JP2004191171A - 入力受付装置及び入力受付方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】操作による抵抗体間の長手方向に対する導通位置を正確に検出することができるとともに、その操作力の大きさを正確に検出することができる入力受付装置を提供する。
【解決手段】第1及び第2の抵抗体1,3は、同一の長さL及び単位長さ当たり一定の同一抵抗値を有して平行配置されている。複数のスイッチ素子5は、その抵抗体1,3間に導通可能に設けられている。抵抗体1の一方側端部1aは所定の定電圧V1が印加される。抵抗体1の他方側端部1bの電圧値AD1及び抵抗体3の一方側端部3aの電圧値AD2が処理部7によって検出される。抵抗体3の他方側端部3bはグランドに接続される。そして、検出される電圧値AD1,AD2に基づいて、各スイッチ素子5の操作状態(操作の押圧力も含む)が処理部7によって検出される。
【選択図】 図1
【解決手段】第1及び第2の抵抗体1,3は、同一の長さL及び単位長さ当たり一定の同一抵抗値を有して平行配置されている。複数のスイッチ素子5は、その抵抗体1,3間に導通可能に設けられている。抵抗体1の一方側端部1aは所定の定電圧V1が印加される。抵抗体1の他方側端部1bの電圧値AD1及び抵抗体3の一方側端部3aの電圧値AD2が処理部7によって検出される。抵抗体3の他方側端部3bはグランドに接続される。そして、検出される電圧値AD1,AD2に基づいて、各スイッチ素子5の操作状態(操作の押圧力も含む)が処理部7によって検出される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、略平行に対向配置された線状又は帯状の第1及び第2の抵抗体間の操作により生じる直接的又は他の導電部材を介した間接的な導通状況に基づいて入力を受け付ける入力受付装置及び入力受付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来技術としては、複数の抵抗とスイッチの組み合わせにより、各スイッチにより異なった電圧(分圧)を検出可能な回路を構成し、複数のスイッチを電圧により判別する電圧検出スイッチがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−146053号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来技術では、各スイッチ導通時における検出する電圧にはそのスイッチの接触抵抗の影響が含まれているため、各スイッチの接触抵抗のバラツキにより、検出される分圧の値もバラツキが生じ、スイッチを正確に判別できない場合がある。
【0005】
そこで、本発明は、簡易な回路構成により、抵抗体間の接触抵抗等の影響を受けずに、操作による抵抗体間の長手方向に対する導通位置を正確に検出することができるとともに、その操作力の大きさ又はその大きさに関連する指標となる量を正確に検出することができる入力受付装置及び入力受付方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための技術的手段は、一方向に長く延びた形態を有し、略平行に対向配置された同一サイズの第1及び第2の抵抗体を有し、その両抵抗体がその長手方向について単位長さ当たり一定の同一抵抗値を有しており、処理部が、操作により生じる前記抵抗体間の直接的又は他の導電部材を介した間接的な導通状況に基づいて入力を受け付ける入力受付装置であって、前記第1の抵抗体における前記長手方向の一方側端部に第1の定電圧が印加され、その他方側端部が第1の電圧検出位置として設定され、前記第2の抵抗体における前記長手方向の一方側端部が、前記第1の電圧検出位置と反対側に位置するように第2の電圧検出位置として設定され、その他方側端部が、グランドに接続又は前記第1の定電圧よりも低い第2の定電圧を印加され、前記処理部が、前記第1の電圧検出位置及び前記第2の電圧検出位置の電圧値に基づいて、操作により前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通が生じた際における前記長手方向に対する前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通位置を検出するとともに、その操作力の大きさ又はその大きさに関連する指標となる量を検出するようになっている。
【0007】
好ましくは、前記処理部が、前記第1の電圧検出位置と前記第2の電圧検出位置との電位差に基づいて、操作により前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通が生じた際におけるその操作力の大きさ又はその大きさに関連する指標となる量を検出するのがよい。
【0008】
また、好ましくは、前記処理部が、前記電位差の値に基づいて、前記操作力の増減に応じて増減する所定の数値を算出し、その数値を前記指標となる量として検出するのがよい。
【0009】
さらに、好ましくは、前記処理部が、前記電位差の値が、前記操作力の大きさに応じて段階的に予め設定された複数の数値区間のうちのいずれの数値区間に属するかを判定することにより、前記操作力の大きさを検出するのがよい。
【0010】
また、好ましくは、前記処理部が、前記第1の電圧検出位置と前記第2の電圧検出位置との電位差が所定の値以下であるか否かを判定することにより、前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通の有無を検出し、前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通を検出した場合に、前記第1の電圧検出位置及び前記第2の電圧検出位置の電圧値に基づいて、前記長手方向に対する前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通位置を検出するとともに、前記操作力の大きさ又はその大きさに関連する指標となる量を検出するのがよい。
【0011】
さらに、好ましくは、前記処理部が、前記両抵抗体の前記長手方向に沿った長さをLとし、前記両抵抗体の一方側端部から前記導通位置までの距離をLxとし、前記第1の抵抗体の前記一方側端部の電圧値をV1とし、前記第2の抵抗体の前記他方側端部の電圧値をV2とし、前記第1の電圧検出位置の電圧値をAD1とし、前記第2の電圧検出位置の電圧値をAD2とした場合に、これらの変数L,Lx,V1,V2,AD1,AD2の関係より、前記導通位置を特定するための距離Lxに応じて変化する所定の位置計算値を算出し、その算出した位置計算値が、前記長手方向について前記両抵抗体に設定される複数のスイッチ位置に応じて予め設定された複数の計算値区間のうちのいずれの計算値区間に属するかを判定することにより、前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通位置が前記複数のスイッチ位置のいずれに対応するかを判定するのがよい。
【0012】
また、好ましくは、前記処理部が、前記第1の電圧検出位置と前記第2の電圧検出位置との電位差が予め設定された第1の基準レベルを下回ったときに前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通が生じたと判定し、その第1の基準レベルを下回った前記電圧差が前記第1の基準レベルよりも値の大きい予め設定された第2の基準レベルを上回ったときに前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通が終了したと判定するのがよい。
【0013】
さらに、好ましくは、前記処理部が、前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通の発生を検出した時点からその導通の終了を検出するまでの期間内において、前記第1の電圧検出位置及び前記第2の電圧検出位置の電圧値に基づいて、前記長手方向に対する前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通位置を検出するとともに、その操作力の大きさ又はその大きさに関連する指標となる量を検出するのがよい。
【0014】
また、前記目的を達成するための技術的手段は、一方向に長く延びた形態を有し、略平行に対向配置された同一サイズの第1及び第2の抵抗体を有し、その両抵抗体がその長手方向について単位長さ当たり一定の同一抵抗値を有しており、操作により生じる前記抵抗体間の直接的又は他の導電部材を介した間接的な導通状況に基づいて入力を受け付ける入力受付方法であって、前記第1の抵抗体における前記長手方向の一方側端部に第1の定電圧が印加され、その他方側端部が第1の電圧検出位置として設定され、前記第2の抵抗体における前記長手方向の一方側端部が、前記第1の電圧検出位置と反対側に位置するように第2の電圧検出位置として設定され、その他方側端部が、グランドに接続又は前記第1の定電圧よりも低い第2の定電圧を印加され、前記第1の電圧検出位置及び前記第2の電圧検出位置の電圧値に基づいて、操作により前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通が生じた際における前記長手方向に対する前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通位置を検出するとともに、その操作力の大きさ又はその大きさに関連する指標となる量を検出するようになっている。
【0015】
さらに、好ましくは、前記第1の電圧検出位置と前記第2の電圧検出位置との電位差に基づいて、操作により前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通が生じた際におけるその操作力の大きさ又はその大きさに関連する指標となる量を検出するのがよい。
【0016】
また、好ましくは、前記電位差の値に基づいて、前記操作力の増減に応じて増減する所定の数値を算出し、その数値を前記指標となる量として検出するのがよい。
【0017】
さらに、好ましくは、前記電位差の値が、前記操作力の大きさに応じて段階的に予め設定された複数の数値区間のうちのいずれの数値区間に属するかを判定することにより、前記操作力の大きさを検出するのがよい。
【0018】
また、好ましくは、前記第1の電圧検出位置と前記第2の電圧検出位置との電位差が所定の値以下であるか否かを判定することにより、前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通の有無を検出し、前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通を検出した場合に、前記第1の電圧検出位置及び前記第2の電圧検出位置の電圧値に基づいて、前記長手方向に対する前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通位置を検出するとともに、前記操作力の大きさ又はその大きさに関連する指標となる量を検出するのがよい。
【0019】
さらに、好ましくは、前記両抵抗体の前記長手方向に沿った長さをLとし、前記両抵抗体の一方側端部から前記導通位置までの距離をLxとし、前記第1の抵抗体の前記一方側端部の電圧値をV1とし、前記第2の抵抗体の前記他方側端部の電圧値をV2とし、前記第1の電圧検出位置の電圧値をAD1とし、前記第2の電圧検出位置の電圧値をAD2とした場合に、これらの変数L,Lx,V1,V2,AD1,AD2の関係より、前記導通位置を特定するための距離Lxに応じて変化する所定の位置計算値を算出し、その算出した位置計算値が、前記長手方向について前記両抵抗体に設定される複数のスイッチ位置に応じて予め設定された複数の計算値区間のうちのいずれの計算値区間に属するかを判定することにより、前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通位置が前記複数のスイッチ位置のいずれに対応するかを判定するのがよい。
【0020】
また、好ましくは、前記第1の電圧検出位置と前記第2の電圧検出位置との電位差が予め設定された第1の基準レベルを下回ったときに前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通が生じたと判定し、その第1の基準レベルを下回った前記電圧差が前記第1の基準レベルよりも値の大きい予め設定された第2の基準レベルを上回ったときに前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通が終了したと判定するのがよい。
【0021】
さらに、好ましくは、前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通の発生を検出した時点からその導通の終了を検出するまでの期間内において、前記第1の電圧検出位置及び前記第2の電圧検出位置の電圧値に基づいて、前記長手方向に対する前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通位置を検出するとともに、その操作力の大きさ又はその大きさに関連する指標となる量を検出するのがよい。
【0022】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る入力受付装置の構成を模式的に示す図である。この入力受付装置は、略平行に対向配置された同一長さLの第1及び第2の抵抗体1,3と、その抵抗体1,3間に導通可能に設けられた複数のスイッチ素子5と、処理部7とを備えて構成されており、処理部7が、入力される信号に基づいて各スイッチ素子5の導通状況を判定することにより、スイッチ素子5を介した操作入力が受け付けられる。
【0023】
両抵抗体1,3は、一方向に長く延びた形態(例えば、線状の形態)を有し、単位長さ当たり一定の同一抵抗値を有している。抵抗体1の一方側端部1aは、配線11を介して図示しない電源回路に接続され、所定の定電圧V1(第1の定電圧)が印加される。抵抗体1の他方側端部1bは、第1の電圧検出位置として設定され、配線13を介して処理部7に接続され、その他方側端部1bの電圧値AD1が処理部7によって検出される。抵抗体1の一方側端部1aと同方向の端部である抵抗体3の一方側端部3aが、第2の電圧検出位置として設定され、配線15を介して処理部7に接続され、その一方側端部3aの電圧値AD2が処理部7によって検出される。抵抗体3の他方側端部3bは、配線17を介してグランドに接続される。なお、本実施形態では、抵抗体3の他方側端部3bをグランドに接続するようにしたが、この他方側端部に、抵抗体1の一方側端部1aに印加する定電圧V1よりも低い定電圧(第2の定電圧)V2を印加するようにしてもよい。
【0024】
複数のスイッチ素子5は、抵抗体1,3の長手方向に配列されている。そして、各スイッチ素子5は、両抵抗体1,3に掛け渡されるようにして設けられており、押圧操作されると、抵抗体1,3に電気的に接触して抵抗体1,3間を電気的に導通させ、押圧操作が解除されるのに伴って抵抗体1,3から離反するようになっている。すなわち、各スイッチ素子5に対して押圧操作が行われている間だけ、その押圧操作が行われているスイッチ素子5に対応する抵抗体1,3の部分がそのスイッチ素子5を介して間接的に導通するようになっている。
【0025】
このため、いずれのスイッチ素子5も押圧操作されていない(オンされていない)場合には、抵抗体1,3間は電気的に遮断されている。このとき、抵抗体1の他方側端部1bの電圧値AD1は、定電圧V1と等しくなっており、抵抗体3の一方側端部3aの抵抗値AD2は、グランドレベルになっている。そして、いすれかのスイッチ素子5が押圧操作された場合には、そのスイッチ素子5を介して抵抗体1,3間が導通し、その押圧操作されたスイッチ素子5の位置に応じて、電圧値AD1,AD2の値が変化する。
【0026】
そこで、本実施形態では、各スイッチ素子5を抵抗体1,3上の予め決められた位置に設置することにより、電圧値AD1,AD2の変化状況に基づいて、各スイッチ素子5の操作の有無、及びいずれのスイッチ素子5が操作されたかを判定するようになっている。例えば、スイッチ素子5A,5B,5Cの抵抗体1,3の一方側端部1a,3aからの距離は、L1,L2,L3に設定されている。
【0027】
ここで、本実施形態では、抵抗体1の一方側端部1aに定電圧V1を印加し、抵抗体3の他方側端部3bをグランドに接続した状態で、抵抗体1の他方側端部1b及び抵抗体3の一方側端部3aの電圧値AD1,AD2を検出する構成であるため、スイッチ素子5が操作されて抵抗体1,3間がスイッチ素子5を介して導通した際に、抵抗体1の一方側端部1aからそのスイッチ素子5までの部分にかかる分圧、及び抵抗体3のそのスイッチ素子5から他方側端部3bまでの部分にかかる分圧等を、抵抗体1,3間のスイッチ素子5を介した接触抵抗の影響を受けずに正確に把握できるようになっている。
【0028】
なお、本実施形態では、複数のスイッチ素子5を設け、そのスイッチ素子5が押圧操作された場合に、そのスイッチ素子5が抵抗体1,3に導通し、これによって抵抗体1,3間がスイッチ素子5を介して間接的に導通する構成としたが、変形例として、スイッチ素子5を設けず、例えば、抵抗体1,3間の間隔を狭める方向に押圧操作を加えるようにし、その押圧操作が与えられた一方の抵抗体1,3が他方の抵抗体1,3に近接する方向に局所的に弾性変形して他方の抵抗体1,3に局所的に接触し、抵抗体1,3間が局所的に直接的に導通するようにしてもよい。この場合も、押圧操作の解除に伴って、一方の抵抗体1,3が他方の抵抗体1,3から離反するように元の形状に自立的に復帰し、抵抗体1,3間の導通が解除される。
【0029】
処理部7は、抵抗体1の一方側端部1aの電圧値AD1及び抵抗体3の他方側端部3bの電圧値AD2を検出するための電圧検出機能と、その検出した電圧値AD1,AD2に基づいて各スイッチ素子5の操作状態を判定するための判定処理機能と、その判定結果を外部に出力するための出力機能とを備えている。この処理部7の具体的構成としては、種々の構成が考えられるが、例えば、電圧検出を行うアナログ検出素子及び演算判定素子等を組み合わせて構成してもよいし、カスタム化されたICを用いて構成してもよいし、電圧信号の入力を受け付けるアナログ入力ポートを有する汎用マイコンを用いて構成してもよい。
【0030】
