JP2004190014A - 多孔質架橋ポリマーおよび吸着剤、ならびにその製造方法 - Google Patents

多孔質架橋ポリマーおよび吸着剤、ならびにその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有機物に対して吸着量がより大きく、かつ吸脱着能力に優れた多孔質架橋ポリマーおよび吸着剤、並びにその製造方法を提供する。
【解決手段】
比表面積が乾燥重量1gあたり600m2以上であり、かつ半径1000Å以上10000Å以下の細孔の容積が、乾燥重量1gあたり0.4mL以上である多孔質架橋ポリマー(a)、並びに半径10Å以上30Å以下の細孔の比表面積が、乾燥重量1gあたり450m2以上であり、かつ半径1000Å以上10000Å以下の細孔の容積が、乾燥重量1gあたり0.4mL以上である多孔質架橋ポリマー(b)、ならびにそれからなる吸着剤、その製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、吸着量に優れた多孔質架橋ポリマー及び吸着剤、並びにその製造方法に関するものである。詳しくは、種々の分野で使用される吸着剤、触媒用支持担体、ガス状または液状物質の吸着体や分離膜、分離剤、クロマトグラフィー用充填剤、イオン交換樹脂のベースポリマーとなる架橋共重合体、更にはトナー、バインダー粒子などの用途に好適に用いられる多孔質架橋ポリマーおよび吸着剤、ならびにその製造方法に関するものである。
スチレン等の芳香族系付加重合性モノマーと架橋性モノマーとの3次元架橋ポリマーからなる多孔質体は、水中あるいは有機溶媒−水混合液中に含有する有用物質の吸着による回収や、不純物成分の選択的吸着除去などに広く用いられている。
吸着剤としての多孔質架橋ポリマーには種々の性能が求められるが、要求性能として(a)吸着量、(b)粒内拡散性等が挙げられる。(a)に関しては吸着量を向上するために、細孔を増加させる手段が種々検討されている。一般に吸着質の吸着に適した細孔としてはミクロ孔(直径<20Å)からメソ孔(直径20〜500Å)であることが知られており、この領域の細孔を増やすと、吸着量も増加する傾向にある。また、比表面積は小さい細孔の量と相関し、おもにミクロ孔〜メソ孔の量を多くすれば比表面積も大きくなることが知られている。一方、(b)粒内拡散性の向上のためには、マクロ孔(直径>500Å)を増加させる方法が一般的に採られてきた。
多孔質架橋ポリマーの製造方法については、公知の種々の製造法が開示されており、例えば、北条のぶ正編「キレート樹脂・イオン交換樹脂」(1976年講談社発行)に記載されるイオン交換樹脂の母体となる多孔質ポリマーの製造法、および、高分子新素材One Point「クロマト用樹脂」(1989年共立出版発行)p.12−16ならびにその引用文献に記載されているポリマー粒子の多孔質化法等が挙げられる。その製造法の代表的なものとしては、多孔質化剤を添加したモノマーを懸濁重合し、重合後多孔質化剤を除去し多孔質架橋ポリマーを得る方法が挙げられる。
多孔質架橋ポリマーの製造方法において、モノマーに添加する多孔質化剤としては、生成する架橋ポリマーに対する貧溶媒、生成する架橋ポリマーに対する良溶媒、ならびにモノマーに可溶なポリマーなどが一般的に用いられる。
多孔質化剤として貧溶媒を使った場合は、主にメソ孔(直径20〜500Å)からマクロ孔(直径>500Å)の領域の細孔が形成されることが知られている。通常、この貧溶媒を用いる方法で得られるスチレン−ジビニルベンゼン系多孔質架橋ポリマーの場合、乾燥ポリマー当たり、細孔容積は0.6−2.0mL/g、比表面積は10―100m2/gである(W. L. Sederel and G. J. De Jong, J. Appl. Polym. Sci, 17, 2835-2846.(1973).)。
しかし、この方法の場合の問題点としては、比表面積の大きいものが得られないことである。純度の高いジビニルベンゼンを使って比表面積を最大限増加させた場合でも、457m2/g〜598m2/g程度であった(A. K. Nyhus, S. Hagen, A. Berge, J. Appl. Polym. Sci, 76, 152-169(2000).)。
一方、多孔質化剤として良溶媒を用いた場合は、より小さな細孔(ミクロ孔〜メソ孔)が形成される。スチレンージビニルベンゼン系多孔質架橋ポリマーの場合、通常、細孔容積は0.8mL/g程度、比表面積は50−500m2/g程度のものが得られる(W. L. Sederel and G. J. De Jong, J. Appl. Polym. Sci, 17, 2835-2846.(1973).)。
しかし、この方法の場合の問題点としては、比表面積は大きいがマクロ孔をあまり形成できないことである。例えば、比表面積の大きい多孔質架橋ポリマーの場合(900〜1100m2/g)、マクロ孔の容積は0.01mL/g程度と低いものしか得られていない(A. K. Nyhus, S. Hagen, A. Berge, J. Appl. Polym. Sci, 76, 152-169(2000).)。
モノマーに可溶なポリマーを多孔質化剤として添加する場合には、より大きな細孔を形成できることが知られている。例えば、細孔半径が数万Å以上の多孔質架橋ポリマーの報告もある(Reactive Polymers,2,261−268(1984))。多孔質化剤の例としては、スチレン−ジビニルベンゼン系モノマーに添加する場合、ポリスチレンや、スチレンとメチルメタクリレートとのコポリマーなどが報告されており、添加するポリマーの平均分子量を大きくすると、細孔径も増加する傾向が報告されている(Wang, Q. Ching; Svec, Frantisek, Frechet, Jean M. J., J. Polym. Sci., Part A; Polym. Chemical (1994), 32(13), 2577-88.)。
しかし、ポリマーを多孔質化剤として添加する方法の問題点としては、比表面積はせいぜい10m2/g程度のものしか得られないことである。また、多孔質化剤のポリマーの平均分子量を大きくすると、相対的にモノマーに対するポリマーの溶解度が低下する問題もあり、得られる細孔径の大きさや細孔の容積には限界があった。
現在上市されている多孔質架橋ポリマー系吸着剤やクロマトグラフィー用分離剤では上述の種々の方法を組み合わせて製造されており、比表面積を300〜1000m2/g程度と大きくして吸着量を確保したものが一般的に使われている。しかし、これらの細孔はほとんどメソ孔で占められ、マクロ孔は0.2mL/g程度しか含まないものであるため、現行品では粒内拡散性の面で限界があった。また、ミクロ孔〜メソ孔の境界付近の大きさを持つ細孔は、特に比表面積の向上ならびに吸着量向上に有効であることが知られているが、この領域の細孔の量が多く、しかもマクロ孔の量も多い多孔質架橋ポリマーはこれまで得られていなかった。
近年、多孔質架橋ポリマーの各分野への応用が拡大するにつれ、広範な各用途により適した細孔特性を有する多孔質架橋ポリマーも求められてきている。その為には、大きな比表面積を有し吸着量が大きく、かつマクロ孔が多く粒内拡散性にも優れている多孔質架橋ポリマーが強く求められ、しかも上記問題点を解決し、その特性を有する多孔質架橋ポリマーを簡便に得る方法も求められている。
北条のぶ正編「キレート樹脂・イオン交換樹脂」(1976年講談社発行) 高分子新素材One Point「クロマト用樹脂」(1989年共立出版社発行) J.Appl.Polym.Sci.17,2835−2846(1973) J.Appl.Polym.Sci.76,152−169(2000) J.Appl.Polym.Sci.,Part A;Polym.Chmical(1994),32(13),2577-88.
