JP2004187002A - 無線通信端末、通信制御方法及び通信制御プログラム - Google Patents

無線通信端末、通信制御方法及び通信制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】最小限のデータ遅延かつ最適な帯域で通信を行いつつ、消費電力を削減し得る無線通信端末を実現する。
【解決手段】所定の無線通信基地局との間で無線波を介して通信データの送受を行う無線通信端末において、無線通信基地局から送信される無線波を受信する受信手段と、無線通信基地局が定期的に送信するビーコンの送信タイミングに同期して、全てのビーコン毎又は複数に一個のビーコン毎に受信手段を休止状態から受信状態に復帰させて間欠受信動作を行わせる受信制御手段と、無線通信端末に接続され当該無線通信端末を介して通信データの送受を行う情報処理装置が実行中のアプリケーションプログラムが使用する通信データのデータ帯域に応じて、受信制御手段による間欠受信動作の受信間隔を制御する受信間隔制御手段とを無線通信端末に設けた。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は無線通信端末、通信制御方法及び通信制御プログラムに関し、例えば無線LAN(Local Area Network)システムに適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、無線LANシステムにおいて、無線通信端末としてのステーションの受信動作を定期的に停止することにより、当該ステーションの消費電力を低減することが考えられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、IEEE802.11規格の無線LANシステムにおけるステーションの省電力化機構として、パワーマネージメントモードが規定されている。図7に示すように、ステーションはパワーマネージメントモードで動作している場合、無線通信基地局としてのアクセスポイントからビーコンが送信されるタイミングに合わせて受信動作を行い、この間は受信動作を行わない状態(この状態をドーズモードと呼ぶ)に入る。
【0004】
ステーションはこのドーズモードにおいて、受信ブロックに対する電源供給を停止する等の制御を行うことにより消費電力を低減する。ステーションはパワーマネージメントモードにおいて、全てのビーコンに対応して受信状態に復帰しても良く、複数ビーコンおきに1回受信状態に復帰しても良い。
【0005】
このようにパワーマネージメントモードにおいては、ドーズモードから受信状態に復帰する間隔を任意に設定できる。そして、この受信間隔が大きいほどドーズモードの期間が長くなり、より消費電力を低減することができる。
【0006】
かかるパワーマネージメントモードを実行するためには、予めステーションとアクセスポイントとの間で、ステーションの受信間隔を決定しておく必要がある。この決定手順は、IEEE802.11規格におけるアクセスポイントとステーションの間の接続シーケンスの中で定められている。
【0007】
図8はIEEE802.11規格の接続シーケンスを示し、最初にステーションは、接続可能なアクセスポイントを探索するためのプローブリクエストを送信する。アクセスポイントはプローブリクエストを受信すると、これに応じて当該アクセスポイントについての各種情報を含むプローブレスポンスを返信する。
【0008】
ステーションは、プローブレスポンスを受信することにより接続可能なアクセスポイントを認識すると、当該アクセスポイントに対して接続の認証を求めるオーセンティケーションを送信する。アクセスポイントはオーセンティケーションを受信すると、これに応じて接続を認証するオーセンティケーションを返信する。
【0009】
オーセンティケーションの送受によってステーションとアクセスポイント間の接続認証が完了すると、ステーションは、実際の通信開始を要求するアソシエーションリクエストをアクセスポイントに対して送信する。このときステーションは、ステーションとアクセスポイント間の通信速度等の設定や、パワーマネージメントに関する設定(ビーコンを何個おきに受信するか(受信間隔)を示すリッスンインターバルや、パワーマネージメントモードの実行/非実行情報等)等の各種通信設定要求を、アソシエーションリクエストに含めて送信する。
【0010】
アクセスポイントはアソシエーションリクエストを受信すると、これに応じてアソシエーションレスポンスを返信し、これ以降、通常のデータ転送が行われる。
【0011】
【特許文献1】
