JP2004191889A - 再使用現像剤担持体 - Google Patents
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Abstract
【解決課題】使用済の現像剤担持体を有効に再使用することができ、資源の有効利用等を図ることが可能となるとともに、現像濃度むらが引き起こされるなどの画質劣化が発生する虞れのない再使用現像剤担持体を提供することを課題とする。
【解決手段】使用済の現像剤担持体を回収し、所定の検査を経て再使用される再使用現像剤担持体において、前記現像剤担持体は、その使用によって現像剤担持面に傷等の欠陥が発生している場合であっても、当該現像剤担持面の表面粗さRaが、傷等の欠陥の部分を含めてすべて0.8μm以上であるように構成して課題を解決した。
【選択図】 図1
【解決手段】使用済の現像剤担持体を回収し、所定の検査を経て再使用される再使用現像剤担持体において、前記現像剤担持体は、その使用によって現像剤担持面に傷等の欠陥が発生している場合であっても、当該現像剤担持面の表面粗さRaが、傷等の欠陥の部分を含めてすべて0.8μm以上であるように構成して課題を解決した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明は、電子写真方式等を採用した複写機やレーザープリンタ、あるいはファクシミリ等の画像形成装置に用いられる現像装置において、当該現像装置のの主要機能部材である現像剤担持体のうち、一回以上使用履歴のある現像剤担持体を回収し、所定の検査を経て再使用される再使用現像剤担持体に関するものである。
【0002】
【特許文献1】特願2001−213251号
【0003】
【従来の技術】
従来、上記電子写真方式等を採用した複写機やレーザープリンタ、あるいはファクシミリ等の画像形成装置に用いられる現像装置においては、有機感光体(OPC)等を用いた感光体ドラム上に形成された静電潜像を現像するために、少なくともトナーを含む現像剤を表面に担持して、感光体ドラムの表面に対向した状態で回転する現像剤担持体としての現像ローラが、当該現像装置の主要機能部材として用いられている。上記現像剤としては、磁性又は非磁性のトナーのみからなる一成分系現像剤や、磁性又は非磁性のトナーとキャリアからなる二成分系現像剤などが使用される。上記現像剤担持体のうち、磁性一成分系現像剤用の現像剤担持体としては、現像剤の搬送量を調整するため、アルミニウム又はその合金等からなる円筒状基体の表面に、ブラスト処理を施すことによって粗面化処理したものが用いられる場合がある。
【0004】
また、上記現像剤担持体としては、現像剤の摩擦帯電量を調整したり、現像ゴーストを防止するなどの目的で、表面に被膜を設けた現像剤担持体が用いられる場合もある。この現像剤担持体の表面に設けられる被膜としては、例えば、特開平9−230690号公報に開示されている樹脂被膜や、特開平7−281517号公報に開示されているMo(モリブデン)とOとHとを主な構成成分とする無機系のめっき被膜、あるいは特開平8−202140号公報に開示されているNi(ニッケル)めっき被膜等が挙げられる。
【0005】
そして、現像剤担持体としては、使用する現像剤の摩擦帯電特性などによって、上述した被膜のうち、いずれかの被膜が選択されて使用される。
【0006】
上記の如く構成される現像剤担持体は、当該現像剤担持体を回転自在に支持し、かつ回転駆動させるため、その両端部にフランジ部材やギヤ等を取り付けた状態で、現像装置本体の内部に組み込まれて使用される。また、上記現像装置は、単独で画像形成装置に装着される以外に、ユーザーが自ら画像形成装置本体に容易に着脱可能であり、交換を容易とするために、感光体ドラム等と共にプロセスカートリッジに組み込まれた状態で使用されることもある。
【0007】
画像形成装置に装着した状態で現像装置が使用されると、現像剤担持体は、回転駆動され、当該現像剤担持体の表面に現像剤が担持されるとともに、現像剤担持体の表面に担持される現像剤の量が、現像剤規制部材によって一定に規制される。そして、上記現像剤担持体の表面に一定量だけ担持された現像剤は、当該現像剤担持体の回転に伴って、静電潜像が形成された感光体ドラムの表面と対向する現像位置へと搬送され、感光体ドラムの表面に形成された静電潜像が現像される。その後、上記現像剤担持体上に担持された現像残りの現像剤は、再度、現像装置本体の内部へ搬送され、当該現像剤担持体の表面から一旦剥離された後、新たな現像剤が現像剤担持体の表面に再度担持されて、次の現像工程に使用される。
【0008】
その際、上記現像装置では、現像剤担持体と規制部材との間に、紙粉や凝集した粗大現像剤等の異物が挟まると、当該異物が挟まった部分では、現像剤担持体の表面が次第に磨耗されて、表面粗さが周方向に沿って平滑化されることにより、周方向に沿った傷などが発生する場合がある。このように、現像剤担持体の表面に傷が発生する現象は、経時的に、現像装置の使用に伴って増加し、傷の発生によって画質劣化の原因となる可能性がある。そのため、従来の現像装置では、当該現像装置の内部に予め収容された現像剤が消費されてなくなった時点で、寿命と判断されて、現像装置毎あるいはカートリッジ毎に新たなものと交換され、使用済みの現像装置は廃却されていた。
【0009】
ところが、近年は廃棄物の削減、資源の有効利用等のために、複写機やプリンタ、あるいはファクシミリ等の画像形成装置においても、使用できる部材は取り出して再利用することが社会的に望まれており、現像剤担持体も現像装置から取り出して再使用することが好ましい。
【0010】
本出願人も、廃棄物ゼロを目指した資源の再活用を推進するため、商品の企画・開発・生産から使用済み商品の回収・処理にいたるライフサイクル全体を視野に入れた資源循環型リサイクルシステム「クローズド・ループ・システム」を1995年に構築し、推進してきている。また、これらの活動についての情報を広く社会に提供するため、クローズド・ループ・システムの各項目(使用済み商品の回収→商品再使用・ 再資源化→循環型生産方式による生産→リサイクル設計)について出願人独自の評価基準により評価を行ない、この基準を達成した商品を「資源循環型商品」として認定している。
【0011】
そこで、本出願人は、現像剤担持体全体の再使用ではないものの、現像剤担持体の構成部材であるマグネットローラをリサイクルすることを目的とし、当該マグネットローラのリサイクルに適した現像ローラ用のフランジ部材及び現像ローラのリサイクル方法等について既に提案している(特願2001−213251号)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。すなわち、上記本出願人が提案した特願2001−213251号に係る現像ローラのリサイクル方法は、あくまで、現像剤担持体の構成部材であるマグネットローラのリサイクルを目的としたものであって、現像スリーブ等の他の構成部材は廃棄されるものであり、廃棄物の削減や、資源の有効利用等の観点からも、満足のいくものではないという問題点を有している。
【0013】
一方、上記従来の現像剤担持体を使用済の現像装置から取り出してそのまま再使用しようとした場合には、当該現像剤担持体の表面にある程度以上の傷が発生していると、傷に対応して筋状の現像濃度むらが引き起こされるなど、新品の現像剤担持体より画質特性が劣る虞れがあり、使用済の現像剤担持体はそのまま使用することができず、資源の有効利用等を図ることができないという問題点を有している。
【0014】
そこで、この発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、使用済の現像剤担持体を有効に再使用することができ、資源の有効利用等を図ることが可能となるとともに、現像濃度むらが引き起こされるなどの画質劣化が発生する虞れのない再使用現像剤担持体を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載された発明は、使用済の現像剤担持体を回収し、所定の検査を経て再使用される再使用現像剤担持体において、前記現像剤担持体は、その使用によって現像剤担持面に傷等の欠陥が発生している場合であっても、当該現像剤担持面の表面粗さRaが、傷等の欠陥の部分を含めてすべて0.8μm以上であることを特徴とする再使用現像剤担持体である。
【0016】
また、請求項2に記載された発明は、前記現像剤担持体の現像剤担持面の表面粗さRaは、新品の状態で0.9〜2.3μmの範囲に設定されていることを特徴とする請求項1記載の再使用現像剤担持体である。
【0017】
さらに、請求項3に記載された発明は、使用済の現像剤担持体を回収し、所定の検査を経て再使用される再使用現像剤担持体において、前記現像剤担持体は、その使用によって現像剤担持面に傷等の欠陥が発生している場合であっても、当該傷等の欠陥の表面粗さRaが0.8μm以上であって、かつ傷等の欠陥の軸方向の幅が0.3mm以下であることを特徴とする再使用現像剤担持体である。
【0018】
又、請求項4に記載された発明は、使用済の現像剤担持体を回収し、所定の検査を経て再使用される再使用現像剤担持体において、前記現像剤担持体は、その使用によって現像剤担持面に傷等の欠陥が複数発生している場合であっても、当該各傷等の欠陥の表面粗さRaが0.8μm以上であって、かつ隣合う傷等の欠陥の軸方向の中心間距離が5mm以上であることを特徴とする再使用現像剤担持体である。
【0019】
更に、請求項5に記載された発明は、前記現像剤担持体の現像剤担持面に発生した傷等の欠陥を、前記現像剤担持体の表面に光を照射して、当該現像剤担持体からの反射光の強度を受光手段によって検出し、前記受光素子からの出力信号に基づいて自動的に識別することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の再使用現像剤担持体である。
【0020】
また、請求項6に記載された発明は、前記現像剤担持体が、前記回収された使用済の現像剤担持体からプラスチック部品を取り外すプラスチック部品外し工程と、前記プラスチック部品が取り外された使用済の現像剤担持体を洗浄する洗浄工程と、前記洗浄工程によって洗浄された現像剤担持体の表面に光を照射して、当該現像剤担持体からの反射光の強度を受光手段によって検出し、前記受光素子からの出力信号に基づいて、前記現像剤担持体の表面における傷等の欠陥の発生状態を自動的に識別する識別工程と、前記識別工程によって識別された現像剤担持体の軸方向の端部近傍に固着したトナーを除去する固着トナー除去工程と、前記固着トナー除去工程によってトナーが除去された現像剤担持体に、新品のプラスチック部品を取り付けるプラスチック部品取り付け工程と、前記プラスチック部品が取り付られた現像剤担持体に、再使用品であることを識別するマークを付けるマーキング工程とを有するリサイクル工程によって再使用されることを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の再使用現像剤担持体である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
実施の形態1
図3はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体を適用した画像形成装置としてのデジタルプリンタを示すものである。
【0023】
このデジタルプリンタは、図示しないパーソナルコンピュータや画像読取装置等から送られてくる画像情報に基づいて、画像を形成するように構成されている。上記デジタルプリンタ本体1の内部には、図3に示すように、感光体ドラム等の画像形成部材を一体的にユニット化したプロセスカートリッジ2が配設されている。このプロセスカートリッジ2は、プリンタ本体1に対して着脱自在に構成されており、当該プロセスカートリッジ2に備えられた現像装置内の現像剤が空になったり、感光体ドラム等が寿命に達した場合には、プリンタ本体1の上部等に設けられたカバーを開けて、新たなカートリッジ2と交換することが可能となっている。
【0024】
上記プロセスカートリッジ2は、図3及び図4に示すように、像担持体としての感光体ドラム3と、帯電手段としての帯電ローラ4と、現像手段としての現像装置5と、クリーニング装置6とを備えるように構成されている。
【0025】
上記感光体ドラム3としては、例えば、有機光導電体(OPC)からなるものが用いられ、この感光体ドラム3は、図示しない駆動手段により矢印方向に沿って、所定の回転速度で駆動されるようになっている。上記感光体ドラム3の表面は、図4に示すように、帯電ローラ4によって所定の電位に一様に帯電された後、露光手段としてのROS(Raster Output Scanner)7(図3参照)によって画像露光が施され、画像情報に応じた静電潜像が形成される。このROS7は、図3に示すように、画像処理装置8で所定の画像処理が施された画像情報に基づいて半導体レーザーを変調し、当該半導体レーザーから出射されるレーザービームLBを、コリメータレンズ、反射ミラー、ポリゴンミラー、f−θレンズ等からなる結像光学系を介して、感光体ドラム3上に走査露光することにより、当該感光体ドラム3の表面に静電潜像を形成するように構成されている。そして、上記感光体ドラム3上に形成された静電潜像は、一成分現像剤(トナー)を収容した現像装置5によって現像され、トナー像となる。なお、現像装置5としては、二成分現像剤を使用したものであっても勿論よい。
【0026】
上記感光体ドラム3上に形成されたトナー像は、図3に示すように、転写手段としての転写ロール9によって、記録媒体としての記録用紙10上に転写される。この記録用紙10は、フィードロール11によって給紙カセット12から給紙され、分離ロール13とリタードロール14によって1枚ずつ分離された状態でレジストロール15まで搬送され、一旦停止される。そして、上記記録用紙10は、レジストロール15によって、感光体ドラム3上に形成されたトナー像と同期して、感光体ドラム3の表面に搬送され、当該記録用紙10上には、感光体ドラム3からトナー像が転写ロール9によって転写される。
【0027】
このトナー像が転写された記録用紙10は、感光体ドラム3から分離された後、定着装置16へ搬送され、当該定着装置16の加熱ロール17と加圧ロール18によって、熱及び圧力で定着された後、排出ロール19によってプリンタ本体1の上部に設けられた排紙トレイ20上に排出されて、一連の画像形成工程が終了する。
【0028】
なお、トナー像の転写工程が終了した後の感光体ドラム3の表面は、クリーニング装置6によって残留トナーが除去され、次の画像形成工程に備える。
【0029】
図4は上記デジタルプリンタのプロセスカートリッジを示すものである。
【0030】
このプロセスカートリッジ2は、図5及び図6に示すように、上部カートリッジ21と、下部カートリッジ22とから構成されている。これらの上部カートリッジ21と下部カートリッジ22は、その幅方向の両端部にそれぞれ設けられた係合部23、24と係合ピン25とで、当該係合ピン25を中心にして傾動自在に連結されているとともに、図5に示すように、下部カートリッジ22の上面に設けられたスプリング26によって付勢されており、図7及び図8に示すように、感光体ドラム3と現像装置5の現像ローラ27の両端部に設けられるトラッキングロール28とが、所定の圧力(例えば、片側2kg)で圧接するように構成されている。
【0031】
また、上記下部カートリッジ22の上面には、図8に示すように、ROS7から照射されるレーザービームLBを、感光体ドラム3の表面に露光するための照射スペース29が、略扇形状に設けられている。
【0032】
上記上部カートリッジ21の一端部には、図4に示すように、感光体ドラム3が回転可能に取り付けられており、この感光体ドラム3の側方には、帯電ロール4が設けられているとともに、その上部には、クリーニング装置6のクリーニングブレード31が配設されている。また、上記クリーニング装置6は、クリーニングブレード31によって除去された回収トナーを搬送する回収トナー搬送部材32と、当該回収トナー搬送部材21によって搬送される回収トナーを収容する上部カートリッジ21の殆どを占める回収トナー収容室33とを備えている。さらに、上記上部カートリッジ21には、感光体ドラム3の表面を覆うカバー34が開閉自在に設けられている。このカバー34は、通常、図4に示すように、感光体ドラム3の表面を覆い、当該感光体ドラム3が露光して劣化するのを防止しており、プロセスカートリッジ2をプリンタ本体1内の所定位置に装着した状態では、図3に示すように、当該装着動作に伴って自動的に開き、転写ロール9と当接するようになっている。
【0033】
一方、上記下部カートリッジ22は、現像装置5そのものを構成するようになっている。現像装置5のハウジング35の一端部には、現像ローラ27が回転自在に配設されており、当該現像ローラ27の表面には、トナーを摩擦帯電するとともに、トナーの層厚を規制する層厚規制部材36が当接されている。上記現像ローラ27の背面側には、当該現像ローラ27の表面にトナーを供給するトナー供給部材37が、回転可能に設けられている。このトナー供給部材37の背面側には、トナー供給用の開口部38を介して、当該現像装置5の大部分を占めるトナー収容部39が一体的に設けられている。このトナー収容部39の底面40は、断面略円弧状の部分41、42を2つ連ねた形状に形成されており、当該トナー収容部40の内部には、収容されたトナーを攪拌しつつ、奥側の第2のトナー収容部42から現像ローラ27側の第1のトナー収容部41へと順次搬送するトナー攪拌搬送部材43、44が、それぞれ回転可能に配設されている。
【0034】
なお、上記第1のトナー収容部41の底面には、図3に示すように、トナーの有無を検知するトナーセンサ45が設けられている。
【0035】
図1は上記現像装置に用いられる本実施の形態1に係る現像剤担持体としての現像ローラを示す断面図である。
【0036】
この現像剤担持体としての現像ローラ27は、図1に示すように、非磁性SUSやアルミニウム、あるいはアルミニウムの合金等の非磁性の金属材料によって円筒状に形成された現像スリーブ46と、当該現像スリーブ46の内部に固定した状態で配設されるマグネローラ47と、現像スリーブ46をマグネットローラ47の軸部材としてのシャフト48に対して回転自在に取り付けるためのフランジ部材49、50を備えている。上記マグネットローラ47は、金属製シャフト48の外周に、磁性材料51を円柱状に一体的に固着して構成されており、当該磁性材料51には、その周方向に沿って、所定の位置に所定極性の磁極が着磁されている。また、上記金属製シャフト48の一端部には、磁性材料51を所定の角度で取り付けるため、断面略D形状にカットされたDカット部52が設けられている。この金属製シャフト48は、図9に示すように、下部カートリッジ22の一側面53に、Dカット部52を嵌合させて周り止め状態で取り付けられている。
【0037】
