JP2004188171A - 超音波診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】モータの回転速度が多少揺らいでも、常に良好な画像が得られる超音波診断装置を実現する。
【解決手段】超音波診断装置1は、フレキシブルシャフト2の先端側に設けた超音波振動子3を回動自在に回転走査する。超音波振動子3は、スリップリング4を介してモータ5及び磁気ロータリーエンコーダ6と機械的に連結されている。磁気ロータリーエンコーダ6は、回転位置検出パルス信号発生部13に電気的に接続されている。回転位置検出パルス信号発生部13は、磁気ロータリーエンコーダ6からの複数の出力信号と、これら複数の出力信号の反転信号とに基づき、超音波振動子3の回転に同期した所定の回転位置信号を生成する。そして、制御部7は、回転位置検出パルス信号発生部13で生成した回転位置信号に基づき、超音波振動子3に対して駆動信号である駆動パルスを生成する。
【選択図】図1
【解決手段】超音波診断装置1は、フレキシブルシャフト2の先端側に設けた超音波振動子3を回動自在に回転走査する。超音波振動子3は、スリップリング4を介してモータ5及び磁気ロータリーエンコーダ6と機械的に連結されている。磁気ロータリーエンコーダ6は、回転位置検出パルス信号発生部13に電気的に接続されている。回転位置検出パルス信号発生部13は、磁気ロータリーエンコーダ6からの複数の出力信号と、これら複数の出力信号の反転信号とに基づき、超音波振動子3の回転に同期した所定の回転位置信号を生成する。そして、制御部7は、回転位置検出パルス信号発生部13で生成した回転位置信号に基づき、超音波振動子3に対して駆動信号である駆動パルスを生成する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療診断に用いる超音波断層像を得るための超音波診断装置に関し、特にメカニカルスキャン方式(機械走査式)の超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、超音波診断装置は、医療用分野及び工業用分野において、広く用いられる。超音波診断装置は、超音波を検査対象物に対して送受波することにより、検査対象物内を非侵襲的に診断するものである。
【0003】
上記超音波診断装置は、フレキシブルシャフトの先端側に設けた超音波振動子(電気音響変換素子とも言う)を機械的に回転(ラジアル方式)又は進退動(リニア方式)もしくは揺動させて超音波画像を得るメカニカルスキャン方式(機械走査式)のものがある。
【0004】
このような従来の超音波診断装置は、例えば、図8に示すように構成されている。
図8に示すように従来の超音波診断装置100は、フレキシブルシャフト101の先端側に設けた超音波振動子102が回転伝達部材103を介してモータ104と機械的に連結され、回動走査される。また、超音波振動子102は、フレキシブルシャフト101を介して磁気ロータリーエンコーダ105に機械的に連結されている。
【0005】
超音波振動子102は、制御部106からの駆動信号がスリップリング107を介して送信部108により伝達されて励振され、回動自在に回転しながら検査対象物に対して超音波ビームを放射し、反射して戻ってきた超音波エコー信号を受けて電気信号に変換する。
変換された電気信号は、再びスリップリング107を介して受信信号処理部109に伝達されて信号処理され、最終的に超音波断層像として表示部110に表示される。
【0006】
ここで、モータ104は、磁気ロータリーエンコーダ105の出力信号を用いて速度制御が行われるようになっている。この磁気ロータリーエンコーダ105からの出力信号(A相、Z相)のA相は、F/V( Frequency / Voltage )コンバータ111にて電圧信号に変換されて、モータドライバ112を介してモータ104にフィードバックされる。
【0007】
A相信号は、回転位置検出パルス信号発生部113にてパルス信号に整形されて、回転に追従したP信号として制御部106へ入力される。そして、制御部106は、P信号に基づき、送信タイミングや受信信号処理部の制御を行う。一方、Z相信号は、振動子回転の原点を示す信号であり、波形整形後(Z’)に制御部106に送信される。
【0008】
図9は、図8の磁気ロータリーエンコーダ信号(A相)と波形整形後のパルス信号Pとのタイミングチャートである。タイミング信号は、信号Pの立上がり、立下がりに同期して生成されている。
【0009】
図10は、図8の回転位置検出パルス信号発生部113の一例を示す回路ブロック図である。
磁気ロータリーエンコーダ105からの出力信号であるA相信号は、回転位置検出パルス信号発生部113のOPアンプ121で増幅された後、コンパレータ122で所定のバイアス電位Vbと比較することによりパルス信号Pが生成されるようになっている。
そして、制御部106は、P信号の立上がり及び立下がりに同期したタイミング信号にて超音波を送信するように送信部108から駆動信号を送信し、超音波振動子102を駆動するようになっている。
【0010】
このように従来の超音波診断装置100は、P信号の立上がり、立下がりタイミングで送信を行っていた。このため、従来の超音波診断装置100は、振動子1回転あたりの送信回数がこの範囲で決まってしまい、これ以上増やすには十分な分解能を有するロータリーエンコーダを採用する必要があった。
そこで、従来の超音波診断装置は、A相と90°位相がずれたB相を設けて最終的にこれらの出力を合成することで分解能を上げる方法もある。
【0011】
図11は、図10の回転位置検出パルス信号発生部の他の一例を示す回路ブロック図である。
図11に示すように回転位置検出パルス信号発生部113bは、磁気ロータリーエンコーダ105からの出力信号(A相、B相)をそれぞれ増幅するOPアンプ131a,131bと、これらOPアンプ131a,131bとDC直結し、該OPアンプ131a,131bからの出力信号を所定のバイアス電位Vbとそれぞれ比較するコンパレータ132a,132bと、これらコンパレータ132a,132bからの出力信号を逓倍化するためのゲート回路133とから構成されている。
【0012】
この回転位置検出パルス信号発生部113bによるタイミングチャートを図12に示す。図12(a)に示す波形は、コンパレータ入力前のA相信号及びB相信号である。図12(b)はコンパレータ132aの出力信号であり、図12(c)はコンパレータ132bの出力信号である。また、図12(d)は、ゲート回路133の出力信号である。更に、図12(e)は、ゲート回路133の出力信号に同期して生成されたタイミング信号である。
そして、制御部106は、図12(e)に示すタイミング信号にて超音波を送信するように送信部108から駆動パルスを送信し、超音波振動子102を駆動するようになっている。
【0013】
しかしながら、上記超音波診断装置100は、上記回転位置検出パルス信号発生部113bを用いても、単純にA相信号、B相信号の立上がり、立下がりを合成した2逓倍のパルス信号に基づいているので、磁気ロータリーエンコーダ105の分解能が2倍になる程度である。
【0014】
また、上記従来の超音波診断装置100は、微弱なエンコーダ出力信号(A相)を高ゲインで増幅するためにOPアンプのバイアスを厳密に調整する必要があった。
例えば、図10の回転位置検出パルス信号発生部113を例に上げると、OPアンプ121の出力バイアスをVbに正確に一致させるためにボリュームVRの調整に気を使う必要がある。また、OPアンプ121は、自身の出力バイアスの温度ドリフトも小さいものを選ぶ必要がある。
【0015】
また、図11の回転位置検出パルス信号発生部113bでも同様に、ボリュームVR1、VR2を調整する必要があり、調整工数の増大、及び調整後の安定度がデバイス次第となる問題があった。
また、モータ104の回転速度精度を上げるためには、回転速度を表すフィードバック信号が完全にモータ回転に追従しており、しかもその周期はより短いことが望ましい。
【0016】
上記従来の超音波診断装置100は、磁気ロータリーエンコーダ105のA相信号出力をフィードバックさせている。しかしながら、上記従来の超音波診断装置100において、サイズの制約等により磁気ロータリーエンコーダ105の分解能を高くできない場合は、フィードバック信号の周期を十分に短くできず、回転速度精度を上げることが困難になる。
【0017】
一方、これに対して、従来の超音波診断装置は、例えば、特公平7−10256号公報や特開平11−178822号公報に記載されているように補間により、エンコーダの分解能を高くしたようなエンコーダ出力信号をフィードバックしたものが提案されている。
