【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微細配線を有する半導体デバイスの信頼性向上、特に封止成形後に配線間に存在する着色剤カーボンブラックによるショート不良を抑え、また配線間のリーク発生を抑える半導体封止用エポキシ樹脂組成物および半導体封止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスは、多機能化、高集積化、高速化の市場要求と設計技術、製造技術の進歩により、年々微細化が進んでいる。この高集積化と微細化により封止樹脂に対しても高機能化が求められている。従来の封止用エポキシ樹脂組成物では、着色剤としてカーボンブラックを使用しているが、そのカーボンブラックが高導電性であるために、半導体デバイスの配線間距離が短くなると配線間に存在するカーボンブラックによって配線間リークまたはショートが発生し、その結果半導体デバイスの誤動作を起こすことがある。
【0003】
また、一方でこの高集積化と微細化は、半導体デバイスの静電気破壊耐性を低下させる方向であるため、半導体デバイスのメーカーおよびユーザーともにその対策が重要になってきている。静電気対策の基本は、静電気の発生を抑え、半導体デバイスに帯電させないこと、帯電した電荷を除電することである。これに対し、封止樹脂側からは成形時に静電気による帯電を低下させることが素子の静電気破壊を防ぐ有効な手段である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、微細配線を有する半導体デバイスの信頼性向上、特に配線間に存在するカーボンブラックによって生じる配線間リークまたはショートによる不良を抑えること、および封止成形時に生じる静電気破壊による不良を抑えることのできる封止用エポキシ樹脂組成物および半導体封止装置を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成しようと鋭意研究を重ねた結果、樹脂組成物中に、着色剤の一部もしくは全部が樹脂被覆カーボンブラックを用いることにより、成形時に生じる静電気を劇的に低減させ得ることを見いだし、本発明を完成したものである。
【0006】
即ち、本発明は、(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤、(C)無機充填剤および(D)着色剤を必須成分とする樹脂組成物であって、前記(D)着色剤の一部もしくは全部が樹脂被覆カーボンブラックであることを特徴とする封止用エポキシ樹脂組成物であり、またこの硬化物によって素子が封止されてなることを特徴とする半導体封止装置である。
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
本発明に用いる(A)エポキシ樹脂としては、その分子中にエポキシ基を2個以上有する化合物である限り、分子構造、分子量等とくに制限はなく、一般に半導体封止用材料に使用されるものを広く包含することができる。これらのエポキシ樹脂としては、フェノールあるいはアルキルフェノール類とヒドロキシベンズアルデヒドとの縮合物をエポキシ化することによって得られるエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールのノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのグリシジルエーテル、テトラ(ヒドロキシフェニル)アルカンのエポキシ化物、ビスヒドロキシビフェニル系エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、デバイスの信頼性を確保するため、樹脂中に含まれる塩素が、1000ppm以下であることが好ましい。
【0009】
本発明に用いる(B)成分であるフェノール樹脂硬化剤としては、前記(A)のエポキシ樹脂と反応し得るフェノール性水酸基を2個以上有するものであれば特に限定するものではなく、単独あるいは2種以上混合して使用することができる。水酸基当量は130以上であることが好ましい。130未満では十分な難燃性・低吸湿性が得られないためである。また、信頼性を確保するために樹脂中に含まれるフリーのフェノール類の濃度が1%以下であることが好ましい。これらフェノール樹脂の具体的例としては、ビスフェノールノボラック型フェノール樹脂のMEH−7851シリーズ(明和化成株式会社製、商品名)、フェノールアラルキル樹脂のXL、XLCシリーズ(三井化学株式会社製、商品名)、多官芳香族フェノール樹脂のFPIシリーズ(鹿島工業株式会社製、商品名)、テルペンフェノール樹脂等が挙げられる。
【0010】
フェノール樹脂の配合割合は、硬化剤であるフェノール樹脂のフェノール性水酸基数と前述したエポキシ樹脂のエポキシ基数の当量比(フェノール性水酸基数/エポキシ基数)が0.5〜1.5の範囲になるように配合することが望ましい。上記値が0.5未満では硬化反応が十分に起こりにくくなり、1.5を超えると硬化物の特性、特に耐湿性が劣化しやすくなるためである。
【0011】
本発明に用いる(C)無機充填剤としては、溶融シリカ、結晶性シリカ、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミ等が挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用することができる。これらのうち、コスト、特性のバランスを考えると、溶融シリカが最適である。
【0012】
無機充填剤の配合割合は、全体の樹脂成分に対して80〜90重量%の割合で含有することが望ましい。その割合が80重量%未満では難燃性および耐クラック性に劣り、90重量%を超えると極端に流動性が悪くなるため成形性が悪く実用に適さない。