上記現像ローラ27としては、例えば、現像剤の搬送量を調整するため、アルミニウム又はその合金等からなる現像スリーブ46の表面に、ブラスト処理を施すことによって粗面化処理したものが用いられる。また、上記現像スリーブ46としては、現像剤の摩擦帯電量を調整したり、現像ゴーストを防止するなどの目的で、表面に被膜を設けたものが用いられる。この現像スリーブ46の表面に設けられる被膜としては、例えば、特開平9−230690号公報に開示されている樹脂被膜や、特開平7−281517号公報に開示されているMo(モリブデン)とOとHとを主な構成成分とする無機系のめっき被膜、あるいは特開平8−202140号公報に開示されているNi(ニッケル)めっき被膜等が挙げられる。
【0038】
図10及び図11は上記現像ローラに用いられるフランジ部材をそれぞれ示す構成図である。
【0039】
これらの現像ローラ用のフランジ部材49、50は、例えば、ステンレスやアルミニウム等の金属によって形成されている。上記現像ローラ用のフランジ部材49、50のうち、装置のOUT(手前)側に配置されるフランジ部材49は、図10に示すように、先細りの円筒形状に形成されている。このフランジ部材49の内側の端部には、現像スリーブ46に嵌合された状態で接着剤により固着される嵌合部54が設けられている。また、上記嵌合部54の外側には、現像スリーブ46の端部を突き当てる突当壁部55が、当該現像スリーブ46の肉厚と同程度か、現像スリーブ46の肉厚よりもやや低くなるように、半径方向外方に向けて環状に突設されている。
【0040】
また、上記フランジ部材49の突当壁部55の外側には、その突出した突出部としての円筒状部分56の外周に、現像スリーブ46と感光体ドラム3との間隙を、所定の値に設定する間隙設定部材としてのトラッキングローラ28を回転自在に支持する支持部57が、所定の外径及び所定の寸法誤差の範囲内となるように形成されている。また、上記フランジ部材49は、軸受部材58によってマグネットローラ47のシャフト48に回転自在に軸支されるものであり、このフランジ部材49は、軸受部材58でのみマグネットローラ47と接触し、他の部分では接触しないように、当該フランジ部材49の軸受部材58以外の内径が設定されている。
【0041】
また、上記フランジ部材49の円筒状部分56の外側には、図10に示すように、現像ローラ27を回転自在に支持するための軸受け部材59(図 参照)を介して、プロセスカートリッジ2に設けられた現像装置5のハウジング35に取り付けるための取付部60が設けられている。
【0042】
さらに、上記フランジ部材49の外側の端部には、図10に示すように、現像スリーブ46を回転駆動するためのギア61を取付ける駆動部62が設けられており、この駆動部62は、ギア61を回転止め状態に取り付けるため、ダブルD形状に形成されている。また、上記フランジ部材49の端部に取付けられたギア61は、図2及び図8に示すように、感光体ドラム3の一端部に設けられた駆動用のギア63と噛み合うように構成されている。
【0043】
一方、上記現像ローラ用のフランジ部材49、50のうち、装置のIN(奥)側に位置するフランジ部材50は、図11に示すように、比較的短い円筒形状に形成されている。このフランジ部材50の一端部には、現像スリーブ46に嵌合された状態で接着剤により固着される嵌合部64が設けられている。また、上記嵌合部64の外側の端部には、現像スリーブ46の端部を突き当てる突当壁部65が、当該現像スリーブ46の肉厚と同程度か、現像スリーブ46の肉厚よりもやや低くなるように、半径方向外方に向けて環状に突設されている。
【0044】
また、上記フランジ部材50の突当壁部65の外側には、その円筒状部分66の外周に、現像スリーブ46と感光体ドラム3との間隙を、所定の値に設定する間隙設定部材としてのトラッキングローラ28を回転自在に支持する支持部67が、所定の外径及び所定の寸法誤差の範囲内となるように形成されている。また、上記フランジ部材50の嵌合部64の内周には、当該フランジ部材50をマグネットローラ47のシャフト48に回転自在に取り付けるための軸受部材68が設けられている。上記フランジ部材50は、軸受部材68によってマグネットローラ47のシャフト48に回転自在に軸支されるものであり、このフランジ部材50は、軸受部材68でのみマグネットローラ47と接触し、他の部分では接触しないように、当該フランジ部材50の軸受部材68以外の内径が設定されている。
【0045】
さらに、上記フランジ部材50は、図2に示すように、支持部67に回転自在に支持されたトラッキングローラ28が、感光体ドラム3の表面に当接するようになっている。さらに、上記フランジ部材50を回転自在に軸支したマグネットローラ47のシャフト48は、プロセスカートリッジ2に設けられた現像装置5のハウジング35に取り付けられている。
【0046】
上記の如く構成される現像ローラ27は、図12に示すように、そのOUT側の端部に、ロールシール71を被着した状態で、トラッキングロール72が装着されるとともに、そのIN側の端部には、ロールシール71を被着した状態で、トラッキングロール73とスペーサーロール74が装着される。上記ロールシール71は、図13に示すように、POM等の合成樹脂によって、現像ローラ27の外周に被着される外周部75と、当該外周部75の外側に連設され、フンラジ部材49、50の外周面に被着される円形状に開口した環状部76とから形成されている。また、上記トラッキングロール72、73のうち、OUT側のトラッキングロール72は、図14に示すように、やはりPOM等の合成樹脂によって環状に形成されているとともに、IN側のトラッキングロール73も、図15に示すように、やはりPOM等の合成樹脂によって環状に形成されている。さらに、上記スペーサーロール74は、図16に示すように、中心部に3本の爪77が半径方向内側に向けて突設されており、当該3本の爪77は、マグネットローラ47のシャフト48の端部近傍に設けられた凹溝78に嵌合されるようになっている。
【0047】
この実施の形態に係る現像剤担持体としての現像ローラ27は、上記の如く構成されており、図4に示すように、現像装置5に組み込まれた後、プロセスカートリッジ2として、図2に示すように、プリンタ本体1に装着されて使用される。上記現像装置5では、図4に示すように、現像ローラ27と層厚規制部材36との間に、紙粉や凝集した粗大現像剤等の異物が挟まると、当該異物が挟まった部分では、現像ローラ27の現像スリーブ46の表面が次第に磨耗されて、表面粗さが周方向に沿って平滑化されることにより、周方向に沿った傷などが発生する場合がある。このように、現像ローラ27の表面に傷が発生する現象は、経時的に、現像装置5の使用に伴って増加し、傷の発生によって画質劣化の原因となる可能性がある。そのため、現像装置5では、当該現像装置5の内部に予め収容された現像剤が消費されてなくなった時点で、寿命と判断されて、プロセスカートリッジ2毎新たなものと交換され、使用済のプロセスカートリッジ2、あるいは使用済のプリンタは、リサイクル工程によって回収される。
【0048】
回収された使用済のプロセスカートリッジ2やプリンタは、再生工場に集められ、所定のリサイクル工程を経て、現像剤担持体としての現像ローラ27が再使用される。
【0049】
ところで、この実施の形態では、上記現像剤担持体は、前記回収された使用済の現像剤担持体からプラスチック部品を取り外すプラスチック部品外し工程と、前記プラスチック部品が取り外された使用済の現像剤担持体を洗浄する洗浄工程と、前記洗浄工程によって洗浄された現像剤担持体の表面に光を照射して、当該現像剤担持体からの反射光の強度を受光手段によって検出し、前記受光素子からの出力信号に基づいて、前記現像剤担持体の表面における傷等の欠陥の発生状態を自動的に識別する識別工程と、前記識別工程によって識別された現像剤担持体の軸方向の端部近傍に固着したトナーを除去する固着トナー除去工程と、前記固着トナー除去工程によってトナーが除去された現像剤担持体に、新品のプラスチック部品を取り付けるプラスチック部品取り付け工程と、前記プラスチック部品が取り付られた現像剤担持体に、再使用品であることを識別するマークを付けるマーキング工程とを有するリサイクル工程によって再使用されるように構成されている。
【0050】
図17は上記現像剤担持体のリサイクル工程を示すものである。
【0051】
まず、上記の如く構成される現像剤担持体としての現像ローラ27が、図4に示すように、現像装置5の内部に装着されているデジタルプリンタは、使用済のものが資源環境型生産システムにおいて回収される回収工程が実施された後、回収されたデジタルプリンタは再生工場に送られる。そして、このデジタルプリンタは、分解されて感光体ドラム3や現像装置5等の個々の部品が取り出され、更に現像装置5から現像剤担持体としての現像ローラ27が取り出される。なお、上記デジタルプリンタでは、現像装置5を含むプロセスカートリッジ2が、プリンタ本体1とは別個に交換可能となっているため、回収されたプロセスカートリッジ2も画像形成装置用部品として回収された後、分解されて現像装置5から現像剤担持体としての現像ローラ27等の個々の部品が取り出されるようになっている。
【0052】
分解された現像装置5等の画像形成装置用部品は、再生工場の分解工程において、次のようにして、現像剤担持体としての現像ローラ27が取り出され、この現像ローラ27は、画像形成装置用の再生部品として再生された後、再度、新しい現像装置5に装着されて、画像形成装置用の再生部品を含む新製品としてのプロセスカートリッジ2の組み立てに使用される。
【0053】
次に、上記画像形成装置用部品としての現像ローラ27の再生方法について、図17等を参照して、各工程に応じて説明する。なお、図17は画像形成装置用部品としての現像ローラ27の再生方法を便宜上説明するものであって、この図17に示された工程が必ずしもすべて実施される訳ではない。
【0054】
▲1▼取り出し工程
上記の如く回収されたプロセスカートリッジ2が現像装置5等の構成部品に分解され、図17に示すように、当該現像装置5から現像ローラ27を取り出す取り出し工程が行われる(ステップ101)。この現像ローラ27の取り出し工程では、現像ローラ27の現像スリーブ46の表面に傷をつけないように丁寧に取り出し作業が行われる。
【0055】
▲2▼粗洗浄工程
この粗洗浄工程(ステップ102)では、上記の如く現像装置5から取り出された現像ローラ27を、図18に示すように、当該現像ローラ27のシャフト48の両端部を両手で持って、粗洗浄用治具80にセットし、図19に示すように、図示しないスライド機構によって上方にスライドさせ、洗浄用ノズル81に挿入する。そして、上記洗浄用ノズル81によって現像ローラ27の表面に付着した現像剤を吸引除去する。その際、現像ローラ27をぶつけたり、落下させた場合は、即NGとし、NG品の回収箱に入れる。
【0056】
▲3▼次に、粗洗浄後の現像ローラ27を下方にスライドさせ、洗浄用ノズル81から取り出し、現像ローラ27のシャフト48部分を両手で持ち、図示しない収容トレイに収容する。ここで、同時に現像ローラ27の表面を目視によって検査し、図20に示すような明らかな傷や異常品は、NG品として除く。この工程では、現像ローラ27の現像スリーブ46の部分には、手を触れないように気を付ける。なお、現像剤担持体の種類によっては、トナーが付着したままの状態で保管し、次の工程でトナー清掃するようにしても良い。
【0057】
▲4▼一次選別工程及びプラスチック部品の取り外し工程
次に、現像ローラ27の表面に発生している円周傷等のレベルを目視で観察し、限度見本と比較して通常の再使用工程に回すか、NG品へ回すか検査する(ステップ103)。その後、図21に示すように、現像ローラ27のIN側に取り付けられているスペーサーロール74とトラッキングロール73の間に、スペーサーロール取外し用の治具82を差し込み、スペーサーロール74をテコの原理で取り外す。次に、現像ローラ27のIN側に装着されているトラッキングロール73とシールロール71を取り外す。同様に、現像ローラ27のOUT側に取り付けられているトラッキングロール72とスペーサーロール71を取り外す。なお、現像ローラ27の画質領域内にトナーが固着しているものは、ブラスト再生工程へ回される。
【0058】
▲5▼予備検査
次に、現像ローラ27を両手で持ち、回転シャフト48が正常に回転するか否かを確認する。また、現像ローラ27のフランジ部に後述するように付されたマーキングの種類を確認する。マーキングがない現像ローラ27は、新品のものが使用済として回収されたものであるので、1回再生またはブラスト処理へ回され、青色のマーキングが施された現像ローラ27は、2回再生へ、緑色または赤色の現像ローラは、NG品としてNG品のトレイへ収容される。なお、他の機種の現像ローラ27が混ざっていることがあるので、見落とさないようにする。見分け方は、現像スリーブの色や、トラッキングロールの形状等で確認するが、判断に迷うものは、NG品とする。
【0059】
▲6▼エアーブロー洗浄工程
このエアーブロー洗浄工程(ステップ105)では、図22に示すように、現像ローラ27のIN側を現像ローラ起立用治具83に差し込んで起立させた状態で、現像ローラ27の全体をエアーガン84によってエアーブロー洗浄する。特に、現像ローラ27の両端部は、トナーの固着が激しいので入念に行うのが望ましい。エアーブロー洗浄で落ちないトナー固着部分は、図23に示すように、クリーンチーフ等によって乾吹きを行い、その後もう一度エアーブロー洗浄を行う。
【0060】
▲7▼同時に、現像ローラ27の表面を一次目視検査し、落ちきらない汚れやしみが明らかなNG品は除くようになっている。また、この時点で、図24に示すように、現像ローラ27が1次再生用のものか2回再生用のものか、ブラスト再生工程へ回すものかを確認する。そして、1回再生品と2回再生品と、ブラスト再生品とで工程内の運搬用トレイを分け、別管理とする。なお、現像ローラ27の画質領域内にトナーが固着しているものは、ブラスト再生工程へ回される。
【0061】
▲8▼表面検査工程
次に、現像ローラの表面に傷等の欠陥が発生しているか、あるいは当該現像ローラの表面に発生している傷等の欠陥の大きさ等を、図26に示すように、表面検査装置88によって検査する(ステップ107)。上記表面検査装置88は、1日の稼動前に、所定の手順に従いマスターサンプルによって閾値の調節を行い、調整した内容などを記録する。また、1日の稼動前以外にも、表面検査装置88のトラブル解除後や、電源OFF後は、必ずマスターサンプルで調節し直す。
【0062】
▲9▼以下に、表面検査装置における測定手順を説明する。
現像ローラをIN側を左にして表面検査装置88にセットし、セットボタンを押す。現像ローラ27が表面検査装置88の中に入ったら、次の現像ローラ27をセットし、セットボタンを押す。現像ローラ27は、NG品であるかOK品であるかが判定されて、それぞれの取り出し口に出てくる。OK品の現像ローラ27は、通常の再生品用トレイに入れられ、NG品は、ブラスト再生工程に回すため、ブラスト処理工程行き用トレイに入れられる。その後、上記の作業が繰り返される。
【0063】
(10)なお、上記表面検査装置88では、作業中断時や終了時に、ULボタンを押し、検査装置内の現像ローラが取り出される。また、現像ローラ27の表面検査装置88へのセットは、確実に行う必要がある。さらに、表面検査装置88に作業者が指等を挟まれないように注意する。
【0064】
(11)外径、振れ測定工程
次に、再使用される現像ローラ27の外径や外径の変動である振れ等を測定し、所定の範囲内に入っているか否かが判別される(ステップ106)。この外径、振れ測定工程は、図25に示すように、レーザー光線を用いたレーザー測定器86によって行われる。このレーザー測定器86では、一日の稼動前に、マスターサンプルを測定し、測定値の数値のずれが所定の範囲内(±5μm基準)に入っているか否かが確認され、所定の範囲内に入るようにキャリブレションが行われる。また、レーザー測定器86は、4〜5時間稼動する毎に、現像ローラ27が接触するロール部の清掃や、レーザー部のエアーブロー洗浄を実施するようになっている。
【0065】
(12)この外径、振れ測定工程では、図25に示すように、レーザー測定器86に現像ローラ27を載せた状態で、起動ボタンを押すと測定がはじまり、制御ボックスにNO、GO判定が表示される。OK品である現像ローラ27は、OK品用トレイに入れられる。また、NG品である現像ローラ27は、NG品用のトレイに入れられる。
【0066】
(13)その後、上記の外径、振れ測定工程が繰り返される。レーザー測定器86への現像ローラ27のセットは、確実に行う必要がある。また、レーザー測定器86に作業者が指などを挟まれないように注意する。
【0067】
(14)端部固着除去工程
その後、アウト側を左手にして現像ローラ27のシャフト48部分を両手で持ち、収容トレイから取り出す。そして、現像ローラのアウト側のシャフト48を、図27に示すように、回転機89のチャック部分90に差しこみ、時計周りに締める。次に、回転機89の起動スイッチを押し、イン側をチャックさせた状態で現像ローラ27を回転させる。そして、綿棒91にエタノール等の溶剤を湿らせ、トナーの固着部分に当てつけて、トナー汚れを除去する。なお、エタノールが現像ローラ27の表面に広がった場合は、クリンチーフ等で拭き取るが、なるべく現像スリーブ27の画像領域内にエタノールが入らないように、外側へ外側へと綿棒をスライドさせる。その後、固着トナーが除去された現像ローラを回転機から取り出し、トレイに入れる。
【0068】
(15)部品組み付け
次に、現像ローラ27のシャフト48部分を左右の手で持ち、再生のマーキング有無とシャフト48が正常に回転するか否かを確認する。その後、現像ローラ27の全体をエアーブローし、付着した埃等を除去する。さらに、上記現像ローラ27の表面を目視によって観察し、外観キズ、汚れ、油脂、しみ等を限度見本を元に検査する(ステップ109)。
【0069】
(16)そして、目視検査の結果、合格したOK品の現像ローラ27には、図 に示すように、IN側にロールシール71、トラッキングロール73、スペーサーロール74の順に差し込み、図示しない取付け用の治具に押し付け音がするまで押し込んで取り付けられる(ステップ110)。なお、NG品である現像ローラ27は、NG品の回収箱へ入れる。その際、トラッキングロール73とスペーサーロール74の向きには気をつける。また、現像ローラ27のアウト側には、ロールシール71とトラッキングロール72が取り付けられる。さらに、プラスチック部品に打痕傷などが付いてしまった場合は、画像に悪影響が現れるので、必ず新たなものと交換する。また、現像ローラ27を構成するプラスチック部品は、その構成が他の機種と異なるため、間違えないように注意する。
【0070】
(17)マーキング工程