特開平8−195754号公報(第2頁、第10図)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述したようにパワーマネージメントモードにおいては、ステーションは複数ビーコンに対して1回、又は各ビーコン毎にドーズモードから受信状態に復帰して当該ビーコンを受信し、それ以外の期間はドーズモードで動作して受信を停止する。このためアクセスポイントは、ドーズモードの期間中はステーションに対してデータを送信することができない。
【0013】
実際上IEEE802.11規格の無線LANシステムにおいては、ステーションに対する送信データをアクセスポイントが有している場合、当該アクセスポイントは、送信データが存在する旨のビットをビーコンに立てて送信する。ビーコンを受信したステーションは、自局あての送信データが存在することをこのビットによって認識すると、PS(Power Save)−Pollパケットをアクセスポイントに対して送信する。そして、アクセスポイントはPS−Pollパケットを受信すると、ステーションに対して送信データを送信する。
【0014】
このようにパワーマネージメントモードにおいては、ステーションに対する送信データの有無を示すビットがビーコンに含まれているため、ステーションがビーコンを受信できないドーズモードの期間中は、当該ステーションに対してデータを送信することができず、このためデータ伝送に遅延が発生してレスポンスが悪化してしまう。
【0015】
例えば図9に示すように、ビーコンの間隔が100[ms]で、ステーションは10ビーコン毎に受信状態に復帰するとした場合、最大で100[ms]×10=1[s] の遅延が発生する。この遅延は受信間隔(すなわちリッスンインターバル)が長いほど大きくなるため、パワーマネージメントモードによる省電力効果と、データ伝送のレスポンスとを両立し得ないという問題があった。
【0016】
またパワーマネージメントモードにおいては、例えばステーションとアクセスポイント間の通信データの帯域増減等に応じて受信間隔を変更しようとする場合、当該ステーションはリアソシエーションリクエストをアクセスポイントに対して送信する。そしてアクセスポイントはリアソシエーションリクエストの受信に応じてリアソシエーションレスポンスを返信し、これ以降、新たなリッスンインターバルでデータ転送が行われる。
【0017】
このようにパワーマネージメントモードにおいては、データの帯域増減等に応じて受信間隔を変更しようとする場合、ステーションとアクセスポイントの間でリアソシエーションリクエスト及びリアソシエーションレスポンスを送受して通信設定を変更する必要があり、このため受信間隔を臨機応変に変更し得ないという問題があった。
【0018】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、最小限のデータ遅延かつ最適な帯域で通信を行いつつ、消費電力を削減し得る無線通信端末、通信制御方法及び通信制御プログラムを提案しようとするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、所定の無線通信基地局との間で無線波を介して通信データの送受を行う無線通信端末において、無線通信基地局から送信される無線波を受信する受信手段と、無線通信基地局が定期的に送信するビーコンの送信タイミングに同期して、全てのビーコン毎又は複数に一個のビーコン毎に受信手段を休止状態から受信状態に復帰させて間欠受信動作を行わせる受信制御手段と、無線通信端末に接続され当該無線通信端末を介して通信データの送受を行う情報処理装置が実行中のアプリケーションプログラムが使用する通信データのデータ帯域に応じて、受信制御手段による間欠受信動作の受信間隔を制御する受信間隔制御手段とを無線通信端末に設けた。
【0020】
そして、複数のアプリケーションプログラムそれぞれについて、当該アプリケーションプログラムが使用する通信データのデータ帯域に応じて設定された間欠受信動作の受信間隔を記憶した受信間隔設定記憶手段と、情報処理装置が実行中のアプリケーションプログラムを認識するアプリケーションプログラム認識手段とを無線通信端末に設け、受信間隔制御手段は、アプリケーションプログラム認識手段が認識した実行中のアプリケーションプログラムに対応する受信間隔を受信間隔設定記憶手段から取得し、当該取得した受信間隔に基づいて受信制御手段による上記間欠受信動作の受信間隔を制御するようにした。
【0021】
