JP2004190339A - 板ガラス固定部構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】板ガラス端部において弾性シール部材によるシール効果を維持しやすくする。
【解決手段】板ガラス1の端部1aを、支持溝3内に、出入り移動自在な状態に配置し、板ガラス1端部1aのガラス面1bと、支持溝3の周壁3bとにわたって弾性シール部材4を設けて固定してある板ガラス固定部構造において、弾性シール部材4の変形を阻害しない状態で弾性シール部材4を覆うカバー部材5が設けてある。
【選択図】 図1
【解決手段】板ガラス1の端部1aを、支持溝3内に、出入り移動自在な状態に配置し、板ガラス1端部1aのガラス面1bと、支持溝3の周壁3bとにわたって弾性シール部材4を設けて固定してある板ガラス固定部構造において、弾性シール部材4の変形を阻害しない状態で弾性シール部材4を覆うカバー部材5が設けてある。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、ガラスカーテンウォール等でよく見られる板ガラスの吊り支持において、その下端部とスラブ等との干渉を防止できるように上下移動自在な状態に支持固定されている板ガラス固定部構造に関し、更に詳しくは、板ガラスの端部を、支持溝内に、出入り移動自在な状態に配置し、前記板ガラス端部のガラス面と、前記支持溝の周壁とにわたって弾性シール部材を設けて固定してある板ガラス固定部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の板ガラス固定部構造としては、図8に示すように、床2に形成された支持溝3内に、板ガラス1下端部1aが浮いた状態に配置され、支持溝3内の板ガラス1のガラス面1bと、支持溝3の周壁3bとにわたって弾性シール部材(例えば、シリコーン系シーリング材製)4を設け、板ガラス1下端部1aが厚み方向に移動するのを弾性支持すると共に、支持溝3内に塵や水が入らないようにしてあるものがあった。
そして、前記弾性シール部材4は、支持溝3に対して板ガラス1下端部1aが出入り(上下)方向に相対移動する動きにも、弾性変形して追従するように構成してあった。
尚、この様な従来技術に関しては、先行技術調査を行うまでもなく、当業者の間で広く知られているものであることから、先行技術文献は示していない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の板ガラス固定部構造によれば、前記弾性シール部材は、板ガラス下端部と支持溝との間で露出する状態に設けられており、例えば、他物との接触により傷付いたり、劣化したりするという問題点がある。
これを防止するためには、前記弾性シール部材上面に、保護部材を貼り付けることが考えられるが、その場合は、その保護部材の存在によって弾性シール部材が弾性変形し難くなり、無理な変形力が作用すると弾性シール部材が板ガラスや支持溝周壁から剥がれて、結局、シール効果が低下すると言ったことになる。
【0004】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、板ガラス端部において弾性シール部材によるシール効果を維持し易い板ガラス固定部構造を提供するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の特徴構成は、板ガラスの端部を、支持溝内に、出入り移動自在な状態に配置し、前記板ガラス端部のガラス面と、前記支持溝の周壁とにわたって弾性シール部材を設けて固定してある板ガラス固定部構造において、前記弾性シール部材の変形を阻害しない状態で前記弾性シール部材を覆うカバー部材が設けてあるところにある。
【0006】
請求項1の発明の特徴構成によれば、弾性シール部材を覆うカバー部材を設けてあるから、他物が弾性シール部材に直に当たったり掛かったりするのを前記カバー部材で防止することができ、その結果、弾性シール部材が劣化したり、傷ついたりするのを防止することができることに加えて、前記カバー部材が弾性シール部材の変形を阻害しない状態で覆うように構成されているから、例えば、板ガラスと支持溝とが相対移動する時にも、前記弾性シール部材の弾性変形を前記カバー部材で阻害し難く、弾性シール部材が本来備えているシール効果を長期間にわたって維持させ易くなる。
更には、前記カバー部材で弾性シール部材が覆われているから、相対移動が大きい場合でも弾性シール部材の幅を大きくする必要が無く、美観性を向上させることができると共に、前記カバー部材にデザインを施すことによってもシール部の美観性を向上させることが可能となる。
