JP2004185376A - 契約書自動設計プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】契約書自動設計プログラムとして、契約書に記載する複数条項の内の1以上の各条項に対して、段階的な契約強度が設定されて契約条件が異なる複数の条項文を設定した条項文データにアクセスし、所定の抽出条件に基づいて前記条項文データから条項文を抽出して契約書を設計する契約書設計処理を設定した。
【選択図】 図25
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば業務提携契約書やソフトウェア契約書等の契約書を効率的に設計可能にするような、契約書自動設計プログラム、契約書自動設計装置、契約書自動設計システム、及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、他者とのトラブルを事前に防ぐ方法のひとつとして契約書の締結が行われている。この契約書は、例えば企業であれば外部リスクを事前に防ぐための重要な防御手段の一つとなっており、顧客毎に契約書を作成し、この作成に最大限の神経を注いでいる。
【0003】
また、この契約書の作成には法務的な知識が必要であるため、弁護士等の専門家に外部委託する必要が生じ、高額なコストが発生している。
【0004】
このような契約書を一から作成すると大変な労力と時間を要し、またコストもかさむため、最近では契約書のひな型を利用して少しでも効率良く契約書を作成可能にするような方法も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−74206号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のひな型は契約書単位で提供されており、契約書の作成者の希望に近いひな型を提供しようとすれば、膨大な量のひな型が必要となって検索が大変であった。また逆に、ひな型の数を絞り込んで検索を容易にすると、希望する契約書内容とひな型で提供される内容との差がひらいて修正作業量が増加するという問題があった。
その上、契約書の内容は契約相手に対する信用評価等の評価によって変化するものであるが、この評価によるバリエーションに対応できるものはなかった。
【0006】
この発明は、契約書を短期間で効率良く設計することができ、契約相手に対する評価に関連付けて契約書を設計することも可能な契約書自動設計プログラム、契約書自動設計装置、契約書自動設計システム、及び記録媒体を提供し、契約書作成に要する労力、時間、及びコストを削減することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、契約書に記載する複数条項の内の1以上の各条項に対して、段階的な契約強度が設定されて契約条件が異なる複数の条項文を設定した条項文データにアクセスし、所定の抽出条件に基づいて前記条項文データから条項文を抽出して契約書を設計する契約書設計処理を設定した契約書自動設計プログラムであることを特徴とする。
【0008】
前記契約書は、業務委託基本契約書(委託・受託)、ソフトウェア開発委託契約書、代理店契約書等、契約に関する様々なタイプの文書で構成することを含む。
【0009】
前記条項は、前記条項文を指し示す第一条や第二条等、番号やID等のインデックス(見出し)で構成することを含む。
【0010】
前記条項文は、契約相手と契約する内容の一部を形成する文章等(文字、数字、計算式、記号、又は図表等)で構成することを含み、例えば、甲と乙の取り決めや、乙に対する甲の要求事項等で構成することができる。
【0011】
前記契約条件は、例えば預託した機密情報の管理についてであれば、管理方法を提出させる、管理状況を報告させる、あるいは監視訪問を認めさせるといったように、厳格度の異なる契約の条件で構成することを含む。
【0012】
前記契約強度は、例えば標準、きびしめ、ゆるめ等のように、契約内容の厳格度で構成することを含み、文字で表す、あるいは数値で表すことを含む。
【0013】
前記所定の抽出条件は、契約強度、契約相手の特性、利用者による指定条件等の条件で構成することを含む。
前記条項文データは、契約条件が異なる前記条項文を契約強度と紐付けして格納したデータで構成することができ、ひとつのデータベース(ファイル)として全データを格納する、あるいはバラバラのデータ(ファイル)として格納し、条項と契約強度等の条件から目的のデータを引き出せるデータ群として格納することを含む。
【0014】
前記構成により、利用者は条件に基づく契約書を容易に取得することができ、契約書の設計に対する手間、時間、及びコストを削減することができる。
【0015】
好ましい実施の形態として、契約相手に対する前記契約強度を取得する契約強度取得処理を設定し、前記所定の抽出条件として、取得した契約強度を設定することができる。
【0016】
前記契約強度取得処理は、契約相手に対する条項毎の契約強度を取得する処理であり、全条項に同一の契約強度を採用する場合は1つの契約強度を取得すればよく、条項毎に個別の契約強度を採用する場合は複数の契約強度を取得すればよい。
【0017】
1つの契約強度を取得する場合は、利用者が手で入力した契約強度、他のデータベースに登録されている契約相手に関する分析用情報(例えば主力銀行や取引形態等)や評価情報(例えば社員資質、社長対応、入金レベル、納期レベル等)から取得した契約強度、若しくは、入力された又は他のデータベースから取得した契約相手に関する前記分析用情報や前記評価情報から契約強度を算出する契約強度算出処理(モジュール)で算出した契約強度で構成することを含む。
【0018】
複数の契約強度を取得する場合は、利用者に手で条項毎に契約強度を入力させる、あるいは、前記1つの契約強度を取得する場合の方法で取得した1つの契約強度を全体(代表)契約強度とし、別途備えた強度パターンデータ(全体契約強度に対して各条項に設定するそれぞれの個別契約強度を個別契約強度パターンとして設定し、該個別契約強度パターンを値の異なる全体契約強度毎に設定してマトリックス化したデータ)を参照して、先に取得した全体契約強度に対応する個別契約強度パターンを取得する個別契約強度パターン処理(モジュール)を実行して取得することを含む。なお、この場合は個別契約強度が前記契約強度に該当し、全体契約強度は個別契約強度を取得するための中間データとなる。
【0019】
前記構成により、取得した契約強度に基づいて契約書を設計することができ、契約相手に必要な契約強度に対応する契約書を自動設計することができる。
【0020】
また好ましい実施の形態として、一旦設計された前記契約書の前記条項のそれぞれに対し、契約強度若しくは条項文を個別変更可能にする個別変更処理を設定することができる。
【0021】
前記個別変更処理は、例えばある条項の契約強度を変更する、もしくはある条項文を変更するなど、条項毎に条項文の契約条件(契約内容)を設定可能に構成することを含む。
【0022】
前記構成により、契約書個別に条項文を変更することが可能になり、契約相手及び契約書の種別(タイプ)に対応した適応性の高い契約書、すなわち利用者の要求を的確に反映させた契約書を容易に作成することが可能となる。
【0023】
また好ましい実施の形態として、前記契約書で契約強度若しくは条項文が個別変更された結果を変更履歴データとして契約相手の情報と共に格納する履歴格納処理と、次回以降で実行可能であって上記変更履歴データに基づいて契約相手に適用する契約強度若しくは条項文のパターン(配列)を生成するパターン生成処理とを設定し、前記所定の抽出条件に上記パターンを設定又は付加することができる。
【0024】
前記変更履歴データは、変更後の契約書である契約書履歴データ、変更された契約強度(前述の全体契約強度又は個別契約強度を含む)の変更量を示す契約強度変更量データ、又は、変更された後の契約強度を示す変更後契約強度データで構成することを含む。
【0025】
前記契約相手の情報は、契約相手名、又は契約相手に付与した契約相手コードで構成することを含む。
【0026】
前記パターンは、契約強度のパターンであれば、各条項に対する契約強度、若しくは各条項に対して標準の契約強度から変更した変更量で構成することを含み、契約強度の場合は所定の抽出条件にそのまま設定でき、変更量の場合は前述した方法で取得した契約強度に変更量を付加することができる。また、条項文のパターンであれば、各条項文,若しくは条項及び契約強度等、各条項文を指し示す情報で構成することを含み、所定の抽出条件にそのまま設定することができる。
【0027】
前記パターン生成処理は、以下の処理の少なくとも1つで構成することを含む。
1)前記変更履歴データにおける対象契約相手の直近の契約書(最後に作成した契約書)に対して、契約強度又は条項文の設定を直近パターンとして読み込む直近パターン読込処理。
2)前記変更履歴データにおける対象契約相手の全契約書に対して、契約強度又は条項文の設定の平均を平均パターンとして読み込む平均パターン読込処理。
3)前記変更履歴データにおける対象契約相手の全契約書に対して、契約強度又は条項文の変更量が最も大きい設定を最大パターンとして読み込む最大パターン読込処理。
4)前記変更履歴データにおける対象契約相手の全契約書に対して、契約強度又は条項文の変更量が最も小さい設定を最小パターンとして読み込む最小パターン読込処理。
【0028】
前記構成により、過去のパターンに基づいて契約相手又は/及び契約書の種別に対応した契約書を自動設計することができる。これにより、利用者の利便性が向上し、例えばある契約相手に対しては毎回同じ条項の条項文を変更するといった手間から開放される。
【0029】
また好ましい実施の形態として、契約目的の異なる複数の契約書種別が設定された契約書データから、使用する契約書種別を選択させる契約書種別選択処理と、選択された契約書種別に基づいて契約書に記載する条項を選抜する記載条項選抜処理とを設定することができる。
【0030】
前記契約書データは、契約書名と記載する条項とを設定したデータで構成することを含む。
前記記載条項選抜処理は、次の処理で構成することを含む。
1)前記契約書データ、又は契約書種別別に条項を設定して格納したタイプ別条項データから、契約書に記載する条項文に対応する条項を読み取る読取処理。
なお、この実施形態では、前述の強度パターンデータを契約書種別毎に備えてもよい。
【0031】
前記構成により、契約書種別を選択して契約書に必要な条項を容易に決定することができる。これにより、この契約書種別にはこの条項は不要若しくは追加が必要といった手作業での条項削除や条項追加といった手間を削減することができる。
【0032】
またこの発明は、契約書に記載する複数条項の内の1以上の各条項に対して、段階的な契約強度が設定されて契約条件が異なる複数の条項文を設定した条項文データを格納の記憶手段と、所定の抽出条件に基づいて前記条項文データから条項文を抽出して契約書を設計する契約書設計手段とを備えた契約書自動設計装置とすることができる。
【0033】
前記記憶手段は、ハードディスク、又は不揮発性メモリ等の記憶装置で構成することを含む。
前記契約書設計手段は、CPU又はMPU等で構成する制御手段で構成することを含む。
【0034】