これにより、アプリケーションプログラムが必要とする通信データのデータ帯域を満たす適切な受信間隔で間欠受信動作を行わせることができ、最小限のデータ遅延かつ最適な帯域で通信を行いつつ、無線通信端末の消費電力を削減することができる。
【0022】
また、受信間隔制御手段は無線通信基地局と無線通信端末との間における所定時間当たりの通信データ量を測定し、当該測定した所定時間当たりの通信データ量に応じて、受信制御手段による間欠受信動作の受信間隔を制御するようにした。
【0023】
これにより、実際の通信データ量に応じた適切な受信間隔で間欠受信動作を行わせることができ、最小限のデータ遅延かつ最適な帯域で通信を行いつつ、無線通信端末の消費電力を削減することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0025】
(1)無線LANシステムの全体構成
図1において、1は全体として本発明による無線LANシステムを示し、無線通信基地局としてのアクセスポイント2と、無線通信端末としての第1〜第4のステーション3(3A〜3D)とで構成される。アクセスポイント2及び各ステーション3A〜3Dは、例えば5GHz帯において相互にCSMA/CA方式による無線通信を行う。
【0026】
実際上、ステーション3A〜3DはPCカード型の無線LANカードであり、それぞれ対応するノートブック型パーソナルコンピュータ(以下、これをノートパソコンと呼ぶ)4のPCカードスロットに挿着されている。一方、アクセスポイント2はインターネットやイントラネット等の外部ネットワーク5に接続されている。
【0027】
そして無線LANシステム1においては、アクセスポイント2及び各ステーション3A〜3Dを介して、各ノートパソコン4の間、及び外部ネットワーク5に接続されたパーソナルコンピュータ等の情報処理装置と各ノートパソコン4との間でデータ通信を行うようになされている。
【0028】
(2)アクセスポイント及びステーションの構成
次に、アクセスポイント2及びステーション3の構成を、それぞれ図2及び図3を用いて説明する。
【0029】
図2に示すようにアクセスポイント2においては、CPU11に対してネットワークインターフェース12、データ処理部13、送信部14及び受信部15が接続されている。またCPU11には、各種プログラムや設定値を記憶するためのメモリ16及びタイマ17が接続されている。CPU11はアクセスポイント通信制御プログラムに従い、アクセスポイント2の各部を統括的に制御する。
【0030】
受信部15は、ステーション3から送信された上りの送信信号をアンテナ18を介して受信して復調し、受信データとしてデータ処理部13に供給する。データ処理部13は受信データの無線フレームを分解し、ネットワークインターフェース12を介して外部ネットワーク5に供給する。
【0031】
またデータ処理部13は、外部ネットワーク5からネットワークインターフェース12を介して供給されたステーション3あての送信データを、無線フレームに構成して送信部14に供給する。送信部14は送信データを変調して下りの送信信号を生成し、アンテナ18を介して送信する。
【0032】
一方、図3に示すようにステーション3においては、CPU21に対してPCカードインターフェース22、データ処理部23、送信部24及び受信部25が接続されている。またCPU21には、各種プログラムや省電力設定リスト(後述)等を記憶するためのメモリ26、及びタイマ27が接続されている。CPU21は後述するステーション通信制御プログラムに従い、アクセスポイント2の各部を統括的に制御する。
【0033】
受信部25は、アクセスポイント2から送信された下りの送信信号をアンテナ28を介して受信して復調し、受信データとしてデータ処理部23に供給する。データ処理部23は受信データの無線フレームを分解し、PCカードインターフェース22を介してノートパソコン4に供給する。
【0034】
またデータ処理部23は、ノートパソコン4からPCカードインターフェース22を介して供給されたアクセスポイント2あての送信データを、無線フレームに構成して送信部24に供給する。送信部24は送信データを変調して上りの送信信号を生成し、アンテナ28を介して送信する。
【0035】
(3)ステーションの省電力制御
かかる構成に加えて本発明のステーション3においては、パワーマネージメントモードにおいて、ノートパソコン4から当該ノートパソコン4が実行中のアプリケーションプログラムの情報を取得する。そしてステーション3は、当該実行中のアプリケーションプログラムの種類に応じて省電力設定を適宜増減することにより、最小限のデータ遅延かつアプリケーションプログラムに最適な帯域を確保しつつ省電力制御を実行する。
