JP2004187934A - 遊技システム - Google Patents
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Abstract
【課題】予め会員として登録された遊技者が、会員としての特典を快適に利用できる遊技システムを提供すること。
【解決手段】情報送信処理では、ハンドルフラグとハンドルスイッチとがオンであれば(S2:Yes)、指紋情報を読取って送信バッファに書込む(S4)。そして、送信バッファの指紋情報に台番号を付加して、会員管理コンピュータに送信する(S5)。これにより会員管理コンピュータから提供データが送信される。会員管理コンピュータからの提供データを受信すると、その提供データは、会員管理コンピュータ基板から表示用制御基板に送信される。また、S7の処理で確認した結果、ハンドルスイッチがオフであれば(S7:No)、特別データ非表示コマンドを表示用制御基板Dに送信する(S9)。よって、表示用制御基板では、LCDに表示される特別データの表示が直ちに終了される。
【選択図】 図7
【解決手段】情報送信処理では、ハンドルフラグとハンドルスイッチとがオンであれば(S2:Yes)、指紋情報を読取って送信バッファに書込む(S4)。そして、送信バッファの指紋情報に台番号を付加して、会員管理コンピュータに送信する(S5)。これにより会員管理コンピュータから提供データが送信される。会員管理コンピュータからの提供データを受信すると、その提供データは、会員管理コンピュータ基板から表示用制御基板に送信される。また、S7の処理で確認した結果、ハンドルスイッチがオフであれば(S7:No)、特別データ非表示コマンドを表示用制御基板Dに送信する(S9)。よって、表示用制御基板では、LCDに表示される特別データの表示が直ちに終了される。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機を備えた遊技システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】パチンコやスロット等に代表される遊技機は、手軽に楽しむことができるので広く親しまれ、多くの遊技者に愛好されている。この遊技機を備える多くの遊技場では、集客を目的として、予め登録された遊技者を会員とし、かかる会員には様々な特典を用意している。この会員登録は、遊技者が任意に行うものであり、会員であることを示す会員カードなどが発行される。遊技者は、会員になると、店内においてこの会員カードを提示することにより、様々なサービスを利用できるようになっている。
【0003】
遊技場側は、かかるサービスとして、会員である遊技者が、景品に未交換のメダルや球などを、遊技場側で預かる貯球サービスを実行している。また、店内に置かれた情報提供装置に、遊技者が会員カードを挿入すると、遊技者にとって有利な情報、例えば、過去の遊技機の遊技状態を表す詳細なデータなどをその装置画面に表示する情報提供サービスを実行している。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−053618号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、遊技者は、かかるサービスを利用しようとすれば、会員カードを携帯しなくてはならず、会員カードを忘れた場合や、紛失した場合には、会員であっても遊技場側が提供する各種のサービスを受けることができないという問題点があった。
【0006】
また、遊技者は、遊技の実行中に、遊技場から提供される(遊技者にとって有利な)情報を閲覧することができず、必要な情報を入手するためには、遊技を中断して、わざわざ情報提供装置まで赴かねばならず、その利用が面倒であるという問題点があった。
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、予め会員として登録された遊技者が、会員としての特典を快適に利用できる遊技システムを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために、請求項1記載の遊技システムは、遊技者の生体情報を取得する生体情報取得手段と、その生体情報取得手段により取得された生体情報を出力する生体情報出力手段とを備えた遊技機と、その遊技機を使用する遊技者に提供される提供情報を記憶する提供情報記憶手段と、前記遊技機の生体情報出力手段より出力される生体情報に基づいて、遊技者が予め登録された会員であるか否かを判別する判別手段と、その判別手段により前記遊技者が会員であると判別されると、前記提供情報記憶手段に記憶される提供情報の内、会員に提供される提供情報を前記遊技機に出力する提供情報出力手段と、前記判別手段により前記遊技者が会員でないと判別されると、前記提供情報出力手段により出力されて会員に提供される提供情報が、遊技者に認識されることを阻害する情報阻害手段とを備えている。
【0009】
この請求項1記載の遊技システムによれば、遊技者の生体情報は、遊技機に備えられた生体情報取得手段により取得され、その生体情報取得手段により取得された生体情報は、生体情報出力手段により出力される。生体情報が生体情報出力手段より出力されと、その出力された生体情報に基づいて、遊技者が予め登録された会員であるか否かが判別手段により判別される。ここで、判別手段により該遊技者が会員であると判別されると、提供情報記憶手段に記憶される提供情報の内、会員に提供される提供情報が、提供情報出力手段により遊技機に出力される。判別手段により前記遊技者が会員でないと判別されると、(提供情報出力手段により遊技機に出力される提供情報であって)会員に提供される提供情報が遊技者に認識されることが、情報阻害手段により阻害される。
【0010】
【発明の効果】本発明の遊技システムによれば、遊技者の生体情報は、遊技機に備えられた生体情報取得手段により取得され、その生体情報取得手段により取得された生体情報は、生体情報出力手段により出力される。生体情報が生体情報出力手段より出力されと、その出力された生体情報に基づいて、遊技者が予め登録された会員であるか否かが判別手段により判別される。ここで、判別手段により該遊技者が会員であると判別されると、提供情報記憶手段に記憶される提供情報の内、会員に提供される提供情報が、提供情報出力手段により遊技機に出力される。判別手段により前記遊技者が会員でないと判別されると、(提供情報出力手段により遊技機に出力される提供情報であって)会員に提供される提供情報が遊技者に認識されることが、情報阻害手段により阻害される。
【0011】
よって、遊技者は、会員である場合に、それを証明するための手段(会員カードや暗唱番号など)を使用せずとも、会員に提供される提供情報を入手することができるという効果がある。これによれば、遊技者が、会員を証明するための手段を忘れたり、紛失したりすることがないので、会員を証明するための手段の管理に、遊技者は、煩わされることがない。
【0012】
更に、従来行われているような、会員カードによって会員であることを証明するシステムのように、会員カードの貸借や紛失カードの悪用により、非会員の遊技者にも会員の特典が供与されてしまうということがなく、遊技場側の不利益を回避できるという効果がある。加えて、会員カードを発行する毎に必要となる費用の発生がない。また、提供情報は、遊技機に出力されるので、遊技者に、遊技を行う状態で、提供情報を効率的かつ円滑に確認させることができるという効果がある。加えて、会員である遊技者に秘密性の高い情報を提供でき、また、非会員である遊技者と会員である遊技者とに明確な優位差を付与することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機や他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
【0014】
図1は、遊技者の生体情報により遊技者を判別し、その判別された遊技者に応じた処理を実行する(サービスを提供する)本実施例の遊技システム100を概略的に示した外観図である。この遊技システム100は、ローカルエリアネットワークのシステムを用いて形成されており、サーバとなる会員管理コンピュータ60およびホールコンピュータ75と、クライアントとなる複数のパチンコ機1、複数の貯球払出サンド装置50、登録装置70、自動販売機80、貯球処理装置85などの遊技場内において遊技者に利用される各種の装置が、ケーブル40を介してネットワーク接続されたものである。このケーブル40の終端には、信号が終端から戻るのを回避するための終端抵抗Tが配設されている。
【0015】
複数のパチンコ機1は、それぞれに接続されるケーブル40aを介して集線装置であるハブ55に接続されており、このハブ55を経由してケーブル40に接続されている。各パチンコ機1のそれぞれに併設された各貯球払出サンド装置50もまた、それぞれに接続されるケーブルを介してハブ55に接続されており、このハブ55を経由してケーブル40に接続されている(図3参照)。尚、図示を簡単にするため、図1においては、貯球払出サンド装置50とハブ55との接続状態の図示を省略している。
【0016】
遊技システム100に備えられた会員管理コンピュータ60と各装置(パチンコ機1、貯球払出サンド装置50、登録装置70、自動販売機80、貯球処理装置85)とは、双方向の情報通信が実行されるようになっている。この遊技システム100に備えられた各装置について説明する。
【0017】
パチンコ機1は、弾球遊技機である。このパチンコ機1の前面には前面枠2が配設されており、その略中央部分には略矩形状の開口2aが穿設され、かかる開口2aの内周には金枠が周設されている。この金枠の内側の上方には、遊技盤5を保護する2枚のガラス板を装着可能なガラス扉枠4が配設されており、ガラス扉枠4の後方に遊技盤5が配置されている。
【0018】
遊技盤5の前面には略円弧状の外レールが植立され、その外レールの内側位置には円弧状の内レールが植立されている。この内レールと外レールとにより囲まれた遊技盤5の前面には、球が打ち込まれる遊技領域8が形成されており、その遊技領域8内には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の普通入賞口(図示を省略)が配設されている。遊技領域8の略中央部分には、複数種類の識別情報としての図柄などを変動表示する液晶ディスプレイ(LCD)10が配設されている。
【0019】
本実施例の遊技システム100においては、遊技者に提供するべく会員管理コンピュータ60から送信される情報(提供データ)は、このパチンコ機1のLCD10に表示されるようになっている。故に、遊技者は、遊技を実行しながら、様々な情報を入手することができる。
【0020】
LCD10の下方には、図柄作動口(第1種始動口)が設けられており(図示を省略)、球がこの図柄作動口を通過すると、第1種始動口スイッチ12(図3参照)がオンして、上述したLCD10で変動表示が開始されると共に、5個の球が賞球として払い出される。また、図示を省略しているが、図柄作動口の下方には2以上の球が同時に通過可能な幅広矩形状の開口である大入賞口が穿設されている。LCDの変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせ(大当たり表示)の1つと一致する場合に、球が入賞しやすいように所定時間(例えば、30秒間)経過するまで、或いは、所定個数(例えば、10個)の球が入賞するまで、この大入賞口は開放される。
【0021】
なお、第3種パチンコ遊技機において所定の遊技価値が付与された状態(特別遊技状態)とは、LCD10の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、特定入賞口が所定時間開放されることをいう。この特定入賞口の開放中に、球がその特定入賞口内へ入賞すると、特定入賞口とは別に設けられた大入賞口が所定時間、所定回数開放される。
【0022】
ガラス扉枠4の下方右側には、球を遊技領域8へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル9が配設されている。かかる操作ハンドル9を操作することにより、発射用モータ17(図3参照)を駆動して、球を遊技領域8へ発射することができる。
【0023】
上記のように構成されたパチンコ機1の左側には、正面視長方形状の貯球払出サンド装置50が並設されている。貯球払出サンド装置50はカードに記憶された残高金額のデータを読み取るためのものであり、その上下方向における略中央部分には、金銭と同様の有価価値を有するカードを挿入するためのカード挿入口が配設されている。このカード挿入口に挿入されたカードの残高金額内で、遊技者は、球の払出を指示することができる。また、貯球払出サンド装置50は、カードのみならず指紋情報に基づいて、球の払出を指示できるようになっており、遊技者の指の指紋を検出する指紋検出器50aを備えている。
【0024】
本実施例の遊技システム100においては、遊技者(会員)の指紋情報に対応つけて、その貯球情報が会員管理コンピュータ60に記憶されている。ここで、指紋検出器50aに遊技者の指が(所定の状態で)接触すると、その指紋が読取られ、読取られた指紋情報は、会員管理コンピュータ60に送信される。遊技者が会員である場合には、会員管理コンピュータ60で管理されている該遊技者の貯球情報が、会員管理コンピュータ60から(指紋情報送信元の)貯球払出サンド装置50に送信され、該貯球払出サンド装置50の非図示の表示装置に表示される。
【0025】
また、貯球払出サンド装置50には、非図示の数値入力キーが備えられており、この数値入力キーによって、表示装置に表示された貯球情報(球数)の範囲内で所望の球数(球数情報)が入力されると、その球数の払出がパチンコ機1に指示される。つまり、パチンコ機1に併設される貯球払出サンド装置50からは、カードによる貸し球の払出しのみならず、自己の貯球に基づいた球の払出しを指示することができるのである。数値入力キーによって入力された球数情報は、また読取られた指紋情報と共に、会員管理コンピュータ60に送信される。この球数情報は、貯球から払い出される球数を示しているので、負の球数情報として会員管理コンピュータ60に認識される。
【0026】
貯球払出サンド装置50には、その右に位置するパチンコ機1と同じ台番号が付与されており、この台番号により、1の貯球払出サンド装置50が特定される。貯球払出サンド装置50から会員管理コンピュータ60に送信される情報には、この台番号と貯球払出サンド装置を示す装置コードである貯球払出サンドコードとが付加される。よって、会員管理コンピュータ60において、いずれの貯球払出サンド装置50から送信された情報であるかが識別される。
【0027】
尚、貯球とは、遊技者が遊技結果として得た(未使用のものを含む)球やメダルの内、景品と交換されなかった分の球やメダルである。貯球は遊技者の所有物であり、必要時に自由に使用でき、貸し球(メダル)や遊技結果として得た球(メダル)同様に、遊技を行うことや景品に交換することができるものである。貯球情報とは、この貯球の数を示す情報である。
【0028】
ホールコンピュータ75は、各パチンコ機1のそれぞれから送信される遊技状態を示す情報を管理するためのコンピュータである。各パチンコ機1は、大当たり、リーチ、確率変動状態などの特別遊技状態や、変動表示ゲームの発生により、その旨を示す情報(遊技状態を示す情報)を、パチンコ機1の識別情報である台番号と共にホールコンピュータ75へ出力する。かかる遊技状態を示す情報は、ホールコンピュータ75において、それぞれのパチンコ機1(台番号)に対応付けられて管理され、パチンコ機1の異常発生が監視されるようになっている。
【0029】
登録装置70は、遊技者が会員であることを会員管理コンピュータ60に登録するための装置であり、遊技者の指紋情報を検出する指紋検出器を備えている。この登録装置70においては、遊技者の(利き腕の)5指の指紋の登録が実行される。尚、登録装置70に備えられる指紋検出器は、後述するパチンコ機1の指紋検出器19と同様のものである。この指紋検出器は、画像処理装置の一種であり、指の指紋を光学的に検出し、その検出された光学的な情報を画像処理によりデジタルデータに変換する装置である。登録装置70で登録された指紋情報は、会員管理コンピュータ60に記憶され、会員管理コンピュータ60において、遊技者を識別する識別情報として使用される。
【0030】
この登録装置70は、図示を省略しているが、入力装置としてキーボードを備えている。指紋検出の実行後には、かかるキーボードを使用して氏名、住所、電話番号の入力が遊技者により実行される。入力された氏名(氏名情報)、住所(住所情報)、電話番号、(電話番号情報)は、検出された指紋情報と共に会員管理コンピュータ60に送信される。
【0031】
自動販売機80は、遊技者に飲料や嗜好品を販売するために設けられた一般的な装置である。遊技者は、自動販売機80に、販売される商品の対価を支払うことにより、商品を入手することができる。また、自動販売機80には、指紋を検出する指紋検出器が設けられている。
【0032】
ここで、本実施例の遊技システム100においては、上記したように、遊技者が遊技結果として得た球やメダルの内、景品と交換されなかった分の球数を、その遊技者の貯球(貯球情報)として、遊技者(会員)の指紋情報に対応つけて会員管理コンピュータ60に記憶することができるようになっている。自動販売機80は、この指紋検出器で遊技者の指紋情報が検出されると、検出された指紋情報に対応する貯球情報に基づいて、遊技者が所望する商品の対価を清算し得るように構成されている。
【0033】
具体的には、入力された指紋情報は、会員管理コンピュータ60に送信される。その結果、入力された指紋情報が会員のものであると、会員管理コンピュータ60から自動販売機80に、該会員の貯球情報が送信される(図13参照)。自動販売機80においては、遊技者指定の商品が、その送信された貯球情報によって決済できる金額であると、商品を提供するための処理を実行し、決済できない金額であるとエラーを通知する。
【0034】
自動販売機80において商品が指定されると、その指定された商品の対価に相当する球数情報が読取った指紋情報と共に会員管理コンピュータ60に送信される。この球数情報は、貯球から払い出されるべき球数を示しているので、負の球数情報として会員管理コンピュータ60に認識され、対応する貯球情報から該球数情報が減算される(精算の実行)。
【0035】
貯球処理装置85は、遊技者が遊技で得た球(メダル)を計数するための装置であり、球(メダル)を導入する導入口と導入口に投入された球(メダル)を検出するセンサとを備え、このセンサにより検出された球の数を積算するカウンタとを備えた装置である。また、計数された球数(球数情報)や、会員管理コンピュータ60から送信される貯球情報などを表示するためのLCD(非図示)を備えている。貯球処理装置85により計数された球(メダル)は、その球数に応じた景品に交換される。このため、貯球処理装置85には交換する景品を示す引換券を出力するためのプリンタを有する出力装置が備えられている。
【0036】
本実施例の貯球処理装置85は、指紋情報を検出する指紋検出器(非図示)を備えており、この指紋検出器により検出された指紋情報は、会員管理コンピュータ60に送信されるようになっている。検出された指紋情報が会員の指紋情報であると会員管理コンピュータ60において判別されると、計数された球(メダル)の内で、遊技者の所望する球数(球数情報)の入力操作が許可される。貯球処理装置85により入力された球数情報(正の球数情報)は、会員管理コンピュータ60において、遊技者の指紋情報に対応つけて記憶される貯球情報に加算される。
【0037】
更に、貯球処理装置85は、入力された指紋情報が、会員の指紋情報であると、会員管理コンピュータ60に記憶されるその会員の貯球情報に基づいて、所望の球数を(負の球数情報の入力によって)払い出すことができるようになっている。
【0038】
会員管理コンピュータ60は、登録装置70により登録された遊技者の指紋情報と、各装置(パチンコ機1、貯球払出サンド装置50、自動販売機80、貯球処理装置85)へ送信する情報とを管理するコンピュータである。
【0039】
会員管理コンピュータ60は、登録装置70からの指紋情報を受信すると、受信した指紋情報を記憶し、その指紋情報の所有者である遊技者を会員として登録(記憶)する。
【0040】
また、会員管理コンピュータ60は、パチンコ機1、貯球払出サンド装置50、自動販売機80、貯球処理装置85のいずれかからの指紋情報を受信すると、受信した指紋情報が会員のものであるか否かを判別し、その判別結果に応じて異なる処理を実行する。かかる指紋情報に基づいて実行される処理(指紋情報受信処理、図13参照)は、制御プログラムの一部として、後述する会員管理コンピュータ60のハードディスク66(図3参照)の所定のエリアに記憶されている。
【0041】
図2は、パチンコ機1に設けられた操作ハンドル9を示した図である。図2(a)は、操作ハンドル9の正面図であり、図2(b)は、操作ハンドル9の断面図である。
【0042】
図2(a)に示すように、操作ハンドル9は、前面枠2から略半球状に前方に突設されたハンドル本体9aと、そのハンドル本体9aに対して正面視において外方に部分的に突出して周設されると共にハンドル本体9aに対して回動可能に支持されたハンドルリング9bとを備えている。ハンドルリング9bは、ハンドル本体9aの突設方向と同じ方向に所定の奥行きを有する部材であり、ハンドルリング9bの前面(紙面手前側)から、奥行き方向に向かって凹設された挿入孔9cを備えている。この挿入孔9cは、押圧部材9dを備えており、ハンドル本体9aの上半円側に沿設されている。
【0043】
挿入孔9cは、遊技者が指を挿入するために設けられた孔であり、操作ハンドル9aの左側から円弧状に親指、人差し指、中指、薬指、小指の挿入される孔が配設されている。遊技者は、球を遊技領域8へ打ち込む場合には、この挿入孔9cのそれぞれに指を挿入してハンドルリング9bを把持しつつ、ハンドルリング9bを正面視右回りに回動操作する。ハンドルリング9bが回動操作されると、球を発射するためにパチンコ機1の内部に設けられる打球ハンマに付与される付勢力が高められ、遊技領域8へ発射される球の勢いが増大する。
【0044】
ハンドル本体9aの内部には、ハンドルスイッチ18(図3参照)が内蔵されている。ハンドルスイッチ18は、操作ハンドル9(ハンドルリング9b)が初期位置にあるか否かを検出するためのスイッチである。このハンドルスイッチ18は、ハンドルリング9bとそのハンドルリング9bに対向するハンドル本体9a側とに設けられた接点を備えている。両者の接点は、ハンドルリング9bが初期位置にセットされている場合には、非接触状態(電気的に非導通)となり、他の場合には接触状態(電気的に導通)となる。
【0045】
このため、操作ハンドル9が操作され、その位置が初期位置から移動するとハンドルスイッチ18は、オンされ、操作ハンドル9が操作されたことがパチンコ機1によって認識される。また、操作ハンドル9が初期位置に戻されるとハンドルスイッチ18はオフされ、パチンコ機1に、遊技者がハンドル操作を終了したことが認識される。また、このハンドルスイッチ18がオンである場合には、球発射装置に備えられた発射用モータ17(図3参照)が駆動され、遊技領域8へ球が発射される。
【0046】
図2(b)は、操作ハンドル9の側面図であり、挿入孔9cの一部を断面視した図である。この操作ハンドル9の裏面側(図2(b)の右側)には、筒状に形成されると共にハンドル本体9aと前面枠2とを連結する連結部材9eが設けられ、その連結部材9eの内側には、ハンドルリング9bの回動をパチンコ機1の裏面側に伝達するための軸(シャフト、非図示)が配設されている。この軸を通してパチンコ機1の裏面側に設けられる図示しない球発射装置に機械的に遊技者の回動操作が伝達され、球の発射力の調整が行われる。
【0047】
ハンドル本体9aには、操作ハンドル9を握る遊技者の指紋情報を検出するための指紋検出器19が内蔵されている(図3参照)。指紋検出器19は、画像処理装置の一種であり、検出部19aに接触された指の指紋を光学的に検出し、その検出された光学的な情報を画像処理によりデジタルデータに変換する装置である。この指紋検出器19は、ケーブル9fにより会員管理コンピュータ基板Iと接続されている。
【0048】
指紋検出器19は、検出部19aに指の腹側が接触することにより、指紋情報を検出するものである。図2(b)に示すように、検出部19aは、挿入孔9cの内部であって、ハンドル本体9aの面上に設けられている。この検出部19aに指が接触した状態で、ハンドルリング9bが操作されると、操作ハンドル9(ハンドルリング9b)の位置が初期位置から移動するのでハンドルスイッチ18がオンされる。本実施例の遊技システム100では、このハンドルスイッチ18のオンを、操作ハンドル9に指が接触した(操作ハンドルが把持された)として認識し、このハンドルスイッチ18のオンを契機として、指紋情報の検出を実行している。
【0049】
尚、検出部19aへの指の押圧を検出する押圧センサや、タッチセンサ、或いは光学センサを設けることにより、検出部19aへの遊技者の指の接触(操作ハンドル9の把持)を検出するように構成しても良く、かかるセンサにより検出部19aへの指の接触が検出されることにより、指紋情報の検出を実行するように構成しても良い。
【0050】
挿入孔9cの内部であって、検出部19aの対抗面には、挿入された指を検出部19aに押圧するための押圧部材9dが備えられている。押圧部材9dには、ウレタンフォームを使用した弾性体が用いられている。これにより、挿入孔9c内での指の遊びを減じることができ、操作ハンドル9のグリップ性を向上することができる上、確実な指紋検出が促進される。
【0051】
図3は、かかる第1実施例の遊技システム100の電気的構成を示したブロック図である。上記したように、遊技システム100には、複数のパチンコ機1と、複数の貯球払出サンド装置50と、会員管理コンピュータ60と、ホールコンピュータ75と、登録装置70と、自動販売機80と、貯球処理装置85とが備られている。
【0052】
パチンコ機1は、主制御基板Cと表示用制御基板Dと払出制御基板Hと発射制御基版Aと音声ランプ制御基板Sと会員管理コンピュータ基板Iとインターフェース基板Bと電源基板30とを備えている。
【0053】
パチンコ機1の主制御基板Cは、遊技状態を決定するための抽選を行う基板であり、パチンコ機1で実行される遊技の主な制御を実行するものである。この主制御基板Cには、実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROMや、制御プログラムの実行に当たって各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAMを備えた演算装置である1チップマイコンのMPUが搭載されている。
【0054】
この主制御基板CのRAMは、パチンコ機1の電源のオフ後においても、電源基板30からバックアップ電圧が供給され、データを保持(バックアップ)できるようにバックアップエリアが設けられている。バックアップエリアは、停電などの発生により電源が切断された場合、電源の再入時に、パチンコ機1の状態を電源切断前の状態に復帰させるため、電源切断時(停電発生時を含む。以下、同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。
【0055】
また、このRAMには、実行される遊技の遊技状態(当否)や表示用制御基板Dにおいて実行される変動表示パターンを決定するための各種カウンタが備えられている。また、MPUには、上記したROM、RAM以外に、割込回路、タイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
【0056】
主制御基板Cは、電源基板30に設けられた停電監視回路30bおよびクリアスイッチ30cと、第1種始動口スイッチ12と、表示用制御基板Dと、払出制御基板Hと、そのほか、その他入出力装置13とにそれぞれ接続されている。停電が発生すると、停電監視回路30bから停電信号31が出力される。主制御基板Cに、この停電信号31が入力されると、主制御基板CのMPUは、即座に停電時処理を実行し、スタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を、バックアップエリアに記憶する。
【0057】
更に、主制御基板Cに第1種始動口スイッチ12のオンが入力されると、RAMに設けられた乱数カウンタの値が取得され、そのカウンタ値によって、実行する変動表示パターンや遊技の当否などが決定される。
【0058】
また、決定された変動表示パターンに基づいて、必要な動作を実行させるためのコマンドを、表示用制御基板Dと払出制御基板Hとにそれぞれ送信する。これにより、LCD10で変動表示が開始される。
【0059】
払出制御基板Hは、賞球の払出制御を行うものである。この払出制御基板Hは、電源基板30に設けられた停電監視回路30b及びクリアスイッチ30cと、主制御基板Cと、賞球や貸し球(貯球)を払い出すための払出用モータ16と、インターフェース基板Bと、球を遊技領域8へ発射するための発射制御基板Aと、そのほか、その他入出力装置13とにそれぞれ接続されている。
【0060】
払出制御基板Hは、演算装置であるMPUと、そのMPUにより実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMと、各種データを一時的に記憶するメモリとして使用されるRAMなどを備えている。このRAMは、主制御基板CのRAMと同様に構成されるバックアップエリアを備えている。主制御基板Cと同様に停電などの発生により電源が切断された場合、電源の再入時に、払出制御基板Hの状態を電源切断前の状態に復帰させるため、必要なデータが、このバックアップエリアに記憶される。
【0061】
払出制御基板Hは、インターフェース基板Bを介して貯球払出サンド装置50と接続されており、貯球払出サンド装置50において(カードの残金または貯球に応じて)遊技者に指示された球数の情報は、このインターフェース基板Bを介して払出制御基板Hへ入力される。これにより、払出制御基板Hによって払出用モータ16が駆動され、指示された球数の球が払い出される。インターフェース基板Bは、電気的な接点の規定であるインターフェースの役割を有する基板であり、払出制御基板Hと貯球払出サンド装置50とを(電気的に)接続するために設けられた基板である。
【0062】
発射制御基板Aは、球を遊技領域8へ発射するための発射用モータ17について、その駆動の許可と禁止とを制御するためのものであり、払出制御基板H以外に、発射用モータ17、ハンドルスイッチ18、会員管理コンピュータ基板Iに接続されている。
【0063】
ハンドルスイッチ18から、操作ハンドル9が操作されたことを示す信号が発射制御基板Aに入力されると、発射制御基板Aは発射用モータ17へ駆動を許可する信号を出力して、発射用モータ17の駆動を可能とする。かかる場合に、払出制御基板Hから発射用モータ17の駆動電圧である+32ボルトが供給されており、且つ、球の発射をストップさせるストップスイッチ(図示せず)が操作されていない場合には、発射用モータ17が駆動され、操作ハンドル9の操作量に応じた強度で球が遊技領域8へ発射される。
【0064】
操作ハンドル9が操作されたことを示すハンドルスイッチ18からの信号入力(スイッチのオン)は、1の遊技者が操作ハンドル9を操作したことを意味している。そして、操作ハンドル9が非操作状態(初期位置への復帰)となったことを示すハンドルスイッチ18からの信号入力(スイッチのオフ)は、遊技者が操作ハンドル9の操作を終了したことを意味している。
【0065】
ここで、操作ハンドル9が初期位置から再び動かされる場合に、同一の遊技者による遊技の再開である場合と、新たな遊技者によって遊技が開始される場合とがある。本実施例のパチンコ機1においては、パチンコ機1は、遊技者に応じた情報を出力するものであるので、遊技者の変更を検出する必要がある。つまり、遊技者の変更を会員管理コンピュータ60に通知しなくてはならない。
【0066】
そこで、このハンドルスイッチ18のオンを遊技者変更として認識し、発射制御基板Aは、入力されたハンドルスイッチ18のオンを示す信号を、会員管理コンピュータ基板Iに入力する。これにより、会員管理コンピュータ基板Iで、指紋情報検出のタイミングであることが認識される。故に、常時、指紋情報の検出を行わずとも、遊技者の変更に応じて、効率的に指紋情報を取得できる。
【0067】
加えて、パチンコ機1は、1の遊技者が遊技を終了した場合には、特別データの表示を終了しなくてはならない。遊技を再開した遊技者が他の遊技者(非会員)である場合があるからである。このため、発射制御基板Aは、ハンドルスイッチ18のオフが入力されると、(特別データの表示を表示用制御基板に終了させるべく)その信号を会員管理コンピュータ基板Iに入力し、その旨を通知している。
【0068】
会員管理コンピュータ基板Iは、発射制御基板Aと表示用制御基板Dと指紋検出器19とに接続されると共に、パチンコ機1の外部に備えられている会員管理コンピュータ60に接続されている。パチンコ機1は、この会員管理コンピュータ基板Iを介して、会員管理コンピュータ60と通信を行うように構成されており、パチンコ機1から会員管理コンピュータ60へ出力されるデータおよび会員管理コンピュータ60からパチンコ機1に入力されるデータは、この会員管理コンピュータ基板Iを介して入出力される。つまり、主制御基板Cには、会員管理コンピュータ60から直接データが入力されない。よって、パチンコ機1のセキュリティを低下させることがない。
【0069】
会員管理コンピュータ基板Iは、図4に示すように、演算装置であるMPU21、ROM22、RAM23、入出力ポート25、インターフェース26とを備えている。ROM22は、そのMPU21により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。図7と図8とに示すフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部として、このROM22内に記憶されている。
【0070】
RAM23は、MPU21による各種プログラムの実行時に使用されるデータを一時的に記憶するためのメモリである。このRAM23は、受信バッファ23a、送信バッファ23b、ハンドルフラグ23c、台番号メモリ23dを備えている。
【0071】
受信バッファ23aは、会員管理コンピュータ基板Iにおいて受信されたデータを一時的に記憶するためのメモリである。上記したように、会員管理コンピュータ基板Iには、遊技者に提供するための情報(提供データ)が、会員管理コンピュータ60から送信される。この会員管理コンピュータ60から送信される提供データは、遊技者に閲覧できるようにLCD10に出力されるものであり、受信バッファ23aに記憶された後、表示用制御基板Dに送信される。表示用制御基板Dに送信された提供データは、この受信バッファ23aから消去される。尚、この提供データは、会員のみに提供される特別データと、会員及び非会員の両者に提供される通常データとを備えている。
【0072】
送信バッファ23bは、会員管理コンピュータ基板Iから会員管理コンピュータ60へ送信するデータ(指紋情報など)を一時的に記憶するためのメモリである。この受信バッファ23aと送信バッファ23bとを設けることにより、データの送受信によるMPU21の処理速度の低下を抑制している。
【0073】
ハンドルフラグ23cは、遊技者が遊技中で有るか否か、即ち、ハンドル操作がなされているか否かを示すためのフラグである。このハンドルフラグ23cは、ハンドルスイッチ18のオンによりオンされ、ハンドルスイッチ18のオフによりオフされる。MPU21は、ハンドルフラグ23cが(オフから)オンされると、遊技者による遊技が開始された(遊技者の指が検出部19aに接触した)と判断し、指紋情報の読み取りを実行する。読取った指紋情報は、会員管理コンピュータ60に送信される。また、MPU21は、ハンドルフラグ23cが(オンから)オフされると、LCD10に表示中の特別データの表示終了を指示する特別データ非表示コマンドを表示用制御基板Dに送信する。
【0074】
台番号メモリ23dは、パチンコ機1の識別情報となる台番号を記憶するためのメモリである。指紋検出器19により検出された指紋情報には、この台番号が付加されて会員管理コンピュータ60に送信される。台番号メモリ23dに記憶される台番号は、各パチンコ機1毎に異なる番号とされており、かかる台番号は、その配置や機種名などと対応付けられて、会員管理コンピュータ60に記憶されている。このため、会員管理コンピュータ60においては、指紋情報を受信した場合には、その指紋情報に付加された台番号により、いずれのパチンコ機1から送信された指紋情報であるかを認識することができるのである。
【0075】
上記したMPU21、ROM22、RAM23は、バスライン24を介して相互に接続され、このバスライン24は、また、入出力ポート25に接続されている。会員管理コンピュータ基板Iは、この入出力ポート25を介して、表示用制御基板Dへデータやコマンドを送信する。
【0076】
また、この入出力ポート25は、インターフェース26に接続されており、会員管理コンピュータ基板Iは、このインターフェース26を介して、会員管理コンピュータ60と指紋検出器19(ケーブル9f)とに接続されている。インターフェース26は、異なる装置間の電気的な接点の規格である。このインターフェース26を介すことにより、パチンコ機1は、会員管理コンピュータ60との間で、データの送受信を実行することができる。また、会員管理コンピュータ基板Iは指紋検出器19からの指紋情報を受信することができる。
【0077】
図3に戻って説明する。表示用制御基板Dは、上記した主制御基板CとLCD10とに接続され、主制御基板Cから送信されるコマンドに基づいて、接続されるLCD10での図柄の変動表示の制御を行うものである。また、表示用制御基板Dは、スピーカ14から出力される効果音の音声制御とLEDや各種ランプ15の点灯制御とを行う音声ランプ制御基板Sに接続され、この音声ランプ制御基板Sを制御する。更に、表示用制御基板Dは、会員管理コンピュータ基板Iに接続され、会員管理コンピュータ基板Iから送信される提供データ(通常データ及び特別データ)をLCD10に表示するための制御を行う。
【0078】
この表示用制御基板Dの電気的構成について、図5を参照して説明する。図5に示すように、表示用制御基板Dは、演算装置であるMPU41、ROM42、ワークRAM43、ビデオRAM44、キャラクタROM45、入出力ポート47、画像コントローラ48を備えている。
【0079】
表示用制御基板DのMPU41は、パチンコ機1の主制御基板Cから送信されるコマンド(表示命令)や会員管理コンピュータ基板Iから送信される提供データなどに基づいてLCD10の表示を制御するためのものである。ROM42は、そのMPU41により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。図9及び図10に示すフローチャートのプログラム(表示情報受信処理、表示サイズ切替処理)は、制御プログラムの一部として、このROM42内に記憶されている。
【0080】
ワークRAM43は、MPU41による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。このワークRAM43は、受信バッファ43a、通常データメモリ43b、特別データメモリ43c、特別データ非表示フラグ43d、小サイズフラグ43eを備えている。
【0081】
受信バッファ43aは、他の基板から表示用制御基板Dに送信されるデータを一時的に記憶するためのメモリである。遊技者の指紋情報が検出されると、その指紋情報に対応する提供データが会員管理コンピュータ60からパチンコ機1に送信される。送信された提供データは、会員管理コンピュータ基板Iを経由して、表示用制御基板Dに入力され、この受信バッファ43aに記憶される。尚、受信バッファ43aに書込まれたデータは、所定のメモリに記憶されること、または、そのデータ(コマンド)に基づいた処理が実行されることを契機として、この受信バッファ43aから消去される。
