JP2004190833A - 手動変速への切換え時にスポーツ化される車輌用変速装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車輌用変速装置が自動変速モードから手動変速モードへの切り換えられるのは多くの場合運転者がより高いドライバビリティ求めるときであるとの認識を踏まえ、運転者がその意図を明確に表すことができる手段を講じた上で、変速モード切換えに手動変速モードのスポーツ化を加える。
【解決手段】自動変速モードから手動変速モードへ切り換えられたとき、変速モード切り換えの速度が所定値以上であれば、それが該所定値以下であるときに比して手動変速モードをスポーツ化する。
【選択図】 図1
【解決手段】自動変速モードから手動変速モードへ切り換えられたとき、変速モード切り換えの速度が所定値以上であれば、それが該所定値以下であるときに比して手動変速モードをスポーツ化する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輌用変速装置に係り、特に無段変速機を用いた車輌用変速装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
駆動軸の回転数に対する被動軸の回転数(変速比)を無段階に連続して変えることができる無段変速機がベルト式無段変速機やトロイダル式無段変速機として知られており、車輌用変速装置として用いられている。またかかる無段変速機を用いて車輌用変速装置を構成する場合、無段変速機をその変速比が自動変速手段により車輌の運転状態に応じて自動的に設定される自動変速モードと、その変速比が手動変速手段により運転者の意図するところに応じて手動的に設定される手動変速モードとの間に随時切り換えて作動させることが行われている。
【0003】
図3はそのような公知の車輌用変速装置を含む車輌駆動系の基本構成を示す概略図である。図に於いて、10はエンジンであり、直結クラッチ12を備えたトルクコンバータ14、歯車変速機構16、無段変速機(CVT)18、プロペラ軸20、差動歯車22、一対の車軸24を経て一対の駆動輪26を駆動するようになっている。エンジン10、トルクコンバータの直結クラッチ12、歯車変速機構14、無段変速機16の作動はマイクロコンピュータを備えた電子制御装置(ECU)28により制御されるようになっている。電子制御装置28には、図には示されていないアクセルペダルよりその踏み込み量に関する信号、車速センサ30より車速に関する信号、シフトレバーの如き操作端を備えた変速操作装置32より運転者による変速指令信号、その他の電子制御装置の作動に必要が情報を与える信号が供給されている。
【0004】
変速操作装置32は、図示の如くP、R、N、D、M、+、−の各シフト位置を備えたJ字型の溝と、これに沿って各シフト位置の間に手にて移動されるシフトレバー(図示せず)とを備えている。P、R、Nはそれぞれパーキング、リバース、ニュートラルのシフト位置である。シフトレバーがD位置にあるとき、無段変速機18は電子制御装置28の制御判断に従って所定の変速比を達成する状態に制御され、またシフトレバーがM位置にあるとき、無段変速機18は運転者によるシフトレバーの操作に従って所定の変速比を達成する状態に制御される。この場合、図示の公知例に於いては、シフトレバーは運転者がこれを手にて操作することによりM位置より+位置または−位置へ任意にシフトされるが、運転者がシフトレバーに加える力を解除すると、シフトレバーはばね力によりM位置に戻されるようになっている。そしてシフトレバーがM位置より+位置へシフトされる度に無段変速機は1段階だけアップシフトされ、またシフトレバーがM位置より−位置へシフトされる度に無段変速機は1段階だけダウンシフトされるようになっている。
【0005】
即ち、無段変速機18による変速は、自動変速モードにて作動されるときには、図4に示す如きCVT入力回転数を縦軸とし車速を横軸とする座標系で見て、例えば変速線A−B−Cの如き経過を経て無段階にアップシフトされ、また変速線C−Dの如き経過を経て無段階にダウンシフトされるが、手動変速モードにて作動されるときには、図にR1〜R9にて示す如く予め複数の変速段が設定され、シフトレバーがM位置より+位置または−位置へシフトされる度に、これらの予め設定された変速段の間で1段ずつアップシフト側またはダウンシフト側へ変速段が切換えられ、例えばアップシフトは変速線L−M−N−O−……−Pの如き経過を経て段階的に行われ、ダウンシフトは変速線P−Q−R−……−Sの如き経過を経て段階的に行われるようになっている。