【0036】
すなわちステーション3は、電子メールソフトのように通信速度や通信頻度が低いアプリケーションプログラムを実行中の場合はリッスンインターバルを長くし、動画ストリーミングソフトのように通信速度が高いアプリケーションプログラムを実行中の場合はリッスンインターバルを短くする(あるいはドーズを行わない)ことにより、実行中のアプリケーションプログラムに適した帯域で通信を行いながら、ステーション3自体の消費電力を削減するようになされている。
【0037】
このときステーション3は変更後の省電力設定を、省電力設定変更通知としてアクセスポイント2に送信する。アクセスポイント2は、受信した省電力設定に基づいて、当該ステーション3に対する通信制御を行う。
【0038】
次に、上述したステーションの省電力制御処理を、図4に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。
【0039】
すなわち、ステーション3のCPU11はステーション通信制御プログラムに従い、ルーチンRT1の開始ステップから入ってステップSP1に移る。ステップSP1において、アプリケーションプログラム認識手段としてのCPU11は、実行中のアプリケーション情報をノートパソコン4から取得し、次のステップSP2に移る。
【0040】
ステップSP2においてCPU11は、取得したアプリケーション情報に基づき、新たなアプリケーションプログラムが起動したか否かを判断する。ステップSP2において、新たなアプリケーションプログラムが起動したと判断した場合、CPU11はステップSP4に移る。
【0041】
これに対してステップSP2において、新たなアプリケーションプログラムが起動していないと判断した場合、CPU11はステップSP3に移る。そしてステップSP3においてCPU11は、取得したアプリケーション情報に基づき、起動していたアプリケーションプログラムが終了したか否かを判断する。
【0042】
ステップSP3において、起動していたアプリケーションプログラムが終了していないと判断した場合、このことはノートパソコン4で実行中のアプリケーションプログラムに変化が無いことを表しており、このときCPU11はステップSP8に移る。これに対してステップSP3において、起動していたアプリケーションプログラムが終了したと判断した場合、CPU11はステップSP4に移る。
【0043】
このようにCPU11は、ノートパソコン4においてアプリケーションプログラムが新たに起動あるいは終了した場合、ステップSP4に移る。そしてCPU11はステップSP4において、受信間隔設定記憶手段としてのメモリ26から省電力設定リストを読みだす。
【0044】
図5に示すように省電力設定リスト100においては、ノートパソコン4で実行される各アプリケーションプログラムと、当該アプリケーションプログラムが要求するデータ速度に対応して設定された0〜10までの省電力レベルとが登録されている。この省電力レベルはリッスンインターバルに対応している。
【0045】
例えば、比較的早いデータ速度が要求される音声ストリーミングソフトには、ビーコンを毎回受信する「省電力レベル1」が設定され、それよりもやや遅いデータ速度が要求されるウェブブラウザには、ビーコンを2回に1回受信する「省電力レベル2」が設定されている。また、遅いデータ速度でかまわないメールソフトには、ビーコンを10回に1回受信する「省電力レベル10」が設定され、極めて早いデータ速度が要求される動画ストリーミングソフトには、省電力制御を行わない(PS−modeがOFF:ドーズモードに入らない)「省電力レベル0」が設定されている。
【0046】
そしてCPU11はステップSP4において、取得したアプリケーション情報と省電力設定リスト100とに基づいて、実行中のアプリケーションプログラムの中で最も省電力レベルが低いものを検索し、次のステップSP5に移る。
【0047】
ステップSP5においてCPU11は、ステップSP4の検索結果の省電力レベルと、現在設定されている省電力レベルとを比較する。なお、ステーション3の起動時には省電力レベルは「0」に設定されている。
【0048】
ステップSP5において、現在の省電力レベルと検索結果の省電力レベルとが異なる場合、受信制御手段及び受信間隔制御手段としてのCPU11はステップSP6に移り、検索結果の省電力レベルに応じて省電力設定(リッスンインターバルの変更、あるいはPS−modeのON/OFF)を変更するとともに、変更後の省電力設定を省電力設定変更通知としてアクセスポイント2に送信し、ステップSP1に戻る。
【0049】
