JP2004185812A - コードスイッチ - Google Patents
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Abstract
【課題】曲げ自由度が大きく且つ曲がり癖も受けず、しかもカスによる短絡不良を起こす懸念のないコードスイッチを提供すること。
【解決手段】中心導体の周りに空隙を保って配置した弾性導電部材の外表面が弾性絶縁部材にて被覆され、該弾性絶縁部材への押圧によって該弾性導電部材と該中心導体とが接触して通電するコードスイッチにおいて、該中心導体を、少なくとも一対の電極となる長尺状導電部材が互いに接触しないように、長尺状絶縁部材と撚り合わせ状態で、交互に配置した構成とし、この中心導体をコードスイッチの中央部に配し且つ、該導体の外周面の一部を弾性絶縁部材に埋設・固定する。
【選択図】図1
【解決手段】中心導体の周りに空隙を保って配置した弾性導電部材の外表面が弾性絶縁部材にて被覆され、該弾性絶縁部材への押圧によって該弾性導電部材と該中心導体とが接触して通電するコードスイッチにおいて、該中心導体を、少なくとも一対の電極となる長尺状導電部材が互いに接触しないように、長尺状絶縁部材と撚り合わせ状態で、交互に配置した構成とし、この中心導体をコードスイッチの中央部に配し且つ、該導体の外周面の一部を弾性絶縁部材に埋設・固定する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外部からの押圧により通電し、異物の挟み込みを検知するコードスイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のコードスイッチにおいては、外部からの押圧により外側弾性部材が変型し、内部に配置された電極同士が接触することにより通電し、異物の挟み込みを検知するというのが一般的である。このスイッチは構造上、一対以上の電極が対面に配置されている対面電極型(特許文献1参照)、一対以上の電極が同一平面に並列に配置され、対面となる位置に介在電極を有する電極併設対面ブリッジ型(特許文献2参照)、一対以上の電極が中央部に空隙を持つようにスパイラル状に配置されているスパイラル電極型(特許文献3参照)に大別される。
ここで、対面電極型においては、電極である導体が単体で、または導電部材を介して外側弾性部材に固定されている関係で、コードスイッチが曲げ部に当たるような箇所に取り付けられた場合、該コードスイッチの内側には圧縮応力が、外側には引張り応力が発生する。この応力差は弾性部材であれば吸収できるが、剛体である電極では吸収できない。この為、曲げ方向によっては曲げ量がほとんど無く、無理に曲げようとすると予期せぬ方向に曲がってしまい、場合によっては電極同士が接触してしまうという致命的状態に陥ってしまう。
電極併設対面ブリッジ型においても上記不具合が発生する。さらに形状によっては成形後の“曲がり癖”の問題が不可避的に生じる。これは電極の位置がコードスイッチの中心軸からずれて配置されていることに起因している。その結果、弾性部材が成形後収縮するため、電極側が外側になるような曲がり癖が生じてしまう。
一方、スパイラル電極型においては、上記制約は無いものの、成形時もしくは使用時に導電部材のカスが発生する。このカスが電極間に跨ると誤動作に因る短絡不良を起こしてしまう。このカスの問題は、同様に導電部材を採用する対面電極型、電極併設対面ブリッジ型もその例に漏れるものではない。
【0003】
【特許文献1】
特開平09−180580
【特許文献2】
特開平09−106731
【特許文献3】
特許第3252740号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上述の従来技術の問題点を解決し、曲げ自由度が大きく且つ曲がり癖の影響も受けず、しかもカスによる短絡不良を起こす懸念のないコードスイッチを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、少なくとも一対の長尺状導電部材が長尺状絶縁部材と撚り合わせ状態で交互に配置された特殊な電極構造に着目した結果、上記の課題を解決するに至った。
