JP2004188831A - 再生板材とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【目的】鋸挽きや釘打ちが容易で、打ち込んだ釘が抜け難く、結露の問題もなく、軽くて丈夫な再生板材を提供する。
【構成】はじめに、木切れ、木片、木材などの木質系古材を粉砕機1でばらばらに粉砕して木材小片aにする。次に、これを集面してベルトコンベア2で移送し、含浸槽3に浸して樹脂接着剤を塗布する。次に、これを絞りロール4に通して樹脂成分を十分馴染ませ、その後加熱炉5に投入して水などの希釈成分を蒸発させる。次に、これをホッパフィーダ6で空気輸送して計量機7に貯留し、満杯を光電感知したら底部を開いてコンベアで移動する不織布bの上に定量の木材小片aを落下させる。次に、その上に不織布bをラップしてサンドイッチ状に重ね、これを上下より平プレス8で熱圧して再生板材の半製品cを取り出す。次に、その縁部を裁断機9で切断し、その後調温湿炉10に投入して養生することにより、乾燥硬化させて樹脂接着剤や溶媒の刺激成分を除去した製品dが出来上がる。
【選択図】 図1
【構成】はじめに、木切れ、木片、木材などの木質系古材を粉砕機1でばらばらに粉砕して木材小片aにする。次に、これを集面してベルトコンベア2で移送し、含浸槽3に浸して樹脂接着剤を塗布する。次に、これを絞りロール4に通して樹脂成分を十分馴染ませ、その後加熱炉5に投入して水などの希釈成分を蒸発させる。次に、これをホッパフィーダ6で空気輸送して計量機7に貯留し、満杯を光電感知したら底部を開いてコンベアで移動する不織布bの上に定量の木材小片aを落下させる。次に、その上に不織布bをラップしてサンドイッチ状に重ね、これを上下より平プレス8で熱圧して再生板材の半製品cを取り出す。次に、その縁部を裁断機9で切断し、その後調温湿炉10に投入して養生することにより、乾燥硬化させて樹脂接着剤や溶媒の刺激成分を除去した製品dが出来上がる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はパーティクル、チップ、木材切削片、破砕片など安価な低質木材資源から自動化された装置によって大量生産され、合板に代わる板状製品として発展が期待されている再生板材に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
木材は鋸挽きができる、切削ができる、釘打ちができる、接着が容易である、薬剤が浸透しやすいなど、金属やプラスチックなどに比べて加工しやすい性質がある。特に釘を打ち込むと周りの繊維が釘の進行方向に折れ曲がって釘の進入をスムーズにする。逆に釘を抜く場合、奥行き方向に押し込まれた繊維の摩擦抵抗によって釘が抜け難くなる。このとき、木材に含まれるヤニ(油脂分)によってさらに摩擦抵抗が増す。
【0003】
また、木材はその細胞構成上、繊維方向の強度が極めて大きく、軽いわりに高い剛性を発揮する。この他、断熱性、吸湿性、電気的絶縁性に優れ、普通の条件では結露しない、外観が美しい、香りがよい、ソフト感があるなどの長所がある。
このため、建築用材、建具、家具などの用途に広く利用されているが、木材資源には限りがある。
【0004】
現在、地球上の木材資源の総量は3000〜3500億m3といわれているが、世界中の木材需要は年間40〜50億m3必要とされている。
日本市場においては年間1億100万m3程度の木材需要があり、東南アジアをはじめ北米、ロシアなどから広葉樹、針葉樹を輸入して賄っているが、4000万m3程度が不足している。
一方、南方原木産地や発展途上国では森林破壊が進み、地球規模で森林保護の気運が高まりつつあるため、天然木材の入手はますます困難になってきている。このため、木材の不足に対応してパーティクルボードなどのように廃材などを再利用して大量生産する再生板材への期待が高まりつつある。
【0005】
ところが、従来の再生板材は強度を上げるために密度を高くしているので硬くて重く、鋸挽きや釘打ちが困難であった。
特に、釘を打ち込むと釘が曲がったり、板が割れたりすることがあった。
