JP2004191261A - 磁気式位置検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁気スケール及び磁気センサの相互ギャップが変位する場合であっても、磁気センサからの電気信号電圧をほぼ一定に補正して移動位置を確実で、かつ高精度に検出することができる磁気式位置検出装置を提供する。
【解決手段】長手方向に対してN極及びS極が所望のギャップをおいて交互に配列された磁気スケール部材及び該磁気スケール部材に対する磁界の変化により電気信号を出力する位置検出用磁気センサの相対移動に伴って磁気センサから出力される電気信号に基づいて移動体の移動量を検出する磁気式位置検出装置の磁気スケール部材と位置検出用磁気センサの間に非導電性のカバー部材を設け、変化する磁界による渦電流の発生を規制可能にする。
【選択図】 図1
【解決手段】長手方向に対してN極及びS極が所望のギャップをおいて交互に配列された磁気スケール部材及び該磁気スケール部材に対する磁界の変化により電気信号を出力する位置検出用磁気センサの相対移動に伴って磁気センサから出力される電気信号に基づいて移動体の移動量を検出する磁気式位置検出装置の磁気スケール部材と位置検出用磁気センサの間に非導電性のカバー部材を設け、変化する磁界による渦電流の発生を規制可能にする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、例えばロボットや工作機械、精密測定に使用する磁気式位置検出装置、詳しくは振動等により磁気スケールと磁気センサのギャップが変位した際であっても、磁気センサからの電気信号を一定の電圧になるように補正する機能を備えたギャップ特性(耐振動)が高い磁気式位置検出装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、例えば特許文献1に示すように移動体の移動方向に沿って配置され、所望のギャップ毎にN極及びS極が交互に着磁配列された磁気スケールと、該磁気スケールに相対して配置され、磁界の変化に応じて正弦波の電気信号を出力する磁気センサからなり、磁気スケール及び磁気センサの相対移動に伴って磁気センサから出力される電気信号に基づいて移動体の移動位置を検出する磁気式検出装置が知られている。
【0003】
上記磁気式位置検出装置にあっては、磁気センサから出力される電気信号のsin信号とcos信号を位置検出分解能に応じて設定された信号数、例えば1000分割して位置検出信号を生成して高精度測定を可能にしている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−304838号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した磁気式位置検出装置にあっては、移動体の移動に伴って発生する振動や、該移動体に装着される、例えば電磁ソレノイドやエアーシリンダー等の各アクチェータの作動に伴う振動、更には移動体を移動するように支持する機械系のがた等に起因する振動等により、必ずしも磁気スケールと磁気センサのギャップが変位するおそれがある。
【0006】
一般に、磁気センサにより検出される磁界は、その磁界が磁気スケールとの距離が大きく変動し、それに伴い磁気センサからの信号も著しく変動するため、磁気センサから出力する電圧の変化でN極とS極の距離を正確に多数個に分割することが困難になって移動位置を高精度に検出できないおそれがある。
度が磁気スケールとの距離(ギャップ)の二乗分の1に比例するため、特に磁気
【0007】
本発明は、上記した従来の欠点を解決するために発明されたもので、その課題とする処は、磁気スケール及び磁気センサの相互ギャップが変位する場合であっても、磁気センサからの電気信号電圧をほぼ一定に補正して移動位置を確実で、かつ高精度に検出することができる磁気式位置検出装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1は、長手方向に対してN極及びS極が所望のギャップをおいて交互に配列された磁気スケール部材及び該磁気スケール部材に対する磁界の変化により電気信号を出力する位置検出用磁気センサの相対移動に伴って磁気センサから出力される電気信号に基づいて移動体の移動量を検出する磁気式位置検出装置において、磁気スケール部材と位置検出用磁気センサの間に非導電性のカバー部材を設け、変化する磁界による渦電流の発生を規制可能にしたことを特徴とする。
