表示させる。この場合、操作者は、クリック感を認識するタイミングで領域ARに表示される文字が順次切り替わることが確認できる。これにより、操作者は、あと何クリックだけ操作ローラ35を回動させれば、「あ行」の文字を表示できるかを容易に知ることができる。例えば、「さ行」の文字が表示されていれば、あと2クリックだけ操作ローラ35をB方向に回動させれば「あ行」の文字が表示されることを前もって知ることができる。
【0051】
次に、領域ARに「あ行」の文字が表示されると、操作者は、操作ローラ35をA方向に回動操作させることによって、領域に「あ」を表示させることができる。この場合も、操作者は、クリック感を認識するタイミングで領域内の文字が「←。おえういあ、→」の順で順次切り替わることを確認できる(図6参照)。そして、操作者は、領域ARに「あ」を表示させた状態で、操作ボタン21Aを操作することにより、入力装置10から「文字確定指示」の操作データがPCに出力され、「あ」を文書作成ソフトの画面に入力することができる。
【0052】
次に、操作者は、領域ARに「あ」を表示させた状態で、操作ローラ35を2クリックだけB方向に回転操作させることによって、領域ARの文字を「あ」→「か」→「さ」と順に切り換えることができ、操作ボタン21Aを操作することによって、「さ」を文書作成ソフトの画面に入力することができる。
【0053】
次に、操作者は、操作ローラ35のB方向への回動操作により領域ARに「△」(「スペース(確定)の指示」)を表示させ、操作ボタン21Aを操作することにより、「スペース(確定)の指示」の操作データをPCに出力させる。これにより、PCにおいては、入力された「あさ」が「朝」に漢字変換されて表示される。
【0054】
その次に、操作者は、操作ローラ35のB方向への回動操作により領域ARに「CR」(「改行の指示」)を表示させ、操作ボタン21Aを操作することによって、「改行の指示」の操作データをPCに出力させる。これにより、PCにおいては、「朝」が確定入力される。なお、この後(確定入力された後)、「スペース(確定)の指示」の操作データをPCに出力させると、PCにおいては「スペース」が入力される。因みに、アドレステーブルTにおける「←」は「カーソルを戻す指示」を示し、「→」は「カーソルを進める指示」を示し、「BS」は「バックスペースの指示」を、それぞれキーボードの機能に対応させている。
【0055】
1−c.作用・効果
このように、この入力装置10は、“操作者は操作ローラ35を親指で回動操作させる”という簡単な操作と、“他の指で操作ボタン21A〜21Dを操作する”という簡単な操作で文字入力を可能にしている。このため、キーボードの操作が不慣れな高齢者や身体障害者でも容易に文字入力を行うことができる。
また、この入力装置10は、キーボードと比較すると、手を離さずに操作できるという利点と、小型なので持ち運びがし易いという利点の他、片手で操作されるため、操作者はくつろいだ状態での操作が可能となり、操作者の操作姿勢に限定されず、しかも寝たきりの高齢者や車椅子に乗った人でも操作し易いという利点がある。
【0056】
さらに、この入力装置10は、クリック感付与機構36,37で発生するクリック感によって本装置10が操作データを出力するタイミングが操作ローラ35を介して操作者に認識される。これにより、操作者は、表示される文字が切り替わるタイミングを知ることができるだけでなく、操作部30の操作ローラ35をA方向或いはB方向へ回動する際に、あと何回クリック感を確認すれば希望の文字が表示可能であるかを事前に知ることができる。この結果、入力装置10は、文字入力操作を極めて短期間で習得することが可能な装置となり得る。
【0057】
以上詳述した如く、実施形態1による入力装置10は、操作姿勢に限定されず、さらに高齢者や身体障害者であっても簡単に文字入力が可能となる。
【0058】
1−d.実施形態1の変形例
▲1▼前記実施形態1では、第1回動軸32を、その軸線が把持部20の軸線と略平行となるように設定した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、第1回動軸32の軸線が、把持部20の軸線と交差するように設定してもよい。また、第1回動軸32の軸線が把持部20の軸線と交差しなくとも、平行とならないように設定してもよい。さらに、第1回動軸32と把持部20の軸線により構成される傾斜角度を調整可能にすれば、操作者の指の長さに応じて操作部30の傾斜を調整することが可能となり、操作性をより高めることができる。
【0059】