【0007】
請求項2の発明の特徴構成は、前記カバー部材は、紫外線遮蔽機能を備えているところにある。
【0008】
請求項2の発明の特徴構成によれば、請求項1の発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、前記紫外線遮蔽機能を備えたカバー部材で、弾性シール部材に対して照射される紫外線を遮蔽することが可能となり、例えば、太陽光を浴びる環境下に板ガラスが設置されているような場合でも、前記カバー部材で太陽光の紫外線を遮蔽し、弾性シール部材の紫外線劣化を防止することが可能となる。その結果、シール部分の耐久性の向上を叶えることが可能となる。
【0009】
請求項3の発明の特徴構成は、前記カバー部材は、防水機能を備えているところにある。
【0010】
請求項3の発明の特徴構成によれば、請求項1又は2の発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、前記防水機能を備えたカバー部材で、弾性シール部材に対して掛かろうとする水を遮蔽することが可能となり、例えば、床清掃の際の水や、設置環境が屋外側に面しているような場合には、雨水を前記カバー部材で遮蔽し、弾性シール部材の設置部分に水が浸入するのを防止することが可能となる。その結果、シール部分の防水性の向上を叶えることが可能となる。
【0011】
請求項4の発明の特徴構成は、前記カバー部材は、前記板ガラスの少なくとも室外側のガラス面に固定してあるところにある。
【0012】
請求項4の発明の特徴構成によれば、請求項1〜3の何れかの発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、風雨に曝され易い室外側において板ガラス下端部での弾性シール部材設置部分をガードし、シール効果の維持を図ることが可能となる。
【0013】
請求項5の発明の特徴構成は、前記板ガラスは、吊り支持してあるところにある。
【0014】
請求項5の発明の特徴構成によれば、請求項1〜4の何れかの発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、板ガラスの重量が、被支持部と接する板ガラス下端部に集中荷重として作用するのを回避でき、より無理のない取り付け状態で板ガラスの支持を叶えることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、図面において従来例と同一の符号で表示した部分は、同一又は相当の部分を示している。
【0016】
図1〜3は、本発明の板ガラス固定部構造の一例を示すもので、例えば、ガラスカーテンウォールによるガラスパネルPの下端部での納まりを示している。
ガラスパネルPは、複数の板ガラス1を壁状に並設して、固定金具Tを用いて躯体(不図示)側に吊り支持してあり、最下段に配置されている板ガラス1も、吊り下げられた状態で支持されている。
そして、床2部分には、前記板ガラス1の下端部が余裕を持って納まる大きさの支持溝3が形成してある。
【0017】
前記板ガラス1は、その下端部1aが前記支持溝3の底部3aとの間に空間を開けた状態に配置されている。
また、前記支持溝3内に位置する前記下端部1aのガラス面1bの表裏両面と、支持溝3の両周壁3bとにわたってそれぞれ弾性シール部材4が設けてある。
【0018】
この弾性シール部材4は、例えば、シリコーン系シーリング材等の成分で構成してある。前記支持溝3内への弾性シール部材4の設置作業の一例を説明すると、板ガラス1と前記両周壁3bとの夫々の間に、予めスポンジ等のバックアップ材(不図示)を配置しておき、その上から、前記支持溝3を埋めるように流動状態の弾性シール部材4を流し込み、硬化させることで実施することができる。
硬化した後の弾性シール部材4は、溝部分に対するシール効果を発揮できることに加えて、どの方向にも弾性変形自在であり、例えば、昼夜の温度変化等による板ガラス1の膨張収縮や、地震に伴うガラスパネルPと床2との間に生じる相対移動等が生じた場合にも、図2、図3に示すように、その移動を上下左右の弾性変形によって吸収でき、シール効果を維持できるように構成されている。
【0019】
一方、弾性シール部材4の上方には、弾性シール部材4と空間を隔てた状態で板ガラス1の両ガラス面1bにそれぞれカバー部材5が接着してある。