【0009】
請求項2は、長手方向に対してN極及びS極が所望のギャップをおいて交互に配列された磁気スケール部材及び該磁気スケール部材に対する磁界の変化により電気信号を出力する位置検出用磁気センサの相対移動に伴って磁気センサから出力される電気信号に基づいて移動体の移動量を検出する磁気式位置検出装置に、相対する側がN極及びS極にそれぞれ着磁され、磁気スケール部材と平行に配置された一対の補正用磁気部材及び各補正用磁気部材に相対して位置検出用磁気センサと一体に設けられ、各補正用磁気部材からの磁界に基づいて補正信号を出力する補正用磁気センサを設ける。
【0010】
そして補正用磁気センサからの補正信号電圧の増減に基づいて磁気センサからの電気信号を、その振幅電圧がほぼ一定になるように補正することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施形態】
以下に実施形態を示す図に従って本発明を説明する。
図1〜図4(A)・(B)において、磁気式位置検出装置1が取付けられる移動装置3の本体フレーム5上には移動体7が移動可能に支持され、該本体フレーム5上には磁気位置検出装置1の一部を構成する磁気スケール9が移動体7の移動方向と平行に取付けられている。該磁気スケール9は、少なくとも移動体7の移動距離に応じた長さの磁性体を、長手方向に対してN極及びS極を所望の幅で交互に着磁して磁気目盛が形成される。
【0012】
尚、上記した移動体7は、例えばサーボモータ11及びこれに連結された直線駆動機構(図示せず)により所定のストロークで往復移動される。直線駆動機構としては、送りねじ及びこれに噛合うナットからなる送りねじ駆動機構、ベルト駆動機構、ラック・ピニオン駆動機構或いはサーボモータ11自体を可動子及び固定子からなるリニアサーボモータとしてもよい。
【0013】
上記した本体フレーム5には一対の補正用磁気部材13・15が磁気スケール9と平行に取付けられる。各補正用磁気部材13・15は磁気スケール9とほぼ一致する長さで、後述する補正用磁気センサ19に相対する側がN極及びS極に夫々着磁され、所定の磁界を発生している。
【0014】
移動体7には磁気位置検出装置1の一部を構成する位置検出用磁気センサ17a・17bが磁気スケール9に近接して相対するように、また補正用磁気センサ19が補正用磁気部材13・15に近接して相対するようにそれぞれ取付けられている。位置検出用磁気センサ17a・17bは磁気誘電形の磁気センサ、ホール素子、磁気ダイオード、磁気抵抗素子等により構成され、移動体7の移動に伴って変化する磁気スケール部材9からの磁界により、N極から次のS極を360°とする正弦波形の電気信号を出力する2個の磁気センサで構成され、これらは出力される電気信号が互いに90度の位相差を有するように設定される。
【0015】
これら位置検出用磁気センサ17a・17bは磁気スケール9に対し、例えばセラミックス等の非導電性のカバー21により覆われている。このカバー21を金属等の導電材として場合には、移動体7の移動や振動によりカバー21が磁束をきることでカバー21の内部に渦電流等図電流による磁束が発生して磁気スケール9からの磁束が乱されることにより磁気検出が不安定になるが、非導電性のカバー21で位置検出用磁気センサ17a・17bを覆うことにより振動による渦電流の発生を防止して耐振動特性を向上することができる。
【0016】
また、補正用磁気センサ19は、例えばホール素子、磁気ダイオード等の感磁素子で、補正用磁気部材13・15からの磁界強度、従ってギャップに応じた電圧の補正信号を出力する。
【0017】
図5において、位置検出用磁気センサ17a・17bはオペアンプ23・25の入力側に接続され、各オペアンプ23・25のバイアス端子には利得調整回路27が接続されている。該利得調整回路27は補正用磁気センサ19からの電気信号に基づいてオペアンプ23・25をバイアス制御して増幅率を可変調整するためのバイアス信号を生成する。そして各オペアンプ23・25は利得調整回路27からのバイアス信号により調整された増幅率で位置検出用磁気センサ17a・17bからの電気信号を、それぞれの振幅電圧がほぼ一定値になるように増幅する。