部品の組み付け工程が終了した再使用される現像ローラ27は、10本溜まったところで、プラスチック部品の欠品や、種類の錯誤、嵌め込み不良などが目視によって確認される。また、運搬用の箱や収容トレイは、使用前に入念にエアーブローによって清掃する。その後、1回再生の現像ローラ27の場合は、図29に示すように、青色マジックで、2回再生の場合は、赤色マジックで、青色と重ならない場所に、再生の印をフランジ部材の部分にマーキングする。そして、必ず10本の現像ローラ27が収容トレイに溜まった時点で、図30に示すように、エアーブローして収容トレイを運搬用の箱92に入れて蓋をする。
【0071】
(18)梱包
次に、運搬用の箱92の1箱に4つの収容トレイ(40本の現像ローラ)が溜まったら、蓋をしめて、現品票を運搬用の箱92に貼りつける。この運搬用の箱92は、積む込み向きを揃えた状態で、パレットに積み込まれる。パレットには、基本的に6箱の運搬用箱が4段積載されるとともに、端数の運搬用箱が積み込まれる。なお、出荷時には、最上段の運搬用箱にラップが巻かれる。
【0072】
上記の如く、現像剤担持体としての現像ローラ27は、再生工場におけるリサクル工程を経て再使用されるが、上述した▲7▼表面検査工程において、現像ローラ27の表面に、傷等の欠陥が発生しているか否かが検査される。
【0073】
そこで、本発明者らは、現像ローラの表面に傷等の欠陥が発生した場合であっても、当該傷等の欠陥がどの程度であれば、現像ローラを再使用した場合であっても、画質上に影響がないかを鋭意研究した。
【0074】
その結果、本発明者らは、使用済の現像剤担持体を回収し、所定の検査を経て再使用される再使用現像剤担持体において、前記現像剤担持体は、その使用によって現像剤担持面に傷等の欠陥が発生している場合であっても、当該現像剤担持面の表面粗さRaが、傷等の欠陥の部分を含めてすべて0.8μm以上であるように構成すれば良いことを見出した。
【0075】
また、この実施の形態では、前記現像剤担持体の現像剤担持面の表面粗さRaは、新品の状態で0.9〜2.3μmの範囲に設定されている。
【0076】
さらに、この実施の形態では、使用済の現像剤担持体を回収し、所定の検査を経て再使用される再使用現像剤担持体において、前記現像剤担持体は、その使用によって現像剤担持面に傷等の欠陥が発生している場合であっても、当該傷等の欠陥の表面粗さRaが0.8μm以上であって、かつ傷等の欠陥の軸方向の幅が0.3mm以下であるように構成されている。
【0077】
また更に、この実施の形態では、使用済の現像剤担持体を回収し、所定の検査を経て再使用される再使用現像剤担持体において、前記現像剤担持体は、その使用によって現像剤担持面に傷等の欠陥が複数発生している場合であっても、当該各傷等の欠陥の表面粗さRaが0.8μm以上であって、かつ隣合う傷等の欠陥の軸方向の中心間距離が5mm以上であるように構成されている。
【0078】
実験例1
すなわち、本発明者らは、図3及び図4に示すように構成されたデジタルプリンタを用いて、A4サイズの記録用紙に、1日当たり3回に分けて、ハーフトーンの画像を4000枚プリントする工程を繰り返し、0〜36000枚と、36000枚〜72000枚に分けて、合計72000枚の記録用紙に画像を形成し、現像ローラ27の表面に発生した傷の幅及び傷の表面粗さRaと、画質筋の発生グレードを調べる実験を行った。
【0079】
なお、上記現像ローラ27の表面に発生した傷の表面粗さRaは、(株)東京精密 SURCOM 1400D−3DFを用いて測定し、現像ローラ27の表面に発生した傷の幅は、(株) キーエンス ビデオマイクロスコープ VH−6300を用いて測定した。また、上記画質筋の発生グレードは、黒紙/ハーフトーンにおける白抜け度合いを限度見本サンプルと見比べてグレード0〜5で、被検者による官能試験によって評価した。
【0080】
図31は現像ローラ27の表面に発生した傷部の表面粗さRaと、画質筋の発生グレードの実験結果を示すものである。
【0081】
図31から明らかなように、現像ローラ27の表面に傷が発生している場合であっても、安全域を考慮して、傷部の表面粗さRaが0.90μm以上であれば、画質筋の発生グレードが0.00であり、現像ローラ27を再使用しても画質劣化が発生しないことがわかる。
【0082】
また、図32は現像ローラ27の表面に発生した傷の幅と、画質筋の発生グレードの実験結果を示すものである。
【0083】
この図32から明らかなように、現像ローラ27の表面に傷が発生している場合であっても、安全域を考慮して、傷の幅が0.23μm以下であれば、画質筋の発生グレードが0.00であり、現像ローラ27を再使用しても画質劣化が発生しないことがわかる。
【0084】
さらに、現像ローラ27表面の傷の幅と傷部の表面粗さとの関係を示したものが図33である。この図33から明らかなように、現像ローラ27表面の傷の幅と傷部の表面粗さとの間には、概略、負の相関関係があることがわかる。
【0085】
又、図34は現像ローラ27の表面に発生した傷の幅及び傷の表面粗さRaと、画質上のディフェクトとの関係を同時に示したものである。
【0086】
この図34からも、現像ローラ27の表面に傷が発生している場合であっても、安全域を考慮して、傷部の表面粗さRaが0.90μm以上であり、傷の幅が0.23μm以下であれば、画質上のディフェクトが問題ないことがわかる。
【0087】
実験例2
次に、本発明者らは、現像ローラ27の表面に複数本の傷が存在する場合、これら複数本の傷が、どの程度の距離を隔てて存在すれば、画質上問題がないかを確認する実験を行なった。
【0088】
ここで、上述した画質筋の発生グレードで問題のある大きな円周傷が、狭い間隔で隣り合う場合には、1つの傷として幅の広い大きな画質上の白筋となることが確認されている。
【0089】
本発明者らの実験の結果、幅0.22mm、表面粗さ1.31μmの第1の円周傷と、幅0.32mm、表面粗さ0.65μmの第2の円周傷とが、2mmの距離を隔てて存在する場合であっても、画質上問題ないことがわかった。
【0090】
上記幅0.32mm、表面粗さ0.65μmの第2の円周傷は、上述した画質筋の発生グレードで問題のないとした範囲を若干越えているが、この程度の傷と画質筋の発生グレードで問題のない第1の傷とが、2mmの距離を隔てて隣接しても、画質上問題が生じていない。
【0091】
このデータより上述した画質筋の発生グレードで問題のない傷が複数ある場合であっても、これら画質筋の発生グレードで問題のない範囲の傷が、安全域を考慮して、軸方向に沿って左右2.5mmの範囲内に存在しなければ、画質筋の発生グレード上問題がないことがわかった。
【0092】
実験例3
更に、本発明者らは、1回使用済の現像ローラ27を回収したときに、当該現像ローラ27の表面に傷が存在する場合、この1回使用済の現像ローラ27を、さらにプロセスカートリッジ2の通常ライフの2倍に相当する72000枚の記録用紙に画像をプリントした場合、現像ローラ27の表面に発生した傷の幅や表面粗さがどのように変化するかを確認する実験を行った。
【0093】
図35及び図36は上記実験の結果を示すものである。
【0094】
これらの図35及び図36から明らかなように、1回使用済の現像ローラ27の表面に傷が存在する場合、この現像ローラ27を再使用しても、傷の幅や表面粗さは、傷の表面粗さが若干変化しているものの、傷の幅はまったく変化していないことがわかる。
【0095】
したがって、1回使用済の現像ローラ27の表面に傷が存在する場合であっても、当該傷が所定の幅や表面粗さの範囲内であれば、現像ローラ27を再使用しても、画質上何ら問題のないことがわかる。
【0096】
図37及び図38は、新品の現像ローラ27と市場回収品の現像ローラ27の傷以外の部分の表面粗さが、どのように変化するかを確認した実験の結果を示すものである。
【0097】
これらの図37及び図38から明らかなように、市場回収品の現像ローラ27の表面粗さは、新品の現像ローラ27に比べて、そのばらつきが広がっているものの、すべてスペックの範囲内に収まっており、上述したように、傷の部分が所定の幅や表面粗さの範囲内であれば、現像ローラ27を再使用しても、画質上何ら問題のないことがわかる。
【0098】
実験例4
次に、本発明者らは、72000枚プリントした現像ローラ27の外径及び外径の振れ(変動)がどの程度あるかを確認する実験を行なった。なお、上記現像ローラ27の外径及び外径の振れは、レーザー測定器( 株)ミツトヨ Laser Scan Micrometer LSM−3000を用いて測定した。
【0099】
図39は、上記実験の結果を示すものである。
【0100】
この図39から明らかなように、72000枚プリント後の現像ローラ27であっても、その外径及び外径の振れ(変動)がすべてスペックの範囲内に収まっていることがわかる。
【0101】
そこで、この実施の形態に係る表面検査装置200では、図30や図32に示すコンパレーター224、226のREF値を適宜設定したり、図31に示す走査エリア中の閾値を適宜設定することにより、現像ローラ27の表面粗さRaが、傷等の欠陥の部分を含めてすべて0.8μm以上であるか否か、又は、当該傷等の欠陥の表面粗さRaが0.8μm以上であっても、その欠陥の軸方向の幅が0.3mm以下であるか否か、更には、当該欠陥の表面粗さRaが0.8μm未満であって、かつ隣合う傷等の欠陥の軸方向の中心間距離が5mm以上であるか否かを識別するように構成されている。ここで、現像ローラ27の表面粗さRaが、傷等の欠陥の部分を含めてすべて0.8μm以上であるか否か、又は、当該傷等の欠陥の表面粗さRaが0.8μm以上であっても、その欠陥の軸方向の幅が0.3mm以下であるか否かは、粗さ0.9μm、幅0.23μmの円周方向傷のマスターサンプルを作製し、毎回検査機立ち上げ時に校正し、閾値(コンパレータレベル)を数値(電圧)をツマミで調整することによって決めている。ただし、上記現像ローラ27の表面粗さRaが、傷等の欠陥の部分を含めてすべて0.8μm以上であるか否かは、市場回収品の傷等欠陥以外の通常部に関しては、粗さ0.8μm未満になることはない。また、上記欠陥の表面粗さRaが0.8μm未満であって、かつ隣合う傷等の欠陥の軸方向の中心間距離が5mm以上であるか否かは、検査機では判別できないため、検査機でOKであってもレベルの隣り合う傷に関しては、最終目視検査でメジャーをあてて隣り合う傷の判別を行っている。
【0102】
以上の通り、使用済の現像ローラ27を再使用する場合であっても、当該使用済の現像ローラ27の表面に発生した傷の幅及び表面粗さが、所定の範囲内であれば画質上問題なく、少なくともプロセスカートリッジ2のライフの2倍に相当する72000枚のプリントに使用することができることがわかる。
【0103】
しかし、上述した現像ローラ27のリサイクル工程における表面検査工程で、使用済の現像ローラ27の表面に発生した傷の幅及び表面粗さが、所定の範囲内であるか否かを、人間が目視によって検査することは非常に困難である。
【0104】
そのため、使用済の現像ローラ27の表面に発生した傷の幅及び表面粗さが、所定の範囲内であれば、使用済の現像ローラ27を再使用可能であることがわかっていても、直ちに、再生工場におけるリサイクル工程で、現像ローラ27の表面に発生した傷の幅及び表面粗さが、所定の範囲内であるか否かを検査することはできない。
【0105】
そこで、本発明者らは、使用済の現像ローラ27の表面に発生した傷の幅及び表面粗さが、所定の範囲内であるか否かを自動的に検査可能な表面検査装置について種々検討した。
【0106】
その結果、次のように構成された表面検査装置を採用するに至った。
【0107】
すなわち、上記再使用現像剤担持体の検査装置の基本原理は、図40に示すように、LED等の光照射手段(光源)100から現像ロール27の現像スリーブ48表面に光を照射するとともに、当該現像スリーブ48表面からの反射光をフォトセンサー等の受光手段101によって受光し、現像スリーブ48の表面に傷や汚れ等の欠陥102があるか否かによって、当該現像スリーブ48表面からの反射光の強度が変化することを利用し、現像ロール27の表面における傷等の欠陥の発生状態を識別するように構成したものである。
【0108】
上記現像ロール27の現像スリーブ48表面に発生する傷や汚れ等の欠陥102としては、例えば、図41に示すように、周方向に連続した傷や、部分的に小さい傷やトナー付着等の汚れ、あるいは軸方向に伸びた傷や、大きな部分的な傷やトナー付着等の汚れなどが挙げられる。これらの傷や汚れ等の欠陥102のうち、トナー付着等の汚れは、上述したリサイクル固定における洗浄工程等によって除去可能であるか、洗浄工程等によって除去できなければ、ブラスト処理工程に回される。また、周方向に連続した傷や、部分的に小さい傷、あるいは軸方向に伸びた傷などは、表面検査工程において、検査して識別することができ、大きな部分的な傷であれば、目視によって識別することができる。
【0109】
その際、上記現像ロール27が現像スリーブ48の表面に光沢を有するものである場合には、当該現像スリーブ48の表面に傷等の欠陥があると、欠陥の部分は、光を吸収したり散乱するため、図40(b)に示すように、反射光の強度が傷のない表面に比べて低くなる。そのため、上記受光手段101からの出力信号をある一定の閾値で判別することによって、現像スリーブ48の表面に傷や汚れ等の欠陥があるか否か、あるいは所定の状態以上の傷や汚れ等の欠陥があるか否かを識別することができる。
【0110】
これを前提として、上記再使用現像剤担持体の検査装置は、図42に示すように、現像スリーブ48が円筒形状であるため、この現像スリーブ48を回転させつつ当該現像スリーブ48表面からの反射光強度をラインカメラ104で測定するように構成すれば、現像スリーブ48の表面全体における欠陥を検出することが可能となる。
【0111】
この場合、現像スリーブ48の長さに対してラインカメラ104のセンサーが短く、ラインカメラ104は縮小光学系を構成することになるため、現像スリーブ48の中央部であるB点と、両端部であるA点及びC点とで、現像スリーブ表面からの反射光の強度が異なる。その結果、上記ラインカメラ104の出力信号は、図42に示すように、現像スリーブ48の中央部B点は光路長が短く、しかも反射角が小さいために、反射光強度が高いのに対して、両端部であるA点及びC点は光路長が長く、しかも反射角が大きいために、反射光強度が低くなり、中央部B点と両端部のA点及びC点とでは、反射光強度の差が大きく、図42に示すように、ラインカメラ104の出力値LV1とLV2の差で決まるダイナミックレンジが低くなる。これは、ラインカメラ104の出力値に基づいて、現像スリーブ48の表面に発生した傷や汚れ等の欠陥を検出する上で、検出が困難な方向に作用する。なお、この点は、上記ラインカメラ104からの出力値に対して、シェーデイング補正処理を施すことによって、ダイナミックレンジを高くすることが可能となる。
【0112】
そのため、上記再使用現像剤担持体の検査装置105としては、図43に示すように、現像スリーブ48表面からの反射光を検出するために、密着型のラインセンサー106(Contact Image Sensor)を用いるのが望ましい。この検査装置105は、現像スリーブ48の軸方向に沿って、しかも当該現像スリーブ48の表面に近接させて、密着型のラインセンサー106を平行に配置することにより、現像スリーブ48の軸方向に沿った表面からの反射光を、非常に短い光路で外乱光の影響を受けることなく受光することができ、ラインセンサー106のダイナミックレンジを広く使用することができる。上記密着型のラインセンサー106は、現像スリーブ48の表面に沿って直線状に配列された光照射手段としてのLEDアレー107から光を照射し、現像スリーブ48表面からの反射光をロッドアレーレンズ108を介して、フォトトランジスタやフォトダイオード、あるいはCCD等の受光素子を直線状に配列したイメージセンサー109(受光手段)に導くように構成されている。上記イメージセンサー109からの出力信号は、内蔵されたシフトレジスターによって順次転送され、図43(b)に示すように、イメージセンサー109の長手方向に沿って、時系列的に順次出力されるシリアルなビデオ信号として得られる。
【0113】
上記イメージセンサー109としては、例えば、600BPI〜1200BPI程度の分解能を有するものが用いられ、当該イメージセンサー109は、図 に示すように、現像スリーブ48の表面に例えば、幅200μmの筋状の傷が存在する場合、その分解能が40μm程度になるように設定される。また、上記イメージセンサー109は、現像スリーブ48の表面に傷がある場合、傷からの出力レベルが飽和したレベル信号から1.2V程度低くなるように設定されて使用される。
【0114】
ところで、上記現像ロール27が現像スリーブ48の表面に光沢を有するものである場合には、当該現像スリーブ48の表面に光を照射すると、現像スリーブ48表面の光反射率が高く、しかも、現像スリーブ48の表面にトナーの輸送性を高めるため、微細な凹凸が設けられている場合には、傷や汚れ等の欠陥の近傍で光が散乱される。このように、上記現像スリーブ48の表面で傷や汚れ等の欠陥によって光が散乱されると、図45に示すように、当該散乱光がラインセンサー106に入射されるため、見掛け上、ラインセンサー106の検出レベルが高くなるため、傷等の欠陥が検出し難くなる。
【0115】
これに対しては、図46に示すように、ラインセンサー106と現像スリーブ48との間に、偏光フィルター110を配置して、傷や汚れ等の欠陥の近傍で散乱される散乱光がラインセンサー106に入射するのを防止することによって、ラインセンサー106の検出レベルが高くなるのをある程度抑制することができる。
【0116】
さらに、上記現像スリーブの表面の反射率が高いと、当該現像スリーブ表面の色や汚れ(くすみ)等によって、反射光の強度が大きく変化してしまい、傷や汚れ等の欠陥の識別を困難にするという事情がある。
【0117】
このように、上記現像スリーブ48の表面が光沢を有することにより、現像スリーブ表面の色や汚れ(くすみ)等によって、反射光の強度が大きく変化してしまうことがある。これに対しては、図47に示すように、現像スリーブ48の表面に別の光源111によって光を照射し、当該現像スリーブ48表面からの反射光を検出手段としての受光センサー112によって検出して、当該受光センサー112の出力を差動増幅器113で所定値REFと比較し、受光センサー112の出力が所定値REFと等しくなるように、差動増幅器113からの出力でラインセンサー106のLEDアレー107の光量を制御することによって、ラインセンサー106の出力を略一定にすることができる。その結果、現像スリーブ48表面の色や汚れ(くすみ)等によらずに、ラインセンサー106のダイナミックレンジを、現像スリーブ48表面の傷等の欠陥の検出に有効に使用することができる。
【0118】
この場合、正常な現像スリーブ48のラインセンサー出力を一定にするために、図48に示すように、LEDアレー107の照射光強度を通常よりも少し高めに設定することで、ラインセンサー109の出力を飽和させて使用することが有効である。これにより、現像スリーブ48の表面からの反射光は、当該現像スリーブ表面の僅かな変化によっては殆ど変化しないが、現像スリーブの表面に傷等が発生していて、反射光が大きく変化した場合には、それに伴って、ラインセンサーの出力もある程度以上大きく変化するため、傷等の検出をより確実に行うことが可能となる。そのため、コンパレーターのダイナミックレンジを広くすることができる。これはラインセンサー出力にリミッタをかけることによっても同様の効果が得られる。