本発明の目的は、従来の多孔質架橋ポリマーの細孔物性を更に改良し、有機物に対して吸着量がより大きく、かつ吸脱着能力に優れている吸着剤として好適な多孔質架橋ポリマーおよび吸着剤を提供することにあり、更にそれらの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するため、多孔質化剤と細孔物性との関係について検討を重ねた結果、ビニルモノマーの重合により多孔質架橋ポリマーを製造する際に、多孔質化剤としてブロックコポリマーを使用する製造方法で製造した多孔質架橋ポリマーは、吸着量に優れ、しかも粒内拡散性にも優れていることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、比表面積が乾燥重量1gあたり600m2以上であり、かつ半径1000Å以上10000Å以下の細孔の容積が、乾燥重量1gあたり0.4mL以上であることを特徴とする多孔質架橋ポリマー(a)、並びに半径10Å以上30Å以下の細孔の比表面積が、乾燥重量1gあたり450m2以上であり、かつ半径1000Å以上10000Å以下の細孔の容積が、乾燥重量1gあたり0.4mL以上であることを特徴とする多孔質架橋ポリマー(b)に存し、他の要旨はこれらの多孔質架橋ポリマーからなる吸着剤に存する。
また、本発明の他の要旨は、ポリビニルモノマーを含むビニルモノマーを主成分とするモノマー混合物を重合して多孔質架橋ポリマーを製造する方法において、該モノマー混合物にブロックコポリマーを添加して重合し、重合後の生成架橋ポリマーから該ブロックコポリマーを溶出除去することを特徴とする多孔質架橋ポリマーの製造方法に存する。
本発明の多孔質架橋ポリマーの好適な態様としては、比表面積が乾燥重量1gあたり800m2以上、1200m2以下であること;半径10Å以上30Å以下の細孔の比表面積が、乾燥重量1gあたり600m2以上、1200m2以下であること;半径1000Å以上10000Å以下の細孔の容積が、乾燥重量1gあたり0.6mL以上、1.5mL以下であること;1分子中に1個の不飽和炭化水素基を有する脂肪族及び芳香族ビニルモノマー、並びに1分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル酸誘導体からなる群から選ばれるモノビニルモノマー成分と、1分子中に少なくとも2個の不飽和炭化水素基を有する脂肪族及び芳香族ポリビニルモノマー、並びに1分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル酸誘導体からなる群から選ばれるポリビニルモノマー成分から構成されることを挙げることが出来る。
本発明製造方法の好適な態様として、ビニルモノマー混合物は、モノビニルモノマー及びポリビニルモノマーを含有し、且つポリビニルモノマーは全ビニルモノマーに対し少なくとも50重量%であること;モノビニルモノマーは、1分子中に1個の不飽和炭化水素基を有する脂肪族及び芳香族ビニルモノマー、並びに1分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル酸誘導体から選ばれること;ポリビニルモノマーは、1分子中に少なくとも2個の不飽和炭化水素基を有する脂肪族及び芳香族ポリビニルモノマー、並びに1分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル酸誘導体から選ばれること;ブロックコポリマーは、モノマー混合物に溶解するが、水には溶解しないこと;ブロックコポリマーは、ブロックユニットを構成するポリマーとして、スチレンポリマー、ジエンポリマー及びオレフィンポリマーの少なくとも1種を含むこと;ブロックコポリマーは、上記多孔質架橋ポリマー(a)を製造する場合はモノマー混合物中の全ビニルモノマーに対し0.1重量%以上、8重量%未満添加し、上記多孔質架橋ポリマー(b)を製造する場合は全ビニルモノマーに対し0.1重量%以上、20重量%以下添加すること;モノマー混合物は、希釈剤として有機溶媒を含有すること;モノマー混合物の重合は、水性分散媒体中で懸濁重合により行うことを挙げることが出来る。
なお、本明細書中における細孔物性測定は、次の測定方法による値を採用している。
1) 半径500Å以下の細孔の比表面積、細孔容積、及び細孔分布は窒素吸着法による値。
2) 半径500Åを超える細孔の細孔容積及び細孔分布は水銀圧入法による値。
本発明の多孔質架橋ポリマーは、優れた吸脱着能力を有するため、吸着剤、触媒用支持担体、ガス状または液状物質の吸着体や分離膜、分離剤、クロマトグラフィー用充填剤、イオン交換樹脂のベースポリマーとなる架橋共重合ポリマー、トナー、バインダー粒子などの分野で工業的に極めて有用であり、該多孔質架橋ポリマーは、本発明方法により容易に製造することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明における多孔質架橋ポリマーは、ポリビニルモノマーを含むビニルモノマーを主成分とするモノマー混合物を重合してなるもので、上記の如き、所定の細孔物性を有するものである。多孔質架橋ポリマーについては、前記の如く公知の種々の製造法が開示されており、例えば、北条のぶ正編「キレート樹脂・イオン交換樹脂」(1976年講談社発行)に記載されるイオン交換樹脂の多孔質母体ポリマーの製造法に準じて製造することができる。
本発明において、吸脱着能力に優れた多孔質架橋ポリマーを得るために、原料であるビニルモノマーとしては、少なくともポリビニルモノマーを含むビニルモノマーを主成分とするモノマー混合物が使用される。ここで用いられるビニルモノマー混合物としては、通常、モノビニルモノマーおよびポリビニルモノマーを含有するものが好適に用いられる。
モノビニルモノマーとしては、公知のモノビニルモノマーを好ましく使用することができ、1分子中に1個の不飽和炭化水素基を有する脂肪族及び芳香族ビニルモノマー、並びに1分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル酸誘導体等から適宜選ぶことが出来る。その具体例としては、スチレン、クロロメチルスチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、クロロスチレン、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等の芳香族モノビニルモノマー類;メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタアクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、及び(メタ)アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン等の脂肪族モノビニルモノマー類が例示できる。これらのモノビニルモノマーはそれぞれ単独あるいは2種以上混合して用いることができ、中でもスチレン、メチルメタアクリレートまたはグリシジルメタアクリレートが好ましく用いられる。
