JP2004189687A - 色移り防止型メイクアップ化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】色移り防止効果、化粧持続性、耐水性、耐皮脂性、感触に優れ、かつキメ、皺の目立ちが抑制された色移り防止型メイクアップ化粧料を提供する。
【解決手段】水層および油溶性樹脂を含む油層からなり、常温で結晶状態またはペースト状態である水溶性化合物と水以外の揮発性溶媒を含有し、界面活性剤の含有量が0〜0.05質量%の範囲にあり、一次粒子径が5〜100nmの範囲にある撥水化処理微粒子顔料を1〜25質量%含有していることを特徴とする色移り防止型メイクアップ化粧料。
【選択図】なし
【解決手段】水層および油溶性樹脂を含む油層からなり、常温で結晶状態またはペースト状態である水溶性化合物と水以外の揮発性溶媒を含有し、界面活性剤の含有量が0〜0.05質量%の範囲にあり、一次粒子径が5〜100nmの範囲にある撥水化処理微粒子顔料を1〜25質量%含有していることを特徴とする色移り防止型メイクアップ化粧料。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、色移り防止効果、化粧持続性、耐水性、耐皮脂性、感触に優れ、かつキメ、皺の目立ちが抑制された、色移り防止型メイクアップ化粧料に関する。
さらに詳しくは、界面活性剤を使用しないか、最小量に抑えた水層、油層からなる多相分離型製剤に、常温で結晶状態またはペースト状態である水溶性化合物を添加することで、塗膜表面に前記水溶性化合物の不均一性光散乱層を形成させ、キメや皺の目立ちを抑制した色移り防止型メイクアップ化粧料を得ることに関する。
【0002】
【従来の技術】
ファンデーションなどのメイクアップ化粧料において色移り防止または転写防止を目的とした製剤が検討されている。(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4)これらの技術は溶剤系に樹脂と微粒子を含む顔料を導入して平滑な塗膜を形成する技術である。この技術で得られる製剤は色移りがしにくく抜群の化粧持続性を有していた。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−113513号公報
【特許文献2】
特開平8−104611号公報
【特許文献3】
特開平8−127514号公報
【特許文献4】
特開平8−157326号公報
【特許文献4】
特開平8−301727号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら水を用いない非水系製剤は塗布時に油性感が強く、感触的に好き嫌いがはっきりでてしまう場合があった。また、水を使用して色移り防止製剤を作ろうとすると、製剤ごと特殊な装置を用いて微粉砕を実施する必要がでるなど、工業的な負担が大きかった。さらに、こうした色移りしにくい平滑な塗膜を形成する製剤は、その平滑性のために肌の凹凸が強調される傾向が強く、肌がきれいに見えない問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明人らは、感触に優れる水を用いてより簡便に平滑な化粧塗膜を形成する方法について検討を実施したところ、水・油配合系において、界面活性剤を使用しないか最小量に限定することで、化粧塗膜に凹凸を形成してしまうエマルションの形成を最小限に抑制し、かつ水の力で油性膜を平滑化させる技術を開発した。この方法では、水の影響で塗布時の油性感が抑えられる他、出来上がった塗膜の感触もしっとりしたものを得ることができ、そして、色移り防止効果は非水系製剤と同等のものが作成できた。さらに、この製剤の水層に常温で結晶状態またはペースト状態である水溶性化合物を添加することで、塗膜が乾燥した時に塗膜表面に不均一に前記水溶性化合物の析出層が形成されて光の乱反射が起こるため、塗膜が比較的平滑であるにも関わらず、キメや皺が目立ちにくい特性を付与できるようになった。
【0006】
すなわち、本発明は、水層および油溶性樹脂からなり、常温で結晶状態またはペースト状態である水溶性化合物と水以外の揮発性溶媒を含有し、界面活性剤の含有量が0〜0.05質量%の範囲にあり、一次粒子径が5〜100nmの範囲にある撥水化処理微粒子顔料を1〜25質量%含有していることを特徴とする色移り防止型メイクアップ化粧料である。
【0007】
第2の本発明は、常温で結晶状態またはペースト状態である水溶性化合物が、ラフィノース、トレハロース、トリメチルグリシンから選ばれる1種、または2種以上であることを特徴とする上記の色移り防止型メイクアップ化粧料である。
【0008】
第3の本発明は、炭素数1〜3の低級アルコールを除く水相の含有量が1〜40質量%の範囲にあることを特徴とする上記の色移り防止型メイクアップ化粧料である。
【0009】
第4の本発明は、揮発性溶媒が、エチルアルコール、シクロメチコン、メチルトリメチコン、鎖状揮発性シリコーン、軽質流動パラフィンから選ばれる1種、または2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の色移り防止型メイクアップ化粧料である。
【0010】
第5の本発明は、油溶性樹脂が、シリコーン樹脂、シリコーン変性有機粘剤、フッ素変性シリコーン樹脂から選ばれる1種、または2種以上であることを特徴とする上記の色移り防止型メイクアップ化粧料である。
【0011】
第6の本発明は、撥水化処理微粒子顔料が、微粒子顔料を炭素数4〜20の範囲のアルキル基を有する、アルキルシラン化合物、有機チタネート化合物、有機アルミニウム化合物およびフッ素化合物から選ばれる1種、または2種以上の表面処理剤にて被覆処理されたものであることを特徴とする上記の色移り防止型メイクアップ化粧料である。
【0012】
第7の本発明は、撥水化処理微粒子顔料が、炭素数4〜20の範囲のアルキル基を有するアルキルアルコキシシラン化合物の表面処理剤を用いてアルキルシラン処理されたものであることを特徴とする上記の色移り防止型メイクアップ化粧料である。
【0013】
第8の本発明は、撥水化処理微粒子顔料の含有量が5〜20質量%であることを特徴とする上記の色移り防止型メイクアップ化粧料である。
【0014】
第9の本発明は、微粒子顔料が酸化チタン、低次酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄、水酸化鉄、酸化セリウムから選ばれる1種、または2種以上であることを特徴とする上記の色移り防止型メイクアップ化粧料である。
【0015】
第10の本発明は、撥水化処理微粒子顔料が、揮発性油剤または油剤中に分散されたスラリー状またはペースト状の形態で配合されていることを特徴とする上記の色移り防止型メイクアップ化粧料である。
【0016】
第11の本発明は、界面活性剤の量が原料のキャリーオーバー成分の量であることを特徴とする上記の色移り防止型メイクアップ化粧料である。
【0017】
第12の本発明は、シリコーンエラストマー球状粉体をさらに含有することを特徴とする上記の色移り防止型メイクアップ化粧料である。
【0018】
第13の本発明は、微粒子顔料以外の顔料を炭素数4〜20の範囲のアルキル基を有する有する、アルキルシラン化合物、有機チタネート化合物、有機アルミニウム化合物およびフッ素化合物から選ばれる1種、または2種以上の表面処理剤により被覆処理された撥水化処理顔料をさらに含有することを特徴とする上記の色移り防止型メイクアップ化粧料である。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の色移り防止型メイクアップ化粧料では、水層および油溶性樹脂を含む油層を有し、常温で結晶状態またはペースト状態である水溶性化合物と水以外の揮発性溶媒を含有し、界面活性剤の含有量が0〜0.05質量%の範囲にあり、一次粒子径が5〜100nmの範囲にある撥水化処理微粒子顔料を1〜25質量%含有していることを特徴としている。したがって、製剤の形態としては、水層、油層からなり、2層以上の多層分離型の製剤となっている。
【0020】
本発明では水層成分として、常温(20〜35℃)で結晶状態またはペースト状態である水溶性化合物を含む。これらの化合物は化粧塗膜上で不均一に存在し、光を乱反射する効果を有する。常温で結晶状態またはペースト状態である有機化合物としては、糖類、塩類、アミノ酸およびその誘導体などが挙げられ、例えばラフィノース、トレハロース、サイクロデキストリン、大環状サイクロデキストリン、グルコース、乳糖、フラクトース、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、グリシン、トリメチルグリシン、アスパラギン酸、グルタミン酸などが挙げられるが、特にラフィノース、トレハロース、トリメチルグリシンは色移り防止効果に悪影響を与えず、感触調整効果とともにキメや皺の目立ちを改善する効果が特に高いため優れている。これらの水溶性化合物は製剤全体の質量に対して0.1〜5質量%の範囲で使用されることが好ましい。0.1質量%未満では効果が明確でなく、また5質量%を超えると、化粧塗膜の不均一性が解消してしまうので好ましくない。さらに不均一性と色移り防止効果が両立する0.5〜3質量%の範囲が特に好ましい。また、この水溶性化合物の配合が、色移り防止機能を阻害しない理由については、顕微鏡で塗膜表面を観察すると、こういった水溶性化合物を導入した水層は塗膜に細かい穴を形成し、その穴に水溶性化合物が存在しているように観察されることから、塗膜の上に凸型で水溶性化合物が存在しないことが、色移り防止効果に影響を与えていない理由であると思われる。
【0021】
また、本発明における水層には、精製水等の水以外に、プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール等の多価アルコールなどの水可溶性成分を含むことがてきる。但し、エチルアルコールなどの炭素数1〜3の低級アルコールについては、水層、油層の両方に分配すると考えられるため、常温で結晶状態またはペースト状態である上記水溶性化合物以外の水相の量または水の量としては、エチルアルコール等の炭素数1〜3の低級アルコールを除いた量として、製剤質量全体の1〜40質量%の範囲に入っていることが好ましく、特に好ましくは5〜30質量%の範囲が挙げられる。この範囲であれば、油性感の低減と塗膜の平滑化が両立できる。水相または水の量が1質量%未満であると、水相の量が不十分となり、感触の改善は可能であるが、塗膜の平滑化ができなくなる場合がある。また、40質量%を超えると、乾燥速度が遅くなったり、油膜が水層の上に来てしまったりして平滑な塗膜が形成できなくなり、結果として色移り防止効果が悪くなる原因となる場合がある。