前記契約書自動設計装置は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、又は、携帯情報端末(PDA(Personal Digital Assistance)、携帯電話等)等の汎用装置、若しくは専用機で構成することを含む。
前記構成により、汎用装置若しくは専用機で契約書を効率良く設計することができる。
【0035】
好ましい実施の形態として、契約相手に対する前記契約強度を取得する契約強度取得手段を備え前記所定の抽出条件として、取得した契約強度を設定することができる。
【0036】
前記契約強度取得手段は、利用者の入力を許容して該入力から契約相手の契約強度を取得するキーボード、テンキー、マウス、又はタッチパネル等の入力手段、記憶手段に格納している契約相手の契約強度を参照する参照処理を実行する制御手段、記憶手段に格納している経営情報や経営評価や主観的評価等の分析用データから契約相手の契約強度を算出する算出処理を実行する制御手段、通信可能な他の装置にアクセスして契約相手の契約強度を受信する通信手段、又は、通信可能な他の装置にアクセスして契約相手の経営情報や経営評価や主観的評価等の分析用データを受信する通信手段と該受信したデータから契約強度を算出する算出処理を実行する制御手段等、契約相手の契約強度を取得する手段で構成することを含む。
【0037】
前記構成により、契約相手の契約強度を取得することができ、取得した契約強度に基づいて契約書を設計することができる。これにより、契約相手に適応した契約書を自動設計することができる。
【0038】
また好ましい実施の形態として、一旦設計された前記契約書の前記条項のそれぞれに対し、契約強度若しくは条項文を個別変更可能にする入力手段を備えることができる。
【0039】
前記入力手段は、マウスやタッチパネル等の座標入力手段(ポインタデバイス)、又は、キーボードやテンキー等のキー入力手段等の入力手段で構成することを含む。
【0040】
前記構成により、契約書個別に条項文を変更することが可能になり、契約相手及び契約書の種類に対応した適応性の高い契約書、すなわち利用者の要求を的確に反映させた契約書を設計することが可能となる。
【0041】
また好ましい実施の形態として、前記契約書で契約強度若しくは条項文が個別変更された結果を変更履歴データとして契約相手の情報と共に前記記憶手段に格納し、次回以降で実行可能であって上記変更履歴データに基づいて契約相手に適用する契約強度若しくは条項文のパターンを生成するパターン生成手段を備え、前記所定の抽出条件に上記パターンを設定又は付加することができる。
前記パターン生成手段は、前述したパターン生成処理を実行する制御手段で構成することを含む。
【0042】
前記構成により、過去のパターンに基づいて契約相手又は/及び契約書の種別に対応した契約書を自動設計することができる。これにより、利用者の利便性が向上し、例えばある契約相手に対しては毎回同じ条項の条項文を変更するといった手間から開放される。
【0043】
また好ましい実施の形態として、契約目的の異なる複数の契約書種別が設定された契約書データから、使用する契約書種別を選択させる選択手段と、選択された契約書種別に基づいて契約書に記載する条項を選抜する記載条項選抜手段とを備えることができる。
【0044】
前記選択手段は、マウスやタッチパネル等の座標入力手段(ポインタデバイス)、又は、キーボードやテンキー等のキー入力手段等の入力手段で構成することを含む。
前記記載条項選抜手段は、前述の記載条項選抜処理を実行する制御手段で構成することを含む。
【0045】
前記構成により、契約書種別を選択して契約書に必要な条項を容易に決定することができる。これにより、この契約書種別にはこの条項は不要又は追加が必要といった手作業での条項削除等の手間を削減することができる。
【0046】
またこの発明は、前記条項文データを格納したサーバと、前記所定の抽出条件を入力可能な端末とを備え前記契約書自動設計プログラムを実行可能に構成した契約書自動設計システムとすることができる。
【0047】
前記サーバは、データベースサーバ、WEBサーバ、又はファイルサーバ等のサーバで構成することを含む。
前記端末は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、又は、携帯情報端末(PDA、携帯電話等)等の汎用装置、若しくは専用機で構成することを含む。
【0048】
前記構成により、条項文データをサーバで一元管理(追加、変更、削除等の更新を管理)し、複数の端末で条項文データを共有することが可能となる。これにより、条項文データの更新及び管理が容易になり、精度の高い契約書を効率良く設計することが可能となる。
なお、前記サーバには契約書データも格納してもよい。この場合は、契約書データをも前記サーバで一元管理し、複数の端末で条項文データを共有することが可能となる。これにより、契約書データの管理が容易になり効率化を図ることができる。
【0049】
またこの発明は、前記契約書自動設計プログラムを記録した記録媒体とすることができる。
前記記録媒体は、CD−ROM、DVD−ROM、DVD−RAM、MO、フレキシブルディスク、又は不揮発性メモリ等、データを格納可能な記録媒体で構成することを含む。
【0050】
前記構成により、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、又は、携帯情報端末(PDA、携帯電話等)等の汎用装置、若しくは専用機に、契約書自動設計プログラムをインストールして利用することが可能となる。
【0051】
【発明の効果】
この発明により、契約相手に合わせた適切な契約書を容易に作成することが可能となる。これにより、契約書を設計する労力、時間、コスト(費用)、及び契約書の内容に不備がないか検査する労力、時間、コスト(費用)を削減することができ、業務の効率化とコストダウンを図ることができる。
【0052】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
まず、図1に示す契約書自動設計システム1のシステム構成図と共に、全体のシステム構成について説明する。
【0053】
契約書自動設計システム1は、データベースサーバ11、クライアント端末51(51a,51b,…)をLANケーブル2で接続して構成している。
【0054】
前記データベースサーバ11及び前記クライアント端末51はパーソナルコンピュータで構成し、いずれも制御装置(制御手段)、ハードディスク(記憶手段)、LANカード(通信手段)、CD−ROMドライブ(記録媒体読取手段)、キーボード(キー入力手段)、マウス(座標入力手段)、及びモニタ(表示手段)を備えている。
【0055】
前記データベースサーバ11及び前記クライアント端末51には、各種データベース(DB)や契約書作成プログラム等の必要なプログラム及びデータを、図2の契約書自動作成ソフトパッケージ70の概観斜視図に示すインストールCD−ROM72,74を使用してインストール済みである。
【0056】
該契約書自動作成ソフトパッケージ70には、データベースサーバ11の管理者用のテクニカルマニュアル71及びサーバ用インストールCD−ROM72と、クライアント端末51の利用者用のユーザマニュアル73及びクライアント用インストールCD−ROM74と、ユーザ登録カード75とを、パッケージケース76に封入して構成する。
【0057】
前記サーバ用インストールCD−ROM72は、サーバ用インストールプログラムを格納しており、前記データベースサーバ11のハードディスクに、契約書データベース20、契約書履歴データベース30、及び顧客情報データベース40等、必要なプログラム及びデータをインストールする。
【0058】
また、前記クライアント用インストールCD−ROM74は、クライアント用インストールプログラムを格納しており、前記クライアント端末51のハードディスクに、契約書作成プログラム等の必要なプログラム及びデータをインストールする。
【0059】
ここで、前記データベースサーバ11のハードディスクに格納した各データベース、及びクライアント端末51にインストールした契約書作成プログラムについて、図3のデータ構造説明図、及び図4のプログラム構造説明図と共に以下に説明する。
【0060】
前記契約書データベース20は、契約書種別テーブル21、条項テーブル22、評価値設定テーブル23、顧客強度算出用テーブル24、その他のテーブルで構成する。
【0061】
契約書履歴データベース30は、契約書蓄積テーブル31、その他のテーブルで構成する。
顧客情報データベース40は、顧客情報テーブル41、評価テーブル42、その他のテーブルで構成する。
【0062】
契約書作成プログラムは、メインメニューAから呼び出し可能な次の各モジュール(部分的なプログラム、すなわちプログラムモジュール)で構成する。
契約書種別登録モジュールは、契約書種別を作成するモジュールであり、主に契約書種別登録画面B、条項作成画面C、及びデフォルト強度パターン設定画面Dを備えている。
【0063】
顧客情報入力モジュールは、顧客の情報を入力するモジュールであり、主に顧客情報入力画面を備えている。また、格付算出画面Fを備えた格付確定モジュールを呼び出し、顧客の格付を確定させる処理も実行する。
【0064】
契約書作成モジュールは、契約書を作成するモジュールであり、主に契約書設計画面Hを備えている。また、主に契約書詳細設計画面Jを備えた契約書自動設計モジュールを呼び出し、契約書を自動設計する処理も実行する。
【0065】
契約書履歴確認モジュールは、過去に作成した契約書の確認及び印刷するモジュールであり、主に契約書作成履歴画面Kを備えている。
顧客信用リスク分析モジュールは、顧客の信用をリスク分析するためにグラフィカル表示する処理を行い、主に顧客信用リスク分析画面Mを備えている。
【0066】
以上のシステム構成により、利用者はクライアント端末51を操作して契約書作成プログラムを実行し、データベースサーバ11に格納した各種データベース(20,30,40)を利用して、契約書を効率良く設計することができる。
【0067】
次に、図5、図8、図10〜図13に示すデータ構造説明図と共に、図7に示す契約書種別説明図、及び図9に示す条項データ説明図を参照して、前記各データベース(20,30,40)に格納されているデータの詳細構造について説明する。
【0068】
図5は契約書種別を格納した契約書種別テーブル21を示し、フィールド(項目)を契約書種別No、契約書種別名称、委託/受託/両方、m強度n条項(条項数×強度数存在)、登録日、及び廃止日等で構成する。
【0069】
前記契約書種別Noは、契約書種別毎に割り当てたユニークなID番号で構成する。
前記契約書種別名称は、契約書種別の名称を格納する。
【0070】
前記委託/受託/両方は、契約書が委託用か受託用かどちらでもないかを示す。
前記m強度n条項は、契約書全体強度がm強度のn条項でデフォルトに指定する条項個別強度を示し、mは条項個別強度の項目数(この実施形態では−3〜+3)を、nは条項の数(例えば1〜100)を示す。該m強度n条項を契約書種別Noで統合したものをデフォルト強度パターンとする。
【0071】
該デフォルト強度パターンについてより詳しく説明すると、図6に示すように契約書種別No.0001の場合であれば、図7の上部にマトリックス表示しているように、各契約書全体強度を行に、各条項を列に設定した2次元配列の表を仮定し、前記契約書全体強度と条項とが交差する位置に値を代入して、契約書種別No.0001のデフォルト強度パターンとして設定する。
