JP2004184802A - スクリーン、表示装置および投影制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】破損した状態では光が投影されないか弱められるスクリーンおよびそれを含む表示装置と、投影制御方法を提供する。
【解決手段】少なくとも一方の面側および/または内部に形成された少なくとも1層の導電膜と、該導電膜の電気抵抗値を検出する電気抵抗値検出回路とを有し、光(特にレーザ光)が投影されるスクリーンと、それを含み電気抵抗値の変化に応じてスクリーンへの光の投射が妨げられる表示装置と、投影制御方法。
【選択図】 図1
【解決手段】少なくとも一方の面側および/または内部に形成された少なくとも1層の導電膜と、該導電膜の電気抵抗値を検出する電気抵抗値検出回路とを有し、光(特にレーザ光)が投影されるスクリーンと、それを含み電気抵抗値の変化に応じてスクリーンへの光の投射が妨げられる表示装置と、投影制御方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプロジェクター用スクリーン、表示装置および投影制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プロジェクターは背面投影型プロジェクター(リアプロジェクター)と前面投影型プロジェクター(フロントプロジェクター)に大別される。リアプロジェクターは筐体内に内蔵され、筐体の一部を構成するスクリーンに背面側(筐体の内側)から映像を投影する。フロントプロジェクターは、十分な距離を離して設けられたスクリーンの前面に映像を投影する。
【0003】
図13はリアプロジェクター用の透過型スクリーンの一例を示す断面図である。図13に示すように、フレネルレンズ101とレンチキュラレンズ102が重ね合わされ、フレネルレンズ101は投影側(投射光の入射側)に、レンチキュラレンズ102は鑑賞者側(投射光の出射側)に配置される。レンチキュラレンズ102の鑑賞者側には、拡散層103が設けられる。
【0004】
フレネルレンズ101は薄い樹脂シートに、同心円状に一定間隔でプリズムの山を施したものであり、全体で1枚の大きな凸レンズとして機能する。フレネルレンズ101に入射した投射光は、フレネルレンズ101によって屈折し、スクリーン面に垂直な光束となる。
【0005】
レンチキュラレンズ102は円筒状レンズまたはかまぼこ状レンズが一定のピッチで並べられた形状を有し、光を特定の方向(通常は水平方向)に拡散させる。拡散層103は、レンチキュラレンズ102を透過した光をランダムな方向に拡散させる。これにより、均一性のある映像が再現される。
【0006】
図13に示す構成以外の多様な透過型スクリーンも開発されている。また、特定の機能をもたせた透過型スクリーンも開発されている。例えば、紫外線レーザ光の投射により蛍光画像を表示する蛍光体スクリーンの目視者側に、紫外線を吸収するフィルター板を設けたものが提案されている(特許文献1参照)。このようなフィルター板を設けることにより、スクリーンを透過した紫外線レーザ光を目視者が直視するのを防止できる。
【0007】
また、電磁波を遮蔽する目的で透明樹脂板に導電性物質を付着したプラズマディスプレイ用前面板も開示されている(特許文献2参照)。コントラスト向上のための光吸収層が設けられた背面投射型プロジェクター用スクリーンも開示されている(特許文献3参照)。透過型スクリーン等に用いられるフレネルレンズに、外観ムラが起きないように帯電防止層を形成したものも開示されている(特許文献4参照)。
【0008】
一方、フロントプロジェクター用の反射型スクリーンにも多様なものがある。反射型スクリーンは、プロジェクターからの投射光を不要なところに拡散させずに、鑑賞者の視野内に適度に拡散させる必要がある。また、プロジェクターの光源や外光の写り込みも防止する必要がある。以上から、反射型スクリーンとしては例えば、表面にビーズが並べられた構造のものや、パール材を表面に有するもの等が用いられる。
【0009】
近年、従来のハロゲンランプやメタルハライド等の白色ランプを光源に用いたプロジェクターに代わって、光源にレーザを用いたレーザプロジェクターの開発が進められている。レーザプロジェクターでは色純度の高いR、G、Bの3色のレーザを光源に用いることにより、従来のプロジェクターに比べて極めて広い色再現範囲が実現できる。また、レーザはプロジェクターの高輝度化にも有利である。
【0010】
【特許文献1】
特開平4−15631号公報
【特許文献2】
特開平9−330666号公報
【特許文献3】
特開平11−52106号公報
【特許文献4】
特開2000−221603号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、プロジェクターの光源にレーザを使用した場合、スクリーンが破損して亀裂や穴が生じたときに、高出力のレーザ光が亀裂や穴から放射される危険性がある。特にリアプロジェクターの場合は、スクリーンに亀裂や穴が生じると、レーザ光が直接、鑑賞者の目に入射する危険性が大きい。
【0012】
上記の例以外にも、リアプロジェクターまたはフロントプロジェクターでスクリーンが破損して、本来、レーザ光が放射されるべきでない空間にレーザ光が放射された場合には、様々な問題が起こる可能性がある。例えば、目以外の人体に対しても、高出力のレーザ光は危険である。亀裂や穴から放射されたレーザ光によって、発熱や発火が起こる可能性もある。
【0013】
フロントプロジェクターの場合、鑑賞者はスクリーンの前面側で鑑賞するが、鑑賞者以外の人がスクリーンの背面側にいることもあり得る。また、スクリーンの破損によってスクリーンの背面側にある壁面、特に鏡面等の反射率の高い壁面でレーザ光が反射されると、鑑賞者に対して危険となる。
【0014】
以上のように、レーザを光源とするプロジェクターでは、スクリーンの破損に伴う危険が、従来の白色ランプ等を光源とするプロジェクターよりも大きいと予測される。したがって、スクリーンが破損したときに、スクリーンへのレーザ光の投射を迅速かつ自動的に停止できる安全対策が必要と考えられる。例えば特許文献1〜4に示されるように、従来、多様な機能をもつスクリーンが開発されているが、破損したスクリーンへの投射を遮断するような機能および機構は開示されていない。
【0015】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、したがって本発明は、破損した状態では光源から光が投射されないか、または投射される光が弱められるスクリーンを提供することを目的とする。
また、本発明は、スクリーンの破損時に光源からの光が鑑賞者などに危険を及ぼさない表示装置を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、強力な光を投影するときに、スクリーンの破損等による危険を防止できる投影制御方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のスクリーンは少なくとも1層のシートを有し、光が投影されるスクリーンであって、少なくとも1層の前記シートの少なくとも一方の面側に形成された導電膜と、該導電膜の電気抵抗値を検出する電気抵抗値検出回路とを有することを特徴とする。
【0017】
これにより、スクリーン上またはスクリーン内に形成された導電膜の電気抵抗値を検出することが可能となる。異常のないスクリーンで電気抵抗値を一定にしておくと、スクリーンが破損して亀裂や穴が発生したときに、電気抵抗値が増加する。したがって、電気抵抗値を指標としてスクリーンの破損を検出することが可能となる。
【0018】
本発明のスクリーンは、背面に前記光が投影され、前記スクリーンの透過光によって前記画像が表示される背面投影型スクリーンと、前面に前記光が投影され、前記スクリーンの反射光によって前記画像が表示される前面投影型スクリーンのいずれでもよい。
【0019】
また、導電膜が形成される面は限定されない。スクリーンの微細な破損を検出する上では、スクリーンの全面に導電膜を形成することが望ましいが、スクリーンの破損を検出することが可能であれば、例えばメッシュ状やストライプ状に導電膜を形成してもよい。
【0020】
上記の目的を達成するため、本発明の表示装置は、画像が表示される表示素子と、該表示素子に表示された画像に光を照射する光源と、前記画像に照射された光を投影する工学系と、前記画像を照射した光が投影されるスクリーンと、前記スクリーンの少なくとも一方の面側および/または内部に形成された少なくとも1層の導電膜と、該導電膜の電気抵抗値を検出する電気抵抗値検出回路と、前記電気抵抗値の変化に応じて、前記スクリーンに投影される前記光を減少させる投影制御手段とを有することを特徴とする。
【0021】
前記投影制御手段は前記電気抵抗値の変化に応じて、前記スクリーンに光が投影されないようにする手段であってもよい。前記投影制御手段が前記スクリーンに投影される前記光を減少させる具体的な方法としては、前記光源からの光の出射の停止、前記光の少なくとも一部の遮断、前記光の進行方向の変更等が挙げられ、特に限定されない。
