JP2004188623A - フィルム巻付防止装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルムラミネーション装置において、耳切れしたフィルムエッジ部が自動的にロールの両端部に移動するようにして、フィルムエッジ部がロールに巻き付くことがなく、また、製品に混入してしまうことのないようにする。
【解決手段】基材フィルムに樹脂フィルムを押し付けてラミネートフィルムを形成する冷却ロールと、前記ラミネートフィルムの搬送方向に関して、前記冷却ロールの下流側直下に配設されたスイーパロール23とを有するフィルムラミネーション装置において、前記スイーパロール23は、大径の中央部から小径の両端部に向かうに従って径が漸減していく形状を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】基材フィルムに樹脂フィルムを押し付けてラミネートフィルムを形成する冷却ロールと、前記ラミネートフィルムの搬送方向に関して、前記冷却ロールの下流側直下に配設されたスイーパロール23とを有するフィルムラミネーション装置において、前記スイーパロール23は、大径の中央部から小径の両端部に向かうに従って径が漸減していく形状を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルム巻付防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、単一の種類の材料から成るフィルムでは得られない各種性能を有するフィルムを製造するためにフィルムラミネーションの技術が提供されている。この場合、二種以上の材料を積層することによって、それぞれの材料の備える優れた特徴を併せ持った積層状のラミネートフィルムを得ることができる。
【0003】
そして、前記フィルムラミネーションの一つとして、押出コーディング・ラミネーションが知られている。この場合、フィルムラミネーション装置においては、Tダイから押出された溶融樹脂をシート状の基材上にフィルム状に塗工し、加圧冷却を同時に行うことによって積層するようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−52497号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のフィルムラミネーション装置においては、フィルムの両側端のフィルムエッジ部(耳部)がフィルム本体から分離して、フィルム搬送ロール等のロールに巻き付いたり、製品としてのラミネートフィルムに混入したりしてしまう。この場合、フィルムラミネーション装置を停止させて、ロールに巻き付いたり製品に混入したフィルムエッジ部を除去する必要があり、フィルムラミネーション装置のスループットが低下してしまう。
【0006】
すなわち、オペレータが常時フィルムラミネーション装置を監視して、フィルムエッジ部がフィルム本体から分離する耳切れが発生すると、フィルムエッジ部を手作業によって除去するようになっている。そして、フィルムエッジ部を除去するためにフィルムラミネーション装置を停止させると該フィルムラミネーション装置のスループットが低下してしまう。また、フィルムラミネーション装置を停止させずにフィルムエッジ部の除去を行うことは危険である。
【0007】
本発明は、前記従来の問題点を解決して、フィルムラミネーション装置において、耳切れしたフィルムエッジ部が自動的にロールの両端部に移動するようにして、フィルムエッジ部がロールに巻き付くことがなく、また、製品に混入してしまうことのないフィルム巻付防止装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明のフィルム巻付防止装置においては、基材フィルムに樹脂フィルムを押し付けてラミネートフィルムを形成する冷却ロールと、前記ラミネートフィルムの搬送方向に関して、前記冷却ロールの下流側直下に配設されたスイーパロールとを有するフィルムラミネーション装置において、前記スイーパロールは、大径の中央部から小径の両端部に向かうに従って径が漸減していく形状を備える。
【0009】
本発明の他のフィルム巻付防止装置においては、さらに、前記スイーパロールの軸方向の断面における表面形状は円弧状である。
【0010】
本発明の更に他のフィルム巻付防止装置においては、さらに、前記スイーパロールの両端部の外側には該スイーパロールを回転可能に支持する支持軸が配設される。
【0011】
本発明の更に他のフィルム巻付防止装置においては、さらに、前記樹脂フィルムはTダイから流下する溶融樹脂である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図2は本発明の実施の形態におけるフィルムラミネーション装置の構成を示す概略図、図3は本発明の実施の形態におけるフィルムラミネーション装置のスイーパロールの構成を示す図である。
【0014】
図2において、10は押出コーディング・ラミネーション式のフィルムラミネーション装置である。二種以上の材料を積層することによって、それぞれの材料の備える優れた特徴を併せ持った積層状のラミネートフィルムを形成するためのフィルムラミネーションの技術としては、サーマルラミネーション(熱ラミネーション)、ホットメルトラミネーション、ノンソルベントラミネーション、ウェットラミネーション、ドライラミネーション等の各種の技術が知られている。本実施の形態におけるフィルムラミネーション装置10は、各種のフィルムラミネーション技術の中で広く採用されているコーディング・ラミネーション技術を使用するものである。
【0015】
前記フィルムラミネーション装置10は、図2に示されるように、帯状のシート材料である基材フィルムとしての基材13を繰り出すシート繰出装置11、及び、ラミネートフィルムとなった帯状のシート材料である製品14を巻き取るシート巻取装置12を有する。ここで、前記基材13は、例えば、紙、アルミニウム箔(はく)、セロハン、ポリエステル(PET)、延伸ナイロン(ONY)、延伸ポリプロピレン(OPP)、Kコートフィルム(塩化ビニルデンコートフィルム)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、リニアーポリエチレン(L・LDPE)、無延伸ポリプロピレン(CPP)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)等から成るものであるが、いかなるものであってもよい。
