JP2004184477A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】オイルレス定着器において、定着器に非接触に転写材分離手段を設けた場合に、転写材分離手段に付着してしまったトナーで、出力画像が汚れる欠陥の出づらい定着装置を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置の置かれている環境の温湿度をもとに、非接触の転写材分離手段を定着ローラに近接させたり離したりする。
【選択図】 図1
【解決手段】画像形成装置の置かれている環境の温湿度をもとに、非接触の転写材分離手段を定着ローラに近接させたり離したりする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式及び静電記録方式の画像形成装置、例えば、複写機、レーザビームプリンタ等に装着される接触加熱方式の定着装置及びこれを備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子写真方式のカラー複写機の製品開発は活発に行なわれているが、近年、レーザビーム方式のカラープリンタへの応用もなされつつあり、市場にもいくつかの機種が現れるようになってきている。ホストであるコンピュータ側のCPU性能、記憶容量等の向上あるいは電子カメラの登場により、パーソナルユースですら画像処理、カラーDTP(デスクトップパブリッシング、即ち、いわゆる電子出版)を日常的に行なうようになり、インクジェット方式の低価格のプリンタがかなり普及するようにもなっている。
【0003】
このようなことから、扱い可能な画像データがどんどん増加していくにつれて、ユーザのニーズとして、さらにより高画質な電子写真方式のカラープリンタが求められている。
【0004】
モノクロでは、レーザビームプリンタが低価格化したことと、高解像度、高信頼性が達成されたことによって、ビジネスユースにおいてはほぼ定番となっていることもあり、当レーザビーム方式のカラー化の要求は高い。ただ、今のところ装置全体が複雑、大型化するという問題等があり、普及率を高めるためには、より一層の小型化、低コスト化が必要である。また、使用形態がパーソナルユースに近づくことから、安全性の配慮や信頼性の向上が必要とされる。
【0005】
さて、カラートナーは、混色性およびOHTの透過性を高めるために、モノクロトナーに比べ低融点、低溶融粘度のシャープメルト性の材料で形成した非磁性トナーを用いている。このため、用紙上に形成したカラートナー像の定着時に、トナーが定着手段の定着ローラ表面に融着する、いわゆるオフセットを発生しやすい傾向にある。このため、カラーの定着では、離型剤として耐熱性のシリコンオイルを定着ローラ表面に塗布し、トナーのオフセットを防止する方式が採用されている。
【0006】
一方、定着ローラは、多色重ねの画像に対する追従性と定着性そのものの向上のために適度の弾性を備えることが必要であり、HTVゴム等の弾性層上に、LTV、RTV等の離型性が高いシリコンゴムで表面層を形成している。このシリコンゴムは、シリコンオイルと同種の材料であるため両者の親和性が高く、オイルがゴム表面だけでなく内部にも浸透して、高い離型性をもたらし、オフセット防止効果を発揮する。
【0007】
しかしながら、従来の画像形成装置のカラーの定着には以下のような問題があった。
【0008】
定着手段の定着ローラには直接オイルを塗布するが、定着ローラに圧接した下側の加圧ローラには、定着ローラからニップ(定着ニップ)を介して間接的にオイルが供給されるようにしているため、連続プリント時に加圧ローラにオイルを紙間でしか塗布できない。このため、加圧ローラのオイル塗布が途絶えがちになりやすく、加圧ローラのオフセット防止が不利なために、カラーDTPのための両面画像への対応が非常に困難であった。
【0009】
加圧ローラのオフセットを防止するためには、加圧ローラにもオイルを直接塗布すればよいが、そのための塗布機構を必要とすることから、装置が大型化、複雑化する問題がある。定着ローラに塗布するオイル量を多めにすることも考えられるが、用紙のオイル染みが発生しやすく、画像の品質、定着の信頼性等が低下する。また、定着ローラのオイルによる膨潤でローラ径の変化やゴムの剥れが生じやすくなり、これを防止するためにはオイルバリヤーの働きを持たせた中間層を必要とするなど、定着ローラの構成が複雑化し、コストアップする。通紙中に加圧ローラ表面にオイル付着量を確保できるように、加圧ローラへのクリーニングブレードの侵入量を小さくする等により、クリーニングブレードの当接圧をゆるく設定すると、今度はオイルの擦り抜けが起こりやすくなり、同様に、用紙へのオイル染みが発生する。
