JP2004185552A - 手書入力装置 - Google Patents

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Munehisa Haitani
宗久 灰谷
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Abstract

【課題】表示の透過率を向上させて良好な画像の表示を行うとともに、操作性を向上させることができ、さらに簡単な構造で製造コストの低廉化を図る。
【解決手段】筆記具2をタブレット8の表面に近接させ、筆記具2の永久磁石3によって磁性膜17を引き寄せることにより裏側の基体10を表側に引き寄せ、各可動電極15を各固定電極12に接触させて、その接触点の座標情報を検出し、液晶表示装置5において座標情報に基づき筆記具2によって指示された座標位置を表示する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は手書入力装置に係り、特に筆記具を用いてコンピュータの表示画面に文字や図形等の画像を入力する手書入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えばペン形状の筆記具を用いてワードプロセッサやPDA(PersonalDigital Assistant)等の手書によって入力された文字や図形等の画像を表示画面に表示する手書入力装置が多用されている。
【0003】
この手書入力装置は、一般に表示装置および筆記具によって指示された座標情報を検出するタブレットを備えており、このタブレットにおいて座標情報を検出する方法としては、従来より抵抗膜式、電磁誘導式、静電式、超音波式、光学式等の検出方法が知られている。
【0004】
ここで、抵抗膜式のタブレットを備えた手書入力装置について説明すると、この手書入力装置は液晶表示装置等の表示装置を有し、この表示装置の表面にはタブレットが配設されている。このタブレットは、所定の間隔をおいて対向して配設された一対の基体を有し、これら基体における相互に対向する面には、それぞれ透明抵抗膜が配設されている。
【0005】
このような手書入力装置は、タブレットにおいて、前記各透明抵抗膜に電圧を印加するとともに、筆記具を用いて表面側の透明抵抗膜を押圧することによりこれら各透明抵抗膜を接触させ、この接触点において各透明抵抗膜を通電させることによって、この接触点の電位を検知して前記接触点における座標情報を検出する。そして、前記手書入力装置は、前記表示装置においてこの座標情報に基づく座標位置を表示するようになっていた(特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】
特願平5−224813号公報
【特許文献2】
特願平6−301463号公報
【特許文献3】
特願平7−200136号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記抵抗膜式のタブレットを備えた手書入力装置は、前記タブレットが表示装置の表側に配設されているので、表示装置における表示の透過率が低下してしまい、良好な画像を表示することが困難であった。
【0008】
また、抵抗膜式のタブレットは、座標情報を検出するにあたり表側の透明抵抗膜と裏側の透明抵抗膜とを接触させるために前記表側の基体を押圧しなければならない。このため、画像を入力する場合には、前記筆記具等を用いて手書入力装置の画面を押圧し続けなければならず、画像を構成する線を指示する手に負担がかかって操作性が悪かった。
【0009】
さらに、あやまって手等により前記手書入力装置の画面を押圧してしまうと、前記手書入力装置はその押圧による表側の透明抵抗膜と裏側の透明抵抗膜との接触点も表示として検出してしまうため、筆記具等によって画像を入力する場合には手等を画面に接触させないように入力しなければならず、一層操作性が悪いという問題を有していた。
【0010】
一方、電磁誘導式等の他の検出方法を用いたタブレットを備えた手書入力装置は、座標情報を検出するための配線構造が複雑であり、製造コストが高くなってしまっていた。
【0011】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、表示の透過率を向上させて良好な画像の表示を行うとともに、操作性を向上させることができ、さらに簡単な構造で製造コストの低廉化を図ることができる手書入力装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明に係る手書入力装置は、磁力を有する筆記具と、裏面に複数の固定電極が配設された表側の基体および表面に複数の可動電極が配設され裏面に磁性膜が配設された可撓性を有する裏側の基体を、前記各固定電極と前記各可動電極とが相互に対向するように所定の間隙をもって一体に形成したタブレットとを有してなり、前記筆記具が前記タブレットの表面に近接され、前記筆記具の磁力によって前記磁性膜が引き寄せられることにより前記裏側の基体が表側に引き寄せられ、前記各可動電極が前記各固定電極に接触されて、その接触点の座標情報が検出されることを特徴とする。
