JP2004187391A - 過電圧保護回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】商用交流電源の電圧に応じて倍電圧整流と全波整流に切り替える手段を有する電源回路の平滑コンデンサと負荷に過電圧が印加されないように保護する。
【解決手段】第1の平滑コンデンサ8と第2の平滑コンデンサ12にそれぞれMOSFET9とMOSFET13を直列に接続し、第1の平滑コンデンサ8及び第2の平滑コンデンサ12もしくは負荷17に印加される電圧を過電圧検出・保護回路5で検出し、所定値以上の電圧が印加された場合にMOSFET9とMOSFET13をオフにすることで、第1の平滑コンデンサ8と第2の平滑コンデンサ12を回路から切り離す。
【効果】全波/倍電圧整流の切替方法に左右されずに平滑コンデンサと負荷の破損を確実に防止することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】第1の平滑コンデンサ8と第2の平滑コンデンサ12にそれぞれMOSFET9とMOSFET13を直列に接続し、第1の平滑コンデンサ8及び第2の平滑コンデンサ12もしくは負荷17に印加される電圧を過電圧検出・保護回路5で検出し、所定値以上の電圧が印加された場合にMOSFET9とMOSFET13をオフにすることで、第1の平滑コンデンサ8と第2の平滑コンデンサ12を回路から切り離す。
【効果】全波/倍電圧整流の切替方法に左右されずに平滑コンデンサと負荷の破損を確実に防止することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、100V系と200V系の商用交流電源に対して、それぞれ倍電圧整流と全波整流になるように切り替え、両系の商用交流電源に対して、ほぼ同一値の整流電圧を得るようにした電源回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
商用交流電源(以下の説明においてはAC電源と称す)の電圧値は国際的にみると100V系と200V系があり、機器の輸出入を考慮した場合、多様なAC電源に対しても問題なく使用できることが望ましい。
【0003】
これを満足させるため、100V系では倍電圧整流方式、200V系では全波整流方式に切り替えて、整流電圧を両系でほぼ一定にする方法がごく一般的に使用される。
【0004】
倍電圧整流と全波整流を切り替える手段としては、手動スイッチをオン/オフする方法や、リレーや半導体スイッチを入力電圧に応じて自動的にオン/オフする方法がある。この従来方式の回路動作について図12を用いて説明する。
【0005】
図12は倍電圧整流と全波整流の切替手段を持つ従来回路の要部を示したもので、整流ダイオードブリッジ3、第1の平滑コンデンサ8、第2の平滑コンデンサ12、全波/倍電圧整流切替回路(以下の説明においては切替回路と称す)4、AC電源入力端2a及び2b、+整流電圧出力端2c、−整流電圧出力端2dにより交流直流変換回路2が構成される。これにAC電源1と負荷17が接続される。
【0006】
整流ダイオードブリッジ3は入力端子3b及び3cと、+出力端子3a、−出力端子3dから構成され、+出力端子3aを+直流高圧ライン14で第1の平滑コンデンサ8の+極と+整流電圧出力端2cに接続し、−出力端子3dを−直流高圧ライン16で第2の平滑コンデンサ12の−極と−整流電圧出力端2dに接続され、第1の平滑コンデンサ8と第2の平滑コンデンサ12は直列に接続され、切替回路4が第1の平滑コンデンサ8と第2の平滑コンデンサ12の接続中点とAC電源入力端2bの間に中線15で接続される。
【0007】
ここで切替回路4は、切替スイッチ4a、駆動回路4b、入力電圧検出回路4cから構成される。整流方式が自動切替の場合、切替スイッチ4aとしてリレーまたはトライアックなどの半導体スイッチが用いられ、切替回路全体としては専用ICとそれに付随する部品などで構成される。また、整流方式が手動切替の場合は、切替回路4は切替えスイッチ4aのみで構成されることになる。本発明では切替回路4の方式については特に言及しない。
【0008】
今、AC電源1が100V系であった場合には、手動もしくは入力電圧検出回路4c及び駆動回路4bにより切替スイッチ4aがオン状態に保持され、AC電源1の正の半サイクル期間に第1の平滑コンデンサ8を充電し、次にAC電源1の負の半サイクル期間に第2の平滑コンデンサ12を充電する。これにより+整流電圧出力端2cと−整流電圧出力端2dから、倍電圧整流された電圧が負荷17に供給されることになる。
【0009】
一方AC電源1が200V系であった場合には、手動もしくは入力電圧検出回路4c及び駆動回路4bにより切替スイッチ4aがオフ状態に保持され、AC電源1の正の半サイクル期間と負の半サイクル期間で直列に接続された第1の平滑コンデンサ8と第2の平滑コンデンサ12を充電する。これにより+整流電圧出力端2cと−整流電圧出力端2dから、全波整流された電圧が負荷17に供給されることになる。
【0010】
しかしながら図12に示した従来の回路においては、AC電源1が200V系であったときに交流直流変換回路2が倍電圧整流状態から全波整流状態に切り替えられなかった場合の対策が行われていないという不都合があった。
【0011】
なお、この種の不具合を可決する手段として、特開2000−316280号公報(下記の特許文献1)があるが、これは全波/倍電圧整流を自動で切り替える方法に限定されたものである。
【0012】
【特許文献1】