かくして、本発明によれば、中心導体の周りに空隙を保って配置された弾性導電部材の外表面が弾性絶縁部材にて被覆され、該弾性絶縁部材への押圧によって該弾性導電部材と該中心導体とが接触して通電するコードスイッチにおいて、該中心導体は、(a)少なくとも一対の電極となる長尺状導電部材が互いに接触しないように、長尺状絶縁部材と撚り合わせた状態で交互に配置されて構成され、そして、(b)該コードスイッチの中央部に位置し、且つ、その外表面の一部が弾性絶縁部材に埋設・固定されていることを特徴とするコードスイッチが提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、二対の電極を有する本発明のコードスイッチの例について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明のコードスイッチの一例を示す横断面図である。
図2〜図5は、本発明のコードスイッチにおける種々の態様を示す横断面図である。
【0007】
図1において、(1)は弧状弾性絶縁部材、(2)は弧状の弾性絶縁部材(1)の内周面に固着された弾性導電部材、そして、(3)は中心導体である。この中心導体(3)は、長尺状絶縁部材(3a)および(3b)並びに二対の電極を構成する4本の長尺状導電部材(3c)で構成され、その際、4本の長尺状導電部材(3c)は互いに接触しないように、長尺状絶縁部材(3a)および(3b)で隔てられて位置固定されている。そして、中心導体(3)は、弧状の弾性導電部材(2)の内壁面との間に空隙をもってコードスイッチ中央部(この場合は中心)に配置されつつ、その外表面(外周)の一部は弧状の弾性絶縁部材(1)に埋設・固定されている。
【0008】
本発明において特徴的なことは、二対の電極を構成する4本の長尺状導電部材(3c)が互いに接触しないように、それらの間に長尺状絶縁部材(3a)および(3b)を配置し、その際、これらの配置・集合状態を3者の撚り合わせにより達成して中心導体(3)を形成していること、そして、中心導体(3)がコードスイッチの中央部に位置するように、該導体の外表面の一部を弾性絶縁部材(1)に埋設・固定したことにある。こうすることにより従来のコードスイッチにおける欠点、すなわち取付時の曲げ方向や曲げ量に制約を受けるという欠点、さらには曲がり癖およびカス発生による短絡不良の問題が一挙に解消される。
この場合、中心導体(3)の果たす役割も極めて大きい。これまでのコードスイッチの作成時または事後の使用時には、導電部材のカス発生に因る短絡不良がしばしば生じていた。これに対して、本発明においては上記短絡不良の懸念が解消される。その理由は、以下述べるように、中心導体(3)の特異な構造に在る。本発明における導通の原理として、2本の長尺状導電部材(3c)に、両者の架け橋となる弾性導電部材(2)が接触する必要がある。この点、中心導体(3)中の長尺状導電部材(3c)はその間に介在する長尺状絶縁部材(3b)により隔てられている分、絶縁不良の因をなすカスは長尺状導電部材(3c)に跨るほどには成長しない。併せて、中心導体(3)の横断面は撚り構造による円弧形状であるので、カスが2本の長尺状導電部材(3c)に跨った状態をとる確率はさらに低くなる。
以上の理由により短絡の危険性は大幅に回避され、コードスイッチとしての信頼性が高くなる。
【0009】
以下、本発明のコードスイッチにおける種々の態様について、図2〜5を参照しながら説明する。
図2は、図1のコードスイッチの施設性を向上させるために、弾性絶縁部材(1)の底部を平面部とした例を示している。
さらに、図3〜5は、図1のコードスイッチの弾性絶縁部材(1)の底部を被取付材の取付面に嵌合するような形状の取付部(4)として形成し、しかもその内部に補強部材(4a)を埋め込んだ例を示している。従来のコードスイッチにも当然嵌合形状が設けられているが、この場合は、弾性絶縁部材のみで構成されており、強度的に弱い物であったが、本発明においては、その取付部(4)の内部に補強部材(4a)を埋め込むことにより、取付部(4)の強度が飛躍的に向上する。
【0010】
次に、本発明のコードスイッチの製造方法について述べる。
先ず、長尺状絶縁部材(3a)を中心にして、長尺状絶縁部材(3b)と長尺状導電部材(3c)とが互いに接触しないよう交互に配置してから同心撚りを施して、図示したような中心導体(3)を得る。
次に中心導体(3)の周りに弾性絶縁部材(1)を被覆する。その際、図1に示すように、弾性絶縁部材(1)の内壁面に弾性導電部材(2)が中心導体(3)との間に空隙部をもって形成され、且つ中心導体(3)の外表面の一部が弾性絶縁部材(1)に埋設・固定されるように同時に成形する。