【0022】
また、上記の目的を達成するため、本発明の投影制御方法は、光が投影されるスクリーンにおいて、該スクリーンの一方の面側および/または内部に設けられた導電膜の電気抵抗値を検出する工程と、前記電気抵抗値の変化に応じて、前記スクリーンに投影される前記光を減少させる工程とを有することを特徴とする。
【0023】
上記の本発明の表示装置または投影制御方法によれば、スクリーンが破損して亀裂や穴が発生したときに、破損箇所から光、特にレーザ光のような高出力の光が放出されるのを防止できる。したがって、スクリーンに表示された画像を鑑賞する鑑賞者などに、光源からの光による危険が及ぶのを防止できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のスクリーン、表示装置および投影制御方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(実施形態1)
図1は、本実施形態のリアプロジェクター用の透過型スクリーンを示す断面図である。本実施形態のリアプロジェクターでは、光源として赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のレーザを用いる。
【0025】
図1に示すように、本実施形態の透過型スクリーンはフレネルレンズ1、レンチキュラレンズ2および拡散層3の3層のシートを含む。フレネルレンズ1とレンチキュラレンズ2が重ね合わされ、フレネルレンズ1は投影側(投射光の入射側)に、レンチキュラレンズ2は鑑賞者側(投射光の出射側)に配置される。レンチキュラレンズ2の鑑賞者側には、拡散層3が設けられる。
【0026】
フレネルレンズ1の少なくとも一方の面に透明導電膜4aが形成され、透明導電膜4aに接続するように複数の取出し電極5aが設けられる。これらの取出し電極5aは導線6aを介して電気抵抗値検出回路(DET)7aに接続されている。電気抵抗値検出回路7aは透明導電膜4aの電気抵抗値を常時監視し、電気抵抗値が予め設定された正常範囲の閾値を超えた場合に、レーザ光の投射を停止させるための信号を制御系に送る。
【0027】
レンチキュラレンズ2の少なくとも一方の面に透明導電膜4bが形成され、透明導電膜4bに接続するように複数の取出し電極5bが設けられる。これらの取出し電極5aは導線6bを介して電気抵抗値検出回路(DET)7bに接続されている。電気抵抗値検出回路7bは透明導電膜4bの電気抵抗値を常時監視し、電気抵抗値が予め設定された正常範囲の閾値を超えた場合に、レーザ光の投射を停止させるための信号を制御系に送る。
【0028】
拡散層3の少なくとも一方の面に透明導電膜4cが形成され、透明導電膜4cに接続するように複数の取出し電極5cが設けられる。これらの取出し電極5cは導線6cを介して電気抵抗値検出回路(DET)7cに接続されている。電気抵抗値検出回路7cは透明導電膜4cの電気抵抗値を常時監視し、電気抵抗値が予め設定された正常範囲の閾値を超えた場合に、レーザ光の投射を停止させるための信号を制御系に送る。
【0029】
図2は、時間Tと電気抵抗値検出回路7a、7b、7cで検出される電気抵抗値Rとの関係を模式的に示すグラフである。スクリーンが破損していない通常の状態では、電気抵抗値検出回路7a、7b、7cのそれぞれにおいて、予め設定された正常範囲内の一定の電気抵抗値R1が検出される。時間T1において、スクリーンに何らかの原因で亀裂や穴が生じると、透明導電膜4a、4b、4cで検出される電気抵抗値Rが上昇する。
【0030】
予め、R1よりも高い閾値Rthを設定しておき、電気抵抗値Rが閾値Rthを超えたとき、R、G、Bの3色のレーザ光のスクリーンへの投射を遮断する。なお、スクリーンに異常がないときの電気抵抗値R1や閾値Rthは、各電気抵抗値検出回路7a、7b、7c間で一致していても異なっていても、いずれでもよい。
【0031】
レーザ光を遮断する方法としては、シャッター等を用いてレーザ光を光軸上で遮断する方法や、レーザへの電力供給の中断により、レーザ発振自体を停止させる方法、ミラー等の光学部品を用いてレーザ光の進行方向を変化させる方法等が挙げられ、遮断方法は特に限定されない。シャッターのかわりに絞り等を用いて、レーザ光を弱めてもよい。また、3色のレーザ光のうちの少なくとも一つについて、遮断または光強度を減少させる操作を行ってもよい。
【0032】
以下、図1に示すスクリーンを構成する各シートについて説明する。フレネルレンズ1は薄い樹脂シートに、同心円状に一定間隔でプリズムの山を施したものであり、プリズムの角度はすべて異なる。フレネルレンズ1のフレネル面(山のある面)に光が入射すると、それぞれのプリズムの山が小さな屈曲面として作用する。したがって、フレネルレンズ1は全体で1枚の大きな凸レンズとして機能する。フレネルレンズ1に入射した投射光は、フレネルレンズ1によって屈折し、スクリーン面に垂直な光束となる。
【0033】
レンチキュラレンズ2は円筒状レンズまたはかまぼこ状レンズが一定のピッチで並べられた形状を有し、光を特定の方向に拡散させる。通常、プロジェクターのスクリーンには垂直方向よりも水平方向の視野角を広くすることが望まれる。したがって、図1に示すようなフレネルレンズ1とレンチキュラレンズ2の2枚構成のスクリーンでは、光を水平方向に拡散させるレンチキュラレンズ2が用いられる。
【0034】
拡散層3には様々なものがあるが、いずれもレンチキュラレンズ2を透過した光をランダムな方向に拡散させる。拡散層3を設けることにより、均一性のある映像が再現される。拡散層3としては、例えば、樹脂シートの表面に光散乱粒子を含む塗料をコーティングしたものや、樹脂中に光散乱粒子を混練してシート状に成型加工したもの、あるいは、このようなシートの表面につや消し処理を施したもの等が挙げられる。
【0035】
透明導電膜4a、4b、4cの材料としては、例えばITO(indium tin oxide)、SnO2、ZnO等が挙げられる。これらの材料からなる透明導電膜4a、4b、4cは、例えばスパッタリング、真空蒸着、ゾル・ゲル法、塗布(例えばディップコートやスプレーコート等)、CVD(chemical vapor deposition)等の方法により形成でき、形成方法は特に限定されない。
【0036】
図1には、フレネルレンズ1、レンチキュラレンズ2および拡散層3のそれぞれ片面に透明導電膜が形成されている例を示すが、スクリーンに少なくとも1層の透明導電膜が形成されていれば、スクリーンを貫通する亀裂や穴を感知できる。したがって、スクリーンの破損によりレーザ光が直接、鑑賞者の目に入射するのを回避することが可能となる。
【0037】
但し、スクリーンを構成する複数の層のうちの一部が破損する可能性もあり得る。例えば、リアプロジェクター用スクリーンの最表層にある拡散層3が破損した場合に、透明導電膜がフレネルレンズ1またはレンチキュラレンズ2に形成され、拡散層3に形成されていなければ、破損を検出できず、レーザ光の投射が遮断されない。したがって、レンチキュラレンズ2で一方向(通常、水平方向)のみに拡散されたレーザ光が、拡散層3でさらに拡散されずにエネルギー密度の高い状態で鑑賞者側に到達する。すなわち、レーザ光による危険が増大する。
【0038】
このような危険を防止するため、スクリーンを構成する複数の層に透明導電膜を設けたり、各層の両面に透明導電膜を設けたりしてもよい。一方、スクリーンでムラなく破損を検出するには、透明導電膜をスクリーンの全面に均一に形成することが望ましいが、破損の検出が可能であれば、必ずしもスクリーンの全面に形成しなくてもよい。
【0039】
例えば、透明導電膜をメッシュ状やストライプ状に形成した場合であっても、メッシュやストライプのピッチがスクリーンに生じ得る亀裂や穴よりも十分に小さければ、スクリーンの破損を検出できる。また、ストライプ状やメッシュ状の透明導電膜を複数のシートに形成し、これらのストライプやメッシュを互いに重なり合わないように配置すれば、相補的にスクリーンの破損を検出することも可能である。
【0040】
メッシュ状やストライプ状で導電膜を形成した場合には、スクリーン全面に導電膜を形成した場合に比較して、スクリーン全体での平均的な光透過率が大きくなる。したがって、ITOのような金属酸化物等からなる透明導電膜のかわりに、例えば銅、アルミニウム、クロム等からなる金属膜を導電膜として形成してもよい。
【0041】
一般に、ITO膜は薄いほど電気抵抗値が高く、図2に示すような電気抵抗値の変化を検出するのに適した厚さで透明導電膜を形成する。通常の状態での電気抵抗値とレーザ光を遮断する閾値Rthとの差が小さすぎる場合、スクリーンの破損以外の要因による電気抵抗値の変動でレーザ光が遮断される可能性もある。このような誤作動を防止するため、ある程度マージン(余裕分)をもたせて閾値Rthを設定してもよい。
【0042】
