JP2004184941A - 現像装置及びこの現像装置を備える画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化に有利で、ピッチムラの生じない現像装置と、この現像装置を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】二成分現像剤を使用する現像装置4であって、現像剤容器4aと、現像剤の撹拌・搬送手段4dと、現像剤担持体4bと、該現像剤担持体の内部に固定配置された磁界発生手段4fと、現像剤担持体上の現像剤量を規制するための規制部材4eとを有する現像装置において、規制部材に上記現像剤担持体の搬送する現像剤の余剰分を滞留させるための現像剤保留部4gを形成したので、この現像剤保留部に現像剤を滞留させることができ、撹拌・搬送手段による現像剤の圧力変動を無くして、一定の量を感光体に供給できるようになり、黒ベタ画像からピッチムラを無くすことができた。
【選択図】 図2
【解決手段】二成分現像剤を使用する現像装置4であって、現像剤容器4aと、現像剤の撹拌・搬送手段4dと、現像剤担持体4bと、該現像剤担持体の内部に固定配置された磁界発生手段4fと、現像剤担持体上の現像剤量を規制するための規制部材4eとを有する現像装置において、規制部材に上記現像剤担持体の搬送する現像剤の余剰分を滞留させるための現像剤保留部4gを形成したので、この現像剤保留部に現像剤を滞留させることができ、撹拌・搬送手段による現像剤の圧力変動を無くして、一定の量を感光体に供給できるようになり、黒ベタ画像からピッチムラを無くすことができた。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、電子写真式画像形成装置において、磁性キャリア粒子とトナー粒子とを混合した二成分現像剤を用いて静電潜像又は磁気潜像を現像する現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電子写真式画像形成装置においては、磁性キャリアと非磁性トナーとからなる二成分現像剤を用いた現像装置が用いられている。二成分現像剤の磁性キャリアの平均粒径は数十〜数百μmで、非磁性トナーの平均粒径は10μm程度である。この現像装置は、内部に複数の磁極を有する磁石体からなる磁界発生手段を備え、その外側に回転可能に支持された円筒状の現像スリーブを有している。この現像スリーブの表面にトナー粒子を付着させた磁性キャリアを保持し、静電潜像を担持した感光体に搬送して現像を行うものである。トナー粒子の摩擦帯電制御が比較的容易で、トナー粒子の凝集が起こりにくく、磁気ブラシの穂立ちがよくて、感光体面の摩擦性に優れ、クリーニングとの兼用においても十分なクリーニング効果が発揮され、さらに、感光体面と非接触で現像する非接触現像に適していることから、多く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の現像装置を用いた画像形成装置では、黒ベタ画像を出力したときに、ピッチムラと言われる濃度差が生じるという問題がある。これは、現像装置内にあって現像剤を撹拌したり搬送したりするスクリューやパドルの間隔に起因するものである。
【0004】
この問題に対し、特許文献1(特開2000−194194号)では、スクリュー乃至はパドルを備えた撹拌・搬送手段を、その軸線が現像剤担持体の軸線より下方になるように配置し、現像に供されずに再び現像容器内に搬送された現像剤を確実に現像剤担持体から剥ぎ取り、撹拌・搬送手段が、剥ぎ取られた現像剤と現像剤容器内の現像剤とを十分に撹拌してから、再度現像剤担持体に担持させるようにする構成を提案している。
【0005】
しかし、この特許文献1記載の構成では、撹拌・搬送手段の軸線が、現像剤担持体の軸線より下方になるように配置するので、現像装置の上下方向の寸法が大きくなり、画像形成装置の小型化に不利になるという問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題の解決を図ったもので、小型化に有利で、ピッチムラの生じない現像装置と、この現像装置を備えた画像形成装置を提供することを目的としている。
【0007】
【特許文献1】特開2000−194194号 (段落0066、段落0110、図2)
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明の現像装置は、磁性キャリアとトナーとからなる二成分現像剤を収容する現像剤容器と、該容器内の現像剤の撹拌・搬送手段と、該撹拌・搬送手段から供給された現像剤を担持して潜像を担持する感光体にトナーを供給する現像剤担持体と、該現像剤担持体上に現像剤を担持させるように現像剤担持体の内部に固定配置され、周方向に複数の磁極を有する磁界発生手段と、上記現像剤担持体上の現像剤量を規制するための規制部材とを有し、上記磁界発生手段は、上記規制部材近傍に配置される第1磁極と、該第1磁極の現像剤担持体回転方向上流側に隣接し第1磁極と同極性を持つ第2磁極とを有し、上記現像剤担持体の中心と、撹拌・搬送手段と現像剤担持体とが最接近する現像剤担持体上の点とを結ぶ第1の線と、上記第1磁極による現像剤担持体表面の法線方向における磁界の強さが最大になる点とを結ぶ第2の線とが成す角が30゜以下の現像装置において、上記規制部材が上記現像剤担持体の搬送する現像剤の余剰分を滞留させるための現像剤保留部を有することを特徴としている。
