JP2004187401A - リニアモータ装置、ステージ装置、及び露光装置 - Google Patents

リニアモータ装置、ステージ装置、及び露光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】コスト低減を図ることができ、且つ同期精度及びスループットの向上を図ることができるリニアモータ装置を提供する。
【解決手段】固定子11は、電流経路を形成する長辺部分13及び短辺部分13bを有するコイル13をy方向に複数配列したコイル列14を備える。可動子12は、y方向の推力を発生させるためコイル13の長辺部分13aに対して磁界を形成する複数の磁石21からなる磁石列27と、x方向の推力を発生させるためコイル13の短辺部分13bに対して磁界を形成する磁石22からなる磁石列31とを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マスク又は感光基板等の物体を保持した状態で直線的に又は二次元平面内で移動させるステージ部を駆動するリニアモータ装置、並びに当該リニアモータ装置を備えるステージ装置及び露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子、液晶表示素子、その他のマイクロデバイスの製造においては、露光装置を用いてフォトマスクやレチクル(以下、これらを総称する場合には、マスクという)に形成された微細なパターンをフォトレジスト等の感光剤が塗布された半導体ウェハやガラスプレート等(以下、これらを総称する場合には、感光基板という)の上に転写することが繰り返し行われる。
【0003】
上記露光装置としては、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(所謂、ステッパ)又はステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置が用いられることが多い。ステッパは、マスクと感光基板との相対的な位置合わせを行った後で、マスクに形成されたパターンを感光基板上に設定された1つのショット領域に一括して転写し、転写後に感光基板をステップ移動させて他のショット領域の露光を行う露光装置である。また、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置は、マスクと感光基板とを相対的に移動(走査)させつつマスクに形成されたパターンを逐次感光基板に転写した後、走査方向に対して直交する方向に感光基板を所定距離移動させた後で再度走査露光を行う露光装置である。
【0004】
上記のステッパは、マスクの位置は固定で感光基板の位置を可変させてマスクと感光基板との相対位置を変えつつマスクパターンの転写を行うため、感光基板を保持した状態で移動可能に構成された基板ステージを備える。また、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置は、マスクと感光基板とを共に移動させる必要があるため、マスクを保持した状態で移動可能に構成されたマスクステージと感光基板を保持した状態で移動可能に構成された基板ステージとを備える。これらのステージの多くはマスク又は感光基板を高精度で移動させるための駆動源としてリニアモータ装置を備える。
【0005】
上記のリニアモータ装置の基本構成は、マスク又は感光基板を保持した状態で移動可能に構成されたステージ部の移動方向に沿って複数のコイルを配列したコイル列と同方向に沿って複数の磁石を配列した磁石列とを近接配置した構成であり、コイル列及び磁石列の何れか一方にステージ部が取り付けられる。尚、これらのコイル列及び磁石列のうち、ステージ部が取り付けられた部材が可動子となり、他方が固定子となる。そして、コイル列をなすコイルのうちの通電するコイルを選択して切り替えつつ複数相(例えば、3相)の電流を供給することにより、コイル列と磁石列との間に推力を発生させてコイル列と磁石列とを相対移動させることで、ステージ部を移動させている。
【0006】
リニアモータ装置に電流を供給してステージ部を移動させる際には、ステージ部の加速及び減速に伴って、その質量と加速度との積に応じた大きさの反力(ニュートン第3法則)が生ずる。この反力はステージの基礎をなす定盤に加わり、定盤と機械的に結合された投影光学系及びステージの機構に不要な振動を発生させたり、露光装置のコラムに不要な応力を加えて構造物の機械的な配置又は構造物自体を歪ませ、その結果として重ね合わせ精度の悪化を招いてしまう。
【0007】
かかる不具合を解消するため、従来のステージは上記のリニアモータ装置とは別個に反力処理用モータを設けており、リニアモータ装置の駆動に合わせて反力処理用モータを駆動することで、ステージ部の加速・減速に伴って生ずる反力を処理していた。尚、従来のリニアモータ装置の構成及び駆動方法に関連する先行技術文献情報としては以下の特許文献1〜3がある。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−199782号公報
【特許文献2】
特開2001−126977号公報
【特許文献3】
特開2001−112234号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したように従来のステージはリニアモータ装置以外に反力処理用モータを備える必要があったため、ステージのコスト、ひいては露光装置全体のコストを上昇させる一因となっていた。
【0010】
また、二次元的に移動可能に構成されたステージとして、Y方向に沿って配置された2つの第1のリニアモータ装置とX方向に沿って配置された1つの第2のリニアモータ装置とを備え、第1のリニアモータ装置の可動子の各々に第2のリニアモータ装置の固定子をガイドバーとともに取り付け、第2のリニアモータ装置の可動子にステージ部を取り付けた構成のものがある。かかる構成のステージは、第2のリニアモータ装置を駆動することで、その可動子に取り付けられたステージ部をX方向に移動させ、第1のリニアモータ装置を駆動して第1のリニアモータ装置とガイドバーとを一体的に移動させることによりステージ部をY方向に移動させる。
【0011】
以上の構成のステージにおいては、ステージ部をX方向に移動させるときには、その反力がガイドバーを介して第1のリニアモータ装置に伝達されるため、反力処理用のモータを備える必要があるという問題があった。また、ステージ部をY方向に移動させるときには、2つの第1のリニアモータ装置を駆動して第2のリニアモータ装置及びガイドバーを一体的に移動させているため、リニアモータ装置及びガイドバーの総合的な剛性が低いと、第1のリニアモータ装置の可動子に対するステージ部の動作に遅れが生じ、ステージ部の加速終了後における整定時間が長くなって同期精度及びスループットの低下を招くという問題があった。
【0012】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、コスト低減を図ることができ、且つ同期精度及びスループットの向上を図ることができるリニアモータ装置、並びに当該リニアモータ装置を備えるステージ装置及び露光装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の観点によるリニアモータ装置は、第1方向(y方向)と、当該第1方向と交差する第2方向(x方向)とに沿って推力を発生するリニアモータ装置(10)において、前記第1方向に直交する方向に延びた電流経路である第1部分(13a)と、前記第1部分と連続し前記第2方向に直交する方向に延びた電流経路である第2部分(13b)とを有するコイル(13)を、前記第1方向に沿って複数配列したコイル列(14)を備えたコイルユニット(11)と、前記第1方向に沿って配列された複数の磁石(18、21)を有し前記コイルの前記第1部分に対して磁界を発生する第1磁石列(26、27)と、前記第2方向に沿って配列された複数の磁石(19、22)を有し前記第2部分に対して磁界を発生する第2磁石列(30、31)とを有する磁石ユニット(12)とを備えることを特徴としている。
この発明によれば、第1部分(第1方向に直交する方向に延びた電流経路)と、第1部分と連続する第2部分(第2方向に直交する方向に延びた電流経路)とを有するコイルを第1方向に沿って複数配列した磁石列をコイルユニットに設けるとともに、コイルの第1部分に対して磁界を発生する第1磁石列と、コイルの第2部分に対して磁界を発生する第2磁石列とを磁石ユニットに設けたため、リニアモータ装置単体で第1方向及び第2方向の両方向に対して推力を発生させることができる。このため、リニアモータ装置の動作に伴って生ずる反力を処理するための反力処理用のモータをリニアモータ装置と別個に設ける必要がなくなり、コスト低減を図ることができるとともに、同期精度及びスループットの向上を図ることができる。
この場合において、前記第2磁石列を構成する各々の磁石の前記第1方向に沿った方向の長さを、前記コイルの前記第2部分の長さの少なくとも2倍の長さにしてもよい。これにより、コイルに供給する電流の切替時においても第2方向に一定の推力を発生させることができる。
ここで、本発明の第1の観点によるリニアモータ装置は、前記第2磁石列が、前記第1磁石列の前記第1方向両端の外側にそれぞれ設けられることが好ましい。
上記課題を解決するために、本発明の第2の観点によるリニアモータ装置は、第1方向(y方向)と、当該第1方向と交差する第2方向(x方向)とに沿って推力を発生するリニアモータ装置(40)において、前記第1方向に直交する方向に延びた電流経路である第1部分(47a)を有する第1コイル(47)を前記第1方向に沿って複数配列したコイル列(48)と、前記第1コイルと異なるコイルであって前記第2方向に直交する方向に延びた電流経路である第2部分(49b)を有する第2コイル(49)とを備えるコイルユニット(42)と、異なる磁極が互いに隣り合う様に前記第1方向に沿って配列された複数の磁石(43)を有し前記コイル列の前記第1部分に対して磁界を発生する第1磁石列(44)と、前記第1方向に沿って延在するとともに前記第2方向に配列された複数の磁石(45)を有し前記第2コイルの前記第2部分に対して磁界を発生する第2磁石列(46)とを備える磁石ユニット(41)とを有することを特徴としている。
