JP2004191622A - 木製和太鼓 - Google Patents

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JP2004191622A JP2002359351A JP2002359351A JP2004191622A JP 2004191622 A JP2004191622 A JP 2004191622A JP 2002359351 A JP2002359351 A JP 2002359351A JP 2002359351 A JP2002359351 A JP 2002359351A JP 2004191622 A JP2004191622 A JP 2004191622A
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Abstract

【課題】素材として無垢丸太を使用する必要が無く安価に製造でき、さらには、廃材等の利用も可能になり、環境問題の解決にも寄与する木製和太鼓を提供すること。
【構成】胴体12に皮14が張設状態で鋲止め固定されて鼓面が形成されてなる木製和太鼓。胴体本体18を、母線方向の、間伐材等の廃材が利用可能な分割木片20からなる寄せ木構造体で形成する。
【選択図】図1

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、木製胴体の少なくとも一端に皮が張設状態で鋲止め固定されて鼓面が形成されてなる木製和太鼓に関する。ここでは、図1に示す如く、木製胴体の両端に皮が張設固定されている場合を例に採り説明するがこれに限られるものではない。
【0002】
【背景技術】
従来の木製和太鼓における木製胴体は、通常、所定長に裁断した太径の無垢丸太をえぐって(くり抜いて)形成していた。
【0003】
しかし、材料である太径の無垢丸太を調達するのは困難となってきており、製造工数を嵩んで、結果的に木製和太鼓は高価なものとなっていた。
【0004】
さらには、木製和太鼓は、乾湿の影響を受けて、胴体自体の含水率の変化と相まって、伸縮し易く、皮の張設状態も微妙に変化する。このため、安定して良好な打音を発生させることが困難であった。
【0005】
なお、本発明の発明性に影響を与えるものではないが、和太鼓に関連する先行技術文献情報としては、下記のような特許文献が存在する。
【0006】
【特許文献1】
実用新案登録第2580705号
【0007】
【発明の開示】
本発明は、上記にかんがみて、素材として無垢丸太を使用する必要が無く安価に製造でき、さらには、廃材等の利用も可能になり、環境問題の解決にも寄与する木製和太鼓を提供することを目的とする。
【0008】
本発明の他の目的は、胴体自体の含水率も変化し難い木製和太鼓を提供することにある。
【0009】
本発明のさらに他の目的は、上記構成の木製和太鼓を容易に製造することができる木製和太鼓の製造方法を提供することにある。
【0010】
本発明は、上記各目的(課題)を、下記各構成により解決するものである。
【0011】
胴体の少なくとも一端に皮が張設状態で鋲止め固定されて鼓面が形成されてなる木製和太鼓において、胴体本体が母線方向の分割木片からなる接着寄せ木構造体で形成されていることを特徴とする。
【0012】
分割木片を素材とするため、従来の如く、調達が困難な太径の無垢丸太を素材とする必要がなく、かつ、くり抜き等の手間のいる作業が不要となり、製造工数が低減する。さらには、雰囲気湿度の変化が大きくても、各分割木片相互間は接合面で弾力性を有する接着剤層を介したり微小隙間を有したりする構成とすれば、分割木片全体の伸縮が吸収されて、胴体の雰囲気湿度変化による径変化を抑制することが可能となり、安定して良好な打音の発生が期待できる。
【0013】
上記構成の木製胴体本体の外周面及び内周面の双方に防湿・防乾層を形成することが望ましい。
【0014】
木製の胴体本体の外周面及び内周面の双方に防湿・防乾層を形成することにより、雰囲気湿度が大きく変化しても、木製胴体本体の含水率の変化がほとんど無い。従って、胴体本体の湿度変化による伸縮もほとんど無く、含水率の変化がほとんど無いことと相まって、安定して良好な打音を発生させることが可能となる。
【0015】
上記構成において、通常、外周面の防湿・防乾層は、透明塗膜で形成し、内周の防湿・防乾層が接着剤含浸シートで形成する。胴体本体の外周面は、木目を顕在させる必要があり、また、内周面は補強作用ないし母型(支持体)作用も担わせることができるためである。
【0016】
上記、接着寄せ木構造体及び接着剤含浸シートの使用接着剤としては、耐水性の熱硬化性樹脂を使用することが望ましい。湿気の影響を受け難く、防湿・防乾作用をより確実化でき、さらには、熱影響を受け難いためである。
【0017】
また、分割木片は、木製廃材、特に、間伐材から調達することが、環境的見地から望ましい。
【0018】
上記各構成の木製和太鼓の製造方法は、下記方法により、製造することが望ましい。
【0019】
内周体を接着剤含浸シートのBステージの内周賦形体とし、該内周賦形体の外側に曲げ加工して、接着剤を分割面に塗布した分割木片を順次載置した状態で加熱硬化後、外周面を旋盤加工して仕上げる工程を含むことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明をする。