なお、電圧値AD1,AD2の検出に関係する回路には、使用環境に応じて、電磁ノイズ対策回路、静電気対策回路を設けるのが望ましい。
【0031】
図2は抵抗体1,3間の導通が生じた際の回路構成を模式的に示す図であり、抵抗体1,3の一方側端部1a,3aからの距離がLxの位置にあるスイッチ素子5が押圧操作されて抵抗体1,3間の導通が生じた状態に対応している。図2中のR1は抵抗体1,3の一方側端部1a,3aから距離Lxの位置までの部分の抵抗値を示し、R2は抵抗体1,3の距離Lxの位置から他方側端部1b,3bまでの部分の抵抗値を示し、Rcはスイッチ素子5を介した抵抗体1,3間の接触抵抗値を示している。なお、一般の場合、電圧値検出のための処理部7等へ入力インピーダンスは十分大きく設定されるため、以下の議論において配線13,15を介して処理部7に流れる電流は無視している。
【0032】
この導通状態において、抵抗体3の他方側端部3bの電圧値をV2とすると、変数L,Lx,R1,R2,V1,V2,AD1,AD2の間には、一例として、
【0033】
【数1】
【0034】
のような関係があり、この関係を用いて、操作されているスイッチ素子5を特定することができる。なお、本実施形態では、抵抗体3の他方側端部3bをグランドに接続したため、電圧値V2は0となっている。
【0035】
例えば、前記式(1)より、V2=0として、
【0036】
【数2】
【0037】
の関係式が得られ、この関係式を用いて、既知の値V1及び測定値AD1,AD2からLx/Lの値(位置算出値)を算出し、その算出値に基づいて操作されているスイッチ素子5を特定するようにしてもよい。
【0038】
なお、上記式(1),(2)は、一例に過ぎず、既知の値V1及び測定値AD1,AD2を用いてスイッチ素子5を特定可能な関係式としては、種々のものが考えられる。例えば、他の例としては、V2=0として、
【0039】
【数3】
【0040】
があり、この関係式を用いて、Lx/(L−Lx)の値(位置算出値)を算出し、その算出値に基づいて操作されているスイッチ素子5の位置を特定するようにしてもよい。
【0041】
また、電圧値V1,AD1,AD2と抵抗値R1,R2,Rcとの間には、
【0042】
【数4】
【0043】
のような関係がある(なお、式(4)において「*」は乗算記号である(以下、同様))。このため、電圧値AD1,AD2の差に基づいて、スイッチ素子5が安定接触状態となっているか否かを判定することができる。
【0044】
すなわち、スイッチ素子5への押圧力又は押圧量等が増大するのに伴って、抵抗体1,3間の導通経路上の電気接触部(抵抗体1,3とスイッチ素子5との間の電気接触部、スイッチ素子5を省略した場合は抵抗体1,3との間の電気接触部)の接触圧が大きくなるため、接触抵抗値Rcは、押圧力等の大きさに応じて図3のグラフのように変化し、一定値(Fon)以上の押圧力等が与えられると安定接触状態(図3のハッチング領域)となる。そこで、安定接触状態と判断できる接触抵抗値Rcの上限値をRcstとし、また、接触抵抗値RcがRcstとなるときのAD1−AD2の値をVst(本発明に係る所定の値、第1の基準値)とすると、前記式(4)は、
【0045】
【数5】
【0046】
となる。これより、AD1−AD2の値が、
【0047】
【数6】
【0048】
の関係を満たせば、スイッチ素子5が安定接触状態にあると判断できる。これに基づいて、本実施形態では、AD1−AD2の値が上記式(6)の関係を満たす場合に、抵抗体1,3間のスイッチ素子5を介して導通が生じた(スイッチ操作が行われた)と判定するようになっている。なお、図3中の値Rminについては、後述する。
【0049】
また、スイッチ素子5に対する押圧操作が行われた際に、接触抵抗値Rcが押圧力等の大きさに応じて図3のグラフのように変化するため、これに伴って、各電圧値AD1,AD2も押圧力等の大きさに応じて、図4のグラフのように変化する。このため、AD1−AD2の値も、図5のグラフのように、押圧力等の増大に伴って減少するように変化する。
【0050】
そこで、本実施形態では、AD1−AD2の値と押圧力等の大きさとの間におけるこのような相関関係に基づいて、スイッチ素子5に押圧操作が行われた際の押圧力の大きさを検出するようになっている。特に、押圧力等の大きさが一定値(Fon)を超えて接触抵抗値Rcが安定した安定接触状態(特に、図5に示す区間Z)では、AD1−AD2の値が押圧力等の増大に伴って緩やかに変化(減少)するため、AD1−AD2の値に基づいて容易にかつ正確に押圧力等の大きさを検出できるようになっている。なお、AD1−AD2の値を用いた押圧力等の検出処理の具体的内容については、後述する図10のフローチャートに基づく動作説明の中で詳述する。
【0051】
さらに、本実施形態では、複数のスイッチ素子5が同時に操作された場合(以後、「複数操作状態(複数導通状態)」という)を排除して、1個のスイッチ素子5が操作された場合(以後、「単数操作状態(単数導通状態)」のみについて入力の受け付けを行うようになっている。そこで、処理部7の具体的処理内容を説明する前に、複数導通状態と単数導通状態との判定原理について説明する。
【0052】
まず、図3に示すように、安定接触状態となる接触抵抗値Rcの値よりも小さな値である基準抵抗値Rmin(ここで、Rmin<Rcst)を導入し、接触抵抗値Rcが仮にその基準抵抗値RminとなるときのAD1−AD2の値をVminとすると、前記式(4)より、そのVminは、
【0053】
【数7】
【0054】
と与えられる。本実施形態では、この値Vmin(第2の基準値)を用いて、複数操作状態か単数操作状態かを判定している。より詳細には以下のような原理に基づいている。
【0055】
図6は単数操作状態における抵抗体1,3の回路構成を模式的に示す図であり、図7は図6の回路上の各ポイントの電圧値を示す図であり、図8は2個のスイッチ素子5が同時に操作された複数操作状態における抵抗体1,3の回路構成を模式的に示す図であり、図9は図8の回路上の各ポイントの電圧値を示す図である。図6及び図8において、R1〜R4は抵抗体1,3の対応する各部分の分割抵抗値である。図9では、簡単のため、接触抵抗値Rcが分割抵抗値R3よりも小さい場合について示している。
【0056】
このように、複数操作状態が生じた際、Rc<R3となっている場合には、図9に示されるように、AD1−AD2<0となるため、複数導通状態が生じていることを容易に判定することができる。なお、単数操作状態では、図7に示されるように、AD1−AD2>0となる。
【0057】
また、複数操作状態が生じた際に、Rc≧R3となっている場合には、AD1−AD2≧0となるが、複数操作状態におけるAD1−AD2の値は、単数操作状態におけるAD1−AD2の値よりも小さくなるため、上記の基準値Vminを適切に設定することにより、AD1−AD2の値と基準値Vminとの大小関係により、基準単数操作状態と複数操作状態とを判定できる。すなわち、AD1−AD2が、基準値Vmin未満である場合には、複数操作状態であると判断できる。
【0058】
そこで、本実施形態では、AD1−AD2の値が基準値Vmin未満である場合には、スイッチ位置の誤検出等を防止するため、操作入力の受け付けを行わないようにしている。すなわち、AD1−AD2の値がVmin以上、かつVst以下の範囲内にある場合にのみ入力の受け付けを行うようになっている。
【0059】
次に、図10に基づいて、処理部7のスイッチ位置及び押圧力の検出動作について説明する。まずステップS1で、電圧値AD1,AD2の検出が行われる。続くステップS2で、ステップS1で検出された電圧値AD1,AD2の引き算値(AD1−AD2)が、基準値Vmin以上、かつ基準値Vst以下の範囲内にあるか否かが判断され、その範囲内にある場合にはスイッチ操作ありと判断されてステップS3に進む一方、その範囲内にない場合にはスイッチ操作なしと判断されてステップS1に戻り、AD1−AD2の値が、Vmin以上、かつVst以下の範囲内になるまでステップS1,S2の処理が繰り返される。
【0060】
ここで、ステップS2において、スイッチ素子5の操作が検出されなかった場合には、スイッチ操作なしを示す信号を外部機器に出力するようにしてもよい。
【0061】
ステップS3では、前記式(2)により、検出した電圧値AD1,AD2と予め処理部7に登録された既知の電圧値V1とに基づいて、Lx/Lの値が算出される。
【0062】
続くステップS4では、その算出した位置計算値Lx/Lに基づいて、いずれのスイッチ素子5が操作されたのかが特定され、特定したスイッチ素子5に対応する信号が外部機器に出力される。より詳細には、処理部7には、図11に示すようなスイッチ位置判定用テーブルT1が予め登録されている。そのテーブルT1には、複数のスイッチ素子5に一対一に対応する複数の計算値区間Q1が位置計算値Lx/Lの取り得る値に応じて設定されている。その各計算値区間Q1は、所定の下限値(A1,A2,A3・・・)及び上限値(B1,B2,B3・・・)によって規定されており、電磁ノイズの影響、製造バラツキ等による電圧値AD1,AD2のバラツキ等を考慮して誤検出が起こらないように所定の幅を持たせて設定するのが好ましい。なお、各計算値区間Q1は、理論的な計算結果に基づいて設定してもよく、実際に各操作スイッチ5を操作して試験して得られる測定値に基づいて設定してもよい。
【0063】
そして、ステップS3で算出された位置計算値Lx/Lが、その複数の計算区間Q1のうちのいずれに属するかを判定することにより、いずれのスイッチ素子5が操作されたかが判定されるようになっている。
【0064】
続くステップS5では、ステップS1で検出した電圧値AD1,AD2の引き算値(AD1−AD2)に基づいたスイッチ素子5への押圧操作における押圧力等の検出処理が行われる。本実施形態では、AD1−AD2の値を変数とし、操作力の増減に応じて増減する数値を与える所定の計算式(関数)を設定し、AD1−AD2の値をその計算式に代入して、押圧力等の増減に伴って増減する所定の数値を算出し、その数値を押圧力等の大きさの指標となる量として検出している。
【0065】
具体的には、本実施形態では、以下の式(8)の計算式を用い、その計算式に検出したAD1−AD2の値を代入して演算することにより、指標となる量(数値Nf)を検出している。
【0066】
【数8】
【0067】
この式(8)中におけるVst,Vminには、前述の基準値Vst,Vminの予め設定した値が用いられる。AD1−AD2の値は、ステップS5の処理が行われる際には、ステップS2の条件より、VminからVstの値を取り得るため、式(8)の計算式により算出される数値Nfは、AD1−AD2の値の増減に伴って0と1との間で変化する。すなわち、数値Nfは、操作の押圧力等が一定値(Fon)を超えて増大してゆくのに伴って、0の値から徐々に大きくなり、1の値に近づいてゆくようになっている。
【0068】
そして、このステップS5では、AD1−AD2の値を式(8)の計算式に代入して指標となる数値Nfが算出され、その算出された数値Nfを示す信号が、操作の操作力等の大きさの指標として外部機器に出力される。
【0069】
ステップS5での処理が終了すると、再びステップS1に戻り、ステップS1〜S5が繰り返されることにより、スイッチ素子5の操作検出が行われる。
【0070】
なお、上述の処理のステップS3,S4では、前記式(2)の関係に基づいてスイッチ位置の検出を行うようにしたが、前記式(2)以外の関係式、例えば前記式(3)を用いてスイッチ位置の検出を行うようにしてもよい。
【0071】
また、ステップS5での押圧力の検出に、式(8)の計算式以外のものを用いてもよい。例えば、AD1−AD2をその変数とし、式(8)の計算式が与える数値Nfよりも実際の押圧力等の大きさとの相関性の高い数値を与える関数を試験等により導出し、その関数を式(8)の計算式の代わりに用いてもよい。
【0072】
さらに、電磁ノイズ、チャタリング等の影響による誤動作を防止するため、ソフト的なフィルタ処理として、ステップS1等の電圧値AD1,AD2の検出の際には、電圧値AD1,AD2の平均化処理を行うようにしてもよく、あるいは、ステップS1からステップS4にかけてのスイッチ位置検出のための処理を複数回行い、その各回で検出したスイッチ位置が一致した場合に、スイッチ位置の検出結果を確定的なものとして外部機器に出力するようにしてもよい。このソフト的なフィルタ処理は、後述の第2ないし第5実施形態にも適用してもよい。
【0073】
以上のように、本実施形態によれば、スイッチ素子5が操作されて抵抗体1,3間がスイッチ素子5を介して導通した際に、抵抗体1の一方側端部1aからそのスイッチ素子5までの部分にかかる分圧、及び抵抗体3のそのスイッチ素子5から他方側端部3bまでの部分にかかる分圧等を、抵抗体1,3間のスイッチ素子5を介した接触抵抗の影響を受けずに正確で把握できるため、いずれのスイッチ素子5が操作されたかを正確に特定することができる。
【0074】
また、スイッチ素子5に対して押圧操作が行われた際の押圧力等の大きさ又はその大きさに関連する指標となる量(本実施形態では、数値Nf)を、検出した電圧値AD1,AD2の引き算値(AD1−AD2)に基づいて容易、かつ正確に検出できる。その結果、いずれのスイッチ素子5が操作されたかだけでなく、操作が行われた際の押圧力の大きさ等も一緒に検出することができ、多様な操作入力を受け付けることができる。
【0075】
例えば、所定のスイッチ素子5(あるいはスイッチ位置)を押圧操作してそのスイッチ素子5に対応付けられている指令を入力する際、その指令による操作対象の各種機器におけるその指令に対する反応内容(反応の度合いなど)を変化させることができる。例えば、音量を上げる指令が対応づけられているスイッチ素子5を強く押圧操作した場合には、弱く押圧操作した場合に比して操作に対する音量アップの度合い(変化率)を大きくするなどが考えられる。なお、本実施形態に係る入力受付装置の他の具体的な適用例については、実施の形態の説明の最後に記載する。
【0076】
さらに、AD1−AD2の値を式(8)の計算式に代入して、操作の押圧力の大きさに相関のある数値Nfを算出するため、押圧力の大きさ等の検出を容易に行うことができる。
【0077】
また、操作されたスイッチ素子5を特定するための所定の位置計算値(例えば、Lx/L)を、変数L,Lx,V1,AD1,AD2の関係より容易に算出することができるとともに、その位置計算値に基づいて操作されたスイッチ位置に検出を容易に行うことができる。
【0078】
さらに、AD1−AD2の値がVst以下であるか否かを判定することにより、スイッチ素子5が操作されたか否かを高い信頼性で容易に判定することができる。
【0079】
また、AD1−AD2の値がVst以上、かつVmin以下である場合にのみ入力受付のための処理(スイッチ位置検出及び押圧力検出)が行われるため、操作が不十分である等の要因によりスイッチ素子5が安定接触状態にない状態で入力受付処理が行われてしまったり、複数のスイッチ素子5が操作されているのにかかわらず、1個のスイッチ素子5が操作されているものと誤判断されて、入力受付処理が行われてしまうのを防止することができ、入力受付の信頼性の向上が図れる。
【0080】
<第2実施形態>
図12は、本発明の第2実施形態に係る入力受付装置の入力受付処理のフローチャートである。本実施形態に係る入力受付装置が前述の第1実施形態に係る入力受付装置と実質的に異なる点は、処理部7の処理内容が異なるのみであり、互いに対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0081】
本実施形態に係る処理部7の処理内容が第1実施形態に係る処理部7の処理内容と異なる点は、操作の押圧力検出を行う前述の図10のステップS5の処理内容が図12のステップS6の処理内容に置き換えられたのみであるため、ここではステップS6の処理内容についてのみ説明する。
【0082】
ステップS6では、ステップS1で検出した電圧値AD1,AD2の引き算値(AD1−AD2)に基づいたスイッチ素子5への押圧操作における押圧力等の検出処理が行われる。本実施形態では、処理部7に、図13に示すような押圧力判定用テーブルT2が予め登録されている。そのテーブルT2には、操作入力受付時にAD1−AD2の値が取り得る範囲(ここでは、基準値Vminから基準値Vstまでの範囲)をN(Nは2以上の自然数)個に分割して得られるN個の数値区間Q2が予め設定されている。図13中のC1,C2,C3,・・・,C(N−1)は、基準値Vminから基準値Vstまでの範囲をN個の数値区間Q2に分割するための中間境界値であり、C1>C2>C3>・・・>C(N−1)の関係を有し、これらの値を境として各数値区間Q2が仕切られている。すなわち、この数値区間Q2の数(N)によって、押圧操作の押圧力等の大きさを何段階に分けて検出するかが決定され、各数値区間Q2が検出すべき押圧力等の大きさの各段階に対応している。
【0083】
そして、検出したAD1−AD2の値が、複数の数値区間Q2のうちのいずれの数値区間Q2内に属するかを判定することにより、押圧操作の押圧力等の大きさが検出され、押圧力等の大きさが予め設定されたN個の段階のうちのいずれに属するかを示す信号(例えば、押圧力の増大に応じて段階的に1からNまで変化する数値)が外部機器に出力される。
【0084】
以上のように、本実施形態においても、押圧操作の押圧力等の大きさを検出するための構成が異なる点に関連する効果を除いて、前述の第1実施形態と同様な効果が得られるとともに、検出したAD1−AD2の値が、複数の数値区間Q2のうちのいずれの数値区間Q2内に属するかを判定することにより、押圧操作の押圧力等の大きさが検出されるため、押圧力等の大きさのを容易に検出することができる。
【0085】
<第3実施形態>
図14は、本発明の第3実施形態に係る入力受付装置の入力受付処理のフローチャートである。本実施形態に係る入力受付装置が前述の第1実施形態に係る入力受付装置と実質的に異なる点は、処理部7の処理内容が異なるのみであり、互いに対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0086】
本実施形態の構成について具体的に説明する前に、本実施形態において解決しようとしている課題及びその解決手段について説明する。
【0087】
