JP2004190487A - ロータリ式シリンダ装置 - Google Patents

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Fumito Komatsu
文人 小松
Kenji Muramatsu
健次 村松
Tadashi Arii
正 有井
Katsuhiko Hayashi
勝彦 林
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Abstract

【課題】回転抵抗となる背圧を効率よく逃がす。
【解決手段】ロータリ式シリンダ装置1を回転シリンダ部材2又はピストン保持部5材に回転動作を与えることにより、吸込口61から流体を吸入し、吐出口62から流体を排出する流体搬送ポンプに用いた場合には、高圧側となる吐出口62からピストン保持部材5の背後に回り込んだ背圧を低圧側(例えば吸込口61)に導く流路92や、回転シリンダ部材2の背後に回り込んだ背圧を低圧側(例えば吸込口61)に導く流路91を設けている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロータリ式シリンダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ロータリ式シリンダ装置として、特開2001−3701号公報に開示されたものがある。かかるロータリ式シリンダ装置101は、図11及び図12に示すように、円形形状の回転シリンダ部材102と、180度離れた2つの偏心した自転中心位置x1,x2にそれぞれピストン103,104を回動可能に保持しかつ回転シリンダ部材102の回転軸心oから偏心した位置を回転中心位置Xとして回転するピストン保持部材105と、回転シリンダ部材102及びピストン保持部材105の両回転部材をそれぞれ回転自在に支持するケーシング106と、を有している。
【0003】
回転シリンダ部材102にはシリンダ室123a〜123dが形成されている。支軸151を図示しないモータによって回転させると、ピストン保持部材105が回転し、ピストン103をシリンダ室123a,123bに沿って往復運動させながら、また、ピストン104をシリンダ室123c,123dに沿って往復運動させながら、回転中心位置Xまわりに回転させる。これにより、回転シリンダ部材102も回転し、吸込口161からシリンダ室123a〜123d内に吸い込んだ流体をピストン103,104によって加圧して吐出口162から吐出させる。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−3701号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のロータリ式シリンダ装置では、吸込口161から吸い込んだ流体を加圧して吐出口162から吐出させるので、加圧された流体がケーシング106と回転シリンダ部材102の隙間から回転シリンダ部材102の背後に漏れることがあり、また、ケーシング106とピストン保持部材105の隙間からピストン保持部材105の背後に漏れることがある。
【0005】
回転シリンダ部材102の背後に漏れた流体は回転シリンダ部材102の回転抵抗となる背圧(シリンダ背圧)を発生させ、ピストン保持部材105の背後に漏れた流体はピストン保持部材105の回転抵抗となる背圧(ピストン背圧)を発生させる。このため、シリンダ背圧やピストン背圧を逃がす必要があるが、このとき、ロータリ式シリンダ装置101の機械効率を向上させるために背圧を効率良く逃がす必要がある。
【0006】
本発明は、背圧を効率よく逃がすことができるロータリ式シリンダ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために請求項1記載の発明は、回転軸心を中心として形成された空洞部に連通し、該空洞部を挟んで対向する少なくとも一対のシリンダ室を有する円形形状の回転シリンダ部材と、回転シリンダ部材の回転軸心から偏心した回転中心位置を中心として回転するピストン保持部材とを、支持部材にそれぞれ回転自在に支持すると共に、ピストン保持部材の回転中心位置から偏心した自転中心位置には、その位置を中心として回動可能にピストンが保持され、回転シリンダ部材とピストン保持部材との相対回動によりピストン自体が自転中心位置を中心として回動しながらかつ回転中心位置を中心として回転することによって一対のシリンダ室の双方に出入りすると共に、支持部材に、シリンダ室に連なる吸込口及び吐出口を備えたロータリ式シリンダ装置において、回転シリンダ部材又はピストン保持部材に回転動作を与えることにより、吸込口から流体を吸入し、吐出口から流体を排出する流体搬送ポンプに用いた場合には、高圧側となる吐出口からピストン保持部材の背後に回り込んだ背圧を低圧側となる吸込側管路、または、吸込口、または、大気中に導く流路を設けるものである。
【0008】
流体搬送ポンプでは、吸込口から吸い込んだ流体を加圧して吐出口から吐出させるので、吸込口が低圧側となり、吐出口が高圧側となる。支持部材内の加圧された流体はピストン保持部材の背後に回り込み、ピストン保持部材の回転を妨げる背圧となることがある。この背圧を流路が低圧側の吸込側管路、または、吸込口、または、大気中に導き、ピストン保持部材の回転をスムーズにする。流路は、低圧となっている吸込側管路、または、吸込口、または、大気中に背圧を導くので、背圧を効率よく逃がすことができる。
【0009】