【0006】
かかる自動変速モードや手動変速モードに関する制御態様やその間の切り換え制御について、如何にそれをより好適に行うかについて、従来より種々の提案がなされている。例えば、下記の特許文献1には、自動変速モードから手動変速モードへ切換えにはエンジンブレーキへの期待があることに鑑み、切換え直後の初期変速比をそれまで自動変速モードにて設定されていた変速比より増大し、自動変速モードから手動変速モードへの切り換えにダウンシフトを付加することが提案されている。また下記の特許文献2には、自動変速モードから手動変速モードへ切り換えたとき、切換え直後の手動変速による変速の進行速度をそれ以外の時の手動変速による変速の進行速度より遅くすることにより、変速モード切り換えの際の変速比の急激な変化を抑制することが提案されている。また下記の特許文献3には、運転者の変速に対する要求度を変速速度に反映させるよう、手動変速モードに於いてアップシフトまたはダウンシフトを指令する操作力または操作ストロークが大きいほど、該指令により実行される変速の変速速度を大きくすることが提案されている。
【特許文献1】
特開2001−99309号公報
【特許文献2】
特開2001−235018号公報
【特許文献3】
特開平7−301321号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
手動変速による走行と自動変速による走行に於ける変速比の選択を比較すると、一般に多くの運転者に於いて手動により選択される変速比は自動により選択される変速比より大きい。これは、運転者は通常ドライバビリティを求めて変速段の切り換えを行うのに対し、自動変速手段はドライバビリティに加えて燃料消費の経済性をも追及して変速比の選定を行うからである。そのため運転者が自動変速モードから手動変速モードへの切り換えを行うのは、多くの場合、単にその場のダウンシフトを求めるだけでなく、運転者がより高いドライバビリティ求めるときである。
【0008】
本発明は、上記の事情に着目し、かかる観点から更に作動性能が改善された車輌用変速装置を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するものとして、本発明は、無段変速機と、前記無段変速機の変速比を車輌の運転状態に応じて自動的に設定する自動変速手段と、前記無段変速機の変速比を手動で設定する手動変速手段とを備え、前記自動変速手段により前記無段変速機の変速比が設定される自動変速モードと前記手動変速手段により前記無段変速機の変速比が設定される手動変速モードとの間に随時切り換えられて作動する車輌用変速装置にして、前記自動変速モードから前記手動変速モードへ切り換えられたとき、前記変速モード切り換えの速度が所定値以上であれば、それが該所定値以下であるときに比して前記手動変速モードがスポーツ化されることを特徴とする車輌用変速装置を提供するものである。
【0010】
この場合、手動変速モードに於いては操作端の操作により切り換えて使用される複数の互いに異なる変速比による変速段が用意され、手動変速モードのスポーツ化はそのような変速段を高変速比側に偏倚させることであってよい。
【0011】
上記の手動変速モードスポーツ化はスポーツ運転が行なわれる間実行されるようになっていてよく、この場合、スポーツ運転はアクセル開度がそれに対する所定のしきい値以上であることと、ブレーキペダルとアクセルペダルの踏み換え頻度がそれに対する所定のしきい値以上であることと、変速段切り換えの頻度がそれに対する所定のしきい値以上であることの少なくとも一つの条件が満たされていることとされてよい。
【0012】
【発明の作用及び効果】
上記の如く無段変速機を自動変速手段の制御判断により変速する自動変速モードと手動により変速する手動変速モードとの間に切り換えて作動させる車輌用変速装置に於いて、変速モードが自動変速モードから手動変速モードへ切り換えられるのは、多くの場合運転者がより高いドライバビリティ求めるときであり、それは車速に対する駆動トルクの大きさを相対的に高めて車輌の運転特性をスポーツ化することであると考えられる。しかし、勿論、その他の都合により自動変速モードより手動変速モードへの切り換えが行われることも多々あり得る。そこで、自動変速モードから手動変速モードへの切り換えの速度が所定値以上であれば、確かに運転者は車輌性能のスポーツ化を望んでいると判断するようにすれば、運転者の意図に反して車輌性能をスポーツ化することを回避することができる。また、車輌のスポーツ化が変速モードの切り換え速度により選択できるようになっていれば、ドライバビリティに対する要求度が高いときほど変速モード切り換えを迅速に行うという習性を元来有していない運転者であっても、容易にそのような行動をとるように慣れることが合理的に期待でき、自動変速モードから手動変速モードへの切り換えの速度を或る適当な所定値以上にするか否かによって手動変速モードをスポーツ化させるか否かの選択を運転要領の一環として定着させることができると考えられる。