【0082】
通常データメモリ43bは、受信バッファ43aに記憶されるデータの内、通常データを記憶するためのメモリである。通常データは、非会員である遊技者および会員である遊技者のいずれにも提供される提供データである。通常データメモリ43bに通常データが記憶されていると、所定のタイミングで、MPU41は、この通常データメモリ43bに記憶される通常データをLCD10に出力する。
【0083】
特別データメモリ43cは、受信バッファ43aに記憶されるデータの内、特別データを記憶するためのメモリである。特別データは、会員である遊技者のみに提供される提供データである。特別データメモリ43cに特別データが記憶されていると、所定のタイミングで、MPU41は、上記した通常データメモリ43bに記憶される通常データと共に、この特別データメモリ43cに記憶される特別データをLCD10に出力する。
【0084】
尚、パチンコ機1の遊技者が、非会員である場合には、特別データとして「0」コードが会員管理コンピュータ60から送信されている。かかる場合には、特別データメモリ43cには、遊技者に提供する特別データがないことを示す「0」コードが記憶されることとなる。MPU41は、特別データメモリ43cに記憶されているデータが「0」コードである場合には、特別データメモリ43に記憶されるデータの出力を非実行とし、その結果、通常データメモリ43bに記憶されている通常データのみがLCD10に出力される。
【0085】
特別データ非表示フラグ43dは、特別データ非表示コマンドを受信したか否かを示すためのフラグである。この特別データ非表示フラグ43dは、会員管理コンピュータ基板Iからの特別データ非表示コマンドを受信すると、オンされ、一方、会員管理コンピュータ基板Iから新たに送信された提供データを受信すると、オフされる。MPU41は、この特別データ非表示フラグ43dがオンされていると、LCD10への特別データ出力を中止し、特別データ非表示フラグ43dがオフされている場合にのみ、特別データの出力(表示)を行う。
【0086】
特別データは、会員にのみ提供される特別な情報であり、(会員と非会員との間で優位差をつけるために)非会員には非公開とされるデータである。このため、特別データの秘密性を保つために、会員である遊技者が遊技を終了した場合(パチンコ機1から離れた場合)には、表示される特別データを、直ちに、非表示にする必要がある。
【0087】
パチンコ機1においては、遊技者が操作ハンドル9の操作を終了すると、特別データの表示の終了を指示する特別データ非表示コマンドが、表示用制御基板Dに入力される。表示用制御基板Dでは、かかるコマンド入力により、特別データ非表示フラグ43dがオンされ、その結果、特別データの出力が終了される(非表示となる)。よって、特別データが不用意に非会員に提供されることがない。
【0088】
また、遊技者が遊技を終了した場合のみならず、一時的に操作ハンドル9の操作を中断した場合にも、(特別データ非表示フラグ43dはオンされ)特別データはLCD10に非表示となる。しかし、遊技者が、再びハンドル操作を開始すると、指紋情報が検出され、これにより、提供データが会員管理コンピュータ60からパチンコ機1へ送信される。よって、新たに送信されたその遊技者に提供するべき提供データを、再び、LCD10に表示できる。
【0089】
小サイズフラグ43eは、LCD10に表示される提供データが縮小サイズで表示されているか否を示すためのフラグである。本実施例の遊技システム100では、LCD10に表示される提供データは、通常サイズと、その通常サイズよりも縮小された縮小サイズとの2種類のサイズで表示されるようになっている。小サイズフラグ43eは、この2種類のサイズの内のいずれのサイズで提供データが表示されているかを示すものであり、提供データの表示サイズが縮小サイズである場合にオンされ、通常サイズである場合にオフされる。
【0090】
この提供データの表示サイズの切替はLCD10での変動表示の状態に応じて実行される。本実施例の遊技システム100では、変動表示の実行中には、提供データは縮小サイズで表示され、変動表示の非実行時には、提供データは通常サイズで表示されるようになっている。この提供データの表示サイズの切替に際しては、小サイズフラグ43eが参照され、表示中の提供データの表示サイズを変更する必要があるかいなかが判断される(図10、表示サイズ切替処理参照)。
【0091】
ビデオRAM44は、LCD10に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM44の内容を書き替えることにより、LCD10の表示内容が変更される。キャラクタROM45は、LCD10に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。
【0092】
上記したMPU41、ROM42、ワークRAM43は、バスライン46を介して相互に接続され、このバスライン46は、また、入出力ポート47と、画像コントローラ48とに接続されている。画像コントローラ48は、バスライン46の他に、ビデオRAM44とキャラクタROM45とに接続されると共に、入出力ポート47にも接続されている。画像コントローラ48は、MPU41、ビデオRAM44、入出力ポート47のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きを介在すると共に、ビデオRAM44に記憶される表示データを、キャラクタROM45から所定のタイミングで読み出してLCD10に表示させるものである。
【0093】
図3に戻って説明する。電源基板30は、パチンコ機1の各部に電力を供給するための電源部30aと、停電監視回路30bと、クリアスイッチ30cとを備えている。停電監視回路30bは、停電等の発生による電源断時に、主制御基板CのMPU及び払出制御基板HのMPUへ停電信号31を出力するための回路である。停電監視回路30bは、電源部30aから出力される最も大きい電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号31を主制御基板C及び払出制御基板Hへ出力するように構成されている。この停電信号31の出力によって、主制御基板C及び払出制御基板Hは、停電の発生を認識し、停電時処理を実行する。なお、電源部30aは、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されているので、主制御基板C及び払出制御基板Hは、停電時処理を正常に実行することができるのである。
【0094】
クリアスイッチ30cは、主制御基板CのRAMおよび払出制御基板HのRAMにバックアップされるデータをクリアするためのスイッチであり、押しボタンタイプのスイッチで構成されている。このクリアスイッチ30cが押下された状態でパチンコ機1の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、クリア信号32が主制御基板C及び払出制御基板Hへそれぞれ出力され、主制御基板Cおよび払出制御基板Hによって、それぞれのRAMのデータがクリアされる。
【0095】
上記のように構成されるパチンコ機1は、ケーブル40aを介してハブ55に接続されている。ハブ55は、各パチンコ機1に接続されると共に、各パチンコ機1に併設された貯球払出サンド装置50にも接続されている。また、ハブ55には、終端抵抗Tを備えたケーブル40が接続されており、ケーブル40には、ハブ55以外に、会員管理コンピュータ60、ホールコンピュータ75、登録装置70、自動販売機80、貯球処理装置85がそれぞれ接続されている。
【0096】
尚、図2においては、遊技システム100に備えられたパチンコ機1の一部及び貯球払出サンド装置50の一部と、かかるパチンコ機1及び貯球払出サンド装置50とハブ55との接続状態の一部とを省略して図示している。
【0097】
会員管理コンピュータ60は、上記のように構成されるパチンコ機1及び貯球払出サンド装置50に(ハブ55を介して)接続されると共に、ホールコンピュータ75、登録装置70、自動販売機80、貯球処理装置85に接続され、パチンコ機1及び各装置50,75,70,80,85との間で(双方向に)情報通信を実行し得るように構成されたコンピュータである。
【0098】
この会員管理コンピュータ60は、パチンコ機1及び各装置50,70,80,85からの指紋情報を受信すると、その受信した指紋情報と指紋情報送信元装置とに応じた処理を実行するようになっている。
【0099】
この会員管理コンピュータ60の電気的構成を図6を参照して説明する。図6に示すように、会員管理コンピュータ60は、演算装置であるMPU61と、ROM62と、RAM63と、入出力ポート65と、ハードディスク66と、インターフェース67と、CRTディスプレイ68と、キーボード69とを備えている。
【0100】
ROM62は、そのMPU61により実行される各種の制御プログラム(バイオス(BIOS)と称されるプログラムなど)や固定値データを記憶するためのメモリである。RAM63は、MPU61による各種プログラムの実行時に使用されるデータを一時的に記憶するためのメモリである。このRAM63は、受信バッファ63aと、送信バッファ63bとを備えている。
【0101】
受信バッファ63aは、パチンコ機1や他の装置50,70,80,85から会員管理コンピュータ60に送信されたデータを一時的に記憶するためのメモリである。会員管理コンピュータ60には、複数のパチンコ機1に加え、複数の貯球払出サンド装置50、登録装置70、自動販売機80、貯球処理装置85が接続されている。会員管理コンピュータ60は、各パチンコ機1および各装置50,70,80,85との間で、頻繁にデータの受信を行わなくてはならない。ところが、その受信速度は、MPU61の処理速度に比べて遅い。このため、データ受信を行いつつ、そのデータの処理をMPU61に実行させると、データ受信の処理が影響し、MPU61の処理速度を低下させてしまう。しかし、一時的にこの受信バッファ63aへ受信データを保存することにより、受信データの処理をMPU61に効率的に実行させることができる。
【0102】
送信バッファ63bは、会員管理コンピュータ60からパチンコ機1や他の装置50,80,85へ送信するデータを一時的に記憶するためのメモリである。会員管理コンピュータ60は、パチンコ機1や他の装置50,70,80,85からのデータ受信を行いつつ、更に、パチンコ機1や他の装置50,80,85へのデータ送信を行わなくてはならない。送信データをこの送信バッファ63bに記憶させておけば、データ受信の行われていないタイミングでデータ送信を行うことができ、データの送受信を支障なく実行することができる。
【0103】
上記したMPU61、ROM62、RAM63は、バスライン64を介して相互に接続され、このバスライン64は、また、入出力ポート65に接続されている。入出力ポート65は、上記したバスライン64以外に、ハードディスク66と、インターフェース67と、CRTディスプレイ68と、キーボード69とに接続されている。
【0104】
ハードディスク66は、書き替え可能な不揮発性のメモリであり、大容量の記憶装置である。このハードディスク66は、提供情報メモリ66a、特別情報メモリ66b、登録データメモリ66c、識別番号メモリ66d、遊技者データメモリ66eを備えている。また、図13に示すフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部として、このハードディスク66内の所定のエリアに記憶されている。
【0105】
提供情報メモリ66aは、遊技者に提供される(パチンコ機1に表示される)提供データを記憶するためのメモリである。提供データは、非会員と会員との両者に提供される通常データと、会員のみに提供される特別データとにより構成されている。具体的には、通常データは、イベントや休日等の案内である遊技場の営業広告情報、導入される新台に関する新台情報、会員の登録方法案内や、会員の特典を紹介する特典紹介情報などである。尚、通常データの全てが、必ずしも、会員に提供される必要はなく、会員に不要なデータについては、非提供とするように構成しても良い。
【0106】
特別データは、会員のみのイベント情報や、各パチンコ機1或いは遊技者が使用中のパチンコ機1の過去の詳細な遊技状態(遊技履歴)を示す遊技履歴情報、会員の所有する貯球を示す貯球情報や、サービスポイント数情報などである。尚、本実施例においては、全遊技者に共通する特別データ(会員のみイベント情報や、各パチンコ機1或いは遊技者が使用中のパチンコ機1の過去の詳細な遊技状態(遊技履歴)を示す遊技履歴情報)のみを提供情報メモリ66aに記憶するように構成されており、会員個人に関する特別データ(貯球情報、サービスポイント数情報)については、後述する登録データメモリ66cに記憶されている。
【0107】
この提供情報メモリ66aに記憶される提供データは、キーボード69からの入力操作により、変更できるようになっており、遊技場側は、例えば、イベントの開催日などに応じて任意のデータを提供データとして入力できるようになっている。
【0108】
登録データメモリ66cは、登録された遊技者、即ち、会員の情報を記憶するためのメモリであり、登録装置70により入力された遊技者の指紋情報が、遊技者を特定する識別情報として記憶されている。上記したように、登録装置70では、遊技者の5指の指紋情報が登録されるので、この登録データメモリ66cには、1の遊技者について5指の指紋情報が記憶されている。これにより、いずれかの指の指紋情報が会員管理コンピュータ60に入力されると、会員管理コンピュータ60は、その指紋情報に基づいて、1の遊技者を特定することができるのである。
【0109】
また、登録装置70により指紋情報と共に入力された遊技者の氏名情報と、住所情報と、電話番号情報とは、その指紋情報に対応つけられてこの登録データメモリ66cに記憶されている。更に、登録データメモリ66cには、指紋情報に対応つけて遊技者の貯球情報とサービスポイント数情報とが記憶されている。
【0110】
つまり、1の遊技者に対応して、その指紋情報、氏名情報、住所情報、電話番号情報、貯球情報、サービスポイント数情報が一連の情報群として、登録データメモリ66cに記憶されているのである。この登録データメモリ66cにおいて、1の遊技者に関連する一連のデータの終端には、ターミネータが付加されており、このターミネータからターミネータの間に記憶されるデータが、一連の情報群として、MPU61に認識される。
【0111】
貯球払出サンド装置50または自動販売機80から球数情報が会員管理コンピュータ60に送信された場合と、貯球処理装置85から負の球数情報が会員管理コンピュータ60に入力された場合には、登録データメモリ66cに記憶される貯球情報の内、受信した球数情報の入力者である遊技者に対応する貯球情報から、入力された球数情報(の絶対値)が減算される(貯球の払出し)。
【0112】
また、貯球処理装置85から正の球数情報が会員管理コンピュータ60に入力された場合には、この登録データメモリ66cに記憶される対応する貯球情報に、入力された球数情報が加算される(貯球の預け入れ)。これにより、遊技システム100において、遊技者に、所有する貯球による景品交換や商品代金の精算、更には貯球の払出しや貯球の預け入れなどのサービスを提供できるのである。
【0113】
入力された球数情報がいずれの遊技者に対応するかは、球数情報と共に送信される指紋情報により特定されるようになっており、登録データメモリ66cでは、特定された遊技者(指紋情報)に対応する貯球情報が更新される。
【0114】
サービスポイント数情報とは、所定の基準に応じて遊技場側から遊技者に付与されるポイントである。かかるポイントは、例えば、遊技者の来店回数や、大当たり回数などに応じて付与される。このポイント数が所定数以上となると景品などに交換するサービスが遊技場側により行われる。
【0115】
この登録データメモリ66cに記憶されるデータは、所定の操作により(遊技者ごとに)CRTディスプレイ68に出力して表示することができるようになっている。これにより、遊技場側は、各遊技者のデータを閲覧し、確認することや、遊技者のデータに基づいた営業活動を行うことができる。
【0116】
識別番号メモリ66dは、遊技場内に設置される多数のパチンコ機1のそれぞれに備えられた台番号と、その台番号により指定されるパチンコ機1の配置及び機種名とが、それぞれ対応つけて記憶されているメモリである。パチンコ機1から送信される各データには、送信元のパチンコ機1の台番号が付加されている。MPU61は、データを受信すると、この識別番号メモリ66dに記憶される台番号を参照して、受信データの送信元パチンコ機1を認識することができる。
【0117】
尚、貯球払出サンド装置50については、併設されたパチンコ機1と同じ台番号が付与されているので、識別番号メモリ66dを参照することで、情報送信元の1の貯球払出サンド装置50を特定することができる。尚、貯球払出サンド装置50から出力される情報には貯球払出サンドコードが付加されるようになっているので、同じ台番号であっても、パチンコ機1と混同することはない。
【0118】
遊技者データメモリ66eは、パチンコ機1から送信されるパチンコ機1の台番号及び指紋情報と、その指紋情報の所有者が会員か否かを示すコード(会員コードまたは非会員コード)とを対応つけて記憶するためのメモリである。各パチンコ機1の操作ハンドル9が遊技者により操作されると指紋情報は検出されるので、基本的には、遊技データメモリ66eには、遊技を行う全遊技者の指紋情報とその使用するパチンコ機1の台番号とその遊技者の指紋情報とが、それぞれ対応付けられて記憶されることとなる。
【0119】
この遊技者データメモリ66eには、指紋情報が受信されることにより、その受信した台番号と指紋情報とが書込まれる。一方、遊技者データメモリ66eに記憶される各情報は、電源投入時または会員管理コンピュータ60のオペレータの所定の操作により消去される。また、遊技者が、使用するパチンコ機1を変更した場合には、新たにその遊技者の指紋情報と変更後の遊技機の台番号とが会員管理コンピュータ60に送信される。MPU61は、書込まれた指紋情報(1の遊技者)に対応して複数の台番号が遊技者データメモリ66eに記憶されている場合には、先に記憶されている台番号とその台番号に対応付けられた指紋情報とコード(会員コードまたは非会員コード)とを消去する。これにより、会員管理コンピュータ60では、1の遊技者に1のパチンコ機1を対応付けて管理することができる。
【0120】
図3に戻って説明する。上記のように構成される会員管理コンピュータ60に接続される貯球払出サンド装置50、登録装置70、自動販売機80、貯球処理装置85は、それぞれ、MPU、ROM、RAM、指紋検出器などを備え、会員管理コンピュータ60と双方向の情報通信を実行することのできる装置で構成されている。
【0121】
図11のフローチャートに示す指紋情報登録処理のプログラムは、制御プログラムの一部として登録装置70のROMに記憶されている。これにより、登録装置70は、指紋検出器により検出した指紋情報を会員管理コンピュータ60に登録することができるようになっている。
【0122】
図12のフローチャートに示す貯球処理のプログラムは、制御プログラムの一部として貯球処理装置85のROMに記憶されている。この貯球処理が実行されることにより、遊技者は、遊技によって得た球を貯球し、また、自己の貯球を遊技に使用する球に代えることができる。
【0123】
尚、上記した各装置50,70,80,85により検出された指紋情報には、その装置を示す装置コード(貯球払出サンド装置50であれば貯球払出サンドコード、登録装置70であれば登録コード、自動販売機80であれば自動販売機コード、貯球処理装置85であれば貯球処理装置コード)が付加されて、会員管理コンピュータ60に送信される。これにより、会員管理コンピュータ60において、指紋情報送信元の装置が識別され、その送信元装置に応じた処理が実行される。
【0124】
ホールコンピュータ75は、上記したように、各パチンコ機1のそれぞれから送信される遊技状態を示す情報を管理するためのコンピュータであり、ケーブル40を介して、パチンコ機1や会員管理コンピュータ60および他の装置50,70,80,85に接続されている。このホールコンピュータ75は、演算装置やICメモリであるROMやRAM、更には、大容量の記憶装置であるハードディスクを備えると共に、ホールコンピュータ75で実行される処理を表示するためのCRTディスプレイや入力装置であるキーボードなどを備えたパーソナルコンピュータで構成されている。
【0125】
各パチンコ機1から送信される遊技状態を示す情報には、台番号が付加されて出力されている。ホールコンピュータ75は、該情報を受信し、各台番号に対応付けて、ハードディスクに記憶する。ここで、パチンコ機1から出力される遊技状態を示す情報(或いはその累積結果や経時変化)をCRTディスプレイに出力すれば、オペレータに遊技状態を通知することができる。また受信した遊技状態のデータに付加されている台番号から、パチンコ機1の位置や機種の情報が得られるので、異常が発生した場合には、オペレータは、迅速に対応することができる。
【0126】
次に、上記のように構成された遊技システム100で実行される各処理を、図7から図13のフローチャートを参照して説明する。まず、図7から図10を使用して、パチンコ機1で実行される各処理について説明する。
【0127】
図7は、パチンコ機1の会員管理コンピュータ基板Iにおいて実行される情報送信処理のフローチャートである。情報送信処理は、パチンコ機1の指紋検出器19により検出された指紋情報を会員管理コンピュータ60に送信するための処理である。
【0128】
この情報送信処理では、まず、ハンドルフラグ23cがオンか否かを確認し(S1)、ここで、ハンドルフラグ23cがオフで有れば(S1:No)、ハンドルスイッチ18がオンか否かを確認する(S2)。確認の結果、ハンドルスイッチが18がオフであれば(S2:No)、ハンドルフラグ23cとハンドルスイッチ18とが共にオフであるので、操作ハンドル9は操作状態にない。よって、この情報送信処理を終了する。
【0129】
一方、S2の処理で確認した結果、ハンドルスイッチ18がオンであれば(S2:Yes)、未操作状態であった操作ハンドル9が遊技者に操作されたことを示しているので、ハンドルフラグ23cをオンした後(S3)、指紋情報を読取って送信バッファ23bに書込む(S4)。これにより、遊技者がハンドル操作を開始したタイミングで指紋情報を検出することができる。
【0130】
尚、指紋情報の読み取りは、ハンドルフラグ23cがオンされたタイミングで、パチンコ機1の指紋検出器19を動作させて遊技者の指紋情報を検出することにより行っても良く、また、パチンコ機1の指紋検出器19を定常的に動作させて検出信号を出力させると共に、ハンドルフラグ23cがオンされたタイミングでその出力されている検出信号を読取ることによって行っても良い。
【0131】
S4の処理の後は、台番号メモリ23dに記憶される台番号を、送信バッファ23bの指紋情報に付加して、会員管理コンピュータ60に送信し(S5)、次いで、(指紋情報の送信後に)送信バッファ23bの情報を0クリアして、この情報送信処理を終了する。
【0132】
一方、S1の処理で確認した結果、ハンドルフラグ23cがオンであれば(S1:Yes)、ハンドルスイッチ18がオンであるか否かを確認する(S7)。確認の結果、ハンドルスイッチ18がオンであれば(S7:Yes)、ハンドルフラグ23cとハンドルスイッチ18とが共にオンであるので、パチンコ機1は(既に指紋情報の検出を行った)1の遊技者によって、継続的に操作されている状態である。よって、新たに指紋情報を検出する必要がないので、この情報送信処理を終了する。
【0133】
また、S7の処理で確認した結果、ハンドルスイッチ18がオンでなければ(S7:No)、ハンドルスイッチ18はオフであり、遊技者が遊技(ハンドル操作)を終了したことを示している。故に、ハンドルフラグ23cをオフした後(S8)、特別データ非表示コマンドを表示用制御基板Dに送信し(S9)、次いで、その処理をS6の処理に移行する。上記したように特別データ非表示コマンドは、会員にのみ提供される特別データの出力を中止するコマンドである。よって、表示用制御基板Dにより、LCD10に表示される特別データの表示の終了が直ちに実行される(図9参照)。これにより、会員のみに提供される特別データが非会員(他の遊技者)に不用意に提供されることを防止することができる。
【0134】
図8は、パチンコ機1の会員管理コンピュータ基板Iにおいて実行される情報受信処理のフローチャートである。情報受信処理は、会員管理コンピュータ60からの提供データを受信するための処理である。この情報受信処理では、まず、会員管理コンピュータ60からの提供データが受信されたか否かを確認する(S11)。ここで、会員管理コンピュータ60からの提供データの受信でなければ(S11:No)、この情報受信処理を終了する。
【0135】
一方、S11の処理で確認した結果、会員管理コンピュータ60からの提供データの受信であれば(S11:Yes)、受信バッファ23aに、受信した提供データを書込む(S12)。その後、受信バッファ23aの提供データを表示用制御基板Dに送信し(S13)、次いで、送信した提供データを受信バッファ23aから0クリアして(S14)、この情報受信処理を終了する。本実施例の遊技システムは、遊技者が会員であるか否かによって、異なる提供データをパチンコ機1のLCD10に表示する。一方で、1のパチンコ機1を使用する遊技者は、常時(遊技者の任意のタイミングで)変更される。しかし、受信された提供データが表示用制御基板Dに送信されることを契機として、受信バッファ23aの提供データを0クリアするので、提供データは、提供されるべき遊技者に的確に提供される(受信バッファ23aの他人の提供データが、表示用制御基板Dに再送信されることはない)。
【0136】
尚、受信バッファ23aの提供データは、新たな提供データを受信することを契機として0クリアされてもよく、また、新たな提供データで上書きすることにより、先の提供データを消去しても良い。
【0137】
図9は、パチンコ機1の表示用制御基板Dで実行される表示情報受信処理のフローチャートである。表示情報受信処理は、会員管理コンピュータ基板Iから送信される提供データを受信し、受信した提供データをLCD10に出力するための処理である。
【0138】
この表示情報受信処理では、まず、会員管理コンピュータ基板Iからの情報受信であるか否かを確認する(S21)。ここで、会員管理コンピュータ基板Iからの情報受信でなければ(S21:No)、この表示情報受信処理を終了する。一方、S21の処理で確認した結果、会員管理コンピュータ基板Iからの情報受信であれば(S21:Yes)、受信した情報を受信バッファ43aに書込む(S22)。そして、受信バッファ43aに書込まれた受信情報は何かを確認し(S23)、受信情報が提供データであれば(S23:提供データ)、特別データ非表示フラグ43dをオフする(S24)。
【0139】
特別データが非会員に不用意に閲覧されないように、遊技者が遊技を終了する(操作ハンドルの操作を停止する)ことにより、特別データ非表示フラグ43dはオンされており、この特別データ非表示フラグ43dのオンにより、特別データはLCD10に非表示とされる。ここで、提供データは、ハンドル操作が実行される毎(指紋情報の検出毎)に会員管理コンピュータ60から送信されるので、表示用制御基板Dに受信される提供データは、新たに、ハンドル操作を開始した遊技者に対応するものである。よって、その遊技者に応じた提供データの表示を行うべく、特別データ非表示フラグ43dがオフされるのである。
【0140】
S24の処理の後は、受信した提供データの内、通常データを通常データメモリ43bに書込み(S25)、次いで、受信した提供データの内、特別データを特別データメモリ43cに書込む(S26)。ここで、遊技者が非会員であれば、特別データとして「0」コードが送信されている。よって、特別データメモリ43cには、「0」コードが書込まれる。これにより、MPU41は、出力するべき特別データの無いことを認識する。
【0141】
その後、特別データ非表示フラグ43dがオンされているか否かを確認する(S27)。ここで、特別データ非表示フラグ43dがオンされていなければ(S27:No)、特別データ非表示フラグ43dはオフであり、通常データメモリ43b及び特別データメモリ43cに記憶される提供データ(通常データおよび特別データ)を、縮小サイズのデータ形式でLCD10に出力して(S28)、小サイズフラグ43eをオンし(S29)、この表示情報受信処理を終了する。
【0142】
尚、出力された提供データは、新たな提供データを受信するまで(或いは、特別データについては、特別データ非表示コマンドを受信するまで)、LCD10に継続して表示される。遊技者が非会員である場合には、上記したように特別データメモリには「0」コードが記憶されており、特別データとして出力されるデータはない。よって、LCD10には、通常データのみが表示されることとなる。
【0143】
また、S27の処理で確認した結果、特別データ非表示フラグ43dがオンされていれば(S27:Yes)、LCD10の特別データの表示を終了した後(S30)、この表示情報受信処理を終了する。本実施例の遊技システム100においては、このS29の処理により、特別データは非表示状態となるが、通常データはLCD10に継続して表示される。
【0144】
一方、S23の処理で確認した結果、受信情報が特別データ非表示コマンドであれば(S23:特別データ非表示コマンド)、特別データ非表示フラグ43dをオンした後(S31)、その処理をS27の処理に移行する。
【0145】
図10は、表示用制御基板Dにおいて実行される表示サイズ切替処理のフローチャートである。表示サイズ切替処理は、LCD10に表示される提供データの表示サイズを、変動表示の状態に応じて切り替える処理である。
【0146】
この表示サイズ切替処理では、まず、変動表示の状態が確認される(S41)。その結果、変動中であると(S41:変動中)、この表示サイズ切替処理を終了する。一方、変動が開始された状態であると(S41:変動開始)、小サイズフラグ43eがオンであるか否かを確認する(S42)。ここで、小サイズフラグ43eがオンであると(S42:Yes)、提供データは既に縮小サイズでLCD10に表示されている。つまり、表示サイズの変更が不要であるので、この表示サイズ切替処理を終了する。
【0147】
一方、S42の処理で確認した結果、小サイズフラグ43eがオフであれば(S42:No)、特別データ非表示フラグ43dがオンであるか否かを確認する(S43)。その結果、特別データ非表示フラグ43dがオフであれば(S43:No)、通常データメモリ43bおよび特別データメモリ43cに記憶される提供データ(通常データおよび特別データ)を、縮小サイズのデータ形式でLCD10に出力し(S44)、小サイズフラグ43eをオンして(S45)、この表示サイズ切替処理を終了する。また、S43の処理で確認した結果、特別データ非表示フラグ43dがオンであると(S43:Yes)、通常データメモリ43bに記憶される通常データを、縮小サイズのデータ形式でLCD10に出力し(S46)、その後、その処理をS45の処理に移行する。
【0148】
更に、S41の処理で確認した結果、変動表示が終了していると(S41:終了)、小サイズフラグ43eがオンであるか否かを確認する(S47)。ここで、小サイズフラグ43eがオフであると(S47:No)、提供データは既に通常サイズでLCD10に表示されている。つまり、表示サイズの変更が不要であるので、この表示サイズ切替処理を終了する。
【0149】
一方、S47の処理で確認した結果、小サイズフラグ43eがオンであれば(S47:Yes)、特別データ非表示フラグ43dがオンであるか否かを確認する(S48)。その結果、特別データ非表示フラグ43dがオフであれば(S48:No)、通常データメモリ43bおよび特別データメモリ43cに記憶される提供データ(通常データおよび特別データ)を、通常サイズのデータ形式でLCD10に出力し(S49)、小サイズフラグ43eをオフして(S50)、この表示サイズ切替処理を終了する。
【0150】
また、S46の処理で確認した結果、特別データ非表示フラグ43dがオンであると(S48:Yes)、通常データメモリ43bに記憶される通常データを、通常サイズのデータ形式でLCD10に出力し(S51)、その後、その処理をS50の処理に移行する。
【0151】
提供データの表示されるLCD10では、変動表示も実行されるため、提供データの表示によって、変動表示の視認性が低下しかねない。しかし、変動表示の状態と小サイズフラグ43eの状態とに基づいて、提供データの表示サイズを変更することができるので、提供データがLCD10に表示されても、変動表示ゲームを行う図柄などの識別情報の視認性を低下させることはない。
【0152】
図11は、登録装置70で実行される指紋情報登録処理のフローチャートである。指紋情報登録処理は、登録装置70において、入力された遊技者の指紋情報により、その遊技者を会員として登録するための処理である。この指紋情報登録処理では、まず、指紋情報が検出されたか否かを確認する(S61)。指紋情報の検出は、登録装置70の指紋検出器によって行われる。この指紋検出器は、遊技者の指が接触したことを検知する押圧センサを備えており、押圧センサの反応により、指紋検出器に指が接触したことが検出されると指紋情報の読み取りが実行される。
【0153】
このS61の処理で確認した結果、指紋情報が検出されていなければ(S61:No)、この指紋情報登録処理を終了する。一方、指紋情報が検出されていれば(S61:Yes)、全指の指紋情報の入力が完了したか否かを確認し(S62)、全指の指紋情報の入力が完了していなければ(S62:No)、S63以降の処理を待機する。また、全指の指紋情報の入力が完了していれば(S62:Yes)、遊技者による氏名(氏名情報)、住所(住所情報)、電話番号(電話番号情報)の入力が完了したか否かを確認する(S63)。
【0154】
確認の結果、遊技者による氏名(氏名情報)、住所(住所情報)、電話番号(電話番号情報)の入力が完了していなければ(S63:No)、かかる情報入力の完了を待機し、かかる情報入力が完了していれば(S63:Yes)、入力された氏名情報、住所情報、電話番号情報と、全指の指紋情報とに、登録コードを付加して会員管理コンピュータ60に送信し(S64)、この指紋情報登録処理を終了する。
【0155】
図12は、貯球処理装置85で実行される貯球処理のフローチャートである。この貯球処理は、遊技者が遊技で得た球の内の所望の球数の貯球と、遊技者が自己の貯球から所望数の球を引き出すための処理である。この貯球処理は、定期的にROMから読出されて実行される。
【0156】
この貯球処理では、まず、貯球処理装置85に球が導入されたか否かを確認する(S71)。確認の結果、球が導入されていなければ(S71:No)、S72の処理をスキップして、S73の処理に移行する。一方、貯球処理装置85に球が導入されていると(S71:Yes)、計数処理を実行し(S72)、導入された球数のカウントを行う。
【0157】
その後、指紋情報の入力がなされたか否かを確認する(S73)。貯球処理装置85のMPUは、貯球処理装置85の指紋検出器に遊技者の指が接触することにより、指紋入力であると認識する。そして、確認の結果、指紋情報の入力がなされていると(S73:Yes)、入力された指紋情報の読取りを行う指紋読取処理を実行し(S74)、その後、S75の処理に移行する。一方、指紋情報の入力がなされていなければ(S73:No)、S74の処理をスキップして、S75の処理に移行する。
【0158】
S75の処理では、所定時間が経過したか否かを確認する。このS75の処理においては、S71の処理で球の導入が確認された場合には、その計数処理が終了してから所定時間が経過したか否かが確認される。具体的には、S71の処理で球の導入が確認された場合には、その旨を示すフラグがオンされ、そのフラグがオンされている間、継続して計時が実行され、その計時された時間が所定時間に達したか否かがS75の処理で判断される。オンされたフラグは、所定時間の経過を契機としてオフされる。
【0159】
また、S71の処理で球が導入されていないと判断される(上記した球が導入されたことを示すフラグのオフ時において)と、貯球処理の開始から所定時間が経過したか否かがS75の処理において確認される。
【0160】
そして、所定時間が経過していると(S75:Yes)、S73の処理で指紋情報が入力されているか否かを調べ(S76)、指紋情報が入力されていれば(S76:Yes)、入力された指紋情報に貯球処理装置コードを付加して会員管理コンピュータ60に送信する(S77)。その後は、会員管理コンピュータ60からのデータを受信したか否かを確認し(S78)、データが受信されていなければ(S78:No)、データの受信を待機する。一方、データが受信されていれば(S78:Yes)、受信データは何であるかを確認し(S79)、その受信データが貯球情報であれば(S79:貯球情報)、受信した貯球情報と計数した球数とを表示する貯球表示処理を行う(S80)。計測された球がない場合には、受信した貯球情報のみが表示される。
【0161】
この貯球情報が表示された状態(貯球表示処理(S80)において)で、遊技者は、所望の球数を球数情報として入力することができる。この球数情報の入力は、(表示された球数内で)負の数で行うこともでき、また、(計数された球数内で)正の数で行うこともできる。負の球数情報の入力は、その入力された球数の引き出しの指定である。また、正の球数情報の入力は、その入力された球数を貯球することの指定である。この貯球表示処理(S80)の後は、入力された球数情報に、指紋読取処理(S74)で読取った指紋情報と貯球処理装置コードとを付加して会員管理コンピュータ60に送信する(S81)。そして、各処理を実行して(S82)、この貯球処理を終了する。
【0162】
各処理(S82)では、遊技者が指定した球数に応じて景品を交換するための処理を実行する。貯球表示処理(S80)で、正の数で球数情報が入力された場合には、計数された球数から入力された正の数を減じた残りの球数が、相当する景品と交換され、また、貯球表示処理(S80)で、負の数で球数情報が入力された場合には、その球数が相当する景品に交換される(或いは、入力された球数に相当する球が払い出される)こととなる。この各処理(S82)における景品を交換するための処理とは、遊技者の指示した球数に応じた景品引換券の出力処理や、貯球の払出処理となる。
【0163】
また、S75の処理で確認した結果、所定時間が経過していなければ(S75:No)、その処理をS71の処理に移行し、球の導入または指紋情報の入力を待機する。更に、S76の処理で確認した結果、指紋情報の入力がなければ(S76:No)、その処理を各処理(S82)に移行する。そして各処理(S82)において、S71の処理において球の導入が確認されたか否かを調べる。球の導入が確認されていなかった場合には、この貯球処理を終了する。一方、S71の処理で球の導入が確認されている場合には、遊技者が、遊技によって得た球を貯球することも貯球を引き出すことを所望していないと判断し、計数した球数に応じた景品に交換するための処理を実行した後、この貯球処理を終了する。加えて、S79の処理で確認した結果、受信データがエラー情報であれば(S79:エラー情報)、エラー処理を行った後、その処理を各処理(S82)に移行する。
【0164】
貯球情報は、会員管理コンピュータ60において、登録された指紋情報に対応付けられて管理されている。つまり、遊技者は、会員であると、貯球を行うサービスが利用できる。よって、非会員である遊技者が、指紋情報を入力しても、貯球情報を利用できないので、エラーとして処理される。かかる場合には、各処理(S82)において、計数処理(S72)で計数された球数に相当する景品に交換するための処理が実行されることとなる。
【0165】
図13は、会員管理コンピュータ60において実行される指紋情報受信処理のフローチャートである。この指紋情報受信処理は、各装置から会員管理コンピュータ60に送信される指紋情報について、その送信元装置を判別し、判別された装置に応じて処理を実行するとともに、その処理結果を指紋情報送信元の装置に送信することにより、指紋情報送信元の装置に必要な処理を実行させるための処理である。