【0016】
そして、前記シート繰出装置11は、回転可能なターレットアーム11aと、該ターレットアーム11aの両端に回転可能に取り付けられたシート供給ロール11b及びシート供給ロール11cとを有する。図2に示される例においては、図における左側のシート供給ロール11bが矢印で示される方向に回転し、該シート供給ロール11bから基材13が繰り出されている。なお、前記シート供給ロール11bに残存する基材13の量が所定値以下になったことが検出されると、ターレットアーム11aが図示されない動力源によって回転させられる。これにより、シート供給ロール11cが、図における左側に移動して、前記シート供給ロール11bの位置に到達し、基材13がシート供給ロール11cから繰り出される。
【0017】
また、前記シート巻取装置12も回転可能なターレットアーム12aと、該ターレットアーム12aの両端に回転可能に取り付けられたシート巻取ロール12b及びシート巻取ロール12cとを有する。図2に示される例においては、図における右側のシート巻取ロール12bが矢印で示される方向に回転し、製品14が前記シート巻取ロール12bに巻き取られている。そして、シート巻取ロール12bに巻き取られた製品14の量が所定値以上になったことが検出されると、ターレットアーム12aが図示されない動力源によって回転させられる。これにより、シート巻取ロール12cが、図における右側に移動して、前記シート巻取ロール12bの位置に到達し、製品14がシート巻取ロール12cによって巻き取られる。
【0018】
なお、前記基材13及び製品14は、フィルム搬送ロール15等の多数のロールによって構成されるジグザグ状の経路に沿って搬送される。そして、前記経路の途中において樹脂を基材13にラミネートするためのラミネート部20には、溶融樹脂を押し出すためのTダイ21、冷却ロール22及びプレスロール24が配設される。ここで、前記溶融樹脂は、例えば、低密度ポリエチレン、リニアーポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アイオノマアー(IO)、エチレン・アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン・メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレンエチルアクリレート共重合体(EEA)、ポリプロピレン(PP)等であるが、いかなるものであってもよい。
【0019】
そして、前記Tダイ21は、通常のTダイを使用したフィルム製造方法と同一の原理に基づいて、溶融樹脂のフラットなフィルムを作り出す。すなわち、図示されないスクリュ押出機等の押出機によって、加熱され、溶融された樹脂、すなわち、溶融樹脂は、前記押出機先端のノズルに取り付けられたTダイ21に送り込まれる。そして、該Tダイ21内部のマニホールドに充填(てん)された溶融樹脂は、下方に形成された図示されないリップ間に形成された幅狭のスリットから押し出される。ここで、該スリットは、基材13の幅方向(図2の紙面に対して垂直な方向)に長く延在し、かつ、幅狭なので、前記スリットから押し出された溶融樹脂は、基材13の幅方向に延在する薄い樹脂フィルム25となって流下する。なお、前記Tダイ21内部に配設された図示されないインナーディッケルの位置を調整することによって、前記スリットから押し出された樹脂フィルム25の幅を前記基材13の幅よりもわずかに狭い程度に調整することができる。また、前記リップの間隔を調整することによって、前記樹脂フィルム25の厚さを調整することができる。
【0020】
なお、前記Tダイ21は、単一の種類の溶融樹脂から成る樹脂フィルム25を形成する単層ダイであってもよいし、複数の種類の溶融樹脂から成る樹脂フィルム25を形成する共押出用ダイであってもよい。そして、前記Tダイ21は、共押出用ダイである場合、溶融樹脂を積層する層数に対応する数のマニホールドをTダイ21の幅方向に亘って形成し、それぞれの溶融樹脂を拡幅した後に合流させるマルチマニホールドタイプのものであってもよいし、単層ダイの入口前に複数の種類の溶融樹脂を併合するアダプタを配設し、溶融樹脂を積層した後に前記単層ダイのマニホールドから拡幅して流下させるフィードブロックタイプのものであってもよい。
【0021】
そして、前記Tダイ21のスリットから流下した樹脂フィルム25は、矢印の方向に回転する冷却ロール22と基材13とが接触する部位において該基材13の上面上に到達し、該基材13の上面上に冷却ロール22によって圧着される。また、前記基材13の下面側にはプレスロール24が配設され、基材13と該基材13の上面上の樹脂フィルム25とを冷却ロール22に押し付けるようになっている。これにより、樹脂フィルム25が冷却されて基材13の上面に押し付けられるので、前記樹脂フィルム25と基材13とが互いに固着して積層され、すなわち、ラミネートされてラミネートフィルムとなった帯状のシート材料である製品14を得ることができる。
【0022】
ここで、前記プレスロール24は、前記基材13が紙から成る場合にはクロロプレンから成り、前記基材13が樹脂から成る場合にはシリコーンゴムから成るものであることが望ましいが、いかなる材料から成るものであってもよい。また、前記プレスロール24を冷却ロール22に向かって押し付けるバックアップロールを、前記プレスロール24の図2における右側に配設することが望ましい。この場合、前記プレスロール24が基材13と該基材13の上面上の樹脂フィルム25とを冷却ロール22に押し付ける圧力分布を均一にすることができ、また、前記プレスロール24を冷却することができる。そのため、樹脂フィルム25から成る層の厚さのバランスが良好な製品14を得ることができる。
【0023】
そして、前記冷却ロール22は、冷却水等の冷媒が通過する図示されない冷媒流路が内部に形成されたものであってもよい。また、前記冷却ロール22の表面は、通常、鏡面仕上げが施されているが、つや消し又は半つや消し仕上げを施すこともできる。そして、前記冷却ロール22の表面の状態がそのまま製品14における樹脂フィルム25から成る層の表面に転写されるので、製品14におけるに樹脂フィルム25から成る層の表面の状態を想定して、前記冷却ロール22に表面に所望の仕上げを施すことが望ましい。
【0024】