上記特公平7−10256号公報に記載の超音波診断装置は、モータ回転の一周期内でエンコーダ出力信号を増加させてフィードバックしている。一方、上記特開平11−178822号公報に記載の超音波診断装置は、エンコーダ出力信号を逓倍してフィードバックしている。
【0018】
【特許文献1】
特公平7−10256号公報
【0019】
【特許文献2】
特開平11−178822号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特公平7−10256号公報や特開平11−178822号公報に記載の超音波診断装置は、補間により見かけ上エンコーダの分解能を高くしたようなエンコーダ出力信号をフィードバックしている。このため、上記超音波診断装置は、エンコーダ出力信号自体が厳密に回転に追従しているわけではない。このため、上記超音波診断装置は、モータの回転速度精度を上げることが原理上不可能である。
【0021】
従って、従来の超音波診断装置は、モータの回転速度の細かい揺らぎが存在する場合、エンコーダ出力信号を送信タイミングとして画像を構築しても良好な画像は得られないばかりか、回路規模が増大するデメリットが大きい。
【0022】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、モータの回転速度が多少揺らいでも、常に良好な画像が得られる超音波診断装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の超音波診断装置は、超音波振動子を回動自在に回転させる回転駆動手段と、前記超音波振動子の回転に同期した互いに位相の異なる複数の出力信号を発生するロータリーエンコーダと、前記ロータリーエンコーダからの複数の出力信号と、これら複数の出力信号の反転信号とに基づき、所定の回転位置信号を生成する回転位置信号発生手段と、前記回転位置信号発生手段で生成した回転位置信号に基づき、前記超音波振動子を駆動するための駆動パルスを生成する駆動パルス発生手段と、を具備したことを特徴としている。
また、本発明の請求項2は、請求項1に記載の超音波診断装置において、
前記回転位置信号発生手段は、前記ロータリーエンコーダの出力信号同士、及び該出力信号と所定のバイアス電位とを比較する複数の比較回路と、これら複数の比較回路からの出力を合成する合成手段と、を有し、前記複数の比較回路は、ACカップリング手段を介して所定のバイアス電位でバイアスしていることを特徴としている。
また、本発明の請求項3は、請求項1又は2に記載の超音波診断装置において、
前記回転駆動手段は、前記回転位置信号発生手段で生成した前記所定の回転位置信号を用いて前記超音波振動子の回転速度制御を行うことを特徴としている。
この構成により、モータの回転速度が多少揺らいでも、常に良好な画像が得られる超音波診断装置を実現する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1ないし図4は、本発明の第1の実施の形態に係り、図1は第1の実施の形態の超音波診断装置の構成を示す回路ブロック図、図2は図1の回転位置検出パルス信号発生部を示す回路ブロック図、図3は図2の回転位置検出パルス信号発生部によるタイミングチャートを示し、図3(a)はコンパレータ入力前のA相信号と反転A相信号とB相信号を示すグラフ、図3(b)は2段目のコンパレータの出力信号を示すグラフ、図3(c)は4段目のコンパレータの出力信号を示すグラフ、図3(d)は1段目のコンパレータの出力信号を示すグラフ、図3(e)は3段目のコンパレータの出力信号を示すグラフ、図3(f)は1段目のゲート回路の出力信号を示すグラフ、図3(g)は2段目のゲート回路の出力信号を示すグラフ、図3(h)は出力側のゲート回路の出力信号を示すグラフ、図3(i)はタイミング信号を示すグラフ、図4は図1の超音波診断装置の変形例を示す回路ブロック図である。
【0025】
図1に示すように本発明の第1の実施の形態の超音波診断装置1は、フレキシブルシャフト2の先端側に設けた超音波振動子3を機械的に回動自在に回転走査するように構成されている。即ち、本形態の超音波診断装置1は、メカニカルスキャン方式(機械走査式)である。
尚、図示しないが、超音波振動子3は、その周囲を流動パラフィン等の超音波伝達媒体で覆われてプローブ又は超音波内視鏡の先端側に内蔵されて構成される。
【0026】
超音波振動子3は、スリップリング4を介してモータ5(回転駆動手段)及び磁気ロータリーエンコーダ6と機械的に連結され、モータ5からの駆動力によりフレキシブルシャフト2が回動自在に回転されることで、回転走査されるようになっている。本実施の形態では、モータ5は、小型ブラシレス3相モータを用いている。
【0027】
超音波振動子3は、制御部7からの駆動信号がスリップリング4を介して送信部8により伝達されて励振され、回動自在に回転しながら検査対象物に対して超音波ビームを放射し、反射して戻ってきた超音波エコー信号を受けて電気信号に変換する。変換された電気信号は、再びスリップリング4を介して受信信号処理部9に伝達されて信号処理され、最終的に超音波断層像として表示部10に表示されるようになっている。
【0028】
一般に、モータ5は、FGパルス信号又はロータリーエンコーダ6の出力信号を用いて速度制御が行われるようになっている。
本実施の形態では、FGパルス信号をF/Vコンバータ11にて回転速度に応じた電圧に変換し、モータドライバ12を介してモータ5へフィードバックするように構成されている。尚、FGパルス信号は、回転中のモータ巻き線に発生する起電圧を検出してデューティー比50%のパルス信号として出力されるものであり、一般的な3相モータ用ドライバICの有する機能の1つである。
【0029】
また、磁気ロータリーエンコーダ6は、回転位置信号発生手段として超音波振動子3の回転に同期した回転位置信号である所定の出力信号を生成する回転位置検出パルス信号発生部13に電気的に接続されている。
この磁気ロータリーエンコーダ6は、超音波振動子3の回転に同期した所定の出力信号として互いに90°位相の異なるA相、B相信号のアナログ信号を発生するものである。また、磁気ロータリーエンコーダ6は、振動子回転の原点を示す信号としてZ相信号を、波形整形後に制御部7に送信するようになっている。
【0030】
このことにより、回転位置検出パルス信号発生部13は、例えば、A相、B相信号それぞれのゼロクロスするタイミング及び、A相、B相信号及びいずれか一方又は両方の反転信号同士がクロスするタイミングを検出することで、回転角度に対応したタイミング信号を生成することができる。従って、回転位置検出パルス信号発生部13は、結果的に回転位置信号として少なくとも単純なA相、B相信号の立上がり、立下がりを合成したパルス信号よりも短い周期で生成できるように構成されている。
【0031】
本実施の形態では、制御部7は、後述するように駆動パルス発生手段として回転位置検出パルス信号発生部13で生成した回転位置信号に基づき、超音波振動子3に対して駆動信号である駆動パルスを生成するように構成されている。
【0032】
次に、図2を参照して本実施の形態の回転位置検出パルス信号発生部13の回路構成を説明する。
図2に示すように回転位置検出パルス信号発生部13は、磁気ロータリーエンコーダ6からの出力信号(A相、B相)をそれぞれ増幅するOPアンプ21a〜21cと、これらOPアンプ21a〜21cからの出力信号をそれぞれACカップリングするコンデンサ22と、これらコンデンサ22でACカップリングされた出力信号をそれぞれ、又は、所定のバイアス電位Vbと比較するコンパレータ23a〜23dと、これらコンパレータ23a〜23dからの出力信号を逓倍化するためのゲート回路24a〜24cとから構成されている。
更に、具体的に説明すると、OPアンプ21aは、A相信号をボリュームVR1で反転増幅する。また、OPアンプ21bは、A相信号をボリュームVR2で増幅する。OPアンプ21cは、B相信号をボリュームVR3で増幅するようになっている。
【0033】
また、コンパレータ23aは、反転A相信号をバイアス電位Vbと比較し2値化信号を生成する。コンパレータ23bは、A相信号をバイアス電位Vbと比較し2値化信号を生成する。コンパレータ23cは、A相信号をB相信号と比較し2値化信号を生成する。コンパレータ23dは、B相信号をバイアス電位Vbと比較し2値化信号を生成するようになっている。
【0034】