また、チップ状の木片が不規則に並び、繊維の絡みが見られないので摩擦抵抗が小さく、打ち込んだ釘が抜けやすい構造になっていた。
また、吸湿性が悪く結露しやすいという問題もあった。
【0006】
そこで本発明は、鋸挽きや釘打ちが容易で、打ち込んだ釘が抜け難く、結露の問題もなく、軽くて丈夫な再生板材を提供することを目的になされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明は以下のように構成した。
【0008】
すなわち、本発明の再生板材は、木材小片に樹脂接着剤を塗布し、これを堆積して有機繊維不織布の間に挟み込み、これを熱圧して板状に成型することにより上記目的が達成される。
【0009】
また、本発明の再生板材の製造方法は、木材をばらばらに粉砕する工程と、これに樹脂接着剤を塗布する工程と、これを有機繊維不織布の上に堆積する工程と、その上に有機繊維不織布をラップする工程と、これを上下より熱圧する工程と、からなる。
【0010】
また、前記有機繊維不織布の原料は、ココヤシ、油ヤシ、麻の少なくともいずれかの繊維を解繊したものであることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
図1に、本発明を実施した再生板材の製造工程図を示す。
はじめに、木切れ、木片、木材などの木質系古材を粉砕機1でばらばらに粉砕して木材小片aにする。
次に、これを集面してベルトコンベア2で移送し、含浸槽3に浸して樹脂接着剤を塗布する。
次に、これを絞りロール4に通して樹脂成分を十分馴染ませ、その後加熱炉5に投入して水などの希釈成分を蒸発させる。
この予備乾燥によってこの後の熱圧時間を短縮させる。
次に、これをホッパフィーダ6で空気輸送して計量機7に貯留し、満杯を光電感知したら底部を開いてコンベアで移動する不織布bの上に定量の木材小片aを落下させる。
このとき、計量機7の開き具合を調節して木材小片aが均一に堆積するようにする。
また、木材小片aの落下中は粉砕機1やベルトコンベア2などの動力源を自動停止させる。
次に、その上に不織布bをラップしてサンドイッチ状に重ね、これを上下より平プレス8で熱圧して再生板材の半製品cを取り出す。
次に、その縁部を裁断機9で切断し、その後調温湿炉10に投入して養生することにより、乾燥硬化させて樹脂接着剤や溶媒の刺激成分を除去した製品dが出来上がる。
【0013】
樹脂接着剤は、例えばフェノール樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、レゾールミノール樹脂などの液状熱硬化性樹脂を用いる。
使用時は、水またはアルコールなどの溶媒により重量比で1:1から1:2に希釈して粘度を落とすことにより木材小片aにしみ込みやすくする。
樹脂接着剤は、熱硬化性に限らず熱可塑性の樹脂例えば酢酸ビニル,ポリプロピレン,ポリエチレン,オレフィン系樹脂などを用いてもよい。
また、含浸塗布に限らず液状樹脂を高圧エアでスプレー塗布してもよく、液状樹脂に限らず粉末樹脂でもよいが均一に含浸させるには液状樹脂のほうが好都合である。
【0014】
不織布bは、ヤシ、麻、その他の多孔質繊維を解繊機で解繊した繊維を無方向に絡み合わせてフェルト状に形成する。
ヤシは、ココヤシや油ヤシの実をクラッシャで押しつぶし、さらに粉砕機で粉々に砕いてから解繊する。
ヤシの実は中心のコプラを取った後の殻部分の外皮を利用する。
【0015】
図2に、本発明を実施した再生板材の断面図を示す。
図より、例えば平米当り重量1.0kg/m2、厚さ13mmの有機繊維不織布bの間に6.0kg/m2、15mmの木材小片aを挟み込んで熱圧した場合、厚さ3mmの有機繊維不織布bの間に6mmの木材小片aを積層した厚さ12mm、密度667kg/m3の再生板材が完成する。
樹脂接着剤に尿素樹脂、メラミン樹脂などを使用した場合、温度150〜180℃、時間2〜4分、加圧力15〜20kg/cm2の熱圧で充分であり、熱圧によって燻蒸などの殺虫のための処理を必要としなくなる。
この再生板材は、強度が通常のパーティクルボードよりも2割程度アップし、鋸挽き、釘打ちが可能となり、かつ何度でもリサイクルが可能となる。