【0072】
前記契約書種別テーブル21には、このマトリックス表を図7の下部に示すように一列に配置し(m強度n条項)、契約書種別毎にデフォルト強度パターン(m強度n条項)を格納している。従って、例えばmが−1、nが3の場合、m強度n条項は強度が−1の3条を示し、契約書種別No.0001であれば、その値は図7に示したように−3となる。
これにより、例えばソフトウェア関連契約書であれば再委託に関する条項(例えば第4条)をデフォルトで厳しく設定する(例えば第4条の条項個別強度=−2とする)といったことができる。
【0073】
前記登録日は、契約書種別を登録した登録年月日を示す。
前記廃止日は、契約書種別を削除した削除年月日を示す。
この契約書種別テーブル21の構成により、契約種別を的確に管理することができ、必要に応じて呼び出すことが可能となる。
【0074】
なお、契約種別としては、図7の契約書種別説明図に示すように様々な契約書が登録されている。種別毎に大別すると、売買契約書、代理店契約書、委任契約書、研究開発関連契約書、ソフトウェア関連契約書、担保・保障関連契約書等が存在し、それぞれに複数の契約書を契約書種別として登録している。
【0075】
図8は、条項文(条項の内容)等を格納した条項テーブル22を示し、フィールドを契約書種別No、条項No、条項タイトル、優先順位、条項個別強度、条項文、登録日、及び廃止日等で構成する。
【0076】
前記契約書種別Noは、そのレコード(行)のデータを使用する契約書の契約書Noを示す。
前記条項Noは、そのレコードのデータを使用する条項の条項Noを示す。
前記条項タイトルは、条項のタイトルを示す。
前記優先順位は、契約書に記載する順番を示し、若番が上位(すなわち最も若い番号が1条)となる。
【0077】
前記条項個別強度は、各条項に割り当てた個別の強度を数値で示す。
前記条項文は、契約内容である条項文の内容を示し、契約条件(契約内容の厳しさ)の異なる条項文が前記条項個別強度毎に設定されている。
前記登録日は、条項テーブルにそのレコードを登録した年月日を示す。
前記廃止日は、そのレコードを廃止した年月日を示す
このように構成した条項テーブル22のある契約書種別(例えば契約書種別No=0002)について、条項タイトル、条項個別強度、条項文内容を解りやすいように表形式(マトリックス形式)で表示すると、図9に示す条項データ説明図のようになる。該条項データ説明図では、行を前記条項タイトルで区分し、列を前記条項個別強度で区分して、条項タイトルと条項個別強度が交差する位置に対応する条項文内容を表示している。
【0078】
この条項テーブル22の構成により、各条項タイトルに対して、この例では条項個別強度−3〜+3までの7タイプの条項文が存在し、条項タイトルと条項個別強度によって使用する条項文を一義的に決定することができる。
【0079】
該条項テーブル22の各条項文内容は、弁護士等の検査を受けた誤りのない正確な文章で構成し、法的知識の浅い利用者であっても、選択するだけで契約書の文言を的確に記載できるようにしている。
【0080】
なお、この条項テーブル22の作成時又は更新時には、条項個別強度が設定範囲内(この実施形態であれば−3〜+3の範囲内)でしか指定できないようにするなど、適度な制限を行っても良い。
【0081】
図10は、契約書作成時に契約書全体強度を確定するための顧客強度を算出するために、必要な項目(例えば入金レベルや出品レベル等)を格納した評価値設定テーブル23、及び顧客強度算出用テーブル24を示す。
前記評価値設定テーブル23は、フィールドを項目名、項目1〜5、及び値1〜5等で構成する。
【0082】
前記項目名は、入金レベルや納期レベル等の契約相手の評価用項目で構成する。
前記項目1〜5は、前記項目名に対する契約相手の評価を文字で示す。
前記値1〜5は、前記各項目に対して設定する評価指数を数値で示す。
この評価値設定テーブル23により、利用者による契約相手の感覚的な評価を数値化し、後述の格付確定処理で評価格付を算出することが可能となる。
【0083】
前記顧客強度算出用テーブル24は、フィールドをAAA+〜Cまでの理論格付で構成し、評価格付のレコードと顧客強度のレコードを備える。
評価格付のレコードは、+7〜−7の数値で構成する。
顧客強度のレコードは、+3〜−3の数値で構成する。
【0084】
これにより、理論格付又は評価格付の値によって顧客強度を決定でき、該顧客強度を元に作成する契約書の契約書全体強度を決定することが可能となる。
なお、評価格付をフィールドとして理論格付と顧客強度を格納しても良く、また顧客強度をフィールドとして、評価格付と理論格付を格納しても良い。
【0085】
図11は、完成した契約書を履歴として蓄積する契約書蓄積テーブル31を示し、フィールドを作成No、契約書種別No、契約書タイトル、契約書全体強度、連動、n条項番号、n条項強度(条項個別強度)、n条項修正(個別強度修正量)、甲顧客No、甲理論格付、甲評価格付、乙顧客No、乙理論格付、乙評価格付、作成日、及び状態等で構成する。
【0086】
前記作成Noは、契約書作成毎に付与する連番を示す。
前記契約書種別Noは、使用した契約書種別の契約書種別Noを示す。
前記契約書タイトルは、利用者が作成した個々の契約書の名称を示す。
【0087】
前記契約書全体強度は、契約書全体に対して最終的に設定した代表の強度を示す。
前記連動は、契約書設計の際に後述する評価格付又は理論格付との連動があった場合に、連動した格付情報を示す。また、直接的に契約書全体強度を設定した場合には、直接指定である旨を示す。
【0088】
前記n条項番号は、契約書作成時に使用した条項の条項Noを示す。
前記n条項強度(条項個別強度)は、最終的に各条項に採用した個別の強度を示す。該n条項強度、前記条項No、及び前記契約書種別Noにより、前述した条項テーブル22内の条項のうち採用した条項の条項文内容を特定することができる。
【0089】
前記n条項修正(個別強度修正量)は、後述の契約書自動設計処理で前記契約書全体強度に基づいてデフォルト強度パターンから抽出した条項個別強度が、それぞれどれだけ修正されたかを示す修正量であり、数値で示す。なお、修正された結果の条項個別強度を格納するように設定しても良い。この場合は、格納されている条項個別強度から、デフォルト強度パターンのうち対応する条項個別強度を減算することで、修正量を算出することができる。
【0090】
前記甲顧客Noは、契約書に甲として記載する契約対象者の顧客Noを示す。該顧客Noにより、後述する顧客情報テーブル41に格納されている顧客中のどの顧客かを特定することができる。
【0091】
前記甲理論格付は、前記甲に対する契約書作成時点での理論格付(後述の図13で説明する)を示す。
前記甲評価格付は、前記甲に対する契約書作成時点での評価格付(後述の図13で説明する)を示す。
【0092】
前記乙顧客No、前記乙理論格付、前記乙評価格付は、乙に対して前記甲顧客No、前記甲理論格付、前記甲評価格付と同内容を示すものである。なお、甲又は乙が自社である場合には、顧客Noに0000を格納すると共に、2項目(理論格付、評価格付)両方に「自社」と格納する。
【0093】
前記作成日は、契約書を作成した作成年月日を示す。
前記状態は、完成して発行した場合は「1」、未完成でまだ契約書を発行していない場合は「0」を格納する。
【0094】
この契約書蓄積テーブル31により、作成した契約書の履歴を蓄積することができるとともに、作成途中の契約書を保存することができる。また、完成して発行した契約書だけでなく、中止した契約書の履歴を残すこともできる。
【0095】
図12は、顧客に関する顧客情報を蓄積する顧客情報テーブル41を示し、フィールドを顧客No、顧客名称、顧客名称カナ、郵便番号、住所、代表電話、代表FAX、E−mail、代表者、担当者、資本金(百万)、取引高(百万)、従業員数、主力銀行、登録日、状態、取引形態、社員資質、社長対応、入金レベル、及び納期レベル等で構成する。
【0096】
前記顧客Noは、顧客毎に割り当てたユニークなIDを示す。
前記顧客名称は、顧客の名称を示す。
前記顧客名称カナは、顧客名称のカナを示す。
前記郵便番号は、顧客の住所の郵便番号を示す。
【0097】
前記住所は、顧客の住所を示す。
前記代表電話は、顧客の代表電話番号を示す。
前記代表FAXは、顧客の代表FAX番号を示す。
前記E−mailは、顧客の代表E−mailアドレスを示す。
【0098】
前記代表者は、顧客の代表者を示す。
前記担当者は、顧客の担当者(担当窓口)を示す。
前記資本金(百万)は、顧客の資本金を百万円単位で示す。
【0099】
前記取引高は、年間の総取引金額を示す。
前記従業員数は、顧客の従業員数を示す。
前記主力銀行は、顧客の主力銀行(主要取引銀行)を示す。
前記登録日は、顧客を顧客情報テーブル41に登録した登録年月日を示す。
【0100】
前記状態は、取引有りは「1」、取引停止は「0」を格納する。
前記取引形態は、現金決済や手形決済等の決済方式を記載する。
前記社員資質は、顧客の社員を能力等で評価した資質を示す。
前記社長対応は、社長の対応を迅速性や丁寧性等で評価した良否を示す。
【0101】
前記入金レベルは、入金が正確に行われているか遅れ気味かといった実情を示す。
前記納期レベルは、納期がきちんと守られているか遅れ気味かといった実情を示す。
【0102】
この顧客情報テーブル41により、経営状態や性格等を含めた顧客情報を格納することができ、顧客強度を設定する基準となる顧客評価を主観的に決定する上での資料が得られる。
【0103】
図13は、顧客に対する格付を格納する評価テーブル42を示し、フィールドを顧客No、理論格付、理論格付設定日、評価格付、及び評価格付設定日等で構成する。
前記顧客Noは、前述の顧客情報テーブル41の顧客Noを指し、どの顧客に対する格付であるかを特定する。
【0104】
前記理論格付は、具体的には各格付機関等で提供されている理論的な格付の値等を示す。この理論格付は、資本金や売上高等の各種情報から理論的に数値で算出される格付であり、格付の段階には、AAA+、AAA、AAA−、AA+、…、D−がある。AAA+が最も評価が高く、D−が最も評価が低い。該理論格付は、格付機関から格付情報を購入しても良く、また独自にデータを入力し独自の理論ロジックをもって算出しても良い。
【0105】
前記理論格付設定日は、理論格付を設定した設定年月日を示す。
前記評価格付は、後述する格付確定処理で算出する格付に基づいて、利用者である企業の経営者等が感覚をもって主観的に決定した格付を示し、この実施形態では+7から−7までの15段階で設定する。
【0106】
該評価格付は、後述の評価格付算出処理で算出した格付をそのまま用いても良いが、より主観的な評価によって手入力等で最終決定しても良い。例えば、納期厳守に重点を置いて納期に基づいて評価する、顧客との相性で経営者が独自判断して評価する、あるいは、困った時に助けてくれるといったことも含めて総合的な印象で経営者が独自判断して評価する等、経営者が主観的に自由な評価を行い、これを反映させることができる。したがって、後述の評価格付算出処理で各要件(納期遅れ等)に対する主観的評価から算出した評価格付が−7であっても、利用者の総合判断で+7に設定するといったことができ、数値に表しきれない人間性のある評価基準で評価することができる。
