JP2004186032A - シールドケーブル及びその分岐接続方法 - Google Patents

シールドケーブル及びその分岐接続方法 Download PDF

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Abstract

【課題】撚りほぐし作業を必要とせず、分岐接続の容易なシールドケーブル及びその分岐接続方法を提供する。
【解決手段】本シールドケーブル11は、複数の絶縁被覆付信号線12とアース線13とをアース線13が複数の信号線12の一側方となるようにそれぞれ所定ピッチで並列配置し、複数の信号線12の周りに介在シース14を被覆させ、介在シース14を被覆した複数の信号線12とアース線13の周囲をシールド層17で被覆した上にさらに絶縁性シース18で被覆してなり、介在シース14は、アース線13と信号線12間と、信号線12線と信号線12の間に割れ目を有することを特徴とする。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シールドケーブル及びその分岐接続方法に関し、特に自動車等の車両の電装品等への電気接続に用いて好適なシールドケーブル及びその分岐接続方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の車両では、各種電装品等への電気的接続のため、シールドケーブルが使用されている。従来のシールドケーブルの構成を図1に断面図で示す。図1において、参照符号1はシールドケーブルであり、複数の信号線2とアース線3を撚合わせたものの周りをシールド層4で被覆し、さらにその周りを絶縁性シース5で被覆した構造となっている。信号線2は導線2aとその周りを被覆する絶縁被覆2bから構成されている。
【0003】
ところで、自動車等の車両における回路では途中で電線の分岐接続を行うことが多々ある。例えば、図2のように回路A−Bから回路Cに分岐させたいときには、図示のようなコネクタ6を用い、一括圧接により分岐接続を行う。なお、図中7はコネクタハウジング、8は分岐用電線導体である。
【0004】
しかしながら、図1に示すような構造のシールドケーブル1を用いる回路において分岐接続を行う場合、図3に示すように分岐させる部位において、絶縁性シース5及びシールド層4を剥ぎ取ってから分岐接続を行うが、このとき次のような問題がある。即ち、シールドケーブル1において上記剥ぎ取りを行った所では、信号線2とアース線3が撚合わせた構造となっているため、撚りをほぐす作業が必要となる。これが加工費アップの原因となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決し、撚りほぐし作業を必要とせず、分岐接続の容易なシールドケーブル及びその分岐接続方法を提供することをその課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、前記課題は下記の技術的手段により解決される。
(1)複数の絶縁被覆付信号線とアース線とをアース線が複数の信号線の一側方となるようにそれぞれ所定ピッチで並列配置し、複数の信号線の周りに介在シースを被覆させ、介在シースを被覆した複数の信号線とアース線の周囲をシールド層で被覆した上にさらに絶縁性シースで被覆してなり、介在シースは、アース線と信号線との間と、信号線と信号線の間に割れ目を有することを特徴とするシールドケーブル。
(2)前記(1)に記載のシールドケーブルの分岐接続させる部位において、シールドケーブルの長さ方向に沿って、所定の長さの切断刃で、アース線と信号線の間と、信号線と信号線の間を切断した後、絶縁被覆付信号線は切断しない形状の切断刃で、分岐接続させる部位の前後位置にて絶縁性シース、シールド層及び介在シースを切断し、これらを剥ぎ取り、アース線及び信号線を中間分岐用コネクタに圧着接続することにより分岐接続を行うことを特徴とするシールドケーブルの分岐接続方法。
(3)前記(1)に記載のシールドケーブルの分岐接続させる部位において、絶縁被覆付信号線は切断しない形状の切断刃で、分岐接続させる部位の前後位置にて絶縁性シース、シールド層及び介在シースを切断した後、シールドケーブルの長さ方向に沿って、所定の長さの切断刃で、アース線と信号線の間と、信号線と信号線の間を切断した後、絶縁性シース、シールド層及び介在シースを剥ぎ取り、アース線及び信号線を中間分岐用コネクタに圧着接続することにより分岐接続を行うことを特徴とするシールドケーブルの分岐接続方法。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を好ましい実施例により説明する。
図1に本発明によるシールドケーブルの一実施例を断面図で示す。図中11はシールドケーブルであり、2本の絶縁被覆付信号線12とアース線13とが、アース線13が外側になるように、所定のピッチで並列配置されている。12aは信号線導体、12bは絶縁被覆である。2本の信号線12の周りには、介在シース14が非接着状態で設けられている。そして介在シース14には、アース線13と信号線12との間と、信号線12と信号線12の間にそれぞれ割れ目15、16が形成されている。介在シース14を被覆した2本の信号線12とアース線13の周囲はシールド層17で被覆され、さらにその周りには絶縁性シース18が被覆されている。
【0008】
信号線12の外径は用途に応じて適宜設定されるが、通常φ0.8〜φ1.6mm程度である。導線12aの断面積(導体サイズ)は、伝送特性の向上の観点からは0.08〜0.5mm程度であることが好ましいが、これに限定されない。導線12aとしては、銅、アルミニウム、Snメッキ銅等の金属・合金材料を使用することができ、撚線でも単線でもよい。