また、請求項2記載の発明は、回転軸心を中心として形成された空洞部に連通し、該空洞部を挟んで対向する少なくとも一対のシリンダ室を有する円形形状の回転シリンダ部材と、回転シリンダ部材の回転軸心から偏心した回転中心位置を中心として回転するピストン保持部材とを、支持部材にそれぞれ回転自在に支持すると共に、ピストン保持部材の回転中心位置から偏心した自転中心位置には、その位置を中心として回動可能にピストンが保持され、回転シリンダ部材とピストン保持部材との相対回動によりピストン自体が自転中心位置を中心として回動しながらかつ回転中心位置を中心として回転することによって一対のシリンダ室の双方に出入りすると共に、支持部材に、シリンダ室に連なる吸込口及び吐出口を備えたロータリ式シリンダ装置において、回転シリンダ部材又はピストン保持部材に回転動作を与えることにより、吸込口から流体を吸入し、吐出口から流体を排出する流体搬送ポンプに用いた場合には、高圧側となる吐出口から回転シリンダ部材の背後に回り込んだ背圧を低圧側となる吸込側管路、または、吸込口、または、大気中に導く流路を設けるものである。
【0010】
流体搬送ポンプでは、吸込口から吸い込んだ流体を加圧して吐出口から吐出させるので、吸込口が低圧側となり、吐出口が高圧側となる。支持部材内の加圧された流体は回転シリンダ部材の背後に回り込み、回転シリンダ部材の回転を妨げる背圧となることがある。この背圧を流路が低圧側の吸込側管路、または、吸込口、または、大気中に導き、ピストン保持部材の回転をスムーズにする。流路は、低圧となっている吸込側管路、または、吸込口、または、大気中に背圧を導くので、背圧を効率よく逃がすことができる。
【0011】
また、請求項3記載の発明は、回転軸心を中心として形成された空洞部に連通し、該空洞部を挟んで対向する少なくとも一対のシリンダ室を有する円形形状の回転シリンダ部材と、回転シリンダ部材の回転軸心から偏心した回転中心位置を中心として回転するピストン保持部材とを、支持部材にそれぞれ回転自在に支持すると共に、ピストン保持部材の回転中心位置から偏心した自転中心位置には、その位置を中心として回動可能にピストンが保持され、回転シリンダ部材とピストン保持部材との相対回動によりピストン自体が自転中心位置を中心として回動しながらかつ回転中心位置を中心として回転することによって一対のシリンダ室の双方に出入りすると共に、支持部材に、シリンダ室に連なる供給口及び吐出口を備えたロータリ式シリンダ装置において、供給口から流体を供給し、吐出口から流体を排出することにより、回転シリンダ部材又はピストン保持部材の回転動作を利用し、回転力を出力する流体モータに用いた場合には、高圧側となる供給口からピストン保持部材の背後に回り込んだ背圧を低圧側となる吐出側管路、または、吐出口、または、大気中に導く流路を設けるものである。
【0012】
流体モータでは、高圧の流体が供給口から流入し低圧となって吐出口から吐出するので、供給口が高圧側となり、吐出口が低圧側となる。支持部材内の高圧流体はピストン保持部材の背後に回り込み、その回転を妨げる背圧となることがある。この背圧を流路が低圧側の吐出側管路、または、吐出口、または、大気中に導き、ピストン保持部材の回転をスムーズにする。流路は、低圧となっている吐出側管路、または、吐出口、または、大気中に背圧を導くので、背圧を効率よく逃がすことができる。
【0013】
また、請求項4記載の発明は、回転軸心を中心として形成された空洞部に連通し、該空洞部を挟んで対向する少なくとも一対のシリンダ室を有する円形形状の回転シリンダ部材と、回転シリンダ部材の回転軸心から偏心した回転中心位置を中心として回転するピストン保持部材とを、支持部材にそれぞれ回転自在に支持すると共に、ピストン保持部材の回転中心位置から偏心した自転中心位置には、その位置を中心として回動可能にピストンが保持され、回転シリンダ部材とピストン保持部材との相対回動によりピストン自体が自転中心位置を中心として回動しながらかつ回転中心位置を中心として回転することによって一対のシリンダ室の双方に出入りすると共に、支持部材に、シリンダ室に連なる供給口及び吐出口を備えたロータリ式シリンダ装置において、供給口から流体を供給し、吐出口から流体を排出することにより、回転シリンダ部材又はピストン保持部材の回転動作を利用し、回転力を出力する流体モータに用いた場合には、高圧側となる供給口から回転シリンダ部材の背後に回り込んだ背圧を低圧側となる吐出側管路、または、吐出口、または、大気中に導く流路を設けるものである。
【0014】
流体モータでは、高圧の流体が供給口から流入し低圧となって吐出口から吐出するので、供給口が高圧側となり、吐出口が低圧側となる。支持部材内の高圧流体は回転シリンダ部材の背後に回り込み、その回転を妨げる背圧となることがある。この背圧を流路が低圧側の吐出側管路、または、吐出口、または、大気中に導き、ピストン保持部材の回転をスムーズにする。流路は、低圧となっている吐出側管路、または、吐出口、または、大気中に背圧を導くので、背圧を効率よく逃がすことができる。
【0015】
また、請求項5記載のロータリ式シリンダ装置は、支持部材の内側底面に、回転シリンダ部材の背後に回り込んだ背圧を流路に導く通路を設けたものである。したがって、回転シリンダ部材の背後に回り込んだ背圧は、支持部材の内側底面に設けられた通路を通って流路に流れ込み、この流路を通って低圧側の吐出口へと導かれる。
【0016】
また、請求項6記載のロータリ式シリンダ装置は、支持部材の内側底面に、ピストン保持部材の背後に回り込んだ背圧を流路に導く通路を設けたものである。したがって、ピストン保持部材の背後に回り込んだ背圧は、支持部材の内側底面に設けられた通路を通って流路に流れ込み、この流路を通って低圧側の吐出口へと導かれる。
【0017】