このカバー部材5は、合成樹脂製で可撓性を備えさせてあり、上述のような板ガラス1と床2との相対移動に対して追従することができるように構成されている。また、カバー部材5は不透明材料で構成してあって、太陽光等に含まれる紫外線が照射される環境下でも、カバー部材5下方へ紫外線が透過するのを阻止することができる。所謂、紫外線遮蔽機能を有している。更には、紫外線と同様に、水を通さない防水性能や、熱線遮蔽機能をも備えさせてある。
そして、カバー部材5は、その基端部5aが前記板ガラス1に接着され、先端部5bは、床2上面とは非接着状態で接当する状態に設けられている。従って、上述のような板ガラス1と床2との相対移動に伴って、先端部5bが床2上面に接当状態でスライド(所謂摺接)することができる。即ち、弾性シール部材4と当該カバー部材5とで囲まれた覆い空間6の密閉状態を維持することができるように設置されている。
従って、図1〜3に示すような板ガラス固定部構造によれば、弾性シール部材4は、カバー部材5によって覆われているから、紫外線や水、熱線をシャットアウトでき、それらによって引き起こされる劣化を防止することが可能となる。また、紫外線や水、熱線以外にも、例えば、弾性シール部材4に対して塵が直に堆積したり、床清掃の清掃具が直に接当すると言ったことも防止でき、弾性シール部材4の耐久性の向上を叶えることが可能となる。
【0020】
因みに、カバー部材5は、上述のような変形をスムースに許容できるように、基端部より先端部の厚み寸法を小さく形成すると共に、特に、ガラス面との接触部分は、接着面積を大きくして強力な接着力を確保できるように、他部より厚肉に形成してある。一方、前記カバー部材5の先端部5bが接当する床2部分には、摺動抵抗を小さくできるように表面平滑な帯状体7を設置してある。
そして、前記覆い空間6を確保できる状態に設置されていることで、雰囲気温度が上昇しても、覆い空間6内の空気の断熱作用により弾性シール部材4が昇温し難くすることができ、シール効果を適切に維持し易い。更には、板ガラス1と床2との相対移動に伴う弾性シール部材4の弾性変形を、前記カバー部材5で阻害することがない。
【0021】
〔別実施形態〕
以下に他の実施の形態を説明する。
【0022】
〈1〉 前記板ガラス1は、先の実施形態で説明した単板で構成された板ガラスに限るものではなく、例えば、空間を介して複数の板ガラスを並設した複層ガラスや、その空間を減圧してある真空複層ガラスや、合わせガラス等、さまざまな板ガラスを固定するのに当該固定構造を採用することが可能であり、更には板ガラスでなく、他のパネル状建材を固定するのに当該固定構造を採用することも可能である。
〈2〉 前記弾性シール部材4は、先の実施形態で説明した流動状態となり得るシリコーン系シーリング材に限るものではなく、例えば、乾式目地材であるガスケットやグレージングビードであってもよく、図4に示すように、二重に設けたり、又は、三重以上の複数重ねとして構成てあれば、よりシール効果が向上するもので、特に、室内外の仕切部分の板ガラス固定に実施する場合、室外側を複数重ねのシールにすることで、シール効果の信頼性をより向上させることが可能となる。
〈3〉 前記カバー部材5は、先の実施形態で説明したように、板ガラスの両面に接着するものに限らず、例えば、図4に示すよう、片面に接着してあるものであってもよい。特に、室内外の仕切部分の板ガラス固定に実施する場合、室内側に比べて室外側の方が環境変化が激しい場合が多く、室外側のみにカバー部材5を設ける構成を採用することも可能である。
図4に示すように、室内側の弾性シール部材4の高さ位置に会わせて、室外側のカバー部材5を取り付けてあれば、両者の間に不用意な段差が生じないから、美観性を損ねにくい。また、カバー部材5は、先の実施形態で説明したように、弾性シール部材4と当該カバー部材5とで囲まれた覆い空間6の密閉状態が維持することができるよう配置されるものに限るものではなく、例えば、図4に示すように弾性シール部材4と当該カバー部材5とで囲まれた覆い空間6が非密閉状態となるように配置されるものであってもよい。ここで、覆い空間6が非密閉状態となる場合は、水が覆い空間6内に浸入を防止すべく、室外側の支持溝3先端部が室外側の床2上面に対して上方に高く立ち上がっていることが望ましい。
また、カバー部材5の設け方に関しては、先の実施形態で説明したように、板ガラス1のガラス面1aに接着するものの他、例えば、図5に示すように、床2側にカバー部材5の基端部を取り付けて、先端部をガラス面に摺接状態に設けるものであってもよく、先端部を穴加工が施された板ガラス1にボルト止めするものであってもよい。