信号線12の絶縁被覆12bとしては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(発泡系を含む)、ハロゲンフリー材、テトラフロロエチレン等の各種樹脂材料を用いることができる。信号線12の絶縁被覆12bの厚さは導線12aの導体サイズに応じて適宜設定される。
並列させる信号線12の本数は上記例では2本であるが、用途に応じて任意に設定することができる。信号線12間のピッチ及び信号線12とアース線13とのピッチは、コネクタ(中間分岐用コネクタを含む)ピッチに対応させて設定され、通常2.0〜4.0mm程度である。
【0009】
アース線13は軟銅、Snメッキ銅、アルミニウム等の金属・合金材料を使用することができ、撚線でも単線でもよい。アース線13の導体サイズは0.2〜0.5mm程度である。
【0010】
介在シース14は、その内側に信号線12を包囲するような中空部を有し、図4に示す例では、その断面において周辺は上下側がフラット、両サイドが略半円形となっているが、全体が矩形で角が丸みを帯びた形状であってもよい。介在シース14は信号線12に非接着状態で取り付けられ、割れ目15、16が形成されていることから、易シース剥離構造となっている。介在シース14の材料としては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(発泡系を含む)、ハロゲンフリー材、テトラフロロエチレン等の各種樹脂材料を用いることができる。
【0011】
シールド層17にはシールド効果を有する材料が使用され、具体的には銅箔/PETテープ、Snメッキ銅箔/PETテープ、アルミニウム箔/PETテープ等のシールドテープが使用でき、その厚さは15〜22μm程度である。これらシールドテープは金属箔側を内側とし、例えば接着剤をゼブラ形状に塗布し、PET側は全面塗布する。このようにすると、金属箔の部分とアース線13は導通し、接着剤と介在シース14は密着する。この場合、剥離性については金属箔に対する接着剤の面積比で調整することができる。
【0012】
絶縁性シース18には絶縁性、耐油性、耐薬品性を有するものが使用され、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ハロゲンフリー材、ポリテトラフロロエチレン等の樹脂材料が使用でき、その厚さは0.3〜0.5mm程度である。
【0013】
図5は、図4の構造のシールドケーブル11の線間ピッチと、中間分岐用コネクタ19とのピッチとの関係で示す図で、中間分岐用コネクタの各セクション20a、20b、20cはそれぞれ回路的に独立している。コネクタ端子21a、21b、21cに信号線12及びワイヤー13を嵌挿することにより被覆が剥が、これらの導体部がコネクタ端子21a、21b、21cと電気的に接続するようになっている。
【0014】
図4のようなシールドケーブル11の中間部において中間分岐用コネクタ19のコネクタ端子21a〜21cに圧着接続する場合、そのシース剥ぎ取り作業は以下のように行う。
先ず、図6に示すように、シールドケーブル11の中間部において所定の剥ぎ取り長さ(図8のL)に相当する長さの切断刃22により、アース線部Dと信号線部Eとの間を切断する。このとき、アース線部Dにおいてアース線13の周りはシースをつけたまま、剥ぎ取らず残したままとする。次に、信号線部Eの中央の所において切断刃22により、信号線12部分と信号線12部分の間を切断する。次に、図7に示すような切断刃23により所定の剥ぎ取り長さ部分の前と後ろをそれぞれ切断する。その後、シース剥ぎ取りを行うと、割れ目15、16が形成されているため、容易にシースが剥ぎ取られる。剥ぎ取り後のシールドケーブル11の剥ぎ取り部分は図8のような形状となる。
上記において、切断刃22の切断順序は逆としてもよく、また切断刃22は同じものを移動させてもよいし、2つのものを用いてもよい。また、切断刃22の切断と切断刃23の切断の順序を逆としてもよい。
また、場合によっては、切断刃22による切断を図6の左側のみとしてもシース剥ぎ取りが可能となる。
さらに、図9に示すような形状の刃24を用いることにより一度のカットでシース剥ぎ取りが可能となる。
【0015】
上記のようにシールドケーブル11の中間部分を所要長さだけ剥ぎ取った後、信号線12、アース線(シース付)13を圧接によりコネクタ端子21a〜21cに接続した様子を図10に示す。
【0016】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば前記構成及び手法を採用したので、信号線とアース線の撚りほぐし作業が不要となり、シールドケーブル分岐接続部の加工工数が削減でき、加工費の削減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のシールドケーブルの構成を示す断面図である。
【図2】シールドケーブルの分岐接続を説明図である。
【図3】分岐接続を行うシールドケーブルの撚りほぐしの説明図である。
【図4】本発明によるシールドケーブルの一実施例の構造を示す断面図である。
【図5】シールドケーブルの線間ピッチと中間分岐用コネクタのピッチの対応関係を示す図である。
【図6】シールドケーブルの中間部分におけるシース剥ぎ取り作業の説明図である。
【図7】シールドケーブルのシース剥ぎ取り部の前後を切断する刃の説明図である。
【図8】シールドケーブルのシース剥ぎ取り後の状態を示す図である。
【図9】シールドケーブルのシース剥ぎ取り用刃の別例を示す図である。
【図10】シールドケーブルの中間分岐用コネクタへの圧着接続状態を示す平面図である。
【符号の説明】
11 シールドケーブル
12 信号線
12a 信号線導体
12b 絶縁被覆
13 アース線
14 介在シース
15、16 割れ目
17 絶縁シールド
18 絶縁性シース
19 中間分岐コネクタ
20a〜20c セクション
21a〜21c コネクタ端子
22、23、24 切断刃