【0013】
この本発明に係る手書入力装置によれば、タブレットの画面に手書きで画像を構成する線を指示するとき、固定電極と可動電極とを接触させるために画面を押圧する必要がないので、手に負担をかけることなく画像を構成する線を指示することができる。さらに、画面に手を触れても各可動電極は各固定電極に接触せず、手を触れた部分が画像として表示されることはないので、画面に手を接触させながら筆記具により画面に画像を構成する線を指示することができる。
【0014】
また、一対の基体の相互に対向する面にそれぞれ各固定電極または各可動電極を配設し、これら各固定電極および各可動電極に電圧を印加して座標情報を検出するので、電磁誘導式等の他の検出方法を用いたものと比較して各電極の配線構造を簡単にすることができる。
【0015】
また、本発明に係る他の手書入力装置は、前記タブレットの表側に、前記筆記具によって指示された座標位置を表示する表示装置を配設することを特徴とする。
【0016】
この本発明にかかる手書入力装置によれば、タブレットを表示装置の裏側に配設することができるので、表示装置における表示の透過率が低下してしまうのを防止することができる。
【0017】
また、本発明にかかる他の手書入力装置は、前記各固定電極を前記タブレットにおけるX軸方向に整列して配設し、前記各可動電極を前記タブレットにおけるY軸方向に整列して配設することを特徴とする。
【0018】
この本発明にかかる手書入力装置によれば、各可動電極を各固定電極に接触させることにより、その接触点の座標情報をXY座標としてより容易に検出することができる。
【0019】
また、本発明にかかる他の手書入力装置は、前記各固定電極と前記各可動電極との接触点における接触面積に基づいて前記筆記具を用いて指示する線の太さを検出することを特徴とする。
【0020】
この本発明にかかる手書入力装置によれば、簡単な各電極の配線構造を有するタブレットを用いて、筆記具によって指示される線の太さを検出することができる。
【0021】
さらに、本発明にかかる他の手書入力装置は、前記各固定電極が前記表側の基体の裏全面に配設され、前記各可動電極が前記裏側の基体の表全面に配設されていることを特徴とする。
【0022】
この本発明にかかる手書入力装置によれば、手書入力手段の画面全面において筆記具を用いて指示された線の座標情報を検出することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る手書入力装置の実施形態を図1から図3を参照して説明する。
【0024】
図1は、本実施形態にかかる手書入力装置の一実施形態を示す分解斜視図であり、また、図2は、図1に示す手書入力装置を示す断面概念図である。
【0025】
図1および図2に示すように、本手書入力装置1は、例えばペン形状の筆記具2を備えており、この筆記具2の先端部分には、永久磁石3が内蔵されている。
【0026】
また、前記手書入力装置1は、表示装置としての液晶表示装置5を有し、この液晶表示装置5は、液晶表示パネル6および前記液晶表示装置5における表示の駆動を制御する図示しない表示駆動制御部を備えている。
【0027】
また、前記液晶表示装置5の裏側には、座標位置を検出するためのタブレット8が備えられており、このタブレット8は、一対の基体9,10を有している。図3は、これら一対の基体9,10を表側から視認した分解斜視図であり、同図は、表側の基体9の裏面に配設される各電極を前記基体9の表面から透過して視認しているものとする。
【0028】
これら一対の基体9,10のうち表側に配設された基体9は、例えばポリエステル等の材料によって構成されており、この基体9の裏面には、銀等の材料によって構成された複数の固定電極12が一方向(本実施形態においてはX軸方向:画面横方向)に整列して配設されている。また、前記基体9の裏面における前記各固定電極12の形成方向と直交する一辺部分には、例えばITO(Indium TinOxide:インジウムスズ酸化物)等の材料により構成された電極13が配設されており、前記各固定電極12の一端部は、この電極13に接続されている。そして、これら各固定電極12は、前記電極13を介して座標検出用電圧が印加されるようになっている。
【0029】
また、前記一対の基体9,10のうち裏側に配設された基体10は、可撓性を有するように軟質な材料によって構成されており、この基体10の表面には、銀等の材料によって構成された複数の可動電極15が前記固定電極12の形成方向に対して直交する方向(本実施形態においてはY軸方向:画面縦方向)に整列して配設されている。また、前記基体10の表面における前記各可動電極15の形成方向と直交する一辺部分には、ITO等の材料によって構成された電極16が配設されており、前記各可動電極15の一端部は、この電極16に接続されている。そして、これら各可動電極15は、前記電極16を介して座標検出用電圧が印加されるようになっている。
【0030】
さらに、前記裏側の基体10における裏面には、鉄粉等の磁性粉により構成された磁性膜17が配設されている。
【0031】