また、前述したような透明導電膜の材料は可視光の透過率が高いため、透明導電膜を設けることや、透明導電膜を厚くすることによる光透過率の低下の影響は少ない。但し、透明導電膜を特定の厚さで形成することにより、スクリーンに反射防止機能、帯電防止機能あるいは電磁波遮蔽機能などをもたせてもよい。
【0043】
例えば反射防止については、基材上に基材より低屈折率の物質からなる単層の被膜を、光学的膜厚(被膜材料の屈折率と厚さの積)が光の波長の1/4またはその奇数倍となるように形成すると、極小の反射率が得られることが知られている。このような厚さで透明導電膜を形成し、室内の照明光などの外光の映りこみを防止してもよい。
【0044】
また、高屈折率の物質からなる被膜と低屈折率の物質からなる被膜を交互に積層することにより、広い波長範囲で反射防止機能をもたせることも可能である。このような積層膜をスクリーンに形成する場合には、必ずしもすべての層を導電膜とする必要はなく、ITO膜などの導電膜に取出し電極を接続すればよい。透明導電膜と積層できる透明誘電体膜の材料としては、例えばZrO2、TiO2、SiO2、SiO、MgF2、CaF2、BaF2、Al2O3、LaF3、Na3AlF6、Na5Al3F14、NdF3、CeF3、NaF、SrF2等が挙げられる。
【0045】
図3(a)〜(c)は図1のスクリーンにおける取出し電極の配置例を示す平面図である。透明導電膜を電気抵抗値検出回路に接続する取出し電極5は、例えば図3(a)〜(c)に示すように、スクリーンの両端に配置でき、位置は特に限定されない。
【0046】
(実施形態2)
本発明の実施形態のリアプロジェクター用スクリーンは、図1に示す実施形態1のスクリーンに限定されない。例えば、図4に示すような両面レンチキュラレンズを含む2層のシートから構成されるスクリーン(2枚式スクリーン)であってもよい。また、図5および図6に示すような3層のシートから構成される3枚式スクリーンや、図7に示すような単層のシートから構成される1枚式スクリーン等であってもよい。
【0047】
スクリーンを構成するシートはフレネルレンズ、レンチキュラレンズ、拡散層に限定されず、他の光透過性基材や光透過層などであってもよい。スクリーンを構成するこれらのシートは、シート間が接触するように積層されても、間隔をあけて略平行に配置されても、いずれでもよい。
【0048】
図4に示すスクリーンは、フレネルレンズ1と両面レンチキュラレンズ8が重ね合わされたものである。フレネルレンズ1は投影側に、両面レンチキュラレンズ8は鑑賞者側に配置される。これらのフレネルレンズ1および/または両面レンチキュラレンズ8に実施形態1と同様な透明導電膜4および取出し電極5を形成し、電気抵抗値検出回路(DET)7により透明導電膜4の電気抵抗値を監視する。透明導電膜4はこれらのレンズ1、8の片面に設けても、両面に設けてもいずれでもよく、透明導電膜4を形成する位置は図4の例に限定されない。
【0049】
図示しないが、図1に示すような片面のレンチキュラレンズ2とフレネルレンズ1とを重ねた構成において、拡散層3のない2枚式スクリーンとしてもよい。この場合も、透明導電膜をフレネルレンズ1および/またはレンチキュラレンズ2に形成する。
【0050】
図5に示すスクリーンはフレネルレンズ1、両面レンチキュラレンズ8および拡散層3が重ね合わされたものである。フレネルレンズ1は投影側に、拡散層3は鑑賞者側に配置される。図5の両面レンチキュラレンズ8は、鑑賞者側にブラックストライプ9が設けられたものである。ブラックストライプ9は例えばカーボン等を用いて形成される。ブラックストライプ9は外光を吸収して外光の反射光の影響を低減し、投射光を効率よくスクリーンの前面に透過させる。
【0051】
このような外光を吸収するブラックストライプ等が設けられたスクリーンに透明導電膜4を形成してもよい。これらの3層1、3、8の少なくとも1層に実施形態1と同様な透明導電膜4および取出し電極5を形成し、電気抵抗値検出回路(DET)7により透明導電膜の電気抵抗値を監視する。透明導電膜4はこれらのレンズ1、8または拡散層3の片面に設けても、両面に設けてもいずれでもよく、透明導電膜4を形成する位置は図5の例に限定されない。
【0052】
図6に示すスクリーンはフレネルレンズ1、垂直方向拡散レンチキュラレンズ10および両面レンチキュラレンズ8が重ね合わされたものである。フレネルレンズ1は投影側に、両面レンチキュラレンズ8は鑑賞者側に配置される。これらの3層の少なくとも1層に実施形態1と同様な透明導電膜4および取出し電極5を形成し、電気抵抗値検出回路(DET)7により透明導電膜4の電気抵抗値を監視する。透明導電膜4はこれらのレンズ1、8、10の片面に設けても、両面に設けてもいずれでもよく、透明導電膜4を形成する位置は図6の例に限定されない。
【0053】
図7に示すスクリーンはフレネルレンズ1と拡散層3が1枚のアクリル板で一体成型されたものである。フレネルレンズ1は投影側に、拡散層3は鑑賞者側に配置される。一体成型されたスクリーンの片面または両面に実施形態1と同様な透明導電膜4および取出し電極5を形成し、電気抵抗値検出回路(DET)7により透明導電膜の電気抵抗値を監視する。
上記の例以外の構成を有するリアプロジェクター用スクリーンについても、透明導電膜あるいは導電膜を形成して電気抵抗値の監視を行うことができる。
【0054】
また、導電膜は必ずしもスクリーンの表面に接触あるいは密着させなくてもよく、スクリーン表面に近接するように、スクリーンと略平行に設けてもよい。例えば、スクリーンの少なくとも一方の面側にメッシュ状やストライプ状の金属膜を、スクリーンと所定の間隔をあけて配置してもよい。この場合も、金属膜の電気抵抗値の変化からスクリーンの破損を検出できる。
【0055】
ITO膜などの透明導電膜の場合は、スパッタリング、真空蒸着あるいは塗布といった前述の各種の方法でガラス基板上に成膜した後、化学機械研磨(CMP;chemical mechanical polishing)および/またはフッ酸処理を行ってガラス基板を除去することにより、導電膜を単独でシートまたはスクリーンから分離させることができる。
【0056】
また、レンズや拡散の機能をもたない光透過性基材上に透明導電膜を形成し、これをスクリーンの最表層のシートとして、他のシートと所定の間隔をあけて配置してもよい。光透過性基材としては、例えば樹脂やガラス等からなる基材を用いることができる。この場合も、透明導電膜を支持する光透過性基材の破損などにより、透明導電膜の電気抵抗値が変化するため、スクリーンの破損を検出できる。
【0057】
あるいは、表面にメッシュ状やストライプ状の金属膜が形成された光透過性基材を、他のシートと所定の間隔をあけてスクリーンの最表層に配置することもできる。以上のように、スクリーンのシート構成は、表示装置で要求される特性などに応じて適宜変更できる。
【0058】
(実施形態3)
図8は本実施形態のリアプロジェクター型ディスプレイの光学系を示す概略図である。図8に示すように、光源21から照明レンズ22を介して、グレーティングライトバルブ(grating light valve)23にスリット状にレーザ光を照射する。光源21としてはR、G、Bの3種のレーザが用いられ、それぞれのレーザに対応したグレーティングライトバルブ23が設けられる。グレーティングライトバルブ23は後述するように、リボン状(短冊状)の微細な光回折素子が一列に並べられた構造をもつデバイスである。
【0059】
グレーティングライトバルブ23からの回折光は、投射レンズ24によって走査ミラー25に一次元像として投射される。走査ミラー25は一次元像を水平方向に走査させ、これによりスクリーン26上に二次元像が投影される。上記のようにレーザを光源とするリアプロジェクターでは、スクリーンが破損した場合にレーザ光が直接、鑑賞者の目に入射する可能性がある。そこで、実施形態1または2に示すようなスクリーンを用いて、このような危険を防止する。
【0060】
図9(a)はグレーティングライトバルブの斜視図であり、図9(b)は図9(a)の一部(丸で囲まれた部分)の拡大図である。図9(a)および(b)に示すように、グレーティングライトバルブにはリボン状の光回折素子27が一列に並べられる(マイクロリボンアレイ)。リボン状の光回折素子27は、MEMS(MicroElectroMechanical Systems)技術を用いてシリコン基板上に形成される。
【0061】
各光回折素子27の高さは、圧電素子などによって自在に変化させることができる。各光回折素子27を独立に駆動して高さを調整することにより、グレーティングライトバルブ全体をグレーティング(回折格子)として作用させることができる。すなわち、グレーティングライトバルブに所定の波長域の光が照射されたとき、±1次またはさらに高次の回折光が発生する。発生する回折光により画像を表示することができる。
【0062】
図9(a)および(b)に示すグレーティングライトバルブによれば、1画素を6個の光回折素子27で構成する。図9(b)は1画素分の光回折素子27を示す。図8に示すリアプロジェクター型ディスプレイの画素数(垂直方向の画素数)を例えば1080画素とすると、1個のグレーティングライトバルブには合計6480本のリボン状の光回折素子27が形成される。1080画素のグレーティングライトバルブを用いて、例えば1920画素相当の水平走査を行うことにより、1920画素×1080画素に相当する高解像度の映像を投影できる。