特開2000−316280号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術では全波/倍電圧整流の切り替えを手動で行った場合に起こり得る切替スイッチ4aの誤操作や、自動で行った場合に起こり得る入力電圧検出回路4cの誤動作及び切替スイッチ4aの故障(半導体スイッチの場合のショートやリレー等の接点熔着等が考えられる)等により、倍電圧整流状態のまま200V系のAC電源1が供給された場合、第1の平滑コンデンサ8及び第2の平滑コンデンサ12並びに負荷17に過電圧が印加されることになり、これらの破損が懸念される。特に第1の平滑コンデンサ8及び第2の平滑コンデンサ12においては、防爆弁作動による音、煙及び異臭の発生を伴うため、使用者に与える不安が大きいことが問題となる。
【0014】
本発明の目的は、全波/倍電圧整流の切替方法に左右されずに、第1の平滑コンデンサ8及び第2の平滑コンデンサ12に印加される過電圧を防止し、使用者に不安を与えないようにする技術を提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、全波/倍電圧整流の切替方法に左右されずに、交流直流変換回路2及びこれに接続される負荷17の破損を確実に防止する技術を提供することにある。
【0016】
本発明のさらなる他の目的は、全波/倍電圧整流の切替方法に左右されずに、交流直流変換回路2及びこれに接続される負荷17の破損を確実に防止するとともに、切替スイッチ4aが設定されている状態もしくは接続されるAC電源1の状態が異常であることを使用者に知らしめる技術を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の回路は、AC電源1の電圧に応じて整流手段を全波整流状態と倍電圧整流状態に手動もしくは自動で切り替えを行う切替スイッチを有する電源回路において、第1の平滑コンデンサ8及び第2の平滑コンデンサ12もしくは負荷17に印加される電圧を監視する検出手段と、この検出手段により過電圧が検出された時に第1の平滑コンデンサ8及び第2の平滑コンデンサ12を回路から切り離し、異常電圧が入力されないように保護する手段を具備したものである。
【0018】
上記他の目的を達成するために、本発明の回路は、過電圧が検出された時に前記第1の平滑コンデンサ8及び第2の平滑コンデンサ12を回路から切り離し、異常電圧が入力されないように保護する手段に保持回路を付加し、過電圧の原因を解除するまで全波整流状態を保持することで、第1の平滑コンデンサ8、第2の平滑コンデンサ12及び負荷17を過電圧から保護する手段を具備したものである。
【0019】
上記さらなる他の目的を達成するために、本発明の回路は、前記第1の平滑コンデンサ8及び第2の平滑コンデンサ12を回路から切り離し保持する手段に同期して、異常信号を出力する手段を具備したものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお図12と同一の部分には同一の符号を付与して詳細な説明は省略する。
【0021】
図1は本発明による電源回路構成の要部を示したブロック図で、第1の平滑コンデンサ8の−極と中線15の間にMOSFET9が直列に接続され、+直流高圧ライン14と中線15間に直列に接続された抵抗6と抵抗7の接続点とMOSFET9のゲート端子が接続されている。また、第2の平滑コンデンサ12の−極と−直流高圧ライン16の間にMOSFET13が直列に接続され、中線15と−直流高圧ライン16間に直列に接続された抵抗10と抵抗11の接続点とMOSFET13のゲート端子が接続されている。さらに、過電圧検出・保護回路5は端子5aで+直流高圧ライン14、端子5cで中線15、端子5eで−直流高圧ライン16、端子5bでMOSFET9のゲート端子、端子5dでMOSFET13のゲート端子にそれぞれ接続されている。
【0022】
ここで過電圧検出・保護回路5は図2に示すように、第1の平滑コンデンサ8用として、端子5aと端子5c間に接続されたツェナーダイオード20H、抵抗21H、抵抗22Hと、端子5bと端子5c間及び抵抗21Hと抵抗22Hの接続点に接続されたトランジスタ23Hで構成されている。また、第2の平滑コンデンサ12用として端子5cと端子5e間に接続されたツェナーダイオード20L、抵抗21L、抵抗22Lと、端子5dと端子5e間及び抵抗21Lと抵抗22Lの接続点に接続されたトランジスタ23Lで構成されている。
【0023】
今、AC電源1が入力されると、抵抗6と抵抗7で分圧された電圧によりMOSFET9がオンになり、また抵抗10と抵抗11で分圧された電圧によりMOSFET13がオンになる。これにより第1の平滑コンデンサ8と第2の平滑コンデンサ12が交流直流変換回路2に完全に接続された状態となり、端子2c及び端子2dより安定化した直流電圧を負荷17に出力する。このときの直流電圧は以下の条件により、約280〜340VDCとなり、第1の平滑コンデンサ8と第2の平滑コンデンサ12には、この半分の電圧がそれぞれ印加されることになる。
・倍電圧整流時:(AC電源1の電圧値)×√2×2
AC電源1=100V系(100V〜120VAC)
・全波整流時 :(入力電源1の電圧値)×√2
AC電源1=200V系(200V〜240VAC)
今、切替スイッチ4aが閉じられたままAC電圧1として200V系が入力されるという異常状態が生じると、直流出力電圧は前述の2倍になり、第1の平滑コンデンサ8と第2の平滑コンデンサ12に印加される電圧も同じく2倍になる。一般に平滑コンデンサには、AC電源1の偏差約10%を考慮して200V定格電圧品が使われるため、この異常状態では第1の平滑コンデンサ8と第2の平滑コンデンサ12それぞれに約280〜340VDCの電圧が印加され、定格電圧を完全にオーバーすることになる。
【0024】
このため、図2に示した過電圧検出・保護回路5によって、第1の平滑コンデンサ8と第2の平滑コンデンサ12に印加される電圧を検出し、定格電圧を超えないように構成されている。
【0025】