また、取付部(4)を設ける場合には、補強部材(4a)も同時に成形する。最後に押出成形品を加熱炉に通して加硫または/および焼成してコードスイッチを完成させる。
ここで、弾性絶縁部材(1)には絶縁シリコーンゴムが、弾性導電部材(2)には導電シリコーンゴムがそれぞれに好ましく配される。これに対して、中心導体(3)中の長尺状絶縁部材(3a)および(3b)には、金属線、例えば銀メッキ軟銅線、ニッケルメッキ軟銅線、ニッケル線、あるいはスズメッキ軟銅線等の金属線に絶縁フッ素樹脂、例えばテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロプレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)等を被覆してなるフッ素電線や、上記金属線に絶縁シリコーンゴムを被覆してなるシリコーン電線、さらには、その他の絶縁性の弾性ゴムまたは樹脂を被覆してなる樹脂被覆電線などが用いられる。この場合、中央に配される長尺状絶縁部材(3a)については必ずしも金属線を含む必要は無く、前記のゴムまたは樹脂からなるチューブまたは棒状体を用いてもよい。ただ、長尺状絶縁部材(3b)については前記の金属線が必要になる。この理由は、撚糸後の撚り癖を利用して中心導体(3)の形状を保持するためである。この長尺状絶縁部材(3b)が、樹脂やゴムのみからなるチューブまたは棒状体であると、中心導体(3)の撚り構造がばらけてしまうので、好ましくない。一方、この中心導体(3)中の長尺状導電部材(3c)には、前述の金属線に導電シリコーンゴムを被覆したシリコーン電線、さらには、他の導電性の弾性樹脂を被覆してなる導電電線などが用いられる。
また、取付部(4)の補強部材(4a)としては、鉄やSUS材もしくは硬質であれば樹脂やゴム材を用いてもよい。
【0011】
本発明のコードスイッチにあっては、中心導体(3)がコードスイッチの中央部に位置していることは記述のとおりであるが、この状態がコードスイッチの製造(成形)工程で果たす役割は特筆すべきものがある。一般的な電極併設対面ブリッジ型においては構造上、電極と導電部材が中心軸をはさんで対面に位置している。成形後、電極となる剛体と弾性部材の収縮率の差がそのままコードスイッチのソリとなり、曲がり癖となってしまう。この点、本発明においては、中心導体(3)をコードスイッチの中央部に配しながら成形することにより、ソリを押さえ込むことができる。
【0012】
【実施例】
以下は図1に示したコードスイッチの製造例である。
先ず、外径が0.7mmの導体(ニッケルメッキ軟銅線)の外周に絶縁PTFE樹脂(商品名:「Fluon PFA P−63P」、旭硝子(株)社製)を押出し被覆することにより長尺状絶縁部材(3a)を得た。同様にして外径0.5mmの導体(ニッケルメッキ軟銅線)の外周に絶縁シリコーンゴム(商品名:「XE21−005u」、GE東芝シリコーン(株)社製)を押出し被覆することにより長尺状絶縁部材(3b)を得た。
また、外径0.7mmの導体(ニッケルメッキ軟銅線)の外周に導電シリコーンゴム(商品名:「KE3801Mu」、信越化学工業(株)社製)を押出し被覆することにより長尺状導電部材(3c)を得た。
以上3種類の長尺状部材の内、長尺状絶縁部材(3a)を中心にして、長尺状絶縁部材(3b)と長尺状導電部材(3c)とを、図1に示す交互配置になるように同心撚りを行うことにより中心導体(3)を作成した。
次に、上記の中心導体(3)を押出機にセットした状態で、押出機の2ヶ所の材料投入口にそれぞれ、弾性導電部材(2)を構成する導電シリコーンゴム(商品名:「KE3801Mu」、信越化学工業(株)社製)および弾性絶縁部材(1)を構成する絶縁シリコーンゴム(商品名:「XE21−005u」、GE東芝シリコーン(株)社製)を投入した。その後、図1の横断面形状に相当する金型を押出機にセットし、線速1.0m/minで押出し、約600℃に設定された加熱炉で加硫/焼成して本発明のコードスイッチを完成した。
上記の例で、さらに、図3〜5に示す取付部(4)を設ける場合は、補強部材(4a)を同様にセットすればよい。
【0013】
【発明の効果】
本発明のコードスイッチでは特殊な構造の中心導体を採用したので、該コードはその曲げ自由度が大きく且つ曲がり癖の影響も受けることがなく、取付部の形状が3次元的に複雑であっても容易に取付可能であるので、繰り返し動作および導電部材のカスに因る短絡不良問題の懸念が一挙に解消される。