更には、カバー部材5そのものを、可撓性の他に伸縮性を備えさせたもの(例えば、蛇腹状体)で構成してあれば、図6に示すように、基端部5a、先端部5bの何れをもガラス面1bと床2とに各別に固着しても、板ガラス1と床2との相対移動に追従でき、且つ、弾性シール部材4の弾性変形を阻害することがない。ここで、図6において、カバー部材5は、基端部5aがガラス面1bに摺接状態となっているが、これに限定されるものではなく、接着固定、ボルト固定でも良いことは言うまでもない。
また、カバー部材5は、先の実施形態で説明したように、合成樹脂製であることに限定されるものではなく、金属製部材、例えば、アルミ部材、ステンレス製曲げ部材等であってもよい。
以上を含めて、カバー部材5と言う。
〈4〉 前記支持溝3は、先の実施形態で説明したように、床の一部に埋設状態に形成してあるものに限るものではなく、例えば、図4、図7に示すように、断面形状略「U」字形状の溝形部材8を、床2面上に取り付けて、前記溝形部材8内に支持溝3が形成されるものであってもよい。
また、先の実施形態で説明した帯状体7に相当する部分8aを、溝形部材8の上縁部に一体的に形成してあってもよい。
尚、当該板ガラス固定部構造は、先の実施形態で説明した鉛直方向に沿う状態に板ガラスを配置したものに限らず、例えば、鉛直に対して傾斜した状態に板ガラスを配置したものや、水平状態に板ガラスを配置したものであってもよい。
【0023】
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】板ガラス固定状況を示す説明断面図
【図2】弾性シール部材の変形状況を示す要部の断面図
【図3】弾性シール部材の変形状況を示す要部の断面図
【図4】別実施形態の板ガラス固定部構造を示す要部の断面図
【図5】別実施形態の板ガラス固定部構造を示す要部の断面図
【図6】別実施形態の板ガラス固定部構造を示す要部の断面図
【図7】別実施形態の板ガラス固定部構造を示す要部の断面図
【図8】従来例の板ガラス固定部構造を示す要部の断面図
【符号の説明】
1 板ガラス
1a 端部
1b ガラス面
3 支持溝
3b 周壁
4 弾性シール部材
5 カバー部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、ガラスカーテンウォール等でよく見られる板ガラスの吊り支持において、その下端部とスラブ等との干渉を防止できるように上下移動自在な状態に支持固定されている板ガラス固定部構造に関し、更に詳しくは、板ガラスの端部を、支持溝内に、出入り移動自在な状態に配置し、前記板ガラス端部のガラス面と、前記支持溝の周壁とにわたって弾性シール部材を設けて固定してある板ガラス固定部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の板ガラス固定部構造としては、図8に示すように、床2に形成された支持溝3内に、板ガラス1下端部1aが浮いた状態に配置され、支持溝3内の板ガラス1のガラス面1bと、支持溝3の周壁3bとにわたって弾性シール部材(例えば、シリコーン系シーリング材製)4を設け、板ガラス1下端部1aが厚み方向に移動するのを弾性支持すると共に、支持溝3内に塵や水が入らないようにしてあるものがあった。
そして、前記弾性シール部材4は、支持溝3に対して板ガラス1下端部1aが出入り(上下)方向に相対移動する動きにも、弾性変形して追従するように構成してあった。
尚、この様な従来技術に関しては、先行技術調査を行うまでもなく、当業者の間で広く知られているものであることから、先行技術文献は示していない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の板ガラス固定部構造によれば、前記弾性シール部材は、板ガラス下端部と支持溝との間で露出する状態に設けられており、例えば、他物との接触により傷付いたり、劣化したりするという問題点がある。
これを防止するためには、前記弾性シール部材上面に、保護部材を貼り付けることが考えられるが、その場合は、その保護部材の存在によって弾性シール部材が弾性変形し難くなり、無理な変形力が作用すると弾性シール部材が板ガラスや支持溝周壁から剥がれて、結局、シール効果が低下すると言ったことになる。
【0004】
従って、本発明の目的は、上記問題点を解消し、板ガラス端部において弾性シール部材によるシール効果を維持し易い板ガラス固定部構造を提供するところにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明の特徴構成は、板ガラスの端部を、支持溝内に、出入り移動自在な状態に配置し、前記板ガラス端部のガラス面と、前記支持溝の周壁とにわたって弾性シール部材を設けて固定してある板ガラス固定部構造において、前記弾性シール部材の変形を阻害しない状態で前記弾性シール部材を覆うカバー部材が設けてあるところにある。