前記評価格付設定日は、評価格付を設定した設定年月日を示す。
【0107】
この評価テーブル42により、顧客に対する格付を格納し、契約書の自動設計の際に顧客強度の決定に役立てることができる。また、後述する顧客信用リスク分析処理に利用して、顧客との取引状況にリスクが存在していないか確認することも可能となる。
【0108】
以上の各テーブルにより、契約書種別、条項、作成した契約書、顧客情報、及び顧客のデータを効率良く体系的に格納することができる。これにより、契約書を効率良く作成して蓄積する基盤が整備でき、利用者の要求に対して的確に対応するインターフェース(操作画面)の提供が可能となる。
【0109】
次に、図14,図16,図18,図20,図22,図24,図27,及び図29に示す処理フロー図と共に、図15,図17,図18,図19,図21,図23,図25,図28,図30,図31,及び図32に示す画面イメージ説明図、図26に示す契約書イメージ説明図を参照して、利用者がクライアント端末51を操作して行う契約書作成処理、及び該契約書作成処理で実行する契約書作成プログラムについて説明する。
【0110】
<全体処理>
図14は、クライアント端末51の制御装置がメインプログラムである契約書作成プログラムに従って実行する動作全体の処理フロー図を示す。
ここで説明する契約書作成プログラム及び各種モジュールは、クライアント端末51の制御装置で実行する。また、これらプログラム及びモジュールが利用するデータは、プログラム及びモジュールに従ってクライアント端末51の制御装置がデータベースサーバ11の各データベース(契約書データベース20、契約書履歴データベース30、及び顧客情報データベース40)にアクセスしてデータの参照、更新(追加、変更、削除)を行う。
【0111】
アイコンのダブルクリック等によって、利用者に契約書作成プログラムの実行が指示されると、制御装置は図15の画面イメージ図に示すメインメニューAをクライアント端末51のモニタに表示する(ステップm1)。
【0112】
該メインメニューAで利用者に契約書設計ボタンA1が押下(クリック)されると(ステップm2)、制御装置は後述の契約書作成処理を実行する(ステップm3)。
【0113】
前記メインメニューAで利用者に契約書修正ボタンA2が押下されると(ステップm4)、制御装置は後述の契約書修正処理を実行する(ステップm5)。
【0114】
前記メインメニューAで利用者に契約書履歴確認ボタンA3が押下されると(ステップm6)、制御装置は後述の契約書履歴確認処理を実行する(ステップm7)。
【0115】
前記メインメニューAで利用者に契約書種別登録ボタンA4が押下されると(ステップm8)、制御装置は後述の契約書種別登録処理を実行する(ステップm9)。
【0116】
前記メインメニューAで利用者に顧客情報入力ボタンA5が押下されると(ステップm10)、制御装置は後述の顧客情報入力処理を実行する(ステップm11)。
【0117】
前記メインメニューAで利用者に顧客信用リスク分析ボタンA6が押下されると(ステップm12)、制御装置は後述の顧客信用リスク分析処理を実行する(ステップm13)。
【0118】
前記メインメニューAで利用者に終了ボタンA7が押下されると(ステップm14)、制御装置は契約書作成プログラムを終了し、全体の処理を終了する。
【0119】
以上の動作により、利用者は契約書作成プログラムを起動して各処理を実行し、契約書の自動作成、及び顧客の信用に対するリスク分析を行うことができる。なお、前記メインメニューAでは各ボタンを利用頻度等に応じて配置しているが、実際の処理は契約書種別登録、顧客情報入力、契約書設計、契約書修正、契約書履歴確認、顧客信用リスク分析の順に行われるのが一般的であるため、この順に従って各処理の詳細を以下に説明する。
【0120】
<契約書種別登録処理>
図16は、クライアント端末51の制御装置で実行する前記契約書種別登録処理の処理フロー図を示す。
制御装置は、契約書種別登録モジュールを起動し、図17に示す契約書種別登録画面Bをクライアント端末51のモニタに表示し、利用者に基本情報を入力させる(ステップn1)。
【0121】
ここで契約書種別登録画面Bについて説明すると、登録契約書種別コンボボックス(タルプ)B1は、契約書種別テーブル21(図5)にリンクしており、該契約書種別テーブル21に格納している契約書種別名称を利用者に選択させる。新規の契約書種別を作成する場合は、ここで「新規契約書」を選択させ、それ以外の契約書種別が選択された場合は、既存の契約書種別の修正となる。
【0122】
契約書テキストボックスB4は、作成する契約書種別の名称を利用者にテキスト入力させる。なお、この契約書種別名称の入力は、新規作成の場合のみ可能とする。すなわち、既に作成している契約書種別を修正する場合であれば、登録契約書種別コンボボックスB1で選択された契約書種別名称を契約書テキストボックスB4にそのまま表示するため、入力する必要がない。
【0123】
契約書立場コンボボックスB5は、契約書の立場が委託、受託、又は両方のいずれであるかを利用者に選択させるコントロールであり、新規の場合のみ入力可能とする。
【0124】
登録条項一覧リストボックスB2は、条項テーブル22(図8)にリンクしており、該条項テーブル22に格納した条項タイトルをSQL文のGroupBy句等によってグループ化して重複無く表示する。
【0125】
なお、条項テーブル22には条項タイトルを格納せず、別途条項Noと条項タイトルで構成する条項タイトルテーブルを用意し、該条項タイトルテーブルに登録条項一覧リストボックスB2をリンクさせても良い。
【0126】
登録/削除ボタンB3は、適当な条項タイトルがない場合に新規登録する、あるいは不要な条項タイトルがある場合に削除するための条項タイトル管理画面(図示省略)を表示するボタンであり、利用者に条項タイトルの登録/削除を実行させる。
【0127】
条項タイトルリストボックスB6は、作成する契約書に盛り込む条項のタイトルを示し、前記登録契約書種別コンボボックスB1と連動している。すなわち、前記登録契約書種別コンボボックスB1で契約書種別が選択されると、条項テーブル22から該当する契約書種別Noの条項タイトルをGroupBy句等で重複無く抽出して表示する。なお、前記登録契約書種別コンボボックスB1で「新規契約書」が選択された場合には、空白で表示する。
【0128】
また、利用者によってマウスで前記登録条項一覧リストボックスB2の条項がダブルクリックされる、あるいは条項タイトルリストボックスB6へドラッグ&ドロップされると、その条項を条項タイトルリストボックスB6の画面上に追加して表示する。
【0129】
さらに、この操作と逆の操作、すなわち、利用者によってマウスで前記条項タイトルリストボックスB6の条項がダブルクリックされる、あるいは前記登録条項一覧リストボックスB2へドラッグ&ドロップされると、その条項を条項タイトルリストボックスB6の画面上から削除する。
【0130】
次へボタンB7は、選択された条項タイトルをメモリに残して次の画面へ遷移し、キャンセルボタンB8はメインメニューAに戻る。
【0131】
このようにして基本情報が入力され、次へボタンB7が押下されると、制御装置は次画面として条項作成画面C(図18)を表示して、利用者に条項文を入力させる(ステップn2)。ここでは、前記契約書種別登録画面Bで選択された条項タイトルのみ表示する。表示しない条項タイトルについては、条項個別強度を±0、条項文を空白として登録時に設定する。
【0132】
該条項作成画面Cについて説明すると、条項個別強度選択ボックスC1は、両側部の三角ボタンを利用者に押下されることで条項個別強度を順次切替え(右側の押下で増加、左側の押下で減少)、条項文の条項個別強度を選択させる。なお、この実施形態では−3から+3までの7段階のいずれかを選択可能としている。
【0133】
条項文リストボックスC2は、デフォルトでは前記契約書種別登録画面Bで選択された契約書種別の条項文を条項テーブル22から取得する。なお、「新規契約書」の場合は空白で表示する。ここで、利用者はテキスト入力して条項文を編集することができる。
【0134】
取込ボタンC3は、条項文を取り込むための条項文取込画面(図示省略)を表示し、条項テーブル22に登録されている条項文を個別に取り込むことができる。なお、取り込む条項文は、契約書種別及び条項タイトルを指定させて、全ての条項個別強度(7段階)を取り込む、又はいずれか1つの条項個別強度を選択させて取り込むことを可能に構成している。取り込んだ条項文は、条項文リストボックスC2に表示する。
【0135】
次へボタンC4は、次の条項タイトルに遷移(例えば現在が第2条であれば次は第3条)して最終条項まで行けば次画面に遷移し、戻るボタンC5は前の条項タイトルに遷移して最前条項まで行けば前記契約書種別登録画面Bに戻る。
キャンセルボタンC6は、新規登録又は修正処理をキャンセルしてメインメニューAに戻る。
【0136】
このようにして条項文の編集が終了すると、制御装置は、デフォルト強度パターン設定画面D(図19)をクライアント端末51のモニタに表示し、作成している契約書種別のデフォルト強度パターンを設定させる(ステップn3)。
【0137】
なお、デフォルト強度パターンとは、前述したように契約書全体強度に対して各条項で採用する条項個別強度の配列をパターンとして、契約書種別テーブル21のm強度n条項に格納するものであり、当該ステップn3で契約書全体強度と条項個別強度の関係を設定させる。
【0138】
ここでデフォルト強度パターン設定画面Dについて説明すると、契約書種別名称コンボボックスD1は、契約書種別の名称を選択させる。デフォルトでは条項作成画面Cで編集していた契約書種別の名称が表示される。
【0139】
契約書全体強度選択ボックスD2は、登録されている契約書全体強度(−3〜+3)のいずれか1つを利用者に選択させ、該選択によって条項個別強度テキストボックスD3に各条項の条項個別強度を切替えて表示する。すなわち、条項個別強度テキストボックスD3内の条項個別強度は利用者が編集できず、契約書全体強度選択ボックスD2の選択に連動して全ての条項個別強度が一括してプラス又はマイナスへ移動するだけとなる。
【0140】
前記契約書全体強度に対する条項個別強度は、契約書種別テーブル21から該当する契約書種別Noのデフォルト強度パターン(例えば契約書全体強度が+1であれば+1強度n条項)を参照して表示する。
【0141】
契約書全体強度設定用選択ボックスD4は、どの契約書全体強度に対して条項個別強度を設定するのかを利用者に選択させる。
条項個別強度設定用選択ボックスD5は、各条項に設定する条項個別強度を利用者に選択させる。
【0142】
これらの選択の後に、設定ボタンD6が押下されると、契約書全体強度設定用選択ボックスD4及び条項個別強度設定用選択ボックスD5で利用者に選択された内容を、契約書全体強度選択ボックスD2及び条項個別強度テキストボックスD3に反映する。
【0143】
このようにして条項個別強度の設定が一通り終了し、登録ボタンD7が押下されると、契約書全体強度選択ボックスD2及び条項個別強度テキストボックスD3に反映した条項個別強度を、契約書全体強度及び条項Noと関連付けてデフォルト強度パターンの各値として契約書種別テーブル21に格納し、契約書種別登録モジュールを終了して処理を終了する。