【0018】
各オペアンプ23・25から出力される電気信号は、コンパレータ27・29により予め設定された敷居値と比較し、電気信号の電圧が敷居値以上の時に分周回路31・33に電気信号を出力する。そして各分周回路31・33は入力された電気信号を、位置検出分解能に応じて予め設定されたn個、例えば1000個に分周して位置検出信号を生成する。
【0019】
次に、磁気式位置検出装置による電圧補正作用を説明する。
サーボモータ11の駆動に伴って移動体7を移動すると、位置検出用磁気センサ17a・17bは、移動体7の移動に伴って変化する磁気スケール9のS極及びN極の磁界による磁気誘導により90度の位相差を有するsin曲線及びcos曲線[図4(A)に実線で示す]の電気信号をそれぞれ出力する。
【0020】
また、図4(B)に実線で示すように補正用磁気センサ19は、移動体7の移動に伴って補正用磁気部材13・15からの磁界を感磁して磁界強度に応じた電圧の補正信号を利得調整回路27に出力する。そして利得調整回路27は入力された補正用磁気センサ19からの電気信号に応じたバイアス信号をオペアンプ23・25に出力する。
【0021】
オペアンプ23・25は利得調整回路27から出力されるバイアス信号によりバイアス調整して位置検出用磁気センサ17a・17bから入力された電気信号を、オペアンプ23・25から出力される電気信号電圧がほぼ一定の振幅になるように増幅させた後にコンパレータ27・29に出力し、該コンパレータ27・29により敷居値以上の電圧の信号を取出して分周回路31・33に出力する。そして分周回路31・33により入力された電気信号を予め設定された所望の分解能に応じた個数の信号に分周して位置検出信号に生成する。
【0022】
今、移動体7の移動に伴って発生する振動や、移動体7に装着された電磁ソレノイドやシリンダ等の各種アクチェータが作動した際に発生する振動或いは移動体7を移動するように支持する機械系のがた等に起因する振動等により位置検出用磁気センサ17a・17bと磁気スケール9のギャップが広がって変位したとき、位置検出用磁気センサ17a・17bにより検出される磁界強度が、ギャップの二乗分の1に比例して低下し、位置検出用磁気センサ17a・17bから出力される電気信号[図4(A)に一点鎖線及び二点鎖線で示す。但し、振動等によりギャップが広がった際には、局所的に電圧が低下するが、説明の便宜上、電圧が低下した電気信号の波形を示す。]も大きく低下することになる。
【0023】
先ず、振動による磁界の乱れが発生した際には、位置検出用磁気センサ17a・17b自体が非導電性のカバー21で覆われているため、このカバー21に磁界の乱れによる渦電流が発生し、渦電流による磁界の生成を抑制することにより位置検出用磁気センサ17a・17bから出力される電気信号が低減するのを規制することにより位置検出を確実に行うことができる。
【0024】
また、位置検出用磁気センサ17a・17bと磁気スケール9のギャップが広がった際には、オペアンプ23・25から出力される電気信号電圧が、例えば敷居値以下になったり、敷居値以上であってもコンパレータ27・29によるラッチ箇所がsin曲線及びcos曲線の緩やかな曲線箇所になり、位置検出信号を確実に生成できないおそれがある。
【0025】
このような場合、補正用磁気センサ19自体も位置検出用磁気センサ17a・17bと同様に補正用磁気部材13・15に対するギャップが広がるように変位し、出力される補正信号の電圧も低下することになる。[図4(B)に一点鎖線及び二点鎖線で示す。但し、振動等によりギャップが広がった際には、局所的に電圧が低下するが、説明の便宜上、電圧が低下した電気信号の波形を示す。]
【0026】
このため、補正用磁気センサ19から出力される補正信号の電圧に基づいて利得調整回路27から出力されるバイアス信号を制御してオペアンプ23・25の増幅率を、出力される電気信号の振幅電圧がほぼ一定になるように可変させる。
【0027】