【0166】
この指紋情報受信処理では、まず。指紋情報の受信か否かが確認され(S91)、指紋情報の受信でなければ(S91:No)、この指紋情報受信処理を終了する。一方、指紋情報の受信であれば(S91:Yes)、指紋情報の送信元装置が何かを確認する(S92)。この確認は、指紋情報に付加された装置コード或いは台番号を読取ることによって、行われる。確認の結果、送信元装置がパチンコ機1であれば(S92:パチンコ機)、受信した台番号に対応する情報(指紋情報など)は、遊技者データメモリ66eに記憶されているか否かを確認する(S93)。
【0167】
ここで、受信した台番号に対応する情報が、遊技者データメモリ66eに記憶されていれば(S93:Yes)、受信した台番号に対応する情報を読出す(S94)。読出した情報には、遊技者の指紋情報と、会員コードまたは非会員コードとが含まれている。そして、受信した指紋情報とこの読出した情報に含まれる遊技者の指紋情報との照合を行う指紋認証処理を実行する(S95)。
【0168】
尚、本実施例の遊技システム100においては、パチンコ機1においては、複数(5指)の指紋情報が検出されるようになっている。指紋認証処理(S95)においては、この5指の指紋情報の内、少なくとも1の指紋情報が読出した指紋情報と一致すれば、指紋情報の一致(同一の遊技者)として判定する。
【0169】
そして、読出した指紋情報と、受信した指紋情報とが一致したか否かを確認し(S96)、その結果、S94の処理で読出した指紋情報と、受信した指紋情報とが一致していなければ(S96:No)、その台番号に指定されるパチンコ機1の遊技者は変更されているので、受信した台番号とを対応付けて遊技者データメモリ66eに書込み、先の情報を更新する(S97)。この更新は、受信した台番号に対応するメモリエリアの更新となるので、同じメモリエリアに記憶されている会員コードまたは非会員コードは消去される。
【0170】
その後、受信した指紋情報は、登録データメモリ66cに記憶されているか否かを確認し(S98)、ここで、受信した指紋情報が登録データメモリ66cに記憶されていると(S98:Yes)、S97(またはS104)の処理で遊技者データメモリ66eに書込んだ指紋情報に会員コードを付加する(S99)。そして、提供情報メモリ66aに記憶される通常データと、特別情報メモリ66bに記憶される特別データと、書込まれた指紋情報に対応する貯球情報とを送信バッファ63bに書込む(S100)。S100の処理で書込まれる貯球情報は、会員毎に提供される個別の特別データであり、指紋情報に基づいて、登録データメモリ66cから読出され、提供情報メモリ66aから読出された特別データに付加される。
【0171】
次に、受信した指紋情報は、受信した台番号以外の台番号と対応付けられて、遊技者データメモリ66eに記憶されているか否かを調べる(S101)。ここで、受信した台番号以外の台番号にも、受信した指紋情報(受信した指紋情報と同一の指紋情報)が対応付けられて記憶されている場合には(S101:Yes)、その台番号と、その台番号に対応つけて記憶されている指紋情報などの情報を消去する(S102)。また、受信した台番号以外の台番号に、受信した指紋情報(受信した指紋情報と同一の指紋情報)が対応付けられて記憶されていない場合には(S101:No)、S102の処理をスキップしたS103の処理に移行する。その後、送信バッファ63bの情報を送信元装置に送信して(S103)、この指紋情報受信処理を終了する。
【0172】
また、S93の処理で確認した結果、受信した台番号に対応する情報が、遊技者データメモリ66eに記憶されていなければ(S93:No)、受信した指紋情報と台番号とを遊技者データメモリ66eに書込んだ後(S104)、その処理をS98の処理に移行する。更に、S96の処理で確認した結果、S94の処理で読出した指紋情報と、受信した指紋情報とが、一致していれば(S96:Yes)、遊技者は変更されていないので、遊技者データメモリ66eに記憶される指紋情報に会員コードが付加されているか否かを確認する(S105)。
【0173】
ここで、会員コードが付加されていれば(S105:Yes)、その処理をS100の処理に移行し、一方、会員コードが付加されていなければ(S105:No)、特別データとしての「0」コードと、提供情報メモリ66aに記憶される通常データとを送信バッファ63bに書込み(S106)、その後、その処理をS103の処理に移行する。
【0174】
「0」コードは、特別データがないことを示すデータであり、上記したように、パチンコ機1では、この「0」コードが受信されると、表示するべき特別データがないので、通常データのみが表示される。
【0175】
加えて、S98の処理で確認した結果、受信した指紋情報が登録データメモリ66cに記憶されていなければ(S98:No)、S97(またはS104)の処理で遊技者データメモリ66eに書込んだ指紋情報に非会員コードを付加し(S107)、特別データとしての「0」コードと、提供情報メモリ66aに記憶される通常データとを送信バッファ63bに書込み(S108)、その後、その処理をS101の処理に移行する。
【0176】
一方、S92の処理で確認した結果、指紋情報の送信元装置が貯球払出サンド装置50、自動販売機80、貯球処理装置85のいずれかであれば(S92:貯球払出サンド装置、自動販売機、貯球処理装置)、受信した情報は球数情報を含んでいるか否かを確認する(S110)。ここで、球数情報が含まれていれば(S110:Yes)、既に会員であることが確認済であることを示しているので、登録データメモリ66cを検索し、受信した指紋情報に対応する貯球情報を、受信した球数情報に応じて更新する(S111)。その後、その処理をS103の処理に移行する。
【0177】
よって、貯球処理装置85からの正の数の球数情報が受信されれば、貯球情報(貯球数)は、その分増加する。また、貯球処理装置85からの負の数の球数情報が受信されれば、貯球情報(貯球数)は、その分減算される。貯球払出サンド装置50または貯球処理装置85から送信される球数情報は、貯球の払出要求であるので、負の数の球数情報とし、貯球情報(貯球数)から受信した球数情報が減算される。
【0178】
また、S110の処理で確認した結果、受信情報に球数情報が含まれていなければ(S110:No)、これは、貯球払出サンド装置50または自動販売機80若しくは貯球処理装置85からの指紋情報(遊技者が会員であるか否か)の確認要求である。よって、受信した指紋情報が登録データメモリ66cに記憶されているか否かを確認し(S112)、その結果、受信した指紋情報が登録データメモリ66cに記憶されていれば(S112:Yes)、対応する貯球情報と氏名情報とを送信バッファに63bに書込み(S113)、その後、処理をS103の処理に移行する。
【0179】
更に、S112の処理で確認した結果、受信した指紋情報が登録データメモリ66cに記憶されていなければ(S112:No)、エラー情報を送信バッファ63bに書込み(S114)、その処理をS103の処理に移行する。
【0180】
また、S92の処理で確認した結果、指紋情報の送信元装置が登録装置70であれば(S92:登録装置)、指紋情報と共に送信されている氏名情報と、住所情報と、電話番号情報と、受信した(5指の)指紋情報とを登録データメモリ66cに書込んだ後(S115)、この指紋情報受信処理を終了する。
【0181】
このように、本実施例の遊技システム100によれば、指紋情報により遊技者が会員であるか非会員であるかを会員管理コンピュータ60において判断することができる。パチンコ機1から入力された指紋情報により、その遊技者が会員であると判断された場合には、会員にのみ提供する特別データ(会員を優遇するための各種情報)をパチンコ機1に出力することができる。よって、会員である遊技者は、遊技を実行しつつ、必要な情報を入手できる。この特別データは、LCD10に表示されるので、遊技者が視覚的障害となって、他の遊技者からは視認されがたい。更には、LCDに表示中の特別データは、遊技者が変更(ハンドルスイッチ18のオフ)により非表示とされる。よって、会員である遊技者に秘密性の高い情報を提供でき、また、非会員である遊技者と会員である遊技者とに明確な優位差を付与することができる。これによれば、遊技者に、自発的に会員になることが推奨され、該パチンコ機1を設置する遊技場は、顧客の獲得数を増加させることができる。
【0182】
加えて、本実施例の遊技システム100では、パチンコ機1の指紋検出器19は、操作ハンドル9を遊技者が把持することにより、指紋を検出し得るように構成したので、遊技者は通常の遊技動作を行うだけでよい。つまり、指紋検出を行うための操作をわざわざ実行する必要がない。更に、会員管理コンピュータ60には、5指の指紋情報が記憶されているので、操作ハンドル9を把持する5指の内のいずれかの指の指紋情報が検出できれば、遊技者を特定できるので、効率的且つ的確に遊技者を特定できる。
【0183】
また、遊技者は会員であることを指紋により証明できるので、会員カードや暗証番号などを用意する必要が無く、これらを管理するという面倒な作業から開放される。その上、会員カードや暗証番号などによりサービスを受ける場合のように、紛失によりサービスの提供が中止されるといった不具合が発生することがない。
【0184】
次に、図14と図15とを使用して、第2実施例の遊技システム100について説明する。第1実施例の遊技システム100においては、パチンコ機1の操作ハンドル9は、ハンドルリング9bに凹設された挿入孔9cを備えており、この挿入孔9cに遊技者が指を挿入することにより操作される(把持される)ように構成された。これに代えて、第2実施例の遊技システム100のパチンコ機1には、操作ハンドル90が備えられている。この操作ハンドル90は、挿入孔9cにかえて、ハンドルリング90bの上面に露出した凹部90cが形成されており、かかる凹部90cに指をおいた状態で操作ハンドル90が操作されるように構成されている。尚、第1実施例と同じ部分には、同じ符号を付して、その説明を省略する。また、この第2実施例の遊技システム100では、第1実施例の遊技システム100と同様に各処理が実行される。
【0185】
図14は、第2実施例の遊技システム100に備えられたパチンコ機1の操作ハンドル90の上面図である。図14に示すように、操作ハンドル90は、第1実施例の操作ハンドル9と同様に、前面枠2から略半球状に前方に突設されたハンドル本体90aと、そのハンドル本体90aに対して正面視において外方に部分的に突出して周設されると共にハンドル本体90aに対して回動可能に支持されたハンドルリング90bと、筒状に形成されると共にハンドル本体90aと前面枠2とを連結する連結部材90eとを備えている。
【0186】
ハンドルリング90bは、ハンドル本体90aの突設方向と同じ方向に所定の奥行きを有する部材であり、その上面(表面)には、ハンドル本体90aの中心方向に凹となるように凹設された凹部90cを備えている。この凹部90cは、ハンドル本体90a(ハンドルリング90b)の上半円側に設けられている。
【0187】
凹部90cは、遊技者が指を設置するために設けられた箇所であり、操作ハンドル90aの上面視左側から、ハンドルリング90bの円弧に沿って、親指、人差し指、中指、薬指、小指の設置される箇所として、5カ所の凹部90cが設けられている。一般にハンドル操作を行う場合には、遊技者は、ハンドルのグリップ性を高めるために、ハンドルに設けられる突起や凹凸に指をかけてハンドル操作を行う。第2実施例の操作ハンドル90においては、遊技者がハンドルのグリップ性を高めるための凹凸として、凹部90cが形成されているのである。操作ハンドル90には、かかる凹部90c以外には、遊技者がハンドル90を操作する際の支点が設けられていないので、遊技者は、この凹部90cに指をかけてハンドル90操作することとなる。この凹部90cには、検出部19aが設けられており、凹部90cに置かれた指の腹が接触するように検出部19aは配設されている。
【0188】
ハンドル本体90aの内部には、第1実施例の操作ハンドル9と同様に、ハンドルスイッチ18と指紋検出器19とが内蔵されている。これにより、遊技者が凹部90cに指をおいてハンドル90を把持し、ハンドル操作を実行することにより、遊技者の指紋情報を検出することができるのである。
【0189】
第1実施例の操作ハンドル9は、挿入孔9cに指を挿入するものであるので、操作ハンドルの持ち方が規制され、指紋検出の確実性を高められる。一方で、遊技者に不快感を抱かせかねない。第2実施例の操作ハンドル90は、ハンドルリング90bの上面(表面)を把持してハンドル操作を実行するものであるので、操作ハンドル9の操作時のような不快感を与えない。
【0190】
ここで、第2実施例の操作ハンドル90のように、ハンドルリング上の任意の部分を把持することのできる構造であると、把持の態様の自由度が大きい。このため、遊技者にとって持ちやすい状態で、ハンドルリング90bは把持されやすく、必ずしも、遊技者が凹部90cに指をおいて操作すると限らない。
【0191】
第2実施例の遊技システムにおいては、遊技者が凹部90cに指をおいてハンドル操作を行うことを推進するために、ハンドル初動時の操作抵抗が、所定の回転量を超えるまで、それ以降の抵抗力よりも大きくなるように構成されている。つまり、ハンドル初動時の操作抵抗が大きいと、遊技者は、強い把持力でハンドル操作を行わなくてはならず、必然的に、グリップ性を高めることのできる凹部90cに指をかけてハンドル操作を行うことが促進される。
【0192】
遊技中は、所定量以上の回転量によって、球の弾道が的確となるようにパチンコ機1は設計されているので、遊技者は、通常、所定量以上回転させた状態で、操作ハンドル90を保持する。操作ハンドル90の操作抵抗は、ハンドルの初動時のみに大きくなるので、遊技を継続して実行している間は、初動時のような大きな負荷が遊技者に課せられることはない。このハンドル操作の初動時に、操作ハンドル90の操作抵抗を強める機構について、図15を使用して説明する。
【0193】
図15は、パチンコ機1の球発射装置150を裏側から斜視した分解斜視図であり、図中の矢印Aは、打球杆144の打撃力を増加する場合におけるハンドルリング90bの回動方向を図示している。この球発射装置150は、遊技者により操作される操作ハンドル90によって動作される。操作ハンドル90は、上述した第1実施例の操作ハンドル9と同様に、パチンコ機1の表側、ガラス扉枠4の下方右側に配設されており(図1参照)、前面枠2に固定されるハンドル本体90aに対して相対的に回動可能に設けられたシャフト123とを備えている。シャフト123は、連結部材90eの内側に設けられ、ハンドルリング90bの回動をパチンコ機1の裏面側に伝達するための軸である。
【0194】
操作ハンドル90のシャフト123は、球発射装置150における略平板状の支持板140に挿嵌可能に形成され、プーリ141が連結される。このプーリ141は、シャフト123の回動を後述する打球杆144へ伝達するためのものであり、その外周に線材で形成されたワイヤ142の一端が連結されている。このワイヤ142は、プーリ141と共に操作ハンドル90のシャフト123の回動を伝達するためのものであり、その他端が調節バネ部材143の一端が連結される揺動部材143a下端に連結されている。揺動部材143aは、ワイヤ142により伝達されるシャフト123の回動を調節バネ部材143へ伝達するためのものであり、支持板140に揺動(傾動)可能に軸支されている。尚、ワイヤ142は、かかる揺動部材143a下端およびプーリ141下端間に懸架されている。
【0195】
揺動部材143aの上側部分には、調節バネ部材143の一端が連結されている。この調節バネ部材143は、後述する打球杆144に付勢力を付与するためのものであり、コイルスプリングで構成された引っ張りバネで形成され、その他端が打球杆144の支軸144aの上方部分に連結されている。打球杆144は、その上端部で球を打撃して遊技領域へ打ち込むためのものであり、支持板140に支軸144aを介して揺動可能に軸支されている。この打球杆144は、上述した調節バネ部材143により、図15の右側へ向けて付勢されており、かかる調節バネ部材143による付勢方向が球の打撃方向とほぼ一致するように構成されている。
【0196】
打球杆144の下側端部には、錘部144cが配設されている。この錘部144cは、打球杆144の下側端部の重量を重くするための部位であり、後述するストッパ部材144の反対側へ向けて突出して形成されている。これにより、打球杆144は、錘部144cの重量の分だけ重心が支軸144aから離間されるため、その分、支軸144aを中心として揺動する際の回転慣性力を向上され、その結果、球をより強固に打撃して発射することができる。よって、錘部144cを設けることにより、他の部位を細くして、その分、打球杆144全体としての軽量化を図ることができる。
【0197】
なお、錘部144cは、打球杆144に一体に設けられていても良く、或いは、より重量が重い材料から錘部144cを別体で構成し、これを溶接や接着、螺着等により打球杆144に取り付けるように構成しても良い。この場合には、錘部144cの取り付け位置を調整可能に構成しても良い。また、錘部144cは、支軸144aよりも下側に配設されたが、支軸144aよりも上側に配設しても良く、更には、上下側に2以上を配設しても良い。
【0198】
打球杆144の下方であって支持板140の下側部分には、打球杆144の下端が当接するストッパ部材140aが配設されており、かかるストッパ部材140aにより打球杆144の支軸144aを中心とした図15における時計方向へ揺動が規制されている。打球杆144の支軸144a近傍であって、調節バネ部材143連結側と反対側(図15左側)部分には外方へ向けて延出部144bが延出されており、この延出部144b近傍には発射用モータ17が配設されている。発射用モータ17は、打球杆144に球を打撃するための動力を付与するためのものであり、その回転軸(図示せず)には打球杆144の延出部144bを弾くための発射カム146が固着されている。発射用モータ17は、その回転軸が略100rpm(1分間に100回転)で回転可能に構成されており、発射カム146は、かかる回転軸の回転に基づいて回転される。
【0199】
発射カム146は、発射用モータ17の駆動、即ち、その回転軸の回転に伴って打球杆144の延出部144bを下方へ向けて押下することにより、打球杆144を調節バネ部材143を反付勢方向(図15左側方向)へ向けて弾いて、打球杆144の上端部を調節バネ部材143による付勢方向(図15右側方向)へ反動させるためのものであり、その外周から外方へ向けて突出された略三日月状の突起部146aが設けられている。この突起部146aは、上述した打球杆144の延出部144bへ向けて突出されており、かかる突起部146aの回転軌道と交わる部分には上述した延出部144bが延出されている。
【0200】
上記のように構成された球発射装置150によれば、発射カム146は、発射用モータ17の回転軸が回転に伴って図15の時計方向へ回転され、かかる回転に伴って、打球杆144の延出部144bは発射カム146の突起部146aにより下方へ向けて押下される。延出部144bが突起部146aにより押下されると、打球杆144の上端部分は、調節バネ部材143の付勢力に抗して反付勢方向(図15左側方向)へ向けて傾動される。発射用モータ17により発射カム146が更に回転され突起部146aが延出部144bから外れると、調節バネ部材143の付勢力(復元力)により打球杆144が元の状態へ戻るように反動され、かかる打球杆144の反動により、球が打撃され発射されるのである。この場合、打球杆144は、その下側端部に配設された錘部144cにより回転慣性力が向上されているので、その分、球を強固に打撃して発射することができる。
【0201】
また、操作ハンドル90のハンドルリング90bの回転操作により、シャフト123が回転されると、プーリ141が回転され、ワイヤ142がプーリ141配設側(図15左側)へ向けて引っ張られる。このワイヤ142の引っ張りに伴って、揺動部材143aがワイヤ42の引っ張り方向へ向けて傾動される一方、この揺動部材143aの傾動に伴って、調節バネ部材143が打球杆144配設側と反対方向へ引っ張られ延びる。即ち、ハンドルリング90bの回動量を調節することにより、調節バネ部材143の引っ張り量(変形量)が変化され調節され、その結果、打球杆144を付勢する調節バネ部材143の付勢力を調節することができるのである。この調節バネ部材143の付勢力の調節により、打球杆144による球の打撃力が調節され、かつ、打球杆144により打撃される球の発射速度、及び、遊技領域へ向けて打ち出される球の飛翔量を調節することができるのである。
【0202】
この調節バネ部材143により、ワイヤ142には、ストッパ部材140a側に(図15右側)へ向けて引っ張られる力が働いている。このため、プーリ141には図15の反時計方向の回転力が付与され、シャフト123に図15の時計方向(矢印反A方向)の回転力が付与される。パチンコ機1では、この回転力によって、非操作時には、操作ハンドル90は初期位置に付勢される。ハンドル操作時には、この付勢力が操作抵抗となる。
【0203】
図15には、このハンドル本体90aと連結部材90eとの一部を透明視して、その内部構造を表示している。ハンドルシャフト123には、中心軸から外方に突設された突起部123aが設けられている。この突起部123aは、磁気特性を有する金属素材により形成され、ハンドルシャフト123の回転と一体で回転される。
【0204】
操作ハンドル90が初期位置にある場合において、この突起部123aの対向面であって、ハンドル本体側には、突起部123aと接触する磁石124が取着されている。つまり、初期位置から操作ハンドル90を操作する初動状態においては、上記した調節バネ部材143により付与される付勢力に加え、磁石124の磁力が操作抵抗となる。
【0205】
ハンドルリング90bの回転時においても、ハンドル本体90aは、定位置に固定された状態であるので、磁石124も定位置に固定されている。よって、(磁力と付勢力とに逆らって)ハンドルリング90bが回転されると、シャフト123の回転に伴い、突起部123aは、磁石124から離れる。これにより、ハンドル操作に対する操作抵抗は、調節バネ部材143によって付与される付勢力のみとなる。
【0206】
このように、第2実施例の遊技システム100によれば、操作ハンドル90の初動時の操作抵抗を強めることができるので、ハンドル初動時の操作において、遊技者に、グリップ性を高めることのできる凹部90cに指をかけてハンドル操作を行うことを促進することができる。よって、把持方法の自由度が高い形状で操作ハンドル90を形成しても、遊技者が予め想定された状態(凹部90cに指をかけた状態)でハンドル操作を行いやすく、凹部90cに設けた検出部19aから的確に指紋情報を検出することができる。また、遊技者は、挿入孔などに指を挿入した状態でハンドル操作を行う必要がないので、ハンドル操作に不快感を覚えることがない。
【0207】
尚、上記各実施例において、請求項1記載の遊技システム及び後述する遊技システム0における生体情報出力手段としては、図7のフローチャートのS5の処理が該当する。また、請求項1記載の遊技システム及び遊技システム0における判別手段としては、図13のフローチャートのS98の処理が該当する。更に、請求項1記載の遊技システム及び遊技システム0における提供情報出力手段としては、図13のフローチャートのS100,S103の処理が該当する。加えて、請求項1記載の遊技システム及び遊技システム0における情報阻害手段としては、図9のフローチャートのS30の処理と、図13のフローチャートのS108とが該当する。
【0208】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0209】
例えば、上記各実施例では、検出された指紋情報に基づいて、その指紋情報により特定される遊技者が会員であるか否かの判断は、会員管理コンピュータ60において実行されるように構成した。これに代えて、指紋検出器の搭載される各装置側(パチンコ機1または各装置80,85)において、かかる判断を行うように構成しても良い。
【0210】
更に、提供データは会員管理コンピュータ60に記憶され、会員管理コンピュータ60から各パチンコ機1に出力された。これに代えて、提供データを記憶するメモリと、そのメモリに記憶される提供データの中から所定のデータを出力する出力手段とを各パチンコ機1に設けても良い。
【0211】
加えて、上記各実施例では、遊技者を識別する生体情報として、遊技者の指紋情報を用いたが、これに代えて、遊技者の生体情報として、遊技者の画像、顔の特徴や骨格パターン、静脈パターン、網膜パターン、或いは、声紋などの生体情報を用いてもよい。顔の特徴を生体情報とし、この顔の特徴を生体情報として用いるシステムとしては、目、鼻、口など特徴のある一点から遊技者を識別するシステムであっても良く、顔全体の形状から遊技者を識別するシステムであってもよい。
【0212】
また、上記各実施例では、パチンコ機1は、5指全ての指紋情報を検出するように構成されたが、必ずしも、5指全ての指紋情報を検出する必要はなく、1以上の指の任意の本数の指紋情報が検出されるように構成しても良い。
【0213】
更に、上記各実施例では、遊技者の指は、操作ハンドル9,90の予め定められた位置にセットされるように、挿入孔9cや凹部90cを設けた。これに代えて、例えば、ハンドルリング全面を検出部19aで構成しても良い。これによれば、遊技者がどのような持ち方をしても、その指が検出部に接触するので、確実に指紋情報を検出できる上、遊技者は、自己の好みの持ち方をできるので、操作ハンドルの使い勝手を向上させることができる。尚、かかる場合には、遊技者の指がハンドルリングからはみ出ることがないように、ハンドルリングの奥行きを長くすることが望ましい。
【0214】
また、上記第1実施例では、遊技者の指紋検出の信頼性を向上させるために、操作ハンドル9に挿入孔9cを設け、また、上記第2実施例では、操作ハンドル90の初動時の抵抗力を強めるように構成した。これに代えて、遊技者が操作ハンドルを所定の方法で操作するように促す表示の出力や、所定の方法以外の操作では警告音を出力すること、或いは、遊技を非実行とするなどの手法により、遊技者の指紋検出が確実になされるように構成しても良い。
【0215】
加えて、上記各実施例では、貯球処理装置85により、球の計数処理と、貯球の預け入れ処理、貯球の払出処理、景品交換を行うための処理とを行うように構成した。これに代えて、貯球処理総理85をジェットカウンタと呼ばれる球の計数装置、ポス(「POS」)と称される景品交換装置、貯球の払出(預け入れ)を実行する貯球払出装置の3つの装置で構成しても良い。
【0216】
更に、上記各実施例では、パチンコ機1において取得された指紋情報は、会員管理コンピュータ60にのみ送信されるように構成されたが、この指紋情報をホールコンピュータ75にも送信し、ホールコンピュータ75において、各パチンコ機1の遊技状態を示す情報に対応付けて記憶するように構成しても良い。これによれば、各パチンコ機1の状態とそのパチンコ機1を使用する遊技者とを対応付けて管理でき、不正行為に対するセキュリティを向上させることができる。また、会員管理コンピュータ60とホールコンピュータ75とを、1のコンピュータで構成することにより、各パチンコ機1の遊技状態を示す情報と指紋情報とを対応付けて管理するようにしても良い。
【0217】
本発明を上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
【0218】
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0219】
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
【0220】
尚、操作ハンドルが設けられないスロットマシンなどは、遊技者が押下するボタンに検出部19aを設けても良い。
【0221】
以下に本発明の遊技機および変形例を示す。
【0222】
遊技者の生体情報を取得する生体情報取得手段と、その生体情報取得手段により取得された生体情報を出力する生体情報出力手段とを備えた遊技機と、その遊技機を使用する遊技者に提供される提供情報を記憶する提供情報記憶手段と、前記遊技機の生体情報出力手段より出力される生体情報に基づいて、遊技者が予め登録された会員であるか否かを判別する判別手段と、その判別手段により前記遊技者が会員であると判別されると、前記提供情報記憶手段に記憶される提供情報の内、会員に提供される提供情報を前記遊技機に出力する提供情報出力手段と、前記判別手段により前記遊技者が会員でないと判別されると、前記提供情報出力手段により出力されて会員に提供される提供情報が、遊技者に認識されることを阻害する情報阻害手段とを備えていることを特徴とする遊技システム0。
【0223】
遊技システム0において、前記判別手段により遊技者が会員でないと判別された場合には、前記提供情報出力手段は、前記提供情報記憶手段に記憶される提供情報の内、非会員に提供する提供情報を前記遊技機に出力するものであることを特徴とする遊技システム1。よって、遊技者が非会員である場合にも、(非会員に対応した)提供情報を出力することができる。
【0224】
ここで、非会員に提供される提供情報とは、会員のみが知り得る提供情報を除いた情報である。尚、会員情報は、非会員に提供される提供情報を含んでいても良く、含んでいなくても良い。
【0225】
具体的には、例えば、会員に提供される提供情報とは、会員のみのイベント情報や、各遊技機或いは遊技者が使用中の遊技機の過去の詳細な遊技状態(履歴)を示す遊技履歴情報、会員の所有する貯球を示す貯球情報や、遊技場から所定の条件をクリアする毎に付与されるサービスポイント数情報などである。また、非会員に提供される提供情報とは、イベントや休日等の案内である遊技場の営業広告情報、導入される新台に関する新台情報、会員の登録方法案内や、会員の特典を紹介する特典紹介情報などである。
【0226】
遊技システム0または遊技システム1において、複数の前記遊技機に接続され、その接続される前記遊技機の生体情報出力手段から出力される生体情報を受信する受信手段と、前記判別手段と、前記提供情報記憶手段と、前記提供情報出力手段とを有している管理装置を備えており、その管理装置は、前記受信手段により生体情報が受信されると、前記判別手段により受信した生体情報に基づいて遊技者の判別を行い、その判別結果に応じて、前記提供情報記憶手段に記憶される提供情報の内の対応する提供情報を、前記提供情報出力手段により前記遊技機に出力するものであることを特徴とする遊技システム2。
【0227】
遊技システム2においては、遊技機からの生体情報が受信手段により受信されると、受信した生体情報に基づく判別結果に応じて、提供情報記憶手段に記憶される提供情報の内の対応する提供情報を、提供情報出力手段により遊技機に出力する。このため、管理装置により、複数の遊技機に提供する提供情報を一元的に管理することができる。また、生体情報に基づく遊技者の判別を、管理装置で行うことができるので、複雑でコストの高い装置(回路)が必要となる判別手段を(各遊技機毎に設けることなく)1台の管理装置に設けるだけでよい。故に、低コストで、効率的に提供情報を管理し、また、各遊技機に提供情報を出力することができる。
【0228】
遊技システム2において、前記生体情報は指紋情報とされ、1の遊技者毎にその複数の指の指紋情報を登録する登録手段を備えており、前記管理装置は、その登録手段により登録された指紋情報を記憶する登録情報記憶手段を有していると共に、前記判別手段は、前記受信手段により受信した指紋情報が、前記登録情報記憶手段に記憶される登録された指紋情報であると、前記受信手段により受信した指紋情報を所有する遊技者を会員として判別するものであることを特徴とする遊技システム3。
【0229】
登録手段により、遊技者の複数の指の指紋情報が登録される。一方、管理装置では、登録された複数の指の指紋情報と、受信した指紋情報(遊技機で取得された指紋情報)とにより遊技者が会員か否かが判別される。このため、生体情報取得手段により、登録された指のいずれかの指の指紋情報が取得できれば、その遊技者を特定することができ、遊技者特定の確実性を向上させることができる。
【0230】
尚、遊技者の複数の指は、2本以上の指を意味しており、必ずしも、遊技者の全ての指を示すものではない。故に、登録手段は、1の遊技者毎にその5指の指紋情報を登録するように構成されても良く、また、1の遊技者毎にその5指の内から選択された複数の指の指紋情報を登録するように構成されても良い。
【0231】
遊技システム2または3において、前記管理装置は、前記遊技機の生体情報出力手段により出力された生体情報と、その生体情報出力元の遊技機の識別情報とを対応付けて記憶する遊技者情報記憶手段を備えていることを特徴とする遊技システム4。
【0232】
遊技機において、遊技者が会員であるか否かに関わらず、生体情報取得手段によって生体情報は取得される。遊技システム4においては、この取得した生体情報を遊技機の識別番号と対応付けて記憶することができるので、遊技者がどの台を使用しているかを管理することができる。
【0233】
通常、遊技機は、その遊技機の遊技状態(例えば、入賞の発生や特別遊技状態の発生)をデータとして出力できるように構成されている。故に、遊技機を使用する遊技者とその遊技機の識別情報とを対応付けて管理すれば、遊技者と各遊技機の状態とを対応付けて監視することができ、不正行為に対するセキュリティを向上させることができる。
【0234】
尚、遊技者情報記憶手段に記憶される生体情報は、1日の営業が終了したタイミングで消去されても良く、また、必要な情報のみ抽出し、該情報を継続的に記憶するデータベースを構築しても良い。
【0235】
遊技システム2から4のいずれかにおいて、前記管理装置に接続されると共に前記生体情報取得手段と、該生体情報取得手段により取得された生体情報と遊技者により要求されたサービスに関する情報とを前記管理装置に送信する情報送信手段とを有し、遊技者に所定のサービスを提供するサービス装置を備えており、前記管理装置は、遊技者の生体情報とその遊技者が遊技場内で使用し得る有価価値の情報とを対応付けて記憶する有価価値記憶手段と、前記サービス装置の情報送信手段から送信された生体情報とサービスに関する情報とを受信すると、前記有価価値記憶手段に記憶される対応する有価価値の情報を、遊技者に要求されたサービスに関する情報に応じて更新する更新手段とを備え、その更新手段により前記有価価値記憶手段に記憶される有価価値の情報を更新することによって、前記サービス装置の提供するサービスに対する対価を精算するものであることを特徴とする遊技システム5。
【0236】
近年、遊技者が有する(遊技で得た)有価価値の内、景品に交換されなかった有価価値を、遊技者が遊技場に預けておくことのできる貯球と呼ばれるサービスが遊技場で行われている。遊技の終了時に遊技者の有する有価価値(メダルや球などの有価媒体)は、計数機によって計数され、その有価価値が評定される。その評定された有価価値の内、景品に交換する分を差し引いた有価価値を、遊技者は、貯球として遊技場に預ける。
【0237】
預けられた貯球(有価価値の情報)は、遊技者の所望する時期に、各種のサービス装置において使用することができ、貯球を景品と交換することや遊技に用いる球やメダルに交換することができる。つまり、遊技者は自己の有する有価価値に応じたサービスを、所望のタイミングでサービス装置から受けることができるのである。
【0238】
この貯球の利用に際しては、利用者の本人確認が必須となる。この本人確認は、個人の識別情報が記憶された会員カードや暗証番号などの人為的に産出された事柄に基づいて行われることが多い。ところが、会員カードを紛失した場合や、暗証番号を忘れた場合には、本人確認が不能となるので、遊技者は、貯球を利用することができなくなってしまう。
【0239】
しかし、遊技システム5においては、遊技者が遊技場内で使用し得る有価価値の情報をその遊技者の生体情報に対応付けて管理することができ、遊技者が要求したサービスに関する情報(例えばサービスに対する対価など)に応じて、対応する有価価値の情報を更新できる。つまり、遊技者が、サービスに対する対価を精算する(支払う)必要が有る場合には、サービス装置によって取得(入力)された遊技者の生体情報に基づいて、その遊技者の有する有価価値により精算を行うことができる。
【0240】
このため、本人確認を人為的に産出された事柄ではなく、遊技者の生体情報に基づいて行うことができるので、本人確認が実行できないがために遊技者の有する有価価値(貯球)の利用が制限されるという事態を回避できる。また、遊技者は、本人確認のための事柄をいちいち管理する必要がないので、本人確認の煩わしさを解消できる。その上、生体情報は偽造が困難であることから、有価価値の利用(貯球の利用)に対するセキュリティを向上させることができる。
【0241】
尚、サービス装置は、遊技機の設置される遊技場に、一般的に設置され、遊技者に各種サービスを提供する装置である。具体的には、かかるサービス装置として、有価価値(貯球)の払い出し或いは預け入れをするための貯球装置、有価価値を景品と交換する景品交換装置、遊技者に嗜好品を提供する自動販売機や、遊技機に使用するメダルや球と交換される有価価値の記憶されるプリペイドカードの販売機などが例示される。
【0242】
また、貯球装置により実行されるサービスが、有価価値(貯球)の預け入れである場合には、その預け入れられた有価価値に相当する値により先の有価価値の情報を更新することが、有価価値記憶手段に記憶される有価価値によってサービスに対する対価を精算することに相当する。
【0243】
遊技システム5において、前記サービス装置からの生体情報に対応して前記管理装置の有価価値記憶手段に記憶される有価価値の情報と、前記サービス装置において遊技者に要求されたサービスの対価とを比較する比較手段と、その比較手段による比較結果において、前記有価価値記憶手段に記憶される有価価値の情報が、要求された前記サービスの対価未満であると、前記有価価値記憶手段に記憶される有価価値の情報の更新を禁止する更新禁止手段とを備えていることを特徴とする遊技システム6。
【0244】
よって、有価価値が遊技者から支払われることにより遊技者にサービスを提供する場合には、支払い対価に相当する適正な有価価値を遊技者が有している場合にのみ、そのサービスを遊技者に提供することができる。
【0245】
尚、比較手段はサービス装置に備えられていても、管理装置に備えられていても良く、サービス装置に備えられている場合には、管理装置から、有価価値の情報をサービス装置に出力することにより、該有価価値と要求されたサービスの対価とが比較される。また、比較手段が管理装置に備えられている場合には、要求されたサービスの対価の情報を管理装置に出力することにより、有価価値と要求されたサービスの対価とが比較される。
【0246】
更に、更新禁止手段は、管理装置における有価価値の更新を禁止するものであっても良く、また、サービス装置から更新するために必要な情報を管理装置に非送信とすることや、更新禁止のコマンドを送信することにより有価価値記憶手段の有価価値の情報の更新を禁止するものであっても良い。また、対価は、遊技者により要求されたサービスに関する情報であって、有価価値で示されるものであり、金額のみならず、金額に相当する球数やメダル数を含む概念である。
【0247】
遊技システム2から6のいずれかにおいて、前記遊技機の生体情報出力手段は、生体情報を前記管理装置に送信するものであり、前記遊技機は、前記生体情報出力手段と、前記生体情報出力手段により送信された生体情報に基づいて前記管理装置の提供情報出力手段によって出力される提供情報を受信する遊技機受信手段と、その遊技機受信手段と前記生体情報出力手段とにより実行される前記管理装置との通信に関する制御を、遊技状態を決定する制御を行う主制御手段により実行される制御とは独立して行う制御手段とを備えていることを特徴とする遊技システム7。
【0248】