▲2▼前記実施形態1では、第1回動軸32が蓋部31に対して回動可能に片持ち指示され、第2回動軸34が可動部33に対して回動可能に片持ち支持されているが、各回動軸を両持ち支持によって回動可能に支持してもよい。
【0060】
▲3▼前記実施形態1では、可動部33をA方向に回動させることにより、アドレステーブルT1〜T7の列座表A1〜A9を切り換えるようにしたが、本発明はこれに限らず、操作ローラ35を第2回動軸34の軸方向にスライドさせることで代替えしてもよい。
【0061】
(2) 実施形態2
次に、本発明の実施形態2に係る入力装置を、図8乃至図11に基づいて説明する。
本実施形態の特徴は、操作ローラを同じ軸線を中心として回動する一対の操作ローラとしたことにある。なお、前述した実施形態1に記載された構成要素と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0062】
2−a.構成
実施形態2に係る入力装置100は、図8に示すように、操作者が手で握る有底筒状の把持部20と、把持部20を施蓋する操作部130とを具備している。操作部130は、把持部20の開口部を施蓋する蓋部131を有し、この蓋部131上には軸支持部132が立設され、この軸支持部132には、把持部20の軸線に対して略直交する方向に両側が延びる中空の回動軸133が固定されている。この回動軸133には、図9に示すように、第1操作ローラ134および第2操作ローラ135がそれぞれ内設された軸受136を介して回動可能に支持される(図9は第1操作ローラ134のみ図示)。さらに、第1操作ローラ134および第2操作ローラ135の外側には、大径部137Aおよび小径部137Bを有し、後述するクリック感付与手段140の一部をなす固定盤137が、楔138によって回動軸133に対して回動が規制された状態で固定される(第1操作ローラ134側のみ図示)。なお、軸支持部132は把持部20の軸線を中心として回動可能になっているため、前記実施形態1と同様にA方向の回動操作を行うことが可能となる。
【0063】
これらの操作ローラ134,135は同じ形状となっているので、以下、第1操作ローラ134の形状および関連部位を説明することにより、第2操作ローラ135の形状および関連部位の説明を省略するものとする。
第1操作ローラ134は、図10に示すように、外形がホーン状に形成され、その外周面にはローレット加工が施されている。また、軸方向に穿設された挿通孔134Aには軸受136が嵌合され、拡径側の端面が環状面134Bとなり、この環状面134Bに繋がる収容部134Cが断面略「コ」字状に形成されている。この収容部134Cには固定盤137の小径部137Bが挿入される。また、収容部134Cの内周側には後述するクリック感付与手段140の一部をなす凹部群140Aが形成される。また、環状面134Bには、位置検出センサ150の一部をなす磁石群150Aの磁石が等間隔でN極,S極を交互に配置される。本実施形態では、この磁石群150Aは、凹部群140Aを構成するピンが利用され、着磁させたピンを環状面134Bから端部が覗くように等間隔に、N極,S極と交互になるように植設されることによって構成される。磁石群150Aは、これに限らず、凹部群140Aとは別途に薄い磁石を環状面134Bに貼着させるようにしてもよい。
【0064】
次に、本実施形態に用いられるクリック感付与手段140の構成について説明する。なお、本実施形態においては、第1操作ローラ134側のクリック感付与手段140を説明することにより、第2操作ローラ135側のクリック感付与手段の説明を省略するものとする。
クリック感付与手段140は、図10に示すように、第1操作ローラ134側に設けられた凹部群140Aと、固定盤137側に設けられ、固定盤137の小径部137Bの径方向に穿設された保持穴137C内に挿入された凸部140Bおよびコイルばね140Cとを具備する。
【0065】
凹部群140Aは、等間隔毎に立てられたピンによって構成され、第1操作ローラ134と共に回動軸133に対して回動される。凸部140Bおよびコイルばね140Cは、図10および図11に示すように、固定盤137の保持穴137C内に収容され、凸部140Bが径方向外側に向けて突出される。そして、凸部140Bが凹部群140Aに当接されているため、コイルばね140Cは、保持穴137Cの底部と凸部140Bとの間で圧縮されて凸部140Bを凹部群140Aに対して押圧するばね力を発生させる。
【0066】