【0119】
次に、上記再使用現像剤担持体の検査装置の具体的は構成について説明する。
【0120】
この再使用現像剤担持体の検査装置200は、図49に示すように、大きな略直方体状に形成された装置筐体201を備えており、当該装置筐体201上部の前面中央には、作業用のステージ202が設けられている。この作業用ステージ202は、図50に示すように、略階段状に形成されており、上段から順に、サンプルとしての現像ロール27を投入するサンプル投入部203と、検査の結果、現像ロールの表面に所定以上の傷等の欠陥がなかった場合に、OK(合格)品が排出されるOK品排出部204と、検査の結果、現像ロールの表面に所定以上の傷等の欠陥があった場合に、NG(非合格)品が排出されるNG品排出部205とを有している。
【0121】
上記サンプル投入部203には、図50に示すように、現像ロール27の両端部を保持するプリセット台206が、水平方向及び上下方向に移動可能に配設されており、当該プリセット台206は、図示しない移動手段によって装置筐体201の内部に水平方向に移動した後、現像ロール27のみが検査部207へと上方へ移動するように構成されている。上記サンプル投入部203には、複数のプリセット台206が順次移動可能となっており、1つのプリセット台206が現像ロール27を検査部へ移動させた状態では、次のプリセット台206がサンプル投入部203に移動し、次の現像ロール27をプリセット台206上にセット可能となっており、作業性を向上させることが可能となっている。
【0122】
上記現像ロール27は、検査部207に移動すると、図51に示すように、右側のチャック208をプッシャー209によって移動させ、当該現像ロール27の両端部には、左右のチャック208、210が装着される。そして、左側のチャック210をパルスモータ211及び駆動プーリ212・駆動ベルト213を介して回転駆動することにより、現像ローラ27を回転させ、当該現像ローラ27の全周を検査部207によって検査することが可能となっている。上記パルスモータ211は、パルスジェネレータ214によって駆動され、当該パルスジェネレータ214は、ビデオ回路215に接続されているとともに、CPU217からの指令によりパルスモータコントローラ216によって制御されるように構成されている。
【0123】
上記検査部207において、表面の傷等が検査された現像ロール27は、図50に示すように、下方へ移動して、待機しているプリセット台206にセットされて、検査結果に応じて、検査された現像ロール27がOK品である場合には、図示しない移動手段によって、OK品排出部204へと搬送され、当該OK品排出部204から排出される。また、検査された現像ロールがNG品である場合には、図示しない移動手段によって、NG品排出部205へと搬送され、当該NG品排出部205から排出される。
【0124】
また、上記再使用現像剤担持体の検査装置200では、図49に示すように、検査結果に応じて、OK品であることを示すOKランプや、NG品であることを示すNGランプ等が点灯するように構成しても良い。なお、図49中、218、219はスタートスイッチ及び排出スイッチをそれぞれ示すものである。
【0125】
さらに、上記再使用現像剤担持体の検査装置200では、検査部207において、現像ロール27の表面状態を検査すると、ラインセンサー106からの出力信号が判定部へ送られ、当該判定部220において、検査された現像ロールがOK品であるかNG品であるかが自動的に識別される。
【0126】
上記判定部220は、図52に示すように、ラインセンサー105に接続されたビデオ回路215と、当該ビデオ回路215から出力されるビデオ信号を記憶するメモリー221を備え、検査された現像ロール27がOK品であるかNG品であるかの識別を行うCPU217と、パルスモータコントローラー216と、操作パネル222と接続されたI/Oインターフェイス223とを備えるように構成されている。この判定部220は、例えば、所定の検査プログラムが記憶されたパーソナルコンピュータによって構成される。
【0127】
上記の如く構成された再使用現像剤担持体の検査装置200では、図49及び図50に示すように、サンプル投入部203に位置するプリセット台206に、サンプルとしての現像ロール27をセットした状態で、スタートボタンを押すと、当該プリセット台206にセットされた現像ローラ27は、検査部207へ移動し、当該検査部207において表面に傷等の欠陥があるか否かが検査される。その際、1つの現像ローラ27を検査中に、次の現像ローラ27をサンプル投入部203に位置する他のプリセット台206にセットすることが可能となっている。
【0128】
そして、上記検査装置200では、排出スイッチを押すことによって、検査が終了した現像ローラ27が、判定結果に応じて、OK品排出部204又はNG品排出部205から排出されるとともに、大型のGO又はNG表示灯が点灯して判定結果が表示される。この表示は、次の現像ロールの検査が終了したときに消灯し、当該現像ローラ27の排出に合わせて点灯する。
【0129】
上記現像ローラ27の検査は、図51に示すように、現像ローラ27を回転させ、当該現像ローラ27表面からの反射光をラインセンサー106で検出し、ラインセンサー106からのビデオ信号をメモリー上にマップに展開して、そのビデオ信号を処理することによって行われる。
【0130】
現像ローラ27の表面に発生した傷や汚れ等の欠陥の識別処理は、次のようにして行われる。
【0131】
▲1▼明らかな傷や汚れ(コンパレート処理)
図53に示すように、現像ローラ27の表面に、明らかな傷や汚れ等の欠陥がある場合には、ラインセンサー106から得られるビデオ信号が、図53(b)に示すように、明らかな傷や汚れ等の欠陥がある位置で大きく低下する。そのため、ラインセンサー106の出力を、コンパレーター224によって一定の基準値REFと比較することにより、現像ローラ27の表面に対応した領域で、コンパレーター224の出力がハイ(H)になったか否かで、現像ローラ27の表面に明らかな傷や汚れ等の欠陥があることを識別することができる。なお、実際には、ラインセンサー106からのビデオ信号をAD変換し、デジタル値においてコンパレーターによって比較される。
【0132】
▲2▼むら的欠陥(エリア積分処理)
図54に示すように、現像ローラ27の表面に、ある面積を有する汚れや、軸方向に沿った傷等のむら的な欠陥がある場合には、ラインセンサー106から得られるビデオ信号を、図54(b)に示すように、メモリー221上にマップ展開する。次に、小さいエリア、例えば3×4の走査エリアを設定し、この走査エリアを軸方向及び周方向に1ドットずつずらして行くことによって走査し、その積分値に対して判定を行う。例えば、3×4の走査エリア内に、むら的な欠陥によって反射光が低下したドットが幾つあるかをカウントし、当該反射光が低下したドットの数が所定数以上ある場合には、その領域にむら的な欠陥があると識別する。
【0133】
▲3▼周方向に連続した小さい傷(周方向積分処理)
図55に示すように、現像ローラ27の表面に、幅の狭い傷であるが周方向に連続した小さい傷の欠陥がある場合には、現像ローラ27を回転させ、ラインセンサー106から得られるビデオ信号を、全周にわたって積分アンプ225によって積分し、この積分値を設定された値とコンパレーター226比較することによって、周方向に連続した傷が、幅の狭い微小な傷等である場合でも発生していることを識別することができる。
【0134】
このように、上記実施の形態によれば、使用済の現像ローラ27を有効に再使用することができ、資源の有効利用等を図ることが可能となるとともに、現像濃度むらが引き起こされるなどの画質劣化が発生するのを防止することができる。
【0135】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、使用済の現像剤担持体を有効に再使用することができ、資源の有効利用等を図ることが可能となるとともに、現像濃度むらが引き起こされるなどの画質劣化が発生する虞れのない再使用現像剤担持体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体としての現像ローラを示す断面図である。
【図2】図2はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体としての現像ローラの使用状態を示す構成図である。
【図3】図3はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体を適用した画像形成装置としてのデジタルプリンタを示す全体構成図である。
【図4】図4はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体を適用した画像形成装置としてのデジタルプリンタに用いられるプロセスカートリッジを示す構成図である。
【図5】図5はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体を適用した画像形成装置としてのデジタルプリンタに用いられるプロセスカートリッジを示す分解斜視図である。
【図6】図6はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体を適用した画像形成装置としてのデジタルプリンタに用いられるプロセスカートリッジを示す斜視図である。
【図7】図7はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体を適用した画像形成装置としてのデジタルプリンタに用いられるプロセスカートリッジの一部を示す平面図である。
【図8】図8はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体を適用した画像形成装置としてのデジタルプリンタに用いられるプロセスカートリッジの一部を示す斜視図である。
【図9】図9はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体を適用した画像形成装置としてのデジタルプリンタに用いられるプロセスカートリッジの一部を示す側面図である。
【図10】図10はフランジ部材を示す構成図である。
【図11】図11はフランジ部材を示す構成図である。
【図12】図12は現像ローラの端部にプラスチック部品を取り付けた序状態を示す構成図である。
【図13】図13は現像ローラの端部に取り付けられるプラスチック部品を示す構成図である。
【図14】図14は現像ローラの端部に取り付けられるプラスチック部品を示す構成図である。
【図15】図15は現像ローラの端部に取り付けられるプラスチック部品を示す構成図である。
【図16】図16は現像ローラの端部に取り付けられるプラスチック部品を示す構成図である。
【図17】図17はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体のリサイクル方法を示すフローチャートである。
【図18】図18はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体のリサイクル方法を示す説明図である。
【図19】図19はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体のリサイクル方法を示す説明図である。
【図20】図20は現像ローラの表面に発生した円周傷を示す模式図である。
【図21】図21はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体のリサイクル方法を示す説明図である。
【図22】図22はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体のリサイクル方法を示す説明図である。
【図23】図23はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体のリサイクル方法を示す説明図である。
【図24】図24は現像ローラを示す説明図である。
【図25】図25はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体のリサイクル方法を示す説明図である。
【図26】図26はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体のリサイクル方法を示す説明図である。
【図27】図27はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体のリサイクル方法を示す説明図である。
【図28】図28はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体のリサイクル方法を示す説明図である。
【図29】図29はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体のリサイクル方法を示す説明図である。
【図30】図30はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体のリサイクル方法を示す説明図である。
【図31】図31はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査方法の検査結果を示すグラフである。
【図32】図32はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査方法の検査結果を示すグラフである。
【図33】図33はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査方法の検査結果を示すグラフである。
【図34】図34はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査方法の検査結果を示す図表である。
【図35】図35はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査方法の検査結果を示すグラフである。
【図36】図36はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査方法の検査結果を示すグラフである。
【図37】図37はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査方法の検査結果を示すグラフである。
【図38】図38はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査方法の検査結果を示すグラフである。
【図39】図39はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査方法の検査結果を示すグラフである。
【図40】図40はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査方法及び検査装置の原理を示す説明図である。
【図41】図41は現像ローラの表面に発生した傷等の欠陥を示す説明図である。
【図42】図42はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査装置を示す説明図である。
【図43】図43はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査装置を示す説明図である。
【図44】図44はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査装置の動作を示す説明図である。
【図45】図45はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査装置の動作を示す説明図である。
【図46】図46はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査装置の動作を示す説明図である。
【図47】図47はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査装置の動作を示す説明図である。
【図48】図48はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査装置を示す説明図である。
【図49】図49はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査装置を示す外観斜視図である。
【図50】図50はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査装置を示す構成図である。
【図51】図51はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査装置を示す構成図である。
【図52】図52はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査装置を示すブロック図である。
【図53】図53はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査装置の動作を示す説明図である。
【図54】図54はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査装置の動作を示す説明図である。
【図55】図55はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査装置の動作を示す説明図である。
【符号の説明】
2:プロセスカートリッジ、3:感光体ドラム、5:現像装置、27:現像ローラ、28:トラッキングローラ、46:現像スリーブ、47:マグネローラ、48:マグネットローラのシャフト、49、50:フランジ部材。
【発明が属する技術分野】
この発明は、電子写真方式等を採用した複写機やレーザープリンタ、あるいはファクシミリ等の画像形成装置に用いられる現像装置において、当該現像装置のの主要機能部材である現像剤担持体のうち、一回以上使用履歴のある現像剤担持体を回収し、所定の検査を経て再使用される再使用現像剤担持体に関するものである。
【0002】
【特許文献1】特願2001−213251号
【0003】
【従来の技術】