また、製品14の搬送方向に関して冷却ロール22の下流側直下には、スイーパロール23が配設されている。ここで、該スイーパロール23は、樹脂フィルム25が基材13にラミネートされた後に冷却ロール22の表面から剥(は)がれやすくするようになっている。なお、前記スイーパロール23は、冷却ロール22の表面に接触していない、すなわち、冷却ロール22とともに製品14をニップするものではない。
【0025】
本実施の形態において、スイーパロール23は、図3に示されるように、図示されないフレームに取り付けられた支持軸26に回転可能に取り付けられている。そして、前記スイーパロール23は、幅方向(図3における左右方向)における両端部の径が中央部の径よりも小さく、軸方向の断面における表面形状が円弧状(クラウン状)となっている。なお、軸方向の断面における表面形状は、必ずしも円弧状である必要はなく、例えば、テーパ状であってもよい。すなわち、大径の中央部から小径の両端部に向かうに従って径が漸減していくような形状であればよい。これにより、製品14のようにある程度幅の広い帯状のシート材料はスイーパロール23の幅方向における中央部を通過するが、後述されるフィルムエッジ部17のように、幅の狭い帯状のシート材料、ひも状又は線状の材料は、スイーパロール23の幅方向における両端部、すなわち、小径の部分の方向に移動して、スイーパロール23の表面から離脱するようになっている。
【0026】
なお、本実施の形態において、フィルムラミネーション装置10は、図示されない制御装置を有する。該制御装置は、CPU、MPU等の演算手段、磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶手段、キーボード、マウス、押しボタン、タッチパネル等の入力手段、CRT、液晶ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等の表示手段、通信インターフェイス等を備えるコンピュータである。なお、前記制御装置は独立して構成されたものであってもよく、他の制御装置と一体的に構成されたものであってもよい。そして、前記制御装置は、前記フィルムラミネーション装置10全体の動作を統括的に制御するものであり、前記シート繰出装置11、シート巻取装置12、フィルム搬送ロール15、押出機、冷却ロール22、プレスロール24、スイーパロール23等の装置の動作を制御する。
【0027】
また、前記フィルムラミネーション装置10のシート繰出装置11とラミネート部20との間には、必要に応じて、図示されないAC(Anchor Coat)装置を配設することもできる。該AC装置は、基材13上に接着性を高めるための下塗剤、すなわち、AC剤を塗工して乾燥させるようになっている。この場合、スクイーズ法又はグラビア法等のロールコート法によって基材13の上面上にAC剤を塗工した後、乾燥させるようになっている。
【0028】
さらに、前記フィルムラミネーション装置10のラミネート部20とシート巻取装置12との間には、必要に応じて、図示されないトリミング装置を配設することもできる。前記Tダイ21のスリットから押し出された樹脂フィルム25は両側端部の肉厚が厚くなる傾向があるので、ラミネートフィルムとしての製品14においても、両側端部の肉厚が厚くなってしまう。しかし、シート巻取装置12のシート巻取ロール12bによって巻き取られる前に製品14の両側端部を前記トリミング装置によって切断し除去することによって、幅方向に亘り均一な厚さを有し、かつ、所定の幅寸法を有する製品14を得ることができる。
【0029】
次に、前記構成のフィルムラミネーション装置10の動作について説明する。
【0030】
図1は本発明の実施の形態におけるフィルムラミネーション装置のスイーパロールの作用を示す図である。
【0031】
まず、シート繰出装置11のシート供給ロール11bから繰り出された帯状のシート材料である基材13は、図2に示されるように、フィルム搬送ロール15等の多数のロールによって構成されるジグザグ状の経路に沿ってラミネート部20まで搬送される。
【0032】
そして、該ラミネート部20において、押出機によって加熱され、溶融樹脂は、前記押出機先端のノズルに取り付けられたTダイ21のスリットから押し出され、基材13の幅方向に延在する樹脂フィルム25となって流下する。ここで、前記Tダイ21のスリットから流下した樹脂フィルム25は、冷却ロール22と基材13とが接触する部位において、前記基材13の上面上に到達する。そして、前記基材13が冷却ロール22の周面に巻き付くことによって、溶融樹脂から成る樹脂フィルム25は冷却ロール22によって基材13の上面に圧着される。なお、前記基材13と樹脂フィルム25とは、プレスロール24によって冷却ロール22に押し付けられる。これにより、溶融樹脂から成る樹脂フィルム25が冷却ロール22によって冷却されて基材13の上面に押し付けられ、前記樹脂フィルム25と基材13とが互いに固着して積層され、ラミネートフィルムとしての製品14となる。
【0033】
ところで、前記製品14は冷却ロール22のほぼ半周に亘り周面に巻き付いた状態で搬送された後、前記冷却ロール22の周面から離れてスイーパロール23に巻き付くようになっているが、このとき、図1に示されるように、前記製品14の両側端部としてのフィルムエッジ部17がフィルム本体としての製品14本体から分離する耳切れが発生することが多い。とくに、フィルムラミネーション装置10の動作を開始させた直後において、Tダイ21を上下方向に移動させてエアギャップ(樹脂フィルム25の流下する距離)を調整する際に発生しやすい。なお、分離するフィルムエッジ部17は、樹脂フィルム25だけから成る場合もあり、また、該樹脂フィルム25と基材13とが互いに固着して積層されたラミネートフィルムから成る場合もある。
【0034】
もっとも、前記フィルムエッジ部17は、厚さや幅の寸法が不均一であり、通常、シート巻取装置12のシート巻取ロール12bによって巻き取られる前にトリミング装置によって切断され除去される部分なので、耳切れが発生しても、製品14自体の品質には影響が及ばない。しかし、分離した前記フィルムエッジ部17は、フィルム搬送ロール15等のロールに巻き付いたり、製品14に混入してシート巻取ロール12bによって巻き取られてしまう場合には、フィルムラミネーション装置10の動作に悪影響を及ぼしたり、製品14の品質が低下してしまうので、除去する必要がある。