したがって第1の平滑コンデンサ8に印加される電圧が異常である場合に、ツェナーダイオード20Hと抵抗21Hによりトランジスタ23Hのベース端子にバイアス電流が流れ、トランジスタ23Hはオンになる。これにより、MOSFET9のゲート−ソース間電圧が低下しMOSFET9がオフになるため、第1の平滑コンデンサ8が回路から切り離された状態となり、第1の平滑コンデンサ8にはある一定値以上の電圧は印加されない。
【0026】
同じように第2の平滑コンデンサ12に印加される電圧が異常である場合には、ツェナーダイオード20Lと抵抗21Lによるバイアス電流でトランジスタ23Lがオンになり、これによってMOSFET13がオフし第2の平滑コンデンサ12は回路から切り離された状態になる。
【0027】
しかしながらこの回路構成で過電圧保護が動作したときに負荷17に出力される直流電圧は、図5−(2)に示すような波形(一例として検出電圧を190Vとした時のもの)となり、負荷17に対しては過電圧が印加された状態になる。図3は図2で構成された過電圧検出・保護回路5に対し、第1の平滑コンデンサ8と第2の平滑コンデンサ12に加え、負荷17に過電圧が印加されないように構成されたもので、第1の平滑コンデンサ8用として端子5aと端子5cの間に抵抗30H、ツェナーダイオード31H及びコンデンサ32Hによる降圧電源回路と、抵抗33H、抵抗34H、抵抗36H及びシャントレギュレータ37Hによる電圧検出回路と、抵抗35H、抵抗38H、抵抗41H、抵抗42H、トランジスタ39H、トランジスタ40Hによるサイリスタ回路を構成し、さらに端子5bとトランジスタ39Hのコレクタ端子の間にダイオード43Hが接続される。
【0028】
同様に第2の平滑コンデンサ12用として端子5cと端子5eの間に抵抗30L、ツェナーダイオード31L及びコンデンサ32Lによる降圧電源回路と、抵抗33L、抵抗34L、抵抗36L及びシャントレギュレータ37Lによる電圧検出回路と、抵抗35L、抵抗38L、抵抗41L、抵抗42L、トランジスタ39L、トランジスタ40Lによるサイリスタ回路を構成し、さらに端子5dとトランジスタ39Lのコレクタ端子の間にダイオード43Lが接続される。
【0029】
第1の平滑コンデンサ8に印加される電圧が異常である場合に、抵抗33Hと抵抗34Hによりシャントレギュレータ37Hがオンになり、トランジスタ40Hのベース端子にバイアス電流が流れ、トランジスタ40Hはオンになる。これにより、トランジスタ39Hのベース端子に抵抗41Hを介してバイアス電流が流れ込み、トランジスタ39Hはオンになる。トランジスタ39Hのコレクタ端子はダイオード43Hと端子5bを介してMOSFET9のゲート端子に接続されているため、MOSFET9のゲート−ソース間電圧が低下しMOSFET9がオフになり、第1の平滑コンデンサ8が回路から切り離された状態となる。ここで第1の平滑コンデンサに印加される電圧が低下してシャントレギュレータ37Hがオフになっても、トランジスタ39Hとトランジスタ40Hがお互いにバイアスし続けるため、第1の平滑コンデンサ8は回路から切り離された状態を保持し、AC電源1を一度切り離すまでは第1の平滑コンデンサ8には電圧が印加されない。
【0030】
同じように第2の平滑コンデンサ12に印加される電圧が異常である場合に、抵抗33Lと抵抗34Lによりシャントレギュレータ37Lがオンになり、トランジスタ40Lのベース端子にバイアス電流が流れ、トランジスタ40Lはオンになる。これにより、トランジスタ39Lのベース端子に抵抗41Lを介してバイアス電流が流れ込み、トランジスタ39Lはオンになる。トランジスタ39Lのコレクタ端子はダイオード43Lと端子5dを介してMOSFET13のゲート端子に接続されているため、MOSFET13のゲート−ソース間電圧が低下しMOSFET13がオフになり、第2の平滑コンデンサ12が回路から切り離された状態となる。ここで第2の平滑コンデンサに印加される電圧が低下してシャントレギュレータ37Lがオフになっても、トランジスタ39Lとトランジスタ40Lがお互いにバイアスし続けるため、第2の平滑コンデンサ12は回路から切り離された状態を保持し、AC電源1を一度切り離すまでは第2の平滑コンデンサ12には電圧が印加されない。
【0031】
このため、この回路構成で過電圧保護が動作したときに負荷17に出力される直流電圧は、図5−(3)に示すような波形となり、負荷17に対しては過電圧は印加されずに平滑されない直流電圧(全波整流電圧)が印加された状態になる。これにより負荷17に相当する装置は、一般的に動作停止状態になるため、第1の平滑コンデンサ8と第2の平滑コンデンサ12及び負荷17を破損させることなく保護することが可能になる。
【0032】
図4は図3で構成された過電圧検出・保護回路5に対し、負荷17に印加される電圧で過電圧を検出するようにしたもので、端子5aと端子5eの間に抵抗50、ツェナーダイオード51及びコンデンサ52による降圧電源回路と、抵抗53、抵抗54、抵抗56及びシャントレギュレータ57による電圧検出回路と、抵抗55、抵抗58、抵抗63、抵抗64、トランジスタ61、トランジスタ62によるサイリスタ回路を構成し、抵抗58とトランジスタ61のコレクタ端子の間にフォトカプラ59のLED側とフォトカプラ60のLED側が直列に接続される。さらに端子5bと端子5cにはフォトカプラ59のトランジスタ側が接続され、また端子5dと端子5eにはフォトカプラ60のトランジスタ側が接続される。
【0033】