従来、上記電子写真方式等を採用した複写機やレーザープリンタ、あるいはファクシミリ等の画像形成装置に用いられる現像装置においては、有機感光体(OPC)等を用いた感光体ドラム上に形成された静電潜像を現像するために、少なくともトナーを含む現像剤を表面に担持して、感光体ドラムの表面に対向した状態で回転する現像剤担持体としての現像ローラが、当該現像装置の主要機能部材として用いられている。上記現像剤としては、磁性又は非磁性のトナーのみからなる一成分系現像剤や、磁性又は非磁性のトナーとキャリアからなる二成分系現像剤などが使用される。上記現像剤担持体のうち、磁性一成分系現像剤用の現像剤担持体としては、現像剤の搬送量を調整するため、アルミニウム又はその合金等からなる円筒状基体の表面に、ブラスト処理を施すことによって粗面化処理したものが用いられる場合がある。
【0004】
また、上記現像剤担持体としては、現像剤の摩擦帯電量を調整したり、現像ゴーストを防止するなどの目的で、表面に被膜を設けた現像剤担持体が用いられる場合もある。この現像剤担持体の表面に設けられる被膜としては、例えば、特開平9−230690号公報に開示されている樹脂被膜や、特開平7−281517号公報に開示されているMo(モリブデン)とOとHとを主な構成成分とする無機系のめっき被膜、あるいは特開平8−202140号公報に開示されているNi(ニッケル)めっき被膜等が挙げられる。
【0005】
そして、現像剤担持体としては、使用する現像剤の摩擦帯電特性などによって、上述した被膜のうち、いずれかの被膜が選択されて使用される。
【0006】
上記の如く構成される現像剤担持体は、当該現像剤担持体を回転自在に支持し、かつ回転駆動させるため、その両端部にフランジ部材やギヤ等を取り付けた状態で、現像装置本体の内部に組み込まれて使用される。また、上記現像装置は、単独で画像形成装置に装着される以外に、ユーザーが自ら画像形成装置本体に容易に着脱可能であり、交換を容易とするために、感光体ドラム等と共にプロセスカートリッジに組み込まれた状態で使用されることもある。
【0007】
画像形成装置に装着した状態で現像装置が使用されると、現像剤担持体は、回転駆動され、当該現像剤担持体の表面に現像剤が担持されるとともに、現像剤担持体の表面に担持される現像剤の量が、現像剤規制部材によって一定に規制される。そして、上記現像剤担持体の表面に一定量だけ担持された現像剤は、当該現像剤担持体の回転に伴って、静電潜像が形成された感光体ドラムの表面と対向する現像位置へと搬送され、感光体ドラムの表面に形成された静電潜像が現像される。その後、上記現像剤担持体上に担持された現像残りの現像剤は、再度、現像装置本体の内部へ搬送され、当該現像剤担持体の表面から一旦剥離された後、新たな現像剤が現像剤担持体の表面に再度担持されて、次の現像工程に使用される。
【0008】
その際、上記現像装置では、現像剤担持体と規制部材との間に、紙粉や凝集した粗大現像剤等の異物が挟まると、当該異物が挟まった部分では、現像剤担持体の表面が次第に磨耗されて、表面粗さが周方向に沿って平滑化されることにより、周方向に沿った傷などが発生する場合がある。このように、現像剤担持体の表面に傷が発生する現象は、経時的に、現像装置の使用に伴って増加し、傷の発生によって画質劣化の原因となる可能性がある。そのため、従来の現像装置では、当該現像装置の内部に予め収容された現像剤が消費されてなくなった時点で、寿命と判断されて、現像装置毎あるいはカートリッジ毎に新たなものと交換され、使用済みの現像装置は廃却されていた。
【0009】
ところが、近年は廃棄物の削減、資源の有効利用等のために、複写機やプリンタ、あるいはファクシミリ等の画像形成装置においても、使用できる部材は取り出して再利用することが社会的に望まれており、現像剤担持体も現像装置から取り出して再使用することが好ましい。
【0010】
本出願人も、廃棄物ゼロを目指した資源の再活用を推進するため、商品の企画・開発・生産から使用済み商品の回収・処理にいたるライフサイクル全体を視野に入れた資源循環型リサイクルシステム「クローズド・ループ・システム」を1995年に構築し、推進してきている。また、これらの活動についての情報を広く社会に提供するため、クローズド・ループ・システムの各項目(使用済み商品の回収→商品再使用・ 再資源化→循環型生産方式による生産→リサイクル設計)について出願人独自の評価基準により評価を行ない、この基準を達成した商品を「資源循環型商品」として認定している。
【0011】
そこで、本出願人は、現像剤担持体全体の再使用ではないものの、現像剤担持体の構成部材であるマグネットローラをリサイクルすることを目的とし、当該マグネットローラのリサイクルに適した現像ローラ用のフランジ部材及び現像ローラのリサイクル方法等について既に提案している(特願2001−213251号)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術の場合には、次のような問題点を有している。すなわち、上記本出願人が提案した特願2001−213251号に係る現像ローラのリサイクル方法は、あくまで、現像剤担持体の構成部材であるマグネットローラのリサイクルを目的としたものであって、現像スリーブ等の他の構成部材は廃棄されるものであり、廃棄物の削減や、資源の有効利用等の観点からも、満足のいくものではないという問題点を有している。
【0013】
一方、上記従来の現像剤担持体を使用済の現像装置から取り出してそのまま再使用しようとした場合には、当該現像剤担持体の表面にある程度以上の傷が発生していると、傷に対応して筋状の現像濃度むらが引き起こされるなど、新品の現像剤担持体より画質特性が劣る虞れがあり、使用済の現像剤担持体はそのまま使用することができず、資源の有効利用等を図ることができないという問題点を有している。
【0014】
そこで、この発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、使用済の現像剤担持体を有効に再使用することができ、資源の有効利用等を図ることが可能となるとともに、現像濃度むらが引き起こされるなどの画質劣化が発生する虞れのない再使用現像剤担持体を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載された発明は、使用済の現像剤担持体を回収し、所定の検査を経て再使用される再使用現像剤担持体において、前記現像剤担持体は、その使用によって現像剤担持面に傷等の欠陥が発生している場合であっても、当該現像剤担持面の表面粗さRaが、傷等の欠陥の部分を含めてすべて0.8μm以上であることを特徴とする再使用現像剤担持体である。
【0016】
また、請求項2に記載された発明は、前記現像剤担持体の現像剤担持面の表面粗さRaは、新品の状態で0.9〜2.3μmの範囲に設定されていることを特徴とする請求項1記載の再使用現像剤担持体である。
【0017】
さらに、請求項3に記載された発明は、使用済の現像剤担持体を回収し、所定の検査を経て再使用される再使用現像剤担持体において、前記現像剤担持体は、その使用によって現像剤担持面に傷等の欠陥が発生している場合であっても、当該傷等の欠陥の表面粗さRaが0.8μm以上であって、かつ傷等の欠陥の軸方向の幅が0.3mm以下であることを特徴とする再使用現像剤担持体である。
【0018】
又、請求項4に記載された発明は、使用済の現像剤担持体を回収し、所定の検査を経て再使用される再使用現像剤担持体において、前記現像剤担持体は、その使用によって現像剤担持面に傷等の欠陥が複数発生している場合であっても、当該各傷等の欠陥の表面粗さRaが0.8μm以上であって、かつ隣合う傷等の欠陥の軸方向の中心間距離が5mm以上であることを特徴とする再使用現像剤担持体である。
【0019】
更に、請求項5に記載された発明は、前記現像剤担持体の現像剤担持面に発生した傷等の欠陥を、前記現像剤担持体の表面に光を照射して、当該現像剤担持体からの反射光の強度を受光手段によって検出し、前記受光素子からの出力信号に基づいて自動的に識別することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の再使用現像剤担持体である。
【0020】
また、請求項6に記載された発明は、前記現像剤担持体が、前記回収された使用済の現像剤担持体からプラスチック部品を取り外すプラスチック部品外し工程と、前記プラスチック部品が取り外された使用済の現像剤担持体を洗浄する洗浄工程と、前記洗浄工程によって洗浄された現像剤担持体の表面に光を照射して、当該現像剤担持体からの反射光の強度を受光手段によって検出し、前記受光素子からの出力信号に基づいて、前記現像剤担持体の表面における傷等の欠陥の発生状態を自動的に識別する識別工程と、前記識別工程によって識別された現像剤担持体の軸方向の端部近傍に固着したトナーを除去する固着トナー除去工程と、前記固着トナー除去工程によってトナーが除去された現像剤担持体に、新品のプラスチック部品を取り付けるプラスチック部品取り付け工程と、前記プラスチック部品が取り付られた現像剤担持体に、再使用品であることを識別するマークを付けるマーキング工程とを有するリサイクル工程によって再使用されることを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の再使用現像剤担持体である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0022】
実施の形態1
図3はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体を適用した画像形成装置としてのデジタルプリンタを示すものである。
【0023】
このデジタルプリンタは、図示しないパーソナルコンピュータや画像読取装置等から送られてくる画像情報に基づいて、画像を形成するように構成されている。上記デジタルプリンタ本体1の内部には、図3に示すように、感光体ドラム等の画像形成部材を一体的にユニット化したプロセスカートリッジ2が配設されている。このプロセスカートリッジ2は、プリンタ本体1に対して着脱自在に構成されており、当該プロセスカートリッジ2に備えられた現像装置内の現像剤が空になったり、感光体ドラム等が寿命に達した場合には、プリンタ本体1の上部等に設けられたカバーを開けて、新たなカートリッジ2と交換することが可能となっている。
【0024】
上記プロセスカートリッジ2は、図3及び図4に示すように、像担持体としての感光体ドラム3と、帯電手段としての帯電ローラ4と、現像手段としての現像装置5と、クリーニング装置6とを備えるように構成されている。
【0025】
上記感光体ドラム3としては、例えば、有機光導電体(OPC)からなるものが用いられ、この感光体ドラム3は、図示しない駆動手段により矢印方向に沿って、所定の回転速度で駆動されるようになっている。上記感光体ドラム3の表面は、図4に示すように、帯電ローラ4によって所定の電位に一様に帯電された後、露光手段としてのROS(Raster Output Scanner)7(図3参照)によって画像露光が施され、画像情報に応じた静電潜像が形成される。このROS7は、図3に示すように、画像処理装置8で所定の画像処理が施された画像情報に基づいて半導体レーザーを変調し、当該半導体レーザーから出射されるレーザービームLBを、コリメータレンズ、反射ミラー、ポリゴンミラー、f−θレンズ等からなる結像光学系を介して、感光体ドラム3上に走査露光することにより、当該感光体ドラム3の表面に静電潜像を形成するように構成されている。そして、上記感光体ドラム3上に形成された静電潜像は、一成分現像剤(トナー)を収容した現像装置5によって現像され、トナー像となる。なお、現像装置5としては、二成分現像剤を使用したものであっても勿論よい。
【0026】
上記感光体ドラム3上に形成されたトナー像は、図3に示すように、転写手段としての転写ロール9によって、記録媒体としての記録用紙10上に転写される。この記録用紙10は、フィードロール11によって給紙カセット12から給紙され、分離ロール13とリタードロール14によって1枚ずつ分離された状態でレジストロール15まで搬送され、一旦停止される。そして、上記記録用紙10は、レジストロール15によって、感光体ドラム3上に形成されたトナー像と同期して、感光体ドラム3の表面に搬送され、当該記録用紙10上には、感光体ドラム3からトナー像が転写ロール9によって転写される。
【0027】
このトナー像が転写された記録用紙10は、感光体ドラム3から分離された後、定着装置16へ搬送され、当該定着装置16の加熱ロール17と加圧ロール18によって、熱及び圧力で定着された後、排出ロール19によってプリンタ本体1の上部に設けられた排紙トレイ20上に排出されて、一連の画像形成工程が終了する。
【0028】
なお、トナー像の転写工程が終了した後の感光体ドラム3の表面は、クリーニング装置6によって残留トナーが除去され、次の画像形成工程に備える。
【0029】
図4は上記デジタルプリンタのプロセスカートリッジを示すものである。
【0030】
このプロセスカートリッジ2は、図5及び図6に示すように、上部カートリッジ21と、下部カートリッジ22とから構成されている。これらの上部カートリッジ21と下部カートリッジ22は、その幅方向の両端部にそれぞれ設けられた係合部23、24と係合ピン25とで、当該係合ピン25を中心にして傾動自在に連結されているとともに、図5に示すように、下部カートリッジ22の上面に設けられたスプリング26によって付勢されており、図7及び図8に示すように、感光体ドラム3と現像装置5の現像ローラ27の両端部に設けられるトラッキングロール28とが、所定の圧力(例えば、片側2kg)で圧接するように構成されている。
【0031】
また、上記下部カートリッジ22の上面には、図8に示すように、ROS7から照射されるレーザービームLBを、感光体ドラム3の表面に露光するための照射スペース29が、略扇形状に設けられている。
【0032】
上記上部カートリッジ21の一端部には、図4に示すように、感光体ドラム3が回転可能に取り付けられており、この感光体ドラム3の側方には、帯電ロール4が設けられているとともに、その上部には、クリーニング装置6のクリーニングブレード31が配設されている。また、上記クリーニング装置6は、クリーニングブレード31によって除去された回収トナーを搬送する回収トナー搬送部材32と、当該回収トナー搬送部材21によって搬送される回収トナーを収容する上部カートリッジ21の殆どを占める回収トナー収容室33とを備えている。さらに、上記上部カートリッジ21には、感光体ドラム3の表面を覆うカバー34が開閉自在に設けられている。このカバー34は、通常、図4に示すように、感光体ドラム3の表面を覆い、当該感光体ドラム3が露光して劣化するのを防止しており、プロセスカートリッジ2をプリンタ本体1内の所定位置に装着した状態では、図3に示すように、当該装着動作に伴って自動的に開き、転写ロール9と当接するようになっている。
【0033】
一方、上記下部カートリッジ22は、現像装置5そのものを構成するようになっている。現像装置5のハウジング35の一端部には、現像ローラ27が回転自在に配設されており、当該現像ローラ27の表面には、トナーを摩擦帯電するとともに、トナーの層厚を規制する層厚規制部材36が当接されている。上記現像ローラ27の背面側には、当該現像ローラ27の表面にトナーを供給するトナー供給部材37が、回転可能に設けられている。このトナー供給部材37の背面側には、トナー供給用の開口部38を介して、当該現像装置5の大部分を占めるトナー収容部39が一体的に設けられている。このトナー収容部39の底面40は、断面略円弧状の部分41、42を2つ連ねた形状に形成されており、当該トナー収容部40の内部には、収容されたトナーを攪拌しつつ、奥側の第2のトナー収容部42から現像ローラ27側の第1のトナー収容部41へと順次搬送するトナー攪拌搬送部材43、44が、それぞれ回転可能に配設されている。
【0034】
なお、上記第1のトナー収容部41の底面には、図3に示すように、トナーの有無を検知するトナーセンサ45が設けられている。
【0035】
図1は上記現像装置に用いられる本実施の形態1に係る現像剤担持体としての現像ローラを示す断面図である。
【0036】
この現像剤担持体としての現像ローラ27は、図1に示すように、非磁性SUSやアルミニウム、あるいはアルミニウムの合金等の非磁性の金属材料によって円筒状に形成された現像スリーブ46と、当該現像スリーブ46の内部に固定した状態で配設されるマグネローラ47と、現像スリーブ46をマグネットローラ47の軸部材としてのシャフト48に対して回転自在に取り付けるためのフランジ部材49、50を備えている。上記マグネットローラ47は、金属製シャフト48の外周に、磁性材料51を円柱状に一体的に固着して構成されており、当該磁性材料51には、その周方向に沿って、所定の位置に所定極性の磁極が着磁されている。また、上記金属製シャフト48の一端部には、磁性材料51を所定の角度で取り付けるため、断面略D形状にカットされたDカット部52が設けられている。この金属製シャフト48は、図9に示すように、下部カートリッジ22の一側面53に、Dカット部52を嵌合させて周り止め状態で取り付けられている。
【0037】
上記現像ローラ27としては、例えば、現像剤の搬送量を調整するため、アルミニウム又はその合金等からなる現像スリーブ46の表面に、ブラスト処理を施すことによって粗面化処理したものが用いられる。また、上記現像スリーブ46としては、現像剤の摩擦帯電量を調整したり、現像ゴーストを防止するなどの目的で、表面に被膜を設けたものが用いられる。この現像スリーブ46の表面に設けられる被膜としては、例えば、特開平9−230690号公報に開示されている樹脂被膜や、特開平7−281517号公報に開示されているMo(モリブデン)とOとHとを主な構成成分とする無機系のめっき被膜、あるいは特開平8−202140号公報に開示されているNi(ニッケル)めっき被膜等が挙げられる。
【0038】
図10及び図11は上記現像ローラに用いられるフランジ部材をそれぞれ示す構成図である。
【0039】
これらの現像ローラ用のフランジ部材49、50は、例えば、ステンレスやアルミニウム等の金属によって形成されている。上記現像ローラ用のフランジ部材49、50のうち、装置のOUT(手前)側に配置されるフランジ部材49は、図10に示すように、先細りの円筒形状に形成されている。このフランジ部材49の内側の端部には、現像スリーブ46に嵌合された状態で接着剤により固着される嵌合部54が設けられている。また、上記嵌合部54の外側には、現像スリーブ46の端部を突き当てる突当壁部55が、当該現像スリーブ46の肉厚と同程度か、現像スリーブ46の肉厚よりもやや低くなるように、半径方向外方に向けて環状に突設されている。
【0040】
また、上記フランジ部材49の突当壁部55の外側には、その突出した突出部としての円筒状部分56の外周に、現像スリーブ46と感光体ドラム3との間隙を、所定の値に設定する間隙設定部材としてのトラッキングローラ28を回転自在に支持する支持部57が、所定の外径及び所定の寸法誤差の範囲内となるように形成されている。また、上記フランジ部材49は、軸受部材58によってマグネットローラ47のシャフト48に回転自在に軸支されるものであり、このフランジ部材49は、軸受部材58でのみマグネットローラ47と接触し、他の部分では接触しないように、当該フランジ部材49の軸受部材58以外の内径が設定されている。