【0009】
上記現像剤保留部が、上記規制部材に形成された面である構成や、上記現像剤保留部の面が上に凸の曲面である構成や、上記現像剤保留部の面が斜面である構成とすることができる。
【0010】
また、上記規制部材が上記現像担持体に最も接近する現像担持体表面上の点を求め、該点から引いた現像担持体の法線と、上記点と上記現像剤保留部の面の先端位置とを結ぶ線との成す角を30゜以上75゜以下とし、上記規制部材の先端から上記現像剤保留部の面の先端までの距離を2mm以上10mm以下とすることができる。
【0011】
本発明の画像形成装置は、上記のいずれかの現像装置を備えたことを特徴としている。
【0012】
【作用】
現像容器内にある現像剤は、撹拌・搬送手段で常時撹拌されており、撹拌・搬送手段は、パドルやスクリューなどで現像剤担持体に現像剤を間欠的に投げるようにして供給する。従来はこの現像剤は規制部材に衝突し、その一部が規制部材と現像剤担持体との間の隙間を通過することで現像剤担持体上の現像剤の量が規制されていた。一方、隙間を通過できずに余った現像剤は、規制部材に跳ね返されていたので、規制部材の上流側には特に現像剤が滞留することもなかった。そのため、規制部材を通過する現像剤は、撹拌・搬送装置の圧力変動の影響を直接受けていた。従って、規制部材を通過する現像剤の量も一定にならずピッチムラの原因となっていた。
【0013】
本発明では、規制部材に現像剤保留部を設けたので、現像剤は規制部材の上流側に滞留するようになり、ここに常時一定量のほぼ静止した現像剤が滞留するようになった。そして、この滞留領域が緩衝体となって、撹拌・搬送装置による圧力変動を吸収する。その結果、ほぼ一定の圧力になった現像剤が規制部材を通過するようになる。これによって、規制部材を通過する現像剤量が一定となり、黒ベタ画像からピッチムラを無くすことができた。
【0014】
現像剤保留部が上に凸の曲面や、傾斜面であれば、現像剤を滞留させ易くなる。
現像剤保留部の大きさは、規制部材が現像担持体に最も接近する現像担持体表面上の点から引いた現像担持体の法線と、上記点と上記現像剤保留部の面の先端位置とを結ぶ線との成す角を30゜以上75゜以下とし、上記規制部材の先端から上記現像剤保留部の面の先端までの距離を2mm以上10mm以下が適当である。上記の角度が30゜未満では、現像剤が跳ね返る力が大きく、滞留させる量が減少して圧力変動を抑制する効果が低下するからである。反対に、75゜を越えると、滞留領域内に現像剤が進入しにくくなるからである。また、上記の距離が、2mm未満では滞留領域が小さすぎて、圧力変動を消去することができなくなる。また、10mmを越えると、撹拌・搬送手段との干渉の可能性が生じる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を、図面を用いて説明する。図1に本発明の実施の形態に係る電子写真式を適用した画像形成装置を示す。
【0016】
感光体1はドラム状であり、感光体1の周囲には、帯電手段2、像露光手段3、現像装置4、転写手段5、分離手段6、分離爪7、及びクリーニング手段8が配置されている。
【0017】
感光体1の表面は、帯電手段2のコロナ放電装置によって、マイナスの電圧で一様に帯電される。像露光手段3はレーザ、LED等のドット露光を行う光源であり、矢印で進む光ビームで感光体1を露光して静電潜像を形成する。現像装置4は、現像剤を収容する容器4a、現像剤を搬送する現像剤担持体としての現像スリーブ4b、トナーを現像剤に混入させ撹拌及び搬送を行う撹拌・搬送スクリュー4c及び現像剤を現像スリーブ4bに供給する水車状の撹拌・搬送手段4dを有する。現像装置4には、二成分現像剤が収容され、現像装置4は現像バイアス電圧を印加して二成分現像剤で反転現像を行う。現像スリーブ4b上方には規制部材4eがあり、これによって現像スリーブ4bから感光体1に搬送される現像剤の量が一定に保たれる。
【0018】
5はコロナ放電器からなる転写手段、6は交流コロナ放電器からなる分離手段である。7は分離爪で、分離手段6の分離作用を補助する。8はクリーニングブレード8aで感光体1をクリーニングするクリーニング手段、9は転写材Pにトナーを定着させる定着手段である。
【0019】
転写材Pがカセット給紙部20又は手差し給紙部21から給紙され、レジストローラ22により感光体1と転写手段5との間に供給される。図示の画像形成装置は、片面モードと両面モードとを有し、片面モードにおいては、定着手段9を通過した転写材Pは、排紙皿23に排紙される。両面モードにおいては、表面画像形成された転写材Pは、定着手段9を通過後に、裏面用紙給紙部24に搬送され、裏面用紙給紙部24で表裏反転されて、レジストローラ22に給紙される。レジストローラ22により搬送される転写材Pの裏面に転写手段5によりトナー像が形成され、定着手段9による定着処理後、排紙皿23に排紙される。