さらに、請求項7記載のロータリ式シリンダ装置は、通路が、支持部材の内側底面の周縁部に設けられた周縁通路と、周縁通路に通じる放射状通路を備えるものである。したがって、回転シリンダ部材やピストン保持部材の背後に回り込んだ背圧は、それぞれの周縁通路からそれぞれの環状通路を通ってそれぞれの流路に流れ込み、当該流路を通って低圧側の吐出口へと導かれる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成を図面に示す最良の形態に基づいて詳細に説明する。
【0019】
図1〜図6に本発明を適用したロータリ式シリンダ装置の実施形態の一例を示す。なお、本実施形態では、ロータリ式シリンダ装置を、例えば回転シリンダ部材に回転動作を与えることにより、吸込口から流体を吸入し、吐出口から流体を排出する流体搬送ポンプとして説明しているが、ピストン保持部材に回転動作を与えることにより、吸込口から流体を吸入し、吐出口から流体を排出する流体搬送ポンプとしても良い。また、流体搬送ポンプに限るものではなく、供給口から流体を供給し、吐出口から流体を排出することにより、回転シリンダ部材又はピストン保持部材の回転動作を利用し、回転力を出力する流体モータに用いても良い。この場合、ポンプとして用いたときの吐出口が流体モータとして用いたときの供給口となり、ポンプとして用いたときの吸込口が流体モータとして用いたときの吐出口となる。
【0020】
ロータリ式シリンダ装置1は、円形形状の回転シリンダ部材2と、180度離れた2つの偏心した自転中心位置x1,x2にそれぞれピストン3,4を回動可能に保持しかつ回転シリンダ部材2の回転軸心oから偏心した位置を回転中心位置Xとして回転するピストン保持部材5と、回転シリンダ部材2及びピストン保持部材5の両回転部材をそれぞれ回転自在に支持する支持部材としてのケーシング6と、を有している。
【0021】
回転シリンダ部材2は、所定の厚みを有する円形形状で形成されており、ケーシング6の内部空間に回転自在に配置されている。この回転シリンダ部材2の一側面には、シリンダラジアル軸受70が圧入されている。このシリンダラジアル軸受70は、ケーシング6に圧入した支軸21に回転自在に嵌め込まれている。また、回転シリンダ部材2とケーシング6との間には、シリンダスラスト軸受85が配置されている。そのため、回転シリンダ部材2は、支軸21を回転中心としてケーシング6内で回転可能となっている。なお、シリンダスラスト軸受85は、例えば滑り軸受で、例えばカーボン材等の摺動性の良い材料で形成されている。
【0022】
回転シリンダ部材2の他側面には、4つの扇状の台部25を利用して形成された十字状の空間が設置されている。この十字状の空間は、空洞部22と4つのシリンダ室23a〜23dとから構成されている。すなわち、回転シリンダ部材2の他側面には、回転軸心oを中心として所定の広さを備えかつ底面を有する空洞部22が形成されている。そして、この空洞部22内の回転軸心oを中心として放射状に、4つの断面矩形のシリンダ室23a〜23dが設けられている。すなわち、シリンダ室23a〜23dは、ピストン保持部材5側が開放され、他の3方の面が全て平面で形成されており、長手方向の一端側は空洞部22に連通している。
【0023】
なお、これらのシリンダ室23a〜23d内には、後述するようにピストン保持部材5に保持されたピストン3,4が嵌まり込むようになっており、各シリンダ室23a〜23dの3方の各平面部分が、4方の外面を平面で形成されたピストン3,4の3方の各平面部分との接触面となっている。すなわち、シリンダ室23a〜23dのピストン3,4との対向面及びこれに対するピストン3,4側の対向面は、互いに平面で形成され、これらの平面同士が接触面となっている。このように各ピストン3,4と各シリンダ室23a〜23dとの接触面が平面同士で形成されるため、接触面積が大きく、その接触部位における流体の接触抵抗は大きいものとなっている。そのため、各ピストン3,4が各シリンダ室23a〜23d内に嵌まり込むことによって形成している各空間から、接触面を伝って他の空間へ流体が漏れ出すことを、より確実に防止することができる。
【0024】
なお、上述したように形成されたシリンダ室23a〜23dの長手方向の他端側は、回転シリンダ部材2の外周面2aに開放されている。そのため、各シリンダ室23a〜23dは、後述するケーシング6に形成された吸込口61及び吐出口62に連通可能となっている。
【0025】
なお、上述した各シリンダ室23a〜23dのうちの2つのシリンダ室23a,23bは、180度の位置に配置されており、ピストン3にとって、それぞれ空洞部22を挟んで対向する一対の部材となっている。そして、後述するように、ピストン保持部材5に回転により、回転シリンダ部材2とピストン保持部材5とが相対回動すると、ピストン3が空洞部22を経てシリンダ室23a,23b間を見た目上の往復直線運動し、シリンダ室23a,23b内の双方に出入りするようになっている。
【0026】
また、残りの2つのシリンダ室23cと23dも、180度の位置に配置されており、ピストン4にとって、それぞれ空洞部22を挟んで対向する一対の部材となっている。そして、回転シリンダ部材2とピストン保持部材5とが相対回転すると、ピストン4が空洞部22を経てシリンダ室23c,23d間を見た目上の往復直線運動し、シリンダ室23c,23d内の双方に出入りするようになっている。
【0027】
なお、空洞部22及び十字に配置された直線状のシリンダ室23a〜23dによって形成された十字状の空間に連通するように、細い十字溝が回転シリンダ部材2に形成されている。この細い十字溝は、ピストン3を一対のシリンダ室23a,23b間において見た目上の往復直線運動させるための直線状のガイド溝24aと、ピストン4を一対のシリンダ室23c,23d間において見た目上の往復直線運動をより安定的にするための直線状のガイド溝24bとが十字状に交差することによって形成されている。
【0028】