【0010】
上記のような問題の解決に加え、プリンタでは複写機以上の低コスト化が要請される問題もある。この低コスト化のために、より簡単な2層あるいは単層のローラ構成、およびオイル塗布が不要でオイルボトル等の消耗品のないフリーメンテナンス化が、開発の課題となっている。また、両面画像形成では、定着に2度のオイル塗布がなされるために、薄紙の用紙では紙透けが生じる問題がある。プリンタからプリントアウトされた紙透けを生じたカラー画像を原稿として、複写機でコピーすると、得られるカラー画像は裏写りが発生する。
【0011】
上記のような問題を克服するために、昨今では、オイルレス方式のカラー定着装置の検討がなされてきた。その結果、離型性を有するワックスを内包させたタイプのトナーを用いることにより、従来のようにシリコンオイルを塗布しないでも、カラー画像の良好な定着ができることを見出し、カラー定着のオイルレス化を実現した。
【0012】
ワックスを内包させたタイプのトナーとしては、図1に示す重合トナーが例として挙げられる。重合トナーは、コア93、その上の樹脂層92およびその上の表層91から構成されており、コア93にはエステル系ワックスが内蔵され、樹脂層92はスチレン−ブチルアクリレート樹脂からなり、表層91はスチレン−ポリエステル樹脂からなっている。この重合トナーの比重は約1.05である。重合トナーが3層構造となっている理由は、コア93にワックスを内包することにより、定着工程でのオフセット防止効果を得、樹脂層の表層91を設けることにより、トナーの帯電効率の向上を図るためである。この重合トナーを使用するに際しては、摩擦帯電電荷の安定化のためにオイル処理したシリカを外添する。
【0013】
一般に、球形トナーの製造法としては、樹脂、低軟化点物質(ワックス)からなる離型剤、着色剤、荷電制御剤等を、加圧ニーダーやエクスクルーダーまたはメディア分散機を用いて均一に分散した後、機械的またはジェット気流下でターゲットに衝突させ、所望のトナー粒径に微粉砕化した後、さらに分級工程を経て粒度分布をシャープにしてトナー化するいわゆる粉砕方法;特公昭56−13954号公報等に記載のディスクまたは多流体ノズルを用いた溶融混合物を空気中に霧化し、球状トナーを得る方法;特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報および特開昭59−61842号公報に述べられている懸濁重合によりトナーを直接生成する重合法;単量体は可溶で、得られる重合体は不溶な水系有機溶剤を用いてトナーを直接生成する、ソープフリー重合法に代表される乳化重合法等が挙げられる。
【0014】
その他にも、ワックスを内包したトナーとして、従来から用いられている、粉砕法により作られたトナーもある。
【0015】
このようなトナーを定着するための定着装置として、定着ローラは、ワックスを内包したトナーとの離型性が良いフッ素樹脂、たとえばFEP、PFA+PTFEブレンドを表面に設けたローラ構成とすればよく、簡単なローラ構成でカラーのオイルレス定着ができる。また、加圧ローラにも同様なローラ構成を採用することにより、両面定着への対応が可能となり、連続プリント時のオフセットを防止することができる。このように簡単な構成で、従来のオイル塗布方式の定着装置と比べて、低コスト化の実現がなされた、オイルレス定着のできる定着器を以下で単にオイルレス定着器と呼ぶ。
【0016】
ところで、一般的な、定着装置においては、図2に示すように、トナー像が形成されている転写紙が定着ローラに巻きつくのを防止するために、分離爪などの転写材剥離手段を定着ローラや加圧ローラに当接させている場合がある。ここで、1が定着ローラ、2が加圧ローラ、5が転写材剥離手段(ここでは分離爪)である。一般的な定着器の動作としては、加熱源4によって定着ローラを加熱し、加圧ばね7によって、定着ローラ1と加圧ローラ2が加圧し回転されできたニップ部6に、トナー像Tが載った転写材Pを通すことで、トナー像を加熱圧接し転写紙Pに定着させ、必要な場合には、分離爪で、転写紙Pを定着ローラ1から、分離爪5で分離させて、定着器から紙を排出させる。また必要に応じて、定着ローラにオイルを塗布するまたは、定着ローラ上のオフセットトナーを回収する目的で、オイルを含浸させたウェブを定着ローラに当接させる場合がある。
【0017】