即ち、位置検出用磁気センサ17a・17bからの電気信号をA、補正用磁気センサ19からの補正信号をBとすると、位置検出用磁気センサ17a・17bと磁気スケール9、従って補正用磁気センサ19と補正用磁気部材13・15のギャップが正規の状態における補正信号の電圧をVref.とすると、補正信号の電圧変化率はVref./BVになり、利得調整回路27はこの電圧変化率に応じたバイアス信号をオペアンプ23・25へ出力して増幅率を可変させる。
【0028】
これによりオペアンプ23・25は位置検出用磁気センサ17a・17bからの電気信号を利得調整された増幅率で増幅して出力される電気信号を、ギャップが正規の状態の際の振幅電圧になるように補正する。
【0029】
本実施形態は、位置検出用磁気センサ17a・17bを非導電性のカバー21で覆うことにより振動による磁界の変化に伴って渦電流が発生するのを規制することにより位置検出用磁気センサ17a・17bからの電気信号電圧が低減するのを回避し、位置検出信号を確実に生成することができる。
【0030】
また、振動等により位置検出用磁気センサ17a・17bと磁気スケール9のギャップが変位した際には、位置検出用磁気センサ17a・17bからの電気信号を、補正用磁気センサ19からの補正信号に基づいてその振幅電圧がほぼ一定になるように補正して位置検出信号を確実に生成することができる。これらの作用により振動等に強い磁気式位置検出装置を構成することができる。
【0031】
上記説明は、位置検出用磁気センサ17a・17bを非導電性のカバー21で覆うと共に補正用磁気センサ19からの補正信号に基づいて位置検出用磁気センサ17a・17bからの電気信号の増幅率を可変して振幅電圧がほぼ一定になるように補正する補正手段を設ける構成としたが、本発明は、第1に位置検出用磁気センサ17a・17bを非導電性のカバー21で覆って振動による渦電流の発生を抑制して耐振動特性を高める構成、第2に補正用磁気センサ19からの補正信号に基づいて位置検出用磁気センサ17a・17bからの電気信号の増幅率を可変して振幅電圧がほぼ一定になるように補正する補正手段を設ける構成、第3に上記実施形態に示すカバー及び補正手段の双方を設ける構成のいずれであってもよい。
【0032】
また。上記説明では、補正用磁気センサ19に対向する側がN極及びS極にそれぞれ着磁された2個の補正用磁気部材13・15を設ける構成としたが、補正用磁気センサ19に対向する側がN極及びS極に着磁された1個の補正用磁気部材としてもよい。
【0033】
【発明の効果】
本発明は、磁気スケール及び磁気センサの相互ギャップが変位する場合であっても、磁気センサからの電気信号電圧をほぼ一定に補正して移動位置を確実で、かつ高精度に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気式位置検出装置が装着される装置例を示す説明図である。
【図2】磁気式位置検出装置の概略を示す説明図である。
【図3】磁気式位置検出装置の平面説明図である。
【図4】(A)は磁気センサから出力される電気信号波形図、(B)は補正用磁気センサから出力される補正信号の波形図である。
【図5】磁気式位置検出装置の電気的ブロック図である。
【符号の説明】
1−磁気式位置検出装置、9−磁気スケール、13・15−補正用磁気部材、17a・17b−位置検出用磁気センサ、19−補正用磁気センサ
【発明が属する技術分野】
本発明は、例えばロボットや工作機械、精密測定に使用する磁気式位置検出装置、詳しくは振動等により磁気スケールと磁気センサのギャップが変位した際であっても、磁気センサからの電気信号を一定の電圧になるように補正する機能を備えたギャップ特性(耐振動)が高い磁気式位置検出装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、例えば特許文献1に示すように移動体の移動方向に沿って配置され、所望のギャップ毎にN極及びS極が交互に着磁配列された磁気スケールと、該磁気スケールに相対して配置され、磁界の変化に応じて正弦波の電気信号を出力する磁気センサからなり、磁気スケール及び磁気センサの相対移動に伴って磁気センサから出力される電気信号に基づいて移動体の移動位置を検出する磁気式検出装置が知られている。