これに対してステップSP5において、現在の省電力レベルと検索結果の省電力レベルとが同じ場合、受信制御手段及び受信間隔制御手段としてのCPU11はステップSP8に移り、省電力設定を変更することなくステップSP1に戻る。
【0050】
(4)動作及び効果
以上の構成において、ステーション3のCPU11は、ノートパソコン4から当該ノートパソコン4が実行中のアプリケーション情報を取得し、実行中のアプリケーションプログラムに変化が生じた場合、当該実行中の各アプリケーションプログラムに対応して設定されている省電力レベルのうち、最も省電力レベルが低いものを検索する。
【0051】
そしてCPU11は、検索結果の省電力レベルと、現在設定されている省電力レベルとを比較し、これらが異なる場合、検索結果の省電力レベルに応じて省電力設定を変更するとともに、変更後の省電力設定を省電力設定変更通知としてアクセスポイント2に送信する。
【0052】
以上の構成によれば、ノートパソコン4で実行される各アプリケーションプログラムそれぞれに対して省電力レベルを設定しておき、当該ノートパソコン4が実行中のアプリケーションプログラムが要求するデータ速度に応じたリッスンインターバルで省電力制御を行うことにより、実行中のアプリケーションプログラムに適した帯域で通信を行いながら、ステーション3自体の消費電力を削減することができる。
【0053】
(5)他の実施の形態
なお、上述の実施の形態においては、ステーションとしてPCカード型の無線LANカードに本発明を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばUSB(Universal Serial Bus)接続の外付け型無線LANステーションや、あるいはノートパソコン等の情報処理装置に一体で内蔵された無線LANステーションに本発明を適用してもよい。
【0054】
また、上述の実施の形態においては、ノートパソコンで実行中のアプリケーションプログラムに応じてリッスンインターバルを変更することにより、当該実行中のアプリケーションプログラムに適した帯域で通信を行いながらステーションの消費電力を削減するようにしたが、本発明はこれに限らず、実際の通信速度に応じてリッスンインターバルを変更するようにしてもよい。
【0055】
例えば、アクセスポイント2からステーション3への下りデータの所定時間当たりの通信データ量を適宜11段階に分け、通信データ量の多いものから順に省電力レベルをレベル0〜レベル10に設定し、これを省電力設定リストとしてメモリ26に記憶しておく。
【0056】
そして、ステーション3のCPU11は所定の通信データ量測定時間(例えば数秒)の間アクセスポイント2からステーション3への下りデータの通信データ量を測定し、当該測定した通信データ量に応じてリッスンインターバルを変更する。この通信データ量測定時間は、リッスンインターバルが最大のときの受信間隔よりも長く設定する。
【0057】
すなわち、ステーション3のCPU11はステーション通信制御プログラムに従い、図6に示す省電力設定処理手順のルーチンRT2の開始ステップから入ってステップSP11に移る。ステップSP11においてCPU11はデータ処理部23を制御し、下りデータの通信データ量の測定を開始して次のステップSP12に移る。
【0058】
ステップSP12においてCPU11は、所定の通信データ量測定時間が経過したか否かを判断し、通信データ量測定時間が経過していない場合、ステップSP11に戻るのに対し、当該通信データ量測定時間が経過した場合、次のステップSP13に移る。
【0059】
ステップSP13においてCPU11は、通信データ量測定時間の間に受信した下りデータの通信データ量と省電力設定リストとを参照し、当該通信データ量に対応する省電力レベルを決定して次のステップSP14に移る。
【0060】
ステップSP14においてCPU11は、ステップSP13の決定結果の省電力レベルと、現在設定されている省電力レベルとを比較する。なお、ステーション3の起動時には省電力レベルは「0」に設定されている。
【0061】
ステップSP14において、現在の省電力レベルと決定結果の省電力レベルとが異なる場合、受信制御手段及び受信間隔制御手段としてのCPU11はステップSP15に移り、決定結果の省電力レベルに応じて省電力設定(リッスンインターバルの変更、あるいはPS−modeのON/OFF)を変更するとともに、変更後の省電力設定を省電力設定変更通知としてアクセスポイント2に送信し、ステップSP11に戻る。
【0062】