この発明によれば、第1部分(第1方向に直交する方向に延びた電流経路)を有する第1コイルを第1方向に沿って複数配列したコイル列と、第1コイルとは異なるコイルであって第2部分(第2方向に直交する方向に延びた電流経路)を有する第2コイルとをコイルユニットに設けるとともに、コイル列に含まれる第1コイルの第1部分に対して磁界を発生する第1磁石列と、第2コイルの第2部部に対して磁界を発生する第2磁石列とを磁石ユニットに設けたため、リニアモータ装置単体で第1方向及び第2方向の両方向に対して推力を発生させることができる。このため、リニアモータ装置の動作に伴って生ずる反力を処理するための反力処理用のモータをリニアモータ装置と別個に設ける必要がなくなり、コスト低減を図ることができるとともに、同期精度及びスループットの向上を図ることができる。
また、本発明の第2の観点によるリニアモータ装置は、前記第2コイルが、2つの前記第2部分と、当該2つの前記第2部分に連続し前記第1方向と直交する方向に延びた2つの電流経路(49a)とを有し、前記2つの電流経路は前記第1磁石列の有する磁石の同極間距離の整数倍に等しい間隔であることを特徴としている。
ここで、本発明の第2の観点によるリニアモータ装置は、前記第2コイルが、前記第1コイルを有する前記コイル列を前記第1方向に挟んで2つ設けられることが好ましい。
また、本発明の第2の観点によるリニアモータ装置は、前記第2磁石列が、前記第1磁石列を前記第2方向に挟んで2つ設けられることが好適である。
また、本発明に係るステージ装置は、物体(W)を載置して移動可能な可動部(68)と当該可動部を駆動する駆動装置(66、67)とを有するステージ装置(64)において、前記駆動装置として前記第1又は第2の観点によるリニアモータ装置を少なくとも一つ用いることを特徴としている。これにより可動部に対して互いに直交する2方向に対して推力を発生することができるので、一の駆動方向と直交する他の方向に推力が必要な場合でも別の駆動装置を設ける必要はなく装置構成を簡略化することができる。
また、本発明に係る露光装置は、マスク(R)に形成されたパターンを感光基板(W)に転写する露光装置であって、前記マスクを載置するマスクステージ(98)と、前記感光基板を載置する基板ステージ(105)とを備え、前記マスクステージ及び前記基板ステージの少なくとも一方として前記ステージ装置を備えることを特徴としている。これによれば、基板ステージやマスクステージの移動反力処理用のモータや、マスクステージ微動用のモータを別個に設ける必要がなく、コストの低減を図ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態によるリニアモータ装置について詳細に説明する。
【0015】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態によるリニアモータ装置の外観構成を示す斜視図であり、図2は、図1に示したリニアモータ装置の上面透視図であり、図3は、図1及び図2中のA−A線の断面矢視図である。尚、以下の説明においては、xyz直交座標系を設定し、このxyz直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。xyz直交座標系は、y軸が固定子11に対する可動子12の相対移動方向に設定され、z軸が鉛直上方向に設定されている。
【0016】
図1に示すリニアモータ装置10が備えるコイルユニットとしての固定子11は、第1方向としてのy方向に沿って配列された複数のコイル13からなるコイル列14を備える。コイル列14をなす各々のコイル13は銅の丸線又は平角線をほぼ矩形形状に所定回数(例えば、数十〜数百回)巻回させて形成されている。各々のコイル13は、その長辺部分13a(第1部分)が第2方向としてのx軸とほぼ平行になり、短辺部分13b(第2部分)が第1方向としてのy軸とほぼ平行になるように、且つ、巻回面がxy平面とほぼ平行となるように、つまりコイル13に電流を流したときにコイル13の中心において発生する磁界の方向がz軸とほぼ平行となるように配置されている。尚、コイル13の巻線の材質は銅に限られるわけではなく、アルミ線を用いても良い。
【0017】
コイル列14は冷却管15に収容される。冷却管15は、非磁性SUS材で形成された矩形の断面形状を有する環状の部材であって、その内部に冷却液が導入される。尚、冷却管15は非磁性SUS材に限られるわけではなく、非磁性であってSUS材程度又はそれ以上のヤング率を有する材質で形成することができる。また、冷却液の粘性抵抗を考慮してCFRP(炭素繊維強化プラスチック)で形成することも可能である。
【0018】
冷却管15は、y方向における端部において固定部材16,17で固定されている。固定部材16には端子台16aが設けられており、コイル列14をなす各コイル13が端子台16aに結線されており、三相交流がこの端子台16aを介して各コイル13に供給される。尚、各コイル13の結線方法の詳細については後述する。また、冷却管15に対する冷却液の導入口及び排出口は固定部材16,17の近傍であって、冷却管15の側面にそれぞれ設けられている。
【0019】
次に、リニアモータ装置10が備える磁石ユニットとしての可動子12は、磁石18,19(図2及び図3参照)が張り合わされた平板状の上ヨーク20と、磁石21,22が張り合わされた平板状の下ヨーク23と、上ヨーク20及び下ヨーク23をx方向における両端で支持する支柱部材24,25とからなる磁気回路を備える。上記固定子11を構成するコイル列14(コイル13)及び冷却管15は可動子12の中央の空隙部に配置される。
【0020】
磁石18,19,21,22はネオジウム・鉄・コバルト磁石で形成され、上ヨーク20及び下ヨーク23はSS400相当の低炭素鋼により形成され、支柱部材24,25は、軽量化のためにアルミ合金で形成されている。尚、磁石18,19,21,22は、上記のネオジウム・鉄・コバルト磁石以外に、サマリウム・コバルト磁石又はネオジム・鉄・ボロン磁石等の希土類磁石を用いることも可能である。
【0021】
図1及び図2に示すように、磁石18,21はx方向の長さがコイル13の長辺部分13aの長さと同程度に設定され、それぞれy方向に沿って交互に極性が変化するように複数配列されており、複数の磁石18を含んで磁石列26(図2参照)が構成されるとともに、複数の磁石21を含んで磁石列27が構成されている。これらの磁石列26,27は本発明にいう第1磁石列に相当するものであり、コイル列14をなす各コイル13の長辺部分13aと重なるように(長辺部分13aの+z方向に磁石列18が位置し、−z方向に磁石列27が位置するように)配置される。
【0022】
また、図3に示すように、磁石18及び磁石21の各々はコイル列14を挟んで対をなすよう(各々のy方向における位置が一致するように)配置され、対をなす磁石18及び磁石21の磁界の向きは同一に設定される。このように配置された磁石列26,27は主にコイル13の長辺部分13aに対して磁界を形成してy方向の推力を発生させるために設けられる。
【0023】
更に、本実施形態では、図3に示すように、磁石列26をなす磁石18間に補助磁石28が配置され、磁石列27をなす磁石21間に補助磁石29が配置されている。補助磁石28は、可動子12の空隙部における磁束密度を高めるために、その磁界の方向が磁石18の磁界の方向と90度をなすように(磁界の方向がy方向に沿うように)配置される。同様に、補助磁石29は、可動子12の空隙部における磁束密度を高めるために、その磁界の方向が磁石21の磁極と90度をなすように配置されている。
【0024】
つまり、図3を参照して磁束の経路を考えると、何れかの磁石18(これを、第1磁石という)、補助磁石28、第1磁石とは異なる磁石18、コイル列14(空隙部)、磁石21(これを第2磁石という)、補助磁石29、第2磁石とは異なる磁石21、コイル列14(空隙部)、及び第1磁石という経路が形成される。この経路内に補助磁石28,29がそれぞれ設けられるため、空隙部における磁束が高められることが分かる。空隙部における磁束密度が高くなると、リニアモータ装置で発生する推力も向上する。尚、図3に示すように、各々の補助磁石28,29も対をなすように配置されるが、対をなす補助磁石28,29が形成する磁界の方向が互いに反対になるように設定される。
【0025】
また、上ヨーク20に張り合わされた磁石19は、y方向の長さがコイル13のy方向の長さ(短辺部分13b)の2倍の長さに設定され、x方向に沿ってほぼコイル13の長辺部分13aの長さ分だけ離間して配列されて磁石列30を構成している。この磁石列30は、磁石19の一方の極(図2に示した例において、−x側に配置された磁石19ではS極の反対の極であるN極、+x側に配置された磁石19ではN極の反対の極であるS極)が隣接する2つのコイル13の短辺部分13bと対面するように配置されるとともに、磁石列26のy方向における両端の外側に設けられている。つまり、1つのコイル13内において、磁石列30をなす磁石19のそれぞれは、異なる極が短辺部分13bのそれぞれに対面するよう設定される。
【0026】
同様に、下ヨーク23に張り合わされた磁石22は、y方向の長さがコイル13のy方向の長さ(短辺部分13b)の2倍の長さに設定され、x方向に沿ってほぼコイル13の長辺部分13aの長さ分だけ離間して配列されて磁石列31を構成している。この磁石列31は、上ヨーク20に張り合わされた磁石19と同様に、磁石列27のy方向における両端の外側において磁石22の一方の極(−x側に配置された磁石22ではS極、+x側に配置された磁石22ではS極)が隣接する2つのコイル13の短辺部分13bと重なるように配置されている。
【0027】
これらの磁石列30,31は、主にコイル13の短辺部分13bに対して磁界を形成してx方向の推力を発生させるために設けられる。尚、これらの磁石列30,31は本発明にいう第2磁石列に相当するものである。ここで、磁石列30,31のy方向の長さがコイル13のy方向の長さの2倍の長さに設定されるのは、x方向の推力を連続的に発生させ、モーメントを抑えるためである。
【0028】
つまり、本実施形態では、コイル列14に供給する電流の切り替え方を制御することで、コイル列14と磁石列26,27との間でy方向の推力を発生させ、コイル列14と磁石列30,31との間でx方向の推力を発生させている。コイル列30,31をなす磁石19,22のy方向の長さがコイル13のy方向の長さ(短辺部分13b)の2倍より長く設定されているので、磁石19,22の発生する磁界の中には少なくとも一つのコイル13が必ず存在することになる。そして、この磁石19,22の発生する磁界の中に存在する一つのコイル13に電流を供給し、2つのコイル13が同時に前記磁界内に存在するときに電流供給するコイル13を切り替えることによって常に一定の推力を発生させることができ、コイル切替により推力が変動することはない、
【0029】