【0035】
本実施の形態において、前記スイーパロール23は、幅方向における両端部の径が中央部の径よりも小さく、軸方向の断面における表面形状が円弧状となっている。そのため、図1に示されるように、製品14から分離した前記フィルムエッジ部17は、矢印で示されるように、スイーパロール23の表面を大径の中央部から小径の両端部の方向に移動して、前記スイーパロール23から外れる。そして、該スイーパロール23の両端部の外側に配設された支持軸26に掛かり、位置17aに到達する。なお、前記スイーパロール23の軸方向の断面における表面形状は、必ずしも円弧状である必要はなく、大径の中央部から小径の両端部に向かうに従って径が漸減していくような形状であれば、テーパ状であってもよいし、いかなる形状であってもよい。すなわち、大径の中央部から小径の両端部に向かうに従って径が漸減していくような形状であれば、製品14から分離した前記フィルムエッジ部17は、自然と前記スイーパロール23の表面を大径の中央部から小径の両端部の方向に移動して、前記スイーパロール23から外れる。そして、前記支持軸26に掛かり、位置17aに到達する。
【0036】
ここで、前記支持軸26は図示されないフレームに取り付けられ、回転不能となっている。そのため、支持軸26に掛かっているフィルムエッジ部17は、ほぼ停止した状態となるので、スイーパロール23、フィルム搬送ロール15等のロールに巻き付く恐れがない。したがって、前記フィルムエッジ部17は、前記ロールの回転を阻害することがなく、また、製品14に混入してシート巻取ロール12bによって巻き取られてしまうこともない。さらに、ほぼ停止した状態となるので、オペレータはフィルムラミネーション装置10を停止させることなく、安全に前記フィルムエッジ部17を除去することができる。
【0037】
そして、前記製品14は、フィルムエッジ部17が混入することなく、シート巻取装置12のシート巻取ロール12bによって巻き取られる。
【0038】
このように、本実施の形態においては、フィルムラミネーション装置10において、ラミネートフィルムとしての製品14の搬送方向に関して冷却ロール22の下流側の直下に配設されたスイーパロール23が大径の中央部から小径の両端部に向かうに従って径が漸減していく形状を有している。
【0039】
そのため、冷却ロール22において発生する耳切れによって製品14本体から分離したフィルムエッジ部17は、スイーパロール23の両端部に向かって移動して前記スイーパロール23から外れ、該スイーパロール23の両端部の外側に配設された支持軸26に掛かるようになる。したがって、前記フィルムエッジ部17は、フィルム搬送ロール15等のフィルムラミネーション装置10におけるロールに巻き付くことがなく、また、製品14に混入してシート巻取ロール12bによって巻き取られてしまうことがない。
【0040】
なお、前記スイーパロール23の軸方向の断面における表面形状が円弧状である場合には、前記フィルムエッジ部17が、スイーパロール23の両端部に向かってスムーズに移動する。
【0041】
さらに、前記フィルムエッジ部17は、スイーパロール23の両端外側の支持軸26に掛かり、ほぼ停止した状態となるので、オペレータはフィルムラミネーション装置10を停止させることなく、安全に前記フィルムエッジ部17を除去することができる。
【0042】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0043】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、フィルム巻付防止装置おいては、基材フィルムに樹脂フィルムを押し付けてラミネートフィルムを形成する冷却ロールと、前記ラミネートフィルムの搬送方向に関して、前記冷却ロールの下流側直下に配設されたスイーパロールとを有するフィルムラミネーション装置において、前記スイーパロールは、大径の中央部から小径の両端部に向かうに従って径が漸減していく形状を備える。
【0044】
この場合、冷却ロールにおいて発生する耳切れによって生じるフィルムエッジ部は、スイーパロールの両端部に向かって移動して、前記スイーパロールから外れる。そのため、フィルムエッジ部は、フィルム巻付防止装置におけるロールに巻き付くことがなく、また、ラミネートフィルムに混入して巻き取られてしまうことがない。
【0045】
他のフィルム巻付防止装置おいては、さらに、前記スイーパロールの軸方向の断面における表面形状は円弧状である。
【0046】
この場合、前記フィルムエッジ部は、スイーパロールの両端部に向かってスムーズに移動する。
【0047】
更に他のフィルム巻付防止装置おいては、さらに、前記スイーパロールの両端部の外側には該スイーパロールを回転可能に支持する支持軸が配設される。
【0048】
この場合、フィルムエッジ部は、回転していない支持軸に掛かるので、オペレータはフィルムラミネーション装置を停止させることなく、安全にフィルムエッジ部を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるフィルムラミネーション装置のスイーパロールの作用を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるフィルムラミネーション装置の構成を示す概略図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるフィルムラミネーション装置のスイーパロールの構成を示す図である。
【符号の説明】
10 フィルムラミネーション装置
13 基材
14 製品
21 Tダイ
22 冷却ロール
23 スイーパロール
25 樹脂フィルム
26 支持軸
【発明の属する技術分野】
本発明は、フィルム巻付防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、単一の種類の材料から成るフィルムでは得られない各種性能を有するフィルムを製造するためにフィルムラミネーションの技術が提供されている。この場合、二種以上の材料を積層することによって、それぞれの材料の備える優れた特徴を併せ持った積層状のラミネートフィルムを得ることができる。
【0003】