また、ゲート回路24aは、コンパレータ23aの出力信号とコンパレータ23dの出力信号とから逓倍信号を生成する。ゲート回路24bは、コンパレータ23bの出力信号とコンパレータ23cの出力信号とから逓倍信号を生成する。そして、ゲート回路24cは、ゲート回路24aからの逓倍信号とゲート回路24bからの逓倍信号とから4逓倍信号を生成するようになっている。
【0035】
また、本実施の形態では、コンパレータ23a〜23dにて比較する前に、OPアンプ21a〜21cからの全ての信号をACカップリングし、改めて所定のバイアス電位Vbを印加することで、回転位置検出パルス信号発生部13の調整難易度を抑えて大幅に回路調整の難易度を低減し、しかも調整後の安定度の高いものとしている。
【0036】
次に、回転位置検出パルス信号発生部13によるタイミングチャートを図3に示す。
図3(a)に示す波形は、コンパレータ入力前のA相信号と反転A相信号とB相信号である。これら波形の振幅の中心は、A相、B相、反転A相信号共に、バイアス電位Vbとなっている。
【0037】
図3(b),(c),(d),(e)は、コンパレータ出力信号である。
ここで、図3(b)はコンパレータ23bの出力信号であり、図3(c)はコンパレータ23dの出力信号であり、図3(d)はコンパレータ23aの出力信号であり、図3(e)はコンパレータ23cの出力信号である。
【0038】
図3(f),(g),(h)は、ゲート回路24の出力信号である。ここで、図3(f)はゲート回路24aの出力信号であり、図3(g)はゲート回路24bの出力信号であり、図3(h)はゲート回路24cの出力信号である。
【0039】
即ち、磁気ロータリーエンコーダ6からの出力信号(A相、B相)は、回転位置検出パルス信号発生部13にて図3(h)に示すような4逓倍のパルス信号に変換されるようになっている。
つまり、この図3(h)に示すパルス信号は、少なくともA相周期より1/4に短くでき、しかもその立上がり、立下がり共に回転角度に対応して生成するため、モータ回転に追従したものになっている。
【0040】
更に、図3(i)は、ゲート回路24cの出力信号に同期して生成されたタイミング信号である。
そして、制御部7は、駆動パルス発生手段として図3(i)に示すタイミング信号にて超音波を送信するように送信部8から駆動パルスを送信し、超音波振動子3を駆動するようになっている。
【0041】
この結果、本第1の実施の形態の超音波診断装置1は、単純なパルス信号ではない磁気ロータリーエンコーダ6の出力信号(アナログ信号)の位相情報を用いて回転位置信号の数を増やすことが可能となる。この回転位置信号は、正確に回転角度に対応して生成されるため、これに従って駆動パルスを生成することで、モータ5の回転速度が多少揺らいでもその影響は画像に現れず、常に良好な画像が得られる。
【0042】
尚、従来の超音波診断装置は、図11で説明したようにOPアンプとコンパレータとがDC直結しているので、OPアンプの出力信号のバイアスレベルがボリュームVR1、VR2によりそれぞれバイアス電位Vbに高い精度で一致させる必要がある上、温度ドリフト等の少ない高精度なOPアンプが必要になる。
【0043】
しかしながら、本実施の形態の超音波診断装置1は、ボリュームVR1、VR2、VR3が高ゲインに設定してあるOPアンプ21の出力信号を歪まない程度のバイアスレベルにさえ調整すれば良く、OPアンプ21の出力バイアスの温度ドリフト等の影響も受けない。
【0044】
尚、小型の3相モータ5は、内部の極数が制限されるため、振動子一回転あたりのFGパルス信号のパルス数が少ない。従って、このようなFGパルスを使ってモータ回転を制御しても、間隔が荒いために回転速度を高い精度で安定させるのは困難である。
【0045】
そこで、超音波診断装置は、図4に示すように構成しても良い。
図4は、超音波診断装置の変形例を示す回路ブロック図である。
図4に示すように超音波診断装置1Bは、回転位置検出パルス信号発生部13の出力をF/Vコンバータ11bにフィードバックしてモータ回転速度の制御を行うように構成されている。
【0046】
上述したように回転位置検出パルス信号発生部13で生成した出力信号(回転位置信号)は、モータ回転に追従したものである。従って、超音波診断装置1Bは、この出力信号(回転位置信号)をF/Vコンバータ11にフィードバックすることで、より回転精度を上げることができる。
【0047】
これにより、超音波診断装置1Bは、FGパルス信号よりもはるかに単位時間あたりのパルス数が多い回転位置検出パルス信号発生部13の出力をフィードバックすることで、より細かい間隔で速度制御を行える。従って、本変形例の超音波診断装置1Bは、上記第1の実施の形態よりも更にモータ回転速度を安定させることが可能となる。
【0048】
(第2の実施の形態)
図5ないし図7は、本発明の第2の実施の形態に係り、図5は第2の実施の形態の超音波診断装置の回転位置検出パルス信号発生部を示す回路ブロック図、図6は図5の回転位置検出パルス信号発生部によるタイミングチャートを示し、図6(a)は磁気ロータリーエンコーダから入力されるZ相信号を示すグラフ、図6(b)は高ゲインOPアンプによりDCバイアス電圧のみをキャンセルした際のZ相信号を示すグラフ、図6(c)はコンデンサによるACカップリングで所定のバイアス電圧を重畳されたZ相信号を示すグラフ、図6(d)は電圧Vdと比較してパルス波形に整形されたZ相信号を示すグラフ、図7は図5の回転位置検出パルス信号発生部で用いられるコンパレータ回路の実際の回路例である。
【0049】
上記第1の実施の形態は、磁気ロータリーエンコーダ6のA相、B相信号及びいずれか一方又は両方の反転信号同士がクロスするタイミングを検出することで、回転角度に対応したタイミング信号を生成するように構成しているが、本第2の実施の形態は、磁気ロータリーエンコーダ6のZ相信号を用いて回転角度に対応したタイミング信号を生成するように構成している。それ以外の構成は、上記第1の実施の形態と同様なので説明を省略し、同じ構成には同じ符号を付して説明する。
【0050】
本第2の実施の形態の超音波診断装置は、図5に示す回転位置検出パルス信号発生部13Bを有して構成される。
図5に示すように回転位置検出パルス信号発生部13Bは、微弱な磁気ロータリーエンコーダ6の出力信号を所定の大きさの安定した信号に変えるための高ゲインOPアンプ51と、波形整形してパルス信号として出力するためのコンパレータ52とを有して構成される。
【0051】
先ず、Z相について簡単に説明する。
図1に示すメカニカルスキャン方式の超音波診断装置1の場合、磁気ロータリーエンコーダ6の出力信号にはZ相信号を含むのが一般的である。
【0052】
A相、B相が送受信のタイミング信号として超音波振動子3の1回転中に所定数のパルス数を有するのに対して、Z相は超音波振動子3の1回転の起点を示すものであり、超音波振動子31の回転中に1パルスだけ発生するものである。
【0053】
一般的な磁気ロータリーエンコーダ6の出力信号は、非常に微弱である。
このため、高ゲインOPアンプ51は、差動アンプ構成をとることにより、入力信号として図6(a)に示すように微弱なZ相信号のDCバイアス電圧のみをキャンセルするようにしている。
【0054】
このCDバイアス電圧を一旦除去する理由は、高ゲインOPアンプ51のゲインが高く、所定のDCバイアス成分が入力されると出力信号が飽和するためであり、別の方法でキャンセルすれば出力信号のDCバイアスを調整する回路を追加する必要があって回路規模を大きくしてしまうためである。
【0055】
結果的に、図6(b)に示すようにバイアス電圧が0Vとなり、しかも単電源(例えば、+5V)で構成しているため、正振幅のみが出力される。
次に、図6(b)に示す増幅されたZ相信号は、コンデンサ53によるACカップリングを介してコンパレータ52に入力される。
【0056】
ここで、Z相信号は、ACカップリングを通って図6(c)に示すように所定のバイアス電圧Vfを重畳される。
更に、適当なノイズマージンを持たせるための電圧Vdを加算した電位(Vf+Vd)と、Z相信号とを比較することで、図6(d)に示すようにパルス波形に整形された出力信号となる。
【0057】
尚、図7は、図5に示す回転位置検出パルス信号発生部で用いられるコンパレータ回路の実際の回路例である。この図7に示すコンパレータ回路52Bは、コンパレータ機能にヒステリシス特性を持たせた構成にしてノイズ耐性を向上させている。
【0058】
この結果、本第2の実施の形態の超音波診断装置は、単電源で、しかも比較的簡単な構成でありながら、磁気エンコーダ信号のDCバイアスのバラツキを吸収する調整の必要もなく、安定したパルス出力信号を得ることができる。