【0013】
本発明に用いる(D)着色剤としては、その一部もしくは全部が樹脂被覆カーボンブラックでなければならない。一般に半導体封止樹脂に用いられている着色剤はカーボンブラック等の無機質着色剤であるが、この一部もしくは全部に有機着色剤である樹脂被覆カーボンブラックを用いることで、成形時の帯電が減少し、また、配線間リークまたはショートの発生が抑制される。このメカニズムは、現在のところ定かではないが、樹脂被覆カーボンブラックに被覆する樹脂が有効に作用しているものと推測される。被覆する樹脂は、代表的なエポキシ樹脂であり、マトリクスエポキシ樹脂へのカーボンブラックの分散性を向上し、電気的現象である成形時の帯電に深く関係しているものと思われる。
【0014】
この樹脂被覆カーボンブラックは、通常の着色剤として用いられるカーボンブラックを樹脂被覆しているものであればいかなるものであってもよく、被覆用樹脂としては、特に制限されないがエポキシ樹脂が好まししく使用され、その被覆量がカーボンブラックと樹脂の合計量に対して5〜40重量%の範囲のものが好ましく、また、樹脂被覆カーボンブラックの粉体抵抗値が1.0Ω・cm以上であることが好ましく、さらには1.0×104 Ω・cm以上であることが好ましい。
【0015】
また、一般にこのような封止樹脂組成物には、速やかな硬化性を付与するため硬化促進剤が必要とされる。このような硬化促進剤としては、フェノール樹脂を用いてエポキシ樹脂を硬化する際に硬化促進剤として使用されることが知られているものであればいかなるものであってもよい。例えば、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、ジブチルフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン等の有機ホスフィン化合物、2−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール化合物またはその誘導体、DBU(1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7)またはそのフェノール塩等があり、必要に応じてこれらを組み合わせて用いてもよい。
【0016】
これら硬化促進剤の配合割合は、それぞれの触媒活性が異なるため一概にその好適量は決められないが、樹脂成分の総量に対し0.1〜5重量%の範囲で加えることが望ましい。これは、0.1重量%未満では硬化性能が劣り、5重量%を超えると耐湿信頼性が劣化する傾向があるためである。
【0017】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、本発明の目的に反しない限度において、また必要に応じて、上記の成分の他、各種充填剤および天然ワックス類、合成ワックス類などの離型剤、酸化チタン等の着色剤、ゴム系やシリコーン系ポリマーの低応力付与剤、アミン変性およびエポキシ変性シリコーンオイル等の表面処理剤等を適宜添加配合することができる。
【0018】
本発明のエポキシ樹脂組成物を成形材料として調製する方法の一般的な方法としては、前述した各成分を配合し、ミキサー等によって十分均一に混合し、さらに熱ロールまたはニーダ等により加熱溶融混合処理を行い、ついで冷却固化させ、適当な大きさに粉砕して樹脂組成物(成形材料)とすることができる。こうして作られた封止用樹脂組成物は、半導体装置をはじめとする電子部品あるいは電気部品の封止、被覆、絶縁等に適用すれば、優れた成形性と信頼性等の特性を付与することができる。
【0019】
また、本発明の半導体封止装置は、上記の封止用樹脂組成物を用いて半導体チップを樹脂封止することにより、容易に製造することができる。封止を行う半導体としては、例えば、集積回路、大規模集積回路、トランジスタ、サイリスタ、ダイオード等で特に限定されるものではない。封止の最も一般的な方法としては、トランスファー成形法があるが、射出成形、圧縮成形等による封止も可能である。封止および封止後加熱して樹脂を硬化させる際、150℃以上にすることが望ましい。なお、本発明の封止用樹脂組成物によって封止される半導体チップは特に限定されない。
【0020】
【作用】
本発明の封止用エポキシ樹脂組成物および半導体封止装置は、封止用エポキシ樹脂組成物に、一部もしくは全部が樹脂被覆カーボンブラックである着色剤を使用することにより、成形時に生じる静電気を劇的に低減させるとともに、微細配線間のリークまたはショートによる不良をも低減させることができたものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。以下の実施例および比較例において「%」とは「重量%」を意味する。
【0022】
実施例1
多官能型エポキシ樹脂のEPPN−502(日本化薬株式会社製、商品名)9.5%、臭素化エポキシ樹脂のAER−8028(旭化成工業株式会社製、商品名)3.0%、多官能型フェノール樹脂のMEH−7500(明和化成株式会社製、商品名)4.4%、硬化促進剤の2−メチルイミダゾール0.2%、エステル系ワックスのカルナバ1号0.4%、エポキシシランカップリング剤0.3%、エポキシ樹脂エピコート630(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)により被覆したカーボンブラック(灰分1.0%以下、比表面積170m2 /g)のA(粒径約1mm、粉体抵抗値;1.0×10[Ω・cm])0.2%、および球状シリカ(平均粒径;18μm、最大粒径;74μm)82.0%を配合し、常温で混合し、さらに90〜110℃で溶融混練してこれを冷却、粉砕して成形材料とし、この材料を175℃に加熱した金型にトランスファー注入し、硬化させて成形品を製造した。