【0021】
第1実施形態の和太鼓は、図1に示すように、胴体12に皮14が張設状態で鋲16止め固定されて鼓面が形成されなるものである。
【0022】
そして、胴体本体18が母線方向の分割木片20からなる接着寄せ木構造体で形成されている。
【0023】
図例では、分割木片20相互は、通常、いもつぎ(平面)接合で接着剤結合されている。
【0024】
ここで、使用する接着剤としては、木材用接着剤として、汎用されている、例えば、フェノール系(レゾルシン系)、メラミン系、尿素(ユリア)系、エポキシ系、不飽和ポリエステル系、ウレタン系(以上熱硬化性);酢酸ビニル系等の合成樹脂系を一般的に使用するが、カゼイン類、大豆グルー等の天然系であってもよい。
【0025】
ここで、接着強度や耐水性の見地からは、熱硬化性のもの、特にそれらの内でフェノール系やメラミン系等の耐水性に優れたものを使用することが望ましい。また、酢酸ビニル系、ポリウレタン系等の弾力性を有する接着剤を使用した場合は、分割木片の伸縮を吸収でき、胴体の径方向の伸縮を抑制できる。したがって、安定して良好な打音を発生させることが可能となる。
【0026】
なお、接着剤結合のみで分割木片相互の結合強度を確保し難い場合は、分割木片相互を段付き接合やほぞ接合させてもよく、さらには、接着結合にかえて、又は接着結合とともに、ダボ結合、ジベル結合ないし内側からクリップ(ステープラー・かぎ)結合させてもよい。
【0027】
上記分割木片の素材としては、バージン材を使用してもよいが、通常、木製廃材、例えば、間伐材や製材所等から出る木片を使用する。なお、木材の種類としては、従来、和太鼓の汎用されている各種和材ばかりでなく、各種洋材も使用可能である。
【0028】
特に、間伐材は、日本国内はもとより世界各地で毎年多量に発生し、その処分には林業者は苦慮しており、環境的見地から望ましい。
【0029】
また、各分割木片の肉厚および幅は、間伐材の種類・育成年により異なるが、幅、50〜200mm(望ましくは100〜150mm)、肉厚20〜60mmt(望ましくは30〜50mmt)とする。幅が小さすぎると寄木構造体とするのに工数がかかり、幅が大きすぎると間伐材の有効利用ができ難くなる。また、肉厚が薄すぎると、接着ないし結合が困難となり強度的に問題が発生し易いとともに、打音時に良好な音色を得難く、厚すぎると、曲げ加工が困難となるとともに、材料の無駄使いとなる。
【0030】
そして、本実施形態では、胴体本体20の外周面及び内周面の双方に防湿・防乾層22、24が形成されている。胴体本体20が木製であるため、雰囲気湿度の変化による胴体本体の含水率の変化を抑制するためである。
【0031】
ここで、外周面の防湿・防乾層22は、透明塗膜で形成する。胴体本体の木質感を顕在させるためである。
【0032】
そして、透明塗膜用塗料としては、通常、合成樹脂ワニスを使用するが、アクリル系、メラミン系等のメラミン系等の光透過性に優れた透明塗料を使用してもよい。特に、分割木片の接着に使用したのと同系の樹脂を使用することが、接着剤層及び塗膜を加熱硬化させるに際して、同一条件で行うことができ、生産的見地からは望ましい。
【0033】
また、内周の内周の防湿・防乾層24は接着剤含浸シートで形成する。ここで、接着剤含浸シートとは、織布(例えば麻布)、編物、不織布、さらには紙等に接着剤を含浸させたものをいう。接着剤としては、前述の分割木片に使用したもの適宜使用可能である。
【0034】
上記木製和太鼓の製造は、特に限定されないが、例えば、下記のような方法で製造をする。
【0035】
まず、伐採した間伐材を所定長に裁断後、内側面が少なくとも平面状となるような所定厚さ及び所定幅の設定範囲にある分割木片20を調製する。
【0036】
該分割木片20が所定乾燥率になるまで放置後、縮径可能な分割胴体型に沿って、分割木片相互を順次接着しながら胴体本体を形成する。
【0037】
接着剤を必要により加熱硬化させた時点で、胴体本体18を脱型して、胴体本体18内側に、織布などを仮貼着して接着剤をスプレー塗布するか、または、織布等の支持基体を介せずに、ガラス繊維と接着剤のスプレー塗布を同時的に行って、FRP層(含浸シート層)を形成する。こうして、分割木片相互は、強固に内周補強され、バチで鼓面を強打する際の衝撃にも十分に耐えるものとなる。
【0038】
なお、上記において、逆に接着剤含浸シートを賦形半割体を形成後、未硬化(Bステージ)の状態で、前記分割木片を順次、同種接着剤を接合面に塗布しながら並べた後、加熱硬化させて、胴体本体を形成してもよい。
【0039】
該胴体本体の外側は、木工旋盤で仕上げ加工した後、前述の透明塗料で透明塗膜(防湿・防乾層)22を形成する。
【0040】
こうして、製造した胴体本体には、従来と同様にして、胴体12の両端または一端に皮14を鋲止めして、木製和太鼓とする。
【0041】
なお、本発明の胴体本体は、前記特許文献の如く、皮の鼓面張り具合を独立調節可能な分割端環部材を介して、皮が張設状態としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における和太鼓を示す斜視図である。
【図2】図1の2−2線断面図である。
【符号の説明】
12…胴体
14…皮、
14a…鼓面、
18…胴体本体
20…取付部、
22…防湿・防乾層(透明塗膜)
24…防湿・防乾層(接着剤含浸シート)