そして、前記フィルムラミネーションの一つとして、押出コーディング・ラミネーションが知られている。この場合、フィルムラミネーション装置においては、Tダイから押出された溶融樹脂をシート状の基材上にフィルム状に塗工し、加圧冷却を同時に行うことによって積層するようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−52497号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のフィルムラミネーション装置においては、フィルムの両側端のフィルムエッジ部(耳部)がフィルム本体から分離して、フィルム搬送ロール等のロールに巻き付いたり、製品としてのラミネートフィルムに混入したりしてしまう。この場合、フィルムラミネーション装置を停止させて、ロールに巻き付いたり製品に混入したフィルムエッジ部を除去する必要があり、フィルムラミネーション装置のスループットが低下してしまう。
【0006】
すなわち、オペレータが常時フィルムラミネーション装置を監視して、フィルムエッジ部がフィルム本体から分離する耳切れが発生すると、フィルムエッジ部を手作業によって除去するようになっている。そして、フィルムエッジ部を除去するためにフィルムラミネーション装置を停止させると該フィルムラミネーション装置のスループットが低下してしまう。また、フィルムラミネーション装置を停止させずにフィルムエッジ部の除去を行うことは危険である。
【0007】
本発明は、前記従来の問題点を解決して、フィルムラミネーション装置において、耳切れしたフィルムエッジ部が自動的にロールの両端部に移動するようにして、フィルムエッジ部がロールに巻き付くことがなく、また、製品に混入してしまうことのないフィルム巻付防止装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明のフィルム巻付防止装置においては、基材フィルムに樹脂フィルムを押し付けてラミネートフィルムを形成する冷却ロールと、前記ラミネートフィルムの搬送方向に関して、前記冷却ロールの下流側直下に配設されたスイーパロールとを有するフィルムラミネーション装置において、前記スイーパロールは、大径の中央部から小径の両端部に向かうに従って径が漸減していく形状を備える。
【0009】
本発明の他のフィルム巻付防止装置においては、さらに、前記スイーパロールの軸方向の断面における表面形状は円弧状である。
【0010】
本発明の更に他のフィルム巻付防止装置においては、さらに、前記スイーパロールの両端部の外側には該スイーパロールを回転可能に支持する支持軸が配設される。
【0011】
本発明の更に他のフィルム巻付防止装置においては、さらに、前記樹脂フィルムはTダイから流下する溶融樹脂である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図2は本発明の実施の形態におけるフィルムラミネーション装置の構成を示す概略図、図3は本発明の実施の形態におけるフィルムラミネーション装置のスイーパロールの構成を示す図である。
【0014】
図2において、10は押出コーディング・ラミネーション式のフィルムラミネーション装置である。二種以上の材料を積層することによって、それぞれの材料の備える優れた特徴を併せ持った積層状のラミネートフィルムを形成するためのフィルムラミネーションの技術としては、サーマルラミネーション(熱ラミネーション)、ホットメルトラミネーション、ノンソルベントラミネーション、ウェットラミネーション、ドライラミネーション等の各種の技術が知られている。本実施の形態におけるフィルムラミネーション装置10は、各種のフィルムラミネーション技術の中で広く採用されているコーディング・ラミネーション技術を使用するものである。
【0015】
前記フィルムラミネーション装置10は、図2に示されるように、帯状のシート材料である基材フィルムとしての基材13を繰り出すシート繰出装置11、及び、ラミネートフィルムとなった帯状のシート材料である製品14を巻き取るシート巻取装置12を有する。ここで、前記基材13は、例えば、紙、アルミニウム箔(はく)、セロハン、ポリエステル(PET)、延伸ナイロン(ONY)、延伸ポリプロピレン(OPP)、Kコートフィルム(塩化ビニルデンコートフィルム)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、リニアーポリエチレン(L・LDPE)、無延伸ポリプロピレン(CPP)、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)等から成るものであるが、いかなるものであってもよい。
【0016】
そして、前記シート繰出装置11は、回転可能なターレットアーム11aと、該ターレットアーム11aの両端に回転可能に取り付けられたシート供給ロール11b及びシート供給ロール11cとを有する。図2に示される例においては、図における左側のシート供給ロール11bが矢印で示される方向に回転し、該シート供給ロール11bから基材13が繰り出されている。なお、前記シート供給ロール11bに残存する基材13の量が所定値以下になったことが検出されると、ターレットアーム11aが図示されない動力源によって回転させられる。これにより、シート供給ロール11cが、図における左側に移動して、前記シート供給ロール11bの位置に到達し、基材13がシート供給ロール11cから繰り出される。
【0017】
また、前記シート巻取装置12も回転可能なターレットアーム12aと、該ターレットアーム12aの両端に回転可能に取り付けられたシート巻取ロール12b及びシート巻取ロール12cとを有する。図2に示される例においては、図における右側のシート巻取ロール12bが矢印で示される方向に回転し、製品14が前記シート巻取ロール12bに巻き取られている。そして、シート巻取ロール12bに巻き取られた製品14の量が所定値以上になったことが検出されると、ターレットアーム12aが図示されない動力源によって回転させられる。これにより、シート巻取ロール12cが、図における右側に移動して、前記シート巻取ロール12bの位置に到達し、製品14がシート巻取ロール12cによって巻き取られる。
【0018】