【0016】
本発明の再生板材は、木質系古材とヤシなどの天然繊維を粉砕機1で同時に粉砕した木片と繊維の混合物で形成してもよい。
その場合、木片が表面に出て美観を損なうので、このように木片と繊維を分離して不織布bで木材小片aの表面を被覆する形が好ましい。
不織布bは、表面が平滑で無方向性の繊維の密度を任意に変えることにより、良好な美観に化粧化することができる。
また、通気性に優れ、その水分は20〜25%、油脂分は5〜15%と外気温に適応している。
【0017】
なお、木片と繊維の混合物で形成した再生板材は無方向に絡み合う繊維が足掛かりとなって強度を増し、多孔質の繊維が重量を軽減するので、軽いわりに高い剛性を必要とするパレットの基材に利用することができる。
その場合、はじめに木質系古材とヤシなどの天然繊維を粉砕機1で同時に粉砕して木片と繊維の混合物を生成する。
あるいは、本発明の再生板材を原料として粉砕機1でばらばらに粉砕し、木片と繊維の混合物を生成してもよい。
また、樹脂接着剤を塗布した木片と繊維の混合物を所定の厚さに堆積後、上下より平プレス8で熱圧する代わりに金型で熱圧してパレットを成型する。
日本国内において約5000万個のパレットが使われ、2〜3年で廃棄処分される現在、パレットの廃材にこのように繊維を混合して再利用することは資源保護や環境対策の有効な手段になる。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、有機繊維が無方向に絡み合う不織布で板材の表面を被覆するので、あらゆる方向の引っ張りや曲げに対して高い剛性を発揮する。そのため板材の密度を上げなくても十分な強度が得られ、従来に比べて格段に軽くて丈夫な板材となる。また、密度を上げない分硬さが和らぐので、鋸挽きや釘打ちが容易になる。
釘打ちの場合、有機繊維が絡み合って板割れを防止すると共に、打ち込んだ釘をしっかり固定して抜け落ちを防止する。
さらに有機繊維は多孔質であるため吸湿性、通気性に優れ、結露の問題も解消される。
また、木材は含水率(25%前後)が変化して起こる収縮・膨張によるひび割れが発生するが、有機繊維の絡みと多孔質による吸湿、乾燥の繰り返しがこのひび割れを防止する。
また、東南アジアにおいて毎年260億トンものヤシ繊維が捨てられている現状では有機繊維の原料は無限に存在し、その調達も容易でコストも安い。
また、廃材や廃物を原料とするため、資源不足の解消や森林破壊、廃棄物汚染などの問題解決に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した再生板材の製造工程図である。
【図2】本発明を実施した再生板材の断面図である。
【符号の説明】
1 粉砕機
2 ベルトコンベア
3 含浸槽
4 絞りロール
5 加熱炉
6 ホッパフィーダ
7 計量機
8 平プレス
9 裁断機
10 調温湿炉
a 木材小片
b 不織布
c 半製品
d 製品
【発明の属する技術分野】
本発明はパーティクル、チップ、木材切削片、破砕片など安価な低質木材資源から自動化された装置によって大量生産され、合板に代わる板状製品として発展が期待されている再生板材に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
木材は鋸挽きができる、切削ができる、釘打ちができる、接着が容易である、薬剤が浸透しやすいなど、金属やプラスチックなどに比べて加工しやすい性質がある。特に釘を打ち込むと周りの繊維が釘の進行方向に折れ曲がって釘の進入をスムーズにする。逆に釘を抜く場合、奥行き方向に押し込まれた繊維の摩擦抵抗によって釘が抜け難くなる。このとき、木材に含まれるヤニ(油脂分)によってさらに摩擦抵抗が増す。
【0003】
また、木材はその細胞構成上、繊維方向の強度が極めて大きく、軽いわりに高い剛性を発揮する。この他、断熱性、吸湿性、電気的絶縁性に優れ、普通の条件では結露しない、外観が美しい、香りがよい、ソフト感があるなどの長所がある。
このため、建築用材、建具、家具などの用途に広く利用されているが、木材資源には限りがある。