しかし、上記で説明してきた、オイルレス定着器においては、転写材剥離手段を定着ローラ、あるいは加圧ローラに当接させてしまうと、ローラの剥離手段当接部が、削れていってしまい、定着後のカラー画像にその削れ跡がでてしまうことがある。また、定着ローラにオフセットしたトナーがローラに当接している転写材剥離手段にたまっていき、あるタイミングで、そのトナーが吐き出されると、定着後のカラー画像に、爪部から吐き出されたトナーが載って、画像を汚してしまうことがある。そこで、分離爪当接部のローラ削れを減らす、または爪部から吐き出されるオフセットトナーの掃除のために、シリコンオイルを含浸させたウェブを当接させることが考えられる。しかし、これでは、低コスト化を実現したオイルレス定着器が、再びコストアップすることになってしまう。さらには、昨今の複写機。プリンタには、省スペース化も求められており、ウェブをつけることでの、定着装置の大型化という問題も生じる。
【0018】
ところが、トナーの種類によっては、ワックスを内包したトナーであっても、転写紙の坪量が小さい(64g/cm2程度の紙)場合で、かつ転写紙の先端にトナーが多く載った図3のような画像の場合、転写紙の剛性がなく、定着ローラに転写紙が巻き付いて、定着装置から排出されない場合がある。この場合、トナーに熱をよりたくさん与えて溶かすことで、トナーに内包されたワックスを、よりトナーの外側に押し出すことで、定着ローラへの転写紙の巻きつきを防止することが考えられる。しかしトナーに、より多くの熱を与えるには、定着ローラと加圧ローラの間に形成されるニップを大きくすることが必要になり、そのためには、定着ローラと加圧ローラの径を大きくすることが必要となる。すると結局定着装置が大型化することになってしまう。
【0019】
そこで、定着ローラに非接触に設けられた、転写紙を剥離させる手段が、昨今のプリンタ、複写機で提案されている。具体的に述べると、図4のように定着ローラの長手方向全域に板を定着ローラに非接触に設けたもの、あるいは、定着ローラに当接させて使う分離爪と同じものを、定着ローラに非接触に近接させて設けたものがある。一般的に電子写真方式の複写機・プリンタの画像には、図3に示したように転写紙の先端には、トナー像が載っていない部分(以後先端余白と呼ぶ)が設けられる。当然その部分は、定着ローラに巻きつくことは無く、定着ローラから離れているので、図5の様にその先端余白の定着ローラから離れた部分を、前記の板や分離爪に引っ掛けて、定着ローラから転写材を剥離させる仕組みである。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の転写材剥離手段を、長い間使っていると以下のような問題がトナーの種類や定着ローラの回転速度によっては生じることがわかった。それは、定着器を通って定着された直後の画像が、転写材分離手段に多少なりとも触ると、転写材上のトナーが定着された後であっても、少しずつ、転写材剥離手段の図4の▲1▼側の面にに付着してしまうことである。これにこれによりコピー機やプリンタを長期に渡って使用していると、今度は、転写材剥離手段にたまったトナーが逆にトナー像を定着した後の転写材に戻ってきて、プリンタ等からの出力画像を汚してしまうことになる。そこで本発明は、前述のオイルレス定着器において、定着ローラに非接触の転写材分離手段を設けた場合に、転写材分離手段に付着してしまったトナーで出力画像が汚れる欠陥の出づらい定着装置を備えた画像形成装置を提供できることを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
トナー像が形成される像担持体と、該像担持体上のトナー像を転写材に転写する転写手段と、筒状の加熱回転部材と加圧回転部材とを圧接させて、定着ニップ部を形成し、該定着ニップ部にトナー像を担持した該転写材を挿通することにより、該トナー像を加熱加圧して該記録材表面に定着させる定着装置を備えた画像形成装置において、定着装置の加熱回転部材から転写材を剥離させる、転写材剥離手段が、加熱回転部材と非接触に設けられており、該転写材剥離手段を移動する手段、及び画像形成装置がおかれている環境の温度及び湿度を検知する手段が設けられており前記検知手段の値に基づいて転写材剥離手段を移動することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
(実施例)
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。
図7は、本発明に係る定着装置が適用される画像形成装置の概略構成を示す縦断面図である。
【0023】