負荷17に印加される電圧が異常である場合に、抵抗53と抵抗54によりシャントレギュレータ57がオンになり、トランジスタ62のベース端子にバイアス電流が流れ、トランジスタ62はオンになる。これにより、トランジスタ61のベース端子に抵抗63を介してバイアス電流が流れ込み、トランジスタ61はオンになりフォトカプラ59及びフォトカプラ60のLEDが点灯し、フォトカプラ59及びフォトカプラ60のトランジスタ側が同時にオンになる。フォトカプラ59及びフォトカプラ60のトランジスタ側は端子5b、端子5c、端子5d、端子5eを介してそれぞれMOSFET9とMOSFET13のゲート−ソース端子間に接続されているため、MOSFET9とMOSFET13のゲート−ソース間電圧が低下しオフになる。これにより第1の平滑コンデンサ8及び第2の平滑コンデンサ12が同時に回路から切り離された状態となる。ここで負荷17に印加される電圧が低下してシャントレギュレータ57がオフになっても、トランジスタ62とトランジスタ61がお互いにバイアスし続けるため、フォトカプラ59とフォトカプラ60はオン状態を保持し、これにより第1の平滑コンデンサ8及び第2の平滑コンデンサ12は回路から切り離された状態を保持し、AC電源1を一度切り離すまでは電圧が印加されない。
【0034】
このため、この回路構成で過電圧保護が動作したときに負荷17に出力される直流電圧は、図3の回路構成の場合と同様に、図5−(3)に示すような波形となり、負荷17に対しては過電圧は印加されずに平滑されない直流電圧(全波整流電圧)が印加された状態になる。これにより負荷17に相当する装置は、一般的に動作停止状態になるため、第1の平滑コンデンサ8と第2の平滑コンデンサ12及び負荷17を破損させることなく保護することが可能になる。
【0035】
図6は本発明の一実施例を示したもので、図1における負荷17としてDCDCコンバータ80が接続されて直流安定化電源90を構成する。また直流安定化電源90は出力端子90a、出力端子90c及び信号端子90bでシステム装置100に接続され、信号端子90bからはシステム装置100内の異常通知手段200に端子200aで接続される。
【0036】
図6内の過電圧検出・保護手段5は図7に示すように構成され、図4の回路構成のフォトカプラ60とトランジスタ61のコレクタ端子の間にフォトカプラ70のLED側が接続される。またフォトカプラ70のトランジスタ側はDCDCコンバータ80の信号端子90bと出力端子90cの間に接続される。
【0037】
また、図6内の異常通知手段200は図8に示すようなスピーカ200cや図9に示すような抵抗200eとLED200dで構成される。
【0038】
図4で説明した通り、DCDCコンバータ80に印加される電圧が異常であった場合フォトカプラ59及びフォトカプラ60はオン状態を保持するため、第1の平滑コンデンサ8及び第2の平滑コンデンサ12は回路から切り離された状態が保持され、第1の平滑コンデンサ8と第2の平滑コンデンサ12及びDCDCコンバータ80を破損させることなく保護することが可能になる。
【0039】
さらにフォトカプラ70もフォトカプラ59及びフォトカプラ60と同期してオン状態が保持されるため、異常通知手段200に異常信号VALMが出力され、スピーカ200cによるビープ音や、LED200dによる点灯表示により、異常を知らせることが可能になる。
【0040】
図10は図6〜図9に示す構成を、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置に採用した場合の一例をより具体的に示したものであり、図6のシステム装置100として本体装置100aと表示装置100bとで構成され、直流安定化電源90は本体装置100aに内蔵される。過電圧を検出すると前述の一連の動作により、本体装置100aにあるスピーカ200cやLED200dによって、異常であることを使用者に通知すること可能となる。また、信号ケーブル100cを介して表示装置100bにあるスピーカ200cやLED200dによって、異常であることを使用者に通知することも可能となる。
【0041】
図11は本発明における一連の流れをフローチャートで示したものである。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、商用交流電源の電圧に応じて倍電圧整流と全波整流に切り替える手段を有する電源回路において、平滑コンデンサに印加される電圧や整流電圧を検出する手段によって、平滑コンデンサを回路から切り離す手段を設けたため、平滑コンデンサや負荷を過電圧から確実に保護することができる。
【0043】
また、本発明の整流回路の負荷としてDCDCコンバータを使用して直流安定化電源装置を構成し、異常通知手段を設けて例えばパーソナルコンピュータなどに内蔵することで、回路の保護をするとともに使用者に対して確実に異常であることを通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示す電源回路図である。
【図2】図1に示した過電圧検出・保護回路の詳細を示す回路図である。
【図3】図1に示した過電圧検出・保護回路の詳細を示す他の回路図である。
【図4】図1に示した過電圧検出・保護回路の詳細を示すさらに他の回路図である。
【図5】図1〜図4に示した回路における電圧波形図である。
【図6】本発明による直流安定化電源の構成を示すブロック図である。
【図7】図6に示した過電圧検出・保護回路の詳細を示す回路図である。
【図8】図6に示した異常通知手段の詳細を示す回路図である。
【図9】図6に示した異常通知手段の詳細を示す他の回路図である。
【図10】本発明の実施例を示したシステム装置の外観図である。
【図11】本発明の一連の動作を示したフローチャート図である。
【図12】従来技術の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1…AC電源、2…交流直流変換回路、3…整流ダイオードブリッジ、4…切替回路、5…過電圧検出・保護回路、8…第1の平滑コンデンサ、9…MOSFET、12…第2の平滑コンデンサ、13…MOSFET、17…負荷、80…DCDCコンバータ、90…直流安定化電源、100…システム装置、100a…装置本体、100b…表示装置、200…異常通知手段。