【0004】
現在、地球上の木材資源の総量は3000〜3500億m3といわれているが、世界中の木材需要は年間40〜50億m3必要とされている。
日本市場においては年間1億100万m3程度の木材需要があり、東南アジアをはじめ北米、ロシアなどから広葉樹、針葉樹を輸入して賄っているが、4000万m3程度が不足している。
一方、南方原木産地や発展途上国では森林破壊が進み、地球規模で森林保護の気運が高まりつつあるため、天然木材の入手はますます困難になってきている。このため、木材の不足に対応してパーティクルボードなどのように廃材などを再利用して大量生産する再生板材への期待が高まりつつある。
【0005】
ところが、従来の再生板材は強度を上げるために密度を高くしているので硬くて重く、鋸挽きや釘打ちが困難であった。
特に、釘を打ち込むと釘が曲がったり、板が割れたりすることがあった。
また、チップ状の木片が不規則に並び、繊維の絡みが見られないので摩擦抵抗が小さく、打ち込んだ釘が抜けやすい構造になっていた。
また、吸湿性が悪く結露しやすいという問題もあった。
【0006】
そこで本発明は、鋸挽きや釘打ちが容易で、打ち込んだ釘が抜け難く、結露の問題もなく、軽くて丈夫な再生板材を提供することを目的になされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明は以下のように構成した。
【0008】
すなわち、本発明の再生板材は、木材小片に樹脂接着剤を塗布し、これを堆積して有機繊維不織布の間に挟み込み、これを熱圧して板状に成型することにより上記目的が達成される。
【0009】
また、本発明の再生板材の製造方法は、木材をばらばらに粉砕する工程と、これに樹脂接着剤を塗布する工程と、これを有機繊維不織布の上に堆積する工程と、その上に有機繊維不織布をラップする工程と、これを上下より熱圧する工程と、からなる。
【0010】
また、前記有機繊維不織布の原料は、ココヤシ、油ヤシ、麻の少なくともいずれかの繊維を解繊したものであることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
図1に、本発明を実施した再生板材の製造工程図を示す。
はじめに、木切れ、木片、木材などの木質系古材を粉砕機1でばらばらに粉砕して木材小片aにする。
次に、これを集面してベルトコンベア2で移送し、含浸槽3に浸して樹脂接着剤を塗布する。
次に、これを絞りロール4に通して樹脂成分を十分馴染ませ、その後加熱炉5に投入して水などの希釈成分を蒸発させる。
この予備乾燥によってこの後の熱圧時間を短縮させる。
次に、これをホッパフィーダ6で空気輸送して計量機7に貯留し、満杯を光電感知したら底部を開いてコンベアで移動する不織布bの上に定量の木材小片aを落下させる。
このとき、計量機7の開き具合を調節して木材小片aが均一に堆積するようにする。
また、木材小片aの落下中は粉砕機1やベルトコンベア2などの動力源を自動停止させる。
次に、その上に不織布bをラップしてサンドイッチ状に重ね、これを上下より平プレス8で熱圧して再生板材の半製品cを取り出す。
次に、その縁部を裁断機9で切断し、その後調温湿炉10に投入して養生することにより、乾燥硬化させて樹脂接着剤や溶媒の刺激成分を除去した製品dが出来上がる。
【0013】
樹脂接着剤は、例えばフェノール樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、レゾールミノール樹脂などの液状熱硬化性樹脂を用いる。
使用時は、水またはアルコールなどの溶媒により重量比で1:1から1:2に希釈して粘度を落とすことにより木材小片aにしみ込みやすくする。
樹脂接着剤は、熱硬化性に限らず熱可塑性の樹脂例えば酢酸ビニル,ポリプロピレン,ポリエチレン,オレフィン系樹脂などを用いてもよい。
また、含浸塗布に限らず液状樹脂を高圧エアでスプレー塗布してもよく、液状樹脂に限らず粉末樹脂でもよいが均一に含浸させるには液状樹脂のほうが好都合である。
【0014】