ポリビニルモノマーとしては、公知のポリビニルモノマーを好ましく使用することができ、例えば1分子中に2個以上の不飽和炭化水素基を有する脂肪族及び芳香族ポリビニルモノマー、並びに1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル酸誘導体等から適宜選択して使用することができる。該ポリビニルモノマーの具体例としては、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルナフタレン等の芳香族ポリビニルモノマー類、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のポリオールエステル類、更にはヘキサメチレンジ(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。これらのポリビニルモノマーは1種又は2種以上を混合して用いることができ、特にジビニルベンゼンが好ましく用いられる。
本発明のビニルモノマー混合物において、モノビニルモノマーとポリビニルモノマーの使用割合は、生成する多孔質架橋ポリマーの用途目的により任意に変えることが出来るが、ポリビニルモノマーは必須であり、且つモノビニルモノマーとポリビニルモノマーとを合わせた全モノマー重量に対し、通常0.5重量%〜99.9重量%、好ましくは2重量%〜99重量%、更に好ましくは50重量%〜85重量%の範囲で用いられる。これらの範囲において、ポリビニルモノマーの割合を高めに設定すると、より吸脱着性能に優れた多孔質架橋ポリマーを得ることができる。
本発明において、目的とする吸脱着能力に優れた多孔質体を得るために、ビニルモノマーを主成分とするモノマー混合物を重合する際、モノマー混合物に公知の多孔質化剤である希釈剤を含有させることができる。ここで用いられる希釈剤としては、通常、多孔質化剤として公知の有機溶媒から、ビニルモノマーの種類等により任意に選ぶことができるが、反応に不活性で、後述のブロックコポリマーを溶解する有機溶媒を用いるのが好ましい。有機溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン、デカン、シクロヘキサン、シクロペンタン等の炭素数5〜20の脂肪族および脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、テトラクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、ターシャリーブチルアルコール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、エチルヘキサノールまたはシクロヘキサノール等のアルコール類が好ましく挙げられる。
その他の有機溶媒としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等の酢酸エステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、ジブチルケトン等のケトン類が好ましく挙げられる。
希釈剤は1種又は2種以上を混合して用いることができる。これらの希釈剤の使用割合は、使用するモノビニルモノマーとポリビニルモノマーとを合わせた全モノマー重量に対して0.0001重量%〜250重量%が好ましく、更に好ましくは50重量%〜200重量%であり、この範囲で使用することにより吸脱着性能に優れた多孔質架橋ポリマーを得ることができる。
本発明において、目的とする吸脱着能力に優れた多孔質体を得るために、ビニルモノマーを主成分とするモノマー混合物を重合する際、該モノマー混合物に多孔質化剤としてのブロックコポリマーを添加することが必要である。ここで用いられるブロックコポリマーとしては、通常、既知のブロックコポリマーを好適に用いることができるが、更に好ましくは、モノマー混合物に対して可溶性で、かつ水に実質的に不溶性であるブロックコポリマーが用いられる。
本発明で用いられるブロックコポリマーとしては、ブロックコポリマーの各ブロックユニットを構成するポリマーの種類により、種々のものがあるが、例えばポリスチレンのようなスチレンポリマーを含むスチレン系、ポリブタジエンのようなジエンポリマーを含むジエン系、ポリエチレン等のポリマーを含むオレフィン系のブロックコポリマー等が挙げられる。
スチレン系ブロックコポリマーのうち、好適なものの例示としては、ポリスチレン−ブロック−ポリブタジエン、ポリスチレン−ブロック−ポリブタジエン−ブロック−ポリスチレン、ポリスチレン−ブロック−ポリイソプレン―ブロック―ポリスチレン、ポリスチレン−ブロック−ポリイソプレン等が挙げられる。
ジエン系ブロックコポリマーのうち、好適なものの例示としては、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、イソタクチック1,2−ポリブタジエン、アタクチック1,2−ポリブタジエン、トランス1,4−ポリイソプレンを構成成分(ブロックユニット)として含有するものが挙げられる。
また、スチレン系及びジエン系ブロックコポリマーのなかで、炭素−炭素不飽和二重結合を含有するブロックコポリマーを水素添加処理したブロックコポリマーも好ましく用いられる。水素添加処理したブロックコポリマーの例示としては、ポリスチレン−ブロック−ポリ(エチレン−ランダム−ブチレン)、ポリスチレン−ブロック−ポリ(エチレン−ランダム−ブチレン)−ブロック−ポリスチレン、ポリスチレン−ブロック−ポリ(エチレン−ランダム−プロピレン)−ブロック−ポリスチレン、ポリビニルシクロヘキサン−ブロック−ポリ(エチレン−ランダム−ブチレン)−ブロック−ポリビニルシクロヘキサン、ポリビニルシクロヘキサン−ブロック−ポリ(エチレン−ランダム−プロピレン)−ブロック−ポリビニルシクロヘキサン、ポリスチレン−ブロック−ポリ(エチレン−ランダム−プロピレン)、ポリスチレン−ブロック−ポリ(エチレン−ランダム−プロピレン)−ポリスチレンなどが挙げられる。
上記のブロックコポリマーの他にも各ブロックユニットを構成するポリマーとして下記のようなポリマーを含むブロックコポリマーも使用することが出来る。このようなポリマーとしては、例えば、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン、ポリイソブテン、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリ(ビニルピリジン)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリ(ブチレンオキシド)、ポリ(ビニルシクロヘキサン)、ポリ(ε−カプロラクトン)、ポリ(ジメチルシロキサン)等が挙げられる。