【0063】
図10は本実施形態のリアプロジェクター型ディスプレイの制御系の一例を示すブロック図である。図10に示すように、レーザ31とグレーティングライトバルブ(GLV)32は制御回路(CONT)33によって制御される。電気抵抗値検出回路(DET)34はスクリーン35の電気抵抗値を検出し、電気抵抗値が予め設定された閾値を超えたときに、制御回路33を介してレーザ31からのレーザ光の出射を停止させる。これにより、レーザ光のスクリーン35への投影が遮断される。
【0064】
あるいは、図11に示すように、レーザ31と電気抵抗値検出回路(DET)34を接続し、電気抵抗値が閾値を超えたときに、制御回路(CONT)33を介さずに直接、電気抵抗値検出回路34によりレーザ31の作動を停止させてもよい。また、図示しないが、電気抵抗値検出回路に接続するシャッター等を設け、電気抵抗値が閾値を超えたときに、レーザからレーザ光を出射させたまま、シャッター等によりレーザ光を遮断する構成としてもよい。
【0065】
(実施形態4)
本実施形態はフロントプロジェクター用スクリーンの例を示す。フロントプロジェクター用の反射型スクリーンの前面側(プロジェクターおよび鑑賞者側)と背面側の少なくとも一方に、導電膜を形成する。あるいは、複数のシートが積層された構造を有する反射型スクリーンの場合には、それらのシート間に導電膜を形成してもよい。
【0066】
導電膜は実施形態1または2に示す透過型スクリーンと同様に透明導電膜であってもよいが、反射型スクリーンの場合は、導電膜が必ずしも透明である必要はない。透過型スクリーンの場合と同様に、導電膜はスクリーンの全面に形成しても、メッシュ状やストライプ状などで形成しても、いずれでもよい。
【0067】
導電膜の材料としては、反射型スクリーンの場合と同様にITO等の酸化物や、銅等の金属等を用いることができ、特に限定されない。また、実施形態2に係る透過型スクリーンと同様に、スクリーン表面の近傍にスクリーンと略平行に導電膜または透明導電膜を設けることもできる。
【0068】
実施形態1に示すリアプロジェクター用スクリーンと同様に、スクリーン端部の導電膜上に取出し電極を形成し、取出し電極を電気抵抗値検出回路に電気的に接続する。電気抵抗値検出回路はスクリーンの電気抵抗値を監視し、電気抵抗値が予め設定された閾値を超えたときにレーザ光のスクリーンへの投影を遮断する。
【0069】
図12は本実施形態のフロントプロジェクター用スクリーンの使用例を示す概略図である。図12に示すように、レーザを光源とするプロジェクター41により、スクリーン42に画像が投影される。スクリーン42に亀裂や穴43があると、スクリーン42の背面側に人44がいたときに、人44にレーザ光45が照射される可能性がある。
【0070】
上記の本実施形態のフロントプロジェクター用スクリーンによれば、スクリーン42上に形成された導電膜46の電気抵抗値が、取出し電極47を介して電気抵抗値検出回路(DET)48によって監視される。スクリーン42の破損は電気抵抗値の変化として検出され、スクリーン42が破損したときはレーザ光の投影が遮断される。したがって、スクリーン42の背面側にいる人44に対してレーザ光が照射される危険性を回避できる。
【0071】
また、スクリーン42の背面側が鏡面などの高反射率の壁面である場合には、スクリーンの破損によりレーザ光が背面側の壁面で反射して、鑑賞者の目に入射する可能性もあるが、本実施形態のスクリーンによれば、このような危険性も回避できる。
【0072】
フロントプロジェクター用の反射型スクリーンとしては、例えば、表面にビーズが並べられた構造のものや、パール材を表面に有するもの、あるいは無機材料を用いて形成された多層膜等が用いられる。プロジェクターからの投射光を不要なところに拡散させずに、鑑賞者の視野内に適度に拡散させ、かつプロジェクターの光源や外光の写り込みを防止できるものであれば、スクリーンの構成は特に限定されない。
【0073】
上記の本発明の実施形態のスクリーン、表示装置および投影制御方法によれば、スクリーンの破損時にスクリーンへの投影が遮断されるため、本来、レーザ光が放射されるべきでない場所にレーザ光が放射されるのを防止できる。したがって、鑑賞者等にレーザ光が照射される危険を防止できる。
【0074】
本発明のスクリーン、表示装置および投影制御方法の実施形態は、上記の説明に限定されない。例えば、光源がレーザではないが高出力・高輝度のランプである場合などに、上記の実施形態と同様に透明導電膜と電気抵抗値検出回路を形成し、スクリーンの破損を検出してもよい。また、紫外線の照射により蛍光を発する蛍光体スクリーンに、紫外線レーザから紫外線を照射して画像等を表示する表示装置等に、本発明を適用することもできる。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【0075】
【発明の効果】
本発明のスクリーンによれば、スクリーンの破損時に光源からの光の投射を遮断することが可能となる。
本発明の表示装置によれば、スクリーンの破損部分を光源からの光が透過して、鑑賞者等に危険が及ぶのを防止することが可能となる。
本発明の投影制御方法によれば、スクリーンの破損部分から光が漏れて、鑑賞者等に危険が及ぶのを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施形態1に係るスクリーンの断面図である。
【図2】図2は本発明の実施形態1に係るスクリーンにおいて、スクリーンが破損したときの電気抵抗値の変化例を示す図である。
【図3】図3(a)〜(c)は本発明の実施形態1に係るスクリーンの平面図の例である。
【図4】図4は本発明の実施形態2に係るスクリーンの断面図である。
【図5】図5は本発明の実施形態2に係るスクリーンの断面図である。
【図6】図6は本発明の実施形態2に係るスクリーンの断面図である。
【図7】図7は本発明の実施形態2に係るスクリーンの断面図である。
【図8】図8は本発明の実施形態3に係る表示装置の光学系を示す概略図である。
【図9】図9(a)は図8の一部を示す斜視図であり、図9(b)は図9(a)の拡大図である。
【図10】図10は本発明の実施形態3に係る表示装置のブロック図の一例を示す。
【図11】図11は本発明の実施形態3に係る表示装置のブロック図の他の例を示す。
【図12】図12は本発明の実施形態4に係るスクリーンの使用例を示す概略図である。
【図13】図13は従来のスクリーンの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…フレネルレンズ、2…レンチキュラレンズ、3…拡散層、4a、4b、4c、4…透明導電膜、5a、5b、5c、5…取出し電極、6a、6b、6c…導線、7a、7b、7c、7…電気抵抗値検出回路、8…両面レンチキュラレンズ、9…ブラックストライプ、10…垂直方向拡散レンチキュラレンズ、21…光源、22…照明、23…グレーティングライトバルブ、24…投射レンズ、25…走査ミラー、26…スクリーン、27…光回折素子、31…レーザ、32…グレーティングライトバルブ、33…制御回路、34…電気抵抗値検出回路、41…プロジェクター、42…スクリーン、43…亀裂や穴、44…人、45…レーザ光、46…導電膜、47…取出し電極、48…電気抵抗値検出回路。
【発明の属する技術分野】
本発明はプロジェクター用スクリーン、表示装置および投影制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プロジェクターは背面投影型プロジェクター(リアプロジェクター)と前面投影型プロジェクター(フロントプロジェクター)に大別される。リアプロジェクターは筐体内に内蔵され、筐体の一部を構成するスクリーンに背面側(筐体の内側)から映像を投影する。フロントプロジェクターは、十分な距離を離して設けられたスクリーンの前面に映像を投影する。
【0003】
図13はリアプロジェクター用の透過型スクリーンの一例を示す断面図である。図13に示すように、フレネルレンズ101とレンチキュラレンズ102が重ね合わされ、フレネルレンズ101は投影側(投射光の入射側)に、レンチキュラレンズ102は鑑賞者側(投射光の出射側)に配置される。レンチキュラレンズ102の鑑賞者側には、拡散層103が設けられる。
【0004】
フレネルレンズ101は薄い樹脂シートに、同心円状に一定間隔でプリズムの山を施したものであり、全体で1枚の大きな凸レンズとして機能する。フレネルレンズ101に入射した投射光は、フレネルレンズ101によって屈折し、スクリーン面に垂直な光束となる。
【0005】
レンチキュラレンズ102は円筒状レンズまたはかまぼこ状レンズが一定のピッチで並べられた形状を有し、光を特定の方向(通常は水平方向)に拡散させる。拡散層103は、レンチキュラレンズ102を透過した光をランダムな方向に拡散させる。これにより、均一性のある映像が再現される。