【0020】
画像形成においては、矢印に示すように回転する感光体1に対して、帯電手段2の帯電及び像露光手段3の露光により感光体1上に静電潜像が形成され、形成されたトナー像は、転写手段5により転写材Pに転写される。トナー像が転写された転写材Pは定着手段9を通過して定着処理される。
【0021】
図2は図1の現像装置4の現像剤担持体としての現像スリーブ4bの周辺部を拡大した図である。現像スリーブ4bは、現像剤容器4aの開口部からその一部を露出するように組み込まれ、露出した部分が感光体1に対面するような位置関係となっている。現像スリーブ4bの径は、25φ〜50φ程度であるが、この実施例では25φのものを使用している。また、現像スリーブ4bとしてはアルミニウムなどの非磁性金属材料からなり、その内部には磁界発生手段4fが固定配置されている。
【0022】
現像スリーブ4bの図2における右上には、規制部材4eが設けられている。この規制部材4eは、その先端面4e’を現像スリーブ4bの表面に接近させ、規制部材4eと現像スリーブ4bとの間に隙間Sを形成し、矢印方向に回転している現像スリーブ4b上にある現像剤がこの隙間Sを通過することで、現像剤層の厚さが一定となり、現像剤の量を一定にすることができる。この規制部材4eは従来は板状のものであったが、本発明では、現像剤担持体回転方向上流側に現像剤保留部4gを設けたことを特徴としている。この実施例では、現像剤保留部4gは、断面形状が円弧状の曲面となっている。
【0023】
磁界発生手段4fは、感光体1と現像スリーブ4bとの対向部である現像領域に配設された磁極N1と、規制部材4eの先端面4e’と対向する位置の近傍に配設された第1磁極としての磁極S3と、該第1磁極の現像剤担持体回転方向上流側に隣接し第1磁極と同極性を持つ第2磁極としてのS2と、現像剤を現像スリーブ4b上に担持させながら搬送するための磁極N2,S1とを有する。
【0024】
この実施例では、上記現像スリーブ4bの中心Oと、撹拌・搬送手段4dと現像スリーブ4bとが最接近する現像スリーブ4b上の点Pとを結ぶ第1の線kと、上記磁極S3による現像スリーブ4b表面の法線方向における磁界の強さが最大になる点とを結ぶ第2の線lとが成す角θが30゜以下となっている。30゜以下とすることで、現像装置4の上下方向の寸法を小さくすることができ、現像装置4を小型化して画像形成装置全体の小型化にも貢献できるという効果を有する。
【0025】
磁極S3が規制部材4eの先端面4e’に面していて、規制部材4eの本体部分が平板で、現像スリーブ4bの法線方向に配置されていれば、規制部材4eは上記第2の線lと重なることになる。
【0026】
磁極N1は、現像スリーブ4bと感光体1との間の現像部の近傍に磁界を形成させ、該磁界によって磁気ブラシを形成するようになっている。上記現像部において、現像スリーブ4bの回転とともに、矢印の方向に運ばれてきた現像剤は、感光体1と接触し、感光体1上の静電潜像にトナーが移行して潜像が現像される。このとき、現像スリーブ4bと感光体1との回転の近接位置である現像部において、現像スリーブ4bと感光体1の移動方向は同一方向で、現像スリーブ4bの線速の方が、感光体1の線速より大きくなるように設定されている。
【0027】
現像部を通過して現像スリーブ4b上に残留している現像剤は、第2磁極としての磁極S2と第1磁極としての磁極S3とにより形成された反発磁界によって現像スリーブ4bから剥ぎ取られ、現像剤容器4a内に落下することになる。
【0028】
図3によってこの現像剤保留部4gの作用を説明する。図3(a)は、従来の規制部材を用いた場合を示す図である。現像剤スリーブ4bと撹拌・搬送手段4dとは図の矢印に示す方向に回転している。
【0029】
現像剤10は、水車状の撹拌・搬送手段4dで常時撹拌されており、水車の各羽根で現像剤10を現像スリーブ4bに投げるようにして供給する。そして現像剤10は、矢印a,bに例示されるように広い方向から規制部材4eと現像スリーブ4bとの隙間Sに向かって行く。図3(a)に示す従来の規制部材14eは、板状で現像剤保留部4gが無かったので、隙間Sを通過できなかった現像剤10は、規制部材14eに衝突して矢印cの方向に飛散し、規制部材14eから離れた位置で下方に落下し、現像装置4内の他の現像剤10と混合する。
【0030】
すなわち、撹拌・搬送手段4dから矢印aや矢印b等に示される方向に進んだ現像剤10は、一部が隙間Sを通過して感光体1へと向かうが、残った現像剤10は、図3(a)に示す矢印cの方向に飛散していたので規制部材14eの上流側には殆ど現像剤10は滞留していなかった。そのため、規制部材14eの上流側は、撹拌・搬送手段4dの回転によって羽根の1枚ごとにピークのある圧力変動を受けることになる。撹拌・搬送手段4dがスクリューの場合には、スクリューのピッチに応じた圧力の変動を受けることになる。
【0031】
規制部材14eの先端と現像スリーブ4bとの間の隙間Sが一定でも、通過する現像剤の量は、この圧力の変動に応じて増減することになる。そのために、黒ベタ画像出力時に、ピッチムラと言われる濃度差が生じたのである。