また、必要によりブロックコポリマーの末端を水酸基やアミノ基、スルホン基、アルキルシリル基等で修飾したものも好適に用いることができる。
これらのブロックコポリマーは、モノマー混合物に1種でも2種以上を混合して添加しても良い。
また、以上で例示したブロックコポリマー以外に、いわゆる付加重合以外の重合法で得られたブロックコポリマーも、本発明の多孔質ポリマーを得るために用いられるモノマー混合物に可溶であれば、用いることができる。例えば、重縮合、重付加によるブロックコポリマーを用いることができ、その例示としては、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系などが挙げられる。
本発明で使用されるブロックコポリマーは、ビニルモノマー混合物に溶解する限り、特に制限されないが、ブロックコポリマーの分子量は、例えばポリスチレン換算の重量平均分子量で表すと、1000〜100万、好ましくは1000〜50万、更に好ましくは3000〜30万である。
ブロックコポリマーのブロック比は、各ブロックユニットの中で最大の分子量を持つユニットと最小の分子量を持つユニットとの分子量比が1.0〜100(ポリスチレン換算の重量平均分子量に基づく)の範囲内であることが好ましく、更に好ましくは1〜30である。
本発明ではブロックコポリマーをビニルモノマー混合物に溶解するため、該モノマー混合物に対するブロックコポリマーの溶解度がある程度高いほうが好ましい。なお、溶解度が低い場合は、ブロックコポリマーの分子量を低くするか、あるいはブロック比を変化させることによって溶解度を改善することができる。
本発明では、多孔質化剤として使用するブロックコポリマーと全ビニルモノマーの使用割合を調整することにより細孔容積や比表面積が所望の物性を有する多孔質架橋ポリマーを製造することが出来、ブロックコポリマーの使用割合を高めると細孔容積或いは微細孔の比表面積を増すことが出来る。本発明の比表面積が乾燥重量1gあたり600m2以上であり、かつ半径1000Å以上10000Å以下の細孔の容積が、乾燥重量1gあたり0.4mL以上である上記多孔性架橋ポリマー(a)を得る場合には、全ビニルモノマーに対するブロックコポリマーの割合は、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上であり、通常8重量%未満であり、好ましくは7重量%以下である。半径10Å以上30Å以下の細孔の比表面積が、乾燥重量1gあたり450m2以上であり、かつ半径1000Å以上10000Å以下の細孔の容積が、乾燥重量1gあたり0.4mL以上である多孔質架橋ポリマー(b)を得る場合には、全ビニルモノマーに対するブロックコポリマーの割合は、通常0.1重量%以上、好ましくは4重量%以上、更に好ましくは8重量%以上であり、上限は通常20重量%以下、好ましくは15重量%以下である。この範囲を超えて、少なすぎると十分な細孔構造が得られず、過多に過ぎると適度な細孔サイズとならずいずれも好ましくない。
本発明において、重合の際モノマー混合物に添加するブロックコポリマーとしては、前記ブロックコモリマーの中から1つの分子中に2種以上のブロックユニットを持つものが好適に使用できる。ブロックコポリマーのブロックユニットをA,B,C、各ブロックユニット間の共有結合を(−)で表示する場合、本発明で好ましく使用できるブロックコポリマーは、A−B−A型、A−B型、A−B−C型のブロックコポリマーが好ましく使用できる。より好ましくはA−B−A型のブロックコポリマーである。なお、A−B−A型のブロックコポリマーとは、ブロックコポリマーの両端がAユニットであれば良く、Bユニットに2個以上のブロックユニットが存在するものも好適に使用することができる。
本発明における細孔形成の原理としては、次のような原理が推察できる。通常、ブロックコポリマー中の各ブロックユニットは互いに相溶せず、ミクロ相分離構造を取ることが知られている。したがって本発明においては、ブロックユニットを2つ以上有するブロックコポリマーをモノマー混合物に混合した場合、ブロックコポリマーは1つのポリマー鎖単独あるいは2つ以上のポリマー鎖が集合した状態で、ミクロ相分離することが考えられる。すなわち、図1に本発明の多孔質架橋ポリマーにおける細孔形成の概念図を示すが、この概念図のように、モノマー混合物との溶解度の比較的高いブロックユニットはモノマー混合物と接する位置に集まり、モノマー混合物との溶解度の比較的低いブロックユニットはブロックコポリマーの中心部に集合する構造が推定される。このような構造のブロックコポリマーの周囲でモノマー混合物を重合して架橋ポリマーとした後、鋳型としての該ブロックコポリマーを除去すれば、図1のように該ブロックコポリマーのミクロ相分離構造を反映した細孔を形成することが可能となる。なお、図1では便宜上閉じた細孔構造を示しているが、実際には隣接した細孔が多数連結した構造が想定される。
モノマー混合物に対する溶解度の比較的高いブロックユニットは、図1のように、比較的小さな細孔形成に寄与すると考えられる。また、該ブロックユニットは重合するモノマーと相溶して互いに入り組んだ構造となるため、入り組んだ構造の細孔を得ることもできる。
本発明方法では該ブロックユニットの分子量やブロック比を制御することにより、細孔の大きさを制御することができる。例えば、該ブロックユニットの分子量がより小さなブロックコポリマー、あるいは該ブロックユニットの構成比率の低いブロックコポリマーを用いると、より小さな細孔を形成することもできる。
一方、モノマー混合物との溶解度の比較的低いブロックユニットは、図1のようにブロックコポリマーの中心部に集合しているので、中心部の比較的大きな細孔の形成に寄与すると考えられる。また、他の細孔と連結して連通孔となることも期待される。
ブロックコポリマーの各ブロックユニットの成分比に応じて、ブロックコポリマーのミクロ相分離組織は球状、棒状、板状などに系統的に変化することが知られているが、本発明ではこの原理も利用することができる。すなわち、このミクロ相分離組織を鋳型として、その組織の周囲を重合して架橋ポリマーを形成し、その後鋳型を除去することにより、球状、棒状、板状などの構造を有する細孔を形成することもできる。
また、必要によりブロックコポリマーの末端を水酸基やアミノ基、スルホン基、アルキルシリル基等で修飾することにより、モノマー混合物とブロックコポリマーとの相溶性ならびにミクロ相分離組織を制御することも可能であり、得られる多孔質架橋ポリマーの細孔物性を制御することができる。