【発明の属する技術分野】
本発明は、100V系と200V系の商用交流電源に対して、それぞれ倍電圧整流と全波整流になるように切り替え、両系の商用交流電源に対して、ほぼ同一値の整流電圧を得るようにした電源回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
商用交流電源(以下の説明においてはAC電源と称す)の電圧値は国際的にみると100V系と200V系があり、機器の輸出入を考慮した場合、多様なAC電源に対しても問題なく使用できることが望ましい。
【0003】
これを満足させるため、100V系では倍電圧整流方式、200V系では全波整流方式に切り替えて、整流電圧を両系でほぼ一定にする方法がごく一般的に使用される。
【0004】
倍電圧整流と全波整流を切り替える手段としては、手動スイッチをオン/オフする方法や、リレーや半導体スイッチを入力電圧に応じて自動的にオン/オフする方法がある。この従来方式の回路動作について図12を用いて説明する。
【0005】
図12は倍電圧整流と全波整流の切替手段を持つ従来回路の要部を示したもので、整流ダイオードブリッジ3、第1の平滑コンデンサ8、第2の平滑コンデンサ12、全波/倍電圧整流切替回路(以下の説明においては切替回路と称す)4、AC電源入力端2a及び2b、+整流電圧出力端2c、−整流電圧出力端2dにより交流直流変換回路2が構成される。これにAC電源1と負荷17が接続される。
【0006】
整流ダイオードブリッジ3は入力端子3b及び3cと、+出力端子3a、−出力端子3dから構成され、+出力端子3aを+直流高圧ライン14で第1の平滑コンデンサ8の+極と+整流電圧出力端2cに接続し、−出力端子3dを−直流高圧ライン16で第2の平滑コンデンサ12の−極と−整流電圧出力端2dに接続され、第1の平滑コンデンサ8と第2の平滑コンデンサ12は直列に接続され、切替回路4が第1の平滑コンデンサ8と第2の平滑コンデンサ12の接続中点とAC電源入力端2bの間に中線15で接続される。
【0007】
ここで切替回路4は、切替スイッチ4a、駆動回路4b、入力電圧検出回路4cから構成される。整流方式が自動切替の場合、切替スイッチ4aとしてリレーまたはトライアックなどの半導体スイッチが用いられ、切替回路全体としては専用ICとそれに付随する部品などで構成される。また、整流方式が手動切替の場合は、切替回路4は切替えスイッチ4aのみで構成されることになる。本発明では切替回路4の方式については特に言及しない。
【0008】
今、AC電源1が100V系であった場合には、手動もしくは入力電圧検出回路4c及び駆動回路4bにより切替スイッチ4aがオン状態に保持され、AC電源1の正の半サイクル期間に第1の平滑コンデンサ8を充電し、次にAC電源1の負の半サイクル期間に第2の平滑コンデンサ12を充電する。これにより+整流電圧出力端2cと−整流電圧出力端2dから、倍電圧整流された電圧が負荷17に供給されることになる。
【0009】
一方AC電源1が200V系であった場合には、手動もしくは入力電圧検出回路4c及び駆動回路4bにより切替スイッチ4aがオフ状態に保持され、AC電源1の正の半サイクル期間と負の半サイクル期間で直列に接続された第1の平滑コンデンサ8と第2の平滑コンデンサ12を充電する。これにより+整流電圧出力端2cと−整流電圧出力端2dから、全波整流された電圧が負荷17に供給されることになる。
【0010】
しかしながら図12に示した従来の回路においては、AC電源1が200V系であったときに交流直流変換回路2が倍電圧整流状態から全波整流状態に切り替えられなかった場合の対策が行われていないという不都合があった。
【0011】
なお、この種の不具合を可決する手段として、特開2000−316280号公報(下記の特許文献1)があるが、これは全波/倍電圧整流を自動で切り替える方法に限定されたものである。
【0012】
【特許文献1】
特開2000−316280号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術では全波/倍電圧整流の切り替えを手動で行った場合に起こり得る切替スイッチ4aの誤操作や、自動で行った場合に起こり得る入力電圧検出回路4cの誤動作及び切替スイッチ4aの故障(半導体スイッチの場合のショートやリレー等の接点熔着等が考えられる)等により、倍電圧整流状態のまま200V系のAC電源1が供給された場合、第1の平滑コンデンサ8及び第2の平滑コンデンサ12並びに負荷17に過電圧が印加されることになり、これらの破損が懸念される。特に第1の平滑コンデンサ8及び第2の平滑コンデンサ12においては、防爆弁作動による音、煙及び異臭の発生を伴うため、使用者に与える不安が大きいことが問題となる。
【0014】
本発明の目的は、全波/倍電圧整流の切替方法に左右されずに、第1の平滑コンデンサ8及び第2の平滑コンデンサ12に印加される過電圧を防止し、使用者に不安を与えないようにする技術を提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、全波/倍電圧整流の切替方法に左右されずに、交流直流変換回路2及びこれに接続される負荷17の破損を確実に防止する技術を提供することにある。
【0016】