【0013】
車輌用変速装置の変速比を全体としてより高めにすれば、車輌のスポーツ性は向上するので、手動変速モードに於いて操作端の操作により切り換えて使用される複数の互いに異なる変速比による変速段が用意されるときには、変速段を高変速比側に偏倚させることでそのスポーツ化を達成することができる。
【0014】
また、手動変速モードのスポーツ化が、アクセル開度がそれに対する所定のしきい値以上であること、ブレーキペダルとアクセルペダルの踏み換え頻度がそれに対する所定のしきい値以上であること、変速段切り換えの頻度がそれに対する所定のしきい値以上であることの少なくとも一つの条件が満たされているようなスポーツ運転が行なわれる間実行されるようになっていれば、手動変速モードへの切り換え操作は手動変速モードをスポーツ化させるほど速く行われても、運転者がそのようなスポーツ運転を行わないとき、或いはスポーツ運転が終了したときには、直ちに変速モードのスポーツ化を解除し、スポーツ運転による燃料消費の無意味な増大を回避し、ドライバビリティと燃料消費率との間の調和を図ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は上記の如き制御を実行する本発明による車輌用変速装置の一つの実施の形態をその作動の形態に於いて示すフローチャートである。かかるフローチャートによる制御は、図3に示す電子制御装置28の如き車輌運転制御手段により行なわれ、この種の技術分野に於ける周知の要領により、車輌のイグニションスイッチが閉じられると同時に開始され、車輌の運転中数十ミリセカンド毎の周期にて繰り返される。
【0016】
制御が開始されると、ステップ1にて自動変速モードから手動変速モードへの切り換えが行われたか否かが判断される。答がノーである間、制御はそのまま終了し次の制御サイクルに備える。これに対し答がイエスであると制御はステップ2へ進み、自動変速モードから手動変速モードへの切換えの操作端であるレバーの操作速度がしきい値として設定された所定値以上であるか否かが判断される。答がノーであれば制御はステップ3へ進み、図4に例示した如き複数の変速段を設定した手動変速パターンを通常モードに設定して手動変速に備えることが行われる。
【0017】
これに対し、ステップ2の答がイエスであれば、制御はステップ4へ進み、手動変速パターンをスポーツ化することが行われる。これは例えば図2に示す如く、通常モードに於いてはR1〜R9の如く設定される変速段手動切換えのための変速線をR1s〜R9sの如く変速比か増大する側に偏倚させることであってよい。
【0018】
この場合、制御は更にステップ5へ進み、スポーツ運転が行われているか否かが判断される。スポーツ運転とは、実施の形態の例として、上記の如くアクセル開度がそれに対する所定のしきい値以上であることと、ブレーキペダルとアクセルペダルの踏み換え頻度がそれに対する所定のしきい値以上であることと、変速段切り換えの頻度がそれに対する所定のしきい値以上であることの少なくとも一つの条件が満たされていることとされてよい。そしてステップ4にて一旦手動変速パターンのスポーツ化が開始されたときには、ステップ5の答がイエスである間手動変速パターンのスポーツ化は維持され、答がノーに転じたところで制御ステップは3へ進み、手動変速パターンは通常モードに戻される。尚、自動変速モードから手動変速モードへの切換えのシフトレバー操作速度が所定値以上であり、制御がステップ4へ進んで手動変速パターンのスポーツ化が行われたときにも、初めからスポーツ運転が行われていないときには、制御は直ちにステップ3へ進み、手動変速パターンのスポーツ化は直ちに解除される。
【0019】