なお、前記基材13及び製品14は、フィルム搬送ロール15等の多数のロールによって構成されるジグザグ状の経路に沿って搬送される。そして、前記経路の途中において樹脂を基材13にラミネートするためのラミネート部20には、溶融樹脂を押し出すためのTダイ21、冷却ロール22及びプレスロール24が配設される。ここで、前記溶融樹脂は、例えば、低密度ポリエチレン、リニアーポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、アイオノマアー(IO)、エチレン・アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン・メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレンエチルアクリレート共重合体(EEA)、ポリプロピレン(PP)等であるが、いかなるものであってもよい。
【0019】
そして、前記Tダイ21は、通常のTダイを使用したフィルム製造方法と同一の原理に基づいて、溶融樹脂のフラットなフィルムを作り出す。すなわち、図示されないスクリュ押出機等の押出機によって、加熱され、溶融された樹脂、すなわち、溶融樹脂は、前記押出機先端のノズルに取り付けられたTダイ21に送り込まれる。そして、該Tダイ21内部のマニホールドに充填(てん)された溶融樹脂は、下方に形成された図示されないリップ間に形成された幅狭のスリットから押し出される。ここで、該スリットは、基材13の幅方向(図2の紙面に対して垂直な方向)に長く延在し、かつ、幅狭なので、前記スリットから押し出された溶融樹脂は、基材13の幅方向に延在する薄い樹脂フィルム25となって流下する。なお、前記Tダイ21内部に配設された図示されないインナーディッケルの位置を調整することによって、前記スリットから押し出された樹脂フィルム25の幅を前記基材13の幅よりもわずかに狭い程度に調整することができる。また、前記リップの間隔を調整することによって、前記樹脂フィルム25の厚さを調整することができる。
【0020】
なお、前記Tダイ21は、単一の種類の溶融樹脂から成る樹脂フィルム25を形成する単層ダイであってもよいし、複数の種類の溶融樹脂から成る樹脂フィルム25を形成する共押出用ダイであってもよい。そして、前記Tダイ21は、共押出用ダイである場合、溶融樹脂を積層する層数に対応する数のマニホールドをTダイ21の幅方向に亘って形成し、それぞれの溶融樹脂を拡幅した後に合流させるマルチマニホールドタイプのものであってもよいし、単層ダイの入口前に複数の種類の溶融樹脂を併合するアダプタを配設し、溶融樹脂を積層した後に前記単層ダイのマニホールドから拡幅して流下させるフィードブロックタイプのものであってもよい。
【0021】
そして、前記Tダイ21のスリットから流下した樹脂フィルム25は、矢印の方向に回転する冷却ロール22と基材13とが接触する部位において該基材13の上面上に到達し、該基材13の上面上に冷却ロール22によって圧着される。また、前記基材13の下面側にはプレスロール24が配設され、基材13と該基材13の上面上の樹脂フィルム25とを冷却ロール22に押し付けるようになっている。これにより、樹脂フィルム25が冷却されて基材13の上面に押し付けられるので、前記樹脂フィルム25と基材13とが互いに固着して積層され、すなわち、ラミネートされてラミネートフィルムとなった帯状のシート材料である製品14を得ることができる。
【0022】
ここで、前記プレスロール24は、前記基材13が紙から成る場合にはクロロプレンから成り、前記基材13が樹脂から成る場合にはシリコーンゴムから成るものであることが望ましいが、いかなる材料から成るものであってもよい。また、前記プレスロール24を冷却ロール22に向かって押し付けるバックアップロールを、前記プレスロール24の図2における右側に配設することが望ましい。この場合、前記プレスロール24が基材13と該基材13の上面上の樹脂フィルム25とを冷却ロール22に押し付ける圧力分布を均一にすることができ、また、前記プレスロール24を冷却することができる。そのため、樹脂フィルム25から成る層の厚さのバランスが良好な製品14を得ることができる。
【0023】
そして、前記冷却ロール22は、冷却水等の冷媒が通過する図示されない冷媒流路が内部に形成されたものであってもよい。また、前記冷却ロール22の表面は、通常、鏡面仕上げが施されているが、つや消し又は半つや消し仕上げを施すこともできる。そして、前記冷却ロール22の表面の状態がそのまま製品14における樹脂フィルム25から成る層の表面に転写されるので、製品14におけるに樹脂フィルム25から成る層の表面の状態を想定して、前記冷却ロール22に表面に所望の仕上げを施すことが望ましい。
【0024】
また、製品14の搬送方向に関して冷却ロール22の下流側直下には、スイーパロール23が配設されている。ここで、該スイーパロール23は、樹脂フィルム25が基材13にラミネートされた後に冷却ロール22の表面から剥(は)がれやすくするようになっている。なお、前記スイーパロール23は、冷却ロール22の表面に接触していない、すなわち、冷却ロール22とともに製品14をニップするものではない。
【0025】
本実施の形態において、スイーパロール23は、図3に示されるように、図示されないフレームに取り付けられた支持軸26に回転可能に取り付けられている。そして、前記スイーパロール23は、幅方向(図3における左右方向)における両端部の径が中央部の径よりも小さく、軸方向の断面における表面形状が円弧状(クラウン状)となっている。なお、軸方向の断面における表面形状は、必ずしも円弧状である必要はなく、例えば、テーパ状であってもよい。すなわち、大径の中央部から小径の両端部に向かうに従って径が漸減していくような形状であればよい。これにより、製品14のようにある程度幅の広い帯状のシート材料はスイーパロール23の幅方向における中央部を通過するが、後述されるフィルムエッジ部17のように、幅の狭い帯状のシート材料、ひも状又は線状の材料は、スイーパロール23の幅方向における両端部、すなわち、小径の部分の方向に移動して、スイーパロール23の表面から離脱するようになっている。
【0026】
なお、本実施の形態において、フィルムラミネーション装置10は、図示されない制御装置を有する。該制御装置は、CPU、MPU等の演算手段、磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶手段、キーボード、マウス、押しボタン、タッチパネル等の入力手段、CRT、液晶ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ等の表示手段、通信インターフェイス等を備えるコンピュータである。なお、前記制御装置は独立して構成されたものであってもよく、他の制御装置と一体的に構成されたものであってもよい。そして、前記制御装置は、前記フィルムラミネーション装置10全体の動作を統括的に制御するものであり、前記シート繰出装置11、シート巻取装置12、フィルム搬送ロール15、押出機、冷却ロール22、プレスロール24、スイーパロール23等の装置の動作を制御する。