【0006】
請求項1の発明の特徴構成によれば、弾性シール部材を覆うカバー部材を設けてあるから、他物が弾性シール部材に直に当たったり掛かったりするのを前記カバー部材で防止することができ、その結果、弾性シール部材が劣化したり、傷ついたりするのを防止することができることに加えて、前記カバー部材が弾性シール部材の変形を阻害しない状態で覆うように構成されているから、例えば、板ガラスと支持溝とが相対移動する時にも、前記弾性シール部材の弾性変形を前記カバー部材で阻害し難く、弾性シール部材が本来備えているシール効果を長期間にわたって維持させ易くなる。
更には、前記カバー部材で弾性シール部材が覆われているから、相対移動が大きい場合でも弾性シール部材の幅を大きくする必要が無く、美観性を向上させることができると共に、前記カバー部材にデザインを施すことによってもシール部の美観性を向上させることが可能となる。
【0007】
請求項2の発明の特徴構成は、前記カバー部材は、紫外線遮蔽機能を備えているところにある。
【0008】
請求項2の発明の特徴構成によれば、請求項1の発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、前記紫外線遮蔽機能を備えたカバー部材で、弾性シール部材に対して照射される紫外線を遮蔽することが可能となり、例えば、太陽光を浴びる環境下に板ガラスが設置されているような場合でも、前記カバー部材で太陽光の紫外線を遮蔽し、弾性シール部材の紫外線劣化を防止することが可能となる。その結果、シール部分の耐久性の向上を叶えることが可能となる。
【0009】
請求項3の発明の特徴構成は、前記カバー部材は、防水機能を備えているところにある。
【0010】
請求項3の発明の特徴構成によれば、請求項1又は2の発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、前記防水機能を備えたカバー部材で、弾性シール部材に対して掛かろうとする水を遮蔽することが可能となり、例えば、床清掃の際の水や、設置環境が屋外側に面しているような場合には、雨水を前記カバー部材で遮蔽し、弾性シール部材の設置部分に水が浸入するのを防止することが可能となる。その結果、シール部分の防水性の向上を叶えることが可能となる。
【0011】
請求項4の発明の特徴構成は、前記カバー部材は、前記板ガラスの少なくとも室外側のガラス面に固定してあるところにある。
【0012】
請求項4の発明の特徴構成によれば、請求項1〜3の何れかの発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、風雨に曝され易い室外側において板ガラス下端部での弾性シール部材設置部分をガードし、シール効果の維持を図ることが可能となる。
【0013】
請求項5の発明の特徴構成は、前記板ガラスは、吊り支持してあるところにある。
【0014】
請求項5の発明の特徴構成によれば、請求項1〜4の何れかの発明による作用効果を叶えることができるのに加えて、板ガラスの重量が、被支持部と接する板ガラス下端部に集中荷重として作用するのを回避でき、より無理のない取り付け状態で板ガラスの支持を叶えることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、図面において従来例と同一の符号で表示した部分は、同一又は相当の部分を示している。
【0016】
図1〜3は、本発明の板ガラス固定部構造の一例を示すもので、例えば、ガラスカーテンウォールによるガラスパネルPの下端部での納まりを示している。
ガラスパネルPは、複数の板ガラス1を壁状に並設して、固定金具Tを用いて躯体(不図示)側に吊り支持してあり、最下段に配置されている板ガラス1も、吊り下げられた状態で支持されている。
そして、床2部分には、前記板ガラス1の下端部が余裕を持って納まる大きさの支持溝3が形成してある。
【0017】
前記板ガラス1は、その下端部1aが前記支持溝3の底部3aとの間に空間を開けた状態に配置されている。
また、前記支持溝3内に位置する前記下端部1aのガラス面1bの表裏両面と、支持溝3の両周壁3bとにわたってそれぞれ弾性シール部材4が設けてある。
【0018】
この弾性シール部材4は、例えば、シリコーン系シーリング材等の成分で構成してある。前記支持溝3内への弾性シール部材4の設置作業の一例を説明すると、板ガラス1と前記両周壁3bとの夫々の間に、予めスポンジ等のバックアップ材(不図示)を配置しておき、その上から、前記支持溝3を埋めるように流動状態の弾性シール部材4を流し込み、硬化させることで実施することができる。