【0022】
本発明で言う揮発性溶媒とは、水以外の揮発性溶媒であって、肌に安全な、1気圧での沸点が220℃未満のものを指し、例えば、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロビルアルコールなどの炭素数1〜3の低級アルコール、環状5量体ジメチルシクロシロキサンなどのシクロメチコン、{(CH3)3SiO}3SiCH3の構造式で表されるメチルトリメチコン、直鎖状揮発性シリコーン、イソドデカンなどの軽質流動パラフィン、テルペン類、代替フロン類などが挙げられるが、特にエチルアルコール、シクロメチコン、メチルトリメチコン、直鎖状揮発性シリコーン、軽質流動パラフィンが好ましい。これら揮発性溶媒の配合量としては、製剤質量全体に対して10〜60質量%が好ましい。上記の炭素数1〜3の低級アルコールを除く揮発性溶媒は本発明の油層成分となる。
【0023】
本発明で用いる油溶性樹脂としては、上記の揮発性溶媒のいずれかに溶解する特性を有する樹脂であれば使用可能であり、例えばトリメチルシロキシケイ酸などのシリコーン樹脂、プルランとシリコーン鎖がアマイド結合等で結合したシリコーン化プルラン(特開平8−134103号公報等に記載された化合物)などのシリコーン変性有機粘剤、トリフルオロプロピル変性ポリメチルシロキシケイ酸などのフッ素変性シリコーン樹脂、信越化学工業社製のKP541,KP545,KP543,KP561などのアクリル化シリコーンなどが挙げられるが、特にシリコーン樹脂、シリコーン変性有機粘剤、フッ素変性シリコーン樹脂から選ばれることが好ましい。フッ素変性シリコーン樹脂は下記一般式で示されるが、特に水酸基を必須とする化合物が好ましい。化粧品の揮発性溶媒は安全性や大気汚染の問題から限定されているが、これらの樹脂は使用可能な揮発性溶媒との相性に優れているメリットがある。
[フッ素変性シリコーン樹脂]
R1SiO(4−n)/2
(但し、R1は、炭素数1〜8の炭化水素基、フェニル基、水酸基、Rf−R−基を示し、Rfは炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基、Rは炭素数2〜6の二価のアルキレン基を示し、Rf−R−基を必須として含み、1.0≦n≦1.8である。)
上記の油溶性樹脂の配合量としては、製剤質量全体に対して、好ましくは1〜15質量%である。
【0024】
本発明で用いる油層成分としては、上記の炭素数1〜3の低級アルコールを除く揮発性溶媒、油溶性樹脂以外に通常化粧品に使用される各種の油剤、油剤としての油溶性紫外線吸収剤を用いることができる。油剤の例としては、例えばアボガド油、アマニ油、アーモンド油、エノ油、オリーブ油、カポックロウ、カヤ油、肝油、キョウニン油、鯨ロウ、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シナギリ油、シナモン油、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、ナタネ油、日本キリ油、胚芽油、パーシック油、ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミンク油、綿実油、落花生油、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル;炭化水素油として、スクワラン、スクワレン、流動パラフィン、プリスタン、ポリブテン、α−オレフィンオリゴマー等;高級脂肪酸としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、イソステアリン酸;エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸ミリスチル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等が挙げられる。また、油剤としてのシリコーン油の例としては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、アモジメチコーン、シリコーンガム等が挙げられる。
【0025】
本発明で用いる油溶性紫外線吸収剤の例としては、例えばパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(別名;パラメトキシケイ皮酸オクチル)、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、エチルジヒドロキシプロピルパラアミノ安息香酸、グリセリルパラアミノ安息香酸、サリチル酸ホモメンチル、メチル−O−アミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、オクチルジメチルPABA、サリチル酸オクチル、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェニン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−N−オクトキシベンゾフェノン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オクチルトリアゾン、4−(3,4−ジメトキシフェニルメチレン)−2,5−ジオキソ−1−イミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、これらの高分子誘導体、及びシラン誘導体等が挙げられる。
これら、油剤と炭素数1〜3の低級アルコールを除く揮発性溶剤からなる油相の配合量としては、製剤質量全体に対して、好ましくは20〜70質量%である。
【0026】
また、油剤ではなくなるが、有機系紫外線防御剤がポリマー粉末中に封止されたものを用いることも可能である。ポリマー粉末は中空であってもなくても良く、平均一次粒子径としては0.1〜50μmの範囲にあれば良く、粒度分布はブロードであってもシャープであっても構わない。ポリマーの種類としてはアクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、シリコーン樹脂、ナイロン、アクリルアミド樹脂等が挙げられる。これらのポリマー粉末中に、粉末質量の0.1〜30質量%の範囲で有機系紫外線防御剤を取り込ませた粉末が好ましく、特にUVA吸収剤である4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタンを配合することが好ましい。上記の紫外線防御成分のうち、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも1種が、汎用されており、入手が容易で、かつ紫外線防御効果が高いので、好ましい。特に、無機系と有機系を併用することが好ましい。また、UV−Aに対応したものとUV−Bに対応したものを組み合わせて用いることも好適である。
【0027】
本発明では、界面活性剤を用いないか最小量とする必要がある。本発明では界面活性剤の配合量を製剤質量全体の0〜0.05質量%の範囲としているが、この量には製剤に使用した副原料由来でキャリーオーバーしてきた界面活性剤の量を含む。例えば乳化重合にて得られるポリマー粒子を配合した場合には、乳化に使用した界面活性剤がキャリーオーバーしてくる場合がある。界面活性剤の量が0.05質量%を超えると、水相が乳化してしまい、塗膜が凹凸を形成するため、色移り防止効果に問題がでてくる。本発明で言う界面活性剤としては、一般に化粧品に用いられるノニオン、カチオン、アニオン、ベタインなどの界面活性剤を示し、HLB値は特に拘らない。但し、低級アルコールおよびシリコーン変性有機粘剤については界面活性能力が僅かであるため、本発明で言う界面活性剤から除外する。
【0028】
本発明で用いる撥水化処理微粒子顔料としては、その一次粒子径が5〜100nmの範囲に入るものが該当する。この範囲であれば塗膜が平滑化しやすい。一次粒子径の測定方法としては、例えば透過型電子顕微鏡を用いる方法が挙げられる。本発明では、撥水化処理微粒子顔料を製剤質量全体の1〜25質量%の範囲で配合していることが必要であり、より好ましくは5〜20質量%の範囲で配合していることが好ましい。撥水化処理微粒子顔料の量が1質量%未満では塗膜の強度が足りず、こすれに対して弱くなる問題があり、25質量%を超えると、顔料粉末の吸油量が増加して、感触がぱさつき、肌への負担が多くなる問題がある。
【0029】
本発明で用いる撥水化処理としては、通常化粧品に使用されている撥水化処理方法が使用可能である。その処理方法としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等を用いたシリコーン処理;シラン処理;有機チタネート処理;有機アルミニウム処理;デキストリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸等を用いる油剤処理;テトロフルオロエチレン樹脂、シリコーン樹脂等を用いる樹脂処理;フッ素化合物処理;N−アシル化リジン処理;金属石鹸処理などが挙げられるが、特に微粒子顔料を炭素数4〜20の範囲のアルキル基を有する、シラン化合物、有機チタネート化合物、有機アルミニウム化合物であって上記アルキル基以外にアルコキシ基、ハロゲン基、水素基、水酸基、オキシム基、アセトキシ基、エポキシ基等の加水分解性基を有する化合物;パーフルオロアルキルリン酸およびその塩、パーフルオロアルキルカルボン酸およびその塩、フッ素化アルコール等のフッ素化合物から選ばれる1種、または2種以上の表面処理剤により被覆処理されたものが好ましい。さらに好ましくは、オクチルトリエトキシシラン等の炭素数4〜20の範囲のアルキル基を有するアルキルアルコキシラン化合物である。炭素数4〜20のアルキル基を有する化合物を用いると、経時で顔料のケーキングが発生しにくいメリットがある。