本発明のさらなる他の目的は、全波/倍電圧整流の切替方法に左右されずに、交流直流変換回路2及びこれに接続される負荷17の破損を確実に防止するとともに、切替スイッチ4aが設定されている状態もしくは接続されるAC電源1の状態が異常であることを使用者に知らしめる技術を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の回路は、AC電源1の電圧に応じて整流手段を全波整流状態と倍電圧整流状態に手動もしくは自動で切り替えを行う切替スイッチを有する電源回路において、第1の平滑コンデンサ8及び第2の平滑コンデンサ12もしくは負荷17に印加される電圧を監視する検出手段と、この検出手段により過電圧が検出された時に第1の平滑コンデンサ8及び第2の平滑コンデンサ12を回路から切り離し、異常電圧が入力されないように保護する手段を具備したものである。
【0018】
上記他の目的を達成するために、本発明の回路は、過電圧が検出された時に前記第1の平滑コンデンサ8及び第2の平滑コンデンサ12を回路から切り離し、異常電圧が入力されないように保護する手段に保持回路を付加し、過電圧の原因を解除するまで全波整流状態を保持することで、第1の平滑コンデンサ8、第2の平滑コンデンサ12及び負荷17を過電圧から保護する手段を具備したものである。
【0019】
上記さらなる他の目的を達成するために、本発明の回路は、前記第1の平滑コンデンサ8及び第2の平滑コンデンサ12を回路から切り離し保持する手段に同期して、異常信号を出力する手段を具備したものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお図12と同一の部分には同一の符号を付与して詳細な説明は省略する。
【0021】
図1は本発明による電源回路構成の要部を示したブロック図で、第1の平滑コンデンサ8の−極と中線15の間にMOSFET9が直列に接続され、+直流高圧ライン14と中線15間に直列に接続された抵抗6と抵抗7の接続点とMOSFET9のゲート端子が接続されている。また、第2の平滑コンデンサ12の−極と−直流高圧ライン16の間にMOSFET13が直列に接続され、中線15と−直流高圧ライン16間に直列に接続された抵抗10と抵抗11の接続点とMOSFET13のゲート端子が接続されている。さらに、過電圧検出・保護回路5は端子5aで+直流高圧ライン14、端子5cで中線15、端子5eで−直流高圧ライン16、端子5bでMOSFET9のゲート端子、端子5dでMOSFET13のゲート端子にそれぞれ接続されている。
【0022】
ここで過電圧検出・保護回路5は図2に示すように、第1の平滑コンデンサ8用として、端子5aと端子5c間に接続されたツェナーダイオード20H、抵抗21H、抵抗22Hと、端子5bと端子5c間及び抵抗21Hと抵抗22Hの接続点に接続されたトランジスタ23Hで構成されている。また、第2の平滑コンデンサ12用として端子5cと端子5e間に接続されたツェナーダイオード20L、抵抗21L、抵抗22Lと、端子5dと端子5e間及び抵抗21Lと抵抗22Lの接続点に接続されたトランジスタ23Lで構成されている。
【0023】
今、AC電源1が入力されると、抵抗6と抵抗7で分圧された電圧によりMOSFET9がオンになり、また抵抗10と抵抗11で分圧された電圧によりMOSFET13がオンになる。これにより第1の平滑コンデンサ8と第2の平滑コンデンサ12が交流直流変換回路2に完全に接続された状態となり、端子2c及び端子2dより安定化した直流電圧を負荷17に出力する。このときの直流電圧は以下の条件により、約280〜340VDCとなり、第1の平滑コンデンサ8と第2の平滑コンデンサ12には、この半分の電圧がそれぞれ印加されることになる。
・倍電圧整流時:(AC電源1の電圧値)×√2×2
AC電源1=100V系(100V〜120VAC)
・全波整流時 :(入力電源1の電圧値)×√2
AC電源1=200V系(200V〜240VAC)
今、切替スイッチ4aが閉じられたままAC電圧1として200V系が入力されるという異常状態が生じると、直流出力電圧は前述の2倍になり、第1の平滑コンデンサ8と第2の平滑コンデンサ12に印加される電圧も同じく2倍になる。一般に平滑コンデンサには、AC電源1の偏差約10%を考慮して200V定格電圧品が使われるため、この異常状態では第1の平滑コンデンサ8と第2の平滑コンデンサ12それぞれに約280〜340VDCの電圧が印加され、定格電圧を完全にオーバーすることになる。
【0024】
このため、図2に示した過電圧検出・保護回路5によって、第1の平滑コンデンサ8と第2の平滑コンデンサ12に印加される電圧を検出し、定格電圧を超えないように構成されている。
【0025】
したがって第1の平滑コンデンサ8に印加される電圧が異常である場合に、ツェナーダイオード20Hと抵抗21Hによりトランジスタ23Hのベース端子にバイアス電流が流れ、トランジスタ23Hはオンになる。これにより、MOSFET9のゲート−ソース間電圧が低下しMOSFET9がオフになるため、第1の平滑コンデンサ8が回路から切り離された状態となり、第1の平滑コンデンサ8にはある一定値以上の電圧は印加されない。
【0026】
同じように第2の平滑コンデンサ12に印加される電圧が異常である場合には、ツェナーダイオード20Lと抵抗21Lによるバイアス電流でトランジスタ23Lがオンになり、これによってMOSFET13がオフし第2の平滑コンデンサ12は回路から切り離された状態になる。
【0027】
しかしながらこの回路構成で過電圧保護が動作したときに負荷17に出力される直流電圧は、図5−(2)に示すような波形(一例として検出電圧を190Vとした時のもの)となり、負荷17に対しては過電圧が印加された状態になる。図3は図2で構成された過電圧検出・保護回路5に対し、第1の平滑コンデンサ8と第2の平滑コンデンサ12に加え、負荷17に過電圧が印加されないように構成されたもので、第1の平滑コンデンサ8用として端子5aと端子5cの間に抵抗30H、ツェナーダイオード31H及びコンデンサ32Hによる降圧電源回路と、抵抗33H、抵抗34H、抵抗36H及びシャントレギュレータ37Hによる電圧検出回路と、抵抗35H、抵抗38H、抵抗41H、抵抗42H、トランジスタ39H、トランジスタ40Hによるサイリスタ回路を構成し、さらに端子5bとトランジスタ39Hのコレクタ端子の間にダイオード43Hが接続される。