戻るボタンD8は、前記条項作成画面Cに戻り、キャンセルボタンD9は、これまでの処理での各種設定を破棄してメインメニューAに戻る。
【0144】
以上の動作により、利用者は契約書種別を新規登録、修正することができ、契約書の基本項目の変化、すなわち契約書種別の条項文の変化等に随時対応することができる。
なお、デフォルト強度パターン設定画面Dに削除ボタンを設け、契約書種別を削除可能に構成しても良い。
【0145】
<顧客情報入力処理>
図20は、クライアント端末51の制御装置で実行する前記顧客情報入力処理の処理フロー図を示す。
制御装置は、顧客情報入力モジュールを起動し、顧客情報を入力する顧客情報入力画面(図示省略)をクライアント端末51のモニタに表示し、利用者に顧客情報を入力させる(ステップp1)。
【0146】
なお、該顧客情報入力画面では、顧客情報テーブル41に格納するデータとして、顧客一般情報(顧客名称、顧客名称カナ、郵便番号、住所、代表電話、代表FAX、E−mail、代表者、及び担当者等)を入力可能にし、顧客名称等の必須入力項目に入力洩れがあれば登録できないように構成する。
【0147】
利用者によって前記顧客情報入力画面で格付ボタン(図示省略)が押下されると(ステップp2)、制御装置は前記顧客情報入力モジュールの中で格付確定モジュールを呼び出して、格付確定処理を実行する。
【0148】
<格付確定処理>
該格付確定処理では、図21に示す格付算出画面Fをクライアント端末51のモニタに表示し、顧客評価用情報(資本金、取引高、従業員数、主力銀行、取引形態、社員資質、社長対応、入金レベル、及び納期レベル等)を入力させる(ステップp3)。
【0149】
なお、前記顧客評価用情報のうち、主力銀行、取引形態、社員資質、社長対応、入金レベル、及び納期レベル等の定性的評価項目が評価格付の算出に利用できる。また、資本金、取引高、従業員数、主力銀行等の定量的評価項目を利用して、理論格付を算出可能に設定してもよい。
【0150】
ここで、前記格付算出画面Fについて説明すると、顧客名称表示ボックスF1は、前記顧客情報入力画面で入力された顧客名称を表示する。
資本金テキストボックスF2は、利用者に顧客の資本金をキーボードで入力させる。
【0151】
取引高テキストボックスF3は、年間の取引総金額をテンキーやキーボード等で利用者に入力させる。
従業員数テキストボックスF4は、利用者に顧客の従業員数をキーボードで入力させる。
【0152】
主力銀行テキストボックスF5は、利用者に顧客の主力銀行をキーボードで入力させる。
取引形態コンボボックスF6は、現金決済や手形決済等の取引形態を利用者に選択させる。
【0153】
社員資質コンボボックスF7は、非常に良い、良い、普通、悪い等の顧客の社員資質に対する評価を利用者に選択させる。
社員資質評価指数表示ボックスF8は、前記社員資質コンボボックスF7が選択される毎に、評価値設定テーブル23から該当する値を読み込み表示する。
【0154】
社長対応コンボボックスF9は、非常に良い、良い、普通、悪い等の顧客の社長に対する評価を利用者に選択させる。
社長対応評価指数表示ボックスF10は、前記社長対応コンボボックスF9が選択される毎に、評価値設定テーブル23から該当する値を読み込み表示する。
【0155】
入金レベルコンボボックスF11は、入金が遅れ気味か適切か等の評価で利用者に選択させる。
入金レベル評価指数表示ボックスF12は、前記入金レベルコンボボックスF11が選択される毎に、評価値設定テーブル23から該当する値を読み込み表示する。
【0156】
納期レベルコンボボックスF13は、納品が遅れ気味か適切か等の評価で利用者に選択させる。
納期レベル評価指数表示ボックスF14は、前記納期レベルコンボボックスF13が選択される毎に、評価値設定テーブル23から該当する値を読み込み表示する。
【0157】
理論格付テキストボックスF15は、利用者に理論格付をキーボードで入力させる。該理論格付は、各格付機関で提供されている値を参考にして入力する。なお、前述したように定量的評価項目を利用して、理論格付を自動算出してもよい。
【0158】
評価格付テキストボックスF16は、利用者に評価格付をキーボードで入力させる。該評価格付は、利用者が主観的な数値を入力しても良く、次に説明するように自動算出してこれを利用しても良い。
【0159】
このようにして各項目が入力され、評価格付自動計算ボタンF17が利用者に押下されると、入力項目に基づいて格付確定モジュールを実行する制御装置は、評価格付算出処理を実行する(ステップp4)。
該評価格付算出処理では、以下の評価合計計算式から評価合計値Gを算出する。
【0160】
【数1】
【0161】
このとき、評価合計値Gは評価対象となった顧客の総合計点を示し、単純和、加重和、正負別和、絶対和等で構成すると良い。
【0162】
このようにして求めた評価合計値Gから、評価格付計算式で評価格付を求める。該評価格付計算式は、例えば評価合計が+100以上なら+7、99〜80なら+6、…、−1〜−10なら−1というようにして、算出した評価格付が一定の範囲内に収まるようにして評価格付を確定する。
算出した評価格付は、前記評価格付テキストボックスF16に表示する。
【0163】
利用者に登録ボタンF18が押下されると、制御装置は入力されたデータを評価値設定テーブル23に格納し、格付確定モジュール及び顧客情報入力モジュールを終了してメインメニューAに戻り、顧客情報入力処理を終了する。なお、キャンセルボタンF19が押下された場合は、評価値設定テーブル23を更新せずにメインメニューAに戻る。
【0164】
以上の動作により、顧客情報を入力して登録することができると共に、顧客評価用情報から評価格付を自動計算することができる。この利用者の主観的要素を反映できる評価格付、及び一般に評価されている客観的な理論格付により、後の契約書自動設計処理で条項文の条項個別強度を対応させることが可能となる。
【0165】
また、後述する顧客信用リスク分析処理では、従来であれば理論格付等の客観的又は数値的評価でしか顧客信用のリスク分析ができなかった問題に対し、納期が遅れ気味などの直感的又は主観的な評価で感覚的にリスク分析を行うことが可能となる。これにより、経営者にとっては対話的でわかりやすいリスク分析ツールとして利用でき、難解な経済指標に関する知識等が無くとも容易に経営判断に役立てることが可能となる。
【0166】
なお、理論格付は、契約書自動設計システム1を各格付機関の格付システムにインターネット等の通信回線で接続し、該格付システムから理論格付データを取得して、理論格付テキストボックスF15に理論格付を表示するように構成しても良い。
【0167】
また、理論格付を、評価格付と同様に計算によって算出するように構成してもよい。この場合は、格付算出画面Fの評価格付自動計算ボタンF17の下に理論格付自動計算ボタンを備え、該理論格付自動計算ボタンの押下によって理論格付用の計算式を実行するように構成すればよい。該理論格付の計算は、前述の定量的評価項目を計算式(関数)のインプットとして、評価格付と同様に適宜の理論ロジックによって計算処理すればよい。
【0168】
また、顧客評価用情報は、利用者の社内で利用している業務システム等にアクセスし、可能な限り自動取得できるように構成しても良い。
【0169】
<契約書作成処理>
図22は、クライアント端末51の制御装置で実行する契約書作成処理の処理フロー図を示す。
制御装置は、契約書作成モジュールを起動し、図23に示す契約書設計画面Hをクライアント端末51のモニタに表示し、利用者に契約書種別等の基本情報を入力させる基本情報入力処理を実行する(ステップr1)。
【0170】
ここで、契約書設計画面Hについて説明すると、各構成要素は、契約書概要、提携顧客(顧客情報)、及び契約書全体強度確定条件に区分して備える。
【0171】
契約書概要としては、次の構成要素を備える。
契約書種別コンボボックスH1は、契約書種別テーブル21(図5)に登録されている契約書種別名称から、設計する契約書の種別を利用者に選択させる。
【0172】
発行日テキストボックスH2は、デフォルトでは契約書設計画面Hを開いた年月日を表示し、変更の必要があれば利用者にキーボードで変更させる。
タイトルテキストボックスH3は、契約書の名称、すなわち契約書タイトル(図11)を利用者にテキスト入力させる。
【0173】
提携顧客(顧客情報)としては、次の構成要素を備える。
顧客名称テキストボックスH4は、利用者に顧客名称をテキスト入力させる。
住所テキストボックスH5は、利用者に顧客の住所をテキスト入力させる。
【0174】
担当者テキストボックスH6は、利用者に顧客の担当者をテキスト入力させる。
理論格付テキストボックスH7は、利用者に顧客の理論格付をテキスト入力させる。
評価格付選択ボックスH8は、利用者に顧客の評価格付を選択させる。
【0175】
格付算出ボタンH9は、顧客評価用情報を入力させて評価格付を自動計算する前記格付確定モジュールを起動する。該格付確定モジュールで実行する格付算出画面F(図21)で入力された項目はメモリ上に一時記憶し、登録ボタンF18(図21)が押下されると、理論格付テキストボックスH7及び評価格付選択ボックスH8に格付確定モジュールで入力又は算出された値を代入する。
【0176】
顧客情報取込ボタンH10は、顧客情報テーブル41(図12)に登録された顧客を一覧表示して選択させる顧客選択画面(図示省略)を表示し、利用者に登録済みの顧客を選択させる。
【0177】
なお、この顧客情報は、契約書に最低限必要な項目のみとすることで、契約書設計時の利便性を向上している。また、これら画面記載の項目以外に加えて、顧客名称カナ、郵便番号、代表電話、代表FAX、E−mail、及び代表者を入力するテキストボックスも備え、顧客情報テーブル41に必要な項目を全て入力可能に構成しても良い。この場合は、顧客情報として管理する全ての項目を入力することができるため、顧客情報の各項目に洩れなく記載して管理することが可能となる。
【0178】
契約書全体強度確定条件としては、次の構成要素を備える。
契約書全体強度指定用オプションボタンH11は、契約書全体強度を理論格付に連動させるか、評価格付に連動させるか、直接指定(強度指定)するかを利用者に選択させる。直接指定が選択された場合は、設定強度選択ボックスH12が選択可能となり、利用者にどの契約書全体強度に設定するか選択させる。
【0179】
傾向情報反映チェックボックスH13は、過去に作成した契約書の履歴から得られる条項個別強度の修正傾向を反映するか否かを利用者に選択させる。チェックされた場合には、傾向反映基準オプションボタンH14で、直近の契約書、全契約書の平均、又は変更量が最大の契約書のいずれを基準にするかを選択させる。
【0180】
このようにして必要情報が入力され、契約書作成ボタンH15が押下されると、制御装置は契約書自動設計モジュールを起動し、図24に示す契約書自動設計処理を実行する(ステップr2)。
【0181】
<契約書自動設計処理>
該契約書自動設計処理では、制御装置は条項テーブル22(図8)にアクセスし、契約書種別コンボボックスH1で選択された契約書種別の条項(条項No)を抽出する(ステップs1)。
【0182】
前記契約書設計画面Hで選択された連動条件に従い、顧客強度取得して契約書全体強度を確定する(ステップs2)。前記顧客強度は、例えば連動の場合であれば評価テーブル42(図13)に格納されている顧客の格付を参照し、この格付をキーにして顧客強度算出用テーブル24(図10)を参照して、該当する顧客強度を読み取って取得する。取得した顧客強度をそのまま契約書全体強度に設定する。