【0041】
また、上記フランジ部材49の円筒状部分56の外側には、図10に示すように、現像ローラ27を回転自在に支持するための軸受け部材59(図 参照)を介して、プロセスカートリッジ2に設けられた現像装置5のハウジング35に取り付けるための取付部60が設けられている。
【0042】
さらに、上記フランジ部材49の外側の端部には、図10に示すように、現像スリーブ46を回転駆動するためのギア61を取付ける駆動部62が設けられており、この駆動部62は、ギア61を回転止め状態に取り付けるため、ダブルD形状に形成されている。また、上記フランジ部材49の端部に取付けられたギア61は、図2及び図8に示すように、感光体ドラム3の一端部に設けられた駆動用のギア63と噛み合うように構成されている。
【0043】
一方、上記現像ローラ用のフランジ部材49、50のうち、装置のIN(奥)側に位置するフランジ部材50は、図11に示すように、比較的短い円筒形状に形成されている。このフランジ部材50の一端部には、現像スリーブ46に嵌合された状態で接着剤により固着される嵌合部64が設けられている。また、上記嵌合部64の外側の端部には、現像スリーブ46の端部を突き当てる突当壁部65が、当該現像スリーブ46の肉厚と同程度か、現像スリーブ46の肉厚よりもやや低くなるように、半径方向外方に向けて環状に突設されている。
【0044】
また、上記フランジ部材50の突当壁部65の外側には、その円筒状部分66の外周に、現像スリーブ46と感光体ドラム3との間隙を、所定の値に設定する間隙設定部材としてのトラッキングローラ28を回転自在に支持する支持部67が、所定の外径及び所定の寸法誤差の範囲内となるように形成されている。また、上記フランジ部材50の嵌合部64の内周には、当該フランジ部材50をマグネットローラ47のシャフト48に回転自在に取り付けるための軸受部材68が設けられている。上記フランジ部材50は、軸受部材68によってマグネットローラ47のシャフト48に回転自在に軸支されるものであり、このフランジ部材50は、軸受部材68でのみマグネットローラ47と接触し、他の部分では接触しないように、当該フランジ部材50の軸受部材68以外の内径が設定されている。
【0045】
さらに、上記フランジ部材50は、図2に示すように、支持部67に回転自在に支持されたトラッキングローラ28が、感光体ドラム3の表面に当接するようになっている。さらに、上記フランジ部材50を回転自在に軸支したマグネットローラ47のシャフト48は、プロセスカートリッジ2に設けられた現像装置5のハウジング35に取り付けられている。
【0046】
上記の如く構成される現像ローラ27は、図12に示すように、そのOUT側の端部に、ロールシール71を被着した状態で、トラッキングロール72が装着されるとともに、そのIN側の端部には、ロールシール71を被着した状態で、トラッキングロール73とスペーサーロール74が装着される。上記ロールシール71は、図13に示すように、POM等の合成樹脂によって、現像ローラ27の外周に被着される外周部75と、当該外周部75の外側に連設され、フンラジ部材49、50の外周面に被着される円形状に開口した環状部76とから形成されている。また、上記トラッキングロール72、73のうち、OUT側のトラッキングロール72は、図14に示すように、やはりPOM等の合成樹脂によって環状に形成されているとともに、IN側のトラッキングロール73も、図15に示すように、やはりPOM等の合成樹脂によって環状に形成されている。さらに、上記スペーサーロール74は、図16に示すように、中心部に3本の爪77が半径方向内側に向けて突設されており、当該3本の爪77は、マグネットローラ47のシャフト48の端部近傍に設けられた凹溝78に嵌合されるようになっている。
【0047】
この実施の形態に係る現像剤担持体としての現像ローラ27は、上記の如く構成されており、図4に示すように、現像装置5に組み込まれた後、プロセスカートリッジ2として、図2に示すように、プリンタ本体1に装着されて使用される。上記現像装置5では、図4に示すように、現像ローラ27と層厚規制部材36との間に、紙粉や凝集した粗大現像剤等の異物が挟まると、当該異物が挟まった部分では、現像ローラ27の現像スリーブ46の表面が次第に磨耗されて、表面粗さが周方向に沿って平滑化されることにより、周方向に沿った傷などが発生する場合がある。このように、現像ローラ27の表面に傷が発生する現象は、経時的に、現像装置5の使用に伴って増加し、傷の発生によって画質劣化の原因となる可能性がある。そのため、現像装置5では、当該現像装置5の内部に予め収容された現像剤が消費されてなくなった時点で、寿命と判断されて、プロセスカートリッジ2毎新たなものと交換され、使用済のプロセスカートリッジ2、あるいは使用済のプリンタは、リサイクル工程によって回収される。
【0048】
回収された使用済のプロセスカートリッジ2やプリンタは、再生工場に集められ、所定のリサイクル工程を経て、現像剤担持体としての現像ローラ27が再使用される。
【0049】
ところで、この実施の形態では、上記現像剤担持体は、前記回収された使用済の現像剤担持体からプラスチック部品を取り外すプラスチック部品外し工程と、前記プラスチック部品が取り外された使用済の現像剤担持体を洗浄する洗浄工程と、前記洗浄工程によって洗浄された現像剤担持体の表面に光を照射して、当該現像剤担持体からの反射光の強度を受光手段によって検出し、前記受光素子からの出力信号に基づいて、前記現像剤担持体の表面における傷等の欠陥の発生状態を自動的に識別する識別工程と、前記識別工程によって識別された現像剤担持体の軸方向の端部近傍に固着したトナーを除去する固着トナー除去工程と、前記固着トナー除去工程によってトナーが除去された現像剤担持体に、新品のプラスチック部品を取り付けるプラスチック部品取り付け工程と、前記プラスチック部品が取り付られた現像剤担持体に、再使用品であることを識別するマークを付けるマーキング工程とを有するリサイクル工程によって再使用されるように構成されている。
【0050】
図17は上記現像剤担持体のリサイクル工程を示すものである。
【0051】
まず、上記の如く構成される現像剤担持体としての現像ローラ27が、図4に示すように、現像装置5の内部に装着されているデジタルプリンタは、使用済のものが資源環境型生産システムにおいて回収される回収工程が実施された後、回収されたデジタルプリンタは再生工場に送られる。そして、このデジタルプリンタは、分解されて感光体ドラム3や現像装置5等の個々の部品が取り出され、更に現像装置5から現像剤担持体としての現像ローラ27が取り出される。なお、上記デジタルプリンタでは、現像装置5を含むプロセスカートリッジ2が、プリンタ本体1とは別個に交換可能となっているため、回収されたプロセスカートリッジ2も画像形成装置用部品として回収された後、分解されて現像装置5から現像剤担持体としての現像ローラ27等の個々の部品が取り出されるようになっている。
【0052】
分解された現像装置5等の画像形成装置用部品は、再生工場の分解工程において、次のようにして、現像剤担持体としての現像ローラ27が取り出され、この現像ローラ27は、画像形成装置用の再生部品として再生された後、再度、新しい現像装置5に装着されて、画像形成装置用の再生部品を含む新製品としてのプロセスカートリッジ2の組み立てに使用される。
【0053】
次に、上記画像形成装置用部品としての現像ローラ27の再生方法について、図17等を参照して、各工程に応じて説明する。なお、図17は画像形成装置用部品としての現像ローラ27の再生方法を便宜上説明するものであって、この図17に示された工程が必ずしもすべて実施される訳ではない。
【0054】
▲1▼取り出し工程
上記の如く回収されたプロセスカートリッジ2が現像装置5等の構成部品に分解され、図17に示すように、当該現像装置5から現像ローラ27を取り出す取り出し工程が行われる(ステップ101)。この現像ローラ27の取り出し工程では、現像ローラ27の現像スリーブ46の表面に傷をつけないように丁寧に取り出し作業が行われる。
【0055】
▲2▼粗洗浄工程
この粗洗浄工程(ステップ102)では、上記の如く現像装置5から取り出された現像ローラ27を、図18に示すように、当該現像ローラ27のシャフト48の両端部を両手で持って、粗洗浄用治具80にセットし、図19に示すように、図示しないスライド機構によって上方にスライドさせ、洗浄用ノズル81に挿入する。そして、上記洗浄用ノズル81によって現像ローラ27の表面に付着した現像剤を吸引除去する。その際、現像ローラ27をぶつけたり、落下させた場合は、即NGとし、NG品の回収箱に入れる。
【0056】
▲3▼次に、粗洗浄後の現像ローラ27を下方にスライドさせ、洗浄用ノズル81から取り出し、現像ローラ27のシャフト48部分を両手で持ち、図示しない収容トレイに収容する。ここで、同時に現像ローラ27の表面を目視によって検査し、図20に示すような明らかな傷や異常品は、NG品として除く。この工程では、現像ローラ27の現像スリーブ46の部分には、手を触れないように気を付ける。なお、現像剤担持体の種類によっては、トナーが付着したままの状態で保管し、次の工程でトナー清掃するようにしても良い。
【0057】
▲4▼一次選別工程及びプラスチック部品の取り外し工程
次に、現像ローラ27の表面に発生している円周傷等のレベルを目視で観察し、限度見本と比較して通常の再使用工程に回すか、NG品へ回すか検査する(ステップ103)。その後、図21に示すように、現像ローラ27のIN側に取り付けられているスペーサーロール74とトラッキングロール73の間に、スペーサーロール取外し用の治具82を差し込み、スペーサーロール74をテコの原理で取り外す。次に、現像ローラ27のIN側に装着されているトラッキングロール73とシールロール71を取り外す。同様に、現像ローラ27のOUT側に取り付けられているトラッキングロール72とスペーサーロール71を取り外す。なお、現像ローラ27の画質領域内にトナーが固着しているものは、ブラスト再生工程へ回される。
【0058】
▲5▼予備検査
次に、現像ローラ27を両手で持ち、回転シャフト48が正常に回転するか否かを確認する。また、現像ローラ27のフランジ部に後述するように付されたマーキングの種類を確認する。マーキングがない現像ローラ27は、新品のものが使用済として回収されたものであるので、1回再生またはブラスト処理へ回され、青色のマーキングが施された現像ローラ27は、2回再生へ、緑色または赤色の現像ローラは、NG品としてNG品のトレイへ収容される。なお、他の機種の現像ローラ27が混ざっていることがあるので、見落とさないようにする。見分け方は、現像スリーブの色や、トラッキングロールの形状等で確認するが、判断に迷うものは、NG品とする。
【0059】
▲6▼エアーブロー洗浄工程
このエアーブロー洗浄工程(ステップ105)では、図22に示すように、現像ローラ27のIN側を現像ローラ起立用治具83に差し込んで起立させた状態で、現像ローラ27の全体をエアーガン84によってエアーブロー洗浄する。特に、現像ローラ27の両端部は、トナーの固着が激しいので入念に行うのが望ましい。エアーブロー洗浄で落ちないトナー固着部分は、図23に示すように、クリーンチーフ等によって乾吹きを行い、その後もう一度エアーブロー洗浄を行う。
【0060】
▲7▼同時に、現像ローラ27の表面を一次目視検査し、落ちきらない汚れやしみが明らかなNG品は除くようになっている。また、この時点で、図24に示すように、現像ローラ27が1次再生用のものか2回再生用のものか、ブラスト再生工程へ回すものかを確認する。そして、1回再生品と2回再生品と、ブラスト再生品とで工程内の運搬用トレイを分け、別管理とする。なお、現像ローラ27の画質領域内にトナーが固着しているものは、ブラスト再生工程へ回される。
【0061】
▲8▼表面検査工程
次に、現像ローラの表面に傷等の欠陥が発生しているか、あるいは当該現像ローラの表面に発生している傷等の欠陥の大きさ等を、図26に示すように、表面検査装置88によって検査する(ステップ107)。上記表面検査装置88は、1日の稼動前に、所定の手順に従いマスターサンプルによって閾値の調節を行い、調整した内容などを記録する。また、1日の稼動前以外にも、表面検査装置88のトラブル解除後や、電源OFF後は、必ずマスターサンプルで調節し直す。
【0062】
▲9▼以下に、表面検査装置における測定手順を説明する。
現像ローラをIN側を左にして表面検査装置88にセットし、セットボタンを押す。現像ローラ27が表面検査装置88の中に入ったら、次の現像ローラ27をセットし、セットボタンを押す。現像ローラ27は、NG品であるかOK品であるかが判定されて、それぞれの取り出し口に出てくる。OK品の現像ローラ27は、通常の再生品用トレイに入れられ、NG品は、ブラスト再生工程に回すため、ブラスト処理工程行き用トレイに入れられる。その後、上記の作業が繰り返される。
【0063】
(10)なお、上記表面検査装置88では、作業中断時や終了時に、ULボタンを押し、検査装置内の現像ローラが取り出される。また、現像ローラ27の表面検査装置88へのセットは、確実に行う必要がある。さらに、表面検査装置88に作業者が指等を挟まれないように注意する。
【0064】
(11)外径、振れ測定工程
次に、再使用される現像ローラ27の外径や外径の変動である振れ等を測定し、所定の範囲内に入っているか否かが判別される(ステップ106)。この外径、振れ測定工程は、図25に示すように、レーザー光線を用いたレーザー測定器86によって行われる。このレーザー測定器86では、一日の稼動前に、マスターサンプルを測定し、測定値の数値のずれが所定の範囲内(±5μm基準)に入っているか否かが確認され、所定の範囲内に入るようにキャリブレションが行われる。また、レーザー測定器86は、4〜5時間稼動する毎に、現像ローラ27が接触するロール部の清掃や、レーザー部のエアーブロー洗浄を実施するようになっている。
【0065】
(12)この外径、振れ測定工程では、図25に示すように、レーザー測定器86に現像ローラ27を載せた状態で、起動ボタンを押すと測定がはじまり、制御ボックスにNO、GO判定が表示される。OK品である現像ローラ27は、OK品用トレイに入れられる。また、NG品である現像ローラ27は、NG品用のトレイに入れられる。
【0066】
(13)その後、上記の外径、振れ測定工程が繰り返される。レーザー測定器86への現像ローラ27のセットは、確実に行う必要がある。また、レーザー測定器86に作業者が指などを挟まれないように注意する。
【0067】
(14)端部固着除去工程
その後、アウト側を左手にして現像ローラ27のシャフト48部分を両手で持ち、収容トレイから取り出す。そして、現像ローラのアウト側のシャフト48を、図27に示すように、回転機89のチャック部分90に差しこみ、時計周りに締める。次に、回転機89の起動スイッチを押し、イン側をチャックさせた状態で現像ローラ27を回転させる。そして、綿棒91にエタノール等の溶剤を湿らせ、トナーの固着部分に当てつけて、トナー汚れを除去する。なお、エタノールが現像ローラ27の表面に広がった場合は、クリンチーフ等で拭き取るが、なるべく現像スリーブ27の画像領域内にエタノールが入らないように、外側へ外側へと綿棒をスライドさせる。その後、固着トナーが除去された現像ローラを回転機から取り出し、トレイに入れる。
【0068】
(15)部品組み付け
次に、現像ローラ27のシャフト48部分を左右の手で持ち、再生のマーキング有無とシャフト48が正常に回転するか否かを確認する。その後、現像ローラ27の全体をエアーブローし、付着した埃等を除去する。さらに、上記現像ローラ27の表面を目視によって観察し、外観キズ、汚れ、油脂、しみ等を限度見本を元に検査する(ステップ109)。
【0069】
(16)そして、目視検査の結果、合格したOK品の現像ローラ27には、図 に示すように、IN側にロールシール71、トラッキングロール73、スペーサーロール74の順に差し込み、図示しない取付け用の治具に押し付け音がするまで押し込んで取り付けられる(ステップ110)。なお、NG品である現像ローラ27は、NG品の回収箱へ入れる。その際、トラッキングロール73とスペーサーロール74の向きには気をつける。また、現像ローラ27のアウト側には、ロールシール71とトラッキングロール72が取り付けられる。さらに、プラスチック部品に打痕傷などが付いてしまった場合は、画像に悪影響が現れるので、必ず新たなものと交換する。また、現像ローラ27を構成するプラスチック部品は、その構成が他の機種と異なるため、間違えないように注意する。
【0070】
(17)マーキング工程
部品の組み付け工程が終了した再使用される現像ローラ27は、10本溜まったところで、プラスチック部品の欠品や、種類の錯誤、嵌め込み不良などが目視によって確認される。また、運搬用の箱や収容トレイは、使用前に入念にエアーブローによって清掃する。その後、1回再生の現像ローラ27の場合は、図29に示すように、青色マジックで、2回再生の場合は、赤色マジックで、青色と重ならない場所に、再生の印をフランジ部材の部分にマーキングする。そして、必ず10本の現像ローラ27が収容トレイに溜まった時点で、図30に示すように、エアーブローして収容トレイを運搬用の箱92に入れて蓋をする。
【0071】
(18)梱包
次に、運搬用の箱92の1箱に4つの収容トレイ(40本の現像ローラ)が溜まったら、蓋をしめて、現品票を運搬用の箱92に貼りつける。この運搬用の箱92は、積む込み向きを揃えた状態で、パレットに積み込まれる。パレットには、基本的に6箱の運搬用箱が4段積載されるとともに、端数の運搬用箱が積み込まれる。なお、出荷時には、最上段の運搬用箱にラップが巻かれる。
【0072】
上記の如く、現像剤担持体としての現像ローラ27は、再生工場におけるリサクル工程を経て再使用されるが、上述した▲7▼表面検査工程において、現像ローラ27の表面に、傷等の欠陥が発生しているか否かが検査される。
【0073】
そこで、本発明者らは、現像ローラの表面に傷等の欠陥が発生した場合であっても、当該傷等の欠陥がどの程度であれば、現像ローラを再使用した場合であっても、画質上に影響がないかを鋭意研究した。
【0074】
その結果、本発明者らは、使用済の現像剤担持体を回収し、所定の検査を経て再使用される再使用現像剤担持体において、前記現像剤担持体は、その使用によって現像剤担持面に傷等の欠陥が発生している場合であっても、当該現像剤担持面の表面粗さRaが、傷等の欠陥の部分を含めてすべて0.8μm以上であるように構成すれば良いことを見出した。
【0075】
また、この実施の形態では、前記現像剤担持体の現像剤担持面の表面粗さRaは、新品の状態で0.9〜2.3μmの範囲に設定されている。
【0076】
さらに、この実施の形態では、使用済の現像剤担持体を回収し、所定の検査を経て再使用される再使用現像剤担持体において、前記現像剤担持体は、その使用によって現像剤担持面に傷等の欠陥が発生している場合であっても、当該傷等の欠陥の表面粗さRaが0.8μm以上であって、かつ傷等の欠陥の軸方向の幅が0.3mm以下であるように構成されている。