そして、前記各一対の基体9,10は、前記一対の基体9,10における相互に対向する面の外周縁に配置されたスペーサ19を介して例えば10μm程度の間隙寸法となるように一体に固定して形成されている。
【0032】
また、前記手書入力装置1は、図示しない制御部を有しており、この制御部は、固定電極12と可動電極15との接触点の電圧を検出し、A/D変換回路(図示せず)において前記電圧をデジタル信号に変換してこのデジタル信号に基づき前記接触点の座標情報を検出するようになっている。さらに、前記制御部は、前記固定電極12と前記可動電極15との接触面積から入力された画像の線の太さを検出するようになっている。そして、前記制御部は、前記接触点の座標情報および前記線の太さを前記液晶表示装置5の表示駆動制御部に出力するようになっており、この表示駆動制御部は、前記液晶表示パネル6において前記座標情報および前記線の太さに基づき画像の表示を行うようになっている。
【0033】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0034】
まず、手書入力装置1における液晶表示装置5の画面の表面上において筆記具2により文字等の画像を構成する線を指示する。このとき、筆記具2の先端部は、前記液晶表示装置5の画面の表面に接していなくてもよい。
【0035】
すると、前記筆記具2の永久磁石3によってタブレット8の裏側の基体10における前記筆記具2が接近した部分の磁性膜17が表側に引き寄せられ、これにより前記筆記具2が前記画面に接近した部分において可動電極15が固定電極12に接触する。
【0036】
このとき、座標検出用電圧が電極13を介して各固定電極12に印加されていると、可動電極15と固定電極12との接触点における電圧は、前記接触点を介して可動電極15に伝達される。すると、制御部は前記接触点の電圧をA/D変換回路に供給し、デジタル信号に変換してこのデジタル信号に基づき前記接触点における裏側の基体10の座標情報(Y軸座標)を検出する。
【0037】
続いて、前記座標検出用電圧を電極16を介して各可動電極15に印加するように切り換えると、前記接触点における電圧は、前記接触点を介して固定電極12に伝達される。すると、制御部は前記接触点の電圧をA/D変換回路に供給し、デジタル信号に変換してこのデジタル信号に基づき前記接触点における表側の基体9の座標情報(X軸座標)を検出する。
【0038】
さらに、前記座標検出用電圧を前記各固定電極12に印加するように再度切り換えることにより、新たな接触点におけるY軸座標を検出することができ、このように前記座標検出用電圧の印加を前記各固定電極12と前記各可動電極15との間において連続的に切り換えることにより、前記筆記具2が前記画面に近接した軌跡のXY座標を検出することができる。
【0039】
また、前記液晶表示装置5の画面の表面から前記筆記具2の先端部までの距離によって前記裏側の基体10が表側に引き寄せられ前記各可動電極15が前記各固定電極12に接触する接触面積が異なる。そこで、前記制御部は、接触点を介して前記各固定電極12および前記各可動電極15に伝達された電圧をA/D変換回路においてデジタル信号に変換し、これらのデジタル信号に基づいて前記接触面積を検出し、この接触面積から前記筆記具によって指示した線の太さを検出する。
【0040】
そして、前記制御部は検出したXY座標および線の太さを液晶表示装置5の表示駆動制御部に出力し、前記表示駆動制御部は、このXY座標および線の太さに基づき液晶表示パネル6において画像の表示を行う。
【0041】
本実施形態によれば、タブレット8を液晶表示装置5の裏側に配設することができるので、液晶表示装置5における表示の透過率が低下してしまうのを防止することができる。
【0042】
また、液晶表示装置5の画面に手書で画像を構成する線を指示するとき、筆記具2の先端部を前記画面に近接させて筆記具2の永久磁石3により裏側の基体10の磁性膜17を表側に引き寄せることによって可動電極15を固定電極12と接触させることができ、固定電極12と可動電極15とを接触させるために画面を押圧する必要がないので、手に負担をかけることなく画像を構成する線を指示することができる。さらに、画面に手を触れても各可動電極15は各固定電極12に接触せず、手を触れた部分が画像として表示されることはないので、手を画面に接触させながら筆記具2により画面に画像を構成する線を指示することができる。
【0043】
さらにまた、本手書入力装置1のタブレット8は、一対の基体9,10の相互に対向する面にそれぞれ各固定電極12または各可動電極15を配設し、これら各固定電極12および各可動電極15に電圧を印加して座標情報や線の太さを検出するので、電磁誘導式等の他の検出方法を用いたタブレットと比較して各電極の配線構造を簡易にすることができる。
【0044】
したがって、本手書入力装置1は、液晶表示装置5における表示の透過率の低下を防止することができるので、良好な画像の表示を行うことができる。
【0045】
また、前記手書入力装置1は、筆記具2を用いて手に負担をかけることなく画像を構成する線を指示することができるとともに、手を画面に接触させながら画像を構成する線を指示することができるので、作業上の操作性を向上させることができる。