【0028】
同様に第2の平滑コンデンサ12用として端子5cと端子5eの間に抵抗30L、ツェナーダイオード31L及びコンデンサ32Lによる降圧電源回路と、抵抗33L、抵抗34L、抵抗36L及びシャントレギュレータ37Lによる電圧検出回路と、抵抗35L、抵抗38L、抵抗41L、抵抗42L、トランジスタ39L、トランジスタ40Lによるサイリスタ回路を構成し、さらに端子5dとトランジスタ39Lのコレクタ端子の間にダイオード43Lが接続される。
【0029】
第1の平滑コンデンサ8に印加される電圧が異常である場合に、抵抗33Hと抵抗34Hによりシャントレギュレータ37Hがオンになり、トランジスタ40Hのベース端子にバイアス電流が流れ、トランジスタ40Hはオンになる。これにより、トランジスタ39Hのベース端子に抵抗41Hを介してバイアス電流が流れ込み、トランジスタ39Hはオンになる。トランジスタ39Hのコレクタ端子はダイオード43Hと端子5bを介してMOSFET9のゲート端子に接続されているため、MOSFET9のゲート−ソース間電圧が低下しMOSFET9がオフになり、第1の平滑コンデンサ8が回路から切り離された状態となる。ここで第1の平滑コンデンサに印加される電圧が低下してシャントレギュレータ37Hがオフになっても、トランジスタ39Hとトランジスタ40Hがお互いにバイアスし続けるため、第1の平滑コンデンサ8は回路から切り離された状態を保持し、AC電源1を一度切り離すまでは第1の平滑コンデンサ8には電圧が印加されない。
【0030】
同じように第2の平滑コンデンサ12に印加される電圧が異常である場合に、抵抗33Lと抵抗34Lによりシャントレギュレータ37Lがオンになり、トランジスタ40Lのベース端子にバイアス電流が流れ、トランジスタ40Lはオンになる。これにより、トランジスタ39Lのベース端子に抵抗41Lを介してバイアス電流が流れ込み、トランジスタ39Lはオンになる。トランジスタ39Lのコレクタ端子はダイオード43Lと端子5dを介してMOSFET13のゲート端子に接続されているため、MOSFET13のゲート−ソース間電圧が低下しMOSFET13がオフになり、第2の平滑コンデンサ12が回路から切り離された状態となる。ここで第2の平滑コンデンサに印加される電圧が低下してシャントレギュレータ37Lがオフになっても、トランジスタ39Lとトランジスタ40Lがお互いにバイアスし続けるため、第2の平滑コンデンサ12は回路から切り離された状態を保持し、AC電源1を一度切り離すまでは第2の平滑コンデンサ12には電圧が印加されない。
【0031】
このため、この回路構成で過電圧保護が動作したときに負荷17に出力される直流電圧は、図5−(3)に示すような波形となり、負荷17に対しては過電圧は印加されずに平滑されない直流電圧(全波整流電圧)が印加された状態になる。これにより負荷17に相当する装置は、一般的に動作停止状態になるため、第1の平滑コンデンサ8と第2の平滑コンデンサ12及び負荷17を破損させることなく保護することが可能になる。
【0032】
図4は図3で構成された過電圧検出・保護回路5に対し、負荷17に印加される電圧で過電圧を検出するようにしたもので、端子5aと端子5eの間に抵抗50、ツェナーダイオード51及びコンデンサ52による降圧電源回路と、抵抗53、抵抗54、抵抗56及びシャントレギュレータ57による電圧検出回路と、抵抗55、抵抗58、抵抗63、抵抗64、トランジスタ61、トランジスタ62によるサイリスタ回路を構成し、抵抗58とトランジスタ61のコレクタ端子の間にフォトカプラ59のLED側とフォトカプラ60のLED側が直列に接続される。さらに端子5bと端子5cにはフォトカプラ59のトランジスタ側が接続され、また端子5dと端子5eにはフォトカプラ60のトランジスタ側が接続される。
【0033】
負荷17に印加される電圧が異常である場合に、抵抗53と抵抗54によりシャントレギュレータ57がオンになり、トランジスタ62のベース端子にバイアス電流が流れ、トランジスタ62はオンになる。これにより、トランジスタ61のベース端子に抵抗63を介してバイアス電流が流れ込み、トランジスタ61はオンになりフォトカプラ59及びフォトカプラ60のLEDが点灯し、フォトカプラ59及びフォトカプラ60のトランジスタ側が同時にオンになる。フォトカプラ59及びフォトカプラ60のトランジスタ側は端子5b、端子5c、端子5d、端子5eを介してそれぞれMOSFET9とMOSFET13のゲート−ソース端子間に接続されているため、MOSFET9とMOSFET13のゲート−ソース間電圧が低下しオフになる。これにより第1の平滑コンデンサ8及び第2の平滑コンデンサ12が同時に回路から切り離された状態となる。ここで負荷17に印加される電圧が低下してシャントレギュレータ57がオフになっても、トランジスタ62とトランジスタ61がお互いにバイアスし続けるため、フォトカプラ59とフォトカプラ60はオン状態を保持し、これにより第1の平滑コンデンサ8及び第2の平滑コンデンサ12は回路から切り離された状態を保持し、AC電源1を一度切り離すまでは電圧が印加されない。
【0034】
このため、この回路構成で過電圧保護が動作したときに負荷17に出力される直流電圧は、図3の回路構成の場合と同様に、図5−(3)に示すような波形となり、負荷17に対しては過電圧は印加されずに平滑されない直流電圧(全波整流電圧)が印加された状態になる。これにより負荷17に相当する装置は、一般的に動作停止状態になるため、第1の平滑コンデンサ8と第2の平滑コンデンサ12及び負荷17を破損させることなく保護することが可能になる。