【0183】
制御装置は、契約書種別テーブル21のデフォルト強度パターンから前記契約書全体強度に対応する各条項の条項個別強度を抽出し、これをまとめて設計用個別強度群に設定する(ステップs3)。このとき参照する契約書種別テーブル21の条項個別強度の例を示すと、図に仮想線で示すように、「…、n条項=±0、…」と条項毎に設定されている。
【0184】
契約書設計画面Hで傾向情報反映チェックボックスH13にチェックが入ってなかった場合はステップs7にスキップし、チェックが入っていた場合は次のステップs5に処理を進める(ステップs4)。
【0185】
制御装置は、契約書蓄積テーブル31にアクセスし、各条項の個別強度修正量(n条項修正)を抽出する(ステップs5)。契約書蓄積テーブル31から個別強度修正量を抽出するに際して、例えば直近の傾向情報を反映させる場合であれば、FindLast等のプログラムコマンドによって該当する顧客に対して最後に作成した契約書データ(レコード)にアクセスして抽出を実行する。このときの個別強度修正量の例を示すと、図に仮想線で示すように、「…、n条項修正=+1、…」と条項毎に設定されている。
【0186】
制御装置は、前記設計用個別強度群の条項のそれぞれに、対応する前記個別強度修正量を加算し、算出個別強度群(強度パターン)を生成する(ステップs6)。この加算後の算出個別強度群の例を示すと、図に仮想線で示すように、「…、n条項=+1、…」と条項毎に設定される。
【0187】
なお、前記ステップs5〜s6で算出個別強度群を生成する処理を、強度パターン生成処理とし、これにより過去の契約書の蓄積データも反映させた適切な契約書設計を可能としている。
【0188】
制御装置は、確定した設計用個別強度群と契約書設計画面Hで選択された契約書種別を抽出条件として、条項テーブル22(図8)から該抽出条件に該当する条項文を抽出し、これをアウトプット(戻り値)として契約書自動設計モジュールを終了する。(ステップs7)。
【0189】
この契約書自動設計処理により、各条項の条項個別強度を自動確定して契約書を自動設計することができる。必要に応じて過去の契約書での個別強度修正量を反映させることができるため、顧客に適応した契約書が設計でき、汎用性・利便性が高く利用者の希望に添った契約書を自動設計して提供することができる。
【0190】
<契約書作成処理のつづき>
契約書作成モジュールは、前記自動設計モジュールでのアウトプットを受けて図25に示す契約書詳細設計画面Jをモニタに表示し、自動設計した各条項を利用者に微修正させる契約書微修正処理を実行する(図22のステップr3)。
【0191】
ここで、前記契約書詳細設計画面Jについて説明すると、タイトルコンボボックスJ1は、契約書のタイトルを前記タイトルテキストボックスH3(図23)から引き継ぐか、又は利用者に入力させる。
【0192】
甲会社名テキストボックスJ2は、契約書に記載する甲の会社名を示す。
甲住所テキストボックスJ3は、契約書に記載する甲の住所を示す。
甲氏名テキストボックスJ4は、契約書に記載する甲の担当者氏名を示す。
【0193】
顧客検索ボックスJ9は、別ウィンドウを開いて顧客情報テーブル41に登録されている顧客を利用者に選択させ、選択された顧客を甲又は乙として指定可能とする。
【0194】
顧客登録ボタンJ10は、甲又は乙として記載されている顧客を顧客情報テーブル41に登録する。
発行日テキストボックスJ11は、契約書を発行する年月日を利用者にテキスト入力させ、デフォルトでは契約書設計画面Hで表示していた発行日を表示する。
【0195】
乙会社名テキストボックスJ12は、契約書に記載する乙の会社名を示す。
乙住所テキストボックスJ13は、契約書に記載する乙の住所を示す。
乙氏名テキストボックスJ14は、契約書に記載する乙の担当者氏名を示す。
契約書全体強度J5は、自動設計された際の契約書全体強度を表示する。
【0196】
条項チェックボックスJ6は、契約書に記載する条項を利用者にチェックをさせるボタンであり、デフォルトでは前述のステップs1(図24)で取得した必要な条項にチェックをして表示する。すなわち、チェックをはずすことでその条項は印刷対象外(契約書には記載しない)の条項となり、契約書に記載するか否かを自由に設定することが可能となる。
【0197】
算出個別強度表示ボックスJ7は、前述の契約書自動設計処理で確定した条項個別強度(設計用個別強度群から契約書全体強度に対応するものを抽出して確定)を条項毎に表示する。
【0198】
強度修正選択ボックスJ8は、条項単位で条項個別強度を変更したい場合に、設定する個別強度修正量を利用者に選択させる。デフォルトでは±0を表示する。
条項文J15は、前記強度修正選択ボックスJ8での修正を反映させた条項個別強度の条項文を条項テーブル22(図8)から取得して表示する。
【0199】
プレビューボタンJ16は、契約書のイメージをモニタにプレビュー表示する。
戻るボタンJ18は、前記契約書設計画面Hに戻るボタンであり、契約書を自動設計する基準となる契約書種別を変更して再設計したい場合等に、利用者に押下させる。
【0200】
キャンセルボタンJ21は、押下されると契約書作成を中止してメインメニューA(図15)に戻る。
【0201】
このようにして契約書詳細設計画面Jでの契約書の微修正が行われ、印刷ボタンJ17が押下されると(図22のステップr4)、現段階での入力内容に基づいて図26の契約書イメージ説明図に示すように契約書をプリンタ(印刷手段)で印刷して出力する(ステップr5)。
【0202】
一時中断ボタンJ19が押下されると(ステップr6)、契約書の作成を中断して途中の状態を契約書蓄積テーブル31(図11)に保存する契約書保存処理を実行する(ステップr7)。このとき、「状態」の項目には「0」を格納し、未完成であることを示す。
【0203】
完了ボタンJ20が押下されると(ステップr8)、完成した契約書のデータを契約書蓄積テーブル31(図11)に格納する契約書保存処理を実行する(ステップr9)。この場合、「状態」の項目には「1」を格納し、完成であることを示す。
【0204】
以上の動作により、利用者は契約書を自動設計させた上で微修正し、契約相手に応じた適切な契約書を効率良く作成することができる。
【0205】
<契約書修正処理>
図22の仮想線は、利用者にメインメニューAで契約書修正ボタンが押下された場合の契約書修正処理を示す。
制御装置は、契約書選択画面(図示省略)をモニタに表示し、制御装置は利用者に修正する契約書を選択させる(ステップr1’)。
【0206】
契約書が選択されると、該契約書のデータを前記契約書詳細設計画面J(図25)に表示して前述の契約書作成処理のステップr3から処理を実行する。
これにより、利用者は契約書詳細設計画面Jでの微修正をいつでも実行することができ、場合によっては戻るボタンJ18(図25)によって契約書自動設計処理からやり直すことが可能となる。
【0207】
<契約書履歴確認処理>
図27は、クライアント端末51の制御装置で実行する前記契約書履歴確認処理の処理フロー図を示す。
制御装置は、契約書履歴確認モジュールを起動して、図28の画面イメージ図に示す契約書作成履歴画面Kを表示する(ステップt1)。
【0208】
この契約書作成履歴画面Kについて説明すると、顧客名称コンボボックスK1は、利用者に顧客名称を選択させる。この選択がされると、制御装置は、契約書蓄積テーブル31(図11)にアクセスし、該当する顧客名称の顧客Noが甲顧客No又は乙顧客Noに存在するデータを抽出し、抽出した抽出データを契約書種別Noでグループ化して、ファイル表示部K2に階層構造で表示する。
【0209】
この階層構造は、契約書種別フォルダK3内に契約書ファイルK4が存在するイメージで表示する。この契約書ファイルK4が利用者に選択(クリック)されると、詳細表示部K6に選択された契約書のデータを詳細表示する。
【0210】
このように過去の契約書を表示する契約書作成履歴画面で、利用者によって顧客検索ボタンK5が押下された場合には(ステップt2)、制御装置は顧客検索画面(図示省略)を表示し、入力された文字列を顧客名称に含む顧客を検索する等の顧客検索処理を実行する(ステップt3)。なお、検索した顧客の顧客名称は、顧客名称コンボボックスK1に代入して表示する。
【0211】
印刷ボタンK8が押下された場合には(ステップt4)、契約書をプリンタで印刷する(ステップt5)。なお、プレビューボタンK7が押下された場合は、契約書をモニタにプレビュー表示する。
【0212】
前記印刷の際には、印刷する契約書が確認用の再印刷であることを示す「確認用」や「出力日付」等の印字を行っても良く、またこの「確認用」等の印字を行うか否かを選択させるように構成しても良い。これによりプリントした契約書の状態が容易に確認できるようになる。
【0213】
データ出力ボタンK9が押下された場合には(ステップt6)、制御装置はPDF形式で契約書をデータ出力する(ステップt7)。なお、この出力形式はPDFに限らず、他のプログラムで流用可能なCSV形式等で出力しても良く、また出力形式を選択可能に構成しても良い。これにより、契約書データを二次利用する、あるいは、契約書をデータとして顧客や契約書の検査機関(弁護士等)に送信することもできる。
【0214】
このように契約書をデータ送信する場合には、DES等の共通鍵方式、RSAや楕円曲線暗号等の公開鍵方式、メッセージ認証、若しくはデジタル署名等の暗号化技術、改竄検出技術、送信元認証技術を利用すると良い。これにより、安全に契約書データを送信することが可能となる。
【0215】
完了ボタンK10が押下されると、制御装置は契約書履歴確認モジュールを終了し、キャンセルボタンK11が押下されると処理をキャンセルしてメインメニューA(図15)に戻る。
【0216】
以上の動作により、利用者は過去に作成した契約書の履歴を確認することができると共に、必要であれば印刷又はデータ出力して確認することもできる。この契約書の履歴は、顧客毎に契約書種別で分類して確認できるため、過去のデータを容易に探し出すことができ、また効率良く利用することができる。
【0217】
<顧客信用リスク分析処理>
図29は、クライアント端末51の制御装置で実行する前記顧客信用リスク分析処理の処理フロー図を示す。
この顧客信用リスク分析処理では、従来存在していた理論格付等の客観的評価によって顧客や仕入先等の取引先を判断する客観的評価システムに対し、実際の取引での納品状況や支払状況、取引を行っている上での相手会社の印象など、主観的評価を反映し、直感的に取引相手の信用リスクを評価できる事業者リスク表示システムを提案することを目的としている。
【0218】
また、従来であれば複数の項目についてマップ表示して取引先を評価しようとする場合、例えばX軸に取引先売上高を、Y軸に取引先市場占有率を設定したマップと、X軸に取引先売上高を、Y軸に自社取引高を設定したマップとを見比べる等、主軸の項目を変えて見比べる必要が生じ、見た目での比較が難しい問題があった。これを見た目で容易に比較できるマップ表示が可能な事業者リスク表示システムを提案することも目的としている。
【0219】