とくに、懸濁重合、乳化重合など、水をモノマー混合物の分散媒体として用いる重合方法を用いる際に、水と親和性を持つ水酸基やアミノ基、スルホン基などで修飾したブロックコポリマーを用いると、重合時に水と接触するモノマー混合物の表面近傍にブロックコポリマーが集まりやすい傾向がある。この場合は、表面近傍に多数の細孔を形成することもできる。
本発明においては、ビニルモノマーを主成分とするモノマー混合物を重合する際、多孔質化剤として公知の線状ホモポリマーを同時に添加することもできる。線状ホモポリマーとしては公知のものから任意に選択使用することができ、その具体例としては、スチレン、クロロメチルスチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、クロロスチレン、ビニルナフタレン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、グリシジル(メタ)アクリレート、塩化ビニル、塩化ビニリデンまたはビニルピリジン等のホモポリマーが例示できるが、ポリスチレンが好ましい。これらのホモポリマーは、それぞれ単独あるいは2種以上混合して用いることができる。これらのポリマーの使用割合は、重合の際に使用するモノビニルモノマーとポリビニルモノマーとを合わせた全モノマー重量に対して0.001〜30重量部、好ましくは0.1〜20重量部が好ましい。
また、ホモポリマーは、ブロックコポリマーに対し、0.001〜100重量部、好ましくは0.1〜10重量部の割合で使用する。
本発明において、ビニルモノマー混合物の重合に用いられる重合開始剤としては、アゾ系開始剤、過酸化物系開始剤、またはレドックス系開始剤等のいわゆるラジカル重合開始剤が挙げられる。具体的には、過酸化ターシャリーブチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、H22−第一鉄イオン等が例示される。また、この重合開始剤は通常、上述のモノマー混合物にあらかじめ添加して用いられるが、開始剤の使用方法は特に限定されない。重合開始剤の量としては、重合の際に使用するモノビニルモノマーとポリビニルモノマーとを合わせた全モノマー重量に対して0.001〜10重量%が好ましく、特に好ましくは0.01〜5重量%である。
重合方法は、公知の方法に準じて行うことができ、例えば、懸濁重合、分散重合、バルク重合、乳化重合、塊状重合等を生成多孔質架橋ポリマーの所望形状に応じて適宜用いることができるが、特に好ましくは懸濁重合である。
懸濁重合により球状の多孔質架橋ポリマーを得る場合、水性分散媒体が用いられる。水性分散媒体としては公知の媒体を好適に用いることができ、例えば水溶性ポリマー等の分散安定剤を水性溶媒に溶解した溶液が用いられる。水溶性ポリマーとしてはポリビニルアルコール、ゼラチン、でんぷん、ヒドロキシエチルセルロース等が好ましく用いられる。水溶性ポリマーの量としては、該水性溶媒の重量に対して0.001〜10重量%が好ましく、更に好ましくは0.01〜3重量%である。
本発明において、ビニルモノマーを主成分とするモノマー混合物を懸濁重合により重合する方法としては、ビニルモノマーを主成分とするモノマー混合物に開始剤及びブロックコポリマーを加え、更に必要に応じ希釈剤等の多孔質化剤を加えた有機層を、上述の水性分散媒体中で懸濁して液滴とし、これを適切な温度下で重合反応させる方法が好ましく用いられる。この際、水性分散媒体の重量は、モノマー混合物の全重量に対して0.1〜30倍が好ましく、更に好ましくは1〜15倍である。
重合温度は重合開始剤の種類によって適当に設定され、通常−30℃〜300℃の範囲から選ばれる。例えば重合開始剤として過酸化ターシャリーブチルを用いる場合は70℃以上、過酸化ジベンゾイルを用いる場合は40〜150℃、アゾビスイソブチロニトリルを用いる場合は30〜100℃、過酸化ラウロイルを用いる場合は40〜150℃の範囲が好ましい。
本発明において、ビニルモノマーを主成分とするモノマー混合物を重合する際、重合率は特に限定されるものではないが、通常は、重合の際に使用するモノビニルモノマーとポリビニルモノマーとを合わせた全モノマー重量に対して、重合率が50%以上(残存するモノマーの率が50%以下)、好ましくは70%以上(残存するモノマーの率が30%以下)、更に好ましくは80〜100%(残存するモノマーの率が20〜0%)の範囲である。
懸濁重合法を用いる際、得られる反応混合物は通常、架橋ポリマー粒子と水相との混合物であるため、重合後、反応媒体から分離した架橋ポリマー粒子を洗浄工程に付すことが望ましい。洗浄工程には、反応混合物から架橋ポリマー粒子を濾別したのち、水で数回洗浄する水洗工程、ならびにトルエン等の溶媒で架橋ポリマー粒子を洗浄する溶媒洗浄工程を含むことが好ましい。溶媒洗浄工程の際に用いる溶媒としては、多孔質化剤として添加したブロックコポリマーを溶解しうる溶媒が好ましく、又、溶媒洗浄工程では、架橋ポリマー粒子の洗浄と同時に、或いは引き続いてブロックコポリマーの溶出除去を行うことも出来る。
本発明では、懸濁重合により得られた架橋ポリマー粒子から、要すれば該粒子を洗浄処理した後、ブロックコポリマーを溶出除去する。ブロックコポリマーの溶出に使用される有機溶媒としては、該ブロックコポリマーを溶解するものであれば特に制限されないが、具体的には、トルエン、キシレン、フェノール、スチレン、ジビニルベンゼン、ベンゼン、ニトロベンゼン等の芳香族化合物や、ジオキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系化合物、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、四塩化炭素、ジクロロエタン類、トリクロロエタン類等の塩素化炭化水素系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の高極性有機溶媒、イオン性液体、フルオラス溶媒等が挙げられ、これらを単独または混合して用いることができる。
有機溶媒による洗浄及び溶出の方法は特に制限されず、架橋ポリマー粒子の入った容器中に洗浄・溶出溶媒を投入して接触させる回分法、あるいは架橋ポリマー粒子を塔型接触装置に充填して洗浄・溶出溶媒を通液する連続流通法等の方法を好適に用いることができる。なお、ソックスレー抽出器も好ましく用いることができる。
溶媒による洗浄・溶出操作の実施回数は、洗浄・溶出液へ多孔質化剤であるブロックコポリマーが溶出しなくなるまで繰り返すことが好ましいが、多孔質化剤が架橋ポリマー粒子の細孔内に残留していても、用途によってはその架橋ポリマー粒子をそのまま使用することができる。