【0035】
図6は本発明の一実施例を示したもので、図1における負荷17としてDCDCコンバータ80が接続されて直流安定化電源90を構成する。また直流安定化電源90は出力端子90a、出力端子90c及び信号端子90bでシステム装置100に接続され、信号端子90bからはシステム装置100内の異常通知手段200に端子200aで接続される。
【0036】
図6内の過電圧検出・保護手段5は図7に示すように構成され、図4の回路構成のフォトカプラ60とトランジスタ61のコレクタ端子の間にフォトカプラ70のLED側が接続される。またフォトカプラ70のトランジスタ側はDCDCコンバータ80の信号端子90bと出力端子90cの間に接続される。
【0037】
また、図6内の異常通知手段200は図8に示すようなスピーカ200cや図9に示すような抵抗200eとLED200dで構成される。
【0038】
図4で説明した通り、DCDCコンバータ80に印加される電圧が異常であった場合フォトカプラ59及びフォトカプラ60はオン状態を保持するため、第1の平滑コンデンサ8及び第2の平滑コンデンサ12は回路から切り離された状態が保持され、第1の平滑コンデンサ8と第2の平滑コンデンサ12及びDCDCコンバータ80を破損させることなく保護することが可能になる。
【0039】
さらにフォトカプラ70もフォトカプラ59及びフォトカプラ60と同期してオン状態が保持されるため、異常通知手段200に異常信号VALMが出力され、スピーカ200cによるビープ音や、LED200dによる点灯表示により、異常を知らせることが可能になる。
【0040】
図10は図6〜図9に示す構成を、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置に採用した場合の一例をより具体的に示したものであり、図6のシステム装置100として本体装置100aと表示装置100bとで構成され、直流安定化電源90は本体装置100aに内蔵される。過電圧を検出すると前述の一連の動作により、本体装置100aにあるスピーカ200cやLED200dによって、異常であることを使用者に通知すること可能となる。また、信号ケーブル100cを介して表示装置100bにあるスピーカ200cやLED200dによって、異常であることを使用者に通知することも可能となる。
【0041】
図11は本発明における一連の流れをフローチャートで示したものである。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、商用交流電源の電圧に応じて倍電圧整流と全波整流に切り替える手段を有する電源回路において、平滑コンデンサに印加される電圧や整流電圧を検出する手段によって、平滑コンデンサを回路から切り離す手段を設けたため、平滑コンデンサや負荷を過電圧から確実に保護することができる。
【0043】
また、本発明の整流回路の負荷としてDCDCコンバータを使用して直流安定化電源装置を構成し、異常通知手段を設けて例えばパーソナルコンピュータなどに内蔵することで、回路の保護をするとともに使用者に対して確実に異常であることを通知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示す電源回路図である。
【図2】図1に示した過電圧検出・保護回路の詳細を示す回路図である。
【図3】図1に示した過電圧検出・保護回路の詳細を示す他の回路図である。
【図4】図1に示した過電圧検出・保護回路の詳細を示すさらに他の回路図である。
【図5】図1〜図4に示した回路における電圧波形図である。
【図6】本発明による直流安定化電源の構成を示すブロック図である。
【図7】図6に示した過電圧検出・保護回路の詳細を示す回路図である。
【図8】図6に示した異常通知手段の詳細を示す回路図である。
【図9】図6に示した異常通知手段の詳細を示す他の回路図である。
【図10】本発明の実施例を示したシステム装置の外観図である。
【図11】本発明の一連の動作を示したフローチャート図である。
【図12】従来技術の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1…AC電源、2…交流直流変換回路、3…整流ダイオードブリッジ、4…切替回路、5…過電圧検出・保護回路、8…第1の平滑コンデンサ、9…MOSFET、12…第2の平滑コンデンサ、13…MOSFET、17…負荷、80…DCDCコンバータ、90…直流安定化電源、100…システム装置、100a…装置本体、100b…表示装置、200…異常通知手段。
Claims (7)
- 商用交流電源の電圧に応じて倍電圧整流と全波整流に切り替える手段を有する電源回路において、前記整流手段に接続される平滑用コンデンサと直列にMOSFETを接続し、このMOSFETをオフさせることで、前記平滑用コンデンサを回路から切り離す手段を具備したことを特徴とする電源回路。
- 請求項1の電源回路において、前記平滑用コンデンサに印加される過電圧を検出する手段と、この検出手段により前記MOSFETをオフにすることで前記平滑用コンデンサに一定値以上の電圧が印加されないように保護することを特徴とする電源回路。
- 請求項2の検出・保護手段に前記MOSFETのオフ状態を保持する手段を具備し、過電圧が検出されたときに全波整流状態を維持するようにしたことを特徴とする電源回路。
- 整流電圧で過電圧検出を行うことを特徴とした請求項3の電源回路。
- 請求項4の保護手段に同期し、異常信号を出力する手段を具備したことを特徴とする電源回路。
- 請求項5を具備したことを特徴とする電源装置。
- 請求項6の電源装置を内蔵し、異常信号を光や音に変換する手段を具備したシステム装置。
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