また、図2に示すように、コイル列14をなすコイル13は、y方向に沿って順にU相、V相、W相の三相の電流が供給されるように冷却管15内又は端子台18の付近位置で結線されている。また、コイル13のy方向における配列間隔(ピッチ)をpとし、磁石18,21のy方向における配列間隔をPmとすると、4Pm=3pとなるように、コイル13及び磁石18,21はそれぞれ配列されている。このように、本実施形態のリニアモータ装置は、固定子11にコイル(コイル列)が設けられ、可動子12に磁石(磁石列)が設けられた所謂ムービングマグネット型のリニアモータ装置である。
【0030】
次に、各コイル13の結線方法について詳細に説明する。図4は、本発明の第1実施形態によるリニアモータ装置が備える各コイル13の結線図である。図4に示す通り、本実施形態のリニアモータ装置に設けられるコイル列14は、計12個のコイル13を有しており、これらのコイル13のうち4個のコイル13(U1〜U4)はU相の電流Iが供給されるコイルであり、他の4個のコイル13(V1〜V4)はV相の電流Iが供給されるコイルであり、残りの4個のコイル13(W1〜W4)はW相の電流Iが供給されるコイルである。
【0031】
これらの12個のコイル13は、図2に示す通り−y方向に向かって、U1、V1、W1、U2、V2、W2、……、U4、V4、W4の順に配列されている。尚、以下の説明において、コイル13の各々を区別する場合には、符号13に替えて各々の相を示す符号を付し、例えばコイルU1、コイルV2といった具合に表記する。
【0032】
三相の交流であるU相の電流I、V相の電流I、及びW相の電流Iは、電流増幅部35a〜35cを介して所定の電流値となるように調整される。電流増幅部35a〜35cは、電流アンプと電流検出器とを備え、電流検出器の検出値を電流アンプにフィードバックして電流アンプのゲインを調整している。U相の電流Iは、コイルU1〜U4の一端に設けられたスイッチ部36a(SW1〜SW4)を介してコイルU1〜U4のそれぞれに供給される。また、コイルU1〜U4のそれぞれを介した電流はコイルU1〜U4の他端に設けられたスイッチ部36b(SW1〜SW4)を介して流出する。スイッチ部36bはそれぞれ共通電極Cに接続されている。
【0033】
スイッチ部36a,36bのオン・オフ制御をしてU相の電流Iを供給するコイルU1〜U4を切り替えて、コイルU1〜U4により形成される磁界のy方向の位置を変化させることにより、連続的にy方向の推力を発生させることができる。尚、スイッチ部36aに含まれるスイッチSW1〜SW4は各々独立してオン・オフ制御を行うことができるが、スイッチ部36bはスイッチ部36aのオン・オフに同期して動作する。例えば、スイッチ部36bに含まれるスイッチSW1は、スイッチ部36aに含まれるスイッチSW1のオン・オフに合わせて動作し、スイッチ部36bに含まれるスイッチSW2は、スイッチ部36aに含まれるスイッチSW2のオン・オフに合わせて動作する。
【0034】
V相の電流Iは、コイルV1〜V4の一端に設けられたスイッチ部37a(SW1〜SW4)を介してコイルV1〜V4のそれぞれに供給され、また、コイルV1〜V4のそれぞれを介した電流はコイルV1〜V4の他端に設けられたスイッチ部37b(SW1〜SW4)を介して共通電極Cに流入する。尚、スイッチ部37aとスイッチ部37bとは、スイッチ部36a及びスイッチ部36bの関係と同様の関係をもって動作する。
【0035】
同様に、W相の電流Iは、コイルW1〜W4の一端に設けられたスイッチ部38a(SW1〜SW4)を介してコイルW1〜W4のそれぞれに供給され、また、コイルW1〜W4のそれぞれを介した電流はコイルW1〜W4の他端に設けられたスイッチ部38b(SW1〜SW4)を介して共通電極Cに流入する。スイッチ部37aとスイッチ部37bとは、スイッチ部36a及びスイッチ部36bの関係と同様の関係をもって動作する。尚、U相の電流Iを制御するスイッチ部36a,36b、V相の電流Iを制御するスイッチ部37a,37b、及びW相の電流Iを制御するスイッチ部38a,38bは、相間で従属関係はなく独立してオン・オフを制御することができる。
【0036】
また、本実施形態のリニアモータ装置は、x方向に推力を発生させるための電流Iが供給されている。この電流Iは、直流電流であり、電流増幅部35dを介して所定の電流値となるように調整される。この電流増幅部35dは、電流増幅部35a〜35cと同様の構成であり、電流アンプと電流検出器とを備え、電流検出器の検出値を電流アンプにフィードバックして電流アンプのゲインを調整している。
【0037】
電流Iは、スイッチ部36a〜38aの各々に含まれるスイッチSW5〜SW8を介してコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4のそれぞれに供給される。また、コイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4のそれぞれを介した電流はコイルU1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の他端に設けられたスイッチ部36a〜38aの各々に含まれるスイッチSW5〜SW8を介して流出するよう構成されている。
【0038】
スイッチ部36a〜38aに含まれるスイッチSW5〜SW8は、相内及び相間で従属関係はなく独立してオン・オフを制御することができる。また、スイッチ部36b〜38bに含まれるスイッチSW5〜SW8のそれぞれは、スイッチ部36a〜38aに含まれるスイッチSW5〜SW8の各々のオン・オフ動作に従属して動作する。このように、本実施形態においてはy方向に推力を発生させるためのスイッチSW1〜SW4とは別個にx方向に推力を発生させるためのスイッチSW5〜SW8が設けられており、それぞれのオン・オフ制御を個別にすることによって、y方向のみの推力発生、x方向のみの推量発生、又はx方向とy方向との両方向への推力発生を制御することができるように構成される。
【0039】
尚、図4においては、U相、V相、及びW相毎に電流増幅部35a〜35cを設けた構成について説明したが、必ずしも三相全てに電流増幅部を設ける必要はなく、三相のうちの二相のみに設けた構成であってもよい。但し、かかる構成にする場合には、共通電極Cにおける電流総和がI+I+I=0なる関係が満たされることが必要十分条件となる。
【0040】
次に、本実施形態のリニアモータ装置を駆動する際におけるスイッチ部36a,36b、37a,37b、38a,38bの切り替えシーケンスについて説明する。図5は、本発明の第1実施形態によるリニアモータ装置を駆動する際の切り替えシーケンスを示す図表である。本実施形態のリニアモータ装置は、固定子11に対する可動子12の位置に応じてスイッチ部36a,36b、37a,37b、38a,38bの切り替え制御を行っている。
【0041】
図5に示した図表において、横方向の欄は固定子11と可動子12との規格化ずれ量Δndを示しており、縦方向の欄はスイッチ部36a,36b、37a,37b、38a,38bに設けられたスイッチSW1〜SW8のオン・オフ状態を示している。この図表において数値「0」が付されている箇所はスイッチがオフ状態にあることを示し、数値「1」が付されている箇所はy方向に推力を発生させるときにスイッチがオン状態になることを示し、数値「2」が付されている箇所はx方向に推力を発生させるときにスイッチがオン状態になることを示している。
【0042】
ここで、図2及び図3に示すように、固定子11の中心位置に対する可動子12の中心位置のy方向における位置ずれ量をΔdとする。上記の規格化ずれ量Δndは、この位置ずれ量Δdを固定子12に設けられたコイル13の配列間隔(ピッチ)pで規格化したものである。いま、可動子12の中心が固定子11の中心からずれた位置に配置されており、その位置ずれ量Δdが66mmであり、コイル13の配列間隔pが30mmであるとすると、このときの規格化ずれ量Δndは1.2pとなる。
【0043】
この規格化ずれ量Δndは、図5に示す図表において、p〜1.5pの範囲の値である。よって、固定子11と可動子12との位置関係がΔnd=1.2pとなる場合において、y方向のみに推力を発生させるためにはU相のスイッチSW2、V相のスイッチSW2、及びW相のスイッチSW2をオン状態にして、コイルU2、コイルV2、及びコイルW2に電流を供給する。また、固定子11と可動子12との位置関係がΔnd=1.2pとなる場合において、x方向のみに推力を発生させるためには、V相のスイッチSW5とW相のスイッチSW7とをオン状態にして、コイルV5及びコイルW7に電流を供給する。
【0044】
また、上記の位置関係において、x方向とy方向の両方に推力を発生させるためには、U相のスイッチSW2、V相のスイッチSW2、W相のスイッチSW2、V相のスイッチSW5、及びW相のスイッチSW7をオン状態にして、コイルU2、コイルV2、コイルW2、コイルV5、及びコイルW7に電流を供給する。このように、本実施形態においては、図5に示した図表に従って固定子11と可動子12との位置関係に応じて通電するコイルを切り替えることで、x方向のみ、y方向のみ、又はx方向とy方向との両方向へ推力を発生させることができる。尚、図5から明らかなように、同一のコイルに対してy方向推力発生用の電流(I,I,I)とx方向推力発生用の電流Iとが同時に供給されることはなく、個々のコイル13は、固定子11と可動子12との位置関係に応じてそれぞれx方向のみ又はy方向のみの推力を発生する。
【0045】
以上、本発明の第1実施形態によるリニアモータ装置について説明した。上記の実施形態においては、磁石19のy方向の長さがコイル13のy方向の長さ(短辺部分13b)の2倍の長さである場合を例に挙げて説明したが、磁石19のy方向の長さはコイル13のy方向の長さの少なくとも2倍であればよい。つまり、モーメントの発生をより効果的に抑えられるのであれば、磁石19のy方向の長さがコイル13のy方向の長さの2倍以上であっても良い。
【0046】
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態によるリニアモータ装置について説明する。図6は、本発明の第2実施形態によるリニアモータ装置の構成を示す図であり、一部を上面透視図としている。図6に示す本発明の第2実施形態によるリニアモータ装置40は、磁石ユニットとしての固定子41とコイルユニットとしての可動子42とを備える。
【0047】
磁石ユニットとしての固定子41は、第1方向としてのy方向に沿って交互に極性が変化するように(異なる磁極が互いに隣り合うように)配列された複数の磁石43を有する磁石列44と、y方向に延在し(y方向の長さが磁石列44のy方向の長さと同程度に設定され)、第2方向としてのx方向に磁石列44を挟むように配列された磁石45からなる磁石列46とを備える。尚、上記磁石列44は本発明にいう第1磁石列に相当し、磁石列46は本発明にいう第2磁石列に相当する。