洗浄・溶出溶媒の添加量は特に限定されないが、上述の回分式の場合、経済性の面も考慮して、架橋ポリマー粒子と一緒に攪拌してスラリーを形成しうる程度に添加することが好ましい。
有機溶媒による洗浄・溶出の際、上述の回分法、連続流通法のいずれにおいても加温することができ、加温すると効率的に多孔質化剤のブロックコポリマーを除去することができる。加温する温度としては、任意の温度を設定できるが、溶媒の沸点以下の温度が好ましい。
溶媒による洗浄・溶出操作において、架橋ポリマー粒子内に残留する未重合のモノマーおよび低分子量のポリマー(モノマーの重合したもの)等も併せて抽出除去され得るので、これらの除去により細孔を形成されることもある。
溶媒による洗浄・溶出操作の後、得られた多孔質架橋ポリマー粒子をメタノール、エタノール等の水溶性極性溶媒で洗浄する工程、および、水で洗浄する工程に付すると、水湿潤状態の多孔質架橋ポリマーを得ることができる。一方、洗浄・溶出操作の後、得られた多孔質架橋ポリマー粒子を減圧乾燥、加熱乾燥等の方法で溶媒を除去すれば、乾燥状態の多孔質架橋ポリマー粒子を得ることができる。
本発明における懸濁重合法で得られた多孔質架橋ポリマー粒子は、このままでも吸着剤として良好な性能を有しているが、更に必要により公知の後処理工程を加えて、比表面積や細孔容積等を増加させることにより細孔特性をより改良することができる。例えば、特開平4−18436号公報に記載されているように、得られた多孔質架橋ポリマー粒子を不活性媒体の存在下、ルイス酸触媒と接触させる後処理を経ることにより、さらに比表面積の大きい、吸着性能の向上した吸着剤を得ることができる。
本発明方法によれば懸濁重合の製造条件、例えば、原料ビニルモノマー、ブロックコポリマー、併用する多孔質化剤等の種類や割合等を適宜選択することにより、所望物性を有する多孔質架橋ポリマー粒子を製造することが出来る。本発明方法で製造し得る多孔質架橋ポリマーは、比表面積が乾燥重量1gあたり、通常、600m2以上、好ましくは800m2以上、更に好ましくは900m2以上であり、高いほうがより好ましいが通常1200m2以下である。また、半径10Å以上30Å以下の細孔の比表面積は、乾燥重量1gあたり、通常450m2以上、好ましくは600m2以上、更に好ましくは700m2以上で、高いほうが好ましいが、通常1200m2以下である。この範囲を超えて低すぎると吸着量が低下し、好ましくない。本発明方法で得られる多孔質架橋ポリマーは、上記比表面積の範囲を有するとともに、半径1000Å以上、10000Å以下の細孔の容積が、乾燥重量1gあたり、通常、0.4mL以上、好ましくは0.6mL以上、更に好ましくは0.9mL以上、通常1.5mL以下である。この範囲を超えて高すぎると、比表面積の低下をもたらし、低すぎると拡散性が低下し、好ましくない。
本発明方法によれば、通常、乾燥重量1gあたりの細孔容積(窒素吸着法)が0.2mL以上、比表面積(BET法)が100m2 /g以上の多孔質架橋ポリマー粒子を製造することができる。本発明の多孔質架橋ポリマーは、工業用の吸着剤やクロマトグラフィー用分離剤の用途に好ましく用いることができ、粒径は、通常1〜2000μmの範囲であり、特に50〜1000μmの範囲が好ましい。
本発明の多孔質架橋ポリマーの形状は、粒子状、破砕状、その他限定されないが、分離剤としては球状が好ましい。また、クロマトグラフィー用分離剤としてモノリス(monolith)形状のものも製造することもできる。その製造の際は公知のモノリス型の重合方法を用いることができる。例えば、本発明の製造方法に従ってカラムまたはキャピラリー内で重合を行い、その後多孔質化剤を除去する方法が好ましく挙げられる。
本発明に係る多孔質架橋ポリマーは、細孔特性に優れ、有機物質の吸着量が大きく、しかも脱着能力が高いので、各種分野における吸着剤、分離剤等に好適に使用されるが、水湿潤状態のままでも有用な有機物の分離・濃縮・精製等の工程に好適に使用できる。即ち、有機物の溶液を入れた容器中に多孔質架橋ポリマーを投入して接触させる回分法、あるいは多孔質架橋ポリマーを塔型接触装置に充填して有機物の溶液を通液する連続流通法等の方法で溶液を処理することにより、有用物質の回収や不純物除去等ができる。このような処理に使用され劣化した多孔質架橋ポリマーは、熱水又は含水アルコール等と接触させて、被吸着成分を脱着除去することにより再生され、上述の工程に再使用することもできる。
以下、本発明を実施例及び参考例により更に詳細に説明するが、本発明の趣旨を超えない限りこれら実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例及び参考例における多孔質架橋ポリマーの細孔物性の測定方法は下記の通りである。
(1)水分量
(水湿潤状態の多孔質架橋ポリマーの調製)
水中での体積約5mL分の多孔質架橋ポリマーをメスシリンダーで量り取ったあと、該多孔質架橋ポリマーを濾紙上で余分の水を除いた後、濾紙で該ポリマーを包み遠心分離器(径約15cm)で5分間遠心分離(3000rpm)した。
(水分量測定)
上述の手順で得られた遠心分離後の水湿潤状態の多孔質架橋ポリマーを、減圧乾燥器で10mmHg下、50℃にて8時間乾燥させた。該ポリマーの乾燥前後の重量を測定し、その差に基づいて水湿潤状態のポリマーの水分量(重量%)を決定した。
(2)窒素吸着法による比表面積測定
上述の水分量測定における乾燥と同様の手順で乾燥させて得られる多孔質架橋ポリマーを用い、比表面積計(島津製作所製 フローソーブ2300)により、該多孔質架橋ポリマーの乾燥重量あたりの比表面積を測定した。また、窒素吸着計(マイクロメリティクス社製 ASAP2400)により、比表面積の分布を測定した。
(3)水銀圧入法による細孔物性測定
上述の水分量測定における乾燥と同様の手順で乾燥させて得られる多孔質架橋ポリマーを用い、水銀圧入法により、該多孔質架橋ポリマーの乾燥重量あたりの細孔容積および細孔分布を測定した。
(4)吸着量測定
上述の(1)の手順で水湿潤状態の多孔質架橋ポリマーを調製し、これを200mL三角フラスコに入れ、該多孔質架橋ポリマーの重量を秤量後、密栓して10℃に設定した恒温振とう器に入れた。
被吸着物質としてのセファレキシン水和物(アルドリッチ社試薬)1重量%水溶液を調製し、10℃に冷却した。この溶液100mLを、上述の水湿潤状態の多孔質架橋ポリマーの入った三角フラスコに入れ、密栓して振り混ぜた後、10℃に設定した恒温振とう器にセットし、80rpmで振とうを開始した。約14時間後、上澄み液1mLをホールピペットで取り、メスフラスコにあけて100倍に希釈し、この液のUV(260nm)吸収を測定した。
該上澄み液の100倍希釈液のUV吸収値を吸着前と吸着後とで比較し、水湿潤状態での多孔質架橋ポリマー1gあたりのセファレキシン吸着量を決定した。