【0032】
そこで、本発明の規制部材4eは、図2に示すように上流側に現像剤保留部4gを形成した。図3(b)に示すように、撹拌・搬送手段4dから現像スリーブ4bに向かう現像剤10は、矢印aや矢印bに例示される方向に進む。そして供給される現像剤10の方が、隙間Sを通過する現像剤10より多いので、規制部材4eの上流側に残る。従来はこの残った現像剤10は、上述したように規制部材14eに弾かれて上流側には殆ど滞留しなかった。しかし、本発明では、規制部材4eに現像剤保留部4gを形成したので、図3(a)の矢印c方向に飛散するのを防止して、ここに図3(b)に示すような現像剤10の滞留領域Rを形成する。この滞留領域Rには、常時現像剤10が溜まっており、これが撹拌・搬送手段4dの羽根によって生じる圧力変動を吸収し、規制部材4eの先端面4e’の現像スリーブ4bとの隙間Sには常時一定の圧力になった現像剤10が供給される。したがって、隙間Sを通過する現像剤10の量には変動が起こらず、黒ベタ画像を形成してもピッチムラは発生しなくなる。
【0033】
図4は現像剤保留部の形状の例を示す図である。現像剤保留部は、規制部材4eに形成された面で構成されるが、この面は、図4(a)に示すような断面が円弧状の円筒面4g(図2に示す例と同じ)としたり、図4(b)に示すように平面の傾斜面4hとしたり、図4(c)に示すようにJ型の曲面4jとしたりすることができる。曲面にする場合は、一般に上方に凸の曲面が望ましい。
【0034】
次に、この現像剤保留部4g,4h,4jの大きさについて説明する。まず、現像スリーブ4bの表面上で規制部材4eの先端面4e’と最も接近するA点に法線nを引く。次に、A点と現像剤保留部4g,4h,4jの面の先端B点とを結ぶ線mを引く。そして先端面4e’からB点までの法線n方向の長さをαとし、法線nと線mとが成す角をβとし、αとβで現像剤保留部4g,4h,4jの大きさを定義した。
【0035】
次に、発明者は、次の条件で実験を行った。
〔共通条件〕
感光体1の線速:230mm/sec
現像スリーブ4bの線速/感光体1の線速:2.6
現像剤量:600g
現像スリーブ径:25φ
〔実験例1〕
規制部材:α=2.5mm β=68゜
〔実験例2〕
規制部材:α=4.0mm β=48゜
〔実験例3〕
規制部材:α=4.0mm β=30゜
〔比較例〕
現像剤保留部なし(従来のもの)
以上の条件で実験をした結果、現像剤保留部4g,4h,4jの無い〔比較例〕では、画像濃度が低下すると、明確なピッチムラが発生した。
【0036】
〔実験例1〕と〔実験例3〕では、画像濃度を低下していくと、黒ベタ画像の端部にごく軽微なピッチムラが認められた。
実験例2では、画像濃度を低下していっても、ピッチムラは全く発生しなかった。
【0037】
以上の実験結果と、使用した現像スリーブ径が25φで、50φ程度の大きさのものまであること、及び撹拌・搬送手段4dとの干渉の可能性等を考慮した結果、
2mm≦α≦10mm
30゜≦β≦75゜
が望ましいと判断した。αが2mm未満では、現像剤10を滞留させ、圧力変動を抑える効果を期待できず、αが10mmを越えると、撹拌・搬送手段4dと干渉する可能性が生じるからである。また、βが30゜未満になると、図3(a)の矢印cに示す現像剤10の飛散が大きくなり、現像剤10を滞留させる効果が小さくなるからであり、75゜を越えると滞留領域R内へ現像剤10が進入しにくくなり、αの値によっては撹拌・搬送手段4dとの干渉の可能性が生じるからである。
【0038】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明によれば、二成分現像剤を使用する現像装置であって、現像剤容器と、現像剤の撹拌・搬送手段と、現像剤担持体と、該現像剤担持体の内部に固定配置された磁界発生手段と、現像剤担持体上の現像剤量を規制するための規制部材とを有する現像装置において、規制部材に上記現像剤担持体の搬送する現像剤の余剰分を滞留させるための現像剤保留部を形成したので、この現像剤保留部に現像剤を滞留させることができ、撹拌・搬送手段による現像剤の圧力変動を無くして、一定の量の現像剤を供給できるようになり、黒ベタ画像からピッチムラを無くすことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】図1の現像装置における現像剤担持体の周辺部を拡大した図である。
【図3】現像剤保留部の作用を説明する図で、(a)は従来の規制部材を用いた場合、(b)は本発明の規制部材を用いた場合である。
【図4】(a),(b),(c)は現像剤保留部の形状の例を示す図である。
【符号の説明】
4 現像装置
4a 現像剤容器
4b 現像スリーブ(現像剤担持体)
4d 撹拌・搬送手段
4e 規制部材
4f 磁界発生手段
4g,4h,4j 現像剤保留部
10 現像剤
k 第1の線
l 第2の線
S3 第1磁極
S2 第2磁極
【発明が属する技術分野】