以上に於いては本発明を一つの実施の形態について詳細に説明したが、かかる実施の形態について本発明の範囲内にて種々の変更が可能であることは当業者にとって明らかであろう。例えば、ステップ2に於ける所定値は唯一通りでなく、複数の段階に分けて設定され、それに対応してステップ4に於ける手動変速パターンのスポーツ化はシフトレバー操作速度に応じて複数の段階に分けて設定されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車輌用変速装置の一つの実施の形態をその作動の形態に於いて示すフローチャート。
【図2】図1に示すフローチャートによる車輌用変速装置の作動の要点をCVT入口回転数を縦軸とし車速を横軸とする座標系に於いて従来技術に対比させて示す線図。
【図3】本発明による改良の対象となる車輌用変速装置を含む車輌駆動系の公知の基本構成を示す概略図。
【図4】図3に示す公知の車輌用変速装置の公知の変速作動態様をCVT入口回転数を縦軸とし車速を横軸とする座標系に於いて示す線図。
【符号の説明】
10…エンジン、12…直結クラッチ、14…トルクコンバータ、16…歯車変速機構、18…無段変速機(CVT)、20…プロペラ軸、22…差動歯車、24…車軸、26…駆動輪、28…電子制御装置(ECU)、30…車速センサ、32…変速操作装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輌用変速装置に係り、特に無段変速機を用いた車輌用変速装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
駆動軸の回転数に対する被動軸の回転数(変速比)を無段階に連続して変えることができる無段変速機がベルト式無段変速機やトロイダル式無段変速機として知られており、車輌用変速装置として用いられている。またかかる無段変速機を用いて車輌用変速装置を構成する場合、無段変速機をその変速比が自動変速手段により車輌の運転状態に応じて自動的に設定される自動変速モードと、その変速比が手動変速手段により運転者の意図するところに応じて手動的に設定される手動変速モードとの間に随時切り換えて作動させることが行われている。
【0003】
図3はそのような公知の車輌用変速装置を含む車輌駆動系の基本構成を示す概略図である。図に於いて、10はエンジンであり、直結クラッチ12を備えたトルクコンバータ14、歯車変速機構16、無段変速機(CVT)18、プロペラ軸20、差動歯車22、一対の車軸24を経て一対の駆動輪26を駆動するようになっている。エンジン10、トルクコンバータの直結クラッチ12、歯車変速機構14、無段変速機16の作動はマイクロコンピュータを備えた電子制御装置(ECU)28により制御されるようになっている。電子制御装置28には、図には示されていないアクセルペダルよりその踏み込み量に関する信号、車速センサ30より車速に関する信号、シフトレバーの如き操作端を備えた変速操作装置32より運転者による変速指令信号、その他の電子制御装置の作動に必要が情報を与える信号が供給されている。
【0004】
変速操作装置32は、図示の如くP、R、N、D、M、+、−の各シフト位置を備えたJ字型の溝と、これに沿って各シフト位置の間に手にて移動されるシフトレバー(図示せず)とを備えている。P、R、Nはそれぞれパーキング、リバース、ニュートラルのシフト位置である。シフトレバーがD位置にあるとき、無段変速機18は電子制御装置28の制御判断に従って所定の変速比を達成する状態に制御され、またシフトレバーがM位置にあるとき、無段変速機18は運転者によるシフトレバーの操作に従って所定の変速比を達成する状態に制御される。この場合、図示の公知例に於いては、シフトレバーは運転者がこれを手にて操作することによりM位置より+位置または−位置へ任意にシフトされるが、運転者がシフトレバーに加える力を解除すると、シフトレバーはばね力によりM位置に戻されるようになっている。そしてシフトレバーがM位置より+位置へシフトされる度に無段変速機は1段階だけアップシフトされ、またシフトレバーがM位置より−位置へシフトされる度に無段変速機は1段階だけダウンシフトされるようになっている。
【0005】
即ち、無段変速機18による変速は、自動変速モードにて作動されるときには、図4に示す如きCVT入力回転数を縦軸とし車速を横軸とする座標系で見て、例えば変速線A−B−Cの如き経過を経て無段階にアップシフトされ、また変速線C−Dの如き経過を経て無段階にダウンシフトされるが、手動変速モードにて作動されるときには、図にR1〜R9にて示す如く予め複数の変速段が設定され、シフトレバーがM位置より+位置または−位置へシフトされる度に、これらの予め設定された変速段の間で1段ずつアップシフト側またはダウンシフト側へ変速段が切換えられ、例えばアップシフトは変速線L−M−N−O−……−Pの如き経過を経て段階的に行われ、ダウンシフトは変速線P−Q−R−……−Sの如き経過を経て段階的に行われるようになっている。