【0006】
図13に示す構成以外の多様な透過型スクリーンも開発されている。また、特定の機能をもたせた透過型スクリーンも開発されている。例えば、紫外線レーザ光の投射により蛍光画像を表示する蛍光体スクリーンの目視者側に、紫外線を吸収するフィルター板を設けたものが提案されている(特許文献1参照)。このようなフィルター板を設けることにより、スクリーンを透過した紫外線レーザ光を目視者が直視するのを防止できる。
【0007】
また、電磁波を遮蔽する目的で透明樹脂板に導電性物質を付着したプラズマディスプレイ用前面板も開示されている(特許文献2参照)。コントラスト向上のための光吸収層が設けられた背面投射型プロジェクター用スクリーンも開示されている(特許文献3参照)。透過型スクリーン等に用いられるフレネルレンズに、外観ムラが起きないように帯電防止層を形成したものも開示されている(特許文献4参照)。
【0008】
一方、フロントプロジェクター用の反射型スクリーンにも多様なものがある。反射型スクリーンは、プロジェクターからの投射光を不要なところに拡散させずに、鑑賞者の視野内に適度に拡散させる必要がある。また、プロジェクターの光源や外光の写り込みも防止する必要がある。以上から、反射型スクリーンとしては例えば、表面にビーズが並べられた構造のものや、パール材を表面に有するもの等が用いられる。
【0009】
近年、従来のハロゲンランプやメタルハライド等の白色ランプを光源に用いたプロジェクターに代わって、光源にレーザを用いたレーザプロジェクターの開発が進められている。レーザプロジェクターでは色純度の高いR、G、Bの3色のレーザを光源に用いることにより、従来のプロジェクターに比べて極めて広い色再現範囲が実現できる。また、レーザはプロジェクターの高輝度化にも有利である。
【0010】
【特許文献1】
特開平4−15631号公報
【特許文献2】
特開平9−330666号公報
【特許文献3】
特開平11−52106号公報
【特許文献4】
特開2000−221603号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、プロジェクターの光源にレーザを使用した場合、スクリーンが破損して亀裂や穴が生じたときに、高出力のレーザ光が亀裂や穴から放射される危険性がある。特にリアプロジェクターの場合は、スクリーンに亀裂や穴が生じると、レーザ光が直接、鑑賞者の目に入射する危険性が大きい。
【0012】
上記の例以外にも、リアプロジェクターまたはフロントプロジェクターでスクリーンが破損して、本来、レーザ光が放射されるべきでない空間にレーザ光が放射された場合には、様々な問題が起こる可能性がある。例えば、目以外の人体に対しても、高出力のレーザ光は危険である。亀裂や穴から放射されたレーザ光によって、発熱や発火が起こる可能性もある。
【0013】
フロントプロジェクターの場合、鑑賞者はスクリーンの前面側で鑑賞するが、鑑賞者以外の人がスクリーンの背面側にいることもあり得る。また、スクリーンの破損によってスクリーンの背面側にある壁面、特に鏡面等の反射率の高い壁面でレーザ光が反射されると、鑑賞者に対して危険となる。
【0014】
以上のように、レーザを光源とするプロジェクターでは、スクリーンの破損に伴う危険が、従来の白色ランプ等を光源とするプロジェクターよりも大きいと予測される。したがって、スクリーンが破損したときに、スクリーンへのレーザ光の投射を迅速かつ自動的に停止できる安全対策が必要と考えられる。例えば特許文献1〜4に示されるように、従来、多様な機能をもつスクリーンが開発されているが、破損したスクリーンへの投射を遮断するような機能および機構は開示されていない。
【0015】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、したがって本発明は、破損した状態では光源から光が投射されないか、または投射される光が弱められるスクリーンを提供することを目的とする。
また、本発明は、スクリーンの破損時に光源からの光が鑑賞者などに危険を及ぼさない表示装置を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、強力な光を投影するときに、スクリーンの破損等による危険を防止できる投影制御方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明のスクリーンは少なくとも1層のシートを有し、光が投影されるスクリーンであって、少なくとも1層の前記シートの少なくとも一方の面側に形成された導電膜と、該導電膜の電気抵抗値を検出する電気抵抗値検出回路とを有することを特徴とする。
【0017】
これにより、スクリーン上またはスクリーン内に形成された導電膜の電気抵抗値を検出することが可能となる。異常のないスクリーンで電気抵抗値を一定にしておくと、スクリーンが破損して亀裂や穴が発生したときに、電気抵抗値が増加する。したがって、電気抵抗値を指標としてスクリーンの破損を検出することが可能となる。
【0018】
本発明のスクリーンは、背面に前記光が投影され、前記スクリーンの透過光によって前記画像が表示される背面投影型スクリーンと、前面に前記光が投影され、前記スクリーンの反射光によって前記画像が表示される前面投影型スクリーンのいずれでもよい。
【0019】
また、導電膜が形成される面は限定されない。スクリーンの微細な破損を検出する上では、スクリーンの全面に導電膜を形成することが望ましいが、スクリーンの破損を検出することが可能であれば、例えばメッシュ状やストライプ状に導電膜を形成してもよい。
【0020】
上記の目的を達成するため、本発明の表示装置は、画像が表示される表示素子と、該表示素子に表示された画像に光を照射する光源と、前記画像に照射された光を投影する工学系と、前記画像を照射した光が投影されるスクリーンと、前記スクリーンの少なくとも一方の面側および/または内部に形成された少なくとも1層の導電膜と、該導電膜の電気抵抗値を検出する電気抵抗値検出回路と、前記電気抵抗値の変化に応じて、前記スクリーンに投影される前記光を減少させる投影制御手段とを有することを特徴とする。
【0021】
前記投影制御手段は前記電気抵抗値の変化に応じて、前記スクリーンに光が投影されないようにする手段であってもよい。前記投影制御手段が前記スクリーンに投影される前記光を減少させる具体的な方法としては、前記光源からの光の出射の停止、前記光の少なくとも一部の遮断、前記光の進行方向の変更等が挙げられ、特に限定されない。
【0022】
また、上記の目的を達成するため、本発明の投影制御方法は、光が投影されるスクリーンにおいて、該スクリーンの一方の面側および/または内部に設けられた導電膜の電気抵抗値を検出する工程と、前記電気抵抗値の変化に応じて、前記スクリーンに投影される前記光を減少させる工程とを有することを特徴とする。
【0023】
上記の本発明の表示装置または投影制御方法によれば、スクリーンが破損して亀裂や穴が発生したときに、破損箇所から光、特にレーザ光のような高出力の光が放出されるのを防止できる。したがって、スクリーンに表示された画像を鑑賞する鑑賞者などに、光源からの光による危険が及ぶのを防止できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のスクリーン、表示装置および投影制御方法の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(実施形態1)
図1は、本実施形態のリアプロジェクター用の透過型スクリーンを示す断面図である。本実施形態のリアプロジェクターでは、光源として赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のレーザを用いる。
【0025】
図1に示すように、本実施形態の透過型スクリーンはフレネルレンズ1、レンチキュラレンズ2および拡散層3の3層のシートを含む。フレネルレンズ1とレンチキュラレンズ2が重ね合わされ、フレネルレンズ1は投影側(投射光の入射側)に、レンチキュラレンズ2は鑑賞者側(投射光の出射側)に配置される。レンチキュラレンズ2の鑑賞者側には、拡散層3が設けられる。
【0026】
フレネルレンズ1の少なくとも一方の面に透明導電膜4aが形成され、透明導電膜4aに接続するように複数の取出し電極5aが設けられる。これらの取出し電極5aは導線6aを介して電気抵抗値検出回路(DET)7aに接続されている。電気抵抗値検出回路7aは透明導電膜4aの電気抵抗値を常時監視し、電気抵抗値が予め設定された正常範囲の閾値を超えた場合に、レーザ光の投射を停止させるための信号を制御系に送る。
【0027】
レンチキュラレンズ2の少なくとも一方の面に透明導電膜4bが形成され、透明導電膜4bに接続するように複数の取出し電極5bが設けられる。これらの取出し電極5aは導線6bを介して電気抵抗値検出回路(DET)7bに接続されている。電気抵抗値検出回路7bは透明導電膜4bの電気抵抗値を常時監視し、電気抵抗値が予め設定された正常範囲の閾値を超えた場合に、レーザ光の投射を停止させるための信号を制御系に送る。