本発明は、電子写真式画像形成装置において、磁性キャリア粒子とトナー粒子とを混合した二成分現像剤を用いて静電潜像又は磁気潜像を現像する現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電子写真式画像形成装置においては、磁性キャリアと非磁性トナーとからなる二成分現像剤を用いた現像装置が用いられている。二成分現像剤の磁性キャリアの平均粒径は数十〜数百μmで、非磁性トナーの平均粒径は10μm程度である。この現像装置は、内部に複数の磁極を有する磁石体からなる磁界発生手段を備え、その外側に回転可能に支持された円筒状の現像スリーブを有している。この現像スリーブの表面にトナー粒子を付着させた磁性キャリアを保持し、静電潜像を担持した感光体に搬送して現像を行うものである。トナー粒子の摩擦帯電制御が比較的容易で、トナー粒子の凝集が起こりにくく、磁気ブラシの穂立ちがよくて、感光体面の摩擦性に優れ、クリーニングとの兼用においても十分なクリーニング効果が発揮され、さらに、感光体面と非接触で現像する非接触現像に適していることから、多く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の現像装置を用いた画像形成装置では、黒ベタ画像を出力したときに、ピッチムラと言われる濃度差が生じるという問題がある。これは、現像装置内にあって現像剤を撹拌したり搬送したりするスクリューやパドルの間隔に起因するものである。
【0004】
この問題に対し、特許文献1(特開2000−194194号)では、スクリュー乃至はパドルを備えた撹拌・搬送手段を、その軸線が現像剤担持体の軸線より下方になるように配置し、現像に供されずに再び現像容器内に搬送された現像剤を確実に現像剤担持体から剥ぎ取り、撹拌・搬送手段が、剥ぎ取られた現像剤と現像剤容器内の現像剤とを十分に撹拌してから、再度現像剤担持体に担持させるようにする構成を提案している。
【0005】
しかし、この特許文献1記載の構成では、撹拌・搬送手段の軸線が、現像剤担持体の軸線より下方になるように配置するので、現像装置の上下方向の寸法が大きくなり、画像形成装置の小型化に不利になるという問題がある。
【0006】
本発明は、このような問題の解決を図ったもので、小型化に有利で、ピッチムラの生じない現像装置と、この現像装置を備えた画像形成装置を提供することを目的としている。
【0007】
【特許文献1】特開2000−194194号 (段落0066、段落0110、図2)
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明の現像装置は、磁性キャリアとトナーとからなる二成分現像剤を収容する現像剤容器と、該容器内の現像剤の撹拌・搬送手段と、該撹拌・搬送手段から供給された現像剤を担持して潜像を担持する感光体にトナーを供給する現像剤担持体と、該現像剤担持体上に現像剤を担持させるように現像剤担持体の内部に固定配置され、周方向に複数の磁極を有する磁界発生手段と、上記現像剤担持体上の現像剤量を規制するための規制部材とを有し、上記磁界発生手段は、上記規制部材近傍に配置される第1磁極と、該第1磁極の現像剤担持体回転方向上流側に隣接し第1磁極と同極性を持つ第2磁極とを有し、上記現像剤担持体の中心と、撹拌・搬送手段と現像剤担持体とが最接近する現像剤担持体上の点とを結ぶ第1の線と、上記第1磁極による現像剤担持体表面の法線方向における磁界の強さが最大になる点とを結ぶ第2の線とが成す角が30゜以下の現像装置において、上記規制部材が上記現像剤担持体の搬送する現像剤の余剰分を滞留させるための現像剤保留部を有することを特徴としている。
【0009】
上記現像剤保留部が、上記規制部材に形成された面である構成や、上記現像剤保留部の面が上に凸の曲面である構成や、上記現像剤保留部の面が斜面である構成とすることができる。
【0010】
また、上記規制部材が上記現像担持体に最も接近する現像担持体表面上の点を求め、該点から引いた現像担持体の法線と、上記点と上記現像剤保留部の面の先端位置とを結ぶ線との成す角を30゜以上75゜以下とし、上記規制部材の先端から上記現像剤保留部の面の先端までの距離を2mm以上10mm以下とすることができる。
【0011】
本発明の画像形成装置は、上記のいずれかの現像装置を備えたことを特徴としている。
【0012】
【作用】
現像容器内にある現像剤は、撹拌・搬送手段で常時撹拌されており、撹拌・搬送手段は、パドルやスクリューなどで現像剤担持体に現像剤を間欠的に投げるようにして供給する。従来はこの現像剤は規制部材に衝突し、その一部が規制部材と現像剤担持体との間の隙間を通過することで現像剤担持体上の現像剤の量が規制されていた。一方、隙間を通過できずに余った現像剤は、規制部材に跳ね返されていたので、規制部材の上流側には特に現像剤が滞留することもなかった。そのため、規制部材を通過する現像剤は、撹拌・搬送装置の圧力変動の影響を直接受けていた。従って、規制部材を通過する現像剤の量も一定にならずピッチムラの原因となっていた。
【0013】