【0003】
上記磁気式位置検出装置にあっては、磁気センサから出力される電気信号のsin信号とcos信号を位置検出分解能に応じて設定された信号数、例えば1000分割して位置検出信号を生成して高精度測定を可能にしている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−304838号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した磁気式位置検出装置にあっては、移動体の移動に伴って発生する振動や、該移動体に装着される、例えば電磁ソレノイドやエアーシリンダー等の各アクチェータの作動に伴う振動、更には移動体を移動するように支持する機械系のがた等に起因する振動等により、必ずしも磁気スケールと磁気センサのギャップが変位するおそれがある。
【0006】
一般に、磁気センサにより検出される磁界は、その磁界が磁気スケールとの距離が大きく変動し、それに伴い磁気センサからの信号も著しく変動するため、磁気センサから出力する電圧の変化でN極とS極の距離を正確に多数個に分割することが困難になって移動位置を高精度に検出できないおそれがある。
度が磁気スケールとの距離(ギャップ)の二乗分の1に比例するため、特に磁気
【0007】
本発明は、上記した従来の欠点を解決するために発明されたもので、その課題とする処は、磁気スケール及び磁気センサの相互ギャップが変位する場合であっても、磁気センサからの電気信号電圧をほぼ一定に補正して移動位置を確実で、かつ高精度に検出することができる磁気式位置検出装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1は、長手方向に対してN極及びS極が所望のギャップをおいて交互に配列された磁気スケール部材及び該磁気スケール部材に対する磁界の変化により電気信号を出力する位置検出用磁気センサの相対移動に伴って磁気センサから出力される電気信号に基づいて移動体の移動量を検出する磁気式位置検出装置において、磁気スケール部材と位置検出用磁気センサの間に非導電性のカバー部材を設け、変化する磁界による渦電流の発生を規制可能にしたことを特徴とする。
【0009】
請求項2は、長手方向に対してN極及びS極が所望のギャップをおいて交互に配列された磁気スケール部材及び該磁気スケール部材に対する磁界の変化により電気信号を出力する位置検出用磁気センサの相対移動に伴って磁気センサから出力される電気信号に基づいて移動体の移動量を検出する磁気式位置検出装置に、相対する側がN極及びS極にそれぞれ着磁され、磁気スケール部材と平行に配置された一対の補正用磁気部材及び各補正用磁気部材に相対して位置検出用磁気センサと一体に設けられ、各補正用磁気部材からの磁界に基づいて補正信号を出力する補正用磁気センサを設ける。
【0010】
そして補正用磁気センサからの補正信号電圧の増減に基づいて磁気センサからの電気信号を、その振幅電圧がほぼ一定になるように補正することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施形態】
以下に実施形態を示す図に従って本発明を説明する。
図1〜図4(A)・(B)において、磁気式位置検出装置1が取付けられる移動装置3の本体フレーム5上には移動体7が移動可能に支持され、該本体フレーム5上には磁気位置検出装置1の一部を構成する磁気スケール9が移動体7の移動方向と平行に取付けられている。該磁気スケール9は、少なくとも移動体7の移動距離に応じた長さの磁性体を、長手方向に対してN極及びS極を所望の幅で交互に着磁して磁気目盛が形成される。
【0012】
尚、上記した移動体7は、例えばサーボモータ11及びこれに連結された直線駆動機構(図示せず)により所定のストロークで往復移動される。直線駆動機構としては、送りねじ及びこれに噛合うナットからなる送りねじ駆動機構、ベルト駆動機構、ラック・ピニオン駆動機構或いはサーボモータ11自体を可動子及び固定子からなるリニアサーボモータとしてもよい。
【0013】
上記した本体フレーム5には一対の補正用磁気部材13・15が磁気スケール9と平行に取付けられる。各補正用磁気部材13・15は磁気スケール9とほぼ一致する長さで、後述する補正用磁気センサ19に相対する側がN極及びS極に夫々着磁され、所定の磁界を発生している。