【0030】
本発明で用いる微粒子顔料としては、例えば酸化チタン、低次酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄、水酸化鉄、酸化セリウム、金、銀、白金等が挙げられるが、特に酸化チタン、低次酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄、水酸化鉄、酸化セリウムが好ましい。これらの素材はいずれも入手が容易で、かつ表面処理がしやすい特徴がある。
【0031】
また、本発明で用いる撥水化処理微粒子顔料は、事前にシクロメチコン、メチルトリメチコン、直鎖状揮発性シリコーン、軽質流動パラフィン等の揮発性油剤または前記油剤中に分散されたスラリー状またはペースト状の形態としたものを配合することが好ましい。この形態であると、製品製造時に粉末の飛散がないこと、微粒子の凝集が少ないメリットがある。
【0032】
本発明では、シリコーンエラストマー球状粉体を配合することによって、油溶性樹脂の持つ塗膜の圧迫感を抑制し、かつ塗膜の洗浄が容易になる特性を持つため、特に配合することが好ましい。さらに、シリコーンエラストマー球状粉体は事前にシリコーンオイルなどに混練や分散して使用することが好ましい。シリコーンエラストマーとは架橋型シリコーン樹脂であり、例えば東レダウコーニングシリコーン社製のトレフィルシリーズのE−506C,E−508等、信越化学工業社製のKSPシリーズなどが挙げられる。シリコーンエラストマー球状粉体の平均粒子径としては、1〜50μmが好ましく、特に1〜10μmが好ましい。シリコーンエラストマー球状粉体の配合量としては、製剤質量全体に対して、0.3〜2.5質量%が好ましい。
【0033】
本発明の色移り防止型メイクアップ化粧料では、以上の成分以外に、通常化粧料に配合される各種の顔料、粘剤、防菌防腐剤、香料、保湿剤、塩類、溶媒、酸化防止剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤、生理活性成分等の成分を配合することができる。
【0034】
本発明で用いる顔料としては、上記の微粒子顔料より粒径の大きい通常の化粧料に使用される顔料であれば、その形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、鱗片状、紡錘状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができ、例えば無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体、有色顔料、パール顔料、金属粉末顔料、天然色素等があげられ、具体的には、無機粉体としては、顔料級酸化チタン、酸化ジルコニウム、顔料級酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、シリカ等;有機粉体としては、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロース、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン等のポリアミドパウダー、ポリメチルシルセスキオキサン球状粉体、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、デンプン末、ラウロイルリジン等;界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等;有色顔料としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した合成樹脂粉体等;パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等;タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等;天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等から選ばれる顔料が挙げられる。
【0035】
本発明で用いる上記の顔料も、微粒子顔料と同様に、通常化粧品に使用されている撥水化処理方法を行って配合することが好ましい。処理方法としては前記と同様に、例えば、シリコーン処理、シラン処理、有機チタネート処理、有機アルミニウム処理、油剤処理、樹脂処理、フッ素化合物処理、N−アシル化リジン処理、金属石鹸処理などが挙げられるが、特に微粒子顔料を炭素数4〜20の範囲のアルキル基を有する、アルキルシラン化合物(但し、上記アルキル基以外にアルコキシ基、ハロゲン基、水素基、水酸基等の反応基を有する)、有機チタネート化合物、有機アルミニウム化合物およびパーフルオロアルキルリン酸等のフッ素化合物から選ばれる1種、または2種以上の表面処理剤により被覆処理されたものが好ましい。さらに好ましくは、オクチルトリエトキシシラン等の炭素数4〜20の範囲のアルキル基を有するアルキルアルコキシラン化合物である。例としては、上記オクチルシラン処理顔料や、オクチルシラン処理とパーフルオロアルキルリン酸処理を組み合わせた処理顔料が好ましい。
【0036】
本発明で用いる理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、抗炎症剤、老化防止剤、ひきしめ剤、発毛剤、育毛剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。その中でも、天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分が特に好ましい。本発明では、これらの生理活性成分を1種または2種以上配合することが好ましい。例えば、アシタバエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、カルカデエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、バクモンドウエキス、ハスエキス、パセリエキス、蜂蜜、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
【0037】
また、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、エストラジオール、エテニルエストラジオールなどのホルモン、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ホエイなどの保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン、アラントイン、トラネキサム酸、アズレン等の抗炎症剤、ビタミンA,B2,B6,C,D,K,ビタミンC配糖体、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、γ−オリザノールなどの血行促進剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤、セファランチン、カンゾウ抽出物、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエステラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、l−メントール、カンフルなどの清涼剤、モノニトログアヤコール、レゾルシン、γ−アミノ酪酸、塩化ベンゼトニウム、塩酸メキシレチン、オーキシン、女性ホルモン、カンタリスチンキ、シクロスポリン、ジンクピリチオン、ヒドロコルチゾン、ハッカ油等が挙げられる。
【0038】
本発明で用いる生理活性成分の配合量はその活性成分の効果濃度によって異なり、それぞれの活性成分の効果濃度範囲に濃度設定することが好ましい。例えばアスコルビン酸ならば3質量%、アスコルビン酸配糖体ならば2質量%といった濃度が挙げられる。
【0039】
防菌防腐剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等、抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、トリクロサン、感光素、フェノキシエタノール等がある。
【0040】
本発明の色移り防止型メイクアップ化粧料の具体的な用途としては特に限定は無いがメイクアップ製品、特に紫外線防御能力に優れたファンデーション、コンシーラー、アイシャドウ、口紅に好適である。
【0041】
【実施例】
以下、実施例および比較例によって本発明を更に詳細に説明する。
【0042】
実施例および比較例の各組成物の各種特性に対する評価方法を以下に示す。
【0043】
[色移り防止性能評価]
富士ゼロックス製カラーOHP用紙の表面に5×5cmの枠を書き、ここに製剤を1mg/cm2の量になるように塗布する。ドライヤーで塗膜を乾燥した後、この塗膜の上にろ紙(東洋ろ紙 5A)の荒い面が塗膜と接触するように置き、その上に直径28mmのシリコーン栓を置き、上から2Kgの荷重をかけながらろ紙ごと引っ張り、ろ紙に塗膜を付着させる。これを4回繰り返す。ついでろ紙の未接触部と顔料付着部のL*値を測色計を用いて測色し、その差を小数点以下1桁まで計算する。絶対値が大きい程色移りが激しいことを示す。尚、本測定方法はファンデーションなどの色によって差がでる場合があるため、基本的に同系列の色で測定を実施することが必要である。
【0044】
[官能特性評価]
専門パネラーを各評価品目ごとに10名ずつ用意し(但し、品目によりパネラーが重複する場合もある)、表1に示す評価基準に従って評価を行い、全パネラーの合計点数を以て評価結果とした。従って、点数が高いほど評価項目に対する有用性が高いことを示す(満点:50点)。
【0045】
【0046】
実施例1