【0077】
また更に、この実施の形態では、使用済の現像剤担持体を回収し、所定の検査を経て再使用される再使用現像剤担持体において、前記現像剤担持体は、その使用によって現像剤担持面に傷等の欠陥が複数発生している場合であっても、当該各傷等の欠陥の表面粗さRaが0.8μm以上であって、かつ隣合う傷等の欠陥の軸方向の中心間距離が5mm以上であるように構成されている。
【0078】
実験例1
すなわち、本発明者らは、図3及び図4に示すように構成されたデジタルプリンタを用いて、A4サイズの記録用紙に、1日当たり3回に分けて、ハーフトーンの画像を4000枚プリントする工程を繰り返し、0〜36000枚と、36000枚〜72000枚に分けて、合計72000枚の記録用紙に画像を形成し、現像ローラ27の表面に発生した傷の幅及び傷の表面粗さRaと、画質筋の発生グレードを調べる実験を行った。
【0079】
なお、上記現像ローラ27の表面に発生した傷の表面粗さRaは、(株)東京精密 SURCOM 1400D−3DFを用いて測定し、現像ローラ27の表面に発生した傷の幅は、(株) キーエンス ビデオマイクロスコープ VH−6300を用いて測定した。また、上記画質筋の発生グレードは、黒紙/ハーフトーンにおける白抜け度合いを限度見本サンプルと見比べてグレード0〜5で、被検者による官能試験によって評価した。
【0080】
図31は現像ローラ27の表面に発生した傷部の表面粗さRaと、画質筋の発生グレードの実験結果を示すものである。
【0081】
図31から明らかなように、現像ローラ27の表面に傷が発生している場合であっても、安全域を考慮して、傷部の表面粗さRaが0.90μm以上であれば、画質筋の発生グレードが0.00であり、現像ローラ27を再使用しても画質劣化が発生しないことがわかる。
【0082】
また、図32は現像ローラ27の表面に発生した傷の幅と、画質筋の発生グレードの実験結果を示すものである。
【0083】
この図32から明らかなように、現像ローラ27の表面に傷が発生している場合であっても、安全域を考慮して、傷の幅が0.23μm以下であれば、画質筋の発生グレードが0.00であり、現像ローラ27を再使用しても画質劣化が発生しないことがわかる。
【0084】
さらに、現像ローラ27表面の傷の幅と傷部の表面粗さとの関係を示したものが図33である。この図33から明らかなように、現像ローラ27表面の傷の幅と傷部の表面粗さとの間には、概略、負の相関関係があることがわかる。
【0085】
又、図34は現像ローラ27の表面に発生した傷の幅及び傷の表面粗さRaと、画質上のディフェクトとの関係を同時に示したものである。
【0086】
この図34からも、現像ローラ27の表面に傷が発生している場合であっても、安全域を考慮して、傷部の表面粗さRaが0.90μm以上であり、傷の幅が0.23μm以下であれば、画質上のディフェクトが問題ないことがわかる。
【0087】
実験例2
次に、本発明者らは、現像ローラ27の表面に複数本の傷が存在する場合、これら複数本の傷が、どの程度の距離を隔てて存在すれば、画質上問題がないかを確認する実験を行なった。
【0088】
ここで、上述した画質筋の発生グレードで問題のある大きな円周傷が、狭い間隔で隣り合う場合には、1つの傷として幅の広い大きな画質上の白筋となることが確認されている。
【0089】
本発明者らの実験の結果、幅0.22mm、表面粗さ1.31μmの第1の円周傷と、幅0.32mm、表面粗さ0.65μmの第2の円周傷とが、2mmの距離を隔てて存在する場合であっても、画質上問題ないことがわかった。
【0090】
上記幅0.32mm、表面粗さ0.65μmの第2の円周傷は、上述した画質筋の発生グレードで問題のないとした範囲を若干越えているが、この程度の傷と画質筋の発生グレードで問題のない第1の傷とが、2mmの距離を隔てて隣接しても、画質上問題が生じていない。
【0091】
このデータより上述した画質筋の発生グレードで問題のない傷が複数ある場合であっても、これら画質筋の発生グレードで問題のない範囲の傷が、安全域を考慮して、軸方向に沿って左右2.5mmの範囲内に存在しなければ、画質筋の発生グレード上問題がないことがわかった。
【0092】
実験例3
更に、本発明者らは、1回使用済の現像ローラ27を回収したときに、当該現像ローラ27の表面に傷が存在する場合、この1回使用済の現像ローラ27を、さらにプロセスカートリッジ2の通常ライフの2倍に相当する72000枚の記録用紙に画像をプリントした場合、現像ローラ27の表面に発生した傷の幅や表面粗さがどのように変化するかを確認する実験を行った。
【0093】
図35及び図36は上記実験の結果を示すものである。
【0094】
これらの図35及び図36から明らかなように、1回使用済の現像ローラ27の表面に傷が存在する場合、この現像ローラ27を再使用しても、傷の幅や表面粗さは、傷の表面粗さが若干変化しているものの、傷の幅はまったく変化していないことがわかる。
【0095】
したがって、1回使用済の現像ローラ27の表面に傷が存在する場合であっても、当該傷が所定の幅や表面粗さの範囲内であれば、現像ローラ27を再使用しても、画質上何ら問題のないことがわかる。
【0096】
図37及び図38は、新品の現像ローラ27と市場回収品の現像ローラ27の傷以外の部分の表面粗さが、どのように変化するかを確認した実験の結果を示すものである。
【0097】
これらの図37及び図38から明らかなように、市場回収品の現像ローラ27の表面粗さは、新品の現像ローラ27に比べて、そのばらつきが広がっているものの、すべてスペックの範囲内に収まっており、上述したように、傷の部分が所定の幅や表面粗さの範囲内であれば、現像ローラ27を再使用しても、画質上何ら問題のないことがわかる。
【0098】
実験例4
次に、本発明者らは、72000枚プリントした現像ローラ27の外径及び外径の振れ(変動)がどの程度あるかを確認する実験を行なった。なお、上記現像ローラ27の外径及び外径の振れは、レーザー測定器( 株)ミツトヨ Laser Scan Micrometer LSM−3000を用いて測定した。
【0099】
図39は、上記実験の結果を示すものである。
【0100】
この図39から明らかなように、72000枚プリント後の現像ローラ27であっても、その外径及び外径の振れ(変動)がすべてスペックの範囲内に収まっていることがわかる。
【0101】
そこで、この実施の形態に係る表面検査装置200では、図30や図32に示すコンパレーター224、226のREF値を適宜設定したり、図31に示す走査エリア中の閾値を適宜設定することにより、現像ローラ27の表面粗さRaが、傷等の欠陥の部分を含めてすべて0.8μm以上であるか否か、又は、当該傷等の欠陥の表面粗さRaが0.8μm以上であっても、その欠陥の軸方向の幅が0.3mm以下であるか否か、更には、当該欠陥の表面粗さRaが0.8μm未満であって、かつ隣合う傷等の欠陥の軸方向の中心間距離が5mm以上であるか否かを識別するように構成されている。ここで、現像ローラ27の表面粗さRaが、傷等の欠陥の部分を含めてすべて0.8μm以上であるか否か、又は、当該傷等の欠陥の表面粗さRaが0.8μm以上であっても、その欠陥の軸方向の幅が0.3mm以下であるか否かは、粗さ0.9μm、幅0.23μmの円周方向傷のマスターサンプルを作製し、毎回検査機立ち上げ時に校正し、閾値(コンパレータレベル)を数値(電圧)をツマミで調整することによって決めている。ただし、上記現像ローラ27の表面粗さRaが、傷等の欠陥の部分を含めてすべて0.8μm以上であるか否かは、市場回収品の傷等欠陥以外の通常部に関しては、粗さ0.8μm未満になることはない。また、上記欠陥の表面粗さRaが0.8μm未満であって、かつ隣合う傷等の欠陥の軸方向の中心間距離が5mm以上であるか否かは、検査機では判別できないため、検査機でOKであってもレベルの隣り合う傷に関しては、最終目視検査でメジャーをあてて隣り合う傷の判別を行っている。
【0102】
以上の通り、使用済の現像ローラ27を再使用する場合であっても、当該使用済の現像ローラ27の表面に発生した傷の幅及び表面粗さが、所定の範囲内であれば画質上問題なく、少なくともプロセスカートリッジ2のライフの2倍に相当する72000枚のプリントに使用することができることがわかる。
【0103】
しかし、上述した現像ローラ27のリサイクル工程における表面検査工程で、使用済の現像ローラ27の表面に発生した傷の幅及び表面粗さが、所定の範囲内であるか否かを、人間が目視によって検査することは非常に困難である。
【0104】
そのため、使用済の現像ローラ27の表面に発生した傷の幅及び表面粗さが、所定の範囲内であれば、使用済の現像ローラ27を再使用可能であることがわかっていても、直ちに、再生工場におけるリサイクル工程で、現像ローラ27の表面に発生した傷の幅及び表面粗さが、所定の範囲内であるか否かを検査することはできない。
【0105】
そこで、本発明者らは、使用済の現像ローラ27の表面に発生した傷の幅及び表面粗さが、所定の範囲内であるか否かを自動的に検査可能な表面検査装置について種々検討した。
【0106】
その結果、次のように構成された表面検査装置を採用するに至った。
【0107】
すなわち、上記再使用現像剤担持体の検査装置の基本原理は、図40に示すように、LED等の光照射手段(光源)100から現像ロール27の現像スリーブ48表面に光を照射するとともに、当該現像スリーブ48表面からの反射光をフォトセンサー等の受光手段101によって受光し、現像スリーブ48の表面に傷や汚れ等の欠陥102があるか否かによって、当該現像スリーブ48表面からの反射光の強度が変化することを利用し、現像ロール27の表面における傷等の欠陥の発生状態を識別するように構成したものである。
【0108】
上記現像ロール27の現像スリーブ48表面に発生する傷や汚れ等の欠陥102としては、例えば、図41に示すように、周方向に連続した傷や、部分的に小さい傷やトナー付着等の汚れ、あるいは軸方向に伸びた傷や、大きな部分的な傷やトナー付着等の汚れなどが挙げられる。これらの傷や汚れ等の欠陥102のうち、トナー付着等の汚れは、上述したリサイクル固定における洗浄工程等によって除去可能であるか、洗浄工程等によって除去できなければ、ブラスト処理工程に回される。また、周方向に連続した傷や、部分的に小さい傷、あるいは軸方向に伸びた傷などは、表面検査工程において、検査して識別することができ、大きな部分的な傷であれば、目視によって識別することができる。
【0109】
その際、上記現像ロール27が現像スリーブ48の表面に光沢を有するものである場合には、当該現像スリーブ48の表面に傷等の欠陥があると、欠陥の部分は、光を吸収したり散乱するため、図40(b)に示すように、反射光の強度が傷のない表面に比べて低くなる。そのため、上記受光手段101からの出力信号をある一定の閾値で判別することによって、現像スリーブ48の表面に傷や汚れ等の欠陥があるか否か、あるいは所定の状態以上の傷や汚れ等の欠陥があるか否かを識別することができる。
【0110】
これを前提として、上記再使用現像剤担持体の検査装置は、図42に示すように、現像スリーブ48が円筒形状であるため、この現像スリーブ48を回転させつつ当該現像スリーブ48表面からの反射光強度をラインカメラ104で測定するように構成すれば、現像スリーブ48の表面全体における欠陥を検出することが可能となる。
【0111】
この場合、現像スリーブ48の長さに対してラインカメラ104のセンサーが短く、ラインカメラ104は縮小光学系を構成することになるため、現像スリーブ48の中央部であるB点と、両端部であるA点及びC点とで、現像スリーブ表面からの反射光の強度が異なる。その結果、上記ラインカメラ104の出力信号は、図42に示すように、現像スリーブ48の中央部B点は光路長が短く、しかも反射角が小さいために、反射光強度が高いのに対して、両端部であるA点及びC点は光路長が長く、しかも反射角が大きいために、反射光強度が低くなり、中央部B点と両端部のA点及びC点とでは、反射光強度の差が大きく、図42に示すように、ラインカメラ104の出力値LV1とLV2の差で決まるダイナミックレンジが低くなる。これは、ラインカメラ104の出力値に基づいて、現像スリーブ48の表面に発生した傷や汚れ等の欠陥を検出する上で、検出が困難な方向に作用する。なお、この点は、上記ラインカメラ104からの出力値に対して、シェーデイング補正処理を施すことによって、ダイナミックレンジを高くすることが可能となる。
【0112】
そのため、上記再使用現像剤担持体の検査装置105としては、図43に示すように、現像スリーブ48表面からの反射光を検出するために、密着型のラインセンサー106(Contact Image Sensor)を用いるのが望ましい。この検査装置105は、現像スリーブ48の軸方向に沿って、しかも当該現像スリーブ48の表面に近接させて、密着型のラインセンサー106を平行に配置することにより、現像スリーブ48の軸方向に沿った表面からの反射光を、非常に短い光路で外乱光の影響を受けることなく受光することができ、ラインセンサー106のダイナミックレンジを広く使用することができる。上記密着型のラインセンサー106は、現像スリーブ48の表面に沿って直線状に配列された光照射手段としてのLEDアレー107から光を照射し、現像スリーブ48表面からの反射光をロッドアレーレンズ108を介して、フォトトランジスタやフォトダイオード、あるいはCCD等の受光素子を直線状に配列したイメージセンサー109(受光手段)に導くように構成されている。上記イメージセンサー109からの出力信号は、内蔵されたシフトレジスターによって順次転送され、図43(b)に示すように、イメージセンサー109の長手方向に沿って、時系列的に順次出力されるシリアルなビデオ信号として得られる。
【0113】
上記イメージセンサー109としては、例えば、600BPI〜1200BPI程度の分解能を有するものが用いられ、当該イメージセンサー109は、図 に示すように、現像スリーブ48の表面に例えば、幅200μmの筋状の傷が存在する場合、その分解能が40μm程度になるように設定される。また、上記イメージセンサー109は、現像スリーブ48の表面に傷がある場合、傷からの出力レベルが飽和したレベル信号から1.2V程度低くなるように設定されて使用される。
【0114】
ところで、上記現像ロール27が現像スリーブ48の表面に光沢を有するものである場合には、当該現像スリーブ48の表面に光を照射すると、現像スリーブ48表面の光反射率が高く、しかも、現像スリーブ48の表面にトナーの輸送性を高めるため、微細な凹凸が設けられている場合には、傷や汚れ等の欠陥の近傍で光が散乱される。このように、上記現像スリーブ48の表面で傷や汚れ等の欠陥によって光が散乱されると、図45に示すように、当該散乱光がラインセンサー106に入射されるため、見掛け上、ラインセンサー106の検出レベルが高くなるため、傷等の欠陥が検出し難くなる。
【0115】
これに対しては、図46に示すように、ラインセンサー106と現像スリーブ48との間に、偏光フィルター110を配置して、傷や汚れ等の欠陥の近傍で散乱される散乱光がラインセンサー106に入射するのを防止することによって、ラインセンサー106の検出レベルが高くなるのをある程度抑制することができる。
【0116】
さらに、上記現像スリーブの表面の反射率が高いと、当該現像スリーブ表面の色や汚れ(くすみ)等によって、反射光の強度が大きく変化してしまい、傷や汚れ等の欠陥の識別を困難にするという事情がある。
【0117】
このように、上記現像スリーブ48の表面が光沢を有することにより、現像スリーブ表面の色や汚れ(くすみ)等によって、反射光の強度が大きく変化してしまうことがある。これに対しては、図47に示すように、現像スリーブ48の表面に別の光源111によって光を照射し、当該現像スリーブ48表面からの反射光を検出手段としての受光センサー112によって検出して、当該受光センサー112の出力を差動増幅器113で所定値REFと比較し、受光センサー112の出力が所定値REFと等しくなるように、差動増幅器113からの出力でラインセンサー106のLEDアレー107の光量を制御することによって、ラインセンサー106の出力を略一定にすることができる。その結果、現像スリーブ48表面の色や汚れ(くすみ)等によらずに、ラインセンサー106のダイナミックレンジを、現像スリーブ48表面の傷等の欠陥の検出に有効に使用することができる。
【0118】
この場合、正常な現像スリーブ48のラインセンサー出力を一定にするために、図48に示すように、LEDアレー107の照射光強度を通常よりも少し高めに設定することで、ラインセンサー109の出力を飽和させて使用することが有効である。これにより、現像スリーブ48の表面からの反射光は、当該現像スリーブ表面の僅かな変化によっては殆ど変化しないが、現像スリーブの表面に傷等が発生していて、反射光が大きく変化した場合には、それに伴って、ラインセンサーの出力もある程度以上大きく変化するため、傷等の検出をより確実に行うことが可能となる。そのため、コンパレーターのダイナミックレンジを広くすることができる。これはラインセンサー出力にリミッタをかけることによっても同様の効果が得られる。
【0119】
次に、上記再使用現像剤担持体の検査装置の具体的は構成について説明する。
【0120】
この再使用現像剤担持体の検査装置200は、図49に示すように、大きな略直方体状に形成された装置筐体201を備えており、当該装置筐体201上部の前面中央には、作業用のステージ202が設けられている。この作業用ステージ202は、図50に示すように、略階段状に形成されており、上段から順に、サンプルとしての現像ロール27を投入するサンプル投入部203と、検査の結果、現像ロールの表面に所定以上の傷等の欠陥がなかった場合に、OK(合格)品が排出されるOK品排出部204と、検査の結果、現像ロールの表面に所定以上の傷等の欠陥があった場合に、NG(非合格)品が排出されるNG品排出部205とを有している。
【0121】
上記サンプル投入部203には、図50に示すように、現像ロール27の両端部を保持するプリセット台206が、水平方向及び上下方向に移動可能に配設されており、当該プリセット台206は、図示しない移動手段によって装置筐体201の内部に水平方向に移動した後、現像ロール27のみが検査部207へと上方へ移動するように構成されている。上記サンプル投入部203には、複数のプリセット台206が順次移動可能となっており、1つのプリセット台206が現像ロール27を検査部へ移動させた状態では、次のプリセット台206がサンプル投入部203に移動し、次の現像ロール27をプリセット台206上にセット可能となっており、作業性を向上させることが可能となっている。
【0122】