同図において、1は像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下「感光ドラム」という)であり、アルミニウムやニッケル等の導電性部材を円筒状に形成した基体の表面に感光層を設けたものである。感光層としては、OPC(有機半導体)、a−Si(アモルファスシリコン)等を使用することができる。感光ドラム1は、画像形成装置本体(不図示)によって回転自在に支持されおり、駆動手段(不図示)によって所定の周速(プロセススピード)で同図中、時計回り方向に回転駆動される。
【0024】
感光ドラム1の周囲には、その回転方向に沿ってほぼ順に、感光ドラム1表面を所定の極性に均一に帯電する帯電ローラ(帯電手段)2、帯電後の感光ドラム1表面を露光して画像情報に応じて静電潜像を形成する露光装置(露光手段)3、静電潜像にトナーを付着させてトナー像として現像する現像器(現像手段)4、感光ドラム1上のトナー像を紙等の記録材Pに転写する転写ローラ(転写手段)、転写後の感光ドラム1表面に残った転写残トナーを除去するクリーナ(クリーニング手段)7が配設されている。上述の転写ローラ5の、記録材Pの搬送方向についての下流側には、記録材P上に転写された未定着トナーを加熱加圧して定着する定着装置6が配設されている。
【0025】
また、転写ローラ5の、記録材Pの搬送方向についての上流側には、手差しされる定型以外の記録材Pがセットされる手差しトレイ21、手差しトレイ21上の記録材Pを給送する給紙ローラ22、搬送されてきた記録材Pと感光ドラム1上のトナー像との同期を取るレジストローラ24が配設されている。さらに、転写ローラ5の下方には、定型の記録材Pを収納する給紙カセット26、ここから記録材Pをレジストローラ24に向けて給送する給紙ローラ27が配設されている。同図中、23は、手差しされた記録材Pの後端を検知する後端検知センサであり、25はレジストセンサである。いずれも後述のように記録材Pの長さ検知手段として作用する。
【0026】
ついで、上述構成の画像形成装置の動作を簡単に説明する。
【0027】
図7中の時計回り回転駆動された感光ドラム1は、その表面が帯電ローラ2によって所定の電位に均一に帯電される。帯電後の感光ドラム1表面は、画像情報に応じてON/OFF制御される露光装置3からのレーザビームの走査露光(イメージ露光)を受けて静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像器4によってトナーが付着され、トナー像(可視画像)として現像される。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法、FEED現像法等が用いられ、上述のイメージ露光の組み合わせで反転現像が用いられることが多い。
【0028】
記録材Pは手差しトレイ21又は給紙カセット26から、給紙ローラ22又は給紙ローラ27によって取り出され、手差しトレイ21からの給紙の場合は後端検知センサ23で記録材サイズ検知、つまり記録材Pの搬送長さの検知が行われる。手差しトレイ21、給紙カセット26のいずれからの給紙の場合も、記録材Pは、レジストローラ24によって、感光ドラム1表面に形成されたトナー像と同期を取り、感光ドラム1と転写ローラ5とで形成される転写ニップ部に供給される。転写ニップ部において、感光ドラム1上のトナー像は電源(不図示)による転写バイアスの作用で記録材P表面に転写される。表面に未定着トナー像を担持した記録材Pは定着装置6に搬送され、表面の未定着トナー像が定着装置6の定着ニップ部で加熱加圧されて定着された後、装置本体外部に排出される。一方、トナー像の転写後の感光ドラム1は、表面に残った転写残トナーがクリーナ7によって除去され、次の画像形成に供される。28は、本画像形成装置が置かれている環境の温度及び湿度を検出するための温湿度センサであり、さらには、温湿度センサ28の検出値に基づいて、本画像形成装置の置かれている環境の絶対水分量(空気1kg中の水分量)を計算する不図示の電算部を備えている。
【0029】
ここで上述の定着装置6について、図8において詳述する。定着ローラ2として外径40mm、肉厚1mmのアルミニウム芯金21上に、厚さ2mmのシリコンゴム23を被せ、最外層に離型層として厚さ50μmのPFAチューブ層を設けてある。また加圧ローラは、直径20mmの鉄芯金11上に厚さ8mmの弾性層としてシリコンゴムに、離形層としてPFAチューブ50μmを被服してある。また2つのローラは周速150mm/sで回転駆動している。さらに定着ローラ内部には、ヒータ3が設けられており、内部より定着ローラを加熱する。また定着ローラ1の表面温度は、定着ローラと非接触に設けられた温度検知素子4によって検出され、不図示の温度制御回路によって、ヒータを断続的に作動させることで、上記表面温度は、所定の温度に制御される。定着ローラ及び加圧ローラの硬度は60°(1kg荷重でAsker−Cにて測定)である。上記加圧ローラを上記定着ローラに加圧力21.5N(ニュートン)で押し当て約6mmの定着ニップNを得た。