生体情報に基づいた提供情報を遊技者に提供するには、取得した生体情報に基づいて遊技者を判別する判別手段と、提供者に提供する提供情報を記憶する提供情報記憶手段とが必要となる。遊技システム7においては、前記遊技機は、取得した生体情報を管理装置に送信すると共に、その送信した生体情報に基づいて、管理装置から出力される提供情報を受信する。これにより、各遊技機は、判別手段と提供情報記憶手段とを個々に備える必要がなく、遊技者に提供情報を提供する遊技機を低コストで供給できる。
【0249】
更に、管理装置と遊技機との通信は、遊技の進行状況とは直接的には無関係の情報の送受信を行うものである。このため、かかる通信の処理を、遊技機の主制御手段で行えば、主制御手段で実行される処理を煩雑にしてしまい、主制御手段の制御負担を増加させてしまう。遊技システム7においては、主制御手段とは独立に設けられた制御手段によりかかる通信を実行するので、管理装置との間で情報通信を行っても、主制御手段の制御負担を増加させることはない。
【0250】
更に、遊技システム7では、管理装置から遊技機に入力される情報を、主制御手段とは独立して制御を行う制御手段に設けられた遊技機受信手段に入力することにより、外部から主制御手段へのアクセスを不能とでき、不正行為に対するセキュリティを低下させることがない。
【0251】
尚、主制御手段と独立して制御を行う制御手段とは、例えば、主制御手段と通信の制御を行う制御手段とを別基板で形成することなどが例示される。
【0252】
遊技システム0から7のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記提供情報出力手段により出力される提供情報を表示する情報表示手段を備えていることを特徴とする遊技システム8。よって、遊技者を、その生体情報により認識し、該遊技者に対応した提供情報を、その遊技者の使用する遊技機において表示することができる。このため、提供情報が視覚情報で遊技者に提供されるので、大量の情報を効率的に遊技者に提供できる。また、遊技の実行に伴って出力される効果音や弾球音などに影響されることなく、遊技者は、確実に提供情報を把握できる。
【0253】
遊技システム8において、前記遊技機の情報表示手段は、投入された遊技媒体の挙動に基づいて遊技の実行される遊技領域に設けられていることを特徴とする遊技システム9。
【0254】
遊技領域は、投入された遊技媒体の挙動に基づいて遊技が実行される領域であるので、遊技者が常に注視する領域である。このため、ここに情報表示手段が設けられていると、効果的に遊技者に提供情報を知らせることができる。また、遊技者は、遊技を中断することなく、提供情報を知ることができる。更に、一般的な遊技機では、遊技者が遊技領域の正面に位置して遊技を実行するようになっている。このため、この遊技領域に情報表示手段が設けられていると、情報表示手段に表示される提供情報は、他の遊技者からは視認し難くなる。故に、提供情報に、他の遊技者に知らせたくない情報が含まれていても、その秘密性を保持することができる。
【0255】
遊技システム8または9において、前記遊技機の情報表示手段は、識別情報による動的表示の実行される表示装置であって、動的表示の実行中には、識別情報の視認を妨げない態様で提供情報を表示するものであることを特徴とする遊技システム10。
【0256】
識別情報の動的表示が実行される表示装置は、遊技機に一般的に設けられている装置であるので、新たな装置を設けることなく、低コストで、提供情報を遊技機に表示することができる。また、識別情報の動的表示は、遊技価値の付与を導出するものであり、遊技者にとって最も関心の高い事象である。故に、識別情報の視認性が低下すると、遊技者の興趣も低下させてしまいかねない。
【0257】
遊技システム10においては、識別情報と提供情報とが、1の表示装置に表示されても、動的表示の実行中には、提供情報は、動的表示の視認を妨げない態様で表示されるので、提供情報の現出により、動的表示中の遊技者の興趣が低下することはない。
【0258】
尚、識別情報の視認を妨げない態様とは、例えば、非動的表示状態である場合よりも提供情報の表示サイズが縮小された状態や、提供情報の表示位置が動的表示中の識別情報と重ならない状態などが例示される。
【0259】
遊技システム0から10のいずれかにおいて、前記遊技機は、遊技者によって操作される操作部材を備えると共に、その操作部材が操作されることにより遊技動作が調整されるものであり、前記遊技機の生体情報取得手段は、遊技者の指が接触する接触部をその操作部材に備え、その接触部に接触される遊技者の指の指紋情報を生体情報として取得するものであることを特徴とする遊技システム11。
【0260】
遊技機において生体情報を取得する場合に、遊技に支障を来すような、例えば、遊技領域を圧迫するような大がかりな装置を用いることは好ましくない。また、遊技者は、遊技を楽しむことが主たる目的であるので、遊技以外の動作に紛らわされることを好まない。
【0261】
ここで、指紋情報は、遊技者の画像や顔の骨格パターン、静脈パターン、網膜パターン、或いは、声紋などの生体情報に比べて、大がかりな装置を用いずとも、比較的精度良くかつ容易に取得できる情報である。このため、指紋情報を取得する生体情報取得手段を遊技機に設けても、遊技に支障を来すことを回避できる。また、遊技機は、遊技者が手で操作部材を操作して遊技を楽しむようになっているので、遊技者の通常の遊技動作において指紋情報を取得する機構(生体情報取得手段)を設計でき、生体情報を取得するための特別な動作を遊技者に行わせる必要がない。
【0262】
遊技システム11において、前記接触部には、遊技者の複数の指のそれぞれに個別に対応する接触領域が設けられており、前記遊技機の生体情報取得手段は、前記各接触領域に接触された指の指紋情報をそれぞれ取得するものであることを特徴とする遊技システム12。
【0263】
例えば、操作部材をレバーやハンドルで構成した場合、遊技者それぞれには癖があるため、この操作部材の持ち方は一様とならない。このため、いずれの指が操作部材に接触するか、或いは、操作部材のいずれの場所に遊技者の指が接触するかは定かではない。しかし、遊技システム12においては、複数の指のそれぞれに対応する領域が設けられており、更に、その各領域に接触された指の指紋情報を取得することができる。つまり、複数の指の指紋情報の取得を容易とし、いずれかの領域において(複数の指のいずれかの)指紋情報を取得することができる。言い換えれば、操作部材の持ち方が各遊技者で異なっていても、各遊技者の指紋情報の取りこぼしを少なくすることができる。
【0264】
尚、遊技者の複数の指は、指紋情報を取得する指の本数であって、2本以上の指を意味しており、必ずしも、遊技者の全ての指を示すものではない。故に、接触領域は、指紋情報を取得する指の本数と同じ数だけ設けられ、例えば、指紋情報を取得する指が2指で有れば2の接触領域が設けられ、指紋情報を取得する指が5指で有れば5の接触領域が設けられる。
【0265】
遊技システム12において、前記遊技機は、遊技者の指と、その対応する接触領域との接触を誘起するための接触誘起手段を備えていることを特徴とする遊技システム13。
【0266】
操作部材を遊技者が操作することにより、複数の指の指紋情報を取得できるように構成したとしても、予め想定された状態(複数の指がそれぞれ予め定められた接触領域に接触する状態)で、遊技者が操作部材を操作するとは限らない。しかし、遊技システム13においては、接触誘起手段により、遊技者の指とその対応する接触領域との接触が誘起されるので、予め想定された状態で操作部材を操作するように遊技者を誘導することができる。よって、的確に指紋情報を取得することができる。
【0267】
尚、接触誘起手段としては、遊技者が操作部材を操作する場合に、接触領域に指を置くことにより、操作部材の操作を容易とする手段であっても良い。かかる接触誘起手段としては、接触領域の一端部であって操作部材の操作方向側に設けられた突起部や、接触領域をその底面に設けた凹状部などが例示される。この突起部または凹状部は、指を挟持する形状で有っても良い。これにより、接触領域に指を置いて操作部材を操作すれば、操作方向側への指の滑りを抑制することができるので操作性を向上させることができる。
【0268】
また、接触誘起手段としては、例えば、予め想定された状態で遊技者が操作部材を操作しない場合には、警告情報を出力する(エラー音の出力やエラー情報の表示)ことや、遊技を非実行とすることなど、遊技者の指と接触領域との接触を遊技者に喚起する手法が例示される。また、接触誘起手段としては、遊技者が操作部材を複数の指で強く握って操作しなければ、その駆動が困難となる程、操作部材の駆動力を大きくする手法が例示される。
【0269】
かかる接触誘起手段は、1の遊技者が、遊技を開始してから終了するまでの一連の動作において、少なくとも1度、指紋情報を取得できるように、遊技者の指と接触領域との接触を誘起すればよい。
【0270】
遊技システム13において、前記遊技機の操作部材は、回転軸により軸支され、回転量によって遊技動作を調整する回転ハンドルであり、前記遊技機の接触誘起手段は、その回転ハンドルにおいて遊技者の複数の指がそれぞれ挿嵌される挿嵌口を有しているものであり、その挿嵌口の内部には前記接触領域がそれぞれ設けられていることを特徴とする遊技システム14。
【0271】
複数の指がそれぞれ挿嵌される挿嵌口が設けられていると、遊技者は、その挿嵌口に指を挿嵌すれば、回転ハンドルの操作が容易となる。故に、遊技者に、挿嵌口に指を挿嵌させた状態で回転ハンドルを操作させ易くすることができる。この挿嵌口内部には、接触領域が設けられているので、高確率で遊技者の指紋情報を取得することができる。
【0272】
尚、遊技者の複数の指は、指紋情報を取得する指の本数であって、2本以上の指を意味しており、必ずしも、遊技者の全ての指を示すものではない。故に、挿嵌口は、少なくとも指紋情報を取得する指の本数と同じ数だけ設けられ、例えば、指紋情報を取得する指が2指で有れば2以上の挿嵌口が設けられ、指紋情報を取得する指が5指で有れば5の挿嵌口が設けられる。
【0273】
遊技システム14において、前記挿嵌口は、挿嵌された指を前記接触領域に押圧する押圧部材を備えていることを特徴とする遊技システム15。
【0274】
挿嵌口が設けられていると、多くの遊技者は、この挿嵌口に指を挿嵌して回転ハンドルを操作することとなるが、指の太さは個々にまちまちであるので、挿嵌口は多くの遊技者が指を挿嵌できるように、余裕を持った内径で形成される。ところが、挿嵌口内径に余裕があると、挿嵌口内で指が動いてしまい、回転ハンドルの操作性が低下させてしまうばかりか、接触領域への指の接触を不確実にしてしまう。
【0275】
しかし、遊技システム15においては、挿嵌された指を接触領域に押圧する押圧部材が備えられているので、指の接触領域への接触性と、回転ハンドルの操作性とを向上させることができる。尚、押圧部材としては、ウレタンやゴムなどの弾性体や、ガスの注入された密閉式の緩衝材などが例示される。
【0276】
遊技システム13から15において、前記遊技機の操作部材は、その位置を初期位置に付勢する付勢部材を備えると共に、その付勢部材により付勢された初期位置から前記付勢部材の反付勢方向への位置の変化量によって遊技動作を調整するものであり、前記遊技機は、前記操作部材の位置が前記初期位置から所定位置まで変更される場合の抵抗力を、前記付勢部材の付勢力による抵抗力よりも強める抵抗増加手段を前記接触誘起手段として備えていることを特徴とする遊技システム16。
【0277】
一般に、操作部材は、遊技者に負担をかけないために、軽微な力で遊技者の所望する操作(操作部材の位置の変更)が実行できるように設計されている。このため、付勢部材は、非操作時に操作部材を初期位置にセットできるだけの付勢力を有していればよい。しかし、かかる構成では、遊技者が、操作部材をどのような持ち方で操作しても、操作部材を容易に動かし得るので、接触領域に遊技者の指が接触しないという事態を生じさせてしまう。
【0278】
しかし、遊技システム16においては、抵抗増加手段により、操作部材の位置が初期位置から所定位置まで変更される場合の抵抗力を、付勢部材の付勢力による抵抗力よりも強めることができる。つまり、遊技者に、抵抗増加手段により付加される抵抗力に打ち勝って操作部材を操作する必要性が生じる。このため、接触誘起手段として突起部や凹状部を設けておけば、遊技者は、(操作部材のグリップ性を高めるために)その接触誘起手段を使用して操作部材を操作することとなる。よって、接触領域に指を接触させる信頼度を向上させ、高確率で指紋情報を取得することができる。
【0279】
また、抵抗増加手段は、初期位置から所定位置までの抵抗力を増加させるものであるので、遊技者が操作部材を操作する初期段階で、遊技者の指と接触領域とを接触させることができる。このため、遊技者が操作部材に接触すると直ちに指紋情報を取得し得、遊技者の変更にも直ちに即応することができる。更に、適切な遊技動作が、所定量以上の操作量によって実行されるように構成すれば、遊技の実行時には、初期位置から所定位置までは必ず操作部材が操作されるので、指紋情報の取得の確実性を高めることができる。
【0280】
遊技システム11から16のいずれかにおいて、前記遊技機の生体情報取得手段は、前記操作部材の接触部に遊技者の指が接触したことを検出する検出手段を備えており、その検出手段により遊技者の指の接触を検出すると、生体情報の取得を実行するものであることを特徴とする遊技システム17。
【0281】
遊技者は、任意のタイミングで遊技を開始し、任意のタイミングで終了する。提供情報は、遊技者に応じて提供される情報であるので、遊技者が交代した場合には、交代後の遊技者に応じた提供情報を遊技機に表示する必要がある。つまり、生体情報の取得においては、遊技者の交代を常に考慮しなくてはならない。一方で、生体情報は、情報量が多く、その処理が煩雑である。このため、いずれのタイミングで交代されるかが不明である遊技者の交代を確実に検出するべく、頻繁に生体情報を取得すれば、遊技機の制御負担を大きくしてしまう。逆に、制御負担を軽減するために生体情報の取得間隔を長くしてしまうと、遊技者の交代を的確に検知できず、他人の生体情報に基づいた提供情報を表示しかねない。
【0282】
遊技システム17においては、操作部材の接触部に遊技者の指が接触することを契機として生体情報を取得できるので、的確かつ効率的に、取得した生体情報に基づいた提供情報を対応する遊技者に提供(表示)することができる。その上、遊技機の過剰な制御負担を回避できる。
【0283】
尚、検出手段としては、指から放出される赤外線(熱)を検出する赤外線センサや、押圧を検出する圧力センサ、指の接触による光学的変化を検出する光センサなどが例示される。また、検出手段としては、接触部への指の接触を直接的に検出するものに限られるものでなく、例えば、操作部材の操作開始を接触部への指の接触として検出する操作部材の動作検出スイッチであってもよい。
【0284】
遊技システム11から17のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記操作部材が操作状態にあるか否かを認識する操作認識手段と、前記情報阻害手段とを備えており、前記情報阻害手段は、その操作認識手段により前記操作部材が操作状態にないと認識されると、会員に提供される提供情報が遊技者により認識されることを阻害するものであることを特徴とする遊技システム18。
【0285】
遊技者が会員であるか否かに応じて提供情報を提供すれば、会員である場合には特別な情報を提供するなど、会員である遊技者に何らかの特典を付与することができる。ここで、会員と非会員との間で優位差を持たせるためには、提供情報の提供先を厳格に管理する必要がある。遊技システム18では、操作認識手段により操作部材が操作状態にないと認識されると、会員のみに提供される提供情報を遊技者が認識困難な状態とするので、会員である遊技者が遊技を終了した場合には、直ちに会員のみに提供される提供情報は、認識困難な状態となる。よって、会員のみに提供される提供情報が、不用意に非会員に提供されることがない。
【0286】
尚、提供情報が遊技者により認識されることの阻害とは、該提供情報の出力中止や、出力中の提供情報に更に他の情報を併せて出力する(出力された提供情報を他の情報によって相殺する)こと等が例示される。例えば、遊技機に備えられた表示手段に提供情報が文字情報で出力(表示)される場合には、出力そのものを中止することや、出力された文字情報を塗りつぶすベタ表示の出力などにより、遊技者が提供情報を認識することを困難とすることができる。また、提供情報の出力は、全ての提供情報の出力を中止しても良く、また、その一部について出力を中止しても良い。
【0287】
遊技システム0から18のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技システム19。中でも、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において変動表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の出力時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれる情報等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0288】
遊技システム0から18のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技システム20。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を出力させる特別遊技状態出力手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の変動開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の出力に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【0289】
遊技システム0から18のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技システム21。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を出力させる特別遊技状態出力手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0290】
遊技者の生体情報を取得する生体情報取得手段と、その生体情報取得手段により取得された生体情報を出力する生体情報出力手段と、その生体情報出力手段により出力された生体情報に基づいて、遊技者が予め登録された会員であると判別された場合に、会員に提供される提供情報を表示する情報表示手段と、前記生体情報出力手段により出力された生体情報に基づいて、遊技者が予め登録された会員でないと判別されると、会員に提供される提供情報を前記情報表示手段に非表示とする非表示手段とを備えていることを特徴とする遊技機1。
【0291】
よって、遊技者が会員であると、その遊技者の使用する遊技機において、会員に提供される提供情報を表示することができる。このため、遊技者は、遊技動作を中断する(離席する)ことなく、自己に対応する提供情報を閲覧することができ、必要な情報を効率的に入手することができる。また、遊技者が会員でない場合には、会員に提供される提供情報は非表示とされるので、会員に非会員に比べて、優位性を付与することができる。更に、提供情報が視覚情報で遊技者に提供されるので、大量の情報を効率的に遊技者に提供できる。また、遊技の実行に伴って出力される効果音や弾球音などに影響されることなく、遊技者は、確実に提供情報を把握できる。
【0292】
遊技機1において、前記生体情報出力手段により出力された生体情報に基づいて、遊技者が会員でないと判別されると、非会員に提供される提供情報を前記情報表示手段に表示するものであることを特徴とする遊技機2。よって、遊技者が非会員である場合にも、(非会員に対応した)提供情報を出力することができる。ここで、非会員に提供される提供情報とは、会員のみが知り得る提供情報を除いた情報である。尚、会員情報は、非会員に提供される提供情報を含んでいても良く、含んでいなくても良い。
【0293】
具体的には、例えば、会員に提供される提供情報とは、会員のみのイベント情報や、各遊技機或いは遊技者が使用中の遊技機の過去の詳細な遊技状態(履歴)を示す遊技履歴情報、会員の所有する貯球を示す貯球情報や、遊技場から所定の条件をクリアする毎に付与されるサービスポイント数情報などである。また、非会員に提供される提供情報とは、イベントや休日等の案内である遊技場の営業広告情報、導入される新台に関する新台情報、会員の登録方法案内や、会員の特典を紹介する特典紹介情報などである。
【0294】
遊技機1または2において、前記情報表示手段は、投入された遊技媒体の挙動に基づいて遊技の実行される遊技領域に設けられていることを特徴とする遊技機3。
【0295】
遊技領域は、投入された遊技媒体の挙動によって遊技が実行される領域であるので、遊技者が常に注視する領域である。このため、ここに情報表示手段が設けられていると、効果的に遊技者に提供情報を知らせることができる。また、遊技者は、遊技を中断することなく、提供情報を知ることができる。更に、一般的な遊技機では、遊技者が遊技領域の正面に位置して遊技を実行するようになっている。このため、この遊技領域に情報表示手段が設けられていると、情報表示手段に表示される提供情報は、他の遊技者からは視認し難くなる。故に、提供情報に、他の遊技者に知らせたくない情報が含まれていても、その秘密性を保持することができる。
【0296】
遊技機3において、前記情報表示手段は、識別情報による動的表示の実行される表示装置であって、動的表示の実行中には、動的表示の実行中には識別情報の視認を妨げない態様で提供情報を表示するものであることを特徴とする遊技機4。
【0297】
動的表示の実行される表示装置は、一般的に設けられている装置であるので、新たな装置を設けることなく、低コストで、提供情報を表示することができる。また、識別情報の動的表示は、遊技価値の付与を導出するものであり遊技者にとって最も関心の高い事象である。故に、この動的表示中に、識別情報の視認性が低下すると、遊技者の興趣を低下させかねない。遊技機3においては、この動的表示の実行中には、提供情報は、識別情報の視認を妨げない態様で表示されるので、提供情報の現出により、動的表示中の遊技者の興趣が低下することはない。
【0298】
尚、動的表示の視認を妨げない態様とは、例えば、非動的表示状態に表示される提供情報の表示サイズに比べて、動的表示中の提供情報の表示サイズが縮小された状態や、提供情報の表示位置が動的表示中の識別情報と重ならない状態などが例示される。
【0299】
遊技機1から4のいずれかにおいて、遊技者によって操作される操作部材を備え、その操作部材が操作されることにより遊技動作の調整されるものであり、前記生体情報取得手段は、前記操作部材において遊技者の指が接触する接触部をその操作部材に備え、その接触部に接触される遊技者の指の指紋情報を生体情報として取得するものであることを特徴とする遊技機5。
【0300】
遊技機において生体情報を取得する場合に、遊技に支障を来すような、例えば、遊技領域を圧迫するような大がかりな装置を用いることは好ましくない。また、遊技者は、遊技を楽しむことが主たる目的であるので、遊技以外の動作に紛らわされることを好まない。
【0301】
ここで、指紋情報は、遊技者の画像や顔の骨格パターン、静脈パターン、網膜パターン、或いは、声紋などの生体情報に比べて、大がかりな装置を用いずとも、比較的精度良くかつ容易に取得できる情報である。このため、指紋情報を取得する生体情報取得手段を遊技機に設けても、遊技に支障を来すことを回避できる。また、遊技者は、手で操作部材を操作して遊技を楽しむものであるので、遊技者の通常の遊技動作において指紋情報を取得する機構(生体情報取得手段)を設計でき、生体情報を取得するための特別な動作を遊技者に行わせる必要がない。
【0302】
遊技機5において、前記接触部には、遊技者の複数の指のそれぞれに個別に対応する接触領域が設けられており、前記生体情報取得手段は、前記各接触領域に接触された指の指紋情報をそれぞれ取得するものであることを特徴とする遊技機6。
【0303】
例えば、操作部材をレバーやハンドルで構成した場合、遊技者それぞれには癖があるため、この操作部材の持ち方は一様とならない。このため、いずれの指が操作部材に接触するか、或いは、操作部材のいずれの場所に遊技者の指が接触するかは定かではない。しかし、遊技機6においては、複数の指のそれぞれに対応する領域が設けられており、更に、その各領域に接触された指の指紋情報を取得することができる。つまり、複数の指の指紋情報の取得を容易とし、いずれかの領域において(複数の指のいずれかの)指紋情報を取得することができる。言い換えれば、操作部材の持ち方が各遊技者で異なっていても、各遊技者の指紋情報の取りこぼしを少なくすることができる。
【0304】
尚、遊技者の複数の指は、指紋情報を取得する指の本数であって、2本以上の指を意味しており、必ずしも、遊技者の全ての指を示すものではない。故に、接触領域は、少なくとも指紋情報を取得する指の本数と同じ数だけ設けられ、例えば、指紋情報を取得する指が2指で有れば2以上の接触領域が設けられ、指紋情報を取得する指が5指で有れば5の接触領域が設けられる。
【0305】
遊技機6において、遊技者の指と、その対応する接触領域との接触を誘起するための接触誘起手段を備えていることを特徴とする遊技機7。
【0306】
操作部材を遊技者が操作することにより、複数の指の指紋情報を取得できるように構成したとしても、予め想定された状態(複数の指がそれぞれ予め定められた接触領域に接触する状態)で、遊技者が操作部材を操作するとは限らない。しかし、遊技機7においては、接触誘起手段により、遊技者の指とその対応する接触領域との接触が誘起されるので、予め想定された状態で操作部材を操作するように遊技者を誘導することができる。よって、的確に指紋情報を取得することができる。
【0307】
尚、接触誘起手段としては、遊技者が操作部材を操作する場合に、接触領域に指を置くことにより、操作部材の操作を容易とする手段であっても良い。かかる接触誘起手段としては、接触領域の一端部であって操作部材の操作方向側に設けられた突起部や、接触領域をその底面に設けた凹状部などが例示される。この突起部または凹状部は、指を挟持する形状で有っても良い。これにより、接触領域に指を置いて操作部材を操作すれば、操作方向側への指の滑りを抑制することができるので操作性を向上させることができる。
【0308】
また、接触誘起手段としては、例えば、予め想定された状態で遊技者が操作部材を操作しない場合には、警告情報を出力する(エラー音の出力やエラー情報の表示)ことや、遊技を非実行とすることなど、遊技者の指と接触領域との接触を遊技者に喚起する手法が例示される。また、接触誘起手段としては、遊技者が操作部材を複数の指で強く握って操作しなければ、その駆動が困難となる程、操作部材の駆動力を大きくする手法が例示される。
【0309】
かかる接触誘起手段は、1の遊技者が、遊技を開始してから終了するまでの一連の動作において、少なくとも1度、指紋情報を取得できるように、遊技者の指と接触領域との接触を誘起すればよい。
【0310】
遊技機7において、前記操作部材は、回転軸により軸支され、回転量によって遊技動作を調整する回転ハンドルであり、前記接触誘起手段は、その回転ハンドルにおいて遊技者の複数の指がそれぞれ挿嵌される挿嵌口を有しているものであり、その挿嵌口の内部には前記接触領域がそれぞれ設けられていることを特徴とする遊技機8。
【0311】
複数の指がそれぞれ挿嵌される挿嵌口が設けられていると、遊技者は、その挿嵌口に指を挿嵌すれば、回転ハンドルの操作が容易となる。故に、遊技者に、挿嵌口に指を挿嵌させた状態で回転ハンドルを操作させ易くすることができる。この挿嵌口内部には、接触領域が設けられているので、高確率で遊技者の指紋情報を取得することができる。
【0312】
尚、遊技者の複数の指は、指紋情報を取得する指の本数であって、2本以上の指を意味しており、必ずしも、遊技者の全ての指を示すものではない。故に、挿嵌口は、指紋情報を取得する指の本数と同じ数だけ設けられ、例えば、指紋情報を取得する指が2指で有れば2の挿嵌口が設けられ、指紋情報を取得する指が5指で有れば5の挿嵌口が設けられる。
【0313】
遊技機8において、前記挿嵌口は、挿嵌された指を前記接触領域に押圧する押圧部材を備えていることを特徴とする遊技機9。
【0314】
挿嵌口が設けられていると、多くの遊技者は、この挿嵌口に指を挿嵌して回転ハンドルを操作することとなるが、指の太さは個々にまちまちであるので、挿嵌口は多くの遊技者が指を挿嵌できるように、余裕を持った内径で形成される。ところが、挿嵌口内径に余裕があると、挿嵌口内で指が動いてしまい、回転ハンドルの操作性が低下させてしまうばかりか、接触領域への指の接触を不確実にしてしまう。
【0315】
しかし、遊技機9においては、挿嵌された指を接触領域に押圧する押圧部材が備えられているので、指の接触領域への接触性と、回転ハンドルの操作性とを向上させることができる。尚、押圧部材としては、ウレタンやゴムなどの弾性体や、ガスの注入された密閉式の緩衝材などが例示される。
【0316】
遊技機7から9のいずれかにおいて、前記操作部材は、その位置を初期位置に付勢する付勢部材を備えると共に、その付勢部材により付勢された初期位置から前記付勢部材の反付勢方向への位置の変化量によって遊技動作を調整するものであり、前記操作部材の位置が前記初期位置から所定位置まで変更される場合の抵抗力を、前記付勢部材の付勢力による抵抗力よりも強める抵抗増加手段を前記接触誘起手段として備えていることを特徴とする遊技機10。
【0317】
一般に、操作部材は、遊技者に負担をかけないために、軽微な力で遊技者の所望する操作(操作部材の位置の変更)が実行できるように設計されている。このため、付勢部材は、非操作時に操作部材を初期位置にセットできるだけの付勢力を有していればよい。しかし、かかる構成では、遊技者が、操作部材をどのような持ち方で操作しても、操作部材を容易に動かし得るので、接触領域に遊技者の指が接触しないという事態を生じさせてしまう。
【0318】
しかし、遊技機10においては、抵抗増加手段により、操作部材の位置が初期位置から所定位置まで変更される場合の抵抗力を、付勢部材の付勢力による抵抗力よりも強めることができる。つまり、遊技者に、抵抗増加手段により付加される抵抗力に打ち勝って操作部材を操作する必要性が生じる。このため、接触誘起手段として突起部や凹状部を設けておけば、遊技者は、(操作部材のグリップ性を高めるために)その接触誘起手段を使用して操作部材を操作することとなる。よって、接触領域に指を接触させる信頼度を向上させ、高確率で指紋情報を取得することができる。
【0319】
また、抵抗増加手段は、初期位置から所定位置までの抵抗力を増加させるものであるので、遊技者が操作部材を操作する初期段階で、遊技者の指と接触領域とを接触させることができる。このため、遊技者が操作部材に接触すると直ちに指紋情報を取得し得、遊技者の変更にも直ちに即応することができる。更に、適切な遊技動作が、所定量以上の操作量によって実行されるように構成すれば、遊技の実行時には、初期位置から所定位置までは必ず操作部材が操作されるので、指紋情報の取得の確実性を高めることができる。
【0320】
遊技機5から10のいずれかにおいて、前記生体情報取得手段は、前記操作部材の接触部に遊技者の指が接触したことを検出する検出手段を備えており、その検出手段により、前記接触部に遊技者の指が接触したとが検出されると、生体情報の取得を実行するものであることを特徴とする遊技機11。
【0321】
遊技者は、任意のタイミングで遊技を開始し、任意のタイミングで終了する。提供情報は、遊技者に応じて提供される情報であるので、遊技者が交代した場合には、交代後の遊技者に応じた提供情報を遊技機に表示する必要がある。つまり、生体情報の取得においては、遊技者の交代を常に考慮しなくてはならない。一方で、生体情報は、情報量が多く、その処理が煩雑である。このため、いずれのタイミングで交代されるかが不明である遊技者の交代を確実に検出するべく、頻繁に生体情報を取得すれば、遊技機の制御負担を大きくしてしまう。逆に、制御負担を軽減するために生体情報の取得間隔を長くしてしまうと、遊技者の交代を的確に検出できず、他人の生体情報に基づいた提供情報を表示しかねない。
【0322】
遊技機11においては、操作部材の接触部に遊技者の指が接触することを契機として生体情報を取得できるので、的確かつ効率的に、取得した生体情報に基づいた提供情報を対応する遊技者に提供(表示)することができる。その上、遊技機の過剰な制御負担を回避できる。
【0323】
尚、検出手段としては、指から放出される赤外線(熱)を検出する赤外線センサや、押圧を検出する圧力センサ、指の接触による光学的変化を検出する光センサなどが例示される。また、検出手段としては、接触部への指の接触を直接的に検出するものに限られるものでなく、例えば、操作部材の操作開始を接触部への指の接触として検出する操作部材の動作検出スイッチであってもよい。
【0324】
遊技機1から11のいずれかにおいて、前記操作部材が操作状態にあるか否かを認識する操作認識手段を有し、その操作認識手段により前記操作部材が操作状態にないと認識されると、前記非表示手段は、前記会員のみに提供される提供情報を非表示とするものであることを特徴とする遊技機12。
【0325】
遊技者が会員であるか否かに応じて提供情報を提供すれば、会員である場合には特別な情報を提供するなど、会員である遊技者に何らかの特典を付与することができる。ここで、会員と非会員との間で優位差を持たせるためには、提供情報の提供先を厳格に管理する必要がある。遊技機12では、操作認識手段により操作部材が操作状態にないと認識されると、会員のみに提供される提供情報を非表示とするので、会員である遊技者が遊技を終了した場合には、直ちに会員のみに提供される提供情報を非表示とすることができる。故に、会員のみに提供される提供情報が、不用意に非会員に提供されることがない。
【0326】
遊技機1から12のいずれかにおいて、前記生体情報出力手段は、生体情報を外部装置に送信するものであり、前記生体情報出力手段と、前記生体情報出力手段により送信された生体情報に基づいて前記外部装置から提供される提供情報を受信する遊技機受信手段と、その遊技機受信手段と前記生体情報出力手段とにより実行される前記外部装置との通信に関する制御を、遊技状態を決定する制御を行う主制御手段により実行される制御とは独立して行う制御手段とを備えていることを特徴とする遊技機13。
【0327】
生体情報に基づいた提供情報を遊技者に提供するには、取得した生体情報に基づいて遊技者を判別する判別手段と、提供者に提供する提供情報を記憶する提供情報記憶手段とが必要となる。遊技機13においては、取得した生体情報を外部装置に送信すると共に、その送信した生体情報に基づいて、外部装置から出力される提供情報を受信する。つまり、各遊技機は、生体情報を取得するだけで良く、煩雑な処理を行う判別手段と、大容量のメモリが必要となる提供情報記憶手段とを外部に備えることができる。よって、遊技機の製造コストを低く抑えることができる。
【0328】
更に、外部装置と遊技機との通信は、遊技の進行状況とは直接的には無関係の情報の送受信を行うものである。このため、かかる通信の処理を、遊技機の主制御手段で行えば、主制御手段で実行される処理を煩雑にしてしまい、主制御手段の制御負担を増加させてしまう。しかし、遊技機13においては、主制御手段とは独立に設けられた制御手段によりかかる通信を実行するので、外部装置との間で情報通信を行っても、主制御手段の制御負担を増加させることはない。
【0329】
更に、外部装置から遊技機に入力される情報は、主制御手段とは別で設けられた制御手段に入力されるので、外部から主制御手段へのアクセスを不能とでき、不正行為に対するセキュリティを低下させることがない。
【0330】
主制御手段と独立して制御を行う制御手段とは、例えば、主制御手段と通信の制御を行う制御手段とを別基板で形成することなどが例示される。尚、この外部装置としては、例えば、遊技システム2などに記載の管理装置などが例示される。
【0331】
遊技機1から13のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機14。中でも、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において変動表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の出力時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれる情報等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0332】
遊技機1から13のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機15。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を出力させる特別遊技状態出力手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の変動開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の出力に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【0333】
遊技機1から13のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機16。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を出力させる特別遊技状態出力手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遊技システムの概略図である。
【図2】遊技システムに備えられたパチンコ機の操作ハンドルを示した図である。
【図3】遊技システムの電気的な構成を示したブロック図である。
【図4】パチンコ機の会員管理コンピュータ基板の電気的構成を示したブロック図である。
【図5】パチンコ機の表示用制御基板の電気的構成を示したブロック図である。
【図6】会員管理コンピュータの電気的構成を示したブロック図である。
【図7】パチンコ機の会員管理コンピュータ基板において実行される情報送信処理を示したフローチャートである。
【図8】パチンコ機の会員管理コンピュータ基板において実行される情報受信処理を示したフローチャートである。
【図9】パチンコ機の表示用制御基板において実行される表示情報受信処理を示したフローチャートである。
【図10】パチンコ機の表示用制御基板において実行される表示サイズ切替処理を示したフローチャートである。
【図11】登録装置において実行される指紋情報登録処理のフローチャートである。
【図12】貯球処理装置において実行される貯球処理のフローチャートである。
【図13】会員管理コンピュータにおいて実行される指紋情報受信処理のフローチャートである。
【図14】第2実施例の遊技システムにおけるパチンコ機の操作ハンドルを示した図である。
【図15】第2実施例の遊技システムにおいて、パチンコ機の操作ハンドルの初動時に操作抵抗を強める機構を示した図である。
【符号の説明】
1 パチンコ機(遊技機)
19 指紋検出器(生体情報取得手段)
66a 提供情報メモリ(提供情報記憶手段の一部)
66b 特別情報メモリ(提供情報記憶手段の一部)
66c 登録データメモリ(提供情報記憶手段の一部)
100 遊技システム(遊技システム)
【発明の属する技術分野】本発明は、パチンコ機やスロットマシンなどの遊技機を備えた遊技システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】パチンコやスロット等に代表される遊技機は、手軽に楽しむことができるので広く親しまれ、多くの遊技者に愛好されている。この遊技機を備える多くの遊技場では、集客を目的として、予め登録された遊技者を会員とし、かかる会員には様々な特典を用意している。この会員登録は、遊技者が任意に行うものであり、会員であることを示す会員カードなどが発行される。遊技者は、会員になると、店内においてこの会員カードを提示することにより、様々なサービスを利用できるようになっている。