一方、ピストン保持部材5は、回転シリンダ部材2の外径よりも小さい外径を有する円形形状で形成されている。このピストン保持部材5の回転中心位置Xには、支軸51の一端が圧入されている。なお、このピストン保持部材5の回転中心位置Xは、上述の回転シリンダ部材2の回転軸心oから偏心した位置に設けられている(図2)。そして、支軸51の他端側は、ケーシング6のケース上蓋95に取り付けられた軸受け部材8に回転自在に支持されていると共に、その先端側はケース上蓋95の外部に突出している。そして、この突出部分をモータ等の駆動源(図示省略)に連結することで、支軸51を中心としてピストン保持部材5が、回転シリンダ部材2の偏心位置で回転駆動されるようになっている。
【0029】
なお、ピストン保持部材5とケース上蓋95の間には、スラスト軸受96が配置されている。スラスト軸受96は、例えば滑り軸受で、例えばカーボン材等の摺動性の良い材料で形成されている。
【0030】
ピストン保持部材5の支軸51が固定された面と反対側の面には、ピストン3を自転可能に保持する保持軸52と、ピストン4を自転可能に保持する保持軸53とが立設固定されている。そして、保持軸52には、ピストン3がシリンダ室23a,23bを含む直線状の溝、すなわちガイド溝24a内の所定の部位に嵌まり込んだ状態で遊嵌されている。
【0031】
ピストン3は、シリンダ室23a,23bに対する往復直線運動時における前後の面31,31が若干丸みを有するように形成されているが、他の4面、すなわちシリンダ室23a,23b内に嵌まり込んだ状態における上面32、底面33及び両側面34,34が平面に形成されている。すなわち、ピストン3は、略長方体のブロック形状を有している。そして、平面に形成された各面のうちの上面32を除く底面33と両側面34,34は、ピストン3がシリンダ室23a,23b内に嵌まり込んだ際のシリンダ室23a,23bとの接触面となる。また、ピストン3の中心部分には、保持軸52に遊嵌されるための穴3aが設けられている。さらに、ピストン3の底部分には、上述したガイド用溝24aに嵌まり込む凸片3bが設けられている。
【0032】
一方、保持軸53には、ピストン4がシリンダ室23c,23dを含む直線状の溝、すなわちガイド溝24b内の所定の位置に嵌まり込んだ状態で遊嵌されている。ピストン4もピストン3と同様、シリンダ室23c,23dに対する往復直線運動時における前後の面41,41が若干丸みを有するように形成されているが、他の4面、すなわちシリンダ室23c,23d内に嵌まり込んだ状態における上面42、底面43及び両側面44,44が平面に形成されている。すなわち、ピストン4も、ピストン3と同様、略長方体のブロック形状を有している。そして、平面に形成された各面のうちの上面42を除く底面43と両側面44,44は、ピストン4がシリンダ室23c,23d内に嵌まり込んだ際のシリンダ室23c,23dとの接触面となる。また、ピストン4の中心部分には、保持軸53に遊嵌されるための穴4aが設けられている。さらに、ピストン4の底部分には、上述したガイド用溝24bに嵌まり込む凸片4bが設けられている。
【0033】
ケーシング6の周壁6aには、外部の流体をケーシング6内に吸い込むための吸込口61と、ケーシング6内に吸い込んだ流体を外部へ吐出するための吐出口62とが形成されている。
【0034】
吸込口61は、ケーシング6の周壁6aの内面に形成されたスリット61aと、このスリット61aとケーシング6の外部とを連通させる連通孔61bと、この連通孔61bのケーシング6の外面側に接続される吸込管61cとから構成されている。そして、スリット61aは、回転シリンダ部材2が回転すると、各シリンダ室23a〜23dとそれぞれ連なるようになっている。
【0035】
吐出口62は、ケース上蓋95の回転シリンダ部材2と対向する面に形成された凹部62aと、この凹部62aとケーシング6の外部とを連通させる連通孔62bと、この連通孔62bのケーシング6の外面側に接続される吐出管62cとから構成されている。そして、凹部62aは、回転シリンダ部材2が回転すると、各シリンダ室23a〜23dとそれぞれ連なるようになっている。なお、図2において、凹部62aに対応する位置には斜線を付してある。
【0036】
また、ケーシング6の周壁6aの内面には、凹部62aに連通する溝62d,62eが形成されている(図2)。回転シリンダ部材2の回転によってシリンダ室23a〜23dが凹部62aに連通し始める位置に溝62dが形成され、シリンダ室23a〜23dと凹部62aとの連通が終了する位置に溝62eが形成されている。本実施形態では、凹部62aをケース上蓋95に設けているので、シリンダ室23a〜23dが凹部62aに連通し始める回転シリンダ部材2の回転角度、及びシリンダ室23a〜23dと凹部62aとの連通が終了する回転シリンダ部材2の回転角度2が、ケーシング6とケース上蓋95の嵌め合わせの誤差に応じて変化する虞がある。回転シリンダ部材2を収容するケーシング6に溝62d,62eを形成することで、ケーシング6とケース上蓋95の嵌め合わせ誤差の影響を受けることなく、シリンダ室23a〜23dが凹部62aに連通し始める回転シリンダ部材2の回転角度、及びシリンダ室23a〜23dと凹部62aとの連通が終了する回転シリンダ部材2の回転角度を常に一定にすることができる。即ち、溝62d,62eを設けることで、吐出開始位置及び吐出終了位置を正確に加工することができる。また、溝62d,62eの分だけ、流路面積を広くすることができる。
【0037】
このロータリ式シリンダ装置1は、低圧側となる吸込口61に、高圧側となる吐出口62から回転シリンダ部材2の背後に回り込んだ背圧(シリンダ背圧)を低圧側となる吸込口61に導く流路91を設けている。本実施形態では、スリット61aを回転シリンダ部材2の背後に達するまで深く形成し、シリンダ背圧を吸込口61の連通孔61bに導く流路91にしている。