スイッチ素子5への押圧操作が行われた際は、その操作の押圧力又は押圧量は時間経過に伴って図15に示すように変化する。そして、例えば、押圧力又は押圧量(あるいはそれに対応する他の値)が所定の基準レベル(Fon)を上回った場合に操作が開始された(スイッチ素子5がオンした)と判定され、押圧力又は押圧量が基準レベル(Fon)を下回った場合に操作が終了(解除)された(スイッチ素子5がオフした)と判定される。
【0088】
なお、図15中の期間T1はスイッチ素子5がオンしていると判定される期間を示し、期間T2はスイッチ素子5がオフしていると判定される期間を示している。また、図16は、図15の操作における抵抗体1,3間の接触抵抗値Rcの時間変化の様子を示すグラフを示したものであり、図16中の抵抗値Rcstは前述の図3の抵抗値Rcstと同一であり、押圧力に対する基準レベル(Fon)に対応する接触抵抗値Rcに対応している。また、図18中の抵抗値Rminは前述の図3に示す抵抗値Rminと同一である。
【0089】
しかし、上記のように押圧力又は押圧量等と単一の基準レベル(Fon)との関係により操作の開始及び終了の判定を行うようにした場合には、以下のような問題が生じる。
【0090】
すなわち、図15に示すように、基準レベル(Fon)を上回る十分な押圧強度で操作が行われた場合には、押圧操作の押圧力又は押圧量等が基準レベル(Fon)を上回った後に、押圧力又は押圧量等が不本意にふらついた場合でも、期間T1の間はスイッチ素子5がオンしているとの判定が保持される。しかし、図17に示すように、基準レベル(Fon)の近傍の押圧強度で操作が行われた場合において、押圧力又は押圧量等の不本意なふらつきが生じた場合には、押圧力又は押圧量等が基準レベル(Fon)をまたいで変動し、本来は1回の操作であるのに複数回の操作が行われたものとして誤って入力されてしまうこととなる。なお、図17中の期間T3はスイッチ素子5がオンしていると判定される期間を示し、期間T4はスイッチ素子5がオフしていると判定される期間を示している。また、図18は、図17の操作における抵抗体1,3間の接触抵抗値Rcの時間変化の様子を示すグラフを示したものである。また、図15及び図17中のW1は、操作中に押圧力等の不本意なふらつきが生じた際のふらつき幅を示している。
【0091】
そこで、本実施形態では、操作の有無の判定基準として第1及び第2の基準レベルを設け、操作中の押圧力等の不本意なふらつきに対する対策を講じている。すなわち、図19に示すように、操作の有無の判定基準として第1の基準レベル(Fon,Rcst,Vst)と、第2の基準レベル(Foff,Roff,Voff)とを設けている。
【0092】
ここで、第1の基準レベル(Fon,Rcst,Vst)は操作の開始時点を判定するためのものであり、第2の基準レベル(Foff,Roff,Voff)は操作の終了時点を判定するためのものである。また、基準レベル(Fon,Foff)は操作の押圧力又は押圧量に対するものであり、基準レベル(Rcst,Roff)は抵抗体1,3間の接触抵抗値Rcに対するものであり、基準レベル(Vst,Voff)は前述の電圧値AD1,AD2の引き算値AD1−AD2に対するものであり、これらの基準レベルは互いに対応している。すなわち、操作が行われた際の押圧力又は押圧量が基準レベル(Fon又はFoff)であるときに、抵抗体1,3間の接触抵抗値Rcは基準レベル(Rcst又はRoff)にあり、かつ、電圧値AD1,AD2の引き算値AD1−AD2は基準レベル(Vst又はVoff)にある。また、基準レベル(Rcst)と基準レベル(Vst)との関係は前述の式(5)により与えられ、基準レベル(Roff)と基準レベル(Voff)との関係は下記の式(9)により与えられる。
【0093】
【数9】
【0094】
次に、第1の基準レベル(Fon,Rcst,Vst)と第2の基準レベル(Foff,Roff,Voff)との大小関係について説明する。操作の押圧力又は押圧量に対する基準レベル(Fon,Foff)を基準として、図19に示すように、基準レベル(Fon)よりも基準レベル(Foff)が小さな値になるように各レベルが設定される。これに伴って、基準レベル(Rcst)と基準レベル(Roff)とでは、基準レベル(Roff)の方が大きな値となり、基準レベル(Vst)と基準レベル(Voff)とでは基準レベル(Voff)の方が大きな値となる。
【0095】
ここで、本実施形態の場合、第2の基準レベル(Voff)の設定値は、Vst<Voff<V1の範囲で任意に取ることが可能であり、操作強度のふらつきによる操作回数の誤検知を防止するためには、第1の基準レベル(Fon)と第2の基準レベル(Foff)との差が十分に大きくなるように設定するのが好ましい。
【0096】
そして、本実施形態では、電圧値AD1,AD2の引き算値AD1−AD2に対する第1及び第2の基準レベル(Vst,Voff)を用いて、値AD1−AD2が、第1の基準レベル(Vst)よりも大きな値からそれよりも小さな値になったか否かを判定し、値AD1−AD2が第1の基準レベル(Vst)を下回った時点で、1回分の操作が開始された(スイッチ素子5がオンされた)と判定するようになっている。また、第1の基準レベル(Vst)を下回った値AD1−AD2が第2の基準レベル(Voff)を上回ったか否かを判定し、値AD1−AD2が第2の基準レベル(Voff)を上回った時点で、1回分の操作が終了された(スイッチ素子5がオフされた)と判定するようになっている。
【0097】
これによって、操作が行われて電圧値AD1,AD2の引き算値AD1−AD2が第1の基準レベル(Vst)を下回り、操作の開始が検出されると、値AD1−AD2が第1の基準レベル(Vst)よりも値の大きい第2の基準レベル(Voff)を上回るまでは操作が継続していると判定されるため、第1の基準レベル(Fon)の近傍の押圧強度で操作が行われた場合において、押圧力又は押圧量等の不本意なふらつきにより、押圧力又は押圧量等が第1の基準レベル(Fon)をまたいで変動した場合であっても、本来は1回の操作であるのに複数回の操作が行われたものとして誤って判定されることがない。
【0098】
なお、AD1−AD2の値が第1の基準レベル(Vst)を上回った状態から、第1の基準レベル(Vst)を下回り、第1の基準レベル(Vst)よりも値の小さい第3の基準レベル(ここでは、前述の基準値Vminと同一)をも下回っている場合には、スイッチの操作状態が前述の複数操作状態にあると考えられる。このため、本実施形態では、AD1−AD2の値が第1の基準レベル(Vst)を下回ったか否かを判定して操作の開始時を検出する際に、AD1−AD2の値が第1の基準レベル(Vst)だけでなく第3の基準レベル(Vmin)をも下回っている場合には、操作入力の誤検出を防止するため、操作の受け付けを行わないこととしている。
【0099】
次に、本実施形態に係る処理部7の入力受付処理の具体的内容について説明する。本実施形態に係る入力受付処理は、図14に示すように、実質的に前述の図10の処理内容にステップS11,S12を追加したような内容となっている。
【0100】
すなわち、まずステップS1で、電圧値AD1,AD2の検出が行われる。続くステップS2で、AD1−AD2の値が第1の基準レベル(Vst)以下、かつ基準レベル(Vmin)以上の範囲になったか否か、すなわちいずれかのスイッチ素子5への操作が開始されたか否かが判定される。AD1−AD2の値がその範囲内になった場合にはスイッチ操作あり(スイッチ操作が開始された)と判断されてステップS3に進む一方、その範囲内にない場合にはスイッチ操作なしと判断されてステップS1に戻り、AD1−AD2の値が、Vmin以上、かつVst以下の範囲内になるまでステップS1,S2の処理が繰り返される。
【0101】
ここで、ステップS2において、スイッチ素子5の操作が検出されなかった場合には、スイッチ操作なし(スイッチオフ)を示す信号を外部機器に出力するようにしてもよい。
【0102】
ステップS3,S4,S5では、前述の図10のステップS3,S4,S5と同様な処理が行われ、位置計算値Lx/Lが前述の複数の計算区間Q1のうちのいずれに属するかを判定することにより、いずれのスイッチ素子5が操作されたかが判定されるとともに、AD1−AD2の値に基づいて値Nfが算出されて押圧操作の押圧力等の大きさが検出されて、ステップS11に進む。このステップS4,S5において、特定されたスイッチ素子5が操作された(オンされた)ことを示す信号、及び押圧操作の押圧力等の大きさ示す信号を外部機器に出力するようにしてもよい。
【0103】
ステップS11では、電圧値AD1,AD2の検出が行われる。続くステップS12で、AD1−AD2の値が第2の基準レベル(Voff)を上回っているか否か、すなわちそれまで行われていたスイッチ素子5への操作が終了されたか否かが判定される。そして、スイッチ素子5への操作が終了されたと判断された場合にはステップS1に戻る一方、スイッチ素子5への操作が終了されていないと判断された場合にはステップS15に戻り、スイッチ素子5への操作が終了するまでステップS5,S11,S12の処理が繰り返される。なお、ステップS5では、ステップS5の処理が行われる際に検出されている最新の電圧値AD1,AD2を用いて押圧力等の大きさの検出が行われる。また、ステップS12において、スイッチ素子5の操作の終了が検出された場合には、スイッチ操作終了(スイッチオフ)を示す信号を外部機器に出力するようにしてもよい。
【0104】
そして、このようなステップS1〜S5,S11,S12が繰り返されることにより、スイッチ素子5の操作検出が行われる。
【0105】
なお、この図14の処理では、ステップS2で操作の開始が検出されて、ステップS3,S4にてスイッチ位置検出が行われた後は、ステップS17で操作の終了が検出されるまで、ステップS16,S17の処理が繰り返されるため、操作開始の検出時点から操作終了の検出時点までの期間において、操作開始が検出された直後のタイミングで、ステップS3,S4によるスイッチ位置検出が1回だけ行われるようになっている。なお、操作の押圧力の検出は、押圧力操作の開始から終了まで間においてステップS5の処理が定期的に繰り返され、定期的に行われるようになっている。
【0106】
以上のように、本実施形態においても、スイッチ素子5への操作の有無の判定に第1及び第2の2つの基準レベル(Vst,Voff)を用いる点及びそれに関連する点を除いて、前述の第1実施形態とほぼ同様な効果が得られるとともに、操作が行われて電圧値AD1,AD2の引き算値AD1−AD2が第1の基準レベル(Vst)以下で、かつ第3の基準レベル(Vmin)以上の範囲内になり、操作の開始が検出されると、値AD1−AD2が第1の基準レベル(Vst)よりも値の大きい第2の基準レベル(Voff)を上回るまでは操作が継続していると判定されるため、押圧力又は押圧量等の不本意なふらつきにより、本来は1回の操作であるのに複数回の操作が行われたものとして誤って判定されるのを防止できる。
【0107】
また、本実施形態では、操作開始の検出時点から操作終了の検出時点までの期間において、操作開始直後のタイミングでステップS3,S4によるスイッチ位置検出が1回だけ行われるようになっているため、1回の操作に対してスイッチ位置検出を1回だけ行うのが好ましいような場合に適している。
【0108】
なお、本実施形態の変形例として、図14のステップS5の処理の代わりに図12のステップS6の処理を行うようにしてもよい。
【0109】
<第4実施形態>
図20は、本発明の第4実施形態に係る入力受付装置の入力受付処理のフローチャートである。本実施形態に係る入力受付装置が前述の第3実施形態に係る入力受付装置と実質的に異なる点は、処理部7の処理内容が一部異なるのみであり、互いに対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0110】
本実施形態では、複数操作状態において操作されているスイッチ素子5を特定するために、図20に示すように、前述の図14のステップS2の処理が2つのステップS13,S14に分割されているとともに、それに伴ってステップS15がさらに追加されている。また、ステップS12の処理において操作の終了が検出されなかった場合には、ステップS14の処理に戻るようになっている。これによって、スイッチ操作の有無の判定、スイッチ操作の押圧力等の大きさの判定、単数操作状態における操作されているスイッチ素子5の特定、及び複数操作状態における操作されている各スイッチ素子5の特定が可能となっている。
【0111】
ステップS13では、ステップS1で検出された電圧値AD1,AD2の引き算値(AD1−AD2)がVst以下であるか否か、すなわちいずれかのスイッチ素子5が操作されて安定接触状態となっているか否かが判定され、これによっていずれかのスイッチ素子5が操作(オン)されたか否かが判定される。そして、いずれかのスイッチ素子5が操作されたと判断された場合にはステップS3に進む一方、いずれのスイッチ素子5も操作されていないと判断された場合にはステップS1に戻り、いずれかのスイッチ素子5が操作されるまでステップS1,S2の処理が繰り返される。
【0112】
続くステップS14では、AD1−AD2の値が基準値Vmin以下であるかが判断されることにより、スイッチ素子5の操作状態が単数操作状態及び複数操作状態のいずれになっているかが判断され、単数操作状態と判断された場合にはステップS3に進み前述の場合と同様な処理が行われて操作が行われているスイッチ素子5の特定等が行われてステップS5に進む一方、複数操作状態と判断された場合にはステップS15に進む。
【0113】
ステップS15では、ステップS1で検出された電圧値AD1,AD2に基づいて下記の原理により、いずれの複数個のスイッチ素子5が操作されているかが判定されて、その検出結果が外部機器に出力されて、ステップS5に進む。
【0114】
ステップS15の処理をより詳細に説明すると、処理部7には、図21に示すようなスイッチ位置判定用テーブルT3が予め登録されている。そのテーブルT3には、複数個のスイッチ素子5が同時に操作されたときに電圧値AD1,AD2が取り得る値の範囲を規定する2個の電圧値区間Q3,Q4からなるセットU1が、操作される複数個のスイッチ素子5の組み合わせ態様の種類の数だけ設定され、その各組み合わせ態様に対応付けられている。その各電圧値区間Q3,Q4は、所定の下限値(α1,α2,α3・・・),(γ1,γ2,γ3・・・)及び上限値(β1,β2,β3・・・),(δ1,δ2,δ3・・・)によって規定されており、電磁ノイズの影響、製造バラツキ等による電圧値AD1,AD2のバラツキ等を考慮して誤検出が起こらないように所定の幅を持たせて設定するのが好ましい。なお、各電圧値区間Q3,Q4は、理論的な計算結果に基づいて設定してもよく、実際に各操作スイッチ5を操作して試験して得られる測定値に基づいて設定してもよい。
【0115】
例えば、前述の図8で示されるように、2個のスイッチ素子5が同時に操作され、2箇所で抵抗体1,3間の導通が生じている場合には、電圧値AD1,AD2の値は、下記の式(10),(11)によって一義的に決定される。
【0116】
【数10】
【0117】
すなわち、抵抗体1,3の一方側端部1a,3aから各スイッチ素子5までの距離は既知であるため、接触抵抗値Rcの値を予め予測しておくことにより、検出した電圧値AD1,AD2の値より、複数のスイッチ素子5のうちの2個のスイッチ素子5がどのような組み合わせ態様で操作されたかを判定できるようになっている。よって、上記式(10),(11)を用いることによっても、上記の各セットU1の電圧値区間Q3,Q4を設定することができる。
【0118】
3個以上のスイッチ素子5が同時に操作された場合についても、同様な考え方で、電圧値AD1,AD2より操作されたスイッチ素子5を判定できる。
【0119】
このステップS15における実際の判定処理では、ステップS1で検出された電圧値AD1,AD2が、複数のセットU1のうちのいずれのセットU1の電圧値区間Q3,Q4内に属するを判定することにより、複数個のスイッチ素子5がどのような組み合わせ態様で操作されたかが検出される。より詳細には、検出された電圧値AD1,AD2が複数のセットU1のうちの同一のセットU1の電圧値区間Q3,Q4内に属している場合(例えば、α1<AD1<β1であり、かつγ1<AD2<δ1である場合)にのみ、そのセットU1に対応する組み合わせ態様で複数個のスイッチ素子5が操作されたことを示す信号が外部機器に出力される。それ以外の場合、すなわち、電圧値AD1,AD2が互いに異なるセットU1の電圧値区間Q3,Q4内に属している場合や、電圧値AD1,AD2のいずれか一方又は両方がいずれのセットU1の電圧値区間Q3,Q4内にも属していない場合には、スイッチ操作なしを示す信号が外部機器に出力される。
【0120】
なお、ステップS5,S11,S12の処理内容は、前述の第3実施形態と同様であるが、前述のように、ステップS12の処理により操作の終了が検出されない場合には、ステップS14に戻るようになっている。このため、操作開始が検出されてから操作終了が検出されるまでの間、ステップS3〜S5,S11,S12,S14,S15の処理が繰り返され、これによってスイッチ位置の検出及びスイッチ操作の押圧力等の大きさの検出が繰り返されるようになっている。
【0121】
以上のように、本実施形態によれば、前述の第3実施形態とほぼ同様な効果が得られるとともに、複数個のスイッチ素子5が同時に操作された場合にも、検出した電圧値AD1,AD2に基づいていずれのスイッチ素子5が操作されたかを判定することができ、多様な操作入力を受け付けることができる。
【0122】
また、AD1−AD2の値に基づいて、ステップS14にてスイッチ素子5の操作状態が単数操作状態又は複数操作状態のいずれであるかを判定してから、単数操作状態と複数操作状態との場合に分けて、操作されたスイッチ素子5の判定を行う構成であるため、操作されたスイッチ素子5の判定を正確に行うことができる。
【0123】
さらに、操作開始の検出時点から操作終了の検出時点までの期間内におけるステップS3〜S5,S15の繰り返し処理の速度を調節することにより、その期間内において、スイッチ位置及びスイッチ押圧力等を定期的に複数回検出する構成としたり、スイッチ位置及びスイッチ押圧力等を実質的に連続的に検出する構成としたりすることができる。
【0124】
なお、本実施形態の変形例として、図20のステップS5の処理の代わりに図12のステップS6の処理を行うようにしてもよい。
【0125】
<第5実施形態>