本発明では、規制部材に現像剤保留部を設けたので、現像剤は規制部材の上流側に滞留するようになり、ここに常時一定量のほぼ静止した現像剤が滞留するようになった。そして、この滞留領域が緩衝体となって、撹拌・搬送装置による圧力変動を吸収する。その結果、ほぼ一定の圧力になった現像剤が規制部材を通過するようになる。これによって、規制部材を通過する現像剤量が一定となり、黒ベタ画像からピッチムラを無くすことができた。
【0014】
現像剤保留部が上に凸の曲面や、傾斜面であれば、現像剤を滞留させ易くなる。
現像剤保留部の大きさは、規制部材が現像担持体に最も接近する現像担持体表面上の点から引いた現像担持体の法線と、上記点と上記現像剤保留部の面の先端位置とを結ぶ線との成す角を30゜以上75゜以下とし、上記規制部材の先端から上記現像剤保留部の面の先端までの距離を2mm以上10mm以下が適当である。上記の角度が30゜未満では、現像剤が跳ね返る力が大きく、滞留させる量が減少して圧力変動を抑制する効果が低下するからである。反対に、75゜を越えると、滞留領域内に現像剤が進入しにくくなるからである。また、上記の距離が、2mm未満では滞留領域が小さすぎて、圧力変動を消去することができなくなる。また、10mmを越えると、撹拌・搬送手段との干渉の可能性が生じる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を、図面を用いて説明する。図1に本発明の実施の形態に係る電子写真式を適用した画像形成装置を示す。
【0016】
感光体1はドラム状であり、感光体1の周囲には、帯電手段2、像露光手段3、現像装置4、転写手段5、分離手段6、分離爪7、及びクリーニング手段8が配置されている。
【0017】
感光体1の表面は、帯電手段2のコロナ放電装置によって、マイナスの電圧で一様に帯電される。像露光手段3はレーザ、LED等のドット露光を行う光源であり、矢印で進む光ビームで感光体1を露光して静電潜像を形成する。現像装置4は、現像剤を収容する容器4a、現像剤を搬送する現像剤担持体としての現像スリーブ4b、トナーを現像剤に混入させ撹拌及び搬送を行う撹拌・搬送スクリュー4c及び現像剤を現像スリーブ4bに供給する水車状の撹拌・搬送手段4dを有する。現像装置4には、二成分現像剤が収容され、現像装置4は現像バイアス電圧を印加して二成分現像剤で反転現像を行う。現像スリーブ4b上方には規制部材4eがあり、これによって現像スリーブ4bから感光体1に搬送される現像剤の量が一定に保たれる。
【0018】
5はコロナ放電器からなる転写手段、6は交流コロナ放電器からなる分離手段である。7は分離爪で、分離手段6の分離作用を補助する。8はクリーニングブレード8aで感光体1をクリーニングするクリーニング手段、9は転写材Pにトナーを定着させる定着手段である。
【0019】
転写材Pがカセット給紙部20又は手差し給紙部21から給紙され、レジストローラ22により感光体1と転写手段5との間に供給される。図示の画像形成装置は、片面モードと両面モードとを有し、片面モードにおいては、定着手段9を通過した転写材Pは、排紙皿23に排紙される。両面モードにおいては、表面画像形成された転写材Pは、定着手段9を通過後に、裏面用紙給紙部24に搬送され、裏面用紙給紙部24で表裏反転されて、レジストローラ22に給紙される。レジストローラ22により搬送される転写材Pの裏面に転写手段5によりトナー像が形成され、定着手段9による定着処理後、排紙皿23に排紙される。
【0020】
画像形成においては、矢印に示すように回転する感光体1に対して、帯電手段2の帯電及び像露光手段3の露光により感光体1上に静電潜像が形成され、形成されたトナー像は、転写手段5により転写材Pに転写される。トナー像が転写された転写材Pは定着手段9を通過して定着処理される。
【0021】
図2は図1の現像装置4の現像剤担持体としての現像スリーブ4bの周辺部を拡大した図である。現像スリーブ4bは、現像剤容器4aの開口部からその一部を露出するように組み込まれ、露出した部分が感光体1に対面するような位置関係となっている。現像スリーブ4bの径は、25φ〜50φ程度であるが、この実施例では25φのものを使用している。また、現像スリーブ4bとしてはアルミニウムなどの非磁性金属材料からなり、その内部には磁界発生手段4fが固定配置されている。
【0022】
現像スリーブ4bの図2における右上には、規制部材4eが設けられている。この規制部材4eは、その先端面4e’を現像スリーブ4bの表面に接近させ、規制部材4eと現像スリーブ4bとの間に隙間Sを形成し、矢印方向に回転している現像スリーブ4b上にある現像剤がこの隙間Sを通過することで、現像剤層の厚さが一定となり、現像剤の量を一定にすることができる。この規制部材4eは従来は板状のものであったが、本発明では、現像剤担持体回転方向上流側に現像剤保留部4gを設けたことを特徴としている。この実施例では、現像剤保留部4gは、断面形状が円弧状の曲面となっている。
【0023】
磁界発生手段4fは、感光体1と現像スリーブ4bとの対向部である現像領域に配設された磁極N1と、規制部材4eの先端面4e’と対向する位置の近傍に配設された第1磁極としての磁極S3と、該第1磁極の現像剤担持体回転方向上流側に隣接し第1磁極と同極性を持つ第2磁極としてのS2と、現像剤を現像スリーブ4b上に担持させながら搬送するための磁極N2,S1とを有する。