技術分野としては、例えば顧客や仕入先等の取引先を含む事業者の経営情報を直感的に解りやすく表示し、リスク分析をして経営判断に役立てることが可能な、事業者リスク表示システム(若しくは経営判断支援システム)に関する。
【0220】
まず制御装置は、顧客信用リスク分析モジュールを起動し、図30に示す顧客信用リスク分析画面Mをモニタに表示する(ステップu1)。このとき、マップ表示部M2はどの顧客も存在しない座標軸のみの空白状態で表示する。
【0221】
該顧客信用リスク分析画面Mで顧客登録ボタンM9が押下されると(ステップu2)、制御装置は前述した顧客情報入力処理(図20)を実行する(ステップu3)。
制御装置は、前記顧客信用リスク分析画面Mで利用者に分析対象とする顧客を表示条件として確定させる(ステップu4)。
【0222】
ここで、分析対象とする顧客を確定させる操作について説明すると、まず利用者に表示件数選択ボックスM10(事業者表示件数選択手段)で、マップ表示部M2に表示する顧客の件数を選択させる。表示条件コンボボックスM11及びベスト/ワーストオプションボタンM12(2つ合わせて事業者表示条件選択手段)では、マップ表示部M2に表示する顧客の条件を利用者に選択させる。
【0223】
例えば、図示するように取引高でベスト順と指定された場合には、制御装置は顧客情報テーブル41(図12)にアクセスし、取引高の1位から7位(表示件数選択ボックスM10で指定)までの顧客を抽出する。また、例えば前記表示条件コンボボックスM11で「顧客名称」の項目が選択された場合であれば、あいうえお順の1位から7位までの顧客を表示する。
このようにして、制御装置は利用者に確定された分析対象の顧客データを、顧客情報テーブル41から抽出する(ステップu5)。
【0224】
制御装置は、抽出したデータに基づいて顧客名称をマップ表示部M2に表示する(ステップu6)。この段階で、マップ表示部M2には図示するように顧客名称等が表示されることとなる。
【0225】
利用者によって、表現形式コンボボックスM1(表現形式選択手段)でマップ表示部M2の表現形式が選択されると、制御装置はステップu5にリターンして指定された表現形式でマップ表示部M2を再表示する(ステップu7)。
【0226】
この表現形式について説明すると、前記表現形式コンボボックスM1は、デフォルトでは標準となって図30に示す数値表示形式であるが、マトリックスが選択されれば後述するマトリックス表示形式(図31)、入れ子グラフが選択されれば後述する入れ子グラフ表示形式(図32)といったように、様々な表現形式を選択可能にしている。
【0227】
ここで、顧客信用リスク分析画面Mについて図30に示している標準の表示形式で説明すると、マップ表示部M2内には、分析対象の顧客を評価格付軸M4と理論格付軸M3が直行している2次元座標系にプロットして表示する。
【0228】
ここで、前記評価格付軸M4は、前述した評価格付の値を軸にしたX軸(水平軸)であり、利用者による主観的、当事者的、直感的、感覚的、又は独断的な評価で高低差がつけられる主観的評価軸である。これにより、従来の客観的かつ一般的な評価しか行えなかった問題を解決し、独自評価を反映させて解りやすく経営判断することを可能としている。
【0229】
また、前記理論格付軸M3は、前述した理論格付の値を軸にしたY軸(垂直軸)であり、第三者的、客観的、数値的、又は公平的な評価で高低差がつけられる客観的評価軸である。なお、前記理論格付軸M3と評価格付軸M4とは、垂直軸/水平軸を入れ替えて表示してもよい。
【0230】
マップ表示部M2内の顧客のマップ表示は、顧客名称M5に対する評価値(格付値)の二次元位置をプロットM6として×印の打印で示し、利用者が参照したい項目の値を表示する表示値M7,M8(分析用データ)は、顧客名称の右横の括弧内に表示する。
【0231】
前記表示値M7は、表示項目コンボボックスM13で選択された項目を、ベスト/ワースト選択オプションボタンM14で選択された側の上位側(例えばベストであれば上位3件、ワーストであれば下位3件)に下線を引いて表示する。この表示項目コンボボックスM13が選択される毎に前記表示値M7の値は変化するため、利用者はリアルタイムに表示を確認しながら任意の項目が選択可能である。なお、ベスト/ワースト選択オプションボタンM14で例えばベストが選択されたとすると、取引高の上位3件の顧客に対して前記表示値M7に下線を表示する。なお、上位3件に固定せず、利用者の指定によってn件の顧客に対して下線を表示するように構成してもよい。
【0232】
同様に、前記表示値M8は表示項目コンボボックスM15とベスト/ワースト選択オプションボタンM16(2つ合わせて分析用表示データ更新(追加、変更、削除、選択)手段)で指定され、表示項目コンボボックスM17とベスト/ワースト選択オプションボタンM18、表示項目コンボボックスM19とベスト/ワースト選択オプションボタンM20で選択された項目は、さらに追加して前記表示値M8の右横に表示する。
【0233】
これにより、主観的評価と客観的評価を絶対的な位置付けとして顧客をマップ表示し、利用者は項目を自由に選択(追加、変更、削除)して様々な観点で顧客を比較、評価することができる。例えば図中の株式会社EEEであれば、主観的評価及び客観的評価が共に低いにもかかわらず取引高が一位であり、多大なリスクが存在していることが容易に理解できる。
【0234】
これらの顧客名称、表示値M7,M8、及び右横に追加して表示する項目は、それぞれが顧客(事業者)に関連する情報である事業者関連情報の一つであり、該事業者関連情報を一つ又は複数表示する方法として様々な表示方法が考えられる。この表示方法の例については、図31及び図32と共に後述する。
【0235】
表示事業者更新手段(表示事業者追加削除手段)である指数表示コンボボックスM21で顧客名称が選択され、表示オプションボタン22が表示と選択されれば、選択された顧客をマップ表示部M2内に表示する。
【0236】
また逆に表示オプションボタン22が非表示と選択されれば、選択された顧客の表示をマップ表示部M2内から削除する。
これらにより、特定の顧客(指定顧客)のマップ内での位置付けを瞬時に確認することができる。
【0237】
このようにして顧客に対して利用者によるリスク分析と評価が行われ、印刷ボタンM23(出力手段)が押下されると(図29のステップu8)、制御装置は、表示条件や表示件数、表示項目、出力日時、及びマップ表示(マップ表示部M2)をクレジットマップとしてプリンタで印刷し(ステップu9)、顧客信用リスク分析モジュールを終了する。なお、印刷ボタンM23に加えてPDF形式やCSV形式でデータ出力可能なデータ出力ボタンを備えても良い。
【0238】
図31は、マップ表示部M2の他の表示方法であるマトリックス表示形式を示す。ここでは、表示項目コンボボックスM13,M15,M17,M19で選択された項目を表形式(マトリックス形式)でマトリックス表示M25として表示する。
【0239】
また図32は、マップ表示部2の他の表示方法である入れ子グラフ表示形式を示す。ここでは、表示項目コンボボックスM13,M15,M17,M19で選択された項目を入れ子グラフ形式でグラフ表示M31として表示する。
【0240】
これらの表示方法により、利用者が見やすいように表示方法を変えて顧客を評価することができる。また入れ子グラフ形式については、折れ線グラフ等で表示されるために細かい数値データを見ずとも過去の推移状況から感覚的に判断することができる。すなわち、折れ線グラフが上下に激しく移動しているということは取引額等が安定していないことが理解でき、逆に上下差が少ないと安定していることが理解できる。また右肩上がりか右肩下がりかで向上しているか下降しているかを分析することもできる。
【0241】
以上の動作により、利用者は顧客に対して感覚的にリスク分析を行うことができ、特別な知識が無くとも分析結果を経営判断に反映させることができる。例えば図30に示した顧客信用リスク分析画面Mの場合であれば、株式会社EEEはリスクが高いために取引高を少なくし、減少させた取引を株式会社BBBや株式会社AAAに分散する、あるいは株式会社PPPにシフトするといった経営判断ができる。
【0242】
なお、前記表示値M7,M8には、上位3つに対して注目表示(リスク表示)として下線を表示したが、上位3つに限らず重要な項目や数値の高いものに対して、ボールド表示(太字表示)する、数値を色分けする(例えば上位から下位へのグラデーションで色分けする)、あるいは文字の大きさを変更する等、他の表示方法としても良い。また、これらの表示方法を選択可能なコンボボックスやオプションボタン等のレベル表示方法選択手段を備えても良い。また、このような表示方法を顧客名称自体に反映させても良い。
【0243】
これにより、利用者はより視覚的(ビジュアル的)に顧客を分析することができ、例えば上位5社は濃い色で表示し、6位から10位は薄い色で表示する等、表示する顧客数を増加させた上で分析が重要である上位社を明確に見ることも可能となる。
【0244】
また、前記顧客信用リスク分析モジュール、顧客情報入力モジュール及び格付確定モジュールで事業者リスク表示プログラムを構成し、前記評価値設定テーブル23及び顧客強度算出用テーブル24を強度算出用データベース20’とし、前記顧客情報テーブル41及び評価テーブル42を格納した顧客情報データベース40と共に、別のソフトウェアとして提供しても良い。
【0245】
これにより、契約書の設計が不要な利用者に対して、事業者リスク表示プログラムを安価に提供することができ、中小企業などの経営者が経営判断に役立てるといったことが可能となる。
【0246】
この場合は、事業者リスク表示プログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータにインストールし、事業者リスク表示装置として提供しても良い。また、事業者リスク表示プログラムを端末にインストールし、強度算出用データベース20’及び顧客情報データベース40をサーバにインストールして、図33のシステム構成に示すような事業者リスク表示システム1’として提供しても良い。
【0247】
前者(事業者リスク表示装置)であれば利用者は購入後にスタンドアロンですぐに利用でき、後者(事業者リスク表示システム1’)であれば利用者は購入後にネットワーク環境ですぐに利用できる。
【0248】
また、勘定系システムや在庫システム等の特殊システム(専用システム)と連動させ、日々の営業(経営)活動から得られる売上高、利益高等の情報を取得して、クレジットマップに表示させるように構成してもよい。これにより、日々の営業(経営)活動から得られるリアルな情報を反映した分析が実行でき、最新情報によるすばやい経営判断を行うことができる。
【0249】
また、前述の契約書自動設計システム1は、インターネットやエクストラネット等の通信回線に接続し、同様に通信回線に接続した基本データ格納サーバから契約書データをダウンロード可能に構成しても良い。
【0250】
この場合、基本データ格納サーバには契約書データベース20を格納し、契約書作成のベースとなる契約書種別を厳密に管理し常時最新化する。これにより、契約書自動設計システム1の利用者は、基本データ格納サーバから最新の契約書種別のデータを取得することができ、利便性が向上する。
【0251】
また、契約書データベース20、契約書履歴データベース30、及び顧客情報データベース40をクライアント端末51のハードディスクに格納してクライアント端末51’とし、スタンドアロンで利用可能に構成しても良い。