【0006】
かかる自動変速モードや手動変速モードに関する制御態様やその間の切り換え制御について、如何にそれをより好適に行うかについて、従来より種々の提案がなされている。例えば、下記の特許文献1には、自動変速モードから手動変速モードへ切換えにはエンジンブレーキへの期待があることに鑑み、切換え直後の初期変速比をそれまで自動変速モードにて設定されていた変速比より増大し、自動変速モードから手動変速モードへの切り換えにダウンシフトを付加することが提案されている。また下記の特許文献2には、自動変速モードから手動変速モードへ切り換えたとき、切換え直後の手動変速による変速の進行速度をそれ以外の時の手動変速による変速の進行速度より遅くすることにより、変速モード切り換えの際の変速比の急激な変化を抑制することが提案されている。また下記の特許文献3には、運転者の変速に対する要求度を変速速度に反映させるよう、手動変速モードに於いてアップシフトまたはダウンシフトを指令する操作力または操作ストロークが大きいほど、該指令により実行される変速の変速速度を大きくすることが提案されている。
【特許文献1】
特開2001−99309号公報
【特許文献2】
特開2001−235018号公報
【特許文献3】
特開平7−301321号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
手動変速による走行と自動変速による走行に於ける変速比の選択を比較すると、一般に多くの運転者に於いて手動により選択される変速比は自動により選択される変速比より大きい。これは、運転者は通常ドライバビリティを求めて変速段の切り換えを行うのに対し、自動変速手段はドライバビリティに加えて燃料消費の経済性をも追及して変速比の選定を行うからである。そのため運転者が自動変速モードから手動変速モードへの切り換えを行うのは、多くの場合、単にその場のダウンシフトを求めるだけでなく、運転者がより高いドライバビリティ求めるときである。
【0008】
本発明は、上記の事情に着目し、かかる観点から更に作動性能が改善された車輌用変速装置を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するものとして、本発明は、無段変速機と、前記無段変速機の変速比を車輌の運転状態に応じて自動的に設定する自動変速手段と、前記無段変速機の変速比を手動で設定する手動変速手段とを備え、前記自動変速手段により前記無段変速機の変速比が設定される自動変速モードと前記手動変速手段により前記無段変速機の変速比が設定される手動変速モードとの間に随時切り換えられて作動する車輌用変速装置にして、前記自動変速モードから前記手動変速モードへ切り換えられたとき、前記変速モード切り換えの速度が所定値以上であれば、それが該所定値以下であるときに比して前記手動変速モードがスポーツ化されることを特徴とする車輌用変速装置を提供するものである。
【0010】
この場合、手動変速モードに於いては操作端の操作により切り換えて使用される複数の互いに異なる変速比による変速段が用意され、手動変速モードのスポーツ化はそのような変速段を高変速比側に偏倚させることであってよい。
【0011】
上記の手動変速モードスポーツ化はスポーツ運転が行なわれる間実行されるようになっていてよく、この場合、スポーツ運転はアクセル開度がそれに対する所定のしきい値以上であることと、ブレーキペダルとアクセルペダルの踏み換え頻度がそれに対する所定のしきい値以上であることと、変速段切り換えの頻度がそれに対する所定のしきい値以上であることの少なくとも一つの条件が満たされていることとされてよい。
【0012】
【発明の作用及び効果】