下記表2の処方と製造方法に従ってファンデーションを得た。尚、表中の配合量の単位は質量%である。尚、表中のフルオロシリケート液は水酸基を有するフッ素変性シリコーン樹脂に相当する特開平9−12431号公報の製造例1記載の製造方法に準じ製造されたトリフルオロプロピル化ポリメチルシロキシケイ酸の50質量%環状5量体シリコーン溶液を指し、オクチルシリル化酸化亜鉛スラリーは、サンドミルで分散させたオクチルシリル化微粒子酸化亜鉛(平均一次粒子径10nm)の45質量%メチルトリメチコン分散溶液を指し、オクチルシリル化酸化チタンスラリーは、サンドミルで分散させたオクチルシリル化微粒子酸化チタン(平均一次粒子径15nm)の50質量%5量体シクロメチコン分散溶液を指し、シリコーンエラストマー分散液は、シリコーンエラストマー球状粉体(東レダウコーニングシリコーン製トレフィルE−508、平均粒子径3μm)の35質量%5量体シクロメチコン混練溶液を指し、微粒子以外の顔料はそれぞれオクチルシランとパーフルオロアルキルリン酸を併用して表面処理されたものを使用した。オクチルシリル化とはオクチルトリエトキシシランを用いて脱エチルアルコール反応させながら顔料表面をオクチルシリル化させる撥水処理法である。
【0047】
[表2]
成 分 配合量
---------------------------------------------------------------
(油相)
パラメトキシケイ皮酸オクチル 10
フルオロシリケート液 10
シリコーンエラストマー分散液 5
オクチルシリル化酸化チタンスラリー 15
オクチルシリル化微粒子酸化亜鉛スラリー 16
メチルトリメチコン 9
(顔料部)
表面処理酸化チタン(平均一次粒子径0.2μm) 7.35
表面処理黄酸化鉄 0.76
表面処理ベンガラ 0.17
表面処理黒酸化鉄 0.11
(アルコール部)
エチルアルコール 7
防腐剤 0.2
(水相)
精製水 残 部
ジプロピレングリコール 0.5
ラフィノース 0.5
トリメチルグリシン 0.5
【0048】
(製造方法)
油相を混合し、その中にアルコール部を入れて混合する。上から事前によく混合した顔料部を加えてさらに攪拌する。その上から混合した水相を加え、よく攪拌した後、ステンレスボールと共に密閉容器に充填して製品を得た。この製品は水層と油層を有する多層分離型製剤であった。尚、この組成物中の撥水化微粒子顔料の総量は14.7質量%であり、界面活性剤は0.05質量%未満であった。
【0049】
比較例1
実施例1のラフィノース、トリメチルグリシンの代わりに、精製水を用いた他は全て実施例1と同様にして製品を得た。
【0050】
比較例2
実施例1のメチルトリメチコン9質量%の代わりに、メチルトリメチコン8.5質量%、イソステアリン酸ソルビタン(界面活性剤)0.5質量%を加えた他は全て実施例1と同様にして製品を得た。
【0051】
比較例3
下記表3の処方と製造方法にてファンデーションを得た。顔料はそれぞれオクチルシランとパーフルオロアルキルリン酸を併用して表面処理されたものを使用した。
【0052】
[表3]
成 分 配合量
---------------------------------------------------------------
(油相)
パラメトキシケイ皮酸オクチル 10
フルオロシリケート液 10
シリコーンエラストマー分散液 5
メチルトリメチコン 40
(顔料部)
表面処理酸化チタン(平均一次粒子径0.2μm) 7.35
表面処理黄酸化鉄 0.76
表面処理ベンガラ 0.17
表面処理黒酸化鉄 0.11
(アルコール部)
エチルアルコール 7
防腐剤 0.2
(水相)
精製水 残 部
ジプロピレングリコール 0.5
ラフィノース 0.5
トリメチルグリシン 0.5
【0053】
(製造方法)
油相を混合し、その中にアルコール部を入れて混合する。上から事前によく混合した顔料部を加えてさらに攪拌する。その上から混合した水相を加え、よく攪拌した後、ステンレスボールと共に密閉容器に充填して製品を得た。尚、この組成物中の撥水化微粒子顔料の総量は0質量%であり、界面活性剤は0.05質量%未満であった。
【0054】
比較例4
下記表4の処方と製造方法にてファンデーションを得た。微粒子顔料はオクチルシリル化微粒子酸化チタン(平均一次粒子径15nm)とオクチルシリル化微粒子酸化亜鉛(平均一次粒子径10nm)を用いた。微粒子以外の顔料はそれぞれオクチルシランとパーフルオロアルキルリン酸を併用して表面処理されたものを使用した。
【0055】
[表4]
成 分 配合量
---------------------------------------------------------------
(油相)
パラメトキシケイ皮酸オクチル 10
フルオロシリケート液 10
シリコーンエラストマー分散液 5
メチルトリメチコン 10
(顔料部)
オクチルシリル化微粒子酸化チタン 10
オクチルシリル化微粒子酸化亜鉛 20
表面処理酸化チタン(平均一次粒子径0.2μm) 5.35
表面処理黄酸化鉄 0.76
表面処理ベンガラ 0.17
表面処理黒酸化鉄 0.11
(アルコール部)
エチルアルコール 7
防腐剤 0.2
(水相)
精製水 残 部
ジプロピレングリコール 0.5
ラフィノース 0.5
トリメチルグリシン 0.5
【0056】
(製造方法)
油相を混合し、その中にアルコール部を入れて混合する。上から事前によく混合した顔料部を加えてさらに攪拌する。その上から混合した水相を加え、よく攪拌した後、ステンレスボールと共に密閉容器に充填して製品を得た。尚、この組成物中の撥水化微粒子顔料の総量は30質量%であり、界面活性剤は0.05質量%未満であった。
【0057】
比較例5
下記表5の処方と製造方法にてファンデーションを得た。微粒子顔料は未処理微粒子酸化チタン(平均一次粒子径15nm)と未処理微粒子酸化亜鉛(平均一次粒子径10nm)を用いた。微粒子以外の顔料はそれぞれオクチルシランとパーフルオロアルキルリン酸を併用して表面処理されたものを使用した。
【0058】
[表5]
成 分 配合量
---------------------------------------------------------------
(油相)
パラメトキシケイ皮酸オクチル 10
フルオロシリケート液 10
シリコーンエラストマー分散液 5
メチルトリメチコン 18.8
5量体シクロメチコン 7.5
(顔料部)
オクチルシリル化微粒子酸化チタン 7.5
オクチルシリル化微粒子酸化亜鉛 7.2
表面処理酸化チタン(平均一次粒子径0.2μm) 7.35
表面処理黄酸化鉄 0.76
表面処理ベンガラ 0.17
表面処理黒酸化鉄 0.11
(アルコール部)
エチルアルコール 7
防腐剤 0.2
(水相)
精製水 残 部
ジプロピレングリコール 0.5
ラフィノース 0.5
トリメチルグリシン 0.5
【0059】
(製造方法)
油層を混合し、その中にアルコール部を入れて混合する。上から事前によく混合した顔料部を加えてさらに攪拌する。その上から混合した水層を加え、よく攪拌した後、ステンレスボールと共に密閉容器に充填して製品を得た。尚、この組成物中の撥水化微粒子顔料の総量は0質量%であり、親水化微粒子顔料の総量は14.7質量%であり、界面活性剤は0.05質量%未満であった。
【0060】
実施例と比較例の評価結果で、色移り防止性能評価結果(L*値の差)を表6と図1に、官能特性評価結果を表6と7に示す。
【0061】
【0062】
【0063】
上記表6と図1、表7の結果より、本発明の実施例は比較例と比べてキメの目立ちにくさを除く各評価項目においていずれも優れた性能を有していることが判る。キメの目立ちにくさについては、実施例1と比較例1との比較から、常温で結晶状態またはペースト状態である水溶性化合物の添加が効果的であることが判る。これに対して、比較例2のW/O型乳化物はキメが目立たない特性を有している。これはエマルションのために塗膜表面が凹凸を形成し、光が乱反射しているためである。エマルションを形成すると一般的には色移りも激しくなるため、両方の機能を両立させることができない。また、比較例3は微粒子顔料を配合しなかった例であるが、色移り防止効果はあったものの、その他の評価は全て悪くなった。また、塗膜にタック性がでてしまい乾燥後も感触が悪かった。比較例4は、微粒子顔料の総量が30質量%と大変多い場合の例であるが、顔料が多すぎ、塗膜がかさつき、外観的にも美しくなく、評価も全体的に悪かった。比較例5は、撥水化処理微粒子顔料の代わりに親水性(未処理)微粒子顔料を用いた場合の例であるが、感触面では良かったものの、化粧持ちなどの持続性に問題があった。
【0064】
【発明の効果】
以上のことから、本発明は、水層および油溶性樹脂を含む油層を有し、常温で結晶状態またはペースト状態である水溶性化合物と水以外の揮発性溶媒を含有し、界面活性剤の含有量が0〜0.05質量%の範囲にあり、一次粒子径が5〜100nmの範囲にある撥水化処理微粒子顔料を1〜25質量%含有させることで、色移り防止効果、化粧持続性、耐水性、耐皮脂性、感触に優れ、かつキメ、皺の目立ちが抑制された、色移り防止型メイクアップ化粧料が得られることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例と、比較例の化粧料について、色移り防止性性能評価結果(L*値の差)を示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、色移り防止効果、化粧持続性、耐水性、耐皮脂性、感触に優れ、かつキメ、皺の目立ちが抑制された、色移り防止型メイクアップ化粧料に関する。
さらに詳しくは、界面活性剤を使用しないか、最小量に抑えた水層、油層からなる多相分離型製剤に、常温で結晶状態またはペースト状態である水溶性化合物を添加することで、塗膜表面に前記水溶性化合物の不均一性光散乱層を形成させ、キメや皺の目立ちを抑制した色移り防止型メイクアップ化粧料を得ることに関する。
【0002】
【従来の技術】
ファンデーションなどのメイクアップ化粧料において色移り防止または転写防止を目的とした製剤が検討されている。(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4)これらの技術は溶剤系に樹脂と微粒子を含む顔料を導入して平滑な塗膜を形成する技術である。この技術で得られる製剤は色移りがしにくく抜群の化粧持続性を有していた。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−113513号公報
【特許文献2】
特開平8−104611号公報
【特許文献3】
特開平8−127514号公報
【特許文献4】