【0014】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコードスイッチの一例を示す横断面図である。
【図2】本発明の、施設性を向上させたコードスイッチの横断面図である。
【図3】本発明の、被取付面への取付性を向上させたコードスイッチの横断面図である。
【図4】本発明の、被取付面への取付性を向上させたコードスイッチの他の態様を示す横断面図である。
【図5】本発明の、被取付面への取付性を向上させたコードスイッチの更に他の態様を示す横断面図である。
【符号の説明】
1 弾性絶縁部材
2 弾性導電部材
3 中心導体
3a 長尺状絶縁部材
3b 長尺状絶縁部材
3c 長尺状導電部材
4 取付部
4a 補強部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、外部からの押圧により通電し、異物の挟み込みを検知するコードスイッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のコードスイッチにおいては、外部からの押圧により外側弾性部材が変型し、内部に配置された電極同士が接触することにより通電し、異物の挟み込みを検知するというのが一般的である。このスイッチは構造上、一対以上の電極が対面に配置されている対面電極型(特許文献1参照)、一対以上の電極が同一平面に並列に配置され、対面となる位置に介在電極を有する電極併設対面ブリッジ型(特許文献2参照)、一対以上の電極が中央部に空隙を持つようにスパイラル状に配置されているスパイラル電極型(特許文献3参照)に大別される。
ここで、対面電極型においては、電極である導体が単体で、または導電部材を介して外側弾性部材に固定されている関係で、コードスイッチが曲げ部に当たるような箇所に取り付けられた場合、該コードスイッチの内側には圧縮応力が、外側には引張り応力が発生する。この応力差は弾性部材であれば吸収できるが、剛体である電極では吸収できない。この為、曲げ方向によっては曲げ量がほとんど無く、無理に曲げようとすると予期せぬ方向に曲がってしまい、場合によっては電極同士が接触してしまうという致命的状態に陥ってしまう。
電極併設対面ブリッジ型においても上記不具合が発生する。さらに形状によっては成形後の“曲がり癖”の問題が不可避的に生じる。これは電極の位置がコードスイッチの中心軸からずれて配置されていることに起因している。その結果、弾性部材が成形後収縮するため、電極側が外側になるような曲がり癖が生じてしまう。
一方、スパイラル電極型においては、上記制約は無いものの、成形時もしくは使用時に導電部材のカスが発生する。このカスが電極間に跨ると誤動作に因る短絡不良を起こしてしまう。このカスの問題は、同様に導電部材を採用する対面電極型、電極併設対面ブリッジ型もその例に漏れるものではない。
【0003】
【特許文献1】
特開平09−180580
【特許文献2】
特開平09−106731
【特許文献3】
特許第3252740号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上述の従来技術の問題点を解決し、曲げ自由度が大きく且つ曲がり癖の影響も受けず、しかもカスによる短絡不良を起こす懸念のないコードスイッチを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、少なくとも一対の長尺状導電部材が長尺状絶縁部材と撚り合わせ状態で交互に配置された特殊な電極構造に着目した結果、上記の課題を解決するに至った。
かくして、本発明によれば、中心導体の周りに空隙を保って配置された弾性導電部材の外表面が弾性絶縁部材にて被覆され、該弾性絶縁部材への押圧によって該弾性導電部材と該中心導体とが接触して通電するコードスイッチにおいて、該中心導体は、(a)少なくとも一対の電極となる長尺状導電部材が互いに接触しないように、長尺状絶縁部材と撚り合わせた状態で交互に配置されて構成され、そして、(b)該コードスイッチの中央部に位置し、且つ、その外表面の一部が弾性絶縁部材に埋設・固定されていることを特徴とするコードスイッチが提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、二対の電極を有する本発明のコードスイッチの例について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明のコードスイッチの一例を示す横断面図である。