上記の如く無段変速機を自動変速手段の制御判断により変速する自動変速モードと手動により変速する手動変速モードとの間に切り換えて作動させる車輌用変速装置に於いて、変速モードが自動変速モードから手動変速モードへ切り換えられるのは、多くの場合運転者がより高いドライバビリティ求めるときであり、それは車速に対する駆動トルクの大きさを相対的に高めて車輌の運転特性をスポーツ化することであると考えられる。しかし、勿論、その他の都合により自動変速モードより手動変速モードへの切り換えが行われることも多々あり得る。そこで、自動変速モードから手動変速モードへの切り換えの速度が所定値以上であれば、確かに運転者は車輌性能のスポーツ化を望んでいると判断するようにすれば、運転者の意図に反して車輌性能をスポーツ化することを回避することができる。また、車輌のスポーツ化が変速モードの切り換え速度により選択できるようになっていれば、ドライバビリティに対する要求度が高いときほど変速モード切り換えを迅速に行うという習性を元来有していない運転者であっても、容易にそのような行動をとるように慣れることが合理的に期待でき、自動変速モードから手動変速モードへの切り換えの速度を或る適当な所定値以上にするか否かによって手動変速モードをスポーツ化させるか否かの選択を運転要領の一環として定着させることができると考えられる。
【0013】
車輌用変速装置の変速比を全体としてより高めにすれば、車輌のスポーツ性は向上するので、手動変速モードに於いて操作端の操作により切り換えて使用される複数の互いに異なる変速比による変速段が用意されるときには、変速段を高変速比側に偏倚させることでそのスポーツ化を達成することができる。
【0014】
また、手動変速モードのスポーツ化が、アクセル開度がそれに対する所定のしきい値以上であること、ブレーキペダルとアクセルペダルの踏み換え頻度がそれに対する所定のしきい値以上であること、変速段切り換えの頻度がそれに対する所定のしきい値以上であることの少なくとも一つの条件が満たされているようなスポーツ運転が行なわれる間実行されるようになっていれば、手動変速モードへの切り換え操作は手動変速モードをスポーツ化させるほど速く行われても、運転者がそのようなスポーツ運転を行わないとき、或いはスポーツ運転が終了したときには、直ちに変速モードのスポーツ化を解除し、スポーツ運転による燃料消費の無意味な増大を回避し、ドライバビリティと燃料消費率との間の調和を図ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は上記の如き制御を実行する本発明による車輌用変速装置の一つの実施の形態をその作動の形態に於いて示すフローチャートである。かかるフローチャートによる制御は、図3に示す電子制御装置28の如き車輌運転制御手段により行なわれ、この種の技術分野に於ける周知の要領により、車輌のイグニションスイッチが閉じられると同時に開始され、車輌の運転中数十ミリセカンド毎の周期にて繰り返される。
【0016】
制御が開始されると、ステップ1にて自動変速モードから手動変速モードへの切り換えが行われたか否かが判断される。答がノーである間、制御はそのまま終了し次の制御サイクルに備える。これに対し答がイエスであると制御はステップ2へ進み、自動変速モードから手動変速モードへの切換えの操作端であるレバーの操作速度がしきい値として設定された所定値以上であるか否かが判断される。答がノーであれば制御はステップ3へ進み、図4に例示した如き複数の変速段を設定した手動変速パターンを通常モードに設定して手動変速に備えることが行われる。
【0017】
これに対し、ステップ2の答がイエスであれば、制御はステップ4へ進み、手動変速パターンをスポーツ化することが行われる。これは例えば図2に示す如く、通常モードに於いてはR1〜R9の如く設定される変速段手動切換えのための変速線をR1s〜R9sの如く変速比か増大する側に偏倚させることであってよい。
【0018】
この場合、制御は更にステップ5へ進み、スポーツ運転が行われているか否かが判断される。スポーツ運転とは、実施の形態の例として、上記の如くアクセル開度がそれに対する所定のしきい値以上であることと、ブレーキペダルとアクセルペダルの踏み換え頻度がそれに対する所定のしきい値以上であることと、変速段切り換えの頻度がそれに対する所定のしきい値以上であることの少なくとも一つの条件が満たされていることとされてよい。そしてステップ4にて一旦手動変速パターンのスポーツ化が開始されたときには、ステップ5の答がイエスである間手動変速パターンのスポーツ化は維持され、答がノーに転じたところで制御ステップは3へ進み、手動変速パターンは通常モードに戻される。尚、自動変速モードから手動変速モードへの切換えのシフトレバー操作速度が所定値以上であり、制御がステップ4へ進んで手動変速パターンのスポーツ化が行われたときにも、初めからスポーツ運転が行われていないときには、制御は直ちにステップ3へ進み、手動変速パターンのスポーツ化は直ちに解除される。
【0019】