硬化した後の弾性シール部材4は、溝部分に対するシール効果を発揮できることに加えて、どの方向にも弾性変形自在であり、例えば、昼夜の温度変化等による板ガラス1の膨張収縮や、地震に伴うガラスパネルPと床2との間に生じる相対移動等が生じた場合にも、図2、図3に示すように、その移動を上下左右の弾性変形によって吸収でき、シール効果を維持できるように構成されている。
【0019】
一方、弾性シール部材4の上方には、弾性シール部材4と空間を隔てた状態で板ガラス1の両ガラス面1bにそれぞれカバー部材5が接着してある。
このカバー部材5は、合成樹脂製で可撓性を備えさせてあり、上述のような板ガラス1と床2との相対移動に対して追従することができるように構成されている。また、カバー部材5は不透明材料で構成してあって、太陽光等に含まれる紫外線が照射される環境下でも、カバー部材5下方へ紫外線が透過するのを阻止することができる。所謂、紫外線遮蔽機能を有している。更には、紫外線と同様に、水を通さない防水性能や、熱線遮蔽機能をも備えさせてある。
そして、カバー部材5は、その基端部5aが前記板ガラス1に接着され、先端部5bは、床2上面とは非接着状態で接当する状態に設けられている。従って、上述のような板ガラス1と床2との相対移動に伴って、先端部5bが床2上面に接当状態でスライド(所謂摺接)することができる。即ち、弾性シール部材4と当該カバー部材5とで囲まれた覆い空間6の密閉状態を維持することができるように設置されている。
従って、図1〜3に示すような板ガラス固定部構造によれば、弾性シール部材4は、カバー部材5によって覆われているから、紫外線や水、熱線をシャットアウトでき、それらによって引き起こされる劣化を防止することが可能となる。また、紫外線や水、熱線以外にも、例えば、弾性シール部材4に対して塵が直に堆積したり、床清掃の清掃具が直に接当すると言ったことも防止でき、弾性シール部材4の耐久性の向上を叶えることが可能となる。
【0020】
因みに、カバー部材5は、上述のような変形をスムースに許容できるように、基端部より先端部の厚み寸法を小さく形成すると共に、特に、ガラス面との接触部分は、接着面積を大きくして強力な接着力を確保できるように、他部より厚肉に形成してある。一方、前記カバー部材5の先端部5bが接当する床2部分には、摺動抵抗を小さくできるように表面平滑な帯状体7を設置してある。
そして、前記覆い空間6を確保できる状態に設置されていることで、雰囲気温度が上昇しても、覆い空間6内の空気の断熱作用により弾性シール部材4が昇温し難くすることができ、シール効果を適切に維持し易い。更には、板ガラス1と床2との相対移動に伴う弾性シール部材4の弾性変形を、前記カバー部材5で阻害することがない。
【0021】
〔別実施形態〕
以下に他の実施の形態を説明する。
【0022】
〈1〉 前記板ガラス1は、先の実施形態で説明した単板で構成された板ガラスに限るものではなく、例えば、空間を介して複数の板ガラスを並設した複層ガラスや、その空間を減圧してある真空複層ガラスや、合わせガラス等、さまざまな板ガラスを固定するのに当該固定構造を採用することが可能であり、更には板ガラスでなく、他のパネル状建材を固定するのに当該固定構造を採用することも可能である。
〈2〉 前記弾性シール部材4は、先の実施形態で説明した流動状態となり得るシリコーン系シーリング材に限るものではなく、例えば、乾式目地材であるガスケットやグレージングビードであってもよく、図4に示すように、二重に設けたり、又は、三重以上の複数重ねとして構成てあれば、よりシール効果が向上するもので、特に、室内外の仕切部分の板ガラス固定に実施する場合、室外側を複数重ねのシールにすることで、シール効果の信頼性をより向上させることが可能となる。
〈3〉 前記カバー部材5は、先の実施形態で説明したように、板ガラスの両面に接着するものに限らず、例えば、図4に示すよう、片面に接着してあるものであってもよい。特に、室内外の仕切部分の板ガラス固定に実施する場合、室内側に比べて室外側の方が環境変化が激しい場合が多く、室外側のみにカバー部材5を設ける構成を採用することも可能である。
図4に示すように、室内側の弾性シール部材4の高さ位置に会わせて、室外側のカバー部材5を取り付けてあれば、両者の間に不用意な段差が生じないから、美観性を損ねにくい。また、カバー部材5は、先の実施形態で説明したように、弾性シール部材4と当該カバー部材5とで囲まれた覆い空間6の密閉状態が維持することができるよう配置されるものに限るものではなく、例えば、図4に示すように弾性シール部材4と当該カバー部材5とで囲まれた覆い空間6が非密閉状態となるように配置されるものであってもよい。ここで、覆い空間6が非密閉状態となる場合は、水が覆い空間6内に浸入を防止すべく、室外側の支持溝3先端部が室外側の床2上面に対して上方に高く立ち上がっていることが望ましい。