【0024】
この実施例では、上記現像スリーブ4bの中心Oと、撹拌・搬送手段4dと現像スリーブ4bとが最接近する現像スリーブ4b上の点Pとを結ぶ第1の線kと、上記磁極S3による現像スリーブ4b表面の法線方向における磁界の強さが最大になる点とを結ぶ第2の線lとが成す角θが30゜以下となっている。30゜以下とすることで、現像装置4の上下方向の寸法を小さくすることができ、現像装置4を小型化して画像形成装置全体の小型化にも貢献できるという効果を有する。
【0025】
磁極S3が規制部材4eの先端面4e’に面していて、規制部材4eの本体部分が平板で、現像スリーブ4bの法線方向に配置されていれば、規制部材4eは上記第2の線lと重なることになる。
【0026】
磁極N1は、現像スリーブ4bと感光体1との間の現像部の近傍に磁界を形成させ、該磁界によって磁気ブラシを形成するようになっている。上記現像部において、現像スリーブ4bの回転とともに、矢印の方向に運ばれてきた現像剤は、感光体1と接触し、感光体1上の静電潜像にトナーが移行して潜像が現像される。このとき、現像スリーブ4bと感光体1との回転の近接位置である現像部において、現像スリーブ4bと感光体1の移動方向は同一方向で、現像スリーブ4bの線速の方が、感光体1の線速より大きくなるように設定されている。
【0027】
現像部を通過して現像スリーブ4b上に残留している現像剤は、第2磁極としての磁極S2と第1磁極としての磁極S3とにより形成された反発磁界によって現像スリーブ4bから剥ぎ取られ、現像剤容器4a内に落下することになる。
【0028】
図3によってこの現像剤保留部4gの作用を説明する。図3(a)は、従来の規制部材を用いた場合を示す図である。現像剤スリーブ4bと撹拌・搬送手段4dとは図の矢印に示す方向に回転している。
【0029】
現像剤10は、水車状の撹拌・搬送手段4dで常時撹拌されており、水車の各羽根で現像剤10を現像スリーブ4bに投げるようにして供給する。そして現像剤10は、矢印a,bに例示されるように広い方向から規制部材4eと現像スリーブ4bとの隙間Sに向かって行く。図3(a)に示す従来の規制部材14eは、板状で現像剤保留部4gが無かったので、隙間Sを通過できなかった現像剤10は、規制部材14eに衝突して矢印cの方向に飛散し、規制部材14eから離れた位置で下方に落下し、現像装置4内の他の現像剤10と混合する。
【0030】
すなわち、撹拌・搬送手段4dから矢印aや矢印b等に示される方向に進んだ現像剤10は、一部が隙間Sを通過して感光体1へと向かうが、残った現像剤10は、図3(a)に示す矢印cの方向に飛散していたので規制部材14eの上流側には殆ど現像剤10は滞留していなかった。そのため、規制部材14eの上流側は、撹拌・搬送手段4dの回転によって羽根の1枚ごとにピークのある圧力変動を受けることになる。撹拌・搬送手段4dがスクリューの場合には、スクリューのピッチに応じた圧力の変動を受けることになる。
【0031】
規制部材14eの先端と現像スリーブ4bとの間の隙間Sが一定でも、通過する現像剤の量は、この圧力の変動に応じて増減することになる。そのために、黒ベタ画像出力時に、ピッチムラと言われる濃度差が生じたのである。
【0032】
そこで、本発明の規制部材4eは、図2に示すように上流側に現像剤保留部4gを形成した。図3(b)に示すように、撹拌・搬送手段4dから現像スリーブ4bに向かう現像剤10は、矢印aや矢印bに例示される方向に進む。そして供給される現像剤10の方が、隙間Sを通過する現像剤10より多いので、規制部材4eの上流側に残る。従来はこの残った現像剤10は、上述したように規制部材14eに弾かれて上流側には殆ど滞留しなかった。しかし、本発明では、規制部材4eに現像剤保留部4gを形成したので、図3(a)の矢印c方向に飛散するのを防止して、ここに図3(b)に示すような現像剤10の滞留領域Rを形成する。この滞留領域Rには、常時現像剤10が溜まっており、これが撹拌・搬送手段4dの羽根によって生じる圧力変動を吸収し、規制部材4eの先端面4e’の現像スリーブ4bとの隙間Sには常時一定の圧力になった現像剤10が供給される。したがって、隙間Sを通過する現像剤10の量には変動が起こらず、黒ベタ画像を形成してもピッチムラは発生しなくなる。
【0033】
図4は現像剤保留部の形状の例を示す図である。現像剤保留部は、規制部材4eに形成された面で構成されるが、この面は、図4(a)に示すような断面が円弧状の円筒面4g(図2に示す例と同じ)としたり、図4(b)に示すように平面の傾斜面4hとしたり、図4(c)に示すようにJ型の曲面4jとしたりすることができる。曲面にする場合は、一般に上方に凸の曲面が望ましい。
【0034】
次に、この現像剤保留部4g,4h,4jの大きさについて説明する。まず、現像スリーブ4bの表面上で規制部材4eの先端面4e’と最も接近するA点に法線nを引く。次に、A点と現像剤保留部4g,4h,4jの面の先端B点とを結ぶ線mを引く。そして先端面4e’からB点までの法線n方向の長さをαとし、法線nと線mとが成す角をβとし、αとβで現像剤保留部4g,4h,4jの大きさを定義した。