以上に於いては本発明を一つの実施の形態について詳細に説明したが、かかる実施の形態について本発明の範囲内にて種々の変更が可能であることは当業者にとって明らかであろう。例えば、ステップ2に於ける所定値は唯一通りでなく、複数の段階に分けて設定され、それに対応してステップ4に於ける手動変速パターンのスポーツ化はシフトレバー操作速度に応じて複数の段階に分けて設定されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車輌用変速装置の一つの実施の形態をその作動の形態に於いて示すフローチャート。
【図2】図1に示すフローチャートによる車輌用変速装置の作動の要点をCVT入口回転数を縦軸とし車速を横軸とする座標系に於いて従来技術に対比させて示す線図。
【図3】本発明による改良の対象となる車輌用変速装置を含む車輌駆動系の公知の基本構成を示す概略図。
【図4】図3に示す公知の車輌用変速装置の公知の変速作動態様をCVT入口回転数を縦軸とし車速を横軸とする座標系に於いて示す線図。
【符号の説明】
10…エンジン、12…直結クラッチ、14…トルクコンバータ、16…歯車変速機構、18…無段変速機(CVT)、20…プロペラ軸、22…差動歯車、24…車軸、26…駆動輪、28…電子制御装置(ECU)、30…車速センサ、32…変速操作装置
Claims (4)
- 無段変速機と、前記無段変速機の変速比を車輌の運転状態に応じて自動的に設定する自動変速手段と、前記無段変速機の変速比を手動で設定する手動変速手段とを備え、前記自動変速手段により前記無段変速機の変速比が設定される自動変速モードと前記手動変速手段により前記無段変速機の変速比が設定される手動変速モードとの間に随時切り換えられて作動する車輌用変速装置にして、前記自動変速モードから前記手動変速モードへ切り換えられたとき、前記変速モード切り換えの速度が所定値以上であれば、それが該所定値以下であるときに比して前記手動変速モードがスポーツ化されることを特徴とする車輌用変速装置。
- 前記手動変速モードに於いては操作端の操作により切り換えて使用される複数の互いに異なる変速比による変速段が用意され、前記手動変速モードのスポーツ化は前記変速段を高変速比側に偏倚させることであることを特徴とする請求項1に記載の車輌用変速装置。
- 前記手動変速モードのスポーツ化はスポーツ運転が行なわれる間実行されることを特徴とする請求項1または2に記載の車輌用変速装置。
- 前記スポーツ運転はアクセル開度がそれに対する所定のしきい値以上であることと、ブレーキペダルとアクセルペダルの踏み換え頻度がそれに対する所定のしきい値以上であることと、変速段切り換えの頻度がそれに対する所定のしきい値以上であることの少なくとも一つの条件が満たされていることであることを特徴とする請求項3に記載の車輌用変速装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002362358A JP2004190833A (ja) | 2002-12-13 | 2002-12-13 | 手動変速への切換え時にスポーツ化される車輌用変速装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002362358A JP2004190833A (ja) | 2002-12-13 | 2002-12-13 | 手動変速への切換え時にスポーツ化される車輌用変速装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004190833A true JP2004190833A (ja) | 2004-07-08 |
Family
ID=32760822
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002362358A Pending JP2004190833A (ja) | 2002-12-13 | 2002-12-13 | 手動変速への切換え時にスポーツ化される車輌用変速装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004190833A (ja) |
-
2002
- 2002-12-13 JP JP2002362358A patent/JP2004190833A/ja active Pending
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