【0030】
また転写紙が、定着ローラに巻きつくのを防止するための転写材分離手段24(以下では非接触分離板金と呼ぶ)は、SUSの0.2mmの板を定着ローラ長手方向(紙面垂直方向)全域に近接させて設けられている。また非接触分離板を矢印Yの方向に移動することのできる非接触分離板金移動手段25も設けられている。また前記非接触分離板金25は、温湿度センサからの出力値をもとに計算された、画像形成装置がおかれている環境の絶対水分量に応じて、矢印Y方向に非接触分離板金を移動するようになっている。
【0031】
ここで、ワックスを内包した重合法によって作られた球形のキヤノン製黒色トナーAを用いて、転写材の分離性(転写材が定着ローラに巻きつくか、巻きつかないか)と非接触分離板金のトナー汚れの検討を行った。
【0032】
転写材は、A4サイズの坪量64g/cm2(転写材I)の再生紙を用い、図9のように先端余白を3〜5mmとして、転写材の進行方向に対して先端から5cmにトナーの載り量を1.0mg/cm2(本実施例のコピー機で、トナーが最も多量に載った状態)として、1分間に30枚の画像を出力した。本実施例のコピー機に使われる転写材の中で、転写材Iが、最も定着ローラに巻きつきやすく、トナーも載り量が多いほど、定着ローラに巻きつきやすいことは確認済みである。また非接触分離板金と定着ローラとの距離は、定着ローラが室温(23℃)の状態で、800μmとした。これは、定着ローラを190℃に温調してシリコンゴム等が膨張しても、非接触分離板金が定着ローラと接触しない距離である。
【0033】
まず、画像形成装置の置かれている環境の絶対水分量と転写材の分離性の検討を行なった結果を図6に示す。
【0034】
図6から、環境の絶対水分量が15g/kg以下であれば、非接触分離板金は無くても、転写材は定着器から排出できることがわかる。これは、環境の絶対水分量が大きいほど、転写材の含水分量が大きくなり、転写材の剛性がなくなり、定着ローラに巻きつきやすくなるためと考えられる。
【0035】
そこで、環境の絶対水分量が15g/kg以下の場合は、非接触分離板金を図10(b)のように、定着ローラから離しておき、環境の絶対水分量が15g/kg以上になったら、非接触分離板金を図10(a)のように定着ローラと800μmの距離に近接させることとすることで、環境の変化に応じて、非接触分離板金に、最もトナーが付着しづらいようにすることが可能となり、画像汚れもおきにくくなる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、トナー像が形成される像担持体と、該像担持体上のトナー像を転写材に転写する転写手段と、筒状の加熱回転部材と加圧回転部材とを圧接させて、定着ニップ部を形成し、該定着ニップ部にトナー像を担持した該転写材を挿通することにより、該トナー像を加熱加圧して該記録材表面に定着させる定着装置を備えた画像形成装置において、該転写材剥離手段を移動する手段、及び画像形成装置がおかれている環境の温度及び湿度を検知する手段が設けられており前記検知手段の値に基づいて転写材剥離手段を移動することで、転写材分離手段に付着してしまったトナーで出力画像が汚れる欠陥の出づらい定着装置を備えた画像形成装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】オイルを内包したトナーの一例としての重合トナーの構成を示す断面の概略図である。
【図2】従来技術の定着装置の概略を表す断面図である。
【図3】定着ローラ巻きつきが起こる画像例を示した図である。
【図4】従来例における非接触の転写材分離手段の一例を示す概略構成図である。
【図5】非接触の転写材分離手段が、定着ローラに巻きついた転写材を分離する仕組みを説明した図である。
【図6】実施例1における分離性の検討結果を示す表である。
【図7】実施例1における画像形成装置の概略図である。
【図8】実施例1における定着装置の概略を表す断面図である。
【図9】実施例1における検討用の画像を示した図である。