特開平8−157326号公報
【特許文献4】
特開平8−301727号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら水を用いない非水系製剤は塗布時に油性感が強く、感触的に好き嫌いがはっきりでてしまう場合があった。また、水を使用して色移り防止製剤を作ろうとすると、製剤ごと特殊な装置を用いて微粉砕を実施する必要がでるなど、工業的な負担が大きかった。さらに、こうした色移りしにくい平滑な塗膜を形成する製剤は、その平滑性のために肌の凹凸が強調される傾向が強く、肌がきれいに見えない問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明人らは、感触に優れる水を用いてより簡便に平滑な化粧塗膜を形成する方法について検討を実施したところ、水・油配合系において、界面活性剤を使用しないか最小量に限定することで、化粧塗膜に凹凸を形成してしまうエマルションの形成を最小限に抑制し、かつ水の力で油性膜を平滑化させる技術を開発した。この方法では、水の影響で塗布時の油性感が抑えられる他、出来上がった塗膜の感触もしっとりしたものを得ることができ、そして、色移り防止効果は非水系製剤と同等のものが作成できた。さらに、この製剤の水層に常温で結晶状態またはペースト状態である水溶性化合物を添加することで、塗膜が乾燥した時に塗膜表面に不均一に前記水溶性化合物の析出層が形成されて光の乱反射が起こるため、塗膜が比較的平滑であるにも関わらず、キメや皺が目立ちにくい特性を付与できるようになった。
【0006】
すなわち、本発明は、水層および油溶性樹脂からなり、常温で結晶状態またはペースト状態である水溶性化合物と水以外の揮発性溶媒を含有し、界面活性剤の含有量が0〜0.05質量%の範囲にあり、一次粒子径が5〜100nmの範囲にある撥水化処理微粒子顔料を1〜25質量%含有していることを特徴とする色移り防止型メイクアップ化粧料である。
【0007】
第2の本発明は、常温で結晶状態またはペースト状態である水溶性化合物が、ラフィノース、トレハロース、トリメチルグリシンから選ばれる1種、または2種以上であることを特徴とする上記の色移り防止型メイクアップ化粧料である。
【0008】
第3の本発明は、炭素数1〜3の低級アルコールを除く水相の含有量が1〜40質量%の範囲にあることを特徴とする上記の色移り防止型メイクアップ化粧料である。
【0009】
第4の本発明は、揮発性溶媒が、エチルアルコール、シクロメチコン、メチルトリメチコン、鎖状揮発性シリコーン、軽質流動パラフィンから選ばれる1種、または2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の色移り防止型メイクアップ化粧料である。
【0010】
第5の本発明は、油溶性樹脂が、シリコーン樹脂、シリコーン変性有機粘剤、フッ素変性シリコーン樹脂から選ばれる1種、または2種以上であることを特徴とする上記の色移り防止型メイクアップ化粧料である。
【0011】
第6の本発明は、撥水化処理微粒子顔料が、微粒子顔料を炭素数4〜20の範囲のアルキル基を有する、アルキルシラン化合物、有機チタネート化合物、有機アルミニウム化合物およびフッ素化合物から選ばれる1種、または2種以上の表面処理剤にて被覆処理されたものであることを特徴とする上記の色移り防止型メイクアップ化粧料である。
【0012】
第7の本発明は、撥水化処理微粒子顔料が、炭素数4〜20の範囲のアルキル基を有するアルキルアルコキシシラン化合物の表面処理剤を用いてアルキルシラン処理されたものであることを特徴とする上記の色移り防止型メイクアップ化粧料である。
【0013】
第8の本発明は、撥水化処理微粒子顔料の含有量が5〜20質量%であることを特徴とする上記の色移り防止型メイクアップ化粧料である。
【0014】
第9の本発明は、微粒子顔料が酸化チタン、低次酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄、水酸化鉄、酸化セリウムから選ばれる1種、または2種以上であることを特徴とする上記の色移り防止型メイクアップ化粧料である。
【0015】
第10の本発明は、撥水化処理微粒子顔料が、揮発性油剤または油剤中に分散されたスラリー状またはペースト状の形態で配合されていることを特徴とする上記の色移り防止型メイクアップ化粧料である。
【0016】
第11の本発明は、界面活性剤の量が原料のキャリーオーバー成分の量であることを特徴とする上記の色移り防止型メイクアップ化粧料である。
【0017】
第12の本発明は、シリコーンエラストマー球状粉体をさらに含有することを特徴とする上記の色移り防止型メイクアップ化粧料である。
【0018】
第13の本発明は、微粒子顔料以外の顔料を炭素数4〜20の範囲のアルキル基を有する有する、アルキルシラン化合物、有機チタネート化合物、有機アルミニウム化合物およびフッ素化合物から選ばれる1種、または2種以上の表面処理剤により被覆処理された撥水化処理顔料をさらに含有することを特徴とする上記の色移り防止型メイクアップ化粧料である。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の色移り防止型メイクアップ化粧料では、水層および油溶性樹脂を含む油層を有し、常温で結晶状態またはペースト状態である水溶性化合物と水以外の揮発性溶媒を含有し、界面活性剤の含有量が0〜0.05質量%の範囲にあり、一次粒子径が5〜100nmの範囲にある撥水化処理微粒子顔料を1〜25質量%含有していることを特徴としている。したがって、製剤の形態としては、水層、油層からなり、2層以上の多層分離型の製剤となっている。
【0020】
本発明では水層成分として、常温(20〜35℃)で結晶状態またはペースト状態である水溶性化合物を含む。これらの化合物は化粧塗膜上で不均一に存在し、光を乱反射する効果を有する。常温で結晶状態またはペースト状態である有機化合物としては、糖類、塩類、アミノ酸およびその誘導体などが挙げられ、例えばラフィノース、トレハロース、サイクロデキストリン、大環状サイクロデキストリン、グルコース、乳糖、フラクトース、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、グリシン、トリメチルグリシン、アスパラギン酸、グルタミン酸などが挙げられるが、特にラフィノース、トレハロース、トリメチルグリシンは色移り防止効果に悪影響を与えず、感触調整効果とともにキメや皺の目立ちを改善する効果が特に高いため優れている。これらの水溶性化合物は製剤全体の質量に対して0.1〜5質量%の範囲で使用されることが好ましい。0.1質量%未満では効果が明確でなく、また5質量%を超えると、化粧塗膜の不均一性が解消してしまうので好ましくない。さらに不均一性と色移り防止効果が両立する0.5〜3質量%の範囲が特に好ましい。また、この水溶性化合物の配合が、色移り防止機能を阻害しない理由については、顕微鏡で塗膜表面を観察すると、こういった水溶性化合物を導入した水層は塗膜に細かい穴を形成し、その穴に水溶性化合物が存在しているように観察されることから、塗膜の上に凸型で水溶性化合物が存在しないことが、色移り防止効果に影響を与えていない理由であると思われる。
【0021】
また、本発明における水層には、精製水等の水以外に、プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール等の多価アルコールなどの水可溶性成分を含むことがてきる。但し、エチルアルコールなどの炭素数1〜3の低級アルコールについては、水層、油層の両方に分配すると考えられるため、常温で結晶状態またはペースト状態である上記水溶性化合物以外の水相の量または水の量としては、エチルアルコール等の炭素数1〜3の低級アルコールを除いた量として、製剤質量全体の1〜40質量%の範囲に入っていることが好ましく、特に好ましくは5〜30質量%の範囲が挙げられる。この範囲であれば、油性感の低減と塗膜の平滑化が両立できる。水相または水の量が1質量%未満であると、水相の量が不十分となり、感触の改善は可能であるが、塗膜の平滑化ができなくなる場合がある。また、40質量%を超えると、乾燥速度が遅くなったり、油膜が水層の上に来てしまったりして平滑な塗膜が形成できなくなり、結果として色移り防止効果が悪くなる原因となる場合がある。
【0022】
本発明で言う揮発性溶媒とは、水以外の揮発性溶媒であって、肌に安全な、1気圧での沸点が220℃未満のものを指し、例えば、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロビルアルコールなどの炭素数1〜3の低級アルコール、環状5量体ジメチルシクロシロキサンなどのシクロメチコン、{(CH3)3SiO}3SiCH3の構造式で表されるメチルトリメチコン、直鎖状揮発性シリコーン、イソドデカンなどの軽質流動パラフィン、テルペン類、代替フロン類などが挙げられるが、特にエチルアルコール、シクロメチコン、メチルトリメチコン、直鎖状揮発性シリコーン、軽質流動パラフィンが好ましい。これら揮発性溶媒の配合量としては、製剤質量全体に対して10〜60質量%が好ましい。上記の炭素数1〜3の低級アルコールを除く揮発性溶媒は本発明の油層成分となる。
【0023】
本発明で用いる油溶性樹脂としては、上記の揮発性溶媒のいずれかに溶解する特性を有する樹脂であれば使用可能であり、例えばトリメチルシロキシケイ酸などのシリコーン樹脂、プルランとシリコーン鎖がアマイド結合等で結合したシリコーン化プルラン(特開平8−134103号公報等に記載された化合物)などのシリコーン変性有機粘剤、トリフルオロプロピル変性ポリメチルシロキシケイ酸などのフッ素変性シリコーン樹脂、信越化学工業社製のKP541,KP545,KP543,KP561などのアクリル化シリコーンなどが挙げられるが、特にシリコーン樹脂、シリコーン変性有機粘剤、フッ素変性シリコーン樹脂から選ばれることが好ましい。フッ素変性シリコーン樹脂は下記一般式で示されるが、特に水酸基を必須とする化合物が好ましい。化粧品の揮発性溶媒は安全性や大気汚染の問題から限定されているが、これらの樹脂は使用可能な揮発性溶媒との相性に優れているメリットがある。
[フッ素変性シリコーン樹脂]
R1SiO(4−n)/2