図22は、本発明の第5実施形態に係る入力受付装置の入力受付処理のフローチャートである。本実施形態に係る入力受付装置が前述の第4実施形態に係る入力受付装置と実質的に異なる点は、処理部7の処理内容が一部異なるのみであり、互いに対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0126】
本実施形態では、図22に示すように、前述の図20のステップS12の後にステップS16,S17が追加されている。
【0127】
すなわち、ステップS12の処理において、操作の終了が検出された場合にはステップS1に戻る一方、操作の終了が検出されない場合にはステップS16に進む。
【0128】
ステップS16では、ステップS11で検出された電圧値AD1,AD2の引き算値(AD1−AD2)が基準値Vmin以下であるかが判断されることにより、その時点におけるスイッチ素子5の操作状態が単数操作状態及び複数操作状態のいずれになっているかが判断され、単数操作状態と判断された場合にはステップS5に戻る一方、複数操作状態と判断された場合にはステップS17に進む。
【0129】
ステップS17では、前述のステップS15と同様な処理により、その時点で操作されている複数のスイッチ素子5の特定が行われ、特定されたスイッチ素子5を示す信号が外部機器に出力されてステップS5に戻る。
【0130】
このため、ステップS13で操作の開始が検出され、操作されたスイッチ位置の検出がステップS4,S15等で行われた後は、ステップS12で操作の終了が検出されるまで、ステップS5,S11,S12,S16,S17の処理が繰り返され、スイッチ操作の押圧力等の大きさの検出、及び複数操作状態にある場合における各スイッチ位置の検出が繰り返し行われるようになっている。
【0131】
以上のように、本実施形態においても、前述の第4実施形態とほぼ同様な効果が得られる。
【0132】
ただし、操作開始の検出時点から操作終了の検出時点までの期間内において、前述の第4実施形態では、スイッチ操作状態が単数操作状態と複数操作状態とのいずれにあるかにかかわらず、スイッチ位置の検出が繰り返されるようになっている。これに対し、本実施形態では、操作開始の検出時にスイッチ操作状態が単数操作状態である場合には、操作開始から操作終了までの過程でスイッチ位置の検出はステップS4にて1回だけ行われるようになっている。なお、スイッチ操作状態が複数操作状態であると判定された場合には、本実施形態においても、操作開始から終了までの間において繰り返し処理されるステップS15,S17にてスイッチ位置の検出が行われる。よって、操作開始当初は、スイッチ操作状態が単数操作状態であった場合でも、操作が終了するまでの過程で、複数操作状態に切り替わった場合には、ステップS17にてスイッチ位置の検出が行われるようになっている。
【0133】
なお、本実施形態の変形例として、図22のステップS5の処理の代わりに図12のステップS6の処理を行うようにしてもよい。
【0134】
<変形例等>
図23は、前述の第1ないし第5実施形態に係る入力受付装置の変形例の要部構成を示す図である。この変形例では、前述の各実施形態に係る線状の抵抗体1,3の代わりに、図23に示すように、一方向に帯状に長く延びる抵抗体1,3が設けられている。この抵抗体1,3は、その長手方向に垂直な横幅方向に所定の幅を有しており、所定の間隔をあけて絶縁基板21上に略平行に配設されている。そして、スイッチ素子5の押圧操作に伴って、両抵抗体1,3間がそのスイッチ素子5を介して間接的に導通するようになっている。
【0135】
図24は、前述の第1ないし第5実施形態に係る入力受付装置の他の変形例の要部構成を示す図である。この変形例では、前述の各実施形態に係る線状の抵抗体1,3の代わりに、図24に示すように、所定の幅を有する帯状の抵抗体1,3が略平行に対向して設けられているとともに、スイッチ素子5が省略されており、いずれか一方の抵抗体1,3(例えば、抵抗体1)に対して押圧操作が直接的に行われ、その操作された抵抗体1,3の部分が局所的に弾性変形し、相手側の抵抗体1,3(例えば、抵抗体3)に直接的に電気接触し、それによって抵抗体1,3間がその接触部を介して直接的に導通するようになっている。この両抵抗体1,3間の電気接触は、押圧操作の解除に伴って解除される。
【0136】
前述の各実施形態及びその変形例に係る入力受付装置は、複数のスイッチ素子5(あるいはスイッチ位置)のうちのいずれのスイッチ素子5が操作されたかを特定できるとともに、そのスイッチ素子5に対する操作の押圧力等の大きさも検出できるため、その適用例としては操作の必要な多様な装置の入力受付装置として適用できる。その適用例の具体例の一部をあげると以下のようなものが考えられる。
【0137】
例えば、所定のスイッチ素子5(あるいはスイッチ位置)にオーディオ装置の音量調節のための指令が割り当てられている場合に、そのスイッチ素子5への操作の押圧力が大きいほど、操作に対する音量の変化度合い(変化率)を大きくすることが考えられる。
【0138】
また、所定のスイッチ素子5(あるいはスイッチ位置)にチューナーの選局変更のための指令が割り当てられている場合に、そのスイッチ素子5への操作の押圧力が大きいほど、選局送りの早さを大きくすることが考えられる。
【0139】
さらに、所定のスイッチ素子5(あるいはスイッチ位置)に車両等のパワーウィンドウの開閉のための指令が割り当てられている場合に、そのスイッチ素子5への操作の押圧力が大きいほど、パワーウィンドウの開閉速度を大きくすることが考えられる。
【0140】
また、所定のスイッチ素子5(あるいはスイッチ位置)に時計の時間設定のための指令が割り当てられている場合に、そのスイッチ素子5への操作の押圧力が大きいほど、時間設定のための時間送り速度(又は時間戻り速度)を大きくすることが考えられる。
【0141】
さらに、所定のスイッチ素子5(あるいはスイッチ位置)に表示装置の表示画面(例えば、カーナビゲーション装置の地図画面)又はその表示画面上におけるカーソル位置をスクロールするための指令が割り当てられている場合に、そのスイッチ素子5への操作の押圧力が大きいほど、表示画面又はカーソル位置のスクロール速度を大きくすることが考えられる。
【0142】
【発明の効果】
請求項1及び9に記載の発明によれば、第1の抵抗体における長手方向の一方側端部に第1の定電圧が印加され、その他方側端部が第1の電圧検出位置として設定され、第2の抵抗体の一方側端部が第2の電圧検出位置として設定され、その他方側端部がグランドに接続又は第1の定電圧よりも低い第2の定電圧を印加され、第1の電圧検出位置及び第2の電圧検出位置の電圧値に基づいて抵抗体間の導通状況を検出するようになっているため、操作により抵抗体間に直接的又は間接的な導通が生じた際に、第1の電圧検出位置及び第2の電圧検出位置の電圧値に基づいて抵抗体間の導通状況(両抵抗体に印加された電圧の導通位置についての分圧等)を、抵抗体間の接触抵抗等の影響を受けずに簡易な回路構成により正確に検出することができる。このため、例えば、抵抗体の長手方向又は一方向についての導通位置の検出を正確に行うことができ、入力内容を正確に受け付けることができる。
【0143】
また、抵抗体間の直接的又は間接的な導通位置における接触抵抗値が操作力の増大に伴って小さくなるという性質があるため、この性質を利用することにより、第1及び第2の電圧検出位置の電圧値に基づいて、操作により前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通が生じた際におけるその操作力の大きさ又はその大きさに関連する指標となる量を正確に検出することができる。その結果、抵抗体の長手方向に関する操作が行われた位置だけでなく、操作が行われた際の操作力も一緒に検出することができ、多様な操作入力を受け付けることができる。
【0144】
さらに、操作により抵抗体間に直接的又は間接的な導通が生じた際に、第1の電圧検出位置及び第2の電圧検出位置の電圧値に基づいて、抵抗体間の接触抵抗等を正確に検出することができる。このため、例えば操作状態の不良(押圧力が不十分等)により抵抗体間の接触抵抗が一定の基準より大きい場合には、入力の受け付けを行わないなどの対策を容易に講じることができ、信頼性の向上が図れる。
【0145】
また、第1の電圧検出位置及び第2の電圧検出位置の電圧値に基づいて、抵抗体の長手方向の何箇所で操作による導通が生じているか、及び各導通箇所の導通位置を検出することができ、多様な操作入力に対応可能である。
【0146】
請求項2及び10に記載の発明によれば、第1の電圧検出位置と第2の電圧検出位置との電位差は、抵抗体間の直接的又は間接的な導通位置における接触抵抗値と直接的な相関関係があるため、その両電圧検出位置の電位差に基づいて操作力の大きさ又はその大きさに関連する指標となる量を正確に検出することができる。
【0147】
請求項3及び11に記載の発明によれば、両電圧検出位置間の電位差に基づいて算出した数値により、操作力の大きさを容易に検出することができる。
【0148】
請求項4及び12に記載の発明によれば、両電圧検出位置間の電位差の値が、操作力の大きさに応じて段階的に予め設定された複数の数値区間のうちのいずれの数値区間に属するかを判定することにより、操作力の大きさ等を容易に検出することができる。
【0149】
請求項5及び13に記載の発明によれば、第1の電圧検出位置と第2の電圧検出位置との電位差に基づいて抵抗体間に導通が生じたと判定された場合にのみ、導通位置(スイッチ位置)の検出及び操作力の検出が行われるため、操作が不十分である等の要因により抵抗体間の導通が不十分な状態で、導通位置及び操作力の検出が行われるのを防止することができ、導通位置及び操作力の検出の信頼性の向上が図れる。
【0150】
請求項6及び14に記載の発明によれば、抵抗体の導通位置を特定するための所定の位置計算値を、変数L,Lx,V1,V2,AD1,AD2の関係より容易に算出することができ、その算出した位置計算値に基づいて導通位置の検出を容易に行うことができる。
【0151】
請求項7及び15に記載の発明によれば、操作が行われて第1の電圧検出位置と第2の電圧検出位置との電位差が第1の基準レベルを下回り、抵抗体間の直接的又は間接的な導通が生じた判定されると、前記電位差が第1の基準レベルよりも値の大きい第2の基準レベルを上回るまでは抵抗体間の直接的又は間接的な導通が継続していると判定されるため、抵抗体間の直接的又は間接的な導通発生を検出した際に、操作力の不本意な変動により前記電位差が第1の基準レベルの近傍でふらついた場合でも、本来は一回の操作であるのに複数回操作が行われたとして誤って入力が受け付けられるのを防止することができる。
【0152】
請求項8及び16に記載の発明によれば、抵抗体間の直接的又は間接的な導通の発生を検出した時点からその導通の終了を検出するまでの期間内において、高い信頼性で導通位置及び操作力の検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る入力受付装置の構成を模式的に示す図である。
【図2】抵抗体間の導通が生じた際の回路構成を模式的に示す図である。
【図3】操作時の押圧力又は押圧量と抵抗体間の接触抵抗との関係を示すグラフである。
【図4】操作時の押圧力又は押圧量と電圧値AD1,AD2との関係を示すグラフである。
【図5】操作時の押圧力又は押圧量とAD1−AD2の値との関係と示すグラフである。
【図6】抵抗体間の導通が1箇所で生じた際の回路構成を模式的に示す図である。
【図7】図6の回路上の各ポイントの電圧値を示す図である。
【図8】抵抗体間の導通が2箇所で生じた際の回路構成を模式的に示す図である。
【図9】図8の回路上の各ポイントの電圧値を示す図である。
【図10】図1の入力受付装置による入力受付処理のフローチャートである。
【図11】スイッチ位置判定のためのテーブル構成を示す図である。
【図12】本発明の第2実施形態に係る入力受付装置による入力受付処理のフローチャートである。
【図13】スイッチ位置判定のためのテーブル構成を示す図である。
【図14】本発明の第3実施形態に係る入力受付装置による入力受付処理のフローチャートである。
【図15】十分な操作強度で操作が行われた際の押圧力又は押圧量の時間変化の様子を示すグラフである。
【図16】図15の操作における接触抵抗の時間変化の様子を示すグラフである。
【図17】閾値近傍の操作強度で操作が行われた際の押圧力又は押圧量の時間変化の様子を示すグラフである。
【図18】図17の操作における接触抵抗の時間変化の様子を示すグラフである。
【図19】操作時の押圧力又は押圧量と抵抗体間の接触抵抗との関係を示すグラフである。
【図20】本発明の第4実施形態に係る入力受付装置の入力受付処理のフローチャートである。
【図21】スイッチ位置判定のためのテーブル構成を示す図である。
【図22】本発明の第5実施形態に係る入力受付装置の入力受付処理のフローチャートである。
【図23】変形例に係る入力受付装置の要部の構成を示す図である。
【図24】他の変形例に係る入力受付装置の要部の構成を示す図である。
【符号の説明】
1,3 抵抗体
5 スイッチ素子
7 処理部
【発明の属する技術分野】
本発明は、略平行に対向配置された線状又は帯状の第1及び第2の抵抗体間の操作により生じる直接的又は他の導電部材を介した間接的な導通状況に基づいて入力を受け付ける入力受付装置及び入力受付方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来技術としては、複数の抵抗とスイッチの組み合わせにより、各スイッチにより異なった電圧(分圧)を検出可能な回路を構成し、複数のスイッチを電圧により判別する電圧検出スイッチがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−146053号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来技術では、各スイッチ導通時における検出する電圧にはそのスイッチの接触抵抗の影響が含まれているため、各スイッチの接触抵抗のバラツキにより、検出される分圧の値もバラツキが生じ、スイッチを正確に判別できない場合がある。
【0005】
そこで、本発明は、簡易な回路構成により、抵抗体間の接触抵抗等の影響を受けずに、操作による抵抗体間の長手方向に対する導通位置を正確に検出することができるとともに、その操作力の大きさ又はその大きさに関連する指標となる量を正確に検出することができる入力受付装置及び入力受付方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための技術的手段は、一方向に長く延びた形態を有し、略平行に対向配置された同一サイズの第1及び第2の抵抗体を有し、その両抵抗体がその長手方向について単位長さ当たり一定の同一抵抗値を有しており、処理部が、操作により生じる前記抵抗体間の直接的又は他の導電部材を介した間接的な導通状況に基づいて入力を受け付ける入力受付装置であって、前記第1の抵抗体における前記長手方向の一方側端部に第1の定電圧が印加され、その他方側端部が第1の電圧検出位置として設定され、前記第2の抵抗体における前記長手方向の一方側端部が、前記第1の電圧検出位置と反対側に位置するように第2の電圧検出位置として設定され、その他方側端部が、グランドに接続又は前記第1の定電圧よりも低い第2の定電圧を印加され、前記処理部が、前記第1の電圧検出位置及び前記第2の電圧検出位置の電圧値に基づいて、操作により前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通が生じた際における前記長手方向に対する前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通位置を検出するとともに、その操作力の大きさ又はその大きさに関連する指標となる量を検出するようになっている。
【0007】
好ましくは、前記処理部が、前記第1の電圧検出位置と前記第2の電圧検出位置との電位差に基づいて、操作により前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通が生じた際におけるその操作力の大きさ又はその大きさに関連する指標となる量を検出するのがよい。
【0008】
また、好ましくは、前記処理部が、前記電位差の値に基づいて、前記操作力の増減に応じて増減する所定の数値を算出し、その数値を前記指標となる量として検出するのがよい。
【0009】
さらに、好ましくは、前記処理部が、前記電位差の値が、前記操作力の大きさに応じて段階的に予め設定された複数の数値区間のうちのいずれの数値区間に属するかを判定することにより、前記操作力の大きさを検出するのがよい。
【0010】
また、好ましくは、前記処理部が、前記第1の電圧検出位置と前記第2の電圧検出位置との電位差が所定の値以下であるか否かを判定することにより、前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通の有無を検出し、前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通を検出した場合に、前記第1の電圧検出位置及び前記第2の電圧検出位置の電圧値に基づいて、前記長手方向に対する前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通位置を検出するとともに、前記操作力の大きさ又はその大きさに関連する指標となる量を検出するのがよい。
【0011】
さらに、好ましくは、前記処理部が、前記両抵抗体の前記長手方向に沿った長さをLとし、前記両抵抗体の一方側端部から前記導通位置までの距離をLxとし、前記第1の抵抗体の前記一方側端部の電圧値をV1とし、前記第2の抵抗体の前記他方側端部の電圧値をV2とし、前記第1の電圧検出位置の電圧値をAD1とし、前記第2の電圧検出位置の電圧値をAD2とした場合に、これらの変数L,Lx,V1,V2,AD1,AD2の関係より、前記導通位置を特定するための距離Lxに応じて変化する所定の位置計算値を算出し、その算出した位置計算値が、前記長手方向について前記両抵抗体に設定される複数のスイッチ位置に応じて予め設定された複数の計算値区間のうちのいずれの計算値区間に属するかを判定することにより、前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通位置が前記複数のスイッチ位置のいずれに対応するかを判定するのがよい。