【0023】
実施例2
多官能型エポキシ樹脂のEPPN−502(日本化薬株式会社製、商品名)9.5%、多官能型フェノール樹脂のMEH−7500(明和化成株式会社製、商品名)4.4%、硬化促進剤の2−メチルイミダゾール0.2%、エステル系ワックスのカルナバ1号0.4%、エポキシシランカップリング剤0.3%、エポキシ樹脂エピコート152(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名)により被覆したカーボンブラック(灰分1.0%以下、比表面積170m2 /g)のB(粒径約1mm以下、粉体抵抗値;1.0×105 [Ω・cm])0.2%、カーボンブラック0.1%、および球状シリカ(平均粒径;18μm、最大粒径;74μm)82.0%を配合し、常温で混合し、さらに90〜110℃で溶融混練してこれを冷却、粉砕して成形材料とこの材料を175℃に加熱した金型にトランスファー注入し、硬化させて成形品を製造した。
【0024】
比較例1
多官能型エポキシ樹脂のEPPN−502(日本化薬株式会社製、商品名)9.5%、臭素化エポキシ樹脂のAER−8028(旭化成工業株式会社製、商品名)3.0%、多官能型フェノール樹脂のMEH−7500(明和化成株式会社製、商品名)4.4%、硬化促進剤の2−メチルイミダゾール0.2%、エステル系ワックスのカルナバ1号0.4%、エポキシシランカップリング剤0.3%、カーボンブラックのCB−30(三菱化学株式会社製、商品名)0.2%、および球状シリカ(平均粒径;18μm、最大粒径;74μm)82.0%を配合し、常温で混合し、さらに90〜110℃で溶融混練してこれを冷却、粉砕して成形材料とこの材料を175℃に加熱した金型にトランスファー注入し、硬化させて成形品を製造した。
【0025】
実施例1〜2および比較例1で製造した成形品について外観(着色性:目視)、成形時の帯電特性および配線間の電気不良発生の有無を試験してその結果を表1に示した。表1に示されるように、実施例1〜2の樹脂組成物は、比較例1の樹脂組成物に比べ、成形時の帯電が極めて小さく、またカーボンブラックに起因する配線ショートの発生が抑制されている。また、外観上の着色性も比較例と同等である。
【0026】
【表1】
*1:試験片成形直後の静電電圧をSIMCO製FMX−002にて測定した、
*2:ピッチワイヤ配線を有するPBGAを樹脂封止直後、このPBGAにバイアスを印加して配線間のショートをモニタした。
【0027】
【発明の効果】
以上の説明および表1の結果からも明らかなように、本発明の封止用エポキシ樹脂組成物および半導体封止装置は、微細配線を有する半導体デバイスのカーボンブラックによって生じる配線間リークまたはショートによる不良を抑えることおよび封止成形時に生じる静電気破壊による不良を抑えることを可能にするものである。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an epoxy resin composition for semiconductor encapsulation that improves the reliability of semiconductor devices having fine wiring, and in particular, suppresses short-circuit failure due to the colorant carbon black present between wirings after encapsulation and suppresses the occurrence of leakage between wirings. To a product and a semiconductor sealing device.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Semiconductor devices have been miniaturized year by year due to market demands for multifunctionality, high integration, and high speed and advances in design technology and manufacturing technology. Due to this high integration and miniaturization, high functionality is also required for the sealing resin. In the conventional epoxy resin composition for sealing, carbon black is used as a coloring agent. However, since the carbon black is highly conductive, the carbon existing between the wirings when the distance between the wirings of the semiconductor device becomes short is reduced. Black may cause a leak or short circuit between wirings, resulting in malfunction of the semiconductor device.