(但し、R1は、炭素数1〜8の炭化水素基、フェニル基、水酸基、Rf−R−基を示し、Rfは炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基、Rは炭素数2〜6の二価のアルキレン基を示し、Rf−R−基を必須として含み、1.0≦n≦1.8である。)
上記の油溶性樹脂の配合量としては、製剤質量全体に対して、好ましくは1〜15質量%である。
【0024】
本発明で用いる油層成分としては、上記の炭素数1〜3の低級アルコールを除く揮発性溶媒、油溶性樹脂以外に通常化粧品に使用される各種の油剤、油剤としての油溶性紫外線吸収剤を用いることができる。油剤の例としては、例えばアボガド油、アマニ油、アーモンド油、エノ油、オリーブ油、カポックロウ、カヤ油、肝油、キョウニン油、鯨ロウ、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シナギリ油、シナモン油、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、ナタネ油、日本キリ油、胚芽油、パーシック油、ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミンク油、綿実油、落花生油、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル;炭化水素油として、スクワラン、スクワレン、流動パラフィン、プリスタン、ポリブテン、α−オレフィンオリゴマー等;高級脂肪酸としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、イソステアリン酸;エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸ミリスチル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等が挙げられる。また、油剤としてのシリコーン油の例としては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、アモジメチコーン、シリコーンガム等が挙げられる。
【0025】
本発明で用いる油溶性紫外線吸収剤の例としては、例えばパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(別名;パラメトキシケイ皮酸オクチル)、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、エチルジヒドロキシプロピルパラアミノ安息香酸、グリセリルパラアミノ安息香酸、サリチル酸ホモメンチル、メチル−O−アミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、オクチルジメチルPABA、サリチル酸オクチル、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェニン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−N−オクトキシベンゾフェノン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オクチルトリアゾン、4−(3,4−ジメトキシフェニルメチレン)−2,5−ジオキソ−1−イミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、これらの高分子誘導体、及びシラン誘導体等が挙げられる。
これら、油剤と炭素数1〜3の低級アルコールを除く揮発性溶剤からなる油相の配合量としては、製剤質量全体に対して、好ましくは20〜70質量%である。
【0026】
また、油剤ではなくなるが、有機系紫外線防御剤がポリマー粉末中に封止されたものを用いることも可能である。ポリマー粉末は中空であってもなくても良く、平均一次粒子径としては0.1〜50μmの範囲にあれば良く、粒度分布はブロードであってもシャープであっても構わない。ポリマーの種類としてはアクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、シリコーン樹脂、ナイロン、アクリルアミド樹脂等が挙げられる。これらのポリマー粉末中に、粉末質量の0.1〜30質量%の範囲で有機系紫外線防御剤を取り込ませた粉末が好ましく、特にUVA吸収剤である4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタンを配合することが好ましい。上記の紫外線防御成分のうち、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも1種が、汎用されており、入手が容易で、かつ紫外線防御効果が高いので、好ましい。特に、無機系と有機系を併用することが好ましい。また、UV−Aに対応したものとUV−Bに対応したものを組み合わせて用いることも好適である。
【0027】
本発明では、界面活性剤を用いないか最小量とする必要がある。本発明では界面活性剤の配合量を製剤質量全体の0〜0.05質量%の範囲としているが、この量には製剤に使用した副原料由来でキャリーオーバーしてきた界面活性剤の量を含む。例えば乳化重合にて得られるポリマー粒子を配合した場合には、乳化に使用した界面活性剤がキャリーオーバーしてくる場合がある。界面活性剤の量が0.05質量%を超えると、水相が乳化してしまい、塗膜が凹凸を形成するため、色移り防止効果に問題がでてくる。本発明で言う界面活性剤としては、一般に化粧品に用いられるノニオン、カチオン、アニオン、ベタインなどの界面活性剤を示し、HLB値は特に拘らない。但し、低級アルコールおよびシリコーン変性有機粘剤については界面活性能力が僅かであるため、本発明で言う界面活性剤から除外する。
【0028】
本発明で用いる撥水化処理微粒子顔料としては、その一次粒子径が5〜100nmの範囲に入るものが該当する。この範囲であれば塗膜が平滑化しやすい。一次粒子径の測定方法としては、例えば透過型電子顕微鏡を用いる方法が挙げられる。本発明では、撥水化処理微粒子顔料を製剤質量全体の1〜25質量%の範囲で配合していることが必要であり、より好ましくは5〜20質量%の範囲で配合していることが好ましい。撥水化処理微粒子顔料の量が1質量%未満では塗膜の強度が足りず、こすれに対して弱くなる問題があり、25質量%を超えると、顔料粉末の吸油量が増加して、感触がぱさつき、肌への負担が多くなる問題がある。
【0029】
本発明で用いる撥水化処理としては、通常化粧品に使用されている撥水化処理方法が使用可能である。その処理方法としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等を用いたシリコーン処理;シラン処理;有機チタネート処理;有機アルミニウム処理;デキストリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸等を用いる油剤処理;テトロフルオロエチレン樹脂、シリコーン樹脂等を用いる樹脂処理;フッ素化合物処理;N−アシル化リジン処理;金属石鹸処理などが挙げられるが、特に微粒子顔料を炭素数4〜20の範囲のアルキル基を有する、シラン化合物、有機チタネート化合物、有機アルミニウム化合物であって上記アルキル基以外にアルコキシ基、ハロゲン基、水素基、水酸基、オキシム基、アセトキシ基、エポキシ基等の加水分解性基を有する化合物;パーフルオロアルキルリン酸およびその塩、パーフルオロアルキルカルボン酸およびその塩、フッ素化アルコール等のフッ素化合物から選ばれる1種、または2種以上の表面処理剤により被覆処理されたものが好ましい。さらに好ましくは、オクチルトリエトキシシラン等の炭素数4〜20の範囲のアルキル基を有するアルキルアルコキシラン化合物である。炭素数4〜20のアルキル基を有する化合物を用いると、経時で顔料のケーキングが発生しにくいメリットがある。
【0030】
本発明で用いる微粒子顔料としては、例えば酸化チタン、低次酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄、水酸化鉄、酸化セリウム、金、銀、白金等が挙げられるが、特に酸化チタン、低次酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄、水酸化鉄、酸化セリウムが好ましい。これらの素材はいずれも入手が容易で、かつ表面処理がしやすい特徴がある。
【0031】
また、本発明で用いる撥水化処理微粒子顔料は、事前にシクロメチコン、メチルトリメチコン、直鎖状揮発性シリコーン、軽質流動パラフィン等の揮発性油剤または前記油剤中に分散されたスラリー状またはペースト状の形態としたものを配合することが好ましい。この形態であると、製品製造時に粉末の飛散がないこと、微粒子の凝集が少ないメリットがある。
【0032】
本発明では、シリコーンエラストマー球状粉体を配合することによって、油溶性樹脂の持つ塗膜の圧迫感を抑制し、かつ塗膜の洗浄が容易になる特性を持つため、特に配合することが好ましい。さらに、シリコーンエラストマー球状粉体は事前にシリコーンオイルなどに混練や分散して使用することが好ましい。シリコーンエラストマーとは架橋型シリコーン樹脂であり、例えば東レダウコーニングシリコーン社製のトレフィルシリーズのE−506C,E−508等、信越化学工業社製のKSPシリーズなどが挙げられる。シリコーンエラストマー球状粉体の平均粒子径としては、1〜50μmが好ましく、特に1〜10μmが好ましい。シリコーンエラストマー球状粉体の配合量としては、製剤質量全体に対して、0.3〜2.5質量%が好ましい。
【0033】
本発明の色移り防止型メイクアップ化粧料では、以上の成分以外に、通常化粧料に配合される各種の顔料、粘剤、防菌防腐剤、香料、保湿剤、塩類、溶媒、酸化防止剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤、生理活性成分等の成分を配合することができる。
【0034】