【0048】
上記磁石43,45はネオジウム・鉄・コバルト磁石、サマリウム・コバルト磁石、又はネオジム・鉄・ボロン磁石等の希土類磁石を用いることが可能である。尚、磁石列44によって形成される磁束密度を高めるため、第1実施形態と同様に磁石列44は磁石43の間に補助磁石を備える構成であることが望ましい。
【0049】
また、コイルユニットとしての可動子42は、第1方向としてのy方向に沿って配列された複数(図6に示した例では6個)のコイル47からなるコイル列48と、y方向においてコイル列48の両端外側に設けられた2つのコイル49とを備える。尚、上記コイル47は本発明にいう第1コイルに相当し、コイル49は本発明にいう第2コイルに相当する。
【0050】
コイル列48をなす各々のコイル47は銅の丸線又は平角線をほぼ矩形形状に所定回数(例えば、数十〜数百回)巻回させて形成されている。尚、コイル47の巻線の材質は銅に限られるわけではなく、アルミ線を用いても良い。コイル47のx方向の長さは、磁石列44をなす磁石43のx方向の長さよりも長くなり、且つ磁石列46をなす磁石45の配列間隔よりも短くなるように設定されている。また、コイル47のy方向における配列間隔(ピッチ)をpとし、磁石43のy方向における配列間隔をPmとすると、4Pm=3pとなるように、コイル47及び磁石43はそれぞれ配列されている。
【0051】
コイル47は、その長辺部分47a(第1部分)が第2方向としてのx軸とほぼ平行になり、短辺部分47bが第1方向としてのy軸とほぼ平行になるように、且つ、巻回面がxy平面とほぼ平行となるように、つまりコイル47に電流を流したときにコイル47の中心において発生する磁界の方向がz軸とほぼ平行となるように配置されている。また、コイル47は、その長辺部分47aが磁石列44をなす磁石43と重なるように(コイル47の長辺部分47aの−z方向に磁石列44が位置するように)、且つ磁石列46をなす磁石45と重ならないようにx方向の位置が設定されている。かかる配置において、磁石列44はy方向の推力を発生させるために、主にコイル47の長辺部分47aに対して磁界を形成する。
【0052】
コイル49はコイル47と同様に銅の丸線又は平角線をほぼ矩形形状に所定回数(例えば、数十〜数百回)巻回させて形成されている。尚、コイル49の巻線の材質は銅に限られるわけではなく、アルミ線を用いても良い。コイル49のx方向の長さは磁石列46をなす磁石45の配列間隔と同程度に設定されており、第1方向に延びる短辺部分49b(第2部分)の各々が、磁石45の一方の極(−x側に配置された磁石45ではN極、+x側に配置された磁石45ではN極)に近接する位置に配置される。磁石45(磁石列46)はx方向の推力を発生させるために、主にコイル49の短辺部分49bに対して磁界を形成する。
【0053】
また、y方向におけるコイル49の長辺部分49a(第1方向と直交する方向に延びた2つの電流経路)の間隔は、磁石列44をなす磁石43の配列ピッチの2倍(2Pm)に設定されている。これは、コイル49に電流を流したときに、磁石列44がコイル49の第1部分49aに形成する磁界によって発生する合成推力を零にするためである。つまり、コイル49の各々の長辺部分49aに流れる電流は互いに反対方向(一方が+x方向であり、他方が−x方向)である。コイル49の長辺部分49aのy方向における間隔を磁石43の配列ピッチの2倍(2Pm)とすると、各々の長辺部分49aにはコイル49のy方向の位置に拘わらず同極の磁石43が近接することになる。
【0054】
このため、それぞれの長辺部分49aでは互いに反対方向の推力(一方の推力は+y方向であり、他方の推力は−y方向である)が発生し、その結果として合成推力は零となる。このように、本実施形態においては、コイル49に電流を流すことによりx方向のみの推力を発生させることができるよう構成されている。以上のように、本実施形態のリニアモータ装置は、固定子41に磁石(磁石列)が設けられ、可動子42にコイル(コイル列)が設けられた所謂ムービングコイル型のリニアモータ装置である。
【0055】
また、図6に示すように、コイル列48をなす6個のコイル47には、y方向に沿って順にU相、V相、W相の三相の電流I,I,Iが供給されるように結線されており、6個のコイル47のうち同相の電流が供給される2つのコイル47が直列接続されている。U相の電流I、V相の電流I、及びW相の電流Iは、第1実施形態と同様に、電流増幅部35a〜35cを介して所定の電流値となるように調整される。尚、コイル47の各々は、各々を介してた電流が共通電極Cに流入するように結線されている。
【0056】
また、2つのコイル49は直列接続されており、x方向に推力を発生させるための電流Iが供給されてる。この電流Iは、直流電流であり、電流増幅部35dを介して所定の電流値となるように調整される。このように、本実施形態においては、コイル列48をなす6つのコイル47のうちの同相の2つのコイルがそれぞれ直列接続されるとともに、2つのコイル49が直列接続されているため、基本的に図4に示すスイッチ部36a,36b,37a,37b,38a,38bは不要となる。
【0057】
本実施形態においてはコイル列48のみに対してU相の電流I、V相の電流I、及びW相の電流Iを供給することでy方向のみの推力を発生させることができ、コイル49のみに対して電流Iを供給することでx方向のみの推力を発生されることができ、コイル列44及びコイル49に対してU相の電流I、V相の電流I、W相の電流I、及び電流Iを供給することで、x方向とy方向との両方向へ推力を発生されることができる。
【0058】
以上、本発明の第2実施形態によるリニアモータ装置について説明した。上記の実施形態においては、y方向におけるコイル49の長辺部分49aの間隔が磁石43の配列ピッチの2倍(2Pm)である場合を例に挙げて説明したが、長辺部分49aの間隔は磁石43の配列ピッチの偶数倍(磁石43の同極間の距離の整数倍)であっても良い。
【0059】
また、本実施形態においてはコイル49をコイル列48のy方向両端に2つ設けたが、コイル49は、その空心部にコイル列48を収容し、コイル列48を取り囲むように設けても構わない。このような構成にすることによりx方向推力の発生に寄与するy方向と平行な第2部分49bを長く取ることができ、大きな推力を発生することができる。この場合においてもx方向と平行な第1部分49aの間隔は、磁石43の配列ピッチの偶数倍(磁石43の同極間距離の整数倍)とするのが好ましい。これによりコイル49はx方向にのみ推力を発生するようにすることができる。
【0060】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態によるリニアモータ装置について説明する。図7は、本発明の第3実施形態によるリニアモータ装置の構成を示す図であり、一部を上面透視図としている。図7に示す本発明の第3実施形態によるリニアモータ装置50は、第2実施形態と同様の固定子51と可動子52とを備える。
【0061】
固定子51はy方向に沿って交互に極性が変化するように(異なる磁極が互いに隣り合うように)配列された複数の磁石53を有する磁石列54を備え、可動子52は、y方向に沿って配列された複数(図6に示した例では6個)のコイル55からなるコイル列56を備える。尚、本実施形態においても磁石列54によって形成される磁束密度を高めるため、磁石列54は磁石53の間に補助磁石を備える構成であることが望ましい。
【0062】
上記磁石53はネオジウム・鉄・コバルト磁石、サマリウム・コバルト磁石、又はネオジム・鉄・ボロン磁石等の希土類磁石を用いることが可能である。また、コイル列56をなす各々のコイル55は銅の丸線又は平角線をほぼ矩形形状に所定回数(例えば、数十〜数百回)巻回させて形成されている。尚、コイル55の巻線の材質は銅に限られるわけではなく、アルミ線を用いても良い。
【0063】
コイル55のy方向における配列間隔(ピッチ)をpとし、磁石53のy方向における配列間隔をPmとすると、4Pm=3pとなるように、コイル55及び磁石53はそれぞれ配列されている。また、コイル55のx方向の長さと磁石53のx方向の長さは同程度に設定されているが、コイル55はその短辺部分55bの一方がコイル列56と重ならないように磁石53に対してx方向に偏心させて配置されている。つまり、各コイル55は長辺短辺部分55aと他方の短辺部分55bがコイル列56の+z方向に位置するように配置される。
【0064】
かかる配置とするのは、各コイル55に電流を流したときに、磁石列54がコイル55の長辺部分55aに形成する磁界によってy方向の推力を発生させ、磁石列54がコイル55の他方の短辺部分55bに形成する磁界によってx方向の推力を発生させるためである。以上のように、本実施形態のリニアモータ装置は、第2実施形態と同様の所謂ムービングコイル型のリニアモータ装置である。
【0065】
コイル列56をなす6個のコイル55には、y方向に沿って順にU相、V相、W相の三相の電流I,I,Iが供給されるように結線されており、6個のコイル55のうち同相の電流が供給される2つのコイル55がそれぞれ直列接続されている。U相の電流I、V相の電流I、及びW相の電流Iは、第1実施形態と同様に、電流増幅部35a〜35cを介して所定の電流値となるように調整される。尚、コイル47の各々は、各々を介してた電流が共通電極Cに流入するように結線されている。
【0066】
電流増幅部35a〜35cの入力端には、電圧加算部57〜59がそれぞれ接続されている。電圧加算部57は2つの入力端57a,57bを有し、各々の入力端57a,57bから入力される推力指令電圧を加算して電流増幅部35aへ出力する。入力端57aにはy方向に推力を発生させるためのU相主推力指令電圧が入力され、入力端57bにはx方向に推力を発生させるためのU相副推力指令電圧が入力される。
【0067】
電圧加算部58は入力端58aから入力されるy方向に推力を発生させるためのV相主推力指令電圧と、入力端58bから入力されるx方向に推力を発生させるためのV相副推力指令電圧とを加算して電流増幅部35bへ出力する。同様に、電圧加算部59は入力端59aから入力されるy方向に推力を発生させるためのW相主推力指令電圧と、入力端59bから入力されるx方向に推力を発生させるためのW相副推力指令電圧とを加算して電流増幅部35cへ出力する。
【0068】