【0012】
また、好ましくは、前記処理部が、前記第1の電圧検出位置と前記第2の電圧検出位置との電位差が予め設定された第1の基準レベルを下回ったときに前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通が生じたと判定し、その第1の基準レベルを下回った前記電圧差が前記第1の基準レベルよりも値の大きい予め設定された第2の基準レベルを上回ったときに前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通が終了したと判定するのがよい。
【0013】
さらに、好ましくは、前記処理部が、前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通の発生を検出した時点からその導通の終了を検出するまでの期間内において、前記第1の電圧検出位置及び前記第2の電圧検出位置の電圧値に基づいて、前記長手方向に対する前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通位置を検出するとともに、その操作力の大きさ又はその大きさに関連する指標となる量を検出するのがよい。
【0014】
また、前記目的を達成するための技術的手段は、一方向に長く延びた形態を有し、略平行に対向配置された同一サイズの第1及び第2の抵抗体を有し、その両抵抗体がその長手方向について単位長さ当たり一定の同一抵抗値を有しており、操作により生じる前記抵抗体間の直接的又は他の導電部材を介した間接的な導通状況に基づいて入力を受け付ける入力受付方法であって、前記第1の抵抗体における前記長手方向の一方側端部に第1の定電圧が印加され、その他方側端部が第1の電圧検出位置として設定され、前記第2の抵抗体における前記長手方向の一方側端部が、前記第1の電圧検出位置と反対側に位置するように第2の電圧検出位置として設定され、その他方側端部が、グランドに接続又は前記第1の定電圧よりも低い第2の定電圧を印加され、前記第1の電圧検出位置及び前記第2の電圧検出位置の電圧値に基づいて、操作により前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通が生じた際における前記長手方向に対する前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通位置を検出するとともに、その操作力の大きさ又はその大きさに関連する指標となる量を検出するようになっている。
【0015】
さらに、好ましくは、前記第1の電圧検出位置と前記第2の電圧検出位置との電位差に基づいて、操作により前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通が生じた際におけるその操作力の大きさ又はその大きさに関連する指標となる量を検出するのがよい。
【0016】
また、好ましくは、前記電位差の値に基づいて、前記操作力の増減に応じて増減する所定の数値を算出し、その数値を前記指標となる量として検出するのがよい。
【0017】
さらに、好ましくは、前記電位差の値が、前記操作力の大きさに応じて段階的に予め設定された複数の数値区間のうちのいずれの数値区間に属するかを判定することにより、前記操作力の大きさを検出するのがよい。
【0018】
また、好ましくは、前記第1の電圧検出位置と前記第2の電圧検出位置との電位差が所定の値以下であるか否かを判定することにより、前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通の有無を検出し、前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通を検出した場合に、前記第1の電圧検出位置及び前記第2の電圧検出位置の電圧値に基づいて、前記長手方向に対する前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通位置を検出するとともに、前記操作力の大きさ又はその大きさに関連する指標となる量を検出するのがよい。
【0019】
さらに、好ましくは、前記両抵抗体の前記長手方向に沿った長さをLとし、前記両抵抗体の一方側端部から前記導通位置までの距離をLxとし、前記第1の抵抗体の前記一方側端部の電圧値をV1とし、前記第2の抵抗体の前記他方側端部の電圧値をV2とし、前記第1の電圧検出位置の電圧値をAD1とし、前記第2の電圧検出位置の電圧値をAD2とした場合に、これらの変数L,Lx,V1,V2,AD1,AD2の関係より、前記導通位置を特定するための距離Lxに応じて変化する所定の位置計算値を算出し、その算出した位置計算値が、前記長手方向について前記両抵抗体に設定される複数のスイッチ位置に応じて予め設定された複数の計算値区間のうちのいずれの計算値区間に属するかを判定することにより、前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通位置が前記複数のスイッチ位置のいずれに対応するかを判定するのがよい。
【0020】
また、好ましくは、前記第1の電圧検出位置と前記第2の電圧検出位置との電位差が予め設定された第1の基準レベルを下回ったときに前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通が生じたと判定し、その第1の基準レベルを下回った前記電圧差が前記第1の基準レベルよりも値の大きい予め設定された第2の基準レベルを上回ったときに前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通が終了したと判定するのがよい。
【0021】
さらに、好ましくは、前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通の発生を検出した時点からその導通の終了を検出するまでの期間内において、前記第1の電圧検出位置及び前記第2の電圧検出位置の電圧値に基づいて、前記長手方向に対する前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通位置を検出するとともに、その操作力の大きさ又はその大きさに関連する指標となる量を検出するのがよい。
【0022】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る入力受付装置の構成を模式的に示す図である。この入力受付装置は、略平行に対向配置された同一長さLの第1及び第2の抵抗体1,3と、その抵抗体1,3間に導通可能に設けられた複数のスイッチ素子5と、処理部7とを備えて構成されており、処理部7が、入力される信号に基づいて各スイッチ素子5の導通状況を判定することにより、スイッチ素子5を介した操作入力が受け付けられる。
【0023】
両抵抗体1,3は、一方向に長く延びた形態(例えば、線状の形態)を有し、単位長さ当たり一定の同一抵抗値を有している。抵抗体1の一方側端部1aは、配線11を介して図示しない電源回路に接続され、所定の定電圧V1(第1の定電圧)が印加される。抵抗体1の他方側端部1bは、第1の電圧検出位置として設定され、配線13を介して処理部7に接続され、その他方側端部1bの電圧値AD1が処理部7によって検出される。抵抗体1の一方側端部1aと同方向の端部である抵抗体3の一方側端部3aが、第2の電圧検出位置として設定され、配線15を介して処理部7に接続され、その一方側端部3aの電圧値AD2が処理部7によって検出される。抵抗体3の他方側端部3bは、配線17を介してグランドに接続される。なお、本実施形態では、抵抗体3の他方側端部3bをグランドに接続するようにしたが、この他方側端部に、抵抗体1の一方側端部1aに印加する定電圧V1よりも低い定電圧(第2の定電圧)V2を印加するようにしてもよい。
【0024】
複数のスイッチ素子5は、抵抗体1,3の長手方向に配列されている。そして、各スイッチ素子5は、両抵抗体1,3に掛け渡されるようにして設けられており、押圧操作されると、抵抗体1,3に電気的に接触して抵抗体1,3間を電気的に導通させ、押圧操作が解除されるのに伴って抵抗体1,3から離反するようになっている。すなわち、各スイッチ素子5に対して押圧操作が行われている間だけ、その押圧操作が行われているスイッチ素子5に対応する抵抗体1,3の部分がそのスイッチ素子5を介して間接的に導通するようになっている。
【0025】
このため、いずれのスイッチ素子5も押圧操作されていない(オンされていない)場合には、抵抗体1,3間は電気的に遮断されている。このとき、抵抗体1の他方側端部1bの電圧値AD1は、定電圧V1と等しくなっており、抵抗体3の一方側端部3aの抵抗値AD2は、グランドレベルになっている。そして、いすれかのスイッチ素子5が押圧操作された場合には、そのスイッチ素子5を介して抵抗体1,3間が導通し、その押圧操作されたスイッチ素子5の位置に応じて、電圧値AD1,AD2の値が変化する。
【0026】
そこで、本実施形態では、各スイッチ素子5を抵抗体1,3上の予め決められた位置に設置することにより、電圧値AD1,AD2の変化状況に基づいて、各スイッチ素子5の操作の有無、及びいずれのスイッチ素子5が操作されたかを判定するようになっている。例えば、スイッチ素子5A,5B,5Cの抵抗体1,3の一方側端部1a,3aからの距離は、L1,L2,L3に設定されている。
【0027】
ここで、本実施形態では、抵抗体1の一方側端部1aに定電圧V1を印加し、抵抗体3の他方側端部3bをグランドに接続した状態で、抵抗体1の他方側端部1b及び抵抗体3の一方側端部3aの電圧値AD1,AD2を検出する構成であるため、スイッチ素子5が操作されて抵抗体1,3間がスイッチ素子5を介して導通した際に、抵抗体1の一方側端部1aからそのスイッチ素子5までの部分にかかる分圧、及び抵抗体3のそのスイッチ素子5から他方側端部3bまでの部分にかかる分圧等を、抵抗体1,3間のスイッチ素子5を介した接触抵抗の影響を受けずに正確に把握できるようになっている。
【0028】
なお、本実施形態では、複数のスイッチ素子5を設け、そのスイッチ素子5が押圧操作された場合に、そのスイッチ素子5が抵抗体1,3に導通し、これによって抵抗体1,3間がスイッチ素子5を介して間接的に導通する構成としたが、変形例として、スイッチ素子5を設けず、例えば、抵抗体1,3間の間隔を狭める方向に押圧操作を加えるようにし、その押圧操作が与えられた一方の抵抗体1,3が他方の抵抗体1,3に近接する方向に局所的に弾性変形して他方の抵抗体1,3に局所的に接触し、抵抗体1,3間が局所的に直接的に導通するようにしてもよい。この場合も、押圧操作の解除に伴って、一方の抵抗体1,3が他方の抵抗体1,3から離反するように元の形状に自立的に復帰し、抵抗体1,3間の導通が解除される。
【0029】
処理部7は、抵抗体1の一方側端部1aの電圧値AD1及び抵抗体3の他方側端部3bの電圧値AD2を検出するための電圧検出機能と、その検出した電圧値AD1,AD2に基づいて各スイッチ素子5の操作状態を判定するための判定処理機能と、その判定結果を外部に出力するための出力機能とを備えている。この処理部7の具体的構成としては、種々の構成が考えられるが、例えば、電圧検出を行うアナログ検出素子及び演算判定素子等を組み合わせて構成してもよいし、カスタム化されたICを用いて構成してもよいし、電圧信号の入力を受け付けるアナログ入力ポートを有する汎用マイコンを用いて構成してもよい。
【0030】
なお、電圧値AD1,AD2の検出に関係する回路には、使用環境に応じて、電磁ノイズ対策回路、静電気対策回路を設けるのが望ましい。
【0031】
図2は抵抗体1,3間の導通が生じた際の回路構成を模式的に示す図であり、抵抗体1,3の一方側端部1a,3aからの距離がLxの位置にあるスイッチ素子5が押圧操作されて抵抗体1,3間の導通が生じた状態に対応している。図2中のR1は抵抗体1,3の一方側端部1a,3aから距離Lxの位置までの部分の抵抗値を示し、R2は抵抗体1,3の距離Lxの位置から他方側端部1b,3bまでの部分の抵抗値を示し、Rcはスイッチ素子5を介した抵抗体1,3間の接触抵抗値を示している。なお、一般の場合、電圧値検出のための処理部7等へ入力インピーダンスは十分大きく設定されるため、以下の議論において配線13,15を介して処理部7に流れる電流は無視している。
【0032】
この導通状態において、抵抗体3の他方側端部3bの電圧値をV2とすると、変数L,Lx,R1,R2,V1,V2,AD1,AD2の間には、一例として、
【0033】
【数1】
【0034】
のような関係があり、この関係を用いて、操作されているスイッチ素子5を特定することができる。なお、本実施形態では、抵抗体3の他方側端部3bをグランドに接続したため、電圧値V2は0となっている。
【0035】
例えば、前記式(1)より、V2=0として、
【0036】
【数2】
【0037】
の関係式が得られ、この関係式を用いて、既知の値V1及び測定値AD1,AD2からLx/Lの値(位置算出値)を算出し、その算出値に基づいて操作されているスイッチ素子5を特定するようにしてもよい。
【0038】
なお、上記式(1),(2)は、一例に過ぎず、既知の値V1及び測定値AD1,AD2を用いてスイッチ素子5を特定可能な関係式としては、種々のものが考えられる。例えば、他の例としては、V2=0として、
【0039】
【数3】
【0040】
があり、この関係式を用いて、Lx/(L−Lx)の値(位置算出値)を算出し、その算出値に基づいて操作されているスイッチ素子5の位置を特定するようにしてもよい。
【0041】
また、電圧値V1,AD1,AD2と抵抗値R1,R2,Rcとの間には、
【0042】
【数4】
【0043】
のような関係がある(なお、式(4)において「*」は乗算記号である(以下、同様))。このため、電圧値AD1,AD2の差に基づいて、スイッチ素子5が安定接触状態となっているか否かを判定することができる。
【0044】
すなわち、スイッチ素子5への押圧力又は押圧量等が増大するのに伴って、抵抗体1,3間の導通経路上の電気接触部(抵抗体1,3とスイッチ素子5との間の電気接触部、スイッチ素子5を省略した場合は抵抗体1,3との間の電気接触部)の接触圧が大きくなるため、接触抵抗値Rcは、押圧力等の大きさに応じて図3のグラフのように変化し、一定値(Fon)以上の押圧力等が与えられると安定接触状態(図3のハッチング領域)となる。そこで、安定接触状態と判断できる接触抵抗値Rcの上限値をRcstとし、また、接触抵抗値RcがRcstとなるときのAD1−AD2の値をVst(本発明に係る所定の値、第1の基準値)とすると、前記式(4)は、
【0045】
【数5】
【0046】
となる。これより、AD1−AD2の値が、
【0047】
【数6】
【0048】
の関係を満たせば、スイッチ素子5が安定接触状態にあると判断できる。これに基づいて、本実施形態では、AD1−AD2の値が上記式(6)の関係を満たす場合に、抵抗体1,3間のスイッチ素子5を介して導通が生じた(スイッチ操作が行われた)と判定するようになっている。なお、図3中の値Rminについては、後述する。
【0049】
また、スイッチ素子5に対する押圧操作が行われた際に、接触抵抗値Rcが押圧力等の大きさに応じて図3のグラフのように変化するため、これに伴って、各電圧値AD1,AD2も押圧力等の大きさに応じて、図4のグラフのように変化する。このため、AD1−AD2の値も、図5のグラフのように、押圧力等の増大に伴って減少するように変化する。
【0050】
そこで、本実施形態では、AD1−AD2の値と押圧力等の大きさとの間におけるこのような相関関係に基づいて、スイッチ素子5に押圧操作が行われた際の押圧力の大きさを検出するようになっている。特に、押圧力等の大きさが一定値(Fon)を超えて接触抵抗値Rcが安定した安定接触状態(特に、図5に示す区間Z)では、AD1−AD2の値が押圧力等の増大に伴って緩やかに変化(減少)するため、AD1−AD2の値に基づいて容易にかつ正確に押圧力等の大きさを検出できるようになっている。なお、AD1−AD2の値を用いた押圧力等の検出処理の具体的内容については、後述する図10のフローチャートに基づく動作説明の中で詳述する。
【0051】
さらに、本実施形態では、複数のスイッチ素子5が同時に操作された場合(以後、「複数操作状態(複数導通状態)」という)を排除して、1個のスイッチ素子5が操作された場合(以後、「単数操作状態(単数導通状態)」のみについて入力の受け付けを行うようになっている。そこで、処理部7の具体的処理内容を説明する前に、複数導通状態と単数導通状態との判定原理について説明する。
【0052】
まず、図3に示すように、安定接触状態となる接触抵抗値Rcの値よりも小さな値である基準抵抗値Rmin(ここで、Rmin<Rcst)を導入し、接触抵抗値Rcが仮にその基準抵抗値RminとなるときのAD1−AD2の値をVminとすると、前記式(4)より、そのVminは、
【0053】
【数7】
【0054】
と与えられる。本実施形態では、この値Vmin(第2の基準値)を用いて、複数操作状態か単数操作状態かを判定している。より詳細には以下のような原理に基づいている。
【0055】
図6は単数操作状態における抵抗体1,3の回路構成を模式的に示す図であり、図7は図6の回路上の各ポイントの電圧値を示す図であり、図8は2個のスイッチ素子5が同時に操作された複数操作状態における抵抗体1,3の回路構成を模式的に示す図であり、図9は図8の回路上の各ポイントの電圧値を示す図である。図6及び図8において、R1〜R4は抵抗体1,3の対応する各部分の分割抵抗値である。図9では、簡単のため、接触抵抗値Rcが分割抵抗値R3よりも小さい場合について示している。
【0056】
このように、複数操作状態が生じた際、Rc<R3となっている場合には、図9に示されるように、AD1−AD2<0となるため、複数導通状態が生じていることを容易に判定することができる。なお、単数操作状態では、図7に示されるように、AD1−AD2>0となる。
【0057】
また、複数操作状態が生じた際に、Rc≧R3となっている場合には、AD1−AD2≧0となるが、複数操作状態におけるAD1−AD2の値は、単数操作状態におけるAD1−AD2の値よりも小さくなるため、上記の基準値Vminを適切に設定することにより、AD1−AD2の値と基準値Vminとの大小関係により、基準単数操作状態と複数操作状態とを判定できる。すなわち、AD1−AD2が、基準値Vmin未満である場合には、複数操作状態であると判断できる。