【0059】
尚、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0060】
[付記]
(付記項1) 超音波振動子を回動自在に回転させる回転駆動手段と、
前記超音波振動子の回転に同期した互いに位相の異なる複数の出力信号を発生するロータリーエンコーダと、
前記ロータリーエンコーダからの複数の出力信号と、これら複数の出力信号の反転信号とに基づき、所定の回転位置信号を生成する回転位置信号発生手段と、
前記回転位置信号発生手段で生成した回転位置信号に基づき、前記超音波振動子を駆動するための駆動パルスを生成する駆動パルス発生手段と、
を具備したことを特徴とする超音波診断装置。
【0061】
(付記項2) 前記回転位置信号発生手段は、前記ロータリーエンコーダの出力信号同士、及び該出力信号と所定のバイアス電位とを比較する複数の比較回路と、これら複数の比較回路からの出力を合成する合成手段と、を有し、
前記複数の比較回路は、ACカップリング手段を介して所定のバイアス電位でバイアスしていることを特徴とする付記項1に記載の超音波診断装置。
【0062】
(付記項3) 前記回転駆動手段は、前記回転位置信号発生手段で生成した前記所定の回転位置信号を用いて前記超音波振動子の回転速度制御を行うことを特徴とする付記項1又は2に記載の超音波診断装置。
【0063】
(付記項4) 超音波振動子を回動自在に回転させる回転駆動手段と、
前記超音波振動子の回転に同期した互いに90°位相の異なるA相信号及びB相信号を発生するロータリーエンコーダと、
前記ロータリーエンコーダからの前記A相信号及び前記B相信号と、これらA相信号及びB相信号の反転信号とに基づき、所定の回転位置信号を生成する回転位置信号発生手段と、
前記回転位置信号発生手段で生成した回転位置信号に基づき、前記超音波振動子を駆動するための駆動パルスを生成する駆動パルス発生手段と、
を具備したことを特徴とする超音波診断装置。
【0064】
(付記項5) 超音波振動子を回動自在に回転させる回転駆動手段と、
前記超音波振動子の回転に同期したZ相信号を発生するロータリーエンコーダと、
前記ロータリーエンコーダからの前記Z相信号に基づき、所定の回転位置信号を生成する回転位置信号発生手段と、
前記回転位置信号発生手段で生成した回転位置信号に基づき、前記超音波振動子を駆動するための駆動パルスを生成する駆動パルス発生手段と、
を具備したことを特徴とする超音波診断装置。
【0065】
(付記項6) 超音波振動子を機械的に回転させる回転駆動手段と、
前記超音波振動子の回転に同期した出力信号を発生するロータリーエンコーダと、
前記ロータリーエンコーダの出力信号を基に前記回転を追従した所定の回転位置信号を発生する回転位置信号発生手段と、
前記回転位置信号発生手段の発生する回転位置に基づいて、前記超音波振動子を駆動して超音波を発生させるための超音波振動子駆動パルスを発生する超音波振動子駆動パルス発生手段と、
を具備したことを特徴とする超音波診断装置。
【0066】
(付記項7) 前記ロータリーエンコーダは、出力信号として互いに90°位相の異なるA相及びB相信号を発生し、
前記回転位置信号発生手段は、前記A相およびB相信号とそれらの反転信号を基に所定の回転位置信号を発生する
ことを特徴とする付記項1に記載の超音波診断装置。
【0067】
(付記項8) 前記ロータリーエンコーダは、出力信号としてZ相信号を発生し、
前記回転位置信号発生手段は、前記Z相信号を基に所定の回転位置信号を発生する
ことを特徴とする付記項1に記載の超音波診断装置。
【0068】
(付記項9) 前記回転位置信号発生手段は、
前記ロータリーエンコーダの出力信号同士、及び該出力信号と所定のバイアス電位とを比較する複数の比較回路と、
前記複数の比較回路の出力を合成する合成手段と、
を有し、
前記複数の比較回路の入力部は、ACカップリング手段を介して所定のバイアス電位でバイアスされていることを特徴とする付記項7又は8に記載の超音波診断装置。
【0069】
(付記項10) 前記回転駆動手段は、前記所定の回転位置信号を用いて前記超音波振動子の回転速度制御を行うことを特徴とする付記項5〜付記項9のいずれかに記載の超音波診断装置。
【0070】
(付記項11) 超音波振動子を回動自在に回転させる超音波振動子回転制御手段と、
前記超音波振動子の回転に同期した出力信号を発生する磁気ロータリーエンコーダと、
前記磁気ロータリーエンコーダの出力信号に基づき、前記超音波振動子の回転に追従した所定の回転位置パルス信号を発生する回転位置パルス信号発生手段と、
前記回転位置パルス信号発生手段からの回転位置パルス信号に基づき、前記超音波振動子に対して駆動パルスを発生させるための駆動パルス発生手段と、
を具備したことを特徴とする超音波診断装置。
【0071】
(付記項12) 前記磁気ロータリーエンコーダは、出力信号として互いに90°位相の異なるA相信号及びB相信号を発生し、
前記回転位置パルス信号発生手段は、前記A相信号及び前記B相信号と、これらA相信号及びB相信号の反転信号とに基づき、所定の回転位置パルス信号を発生する
ことを特徴とする付記項11に記載の超音波診断装置。
【0072】
(付記項13) 前記磁気ロータリーエンコーダは、出力信号としてZ相信号を発生し、
前記回転位置パルス信号発生手段は、前記Z相信号に基づき、所定の回転位置パルス信号を発生する
ことを特徴とする付記項11に記載の超音波診断装置。
【0073】
(付記項14) 前記回転位置パルス信号発生手段は、前記磁気ロータリーエンコーダの出力信号同士、及び該出力信号と所定のバイアス電位とを比較する複数の比較回路と、
前記複数の比較回路からの出力を合成する合成手段と、
を有し、
前記比較回路に入力する全ての信号に対して、ACカップリングを介して前記所定のバイアス電位でバイアスしていることを特徴とする付記項12に記載の超音波診断装置。
【0074】
(付記項15) 前記駆動パルス発生手段は、前記回転位置パルス信号発生手段で発生した前記所定の回転位置信号を用いて前記超音波振動子の回転速度制御を行うことを特徴とする付記項11〜付記項14のいずれかに記載の超音波診断装置。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、モータの回転速度が多少揺らいでも、常に良好な画像が得られる超音波診断装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の超音波診断装置の構成を示す回路ブロック図
【図2】図1の回転位置検出パルス信号発生部を示す回路ブロック図
【図3】図2の回転位置検出パルス信号発生部によるタイミングチャート
【図4】図1の超音波診断装置の変形例を示す回路ブロック図
【図5】第2の実施の形態の超音波診断装置の回転位置検出パルス信号発生部を示す回路ブロック図
【図6】図5の回転位置検出パルス信号発生部によるタイミングチャート
【図7】図5の回転位置検出パルス信号発生部で用いられるコンパレータ回路の実際の回路例
【図8】従来の超音波診断装置の構成を示す回路ブロック図
【図9】図8の磁気ロータリーエンコーダ信号(A相)と波形整形後のパルス信号Pとのタイミングチャート
【図10】図8の回転位置検出パルス信号発生部の一例
【図11】図10の回転位置検出パルス信号発生部の他の一例を示す回路ブロック図
【図12】図11の回転位置検出パルス信号発生部によるタイミングチャート
【符号の説明】
1…超音波診断装置
2…フレキシブルシャフト
3…超音波振動子
4…スリップリング
5…モータ(小型ブラシレス3相モータ)
6…磁気ロータリーエンコーダ
7…制御部
8…送信部
9…受信信号処理部
10…表示部
11…F/Vコンバータ
12…モータドライバ
13…回転位置検出パルス信号発生部
21a〜21c…OPアンプ
22…コンデンサ
23a〜23d…コンパレータ
24a〜24c…ゲート回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療診断に用いる超音波断層像を得るための超音波診断装置に関し、特にメカニカルスキャン方式(機械走査式)の超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、超音波診断装置は、医療用分野及び工業用分野において、広く用いられる。超音波診断装置は、超音波を検査対象物に対して送受波することにより、検査対象物内を非侵襲的に診断するものである。
【0003】