【0035】
次に、発明者は、次の条件で実験を行った。
〔共通条件〕
感光体1の線速:230mm/sec
現像スリーブ4bの線速/感光体1の線速:2.6
現像剤量:600g
現像スリーブ径:25φ
〔実験例1〕
規制部材:α=2.5mm β=68゜
〔実験例2〕
規制部材:α=4.0mm β=48゜
〔実験例3〕
規制部材:α=4.0mm β=30゜
〔比較例〕
現像剤保留部なし(従来のもの)
以上の条件で実験をした結果、現像剤保留部4g,4h,4jの無い〔比較例〕では、画像濃度が低下すると、明確なピッチムラが発生した。
【0036】
〔実験例1〕と〔実験例3〕では、画像濃度を低下していくと、黒ベタ画像の端部にごく軽微なピッチムラが認められた。
実験例2では、画像濃度を低下していっても、ピッチムラは全く発生しなかった。
【0037】
以上の実験結果と、使用した現像スリーブ径が25φで、50φ程度の大きさのものまであること、及び撹拌・搬送手段4dとの干渉の可能性等を考慮した結果、
2mm≦α≦10mm
30゜≦β≦75゜
が望ましいと判断した。αが2mm未満では、現像剤10を滞留させ、圧力変動を抑える効果を期待できず、αが10mmを越えると、撹拌・搬送手段4dと干渉する可能性が生じるからである。また、βが30゜未満になると、図3(a)の矢印cに示す現像剤10の飛散が大きくなり、現像剤10を滞留させる効果が小さくなるからであり、75゜を越えると滞留領域R内へ現像剤10が進入しにくくなり、αの値によっては撹拌・搬送手段4dとの干渉の可能性が生じるからである。
【0038】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明によれば、二成分現像剤を使用する現像装置であって、現像剤容器と、現像剤の撹拌・搬送手段と、現像剤担持体と、該現像剤担持体の内部に固定配置された磁界発生手段と、現像剤担持体上の現像剤量を規制するための規制部材とを有する現像装置において、規制部材に上記現像剤担持体の搬送する現像剤の余剰分を滞留させるための現像剤保留部を形成したので、この現像剤保留部に現像剤を滞留させることができ、撹拌・搬送手段による現像剤の圧力変動を無くして、一定の量の現像剤を供給できるようになり、黒ベタ画像からピッチムラを無くすことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】図1の現像装置における現像剤担持体の周辺部を拡大した図である。
【図3】現像剤保留部の作用を説明する図で、(a)は従来の規制部材を用いた場合、(b)は本発明の規制部材を用いた場合である。
【図4】(a),(b),(c)は現像剤保留部の形状の例を示す図である。
【符号の説明】
4 現像装置
4a 現像剤容器
4b 現像スリーブ(現像剤担持体)
4d 撹拌・搬送手段
4e 規制部材
4f 磁界発生手段
4g,4h,4j 現像剤保留部
10 現像剤
k 第1の線
l 第2の線
S3 第1磁極
S2 第2磁極
Claims (6)
- 磁性キャリアとトナーとからなる二成分現像剤を収容する現像剤容器と、該容器内の現像剤の撹拌・搬送手段と、該撹拌・搬送手段から供給された現像剤を担持して潜像を担持する感光体にトナーを供給する現像剤担持体と、該現像剤担持体上に現像剤を担持させるように現像剤担持体の内部に固定配置され、周方向に複数の磁極を有する磁界発生手段と、上記現像剤担持体上の現像剤量を規制するための規制部材とを有し、上記磁界発生手段は、上記規制部材近傍に配置される第1磁極と、該第1磁極の現像剤担持体回転方向上流側に隣接し第1磁極と同極性を持つ第2磁極とを有し、上記現像剤担持体の中心と、撹拌・搬送手段と現像剤担持体とが最接近する現像剤担持体上の点とを結ぶ第1の線と、上記第1磁極による現像剤担持体表面の法線方向における磁界の強さが最大になる点とを結ぶ第2の線とが成す角が30゜以下の現像装置において、
上記規制部材が上記現像剤担持体の搬送する現像剤の余剰分を滞留させるための現像剤保留部を有することを特徴とする現像装置。 - 上記現像剤保留部が、上記規制部材に形成された面であることを特徴とする請求項1記載の現像装置。
- 上記現像剤保留部の面が上に凸の曲面であることを特徴とする請求項2記載の現像装置。
- 上記現像剤保留部の面が斜面であることを特徴とする請求項2記載の現像装置。
- 上記規制部材が上記現像担持体に最も接近する現像担持体表面上の点を求め、該点から引いた現像担持体の法線と、上記点と上記現像剤保留部の面の先端位置とを結ぶ線との成す角を30゜以上75゜以下とし、上記規制部材の先端から上記現像剤保留部の面の先端までの距離を2mm以上10mm以下としたことを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の現像装置。
- 請求項1から5のいずれかに記載の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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