以上の構成のリニアモータ装置においては、電圧加算部57〜59の入力端57a〜59aに入力させるU相主推力指令電圧、V相主推力指令電圧、及びW相主推力指令電圧によりy方向の推力発生を制御し、入力端57b〜59bに入力させるU相副推力指令電圧、V相副推力指令電圧、及びW相副推力指令電圧によりx方向の推力発生を制御する。ここで、U相副推力指令電圧、V相副推力指令電圧、及びW相副推力指令電圧は、U相主推力指令電圧、V相主推力指令電圧、及びW相主推力指令電圧各々に対して一定の位相遅れ又は位相進みを有する電圧である。このような位相関係を有する主推力指令電圧及び副推力指令電圧を用いることで、y方向に発生させる推力及びx方向に発生させる推力を制御することができる。
【0069】
〔ステージ装置〕
次に、以上説明した第1実施形態によるリニアモータ装置を備えた本発明に係るステージ装置及びその制御装置の一実施形態について説明する。図8は、本発明の第1実施形態によるリニアモータ装置を備えるステージ装置及びその制御装置を示す図である。尚、ここでは、ウェハ(半導体ウェハ)Wを水平面内で移動させるステージ制御装置について説明する。また、ウェハWが移動する水平面内に互いに直交するX軸及びY軸を設定して説明を進める。図8に示すように、ステージ制御装置は、制御コントローラ60、電流増幅部61a〜61c、スイッチ部62a〜62c、及び位置検出部63a,63bを含み、被制御対象としてのステージ装置64を制御する。
【0070】
制御コントローラ60は、予め設定された制御情報(レシピ)と位置検出部63a,63bから出力される検出信号とに基づいて、ステージ装置64が備えるリニアモータ装置65〜67を駆動するための駆動信号を生成し、ウェハWを載置するステージとしてのウェハステージ68の動作を制御する。また、制御コントローラ60は、位置検出部63a,63bから出力される検出信号に基づいてウェハステージ68の位置情報を算出する位置算出部60aと、位置算出部60aで算出された位置情報から図5を用いて説明したシーケンスに従ってスイッチ部62a〜62cに含まれる複数のスイッチのオン・オフ制御を行うための制御信号C1〜C3を出力する切り替え制御制御信号生成部60bとを含んで構成される。
【0071】
電流増幅部61a〜61cは、制御コントローラ60から出力される駆動信号の電流を所定の増幅率で増幅してステージ装置64に設けられるリニアモータ装置65〜67のそれぞれに供給する。この電流増幅部61a〜61cの各々は図4に示した電流増幅部35a〜35dの各々を含んで構成される。スイッチ部62a〜62cは、図4に示すスイッチ部36a,36b,37a,37b,38a,38bを含んで構成され、制御コントローラ60から出力される制御信号C1〜C3の各々に従ってスイッチ部36a,36b,37a,37b,38a,38b各々に含まれるスイッチをオン・オフさせて、リニアモータ装置65〜67の各々に設けられる複数のコイルのうちの何れのコイルに電流を供給するかを制御する。位置検出部63a,63bは、ウェハステージ68のX方向の位置及びY方向の位置(ステージ位置)をそれぞれ検出する。
【0072】
次に、ステージ装置64について詳細に説明する。図9は、ステージ装置64の構成例を示す斜視図である。図8及び図9に示すように、ステージ装置64は、可動部としてのウェハステージ68、このウェハステージ68をXY平面に沿った2次元方向に移動可能に支持するウェハ定盤69、ウェハステージ68と一体的に設けられウェハWを吸着保持する試料台70、これらウェハステージ68及び試料台70を相対移動自在に支持するXガイドバー71を主体に構成されている。ウェハステージ68の底面には、非接触ベアリングである不図示の複数のエアベアリング(エアパッド)が固定されており、これらのエアベアリングによってウェハステージ68がウェハ定盤69上に、例えば数ミクロン程度のクリアランスを介して浮上支持されている。
【0073】
ウェハ定盤69は、例えば不図示のベースプレートの上方に防振ユニットを介してほぼ水平に支持されている。ここで、防振ユニットは、例えばウェハ定盤69の各コーナーに配置され、内圧が調整可能なエアマウントとボイスコイルモータとがベースプレート上に並列に配置された構成になっている。これらの防振ユニットによって、ベースプレートを介してウェハ定盤69に伝わる微振動がマイクロGレベルで絶縁されるようになっている。
【0074】
また、図9に示すように、Xガイドバー71は、X方向に沿った長尺形状を呈しており、その長さ方向の両端には電機子ユニットからなる可動子65a及び可動子66aがそれぞれ設けられている。これらの可動子65a,66aにそれぞれ対応する磁石ユニットを有する固定子65b,66bは、ベースプレートに突設された支持部に設けられている。
【0075】
上記の可動子65a及び固定子65bによってリニアモータ装置65が構成され、可動子66a及び固定子66bによってリニアモータ装置66が構成されている。これらのリニアモータ装置65,66は図1〜図3に示す本発明の第1実施形態によるリニアモータ装置10である。リニアモータ装置65,66は、可動子65aが固定子65bとの間の電磁気的相互作用により駆動され、なおかつ可動子66aが固定子66bとの間の電磁気的相互作用により駆動されることでXガイドバー71がY方向に移動し、リニアモータ装置65とリニアモータ装置66との駆動量を調整することで、ウェハステージ6はX軸及びY軸に直交するZ軸周りに回転する。即ち、リニアモータ装置65,66によってXガイドバー71とほぼ一体的にウェハステージ68(及び試料台70)がY方向及びZ軸周りに駆動されるようになっている。
【0076】
試料台70は、Xガイドバー71との間にZ方向に所定量のギャップを維持する磁石及びアクチュエータからなる磁気ガイドを介して、Xガイドバー71にX方向に相対移動自在に非接触で支持・保持されている。また、ウェハステージ68は、Xガイドバー71に埋設された固定子を有するリニアモータ装置67による電磁気的相互作用によりX方向に駆動される。図9においてはリニアモータ装置67の可動子は図示していないが、ウェハステージ68に取り付けられている。試料台70の上面には、不図示のウェハホルダを介してウェハWが真空吸着等によって固定される。
【0077】
また、ウェハステージ68の端部にはY方向に延びる移動鏡72とX方向に延びる移動鏡73が取り付けられている。これらの移動鏡72,73の鏡面に対面する位置にレーザ干渉計74,75(図8参照)がそれぞれ取り付けられており、ウェハステージ68のX方向の位置及びY方向の位置が所定の分解能、例えば0.5〜1nm程度の分解能でリアルタイムに計測される。尚、レーザ干渉計74,75の少なくとも一方は、測長軸を2軸以上有する多軸干渉計であり、これらレーザ干渉計の計測値に基づいてウェハステージ68(ひいてはウェハW)のX方向の位置及びY方向の位置のみならず、Z軸周りの回転量及びレベリング量をも求めることができるようになっている。
【0078】
以上の構成のステージ装置64において、例えばウェハWを−X方向へ移動させる場合には、制御コントローラ60は位置検出部63aから出力される検出信号に基づいてウェハステージ68のX方向の位置情報を算出し、この位置情報から図5を用いて説明したシーケンスに従って制御信号C2を生成する。尚、ここでの制御信号C2は、スイッチ部62b(図4に示すスイッチ部36a,36b,37a,37b,38a,38b)の各々に含まれるスイッチSW1〜SW4のオン・オフ状態を制御する制御信号である。また、制御コントローラ60は、ステージ装置64が備えるリニアモータ装置67を駆動するための駆動信号を生成する。
【0079】
更に、制御コントローラ60は位置検出部63bから出力される検出信号に基づいてウェハステージ68のY方向の位置情報を算出し、この位置情報から図5を用いて説明したシーケンスに従って制御信号C1,C3を生成する。尚、ここでの制御信号C1,C3は、スイッチ部62a,62c(図4に示すスイッチ部36a,36b,37a,37b,38a,38b)の各々に含まれるスイッチSW5〜SW8のオン・オフ状態を制御する制御信号である。また、制御コントローラ60は、リニアモータ装置67を駆動するための駆動信号に合わせてリニアモータ装置65,66を駆動するための駆動信号を生成する。
【0080】
次に、制御コントローラ60はリニアモータ装置67を駆動するための駆動信号を電流増幅部61bへ出力するとともに制御信号C2をスイッチ部62bに出力し、リニアモータ装置67に三相の電流I,I,Iを供給して図8に示した−X方向の推力F11を発生させる。これと同時に制御コントローラ60は、リニアモータ装置65,66を駆動するための駆動信号を電流増幅部61a,61cへそれぞれ出力するとともに制御信号C1,C3をスイッチ部62a,62cのそれぞれに出力し、リニアモータ装置65,66に電流Iを供給して図8に示した+X方向の推力F12,F13をそれぞれ発生させる。
【0081】
このように、ウェハWを−X方向へ移動させる場合には、リニアモータ装置67に−X方向へ推量F11を発生させると同時に、リニアモータ装置65,66に+X方向へ推力F12,F13を発生させる。これにより、リニアモータ装置67の−X方向への推力発生により生ずる反力を推力F12,F13で相殺することができ、不要な振動の発生を抑えることができる。
【0082】
また、例えばウェハWを+Y方向へ移動させる場合には、制御コントローラ60は位置検出部63bから出力される検出信号に基づいてウェハステージ68のY方向の位置情報を算出し、この位置情報から図5を用いて説明したシーケンスに従って制御信号C1,C3を生成する。尚、ここでの制御信号C1,C3は、スイッチ部62a,62c(図4に示すスイッチ部36a,36b,37a,37b,38a,38b)の各々に含まれるスイッチSW1〜SW4のオン・オフ状態を制御する制御信号である。また、制御コントローラ60は、ステージ装置64が備えるリニアモータ装置65,66を駆動するための駆動信号を生成する。
【0083】
更に、制御コントローラ60は位置検出部63aから出力される検出信号に基づいてウェハステージ68のX方向の位置情報を算出し、この位置情報から図5を用いて説明したシーケンスに従って制御信号C2を生成する。尚、ここでの制御信号C2は、スイッチ部62b(図4に示すスイッチ部36a,36b,37a,37b,38a,38b)の各々に含まれるスイッチSW5〜SW6のオン・オフ状態を制御する制御信号である。また、制御コントローラ60は、リニアモータ装置65,66を駆動するための駆動信号に合わせてリニアモータ装置67を駆動するための駆動信号を生成する。
【0084】