上記超音波診断装置は、フレキシブルシャフトの先端側に設けた超音波振動子(電気音響変換素子とも言う)を機械的に回転(ラジアル方式)又は進退動(リニア方式)もしくは揺動させて超音波画像を得るメカニカルスキャン方式(機械走査式)のものがある。
【0004】
このような従来の超音波診断装置は、例えば、図8に示すように構成されている。
図8に示すように従来の超音波診断装置100は、フレキシブルシャフト101の先端側に設けた超音波振動子102が回転伝達部材103を介してモータ104と機械的に連結され、回動走査される。また、超音波振動子102は、フレキシブルシャフト101を介して磁気ロータリーエンコーダ105に機械的に連結されている。
【0005】
超音波振動子102は、制御部106からの駆動信号がスリップリング107を介して送信部108により伝達されて励振され、回動自在に回転しながら検査対象物に対して超音波ビームを放射し、反射して戻ってきた超音波エコー信号を受けて電気信号に変換する。
変換された電気信号は、再びスリップリング107を介して受信信号処理部109に伝達されて信号処理され、最終的に超音波断層像として表示部110に表示される。
【0006】
ここで、モータ104は、磁気ロータリーエンコーダ105の出力信号を用いて速度制御が行われるようになっている。この磁気ロータリーエンコーダ105からの出力信号(A相、Z相)のA相は、F/V( Frequency / Voltage )コンバータ111にて電圧信号に変換されて、モータドライバ112を介してモータ104にフィードバックされる。
【0007】
A相信号は、回転位置検出パルス信号発生部113にてパルス信号に整形されて、回転に追従したP信号として制御部106へ入力される。そして、制御部106は、P信号に基づき、送信タイミングや受信信号処理部の制御を行う。一方、Z相信号は、振動子回転の原点を示す信号であり、波形整形後(Z’)に制御部106に送信される。
【0008】
図9は、図8の磁気ロータリーエンコーダ信号(A相)と波形整形後のパルス信号Pとのタイミングチャートである。タイミング信号は、信号Pの立上がり、立下がりに同期して生成されている。
【0009】
図10は、図8の回転位置検出パルス信号発生部113の一例を示す回路ブロック図である。
磁気ロータリーエンコーダ105からの出力信号であるA相信号は、回転位置検出パルス信号発生部113のOPアンプ121で増幅された後、コンパレータ122で所定のバイアス電位Vbと比較することによりパルス信号Pが生成されるようになっている。
そして、制御部106は、P信号の立上がり及び立下がりに同期したタイミング信号にて超音波を送信するように送信部108から駆動信号を送信し、超音波振動子102を駆動するようになっている。
【0010】
このように従来の超音波診断装置100は、P信号の立上がり、立下がりタイミングで送信を行っていた。このため、従来の超音波診断装置100は、振動子1回転あたりの送信回数がこの範囲で決まってしまい、これ以上増やすには十分な分解能を有するロータリーエンコーダを採用する必要があった。
そこで、従来の超音波診断装置は、A相と90°位相がずれたB相を設けて最終的にこれらの出力を合成することで分解能を上げる方法もある。
【0011】
図11は、図10の回転位置検出パルス信号発生部の他の一例を示す回路ブロック図である。
図11に示すように回転位置検出パルス信号発生部113bは、磁気ロータリーエンコーダ105からの出力信号(A相、B相)をそれぞれ増幅するOPアンプ131a,131bと、これらOPアンプ131a,131bとDC直結し、該OPアンプ131a,131bからの出力信号を所定のバイアス電位Vbとそれぞれ比較するコンパレータ132a,132bと、これらコンパレータ132a,132bからの出力信号を逓倍化するためのゲート回路133とから構成されている。
【0012】
この回転位置検出パルス信号発生部113bによるタイミングチャートを図12に示す。図12(a)に示す波形は、コンパレータ入力前のA相信号及びB相信号である。図12(b)はコンパレータ132aの出力信号であり、図12(c)はコンパレータ132bの出力信号である。また、図12(d)は、ゲート回路133の出力信号である。更に、図12(e)は、ゲート回路133の出力信号に同期して生成されたタイミング信号である。
そして、制御部106は、図12(e)に示すタイミング信号にて超音波を送信するように送信部108から駆動パルスを送信し、超音波振動子102を駆動するようになっている。
【0013】
しかしながら、上記超音波診断装置100は、上記回転位置検出パルス信号発生部113bを用いても、単純にA相信号、B相信号の立上がり、立下がりを合成した2逓倍のパルス信号に基づいているので、磁気ロータリーエンコーダ105の分解能が2倍になる程度である。
【0014】
また、上記従来の超音波診断装置100は、微弱なエンコーダ出力信号(A相)を高ゲインで増幅するためにOPアンプのバイアスを厳密に調整する必要があった。
例えば、図10の回転位置検出パルス信号発生部113を例に上げると、OPアンプ121の出力バイアスをVbに正確に一致させるためにボリュームVRの調整に気を使う必要がある。また、OPアンプ121は、自身の出力バイアスの温度ドリフトも小さいものを選ぶ必要がある。
【0015】
また、図11の回転位置検出パルス信号発生部113bでも同様に、ボリュームVR1、VR2を調整する必要があり、調整工数の増大、及び調整後の安定度がデバイス次第となる問題があった。
また、モータ104の回転速度精度を上げるためには、回転速度を表すフィードバック信号が完全にモータ回転に追従しており、しかもその周期はより短いことが望ましい。
【0016】
上記従来の超音波診断装置100は、磁気ロータリーエンコーダ105のA相信号出力をフィードバックさせている。しかしながら、上記従来の超音波診断装置100において、サイズの制約等により磁気ロータリーエンコーダ105の分解能を高くできない場合は、フィードバック信号の周期を十分に短くできず、回転速度精度を上げることが困難になる。
【0017】
一方、これに対して、従来の超音波診断装置は、例えば、特公平7−10256号公報や特開平11−178822号公報に記載されているように補間により、エンコーダの分解能を高くしたようなエンコーダ出力信号をフィードバックしたものが提案されている。
上記特公平7−10256号公報に記載の超音波診断装置は、モータ回転の一周期内でエンコーダ出力信号を増加させてフィードバックしている。一方、上記特開平11−178822号公報に記載の超音波診断装置は、エンコーダ出力信号を逓倍してフィードバックしている。
【0018】
【特許文献1】
特公平7−10256号公報
【0019】
【特許文献2】
特開平11−178822号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特公平7−10256号公報や特開平11−178822号公報に記載の超音波診断装置は、補間により見かけ上エンコーダの分解能を高くしたようなエンコーダ出力信号をフィードバックしている。このため、上記超音波診断装置は、エンコーダ出力信号自体が厳密に回転に追従しているわけではない。このため、上記超音波診断装置は、モータの回転速度精度を上げることが原理上不可能である。
【0021】
従って、従来の超音波診断装置は、モータの回転速度の細かい揺らぎが存在する場合、エンコーダ出力信号を送信タイミングとして画像を構築しても良好な画像は得られないばかりか、回路規模が増大するデメリットが大きい。
【0022】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、モータの回転速度が多少揺らいでも、常に良好な画像が得られる超音波診断装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の超音波診断装置は、超音波振動子を回動自在に回転させる回転駆動手段と、前記超音波振動子の回転に同期した互いに位相の異なる複数の出力信号を発生するロータリーエンコーダと、前記ロータリーエンコーダからの複数の出力信号と、これら複数の出力信号の反転信号とに基づき、所定の回転位置信号を生成する回転位置信号発生手段と、前記回転位置信号発生手段で生成した回転位置信号に基づき、前記超音波振動子を駆動するための駆動パルスを生成する駆動パルス発生手段と、を具備したことを特徴としている。
また、本発明の請求項2は、請求項1に記載の超音波診断装置において、