このように構成されるクリック感付与手段140にあっては、操作者が第1操作ローラ134を回動させると、凸部140Bがコイルばね140Cのばね力に抗して発生する押圧力を受けて凹部群140Aに接触しつつ移動する。この際、凹部群140Aに凸部140Bが係合する位置と、凹部群140Aの凹間の凸に凸部140Bの略中央部分が当たる位置とが生じるが、コイルばね140Cによる押圧力を受けた凸部140Bは凹部群140Aの凹に係合して止まろうとする。この凸部140Bの動きが第1操作ローラ134を回動する際に、第1操作ローラ134を介して操作者の親指にクリック感を与えることになる。
【0067】
次に、位置検出センサ150について説明する。この位置検出センサについても、第1操作ローラ134側のみを説明して、第2操作ローラ135側の位置検出センサについての説明は省略するものとする。
位置検出センサ150は、第1操作ローラ134の環状面134Bに設けられた磁石群150Aと、固定盤137に設けられ、磁石群150Aと微少隙間を離間した状態で対向する2個のホール素子等の磁気センサ150B,150Cとを具備する。
第1操作ローラ134がクリック感付与手段140により止まっている位置にある場合、例えば、磁気センサ150BをN極またはS極のうち何れか一方の磁石に相対させ、磁気センサ150Cを磁石の間に相対させる。
このように構成される位置検出センサ150においては、2つの磁気センサ150B,150Cからの検出データにより、第1操作ローラ134の回動および回動方向を検知することができる。
なお、磁気センサ150B,150Cからの配線は、回動軸133内を挿通させて把持部20内に導けばよい。
【0068】
2−b.処理動作
本実施形態による入力装置100においては、第1操作ローラ134および第2操作ローラ135によりそれぞれ回動操作させることができるため、その動作が前記実施形態1とは異なってくる。
即ち、操作ローラの操作方法として、以下の3通りが考えられる。
(1)同時に両方の操作ローラ134,135を回動させる。
(2)第1操作ローラ134のみを回動させる。
(3)第2操作ローラ135のみを回動させる。
このように3通りのローラの回動操作を前記実施形態1のB方向への回動操作と対応させるには、回動量(即ち、動作位置の変化)が多い操作ローラの位置検出センサの出力データを前記実施形態1での位置検出データとすればよい。
【0069】
さらに、前記3通りのローラの回動操作を、3つのA方向の回動位置に対応させることもできる。例えば、次のように対応させることが可能である。
「(1)同時に両方の操作ローラを回動させる。」の操作を、アドレステーブルT1〜T7のA5列座標に対応させ、「(2)第1操作ローラのみを回動させる。」の操作を、アドレステーブルT1〜T7のA4列座標に対応させ、「(3)第2操作ローラのみを回動させる。」の操作を、アドレステーブルT1〜T7のA6列座標に対応させる。
【0070】
なお、「(1)操作する指により、同時に両方の操作ローラを回動させる。」場合で、2つの操作ローラの回動量(即ち、動作位置の変化)が異なっている場合には、回動量の多い操作ローラの位置検出データを出力データとすればよい。また、上記3通りのローラ操作のうち、どの操作が行われたかは、適当な時間間隔内に、両方のローラが回動したか、どちらか一方のローラが停止していた(即ち、動作位置が変化しなかった)かを、各々の位置検出センサにより検出することにより簡単に特定することができる。なお、適当な時間間隔とは、本発明の入力装置を操作する操作者が、3通りのローラ操作のうち、どの操作を意図して操作したかを判断するのに必要な時間間隔のことである。
このように、3つのローラの回動操作とアドレステーブルとを対応付ければ、実施形態1における第1回動軸32を軸としたA方向の回動操作の代わりに、上記3通りのローラの回動操作を3つのA方向の回動位置に対応させることができ、第1回動軸32を中心としたA方向の回動操作を減らすことができる。
【0071】
また、第1操作ローラ134の回動操作を実施形態1におけるA方向への操作、第2操作ローラ135の回動操作を実施形態1におけるB方向への操作として対応させれば、同じ軸線を中心として回動させる一対の操作ローラ134,135をそれぞれ回動させるという、実施形態1よりも簡単な回動操作により文字入力を行うことができる。
操作ローラ134,135および操作ボタン21A〜21Dを用いた文字入力の処理においては、実施形態1と同様であるので、その説明を省略する。
【0072】
2−c.作用・効果
このように構成される入力装置100においても、前述した実施形態1と同様に、“操作者は一対の操作ローラ134,135を親指で回動操作させる”という簡単な操作と、“他の指で操作ボタン21A〜21Dを操作する”という簡単な操作で文字入力を可能にしている。これにより、文字入力を容易に行うことのできる入力装置100を提供できる。