【0028】
拡散層3の少なくとも一方の面に透明導電膜4cが形成され、透明導電膜4cに接続するように複数の取出し電極5cが設けられる。これらの取出し電極5cは導線6cを介して電気抵抗値検出回路(DET)7cに接続されている。電気抵抗値検出回路7cは透明導電膜4cの電気抵抗値を常時監視し、電気抵抗値が予め設定された正常範囲の閾値を超えた場合に、レーザ光の投射を停止させるための信号を制御系に送る。
【0029】
図2は、時間Tと電気抵抗値検出回路7a、7b、7cで検出される電気抵抗値Rとの関係を模式的に示すグラフである。スクリーンが破損していない通常の状態では、電気抵抗値検出回路7a、7b、7cのそれぞれにおいて、予め設定された正常範囲内の一定の電気抵抗値R1が検出される。時間T1において、スクリーンに何らかの原因で亀裂や穴が生じると、透明導電膜4a、4b、4cで検出される電気抵抗値Rが上昇する。
【0030】
予め、R1よりも高い閾値Rthを設定しておき、電気抵抗値Rが閾値Rthを超えたとき、R、G、Bの3色のレーザ光のスクリーンへの投射を遮断する。なお、スクリーンに異常がないときの電気抵抗値R1や閾値Rthは、各電気抵抗値検出回路7a、7b、7c間で一致していても異なっていても、いずれでもよい。
【0031】
レーザ光を遮断する方法としては、シャッター等を用いてレーザ光を光軸上で遮断する方法や、レーザへの電力供給の中断により、レーザ発振自体を停止させる方法、ミラー等の光学部品を用いてレーザ光の進行方向を変化させる方法等が挙げられ、遮断方法は特に限定されない。シャッターのかわりに絞り等を用いて、レーザ光を弱めてもよい。また、3色のレーザ光のうちの少なくとも一つについて、遮断または光強度を減少させる操作を行ってもよい。
【0032】
以下、図1に示すスクリーンを構成する各シートについて説明する。フレネルレンズ1は薄い樹脂シートに、同心円状に一定間隔でプリズムの山を施したものであり、プリズムの角度はすべて異なる。フレネルレンズ1のフレネル面(山のある面)に光が入射すると、それぞれのプリズムの山が小さな屈曲面として作用する。したがって、フレネルレンズ1は全体で1枚の大きな凸レンズとして機能する。フレネルレンズ1に入射した投射光は、フレネルレンズ1によって屈折し、スクリーン面に垂直な光束となる。
【0033】
レンチキュラレンズ2は円筒状レンズまたはかまぼこ状レンズが一定のピッチで並べられた形状を有し、光を特定の方向に拡散させる。通常、プロジェクターのスクリーンには垂直方向よりも水平方向の視野角を広くすることが望まれる。したがって、図1に示すようなフレネルレンズ1とレンチキュラレンズ2の2枚構成のスクリーンでは、光を水平方向に拡散させるレンチキュラレンズ2が用いられる。
【0034】
拡散層3には様々なものがあるが、いずれもレンチキュラレンズ2を透過した光をランダムな方向に拡散させる。拡散層3を設けることにより、均一性のある映像が再現される。拡散層3としては、例えば、樹脂シートの表面に光散乱粒子を含む塗料をコーティングしたものや、樹脂中に光散乱粒子を混練してシート状に成型加工したもの、あるいは、このようなシートの表面につや消し処理を施したもの等が挙げられる。
【0035】
透明導電膜4a、4b、4cの材料としては、例えばITO(indium tin oxide)、SnO2、ZnO等が挙げられる。これらの材料からなる透明導電膜4a、4b、4cは、例えばスパッタリング、真空蒸着、ゾル・ゲル法、塗布(例えばディップコートやスプレーコート等)、CVD(chemical vapor deposition)等の方法により形成でき、形成方法は特に限定されない。
【0036】
図1には、フレネルレンズ1、レンチキュラレンズ2および拡散層3のそれぞれ片面に透明導電膜が形成されている例を示すが、スクリーンに少なくとも1層の透明導電膜が形成されていれば、スクリーンを貫通する亀裂や穴を感知できる。したがって、スクリーンの破損によりレーザ光が直接、鑑賞者の目に入射するのを回避することが可能となる。
【0037】
但し、スクリーンを構成する複数の層のうちの一部が破損する可能性もあり得る。例えば、リアプロジェクター用スクリーンの最表層にある拡散層3が破損した場合に、透明導電膜がフレネルレンズ1またはレンチキュラレンズ2に形成され、拡散層3に形成されていなければ、破損を検出できず、レーザ光の投射が遮断されない。したがって、レンチキュラレンズ2で一方向(通常、水平方向)のみに拡散されたレーザ光が、拡散層3でさらに拡散されずにエネルギー密度の高い状態で鑑賞者側に到達する。すなわち、レーザ光による危険が増大する。
【0038】
このような危険を防止するため、スクリーンを構成する複数の層に透明導電膜を設けたり、各層の両面に透明導電膜を設けたりしてもよい。一方、スクリーンでムラなく破損を検出するには、透明導電膜をスクリーンの全面に均一に形成することが望ましいが、破損の検出が可能であれば、必ずしもスクリーンの全面に形成しなくてもよい。
【0039】
例えば、透明導電膜をメッシュ状やストライプ状に形成した場合であっても、メッシュやストライプのピッチがスクリーンに生じ得る亀裂や穴よりも十分に小さければ、スクリーンの破損を検出できる。また、ストライプ状やメッシュ状の透明導電膜を複数のシートに形成し、これらのストライプやメッシュを互いに重なり合わないように配置すれば、相補的にスクリーンの破損を検出することも可能である。
【0040】
メッシュ状やストライプ状で導電膜を形成した場合には、スクリーン全面に導電膜を形成した場合に比較して、スクリーン全体での平均的な光透過率が大きくなる。したがって、ITOのような金属酸化物等からなる透明導電膜のかわりに、例えば銅、アルミニウム、クロム等からなる金属膜を導電膜として形成してもよい。
【0041】
一般に、ITO膜は薄いほど電気抵抗値が高く、図2に示すような電気抵抗値の変化を検出するのに適した厚さで透明導電膜を形成する。通常の状態での電気抵抗値とレーザ光を遮断する閾値Rthとの差が小さすぎる場合、スクリーンの破損以外の要因による電気抵抗値の変動でレーザ光が遮断される可能性もある。このような誤作動を防止するため、ある程度マージン(余裕分)をもたせて閾値Rthを設定してもよい。
【0042】
また、前述したような透明導電膜の材料は可視光の透過率が高いため、透明導電膜を設けることや、透明導電膜を厚くすることによる光透過率の低下の影響は少ない。但し、透明導電膜を特定の厚さで形成することにより、スクリーンに反射防止機能、帯電防止機能あるいは電磁波遮蔽機能などをもたせてもよい。
【0043】
例えば反射防止については、基材上に基材より低屈折率の物質からなる単層の被膜を、光学的膜厚(被膜材料の屈折率と厚さの積)が光の波長の1/4またはその奇数倍となるように形成すると、極小の反射率が得られることが知られている。このような厚さで透明導電膜を形成し、室内の照明光などの外光の映りこみを防止してもよい。
【0044】
また、高屈折率の物質からなる被膜と低屈折率の物質からなる被膜を交互に積層することにより、広い波長範囲で反射防止機能をもたせることも可能である。このような積層膜をスクリーンに形成する場合には、必ずしもすべての層を導電膜とする必要はなく、ITO膜などの導電膜に取出し電極を接続すればよい。透明導電膜と積層できる透明誘電体膜の材料としては、例えばZrO2、TiO2、SiO2、SiO、MgF2、CaF2、BaF2、Al2O3、LaF3、Na3AlF6、Na5Al3F14、NdF3、CeF3、NaF、SrF2等が挙げられる。
【0045】
図3(a)〜(c)は図1のスクリーンにおける取出し電極の配置例を示す平面図である。透明導電膜を電気抵抗値検出回路に接続する取出し電極5は、例えば図3(a)〜(c)に示すように、スクリーンの両端に配置でき、位置は特に限定されない。
【0046】
(実施形態2)
本発明の実施形態のリアプロジェクター用スクリーンは、図1に示す実施形態1のスクリーンに限定されない。例えば、図4に示すような両面レンチキュラレンズを含む2層のシートから構成されるスクリーン(2枚式スクリーン)であってもよい。また、図5および図6に示すような3層のシートから構成される3枚式スクリーンや、図7に示すような単層のシートから構成される1枚式スクリーン等であってもよい。
【0047】
スクリーンを構成するシートはフレネルレンズ、レンチキュラレンズ、拡散層に限定されず、他の光透過性基材や光透過層などであってもよい。スクリーンを構成するこれらのシートは、シート間が接触するように積層されても、間隔をあけて略平行に配置されても、いずれでもよい。
【0048】
図4に示すスクリーンは、フレネルレンズ1と両面レンチキュラレンズ8が重ね合わされたものである。フレネルレンズ1は投影側に、両面レンチキュラレンズ8は鑑賞者側に配置される。これらのフレネルレンズ1および/または両面レンチキュラレンズ8に実施形態1と同様な透明導電膜4および取出し電極5を形成し、電気抵抗値検出回路(DET)7により透明導電膜4の電気抵抗値を監視する。透明導電膜4はこれらのレンズ1、8の片面に設けても、両面に設けてもいずれでもよく、透明導電膜4を形成する位置は図4の例に限定されない。