【0003】
遊技場側は、かかるサービスとして、会員である遊技者が、景品に未交換のメダルや球などを、遊技場側で預かる貯球サービスを実行している。また、店内に置かれた情報提供装置に、遊技者が会員カードを挿入すると、遊技者にとって有利な情報、例えば、過去の遊技機の遊技状態を表す詳細なデータなどをその装置画面に表示する情報提供サービスを実行している。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−053618号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、遊技者は、かかるサービスを利用しようとすれば、会員カードを携帯しなくてはならず、会員カードを忘れた場合や、紛失した場合には、会員であっても遊技場側が提供する各種のサービスを受けることができないという問題点があった。
【0006】
また、遊技者は、遊技の実行中に、遊技場から提供される(遊技者にとって有利な)情報を閲覧することができず、必要な情報を入手するためには、遊技を中断して、わざわざ情報提供装置まで赴かねばならず、その利用が面倒であるという問題点があった。
【0007】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、予め会員として登録された遊技者が、会員としての特典を快適に利用できる遊技システムを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために、請求項1記載の遊技システムは、遊技者の生体情報を取得する生体情報取得手段と、その生体情報取得手段により取得された生体情報を出力する生体情報出力手段とを備えた遊技機と、その遊技機を使用する遊技者に提供される提供情報を記憶する提供情報記憶手段と、前記遊技機の生体情報出力手段より出力される生体情報に基づいて、遊技者が予め登録された会員であるか否かを判別する判別手段と、その判別手段により前記遊技者が会員であると判別されると、前記提供情報記憶手段に記憶される提供情報の内、会員に提供される提供情報を前記遊技機に出力する提供情報出力手段と、前記判別手段により前記遊技者が会員でないと判別されると、前記提供情報出力手段により出力されて会員に提供される提供情報が、遊技者に認識されることを阻害する情報阻害手段とを備えている。
【0009】
この請求項1記載の遊技システムによれば、遊技者の生体情報は、遊技機に備えられた生体情報取得手段により取得され、その生体情報取得手段により取得された生体情報は、生体情報出力手段により出力される。生体情報が生体情報出力手段より出力されと、その出力された生体情報に基づいて、遊技者が予め登録された会員であるか否かが判別手段により判別される。ここで、判別手段により該遊技者が会員であると判別されると、提供情報記憶手段に記憶される提供情報の内、会員に提供される提供情報が、提供情報出力手段により遊技機に出力される。判別手段により前記遊技者が会員でないと判別されると、(提供情報出力手段により遊技機に出力される提供情報であって)会員に提供される提供情報が遊技者に認識されることが、情報阻害手段により阻害される。
【0010】
【発明の効果】本発明の遊技システムによれば、遊技者の生体情報は、遊技機に備えられた生体情報取得手段により取得され、その生体情報取得手段により取得された生体情報は、生体情報出力手段により出力される。生体情報が生体情報出力手段より出力されと、その出力された生体情報に基づいて、遊技者が予め登録された会員であるか否かが判別手段により判別される。ここで、判別手段により該遊技者が会員であると判別されると、提供情報記憶手段に記憶される提供情報の内、会員に提供される提供情報が、提供情報出力手段により遊技機に出力される。判別手段により前記遊技者が会員でないと判別されると、(提供情報出力手段により遊技機に出力される提供情報であって)会員に提供される提供情報が遊技者に認識されることが、情報阻害手段により阻害される。
【0011】
よって、遊技者は、会員である場合に、それを証明するための手段(会員カードや暗唱番号など)を使用せずとも、会員に提供される提供情報を入手することができるという効果がある。これによれば、遊技者が、会員を証明するための手段を忘れたり、紛失したりすることがないので、会員を証明するための手段の管理に、遊技者は、煩わされることがない。
【0012】
更に、従来行われているような、会員カードによって会員であることを証明するシステムのように、会員カードの貸借や紛失カードの悪用により、非会員の遊技者にも会員の特典が供与されてしまうということがなく、遊技場側の不利益を回避できるという効果がある。加えて、会員カードを発行する毎に必要となる費用の発生がない。また、提供情報は、遊技機に出力されるので、遊技者に、遊技を行う状態で、提供情報を効率的かつ円滑に確認させることができるという効果がある。加えて、会員である遊技者に秘密性の高い情報を提供でき、また、非会員である遊技者と会員である遊技者とに明確な優位差を付与することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機や他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
【0014】
図1は、遊技者の生体情報により遊技者を判別し、その判別された遊技者に応じた処理を実行する(サービスを提供する)本実施例の遊技システム100を概略的に示した外観図である。この遊技システム100は、ローカルエリアネットワークのシステムを用いて形成されており、サーバとなる会員管理コンピュータ60およびホールコンピュータ75と、クライアントとなる複数のパチンコ機1、複数の貯球払出サンド装置50、登録装置70、自動販売機80、貯球処理装置85などの遊技場内において遊技者に利用される各種の装置が、ケーブル40を介してネットワーク接続されたものである。このケーブル40の終端には、信号が終端から戻るのを回避するための終端抵抗Tが配設されている。
【0015】
複数のパチンコ機1は、それぞれに接続されるケーブル40aを介して集線装置であるハブ55に接続されており、このハブ55を経由してケーブル40に接続されている。各パチンコ機1のそれぞれに併設された各貯球払出サンド装置50もまた、それぞれに接続されるケーブルを介してハブ55に接続されており、このハブ55を経由してケーブル40に接続されている(図3参照)。尚、図示を簡単にするため、図1においては、貯球払出サンド装置50とハブ55との接続状態の図示を省略している。
【0016】
遊技システム100に備えられた会員管理コンピュータ60と各装置(パチンコ機1、貯球払出サンド装置50、登録装置70、自動販売機80、貯球処理装置85)とは、双方向の情報通信が実行されるようになっている。この遊技システム100に備えられた各装置について説明する。
【0017】
パチンコ機1は、弾球遊技機である。このパチンコ機1の前面には前面枠2が配設されており、その略中央部分には略矩形状の開口2aが穿設され、かかる開口2aの内周には金枠が周設されている。この金枠の内側の上方には、遊技盤5を保護する2枚のガラス板を装着可能なガラス扉枠4が配設されており、ガラス扉枠4の後方に遊技盤5が配置されている。
【0018】
遊技盤5の前面には略円弧状の外レールが植立され、その外レールの内側位置には円弧状の内レールが植立されている。この内レールと外レールとにより囲まれた遊技盤5の前面には、球が打ち込まれる遊技領域8が形成されており、その遊技領域8内には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の普通入賞口(図示を省略)が配設されている。遊技領域8の略中央部分には、複数種類の識別情報としての図柄などを変動表示する液晶ディスプレイ(LCD)10が配設されている。
【0019】
本実施例の遊技システム100においては、遊技者に提供するべく会員管理コンピュータ60から送信される情報(提供データ)は、このパチンコ機1のLCD10に表示されるようになっている。故に、遊技者は、遊技を実行しながら、様々な情報を入手することができる。
【0020】
LCD10の下方には、図柄作動口(第1種始動口)が設けられており(図示を省略)、球がこの図柄作動口を通過すると、第1種始動口スイッチ12(図3参照)がオンして、上述したLCD10で変動表示が開始されると共に、5個の球が賞球として払い出される。また、図示を省略しているが、図柄作動口の下方には2以上の球が同時に通過可能な幅広矩形状の開口である大入賞口が穿設されている。LCDの変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせ(大当たり表示)の1つと一致する場合に、球が入賞しやすいように所定時間(例えば、30秒間)経過するまで、或いは、所定個数(例えば、10個)の球が入賞するまで、この大入賞口は開放される。
【0021】
なお、第3種パチンコ遊技機において所定の遊技価値が付与された状態(特別遊技状態)とは、LCD10の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、特定入賞口が所定時間開放されることをいう。この特定入賞口の開放中に、球がその特定入賞口内へ入賞すると、特定入賞口とは別に設けられた大入賞口が所定時間、所定回数開放される。
【0022】
ガラス扉枠4の下方右側には、球を遊技領域8へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル9が配設されている。かかる操作ハンドル9を操作することにより、発射用モータ17(図3参照)を駆動して、球を遊技領域8へ発射することができる。
【0023】
上記のように構成されたパチンコ機1の左側には、正面視長方形状の貯球払出サンド装置50が並設されている。貯球払出サンド装置50はカードに記憶された残高金額のデータを読み取るためのものであり、その上下方向における略中央部分には、金銭と同様の有価価値を有するカードを挿入するためのカード挿入口が配設されている。このカード挿入口に挿入されたカードの残高金額内で、遊技者は、球の払出を指示することができる。また、貯球払出サンド装置50は、カードのみならず指紋情報に基づいて、球の払出を指示できるようになっており、遊技者の指の指紋を検出する指紋検出器50aを備えている。
【0024】
本実施例の遊技システム100においては、遊技者(会員)の指紋情報に対応つけて、その貯球情報が会員管理コンピュータ60に記憶されている。ここで、指紋検出器50aに遊技者の指が(所定の状態で)接触すると、その指紋が読取られ、読取られた指紋情報は、会員管理コンピュータ60に送信される。遊技者が会員である場合には、会員管理コンピュータ60で管理されている該遊技者の貯球情報が、会員管理コンピュータ60から(指紋情報送信元の)貯球払出サンド装置50に送信され、該貯球払出サンド装置50の非図示の表示装置に表示される。
【0025】
また、貯球払出サンド装置50には、非図示の数値入力キーが備えられており、この数値入力キーによって、表示装置に表示された貯球情報(球数)の範囲内で所望の球数(球数情報)が入力されると、その球数の払出がパチンコ機1に指示される。つまり、パチンコ機1に併設される貯球払出サンド装置50からは、カードによる貸し球の払出しのみならず、自己の貯球に基づいた球の払出しを指示することができるのである。数値入力キーによって入力された球数情報は、また読取られた指紋情報と共に、会員管理コンピュータ60に送信される。この球数情報は、貯球から払い出される球数を示しているので、負の球数情報として会員管理コンピュータ60に認識される。
【0026】
貯球払出サンド装置50には、その右に位置するパチンコ機1と同じ台番号が付与されており、この台番号により、1の貯球払出サンド装置50が特定される。貯球払出サンド装置50から会員管理コンピュータ60に送信される情報には、この台番号と貯球払出サンド装置を示す装置コードである貯球払出サンドコードとが付加される。よって、会員管理コンピュータ60において、いずれの貯球払出サンド装置50から送信された情報であるかが識別される。
【0027】
尚、貯球とは、遊技者が遊技結果として得た(未使用のものを含む)球やメダルの内、景品と交換されなかった分の球やメダルである。貯球は遊技者の所有物であり、必要時に自由に使用でき、貸し球(メダル)や遊技結果として得た球(メダル)同様に、遊技を行うことや景品に交換することができるものである。貯球情報とは、この貯球の数を示す情報である。
【0028】
ホールコンピュータ75は、各パチンコ機1のそれぞれから送信される遊技状態を示す情報を管理するためのコンピュータである。各パチンコ機1は、大当たり、リーチ、確率変動状態などの特別遊技状態や、変動表示ゲームの発生により、その旨を示す情報(遊技状態を示す情報)を、パチンコ機1の識別情報である台番号と共にホールコンピュータ75へ出力する。かかる遊技状態を示す情報は、ホールコンピュータ75において、それぞれのパチンコ機1(台番号)に対応付けられて管理され、パチンコ機1の異常発生が監視されるようになっている。
【0029】
登録装置70は、遊技者が会員であることを会員管理コンピュータ60に登録するための装置であり、遊技者の指紋情報を検出する指紋検出器を備えている。この登録装置70においては、遊技者の(利き腕の)5指の指紋の登録が実行される。尚、登録装置70に備えられる指紋検出器は、後述するパチンコ機1の指紋検出器19と同様のものである。この指紋検出器は、画像処理装置の一種であり、指の指紋を光学的に検出し、その検出された光学的な情報を画像処理によりデジタルデータに変換する装置である。登録装置70で登録された指紋情報は、会員管理コンピュータ60に記憶され、会員管理コンピュータ60において、遊技者を識別する識別情報として使用される。
【0030】
この登録装置70は、図示を省略しているが、入力装置としてキーボードを備えている。指紋検出の実行後には、かかるキーボードを使用して氏名、住所、電話番号の入力が遊技者により実行される。入力された氏名(氏名情報)、住所(住所情報)、電話番号、(電話番号情報)は、検出された指紋情報と共に会員管理コンピュータ60に送信される。
【0031】
自動販売機80は、遊技者に飲料や嗜好品を販売するために設けられた一般的な装置である。遊技者は、自動販売機80に、販売される商品の対価を支払うことにより、商品を入手することができる。また、自動販売機80には、指紋を検出する指紋検出器が設けられている。
【0032】
ここで、本実施例の遊技システム100においては、上記したように、遊技者が遊技結果として得た球やメダルの内、景品と交換されなかった分の球数を、その遊技者の貯球(貯球情報)として、遊技者(会員)の指紋情報に対応つけて会員管理コンピュータ60に記憶することができるようになっている。自動販売機80は、この指紋検出器で遊技者の指紋情報が検出されると、検出された指紋情報に対応する貯球情報に基づいて、遊技者が所望する商品の対価を清算し得るように構成されている。
【0033】
具体的には、入力された指紋情報は、会員管理コンピュータ60に送信される。その結果、入力された指紋情報が会員のものであると、会員管理コンピュータ60から自動販売機80に、該会員の貯球情報が送信される(図13参照)。自動販売機80においては、遊技者指定の商品が、その送信された貯球情報によって決済できる金額であると、商品を提供するための処理を実行し、決済できない金額であるとエラーを通知する。
【0034】
自動販売機80において商品が指定されると、その指定された商品の対価に相当する球数情報が読取った指紋情報と共に会員管理コンピュータ60に送信される。この球数情報は、貯球から払い出されるべき球数を示しているので、負の球数情報として会員管理コンピュータ60に認識され、対応する貯球情報から該球数情報が減算される(精算の実行)。
【0035】
貯球処理装置85は、遊技者が遊技で得た球(メダル)を計数するための装置であり、球(メダル)を導入する導入口と導入口に投入された球(メダル)を検出するセンサとを備え、このセンサにより検出された球の数を積算するカウンタとを備えた装置である。また、計数された球数(球数情報)や、会員管理コンピュータ60から送信される貯球情報などを表示するためのLCD(非図示)を備えている。貯球処理装置85により計数された球(メダル)は、その球数に応じた景品に交換される。このため、貯球処理装置85には交換する景品を示す引換券を出力するためのプリンタを有する出力装置が備えられている。
【0036】
本実施例の貯球処理装置85は、指紋情報を検出する指紋検出器(非図示)を備えており、この指紋検出器により検出された指紋情報は、会員管理コンピュータ60に送信されるようになっている。検出された指紋情報が会員の指紋情報であると会員管理コンピュータ60において判別されると、計数された球(メダル)の内で、遊技者の所望する球数(球数情報)の入力操作が許可される。貯球処理装置85により入力された球数情報(正の球数情報)は、会員管理コンピュータ60において、遊技者の指紋情報に対応つけて記憶される貯球情報に加算される。
【0037】
更に、貯球処理装置85は、入力された指紋情報が、会員の指紋情報であると、会員管理コンピュータ60に記憶されるその会員の貯球情報に基づいて、所望の球数を(負の球数情報の入力によって)払い出すことができるようになっている。
【0038】
会員管理コンピュータ60は、登録装置70により登録された遊技者の指紋情報と、各装置(パチンコ機1、貯球払出サンド装置50、自動販売機80、貯球処理装置85)へ送信する情報とを管理するコンピュータである。
【0039】
会員管理コンピュータ60は、登録装置70からの指紋情報を受信すると、受信した指紋情報を記憶し、その指紋情報の所有者である遊技者を会員として登録(記憶)する。
【0040】
また、会員管理コンピュータ60は、パチンコ機1、貯球払出サンド装置50、自動販売機80、貯球処理装置85のいずれかからの指紋情報を受信すると、受信した指紋情報が会員のものであるか否かを判別し、その判別結果に応じて異なる処理を実行する。かかる指紋情報に基づいて実行される処理(指紋情報受信処理、図13参照)は、制御プログラムの一部として、後述する会員管理コンピュータ60のハードディスク66(図3参照)の所定のエリアに記憶されている。
【0041】
図2は、パチンコ機1に設けられた操作ハンドル9を示した図である。図2(a)は、操作ハンドル9の正面図であり、図2(b)は、操作ハンドル9の断面図である。
【0042】
図2(a)に示すように、操作ハンドル9は、前面枠2から略半球状に前方に突設されたハンドル本体9aと、そのハンドル本体9aに対して正面視において外方に部分的に突出して周設されると共にハンドル本体9aに対して回動可能に支持されたハンドルリング9bとを備えている。ハンドルリング9bは、ハンドル本体9aの突設方向と同じ方向に所定の奥行きを有する部材であり、ハンドルリング9bの前面(紙面手前側)から、奥行き方向に向かって凹設された挿入孔9cを備えている。この挿入孔9cは、押圧部材9dを備えており、ハンドル本体9aの上半円側に沿設されている。
【0043】
挿入孔9cは、遊技者が指を挿入するために設けられた孔であり、操作ハンドル9aの左側から円弧状に親指、人差し指、中指、薬指、小指の挿入される孔が配設されている。遊技者は、球を遊技領域8へ打ち込む場合には、この挿入孔9cのそれぞれに指を挿入してハンドルリング9bを把持しつつ、ハンドルリング9bを正面視右回りに回動操作する。ハンドルリング9bが回動操作されると、球を発射するためにパチンコ機1の内部に設けられる打球ハンマに付与される付勢力が高められ、遊技領域8へ発射される球の勢いが増大する。
【0044】
ハンドル本体9aの内部には、ハンドルスイッチ18(図3参照)が内蔵されている。ハンドルスイッチ18は、操作ハンドル9(ハンドルリング9b)が初期位置にあるか否かを検出するためのスイッチである。このハンドルスイッチ18は、ハンドルリング9bとそのハンドルリング9bに対向するハンドル本体9a側とに設けられた接点を備えている。両者の接点は、ハンドルリング9bが初期位置にセットされている場合には、非接触状態(電気的に非導通)となり、他の場合には接触状態(電気的に導通)となる。
【0045】
このため、操作ハンドル9が操作され、その位置が初期位置から移動するとハンドルスイッチ18は、オンされ、操作ハンドル9が操作されたことがパチンコ機1によって認識される。また、操作ハンドル9が初期位置に戻されるとハンドルスイッチ18はオフされ、パチンコ機1に、遊技者がハンドル操作を終了したことが認識される。また、このハンドルスイッチ18がオンである場合には、球発射装置に備えられた発射用モータ17(図3参照)が駆動され、遊技領域8へ球が発射される。
【0046】
図2(b)は、操作ハンドル9の側面図であり、挿入孔9cの一部を断面視した図である。この操作ハンドル9の裏面側(図2(b)の右側)には、筒状に形成されると共にハンドル本体9aと前面枠2とを連結する連結部材9eが設けられ、その連結部材9eの内側には、ハンドルリング9bの回動をパチンコ機1の裏面側に伝達するための軸(シャフト、非図示)が配設されている。この軸を通してパチンコ機1の裏面側に設けられる図示しない球発射装置に機械的に遊技者の回動操作が伝達され、球の発射力の調整が行われる。
【0047】
ハンドル本体9aには、操作ハンドル9を握る遊技者の指紋情報を検出するための指紋検出器19が内蔵されている(図3参照)。指紋検出器19は、画像処理装置の一種であり、検出部19aに接触された指の指紋を光学的に検出し、その検出された光学的な情報を画像処理によりデジタルデータに変換する装置である。この指紋検出器19は、ケーブル9fにより会員管理コンピュータ基板Iと接続されている。
【0048】
指紋検出器19は、検出部19aに指の腹側が接触することにより、指紋情報を検出するものである。図2(b)に示すように、検出部19aは、挿入孔9cの内部であって、ハンドル本体9aの面上に設けられている。この検出部19aに指が接触した状態で、ハンドルリング9bが操作されると、操作ハンドル9(ハンドルリング9b)の位置が初期位置から移動するのでハンドルスイッチ18がオンされる。本実施例の遊技システム100では、このハンドルスイッチ18のオンを、操作ハンドル9に指が接触した(操作ハンドルが把持された)として認識し、このハンドルスイッチ18のオンを契機として、指紋情報の検出を実行している。
【0049】
尚、検出部19aへの指の押圧を検出する押圧センサや、タッチセンサ、或いは光学センサを設けることにより、検出部19aへの遊技者の指の接触(操作ハンドル9の把持)を検出するように構成しても良く、かかるセンサにより検出部19aへの指の接触が検出されることにより、指紋情報の検出を実行するように構成しても良い。
【0050】
挿入孔9cの内部であって、検出部19aの対抗面には、挿入された指を検出部19aに押圧するための押圧部材9dが備えられている。押圧部材9dには、ウレタンフォームを使用した弾性体が用いられている。これにより、挿入孔9c内での指の遊びを減じることができ、操作ハンドル9のグリップ性を向上することができる上、確実な指紋検出が促進される。
【0051】
図3は、かかる第1実施例の遊技システム100の電気的構成を示したブロック図である。上記したように、遊技システム100には、複数のパチンコ機1と、複数の貯球払出サンド装置50と、会員管理コンピュータ60と、ホールコンピュータ75と、登録装置70と、自動販売機80と、貯球処理装置85とが備られている。
【0052】
パチンコ機1は、主制御基板Cと表示用制御基板Dと払出制御基板Hと発射制御基版Aと音声ランプ制御基板Sと会員管理コンピュータ基板Iとインターフェース基板Bと電源基板30とを備えている。
【0053】
パチンコ機1の主制御基板Cは、遊技状態を決定するための抽選を行う基板であり、パチンコ機1で実行される遊技の主な制御を実行するものである。この主制御基板Cには、実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROMや、制御プログラムの実行に当たって各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAMを備えた演算装置である1チップマイコンのMPUが搭載されている。
【0054】
この主制御基板CのRAMは、パチンコ機1の電源のオフ後においても、電源基板30からバックアップ電圧が供給され、データを保持(バックアップ)できるようにバックアップエリアが設けられている。バックアップエリアは、停電などの発生により電源が切断された場合、電源の再入時に、パチンコ機1の状態を電源切断前の状態に復帰させるため、電源切断時(停電発生時を含む。以下、同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくためのエリアである。
【0055】
また、このRAMには、実行される遊技の遊技状態(当否)や表示用制御基板Dにおいて実行される変動表示パターンを決定するための各種カウンタが備えられている。また、MPUには、上記したROM、RAM以外に、割込回路、タイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
【0056】
主制御基板Cは、電源基板30に設けられた停電監視回路30bおよびクリアスイッチ30cと、第1種始動口スイッチ12と、表示用制御基板Dと、払出制御基板Hと、そのほか、その他入出力装置13とにそれぞれ接続されている。停電が発生すると、停電監視回路30bから停電信号31が出力される。主制御基板Cに、この停電信号31が入力されると、主制御基板CのMPUは、即座に停電時処理を実行し、スタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を、バックアップエリアに記憶する。
【0057】
更に、主制御基板Cに第1種始動口スイッチ12のオンが入力されると、RAMに設けられた乱数カウンタの値が取得され、そのカウンタ値によって、実行する変動表示パターンや遊技の当否などが決定される。
【0058】
また、決定された変動表示パターンに基づいて、必要な動作を実行させるためのコマンドを、表示用制御基板Dと払出制御基板Hとにそれぞれ送信する。これにより、LCD10で変動表示が開始される。
【0059】
払出制御基板Hは、賞球の払出制御を行うものである。この払出制御基板Hは、電源基板30に設けられた停電監視回路30b及びクリアスイッチ30cと、主制御基板Cと、賞球や貸し球(貯球)を払い出すための払出用モータ16と、インターフェース基板Bと、球を遊技領域8へ発射するための発射制御基板Aと、そのほか、その他入出力装置13とにそれぞれ接続されている。
【0060】
払出制御基板Hは、演算装置であるMPUと、そのMPUにより実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMと、各種データを一時的に記憶するメモリとして使用されるRAMなどを備えている。このRAMは、主制御基板CのRAMと同様に構成されるバックアップエリアを備えている。主制御基板Cと同様に停電などの発生により電源が切断された場合、電源の再入時に、払出制御基板Hの状態を電源切断前の状態に復帰させるため、必要なデータが、このバックアップエリアに記憶される。
【0061】
払出制御基板Hは、インターフェース基板Bを介して貯球払出サンド装置50と接続されており、貯球払出サンド装置50において(カードの残金または貯球に応じて)遊技者に指示された球数の情報は、このインターフェース基板Bを介して払出制御基板Hへ入力される。これにより、払出制御基板Hによって払出用モータ16が駆動され、指示された球数の球が払い出される。インターフェース基板Bは、電気的な接点の規定であるインターフェースの役割を有する基板であり、払出制御基板Hと貯球払出サンド装置50とを(電気的に)接続するために設けられた基板である。
【0062】
発射制御基板Aは、球を遊技領域8へ発射するための発射用モータ17について、その駆動の許可と禁止とを制御するためのものであり、払出制御基板H以外に、発射用モータ17、ハンドルスイッチ18、会員管理コンピュータ基板Iに接続されている。
【0063】
ハンドルスイッチ18から、操作ハンドル9が操作されたことを示す信号が発射制御基板Aに入力されると、発射制御基板Aは発射用モータ17へ駆動を許可する信号を出力して、発射用モータ17の駆動を可能とする。かかる場合に、払出制御基板Hから発射用モータ17の駆動電圧である+32ボルトが供給されており、且つ、球の発射をストップさせるストップスイッチ(図示せず)が操作されていない場合には、発射用モータ17が駆動され、操作ハンドル9の操作量に応じた強度で球が遊技領域8へ発射される。
【0064】
操作ハンドル9が操作されたことを示すハンドルスイッチ18からの信号入力(スイッチのオン)は、1の遊技者が操作ハンドル9を操作したことを意味している。そして、操作ハンドル9が非操作状態(初期位置への復帰)となったことを示すハンドルスイッチ18からの信号入力(スイッチのオフ)は、遊技者が操作ハンドル9の操作を終了したことを意味している。
【0065】
ここで、操作ハンドル9が初期位置から再び動かされる場合に、同一の遊技者による遊技の再開である場合と、新たな遊技者によって遊技が開始される場合とがある。本実施例のパチンコ機1においては、パチンコ機1は、遊技者に応じた情報を出力するものであるので、遊技者の変更を検出する必要がある。つまり、遊技者の変更を会員管理コンピュータ60に通知しなくてはならない。
【0066】
そこで、このハンドルスイッチ18のオンを遊技者変更として認識し、発射制御基板Aは、入力されたハンドルスイッチ18のオンを示す信号を、会員管理コンピュータ基板Iに入力する。これにより、会員管理コンピュータ基板Iで、指紋情報検出のタイミングであることが認識される。故に、常時、指紋情報の検出を行わずとも、遊技者の変更に応じて、効率的に指紋情報を取得できる。
【0067】
加えて、パチンコ機1は、1の遊技者が遊技を終了した場合には、特別データの表示を終了しなくてはならない。遊技を再開した遊技者が他の遊技者(非会員)である場合があるからである。このため、発射制御基板Aは、ハンドルスイッチ18のオフが入力されると、(特別データの表示を表示用制御基板に終了させるべく)その信号を会員管理コンピュータ基板Iに入力し、その旨を通知している。
【0068】
会員管理コンピュータ基板Iは、発射制御基板Aと表示用制御基板Dと指紋検出器19とに接続されると共に、パチンコ機1の外部に備えられている会員管理コンピュータ60に接続されている。パチンコ機1は、この会員管理コンピュータ基板Iを介して、会員管理コンピュータ60と通信を行うように構成されており、パチンコ機1から会員管理コンピュータ60へ出力されるデータおよび会員管理コンピュータ60からパチンコ機1に入力されるデータは、この会員管理コンピュータ基板Iを介して入出力される。つまり、主制御基板Cには、会員管理コンピュータ60から直接データが入力されない。よって、パチンコ機1のセキュリティを低下させることがない。
【0069】
会員管理コンピュータ基板Iは、図4に示すように、演算装置であるMPU21、ROM22、RAM23、入出力ポート25、インターフェース26とを備えている。ROM22は、そのMPU21により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。図7と図8とに示すフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部として、このROM22内に記憶されている。
【0070】
RAM23は、MPU21による各種プログラムの実行時に使用されるデータを一時的に記憶するためのメモリである。このRAM23は、受信バッファ23a、送信バッファ23b、ハンドルフラグ23c、台番号メモリ23dを備えている。
【0071】
受信バッファ23aは、会員管理コンピュータ基板Iにおいて受信されたデータを一時的に記憶するためのメモリである。上記したように、会員管理コンピュータ基板Iには、遊技者に提供するための情報(提供データ)が、会員管理コンピュータ60から送信される。この会員管理コンピュータ60から送信される提供データは、遊技者に閲覧できるようにLCD10に出力されるものであり、受信バッファ23aに記憶された後、表示用制御基板Dに送信される。表示用制御基板Dに送信された提供データは、この受信バッファ23aから消去される。尚、この提供データは、会員のみに提供される特別データと、会員及び非会員の両者に提供される通常データとを備えている。
【0072】
送信バッファ23bは、会員管理コンピュータ基板Iから会員管理コンピュータ60へ送信するデータ(指紋情報など)を一時的に記憶するためのメモリである。この受信バッファ23aと送信バッファ23bとを設けることにより、データの送受信によるMPU21の処理速度の低下を抑制している。
【0073】
ハンドルフラグ23cは、遊技者が遊技中で有るか否か、即ち、ハンドル操作がなされているか否かを示すためのフラグである。このハンドルフラグ23cは、ハンドルスイッチ18のオンによりオンされ、ハンドルスイッチ18のオフによりオフされる。MPU21は、ハンドルフラグ23cが(オフから)オンされると、遊技者による遊技が開始された(遊技者の指が検出部19aに接触した)と判断し、指紋情報の読み取りを実行する。読取った指紋情報は、会員管理コンピュータ60に送信される。また、MPU21は、ハンドルフラグ23cが(オンから)オフされると、LCD10に表示中の特別データの表示終了を指示する特別データ非表示コマンドを表示用制御基板Dに送信する。
【0074】
台番号メモリ23dは、パチンコ機1の識別情報となる台番号を記憶するためのメモリである。指紋検出器19により検出された指紋情報には、この台番号が付加されて会員管理コンピュータ60に送信される。台番号メモリ23dに記憶される台番号は、各パチンコ機1毎に異なる番号とされており、かかる台番号は、その配置や機種名などと対応付けられて、会員管理コンピュータ60に記憶されている。このため、会員管理コンピュータ60においては、指紋情報を受信した場合には、その指紋情報に付加された台番号により、いずれのパチンコ機1から送信された指紋情報であるかを認識することができるのである。
【0075】
上記したMPU21、ROM22、RAM23は、バスライン24を介して相互に接続され、このバスライン24は、また、入出力ポート25に接続されている。会員管理コンピュータ基板Iは、この入出力ポート25を介して、表示用制御基板Dへデータやコマンドを送信する。
【0076】
また、この入出力ポート25は、インターフェース26に接続されており、会員管理コンピュータ基板Iは、このインターフェース26を介して、会員管理コンピュータ60と指紋検出器19(ケーブル9f)とに接続されている。インターフェース26は、異なる装置間の電気的な接点の規格である。このインターフェース26を介すことにより、パチンコ機1は、会員管理コンピュータ60との間で、データの送受信を実行することができる。また、会員管理コンピュータ基板Iは指紋検出器19からの指紋情報を受信することができる。
【0077】
図3に戻って説明する。表示用制御基板Dは、上記した主制御基板CとLCD10とに接続され、主制御基板Cから送信されるコマンドに基づいて、接続されるLCD10での図柄の変動表示の制御を行うものである。また、表示用制御基板Dは、スピーカ14から出力される効果音の音声制御とLEDや各種ランプ15の点灯制御とを行う音声ランプ制御基板Sに接続され、この音声ランプ制御基板Sを制御する。更に、表示用制御基板Dは、会員管理コンピュータ基板Iに接続され、会員管理コンピュータ基板Iから送信される提供データ(通常データ及び特別データ)をLCD10に表示するための制御を行う。
【0078】
この表示用制御基板Dの電気的構成について、図5を参照して説明する。図5に示すように、表示用制御基板Dは、演算装置であるMPU41、ROM42、ワークRAM43、ビデオRAM44、キャラクタROM45、入出力ポート47、画像コントローラ48を備えている。
【0079】
表示用制御基板DのMPU41は、パチンコ機1の主制御基板Cから送信されるコマンド(表示命令)や会員管理コンピュータ基板Iから送信される提供データなどに基づいてLCD10の表示を制御するためのものである。ROM42は、そのMPU41により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。図9及び図10に示すフローチャートのプログラム(表示情報受信処理、表示サイズ切替処理)は、制御プログラムの一部として、このROM42内に記憶されている。
【0080】
ワークRAM43は、MPU41による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。このワークRAM43は、受信バッファ43a、通常データメモリ43b、特別データメモリ43c、特別データ非表示フラグ43d、小サイズフラグ43eを備えている。
【0081】
受信バッファ43aは、他の基板から表示用制御基板Dに送信されるデータを一時的に記憶するためのメモリである。遊技者の指紋情報が検出されると、その指紋情報に対応する提供データが会員管理コンピュータ60からパチンコ機1に送信される。送信された提供データは、会員管理コンピュータ基板Iを経由して、表示用制御基板Dに入力され、この受信バッファ43aに記憶される。尚、受信バッファ43aに書込まれたデータは、所定のメモリに記憶されること、または、そのデータ(コマンド)に基づいた処理が実行されることを契機として、この受信バッファ43aから消去される。
【0082】
通常データメモリ43bは、受信バッファ43aに記憶されるデータの内、通常データを記憶するためのメモリである。通常データは、非会員である遊技者および会員である遊技者のいずれにも提供される提供データである。通常データメモリ43bに通常データが記憶されていると、所定のタイミングで、MPU41は、この通常データメモリ43bに記憶される通常データをLCD10に出力する。
【0083】
特別データメモリ43cは、受信バッファ43aに記憶されるデータの内、特別データを記憶するためのメモリである。特別データは、会員である遊技者のみに提供される提供データである。特別データメモリ43cに特別データが記憶されていると、所定のタイミングで、MPU41は、上記した通常データメモリ43bに記憶される通常データと共に、この特別データメモリ43cに記憶される特別データをLCD10に出力する。
【0084】
尚、パチンコ機1の遊技者が、非会員である場合には、特別データとして「0」コードが会員管理コンピュータ60から送信されている。かかる場合には、特別データメモリ43cには、遊技者に提供する特別データがないことを示す「0」コードが記憶されることとなる。MPU41は、特別データメモリ43cに記憶されているデータが「0」コードである場合には、特別データメモリ43に記憶されるデータの出力を非実行とし、その結果、通常データメモリ43bに記憶されている通常データのみがLCD10に出力される。
【0085】
特別データ非表示フラグ43dは、特別データ非表示コマンドを受信したか否かを示すためのフラグである。この特別データ非表示フラグ43dは、会員管理コンピュータ基板Iからの特別データ非表示コマンドを受信すると、オンされ、一方、会員管理コンピュータ基板Iから新たに送信された提供データを受信すると、オフされる。MPU41は、この特別データ非表示フラグ43dがオンされていると、LCD10への特別データ出力を中止し、特別データ非表示フラグ43dがオフされている場合にのみ、特別データの出力(表示)を行う。
【0086】
特別データは、会員にのみ提供される特別な情報であり、(会員と非会員との間で優位差をつけるために)非会員には非公開とされるデータである。このため、特別データの秘密性を保つために、会員である遊技者が遊技を終了した場合(パチンコ機1から離れた場合)には、表示される特別データを、直ちに、非表示にする必要がある。