【0073】
2−d.実施形態2の変形例
▲1▼前記実施形態2では、回動軸133の長手方向中心付近を軸支持部132が支持し、その両側に操作ローラ部134,135が支持されるようにしたが、本発明はこれに限らず、両側が支持された回動軸に対して一対の操作ローラを回動可能に支持するようにしてもよい。
【0074】
▲2▼前記実施形態2における入力装置100の軸支持部132を、図12に示すような軸支持部160に変えてもよい。
この軸支持部160は、固定部160A、固定片160B、軸160C、揺動部160D、スイッチ160Eおよび復帰ばね160Fを具備する。
この固定部160Aおよび固定片160Bは、蓋部131から立設され、固定部160Aには、回動軸133とほぼ平行に延びる軸160Cを軸中心として揺動部160Dが揺動可能に支持され、固定片160Bには、揺動部160Dの揺動を検知するスイッチ160Eと、揺動部160Dを復帰させる復帰ばね160Fとが設けられる。
【0075】
この変形例では、操作者が操作ローラ134,135を指で押すことにより、スイッチ160Eが揺動部160Dにより押されて、スイッチ160Eからは信号が出力される。指を離すと、復帰ばね160Fのばね力により、揺動部160Dが元の位置に戻る。このスイッチ160Eから出力される信号を使用することにより、例えば、スイッチ160Eから順次出力される信号を受信する度に、アドレステーブルT1〜T7の列座表A1〜A9を順次切り換えるようにしてもよい。また、他の操作ボタン21A〜21Dの代わりに用いるようにしてもよい。なお、復帰ばね160Fは、板ばね等の弾性体であっても、固定部160Aと揺動部160Dとを弾性のある樹脂材料等によって一体に形成して、軸160Cを省略してもよい。
【0076】
(3) 変形例
本願発明は、上述した拡実施形態に限るものではなく、種々の態様にて実施することができる。例えば、以下のような変形実施が可能である。
【0077】
(3・1)
本発明は、クリック感付与手段の凹部群の形状に限るものではなく、歯車によって形成されてもよく、要は操作ローラを回動操作させたときに、その回動をクリック感として操作者に認識させる構造であればよい。
【0078】
(3・2)
また、位置検出センサは、上記構成に限らず、様々な位置検出センサを適用することができる。例えば、抵抗式のロータリーエンコーダ、磁気式のロータリーエンコーダや加速度センサを適用することも考えられる。加速度センサを適用する場合は、操作ローラに1個または2個の3軸加速度センサを取り付けることによって、操作ローラの3軸方向の位置を検出できる。この加速度センサを用いる利点は、取り付け場所が制限されないこと、センサ自体が小型なので入力装置の小型化および構造の簡略化が可能であることなどである。
【0079】
(3・3)
また、クリック感付与手段は、板ばねやコイルばねによって発生する押圧力を利用するものとして述べたが、押圧力を発生させるためのばね形状はこれに限るものではなく、他の形状でもよい。
さらに、クリック感付与手段は、機械的な押圧力の外に、磁石による磁力または圧縮空気を用いるようにしてもよい。磁石を使用する場合には、例えば、凹部側にN極(またはS極)の磁石を取り付け、凸部側にS極(またはN極)の磁石を配置するようにすれば、磁石の引き付けおよび反発によりクリック力を発生させることができる。
【0080】
さらに、前記実施形態では、操作ローラの回動に対してクリック感を規則的に発生させるように、凹部群のピン間隔を等間隔としたが、本発明はこれに限らず、凹部群のピン間隔を不均一にしてもよい。
例えば、操作ローラが例えば基準となる中心位置にある場合にピン間隔を最大にし、中心位置から両側に離れるに従って漸次狭めるようにしてもよい。このような入力装置においては、クリック感の違いにより、操作ローラがおおよそどの位置を移動しているかを操作者に認識させることができる。
【0081】
さらに、例えば、凸部が凹部群を押す押圧力が、操作ローラが例えば基準となる中心位置にある場合に強さを最大にし、中心位置から両側に離れるに従って漸次小さくするようにしてもよい。このような入力装置においても、クリック感の違いにより、操作ローラが中心位置近傍を移動していることを操作者に認識させることができる。
【0082】
(3・4)