【0038】
また、ケーシング6の内側底面には、シリンダ背圧を流路91に導く通路93を設けている。本実施形態では、ケーシング6と回転シリンダ部材2の間、即ちケーシング6の底面部分にシリンダスラスト軸受85を設けているので、ケーシング6の底面としてのシリンダスラスト軸受85の表面に通路93を設けている。通路93を図5及び図6に示す。通路93は、シリンダスラスト軸受85の表面の周縁部に設けられた周縁通路93aと、周縁通路93aに通じる放射状通路93bを備えている。
【0039】
即ち、吐出口62から吐出される流体は高圧であり、回転シリンダ部材2とケーシング6との間の僅かな隙間から回転シリンダ部材2の背後に回り込んで回転シリンダ部材2を押し出し、回転シリンダ部材2の回転抵抗となるシリンダ背圧を発生させる。本発明では通路93と流路91を設けてシリンダ背圧を、吐出口62よりも低圧の吸込口61に逃がしているので、回転シリンダ部材2の回転抵抗を減少させることができる。しかも、吸込口61はケーシング6内で最も圧力の低い部分であり、シリンダ背圧を効率よく逃がすことができる。
【0040】
また、このロータリ式シリンダ装置1には、低圧側となる吸込口61に、高圧側となる吐出口62からピストン保持部材5の背後に回り込んだ背圧(ピストン背圧)を低圧側となる吸込口61に導く流路92を設けている。流路92は、例えばケース上蓋95の底面に形成された凹部である。流路92の深さはピストン保持部材5の背後にまで達している。流路92は、流路91に連通しており、この流路91を介してピストン背圧を吸込口61の連通孔61bに導くことができる。なお、図2において、流路92に対応する位置には斜線を付してある。
【0041】
即ち、吐出口62から吐出される流体は高圧であり、ピストン保持部材5とケース上蓋95との間の僅かな隙間からピストン保持部材5の背後に回り込んでピストン保持部材5を押し出し、ピストン保持部材5の回転抵抗となるピストン背圧を発生させる。本発明では流路92を設けてピストン背圧を、吐出口62よりも低圧の吸込口61に逃がしているので、ピストン保持部材5の回転抵抗を減少させることができる。しかも、吸込口61はケーシング6内で最も圧力の低い部分であり、ピストン背圧を効率よく逃がすことができる。
【0042】
上述したように構成されたロータリ式シリンダ装置1は、ピストン保持部材5がモータ等の駆動源により等角速度の回転運動を行うと、ピストン3,4が周回動作をし、この動作に伴って回転シリンダ部材2も等角速度運動を行うようになっている。この動作によって、ポンプ動作を行うものとなっている。
【0043】
次に、ロータリ式シリンダ装置1の動作について、図7を用いて説明する。支軸51が回転するとピストン3,4はシリンダ室23a〜23dを相対的に往復直線運動しながら吸込口61から流体を吸入し、吐出口62から流体を吐出する。
【0044】
図7(a)の状態から回転シリンダ部材2が僅かに回転すると、シリンダ室23dと吸込口61のスリット61aが連通し、ピストン4の移動によって流体がシリンダ室23d内に吸入され始める。そして、図7(d)の状態まではピストン4がシリンダ室23d内を移動し、吸込口61から流体を吸入する。
【0045】
また、図7(d)の状態から図7(e)の状態の直前までの間は、シリンダ室23dとシリンダ室23bおよび空洞部22が連通しており、この連通部分の容積は増加するため吸込口61からの吸入は継続される。そして図7(e)の状態でシリンダ室23dがスリット61aから外れ、シリンダ室23dと吸込口61の連通は遮断される。それと同時にシリンダ室23bが溝62dに連通し吐出口62に通じる。
【0046】
図7(e)の状態から図7(f)の状態までの間は、シリンダ室23dとシリンダ室23bと空洞部22の容積は減少するため、流体はシリンダ室23bを通じて吐出口62から吐出される。
【0047】
次に図7(f)の状態から図7(h)の状態までの間は、ピストン3はシリンダ室23b内を移動し吐出口62から流体を吐出させる。このとき、流体は支軸21の軸方向に一旦流れて凹部62aに流入した後、吐出口62から吐出される。流体はピストン3によって加圧されており、凹部62a内は高圧になる。凹部はケース上蓋95の回転シリンダ部材2と対向する面に設けられているので、凹部62a内の圧力は回転シリンダ部材2をケーシング6の底面に押し付ける方向(支軸21の軸方向)に作用する。即ち、流体の圧力が支軸21に対して径方向から作用することがなく、支軸21を撓ませることがない。このため、回転シリンダ部材2の偏りや倒れによるケーシング6内周面との接触を防ぎ、かじり、焼き付きによるトラブルを防ぐことができる。また、支軸21に対して径方向から作用する横荷重による軸受部への負荷も軽減することができる。また、凹部62a内の圧力を利用して、回転シリンダ部材2がシリンダ背圧によって持ち上げられることを抑制することができる。これらにより、回転シリンダ部材2の回転をより一層円滑なものにすることができる。
【0048】
そして、ロータリ式シリンダ装置1は、上述の吸入と圧縮の行程を各シリンダ室23a〜23dについて繰り返し行い、ポンプ動作を行う。
【0049】
なお、上述の説明では、通路92を流路91に連通させていたが、例えば図13に示す様にロータリ式シリンダ装置1の外に開口させても良く、あるいは図14に示す様に吸込管61c内に開口させても良い。即ち、ピストン保持部材5の背後に回り込んだ背圧を、図13に示す様に、支持部材としてのケース上蓋95に設けられた流路92により大気中に排出しても良く、また、図14に示す様に、ケース上蓋95内部に設けられた流路92により、低圧側である吸込側管路(吸込管61c)に導いても良い。