【0014】
移動体7には磁気位置検出装置1の一部を構成する位置検出用磁気センサ17a・17bが磁気スケール9に近接して相対するように、また補正用磁気センサ19が補正用磁気部材13・15に近接して相対するようにそれぞれ取付けられている。位置検出用磁気センサ17a・17bは磁気誘電形の磁気センサ、ホール素子、磁気ダイオード、磁気抵抗素子等により構成され、移動体7の移動に伴って変化する磁気スケール部材9からの磁界により、N極から次のS極を360°とする正弦波形の電気信号を出力する2個の磁気センサで構成され、これらは出力される電気信号が互いに90度の位相差を有するように設定される。
【0015】
これら位置検出用磁気センサ17a・17bは磁気スケール9に対し、例えばセラミックス等の非導電性のカバー21により覆われている。このカバー21を金属等の導電材として場合には、移動体7の移動や振動によりカバー21が磁束をきることでカバー21の内部に渦電流等図電流による磁束が発生して磁気スケール9からの磁束が乱されることにより磁気検出が不安定になるが、非導電性のカバー21で位置検出用磁気センサ17a・17bを覆うことにより振動による渦電流の発生を防止して耐振動特性を向上することができる。
【0016】
また、補正用磁気センサ19は、例えばホール素子、磁気ダイオード等の感磁素子で、補正用磁気部材13・15からの磁界強度、従ってギャップに応じた電圧の補正信号を出力する。
【0017】
図5において、位置検出用磁気センサ17a・17bはオペアンプ23・25の入力側に接続され、各オペアンプ23・25のバイアス端子には利得調整回路27が接続されている。該利得調整回路27は補正用磁気センサ19からの電気信号に基づいてオペアンプ23・25をバイアス制御して増幅率を可変調整するためのバイアス信号を生成する。そして各オペアンプ23・25は利得調整回路27からのバイアス信号により調整された増幅率で位置検出用磁気センサ17a・17bからの電気信号を、それぞれの振幅電圧がほぼ一定値になるように増幅する。
【0018】
各オペアンプ23・25から出力される電気信号は、コンパレータ27・29により予め設定された敷居値と比較し、電気信号の電圧が敷居値以上の時に分周回路31・33に電気信号を出力する。そして各分周回路31・33は入力された電気信号を、位置検出分解能に応じて予め設定されたn個、例えば1000個に分周して位置検出信号を生成する。
【0019】
次に、磁気式位置検出装置による電圧補正作用を説明する。
サーボモータ11の駆動に伴って移動体7を移動すると、位置検出用磁気センサ17a・17bは、移動体7の移動に伴って変化する磁気スケール9のS極及びN極の磁界による磁気誘導により90度の位相差を有するsin曲線及びcos曲線[図4(A)に実線で示す]の電気信号をそれぞれ出力する。
【0020】
また、図4(B)に実線で示すように補正用磁気センサ19は、移動体7の移動に伴って補正用磁気部材13・15からの磁界を感磁して磁界強度に応じた電圧の補正信号を利得調整回路27に出力する。そして利得調整回路27は入力された補正用磁気センサ19からの電気信号に応じたバイアス信号をオペアンプ23・25に出力する。
【0021】
オペアンプ23・25は利得調整回路27から出力されるバイアス信号によりバイアス調整して位置検出用磁気センサ17a・17bから入力された電気信号を、オペアンプ23・25から出力される電気信号電圧がほぼ一定の振幅になるように増幅させた後にコンパレータ27・29に出力し、該コンパレータ27・29により敷居値以上の電圧の信号を取出して分周回路31・33に出力する。そして分周回路31・33により入力された電気信号を予め設定された所望の分解能に応じた個数の信号に分周して位置検出信号に生成する。
【0022】