本発明は、クリック感付与手段にステッピングモータを用いてもよい。この場合、操作ローラの操作に応じてステッピングモータの軸が回動するように構成すると共に、このステッピングモータに電流を供給するように構成する。この構成の下、操作ローラが操作されてステッピングモータの軸が回動させられると、所定の角度毎に電磁誘導による力が軸の回転方向(操作ローラの操作方向)の抗力として発生するので、この抗力をクリック感として操作者に認識させることができる。しかも、この場合、ステッピングモータの電流値を監視することにより、軸の回動位置を検出することができ、位置検出センサを省略することができる。さらに、この場合、ステッピングモータに供給する電流を停止することにより、クリック感の発生を解除することも可能となる入力装置とすることができる。
【0083】
(3・5)
前記各実施形態では、入力装置10とPCとを通信ケーブルで接続するようにしたが、本発明はこれに限らず、無線通信によって接続するようにしてもよい。この場合には、無線通信は、例えば赤外線通信等を用いればよい。
【0084】
(3・6)
また、前記各実施形態では、デバイスドライバが文字表示領域ARを表示させる機能を備える場合について述べたが、PCのOSが備える文字入力機能にこの機能があってもよい。また、領域ARを必ずしも表示させる必要はなく、操作データに対応する文字が文書作成ソフトの画面にすぐに表示されるようにしてもよい。
【0085】
(3・7)
前記各実施形態では、デバイスドライバは、入力装置から出力された操作データを1つの文字データに変換して接続機器に表示させる場合について述べたが、図13に示すように、デバイスドライバが入力した操作データに基づき、複数の文字候補を表示させるようにしてもよい。
【0086】
例えば、デバイスドライバが文字およびコマンドの辞書データを保持し、入力した操作データに基づいて、表示させる複数の文字候補を変更する処理と、その文字候補の中から選択される選択文字(図13においてカーソルで示す文字)を変更する処理とを行うようにすればよい。この場合、図13に示すように、実施形態1のように、操作ローラ35をA方向に操作することにより選択文字を左右方向の文字に変更し、操作ローラ35をB方向に操作することにより選択文字を上下方向の文字に変更するようにすれば、操作者にとって文字の選択が容易となる。このように、デバイスドライバが辞書データに基づいて、接続機器の画面に複数の文字候補を表示するようにすれば、操作者は希望の文字や記号を容易に探すことができる。
【0087】
(3・8)
前記各実施形態では、入力装置が1文字に対応する操作データを出力する場合について述べたが、「こんにちは」などの複数文字に対応する操作データを出力するようにしてもよい。この場合、入力装置の制御部51が、各文字(「こ」「ん」「に」「ち」「は」)に対応する操作データをまとめて1つの操作データとして出力するように構成してもよいし、入力装置側が「こんにちは」を直接指定する操作データを出力し、デバイスドライバ側がその操作データを、予め定めた変換規則で「こんにちは」の文字データに変換するようにしてもよい。
【0088】
(3・9)
なお、前記各実施形態では、一般のキーボードが備える「TAB」、「F1〜F12などのファンクションキー」、「SHIFT」などの各種コントロールコードを出力する場合を説明していないが、これらのキーについては、操作ボタン21A〜21Dの操作と組み合わせて希望のコントロールコードを選択できるようにすればよい。
【0089】
(3・10)
前記各実施形態では、本発明の入力装置をキーボードの代わりとなる入力デバイスに適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、マウスやタブレットの代わりとなる入力デバイスに適用してもよい。この場合、入力装置が、操作ローラの操作に従ってマウスなどと同様の方向や位置を示す信号を出力するようにすればよい。
【0090】
なお、入力装置を位置入力デバイスとして使用する際などにクリック感付与手段による動作を解除できるようにしてもよい。例えば、凸部が、凹部に接触する位置と接触しない位置とに移動できるような機構、例えば電磁プランジャ等を用いるようにすればよい。
【0091】
(3・11)
前記実施形態では、操作ボタン21Aの操作により文字を確定する場合について述べたが、この方法に限定する必要はなく、例えば操作ローラを勢いよく回動させたときや、操作ボタン21A〜21Dを複数個同時に押したときに確定される等の方法であってもよく、要は種々の方法による確定を可能にしてもよい。
【0092】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の入力装置を使用すれば、操作姿勢に限定されず、クリック感によって相対位置の移動を認識できるため、例えば高齢者や身体障害者であっても簡単に文字等の入力を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る入力装置の斜視図である。