【0050】
また、上述の説明では、流路91を連通孔61bに連通させていたが、例えば図13に示す様にロータリ式シリンダ装置1の外に開口させても良く、あるいは図14に示す様に吸込管61c内に開口させても良い。即ち、回転シリンダ部材2の背後に回り込んだ背圧を、図13に示す様に、支持部材としてのケーシング6に設けられた流路91により大気中に排出しても良く、また、図14に示す様に、ケーシング6内部に設けられた流路91により、低圧側である吸込側管路(吸込管61c)に導いても良い。
【0051】
なお、このような動作中、各ピストン3,4は、各シリンダ室23a〜23dと接触面積の大きい平面同士で面対向することとなる。そのため、対向している面同士、実際にはほぼ接触している面同士の隙間から流体が漏れないような構造となっている。そのため、各空間同士での流体の漏れが防止され、効率の良いポンプとすることが可能となる。
【0052】
なお、上述のロータリ式シリンダ装置1では、シリンダ室の数を4つ、ピストンの数を2つとしているが、ピストンの数を1つとしてもよい。また、シリンダ室の数を6つ、ピストンの数を3としてもよく、その他の数でもよい。
【0053】
なお、6つのシリンダ室及び3つのピストンを有するタイプのロータリ式シリンダ装置1は、吸排のバランスが取れトルク変動が少ないものとなる。なお、シリンダ室の数及びピストンの数は、上述したものに限らず、シリンダ室の数を偶数としかつピストンの数をシリンダ室の数の半分で構成すれば、シリンダ室の数を2つとしたりあるいは8個以上としても良い。また、ピストンの数は、シリンダ室の数の半分ではなく、半分より少ない数としてもよい。
【0054】
また、上述のロータリ式シリンダ装置1では、ピストン保持部材5の支軸51をケース上蓋95から突出させ、この突出部分を駆動源に連結することによりピストン保持部材5を回転させ、これに回転シリンダ部材2を従動させるように構成したが、逆に回転シリンダ部材2の支軸21をケーシング6から突出させて駆動源に連結することにより支軸21側を入力側とし、ピストン保持部材5を回転シリンダ部材2に従動させるようにしてもよい。このように構成すると、いわゆるセンター駆動方式となり、モータに支軸21を直結させた場合に製品としての納まりが良くなる。
【0055】
なお、上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。
【0056】
例えば、上述の説明では、ケーシング6の底面としてのシリンダスラスト軸受85の表面に通路93を設けていたが、シリンダスラスト軸受85の表面の代わりにケーシング6の底面に直接通路93を設けても良いことは勿論である。
【0057】
また、上述の説明では、吐出口62について凹部62aを設け、高圧の流体を支軸21の軸方向に一旦導いた後、吐出口62から吐出させるようにしていたが、凹部62aを省略し、連通孔62bをケーシング6の周壁6aの内面に開口させるようにしても良い。
【0058】
また、上述の説明では、ケーシング6の周壁6aに吸込口61と吐出口62を設けていたが、連通孔61b、連通孔62bをケース上蓋95又はケーシング6の底壁を軸方向に貫通する孔としてケース上蓋95又はケーシング6の底壁に吸込口61と吐出口62を設けるようにしても良い。
【0059】
なお、流体搬送ポンプとしての用途は、例えば、液体(流体)を加圧し勢いよく吐出させながら洗浄を行う洗浄装置などがある。
【0060】
また、上述の説明では、回転シリンダ部材2とケーシング6の間に滑り軸受であるシリンダスラスト軸受85を設けていたが、それに代えて、例えば図8に示すように、ローラベアリング等の転がり軸受であるスラスト軸受97を設けるようにしても良い。
【0061】
同様に、上述の説明では、ピストン保持部材5とケース上蓋95の間に滑り軸受であるスラスト軸受96を設けていたが、それに代えて、例えば図8に示すように、ローラベアリング等の転がり軸受であるスラスト軸受98を設けるようにしても良い。
【0062】
また、吸込口61を複数設けても良い。例えば、図9及び図10に、2つの吸込口61を設けた例を示す。2つの吸込口61の間は、隔壁94によって完全に仕切られている。このため、2つの吸込口61の吸入工程を完全に独立させることができ、別々の流体を吸入することができる。隔壁94の幅は、シリンダ室23a〜23dの幅よりも若干広くなっている。このように、隔壁94の幅をシリンダ室23a〜23dの幅よりも広くすることで、一方の吸込口61から吸い込まれた流体が他方の吸込口61に逆流するのを防止することができる。また、各吸込口61がシリンダ室23a〜23dに対し開口している間のピストン移動量に応じて流体が吸い込まれるので、種類が異なる流体を一定の比率で吸い込み、ロータリ式シリンダ装置1の内部で混合して吐出することができる。そして、この場合、各吸込口61のスリット61aの幅の広さを調整することで、流体の混合比率を調整することができる。なお、図9の隔壁94の部分を拡大して図15に示す。
【0063】
また、上述の説明では、本発明を流体搬送ポンプに適用していたが、流体のエネルギを回転力に変換する流体モータに適用しても良い。なお、流体モータの場合は流体搬送ポンプとは逆の動作になる。つまり、流体搬送ポンプの吐出口62が流体モータでは供給口となり、流体搬送ポンプの吸込口61が流体モータでは吐出口となる。供給口から流入した流体がシリンダ室23a〜23dに流入し、ピストン3,4を押し退けることでピストン保持部材5と回転シリンダ部材2を回転させ支軸51を回転させる。この支軸51の回転が流体モータの出力となる。そして、ピストン3,4を押し退けた流体は、吐出口から排出される。なお、流体モータとした場合、流体搬送ポンプの場合の溝62d,62eに相当する溝を供給口に設けることで、供給開始位置及び供給終了位置を正確に加工することができ、また、流路面積を広くすることができる点は、流体搬送ポンプの場合と同様である。また、支軸21の回転を出力として取り出すようにしても良い。