前記回転位置信号発生手段は、前記ロータリーエンコーダの出力信号同士、及び該出力信号と所定のバイアス電位とを比較する複数の比較回路と、これら複数の比較回路からの出力を合成する合成手段と、を有し、前記複数の比較回路は、ACカップリング手段を介して所定のバイアス電位でバイアスしていることを特徴としている。
また、本発明の請求項3は、請求項1又は2に記載の超音波診断装置において、
前記回転駆動手段は、前記回転位置信号発生手段で生成した前記所定の回転位置信号を用いて前記超音波振動子の回転速度制御を行うことを特徴としている。
この構成により、モータの回転速度が多少揺らいでも、常に良好な画像が得られる超音波診断装置を実現する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1ないし図4は、本発明の第1の実施の形態に係り、図1は第1の実施の形態の超音波診断装置の構成を示す回路ブロック図、図2は図1の回転位置検出パルス信号発生部を示す回路ブロック図、図3は図2の回転位置検出パルス信号発生部によるタイミングチャートを示し、図3(a)はコンパレータ入力前のA相信号と反転A相信号とB相信号を示すグラフ、図3(b)は2段目のコンパレータの出力信号を示すグラフ、図3(c)は4段目のコンパレータの出力信号を示すグラフ、図3(d)は1段目のコンパレータの出力信号を示すグラフ、図3(e)は3段目のコンパレータの出力信号を示すグラフ、図3(f)は1段目のゲート回路の出力信号を示すグラフ、図3(g)は2段目のゲート回路の出力信号を示すグラフ、図3(h)は出力側のゲート回路の出力信号を示すグラフ、図3(i)はタイミング信号を示すグラフ、図4は図1の超音波診断装置の変形例を示す回路ブロック図である。
【0025】
図1に示すように本発明の第1の実施の形態の超音波診断装置1は、フレキシブルシャフト2の先端側に設けた超音波振動子3を機械的に回動自在に回転走査するように構成されている。即ち、本形態の超音波診断装置1は、メカニカルスキャン方式(機械走査式)である。
尚、図示しないが、超音波振動子3は、その周囲を流動パラフィン等の超音波伝達媒体で覆われてプローブ又は超音波内視鏡の先端側に内蔵されて構成される。
【0026】
超音波振動子3は、スリップリング4を介してモータ5(回転駆動手段)及び磁気ロータリーエンコーダ6と機械的に連結され、モータ5からの駆動力によりフレキシブルシャフト2が回動自在に回転されることで、回転走査されるようになっている。本実施の形態では、モータ5は、小型ブラシレス3相モータを用いている。
【0027】
超音波振動子3は、制御部7からの駆動信号がスリップリング4を介して送信部8により伝達されて励振され、回動自在に回転しながら検査対象物に対して超音波ビームを放射し、反射して戻ってきた超音波エコー信号を受けて電気信号に変換する。変換された電気信号は、再びスリップリング4を介して受信信号処理部9に伝達されて信号処理され、最終的に超音波断層像として表示部10に表示されるようになっている。
【0028】
一般に、モータ5は、FGパルス信号又はロータリーエンコーダ6の出力信号を用いて速度制御が行われるようになっている。
本実施の形態では、FGパルス信号をF/Vコンバータ11にて回転速度に応じた電圧に変換し、モータドライバ12を介してモータ5へフィードバックするように構成されている。尚、FGパルス信号は、回転中のモータ巻き線に発生する起電圧を検出してデューティー比50%のパルス信号として出力されるものであり、一般的な3相モータ用ドライバICの有する機能の1つである。
【0029】
また、磁気ロータリーエンコーダ6は、回転位置信号発生手段として超音波振動子3の回転に同期した回転位置信号である所定の出力信号を生成する回転位置検出パルス信号発生部13に電気的に接続されている。
この磁気ロータリーエンコーダ6は、超音波振動子3の回転に同期した所定の出力信号として互いに90°位相の異なるA相、B相信号のアナログ信号を発生するものである。また、磁気ロータリーエンコーダ6は、振動子回転の原点を示す信号としてZ相信号を、波形整形後に制御部7に送信するようになっている。
【0030】
このことにより、回転位置検出パルス信号発生部13は、例えば、A相、B相信号それぞれのゼロクロスするタイミング及び、A相、B相信号及びいずれか一方又は両方の反転信号同士がクロスするタイミングを検出することで、回転角度に対応したタイミング信号を生成することができる。従って、回転位置検出パルス信号発生部13は、結果的に回転位置信号として少なくとも単純なA相、B相信号の立上がり、立下がりを合成したパルス信号よりも短い周期で生成できるように構成されている。
【0031】
本実施の形態では、制御部7は、後述するように駆動パルス発生手段として回転位置検出パルス信号発生部13で生成した回転位置信号に基づき、超音波振動子3に対して駆動信号である駆動パルスを生成するように構成されている。
【0032】
次に、図2を参照して本実施の形態の回転位置検出パルス信号発生部13の回路構成を説明する。
図2に示すように回転位置検出パルス信号発生部13は、磁気ロータリーエンコーダ6からの出力信号(A相、B相)をそれぞれ増幅するOPアンプ21a〜21cと、これらOPアンプ21a〜21cからの出力信号をそれぞれACカップリングするコンデンサ22と、これらコンデンサ22でACカップリングされた出力信号をそれぞれ、又は、所定のバイアス電位Vbと比較するコンパレータ23a〜23dと、これらコンパレータ23a〜23dからの出力信号を逓倍化するためのゲート回路24a〜24cとから構成されている。
更に、具体的に説明すると、OPアンプ21aは、A相信号をボリュームVR1で反転増幅する。また、OPアンプ21bは、A相信号をボリュームVR2で増幅する。OPアンプ21cは、B相信号をボリュームVR3で増幅するようになっている。
【0033】
また、コンパレータ23aは、反転A相信号をバイアス電位Vbと比較し2値化信号を生成する。コンパレータ23bは、A相信号をバイアス電位Vbと比較し2値化信号を生成する。コンパレータ23cは、A相信号をB相信号と比較し2値化信号を生成する。コンパレータ23dは、B相信号をバイアス電位Vbと比較し2値化信号を生成するようになっている。
【0034】
また、ゲート回路24aは、コンパレータ23aの出力信号とコンパレータ23dの出力信号とから逓倍信号を生成する。ゲート回路24bは、コンパレータ23bの出力信号とコンパレータ23cの出力信号とから逓倍信号を生成する。そして、ゲート回路24cは、ゲート回路24aからの逓倍信号とゲート回路24bからの逓倍信号とから4逓倍信号を生成するようになっている。
【0035】
また、本実施の形態では、コンパレータ23a〜23dにて比較する前に、OPアンプ21a〜21cからの全ての信号をACカップリングし、改めて所定のバイアス電位Vbを印加することで、回転位置検出パルス信号発生部13の調整難易度を抑えて大幅に回路調整の難易度を低減し、しかも調整後の安定度の高いものとしている。
【0036】
次に、回転位置検出パルス信号発生部13によるタイミングチャートを図3に示す。
図3(a)に示す波形は、コンパレータ入力前のA相信号と反転A相信号とB相信号である。これら波形の振幅の中心は、A相、B相、反転A相信号共に、バイアス電位Vbとなっている。
【0037】
図3(b),(c),(d),(e)は、コンパレータ出力信号である。
ここで、図3(b)はコンパレータ23bの出力信号であり、図3(c)はコンパレータ23dの出力信号であり、図3(d)はコンパレータ23aの出力信号であり、図3(e)はコンパレータ23cの出力信号である。
【0038】
図3(f),(g),(h)は、ゲート回路24の出力信号である。ここで、図3(f)はゲート回路24aの出力信号であり、図3(g)はゲート回路24bの出力信号であり、図3(h)はゲート回路24cの出力信号である。
【0039】
即ち、磁気ロータリーエンコーダ6からの出力信号(A相、B相)は、回転位置検出パルス信号発生部13にて図3(h)に示すような4逓倍のパルス信号に変換されるようになっている。
つまり、この図3(h)に示すパルス信号は、少なくともA相周期より1/4に短くでき、しかもその立上がり、立下がり共に回転角度に対応して生成するため、モータ回転に追従したものになっている。
【0040】
更に、図3(i)は、ゲート回路24cの出力信号に同期して生成されたタイミング信号である。
そして、制御部7は、駆動パルス発生手段として図3(i)に示すタイミング信号にて超音波を送信するように送信部8から駆動パルスを送信し、超音波振動子3を駆動するようになっている。