不織布bは、ヤシ、麻、その他の多孔質繊維を解繊機で解繊した繊維を無方向に絡み合わせてフェルト状に形成する。
ヤシは、ココヤシや油ヤシの実をクラッシャで押しつぶし、さらに粉砕機で粉々に砕いてから解繊する。
ヤシの実は中心のコプラを取った後の殻部分の外皮を利用する。
【0015】
図2に、本発明を実施した再生板材の断面図を示す。
図より、例えば平米当り重量1.0kg/m2、厚さ13mmの有機繊維不織布bの間に6.0kg/m2、15mmの木材小片aを挟み込んで熱圧した場合、厚さ3mmの有機繊維不織布bの間に6mmの木材小片aを積層した厚さ12mm、密度667kg/m3の再生板材が完成する。
樹脂接着剤に尿素樹脂、メラミン樹脂などを使用した場合、温度150〜180℃、時間2〜4分、加圧力15〜20kg/cm2の熱圧で充分であり、熱圧によって燻蒸などの殺虫のための処理を必要としなくなる。
この再生板材は、強度が通常のパーティクルボードよりも2割程度アップし、鋸挽き、釘打ちが可能となり、かつ何度でもリサイクルが可能となる。
【0016】
本発明の再生板材は、木質系古材とヤシなどの天然繊維を粉砕機1で同時に粉砕した木片と繊維の混合物で形成してもよい。
その場合、木片が表面に出て美観を損なうので、このように木片と繊維を分離して不織布bで木材小片aの表面を被覆する形が好ましい。
不織布bは、表面が平滑で無方向性の繊維の密度を任意に変えることにより、良好な美観に化粧化することができる。
また、通気性に優れ、その水分は20〜25%、油脂分は5〜15%と外気温に適応している。
【0017】
なお、木片と繊維の混合物で形成した再生板材は無方向に絡み合う繊維が足掛かりとなって強度を増し、多孔質の繊維が重量を軽減するので、軽いわりに高い剛性を必要とするパレットの基材に利用することができる。
その場合、はじめに木質系古材とヤシなどの天然繊維を粉砕機1で同時に粉砕して木片と繊維の混合物を生成する。
あるいは、本発明の再生板材を原料として粉砕機1でばらばらに粉砕し、木片と繊維の混合物を生成してもよい。
また、樹脂接着剤を塗布した木片と繊維の混合物を所定の厚さに堆積後、上下より平プレス8で熱圧する代わりに金型で熱圧してパレットを成型する。
日本国内において約5000万個のパレットが使われ、2〜3年で廃棄処分される現在、パレットの廃材にこのように繊維を混合して再利用することは資源保護や環境対策の有効な手段になる。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、有機繊維が無方向に絡み合う不織布で板材の表面を被覆するので、あらゆる方向の引っ張りや曲げに対して高い剛性を発揮する。そのため板材の密度を上げなくても十分な強度が得られ、従来に比べて格段に軽くて丈夫な板材となる。また、密度を上げない分硬さが和らぐので、鋸挽きや釘打ちが容易になる。
釘打ちの場合、有機繊維が絡み合って板割れを防止すると共に、打ち込んだ釘をしっかり固定して抜け落ちを防止する。
さらに有機繊維は多孔質であるため吸湿性、通気性に優れ、結露の問題も解消される。
また、木材は含水率(25%前後)が変化して起こる収縮・膨張によるひび割れが発生するが、有機繊維の絡みと多孔質による吸湿、乾燥の繰り返しがこのひび割れを防止する。
また、東南アジアにおいて毎年260億トンものヤシ繊維が捨てられている現状では有機繊維の原料は無限に存在し、その調達も容易でコストも安い。
また、廃材や廃物を原料とするため、資源不足の解消や森林破壊、廃棄物汚染などの問題解決に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した再生板材の製造工程図である。
【図2】本発明を実施した再生板材の断面図である。
【符号の説明】
1 粉砕機
2 ベルトコンベア
3 含浸槽
4 絞りロール
5 加熱炉
6 ホッパフィーダ
7 計量機
8 平プレス
9 裁断機
10 調温湿炉
a 木材小片
b 不織布
c 半製品
d 製品
Claims (3)
- 木材小片に樹脂接着剤を塗布し、
これを堆積して有機繊維不織布の間に挟み込み、
これを熱圧して板状に成型してなる再生板材。 - 木材をばらばらに粉砕する工程と、