【0049】
図示しないが、図1に示すような片面のレンチキュラレンズ2とフレネルレンズ1とを重ねた構成において、拡散層3のない2枚式スクリーンとしてもよい。この場合も、透明導電膜をフレネルレンズ1および/またはレンチキュラレンズ2に形成する。
【0050】
図5に示すスクリーンはフレネルレンズ1、両面レンチキュラレンズ8および拡散層3が重ね合わされたものである。フレネルレンズ1は投影側に、拡散層3は鑑賞者側に配置される。図5の両面レンチキュラレンズ8は、鑑賞者側にブラックストライプ9が設けられたものである。ブラックストライプ9は例えばカーボン等を用いて形成される。ブラックストライプ9は外光を吸収して外光の反射光の影響を低減し、投射光を効率よくスクリーンの前面に透過させる。
【0051】
このような外光を吸収するブラックストライプ等が設けられたスクリーンに透明導電膜4を形成してもよい。これらの3層1、3、8の少なくとも1層に実施形態1と同様な透明導電膜4および取出し電極5を形成し、電気抵抗値検出回路(DET)7により透明導電膜の電気抵抗値を監視する。透明導電膜4はこれらのレンズ1、8または拡散層3の片面に設けても、両面に設けてもいずれでもよく、透明導電膜4を形成する位置は図5の例に限定されない。
【0052】
図6に示すスクリーンはフレネルレンズ1、垂直方向拡散レンチキュラレンズ10および両面レンチキュラレンズ8が重ね合わされたものである。フレネルレンズ1は投影側に、両面レンチキュラレンズ8は鑑賞者側に配置される。これらの3層の少なくとも1層に実施形態1と同様な透明導電膜4および取出し電極5を形成し、電気抵抗値検出回路(DET)7により透明導電膜4の電気抵抗値を監視する。透明導電膜4はこれらのレンズ1、8、10の片面に設けても、両面に設けてもいずれでもよく、透明導電膜4を形成する位置は図6の例に限定されない。
【0053】
図7に示すスクリーンはフレネルレンズ1と拡散層3が1枚のアクリル板で一体成型されたものである。フレネルレンズ1は投影側に、拡散層3は鑑賞者側に配置される。一体成型されたスクリーンの片面または両面に実施形態1と同様な透明導電膜4および取出し電極5を形成し、電気抵抗値検出回路(DET)7により透明導電膜の電気抵抗値を監視する。
上記の例以外の構成を有するリアプロジェクター用スクリーンについても、透明導電膜あるいは導電膜を形成して電気抵抗値の監視を行うことができる。
【0054】
また、導電膜は必ずしもスクリーンの表面に接触あるいは密着させなくてもよく、スクリーン表面に近接するように、スクリーンと略平行に設けてもよい。例えば、スクリーンの少なくとも一方の面側にメッシュ状やストライプ状の金属膜を、スクリーンと所定の間隔をあけて配置してもよい。この場合も、金属膜の電気抵抗値の変化からスクリーンの破損を検出できる。
【0055】
ITO膜などの透明導電膜の場合は、スパッタリング、真空蒸着あるいは塗布といった前述の各種の方法でガラス基板上に成膜した後、化学機械研磨(CMP;chemical mechanical polishing)および/またはフッ酸処理を行ってガラス基板を除去することにより、導電膜を単独でシートまたはスクリーンから分離させることができる。
【0056】
また、レンズや拡散の機能をもたない光透過性基材上に透明導電膜を形成し、これをスクリーンの最表層のシートとして、他のシートと所定の間隔をあけて配置してもよい。光透過性基材としては、例えば樹脂やガラス等からなる基材を用いることができる。この場合も、透明導電膜を支持する光透過性基材の破損などにより、透明導電膜の電気抵抗値が変化するため、スクリーンの破損を検出できる。
【0057】
あるいは、表面にメッシュ状やストライプ状の金属膜が形成された光透過性基材を、他のシートと所定の間隔をあけてスクリーンの最表層に配置することもできる。以上のように、スクリーンのシート構成は、表示装置で要求される特性などに応じて適宜変更できる。
【0058】
(実施形態3)
図8は本実施形態のリアプロジェクター型ディスプレイの光学系を示す概略図である。図8に示すように、光源21から照明レンズ22を介して、グレーティングライトバルブ(grating light valve)23にスリット状にレーザ光を照射する。光源21としてはR、G、Bの3種のレーザが用いられ、それぞれのレーザに対応したグレーティングライトバルブ23が設けられる。グレーティングライトバルブ23は後述するように、リボン状(短冊状)の微細な光回折素子が一列に並べられた構造をもつデバイスである。
【0059】
グレーティングライトバルブ23からの回折光は、投射レンズ24によって走査ミラー25に一次元像として投射される。走査ミラー25は一次元像を水平方向に走査させ、これによりスクリーン26上に二次元像が投影される。上記のようにレーザを光源とするリアプロジェクターでは、スクリーンが破損した場合にレーザ光が直接、鑑賞者の目に入射する可能性がある。そこで、実施形態1または2に示すようなスクリーンを用いて、このような危険を防止する。
【0060】
図9(a)はグレーティングライトバルブの斜視図であり、図9(b)は図9(a)の一部(丸で囲まれた部分)の拡大図である。図9(a)および(b)に示すように、グレーティングライトバルブにはリボン状の光回折素子27が一列に並べられる(マイクロリボンアレイ)。リボン状の光回折素子27は、MEMS(MicroElectroMechanical Systems)技術を用いてシリコン基板上に形成される。
【0061】
各光回折素子27の高さは、圧電素子などによって自在に変化させることができる。各光回折素子27を独立に駆動して高さを調整することにより、グレーティングライトバルブ全体をグレーティング(回折格子)として作用させることができる。すなわち、グレーティングライトバルブに所定の波長域の光が照射されたとき、±1次またはさらに高次の回折光が発生する。発生する回折光により画像を表示することができる。
【0062】
図9(a)および(b)に示すグレーティングライトバルブによれば、1画素を6個の光回折素子27で構成する。図9(b)は1画素分の光回折素子27を示す。図8に示すリアプロジェクター型ディスプレイの画素数(垂直方向の画素数)を例えば1080画素とすると、1個のグレーティングライトバルブには合計6480本のリボン状の光回折素子27が形成される。1080画素のグレーティングライトバルブを用いて、例えば1920画素相当の水平走査を行うことにより、1920画素×1080画素に相当する高解像度の映像を投影できる。
【0063】
図10は本実施形態のリアプロジェクター型ディスプレイの制御系の一例を示すブロック図である。図10に示すように、レーザ31とグレーティングライトバルブ(GLV)32は制御回路(CONT)33によって制御される。電気抵抗値検出回路(DET)34はスクリーン35の電気抵抗値を検出し、電気抵抗値が予め設定された閾値を超えたときに、制御回路33を介してレーザ31からのレーザ光の出射を停止させる。これにより、レーザ光のスクリーン35への投影が遮断される。
【0064】
あるいは、図11に示すように、レーザ31と電気抵抗値検出回路(DET)34を接続し、電気抵抗値が閾値を超えたときに、制御回路(CONT)33を介さずに直接、電気抵抗値検出回路34によりレーザ31の作動を停止させてもよい。また、図示しないが、電気抵抗値検出回路に接続するシャッター等を設け、電気抵抗値が閾値を超えたときに、レーザからレーザ光を出射させたまま、シャッター等によりレーザ光を遮断する構成としてもよい。
【0065】
(実施形態4)
本実施形態はフロントプロジェクター用スクリーンの例を示す。フロントプロジェクター用の反射型スクリーンの前面側(プロジェクターおよび鑑賞者側)と背面側の少なくとも一方に、導電膜を形成する。あるいは、複数のシートが積層された構造を有する反射型スクリーンの場合には、それらのシート間に導電膜を形成してもよい。
【0066】
導電膜は実施形態1または2に示す透過型スクリーンと同様に透明導電膜であってもよいが、反射型スクリーンの場合は、導電膜が必ずしも透明である必要はない。透過型スクリーンの場合と同様に、導電膜はスクリーンの全面に形成しても、メッシュ状やストライプ状などで形成しても、いずれでもよい。
【0067】
導電膜の材料としては、反射型スクリーンの場合と同様にITO等の酸化物や、銅等の金属等を用いることができ、特に限定されない。また、実施形態2に係る透過型スクリーンと同様に、スクリーン表面の近傍にスクリーンと略平行に導電膜または透明導電膜を設けることもできる。
【0068】
実施形態1に示すリアプロジェクター用スクリーンと同様に、スクリーン端部の導電膜上に取出し電極を形成し、取出し電極を電気抵抗値検出回路に電気的に接続する。電気抵抗値検出回路はスクリーンの電気抵抗値を監視し、電気抵抗値が予め設定された閾値を超えたときにレーザ光のスクリーンへの投影を遮断する。