【0064】
また、流体モータとしての用途は、例えば、流体の圧力で発電機を回転させる発電装置などがある。
【0065】
さらに、支持部材としてのケース上蓋95の内側底面にピストン保持部材5の背後に回り込んだ背圧を流路92に導く通路を設けても良い。本実施形態では、ケース上蓋95とピストン保持部材5の間、即ちケース上蓋95の底面部分にスラスト軸受96を設けているので、ケース上蓋95の底面としてのスラスト軸受96の表面に前記通路を設けても良い。この通路としては、例えば通路93と同様に、スラスト軸受96の表面の周縁部に設けられた周縁通路と、周縁通路に通じる放射状通路を備えたものが考えられる。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載のロータリ式シリンダ装置では、流体搬送ポンプに用いた場合には、高圧側となる吐出口からピストン保持部材の背後に回り込んだ背圧を低圧側に導く流路を設けるようにしているので、ピストン保持部材の動きをスムーズにすることができる。しかも、流路は、低圧となっている吸込口に背圧を導くので、背圧を効率よく逃がすことができる。
【0067】
また、請求項2記載のロータリ式シリンダ装置では、流体搬送ポンプに用いた場合には、高圧側となる吐出口から回転シリンダ部材の背後に回り込んだ背圧を低圧側に導く流路を設けるようにしているので、回転シリンダ部材の動きをスムーズにすることができる。しかも、流路は、低圧となっている吸込口に背圧を導くので、背圧を効率よく逃がすことができる。
【0068】
また、請求項3記載のロータリ式シリンダ装置では、流体モータに用いた場合には、高圧側となる供給口からピストン保持部材の背後に回り込んだ背圧を低圧側に導く流路を設けるようにしているので、ピストン保持部材の動きをスムーズにすることができる。しかも、流路は、低圧となっている吐出口に背圧を導くので、背圧を効率よく逃がすことができる。
【0069】
また、請求項4記載のロータリ式シリンダ装置では、流体モータに用いた場合には、高圧側となる供給口から回転シリンダ部材の背後に回り込んだ背圧を低圧側に導く流路を設けるようにしているので、回転シリンダ部材の動きをスムーズにすることができる。しかも、流路は、低圧となっている吐出口に背圧を導くので、背圧を効率よく逃がすことができる。
【0070】
さらに、請求項5記載のロータリ式シリンダ装置では、支持部材の内側底面に、回転シリンダ部材の背後に回り込んだ背圧を流路に導く通路を設けているので、シリンダ背圧を良好に逃がすことができる。
【0071】
また、請求項6記載のロータリ式シリンダ装置では、支持部材の内側底面に、ピストン保持部材の背後に回り込んだ背圧を流路に導く通路を設けているので、ピストン背圧を良好に逃がすことができる。
【0072】
これらの場合、請求項7記載のロータリ式シリンダ装置のように、通路は、支持部材の内側底面の周縁部に設けられた周縁通路と、周縁通路に通じる放射状通路を備えるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したロータリ式シリンダ装置の第1の実施形態を示し、吸込口及び吐出口を含む位置における断面図である。
【図2】図1のロータリ式シリンダ装置のケース上蓋とピストン保持部材を取り外した状態の平面図である。
【図3】図1のロータリ式シリンダ装置を示し、図1の断面位置と直交する断面位置における断面図である。
【図4】図1のロータリ式シリンダ装置の回転シリンダ部材とピストンとピストン保持部材を示す分解斜視図である。
【図5】図1のロータリ式シリンダ装置のケーシング及びシリンダスラスト軸受を示す平面図である。
【図6】図1のロータリ式シリンダ装置のケーシング及びシリンダスラスト軸受を示す断面図である。
【図7】図1のロータリ式シリンダ装置の作動原理を説明するための図で、(a)は一方のピストンが空洞部を横切り、他方のピストンがシリンダ室の最奥部にまで進入した状態を示す図、(b)は(a)の状態から回転シリンダ部材が回転した状態を示す図、(c)は(b)の状態から回転シリンダ部材が回転した状態を示す図、(d)は(c)の状態から回転シリンダ部材が若干だけ回転した状態を示す図、(e)は(d)の状態から回転シリンダ部材が回転した状態を示す図、(f)は(e)の状態から回転シリンダ部材が回転した状態を示す図、(g)は(f)の状態から回転シリンダ部材が回転した状態を示す図、(h)は(g)の状態から回転シリンダ部材が回転した状態を示す図である。
【図8】本発明を適用したロータリ式シリンダ装置の第2の実施形態を示し、吸込口及び吐出口を含む位置における断面図である。
【図9】本発明を適用したロータリ式シリンダ装置の第3の実施形態を示し、そのケース上蓋とピストン保持部材を取り外した状態の平面図である。
【図10】図9のロータリ式シリンダ装置を示す断面図である。
【図11】従来のロータリ式シリンダ装置を示す断面図である。
【図12】従来のロータリ式シリンダ装置を示し、ケース上蓋とピストン保持部材を取り外した状態の平面図である。
【図13】本発明を適用したロータリ式シリンダ装置の第4の実施形態を示し、吸込口及び吐出口を含む位置における断面図である。
【図14】本発明を適用したロータリ式シリンダ装置の第5の実施形態を示し、吸込口及び吐出口を含む位置における断面図である。
【図15】図9の隔壁の部分を拡大して示す図である。
【符号の説明】
1 ロータリ式シリンダ装置
2 回転シリンダ部材