【0252】
また、契約書自動設計システム1又は事業者リスク表示システム1’において、契約書更新時に以前の評価と更新時の評価に変動がないかチェックする評価適正度確認モジュールを追加し、メインメニューAに評価適正/期限確認ボタンを追加しても良い。
【0253】
この場合は、契約書蓄積テーブル31に有効期限のフィールドを追加し、有効期限が管理できるように構成する。
メインメニューAで評価適正/期限確認ボタンが押下されると、制御装置は図34に示す契約継続確認画面Pをモニタに表示する。
【0254】
ここで、情報取込ボタンP2が押下されると、期限期月を入力する画面を表示し、利用者が入力した日付までに期限がくる契約書を一覧表示部P1に表示する。
【0255】
詳細情報ボタンP3が押下されると、一覧表示部P1で選択されている契約書の詳細情報を表示する。表示には、前述した契約書作成履歴画面K(図28)を利用する。
【0256】
再設計ボタンP4が押下されると、前述の契約書修正処理を実行し、元の契約書を基本にして再契約の契約書を作成できるようにする。
キャンセルボタンP5が押下されると、処理をキャンセルして終了する。
【0257】
これにより、期限切れが近い契約書を検索し、顧客の再評価、再契約の契約書の内容検討を行うことができる。
【0258】
なお、理論格付又は評価格付を、勘定系システムや在庫システム等の特殊システム(専用システム)と連動させて取引情報や財務情報等の情報を取得し、契約書の更新時期に格付確定モジュールを自動実行し、算出した格付が評価テーブル42に格納している格付より低下している等の変化がないかチェックするように構成しても良い。
【0259】
この場合、変化があれば警告として前記契約継続確認画面Pをモニタに表示する。これにより、契約時には優良であったが評価が下がってきた顧客に対するリスクを検知し、利用者に警告することが可能となる。
【0260】
利用者は、この警告によってリスクが高くなった顧客に早期に対応することができ、経営を安定化させることができる。なお、この警告は、より広範な範囲で応用することができる。
【0261】
また、理論格付又は評価格付を取引情報や財務情報と連動しない場合であれば、有効期限の近づいた契約書を自動検出してモニタに表示することで再評価を促せばよく、これにより放置によるリスクを軽減することができる。
【0262】
また、前述した契約書自動設計システム1は、契約書に限らず、社内規定、品質管理規定、セキュリティ規定等の各種規定の作成に契約書自動設計システム1を利用する事もできる。社内規定であれば、就業規則等を各項目毎に条項個別強度別に用意し、品質管理規定であれば文書管理や設計管理や製品検査等を項目毎に条項個別強度別に用意し、セキュリティ規定であればセキュリティ方針やセキュリティポリシやリスク対策等を項目毎に条項個別強度別に用意すればよい。これにより、様々な規則文書の作成に流用し、規則文書作成を効率化して業務効率、プロジェクト実行効率を向上することができる。
【0263】
また、契約書詳細設計画面Jではじっくりと検討する場合があるため、定期的に変更部分をバックアップする自動バックアップ処理を備えても良い。これにより、コンピュータのトラブル等で契約書作成プログラムが強制終了された場合に、それまでの修正を生かして修正作業を継続することができる。
【0264】
また、顧客情報テーブル41のフィールドを追加可能に構成しても良い。これにより、クレジットマップに表示する分析用項目を増加することができる。またこの場合、顧客情報テーブル41に追加したフィールドを評価値設定テーブル23にも追加し、評価値を設定可能に構成しても良い。これにより、追加したフィールドの項目を反映して評価格付を算出することが可能となる。
【0265】
また、格付連動には、理論格付と評価格付の両方の平均等に連動する両格付連動を備えても良い。
また、契約書作成プログラムはデータベースサーバ11に備えてもよく、プリンタはデータベースサーバ11に備える、あるいはプリンタサーバに備える等、クライアント端末51が利用可能なように備えても良い。
【0266】
また、契約書種別テーブル21からデフォルト強度パターン(m強度n条項)を削除し、条項個別強度を使用せず、顧客強度に対応する契約書全体強度を全ての条項に適用するように構成してもよい。この場合は、シンプルな設計で契約書自動設計システム1を作成し、安価に提供することができる。
【0267】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明のサーバは、実施形態のデータベースサーバ11に対応し、
以下同様に、
記憶手段は、データベースサーバ11のハードディスクに対応し、
契約書データは、契約書種別テーブル21に対応し、
条項文データは、条項テーブル22に対応し、
変更履歴データは、契約書蓄積テーブル31に対応し、
端末は、クライアント端末51に対応し、
契約書自動設計装置は、クライアント端末51’に対応し、
契約書設計手段,契約強度取得手段,パターン生成手段,及び記載条項選抜手段は、クライアント端末51の制御装置に対応し、
入力手段及び選択手段は、クライアント端末51のマウスに対応し、
記録媒体は、インストールCD−ROM72,74に対応し、
契約書自動設計プログラムは、契約書自動設計モジュールに対応し、
契約強度取得処理は、格付確定モジュールに対応し、
契約書設計処理は、契約書自動設計処理に対応し、
契約書種別選択処理は、基本情報入力処理(ステップr1)に対応し、
記載条項選抜処理及び個別変更処理は、契約書微修正処理(ステップr3)に対応し、
履歴格納処理は、契約書保存処理(ステップr7)に対応し、
パターン生成処理は、強度パターン生成処理(ステップs5〜s6)に対応し、
契約相手は、顧客に対応し、
パターンは、強度パターン(算出個別強度群)に対応し、
契約強度は、条項個別強度又は契約書全体強度に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】契約書自動設計システムのシステム構成図。
【図2】契約書自動作成ソフトパッケージの概観斜視図。
【図3】各データベースの構成説明図。
【図4】契約書作成プログラムの構成説明図。
【図5】契約書種別テーブルの構成説明図。
【図6】デフォルト強度パターンの説明図。
【図7】契約書種別の説明図。
【図8】条項テーブルの構成説明図。
【図9】条項データのイメージ説明図。
【図10】評価値設定テーブル及び顧客強度算出用テーブルの構成説明図。
【図11】契約書蓄積テーブルの構成説明図。
【図12】顧客情報テーブルの構成説明図。
【図13】評価テーブルの構成説明図。
【図14】契約書作成プログラムの処理フロー図。
【図15】メインメニューの画面イメージ図。
【図16】契約書種別登録処理の処理フロー図。
【図17】契約書種別登録画面の画面イメージ図。
【図18】条項作成画面の画面イメージ図。
【図19】デフォルト強度パターン設定画面の画面イメージ図。
【図20】前記顧客情報入力処理の処理フロー図。
【図21】格付算出画面の画面イメージ図。
【図22】契約書作成処理の処理フロー図。
【図23】契約書設計画面の画面イメージ図。
【図24】契約書自動設計処理の処理フロー図。
【図25】契約書詳細設計画面の画面イメージ図。
【図26】契約書イメージの説明図。
【図27】契約書履歴確認処理の処理フロー図。
【図28】契約書作成履歴画面の画面イメージ図。
【図29】顧客信用リスク分析処理の処理フロー図。
【図30】顧客信用リスク分析画面の標準形式の画面イメージ図。
【図31】顧客信用リスク分析画面のマトリックス表示形式の画面イメージ図。
【図32】顧客信用リスク分析画面の入れ子グラフ表示形式の画面イメージ図。
【図33】事業者リスク表示システムのシステム構成図。
【図34】契約継続確認画面の画面イメージ図。
【符号の説明】
1…契約書自動設計システム
11…データベースサーバ
21…契約書種別テーブル
22…条項テーブル
31…契約書蓄積テーブル
51,51’…クライアント端末
72,74…インストールCD−ROM
Claims (12)
- 契約書に記載する複数条項の内の1以上の各条項に対して、段階的な契約強度が設定されて契約条件が異なる複数の条項文を設定した条項文データにアクセスし、
所定の抽出条件に基づいて前記条項文データから条項文を抽出して契約書を設計する契約書設計処理を設定した
契約書自動設計プログラム。 - 契約相手に対する前記契約強度を取得する契約強度取得処理を設定し、
前記所定の抽出条件として、取得した契約強度を設定した
請求項1記載の契約書自動設計プログラム。 - 一旦設計された前記契約書の前記条項のそれぞれに対し、契約強度若しくは条項文を個別変更可能にする個別変更処理を設定した
請求項1又は2記載の契約書自動設計プログラム。 - 前記契約書で契約強度若しくは条項文が個別変更された結果を変更履歴データとして契約相手の情報と共に格納する履歴格納処理と、
次回以降で実行可能であって上記変更履歴データに基づいて契約相手に適用する契約強度若しくは条項文のパターンを生成するパターン生成処理とを設定し、
前記所定の抽出条件に上記パターンを設定又は付加した
請求項3記載の契約書自動設計プログラム。 - 契約目的の異なる複数の契約書種別が設定された契約書データから、使用する契約書種別を選択させる契約書種別選択処理と、
選択された契約書種別に基づいて契約書に記載する条項を選抜する記載条項選抜処理とを設定した
請求項1から4のいずれか1つに記載の契約書自動設計プログラム。 - 契約書に記載する複数条項の内の1以上の各条項に対して、段階的な契約強度が設定されて契約条件が異なる複数の条項文を設定した条項文データを格納の記憶手段と、
所定の抽出条件に基づいて前記条項文データから条項文を抽出して契約書を設計する契約書設計手段とを備えた
契約書自動設計装置。 - 契約相手に対する前記契約強度を取得する契約強度取得手段を備え、
前記所定の抽出条件として、取得した契約強度を設定した
請求項6記載の契約書自動設計装置。 - 一旦設計された前記契約書の前記条項のそれぞれに対し、契約強度若しくは条項文を個別変更可能にする入力手段を備えた
請求項6又は7記載の契約書自動設計装置。 - 前記契約書で契約強度若しくは条項文が個別変更された結果を変更履歴データとして契約相手の情報と共に前記記憶手段に格納し、
次回以降で実行可能であって上記変更履歴データに基づいて契約相手に適用する契約強度若しくは条項文のパターンを生成するパターン生成手段を備え、
前記所定の抽出条件に上記パターンを設定又は付加した
請求項8記載の契約書自動設計装置。 - 契約目的の異なる複数の契約書種別が設定された契約書データから、使用する契約書種別を選択させる選択手段と、
選択された契約書種別に基づいて契約書に記載する条項を選抜する記載条項選抜手段とを備えた
請求項6から9のいずれか1つに記載の契約書自動設計装置。 - 前記条項文データを格納したサーバと、
前記所定の抽出条件を入力可能な端末とを備え
請求項1から5のいずれか1つに記載の契約書自動設計プログラムを実行可能に構成した
契約書自動設計システム。 - 請求項1から5のいずれか1つに記載の契約書自動設計プログラムを記録した記録媒体。
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