Claims (7)

  1. 胴体の少なくとも一端に皮が張設状態で鋲止め固定されて鼓面が形成されてなる木製和太鼓において、
    胴体本体が母線方向の分割木片からなる寄せ木構造体で形成されていることを特徴とする木製和太鼓。
  2. 前記胴体本体の外周面及び内周面の双方に防湿・防乾層が形成されていることを特徴とする請求項1記載の木製和太鼓。
  3. 前記外周の防湿・防乾層が、透明塗膜であり、内周の防湿・防乾層が接着剤含浸シートで形成されていることを特徴とする請求項2記載の木製和太鼓。
  4. 前記接着寄せ木構造体及び前記接着剤含浸シートの使用接着剤が耐水性熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項3記載の木製和太鼓。
  5. 前記分割木片が木製廃材から形成されたものであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の木製和太鼓。
  6. 前記木製廃材が間伐材であることを特徴とする請求項5記載の木製和太鼓。
  7. 請求項3〜6のいずれかに記載の木製和太鼓を製造する方法であって、
    内周体を前記接着剤含浸シートのBステージの分割内周賦形体とし、該分割内周賦形体を合わせ後の外側に、曲げ加工して接着剤を分割面に塗布した分割木片を順次載置した状態で加熱硬化後、外周面を旋盤加工して仕上げる工程を含むことを特徴とする木製和太鼓の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014136742A (ja) * 2013-01-16 2014-07-28 Yasuo Shimotsubo 林地残材活用燃料供給方法、林地残材活用燃料供給システム、林地残材活用燃料、および低炭素型木質燃料
CN107578762A (zh) * 2017-09-06 2018-01-12 南丹县文化广电新闻出版体育局 白裤瑶皮鼓的制作方法

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