図2〜図5は、本発明のコードスイッチにおける種々の態様を示す横断面図である。
【0007】
図1において、(1)は弧状弾性絶縁部材、(2)は弧状の弾性絶縁部材(1)の内周面に固着された弾性導電部材、そして、(3)は中心導体である。この中心導体(3)は、長尺状絶縁部材(3a)および(3b)並びに二対の電極を構成する4本の長尺状導電部材(3c)で構成され、その際、4本の長尺状導電部材(3c)は互いに接触しないように、長尺状絶縁部材(3a)および(3b)で隔てられて位置固定されている。そして、中心導体(3)は、弧状の弾性導電部材(2)の内壁面との間に空隙をもってコードスイッチ中央部(この場合は中心)に配置されつつ、その外表面(外周)の一部は弧状の弾性絶縁部材(1)に埋設・固定されている。
【0008】
本発明において特徴的なことは、二対の電極を構成する4本の長尺状導電部材(3c)が互いに接触しないように、それらの間に長尺状絶縁部材(3a)および(3b)を配置し、その際、これらの配置・集合状態を3者の撚り合わせにより達成して中心導体(3)を形成していること、そして、中心導体(3)がコードスイッチの中央部に位置するように、該導体の外表面の一部を弾性絶縁部材(1)に埋設・固定したことにある。こうすることにより従来のコードスイッチにおける欠点、すなわち取付時の曲げ方向や曲げ量に制約を受けるという欠点、さらには曲がり癖およびカス発生による短絡不良の問題が一挙に解消される。
この場合、中心導体(3)の果たす役割も極めて大きい。これまでのコードスイッチの作成時または事後の使用時には、導電部材のカス発生に因る短絡不良がしばしば生じていた。これに対して、本発明においては上記短絡不良の懸念が解消される。その理由は、以下述べるように、中心導体(3)の特異な構造に在る。本発明における導通の原理として、2本の長尺状導電部材(3c)に、両者の架け橋となる弾性導電部材(2)が接触する必要がある。この点、中心導体(3)中の長尺状導電部材(3c)はその間に介在する長尺状絶縁部材(3b)により隔てられている分、絶縁不良の因をなすカスは長尺状導電部材(3c)に跨るほどには成長しない。併せて、中心導体(3)の横断面は撚り構造による円弧形状であるので、カスが2本の長尺状導電部材(3c)に跨った状態をとる確率はさらに低くなる。
以上の理由により短絡の危険性は大幅に回避され、コードスイッチとしての信頼性が高くなる。
【0009】
以下、本発明のコードスイッチにおける種々の態様について、図2〜5を参照しながら説明する。
図2は、図1のコードスイッチの施設性を向上させるために、弾性絶縁部材(1)の底部を平面部とした例を示している。
さらに、図3〜5は、図1のコードスイッチの弾性絶縁部材(1)の底部を被取付材の取付面に嵌合するような形状の取付部(4)として形成し、しかもその内部に補強部材(4a)を埋め込んだ例を示している。従来のコードスイッチにも当然嵌合形状が設けられているが、この場合は、弾性絶縁部材のみで構成されており、強度的に弱い物であったが、本発明においては、その取付部(4)の内部に補強部材(4a)を埋め込むことにより、取付部(4)の強度が飛躍的に向上する。
【0010】
次に、本発明のコードスイッチの製造方法について述べる。
先ず、長尺状絶縁部材(3a)を中心にして、長尺状絶縁部材(3b)と長尺状導電部材(3c)とが互いに接触しないよう交互に配置してから同心撚りを施して、図示したような中心導体(3)を得る。
次に中心導体(3)の周りに弾性絶縁部材(1)を被覆する。その際、図1に示すように、弾性絶縁部材(1)の内壁面に弾性導電部材(2)が中心導体(3)との間に空隙部をもって形成され、且つ中心導体(3)の外表面の一部が弾性絶縁部材(1)に埋設・固定されるように同時に成形する。
また、取付部(4)を設ける場合には、補強部材(4a)も同時に成形する。最後に押出成形品を加熱炉に通して加硫または/および焼成してコードスイッチを完成させる。