【0027】
また、前記フィルムラミネーション装置10のシート繰出装置11とラミネート部20との間には、必要に応じて、図示されないAC(Anchor Coat)装置を配設することもできる。該AC装置は、基材13上に接着性を高めるための下塗剤、すなわち、AC剤を塗工して乾燥させるようになっている。この場合、スクイーズ法又はグラビア法等のロールコート法によって基材13の上面上にAC剤を塗工した後、乾燥させるようになっている。
【0028】
さらに、前記フィルムラミネーション装置10のラミネート部20とシート巻取装置12との間には、必要に応じて、図示されないトリミング装置を配設することもできる。前記Tダイ21のスリットから押し出された樹脂フィルム25は両側端部の肉厚が厚くなる傾向があるので、ラミネートフィルムとしての製品14においても、両側端部の肉厚が厚くなってしまう。しかし、シート巻取装置12のシート巻取ロール12bによって巻き取られる前に製品14の両側端部を前記トリミング装置によって切断し除去することによって、幅方向に亘り均一な厚さを有し、かつ、所定の幅寸法を有する製品14を得ることができる。
【0029】
次に、前記構成のフィルムラミネーション装置10の動作について説明する。
【0030】
図1は本発明の実施の形態におけるフィルムラミネーション装置のスイーパロールの作用を示す図である。
【0031】
まず、シート繰出装置11のシート供給ロール11bから繰り出された帯状のシート材料である基材13は、図2に示されるように、フィルム搬送ロール15等の多数のロールによって構成されるジグザグ状の経路に沿ってラミネート部20まで搬送される。
【0032】
そして、該ラミネート部20において、押出機によって加熱され、溶融樹脂は、前記押出機先端のノズルに取り付けられたTダイ21のスリットから押し出され、基材13の幅方向に延在する樹脂フィルム25となって流下する。ここで、前記Tダイ21のスリットから流下した樹脂フィルム25は、冷却ロール22と基材13とが接触する部位において、前記基材13の上面上に到達する。そして、前記基材13が冷却ロール22の周面に巻き付くことによって、溶融樹脂から成る樹脂フィルム25は冷却ロール22によって基材13の上面に圧着される。なお、前記基材13と樹脂フィルム25とは、プレスロール24によって冷却ロール22に押し付けられる。これにより、溶融樹脂から成る樹脂フィルム25が冷却ロール22によって冷却されて基材13の上面に押し付けられ、前記樹脂フィルム25と基材13とが互いに固着して積層され、ラミネートフィルムとしての製品14となる。
【0033】
ところで、前記製品14は冷却ロール22のほぼ半周に亘り周面に巻き付いた状態で搬送された後、前記冷却ロール22の周面から離れてスイーパロール23に巻き付くようになっているが、このとき、図1に示されるように、前記製品14の両側端部としてのフィルムエッジ部17がフィルム本体としての製品14本体から分離する耳切れが発生することが多い。とくに、フィルムラミネーション装置10の動作を開始させた直後において、Tダイ21を上下方向に移動させてエアギャップ(樹脂フィルム25の流下する距離)を調整する際に発生しやすい。なお、分離するフィルムエッジ部17は、樹脂フィルム25だけから成る場合もあり、また、該樹脂フィルム25と基材13とが互いに固着して積層されたラミネートフィルムから成る場合もある。
【0034】
もっとも、前記フィルムエッジ部17は、厚さや幅の寸法が不均一であり、通常、シート巻取装置12のシート巻取ロール12bによって巻き取られる前にトリミング装置によって切断され除去される部分なので、耳切れが発生しても、製品14自体の品質には影響が及ばない。しかし、分離した前記フィルムエッジ部17は、フィルム搬送ロール15等のロールに巻き付いたり、製品14に混入してシート巻取ロール12bによって巻き取られてしまう場合には、フィルムラミネーション装置10の動作に悪影響を及ぼしたり、製品14の品質が低下してしまうので、除去する必要がある。
【0035】
本実施の形態において、前記スイーパロール23は、幅方向における両端部の径が中央部の径よりも小さく、軸方向の断面における表面形状が円弧状となっている。そのため、図1に示されるように、製品14から分離した前記フィルムエッジ部17は、矢印で示されるように、スイーパロール23の表面を大径の中央部から小径の両端部の方向に移動して、前記スイーパロール23から外れる。そして、該スイーパロール23の両端部の外側に配設された支持軸26に掛かり、位置17aに到達する。なお、前記スイーパロール23の軸方向の断面における表面形状は、必ずしも円弧状である必要はなく、大径の中央部から小径の両端部に向かうに従って径が漸減していくような形状であれば、テーパ状であってもよいし、いかなる形状であってもよい。すなわち、大径の中央部から小径の両端部に向かうに従って径が漸減していくような形状であれば、製品14から分離した前記フィルムエッジ部17は、自然と前記スイーパロール23の表面を大径の中央部から小径の両端部の方向に移動して、前記スイーパロール23から外れる。そして、前記支持軸26に掛かり、位置17aに到達する。
【0036】
ここで、前記支持軸26は図示されないフレームに取り付けられ、回転不能となっている。そのため、支持軸26に掛かっているフィルムエッジ部17は、ほぼ停止した状態となるので、スイーパロール23、フィルム搬送ロール15等のロールに巻き付く恐れがない。したがって、前記フィルムエッジ部17は、前記ロールの回転を阻害することがなく、また、製品14に混入してシート巻取ロール12bによって巻き取られてしまうこともない。さらに、ほぼ停止した状態となるので、オペレータはフィルムラミネーション装置10を停止させることなく、安全に前記フィルムエッジ部17を除去することができる。
【0037】
そして、前記製品14は、フィルムエッジ部17が混入することなく、シート巻取装置12のシート巻取ロール12bによって巻き取られる。
【0038】