【0058】
そこで、本実施形態では、AD1−AD2の値が基準値Vmin未満である場合には、スイッチ位置の誤検出等を防止するため、操作入力の受け付けを行わないようにしている。すなわち、AD1−AD2の値がVmin以上、かつVst以下の範囲内にある場合にのみ入力の受け付けを行うようになっている。
【0059】
次に、図10に基づいて、処理部7のスイッチ位置及び押圧力の検出動作について説明する。まずステップS1で、電圧値AD1,AD2の検出が行われる。続くステップS2で、ステップS1で検出された電圧値AD1,AD2の引き算値(AD1−AD2)が、基準値Vmin以上、かつ基準値Vst以下の範囲内にあるか否かが判断され、その範囲内にある場合にはスイッチ操作ありと判断されてステップS3に進む一方、その範囲内にない場合にはスイッチ操作なしと判断されてステップS1に戻り、AD1−AD2の値が、Vmin以上、かつVst以下の範囲内になるまでステップS1,S2の処理が繰り返される。
【0060】
ここで、ステップS2において、スイッチ素子5の操作が検出されなかった場合には、スイッチ操作なしを示す信号を外部機器に出力するようにしてもよい。
【0061】
ステップS3では、前記式(2)により、検出した電圧値AD1,AD2と予め処理部7に登録された既知の電圧値V1とに基づいて、Lx/Lの値が算出される。
【0062】
続くステップS4では、その算出した位置計算値Lx/Lに基づいて、いずれのスイッチ素子5が操作されたのかが特定され、特定したスイッチ素子5に対応する信号が外部機器に出力される。より詳細には、処理部7には、図11に示すようなスイッチ位置判定用テーブルT1が予め登録されている。そのテーブルT1には、複数のスイッチ素子5に一対一に対応する複数の計算値区間Q1が位置計算値Lx/Lの取り得る値に応じて設定されている。その各計算値区間Q1は、所定の下限値(A1,A2,A3・・・)及び上限値(B1,B2,B3・・・)によって規定されており、電磁ノイズの影響、製造バラツキ等による電圧値AD1,AD2のバラツキ等を考慮して誤検出が起こらないように所定の幅を持たせて設定するのが好ましい。なお、各計算値区間Q1は、理論的な計算結果に基づいて設定してもよく、実際に各操作スイッチ5を操作して試験して得られる測定値に基づいて設定してもよい。
【0063】
そして、ステップS3で算出された位置計算値Lx/Lが、その複数の計算区間Q1のうちのいずれに属するかを判定することにより、いずれのスイッチ素子5が操作されたかが判定されるようになっている。
【0064】
続くステップS5では、ステップS1で検出した電圧値AD1,AD2の引き算値(AD1−AD2)に基づいたスイッチ素子5への押圧操作における押圧力等の検出処理が行われる。本実施形態では、AD1−AD2の値を変数とし、操作力の増減に応じて増減する数値を与える所定の計算式(関数)を設定し、AD1−AD2の値をその計算式に代入して、押圧力等の増減に伴って増減する所定の数値を算出し、その数値を押圧力等の大きさの指標となる量として検出している。
【0065】
具体的には、本実施形態では、以下の式(8)の計算式を用い、その計算式に検出したAD1−AD2の値を代入して演算することにより、指標となる量(数値Nf)を検出している。
【0066】
【数8】
【0067】
この式(8)中におけるVst,Vminには、前述の基準値Vst,Vminの予め設定した値が用いられる。AD1−AD2の値は、ステップS5の処理が行われる際には、ステップS2の条件より、VminからVstの値を取り得るため、式(8)の計算式により算出される数値Nfは、AD1−AD2の値の増減に伴って0と1との間で変化する。すなわち、数値Nfは、操作の押圧力等が一定値(Fon)を超えて増大してゆくのに伴って、0の値から徐々に大きくなり、1の値に近づいてゆくようになっている。
【0068】
そして、このステップS5では、AD1−AD2の値を式(8)の計算式に代入して指標となる数値Nfが算出され、その算出された数値Nfを示す信号が、操作の操作力等の大きさの指標として外部機器に出力される。
【0069】
ステップS5での処理が終了すると、再びステップS1に戻り、ステップS1〜S5が繰り返されることにより、スイッチ素子5の操作検出が行われる。
【0070】
なお、上述の処理のステップS3,S4では、前記式(2)の関係に基づいてスイッチ位置の検出を行うようにしたが、前記式(2)以外の関係式、例えば前記式(3)を用いてスイッチ位置の検出を行うようにしてもよい。
【0071】
また、ステップS5での押圧力の検出に、式(8)の計算式以外のものを用いてもよい。例えば、AD1−AD2をその変数とし、式(8)の計算式が与える数値Nfよりも実際の押圧力等の大きさとの相関性の高い数値を与える関数を試験等により導出し、その関数を式(8)の計算式の代わりに用いてもよい。
【0072】
さらに、電磁ノイズ、チャタリング等の影響による誤動作を防止するため、ソフト的なフィルタ処理として、ステップS1等の電圧値AD1,AD2の検出の際には、電圧値AD1,AD2の平均化処理を行うようにしてもよく、あるいは、ステップS1からステップS4にかけてのスイッチ位置検出のための処理を複数回行い、その各回で検出したスイッチ位置が一致した場合に、スイッチ位置の検出結果を確定的なものとして外部機器に出力するようにしてもよい。このソフト的なフィルタ処理は、後述の第2ないし第5実施形態にも適用してもよい。
【0073】
以上のように、本実施形態によれば、スイッチ素子5が操作されて抵抗体1,3間がスイッチ素子5を介して導通した際に、抵抗体1の一方側端部1aからそのスイッチ素子5までの部分にかかる分圧、及び抵抗体3のそのスイッチ素子5から他方側端部3bまでの部分にかかる分圧等を、抵抗体1,3間のスイッチ素子5を介した接触抵抗の影響を受けずに正確で把握できるため、いずれのスイッチ素子5が操作されたかを正確に特定することができる。
【0074】
また、スイッチ素子5に対して押圧操作が行われた際の押圧力等の大きさ又はその大きさに関連する指標となる量(本実施形態では、数値Nf)を、検出した電圧値AD1,AD2の引き算値(AD1−AD2)に基づいて容易、かつ正確に検出できる。その結果、いずれのスイッチ素子5が操作されたかだけでなく、操作が行われた際の押圧力の大きさ等も一緒に検出することができ、多様な操作入力を受け付けることができる。
【0075】
例えば、所定のスイッチ素子5(あるいはスイッチ位置)を押圧操作してそのスイッチ素子5に対応付けられている指令を入力する際、その指令による操作対象の各種機器におけるその指令に対する反応内容(反応の度合いなど)を変化させることができる。例えば、音量を上げる指令が対応づけられているスイッチ素子5を強く押圧操作した場合には、弱く押圧操作した場合に比して操作に対する音量アップの度合い(変化率)を大きくするなどが考えられる。なお、本実施形態に係る入力受付装置の他の具体的な適用例については、実施の形態の説明の最後に記載する。
【0076】
さらに、AD1−AD2の値を式(8)の計算式に代入して、操作の押圧力の大きさに相関のある数値Nfを算出するため、押圧力の大きさ等の検出を容易に行うことができる。
【0077】
また、操作されたスイッチ素子5を特定するための所定の位置計算値(例えば、Lx/L)を、変数L,Lx,V1,AD1,AD2の関係より容易に算出することができるとともに、その位置計算値に基づいて操作されたスイッチ位置に検出を容易に行うことができる。
【0078】
さらに、AD1−AD2の値がVst以下であるか否かを判定することにより、スイッチ素子5が操作されたか否かを高い信頼性で容易に判定することができる。
【0079】
また、AD1−AD2の値がVst以上、かつVmin以下である場合にのみ入力受付のための処理(スイッチ位置検出及び押圧力検出)が行われるため、操作が不十分である等の要因によりスイッチ素子5が安定接触状態にない状態で入力受付処理が行われてしまったり、複数のスイッチ素子5が操作されているのにかかわらず、1個のスイッチ素子5が操作されているものと誤判断されて、入力受付処理が行われてしまうのを防止することができ、入力受付の信頼性の向上が図れる。
【0080】
<第2実施形態>
図12は、本発明の第2実施形態に係る入力受付装置の入力受付処理のフローチャートである。本実施形態に係る入力受付装置が前述の第1実施形態に係る入力受付装置と実質的に異なる点は、処理部7の処理内容が異なるのみであり、互いに対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0081】
本実施形態に係る処理部7の処理内容が第1実施形態に係る処理部7の処理内容と異なる点は、操作の押圧力検出を行う前述の図10のステップS5の処理内容が図12のステップS6の処理内容に置き換えられたのみであるため、ここではステップS6の処理内容についてのみ説明する。
【0082】
ステップS6では、ステップS1で検出した電圧値AD1,AD2の引き算値(AD1−AD2)に基づいたスイッチ素子5への押圧操作における押圧力等の検出処理が行われる。本実施形態では、処理部7に、図13に示すような押圧力判定用テーブルT2が予め登録されている。そのテーブルT2には、操作入力受付時にAD1−AD2の値が取り得る範囲(ここでは、基準値Vminから基準値Vstまでの範囲)をN(Nは2以上の自然数)個に分割して得られるN個の数値区間Q2が予め設定されている。図13中のC1,C2,C3,・・・,C(N−1)は、基準値Vminから基準値Vstまでの範囲をN個の数値区間Q2に分割するための中間境界値であり、C1>C2>C3>・・・>C(N−1)の関係を有し、これらの値を境として各数値区間Q2が仕切られている。すなわち、この数値区間Q2の数(N)によって、押圧操作の押圧力等の大きさを何段階に分けて検出するかが決定され、各数値区間Q2が検出すべき押圧力等の大きさの各段階に対応している。
【0083】
そして、検出したAD1−AD2の値が、複数の数値区間Q2のうちのいずれの数値区間Q2内に属するかを判定することにより、押圧操作の押圧力等の大きさが検出され、押圧力等の大きさが予め設定されたN個の段階のうちのいずれに属するかを示す信号(例えば、押圧力の増大に応じて段階的に1からNまで変化する数値)が外部機器に出力される。
【0084】
以上のように、本実施形態においても、押圧操作の押圧力等の大きさを検出するための構成が異なる点に関連する効果を除いて、前述の第1実施形態と同様な効果が得られるとともに、検出したAD1−AD2の値が、複数の数値区間Q2のうちのいずれの数値区間Q2内に属するかを判定することにより、押圧操作の押圧力等の大きさが検出されるため、押圧力等の大きさのを容易に検出することができる。
【0085】
<第3実施形態>
図14は、本発明の第3実施形態に係る入力受付装置の入力受付処理のフローチャートである。本実施形態に係る入力受付装置が前述の第1実施形態に係る入力受付装置と実質的に異なる点は、処理部7の処理内容が異なるのみであり、互いに対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0086】
本実施形態の構成について具体的に説明する前に、本実施形態において解決しようとしている課題及びその解決手段について説明する。
【0087】
スイッチ素子5への押圧操作が行われた際は、その操作の押圧力又は押圧量は時間経過に伴って図15に示すように変化する。そして、例えば、押圧力又は押圧量(あるいはそれに対応する他の値)が所定の基準レベル(Fon)を上回った場合に操作が開始された(スイッチ素子5がオンした)と判定され、押圧力又は押圧量が基準レベル(Fon)を下回った場合に操作が終了(解除)された(スイッチ素子5がオフした)と判定される。
【0088】
なお、図15中の期間T1はスイッチ素子5がオンしていると判定される期間を示し、期間T2はスイッチ素子5がオフしていると判定される期間を示している。また、図16は、図15の操作における抵抗体1,3間の接触抵抗値Rcの時間変化の様子を示すグラフを示したものであり、図16中の抵抗値Rcstは前述の図3の抵抗値Rcstと同一であり、押圧力に対する基準レベル(Fon)に対応する接触抵抗値Rcに対応している。また、図18中の抵抗値Rminは前述の図3に示す抵抗値Rminと同一である。
【0089】
しかし、上記のように押圧力又は押圧量等と単一の基準レベル(Fon)との関係により操作の開始及び終了の判定を行うようにした場合には、以下のような問題が生じる。
【0090】
すなわち、図15に示すように、基準レベル(Fon)を上回る十分な押圧強度で操作が行われた場合には、押圧操作の押圧力又は押圧量等が基準レベル(Fon)を上回った後に、押圧力又は押圧量等が不本意にふらついた場合でも、期間T1の間はスイッチ素子5がオンしているとの判定が保持される。しかし、図17に示すように、基準レベル(Fon)の近傍の押圧強度で操作が行われた場合において、押圧力又は押圧量等の不本意なふらつきが生じた場合には、押圧力又は押圧量等が基準レベル(Fon)をまたいで変動し、本来は1回の操作であるのに複数回の操作が行われたものとして誤って入力されてしまうこととなる。なお、図17中の期間T3はスイッチ素子5がオンしていると判定される期間を示し、期間T4はスイッチ素子5がオフしていると判定される期間を示している。また、図18は、図17の操作における抵抗体1,3間の接触抵抗値Rcの時間変化の様子を示すグラフを示したものである。また、図15及び図17中のW1は、操作中に押圧力等の不本意なふらつきが生じた際のふらつき幅を示している。
【0091】
そこで、本実施形態では、操作の有無の判定基準として第1及び第2の基準レベルを設け、操作中の押圧力等の不本意なふらつきに対する対策を講じている。すなわち、図19に示すように、操作の有無の判定基準として第1の基準レベル(Fon,Rcst,Vst)と、第2の基準レベル(Foff,Roff,Voff)とを設けている。
【0092】
ここで、第1の基準レベル(Fon,Rcst,Vst)は操作の開始時点を判定するためのものであり、第2の基準レベル(Foff,Roff,Voff)は操作の終了時点を判定するためのものである。また、基準レベル(Fon,Foff)は操作の押圧力又は押圧量に対するものであり、基準レベル(Rcst,Roff)は抵抗体1,3間の接触抵抗値Rcに対するものであり、基準レベル(Vst,Voff)は前述の電圧値AD1,AD2の引き算値AD1−AD2に対するものであり、これらの基準レベルは互いに対応している。すなわち、操作が行われた際の押圧力又は押圧量が基準レベル(Fon又はFoff)であるときに、抵抗体1,3間の接触抵抗値Rcは基準レベル(Rcst又はRoff)にあり、かつ、電圧値AD1,AD2の引き算値AD1−AD2は基準レベル(Vst又はVoff)にある。また、基準レベル(Rcst)と基準レベル(Vst)との関係は前述の式(5)により与えられ、基準レベル(Roff)と基準レベル(Voff)との関係は下記の式(9)により与えられる。
【0093】
【数9】
【0094】
次に、第1の基準レベル(Fon,Rcst,Vst)と第2の基準レベル(Foff,Roff,Voff)との大小関係について説明する。操作の押圧力又は押圧量に対する基準レベル(Fon,Foff)を基準として、図19に示すように、基準レベル(Fon)よりも基準レベル(Foff)が小さな値になるように各レベルが設定される。これに伴って、基準レベル(Rcst)と基準レベル(Roff)とでは、基準レベル(Roff)の方が大きな値となり、基準レベル(Vst)と基準レベル(Voff)とでは基準レベル(Voff)の方が大きな値となる。
【0095】
ここで、本実施形態の場合、第2の基準レベル(Voff)の設定値は、Vst<Voff<V1の範囲で任意に取ることが可能であり、操作強度のふらつきによる操作回数の誤検知を防止するためには、第1の基準レベル(Fon)と第2の基準レベル(Foff)との差が十分に大きくなるように設定するのが好ましい。
【0096】
そして、本実施形態では、電圧値AD1,AD2の引き算値AD1−AD2に対する第1及び第2の基準レベル(Vst,Voff)を用いて、値AD1−AD2が、第1の基準レベル(Vst)よりも大きな値からそれよりも小さな値になったか否かを判定し、値AD1−AD2が第1の基準レベル(Vst)を下回った時点で、1回分の操作が開始された(スイッチ素子5がオンされた)と判定するようになっている。また、第1の基準レベル(Vst)を下回った値AD1−AD2が第2の基準レベル(Voff)を上回ったか否かを判定し、値AD1−AD2が第2の基準レベル(Voff)を上回った時点で、1回分の操作が終了された(スイッチ素子5がオフされた)と判定するようになっている。
【0097】
これによって、操作が行われて電圧値AD1,AD2の引き算値AD1−AD2が第1の基準レベル(Vst)を下回り、操作の開始が検出されると、値AD1−AD2が第1の基準レベル(Vst)よりも値の大きい第2の基準レベル(Voff)を上回るまでは操作が継続していると判定されるため、第1の基準レベル(Fon)の近傍の押圧強度で操作が行われた場合において、押圧力又は押圧量等の不本意なふらつきにより、押圧力又は押圧量等が第1の基準レベル(Fon)をまたいで変動した場合であっても、本来は1回の操作であるのに複数回の操作が行われたものとして誤って判定されることがない。
【0098】
なお、AD1−AD2の値が第1の基準レベル(Vst)を上回った状態から、第1の基準レベル(Vst)を下回り、第1の基準レベル(Vst)よりも値の小さい第3の基準レベル(ここでは、前述の基準値Vminと同一)をも下回っている場合には、スイッチの操作状態が前述の複数操作状態にあると考えられる。このため、本実施形態では、AD1−AD2の値が第1の基準レベル(Vst)を下回ったか否かを判定して操作の開始時を検出する際に、AD1−AD2の値が第1の基準レベル(Vst)だけでなく第3の基準レベル(Vmin)をも下回っている場合には、操作入力の誤検出を防止するため、操作の受け付けを行わないこととしている。
【0099】
次に、本実施形態に係る処理部7の入力受付処理の具体的内容について説明する。本実施形態に係る入力受付処理は、図14に示すように、実質的に前述の図10の処理内容にステップS11,S12を追加したような内容となっている。
【0100】