ここで、弾性絶縁部材(1)には絶縁シリコーンゴムが、弾性導電部材(2)には導電シリコーンゴムがそれぞれに好ましく配される。これに対して、中心導体(3)中の長尺状絶縁部材(3a)および(3b)には、金属線、例えば銀メッキ軟銅線、ニッケルメッキ軟銅線、ニッケル線、あるいはスズメッキ軟銅線等の金属線に絶縁フッ素樹脂、例えばテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロプレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)等を被覆してなるフッ素電線や、上記金属線に絶縁シリコーンゴムを被覆してなるシリコーン電線、さらには、その他の絶縁性の弾性ゴムまたは樹脂を被覆してなる樹脂被覆電線などが用いられる。この場合、中央に配される長尺状絶縁部材(3a)については必ずしも金属線を含む必要は無く、前記のゴムまたは樹脂からなるチューブまたは棒状体を用いてもよい。ただ、長尺状絶縁部材(3b)については前記の金属線が必要になる。この理由は、撚糸後の撚り癖を利用して中心導体(3)の形状を保持するためである。この長尺状絶縁部材(3b)が、樹脂やゴムのみからなるチューブまたは棒状体であると、中心導体(3)の撚り構造がばらけてしまうので、好ましくない。一方、この中心導体(3)中の長尺状導電部材(3c)には、前述の金属線に導電シリコーンゴムを被覆したシリコーン電線、さらには、他の導電性の弾性樹脂を被覆してなる導電電線などが用いられる。
また、取付部(4)の補強部材(4a)としては、鉄やSUS材もしくは硬質であれば樹脂やゴム材を用いてもよい。
【0011】
本発明のコードスイッチにあっては、中心導体(3)がコードスイッチの中央部に位置していることは記述のとおりであるが、この状態がコードスイッチの製造(成形)工程で果たす役割は特筆すべきものがある。一般的な電極併設対面ブリッジ型においては構造上、電極と導電部材が中心軸をはさんで対面に位置している。成形後、電極となる剛体と弾性部材の収縮率の差がそのままコードスイッチのソリとなり、曲がり癖となってしまう。この点、本発明においては、中心導体(3)をコードスイッチの中央部に配しながら成形することにより、ソリを押さえ込むことができる。
【0012】
【実施例】
以下は図1に示したコードスイッチの製造例である。
先ず、外径が0.7mmの導体(ニッケルメッキ軟銅線)の外周に絶縁PTFE樹脂(商品名:「Fluon PFA P−63P」、旭硝子(株)社製)を押出し被覆することにより長尺状絶縁部材(3a)を得た。同様にして外径0.5mmの導体(ニッケルメッキ軟銅線)の外周に絶縁シリコーンゴム(商品名:「XE21−005u」、GE東芝シリコーン(株)社製)を押出し被覆することにより長尺状絶縁部材(3b)を得た。
また、外径0.7mmの導体(ニッケルメッキ軟銅線)の外周に導電シリコーンゴム(商品名:「KE3801Mu」、信越化学工業(株)社製)を押出し被覆することにより長尺状導電部材(3c)を得た。
以上3種類の長尺状部材の内、長尺状絶縁部材(3a)を中心にして、長尺状絶縁部材(3b)と長尺状導電部材(3c)とを、図1に示す交互配置になるように同心撚りを行うことにより中心導体(3)を作成した。
次に、上記の中心導体(3)を押出機にセットした状態で、押出機の2ヶ所の材料投入口にそれぞれ、弾性導電部材(2)を構成する導電シリコーンゴム(商品名:「KE3801Mu」、信越化学工業(株)社製)および弾性絶縁部材(1)を構成する絶縁シリコーンゴム(商品名:「XE21−005u」、GE東芝シリコーン(株)社製)を投入した。その後、図1の横断面形状に相当する金型を押出機にセットし、線速1.0m/minで押出し、約600℃に設定された加熱炉で加硫/焼成して本発明のコードスイッチを完成した。
上記の例で、さらに、図3〜5に示す取付部(4)を設ける場合は、補強部材(4a)を同様にセットすればよい。
【0013】
【発明の効果】
本発明のコードスイッチでは特殊な構造の中心導体を採用したので、該コードはその曲げ自由度が大きく且つ曲がり癖の影響も受けることがなく、取付部の形状が3次元的に複雑であっても容易に取付可能であるので、繰り返し動作および導電部材のカスに因る短絡不良問題の懸念が一挙に解消される。
【0014】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコードスイッチの一例を示す横断面図である。
【図2】本発明の、施設性を向上させたコードスイッチの横断面図である。
【図3】本発明の、被取付面への取付性を向上させたコードスイッチの横断面図である。