【0046】
さらに、前記手書入力装置1は、タブレット8の各電極12,13,15,16の配線構造を簡易にすることができるので、電磁誘導式等の他の検出方法を用いたタブレットと比較して製造コストの低廉化を図ることができる。
【0047】
さらにまた、本手書入力装置1は、筆記具2を画面に押圧することなく前記手書入力装置1に画像を入力して表示させることができるので、前記画面が傷ついてしまうのを防止することができる。
【0048】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々変更することが可能である。
【0049】
例えば、本実施形態においては、表示装置として液晶表示装置5が用いられているが、これに限定されるものではなく、他の表示装置を用いてもよい。また、タブレット8は、液晶表示装置5の裏側に配設されているが、表側に配設されてもよい。
【0050】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係る手書入力装置によれば、筆記具を用いて手に負担をかけることなく画像を構成する線を指示することができるとともに、手を画面に接触させながら前記線を指示することができるので、作業上の操作性を向上させることができる。また、前記手書入力装置は、タブレットの各電極の配線構造を簡易にすることができるので、電磁誘導式等の他の検出方法を用いたタブレットと比較して製造コストの低廉化を図ることができる。さらに、本手書入力装置は、筆記具を画面に押圧することなく前記手書入力装置に画像を入力して表示させることができるので、前記画面が傷ついてしまうのを防止することができる。
【0051】
また、本発明に係る他の手書入力装置によれば、液晶表示装置における表示の透過率の低下を防止することができるので、良好な画像の表示を行うことができる。
【0052】
また、本発明にかかる他の手書入力装置によれば、各可動電極を各固定電極に接触させることにより、その接触点の座標情報をXY座標としてより容易に検出することができる。
【0053】
また、本発明にかかる他の手書入力装置によれば、簡単な各電極の配線構造を有するタブレットを用いて、筆記具によって指示される線の太さを検出することができる。
【0054】
さらに、本発明にかかる他の手書入力装置によれば、手書入力手段の画面全面において筆記具を用いて指示された線の座標情報を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる手書入力装置の一実施形態を示す分解斜視図
【図2】図1に示す手書入力装置を示すA−Aにおける断面図
【図3】図1に示す手書入力装置のタブレットを構成する一対の基体を示す斜視図
【符号の説明】
1 手書入力装置
2 筆記具
3 永久磁石
5 液晶表示装置
6 液晶表示パネル
8 タブレット
9 基体
10 基体
12 固定電極
15 可動電極
17 磁性膜

Claims (5)

  1. 磁力を有する筆記具と、裏面に複数の固定電極が配設された表側の基体および表面に複数の可動電極が配設され裏面に磁性膜が配設された可撓性を有する裏側の基体を、前記各固定電極と前記各可動電極とが相互に対向するように所定の間隙をもって一体に形成したタブレットとを有してなり、
    前記筆記具が前記タブレットの表面に近接され、前記筆記具の磁力によって前記磁性膜が引き寄せられることにより前記裏側の基体が表側に引き寄せられ、前記各可動電極が前記各固定電極に接触されて、その接触点の座標情報が検出されることを特徴とする手書入力装置。
  2. 前記タブレットの表側に、前記筆記具によって指示された座標位置を表示する表示装置を配設することを特徴とする請求項1に記載の手書入力装置。
  3. 前記各固定電極を前記タブレットにおけるX軸方向に整列して配設し、前記各可動電極を前記タブレットにおけるY軸方向に整列して配設することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の手書入力装置。
  4. 前記各固定電極と前記各可動電極との接触点における接触面積に基づいて前記筆記具によって指示する線の太さを検出することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の手書入力装置。
  5. 前記各固定電極が前記表側の基体の裏全面に配設され、前記各可動電極が前記裏側の基体の表全面に配設されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4に記載の手書入力装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102346617A (zh) * 2010-07-29 2012-02-08 元太科技工业股份有限公司 触控面板
WO2015194241A1 (ja) * 2014-06-20 2015-12-23 ソニー株式会社 センサパネル、入力装置および表示装置

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