【0041】
この結果、本第1の実施の形態の超音波診断装置1は、単純なパルス信号ではない磁気ロータリーエンコーダ6の出力信号(アナログ信号)の位相情報を用いて回転位置信号の数を増やすことが可能となる。この回転位置信号は、正確に回転角度に対応して生成されるため、これに従って駆動パルスを生成することで、モータ5の回転速度が多少揺らいでもその影響は画像に現れず、常に良好な画像が得られる。
【0042】
尚、従来の超音波診断装置は、図11で説明したようにOPアンプとコンパレータとがDC直結しているので、OPアンプの出力信号のバイアスレベルがボリュームVR1、VR2によりそれぞれバイアス電位Vbに高い精度で一致させる必要がある上、温度ドリフト等の少ない高精度なOPアンプが必要になる。
【0043】
しかしながら、本実施の形態の超音波診断装置1は、ボリュームVR1、VR2、VR3が高ゲインに設定してあるOPアンプ21の出力信号を歪まない程度のバイアスレベルにさえ調整すれば良く、OPアンプ21の出力バイアスの温度ドリフト等の影響も受けない。
【0044】
尚、小型の3相モータ5は、内部の極数が制限されるため、振動子一回転あたりのFGパルス信号のパルス数が少ない。従って、このようなFGパルスを使ってモータ回転を制御しても、間隔が荒いために回転速度を高い精度で安定させるのは困難である。
【0045】
そこで、超音波診断装置は、図4に示すように構成しても良い。
図4は、超音波診断装置の変形例を示す回路ブロック図である。
図4に示すように超音波診断装置1Bは、回転位置検出パルス信号発生部13の出力をF/Vコンバータ11bにフィードバックしてモータ回転速度の制御を行うように構成されている。
【0046】
上述したように回転位置検出パルス信号発生部13で生成した出力信号(回転位置信号)は、モータ回転に追従したものである。従って、超音波診断装置1Bは、この出力信号(回転位置信号)をF/Vコンバータ11にフィードバックすることで、より回転精度を上げることができる。
【0047】
これにより、超音波診断装置1Bは、FGパルス信号よりもはるかに単位時間あたりのパルス数が多い回転位置検出パルス信号発生部13の出力をフィードバックすることで、より細かい間隔で速度制御を行える。従って、本変形例の超音波診断装置1Bは、上記第1の実施の形態よりも更にモータ回転速度を安定させることが可能となる。
【0048】
(第2の実施の形態)
図5ないし図7は、本発明の第2の実施の形態に係り、図5は第2の実施の形態の超音波診断装置の回転位置検出パルス信号発生部を示す回路ブロック図、図6は図5の回転位置検出パルス信号発生部によるタイミングチャートを示し、図6(a)は磁気ロータリーエンコーダから入力されるZ相信号を示すグラフ、図6(b)は高ゲインOPアンプによりDCバイアス電圧のみをキャンセルした際のZ相信号を示すグラフ、図6(c)はコンデンサによるACカップリングで所定のバイアス電圧を重畳されたZ相信号を示すグラフ、図6(d)は電圧Vdと比較してパルス波形に整形されたZ相信号を示すグラフ、図7は図5の回転位置検出パルス信号発生部で用いられるコンパレータ回路の実際の回路例である。
【0049】
上記第1の実施の形態は、磁気ロータリーエンコーダ6のA相、B相信号及びいずれか一方又は両方の反転信号同士がクロスするタイミングを検出することで、回転角度に対応したタイミング信号を生成するように構成しているが、本第2の実施の形態は、磁気ロータリーエンコーダ6のZ相信号を用いて回転角度に対応したタイミング信号を生成するように構成している。それ以外の構成は、上記第1の実施の形態と同様なので説明を省略し、同じ構成には同じ符号を付して説明する。
【0050】
本第2の実施の形態の超音波診断装置は、図5に示す回転位置検出パルス信号発生部13Bを有して構成される。
図5に示すように回転位置検出パルス信号発生部13Bは、微弱な磁気ロータリーエンコーダ6の出力信号を所定の大きさの安定した信号に変えるための高ゲインOPアンプ51と、波形整形してパルス信号として出力するためのコンパレータ52とを有して構成される。
【0051】
先ず、Z相について簡単に説明する。
図1に示すメカニカルスキャン方式の超音波診断装置1の場合、磁気ロータリーエンコーダ6の出力信号にはZ相信号を含むのが一般的である。
【0052】
A相、B相が送受信のタイミング信号として超音波振動子3の1回転中に所定数のパルス数を有するのに対して、Z相は超音波振動子3の1回転の起点を示すものであり、超音波振動子31の回転中に1パルスだけ発生するものである。
【0053】
一般的な磁気ロータリーエンコーダ6の出力信号は、非常に微弱である。
このため、高ゲインOPアンプ51は、差動アンプ構成をとることにより、入力信号として図6(a)に示すように微弱なZ相信号のDCバイアス電圧のみをキャンセルするようにしている。
【0054】
このCDバイアス電圧を一旦除去する理由は、高ゲインOPアンプ51のゲインが高く、所定のDCバイアス成分が入力されると出力信号が飽和するためであり、別の方法でキャンセルすれば出力信号のDCバイアスを調整する回路を追加する必要があって回路規模を大きくしてしまうためである。
【0055】
結果的に、図6(b)に示すようにバイアス電圧が0Vとなり、しかも単電源(例えば、+5V)で構成しているため、正振幅のみが出力される。
次に、図6(b)に示す増幅されたZ相信号は、コンデンサ53によるACカップリングを介してコンパレータ52に入力される。
【0056】
ここで、Z相信号は、ACカップリングを通って図6(c)に示すように所定のバイアス電圧Vfを重畳される。
更に、適当なノイズマージンを持たせるための電圧Vdを加算した電位(Vf+Vd)と、Z相信号とを比較することで、図6(d)に示すようにパルス波形に整形された出力信号となる。
【0057】
尚、図7は、図5に示す回転位置検出パルス信号発生部で用いられるコンパレータ回路の実際の回路例である。この図7に示すコンパレータ回路52Bは、コンパレータ機能にヒステリシス特性を持たせた構成にしてノイズ耐性を向上させている。
【0058】
この結果、本第2の実施の形態の超音波診断装置は、単電源で、しかも比較的簡単な構成でありながら、磁気エンコーダ信号のDCバイアスのバラツキを吸収する調整の必要もなく、安定したパルス出力信号を得ることができる。
【0059】
尚、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
【0060】
[付記]
(付記項1) 超音波振動子を回動自在に回転させる回転駆動手段と、
前記超音波振動子の回転に同期した互いに位相の異なる複数の出力信号を発生するロータリーエンコーダと、
前記ロータリーエンコーダからの複数の出力信号と、これら複数の出力信号の反転信号とに基づき、所定の回転位置信号を生成する回転位置信号発生手段と、
前記回転位置信号発生手段で生成した回転位置信号に基づき、前記超音波振動子を駆動するための駆動パルスを生成する駆動パルス発生手段と、
を具備したことを特徴とする超音波診断装置。
【0061】
(付記項2) 前記回転位置信号発生手段は、前記ロータリーエンコーダの出力信号同士、及び該出力信号と所定のバイアス電位とを比較する複数の比較回路と、これら複数の比較回路からの出力を合成する合成手段と、を有し、
前記複数の比較回路は、ACカップリング手段を介して所定のバイアス電位でバイアスしていることを特徴とする付記項1に記載の超音波診断装置。
【0062】
(付記項3) 前記回転駆動手段は、前記回転位置信号発生手段で生成した前記所定の回転位置信号を用いて前記超音波振動子の回転速度制御を行うことを特徴とする付記項1又は2に記載の超音波診断装置。
【0063】
(付記項4) 超音波振動子を回動自在に回転させる回転駆動手段と、
前記超音波振動子の回転に同期した互いに90°位相の異なるA相信号及びB相信号を発生するロータリーエンコーダと、
前記ロータリーエンコーダからの前記A相信号及び前記B相信号と、これらA相信号及びB相信号の反転信号とに基づき、所定の回転位置信号を生成する回転位置信号発生手段と、
前記回転位置信号発生手段で生成した回転位置信号に基づき、前記超音波振動子を駆動するための駆動パルスを生成する駆動パルス発生手段と、
を具備したことを特徴とする超音波診断装置。
【0064】
(付記項5) 超音波振動子を回動自在に回転させる回転駆動手段と、
前記超音波振動子の回転に同期したZ相信号を発生するロータリーエンコーダと、
前記ロータリーエンコーダからの前記Z相信号に基づき、所定の回転位置信号を生成する回転位置信号発生手段と、