【図4】本発明の、被取付面への取付性を向上させたコードスイッチの他の態様を示す横断面図である。
【図5】本発明の、被取付面への取付性を向上させたコードスイッチの更に他の態様を示す横断面図である。
【符号の説明】
1 弾性絶縁部材
2 弾性導電部材
3 中心導体
3a 長尺状絶縁部材
3b 長尺状絶縁部材
3c 長尺状導電部材
4 取付部
4a 補強部材
Claims (7)
- 中心導体の周りに空隙を保って配置された弾性導電部材の外表面が弾性絶縁部材にて被覆され、該弾性絶縁部材への押圧によって該弾性導電部材と該中心導体とが接触して通電するコードスイッチにおいて、該中心導体は、(a)少なくとも一対の電極となる長尺状導電部材が互いに接触しないように、長尺状絶縁部材と撚り合わせ状態で交互に配置されて構成され、そして、(b)該コードスイッチの中央部に位置し、且つ、その外表面の一部が弾性絶縁部材に埋設・固定されていることを特徴とするコードスイッチ。
- 該弾性導電部材が導電シリコーンゴムである請求項1に記載のコードスイッチ。
- 該弾性絶縁部材が絶縁シリコーンゴムである請求項1または、請求項2に記載のコードスイッチ。
- 該長尺状導電部材が、金属線に導電シリコーンゴムまたは導電フッ素樹脂を被覆したものである請求項1〜3のいずれかに記載のコードスイッチ。
- 該長尺状絶縁部材が、絶縁シリコーンゴムまたは絶縁フッ素樹脂で構成される請求項1〜4のいずれかに記載のコードスイッチ。
- 該長尺状絶縁部材が、金属線に絶縁シリコーンゴムまたは絶縁フッ素樹脂を被覆したものである請求項1〜5のいずれかに記載のコードスイッチ。
- 該弾性絶縁部材の外周の一部が、被取付部材の取付面に嵌合するような凸状または凹状形状の取付部を形成し、その際、該取付部内部に補強部材を埋め込まれてなる請求項1〜6のいずれかに記載のコードスイッチ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002347475A JP2004185812A (ja) | 2002-11-29 | 2002-11-29 | コードスイッチ |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002347475A JP2004185812A (ja) | 2002-11-29 | 2002-11-29 | コードスイッチ |
Publications (1)
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JP2004185812A true JP2004185812A (ja) | 2004-07-02 |
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ID=32750669
Family Applications (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7534957B2 (en) * | 2005-10-31 | 2009-05-19 | Hitachi Cable, Ltd. | Cord switch and detecting apparatus using the same |
JP2012195183A (ja) * | 2011-03-17 | 2012-10-11 | Okano Electric Wire Co Ltd | 圧力検知用ケーブル |
JP2012195181A (ja) * | 2011-03-17 | 2012-10-11 | Okano Electric Wire Co Ltd | 圧力検知用ケーブル |
-
2002
- 2002-11-29 JP JP2002347475A patent/JP2004185812A/ja active Pending
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US7534957B2 (en) * | 2005-10-31 | 2009-05-19 | Hitachi Cable, Ltd. | Cord switch and detecting apparatus using the same |
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