【0069】
図12は本実施形態のフロントプロジェクター用スクリーンの使用例を示す概略図である。図12に示すように、レーザを光源とするプロジェクター41により、スクリーン42に画像が投影される。スクリーン42に亀裂や穴43があると、スクリーン42の背面側に人44がいたときに、人44にレーザ光45が照射される可能性がある。
【0070】
上記の本実施形態のフロントプロジェクター用スクリーンによれば、スクリーン42上に形成された導電膜46の電気抵抗値が、取出し電極47を介して電気抵抗値検出回路(DET)48によって監視される。スクリーン42の破損は電気抵抗値の変化として検出され、スクリーン42が破損したときはレーザ光の投影が遮断される。したがって、スクリーン42の背面側にいる人44に対してレーザ光が照射される危険性を回避できる。
【0071】
また、スクリーン42の背面側が鏡面などの高反射率の壁面である場合には、スクリーンの破損によりレーザ光が背面側の壁面で反射して、鑑賞者の目に入射する可能性もあるが、本実施形態のスクリーンによれば、このような危険性も回避できる。
【0072】
フロントプロジェクター用の反射型スクリーンとしては、例えば、表面にビーズが並べられた構造のものや、パール材を表面に有するもの、あるいは無機材料を用いて形成された多層膜等が用いられる。プロジェクターからの投射光を不要なところに拡散させずに、鑑賞者の視野内に適度に拡散させ、かつプロジェクターの光源や外光の写り込みを防止できるものであれば、スクリーンの構成は特に限定されない。
【0073】
上記の本発明の実施形態のスクリーン、表示装置および投影制御方法によれば、スクリーンの破損時にスクリーンへの投影が遮断されるため、本来、レーザ光が放射されるべきでない場所にレーザ光が放射されるのを防止できる。したがって、鑑賞者等にレーザ光が照射される危険を防止できる。
【0074】
本発明のスクリーン、表示装置および投影制御方法の実施形態は、上記の説明に限定されない。例えば、光源がレーザではないが高出力・高輝度のランプである場合などに、上記の実施形態と同様に透明導電膜と電気抵抗値検出回路を形成し、スクリーンの破損を検出してもよい。また、紫外線の照射により蛍光を発する蛍光体スクリーンに、紫外線レーザから紫外線を照射して画像等を表示する表示装置等に、本発明を適用することもできる。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【0075】
【発明の効果】
本発明のスクリーンによれば、スクリーンの破損時に光源からの光の投射を遮断することが可能となる。
本発明の表示装置によれば、スクリーンの破損部分を光源からの光が透過して、鑑賞者等に危険が及ぶのを防止することが可能となる。
本発明の投影制御方法によれば、スクリーンの破損部分から光が漏れて、鑑賞者等に危険が及ぶのを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施形態1に係るスクリーンの断面図である。
【図2】図2は本発明の実施形態1に係るスクリーンにおいて、スクリーンが破損したときの電気抵抗値の変化例を示す図である。
【図3】図3(a)〜(c)は本発明の実施形態1に係るスクリーンの平面図の例である。
【図4】図4は本発明の実施形態2に係るスクリーンの断面図である。
【図5】図5は本発明の実施形態2に係るスクリーンの断面図である。
【図6】図6は本発明の実施形態2に係るスクリーンの断面図である。
【図7】図7は本発明の実施形態2に係るスクリーンの断面図である。
【図8】図8は本発明の実施形態3に係る表示装置の光学系を示す概略図である。
【図9】図9(a)は図8の一部を示す斜視図であり、図9(b)は図9(a)の拡大図である。
【図10】図10は本発明の実施形態3に係る表示装置のブロック図の一例を示す。
【図11】図11は本発明の実施形態3に係る表示装置のブロック図の他の例を示す。
【図12】図12は本発明の実施形態4に係るスクリーンの使用例を示す概略図である。
【図13】図13は従来のスクリーンの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…フレネルレンズ、2…レンチキュラレンズ、3…拡散層、4a、4b、4c、4…透明導電膜、5a、5b、5c、5…取出し電極、6a、6b、6c…導線、7a、7b、7c、7…電気抵抗値検出回路、8…両面レンチキュラレンズ、9…ブラックストライプ、10…垂直方向拡散レンチキュラレンズ、21…光源、22…照明、23…グレーティングライトバルブ、24…投射レンズ、25…走査ミラー、26…スクリーン、27…光回折素子、31…レーザ、32…グレーティングライトバルブ、33…制御回路、34…電気抵抗値検出回路、41…プロジェクター、42…スクリーン、43…亀裂や穴、44…人、45…レーザ光、46…導電膜、47…取出し電極、48…電気抵抗値検出回路。
Claims (27)
- 少なくとも1層のシートを有し、光が投影されるスクリーンであって、
少なくとも1層の前記シートの少なくとも一方の面側に形成された導電膜と、
該導電膜の電気抵抗値を検出する電気抵抗値検出回路とを有する
スクリーン。 - 前記導電膜は前記シートの少なくとも一方の面に接するように形成されている
請求項1記載のスクリーン。 - 前記導電膜は前記シートの少なくとも一方の面側に、前記シートと間隔をあけて形成されている
請求項1記載のスクリーン。 - 互いに異なる複層のシートが重ね合わされた
請求項1記載のスクリーン。 - 前記複層のシートが互いに接するように積層されている
請求項4記載のスクリーン。 - 所定の間隔をあけて重ね合わされた2層のシートを含む
請求項4記載のスクリーン。 - 前記導電膜が両面に形成された前記シートを含む
請求項1記載のスクリーン。 - 前記光はレーザ光である
請求項1記載のスクリーン。 - 前記スクリーンの背面に前記光が投影され、前記スクリーンの透過光によって画像が表示される
請求項1記載のスクリーン。 - 前記導電膜は透明導電膜を含む請求項9記載のスクリーン。
- 前記シートの少なくとも1層はフレネルレンズである
請求項9記載のスクリーン。 - 前記シートの少なくとも1層はレンチキュラレンズである
請求項9記載のスクリーン。 - 前記スクリーンの前面に前記光が投影され、前記スクリーンの反射光によって前記画像が表示される
請求項1記載のスクリーン。 - 前記導電膜は前記スクリーンの全面に形成されている
請求項1記載のスクリーン。 - 前記透明導電膜は前記スクリーンにメッシュ状またはストライプ状に形成されている
請求項1記載のスクリーン。 - 画像が表示される表示素子と、
該表示素子に表示された画像に光を照射する光源と、
前記画像に照射された光を投影する光学系と、
前記画像を照射した光が投影されるスクリーンと、
前記スクリーンの少なくとも一方の面側および/または内部に形成された少なくとも1層の導電膜と、
該導電膜の電気抵抗値を検出する電気抵抗値検出回路と、
前記電気抵抗値の変化に応じて、前記スクリーンに投影される前記光を減少させる投影制御手段とを有する
表示装置。 - 前記電気抵抗値の変化は、前記スクリーンの破損による前記電気抵抗値の増加を含む
請求項16記載の表示装置。 - 前記投影制御手段は前記電気抵抗値の変化に応じて、前記光源からの光の出射を停止させる
請求項16記載の表示装置。 - 前記投影制御手段は前記電気抵抗値の変化に応じて、前記光源からの光の出射を弱める
請求項16記載の表示装置。 - 前記投影制御手段は前記電気抵抗値の変化に応じて、前記光源から前記表示素子に照射される光の少なくとも一部を遮断する
請求項16記載の表示装置。 - 前記投影制御手段は前記電気抵抗値の変化に応じて、前記光源から前記表示素子に照射される光の少なくとも一部の進行方向を変化させ、前記表示素子に照射される前記光を減少させる
請求項16記載の表示装置。 - 前記投影制御手段は前記電気抵抗値の変化に応じて、前記表示素子から前記スクリーンに投影される光の少なくとも一部を遮断する
請求項16記載の表示装置。 - 前記投影制御手段は前記電気抵抗値の変化に応じて、前記表示素子から前記スクリーンに投影される光の少なくとも一部の進行方向を変化させることにより、前記スクリーンに投影される前記光を減少させる
請求項16記載の表示装置。 - 前記光源はレーザを含む
請求項16記載の表示装置。 - 光が投影されるスクリーンにおいて、該スクリーンの一方の面側および/または内部に設けられた導電膜の電気抵抗値を検出する工程と、
前記電気抵抗値の変化に応じて、前記スクリーンに投影される前記光を減少させる工程とを有する
投影制御方法。 - 前記電気抵抗値の変化は、前記スクリーンの破損による前記電気抵抗値の増加を含む
請求項25記載の投影制御方法。 - 前記電気抵抗値の変化に応じて、前記スクリーンに前記光が投影されないようにする
請求項25記載の投影制御方法。
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