【0087】
パチンコ機1においては、遊技者が操作ハンドル9の操作を終了すると、特別データの表示の終了を指示する特別データ非表示コマンドが、表示用制御基板Dに入力される。表示用制御基板Dでは、かかるコマンド入力により、特別データ非表示フラグ43dがオンされ、その結果、特別データの出力が終了される(非表示となる)。よって、特別データが不用意に非会員に提供されることがない。
【0088】
また、遊技者が遊技を終了した場合のみならず、一時的に操作ハンドル9の操作を中断した場合にも、(特別データ非表示フラグ43dはオンされ)特別データはLCD10に非表示となる。しかし、遊技者が、再びハンドル操作を開始すると、指紋情報が検出され、これにより、提供データが会員管理コンピュータ60からパチンコ機1へ送信される。よって、新たに送信されたその遊技者に提供するべき提供データを、再び、LCD10に表示できる。
【0089】
小サイズフラグ43eは、LCD10に表示される提供データが縮小サイズで表示されているか否を示すためのフラグである。本実施例の遊技システム100では、LCD10に表示される提供データは、通常サイズと、その通常サイズよりも縮小された縮小サイズとの2種類のサイズで表示されるようになっている。小サイズフラグ43eは、この2種類のサイズの内のいずれのサイズで提供データが表示されているかを示すものであり、提供データの表示サイズが縮小サイズである場合にオンされ、通常サイズである場合にオフされる。
【0090】
この提供データの表示サイズの切替はLCD10での変動表示の状態に応じて実行される。本実施例の遊技システム100では、変動表示の実行中には、提供データは縮小サイズで表示され、変動表示の非実行時には、提供データは通常サイズで表示されるようになっている。この提供データの表示サイズの切替に際しては、小サイズフラグ43eが参照され、表示中の提供データの表示サイズを変更する必要があるかいなかが判断される(図10、表示サイズ切替処理参照)。
【0091】
ビデオRAM44は、LCD10に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM44の内容を書き替えることにより、LCD10の表示内容が変更される。キャラクタROM45は、LCD10に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。
【0092】
上記したMPU41、ROM42、ワークRAM43は、バスライン46を介して相互に接続され、このバスライン46は、また、入出力ポート47と、画像コントローラ48とに接続されている。画像コントローラ48は、バスライン46の他に、ビデオRAM44とキャラクタROM45とに接続されると共に、入出力ポート47にも接続されている。画像コントローラ48は、MPU41、ビデオRAM44、入出力ポート47のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きを介在すると共に、ビデオRAM44に記憶される表示データを、キャラクタROM45から所定のタイミングで読み出してLCD10に表示させるものである。
【0093】
図3に戻って説明する。電源基板30は、パチンコ機1の各部に電力を供給するための電源部30aと、停電監視回路30bと、クリアスイッチ30cとを備えている。停電監視回路30bは、停電等の発生による電源断時に、主制御基板CのMPU及び払出制御基板HのMPUへ停電信号31を出力するための回路である。停電監視回路30bは、電源部30aから出力される最も大きい電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号31を主制御基板C及び払出制御基板Hへ出力するように構成されている。この停電信号31の出力によって、主制御基板C及び払出制御基板Hは、停電の発生を認識し、停電時処理を実行する。なお、電源部30aは、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されているので、主制御基板C及び払出制御基板Hは、停電時処理を正常に実行することができるのである。
【0094】
クリアスイッチ30cは、主制御基板CのRAMおよび払出制御基板HのRAMにバックアップされるデータをクリアするためのスイッチであり、押しボタンタイプのスイッチで構成されている。このクリアスイッチ30cが押下された状態でパチンコ機1の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、クリア信号32が主制御基板C及び払出制御基板Hへそれぞれ出力され、主制御基板Cおよび払出制御基板Hによって、それぞれのRAMのデータがクリアされる。
【0095】
上記のように構成されるパチンコ機1は、ケーブル40aを介してハブ55に接続されている。ハブ55は、各パチンコ機1に接続されると共に、各パチンコ機1に併設された貯球払出サンド装置50にも接続されている。また、ハブ55には、終端抵抗Tを備えたケーブル40が接続されており、ケーブル40には、ハブ55以外に、会員管理コンピュータ60、ホールコンピュータ75、登録装置70、自動販売機80、貯球処理装置85がそれぞれ接続されている。
【0096】
尚、図2においては、遊技システム100に備えられたパチンコ機1の一部及び貯球払出サンド装置50の一部と、かかるパチンコ機1及び貯球払出サンド装置50とハブ55との接続状態の一部とを省略して図示している。
【0097】
会員管理コンピュータ60は、上記のように構成されるパチンコ機1及び貯球払出サンド装置50に(ハブ55を介して)接続されると共に、ホールコンピュータ75、登録装置70、自動販売機80、貯球処理装置85に接続され、パチンコ機1及び各装置50,75,70,80,85との間で(双方向に)情報通信を実行し得るように構成されたコンピュータである。
【0098】
この会員管理コンピュータ60は、パチンコ機1及び各装置50,70,80,85からの指紋情報を受信すると、その受信した指紋情報と指紋情報送信元装置とに応じた処理を実行するようになっている。
【0099】
この会員管理コンピュータ60の電気的構成を図6を参照して説明する。図6に示すように、会員管理コンピュータ60は、演算装置であるMPU61と、ROM62と、RAM63と、入出力ポート65と、ハードディスク66と、インターフェース67と、CRTディスプレイ68と、キーボード69とを備えている。
【0100】
ROM62は、そのMPU61により実行される各種の制御プログラム(バイオス(BIOS)と称されるプログラムなど)や固定値データを記憶するためのメモリである。RAM63は、MPU61による各種プログラムの実行時に使用されるデータを一時的に記憶するためのメモリである。このRAM63は、受信バッファ63aと、送信バッファ63bとを備えている。
【0101】
受信バッファ63aは、パチンコ機1や他の装置50,70,80,85から会員管理コンピュータ60に送信されたデータを一時的に記憶するためのメモリである。会員管理コンピュータ60には、複数のパチンコ機1に加え、複数の貯球払出サンド装置50、登録装置70、自動販売機80、貯球処理装置85が接続されている。会員管理コンピュータ60は、各パチンコ機1および各装置50,70,80,85との間で、頻繁にデータの受信を行わなくてはならない。ところが、その受信速度は、MPU61の処理速度に比べて遅い。このため、データ受信を行いつつ、そのデータの処理をMPU61に実行させると、データ受信の処理が影響し、MPU61の処理速度を低下させてしまう。しかし、一時的にこの受信バッファ63aへ受信データを保存することにより、受信データの処理をMPU61に効率的に実行させることができる。
【0102】
送信バッファ63bは、会員管理コンピュータ60からパチンコ機1や他の装置50,80,85へ送信するデータを一時的に記憶するためのメモリである。会員管理コンピュータ60は、パチンコ機1や他の装置50,70,80,85からのデータ受信を行いつつ、更に、パチンコ機1や他の装置50,80,85へのデータ送信を行わなくてはならない。送信データをこの送信バッファ63bに記憶させておけば、データ受信の行われていないタイミングでデータ送信を行うことができ、データの送受信を支障なく実行することができる。
【0103】
上記したMPU61、ROM62、RAM63は、バスライン64を介して相互に接続され、このバスライン64は、また、入出力ポート65に接続されている。入出力ポート65は、上記したバスライン64以外に、ハードディスク66と、インターフェース67と、CRTディスプレイ68と、キーボード69とに接続されている。
【0104】
ハードディスク66は、書き替え可能な不揮発性のメモリであり、大容量の記憶装置である。このハードディスク66は、提供情報メモリ66a、特別情報メモリ66b、登録データメモリ66c、識別番号メモリ66d、遊技者データメモリ66eを備えている。また、図13に示すフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部として、このハードディスク66内の所定のエリアに記憶されている。
【0105】
提供情報メモリ66aは、遊技者に提供される(パチンコ機1に表示される)提供データを記憶するためのメモリである。提供データは、非会員と会員との両者に提供される通常データと、会員のみに提供される特別データとにより構成されている。具体的には、通常データは、イベントや休日等の案内である遊技場の営業広告情報、導入される新台に関する新台情報、会員の登録方法案内や、会員の特典を紹介する特典紹介情報などである。尚、通常データの全てが、必ずしも、会員に提供される必要はなく、会員に不要なデータについては、非提供とするように構成しても良い。
【0106】
特別データは、会員のみのイベント情報や、各パチンコ機1或いは遊技者が使用中のパチンコ機1の過去の詳細な遊技状態(遊技履歴)を示す遊技履歴情報、会員の所有する貯球を示す貯球情報や、サービスポイント数情報などである。尚、本実施例においては、全遊技者に共通する特別データ(会員のみイベント情報や、各パチンコ機1或いは遊技者が使用中のパチンコ機1の過去の詳細な遊技状態(遊技履歴)を示す遊技履歴情報)のみを提供情報メモリ66aに記憶するように構成されており、会員個人に関する特別データ(貯球情報、サービスポイント数情報)については、後述する登録データメモリ66cに記憶されている。
【0107】
この提供情報メモリ66aに記憶される提供データは、キーボード69からの入力操作により、変更できるようになっており、遊技場側は、例えば、イベントの開催日などに応じて任意のデータを提供データとして入力できるようになっている。
【0108】
登録データメモリ66cは、登録された遊技者、即ち、会員の情報を記憶するためのメモリであり、登録装置70により入力された遊技者の指紋情報が、遊技者を特定する識別情報として記憶されている。上記したように、登録装置70では、遊技者の5指の指紋情報が登録されるので、この登録データメモリ66cには、1の遊技者について5指の指紋情報が記憶されている。これにより、いずれかの指の指紋情報が会員管理コンピュータ60に入力されると、会員管理コンピュータ60は、その指紋情報に基づいて、1の遊技者を特定することができるのである。
【0109】
また、登録装置70により指紋情報と共に入力された遊技者の氏名情報と、住所情報と、電話番号情報とは、その指紋情報に対応つけられてこの登録データメモリ66cに記憶されている。更に、登録データメモリ66cには、指紋情報に対応つけて遊技者の貯球情報とサービスポイント数情報とが記憶されている。
【0110】
つまり、1の遊技者に対応して、その指紋情報、氏名情報、住所情報、電話番号情報、貯球情報、サービスポイント数情報が一連の情報群として、登録データメモリ66cに記憶されているのである。この登録データメモリ66cにおいて、1の遊技者に関連する一連のデータの終端には、ターミネータが付加されており、このターミネータからターミネータの間に記憶されるデータが、一連の情報群として、MPU61に認識される。
【0111】
貯球払出サンド装置50または自動販売機80から球数情報が会員管理コンピュータ60に送信された場合と、貯球処理装置85から負の球数情報が会員管理コンピュータ60に入力された場合には、登録データメモリ66cに記憶される貯球情報の内、受信した球数情報の入力者である遊技者に対応する貯球情報から、入力された球数情報(の絶対値)が減算される(貯球の払出し)。
【0112】
また、貯球処理装置85から正の球数情報が会員管理コンピュータ60に入力された場合には、この登録データメモリ66cに記憶される対応する貯球情報に、入力された球数情報が加算される(貯球の預け入れ)。これにより、遊技システム100において、遊技者に、所有する貯球による景品交換や商品代金の精算、更には貯球の払出しや貯球の預け入れなどのサービスを提供できるのである。
【0113】
入力された球数情報がいずれの遊技者に対応するかは、球数情報と共に送信される指紋情報により特定されるようになっており、登録データメモリ66cでは、特定された遊技者(指紋情報)に対応する貯球情報が更新される。
【0114】
サービスポイント数情報とは、所定の基準に応じて遊技場側から遊技者に付与されるポイントである。かかるポイントは、例えば、遊技者の来店回数や、大当たり回数などに応じて付与される。このポイント数が所定数以上となると景品などに交換するサービスが遊技場側により行われる。
【0115】
この登録データメモリ66cに記憶されるデータは、所定の操作により(遊技者ごとに)CRTディスプレイ68に出力して表示することができるようになっている。これにより、遊技場側は、各遊技者のデータを閲覧し、確認することや、遊技者のデータに基づいた営業活動を行うことができる。
【0116】
識別番号メモリ66dは、遊技場内に設置される多数のパチンコ機1のそれぞれに備えられた台番号と、その台番号により指定されるパチンコ機1の配置及び機種名とが、それぞれ対応つけて記憶されているメモリである。パチンコ機1から送信される各データには、送信元のパチンコ機1の台番号が付加されている。MPU61は、データを受信すると、この識別番号メモリ66dに記憶される台番号を参照して、受信データの送信元パチンコ機1を認識することができる。
【0117】
尚、貯球払出サンド装置50については、併設されたパチンコ機1と同じ台番号が付与されているので、識別番号メモリ66dを参照することで、情報送信元の1の貯球払出サンド装置50を特定することができる。尚、貯球払出サンド装置50から出力される情報には貯球払出サンドコードが付加されるようになっているので、同じ台番号であっても、パチンコ機1と混同することはない。
【0118】
遊技者データメモリ66eは、パチンコ機1から送信されるパチンコ機1の台番号及び指紋情報と、その指紋情報の所有者が会員か否かを示すコード(会員コードまたは非会員コード)とを対応つけて記憶するためのメモリである。各パチンコ機1の操作ハンドル9が遊技者により操作されると指紋情報は検出されるので、基本的には、遊技データメモリ66eには、遊技を行う全遊技者の指紋情報とその使用するパチンコ機1の台番号とその遊技者の指紋情報とが、それぞれ対応付けられて記憶されることとなる。
【0119】
この遊技者データメモリ66eには、指紋情報が受信されることにより、その受信した台番号と指紋情報とが書込まれる。一方、遊技者データメモリ66eに記憶される各情報は、電源投入時または会員管理コンピュータ60のオペレータの所定の操作により消去される。また、遊技者が、使用するパチンコ機1を変更した場合には、新たにその遊技者の指紋情報と変更後の遊技機の台番号とが会員管理コンピュータ60に送信される。MPU61は、書込まれた指紋情報(1の遊技者)に対応して複数の台番号が遊技者データメモリ66eに記憶されている場合には、先に記憶されている台番号とその台番号に対応付けられた指紋情報とコード(会員コードまたは非会員コード)とを消去する。これにより、会員管理コンピュータ60では、1の遊技者に1のパチンコ機1を対応付けて管理することができる。
【0120】
図3に戻って説明する。上記のように構成される会員管理コンピュータ60に接続される貯球払出サンド装置50、登録装置70、自動販売機80、貯球処理装置85は、それぞれ、MPU、ROM、RAM、指紋検出器などを備え、会員管理コンピュータ60と双方向の情報通信を実行することのできる装置で構成されている。
【0121】
図11のフローチャートに示す指紋情報登録処理のプログラムは、制御プログラムの一部として登録装置70のROMに記憶されている。これにより、登録装置70は、指紋検出器により検出した指紋情報を会員管理コンピュータ60に登録することができるようになっている。
【0122】
図12のフローチャートに示す貯球処理のプログラムは、制御プログラムの一部として貯球処理装置85のROMに記憶されている。この貯球処理が実行されることにより、遊技者は、遊技によって得た球を貯球し、また、自己の貯球を遊技に使用する球に代えることができる。
【0123】
尚、上記した各装置50,70,80,85により検出された指紋情報には、その装置を示す装置コード(貯球払出サンド装置50であれば貯球払出サンドコード、登録装置70であれば登録コード、自動販売機80であれば自動販売機コード、貯球処理装置85であれば貯球処理装置コード)が付加されて、会員管理コンピュータ60に送信される。これにより、会員管理コンピュータ60において、指紋情報送信元の装置が識別され、その送信元装置に応じた処理が実行される。
【0124】
ホールコンピュータ75は、上記したように、各パチンコ機1のそれぞれから送信される遊技状態を示す情報を管理するためのコンピュータであり、ケーブル40を介して、パチンコ機1や会員管理コンピュータ60および他の装置50,70,80,85に接続されている。このホールコンピュータ75は、演算装置やICメモリであるROMやRAM、更には、大容量の記憶装置であるハードディスクを備えると共に、ホールコンピュータ75で実行される処理を表示するためのCRTディスプレイや入力装置であるキーボードなどを備えたパーソナルコンピュータで構成されている。
【0125】
各パチンコ機1から送信される遊技状態を示す情報には、台番号が付加されて出力されている。ホールコンピュータ75は、該情報を受信し、各台番号に対応付けて、ハードディスクに記憶する。ここで、パチンコ機1から出力される遊技状態を示す情報(或いはその累積結果や経時変化)をCRTディスプレイに出力すれば、オペレータに遊技状態を通知することができる。また受信した遊技状態のデータに付加されている台番号から、パチンコ機1の位置や機種の情報が得られるので、異常が発生した場合には、オペレータは、迅速に対応することができる。
【0126】
次に、上記のように構成された遊技システム100で実行される各処理を、図7から図13のフローチャートを参照して説明する。まず、図7から図10を使用して、パチンコ機1で実行される各処理について説明する。
【0127】
図7は、パチンコ機1の会員管理コンピュータ基板Iにおいて実行される情報送信処理のフローチャートである。情報送信処理は、パチンコ機1の指紋検出器19により検出された指紋情報を会員管理コンピュータ60に送信するための処理である。
【0128】
この情報送信処理では、まず、ハンドルフラグ23cがオンか否かを確認し(S1)、ここで、ハンドルフラグ23cがオフで有れば(S1:No)、ハンドルスイッチ18がオンか否かを確認する(S2)。確認の結果、ハンドルスイッチが18がオフであれば(S2:No)、ハンドルフラグ23cとハンドルスイッチ18とが共にオフであるので、操作ハンドル9は操作状態にない。よって、この情報送信処理を終了する。
【0129】
一方、S2の処理で確認した結果、ハンドルスイッチ18がオンであれば(S2:Yes)、未操作状態であった操作ハンドル9が遊技者に操作されたことを示しているので、ハンドルフラグ23cをオンした後(S3)、指紋情報を読取って送信バッファ23bに書込む(S4)。これにより、遊技者がハンドル操作を開始したタイミングで指紋情報を検出することができる。
【0130】
尚、指紋情報の読み取りは、ハンドルフラグ23cがオンされたタイミングで、パチンコ機1の指紋検出器19を動作させて遊技者の指紋情報を検出することにより行っても良く、また、パチンコ機1の指紋検出器19を定常的に動作させて検出信号を出力させると共に、ハンドルフラグ23cがオンされたタイミングでその出力されている検出信号を読取ることによって行っても良い。
【0131】
S4の処理の後は、台番号メモリ23dに記憶される台番号を、送信バッファ23bの指紋情報に付加して、会員管理コンピュータ60に送信し(S5)、次いで、(指紋情報の送信後に)送信バッファ23bの情報を0クリアして、この情報送信処理を終了する。
【0132】
一方、S1の処理で確認した結果、ハンドルフラグ23cがオンであれば(S1:Yes)、ハンドルスイッチ18がオンであるか否かを確認する(S7)。確認の結果、ハンドルスイッチ18がオンであれば(S7:Yes)、ハンドルフラグ23cとハンドルスイッチ18とが共にオンであるので、パチンコ機1は(既に指紋情報の検出を行った)1の遊技者によって、継続的に操作されている状態である。よって、新たに指紋情報を検出する必要がないので、この情報送信処理を終了する。
【0133】
また、S7の処理で確認した結果、ハンドルスイッチ18がオンでなければ(S7:No)、ハンドルスイッチ18はオフであり、遊技者が遊技(ハンドル操作)を終了したことを示している。故に、ハンドルフラグ23cをオフした後(S8)、特別データ非表示コマンドを表示用制御基板Dに送信し(S9)、次いで、その処理をS6の処理に移行する。上記したように特別データ非表示コマンドは、会員にのみ提供される特別データの出力を中止するコマンドである。よって、表示用制御基板Dにより、LCD10に表示される特別データの表示の終了が直ちに実行される(図9参照)。これにより、会員のみに提供される特別データが非会員(他の遊技者)に不用意に提供されることを防止することができる。
【0134】
図8は、パチンコ機1の会員管理コンピュータ基板Iにおいて実行される情報受信処理のフローチャートである。情報受信処理は、会員管理コンピュータ60からの提供データを受信するための処理である。この情報受信処理では、まず、会員管理コンピュータ60からの提供データが受信されたか否かを確認する(S11)。ここで、会員管理コンピュータ60からの提供データの受信でなければ(S11:No)、この情報受信処理を終了する。
【0135】
一方、S11の処理で確認した結果、会員管理コンピュータ60からの提供データの受信であれば(S11:Yes)、受信バッファ23aに、受信した提供データを書込む(S12)。その後、受信バッファ23aの提供データを表示用制御基板Dに送信し(S13)、次いで、送信した提供データを受信バッファ23aから0クリアして(S14)、この情報受信処理を終了する。本実施例の遊技システムは、遊技者が会員であるか否かによって、異なる提供データをパチンコ機1のLCD10に表示する。一方で、1のパチンコ機1を使用する遊技者は、常時(遊技者の任意のタイミングで)変更される。しかし、受信された提供データが表示用制御基板Dに送信されることを契機として、受信バッファ23aの提供データを0クリアするので、提供データは、提供されるべき遊技者に的確に提供される(受信バッファ23aの他人の提供データが、表示用制御基板Dに再送信されることはない)。
【0136】
尚、受信バッファ23aの提供データは、新たな提供データを受信することを契機として0クリアされてもよく、また、新たな提供データで上書きすることにより、先の提供データを消去しても良い。
【0137】
図9は、パチンコ機1の表示用制御基板Dで実行される表示情報受信処理のフローチャートである。表示情報受信処理は、会員管理コンピュータ基板Iから送信される提供データを受信し、受信した提供データをLCD10に出力するための処理である。
【0138】
この表示情報受信処理では、まず、会員管理コンピュータ基板Iからの情報受信であるか否かを確認する(S21)。ここで、会員管理コンピュータ基板Iからの情報受信でなければ(S21:No)、この表示情報受信処理を終了する。一方、S21の処理で確認した結果、会員管理コンピュータ基板Iからの情報受信であれば(S21:Yes)、受信した情報を受信バッファ43aに書込む(S22)。そして、受信バッファ43aに書込まれた受信情報は何かを確認し(S23)、受信情報が提供データであれば(S23:提供データ)、特別データ非表示フラグ43dをオフする(S24)。
【0139】
特別データが非会員に不用意に閲覧されないように、遊技者が遊技を終了する(操作ハンドルの操作を停止する)ことにより、特別データ非表示フラグ43dはオンされており、この特別データ非表示フラグ43dのオンにより、特別データはLCD10に非表示とされる。ここで、提供データは、ハンドル操作が実行される毎(指紋情報の検出毎)に会員管理コンピュータ60から送信されるので、表示用制御基板Dに受信される提供データは、新たに、ハンドル操作を開始した遊技者に対応するものである。よって、その遊技者に応じた提供データの表示を行うべく、特別データ非表示フラグ43dがオフされるのである。
【0140】
S24の処理の後は、受信した提供データの内、通常データを通常データメモリ43bに書込み(S25)、次いで、受信した提供データの内、特別データを特別データメモリ43cに書込む(S26)。ここで、遊技者が非会員であれば、特別データとして「0」コードが送信されている。よって、特別データメモリ43cには、「0」コードが書込まれる。これにより、MPU41は、出力するべき特別データの無いことを認識する。
【0141】
その後、特別データ非表示フラグ43dがオンされているか否かを確認する(S27)。ここで、特別データ非表示フラグ43dがオンされていなければ(S27:No)、特別データ非表示フラグ43dはオフであり、通常データメモリ43b及び特別データメモリ43cに記憶される提供データ(通常データおよび特別データ)を、縮小サイズのデータ形式でLCD10に出力して(S28)、小サイズフラグ43eをオンし(S29)、この表示情報受信処理を終了する。
【0142】
尚、出力された提供データは、新たな提供データを受信するまで(或いは、特別データについては、特別データ非表示コマンドを受信するまで)、LCD10に継続して表示される。遊技者が非会員である場合には、上記したように特別データメモリには「0」コードが記憶されており、特別データとして出力されるデータはない。よって、LCD10には、通常データのみが表示されることとなる。
【0143】
また、S27の処理で確認した結果、特別データ非表示フラグ43dがオンされていれば(S27:Yes)、LCD10の特別データの表示を終了した後(S30)、この表示情報受信処理を終了する。本実施例の遊技システム100においては、このS29の処理により、特別データは非表示状態となるが、通常データはLCD10に継続して表示される。
【0144】
一方、S23の処理で確認した結果、受信情報が特別データ非表示コマンドであれば(S23:特別データ非表示コマンド)、特別データ非表示フラグ43dをオンした後(S31)、その処理をS27の処理に移行する。
【0145】
図10は、表示用制御基板Dにおいて実行される表示サイズ切替処理のフローチャートである。表示サイズ切替処理は、LCD10に表示される提供データの表示サイズを、変動表示の状態に応じて切り替える処理である。
【0146】
この表示サイズ切替処理では、まず、変動表示の状態が確認される(S41)。その結果、変動中であると(S41:変動中)、この表示サイズ切替処理を終了する。一方、変動が開始された状態であると(S41:変動開始)、小サイズフラグ43eがオンであるか否かを確認する(S42)。ここで、小サイズフラグ43eがオンであると(S42:Yes)、提供データは既に縮小サイズでLCD10に表示されている。つまり、表示サイズの変更が不要であるので、この表示サイズ切替処理を終了する。
【0147】
一方、S42の処理で確認した結果、小サイズフラグ43eがオフであれば(S42:No)、特別データ非表示フラグ43dがオンであるか否かを確認する(S43)。その結果、特別データ非表示フラグ43dがオフであれば(S43:No)、通常データメモリ43bおよび特別データメモリ43cに記憶される提供データ(通常データおよび特別データ)を、縮小サイズのデータ形式でLCD10に出力し(S44)、小サイズフラグ43eをオンして(S45)、この表示サイズ切替処理を終了する。また、S43の処理で確認した結果、特別データ非表示フラグ43dがオンであると(S43:Yes)、通常データメモリ43bに記憶される通常データを、縮小サイズのデータ形式でLCD10に出力し(S46)、その後、その処理をS45の処理に移行する。
【0148】
更に、S41の処理で確認した結果、変動表示が終了していると(S41:終了)、小サイズフラグ43eがオンであるか否かを確認する(S47)。ここで、小サイズフラグ43eがオフであると(S47:No)、提供データは既に通常サイズでLCD10に表示されている。つまり、表示サイズの変更が不要であるので、この表示サイズ切替処理を終了する。
【0149】
一方、S47の処理で確認した結果、小サイズフラグ43eがオンであれば(S47:Yes)、特別データ非表示フラグ43dがオンであるか否かを確認する(S48)。その結果、特別データ非表示フラグ43dがオフであれば(S48:No)、通常データメモリ43bおよび特別データメモリ43cに記憶される提供データ(通常データおよび特別データ)を、通常サイズのデータ形式でLCD10に出力し(S49)、小サイズフラグ43eをオフして(S50)、この表示サイズ切替処理を終了する。
【0150】
また、S46の処理で確認した結果、特別データ非表示フラグ43dがオンであると(S48:Yes)、通常データメモリ43bに記憶される通常データを、通常サイズのデータ形式でLCD10に出力し(S51)、その後、その処理をS50の処理に移行する。
【0151】
提供データの表示されるLCD10では、変動表示も実行されるため、提供データの表示によって、変動表示の視認性が低下しかねない。しかし、変動表示の状態と小サイズフラグ43eの状態とに基づいて、提供データの表示サイズを変更することができるので、提供データがLCD10に表示されても、変動表示ゲームを行う図柄などの識別情報の視認性を低下させることはない。
【0152】
図11は、登録装置70で実行される指紋情報登録処理のフローチャートである。指紋情報登録処理は、登録装置70において、入力された遊技者の指紋情報により、その遊技者を会員として登録するための処理である。この指紋情報登録処理では、まず、指紋情報が検出されたか否かを確認する(S61)。指紋情報の検出は、登録装置70の指紋検出器によって行われる。この指紋検出器は、遊技者の指が接触したことを検知する押圧センサを備えており、押圧センサの反応により、指紋検出器に指が接触したことが検出されると指紋情報の読み取りが実行される。
【0153】
このS61の処理で確認した結果、指紋情報が検出されていなければ(S61:No)、この指紋情報登録処理を終了する。一方、指紋情報が検出されていれば(S61:Yes)、全指の指紋情報の入力が完了したか否かを確認し(S62)、全指の指紋情報の入力が完了していなければ(S62:No)、S63以降の処理を待機する。また、全指の指紋情報の入力が完了していれば(S62:Yes)、遊技者による氏名(氏名情報)、住所(住所情報)、電話番号(電話番号情報)の入力が完了したか否かを確認する(S63)。
【0154】
確認の結果、遊技者による氏名(氏名情報)、住所(住所情報)、電話番号(電話番号情報)の入力が完了していなければ(S63:No)、かかる情報入力の完了を待機し、かかる情報入力が完了していれば(S63:Yes)、入力された氏名情報、住所情報、電話番号情報と、全指の指紋情報とに、登録コードを付加して会員管理コンピュータ60に送信し(S64)、この指紋情報登録処理を終了する。
【0155】
図12は、貯球処理装置85で実行される貯球処理のフローチャートである。この貯球処理は、遊技者が遊技で得た球の内の所望の球数の貯球と、遊技者が自己の貯球から所望数の球を引き出すための処理である。この貯球処理は、定期的にROMから読出されて実行される。
【0156】
この貯球処理では、まず、貯球処理装置85に球が導入されたか否かを確認する(S71)。確認の結果、球が導入されていなければ(S71:No)、S72の処理をスキップして、S73の処理に移行する。一方、貯球処理装置85に球が導入されていると(S71:Yes)、計数処理を実行し(S72)、導入された球数のカウントを行う。
【0157】
その後、指紋情報の入力がなされたか否かを確認する(S73)。貯球処理装置85のMPUは、貯球処理装置85の指紋検出器に遊技者の指が接触することにより、指紋入力であると認識する。そして、確認の結果、指紋情報の入力がなされていると(S73:Yes)、入力された指紋情報の読取りを行う指紋読取処理を実行し(S74)、その後、S75の処理に移行する。一方、指紋情報の入力がなされていなければ(S73:No)、S74の処理をスキップして、S75の処理に移行する。
【0158】
S75の処理では、所定時間が経過したか否かを確認する。このS75の処理においては、S71の処理で球の導入が確認された場合には、その計数処理が終了してから所定時間が経過したか否かが確認される。具体的には、S71の処理で球の導入が確認された場合には、その旨を示すフラグがオンされ、そのフラグがオンされている間、継続して計時が実行され、その計時された時間が所定時間に達したか否かがS75の処理で判断される。オンされたフラグは、所定時間の経過を契機としてオフされる。
【0159】
また、S71の処理で球が導入されていないと判断される(上記した球が導入されたことを示すフラグのオフ時において)と、貯球処理の開始から所定時間が経過したか否かがS75の処理において確認される。
【0160】
そして、所定時間が経過していると(S75:Yes)、S73の処理で指紋情報が入力されているか否かを調べ(S76)、指紋情報が入力されていれば(S76:Yes)、入力された指紋情報に貯球処理装置コードを付加して会員管理コンピュータ60に送信する(S77)。その後は、会員管理コンピュータ60からのデータを受信したか否かを確認し(S78)、データが受信されていなければ(S78:No)、データの受信を待機する。一方、データが受信されていれば(S78:Yes)、受信データは何であるかを確認し(S79)、その受信データが貯球情報であれば(S79:貯球情報)、受信した貯球情報と計数した球数とを表示する貯球表示処理を行う(S80)。計測された球がない場合には、受信した貯球情報のみが表示される。
【0161】
この貯球情報が表示された状態(貯球表示処理(S80)において)で、遊技者は、所望の球数を球数情報として入力することができる。この球数情報の入力は、(表示された球数内で)負の数で行うこともでき、また、(計数された球数内で)正の数で行うこともできる。負の球数情報の入力は、その入力された球数の引き出しの指定である。また、正の球数情報の入力は、その入力された球数を貯球することの指定である。この貯球表示処理(S80)の後は、入力された球数情報に、指紋読取処理(S74)で読取った指紋情報と貯球処理装置コードとを付加して会員管理コンピュータ60に送信する(S81)。そして、各処理を実行して(S82)、この貯球処理を終了する。
【0162】
各処理(S82)では、遊技者が指定した球数に応じて景品を交換するための処理を実行する。貯球表示処理(S80)で、正の数で球数情報が入力された場合には、計数された球数から入力された正の数を減じた残りの球数が、相当する景品と交換され、また、貯球表示処理(S80)で、負の数で球数情報が入力された場合には、その球数が相当する景品に交換される(或いは、入力された球数に相当する球が払い出される)こととなる。この各処理(S82)における景品を交換するための処理とは、遊技者の指示した球数に応じた景品引換券の出力処理や、貯球の払出処理となる。
【0163】
また、S75の処理で確認した結果、所定時間が経過していなければ(S75:No)、その処理をS71の処理に移行し、球の導入または指紋情報の入力を待機する。更に、S76の処理で確認した結果、指紋情報の入力がなければ(S76:No)、その処理を各処理(S82)に移行する。そして各処理(S82)において、S71の処理において球の導入が確認されたか否かを調べる。球の導入が確認されていなかった場合には、この貯球処理を終了する。一方、S71の処理で球の導入が確認されている場合には、遊技者が、遊技によって得た球を貯球することも貯球を引き出すことを所望していないと判断し、計数した球数に応じた景品に交換するための処理を実行した後、この貯球処理を終了する。加えて、S79の処理で確認した結果、受信データがエラー情報であれば(S79:エラー情報)、エラー処理を行った後、その処理を各処理(S82)に移行する。
【0164】
貯球情報は、会員管理コンピュータ60において、登録された指紋情報に対応付けられて管理されている。つまり、遊技者は、会員であると、貯球を行うサービスが利用できる。よって、非会員である遊技者が、指紋情報を入力しても、貯球情報を利用できないので、エラーとして処理される。かかる場合には、各処理(S82)において、計数処理(S72)で計数された球数に相当する景品に交換するための処理が実行されることとなる。
【0165】
図13は、会員管理コンピュータ60において実行される指紋情報受信処理のフローチャートである。この指紋情報受信処理は、各装置から会員管理コンピュータ60に送信される指紋情報について、その送信元装置を判別し、判別された装置に応じて処理を実行するとともに、その処理結果を指紋情報送信元の装置に送信することにより、指紋情報送信元の装置に必要な処理を実行させるための処理である。
【0166】
この指紋情報受信処理では、まず。指紋情報の受信か否かが確認され(S91)、指紋情報の受信でなければ(S91:No)、この指紋情報受信処理を終了する。一方、指紋情報の受信であれば(S91:Yes)、指紋情報の送信元装置が何かを確認する(S92)。この確認は、指紋情報に付加された装置コード或いは台番号を読取ることによって、行われる。確認の結果、送信元装置がパチンコ機1であれば(S92:パチンコ機)、受信した台番号に対応する情報(指紋情報など)は、遊技者データメモリ66eに記憶されているか否かを確認する(S93)。
【0167】
ここで、受信した台番号に対応する情報が、遊技者データメモリ66eに記憶されていれば(S93:Yes)、受信した台番号に対応する情報を読出す(S94)。読出した情報には、遊技者の指紋情報と、会員コードまたは非会員コードとが含まれている。そして、受信した指紋情報とこの読出した情報に含まれる遊技者の指紋情報との照合を行う指紋認証処理を実行する(S95)。
【0168】
尚、本実施例の遊技システム100においては、パチンコ機1においては、複数(5指)の指紋情報が検出されるようになっている。指紋認証処理(S95)においては、この5指の指紋情報の内、少なくとも1の指紋情報が読出した指紋情報と一致すれば、指紋情報の一致(同一の遊技者)として判定する。
【0169】
そして、読出した指紋情報と、受信した指紋情報とが一致したか否かを確認し(S96)、その結果、S94の処理で読出した指紋情報と、受信した指紋情報とが一致していなければ(S96:No)、その台番号に指定されるパチンコ機1の遊技者は変更されているので、受信した台番号とを対応付けて遊技者データメモリ66eに書込み、先の情報を更新する(S97)。この更新は、受信した台番号に対応するメモリエリアの更新となるので、同じメモリエリアに記憶されている会員コードまたは非会員コードは消去される。
【0170】