このように、本実施の形態においては、フィルムラミネーション装置10において、ラミネートフィルムとしての製品14の搬送方向に関して冷却ロール22の下流側の直下に配設されたスイーパロール23が大径の中央部から小径の両端部に向かうに従って径が漸減していく形状を有している。
【0039】
そのため、冷却ロール22において発生する耳切れによって製品14本体から分離したフィルムエッジ部17は、スイーパロール23の両端部に向かって移動して前記スイーパロール23から外れ、該スイーパロール23の両端部の外側に配設された支持軸26に掛かるようになる。したがって、前記フィルムエッジ部17は、フィルム搬送ロール15等のフィルムラミネーション装置10におけるロールに巻き付くことがなく、また、製品14に混入してシート巻取ロール12bによって巻き取られてしまうことがない。
【0040】
なお、前記スイーパロール23の軸方向の断面における表面形状が円弧状である場合には、前記フィルムエッジ部17が、スイーパロール23の両端部に向かってスムーズに移動する。
【0041】
さらに、前記フィルムエッジ部17は、スイーパロール23の両端外側の支持軸26に掛かり、ほぼ停止した状態となるので、オペレータはフィルムラミネーション装置10を停止させることなく、安全に前記フィルムエッジ部17を除去することができる。
【0042】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0043】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、フィルム巻付防止装置おいては、基材フィルムに樹脂フィルムを押し付けてラミネートフィルムを形成する冷却ロールと、前記ラミネートフィルムの搬送方向に関して、前記冷却ロールの下流側直下に配設されたスイーパロールとを有するフィルムラミネーション装置において、前記スイーパロールは、大径の中央部から小径の両端部に向かうに従って径が漸減していく形状を備える。
【0044】
この場合、冷却ロールにおいて発生する耳切れによって生じるフィルムエッジ部は、スイーパロールの両端部に向かって移動して、前記スイーパロールから外れる。そのため、フィルムエッジ部は、フィルム巻付防止装置におけるロールに巻き付くことがなく、また、ラミネートフィルムに混入して巻き取られてしまうことがない。
【0045】
他のフィルム巻付防止装置おいては、さらに、前記スイーパロールの軸方向の断面における表面形状は円弧状である。
【0046】
この場合、前記フィルムエッジ部は、スイーパロールの両端部に向かってスムーズに移動する。
【0047】
更に他のフィルム巻付防止装置おいては、さらに、前記スイーパロールの両端部の外側には該スイーパロールを回転可能に支持する支持軸が配設される。
【0048】
この場合、フィルムエッジ部は、回転していない支持軸に掛かるので、オペレータはフィルムラミネーション装置を停止させることなく、安全にフィルムエッジ部を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるフィルムラミネーション装置のスイーパロールの作用を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態におけるフィルムラミネーション装置の構成を示す概略図である。
【図3】本発明の実施の形態におけるフィルムラミネーション装置のスイーパロールの構成を示す図である。
【符号の説明】
10 フィルムラミネーション装置
13 基材
14 製品
21 Tダイ
22 冷却ロール
23 スイーパロール
25 樹脂フィルム
26 支持軸
Claims (4)
- (a)基材フィルムに樹脂フィルムを押し付けてラミネートフィルムを形成する冷却ロールと、
(b)前記ラミネートフィルムの搬送方向に関して、前記冷却ロールの下流側直下に配設されたスイーパロールとを有するフィルムラミネーション装置において、
(c)前記スイーパロールは、大径の中央部から小径の両端部に向かうに従って径が漸減していく形状を備えることを特徴とするフィルム巻付防止装置。 - 前記スイーパロールの軸方向の断面における表面形状は円弧状である請求項1に記載のフィルム巻付防止装置。
- 前記スイーパロールの両端部の外側には該スイーパロールを回転可能に支持する支持軸が配設される請求項1又は2に記載のフィルム巻付防止装置。
- 前記樹脂フィルムはTダイから流下する溶融樹脂である請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィルム巻付防止装置。
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JP2002356119A JP2004188623A (ja) | 2002-12-09 | 2002-12-09 | フィルム巻付防止装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2014156807A1 (ja) * | 2013-03-27 | 2014-10-02 | 東レ株式会社 | スイーパーローラーおよびこれを用いたプラスチックフィルムの製造装置ならびに製造方法 |
-
2002
- 2002-12-09 JP JP2002356119A patent/JP2004188623A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
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TWI635946B (zh) * | 2013-03-27 | 2018-09-21 | 東麗股份有限公司 | Sweeping roller and manufacturing device and manufacturing method of plastic film using the same |
US10150240B2 (en) | 2013-03-27 | 2018-12-11 | Toray Industries, Inc | Sweeper roller, plastic film manufacturing device that uses same, and manufacturing method |
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