【図2】図1を上側から見た上面図である。
【図3】位置検出センサを模式的に示す斜視図である。
【図4】情報処理ユニットの構成を示すブロック図である。
【図5】デバイスドライバの説明に供する図である。
【図6】アドレステーブルの内容を示す図である。
【図7】アドレステーブルの内容を示す図である。
【図8】本発明の実施形態2に係る入力装置の斜視図である。
【図9】図8の要部を拡大して示す図である。
【図10】入力装置の要部断面図である。
【図11】固定盤の正面図である。
【図12】実施形態2の変形例に係る入力装置を示す斜視図である。
【図13】他の変形例に係るデバイスドライバの説明に供する図である。
【符号の説明】
10,100……入力装置、20……把持部(支持部)、21A〜21D……操作ボタン、30,130……操作部、32……第1回動軸、34……第2回動軸、35……操作ローラ、36……第1クリック感付与手段、37……第2クリック感付与手段、40,41,150……位置検出センサ、50……情報処理ユニット、 51……制御部、52……メモリ、133……回動軸、140……クリック感付与手段、T1〜T7……アドレステーブル。

Claims (11)

  1. 操作者によって操作される操作部と、
    前記操作部を移動可能に支持する支持部と、
    前記支持部に対する前記操作部の相対位置を検出する位置検出手段と、
    前記操作部の予め定めた複数の相対位置に対応した制御データを記憶する記憶手段と、
    前記位置検出手段の検出結果に基づき、前記記憶手段から前記操作部の相対位置に対応した制御データを読み出して出力する出力手段と、
    操作者が前記操作部を移動させた際に、当該操作者に対して操作部が相対位置を移動したことを順次認識させるクリック感を前記操作部に与えるクリック感付与手段と、を備える
    ことを特徴とする入力装置。
  2. 前記クリック感付与手段は、
    前記操作部側または支持部側のうち一側に設けられる凹部と、
    前記凹部に係合され、前記操作部側または支持部側のうち他側に設けられる凸部と、
    前記凸部または前記凹部のうち、少なくともいずれか一方を他方に対して所定の押圧力で押圧させる押圧手段と、を備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の入力装置。
  3. 前記凹部は複数の凹を有する凹部群であり、
    前記凸部は、前記凹部群に向けて伸びるロッドであり、
    前記操作部が相対位置を移動する際に、前記押圧手段により前記ロッドを前記凹部群の凹に順次係合させる
    ことを特徴とする請求項2に記載の入力装置。
  4. 前記クリック感付与手段は、前記所定の押圧力の強さを変更するための調整手段を有する
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の入力装置。
  5. 前記操作部は、異なる軸線を中心として回動されるローラである
    ことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれかに記載の入力装置。
  6. 前記操作部は、同じ軸線を中心として回動される一対のローラである
    ことを特徴とする請求項1〜4のうちいずれかに記載の入力装置。
  7. 前記支持部は操作者の片手に握られ、前記操作部は前記操作者の親指又はその他の指によって操作される
    ことを特徴とする請求項1〜6のうちいずれかに記載の入力装置。
  8. 前記クリック感付与手段は、
    前記操作部の操作に連動して軸が回動させられるステッピングモータであることを特徴とする請求項1〜7のうちいずれかに記載の入力装置。
  9. 前記入力装置は、1個または複数の操作ボタンと、前記操作ボタンの操作を検出するボタン操作検出手段とをさらに備え、
    前記出力手段は、前記ボタン操作検出手段の検出結果に基づき、前記操作部の相対位置に対応した制御データを変更する
    ことを特徴とする請求項1〜8のうちいずれかに記載の入力装置。
  10. 前記制御データは、文字を特定可能な文字特定データを含む
    ことを特徴とする請求項1〜9のうちいずれかに記載の入力装置。
  11. 請求項1〜10のうちいずれかに記載の入力装置が接続され、前記入力装置が出力した制御データに基づいて文字を表示する
    ことを特徴とする電子機器。
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