これに対してステップSP14において、現在の省電力レベルと決定結果の省電力レベルとが同じ場合、受信制御手段及び受信間隔制御手段としてのCPU11はステップSP16に移り、省電力設定を変更することなくステップSP1に戻る。
【0063】
これによりステーション3は、実際の通信データの通信データ量に応じた適切な帯域で通信を行いながら、ステーションの消費電力を削減することができる。さらに、ステーション3が上りデータの通信データ量に応じて省電力レベルを決定するようにしたり、下りデータ及び上りデータの双方の通信データ量に応じて省電力レベルを決定するようにしてもよい。
【0064】
また上述の実施の形態においては、ステーション3のCPU11が、メモリ26に記憶されているステーション通信制御プログラムに従って省電力設定処理手順を実行するようにしたが、本発明はこれに限らず、上述したプログラムが格納されているプログラム格納媒体をステーション3にインストールすることにより、上述の省電力設定処理を実行するようにしてもよい。
【0065】
この場合、上述したプログラムをステーション3にインストールするためのプログラム格納媒体としては、例えばCD−ROM(Compact Disk−Read Only Memory )やDVD(Digital Versatile Disk)等のパッケージメディアのみならず、プログラムが一時的又は永続的に格納される半導体メモリや磁気ディスク等で実現しても良い。また、これらプログラム格納媒体にプログラムを格納する手段としては、ローカルエリアネットワークやインターネット、ディジタル衛星放送等の有線及び無線通信媒体を用いても良い。
【0066】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、情報処理装置が実行中のアプリケーションプログラムに応じて間欠受信動作の受信間隔を変更したり、無線通信基地局と無線通信端末との間の所定時間当たりの通信データ量を測定し、当該測定した通信データ量に応じて間欠受信動作の受信間隔を変更するようにしたことにより、最小限のデータ遅延かつ最適な帯域で通信を行いつつ、無線通信端末の消費電力を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による無線LANシステムの全体構成を示す略線図である。
【図2】アクセスポイントの回路構成を示すブロック図である。
【図3】ステーションの回路構成を示すブロック図である。
【図4】省電力設定処理手順を示すフローチャートである。
【図5】省電力設定リストの説明に供する表である。
【図6】他の実施の形態の省電力設定処理手順を示すフローチャートである。
【図7】パワーセーブモードの説明に供する略線図である。
【図8】アクセスポイントとステーション間の接続シーケンスを示すシーケンスチャートである。
【図9】パワーセーブモードにおけるデータ遅延の説明に供する略線図である。
【符号の説明】
1……無線LANシステム、2……アクセスポイント、3……ステーション、、4……ノートパソコン、11……CPU、12……ネットワークインターフェース、13……データ処理部、14……送信部、15……受信部、16……メモリ、17……タイマ、18……アンテナ、21……CPU、22……PCカードインターフェース、23……データ処理部、24……送信部、25……受信部、26……メモリ、27……タイマ、28……アンテナ。

Claims (9)

  1. 所定の無線通信基地局との間で無線波を介して通信データの送受を行う無線通信端末において、
    上記無線通信基地局から送信される上記無線波を受信する受信手段と、
    上記無線通信基地局が定期的に送信するビーコンの送信タイミングに同期して、全ての上記ビーコン毎又は複数に一個の上記ビーコン毎に上記受信手段を休止状態から受信状態に復帰させて間欠受信動作を行わせる受信制御手段と、
    上記無線通信端末に接続され当該無線通信端末を介して通信データの送受を行う情報処理装置が実行中のアプリケーションプログラムが使用する通信データのデータ帯域に応じて、上記受信制御手段による上記間欠受信動作の受信間隔を制御する受信間隔制御手段と
    を具えることを特徴とする無線通信端末。
  2. 複数の上記アプリケーションプログラムそれぞれについて、当該アプリケーションプログラムが使用する上記通信データの上記データ帯域に応じて設定された上記間欠受信動作の上記受信間隔を記憶した受信間隔設定記憶手段と、
    上記情報処理装置が実行中の上記アプリケーションプログラムを認識するアプリケーションプログラム認識手段と
    を具え、