本発明で用いる顔料としては、上記の微粒子顔料より粒径の大きい通常の化粧料に使用される顔料であれば、その形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、鱗片状、紡錘状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができ、例えば無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体、有色顔料、パール顔料、金属粉末顔料、天然色素等があげられ、具体的には、無機粉体としては、顔料級酸化チタン、酸化ジルコニウム、顔料級酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、シリカ等;有機粉体としては、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロース、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン等のポリアミドパウダー、ポリメチルシルセスキオキサン球状粉体、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、デンプン末、ラウロイルリジン等;界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等;有色顔料としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した合成樹脂粉体等;パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等;タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等;天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等から選ばれる顔料が挙げられる。
【0035】
本発明で用いる上記の顔料も、微粒子顔料と同様に、通常化粧品に使用されている撥水化処理方法を行って配合することが好ましい。処理方法としては前記と同様に、例えば、シリコーン処理、シラン処理、有機チタネート処理、有機アルミニウム処理、油剤処理、樹脂処理、フッ素化合物処理、N−アシル化リジン処理、金属石鹸処理などが挙げられるが、特に微粒子顔料を炭素数4〜20の範囲のアルキル基を有する、アルキルシラン化合物(但し、上記アルキル基以外にアルコキシ基、ハロゲン基、水素基、水酸基等の反応基を有する)、有機チタネート化合物、有機アルミニウム化合物およびパーフルオロアルキルリン酸等のフッ素化合物から選ばれる1種、または2種以上の表面処理剤により被覆処理されたものが好ましい。さらに好ましくは、オクチルトリエトキシシラン等の炭素数4〜20の範囲のアルキル基を有するアルキルアルコキシラン化合物である。例としては、上記オクチルシラン処理顔料や、オクチルシラン処理とパーフルオロアルキルリン酸処理を組み合わせた処理顔料が好ましい。
【0036】
本発明で用いる理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、抗炎症剤、老化防止剤、ひきしめ剤、発毛剤、育毛剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。その中でも、天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分が特に好ましい。本発明では、これらの生理活性成分を1種または2種以上配合することが好ましい。例えば、アシタバエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、カルカデエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、バクモンドウエキス、ハスエキス、パセリエキス、蜂蜜、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
【0037】
また、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、エストラジオール、エテニルエストラジオールなどのホルモン、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ホエイなどの保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン、アラントイン、トラネキサム酸、アズレン等の抗炎症剤、ビタミンA,B2,B6,C,D,K,ビタミンC配糖体、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、γ−オリザノールなどの血行促進剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤、セファランチン、カンゾウ抽出物、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエステラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、l−メントール、カンフルなどの清涼剤、モノニトログアヤコール、レゾルシン、γ−アミノ酪酸、塩化ベンゼトニウム、塩酸メキシレチン、オーキシン、女性ホルモン、カンタリスチンキ、シクロスポリン、ジンクピリチオン、ヒドロコルチゾン、ハッカ油等が挙げられる。
【0038】
本発明で用いる生理活性成分の配合量はその活性成分の効果濃度によって異なり、それぞれの活性成分の効果濃度範囲に濃度設定することが好ましい。例えばアスコルビン酸ならば3質量%、アスコルビン酸配糖体ならば2質量%といった濃度が挙げられる。
【0039】
防菌防腐剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等、抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、トリクロサン、感光素、フェノキシエタノール等がある。
【0040】
本発明の色移り防止型メイクアップ化粧料の具体的な用途としては特に限定は無いがメイクアップ製品、特に紫外線防御能力に優れたファンデーション、コンシーラー、アイシャドウ、口紅に好適である。
【0041】
【実施例】
以下、実施例および比較例によって本発明を更に詳細に説明する。
【0042】
実施例および比較例の各組成物の各種特性に対する評価方法を以下に示す。
【0043】
[色移り防止性能評価]
富士ゼロックス製カラーOHP用紙の表面に5×5cmの枠を書き、ここに製剤を1mg/cm2の量になるように塗布する。ドライヤーで塗膜を乾燥した後、この塗膜の上にろ紙(東洋ろ紙 5A)の荒い面が塗膜と接触するように置き、その上に直径28mmのシリコーン栓を置き、上から2Kgの荷重をかけながらろ紙ごと引っ張り、ろ紙に塗膜を付着させる。これを4回繰り返す。ついでろ紙の未接触部と顔料付着部のL*値を測色計を用いて測色し、その差を小数点以下1桁まで計算する。絶対値が大きい程色移りが激しいことを示す。尚、本測定方法はファンデーションなどの色によって差がでる場合があるため、基本的に同系列の色で測定を実施することが必要である。
【0044】
[官能特性評価]
専門パネラーを各評価品目ごとに10名ずつ用意し(但し、品目によりパネラーが重複する場合もある)、表1に示す評価基準に従って評価を行い、全パネラーの合計点数を以て評価結果とした。従って、点数が高いほど評価項目に対する有用性が高いことを示す(満点:50点)。
【0045】
【0046】
実施例1
下記表2の処方と製造方法に従ってファンデーションを得た。尚、表中の配合量の単位は質量%である。尚、表中のフルオロシリケート液は水酸基を有するフッ素変性シリコーン樹脂に相当する特開平9−12431号公報の製造例1記載の製造方法に準じ製造されたトリフルオロプロピル化ポリメチルシロキシケイ酸の50質量%環状5量体シリコーン溶液を指し、オクチルシリル化酸化亜鉛スラリーは、サンドミルで分散させたオクチルシリル化微粒子酸化亜鉛(平均一次粒子径10nm)の45質量%メチルトリメチコン分散溶液を指し、オクチルシリル化酸化チタンスラリーは、サンドミルで分散させたオクチルシリル化微粒子酸化チタン(平均一次粒子径15nm)の50質量%5量体シクロメチコン分散溶液を指し、シリコーンエラストマー分散液は、シリコーンエラストマー球状粉体(東レダウコーニングシリコーン製トレフィルE−508、平均粒子径3μm)の35質量%5量体シクロメチコン混練溶液を指し、微粒子以外の顔料はそれぞれオクチルシランとパーフルオロアルキルリン酸を併用して表面処理されたものを使用した。オクチルシリル化とはオクチルトリエトキシシランを用いて脱エチルアルコール反応させながら顔料表面をオクチルシリル化させる撥水処理法である。
【0047】
[表2]
成 分 配合量
---------------------------------------------------------------
(油相)
パラメトキシケイ皮酸オクチル 10
フルオロシリケート液 10
シリコーンエラストマー分散液 5
オクチルシリル化酸化チタンスラリー 15
オクチルシリル化微粒子酸化亜鉛スラリー 16
メチルトリメチコン 9
(顔料部)
表面処理酸化チタン(平均一次粒子径0.2μm) 7.35
表面処理黄酸化鉄 0.76
表面処理ベンガラ 0.17
表面処理黒酸化鉄 0.11
(アルコール部)
エチルアルコール 7
防腐剤 0.2
(水相)
精製水 残 部
ジプロピレングリコール 0.5
ラフィノース 0.5
トリメチルグリシン 0.5
【0048】
(製造方法)
油相を混合し、その中にアルコール部を入れて混合する。上から事前によく混合した顔料部を加えてさらに攪拌する。その上から混合した水相を加え、よく攪拌した後、ステンレスボールと共に密閉容器に充填して製品を得た。この製品は水層と油層を有する多層分離型製剤であった。尚、この組成物中の撥水化微粒子顔料の総量は14.7質量%であり、界面活性剤は0.05質量%未満であった。
【0049】
比較例1
実施例1のラフィノース、トリメチルグリシンの代わりに、精製水を用いた他は全て実施例1と同様にして製品を得た。
【0050】
比較例2
実施例1のメチルトリメチコン9質量%の代わりに、メチルトリメチコン8.5質量%、イソステアリン酸ソルビタン(界面活性剤)0.5質量%を加えた他は全て実施例1と同様にして製品を得た。