また、カバー部材5の設け方に関しては、先の実施形態で説明したように、板ガラス1のガラス面1aに接着するものの他、例えば、図5に示すように、床2側にカバー部材5の基端部を取り付けて、先端部をガラス面に摺接状態に設けるものであってもよく、先端部を穴加工が施された板ガラス1にボルト止めするものであってもよい。
更には、カバー部材5そのものを、可撓性の他に伸縮性を備えさせたもの(例えば、蛇腹状体)で構成してあれば、図6に示すように、基端部5a、先端部5bの何れをもガラス面1bと床2とに各別に固着しても、板ガラス1と床2との相対移動に追従でき、且つ、弾性シール部材4の弾性変形を阻害することがない。ここで、図6において、カバー部材5は、基端部5aがガラス面1bに摺接状態となっているが、これに限定されるものではなく、接着固定、ボルト固定でも良いことは言うまでもない。
また、カバー部材5は、先の実施形態で説明したように、合成樹脂製であることに限定されるものではなく、金属製部材、例えば、アルミ部材、ステンレス製曲げ部材等であってもよい。
以上を含めて、カバー部材5と言う。
〈4〉 前記支持溝3は、先の実施形態で説明したように、床の一部に埋設状態に形成してあるものに限るものではなく、例えば、図4、図7に示すように、断面形状略「U」字形状の溝形部材8を、床2面上に取り付けて、前記溝形部材8内に支持溝3が形成されるものであってもよい。
また、先の実施形態で説明した帯状体7に相当する部分8aを、溝形部材8の上縁部に一体的に形成してあってもよい。
尚、当該板ガラス固定部構造は、先の実施形態で説明した鉛直方向に沿う状態に板ガラスを配置したものに限らず、例えば、鉛直に対して傾斜した状態に板ガラスを配置したものや、水平状態に板ガラスを配置したものであってもよい。
【0023】
尚、上述のように、図面との対照を便利にするために符号を記したが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】板ガラス固定状況を示す説明断面図
【図2】弾性シール部材の変形状況を示す要部の断面図
【図3】弾性シール部材の変形状況を示す要部の断面図
【図4】別実施形態の板ガラス固定部構造を示す要部の断面図
【図5】別実施形態の板ガラス固定部構造を示す要部の断面図
【図6】別実施形態の板ガラス固定部構造を示す要部の断面図
【図7】別実施形態の板ガラス固定部構造を示す要部の断面図
【図8】従来例の板ガラス固定部構造を示す要部の断面図
【符号の説明】
1 板ガラス
1a 端部
1b ガラス面
3 支持溝
3b 周壁
4 弾性シール部材
5 カバー部材
Claims (5)
- 板ガラスの端部を、支持溝内に、出入り移動自在な状態に配置し、前記板ガラス端部のガラス面と、前記支持溝の周壁とにわたって弾性シール部材を設けて固定してある板ガラス固定部構造であって、
前記弾性シール部材の変形を阻害しない状態で前記弾性シール部材を覆うカバー部材が設けてある板ガラス固定部構造。 - 前記カバー部材は、紫外線遮蔽機能を備えている請求項1に記載の板ガラス固定部構造。
- 前記カバー部材は、防水機能を備えている請求項1又は2に記載の板ガラス固定部構造。
- 前記カバー部材は、前記板ガラスの少なくとも室外側のガラス面に固定してある請求項1〜3の何れかに記載の板ガラス固定部構造。
- 前記板ガラスは、吊り支持してある請求項1〜4の何れかに記載の板ガラス固定部構造
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JP2019035206A (ja) * | 2017-08-10 | 2019-03-07 | 明正工業株式会社 | 地下二重壁構造 |
KR20220052666A (ko) * | 2020-10-21 | 2022-04-28 | 서울시립대학교 산학협력단 | 조적조 칸막이벽체의 면외방향 전도 방지장치 및 이의 시공 방법 |
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2002
- 2002-12-11 JP JP2002359591A patent/JP2004190339A/ja active Pending
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