次に、制御コントローラ60はリニアモータ装置65,66を駆動するための駆動信号を電流増幅部61a,61cのそれぞれに出力するとともに制御信号C1,C3をスイッチ部62a,62cのそれぞれに出力し、リニアモータ装置65,66に三相の電流I,I,Iを供給して図8に示したY方向の推力F21,F22を発生させる。これと同時に制御コントローラ60は、リニアモータ装置67を駆動するための駆動信号を電流増幅部61bへ出力するとともに制御信号C2をスイッチ部62bに出力し、リニアモータ装置67に電流Iを供給して図8に示した+Y方向の推力F23を発生させる。
【0085】
このように、ウェハWをY方向へ移動させる場合には、リニアモータ装置65,66にY方向へ推量F21,F22を発生させると同時に、リニアモータ装置67にY方向へ推力F23を発生させる。ウェハステージ68をY方向へ移動させるには、ウェハステージ68、リニアモータ装置67,及びXガイドバー71を一体的にリニアモータ装置65,66で移動させる必要がある。このため、リニアモータ装置67及びXガイドバー71の総合的な剛性が低いと、リニアモータ装置65,66が備える可動子65a,66aに対するウェハステージ68の動作遅れが生じる。
【0086】
本実施形態においては、リニアモータ装置65,66のY方向への推力F21,F22の発生と同時に、推力F21,F22と同方向の推力F23をリニアモータ装置67により発生させている。これにより、見かけ上リニアモータ装置67及びXガイドバー71からなる構成の剛性が無限大となり、その結果として可動子65a,66aの移動に合わせてるウェハステージ68が動作してウェハステージ68の加速終了後における整定時間が短くなり、同期精度及びスループットの向上を図ることができる。
【0087】
以上、リニアモータ装置65〜67として本発明の第1実施形態によるリニアモータ装置10を備えるステージ装置64を例に挙げて説明した。しかしながら、ステージ装置64は、リニアモータ装置65〜67として、図6に示す第2実施形態によるリニアモータ装置40を備える構成、又は図7に示す第3実施形態によるリニアモータ装置50を備える構成であっても良い。
【0088】
図6に示す第2実施形態によるリニアモータ装置40を備える構成の場合には、図8中の制御コントローラ60が備える切り替え制御信号生成部60b及びスイッチ部62a〜62cが省略された構成となる。また、図7に示す第3実施形態によるリニアモータ装置50を備える構成の場合には、図8中の制御コントローラ60が備える切り替え制御信号生成部60b及びスイッチ部62a〜62cが省略された構成となり、更に図7に示す電圧加算部57〜59が電流増幅部61a〜61cの各々に追加されるとともに、電流増幅部61a〜61cの各々から電流増幅部35d(図4又は図6参照)に相当する構成が省略される。
【0089】
尚、ステージ装置64は、リニアモータ装置65〜68として第1実施形態〜第3実施形態のリニアモータ装置10、40,50を混在して備える構成であっても良い。例えば、上記リニアモータ装置65,66よりもリニアモータ装置67の方がウェハステージ68上に載置されるウェハWに近い位置に配置されており、リニアモータ装置67の可動子が試料台70に固定されている。このため、リニアモータ装置67は発熱源であるコイルが固定子となりウェハWから遠ざかり直接試料台70に固定されないムービングマグネット型のリニアモータ装置(第2実施形態又は第3実施形態に示したリニアモータ装置)を用いることが望ましい。
【0090】
リニアモータ装置65,66は、リニアモータ装置67、Xガイドバー71、及び試料台70を一体として駆動するため、リニアモータ装置67より遙かに大きい推力を必要とする。そのため、多くの電力を必要とし発熱量もリニアモータ装置67より大きくなる。従って、リニアモータ装置65,66は、ムービングコイル型のリニアモータ装置(第1実施形態に示したリニアモータ装置)を用いることが望ましい。しかしながら、ムービングコイル型のリニアモータは可動子65a,66aに冷媒を循環させる必要があるため、装置構成上の不具合がある場合には、可動子65a,66a側にマグネットを設けるムービングマグネット型のリニアモータ装置(第2実施形態又は第3実施形態に示したリニアモータ装置)を用いても良い。
【0091】
〔露光装置〕
次に、本発明に係る露光装置について詳細に説明する。図10は、露光装置の概略構成を示す図である。図10に示す露光装置は、投影光学系PLに対してマスクとしてのレチクルRと感光基板としてのウェハWとを相対的に移動させつつ、レチクルRに形成されたパターンをウェハWに転写して半導体素子を製造するステップ・アンド・スキャン方式の露光装置に適用した場合を例に挙げて説明する。
【0092】
尚、以下の説明においては、図10中に示したXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。XYZ直交座標系は、X軸及びY軸がウェハWに対して平行となるよう設定され、Z軸がウェハWに対して直交する方向に設定されている。図中のXYZ座標系は、実際にはXY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方向に設定される。また、本実施形態ではレチクルR及びウェハWを移動させる方向(走査方向SD)をY方向に設定している。
【0093】
図10において、露光光源81としては断面が略長方形状の平行光束である露光光ILを射出するArFエキシマレーザ光源(波長193nm)が用いられる。露光光源81からの波長193nmの紫外パルスよりなる露光光IL(露光ビーム)は、ビームマッチングユニット(BMU)82を通り、光アッテネータとしての可変減光器83に入射する。可変減光器83を通った露光光ILは、レンズ系84a,84bよりなるビーム成形系85を経て第1段のオプティカル・インテグレータ(ユニフォマイザ、又はホモジナイザ)としての第1フライアイレンズ86に入射する。この第1フライアイレンズ86から射出された露光光ILは、第1レンズ系87a、光路折り曲げ用のミラー88、及び第2レンズ系87bを介して第2段のオプティカル・インテグレータとしての第2フライアイレンズ89に入射する。
【0094】
第2フライアイレンズ89の射出面、即ち露光対象のレチクルRのパターン面に対する光学的なフーリエ変換面(照明系の瞳面)には開口絞り板90が、駆動モータ90eによって回転自在に配置されている。開口絞り板90には、通常照明用の円形の開口絞り90a、輪帯照明用の開口絞り90b、及び複数(例えば4極)の偏心した小開口よりなる変形照明用の開口絞り(不図示)や小さいコヒーレンスファクタ(σ値)用の小円形の開口絞り(不図示)等が切り換え自在に配置されている。露光装置の全体の動作を統括制御する主制御系103が駆動モータ90eを介して開口絞り板90を回転させて、照明条件を設定する。
【0095】
尚、変形照明(輪帯照明、4極照明等)を行うときに、露光光ILの利用効率を高めて高い照度(パルスエネルギー)を得るには、露光光ILが第2フライアイレンズ89に入射する段階で、露光光ILの断面形状をほぼ輪帯形状に整形しておくことが望ましい。このためには、第1フライアイレンズ86を例えば多数の位相型の回折格子の集合体よりなる回折光学格子(Diffractive Optical Element:DOE)で置き換えればよい。また、照明条件切り換え系は上記の構成に限られるものではなく、開口絞り板90に組み合わせて又は単独で円錐プリズム(アキシコン)及び/又はズーム光学系と、回折光学素子とを用いるようにしても良い。尚、第2段のオプティカル・インテグレータとして内面反射型インテグレータ(ロッドインテグレータ等)を用いる場合には、例えばDOE、円錐プリズム、又は多面体プリズム等を用いて、照明系の光軸IAXに関して露光光ILを傾けて内面反射型インテグレータに入射させるとともに、照明条件に応じてその入射面での露光光ILの入射角度範囲を変更することが望ましい。
【0096】
図10において、第2フライアイレンズ89から射出されて通常照明用の開口絞り90aを通過した露光光ILは、光軸IAXに沿ってレンズ系91,92を順次経て、固定ブラインド(固定照明視野絞り)93a及び可動ブラインド(可動照明視野絞り)93bに入射する。固定ブラインド93aは、例えば特開平4−196513号公報及び対応する米国特許題5,473,410号に開示されているように、後述する投影光学系PLの円形視野内の中央で走査露光方向と直交した方向に直線スリット状、又は矩形状(以下、まとめて「スリット状」という)に伸びるように配置された開口部を有する。
【0097】
可動ブラインド93bは、ウェハW上の各ショット領域への走査露光の開始時及び終了時に不要な露光を防止するために、照明視野領域の走査方向の幅を可変とするために使用される。また、走査方向と直交した方向(非走査方向)に関してレチクルRのバターン領域のサイズを可変するために使用される。固定ブラインド93a及び可動ブラインド93bは、レチクルRのパターンが形成されている面(以下、レチクル面という)に対する共役面に設置されている。
【0098】
露光時に固定ブラインド93a及び可動ブラインド93bを通過した露光光ILは、光路折り曲げ用のミラー94、結像用のレンズ系95、コンデンサレンズ96、及び主コンデンサレンズ系97を介して、マスクとしてのレチクルRのパターン面(下面)の照明領域(照明視野領域)IRを照明する。
【0099】
露光光ILのもとで、レチクルRの照明領域IR内の回路パターンの像が両側テレセントリックな投影光学系PLを介して所定の投影倍率β(βは例えば1/4又は1/5等)で、投影光学系PLの結像面に配置された基板としてのウェハW上のフォトレジスト層のスリット状の露光領域IWに転写される。本実施形態の投影光学系PLは、ジオプトリック系(屈折系)であるが、カタジオプトリック系(反射屈折系)や反射系も使用できることはいうまでもない。
【0100】
また、レチクルRは、マスクステージとしてのレチクルステージ98上に吸着保持され、レチクルステージ98は、レチクルベース99上でY方向に等速移動できると共に、X方向、Y方向、回転方向に傾斜できるように載置されている。レチクルステージ98の一端には移動鏡100が取り付けられており、移動鏡100の鏡面に対面してレーザ干渉計101が設けられている。このレーザ干渉計101によってレチクルステージ98(レチクルR)の2次元的な位置及び回転角がリアルタイムに計測されている。このレーザ干渉計101の計測結果及び主制御系103からの制御情報に基づいて、駆動制御ユニット102がレチクルステージ98の走査速度、及び位置の制御を行う。
【0101】