[0003]
On the other hand, high integration and miniaturization tend to reduce the resistance to electrostatic breakdown of semiconductor devices, and therefore, measures are becoming important for both manufacturers and users of semiconductor devices. The basic measures against static electricity are to suppress generation of static electricity, not to charge a semiconductor device, and to remove the charged charge. On the other hand, it is an effective means to prevent electrostatic destruction of the element by reducing the charge due to static electricity during molding from the sealing resin side.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention is intended to improve the reliability of a semiconductor device having fine wiring, in particular, to suppress defects due to inter-wiring leakage or short circuit caused by carbon black existing between wirings, and to suppress defects due to electrostatic breakdown generated during sealing molding. It is an object of the present invention to provide a sealing epoxy resin composition and a semiconductor sealing device that can be used.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies to achieve the above object, and as a result, by using a resin-coated carbon black in a resin composition, a part or all of a coloring agent dramatically reduces static electricity generated during molding. The present invention has been completed.
[0006]
That is, the present invention relates to a resin composition comprising (A) an epoxy resin, (B) a phenol resin curing agent, (C) an inorganic filler, and (D) a colorant as essential components, wherein the (D) colorant A sealing epoxy resin composition characterized in that part or all of the resin is a resin-coated carbon black, and a semiconductor sealing device characterized in that an element is sealed with the cured product. .
[0007]
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
[0008]
The epoxy resin (A) used in the present invention is not particularly limited in molecular structure, molecular weight, etc., as long as it is a compound having two or more epoxy groups in its molecule. Can be widely encompassed. These epoxy resins include an epoxy resin obtained by epoxidizing a condensate of phenol or an alkylphenol and hydroxybenzaldehyde, a phenol novolak epoxy resin, a cresol novolak epoxy resin, a naphthol novolak epoxy resin, and bisphenol A. Novolak type epoxy resin, glycidyl ether of bisphenol A, epoxidized tetra (hydroxyphenyl) alkane, bishydroxybiphenyl epoxy resin and the like. In these resins, chlorine contained in the resin is preferably 1000 ppm or less in order to ensure the reliability of the device.
[0009]
The phenolic resin curing agent which is the component (B) used in the present invention is not particularly limited as long as it has two or more phenolic hydroxyl groups capable of reacting with the epoxy resin of the above (A). A mixture of more than one species can be used. The hydroxyl equivalent is preferably 130 or more. If it is less than 130, sufficient flame retardancy and low moisture absorption cannot be obtained. Further, in order to ensure reliability, the concentration of free phenols contained in the resin is preferably 1% or less. Specific examples of these phenolic resins include MEH-7851 series of bisphenol novolak type phenolic resins (trade name, manufactured by Meiwa Kasei Co., Ltd.), XL and XLC series of phenol aralkyl resins (trade name, manufactured by Mitsui Chemicals, Inc.), The FPI series (manufactured by Kashima Kogyo Co., Ltd., trade name) of a polycyclic aromatic phenolic resin, terpene phenolic resin and the like can be mentioned.
[0010]
The mixing ratio of the phenol resin is such that the equivalent ratio (the number of phenolic hydroxyl groups / the number of epoxy groups) of the number of phenolic hydroxyl groups of the phenol resin as the curing agent to the number of epoxy groups of the epoxy resin described above is in the range of 0.5 to 1.5. It is desirable to mix as follows. If the above value is less than 0.5, the curing reaction is unlikely to occur sufficiently, and if it exceeds 1.5, the properties of the cured product, particularly the moisture resistance, tend to deteriorate.
[0011]
Examples of the (C) inorganic filler used in the present invention include fused silica, crystalline silica, alumina, silicon nitride, and aluminum nitride, and these can be used alone or as a mixture of two or more. Of these, fused silica is the most suitable considering the balance between cost and characteristics.
[0012]
It is desirable that the blending ratio of the inorganic filler is 80 to 90% by weight based on the entire resin component. If the proportion is less than 80% by weight, the flame retardancy and crack resistance are inferior, and if it exceeds 90% by weight, the fluidity is extremely deteriorated, and the moldability is poor, which is not suitable for practical use.