【図10】実施例1における、非接触分離板金の汚れの検討における、非接触分離板金の位置を示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式及び静電記録方式の画像形成装置、例えば、複写機、レーザビームプリンタ等に装着される接触加熱方式の定着装置及びこれを備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子写真方式のカラー複写機の製品開発は活発に行なわれているが、近年、レーザビーム方式のカラープリンタへの応用もなされつつあり、市場にもいくつかの機種が現れるようになってきている。ホストであるコンピュータ側のCPU性能、記憶容量等の向上あるいは電子カメラの登場により、パーソナルユースですら画像処理、カラーDTP(デスクトップパブリッシング、即ち、いわゆる電子出版)を日常的に行なうようになり、インクジェット方式の低価格のプリンタがかなり普及するようにもなっている。
【0003】
このようなことから、扱い可能な画像データがどんどん増加していくにつれて、ユーザのニーズとして、さらにより高画質な電子写真方式のカラープリンタが求められている。
【0004】
モノクロでは、レーザビームプリンタが低価格化したことと、高解像度、高信頼性が達成されたことによって、ビジネスユースにおいてはほぼ定番となっていることもあり、当レーザビーム方式のカラー化の要求は高い。ただ、今のところ装置全体が複雑、大型化するという問題等があり、普及率を高めるためには、より一層の小型化、低コスト化が必要である。また、使用形態がパーソナルユースに近づくことから、安全性の配慮や信頼性の向上が必要とされる。
【0005】
さて、カラートナーは、混色性およびOHTの透過性を高めるために、モノクロトナーに比べ低融点、低溶融粘度のシャープメルト性の材料で形成した非磁性トナーを用いている。このため、用紙上に形成したカラートナー像の定着時に、トナーが定着手段の定着ローラ表面に融着する、いわゆるオフセットを発生しやすい傾向にある。このため、カラーの定着では、離型剤として耐熱性のシリコンオイルを定着ローラ表面に塗布し、トナーのオフセットを防止する方式が採用されている。
【0006】
一方、定着ローラは、多色重ねの画像に対する追従性と定着性そのものの向上のために適度の弾性を備えることが必要であり、HTVゴム等の弾性層上に、LTV、RTV等の離型性が高いシリコンゴムで表面層を形成している。このシリコンゴムは、シリコンオイルと同種の材料であるため両者の親和性が高く、オイルがゴム表面だけでなく内部にも浸透して、高い離型性をもたらし、オフセット防止効果を発揮する。
【0007】
しかしながら、従来の画像形成装置のカラーの定着には以下のような問題があった。
【0008】
定着手段の定着ローラには直接オイルを塗布するが、定着ローラに圧接した下側の加圧ローラには、定着ローラからニップ(定着ニップ)を介して間接的にオイルが供給されるようにしているため、連続プリント時に加圧ローラにオイルを紙間でしか塗布できない。このため、加圧ローラのオイル塗布が途絶えがちになりやすく、加圧ローラのオフセット防止が不利なために、カラーDTPのための両面画像への対応が非常に困難であった。
【0009】
加圧ローラのオフセットを防止するためには、加圧ローラにもオイルを直接塗布すればよいが、そのための塗布機構を必要とすることから、装置が大型化、複雑化する問題がある。定着ローラに塗布するオイル量を多めにすることも考えられるが、用紙のオイル染みが発生しやすく、画像の品質、定着の信頼性等が低下する。また、定着ローラのオイルによる膨潤でローラ径の変化やゴムの剥れが生じやすくなり、これを防止するためにはオイルバリヤーの働きを持たせた中間層を必要とするなど、定着ローラの構成が複雑化し、コストアップする。通紙中に加圧ローラ表面にオイル付着量を確保できるように、加圧ローラへのクリーニングブレードの侵入量を小さくする等により、クリーニングブレードの当接圧をゆるく設定すると、今度はオイルの擦り抜けが起こりやすくなり、同様に、用紙へのオイル染みが発生する。
【0010】
上記のような問題の解決に加え、プリンタでは複写機以上の低コスト化が要請される問題もある。この低コスト化のために、より簡単な2層あるいは単層のローラ構成、およびオイル塗布が不要でオイルボトル等の消耗品のないフリーメンテナンス化が、開発の課題となっている。また、両面画像形成では、定着に2度のオイル塗布がなされるために、薄紙の用紙では紙透けが生じる問題がある。プリンタからプリントアウトされた紙透けを生じたカラー画像を原稿として、複写機でコピーすると、得られるカラー画像は裏写りが発生する。
【0011】
上記のような問題を克服するために、昨今では、オイルレス方式のカラー定着装置の検討がなされてきた。その結果、離型性を有するワックスを内包させたタイプのトナーを用いることにより、従来のようにシリコンオイルを塗布しないでも、カラー画像の良好な定着ができることを見出し、カラー定着のオイルレス化を実現した。
【0012】