一方、ウェハWは、ウェハホルダ104を介して基板ステージとしてのウェハステージ105上に吸着保持され、ウェハステージ105は、ウェハベース106上で投影光学系PLの像面と平行なXY平面に沿って2次元移動する。即ち、ウェハステージ105は、ウェハベース106上でY方向に一定速度で移動すると共に、X方向、Y方向にステップ移動する。更に、ウェハステージ105には、ウェハWのZ方向の位置(フォーカス位置)、並びにX軸及びY軸の回りの傾斜角を制御するZレベリング機構も組み込まれている。
【0102】
また、図示は省略しているが、投影光学系PLの側面に、ウェハWの表面(ウェハ面)の複数の計測点に斜めにスリット像を投影する投射光学系と、そのウェハ面からの反射光を受光してそれらの複数の計測点のフォーカス位置に対応するフォ−カス信号を生成する受光光学系とからなる多点のオートフォーカスセンサも設けられており、それらのフォ−カス信号が主制御系103中の合焦制御部に供給されている。走査露光時には、主制御系103中の合焦制御部は、それらのフォーカス信号(フォーカス位置)の情報に基づいてオートフォーカス方式でウェハステージ105中のZレベリング機構を連続的に駆動する。これによって、ウェハWの表面が投影光学系PLの像面に合焦される。
【0103】
ウェハステージ105の一端には移動鏡107が取り付けられており、移動鏡107の鏡面に対面してレーザ干渉計108が設けられている。このレーザ干渉計108によってウェハステージ105のX方向、Y方向の位置、及びX軸、Y軸、Z軸の回りの回転角がリアルタイムに計測されている。レーザ干渉計108の計測結果及び主制御系103からの制御情報に基づいて、駆動制御ユニット109がウェハステージ105の走査速度、及び位置の制御を行う。尚、図10中のウェハステージ105は、図8及び図9に示したステージ装置64に相当するものであり、駆動制御ユニット109内に図8に示した制御コントローラ60、位置検出部63a,63b、電流増幅部61a〜61c、及びスイッチ部62a〜62cが設けられている。また、移動鏡107は図9に示した移動鏡72,73に相当し、レーザ干渉計108は図8に示したレーザ干渉計74,75に相当する。
【0104】
主制御系103は、レチクルステージ98及びウェハステージ105のそれぞれの移動位置、移動速度、移動加速度、位置オフセット等の各種情報を駆動制御ユニット102,109に送る。これに応じて、レチクルステージ98を介して露光光ILの照明領域IRに対してレチクルRが+Y方向(又は−Y方向)に速度Vrで走査されるのに同期して、ウェハステージ105を介してレチクルRのパターン像の露光領域IWに対してウェハWが−Y方向(又は+Y方向)に速度β・Vr(βはレチクルRからウェハWへの投影倍率)で走査される。この際の走査露光の開始時及び終了時に不要な部分への露光を防止するために、可動ブラインド93bの開閉動作が制御される。レチクルRとウェハWとの移動方向が逆であるのは、本実施形態の投影光学系PLが反転投影を行うためである。
【0105】
次に、以上説明した構成の露光装置の露光時の動作について簡単に説明する。露光動作が開始されると、主制御系103から駆動制御ユニット102,109へ制御信号が出力され、駆動制御ユニット102,109はレチクルステージ98及びウェハステージ105の加速度を上昇させる。駆動制御ユニット109は、主制御系103から出力される制御信号(目標位置信号)とレーザ干渉計108から出力される検出信号とに基づいてウェハステージ105を加速してウェハWの露光すべきショット領域を露光開始位置へ移動させる。このとき、レチクルステージ98又はウェハステージ105の移動に合わせて前述した反力処理を行う。尚、レチクルステージ98についてもウェハステージ105と同様に加速動作が行われる。
【0106】
加速期間が終了して、ウェハステージ105及びレチクルステージ98各々の速度が一定の速度になると、スリット状の照明光をレチクルRに照射しつつ、ウェハステージ105を−Y方向に速度Vw(=β・Vm)で走査移動するとともに、レチクルステージユニットを+Y方向に速度Vmで走査移動しつつ、レチクルに形成されたパターンを、投影光学系PLを介してウェハW上に設定されたショット領域に転写する。1つのショット領域に対してレチクルのパターンの転写が終了すると、ウェハステージ105及びレチクルステージ98を減速させて、レチクルRへの照明光の照射を停止させる。
【0107】
次に、主制御系103は、ウェハステージ105を駆動して、次にパターンを転写するショット領域を投影光学系PLの投影領域(レチクルRのパターンが投影される領域)の近傍(露光開始位置)に移動させる。このときもウェハステージ105の移動に応じて生ずる反力を相殺する反力処理を行う。そして、上述した動作と同様に、ウェハステージ105及びレチクルステージ98を加速して一定速度になった後、照明光をレチクルRに照射して、レチクルのパターンをショット領域に逐次転写する。図11は、パターン転写時における投影領域に対するウェハWの移動経路の一例を示す図である。この図に示すように、ショット領域SAにレチクルRのパターンを転写する際には、ウェハWをY方向(+Y方向又は−Y方向)に沿って一定速度で移動させる。一方、1つのショット領域に対する露光処理が終了し、次に露光処理すべきショット領域の露光開始位置に移るときには、加速及び減速しつつX方向(または、Y方向)にステップ移動する。このような動作を繰り返して、ウェハW上に設定された全てのショット領域に対する露光処理を行う。
【0108】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に制限されず、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上記実施形態では露光光源81として、ArFエキシマレーザ光源の場合を例に挙げて説明したが、これ以外に露光光源81としては、例えばg線(波長436nm)、i線(波長365nm)を射出する超高圧水銀ランプ、又はKrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、Fエキシマレーザ(波長157nm)、Krレーザ(波長146nm)、YAGレーザの高周波発生装置、若しくは半導体レーザの高周波発生装置を用いることができる。
【0109】
更に、光源としてDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイットリビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。例えば、単一波長レーザの発振波長を1.51〜1.59μmの範囲内とすると、発生波長が189〜199nmの範囲内である8倍高調波、又は発生波長が151〜159nmの範囲内である10倍高調波が出力される。
【0110】
特に、発振波長を1.544〜1.553μmの範囲内とすると、発生波長が193〜194nmの範囲内の8倍高調波、即ちArFエキシマレーザ光とほぼ同一波長となる紫外光が得られ、発振波長を1.57〜1.58μmの範囲内とすると、発生波長が157〜158nmの範囲内の10倍高調波、即ちFレ−ザ光とほぼ同一波長となる紫外光が得られる。また、発振波長を1.03〜1.12μmの範囲内とすると、発生波長が147〜160nmの範囲内である7倍高調波が出力され、特に発振波長を1.099〜1.106μmの範囲内とすると、発生波長が157〜158μmの範囲内の7倍高調波、即ちFレーザ光とほぼ同一波長となる紫外光が得られる。この場合、単一波長発振レーザとしては例えばイットリビウム・ドープ・ファイバーレーザを用いることができる。
【0111】
また、本発明は半導体素子の製造に用いられる露光装置だけではなく、液晶表示素子(LCD)等を含むディスプレイの製造に用いられてデバイスパターンをガラスプレート上へ転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられてデバイスパターンをセラミックウェハ上へ転写する露光装置、及びCCD等の撮像素子の製造に用いられる露光装置等にも適用することができる。更には、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウェハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(遠紫外)光やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、蛍石、フッ化マグネシウム、又は水晶などが用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置、又は電子線露光装置などでは透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウェハなどが用いられる。
【0112】
また、本発明に係るリニアモータ装置は、ウェハステージのみならずレチクルステージにも適用することができる。この場合、レチクルの走査方向(y方向)駆動用の長ストロークのリニアモータ装置と、走査方向と直交する方向(x方向)駆動用の短ストロークのリニアモータ装置とをそれぞれ個別に設ける必要はなく、装置構成を簡略化することができ、コストを低減することができる。更に、本発明に係るリニアモータ装置は露光装置以外にも物体を載置した状態で移動させる(1次元的な移動又は2次元的な移動に制限されない)ステージ装置一般について適用することが可能である。
【0113】
次に、本発明の一実施形態による露光装置及び露光方法をリソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方法の実施形態について説明する。図12は、マイクロデバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートを示す図である。図12に示すように、まず、ステップS10(設計ステップ)において、マイクロデバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップS11(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスク(レチクル)を製作する。一方、ステップS12(ウェハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウェハを製造する。
【0114】