(5)多孔質架橋ポリマーの粒内拡散速度測定
上述の(4)の手順と同様にして、水湿潤状態の多孔質架橋ポリマーの入った三角フラスコを10℃に保った。被吸着物質としての10℃のセファレキシン水和物(アルドリッチ社試薬)1重量%水溶液100mLを、上述の水湿潤状態の多孔質架橋ポリマーの入った三角フラスコに入れ、密栓して振り混ぜ、10℃に設定した高温振とう器にセットし、80rpmで振とうを開始した。
所定時間毎(振とう開始後3時間にかけては10分から30分間隔、振とう開始後3時間以降6時間までは約1時間毎)に平衡吸着上澄み液の1.0mLをホールピペットで取り、メスフラスコにあけて100倍に希釈し、この液のUV(260nm)吸収を測定した。該上澄み液の100倍希釈液のUV吸収値を吸着前と吸着後とで比較し、各所定時間における水湿潤状態での多孔質架橋ポリマー1gあたりのセファレキシン吸着量を決定した。平衡吸着量は上述の(4)と同様の手順で測定した。
所定時間毎の吸着量を平衡吸着量で割った値を吸着率(%)とし、吸着率が80%から90%へ10%増加するときの所要時間(秒)を測定し、吸着率増加速度(%/sec)を決定した。吸着速度は通常、吸着剤の粒径の2乗に比例することが知られているため、吸着率増加速度(%/sec)を粒径の2乗で割った値を多孔質架橋ポリマーの粒内拡散速度とした。
(実施例1)
エチルスチレンを含有する純度57%のジビニルベンゼン97g、スチレン3g、トルエン180mLを混合し、これにポリスチレン−ブロック−ポリ(ブチレン−ランダム−エチレン)−ブロック−ポリスチレン(スチレン29%、アルドリッチ社試薬)5gを加え、均一溶液になるまで攪拌した。この溶液に過酸化ベンゾイル(純度75%)1gを混合した。この溶液を、5%ポリビニルアルコール水溶液70mLと水500mLとを混合した水溶液に加えて攪拌し懸濁させた。攪拌しながら昇温し、80℃で8時間保持した。冷却後、反応混合物を濾別して架橋ポリマー粒子を得、水洗したあと、回分式装置でトルエンを用いて洗浄した。ここで得られた架橋ポリマー粒子を更に塩化メチレンで3時間ソックスレー抽出処理し、ブロックポリマーを除去した。次いでメタノールで、塩化メチレンを除去した後、水で洗浄して多孔質架橋ポリマー粒子を得た。
得られた多孔質架橋ポリマー粒子の比表面積は640m2/gであり、大きな比表面積を有していた。また、半径10Å以上30Å以下の比表面積も485m2/gであり、大きな比表面積を有していた。更に該多孔質架橋ポリマーのセファレキシン吸着量を測定した結果、水湿潤状態での多孔質架橋ポリマー1g当たり99mgであり、優れた吸着能力を有していた。
水銀圧入法によって該多孔質ポリマーの細孔物性を測定した結果、細孔半径1000Å以上10000Å以下の細孔の占める細孔容積は0.95mL/gであり、大きな細孔容積を有していた。更に、セファレキシン吸着における該多孔質架橋ポリマーの粒内拡散速度を測定した結果、(1250%/sec)/(粒径)2であり、優れた粒内拡散速度を有していた。得られた各細孔物性及び吸着量の測定結果を、纏めて表1に示す。
Figure 2004190014
(実施例2)
実施例1においてポリスチレン−ブロック−ポリ(ブチレン−ランダム−エチレン)−ブロック−ポリスチレン(スチレン31%、アルドリッチ社試薬)9gを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で多孔質架橋ポリマー粒子を合成した。
得られた多孔質架橋ポリマーの半径10Å以上30Å以下の細孔の比表面積は482m2/gであり、大きな比表面積を有していた。更に該多孔質架橋ポリマーのセファレキシン吸着量を測定した結果、水湿潤状態での多孔質架橋ポリマー1g当たり87mgであり、優れた吸着能力を有していた。
水銀圧入法によって該多孔質ポリマーの細孔物性を測定した結果、細孔半径1000Å以上10000Å以下の細孔の占める細孔容積は0.58mL/gであり、大きな細孔容積を有していた。更に、セファレキシン吸着における該多孔質架橋ポリマーの粒内拡散速度を測定した結果、(640%/sec)/(粒径)2であり、優れた粒内拡散速度を有していた。得られた各細孔物性及び吸着量の測定結果を、纏めて表1に示す。
(実施例3)
実施例1においてポリスチレン−ブロック−ポリ(ブチレン−ランダム−エチレン)−ブロック−ポリスチレン(スチレン31%、アルドリッチ社試薬)3gを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で多孔質架橋ポリマー粒子を合成した。
得られた多孔質架橋ポリマーの比表面積は613m2/gであり、大きな比表面積を有していた。また、半径10Å以上30Å以下の細孔の比表面積も593m2/gと大きな比表面積を有していた。
更に該多孔質架橋ポリマーのセファレキシン吸着量を測定した結果、水湿潤状態での多孔質架橋ポリマー1g当たり95mgであり、優れた吸着能力を有していた。
水銀圧入法によって該多孔質ポリマーの細孔物性を測定した結果、細孔半径1000Å以上10000Å以下の細孔の占める細孔容積は0.68mL/gであり、大きな細孔容積を有していた。更に、セファレキシン吸着における該多孔質架橋ポリマーの粒内拡散速度を測定した結果、2000%/sec/(粒径)2であり、優れた粒内拡散速度を有していた。得られた各細孔物性及び吸着量の測定結果を、纏めて表1に示す。
(実施例4)
実施例1においてポリスチレン−ブロック−ポリ(ブチレン−ランダム−エチレン)−ブロック−ポリスチレン(スチレン31%、アルドリッチ社試薬)5gを用いた以外は全て実施例1と同様の方法で多孔質架橋ポリマー粒子を合成した。
得られた多孔質架橋ポリマーの比表面積は600m2/gであり、大きな比表面積を有していた。また、半径10Å以上30Å以下の細孔の比表面積も560m2/gと大きな比表面積を有していた。
更に該多孔質架橋ポリマーのセファレキシン吸着量を測定した結果、水湿潤状態での多孔質架橋ポリマー1g当たり90mgであり、優れた吸着能力を有していた。
水銀圧入法によって該多孔質ポリマーの細孔物性を測定した結果、細孔半径1000Å以上10000Å以下の細孔の占める細孔容積は0.54mL/gであり、大きな細孔容積を有していた。更に、セファレキシン吸着における該多孔質架橋ポリマーの粒内拡散速度を測定した結果、400%/sec/(粒径)2であり、優れた粒内拡散速度を有していた。得られた各細孔物性及び吸着量の測定結果を、纏めて表1に示す。
(実施例5)
実施例3で得た多孔質架橋ポリマー粒子1部を、ジクロロエタン6部中に懸濁し、塩化第二鉄0.1部を添加し1時間保持した。80℃まで昇温した後、更に8時間保持した。得られたポリマーを希塩酸、脱塩水で順次洗浄した後、ジクロロエタンを留去し、多孔質架橋ポリマーを得た。