今、移動体7の移動に伴って発生する振動や、移動体7に装着された電磁ソレノイドやシリンダ等の各種アクチェータが作動した際に発生する振動或いは移動体7を移動するように支持する機械系のがた等に起因する振動等により位置検出用磁気センサ17a・17bと磁気スケール9のギャップが広がって変位したとき、位置検出用磁気センサ17a・17bにより検出される磁界強度が、ギャップの二乗分の1に比例して低下し、位置検出用磁気センサ17a・17bから出力される電気信号[図4(A)に一点鎖線及び二点鎖線で示す。但し、振動等によりギャップが広がった際には、局所的に電圧が低下するが、説明の便宜上、電圧が低下した電気信号の波形を示す。]も大きく低下することになる。
【0023】
先ず、振動による磁界の乱れが発生した際には、位置検出用磁気センサ17a・17b自体が非導電性のカバー21で覆われているため、このカバー21に磁界の乱れによる渦電流が発生し、渦電流による磁界の生成を抑制することにより位置検出用磁気センサ17a・17bから出力される電気信号が低減するのを規制することにより位置検出を確実に行うことができる。
【0024】
また、位置検出用磁気センサ17a・17bと磁気スケール9のギャップが広がった際には、オペアンプ23・25から出力される電気信号電圧が、例えば敷居値以下になったり、敷居値以上であってもコンパレータ27・29によるラッチ箇所がsin曲線及びcos曲線の緩やかな曲線箇所になり、位置検出信号を確実に生成できないおそれがある。
【0025】
このような場合、補正用磁気センサ19自体も位置検出用磁気センサ17a・17bと同様に補正用磁気部材13・15に対するギャップが広がるように変位し、出力される補正信号の電圧も低下することになる。[図4(B)に一点鎖線及び二点鎖線で示す。但し、振動等によりギャップが広がった際には、局所的に電圧が低下するが、説明の便宜上、電圧が低下した電気信号の波形を示す。]
【0026】
このため、補正用磁気センサ19から出力される補正信号の電圧に基づいて利得調整回路27から出力されるバイアス信号を制御してオペアンプ23・25の増幅率を、出力される電気信号の振幅電圧がほぼ一定になるように可変させる。
【0027】
即ち、位置検出用磁気センサ17a・17bからの電気信号をA、補正用磁気センサ19からの補正信号をBとすると、位置検出用磁気センサ17a・17bと磁気スケール9、従って補正用磁気センサ19と補正用磁気部材13・15のギャップが正規の状態における補正信号の電圧をVref.とすると、補正信号の電圧変化率はVref./BVになり、利得調整回路27はこの電圧変化率に応じたバイアス信号をオペアンプ23・25へ出力して増幅率を可変させる。
【0028】
これによりオペアンプ23・25は位置検出用磁気センサ17a・17bからの電気信号を利得調整された増幅率で増幅して出力される電気信号を、ギャップが正規の状態の際の振幅電圧になるように補正する。
【0029】
本実施形態は、位置検出用磁気センサ17a・17bを非導電性のカバー21で覆うことにより振動による磁界の変化に伴って渦電流が発生するのを規制することにより位置検出用磁気センサ17a・17bからの電気信号電圧が低減するのを回避し、位置検出信号を確実に生成することができる。
【0030】
また、振動等により位置検出用磁気センサ17a・17bと磁気スケール9のギャップが変位した際には、位置検出用磁気センサ17a・17bからの電気信号を、補正用磁気センサ19からの補正信号に基づいてその振幅電圧がほぼ一定になるように補正して位置検出信号を確実に生成することができる。これらの作用により振動等に強い磁気式位置検出装置を構成することができる。
【0031】
上記説明は、位置検出用磁気センサ17a・17bを非導電性のカバー21で覆うと共に補正用磁気センサ19からの補正信号に基づいて位置検出用磁気センサ17a・17bからの電気信号の増幅率を可変して振幅電圧がほぼ一定になるように補正する補正手段を設ける構成としたが、本発明は、第1に位置検出用磁気センサ17a・17bを非導電性のカバー21で覆って振動による渦電流の発生を抑制して耐振動特性を高める構成、第2に補正用磁気センサ19からの補正信号に基づいて位置検出用磁気センサ17a・17bからの電気信号の増幅率を可変して振幅電圧がほぼ一定になるように補正する補正手段を設ける構成、第3に上記実施形態に示すカバー及び補正手段の双方を設ける構成のいずれであってもよい。
【0032】