次に、ステップS13(ウェハ処理ステップ)において、ステップS10〜ステップS12で用意したマスクとウェハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウェハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップS14(デバイス組立ステップ)において、ステップS13で処理されたウェハを用いてデバイス組立を行う。このステップS14には、ダイシング工程、ボンティング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。最後に、ステップS15(検査ステップ)において、ステップS14で作製されたマイクロデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にマイクロデバイスが完成し、これが出荷される。
【0115】
図13は、半導体デバイスの場合における、図12のステップS13の詳細なフローの一例を示す図である。図13において、ステップS21(酸化ステップ)においてはウェハの表面を酸化させる。ステップS22(CVDステップ)においてはウェハ表面に絶縁膜を形成する。ステップS23(電極形成ステップ)においてはウェハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップS24(イオン打込みステップ)においてはウェハにイオンを打ち込む。以上のステップS21〜ステップS24のそれぞれは、ウェハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
【0116】
ウェハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ25(レジスト形成ステップ)において、ウェハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップ26(露光ステップ)において、上で説明したリソグラフィシステム(露光装置)及び露光方法によってマスクの回路パターンをウェハに転写する。次に、ステップ27(現像ステップ)においては露光されたウェハを現像し、ステップ28(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップ29(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウェハ上に多重に回路パターンが形成される。
【0117】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、第1部分(第1方向に直交する方向に延びた電流経路)と、第1部分と連続する第2部分(第2方向に直交する方向に延びた電流経路)とを有するコイルを第1方向に沿って複数配列した磁石列をコイルユニットに設けるとともに、コイルの第1部分に対して磁界を発生する第1磁石列と、コイルの第2部分に対して磁界を発生する第2磁石列とを磁石ユニットに設けたため、リニアモータ装置単体で第1方向及び第2方向の両方向に対して推力を発生させることができるという効果がある。
このため、リニアモータ装置の動作に伴って生ずる反力を処理するための反力処理用のモータをリニアモータ装置と別個に設ける必要がなくなり、コスト低減を図ることができるとともに、同期精度及びスループットの向上を図ることができるという効果がある。
また、第2磁石列を構成する各々の磁石の第1方向に沿った方向の長さをコイルの第2部分の長さの少なくとも2倍の長さにしたため、コイルに供給する電流の切替時においても第2方向に一定の推力を発生させることができるという効果がある。
また、本発明によれば、第1部分(第1方向に直交する方向に延びた電流経路)を有する第1コイルを第1方向に沿って複数配列したコイル列と、第1コイルとは異なるコイルであって第2部分(第2方向に直交する方向に延びた電流経路)を有する第2コイルとをコイルユニットに設けるとともに、コイル列に含まれる第1コイルの第1部分に対して磁界を発生する第1磁石列と、第2コイルの第2部部に対して磁界を発生する第2磁石列とを磁石ユニットに設けたため、リニアモータ装置単体で第1方向及び第2方向の両方向に対して推力を発生させることができるという効果がある。
このため、リニアモータ装置の動作に伴って生ずる反力を処理するための反力処理用のモータをリニアモータ装置と別個に設ける必要がなくなり、コスト低減を図ることができるとともに、同期精度及びスループットの向上を図ることができるという効果がある。
また、本発明に係るステージ装置によれば、可動部に対して互いに直交する2方向に対して推力を発生することができるので、一の駆動方向と直交する他の方向に推力が必要な場合でも別個に駆動装置を設ける必要はなく装置構成を簡略化することができるという効果がある。
また、本発明に係る露光装置によれば、基板ステージ又はマスクステージの移動反力処理用のモータや、ステージの長ストローク方向と直交する方向に微動用のモータを別個に設ける必要がなく、コストの低減を図ることができるとともに、最適な反力処理によりスループットを向上することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態によるリニアモータ装置の外観構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示したリニアモータ装置の上面透視図である。
【図3】図1及び図2中のA−A線の断面矢視図である。
【図4】本発明の第1実施形態によるリニアモータ装置が備える各コイル13の結線図である。
【図5】本発明の第1実施形態によるリニアモータ装置を駆動する際の切り替えシーケンスを示す図表である。
【図6】本発明の第2実施形態によるリニアモータ装置の構成を示す図である。
【図7】本発明の第3実施形態によるリニアモータ装置の構成を示す図である。
【図8】本発明の第1実施形態によるリニアモータ装置を備えるステージ装置及びその制御装置を示す図である。
【図9】ステージ装置64の構成例を示す斜視図である。
【図10】露光装置の概略構成を示す図である。
【図11】パターン転写時における投影領域に対するウェハWの移動経路の一例を示す図である。
【図12】マイクロデバイスの製造工程の一例を示すフローチャートである。
【図13】半導体デバイスの場合における、図12のステップS13の詳細なフローの一例を示す図である。
【符号の説明】
10 リニアモータ装置
11 固定子(コイルユニット)
12 可動子(磁石ユニット)
13 コイル
13a 長辺部分(第1部分)
13b 短辺部分(第2部分)
14 コイル列
18 磁石
19 磁石
21 磁石
22 磁石
26,27 磁石列(第1磁石列)
30,31 磁石列(第2磁石列)
40 リニアモータ装置
41 固定子(磁石ユニット)
42 可動子(コイルユニット)
43 磁石
44 磁石列(第1磁石列)
45 磁石
46 磁石列(第2磁石列)
47 コイル(第1コイル)
47a 長辺部分(第1部分)
48 コイル列
49 コイル(第2コイル)
49a 長辺部分(2つの電流経路)
49b 短辺部分(第2部分)
64 ステージ装置
66,67 リニアモータ装置(駆動装置)
68 ウェハステージ(可動部)
98 レチクルステージ(マスクステージ)
105 ウェハステージ(基板ステージ)
R レチクル(マスク)
W ウェハ(物体、感光基板)

Claims (9)

  1. 第1方向と、当該第1方向と交差する第2方向とに沿って推力を発生するリニアモータ装置において、
    前記第1方向に直交する方向に延びた電流経路である第1部分と、前記第1部分と連続し前記第2方向に直交する方向に延びた電流経路である第2部分とを有するコイルを、前記第1方向に沿って複数配列したコイル列を備えたコイルユニットと、
    前記第1方向に沿って配列された複数の磁石を有し前記コイルの前記第1部分に対して磁界を発生する第1磁石列と、前記第2方向に沿って配列された複数の磁石を有し前記第2部分に対して磁界を発生する第2磁石列とを有する磁石ユニットと
    を備えることを特徴とするリニアモータ装置。
  2. 前記第2磁石列を構成する各々の磁石の前記第1方向に沿った方向の長さは、前記コイルの前記第2部分の長さの少なくとも2倍の長さを有することを特徴とする請求項1記載のリニアモータ装置。
  3. 前記第2磁石列は、前記第1磁石列の前記第1方向両端の外側にそれぞれ設けられることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のリニアモータ装置。
  4. 第1方向と、当該第1方向と交差する第2方向とに沿って推力を発生するリニアモータ装置において、
    前記第1方向に直交する方向に延びた電流経路である第1部分を有する第1コイルを前記第1方向に沿って複数配列したコイル列と、前記第1コイルと異なるコイルであって前記第2方向に直交する方向に延びた電流経路である第2部分を有する第2コイルとを備えるコイルユニットと、
    異なる磁極が互いに隣り合う様に前記第1方向に沿って配列された複数の磁石を有し前記コイル列の前記第1部分に対して磁界を発生する第1磁石列と、前記第1方向に沿って延在するとともに前記第2方向に配列された複数の磁石を有し前記第2コイルの前記第2部分に対して磁界を発生する第2磁石列とを備える磁石ユニットと
    を有することを特徴とするリニアモータ装置。
  5. 前記第2コイルは、2つの前記第2部分と、当該2つの前記第2部分に連続し前記第1方向と直交する方向に延びた2つの電流経路とを有し、前記2つの電流経路は前記第1磁石列の有する磁石の同極間距離の整数倍に等しい間隔であることを特徴とする請求項4記載のリニアモータ装置。
  6. 前記第2コイルは、前記第1コイルを有する前記コイル列を前記第1方向に挟んで2つ設けられることを特徴とする請求項4又は請求項5記載のリニアモータ装置。
  7. 前記第2磁石列は、前記第1磁石列を前記第2方向に挟んで2つ設けられることを特徴とする請求項4から請求項6の何れか一項に記載のリニアモータ装置。
  8. 物体を載置して移動可能な可動部と当該可動部を駆動する駆動装置とを有するステージ装置において、
    前記駆動装置として請求項1から請求項7の何れか一項に記載のリニアモータ装置を少なくとも一つ用いることを特徴とするステージ装置。
  9. マスクに形成されたパターンを感光基板に転写する露光装置であって、
    前記マスクを載置するマスクステージと、
    前記感光基板を載置する基板ステージとを備え、
    前記マスクステージ及び前記基板ステージの少なくとも一方として請求項8記載のステージ装置を備えることを特徴とする露光装置。
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