【0051】
比較例3
下記表3の処方と製造方法にてファンデーションを得た。顔料はそれぞれオクチルシランとパーフルオロアルキルリン酸を併用して表面処理されたものを使用した。
【0052】
[表3]
成 分 配合量
---------------------------------------------------------------
(油相)
パラメトキシケイ皮酸オクチル 10
フルオロシリケート液 10
シリコーンエラストマー分散液 5
メチルトリメチコン 40
(顔料部)
表面処理酸化チタン(平均一次粒子径0.2μm) 7.35
表面処理黄酸化鉄 0.76
表面処理ベンガラ 0.17
表面処理黒酸化鉄 0.11
(アルコール部)
エチルアルコール 7
防腐剤 0.2
(水相)
精製水 残 部
ジプロピレングリコール 0.5
ラフィノース 0.5
トリメチルグリシン 0.5
【0053】
(製造方法)
油相を混合し、その中にアルコール部を入れて混合する。上から事前によく混合した顔料部を加えてさらに攪拌する。その上から混合した水相を加え、よく攪拌した後、ステンレスボールと共に密閉容器に充填して製品を得た。尚、この組成物中の撥水化微粒子顔料の総量は0質量%であり、界面活性剤は0.05質量%未満であった。
【0054】
比較例4
下記表4の処方と製造方法にてファンデーションを得た。微粒子顔料はオクチルシリル化微粒子酸化チタン(平均一次粒子径15nm)とオクチルシリル化微粒子酸化亜鉛(平均一次粒子径10nm)を用いた。微粒子以外の顔料はそれぞれオクチルシランとパーフルオロアルキルリン酸を併用して表面処理されたものを使用した。
【0055】
[表4]
成 分 配合量
---------------------------------------------------------------
(油相)
パラメトキシケイ皮酸オクチル 10
フルオロシリケート液 10
シリコーンエラストマー分散液 5
メチルトリメチコン 10
(顔料部)
オクチルシリル化微粒子酸化チタン 10
オクチルシリル化微粒子酸化亜鉛 20
表面処理酸化チタン(平均一次粒子径0.2μm) 5.35
表面処理黄酸化鉄 0.76
表面処理ベンガラ 0.17
表面処理黒酸化鉄 0.11
(アルコール部)
エチルアルコール 7
防腐剤 0.2
(水相)
精製水 残 部
ジプロピレングリコール 0.5
ラフィノース 0.5
トリメチルグリシン 0.5
【0056】
(製造方法)
油相を混合し、その中にアルコール部を入れて混合する。上から事前によく混合した顔料部を加えてさらに攪拌する。その上から混合した水相を加え、よく攪拌した後、ステンレスボールと共に密閉容器に充填して製品を得た。尚、この組成物中の撥水化微粒子顔料の総量は30質量%であり、界面活性剤は0.05質量%未満であった。
【0057】
比較例5
下記表5の処方と製造方法にてファンデーションを得た。微粒子顔料は未処理微粒子酸化チタン(平均一次粒子径15nm)と未処理微粒子酸化亜鉛(平均一次粒子径10nm)を用いた。微粒子以外の顔料はそれぞれオクチルシランとパーフルオロアルキルリン酸を併用して表面処理されたものを使用した。
【0058】
[表5]
成 分 配合量
---------------------------------------------------------------
(油相)
パラメトキシケイ皮酸オクチル 10
フルオロシリケート液 10
シリコーンエラストマー分散液 5
メチルトリメチコン 18.8
5量体シクロメチコン 7.5
(顔料部)
オクチルシリル化微粒子酸化チタン 7.5
オクチルシリル化微粒子酸化亜鉛 7.2
表面処理酸化チタン(平均一次粒子径0.2μm) 7.35
表面処理黄酸化鉄 0.76
表面処理ベンガラ 0.17
表面処理黒酸化鉄 0.11
(アルコール部)
エチルアルコール 7
防腐剤 0.2
(水相)
精製水 残 部
ジプロピレングリコール 0.5
ラフィノース 0.5
トリメチルグリシン 0.5
【0059】
(製造方法)
油層を混合し、その中にアルコール部を入れて混合する。上から事前によく混合した顔料部を加えてさらに攪拌する。その上から混合した水層を加え、よく攪拌した後、ステンレスボールと共に密閉容器に充填して製品を得た。尚、この組成物中の撥水化微粒子顔料の総量は0質量%であり、親水化微粒子顔料の総量は14.7質量%であり、界面活性剤は0.05質量%未満であった。
【0060】
実施例と比較例の評価結果で、色移り防止性能評価結果(L*値の差)を表6と図1に、官能特性評価結果を表6と7に示す。
【0061】
【0062】
【0063】
上記表6と図1、表7の結果より、本発明の実施例は比較例と比べてキメの目立ちにくさを除く各評価項目においていずれも優れた性能を有していることが判る。キメの目立ちにくさについては、実施例1と比較例1との比較から、常温で結晶状態またはペースト状態である水溶性化合物の添加が効果的であることが判る。これに対して、比較例2のW/O型乳化物はキメが目立たない特性を有している。これはエマルションのために塗膜表面が凹凸を形成し、光が乱反射しているためである。エマルションを形成すると一般的には色移りも激しくなるため、両方の機能を両立させることができない。また、比較例3は微粒子顔料を配合しなかった例であるが、色移り防止効果はあったものの、その他の評価は全て悪くなった。また、塗膜にタック性がでてしまい乾燥後も感触が悪かった。比較例4は、微粒子顔料の総量が30質量%と大変多い場合の例であるが、顔料が多すぎ、塗膜がかさつき、外観的にも美しくなく、評価も全体的に悪かった。比較例5は、撥水化処理微粒子顔料の代わりに親水性(未処理)微粒子顔料を用いた場合の例であるが、感触面では良かったものの、化粧持ちなどの持続性に問題があった。
【0064】
【発明の効果】
以上のことから、本発明は、水層および油溶性樹脂を含む油層を有し、常温で結晶状態またはペースト状態である水溶性化合物と水以外の揮発性溶媒を含有し、界面活性剤の含有量が0〜0.05質量%の範囲にあり、一次粒子径が5〜100nmの範囲にある撥水化処理微粒子顔料を1〜25質量%含有させることで、色移り防止効果、化粧持続性、耐水性、耐皮脂性、感触に優れ、かつキメ、皺の目立ちが抑制された、色移り防止型メイクアップ化粧料が得られることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例と、比較例の化粧料について、色移り防止性性能評価結果(L*値の差)を示す図である。
Claims (13)
- 水層および油溶性樹脂を含む油層からなり、常温で結晶状態またはペースト状態である水溶性化合物と水以外の揮発性溶媒を含有し、界面活性剤の含有量が0〜0.05質量%の範囲にあり、一次粒子径が5〜100nmの範囲にある撥水化処理微粒子顔料を1〜25質量%含有していることを特徴とする色移り防止型メイクアップ化粧料。
- 常温で結晶状態またはペースト状態である水溶性化合物が、ラフィノース、トレハロース、トリメチルグリシンから選ばれる1種、または2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の色移り防止型メイクアップ化粧料。
- 炭素数1〜3の低級アルコールを除く水相の含有量が1〜40質量%の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の色移り防止型メイクアップ化粧料。
- 揮発性溶媒が、エチルアルコール、シクロメチコン、メチルトリメチコン、鎖状揮発性シリコーン、軽質流動パラフィンから選ばれる1種、または2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の色移り防止型メイクアップ化粧料。
- 油溶性樹脂が、シリコーン樹脂、シリコーン変性有機粘剤、フッ素変性シリコーン樹脂から選ばれる1種、または2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の色移り防止型メイクアップ化粧料。
- 撥水化処理微粒子顔料が、微粒子顔料を炭素数4〜20の範囲のアルキル基を有する、アルキルシラン化合物、有機チタネート化合物、有機アルミニウム化合物およびフッ素化合物から選ばれる1種、または2種以上の表面処理剤にて被覆処理されたものであることを特徴とする請求項1に記載の色移り防止型メイクアップ化粧料。
- 撥水化処理微粒子顔料が、炭素数4〜20の範囲のアルキル基を有するアルキルアルコキシシラン化合物の表面処理剤を用いてアルキルシラン処理されたものであることを特徴とする請求項1に記載の色移り防止型メイクアップ化粧料。
- 撥水化処理微粒子顔料の含有量が5〜20質量%であることを特徴とする請求項1,6,7のいずれか1項に記載の色移り防止型メイクアップ化粧料。
- 微粒子顔料が、酸化チタン、低次酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化鉄、水酸化鉄、酸化セリウムから選ばれる1種、または2種以上であることを特徴とする請求項1,7〜9のいずれか1項に記載の色移り防止型メイクアップ化粧料。
- 撥水化処理微粒子顔料が揮発性油剤または油剤中に分散されたスラリー状またはペースト状の形態で配合されていることを特徴とする請求項1,6〜9のいずれか1項に記載の色移り防止型メイクアップ化粧料。
- 界面活性剤の量が原料のキャリーオーバー成分の量であることを特徴とする請求項1に記載の色移り防止型メイクアップ化粧料。
- シリコーンエラストマー球状粉体をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載の色移り防止型メイクアップ化粧料。
- 微粒子顔料以外の顔料を炭素数4〜20の範囲のアルキル基を有する有する、アルキルシラン化合物、有機チタネート化合物、有機アルミニウム化合物およびフッ素化合物から選ばれる1種、または2種以上の表面処理剤により被覆処理された撥水化処理顔料をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載の色移り防止型メイクアップ化粧料。
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