前記回転位置信号発生手段で生成した回転位置信号に基づき、前記超音波振動子を駆動するための駆動パルスを生成する駆動パルス発生手段と、
を具備したことを特徴とする超音波診断装置。
【0065】
(付記項6) 超音波振動子を機械的に回転させる回転駆動手段と、
前記超音波振動子の回転に同期した出力信号を発生するロータリーエンコーダと、
前記ロータリーエンコーダの出力信号を基に前記回転を追従した所定の回転位置信号を発生する回転位置信号発生手段と、
前記回転位置信号発生手段の発生する回転位置に基づいて、前記超音波振動子を駆動して超音波を発生させるための超音波振動子駆動パルスを発生する超音波振動子駆動パルス発生手段と、
を具備したことを特徴とする超音波診断装置。
【0066】
(付記項7) 前記ロータリーエンコーダは、出力信号として互いに90°位相の異なるA相及びB相信号を発生し、
前記回転位置信号発生手段は、前記A相およびB相信号とそれらの反転信号を基に所定の回転位置信号を発生する
ことを特徴とする付記項1に記載の超音波診断装置。
【0067】
(付記項8) 前記ロータリーエンコーダは、出力信号としてZ相信号を発生し、
前記回転位置信号発生手段は、前記Z相信号を基に所定の回転位置信号を発生する
ことを特徴とする付記項1に記載の超音波診断装置。
【0068】
(付記項9) 前記回転位置信号発生手段は、
前記ロータリーエンコーダの出力信号同士、及び該出力信号と所定のバイアス電位とを比較する複数の比較回路と、
前記複数の比較回路の出力を合成する合成手段と、
を有し、
前記複数の比較回路の入力部は、ACカップリング手段を介して所定のバイアス電位でバイアスされていることを特徴とする付記項7又は8に記載の超音波診断装置。
【0069】
(付記項10) 前記回転駆動手段は、前記所定の回転位置信号を用いて前記超音波振動子の回転速度制御を行うことを特徴とする付記項5〜付記項9のいずれかに記載の超音波診断装置。
【0070】
(付記項11) 超音波振動子を回動自在に回転させる超音波振動子回転制御手段と、
前記超音波振動子の回転に同期した出力信号を発生する磁気ロータリーエンコーダと、
前記磁気ロータリーエンコーダの出力信号に基づき、前記超音波振動子の回転に追従した所定の回転位置パルス信号を発生する回転位置パルス信号発生手段と、
前記回転位置パルス信号発生手段からの回転位置パルス信号に基づき、前記超音波振動子に対して駆動パルスを発生させるための駆動パルス発生手段と、
を具備したことを特徴とする超音波診断装置。
【0071】
(付記項12) 前記磁気ロータリーエンコーダは、出力信号として互いに90°位相の異なるA相信号及びB相信号を発生し、
前記回転位置パルス信号発生手段は、前記A相信号及び前記B相信号と、これらA相信号及びB相信号の反転信号とに基づき、所定の回転位置パルス信号を発生する
ことを特徴とする付記項11に記載の超音波診断装置。
【0072】
(付記項13) 前記磁気ロータリーエンコーダは、出力信号としてZ相信号を発生し、
前記回転位置パルス信号発生手段は、前記Z相信号に基づき、所定の回転位置パルス信号を発生する
ことを特徴とする付記項11に記載の超音波診断装置。
【0073】
(付記項14) 前記回転位置パルス信号発生手段は、前記磁気ロータリーエンコーダの出力信号同士、及び該出力信号と所定のバイアス電位とを比較する複数の比較回路と、
前記複数の比較回路からの出力を合成する合成手段と、
を有し、
前記比較回路に入力する全ての信号に対して、ACカップリングを介して前記所定のバイアス電位でバイアスしていることを特徴とする付記項12に記載の超音波診断装置。
【0074】
(付記項15) 前記駆動パルス発生手段は、前記回転位置パルス信号発生手段で発生した前記所定の回転位置信号を用いて前記超音波振動子の回転速度制御を行うことを特徴とする付記項11〜付記項14のいずれかに記載の超音波診断装置。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、モータの回転速度が多少揺らいでも、常に良好な画像が得られる超音波診断装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の超音波診断装置の構成を示す回路ブロック図
【図2】図1の回転位置検出パルス信号発生部を示す回路ブロック図
【図3】図2の回転位置検出パルス信号発生部によるタイミングチャート
【図4】図1の超音波診断装置の変形例を示す回路ブロック図
【図5】第2の実施の形態の超音波診断装置の回転位置検出パルス信号発生部を示す回路ブロック図
【図6】図5の回転位置検出パルス信号発生部によるタイミングチャート
【図7】図5の回転位置検出パルス信号発生部で用いられるコンパレータ回路の実際の回路例
【図8】従来の超音波診断装置の構成を示す回路ブロック図
【図9】図8の磁気ロータリーエンコーダ信号(A相)と波形整形後のパルス信号Pとのタイミングチャート
【図10】図8の回転位置検出パルス信号発生部の一例
【図11】図10の回転位置検出パルス信号発生部の他の一例を示す回路ブロック図
【図12】図11の回転位置検出パルス信号発生部によるタイミングチャート
【符号の説明】
1…超音波診断装置
2…フレキシブルシャフト
3…超音波振動子
4…スリップリング
5…モータ(小型ブラシレス3相モータ)
6…磁気ロータリーエンコーダ
7…制御部
8…送信部
9…受信信号処理部
10…表示部
11…F/Vコンバータ
12…モータドライバ
13…回転位置検出パルス信号発生部
21a〜21c…OPアンプ
22…コンデンサ
23a〜23d…コンパレータ
24a〜24c…ゲート回路
Claims (3)
- 超音波振動子を回動自在に回転させる回転駆動手段と、
前記超音波振動子の回転に同期した互いに位相の異なる複数の出力信号を発生するロータリーエンコーダと、
前記ロータリーエンコーダからの複数の出力信号と、これら複数の出力信号の反転信号とに基づき、所定の回転位置信号を生成する回転位置信号発生手段と、
前記回転位置信号発生手段で生成した回転位置信号に基づき、前記超音波振動子を駆動するための駆動パルスを生成する駆動パルス発生手段と、
を具備したことを特徴とする超音波診断装置。 - 前記回転位置信号発生手段は、前記ロータリーエンコーダの出力信号同士、及び該出力信号と所定のバイアス電位とを比較する複数の比較回路と、これら複数の比較回路からの出力を合成する合成手段と、を有し、
前記複数の比較回路は、ACカップリング手段を介して所定のバイアス電位でバイアスしていることを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。 - 前記回転駆動手段は、前記回転位置信号発生手段で生成した前記所定の回転位置信号を用いて前記超音波振動子の回転速度制御を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波診断装置。
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JP2003165648A JP2004188171A (ja) | 2002-10-15 | 2003-06-10 | 超音波診断装置 |
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JP2003165648A Pending JP2004188171A (ja) | 2002-10-15 | 2003-06-10 | 超音波診断装置 |
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JP (1) | JP2004188171A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN105011906A (zh) * | 2015-06-11 | 2015-11-04 | 北京大学 | 一种结合滑环的光声计算层析成像系统及其成像方法 |
CN117949516A (zh) * | 2024-03-22 | 2024-04-30 | 山西天和盛环境检测股份有限公司 | 一种水体检测装置 |
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2003
- 2003-06-10 JP JP2003165648A patent/JP2004188171A/ja active Pending
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