ワックスを内包させたタイプのトナーとしては、図1に示す重合トナーが例として挙げられる。重合トナーは、コア93、その上の樹脂層92およびその上の表層91から構成されており、コア93にはエステル系ワックスが内蔵され、樹脂層92はスチレン−ブチルアクリレート樹脂からなり、表層91はスチレン−ポリエステル樹脂からなっている。この重合トナーの比重は約1.05である。重合トナーが3層構造となっている理由は、コア93にワックスを内包することにより、定着工程でのオフセット防止効果を得、樹脂層の表層91を設けることにより、トナーの帯電効率の向上を図るためである。この重合トナーを使用するに際しては、摩擦帯電電荷の安定化のためにオイル処理したシリカを外添する。
【0013】
一般に、球形トナーの製造法としては、樹脂、低軟化点物質(ワックス)からなる離型剤、着色剤、荷電制御剤等を、加圧ニーダーやエクスクルーダーまたはメディア分散機を用いて均一に分散した後、機械的またはジェット気流下でターゲットに衝突させ、所望のトナー粒径に微粉砕化した後、さらに分級工程を経て粒度分布をシャープにしてトナー化するいわゆる粉砕方法;特公昭56−13954号公報等に記載のディスクまたは多流体ノズルを用いた溶融混合物を空気中に霧化し、球状トナーを得る方法;特公昭36−10231号公報、特開昭59−53856号公報および特開昭59−61842号公報に述べられている懸濁重合によりトナーを直接生成する重合法;単量体は可溶で、得られる重合体は不溶な水系有機溶剤を用いてトナーを直接生成する、ソープフリー重合法に代表される乳化重合法等が挙げられる。
【0014】
その他にも、ワックスを内包したトナーとして、従来から用いられている、粉砕法により作られたトナーもある。
【0015】
このようなトナーを定着するための定着装置として、定着ローラは、ワックスを内包したトナーとの離型性が良いフッ素樹脂、たとえばFEP、PFA+PTFEブレンドを表面に設けたローラ構成とすればよく、簡単なローラ構成でカラーのオイルレス定着ができる。また、加圧ローラにも同様なローラ構成を採用することにより、両面定着への対応が可能となり、連続プリント時のオフセットを防止することができる。このように簡単な構成で、従来のオイル塗布方式の定着装置と比べて、低コスト化の実現がなされた、オイルレス定着のできる定着器を以下で単にオイルレス定着器と呼ぶ。
【0016】
ところで、一般的な、定着装置においては、図2に示すように、トナー像が形成されている転写紙が定着ローラに巻きつくのを防止するために、分離爪などの転写材剥離手段を定着ローラや加圧ローラに当接させている場合がある。ここで、1が定着ローラ、2が加圧ローラ、5が転写材剥離手段(ここでは分離爪)である。一般的な定着器の動作としては、加熱源4によって定着ローラを加熱し、加圧ばね7によって、定着ローラ1と加圧ローラ2が加圧し回転されできたニップ部6に、トナー像Tが載った転写材Pを通すことで、トナー像を加熱圧接し転写紙Pに定着させ、必要な場合には、分離爪で、転写紙Pを定着ローラ1から、分離爪5で分離させて、定着器から紙を排出させる。また必要に応じて、定着ローラにオイルを塗布するまたは、定着ローラ上のオフセットトナーを回収する目的で、オイルを含浸させたウェブを定着ローラに当接させる場合がある。
【0017】
しかし、上記で説明してきた、オイルレス定着器においては、転写材剥離手段を定着ローラ、あるいは加圧ローラに当接させてしまうと、ローラの剥離手段当接部が、削れていってしまい、定着後のカラー画像にその削れ跡がでてしまうことがある。また、定着ローラにオフセットしたトナーがローラに当接している転写材剥離手段にたまっていき、あるタイミングで、そのトナーが吐き出されると、定着後のカラー画像に、爪部から吐き出されたトナーが載って、画像を汚してしまうことがある。そこで、分離爪当接部のローラ削れを減らす、または爪部から吐き出されるオフセットトナーの掃除のために、シリコンオイルを含浸させたウェブを当接させることが考えられる。しかし、これでは、低コスト化を実現したオイルレス定着器が、再びコストアップすることになってしまう。さらには、昨今の複写機。プリンタには、省スペース化も求められており、ウェブをつけることでの、定着装置の大型化という問題も生じる。
【0018】