上記現像ロール27は、検査部207に移動すると、図51に示すように、右側のチャック208をプッシャー209によって移動させ、当該現像ロール27の両端部には、左右のチャック208、210が装着される。そして、左側のチャック210をパルスモータ211及び駆動プーリ212・駆動ベルト213を介して回転駆動することにより、現像ローラ27を回転させ、当該現像ローラ27の全周を検査部207によって検査することが可能となっている。上記パルスモータ211は、パルスジェネレータ214によって駆動され、当該パルスジェネレータ214は、ビデオ回路215に接続されているとともに、CPU217からの指令によりパルスモータコントローラ216によって制御されるように構成されている。
【0123】
上記検査部207において、表面の傷等が検査された現像ロール27は、図50に示すように、下方へ移動して、待機しているプリセット台206にセットされて、検査結果に応じて、検査された現像ロール27がOK品である場合には、図示しない移動手段によって、OK品排出部204へと搬送され、当該OK品排出部204から排出される。また、検査された現像ロールがNG品である場合には、図示しない移動手段によって、NG品排出部205へと搬送され、当該NG品排出部205から排出される。
【0124】
また、上記再使用現像剤担持体の検査装置200では、図49に示すように、検査結果に応じて、OK品であることを示すOKランプや、NG品であることを示すNGランプ等が点灯するように構成しても良い。なお、図49中、218、219はスタートスイッチ及び排出スイッチをそれぞれ示すものである。
【0125】
さらに、上記再使用現像剤担持体の検査装置200では、検査部207において、現像ロール27の表面状態を検査すると、ラインセンサー106からの出力信号が判定部へ送られ、当該判定部220において、検査された現像ロールがOK品であるかNG品であるかが自動的に識別される。
【0126】
上記判定部220は、図52に示すように、ラインセンサー105に接続されたビデオ回路215と、当該ビデオ回路215から出力されるビデオ信号を記憶するメモリー221を備え、検査された現像ロール27がOK品であるかNG品であるかの識別を行うCPU217と、パルスモータコントローラー216と、操作パネル222と接続されたI/Oインターフェイス223とを備えるように構成されている。この判定部220は、例えば、所定の検査プログラムが記憶されたパーソナルコンピュータによって構成される。
【0127】
上記の如く構成された再使用現像剤担持体の検査装置200では、図49及び図50に示すように、サンプル投入部203に位置するプリセット台206に、サンプルとしての現像ロール27をセットした状態で、スタートボタンを押すと、当該プリセット台206にセットされた現像ローラ27は、検査部207へ移動し、当該検査部207において表面に傷等の欠陥があるか否かが検査される。その際、1つの現像ローラ27を検査中に、次の現像ローラ27をサンプル投入部203に位置する他のプリセット台206にセットすることが可能となっている。
【0128】
そして、上記検査装置200では、排出スイッチを押すことによって、検査が終了した現像ローラ27が、判定結果に応じて、OK品排出部204又はNG品排出部205から排出されるとともに、大型のGO又はNG表示灯が点灯して判定結果が表示される。この表示は、次の現像ロールの検査が終了したときに消灯し、当該現像ローラ27の排出に合わせて点灯する。
【0129】
上記現像ローラ27の検査は、図51に示すように、現像ローラ27を回転させ、当該現像ローラ27表面からの反射光をラインセンサー106で検出し、ラインセンサー106からのビデオ信号をメモリー上にマップに展開して、そのビデオ信号を処理することによって行われる。
【0130】
現像ローラ27の表面に発生した傷や汚れ等の欠陥の識別処理は、次のようにして行われる。
【0131】
▲1▼明らかな傷や汚れ(コンパレート処理)
図53に示すように、現像ローラ27の表面に、明らかな傷や汚れ等の欠陥がある場合には、ラインセンサー106から得られるビデオ信号が、図53(b)に示すように、明らかな傷や汚れ等の欠陥がある位置で大きく低下する。そのため、ラインセンサー106の出力を、コンパレーター224によって一定の基準値REFと比較することにより、現像ローラ27の表面に対応した領域で、コンパレーター224の出力がハイ(H)になったか否かで、現像ローラ27の表面に明らかな傷や汚れ等の欠陥があることを識別することができる。なお、実際には、ラインセンサー106からのビデオ信号をAD変換し、デジタル値においてコンパレーターによって比較される。
【0132】
▲2▼むら的欠陥(エリア積分処理)
図54に示すように、現像ローラ27の表面に、ある面積を有する汚れや、軸方向に沿った傷等のむら的な欠陥がある場合には、ラインセンサー106から得られるビデオ信号を、図54(b)に示すように、メモリー221上にマップ展開する。次に、小さいエリア、例えば3×4の走査エリアを設定し、この走査エリアを軸方向及び周方向に1ドットずつずらして行くことによって走査し、その積分値に対して判定を行う。例えば、3×4の走査エリア内に、むら的な欠陥によって反射光が低下したドットが幾つあるかをカウントし、当該反射光が低下したドットの数が所定数以上ある場合には、その領域にむら的な欠陥があると識別する。
【0133】
▲3▼周方向に連続した小さい傷(周方向積分処理)
図55に示すように、現像ローラ27の表面に、幅の狭い傷であるが周方向に連続した小さい傷の欠陥がある場合には、現像ローラ27を回転させ、ラインセンサー106から得られるビデオ信号を、全周にわたって積分アンプ225によって積分し、この積分値を設定された値とコンパレーター226比較することによって、周方向に連続した傷が、幅の狭い微小な傷等である場合でも発生していることを識別することができる。
【0134】
このように、上記実施の形態によれば、使用済の現像ローラ27を有効に再使用することができ、資源の有効利用等を図ることが可能となるとともに、現像濃度むらが引き起こされるなどの画質劣化が発生するのを防止することができる。
【0135】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、使用済の現像剤担持体を有効に再使用することができ、資源の有効利用等を図ることが可能となるとともに、現像濃度むらが引き起こされるなどの画質劣化が発生する虞れのない再使用現像剤担持体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体としての現像ローラを示す断面図である。
【図2】図2はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体としての現像ローラの使用状態を示す構成図である。
【図3】図3はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体を適用した画像形成装置としてのデジタルプリンタを示す全体構成図である。
【図4】図4はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体を適用した画像形成装置としてのデジタルプリンタに用いられるプロセスカートリッジを示す構成図である。
【図5】図5はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体を適用した画像形成装置としてのデジタルプリンタに用いられるプロセスカートリッジを示す分解斜視図である。
【図6】図6はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体を適用した画像形成装置としてのデジタルプリンタに用いられるプロセスカートリッジを示す斜視図である。
【図7】図7はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体を適用した画像形成装置としてのデジタルプリンタに用いられるプロセスカートリッジの一部を示す平面図である。
【図8】図8はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体を適用した画像形成装置としてのデジタルプリンタに用いられるプロセスカートリッジの一部を示す斜視図である。
【図9】図9はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体を適用した画像形成装置としてのデジタルプリンタに用いられるプロセスカートリッジの一部を示す側面図である。
【図10】図10はフランジ部材を示す構成図である。
【図11】図11はフランジ部材を示す構成図である。
【図12】図12は現像ローラの端部にプラスチック部品を取り付けた序状態を示す構成図である。
【図13】図13は現像ローラの端部に取り付けられるプラスチック部品を示す構成図である。
【図14】図14は現像ローラの端部に取り付けられるプラスチック部品を示す構成図である。
【図15】図15は現像ローラの端部に取り付けられるプラスチック部品を示す構成図である。
【図16】図16は現像ローラの端部に取り付けられるプラスチック部品を示す構成図である。
【図17】図17はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体のリサイクル方法を示すフローチャートである。
【図18】図18はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体のリサイクル方法を示す説明図である。
【図19】図19はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体のリサイクル方法を示す説明図である。
【図20】図20は現像ローラの表面に発生した円周傷を示す模式図である。
【図21】図21はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体のリサイクル方法を示す説明図である。
【図22】図22はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体のリサイクル方法を示す説明図である。
【図23】図23はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体のリサイクル方法を示す説明図である。
【図24】図24は現像ローラを示す説明図である。
【図25】図25はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体のリサイクル方法を示す説明図である。
【図26】図26はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体のリサイクル方法を示す説明図である。
【図27】図27はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体のリサイクル方法を示す説明図である。
【図28】図28はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体のリサイクル方法を示す説明図である。
【図29】図29はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体のリサイクル方法を示す説明図である。
【図30】図30はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体のリサイクル方法を示す説明図である。
【図31】図31はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査方法の検査結果を示すグラフである。
【図32】図32はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査方法の検査結果を示すグラフである。
【図33】図33はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査方法の検査結果を示すグラフである。
【図34】図34はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査方法の検査結果を示す図表である。
【図35】図35はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査方法の検査結果を示すグラフである。
【図36】図36はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査方法の検査結果を示すグラフである。
【図37】図37はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査方法の検査結果を示すグラフである。
【図38】図38はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査方法の検査結果を示すグラフである。
【図39】図39はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査方法の検査結果を示すグラフである。
【図40】図40はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査方法及び検査装置の原理を示す説明図である。
【図41】図41は現像ローラの表面に発生した傷等の欠陥を示す説明図である。
【図42】図42はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査装置を示す説明図である。
【図43】図43はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査装置を示す説明図である。
【図44】図44はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査装置の動作を示す説明図である。
【図45】図45はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査装置の動作を示す説明図である。
【図46】図46はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査装置の動作を示す説明図である。
【図47】図47はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査装置の動作を示す説明図である。
【図48】図48はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査装置を示す説明図である。
【図49】図49はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査装置を示す外観斜視図である。
【図50】図50はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査装置を示す構成図である。
【図51】図51はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査装置を示す構成図である。
【図52】図52はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査装置を示すブロック図である。
【図53】図53はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査装置の動作を示す説明図である。
【図54】図54はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査装置の動作を示す説明図である。
【図55】図55はこの発明の実施の形態1に係る再使用現像剤担持体の検査装置の動作を示す説明図である。
【符号の説明】
2:プロセスカートリッジ、3:感光体ドラム、5:現像装置、27:現像ローラ、28:トラッキングローラ、46:現像スリーブ、47:マグネローラ、48:マグネットローラのシャフト、49、50:フランジ部材。
Claims (6)
- 使用済の現像剤担持体を回収し、所定の検査を経て再使用される再使用現像剤担持体において、
前記現像剤担持体は、その使用によって現像剤担持面に傷等の欠陥が発生している場合であっても、当該現像剤担持面の表面粗さRaが、傷等の欠陥の部分を含めてすべて0.8μm以上であることを特徴とする再使用現像剤担持体。 - 前記現像剤担持体の現像剤担持面の表面粗さRaは、新品の状態で0.9〜2.3μmの範囲に設定されていることを特徴とする請求項1記載の再使用現像剤担持体。
- 使用済の現像剤担持体を回収し、所定の検査を経て再使用される再使用現像剤担持体において、
前記現像剤担持体は、その使用によって現像剤担持面に傷等の欠陥が発生している場合であっても、当該傷等の欠陥の表面粗さRaが0.8μm以上であって、かつ傷等の欠陥の軸方向の幅が0.3mm以下であることを特徴とする再使用現像剤担持体。 - 使用済の現像剤担持体を回収し、所定の検査を経て再使用される再使用現像剤担持体において、
前記現像剤担持体は、その使用によって現像剤担持面に傷等の欠陥が複数発生している場合であっても、当該各傷等の欠陥の表面粗さRaが0.8μm以上であって、かつ隣合う傷等の欠陥の軸方向の中心間距離が5mm以上であることを特徴とする再使用現像剤担持体。 - 前記現像剤担持体の現像剤担持面に発生した傷等の欠陥を、前記現像剤担持体の表面に光を照射して、当該現像剤担持体からの反射光の強度を受光手段によって検出し、前記受光素子からの出力信号に基づいて自動的に識別することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の再使用現像剤担持体。
- 前記現像剤担持体は、
前記回収された使用済の現像剤担持体からプラスチック部品を取り外すプラスチック部品外し工程と、
前記プラスチック部品が取り外された使用済の現像剤担持体を洗浄する洗浄工程と、
前記洗浄工程によって洗浄された現像剤担持体の表面に光を照射して、当該現像剤担持体からの反射光の強度を受光手段によって検出し、前記受光素子からの出力信号に基づいて、前記現像剤担持体の表面における傷等の欠陥の発生状態を自動的に識別する識別工程と、
前記識別工程によって識別された現像剤担持体の軸方向の端部近傍に固着したトナーを除去する固着トナー除去工程と、
前記固着トナー除去工程によってトナーが除去された現像剤担持体に、新品のプラスチック部品を取り付けるプラスチック部品取り付け工程と、
前記プラスチック部品が取り付られた現像剤担持体に、再使用品であることを識別するマークを付けるマーキング工程と
を有するリサイクル工程によって再使用されることを有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の再使用現像剤担持体。
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2002
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