また。上記説明では、補正用磁気センサ19に対向する側がN極及びS極にそれぞれ着磁された2個の補正用磁気部材13・15を設ける構成としたが、補正用磁気センサ19に対向する側がN極及びS極に着磁された1個の補正用磁気部材としてもよい。
【0033】
【発明の効果】
本発明は、磁気スケール及び磁気センサの相互ギャップが変位する場合であっても、磁気センサからの電気信号電圧をほぼ一定に補正して移動位置を確実で、かつ高精度に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】磁気式位置検出装置が装着される装置例を示す説明図である。
【図2】磁気式位置検出装置の概略を示す説明図である。
【図3】磁気式位置検出装置の平面説明図である。
【図4】(A)は磁気センサから出力される電気信号波形図、(B)は補正用磁気センサから出力される補正信号の波形図である。
【図5】磁気式位置検出装置の電気的ブロック図である。
【符号の説明】
1−磁気式位置検出装置、9−磁気スケール、13・15−補正用磁気部材、17a・17b−位置検出用磁気センサ、19−補正用磁気センサ
Claims (3)
- 長手方向に対してN極及びS極が所望のギャップをおいて交互に配列された磁気スケール部材及び該磁気スケール部材に対する磁界の変化により電気信号を出力する位置検出用磁気センサの相対移動に伴って磁気センサから出力される電気信号に基づいて移動体の移動量を検出する磁気式位置検出装置において、磁気スケール部材と位置検出用磁気センサの間に非導電性のカバー部材を設け、変化する磁界による渦電流の発生を規制可能にした磁気式位置検出装置。
- 長手方向に対してN極及びS極が所望のギャップをおいて交互に配列された磁気スケール部材及び該磁気スケール部材に対する磁界の変化により電気信号を出力する位置検出用磁気センサの相対移動に伴って磁気センサから出力される電気信号に基づいて移動体の移動量を検出する磁気式位置検出装置において、相対する側がN極及びS極にそれぞれ着磁され、磁気スケール部材と平行に配置された一対の補正用磁気部材及び各補正用磁気部材に相対して位置検出用磁気センサと一体に設けられ、各補正用磁気部材からの磁界に基づいて補正信号を出力する補正用磁気センサを備え、補正用磁気センサからの補正信号電圧の増減に基づいて磁気センサからの電気信号を、その振幅電圧がほぼ一定になるように補正する磁気式位置検出装置。
- 請求項2において、位置検出用磁気センサは磁気スケール部材に対して非導電性のカバーにより覆った磁気式位置検出装置。
Priority Applications (1)
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JP2002361546A JP2004191261A (ja) | 2002-12-13 | 2002-12-13 | 磁気式位置検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002361546A JP2004191261A (ja) | 2002-12-13 | 2002-12-13 | 磁気式位置検出装置 |
Publications (1)
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Country Status (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007183253A (ja) * | 2005-12-07 | 2007-07-19 | Mitsutoyo Corp | 振動機械の変位測定装置 |
CN111799866A (zh) * | 2020-07-19 | 2020-10-20 | 宇能电气有限公司 | 一种可实时识别锂电蓄电池状态的充电设备及状态识别方法 |
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2002
- 2002-12-13 JP JP2002361546A patent/JP2004191261A/ja active Pending
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