その後、受信した指紋情報は、登録データメモリ66cに記憶されているか否かを確認し(S98)、ここで、受信した指紋情報が登録データメモリ66cに記憶されていると(S98:Yes)、S97(またはS104)の処理で遊技者データメモリ66eに書込んだ指紋情報に会員コードを付加する(S99)。そして、提供情報メモリ66aに記憶される通常データと、特別情報メモリ66bに記憶される特別データと、書込まれた指紋情報に対応する貯球情報とを送信バッファ63bに書込む(S100)。S100の処理で書込まれる貯球情報は、会員毎に提供される個別の特別データであり、指紋情報に基づいて、登録データメモリ66cから読出され、提供情報メモリ66aから読出された特別データに付加される。
【0171】
次に、受信した指紋情報は、受信した台番号以外の台番号と対応付けられて、遊技者データメモリ66eに記憶されているか否かを調べる(S101)。ここで、受信した台番号以外の台番号にも、受信した指紋情報(受信した指紋情報と同一の指紋情報)が対応付けられて記憶されている場合には(S101:Yes)、その台番号と、その台番号に対応つけて記憶されている指紋情報などの情報を消去する(S102)。また、受信した台番号以外の台番号に、受信した指紋情報(受信した指紋情報と同一の指紋情報)が対応付けられて記憶されていない場合には(S101:No)、S102の処理をスキップしたS103の処理に移行する。その後、送信バッファ63bの情報を送信元装置に送信して(S103)、この指紋情報受信処理を終了する。
【0172】
また、S93の処理で確認した結果、受信した台番号に対応する情報が、遊技者データメモリ66eに記憶されていなければ(S93:No)、受信した指紋情報と台番号とを遊技者データメモリ66eに書込んだ後(S104)、その処理をS98の処理に移行する。更に、S96の処理で確認した結果、S94の処理で読出した指紋情報と、受信した指紋情報とが、一致していれば(S96:Yes)、遊技者は変更されていないので、遊技者データメモリ66eに記憶される指紋情報に会員コードが付加されているか否かを確認する(S105)。
【0173】
ここで、会員コードが付加されていれば(S105:Yes)、その処理をS100の処理に移行し、一方、会員コードが付加されていなければ(S105:No)、特別データとしての「0」コードと、提供情報メモリ66aに記憶される通常データとを送信バッファ63bに書込み(S106)、その後、その処理をS103の処理に移行する。
【0174】
「0」コードは、特別データがないことを示すデータであり、上記したように、パチンコ機1では、この「0」コードが受信されると、表示するべき特別データがないので、通常データのみが表示される。
【0175】
加えて、S98の処理で確認した結果、受信した指紋情報が登録データメモリ66cに記憶されていなければ(S98:No)、S97(またはS104)の処理で遊技者データメモリ66eに書込んだ指紋情報に非会員コードを付加し(S107)、特別データとしての「0」コードと、提供情報メモリ66aに記憶される通常データとを送信バッファ63bに書込み(S108)、その後、その処理をS101の処理に移行する。
【0176】
一方、S92の処理で確認した結果、指紋情報の送信元装置が貯球払出サンド装置50、自動販売機80、貯球処理装置85のいずれかであれば(S92:貯球払出サンド装置、自動販売機、貯球処理装置)、受信した情報は球数情報を含んでいるか否かを確認する(S110)。ここで、球数情報が含まれていれば(S110:Yes)、既に会員であることが確認済であることを示しているので、登録データメモリ66cを検索し、受信した指紋情報に対応する貯球情報を、受信した球数情報に応じて更新する(S111)。その後、その処理をS103の処理に移行する。
【0177】
よって、貯球処理装置85からの正の数の球数情報が受信されれば、貯球情報(貯球数)は、その分増加する。また、貯球処理装置85からの負の数の球数情報が受信されれば、貯球情報(貯球数)は、その分減算される。貯球払出サンド装置50または貯球処理装置85から送信される球数情報は、貯球の払出要求であるので、負の数の球数情報とし、貯球情報(貯球数)から受信した球数情報が減算される。
【0178】
また、S110の処理で確認した結果、受信情報に球数情報が含まれていなければ(S110:No)、これは、貯球払出サンド装置50または自動販売機80若しくは貯球処理装置85からの指紋情報(遊技者が会員であるか否か)の確認要求である。よって、受信した指紋情報が登録データメモリ66cに記憶されているか否かを確認し(S112)、その結果、受信した指紋情報が登録データメモリ66cに記憶されていれば(S112:Yes)、対応する貯球情報と氏名情報とを送信バッファに63bに書込み(S113)、その後、処理をS103の処理に移行する。
【0179】
更に、S112の処理で確認した結果、受信した指紋情報が登録データメモリ66cに記憶されていなければ(S112:No)、エラー情報を送信バッファ63bに書込み(S114)、その処理をS103の処理に移行する。
【0180】
また、S92の処理で確認した結果、指紋情報の送信元装置が登録装置70であれば(S92:登録装置)、指紋情報と共に送信されている氏名情報と、住所情報と、電話番号情報と、受信した(5指の)指紋情報とを登録データメモリ66cに書込んだ後(S115)、この指紋情報受信処理を終了する。
【0181】
このように、本実施例の遊技システム100によれば、指紋情報により遊技者が会員であるか非会員であるかを会員管理コンピュータ60において判断することができる。パチンコ機1から入力された指紋情報により、その遊技者が会員であると判断された場合には、会員にのみ提供する特別データ(会員を優遇するための各種情報)をパチンコ機1に出力することができる。よって、会員である遊技者は、遊技を実行しつつ、必要な情報を入手できる。この特別データは、LCD10に表示されるので、遊技者が視覚的障害となって、他の遊技者からは視認されがたい。更には、LCDに表示中の特別データは、遊技者が変更(ハンドルスイッチ18のオフ)により非表示とされる。よって、会員である遊技者に秘密性の高い情報を提供でき、また、非会員である遊技者と会員である遊技者とに明確な優位差を付与することができる。これによれば、遊技者に、自発的に会員になることが推奨され、該パチンコ機1を設置する遊技場は、顧客の獲得数を増加させることができる。
【0182】
加えて、本実施例の遊技システム100では、パチンコ機1の指紋検出器19は、操作ハンドル9を遊技者が把持することにより、指紋を検出し得るように構成したので、遊技者は通常の遊技動作を行うだけでよい。つまり、指紋検出を行うための操作をわざわざ実行する必要がない。更に、会員管理コンピュータ60には、5指の指紋情報が記憶されているので、操作ハンドル9を把持する5指の内のいずれかの指の指紋情報が検出できれば、遊技者を特定できるので、効率的且つ的確に遊技者を特定できる。
【0183】
また、遊技者は会員であることを指紋により証明できるので、会員カードや暗証番号などを用意する必要が無く、これらを管理するという面倒な作業から開放される。その上、会員カードや暗証番号などによりサービスを受ける場合のように、紛失によりサービスの提供が中止されるといった不具合が発生することがない。
【0184】
次に、図14と図15とを使用して、第2実施例の遊技システム100について説明する。第1実施例の遊技システム100においては、パチンコ機1の操作ハンドル9は、ハンドルリング9bに凹設された挿入孔9cを備えており、この挿入孔9cに遊技者が指を挿入することにより操作される(把持される)ように構成された。これに代えて、第2実施例の遊技システム100のパチンコ機1には、操作ハンドル90が備えられている。この操作ハンドル90は、挿入孔9cにかえて、ハンドルリング90bの上面に露出した凹部90cが形成されており、かかる凹部90cに指をおいた状態で操作ハンドル90が操作されるように構成されている。尚、第1実施例と同じ部分には、同じ符号を付して、その説明を省略する。また、この第2実施例の遊技システム100では、第1実施例の遊技システム100と同様に各処理が実行される。
【0185】
図14は、第2実施例の遊技システム100に備えられたパチンコ機1の操作ハンドル90の上面図である。図14に示すように、操作ハンドル90は、第1実施例の操作ハンドル9と同様に、前面枠2から略半球状に前方に突設されたハンドル本体90aと、そのハンドル本体90aに対して正面視において外方に部分的に突出して周設されると共にハンドル本体90aに対して回動可能に支持されたハンドルリング90bと、筒状に形成されると共にハンドル本体90aと前面枠2とを連結する連結部材90eとを備えている。
【0186】
ハンドルリング90bは、ハンドル本体90aの突設方向と同じ方向に所定の奥行きを有する部材であり、その上面(表面)には、ハンドル本体90aの中心方向に凹となるように凹設された凹部90cを備えている。この凹部90cは、ハンドル本体90a(ハンドルリング90b)の上半円側に設けられている。
【0187】
凹部90cは、遊技者が指を設置するために設けられた箇所であり、操作ハンドル90aの上面視左側から、ハンドルリング90bの円弧に沿って、親指、人差し指、中指、薬指、小指の設置される箇所として、5カ所の凹部90cが設けられている。一般にハンドル操作を行う場合には、遊技者は、ハンドルのグリップ性を高めるために、ハンドルに設けられる突起や凹凸に指をかけてハンドル操作を行う。第2実施例の操作ハンドル90においては、遊技者がハンドルのグリップ性を高めるための凹凸として、凹部90cが形成されているのである。操作ハンドル90には、かかる凹部90c以外には、遊技者がハンドル90を操作する際の支点が設けられていないので、遊技者は、この凹部90cに指をかけてハンドル90操作することとなる。この凹部90cには、検出部19aが設けられており、凹部90cに置かれた指の腹が接触するように検出部19aは配設されている。
【0188】
ハンドル本体90aの内部には、第1実施例の操作ハンドル9と同様に、ハンドルスイッチ18と指紋検出器19とが内蔵されている。これにより、遊技者が凹部90cに指をおいてハンドル90を把持し、ハンドル操作を実行することにより、遊技者の指紋情報を検出することができるのである。
【0189】
第1実施例の操作ハンドル9は、挿入孔9cに指を挿入するものであるので、操作ハンドルの持ち方が規制され、指紋検出の確実性を高められる。一方で、遊技者に不快感を抱かせかねない。第2実施例の操作ハンドル90は、ハンドルリング90bの上面(表面)を把持してハンドル操作を実行するものであるので、操作ハンドル9の操作時のような不快感を与えない。
【0190】
ここで、第2実施例の操作ハンドル90のように、ハンドルリング上の任意の部分を把持することのできる構造であると、把持の態様の自由度が大きい。このため、遊技者にとって持ちやすい状態で、ハンドルリング90bは把持されやすく、必ずしも、遊技者が凹部90cに指をおいて操作すると限らない。
【0191】
第2実施例の遊技システムにおいては、遊技者が凹部90cに指をおいてハンドル操作を行うことを推進するために、ハンドル初動時の操作抵抗が、所定の回転量を超えるまで、それ以降の抵抗力よりも大きくなるように構成されている。つまり、ハンドル初動時の操作抵抗が大きいと、遊技者は、強い把持力でハンドル操作を行わなくてはならず、必然的に、グリップ性を高めることのできる凹部90cに指をかけてハンドル操作を行うことが促進される。
【0192】
遊技中は、所定量以上の回転量によって、球の弾道が的確となるようにパチンコ機1は設計されているので、遊技者は、通常、所定量以上回転させた状態で、操作ハンドル90を保持する。操作ハンドル90の操作抵抗は、ハンドルの初動時のみに大きくなるので、遊技を継続して実行している間は、初動時のような大きな負荷が遊技者に課せられることはない。このハンドル操作の初動時に、操作ハンドル90の操作抵抗を強める機構について、図15を使用して説明する。
【0193】
図15は、パチンコ機1の球発射装置150を裏側から斜視した分解斜視図であり、図中の矢印Aは、打球杆144の打撃力を増加する場合におけるハンドルリング90bの回動方向を図示している。この球発射装置150は、遊技者により操作される操作ハンドル90によって動作される。操作ハンドル90は、上述した第1実施例の操作ハンドル9と同様に、パチンコ機1の表側、ガラス扉枠4の下方右側に配設されており(図1参照)、前面枠2に固定されるハンドル本体90aに対して相対的に回動可能に設けられたシャフト123とを備えている。シャフト123は、連結部材90eの内側に設けられ、ハンドルリング90bの回動をパチンコ機1の裏面側に伝達するための軸である。
【0194】
操作ハンドル90のシャフト123は、球発射装置150における略平板状の支持板140に挿嵌可能に形成され、プーリ141が連結される。このプーリ141は、シャフト123の回動を後述する打球杆144へ伝達するためのものであり、その外周に線材で形成されたワイヤ142の一端が連結されている。このワイヤ142は、プーリ141と共に操作ハンドル90のシャフト123の回動を伝達するためのものであり、その他端が調節バネ部材143の一端が連結される揺動部材143a下端に連結されている。揺動部材143aは、ワイヤ142により伝達されるシャフト123の回動を調節バネ部材143へ伝達するためのものであり、支持板140に揺動(傾動)可能に軸支されている。尚、ワイヤ142は、かかる揺動部材143a下端およびプーリ141下端間に懸架されている。
【0195】
揺動部材143aの上側部分には、調節バネ部材143の一端が連結されている。この調節バネ部材143は、後述する打球杆144に付勢力を付与するためのものであり、コイルスプリングで構成された引っ張りバネで形成され、その他端が打球杆144の支軸144aの上方部分に連結されている。打球杆144は、その上端部で球を打撃して遊技領域へ打ち込むためのものであり、支持板140に支軸144aを介して揺動可能に軸支されている。この打球杆144は、上述した調節バネ部材143により、図15の右側へ向けて付勢されており、かかる調節バネ部材143による付勢方向が球の打撃方向とほぼ一致するように構成されている。
【0196】
打球杆144の下側端部には、錘部144cが配設されている。この錘部144cは、打球杆144の下側端部の重量を重くするための部位であり、後述するストッパ部材144の反対側へ向けて突出して形成されている。これにより、打球杆144は、錘部144cの重量の分だけ重心が支軸144aから離間されるため、その分、支軸144aを中心として揺動する際の回転慣性力を向上され、その結果、球をより強固に打撃して発射することができる。よって、錘部144cを設けることにより、他の部位を細くして、その分、打球杆144全体としての軽量化を図ることができる。
【0197】
なお、錘部144cは、打球杆144に一体に設けられていても良く、或いは、より重量が重い材料から錘部144cを別体で構成し、これを溶接や接着、螺着等により打球杆144に取り付けるように構成しても良い。この場合には、錘部144cの取り付け位置を調整可能に構成しても良い。また、錘部144cは、支軸144aよりも下側に配設されたが、支軸144aよりも上側に配設しても良く、更には、上下側に2以上を配設しても良い。
【0198】
打球杆144の下方であって支持板140の下側部分には、打球杆144の下端が当接するストッパ部材140aが配設されており、かかるストッパ部材140aにより打球杆144の支軸144aを中心とした図15における時計方向へ揺動が規制されている。打球杆144の支軸144a近傍であって、調節バネ部材143連結側と反対側(図15左側)部分には外方へ向けて延出部144bが延出されており、この延出部144b近傍には発射用モータ17が配設されている。発射用モータ17は、打球杆144に球を打撃するための動力を付与するためのものであり、その回転軸(図示せず)には打球杆144の延出部144bを弾くための発射カム146が固着されている。発射用モータ17は、その回転軸が略100rpm(1分間に100回転)で回転可能に構成されており、発射カム146は、かかる回転軸の回転に基づいて回転される。
【0199】
発射カム146は、発射用モータ17の駆動、即ち、その回転軸の回転に伴って打球杆144の延出部144bを下方へ向けて押下することにより、打球杆144を調節バネ部材143を反付勢方向(図15左側方向)へ向けて弾いて、打球杆144の上端部を調節バネ部材143による付勢方向(図15右側方向)へ反動させるためのものであり、その外周から外方へ向けて突出された略三日月状の突起部146aが設けられている。この突起部146aは、上述した打球杆144の延出部144bへ向けて突出されており、かかる突起部146aの回転軌道と交わる部分には上述した延出部144bが延出されている。
【0200】
上記のように構成された球発射装置150によれば、発射カム146は、発射用モータ17の回転軸が回転に伴って図15の時計方向へ回転され、かかる回転に伴って、打球杆144の延出部144bは発射カム146の突起部146aにより下方へ向けて押下される。延出部144bが突起部146aにより押下されると、打球杆144の上端部分は、調節バネ部材143の付勢力に抗して反付勢方向(図15左側方向)へ向けて傾動される。発射用モータ17により発射カム146が更に回転され突起部146aが延出部144bから外れると、調節バネ部材143の付勢力(復元力)により打球杆144が元の状態へ戻るように反動され、かかる打球杆144の反動により、球が打撃され発射されるのである。この場合、打球杆144は、その下側端部に配設された錘部144cにより回転慣性力が向上されているので、その分、球を強固に打撃して発射することができる。
【0201】
また、操作ハンドル90のハンドルリング90bの回転操作により、シャフト123が回転されると、プーリ141が回転され、ワイヤ142がプーリ141配設側(図15左側)へ向けて引っ張られる。このワイヤ142の引っ張りに伴って、揺動部材143aがワイヤ42の引っ張り方向へ向けて傾動される一方、この揺動部材143aの傾動に伴って、調節バネ部材143が打球杆144配設側と反対方向へ引っ張られ延びる。即ち、ハンドルリング90bの回動量を調節することにより、調節バネ部材143の引っ張り量(変形量)が変化され調節され、その結果、打球杆144を付勢する調節バネ部材143の付勢力を調節することができるのである。この調節バネ部材143の付勢力の調節により、打球杆144による球の打撃力が調節され、かつ、打球杆144により打撃される球の発射速度、及び、遊技領域へ向けて打ち出される球の飛翔量を調節することができるのである。
【0202】
この調節バネ部材143により、ワイヤ142には、ストッパ部材140a側に(図15右側)へ向けて引っ張られる力が働いている。このため、プーリ141には図15の反時計方向の回転力が付与され、シャフト123に図15の時計方向(矢印反A方向)の回転力が付与される。パチンコ機1では、この回転力によって、非操作時には、操作ハンドル90は初期位置に付勢される。ハンドル操作時には、この付勢力が操作抵抗となる。
【0203】
図15には、このハンドル本体90aと連結部材90eとの一部を透明視して、その内部構造を表示している。ハンドルシャフト123には、中心軸から外方に突設された突起部123aが設けられている。この突起部123aは、磁気特性を有する金属素材により形成され、ハンドルシャフト123の回転と一体で回転される。
【0204】
操作ハンドル90が初期位置にある場合において、この突起部123aの対向面であって、ハンドル本体側には、突起部123aと接触する磁石124が取着されている。つまり、初期位置から操作ハンドル90を操作する初動状態においては、上記した調節バネ部材143により付与される付勢力に加え、磁石124の磁力が操作抵抗となる。
【0205】
ハンドルリング90bの回転時においても、ハンドル本体90aは、定位置に固定された状態であるので、磁石124も定位置に固定されている。よって、(磁力と付勢力とに逆らって)ハンドルリング90bが回転されると、シャフト123の回転に伴い、突起部123aは、磁石124から離れる。これにより、ハンドル操作に対する操作抵抗は、調節バネ部材143によって付与される付勢力のみとなる。
【0206】
このように、第2実施例の遊技システム100によれば、操作ハンドル90の初動時の操作抵抗を強めることができるので、ハンドル初動時の操作において、遊技者に、グリップ性を高めることのできる凹部90cに指をかけてハンドル操作を行うことを促進することができる。よって、把持方法の自由度が高い形状で操作ハンドル90を形成しても、遊技者が予め想定された状態(凹部90cに指をかけた状態)でハンドル操作を行いやすく、凹部90cに設けた検出部19aから的確に指紋情報を検出することができる。また、遊技者は、挿入孔などに指を挿入した状態でハンドル操作を行う必要がないので、ハンドル操作に不快感を覚えることがない。
【0207】
尚、上記各実施例において、請求項1記載の遊技システム及び後述する遊技システム0における生体情報出力手段としては、図7のフローチャートのS5の処理が該当する。また、請求項1記載の遊技システム及び遊技システム0における判別手段としては、図13のフローチャートのS98の処理が該当する。更に、請求項1記載の遊技システム及び遊技システム0における提供情報出力手段としては、図13のフローチャートのS100,S103の処理が該当する。加えて、請求項1記載の遊技システム及び遊技システム0における情報阻害手段としては、図9のフローチャートのS30の処理と、図13のフローチャートのS108とが該当する。
【0208】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0209】
例えば、上記各実施例では、検出された指紋情報に基づいて、その指紋情報により特定される遊技者が会員であるか否かの判断は、会員管理コンピュータ60において実行されるように構成した。これに代えて、指紋検出器の搭載される各装置側(パチンコ機1または各装置80,85)において、かかる判断を行うように構成しても良い。
【0210】
更に、提供データは会員管理コンピュータ60に記憶され、会員管理コンピュータ60から各パチンコ機1に出力された。これに代えて、提供データを記憶するメモリと、そのメモリに記憶される提供データの中から所定のデータを出力する出力手段とを各パチンコ機1に設けても良い。
【0211】
加えて、上記各実施例では、遊技者を識別する生体情報として、遊技者の指紋情報を用いたが、これに代えて、遊技者の生体情報として、遊技者の画像、顔の特徴や骨格パターン、静脈パターン、網膜パターン、或いは、声紋などの生体情報を用いてもよい。顔の特徴を生体情報とし、この顔の特徴を生体情報として用いるシステムとしては、目、鼻、口など特徴のある一点から遊技者を識別するシステムであっても良く、顔全体の形状から遊技者を識別するシステムであってもよい。
【0212】
また、上記各実施例では、パチンコ機1は、5指全ての指紋情報を検出するように構成されたが、必ずしも、5指全ての指紋情報を検出する必要はなく、1以上の指の任意の本数の指紋情報が検出されるように構成しても良い。
【0213】
更に、上記各実施例では、遊技者の指は、操作ハンドル9,90の予め定められた位置にセットされるように、挿入孔9cや凹部90cを設けた。これに代えて、例えば、ハンドルリング全面を検出部19aで構成しても良い。これによれば、遊技者がどのような持ち方をしても、その指が検出部に接触するので、確実に指紋情報を検出できる上、遊技者は、自己の好みの持ち方をできるので、操作ハンドルの使い勝手を向上させることができる。尚、かかる場合には、遊技者の指がハンドルリングからはみ出ることがないように、ハンドルリングの奥行きを長くすることが望ましい。
【0214】
また、上記第1実施例では、遊技者の指紋検出の信頼性を向上させるために、操作ハンドル9に挿入孔9cを設け、また、上記第2実施例では、操作ハンドル90の初動時の抵抗力を強めるように構成した。これに代えて、遊技者が操作ハンドルを所定の方法で操作するように促す表示の出力や、所定の方法以外の操作では警告音を出力すること、或いは、遊技を非実行とするなどの手法により、遊技者の指紋検出が確実になされるように構成しても良い。
【0215】
加えて、上記各実施例では、貯球処理装置85により、球の計数処理と、貯球の預け入れ処理、貯球の払出処理、景品交換を行うための処理とを行うように構成した。これに代えて、貯球処理総理85をジェットカウンタと呼ばれる球の計数装置、ポス(「POS」)と称される景品交換装置、貯球の払出(預け入れ)を実行する貯球払出装置の3つの装置で構成しても良い。
【0216】
更に、上記各実施例では、パチンコ機1において取得された指紋情報は、会員管理コンピュータ60にのみ送信されるように構成されたが、この指紋情報をホールコンピュータ75にも送信し、ホールコンピュータ75において、各パチンコ機1の遊技状態を示す情報に対応付けて記憶するように構成しても良い。これによれば、各パチンコ機1の状態とそのパチンコ機1を使用する遊技者とを対応付けて管理でき、不正行為に対するセキュリティを向上させることができる。また、会員管理コンピュータ60とホールコンピュータ75とを、1のコンピュータで構成することにより、各パチンコ機1の遊技状態を示す情報と指紋情報とを対応付けて管理するようにしても良い。
【0217】
本発明を上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
【0218】
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0219】
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。
【0220】
尚、操作ハンドルが設けられないスロットマシンなどは、遊技者が押下するボタンに検出部19aを設けても良い。
【0221】
以下に本発明の遊技機および変形例を示す。
【0222】
遊技者の生体情報を取得する生体情報取得手段と、その生体情報取得手段により取得された生体情報を出力する生体情報出力手段とを備えた遊技機と、その遊技機を使用する遊技者に提供される提供情報を記憶する提供情報記憶手段と、前記遊技機の生体情報出力手段より出力される生体情報に基づいて、遊技者が予め登録された会員であるか否かを判別する判別手段と、その判別手段により前記遊技者が会員であると判別されると、前記提供情報記憶手段に記憶される提供情報の内、会員に提供される提供情報を前記遊技機に出力する提供情報出力手段と、前記判別手段により前記遊技者が会員でないと判別されると、前記提供情報出力手段により出力されて会員に提供される提供情報が、遊技者に認識されることを阻害する情報阻害手段とを備えていることを特徴とする遊技システム0。
【0223】
遊技システム0において、前記判別手段により遊技者が会員でないと判別された場合には、前記提供情報出力手段は、前記提供情報記憶手段に記憶される提供情報の内、非会員に提供する提供情報を前記遊技機に出力するものであることを特徴とする遊技システム1。よって、遊技者が非会員である場合にも、(非会員に対応した)提供情報を出力することができる。
【0224】
ここで、非会員に提供される提供情報とは、会員のみが知り得る提供情報を除いた情報である。尚、会員情報は、非会員に提供される提供情報を含んでいても良く、含んでいなくても良い。
【0225】
具体的には、例えば、会員に提供される提供情報とは、会員のみのイベント情報や、各遊技機或いは遊技者が使用中の遊技機の過去の詳細な遊技状態(履歴)を示す遊技履歴情報、会員の所有する貯球を示す貯球情報や、遊技場から所定の条件をクリアする毎に付与されるサービスポイント数情報などである。また、非会員に提供される提供情報とは、イベントや休日等の案内である遊技場の営業広告情報、導入される新台に関する新台情報、会員の登録方法案内や、会員の特典を紹介する特典紹介情報などである。
【0226】
遊技システム0または遊技システム1において、複数の前記遊技機に接続され、その接続される前記遊技機の生体情報出力手段から出力される生体情報を受信する受信手段と、前記判別手段と、前記提供情報記憶手段と、前記提供情報出力手段とを有している管理装置を備えており、その管理装置は、前記受信手段により生体情報が受信されると、前記判別手段により受信した生体情報に基づいて遊技者の判別を行い、その判別結果に応じて、前記提供情報記憶手段に記憶される提供情報の内の対応する提供情報を、前記提供情報出力手段により前記遊技機に出力するものであることを特徴とする遊技システム2。
【0227】
遊技システム2においては、遊技機からの生体情報が受信手段により受信されると、受信した生体情報に基づく判別結果に応じて、提供情報記憶手段に記憶される提供情報の内の対応する提供情報を、提供情報出力手段により遊技機に出力する。このため、管理装置により、複数の遊技機に提供する提供情報を一元的に管理することができる。また、生体情報に基づく遊技者の判別を、管理装置で行うことができるので、複雑でコストの高い装置(回路)が必要となる判別手段を(各遊技機毎に設けることなく)1台の管理装置に設けるだけでよい。故に、低コストで、効率的に提供情報を管理し、また、各遊技機に提供情報を出力することができる。
【0228】
遊技システム2において、前記生体情報は指紋情報とされ、1の遊技者毎にその複数の指の指紋情報を登録する登録手段を備えており、前記管理装置は、その登録手段により登録された指紋情報を記憶する登録情報記憶手段を有していると共に、前記判別手段は、前記受信手段により受信した指紋情報が、前記登録情報記憶手段に記憶される登録された指紋情報であると、前記受信手段により受信した指紋情報を所有する遊技者を会員として判別するものであることを特徴とする遊技システム3。
【0229】
登録手段により、遊技者の複数の指の指紋情報が登録される。一方、管理装置では、登録された複数の指の指紋情報と、受信した指紋情報(遊技機で取得された指紋情報)とにより遊技者が会員か否かが判別される。このため、生体情報取得手段により、登録された指のいずれかの指の指紋情報が取得できれば、その遊技者を特定することができ、遊技者特定の確実性を向上させることができる。
【0230】
尚、遊技者の複数の指は、2本以上の指を意味しており、必ずしも、遊技者の全ての指を示すものではない。故に、登録手段は、1の遊技者毎にその5指の指紋情報を登録するように構成されても良く、また、1の遊技者毎にその5指の内から選択された複数の指の指紋情報を登録するように構成されても良い。
【0231】
遊技システム2または3において、前記管理装置は、前記遊技機の生体情報出力手段により出力された生体情報と、その生体情報出力元の遊技機の識別情報とを対応付けて記憶する遊技者情報記憶手段を備えていることを特徴とする遊技システム4。
【0232】
遊技機において、遊技者が会員であるか否かに関わらず、生体情報取得手段によって生体情報は取得される。遊技システム4においては、この取得した生体情報を遊技機の識別番号と対応付けて記憶することができるので、遊技者がどの台を使用しているかを管理することができる。
【0233】
通常、遊技機は、その遊技機の遊技状態(例えば、入賞の発生や特別遊技状態の発生)をデータとして出力できるように構成されている。故に、遊技機を使用する遊技者とその遊技機の識別情報とを対応付けて管理すれば、遊技者と各遊技機の状態とを対応付けて監視することができ、不正行為に対するセキュリティを向上させることができる。
【0234】
尚、遊技者情報記憶手段に記憶される生体情報は、1日の営業が終了したタイミングで消去されても良く、また、必要な情報のみ抽出し、該情報を継続的に記憶するデータベースを構築しても良い。
【0235】
遊技システム2から4のいずれかにおいて、前記管理装置に接続されると共に前記生体情報取得手段と、該生体情報取得手段により取得された生体情報と遊技者により要求されたサービスに関する情報とを前記管理装置に送信する情報送信手段とを有し、遊技者に所定のサービスを提供するサービス装置を備えており、前記管理装置は、遊技者の生体情報とその遊技者が遊技場内で使用し得る有価価値の情報とを対応付けて記憶する有価価値記憶手段と、前記サービス装置の情報送信手段から送信された生体情報とサービスに関する情報とを受信すると、前記有価価値記憶手段に記憶される対応する有価価値の情報を、遊技者に要求されたサービスに関する情報に応じて更新する更新手段とを備え、その更新手段により前記有価価値記憶手段に記憶される有価価値の情報を更新することによって、前記サービス装置の提供するサービスに対する対価を精算するものであることを特徴とする遊技システム5。
【0236】
近年、遊技者が有する(遊技で得た)有価価値の内、景品に交換されなかった有価価値を、遊技者が遊技場に預けておくことのできる貯球と呼ばれるサービスが遊技場で行われている。遊技の終了時に遊技者の有する有価価値(メダルや球などの有価媒体)は、計数機によって計数され、その有価価値が評定される。その評定された有価価値の内、景品に交換する分を差し引いた有価価値を、遊技者は、貯球として遊技場に預ける。
【0237】
預けられた貯球(有価価値の情報)は、遊技者の所望する時期に、各種のサービス装置において使用することができ、貯球を景品と交換することや遊技に用いる球やメダルに交換することができる。つまり、遊技者は自己の有する有価価値に応じたサービスを、所望のタイミングでサービス装置から受けることができるのである。
【0238】
この貯球の利用に際しては、利用者の本人確認が必須となる。この本人確認は、個人の識別情報が記憶された会員カードや暗証番号などの人為的に産出された事柄に基づいて行われることが多い。ところが、会員カードを紛失した場合や、暗証番号を忘れた場合には、本人確認が不能となるので、遊技者は、貯球を利用することができなくなってしまう。
【0239】
しかし、遊技システム5においては、遊技者が遊技場内で使用し得る有価価値の情報をその遊技者の生体情報に対応付けて管理することができ、遊技者が要求したサービスに関する情報(例えばサービスに対する対価など)に応じて、対応する有価価値の情報を更新できる。つまり、遊技者が、サービスに対する対価を精算する(支払う)必要が有る場合には、サービス装置によって取得(入力)された遊技者の生体情報に基づいて、その遊技者の有する有価価値により精算を行うことができる。
【0240】
このため、本人確認を人為的に産出された事柄ではなく、遊技者の生体情報に基づいて行うことができるので、本人確認が実行できないがために遊技者の有する有価価値(貯球)の利用が制限されるという事態を回避できる。また、遊技者は、本人確認のための事柄をいちいち管理する必要がないので、本人確認の煩わしさを解消できる。その上、生体情報は偽造が困難であることから、有価価値の利用(貯球の利用)に対するセキュリティを向上させることができる。
【0241】
尚、サービス装置は、遊技機の設置される遊技場に、一般的に設置され、遊技者に各種サービスを提供する装置である。具体的には、かかるサービス装置として、有価価値(貯球)の払い出し或いは預け入れをするための貯球装置、有価価値を景品と交換する景品交換装置、遊技者に嗜好品を提供する自動販売機や、遊技機に使用するメダルや球と交換される有価価値の記憶されるプリペイドカードの販売機などが例示される。
【0242】
また、貯球装置により実行されるサービスが、有価価値(貯球)の預け入れである場合には、その預け入れられた有価価値に相当する値により先の有価価値の情報を更新することが、有価価値記憶手段に記憶される有価価値によってサービスに対する対価を精算することに相当する。
【0243】
遊技システム5において、前記サービス装置からの生体情報に対応して前記管理装置の有価価値記憶手段に記憶される有価価値の情報と、前記サービス装置において遊技者に要求されたサービスの対価とを比較する比較手段と、その比較手段による比較結果において、前記有価価値記憶手段に記憶される有価価値の情報が、要求された前記サービスの対価未満であると、前記有価価値記憶手段に記憶される有価価値の情報の更新を禁止する更新禁止手段とを備えていることを特徴とする遊技システム6。
【0244】
よって、有価価値が遊技者から支払われることにより遊技者にサービスを提供する場合には、支払い対価に相当する適正な有価価値を遊技者が有している場合にのみ、そのサービスを遊技者に提供することができる。
【0245】
尚、比較手段はサービス装置に備えられていても、管理装置に備えられていても良く、サービス装置に備えられている場合には、管理装置から、有価価値の情報をサービス装置に出力することにより、該有価価値と要求されたサービスの対価とが比較される。また、比較手段が管理装置に備えられている場合には、要求されたサービスの対価の情報を管理装置に出力することにより、有価価値と要求されたサービスの対価とが比較される。
【0246】
更に、更新禁止手段は、管理装置における有価価値の更新を禁止するものであっても良く、また、サービス装置から更新するために必要な情報を管理装置に非送信とすることや、更新禁止のコマンドを送信することにより有価価値記憶手段の有価価値の情報の更新を禁止するものであっても良い。また、対価は、遊技者により要求されたサービスに関する情報であって、有価価値で示されるものであり、金額のみならず、金額に相当する球数やメダル数を含む概念である。
【0247】
遊技システム2から6のいずれかにおいて、前記遊技機の生体情報出力手段は、生体情報を前記管理装置に送信するものであり、前記遊技機は、前記生体情報出力手段と、前記生体情報出力手段により送信された生体情報に基づいて前記管理装置の提供情報出力手段によって出力される提供情報を受信する遊技機受信手段と、その遊技機受信手段と前記生体情報出力手段とにより実行される前記管理装置との通信に関する制御を、遊技状態を決定する制御を行う主制御手段により実行される制御とは独立して行う制御手段とを備えていることを特徴とする遊技システム7。
【0248】
生体情報に基づいた提供情報を遊技者に提供するには、取得した生体情報に基づいて遊技者を判別する判別手段と、提供者に提供する提供情報を記憶する提供情報記憶手段とが必要となる。遊技システム7においては、前記遊技機は、取得した生体情報を管理装置に送信すると共に、その送信した生体情報に基づいて、管理装置から出力される提供情報を受信する。これにより、各遊技機は、判別手段と提供情報記憶手段とを個々に備える必要がなく、遊技者に提供情報を提供する遊技機を低コストで供給できる。
【0249】
更に、管理装置と遊技機との通信は、遊技の進行状況とは直接的には無関係の情報の送受信を行うものである。このため、かかる通信の処理を、遊技機の主制御手段で行えば、主制御手段で実行される処理を煩雑にしてしまい、主制御手段の制御負担を増加させてしまう。遊技システム7においては、主制御手段とは独立に設けられた制御手段によりかかる通信を実行するので、管理装置との間で情報通信を行っても、主制御手段の制御負担を増加させることはない。
【0250】
更に、遊技システム7では、管理装置から遊技機に入力される情報を、主制御手段とは独立して制御を行う制御手段に設けられた遊技機受信手段に入力することにより、外部から主制御手段へのアクセスを不能とでき、不正行為に対するセキュリティを低下させることがない。
【0251】
尚、主制御手段と独立して制御を行う制御手段とは、例えば、主制御手段と通信の制御を行う制御手段とを別基板で形成することなどが例示される。
【0252】
遊技システム0から7のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記提供情報出力手段により出力される提供情報を表示する情報表示手段を備えていることを特徴とする遊技システム8。よって、遊技者を、その生体情報により認識し、該遊技者に対応した提供情報を、その遊技者の使用する遊技機において表示することができる。このため、提供情報が視覚情報で遊技者に提供されるので、大量の情報を効率的に遊技者に提供できる。また、遊技の実行に伴って出力される効果音や弾球音などに影響されることなく、遊技者は、確実に提供情報を把握できる。
【0253】
遊技システム8において、前記遊技機の情報表示手段は、投入された遊技媒体の挙動に基づいて遊技の実行される遊技領域に設けられていることを特徴とする遊技システム9。