Claims (3)

  1. 複数の絶縁被覆付信号線とアース線とをアース線が複数の信号線の一側方となるようにそれぞれ所定ピッチで並列配置し、複数の信号線の周りに介在シースを被覆させ、介在シースを被覆した複数の信号線とアース線の周囲をシールド層で被覆した上にさらに絶縁性シースで被覆してなり、介在シースは、アース線と信号線との間と、信号線と信号線の間に割れ目を有することを特徴とするシールドケーブル。
  2. 請求項1に記載のシールドケーブルの分岐接続させる部位において、シールドケーブルの長さ方向に沿って、所定の長さの切断刃で、アース線と信号線の間と、信号線と信号線の間を切断した後、絶縁被覆付信号線は切断しない形状の切断刃で、分岐接続させる部位の前後位置にて絶縁性シース、シールド層及び介在シースを切断し、これらを剥ぎ取り、アース線及び信号線を中間分岐用コネクタに圧着接続することにより分岐接続を行うことを特徴とするシールドケーブルの分岐接続方法。
  3. 請求項1に記載のシールドケーブルの分岐接続させる部位において、絶縁被覆付信号線は切断しない形状の切断刃で、分岐接続させる部位の前後位置にて絶縁性シース、シールド層及び介在シースを切断した後、シールドケーブルの長さ方向に沿って、所定の長さの切断刃で、アース線と信号線の間と、信号線と信号線の間を切断した後、絶縁性シース、シールド層及び介在シースを剥ぎ取り、アース線及び信号線を中間分岐用コネクタに圧着接続することにより分岐接続を行うことを特徴とするシールドケーブルの分岐接続方法。
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DE102009044809A1 (de) * 2009-12-08 2011-06-09 Bpw Bergische Achsen Kg Elektrische Kabelanordnung

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