これに樹脂接着剤を塗布する工程と、
これを有機繊維不織布の上に堆積する工程と、
その上に有機繊維不織布をラップする工程と、
これを上下より熱圧する工程と、
からなる再生板材の製造方法。 - 前記有機繊維不織布の原料は、ココヤシ、油ヤシ、麻の少なくともいずれかの繊維を解繊したものであることを特徴とする請求項1記載の再生板材または請求項2記載の再生板材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002360425A JP2004188831A (ja) | 2002-12-12 | 2002-12-12 | 再生板材とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002360425A JP2004188831A (ja) | 2002-12-12 | 2002-12-12 | 再生板材とその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004188831A true JP2004188831A (ja) | 2004-07-08 |
Family
ID=32759497
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002360425A Pending JP2004188831A (ja) | 2002-12-12 | 2002-12-12 | 再生板材とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004188831A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008512284A (ja) * | 2004-09-10 | 2008-04-24 | ジョンズ マンヴィル | ラミネート製品を製造する方法 |
WO2013091506A1 (zh) * | 2011-12-20 | 2013-06-27 | 浙江天仁风管有限公司 | 一种制备双面具有木皮的植物纤维板的方法 |
CN104589430A (zh) * | 2014-12-12 | 2015-05-06 | 安徽宏宇竹木制品有限公司 | 无限延长实心立柱的生产工艺 |
KR20170032169A (ko) * | 2015-09-14 | 2017-03-22 | 김철수 | 종이공극시트, 그 제조장치 및 제조방법 |
WO2017047940A1 (ko) * | 2015-09-14 | 2017-03-23 | 김철수 | 종이공극시트, 그 제조장치 및 제조방법 |
WO2019097780A1 (ja) * | 2017-11-14 | 2019-05-23 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 木質複合板の製造方法 |
-
2002
- 2002-12-12 JP JP2002360425A patent/JP2004188831A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101867841B1 (ko) * | 2015-09-14 | 2018-06-18 | 김철수 | 종이공극시트 |
WO2019097780A1 (ja) * | 2017-11-14 | 2019-05-23 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 木質複合板の製造方法 |
CN110914030A (zh) * | 2017-11-14 | 2020-03-24 | 松下知识产权经营株式会社 | 制造木质复合板的方法 |
CN110914030B (zh) * | 2017-11-14 | 2022-02-08 | 松下知识产权经营株式会社 | 制造木质复合板的方法 |
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