[0013]
The (D) colorant used in the present invention must be partially or entirely a resin-coated carbon black. In general, the colorant used in semiconductor encapsulation resin is an inorganic colorant such as carbon black. By using resin-coated carbon black, which is an organic colorant, in part or all of the colorant, charging during molding is reduced. In addition, the occurrence of leakage or short circuit between wirings is suppressed. Although this mechanism is not clear at present, it is assumed that the resin coated on the resin-coated carbon black is effectively acting. The resin to be coated is a typical epoxy resin, and it is thought that it improves the dispersibility of carbon black in the matrix epoxy resin, and is deeply related to the electrical phenomenon of charging during molding.
[0014]
This resin-coated carbon black may be any one as long as the resin is coated with carbon black used as a normal coloring agent, and the coating resin is not particularly limited, but an epoxy resin is preferred. Preferably, the coating amount is in the range of 5 to 40% by weight based on the total amount of carbon black and resin, and the powder resistance value of the resin-coated carbon black is 1.0 Ω · cm or more. And more preferably 1.0 × 10 4 Ω · cm or more.
[0015]
Generally, such a sealing resin composition requires a curing accelerator in order to impart quick curability. As such a curing accelerator, any one can be used as long as it is known to be used as a curing accelerator when curing an epoxy resin using a phenol resin. For example, trimethylphosphine, triethylphosphine, tributylphosphine, triphenylphosphine, tri (p-methylphenyl) phosphine, tri (nonylphenyl) phosphine, methyldiphenylphosphine, dibutylphenylphosphine, tricyclohexylphosphine, 1,2-bis (diphenyl) Organic phosphine compounds such as phosphino) ethane and bis (diphenylphosphino) methane, 2-methylimidazole, 2,4-dimethylimidazole, 2-ethyl-4-methylimidazole, 2-phenylimidazole, 2-phenyl-4- Imidazole compounds such as methylimidazole and 2-heptadecylimidazole or derivatives thereof, DBU (1,8-diazabicyclo (5,4,0) undecene-7) or phenol salts thereof There may be used in combination as necessary.
[0016]
The proportions of these curing accelerators cannot be generally determined because their catalytic activities are different. However, it is desirable to add them in the range of 0.1 to 5% by weight based on the total amount of the resin components. This is because if it is less than 0.1% by weight, the curing performance tends to be inferior, and if it exceeds 5% by weight, the moisture resistance reliability tends to deteriorate.
[0017]
In the epoxy resin composition of the present invention, in addition to the above-mentioned components, various fillers and release agents such as natural waxes and synthetic waxes, as long as they do not contradict the purpose of the present invention, A coloring agent such as titanium, a low-stress imparting agent for a rubber-based or silicone-based polymer, a surface treating agent such as an amine-modified or epoxy-modified silicone oil, and the like can be appropriately added and blended.
[0018]
As a general method of preparing the epoxy resin composition of the present invention as a molding material, the above-mentioned components are blended, sufficiently uniformly mixed by a mixer or the like, and further heated and melted and mixed by a hot roll or a kneader. And then solidified by cooling, and pulverized to an appropriate size to obtain a resin composition (molding material). When the sealing resin composition thus manufactured is applied to sealing, coating, insulating, etc. of electronic parts or electric parts including semiconductor devices, it can impart excellent properties such as moldability and reliability. Can be.
[0019]
Further, the semiconductor encapsulation device of the present invention can be easily manufactured by encapsulating a semiconductor chip with the above resin composition for encapsulation. As a semiconductor for sealing, for example, an integrated circuit, a large-scale integrated circuit, a transistor, a thyristor, a diode, and the like are not particularly limited. The most common method of sealing is transfer molding, but sealing by injection molding, compression molding, or the like is also possible. When sealing and heating after curing to cure the resin, the temperature is desirably 150 ° C. or higher. The semiconductor chip sealed by the sealing resin composition of the present invention is not particularly limited.
[0020]
[Action]
The epoxy resin composition for encapsulation and the semiconductor encapsulation device of the present invention, by using a colorant that is partially or entirely a resin-coated carbon black in the epoxy resin composition for encapsulation, reduces static electricity generated during molding. In addition to the dramatic reduction, defects due to leakage or short circuit between fine wirings can be reduced.