3,4 ピストン
5 ピストン保持部材
6 ケーシング(支持部材)
22 空洞部
23a〜23d シリンダ室
61 吸込口
62 吐出口
91,92 流路
93 通路
93a 周縁通路
93b 放射状通路
o 回転軸心
X (回転軸心から)偏心した回転中心位置
x1,x2 (ピストン保持部材の)偏心した自転中心位置

Claims (7)

  1. 回転軸心を中心として形成された空洞部に連通し、該空洞部を挟んで対向する少なくとも一対のシリンダ室を有する円形形状の回転シリンダ部材と、前記回転シリンダ部材の回転軸心から偏心した回転中心位置を中心として回転するピストン保持部材とを、支持部材にそれぞれ回転自在に支持すると共に、前記ピストン保持部材の前記回転中心位置から偏心した自転中心位置には、その位置を中心として回動可能にピストンが保持され、前記回転シリンダ部材と前記ピストン保持部材との相対回動により前記ピストン自体が前記自転中心位置を中心として回動しながらかつ前記回転中心位置を中心として回転することによって前記一対のシリンダ室の双方に出入りすると共に、前記支持部材に、前記シリンダ室に連なる吸込口及び吐出口を備えたロータリ式シリンダ装置において、前記回転シリンダ部材又は前記ピストン保持部材に回転動作を与えることにより、前記吸込口から流体を吸入し、前記吐出口から前記流体を排出する流体搬送ポンプに用いた場合には、高圧側となる前記吐出口から前記ピストン保持部材の背後に回り込んだ背圧を低圧側に導く流路を設けることを特徴とするロータリ式シリンダ装置。
  2. 回転軸心を中心として形成された空洞部に連通し、該空洞部を挟んで対向する少なくとも一対のシリンダ室を有する円形形状の回転シリンダ部材と、前記回転シリンダ部材の回転軸心から偏心した回転中心位置を中心として回転するピストン保持部材とを、支持部材にそれぞれ回転自在に支持すると共に、前記ピストン保持部材の前記回転中心位置から偏心した自転中心位置には、その位置を中心として回動可能にピストンが保持され、前記回転シリンダ部材と前記ピストン保持部材との相対回動により前記ピストン自体が前記自転中心位置を中心として回動しながらかつ前記回転中心位置を中心として回転することによって前記一対のシリンダ室の双方に出入りすると共に、前記支持部材に、前記シリンダ室に連なる吸込口及び吐出口を備えたロータリ式シリンダ装置において、前記回転シリンダ部材又は前記ピストン保持部材に回転動作を与えることにより、前記吸込口から流体を吸入し、前記吐出口から前記流体を排出する流体搬送ポンプに用いた場合には、高圧側となる前記吐出口から前記回転シリンダ部材の背後に回り込んだ背圧を低圧側に導く流路を設けることを特徴とするロータリ式シリンダ装置。
  3. 回転軸心を中心として形成された空洞部に連通し、該空洞部を挟んで対向する少なくとも一対のシリンダ室を有する円形形状の回転シリンダ部材と、前記回転シリンダ部材の回転軸心から偏心した回転中心位置を中心として回転するピストン保持部材とを、支持部材にそれぞれ回転自在に支持すると共に、前記ピストン保持部材の前記回転中心位置から偏心した自転中心位置には、その位置を中心として回動可能にピストンが保持され、前記回転シリンダ部材と前記ピストン保持部材との相対回動により前記ピストン自体が前記自転中心位置を中心として回動しながらかつ前記回転中心位置を中心として回転することによって前記一対のシリンダ室の双方に出入りすると共に、前記支持部材に、前記シリンダ室に連なる供給口及び吐出口を備えたロータリ式シリンダ装置において、前記供給口から流体を供給し、前記吐出口から前記流体を排出することにより、前記回転シリンダ部材又は前記ピストン保持部材の回転動作を利用し、回転力を出力する流体モータに用いた場合には、高圧側となる前記供給口から前記ピストン保持部材の背後に回り込んだ背圧を低圧側に導く流路を設けることを特徴とするロータリ式シリンダ装置。
  4. 回転軸心を中心として形成された空洞部に連通し、該空洞部を挟んで対向する少なくとも一対のシリンダ室を有する円形形状の回転シリンダ部材と、前記回転シリンダ部材の回転軸心から偏心した回転中心位置を中心として回転するピストン保持部材とを、支持部材にそれぞれ回転自在に支持すると共に、前記ピストン保持部材の前記回転中心位置から偏心した自転中心位置には、その位置を中心として回動可能にピストンが保持され、前記回転シリンダ部材と前記ピストン保持部材との相対回動により前記ピストン自体が前記自転中心位置を中心として回動しながらかつ前記回転中心位置を中心として回転することによって前記一対のシリンダ室の双方に出入りすると共に、前記支持部材に、前記シリンダ室に連なる供給口及び吐出口を備えたロータリ式シリンダ装置において、前記供給口から流体を供給し、前記吐出口から前記流体を排出することにより、前記回転シリンダ部材又は前記ピストン保持部材の回転動作を利用し、回転力を出力する流体モータに用いた場合には、高圧側となる前記供給口から前記回転シリンダ部材の背後に回り込んだ背圧を低圧側に導く流路を設けることを特徴とするロータリ式シリンダ装置。
  5. 前記支持部材の内側底面に、前記回転シリンダ部材の背後に回り込んだ背圧を前記流路に導く通路を設けたことを特徴とする請求項2又は4記載のロータリ式シリンダ装置。
  6. 前記支持部材の内側底面に、前記ピストン保持部材の背後に回り込んだ背圧を前記流路に導く通路を設けたことを特徴とする請求項1又は3記載のロータリ式シリンダ装置。
  7. 前記通路は、前記支持部材の内側底面の周縁部に設けられた周縁通路と、前記周縁通路に通じる放射状通路を備えることを特徴とする請求項5又は6記載のロータリ式シリンダ装置。
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