得られた多孔質架橋ポリマーの比表面積は856m2/gであり、大きな比表面積を有していた。また、半径10Å以上30Å以下の細孔の比表面積も620m2/gと大きな比表面積を有していた。
更に該多孔質架橋ポリマーのセファレキシン吸着量を測定した結果、水湿潤状態での多孔質架橋ポリマー1g当たり98mgであり、優れた吸着能力を有していた。
水銀圧入法によって該多孔質ポリマーの細孔物性を測定した結果、細孔半径1000Å以上10000Å以下の細孔の占める細孔容積は0.96mL/gであり、大きな細孔容積を有していた。更に、セファレキシン吸着における該多孔質架橋ポリマーの粒内拡散速度を測定した結果、910%/sec/(粒径)2であり、優れた粒内拡散速度を有していた。得られた各細孔物性及び吸着量の測定結果を、纏めて表1に示す。
(実施例6)
実施例1で得た多孔質架橋ポリマーを、実施例6と同様の方法で塩化第二鉄による処理を行い多孔質架橋ポリマーを得た。
得られた多孔質架橋ポリマーの比表面積は974m2/gであり、大きな比表面積を有していた。また、半径10Å以上30Å以下の細孔の比表面積も784m2/gと大きな比表面積を有していた。
更に該多孔質架橋ポリマーのセファレキシン吸着量を測定した結果、水湿潤状態での多孔質架橋ポリマー1g当たり112mgであり、優れた吸着能力を有していた。
水銀圧入法によって該多孔質ポリマーの細孔物性を測定した結果、細孔半径1000Å以上10000Å以下の細孔の占める細孔容積は0.79mL/gであり、大きな細孔容積を有していた。更に、セファレキシン吸着における該多孔質架橋ポリマーの粒内拡散速度を測定した結果、910%/sec/(粒径)2であり、優れた粒内拡散速度を有していた。得られた各細孔物性及び吸着量の測定結果を、纏めて表1に示す。
(比較例)
市販の合成吸着剤(商品名 ダイヤイオン(R)HP20;三菱化学((株)製))を用いて実施例1と同様の方法で各測定を実施した。その結果を纏めて表1に示す。
本発明の多孔質架橋ポリマーにおける細孔形成の概念図

Claims (17)

  1. 比表面積が乾燥重量1gあたり600m2以上であり、かつ半径1000Å以上10000Å以下の細孔の容積が、乾燥重量1gあたり0.4mL以上であることを特徴とする多孔質架橋ポリマー。
  2. 比表面積が乾燥重量1gあたり800m2以上、1200m2以下であることを特徴とする請求項1に記載の多孔質架橋ポリマー。
  3. 半径10Å以上30Å以下の細孔の比表面積が、乾燥重量1gあたり450m2以上であり、かつ半径1000Å以上10000Å以下の細孔の容積が、乾燥重量1gあたり0.4mL以上であることを特徴とする多孔質架橋ポリマー。
  4. 半径10Å以上30Å以下の細孔の比表面積が、乾燥重量1gあたり600m2以上、200m2以下であることを特徴とする請求項3に記載の多孔質架橋ポリマー。
  5. 半径1000Å以上10000Å以下の細孔の容積が、乾燥重量1gあたり0.6mL以上、1.5mL以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の多孔質架橋ポリマー。
  6. 多孔質架橋ポリマーは、1分子中に1個の不飽和炭化水素基を有する脂肪族及び芳香族ビニルモノマー、並びに1分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル酸誘導体からなる群から選ばれるモノビニルモノマー成分と、1分子中に少なくとも2個の不飽和炭化水素基を有する脂肪族及び芳香族ポリビニルモノマー、並びに1分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル酸誘導体からなる群から選ばれるポリビニルモノマー成分から構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の多孔質架橋ポリマー。
  7. ポリビニルモノマーを含むビニルモノマーを主成分とするモノマー混合物を重合して多孔質架橋ポリマーを製造する方法において、該モノマー混合物にブロックコポリマーを添加して重合し、重合後の生成架橋ポリマーから該ブロックコポリマーを溶出除去することを特徴とする多孔質架橋ポリマーの製造方法。
  8. モノマー混合物は、モノビニルモノマー及びポリビニルモノマーを含有し、且つポリビニルモノマーは全ビニルモノマーに対し少なくとも50重量%であることを特徴とする請求項7に記載の製造方法。
  9. モノビニルモノマーは、1分子中に1個の不飽和炭化水素基を有する脂肪族及び芳香族ビニルモノマー、並びに1分子中に1個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル酸誘導体から選ばれることを特徴とする請求項7又は8に記載の製造方法。
  10. ポリビニルモノマーは、1分子中に少なくとも2個の不飽和炭化水素基を有する脂肪族及び芳香族ポリビニルモノマー、並びに1分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル酸誘導体から選ばれることを特徴とする請求項7又は8に記載の製造方法。
  11. ブロックコポリマーは、モノマー混合物に溶解するが、水には溶解しないことを特徴とする請求項7に記載の製造方法。
  12. ブロックコポリマーは、ブロックユニットを構成するポリマーとして、スチレンポリマー、ジエンポリマー及びオレフィンポリマーの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項7又は11に記載の製造方法。
  13. ブロックコポリマーは、モノマー混合物中の全ビニルモノマーに対し0.1重量%以上、8重量%未満添加することを特徴とする請求項7〜12のいずれか一項に記載の、上記請求項1記載の多孔質架橋ポリマーの製造方法。
  14. ブロックコポリマーは、モノマー混合物中の全ビニルモノマーに対し0.1重量%以上、20重量%以下添加することを特徴とする請求項7〜12のいずれか一項に記載の、上記請求項3記載の多孔質架橋ポリマーの製造方法。
  15. モノマー混合物は、希釈剤として有機溶媒を含有することを特徴とする請求項7〜14のいずれか一項に記載の製造方法。
  16. モノマー混合物の重合は、水性分散媒体中で懸濁重合により行うことを特徴とする請求項7〜15のいずれか一項に記載の製造方法。
  17. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の多孔質架橋ポリマーからなる吸着剤。
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