【0254】
遊技領域は、投入された遊技媒体の挙動に基づいて遊技が実行される領域であるので、遊技者が常に注視する領域である。このため、ここに情報表示手段が設けられていると、効果的に遊技者に提供情報を知らせることができる。また、遊技者は、遊技を中断することなく、提供情報を知ることができる。更に、一般的な遊技機では、遊技者が遊技領域の正面に位置して遊技を実行するようになっている。このため、この遊技領域に情報表示手段が設けられていると、情報表示手段に表示される提供情報は、他の遊技者からは視認し難くなる。故に、提供情報に、他の遊技者に知らせたくない情報が含まれていても、その秘密性を保持することができる。
【0255】
遊技システム8または9において、前記遊技機の情報表示手段は、識別情報による動的表示の実行される表示装置であって、動的表示の実行中には、識別情報の視認を妨げない態様で提供情報を表示するものであることを特徴とする遊技システム10。
【0256】
識別情報の動的表示が実行される表示装置は、遊技機に一般的に設けられている装置であるので、新たな装置を設けることなく、低コストで、提供情報を遊技機に表示することができる。また、識別情報の動的表示は、遊技価値の付与を導出するものであり、遊技者にとって最も関心の高い事象である。故に、識別情報の視認性が低下すると、遊技者の興趣も低下させてしまいかねない。
【0257】
遊技システム10においては、識別情報と提供情報とが、1の表示装置に表示されても、動的表示の実行中には、提供情報は、動的表示の視認を妨げない態様で表示されるので、提供情報の現出により、動的表示中の遊技者の興趣が低下することはない。
【0258】
尚、識別情報の視認を妨げない態様とは、例えば、非動的表示状態である場合よりも提供情報の表示サイズが縮小された状態や、提供情報の表示位置が動的表示中の識別情報と重ならない状態などが例示される。
【0259】
遊技システム0から10のいずれかにおいて、前記遊技機は、遊技者によって操作される操作部材を備えると共に、その操作部材が操作されることにより遊技動作が調整されるものであり、前記遊技機の生体情報取得手段は、遊技者の指が接触する接触部をその操作部材に備え、その接触部に接触される遊技者の指の指紋情報を生体情報として取得するものであることを特徴とする遊技システム11。
【0260】
遊技機において生体情報を取得する場合に、遊技に支障を来すような、例えば、遊技領域を圧迫するような大がかりな装置を用いることは好ましくない。また、遊技者は、遊技を楽しむことが主たる目的であるので、遊技以外の動作に紛らわされることを好まない。
【0261】
ここで、指紋情報は、遊技者の画像や顔の骨格パターン、静脈パターン、網膜パターン、或いは、声紋などの生体情報に比べて、大がかりな装置を用いずとも、比較的精度良くかつ容易に取得できる情報である。このため、指紋情報を取得する生体情報取得手段を遊技機に設けても、遊技に支障を来すことを回避できる。また、遊技機は、遊技者が手で操作部材を操作して遊技を楽しむようになっているので、遊技者の通常の遊技動作において指紋情報を取得する機構(生体情報取得手段)を設計でき、生体情報を取得するための特別な動作を遊技者に行わせる必要がない。
【0262】
遊技システム11において、前記接触部には、遊技者の複数の指のそれぞれに個別に対応する接触領域が設けられており、前記遊技機の生体情報取得手段は、前記各接触領域に接触された指の指紋情報をそれぞれ取得するものであることを特徴とする遊技システム12。
【0263】
例えば、操作部材をレバーやハンドルで構成した場合、遊技者それぞれには癖があるため、この操作部材の持ち方は一様とならない。このため、いずれの指が操作部材に接触するか、或いは、操作部材のいずれの場所に遊技者の指が接触するかは定かではない。しかし、遊技システム12においては、複数の指のそれぞれに対応する領域が設けられており、更に、その各領域に接触された指の指紋情報を取得することができる。つまり、複数の指の指紋情報の取得を容易とし、いずれかの領域において(複数の指のいずれかの)指紋情報を取得することができる。言い換えれば、操作部材の持ち方が各遊技者で異なっていても、各遊技者の指紋情報の取りこぼしを少なくすることができる。
【0264】
尚、遊技者の複数の指は、指紋情報を取得する指の本数であって、2本以上の指を意味しており、必ずしも、遊技者の全ての指を示すものではない。故に、接触領域は、指紋情報を取得する指の本数と同じ数だけ設けられ、例えば、指紋情報を取得する指が2指で有れば2の接触領域が設けられ、指紋情報を取得する指が5指で有れば5の接触領域が設けられる。
【0265】
遊技システム12において、前記遊技機は、遊技者の指と、その対応する接触領域との接触を誘起するための接触誘起手段を備えていることを特徴とする遊技システム13。
【0266】
操作部材を遊技者が操作することにより、複数の指の指紋情報を取得できるように構成したとしても、予め想定された状態(複数の指がそれぞれ予め定められた接触領域に接触する状態)で、遊技者が操作部材を操作するとは限らない。しかし、遊技システム13においては、接触誘起手段により、遊技者の指とその対応する接触領域との接触が誘起されるので、予め想定された状態で操作部材を操作するように遊技者を誘導することができる。よって、的確に指紋情報を取得することができる。
【0267】
尚、接触誘起手段としては、遊技者が操作部材を操作する場合に、接触領域に指を置くことにより、操作部材の操作を容易とする手段であっても良い。かかる接触誘起手段としては、接触領域の一端部であって操作部材の操作方向側に設けられた突起部や、接触領域をその底面に設けた凹状部などが例示される。この突起部または凹状部は、指を挟持する形状で有っても良い。これにより、接触領域に指を置いて操作部材を操作すれば、操作方向側への指の滑りを抑制することができるので操作性を向上させることができる。
【0268】
また、接触誘起手段としては、例えば、予め想定された状態で遊技者が操作部材を操作しない場合には、警告情報を出力する(エラー音の出力やエラー情報の表示)ことや、遊技を非実行とすることなど、遊技者の指と接触領域との接触を遊技者に喚起する手法が例示される。また、接触誘起手段としては、遊技者が操作部材を複数の指で強く握って操作しなければ、その駆動が困難となる程、操作部材の駆動力を大きくする手法が例示される。
【0269】
かかる接触誘起手段は、1の遊技者が、遊技を開始してから終了するまでの一連の動作において、少なくとも1度、指紋情報を取得できるように、遊技者の指と接触領域との接触を誘起すればよい。
【0270】
遊技システム13において、前記遊技機の操作部材は、回転軸により軸支され、回転量によって遊技動作を調整する回転ハンドルであり、前記遊技機の接触誘起手段は、その回転ハンドルにおいて遊技者の複数の指がそれぞれ挿嵌される挿嵌口を有しているものであり、その挿嵌口の内部には前記接触領域がそれぞれ設けられていることを特徴とする遊技システム14。
【0271】
複数の指がそれぞれ挿嵌される挿嵌口が設けられていると、遊技者は、その挿嵌口に指を挿嵌すれば、回転ハンドルの操作が容易となる。故に、遊技者に、挿嵌口に指を挿嵌させた状態で回転ハンドルを操作させ易くすることができる。この挿嵌口内部には、接触領域が設けられているので、高確率で遊技者の指紋情報を取得することができる。
【0272】
尚、遊技者の複数の指は、指紋情報を取得する指の本数であって、2本以上の指を意味しており、必ずしも、遊技者の全ての指を示すものではない。故に、挿嵌口は、少なくとも指紋情報を取得する指の本数と同じ数だけ設けられ、例えば、指紋情報を取得する指が2指で有れば2以上の挿嵌口が設けられ、指紋情報を取得する指が5指で有れば5の挿嵌口が設けられる。
【0273】
遊技システム14において、前記挿嵌口は、挿嵌された指を前記接触領域に押圧する押圧部材を備えていることを特徴とする遊技システム15。
【0274】
挿嵌口が設けられていると、多くの遊技者は、この挿嵌口に指を挿嵌して回転ハンドルを操作することとなるが、指の太さは個々にまちまちであるので、挿嵌口は多くの遊技者が指を挿嵌できるように、余裕を持った内径で形成される。ところが、挿嵌口内径に余裕があると、挿嵌口内で指が動いてしまい、回転ハンドルの操作性が低下させてしまうばかりか、接触領域への指の接触を不確実にしてしまう。
【0275】
しかし、遊技システム15においては、挿嵌された指を接触領域に押圧する押圧部材が備えられているので、指の接触領域への接触性と、回転ハンドルの操作性とを向上させることができる。尚、押圧部材としては、ウレタンやゴムなどの弾性体や、ガスの注入された密閉式の緩衝材などが例示される。
【0276】
遊技システム13から15において、前記遊技機の操作部材は、その位置を初期位置に付勢する付勢部材を備えると共に、その付勢部材により付勢された初期位置から前記付勢部材の反付勢方向への位置の変化量によって遊技動作を調整するものであり、前記遊技機は、前記操作部材の位置が前記初期位置から所定位置まで変更される場合の抵抗力を、前記付勢部材の付勢力による抵抗力よりも強める抵抗増加手段を前記接触誘起手段として備えていることを特徴とする遊技システム16。
【0277】
一般に、操作部材は、遊技者に負担をかけないために、軽微な力で遊技者の所望する操作(操作部材の位置の変更)が実行できるように設計されている。このため、付勢部材は、非操作時に操作部材を初期位置にセットできるだけの付勢力を有していればよい。しかし、かかる構成では、遊技者が、操作部材をどのような持ち方で操作しても、操作部材を容易に動かし得るので、接触領域に遊技者の指が接触しないという事態を生じさせてしまう。
【0278】
しかし、遊技システム16においては、抵抗増加手段により、操作部材の位置が初期位置から所定位置まで変更される場合の抵抗力を、付勢部材の付勢力による抵抗力よりも強めることができる。つまり、遊技者に、抵抗増加手段により付加される抵抗力に打ち勝って操作部材を操作する必要性が生じる。このため、接触誘起手段として突起部や凹状部を設けておけば、遊技者は、(操作部材のグリップ性を高めるために)その接触誘起手段を使用して操作部材を操作することとなる。よって、接触領域に指を接触させる信頼度を向上させ、高確率で指紋情報を取得することができる。
【0279】
また、抵抗増加手段は、初期位置から所定位置までの抵抗力を増加させるものであるので、遊技者が操作部材を操作する初期段階で、遊技者の指と接触領域とを接触させることができる。このため、遊技者が操作部材に接触すると直ちに指紋情報を取得し得、遊技者の変更にも直ちに即応することができる。更に、適切な遊技動作が、所定量以上の操作量によって実行されるように構成すれば、遊技の実行時には、初期位置から所定位置までは必ず操作部材が操作されるので、指紋情報の取得の確実性を高めることができる。
【0280】
遊技システム11から16のいずれかにおいて、前記遊技機の生体情報取得手段は、前記操作部材の接触部に遊技者の指が接触したことを検出する検出手段を備えており、その検出手段により遊技者の指の接触を検出すると、生体情報の取得を実行するものであることを特徴とする遊技システム17。
【0281】
遊技者は、任意のタイミングで遊技を開始し、任意のタイミングで終了する。提供情報は、遊技者に応じて提供される情報であるので、遊技者が交代した場合には、交代後の遊技者に応じた提供情報を遊技機に表示する必要がある。つまり、生体情報の取得においては、遊技者の交代を常に考慮しなくてはならない。一方で、生体情報は、情報量が多く、その処理が煩雑である。このため、いずれのタイミングで交代されるかが不明である遊技者の交代を確実に検出するべく、頻繁に生体情報を取得すれば、遊技機の制御負担を大きくしてしまう。逆に、制御負担を軽減するために生体情報の取得間隔を長くしてしまうと、遊技者の交代を的確に検知できず、他人の生体情報に基づいた提供情報を表示しかねない。
【0282】
遊技システム17においては、操作部材の接触部に遊技者の指が接触することを契機として生体情報を取得できるので、的確かつ効率的に、取得した生体情報に基づいた提供情報を対応する遊技者に提供(表示)することができる。その上、遊技機の過剰な制御負担を回避できる。
【0283】
尚、検出手段としては、指から放出される赤外線(熱)を検出する赤外線センサや、押圧を検出する圧力センサ、指の接触による光学的変化を検出する光センサなどが例示される。また、検出手段としては、接触部への指の接触を直接的に検出するものに限られるものでなく、例えば、操作部材の操作開始を接触部への指の接触として検出する操作部材の動作検出スイッチであってもよい。
【0284】
遊技システム11から17のいずれかにおいて、前記遊技機は、前記操作部材が操作状態にあるか否かを認識する操作認識手段と、前記情報阻害手段とを備えており、前記情報阻害手段は、その操作認識手段により前記操作部材が操作状態にないと認識されると、会員に提供される提供情報が遊技者により認識されることを阻害するものであることを特徴とする遊技システム18。
【0285】
遊技者が会員であるか否かに応じて提供情報を提供すれば、会員である場合には特別な情報を提供するなど、会員である遊技者に何らかの特典を付与することができる。ここで、会員と非会員との間で優位差を持たせるためには、提供情報の提供先を厳格に管理する必要がある。遊技システム18では、操作認識手段により操作部材が操作状態にないと認識されると、会員のみに提供される提供情報を遊技者が認識困難な状態とするので、会員である遊技者が遊技を終了した場合には、直ちに会員のみに提供される提供情報は、認識困難な状態となる。よって、会員のみに提供される提供情報が、不用意に非会員に提供されることがない。
【0286】
尚、提供情報が遊技者により認識されることの阻害とは、該提供情報の出力中止や、出力中の提供情報に更に他の情報を併せて出力する(出力された提供情報を他の情報によって相殺する)こと等が例示される。例えば、遊技機に備えられた表示手段に提供情報が文字情報で出力(表示)される場合には、出力そのものを中止することや、出力された文字情報を塗りつぶすベタ表示の出力などにより、遊技者が提供情報を認識することを困難とすることができる。また、提供情報の出力は、全ての提供情報の出力を中止しても良く、また、その一部について出力を中止しても良い。
【0287】
遊技システム0から18のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技システム19。中でも、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において変動表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の出力時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれる情報等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0288】
遊技システム0から18のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技システム20。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を出力させる特別遊技状態出力手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の変動開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の出力に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【0289】
遊技システム0から18のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技システム21。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を出力させる特別遊技状態出力手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0290】
遊技者の生体情報を取得する生体情報取得手段と、その生体情報取得手段により取得された生体情報を出力する生体情報出力手段と、その生体情報出力手段により出力された生体情報に基づいて、遊技者が予め登録された会員であると判別された場合に、会員に提供される提供情報を表示する情報表示手段と、前記生体情報出力手段により出力された生体情報に基づいて、遊技者が予め登録された会員でないと判別されると、会員に提供される提供情報を前記情報表示手段に非表示とする非表示手段とを備えていることを特徴とする遊技機1。
【0291】
よって、遊技者が会員であると、その遊技者の使用する遊技機において、会員に提供される提供情報を表示することができる。このため、遊技者は、遊技動作を中断する(離席する)ことなく、自己に対応する提供情報を閲覧することができ、必要な情報を効率的に入手することができる。また、遊技者が会員でない場合には、会員に提供される提供情報は非表示とされるので、会員に非会員に比べて、優位性を付与することができる。更に、提供情報が視覚情報で遊技者に提供されるので、大量の情報を効率的に遊技者に提供できる。また、遊技の実行に伴って出力される効果音や弾球音などに影響されることなく、遊技者は、確実に提供情報を把握できる。
【0292】
遊技機1において、前記生体情報出力手段により出力された生体情報に基づいて、遊技者が会員でないと判別されると、非会員に提供される提供情報を前記情報表示手段に表示するものであることを特徴とする遊技機2。よって、遊技者が非会員である場合にも、(非会員に対応した)提供情報を出力することができる。ここで、非会員に提供される提供情報とは、会員のみが知り得る提供情報を除いた情報である。尚、会員情報は、非会員に提供される提供情報を含んでいても良く、含んでいなくても良い。
【0293】
具体的には、例えば、会員に提供される提供情報とは、会員のみのイベント情報や、各遊技機或いは遊技者が使用中の遊技機の過去の詳細な遊技状態(履歴)を示す遊技履歴情報、会員の所有する貯球を示す貯球情報や、遊技場から所定の条件をクリアする毎に付与されるサービスポイント数情報などである。また、非会員に提供される提供情報とは、イベントや休日等の案内である遊技場の営業広告情報、導入される新台に関する新台情報、会員の登録方法案内や、会員の特典を紹介する特典紹介情報などである。
【0294】
遊技機1または2において、前記情報表示手段は、投入された遊技媒体の挙動に基づいて遊技の実行される遊技領域に設けられていることを特徴とする遊技機3。
【0295】
遊技領域は、投入された遊技媒体の挙動によって遊技が実行される領域であるので、遊技者が常に注視する領域である。このため、ここに情報表示手段が設けられていると、効果的に遊技者に提供情報を知らせることができる。また、遊技者は、遊技を中断することなく、提供情報を知ることができる。更に、一般的な遊技機では、遊技者が遊技領域の正面に位置して遊技を実行するようになっている。このため、この遊技領域に情報表示手段が設けられていると、情報表示手段に表示される提供情報は、他の遊技者からは視認し難くなる。故に、提供情報に、他の遊技者に知らせたくない情報が含まれていても、その秘密性を保持することができる。
【0296】
遊技機3において、前記情報表示手段は、識別情報による動的表示の実行される表示装置であって、動的表示の実行中には、動的表示の実行中には識別情報の視認を妨げない態様で提供情報を表示するものであることを特徴とする遊技機4。
【0297】
動的表示の実行される表示装置は、一般的に設けられている装置であるので、新たな装置を設けることなく、低コストで、提供情報を表示することができる。また、識別情報の動的表示は、遊技価値の付与を導出するものであり遊技者にとって最も関心の高い事象である。故に、この動的表示中に、識別情報の視認性が低下すると、遊技者の興趣を低下させかねない。遊技機3においては、この動的表示の実行中には、提供情報は、識別情報の視認を妨げない態様で表示されるので、提供情報の現出により、動的表示中の遊技者の興趣が低下することはない。
【0298】
尚、動的表示の視認を妨げない態様とは、例えば、非動的表示状態に表示される提供情報の表示サイズに比べて、動的表示中の提供情報の表示サイズが縮小された状態や、提供情報の表示位置が動的表示中の識別情報と重ならない状態などが例示される。
【0299】
遊技機1から4のいずれかにおいて、遊技者によって操作される操作部材を備え、その操作部材が操作されることにより遊技動作の調整されるものであり、前記生体情報取得手段は、前記操作部材において遊技者の指が接触する接触部をその操作部材に備え、その接触部に接触される遊技者の指の指紋情報を生体情報として取得するものであることを特徴とする遊技機5。
【0300】
遊技機において生体情報を取得する場合に、遊技に支障を来すような、例えば、遊技領域を圧迫するような大がかりな装置を用いることは好ましくない。また、遊技者は、遊技を楽しむことが主たる目的であるので、遊技以外の動作に紛らわされることを好まない。
【0301】
ここで、指紋情報は、遊技者の画像や顔の骨格パターン、静脈パターン、網膜パターン、或いは、声紋などの生体情報に比べて、大がかりな装置を用いずとも、比較的精度良くかつ容易に取得できる情報である。このため、指紋情報を取得する生体情報取得手段を遊技機に設けても、遊技に支障を来すことを回避できる。また、遊技者は、手で操作部材を操作して遊技を楽しむものであるので、遊技者の通常の遊技動作において指紋情報を取得する機構(生体情報取得手段)を設計でき、生体情報を取得するための特別な動作を遊技者に行わせる必要がない。
【0302】
遊技機5において、前記接触部には、遊技者の複数の指のそれぞれに個別に対応する接触領域が設けられており、前記生体情報取得手段は、前記各接触領域に接触された指の指紋情報をそれぞれ取得するものであることを特徴とする遊技機6。
【0303】
例えば、操作部材をレバーやハンドルで構成した場合、遊技者それぞれには癖があるため、この操作部材の持ち方は一様とならない。このため、いずれの指が操作部材に接触するか、或いは、操作部材のいずれの場所に遊技者の指が接触するかは定かではない。しかし、遊技機6においては、複数の指のそれぞれに対応する領域が設けられており、更に、その各領域に接触された指の指紋情報を取得することができる。つまり、複数の指の指紋情報の取得を容易とし、いずれかの領域において(複数の指のいずれかの)指紋情報を取得することができる。言い換えれば、操作部材の持ち方が各遊技者で異なっていても、各遊技者の指紋情報の取りこぼしを少なくすることができる。
【0304】
尚、遊技者の複数の指は、指紋情報を取得する指の本数であって、2本以上の指を意味しており、必ずしも、遊技者の全ての指を示すものではない。故に、接触領域は、少なくとも指紋情報を取得する指の本数と同じ数だけ設けられ、例えば、指紋情報を取得する指が2指で有れば2以上の接触領域が設けられ、指紋情報を取得する指が5指で有れば5の接触領域が設けられる。
【0305】
遊技機6において、遊技者の指と、その対応する接触領域との接触を誘起するための接触誘起手段を備えていることを特徴とする遊技機7。
【0306】
操作部材を遊技者が操作することにより、複数の指の指紋情報を取得できるように構成したとしても、予め想定された状態(複数の指がそれぞれ予め定められた接触領域に接触する状態)で、遊技者が操作部材を操作するとは限らない。しかし、遊技機7においては、接触誘起手段により、遊技者の指とその対応する接触領域との接触が誘起されるので、予め想定された状態で操作部材を操作するように遊技者を誘導することができる。よって、的確に指紋情報を取得することができる。
【0307】
尚、接触誘起手段としては、遊技者が操作部材を操作する場合に、接触領域に指を置くことにより、操作部材の操作を容易とする手段であっても良い。かかる接触誘起手段としては、接触領域の一端部であって操作部材の操作方向側に設けられた突起部や、接触領域をその底面に設けた凹状部などが例示される。この突起部または凹状部は、指を挟持する形状で有っても良い。これにより、接触領域に指を置いて操作部材を操作すれば、操作方向側への指の滑りを抑制することができるので操作性を向上させることができる。
【0308】
また、接触誘起手段としては、例えば、予め想定された状態で遊技者が操作部材を操作しない場合には、警告情報を出力する(エラー音の出力やエラー情報の表示)ことや、遊技を非実行とすることなど、遊技者の指と接触領域との接触を遊技者に喚起する手法が例示される。また、接触誘起手段としては、遊技者が操作部材を複数の指で強く握って操作しなければ、その駆動が困難となる程、操作部材の駆動力を大きくする手法が例示される。
【0309】
かかる接触誘起手段は、1の遊技者が、遊技を開始してから終了するまでの一連の動作において、少なくとも1度、指紋情報を取得できるように、遊技者の指と接触領域との接触を誘起すればよい。
【0310】
遊技機7において、前記操作部材は、回転軸により軸支され、回転量によって遊技動作を調整する回転ハンドルであり、前記接触誘起手段は、その回転ハンドルにおいて遊技者の複数の指がそれぞれ挿嵌される挿嵌口を有しているものであり、その挿嵌口の内部には前記接触領域がそれぞれ設けられていることを特徴とする遊技機8。
【0311】
複数の指がそれぞれ挿嵌される挿嵌口が設けられていると、遊技者は、その挿嵌口に指を挿嵌すれば、回転ハンドルの操作が容易となる。故に、遊技者に、挿嵌口に指を挿嵌させた状態で回転ハンドルを操作させ易くすることができる。この挿嵌口内部には、接触領域が設けられているので、高確率で遊技者の指紋情報を取得することができる。
【0312】
尚、遊技者の複数の指は、指紋情報を取得する指の本数であって、2本以上の指を意味しており、必ずしも、遊技者の全ての指を示すものではない。故に、挿嵌口は、指紋情報を取得する指の本数と同じ数だけ設けられ、例えば、指紋情報を取得する指が2指で有れば2の挿嵌口が設けられ、指紋情報を取得する指が5指で有れば5の挿嵌口が設けられる。
【0313】
遊技機8において、前記挿嵌口は、挿嵌された指を前記接触領域に押圧する押圧部材を備えていることを特徴とする遊技機9。
【0314】
挿嵌口が設けられていると、多くの遊技者は、この挿嵌口に指を挿嵌して回転ハンドルを操作することとなるが、指の太さは個々にまちまちであるので、挿嵌口は多くの遊技者が指を挿嵌できるように、余裕を持った内径で形成される。ところが、挿嵌口内径に余裕があると、挿嵌口内で指が動いてしまい、回転ハンドルの操作性が低下させてしまうばかりか、接触領域への指の接触を不確実にしてしまう。
【0315】
しかし、遊技機9においては、挿嵌された指を接触領域に押圧する押圧部材が備えられているので、指の接触領域への接触性と、回転ハンドルの操作性とを向上させることができる。尚、押圧部材としては、ウレタンやゴムなどの弾性体や、ガスの注入された密閉式の緩衝材などが例示される。
【0316】
遊技機7から9のいずれかにおいて、前記操作部材は、その位置を初期位置に付勢する付勢部材を備えると共に、その付勢部材により付勢された初期位置から前記付勢部材の反付勢方向への位置の変化量によって遊技動作を調整するものであり、前記操作部材の位置が前記初期位置から所定位置まで変更される場合の抵抗力を、前記付勢部材の付勢力による抵抗力よりも強める抵抗増加手段を前記接触誘起手段として備えていることを特徴とする遊技機10。
【0317】
一般に、操作部材は、遊技者に負担をかけないために、軽微な力で遊技者の所望する操作(操作部材の位置の変更)が実行できるように設計されている。このため、付勢部材は、非操作時に操作部材を初期位置にセットできるだけの付勢力を有していればよい。しかし、かかる構成では、遊技者が、操作部材をどのような持ち方で操作しても、操作部材を容易に動かし得るので、接触領域に遊技者の指が接触しないという事態を生じさせてしまう。
【0318】
しかし、遊技機10においては、抵抗増加手段により、操作部材の位置が初期位置から所定位置まで変更される場合の抵抗力を、付勢部材の付勢力による抵抗力よりも強めることができる。つまり、遊技者に、抵抗増加手段により付加される抵抗力に打ち勝って操作部材を操作する必要性が生じる。このため、接触誘起手段として突起部や凹状部を設けておけば、遊技者は、(操作部材のグリップ性を高めるために)その接触誘起手段を使用して操作部材を操作することとなる。よって、接触領域に指を接触させる信頼度を向上させ、高確率で指紋情報を取得することができる。
【0319】
また、抵抗増加手段は、初期位置から所定位置までの抵抗力を増加させるものであるので、遊技者が操作部材を操作する初期段階で、遊技者の指と接触領域とを接触させることができる。このため、遊技者が操作部材に接触すると直ちに指紋情報を取得し得、遊技者の変更にも直ちに即応することができる。更に、適切な遊技動作が、所定量以上の操作量によって実行されるように構成すれば、遊技の実行時には、初期位置から所定位置までは必ず操作部材が操作されるので、指紋情報の取得の確実性を高めることができる。
【0320】
遊技機5から10のいずれかにおいて、前記生体情報取得手段は、前記操作部材の接触部に遊技者の指が接触したことを検出する検出手段を備えており、その検出手段により、前記接触部に遊技者の指が接触したとが検出されると、生体情報の取得を実行するものであることを特徴とする遊技機11。
【0321】
遊技者は、任意のタイミングで遊技を開始し、任意のタイミングで終了する。提供情報は、遊技者に応じて提供される情報であるので、遊技者が交代した場合には、交代後の遊技者に応じた提供情報を遊技機に表示する必要がある。つまり、生体情報の取得においては、遊技者の交代を常に考慮しなくてはならない。一方で、生体情報は、情報量が多く、その処理が煩雑である。このため、いずれのタイミングで交代されるかが不明である遊技者の交代を確実に検出するべく、頻繁に生体情報を取得すれば、遊技機の制御負担を大きくしてしまう。逆に、制御負担を軽減するために生体情報の取得間隔を長くしてしまうと、遊技者の交代を的確に検出できず、他人の生体情報に基づいた提供情報を表示しかねない。
【0322】
遊技機11においては、操作部材の接触部に遊技者の指が接触することを契機として生体情報を取得できるので、的確かつ効率的に、取得した生体情報に基づいた提供情報を対応する遊技者に提供(表示)することができる。その上、遊技機の過剰な制御負担を回避できる。
【0323】
尚、検出手段としては、指から放出される赤外線(熱)を検出する赤外線センサや、押圧を検出する圧力センサ、指の接触による光学的変化を検出する光センサなどが例示される。また、検出手段としては、接触部への指の接触を直接的に検出するものに限られるものでなく、例えば、操作部材の操作開始を接触部への指の接触として検出する操作部材の動作検出スイッチであってもよい。
【0324】
遊技機1から11のいずれかにおいて、前記操作部材が操作状態にあるか否かを認識する操作認識手段を有し、その操作認識手段により前記操作部材が操作状態にないと認識されると、前記非表示手段は、前記会員のみに提供される提供情報を非表示とするものであることを特徴とする遊技機12。
【0325】
遊技者が会員であるか否かに応じて提供情報を提供すれば、会員である場合には特別な情報を提供するなど、会員である遊技者に何らかの特典を付与することができる。ここで、会員と非会員との間で優位差を持たせるためには、提供情報の提供先を厳格に管理する必要がある。遊技機12では、操作認識手段により操作部材が操作状態にないと認識されると、会員のみに提供される提供情報を非表示とするので、会員である遊技者が遊技を終了した場合には、直ちに会員のみに提供される提供情報を非表示とすることができる。故に、会員のみに提供される提供情報が、不用意に非会員に提供されることがない。
【0326】
遊技機1から12のいずれかにおいて、前記生体情報出力手段は、生体情報を外部装置に送信するものであり、前記生体情報出力手段と、前記生体情報出力手段により送信された生体情報に基づいて前記外部装置から提供される提供情報を受信する遊技機受信手段と、その遊技機受信手段と前記生体情報出力手段とにより実行される前記外部装置との通信に関する制御を、遊技状態を決定する制御を行う主制御手段により実行される制御とは独立して行う制御手段とを備えていることを特徴とする遊技機13。
【0327】
生体情報に基づいた提供情報を遊技者に提供するには、取得した生体情報に基づいて遊技者を判別する判別手段と、提供者に提供する提供情報を記憶する提供情報記憶手段とが必要となる。遊技機13においては、取得した生体情報を外部装置に送信すると共に、その送信した生体情報に基づいて、外部装置から出力される提供情報を受信する。つまり、各遊技機は、生体情報を取得するだけで良く、煩雑な処理を行う判別手段と、大容量のメモリが必要となる提供情報記憶手段とを外部に備えることができる。よって、遊技機の製造コストを低く抑えることができる。
【0328】
更に、外部装置と遊技機との通信は、遊技の進行状況とは直接的には無関係の情報の送受信を行うものである。このため、かかる通信の処理を、遊技機の主制御手段で行えば、主制御手段で実行される処理を煩雑にしてしまい、主制御手段の制御負担を増加させてしまう。しかし、遊技機13においては、主制御手段とは独立に設けられた制御手段によりかかる通信を実行するので、外部装置との間で情報通信を行っても、主制御手段の制御負担を増加させることはない。
【0329】
更に、外部装置から遊技機に入力される情報は、主制御手段とは別で設けられた制御手段に入力されるので、外部から主制御手段へのアクセスを不能とでき、不正行為に対するセキュリティを低下させることがない。
【0330】
主制御手段と独立して制御を行う制御手段とは、例えば、主制御手段と通信の制御を行う制御手段とを別基板で形成することなどが例示される。尚、この外部装置としては、例えば、遊技システム2などに記載の管理装置などが例示される。
【0331】
遊技機1から13のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機14。中でも、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において変動表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の出力時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれる情報等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【0332】
遊技機1から13のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機15。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を出力させる特別遊技状態出力手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の変動開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の出力に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
【0333】
遊技機1から13のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機16。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を出力させる特別遊技状態出力手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の遊技システムの概略図である。
【図2】遊技システムに備えられたパチンコ機の操作ハンドルを示した図である。
【図3】遊技システムの電気的な構成を示したブロック図である。
【図4】パチンコ機の会員管理コンピュータ基板の電気的構成を示したブロック図である。
【図5】パチンコ機の表示用制御基板の電気的構成を示したブロック図である。
【図6】会員管理コンピュータの電気的構成を示したブロック図である。
【図7】パチンコ機の会員管理コンピュータ基板において実行される情報送信処理を示したフローチャートである。
【図8】パチンコ機の会員管理コンピュータ基板において実行される情報受信処理を示したフローチャートである。
【図9】パチンコ機の表示用制御基板において実行される表示情報受信処理を示したフローチャートである。
【図10】パチンコ機の表示用制御基板において実行される表示サイズ切替処理を示したフローチャートである。
【図11】登録装置において実行される指紋情報登録処理のフローチャートである。
【図12】貯球処理装置において実行される貯球処理のフローチャートである。
【図13】会員管理コンピュータにおいて実行される指紋情報受信処理のフローチャートである。
【図14】第2実施例の遊技システムにおけるパチンコ機の操作ハンドルを示した図である。
【図15】第2実施例の遊技システムにおいて、パチンコ機の操作ハンドルの初動時に操作抵抗を強める機構を示した図である。
【符号の説明】
1 パチンコ機(遊技機)
19 指紋検出器(生体情報取得手段)
66a 提供情報メモリ(提供情報記憶手段の一部)
66b 特別情報メモリ(提供情報記憶手段の一部)
66c 登録データメモリ(提供情報記憶手段の一部)
100 遊技システム(遊技システム)
Claims (1)
- 遊技者の生体情報を取得する生体情報取得手段と、その生体情報取得手段により取得された生体情報を出力する生体情報出力手段とを備えた遊技機と、
その遊技機を使用する遊技者に提供される提供情報を記憶する提供情報記憶手段と、
前記遊技機の生体情報出力手段より出力される生体情報に基づいて、遊技者が予め登録された会員であるか否かを判別する判別手段と、
その判別手段により前記遊技者が会員であると判別されると、前記提供情報記憶手段に記憶される提供情報の内、会員に提供される提供情報を前記遊技機に出力する提供情報出力手段と、
前記判別手段により前記遊技者が会員でないと判別されると、前記提供情報出力手段により出力されて会員に提供される提供情報が、遊技者に認識されることを阻害する情報阻害手段とを備えていることを特徴とする遊技システム。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
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ID=32758913
Family Applications (1)
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JP2002359546A Withdrawn JP2004187934A (ja) | 2002-12-11 | 2002-12-11 | 遊技システム |
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Country | Link |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006102430A (ja) * | 2004-10-04 | 2006-04-20 | Oizumi Corp | 生体情報認証システム |
JP2007044215A (ja) * | 2005-08-09 | 2007-02-22 | Toyomaru Industry Co Ltd | 遊技場システム |
JP2012085962A (ja) * | 2010-10-22 | 2012-05-10 | Maruhon Industry Co Ltd | 遊技機 |
JP2016043040A (ja) * | 2014-08-22 | 2016-04-04 | 株式会社平和 | 遊技機 |
-
2002
- 2002-12-11 JP JP2002359546A patent/JP2004187934A/ja not_active Withdrawn
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