すなわち、まずステップS1で、電圧値AD1,AD2の検出が行われる。続くステップS2で、AD1−AD2の値が第1の基準レベル(Vst)以下、かつ基準レベル(Vmin)以上の範囲になったか否か、すなわちいずれかのスイッチ素子5への操作が開始されたか否かが判定される。AD1−AD2の値がその範囲内になった場合にはスイッチ操作あり(スイッチ操作が開始された)と判断されてステップS3に進む一方、その範囲内にない場合にはスイッチ操作なしと判断されてステップS1に戻り、AD1−AD2の値が、Vmin以上、かつVst以下の範囲内になるまでステップS1,S2の処理が繰り返される。
【0101】
ここで、ステップS2において、スイッチ素子5の操作が検出されなかった場合には、スイッチ操作なし(スイッチオフ)を示す信号を外部機器に出力するようにしてもよい。
【0102】
ステップS3,S4,S5では、前述の図10のステップS3,S4,S5と同様な処理が行われ、位置計算値Lx/Lが前述の複数の計算区間Q1のうちのいずれに属するかを判定することにより、いずれのスイッチ素子5が操作されたかが判定されるとともに、AD1−AD2の値に基づいて値Nfが算出されて押圧操作の押圧力等の大きさが検出されて、ステップS11に進む。このステップS4,S5において、特定されたスイッチ素子5が操作された(オンされた)ことを示す信号、及び押圧操作の押圧力等の大きさ示す信号を外部機器に出力するようにしてもよい。
【0103】
ステップS11では、電圧値AD1,AD2の検出が行われる。続くステップS12で、AD1−AD2の値が第2の基準レベル(Voff)を上回っているか否か、すなわちそれまで行われていたスイッチ素子5への操作が終了されたか否かが判定される。そして、スイッチ素子5への操作が終了されたと判断された場合にはステップS1に戻る一方、スイッチ素子5への操作が終了されていないと判断された場合にはステップS15に戻り、スイッチ素子5への操作が終了するまでステップS5,S11,S12の処理が繰り返される。なお、ステップS5では、ステップS5の処理が行われる際に検出されている最新の電圧値AD1,AD2を用いて押圧力等の大きさの検出が行われる。また、ステップS12において、スイッチ素子5の操作の終了が検出された場合には、スイッチ操作終了(スイッチオフ)を示す信号を外部機器に出力するようにしてもよい。
【0104】
そして、このようなステップS1〜S5,S11,S12が繰り返されることにより、スイッチ素子5の操作検出が行われる。
【0105】
なお、この図14の処理では、ステップS2で操作の開始が検出されて、ステップS3,S4にてスイッチ位置検出が行われた後は、ステップS17で操作の終了が検出されるまで、ステップS16,S17の処理が繰り返されるため、操作開始の検出時点から操作終了の検出時点までの期間において、操作開始が検出された直後のタイミングで、ステップS3,S4によるスイッチ位置検出が1回だけ行われるようになっている。なお、操作の押圧力の検出は、押圧力操作の開始から終了まで間においてステップS5の処理が定期的に繰り返され、定期的に行われるようになっている。
【0106】
以上のように、本実施形態においても、スイッチ素子5への操作の有無の判定に第1及び第2の2つの基準レベル(Vst,Voff)を用いる点及びそれに関連する点を除いて、前述の第1実施形態とほぼ同様な効果が得られるとともに、操作が行われて電圧値AD1,AD2の引き算値AD1−AD2が第1の基準レベル(Vst)以下で、かつ第3の基準レベル(Vmin)以上の範囲内になり、操作の開始が検出されると、値AD1−AD2が第1の基準レベル(Vst)よりも値の大きい第2の基準レベル(Voff)を上回るまでは操作が継続していると判定されるため、押圧力又は押圧量等の不本意なふらつきにより、本来は1回の操作であるのに複数回の操作が行われたものとして誤って判定されるのを防止できる。
【0107】
また、本実施形態では、操作開始の検出時点から操作終了の検出時点までの期間において、操作開始直後のタイミングでステップS3,S4によるスイッチ位置検出が1回だけ行われるようになっているため、1回の操作に対してスイッチ位置検出を1回だけ行うのが好ましいような場合に適している。
【0108】
なお、本実施形態の変形例として、図14のステップS5の処理の代わりに図12のステップS6の処理を行うようにしてもよい。
【0109】
<第4実施形態>
図20は、本発明の第4実施形態に係る入力受付装置の入力受付処理のフローチャートである。本実施形態に係る入力受付装置が前述の第3実施形態に係る入力受付装置と実質的に異なる点は、処理部7の処理内容が一部異なるのみであり、互いに対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0110】
本実施形態では、複数操作状態において操作されているスイッチ素子5を特定するために、図20に示すように、前述の図14のステップS2の処理が2つのステップS13,S14に分割されているとともに、それに伴ってステップS15がさらに追加されている。また、ステップS12の処理において操作の終了が検出されなかった場合には、ステップS14の処理に戻るようになっている。これによって、スイッチ操作の有無の判定、スイッチ操作の押圧力等の大きさの判定、単数操作状態における操作されているスイッチ素子5の特定、及び複数操作状態における操作されている各スイッチ素子5の特定が可能となっている。
【0111】
ステップS13では、ステップS1で検出された電圧値AD1,AD2の引き算値(AD1−AD2)がVst以下であるか否か、すなわちいずれかのスイッチ素子5が操作されて安定接触状態となっているか否かが判定され、これによっていずれかのスイッチ素子5が操作(オン)されたか否かが判定される。そして、いずれかのスイッチ素子5が操作されたと判断された場合にはステップS3に進む一方、いずれのスイッチ素子5も操作されていないと判断された場合にはステップS1に戻り、いずれかのスイッチ素子5が操作されるまでステップS1,S2の処理が繰り返される。
【0112】
続くステップS14では、AD1−AD2の値が基準値Vmin以下であるかが判断されることにより、スイッチ素子5の操作状態が単数操作状態及び複数操作状態のいずれになっているかが判断され、単数操作状態と判断された場合にはステップS3に進み前述の場合と同様な処理が行われて操作が行われているスイッチ素子5の特定等が行われてステップS5に進む一方、複数操作状態と判断された場合にはステップS15に進む。
【0113】
ステップS15では、ステップS1で検出された電圧値AD1,AD2に基づいて下記の原理により、いずれの複数個のスイッチ素子5が操作されているかが判定されて、その検出結果が外部機器に出力されて、ステップS5に進む。
【0114】
ステップS15の処理をより詳細に説明すると、処理部7には、図21に示すようなスイッチ位置判定用テーブルT3が予め登録されている。そのテーブルT3には、複数個のスイッチ素子5が同時に操作されたときに電圧値AD1,AD2が取り得る値の範囲を規定する2個の電圧値区間Q3,Q4からなるセットU1が、操作される複数個のスイッチ素子5の組み合わせ態様の種類の数だけ設定され、その各組み合わせ態様に対応付けられている。その各電圧値区間Q3,Q4は、所定の下限値(α1,α2,α3・・・),(γ1,γ2,γ3・・・)及び上限値(β1,β2,β3・・・),(δ1,δ2,δ3・・・)によって規定されており、電磁ノイズの影響、製造バラツキ等による電圧値AD1,AD2のバラツキ等を考慮して誤検出が起こらないように所定の幅を持たせて設定するのが好ましい。なお、各電圧値区間Q3,Q4は、理論的な計算結果に基づいて設定してもよく、実際に各操作スイッチ5を操作して試験して得られる測定値に基づいて設定してもよい。
【0115】
例えば、前述の図8で示されるように、2個のスイッチ素子5が同時に操作され、2箇所で抵抗体1,3間の導通が生じている場合には、電圧値AD1,AD2の値は、下記の式(10),(11)によって一義的に決定される。
【0116】
【数10】
【0117】
すなわち、抵抗体1,3の一方側端部1a,3aから各スイッチ素子5までの距離は既知であるため、接触抵抗値Rcの値を予め予測しておくことにより、検出した電圧値AD1,AD2の値より、複数のスイッチ素子5のうちの2個のスイッチ素子5がどのような組み合わせ態様で操作されたかを判定できるようになっている。よって、上記式(10),(11)を用いることによっても、上記の各セットU1の電圧値区間Q3,Q4を設定することができる。
【0118】
3個以上のスイッチ素子5が同時に操作された場合についても、同様な考え方で、電圧値AD1,AD2より操作されたスイッチ素子5を判定できる。
【0119】
このステップS15における実際の判定処理では、ステップS1で検出された電圧値AD1,AD2が、複数のセットU1のうちのいずれのセットU1の電圧値区間Q3,Q4内に属するを判定することにより、複数個のスイッチ素子5がどのような組み合わせ態様で操作されたかが検出される。より詳細には、検出された電圧値AD1,AD2が複数のセットU1のうちの同一のセットU1の電圧値区間Q3,Q4内に属している場合(例えば、α1<AD1<β1であり、かつγ1<AD2<δ1である場合)にのみ、そのセットU1に対応する組み合わせ態様で複数個のスイッチ素子5が操作されたことを示す信号が外部機器に出力される。それ以外の場合、すなわち、電圧値AD1,AD2が互いに異なるセットU1の電圧値区間Q3,Q4内に属している場合や、電圧値AD1,AD2のいずれか一方又は両方がいずれのセットU1の電圧値区間Q3,Q4内にも属していない場合には、スイッチ操作なしを示す信号が外部機器に出力される。
【0120】
なお、ステップS5,S11,S12の処理内容は、前述の第3実施形態と同様であるが、前述のように、ステップS12の処理により操作の終了が検出されない場合には、ステップS14に戻るようになっている。このため、操作開始が検出されてから操作終了が検出されるまでの間、ステップS3〜S5,S11,S12,S14,S15の処理が繰り返され、これによってスイッチ位置の検出及びスイッチ操作の押圧力等の大きさの検出が繰り返されるようになっている。
【0121】
以上のように、本実施形態によれば、前述の第3実施形態とほぼ同様な効果が得られるとともに、複数個のスイッチ素子5が同時に操作された場合にも、検出した電圧値AD1,AD2に基づいていずれのスイッチ素子5が操作されたかを判定することができ、多様な操作入力を受け付けることができる。
【0122】
また、AD1−AD2の値に基づいて、ステップS14にてスイッチ素子5の操作状態が単数操作状態又は複数操作状態のいずれであるかを判定してから、単数操作状態と複数操作状態との場合に分けて、操作されたスイッチ素子5の判定を行う構成であるため、操作されたスイッチ素子5の判定を正確に行うことができる。
【0123】
さらに、操作開始の検出時点から操作終了の検出時点までの期間内におけるステップS3〜S5,S15の繰り返し処理の速度を調節することにより、その期間内において、スイッチ位置及びスイッチ押圧力等を定期的に複数回検出する構成としたり、スイッチ位置及びスイッチ押圧力等を実質的に連続的に検出する構成としたりすることができる。
【0124】
なお、本実施形態の変形例として、図20のステップS5の処理の代わりに図12のステップS6の処理を行うようにしてもよい。
【0125】
<第5実施形態>
図22は、本発明の第5実施形態に係る入力受付装置の入力受付処理のフローチャートである。本実施形態に係る入力受付装置が前述の第4実施形態に係る入力受付装置と実質的に異なる点は、処理部7の処理内容が一部異なるのみであり、互いに対応する部分には同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0126】
本実施形態では、図22に示すように、前述の図20のステップS12の後にステップS16,S17が追加されている。
【0127】
すなわち、ステップS12の処理において、操作の終了が検出された場合にはステップS1に戻る一方、操作の終了が検出されない場合にはステップS16に進む。
【0128】
ステップS16では、ステップS11で検出された電圧値AD1,AD2の引き算値(AD1−AD2)が基準値Vmin以下であるかが判断されることにより、その時点におけるスイッチ素子5の操作状態が単数操作状態及び複数操作状態のいずれになっているかが判断され、単数操作状態と判断された場合にはステップS5に戻る一方、複数操作状態と判断された場合にはステップS17に進む。
【0129】
ステップS17では、前述のステップS15と同様な処理により、その時点で操作されている複数のスイッチ素子5の特定が行われ、特定されたスイッチ素子5を示す信号が外部機器に出力されてステップS5に戻る。
【0130】
このため、ステップS13で操作の開始が検出され、操作されたスイッチ位置の検出がステップS4,S15等で行われた後は、ステップS12で操作の終了が検出されるまで、ステップS5,S11,S12,S16,S17の処理が繰り返され、スイッチ操作の押圧力等の大きさの検出、及び複数操作状態にある場合における各スイッチ位置の検出が繰り返し行われるようになっている。
【0131】
以上のように、本実施形態においても、前述の第4実施形態とほぼ同様な効果が得られる。
【0132】
ただし、操作開始の検出時点から操作終了の検出時点までの期間内において、前述の第4実施形態では、スイッチ操作状態が単数操作状態と複数操作状態とのいずれにあるかにかかわらず、スイッチ位置の検出が繰り返されるようになっている。これに対し、本実施形態では、操作開始の検出時にスイッチ操作状態が単数操作状態である場合には、操作開始から操作終了までの過程でスイッチ位置の検出はステップS4にて1回だけ行われるようになっている。なお、スイッチ操作状態が複数操作状態であると判定された場合には、本実施形態においても、操作開始から終了までの間において繰り返し処理されるステップS15,S17にてスイッチ位置の検出が行われる。よって、操作開始当初は、スイッチ操作状態が単数操作状態であった場合でも、操作が終了するまでの過程で、複数操作状態に切り替わった場合には、ステップS17にてスイッチ位置の検出が行われるようになっている。
【0133】
なお、本実施形態の変形例として、図22のステップS5の処理の代わりに図12のステップS6の処理を行うようにしてもよい。
【0134】
<変形例等>
図23は、前述の第1ないし第5実施形態に係る入力受付装置の変形例の要部構成を示す図である。この変形例では、前述の各実施形態に係る線状の抵抗体1,3の代わりに、図23に示すように、一方向に帯状に長く延びる抵抗体1,3が設けられている。この抵抗体1,3は、その長手方向に垂直な横幅方向に所定の幅を有しており、所定の間隔をあけて絶縁基板21上に略平行に配設されている。そして、スイッチ素子5の押圧操作に伴って、両抵抗体1,3間がそのスイッチ素子5を介して間接的に導通するようになっている。
【0135】
図24は、前述の第1ないし第5実施形態に係る入力受付装置の他の変形例の要部構成を示す図である。この変形例では、前述の各実施形態に係る線状の抵抗体1,3の代わりに、図24に示すように、所定の幅を有する帯状の抵抗体1,3が略平行に対向して設けられているとともに、スイッチ素子5が省略されており、いずれか一方の抵抗体1,3(例えば、抵抗体1)に対して押圧操作が直接的に行われ、その操作された抵抗体1,3の部分が局所的に弾性変形し、相手側の抵抗体1,3(例えば、抵抗体3)に直接的に電気接触し、それによって抵抗体1,3間がその接触部を介して直接的に導通するようになっている。この両抵抗体1,3間の電気接触は、押圧操作の解除に伴って解除される。
【0136】
前述の各実施形態及びその変形例に係る入力受付装置は、複数のスイッチ素子5(あるいはスイッチ位置)のうちのいずれのスイッチ素子5が操作されたかを特定できるとともに、そのスイッチ素子5に対する操作の押圧力等の大きさも検出できるため、その適用例としては操作の必要な多様な装置の入力受付装置として適用できる。その適用例の具体例の一部をあげると以下のようなものが考えられる。
【0137】
例えば、所定のスイッチ素子5(あるいはスイッチ位置)にオーディオ装置の音量調節のための指令が割り当てられている場合に、そのスイッチ素子5への操作の押圧力が大きいほど、操作に対する音量の変化度合い(変化率)を大きくすることが考えられる。
【0138】
また、所定のスイッチ素子5(あるいはスイッチ位置)にチューナーの選局変更のための指令が割り当てられている場合に、そのスイッチ素子5への操作の押圧力が大きいほど、選局送りの早さを大きくすることが考えられる。
【0139】
さらに、所定のスイッチ素子5(あるいはスイッチ位置)に車両等のパワーウィンドウの開閉のための指令が割り当てられている場合に、そのスイッチ素子5への操作の押圧力が大きいほど、パワーウィンドウの開閉速度を大きくすることが考えられる。
【0140】
また、所定のスイッチ素子5(あるいはスイッチ位置)に時計の時間設定のための指令が割り当てられている場合に、そのスイッチ素子5への操作の押圧力が大きいほど、時間設定のための時間送り速度(又は時間戻り速度)を大きくすることが考えられる。
【0141】
さらに、所定のスイッチ素子5(あるいはスイッチ位置)に表示装置の表示画面(例えば、カーナビゲーション装置の地図画面)又はその表示画面上におけるカーソル位置をスクロールするための指令が割り当てられている場合に、そのスイッチ素子5への操作の押圧力が大きいほど、表示画面又はカーソル位置のスクロール速度を大きくすることが考えられる。
【0142】
【発明の効果】
請求項1及び9に記載の発明によれば、第1の抵抗体における長手方向の一方側端部に第1の定電圧が印加され、その他方側端部が第1の電圧検出位置として設定され、第2の抵抗体の一方側端部が第2の電圧検出位置として設定され、その他方側端部がグランドに接続又は第1の定電圧よりも低い第2の定電圧を印加され、第1の電圧検出位置及び第2の電圧検出位置の電圧値に基づいて抵抗体間の導通状況を検出するようになっているため、操作により抵抗体間に直接的又は間接的な導通が生じた際に、第1の電圧検出位置及び第2の電圧検出位置の電圧値に基づいて抵抗体間の導通状況(両抵抗体に印加された電圧の導通位置についての分圧等)を、抵抗体間の接触抵抗等の影響を受けずに簡易な回路構成により正確に検出することができる。このため、例えば、抵抗体の長手方向又は一方向についての導通位置の検出を正確に行うことができ、入力内容を正確に受け付けることができる。