    上記受信間隔制御手段は、上記アプリケーションプログラム認識手段が認識した上記実行中のアプリケーションプログラムに対応する上記受信間隔を上記受信間隔設定記憶手段から取得し、当該取得した受信間隔に基づいて上記受信制御手段による上記間欠受信動作の受信間隔を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
  3. 上記受信間隔制御手段は、上記無線通信基地局と上記無線通信端末との間における所定時間当たりの通信データ量を測定し、当該測定した所定時間当たりの通信データ量に応じて、上記受信制御手段による上記間欠受信動作の受信間隔を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
  4. 所定の無線通信基地局との間で無線波を介して通信データの送受を行う無線通信端末の通信制御方法において、
    上記無線通信基地局が定期的に送信するビーコンの送信タイミングに同期して、全ての上記ビーコン毎又は複数に一個の上記ビーコン毎に受信手段を休止状態から受信状態に復帰させて間欠受信動作を行わせる受信制御ステップと、
    上記無線通信端末に接続され当該無線通信端末を介して通信データの送受を行う情報処理装置が実行中のアプリケーションプログラムが使用する通信データのデータ帯域に応じて、上記間欠受信動作の受信間隔を制御する受信間隔制御ステップと
    を具えることを特徴とする通信制御方法。
  5. 上記情報処理装置が実行中の上記アプリケーションプログラムを認識するアプリケーションプログラム認識ステップ
    を具え、
    上記受信間隔制御ステップは、
    複数の上記アプリケーションプログラムそれぞれについて、当該アプリケーションプログラムが使用する上記通信データの上記データ帯域に応じて設定された上記間欠受信動作の上記受信間隔を記憶した受信間隔設定記憶手段から、上記アプリケーションプログラムステップで認識した上記実行中のアプリケーションプログラムに対応する上記受信間隔を上記受信間隔設定記憶手段から取得し、当該取得した受信間隔に基づいて上記間欠受信動作の受信間隔をを制御する
    ことを特徴とする請求項4に記載の通信制御方法。
  6. 上記無線通信基地局と上記無線通信端末との間における所定時間当たりの通信データ量を測定する通信データ量測定ステップ
    を具え、
    上記受信間隔制御ステップは、上記通信データ量測定ステップで測定した上記所定時間当たりの通信データ量に応じて上記受信制御手段による上記間欠受信動作の受信間隔を制御する
    ことを特徴とする請求項4に記載の通信制御方法。
  7. 所定の無線通信基地局との間で無線波を介して通信データの送受を行う無線通信端末に、
    上記無線通信基地局が定期的に送信するビーコンの送信タイミングに同期して、全ての上記ビーコン毎又は複数に一個の上記ビーコン毎に受信手段を休止状態から受信状態に復帰させて間欠受信動作を行わせる受信制御ステップと、
    上記無線通信端末に接続され当該無線通信端末を介して通信データの送受を行う情報処理装置が実行中のアプリケーションプログラムが使用する通信データのデータ帯域に応じて、上記間欠受信動作の受信間隔を制御する受信間隔制御ステップと
    を実行させる通信制御プログラム。
  8. 上記情報処理装置が実行中の上記アプリケーションプログラムを認識するアプリケーションプログラム認識ステップ
    を具え、
    上記受信間隔制御ステップは、
    複数の上記アプリケーションプログラムそれぞれについて、当該アプリケーションプログラムが使用する上記通信データの上記データ帯域に応じて設定された上記間欠受信動作の上記受信間隔を記憶した受信間隔設定記憶手段から、上記アプリケーションプログラムステップで認識した上記実行中のアプリケーションプログラムに対応する上記受信間隔を上記受信間隔設定記憶手段から取得し、当該取得した受信間隔に基づいて上記間欠受信動作の受信間隔を制御する
    ことを特徴とする請求項5に記載の通信制御プログラム。
  9. 上記無線通信基地局と上記無線通信端末との間における所定時間当たりの通信データ量を測定する通信データ量測定ステップ
    を具え、
    上記受信間隔制御ステップは、上記通信データ量測定ステップで測定した上記所定時間当たりの通信データ量に応じて上記受信制御手段による上記間欠受信動作の受信間隔を制御する
    ことを特徴とする請求項5に記載の通信制御プログラム。
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