[0021]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Next, the present invention will be specifically described with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples. In the following Examples and Comparative Examples, “%” means “% by weight”.
[0022]
Example 1
9.5% of polyfunctional epoxy resin EPPN-502 (trade name, manufactured by Nippon Kayaku Co., Ltd.), 3.0% of AER-8028 brominated epoxy resin (trade name, manufactured by Asahi Kasei Corporation), polyfunctional -Type phenolic resin MEH-7500 (manufactured by Meiwa Kasei Co., Ltd., 4.4%), curing accelerator 2-methylimidazole 0.2%, ester wax Carnava No. 1 0.4%, epoxy silane cup A of carbon black (ash content: 1.0% or less, specific surface area: 170 m 2 / g) coated with 0.3% of a ring agent and epoxy resin Epicoat 630 (trade name, manufactured by Japan Epoxy Resin Co., Ltd.) (A particle size: about 1 mm, Powder resistance value: 1.0 × 10 [Ω · cm]) 0.2% and spherical silica (average particle size: 18 μm, maximum particle size: 74 μm) 82.0% were blended and mixed at room temperature, Sa Further, the mixture was melt-kneaded at 90 to 110 ° C., cooled and pulverized to obtain a molding material, and this material was transferred into a mold heated to 175 ° C. and cured to produce a molded product.
[0023]
Example 2
9.5% of multifunctional epoxy resin EPPN-502 (trade name, manufactured by Nippon Kayaku Co., Ltd.), 4.4% of multifunctional phenol resin MEH-7500 (trade name, manufactured by Meiwa Kasei Co., Ltd.), curing 0.2% of 2-methylimidazole as accelerator, 0.4% of carnauba No. 1 ester wax, 0.3% of epoxy silane coupling agent, and epoxy resin Epicoat 152 (trade name, manufactured by Japan Epoxy Resin Co., Ltd.) 0.2% of coated carbon black (ash content: 1.0% or less, specific surface area: 170 m 2 / g) B (particle size: about 1 mm or less, powder resistance value: 1.0 × 10 5 [Ω · cm]) 0.1% of carbon black and 82.0% of spherical silica (average particle size: 18 μm, maximum particle size: 74 μm) are blended, mixed at room temperature, further melt-kneaded at 90 to 110 ° C., and cooled. It was transferred injecting the material and the molding material is crushed into a mold heated to 175 ° C., to produce a molded article is cured.
[0024]
Comparative Example 1
9.5% of polyfunctional epoxy resin EPPN-502 (trade name, manufactured by Nippon Kayaku Co., Ltd.), 3.0% of AER-8028 brominated epoxy resin (trade name, manufactured by Asahi Kasei Corporation), polyfunctional -Type phenolic resin MEH-7500 (manufactured by Meiwa Kasei Co., Ltd., 4.4%), curing accelerator 2-methylimidazole 0.2%, ester wax Carnava No. 1 0.4%, epoxy silane cup 0.3% of ring agent, 0.2% of carbon black CB-30 (trade name, manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation), and 82.0% of spherical silica (average particle size: 18 μm, maximum particle size: 74 μm) Then, the mixture was mixed at room temperature, melted and kneaded at 90 to 110 ° C., cooled and pulverized, and the molding material and this material were transferred to a mold heated to 175 ° C. and cured to produce a molded product. .
[0025]
The appearance (coloring: visual), the charging characteristics during molding, and the occurrence of electrical failure between wirings were tested for the molded products produced in Examples 1 and 2 and Comparative Example 1, and the results are shown in Table 1. As shown in Table 1, the resin compositions of Examples 1 and 2 have extremely low charge at the time of molding as compared with the resin composition of Comparative Example 1, and the occurrence of short circuit due to carbon black is suppressed. ing. Further, the coloring property in appearance is also equivalent to that of the comparative example.
[0026]
[Table 1]
* 1: The electrostatic voltage immediately after the test piece was formed was measured by SIMCO FMX-002.
* 2: Immediately after the PBGA having the pitch wire wiring was sealed with a resin, a bias was applied to the PBGA to monitor a short circuit between the wirings.
[0027]
【The invention's effect】
As is clear from the above description and the results in Table 1, the sealing epoxy resin composition and the semiconductor encapsulation device of the present invention are defective due to inter-wiring leak or short-circuit caused by carbon black of a semiconductor device having fine wiring. And it is possible to suppress defects due to electrostatic destruction that occur during sealing molding.