【0143】
また、抵抗体間の直接的又は間接的な導通位置における接触抵抗値が操作力の増大に伴って小さくなるという性質があるため、この性質を利用することにより、第1及び第2の電圧検出位置の電圧値に基づいて、操作により前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通が生じた際におけるその操作力の大きさ又はその大きさに関連する指標となる量を正確に検出することができる。その結果、抵抗体の長手方向に関する操作が行われた位置だけでなく、操作が行われた際の操作力も一緒に検出することができ、多様な操作入力を受け付けることができる。
【0144】
さらに、操作により抵抗体間に直接的又は間接的な導通が生じた際に、第1の電圧検出位置及び第2の電圧検出位置の電圧値に基づいて、抵抗体間の接触抵抗等を正確に検出することができる。このため、例えば操作状態の不良(押圧力が不十分等)により抵抗体間の接触抵抗が一定の基準より大きい場合には、入力の受け付けを行わないなどの対策を容易に講じることができ、信頼性の向上が図れる。
【0145】
また、第1の電圧検出位置及び第2の電圧検出位置の電圧値に基づいて、抵抗体の長手方向の何箇所で操作による導通が生じているか、及び各導通箇所の導通位置を検出することができ、多様な操作入力に対応可能である。
【0146】
請求項2及び10に記載の発明によれば、第1の電圧検出位置と第2の電圧検出位置との電位差は、抵抗体間の直接的又は間接的な導通位置における接触抵抗値と直接的な相関関係があるため、その両電圧検出位置の電位差に基づいて操作力の大きさ又はその大きさに関連する指標となる量を正確に検出することができる。
【0147】
請求項3及び11に記載の発明によれば、両電圧検出位置間の電位差に基づいて算出した数値により、操作力の大きさを容易に検出することができる。
【0148】
請求項4及び12に記載の発明によれば、両電圧検出位置間の電位差の値が、操作力の大きさに応じて段階的に予め設定された複数の数値区間のうちのいずれの数値区間に属するかを判定することにより、操作力の大きさ等を容易に検出することができる。
【0149】
請求項5及び13に記載の発明によれば、第1の電圧検出位置と第2の電圧検出位置との電位差に基づいて抵抗体間に導通が生じたと判定された場合にのみ、導通位置(スイッチ位置)の検出及び操作力の検出が行われるため、操作が不十分である等の要因により抵抗体間の導通が不十分な状態で、導通位置及び操作力の検出が行われるのを防止することができ、導通位置及び操作力の検出の信頼性の向上が図れる。
【0150】
請求項6及び14に記載の発明によれば、抵抗体の導通位置を特定するための所定の位置計算値を、変数L,Lx,V1,V2,AD1,AD2の関係より容易に算出することができ、その算出した位置計算値に基づいて導通位置の検出を容易に行うことができる。
【0151】
請求項7及び15に記載の発明によれば、操作が行われて第1の電圧検出位置と第2の電圧検出位置との電位差が第1の基準レベルを下回り、抵抗体間の直接的又は間接的な導通が生じた判定されると、前記電位差が第1の基準レベルよりも値の大きい第2の基準レベルを上回るまでは抵抗体間の直接的又は間接的な導通が継続していると判定されるため、抵抗体間の直接的又は間接的な導通発生を検出した際に、操作力の不本意な変動により前記電位差が第1の基準レベルの近傍でふらついた場合でも、本来は一回の操作であるのに複数回操作が行われたとして誤って入力が受け付けられるのを防止することができる。
【0152】
請求項8及び16に記載の発明によれば、抵抗体間の直接的又は間接的な導通の発生を検出した時点からその導通の終了を検出するまでの期間内において、高い信頼性で導通位置及び操作力の検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る入力受付装置の構成を模式的に示す図である。
【図2】抵抗体間の導通が生じた際の回路構成を模式的に示す図である。
【図3】操作時の押圧力又は押圧量と抵抗体間の接触抵抗との関係を示すグラフである。
【図4】操作時の押圧力又は押圧量と電圧値AD1,AD2との関係を示すグラフである。
【図5】操作時の押圧力又は押圧量とAD1−AD2の値との関係と示すグラフである。
【図6】抵抗体間の導通が1箇所で生じた際の回路構成を模式的に示す図である。
【図7】図6の回路上の各ポイントの電圧値を示す図である。
【図8】抵抗体間の導通が2箇所で生じた際の回路構成を模式的に示す図である。
【図9】図8の回路上の各ポイントの電圧値を示す図である。
【図10】図1の入力受付装置による入力受付処理のフローチャートである。
【図11】スイッチ位置判定のためのテーブル構成を示す図である。
【図12】本発明の第2実施形態に係る入力受付装置による入力受付処理のフローチャートである。
【図13】スイッチ位置判定のためのテーブル構成を示す図である。
【図14】本発明の第3実施形態に係る入力受付装置による入力受付処理のフローチャートである。
【図15】十分な操作強度で操作が行われた際の押圧力又は押圧量の時間変化の様子を示すグラフである。
【図16】図15の操作における接触抵抗の時間変化の様子を示すグラフである。
【図17】閾値近傍の操作強度で操作が行われた際の押圧力又は押圧量の時間変化の様子を示すグラフである。
【図18】図17の操作における接触抵抗の時間変化の様子を示すグラフである。
【図19】操作時の押圧力又は押圧量と抵抗体間の接触抵抗との関係を示すグラフである。
【図20】本発明の第4実施形態に係る入力受付装置の入力受付処理のフローチャートである。
【図21】スイッチ位置判定のためのテーブル構成を示す図である。
【図22】本発明の第5実施形態に係る入力受付装置の入力受付処理のフローチャートである。
【図23】変形例に係る入力受付装置の要部の構成を示す図である。
【図24】他の変形例に係る入力受付装置の要部の構成を示す図である。
【符号の説明】
1,3 抵抗体
5 スイッチ素子
7 処理部
Claims (16)
- 一方向に長く延びた形態を有し、略平行に対向配置された同一サイズの第1及び第2の抵抗体を有し、その両抵抗体がその長手方向について単位長さ当たり一定の同一抵抗値を有しており、処理部が、操作により生じる前記抵抗体間の直接的又は他の導電部材を介した間接的な導通状況に基づいて入力を受け付ける入力受付装置であって、
前記第1の抵抗体における前記長手方向の一方側端部に第1の定電圧が印加され、その他方側端部が第1の電圧検出位置として設定され、
前記第2の抵抗体における前記長手方向の一方側端部が、前記第1の電圧検出位置と反対側に位置するように第2の電圧検出位置として設定され、その他方側端部が、グランドに接続又は前記第1の定電圧よりも低い第2の定電圧を印加され、
前記処理部が、前記第1の電圧検出位置及び前記第2の電圧検出位置の電圧値に基づいて、操作により前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通が生じた際における前記長手方向に対する前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通位置を検出するとともに、その操作力の大きさ又はその大きさに関連する指標となる量を検出する、入力受付装置。 - 請求項1に記載の入力受付装置において、
前記処理部が、前記第1の電圧検出位置と前記第2の電圧検出位置との電位差に基づいて、操作により前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通が生じた際におけるその操作力の大きさ又はその大きさに関連する指標となる量を検出する、入力受付装置。 - 請求項2に記載の入力受付装置において、
前記処理部が、前記電位差の値に基づいて、前記操作力の増減に応じて増減する所定の数値を算出し、その数値を前記指標となる量として検出する、入力受付装置。 - 請求項2に記載の入力受付装置において、
前記処理部が、
前記電位差の値が、前記操作力の大きさに応じて段階的に予め設定された複数の数値区間のうちのいずれの数値区間に属するかを判定することにより、前記操作力の大きさを検出する、入力受付装置。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載の入力受付装置において、
前記処理部が、
前記第1の電圧検出位置と前記第2の電圧検出位置との電位差が所定の値以下であるか否かを判定することにより、前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通の有無を検出し、前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通を検出した場合に、前記第1の電圧検出位置及び前記第2の電圧検出位置の電圧値に基づいて、前記長手方向に対する前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通位置を検出するとともに、前記操作力の大きさ又はその大きさに関連する指標となる量を検出する、入力受付装置。 - 請求項1に記載の入力受付装置において、
前記処理部が、
前記両抵抗体の前記長手方向に沿った長さをLとし、前記両抵抗体の一方側端部から前記導通位置までの距離をLxとし、前記第1の抵抗体の前記一方側端部の電圧値をV1とし、前記第2の抵抗体の前記他方側端部の電圧値をV2とし、前記第1の電圧検出位置の電圧値をAD1とし、前記第2の電圧検出位置の電圧値をAD2とした場合に、これらの変数L,Lx,V1,V2,AD1,AD2の関係より、前記導通位置を特定するための距離Lxに応じて変化する所定の位置計算値を算出し、その算出した位置計算値が、前記長手方向について前記両抵抗体に設定される複数のスイッチ位置に応じて予め設定された複数の計算値区間のうちのいずれの計算値区間に属するかを判定することにより、前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通位置が前記複数のスイッチ位置のいずれに対応するかを判定する、入力受付装置。 - 請求項1に記載の入力受付装置において、
前記処理部が、
前記第1の電圧検出位置と前記第2の電圧検出位置との電位差が予め設定された第1の基準レベルを下回ったときに前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通が生じたと判定し、その第1の基準レベルを下回った前記電圧差が前記第1の基準レベルよりも値の大きい予め設定された第2の基準レベルを上回ったときに前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通が終了したと判定する、入力受付装置。 - 請求項7に記載の入力受付装置において、
前記処理部が、
前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通の発生を検出した時点からその導通の終了を検出するまでの期間内において、前記第1の電圧検出位置及び前記第2の電圧検出位置の電圧値に基づいて、前記長手方向に対する前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通位置を検出するとともに、その操作力の大きさ又はその大きさに関連する指標となる量を検出する、入力受付装置。 - 一方向に長く延びた形態を有し、略平行に対向配置された同一サイズの第1及び第2の抵抗体を有し、その両抵抗体がその長手方向について単位長さ当たり一定の同一抵抗値を有しており、操作により生じる前記抵抗体間の直接的又は他の導電部材を介した間接的な導通状況に基づいて入力を受け付ける入力受付方法であって、
前記第1の抵抗体における前記長手方向の一方側端部に第1の定電圧が印加され、その他方側端部が第1の電圧検出位置として設定され、
前記第2の抵抗体における前記長手方向の一方側端部が、前記第1の電圧検出位置と反対側に位置するように第2の電圧検出位置として設定され、その他方側端部が、グランドに接続又は前記第1の定電圧よりも低い第2の定電圧を印加され、
前記第1の電圧検出位置及び前記第2の電圧検出位置の電圧値に基づいて、操作により前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通が生じた際における前記長手方向に対する前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通位置を検出するとともに、その操作力の大きさ又はその大きさに関連する指標となる量を検出する、入力受付方法。 - 請求項9に記載の入力受付方法において、
前記第1の電圧検出位置と前記第2の電圧検出位置との電位差に基づいて、操作により前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通が生じた際におけるその操作力の大きさ又はその大きさに関連する指標となる量を検出する、入力受付方法。 - 請求項10に記載の入力受付方法において、
前記電位差の値に基づいて、前記操作力の増減に応じて増減する所定の数値を算出し、その数値を前記指標となる量として検出する、入力受付方法。 - 請求項10に記載の入力受付方法において、
前記電位差の値が、前記操作力の大きさに応じて段階的に予め設定された複数の数値区間のうちのいずれの数値区間に属するかを判定することにより、前記操作力の大きさを検出する、入力受付方法。 - 請求項9ないし12のいずれかに記載の入力受付方法において、
前記第1の電圧検出位置と前記第2の電圧検出位置との電位差が所定の値以下であるか否かを判定することにより、前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通の有無を検出し、前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通を検出した場合に、前記第1の電圧検出位置及び前記第2の電圧検出位置の電圧値に基づいて、前記長手方向に対する前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通位置を検出するとともに、前記操作力の大きさ又はその大きさに関連する指標となる量を検出する、入力受付方法。 - 請求項9に記載の入力受付方法において、
前記両抵抗体の前記長手方向に沿った長さをLとし、前記両抵抗体の一方側端部から前記導通位置までの距離をLxとし、前記第1の抵抗体の前記一方側端部の電圧値をV1とし、前記第2の抵抗体の前記他方側端部の電圧値をV2とし、前記第1の電圧検出位置の電圧値をAD1とし、前記第2の電圧検出位置の電圧値をAD2とした場合に、これらの変数L,Lx,V1,V2,AD1,AD2の関係より、前記導通位置を特定するための距離Lxに応じて変化する所定の位置計算値を算出し、その算出した位置計算値が、前記長手方向について前記両抵抗体に設定される複数のスイッチ位置に応じて予め設定された複数の計算値区間のうちのいずれの計算値区間に属するかを判定することにより、前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通位置が前記複数のスイッチ位置のいずれに対応するかを判定する、入力受付方法。 - 請求項9に記載の入力受付方法において、
前記第1の電圧検出位置と前記第2の電圧検出位置との電位差が予め設定された第1の基準レベルを下回ったときに前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通が生じたと判定し、その第1の基準レベルを下回った前記電圧差が前記第1の基準レベルよりも値の大きい予め設定された第2の基準レベルを上回ったときに前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通が終了したと判定する、入力受付方法。 - 請求項15に記載の入力受付方法において、
前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通の発生を検出した時点からその導通の終了を検出するまでの期間内において、前記第1の電圧検出位置及び前記第2の電圧検出位置の電圧値に基づいて、前記長手方向に対する前記抵抗体間の直接的又は間接的な導通位置を検出するとともに、その操作力の大きさ又はその大きさに関連する指標となる量を検出する、入力受付方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002359235A JP2004191171A (ja) | 2002-12-11 | 2002-12-11 | 入力受付装置及び入力受付方法 |
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JP2002359235A JP2004191171A (ja) | 2002-12-11 | 2002-12-11 | 入力受付装置及び入力受付方法 |
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JP (1) | JP2004191171A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009503687A (ja) * | 2005-07-29 | 2009-01-29 | インターリンク エレクトロニクス,インク. | タッチセンサ式制御入力面を有するセンサを介して制御機能を実装するシステム及び方法 |
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2002
- 2002-12-11 JP JP2002359235A patent/JP2004191171A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009503687A (ja) * | 2005-07-29 | 2009-01-29 | インターリンク エレクトロニクス,インク. | タッチセンサ式制御入力面を有するセンサを介して制御機能を実装するシステム及び方法 |
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