ところが、トナーの種類によっては、ワックスを内包したトナーであっても、転写紙の坪量が小さい(64g/cm2程度の紙)場合で、かつ転写紙の先端にトナーが多く載った図3のような画像の場合、転写紙の剛性がなく、定着ローラに転写紙が巻き付いて、定着装置から排出されない場合がある。この場合、トナーに熱をよりたくさん与えて溶かすことで、トナーに内包されたワックスを、よりトナーの外側に押し出すことで、定着ローラへの転写紙の巻きつきを防止することが考えられる。しかしトナーに、より多くの熱を与えるには、定着ローラと加圧ローラの間に形成されるニップを大きくすることが必要になり、そのためには、定着ローラと加圧ローラの径を大きくすることが必要となる。すると結局定着装置が大型化することになってしまう。
【0019】
そこで、定着ローラに非接触に設けられた、転写紙を剥離させる手段が、昨今のプリンタ、複写機で提案されている。具体的に述べると、図4のように定着ローラの長手方向全域に板を定着ローラに非接触に設けたもの、あるいは、定着ローラに当接させて使う分離爪と同じものを、定着ローラに非接触に近接させて設けたものがある。一般的に電子写真方式の複写機・プリンタの画像には、図3に示したように転写紙の先端には、トナー像が載っていない部分(以後先端余白と呼ぶ)が設けられる。当然その部分は、定着ローラに巻きつくことは無く、定着ローラから離れているので、図5の様にその先端余白の定着ローラから離れた部分を、前記の板や分離爪に引っ掛けて、定着ローラから転写材を剥離させる仕組みである。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の転写材剥離手段を、長い間使っていると以下のような問題がトナーの種類や定着ローラの回転速度によっては生じることがわかった。それは、定着器を通って定着された直後の画像が、転写材分離手段に多少なりとも触ると、転写材上のトナーが定着された後であっても、少しずつ、転写材剥離手段の図4の▲1▼側の面にに付着してしまうことである。これにこれによりコピー機やプリンタを長期に渡って使用していると、今度は、転写材剥離手段にたまったトナーが逆にトナー像を定着した後の転写材に戻ってきて、プリンタ等からの出力画像を汚してしまうことになる。そこで本発明は、前述のオイルレス定着器において、定着ローラに非接触の転写材分離手段を設けた場合に、転写材分離手段に付着してしまったトナーで出力画像が汚れる欠陥の出づらい定着装置を備えた画像形成装置を提供できることを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
トナー像が形成される像担持体と、該像担持体上のトナー像を転写材に転写する転写手段と、筒状の加熱回転部材と加圧回転部材とを圧接させて、定着ニップ部を形成し、該定着ニップ部にトナー像を担持した該転写材を挿通することにより、該トナー像を加熱加圧して該記録材表面に定着させる定着装置を備えた画像形成装置において、定着装置の加熱回転部材から転写材を剥離させる、転写材剥離手段が、加熱回転部材と非接触に設けられており、該転写材剥離手段を移動する手段、及び画像形成装置がおかれている環境の温度及び湿度を検知する手段が設けられており前記検知手段の値に基づいて転写材剥離手段を移動することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
(実施例)
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。
図7は、本発明に係る定着装置が適用される画像形成装置の概略構成を示す縦断面図である。
【0023】
同図において、1は像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下「感光ドラム」という)であり、アルミニウムやニッケル等の導電性部材を円筒状に形成した基体の表面に感光層を設けたものである。感光層としては、OPC(有機半導体)、a−Si(アモルファスシリコン)等を使用することができる。感光ドラム1は、画像形成装置本体(不図示)によって回転自在に支持されおり、駆動手段(不図示)によって所定の周速(プロセススピード)で同図中、時計回り方向に回転駆動される。
【0024】
感光ドラム1の周囲には、その回転方向に沿ってほぼ順に、感光ドラム1表面を所定の極性に均一に帯電する帯電ローラ(帯電手段)2、帯電後の感光ドラム1表面を露光して画像情報に応じて静電潜像を形成する露光装置(露光手段)3、静電潜像にトナーを付着させてトナー像として現像する現像器(現像手段)4、感光ドラム1上のトナー像を紙等の記録材Pに転写する転写ローラ(転写手段)、転写後の感光ドラム1表面に残った転写残トナーを除去するクリーナ(クリーニング手段)7が配設されている。上述の転写ローラ5の、記録材Pの搬送方向についての下流側には、記録材P上に転写された未定着トナーを加熱加圧して定着する定着装置6が配設されている。
【0025】
また、転写ローラ5の、記録材Pの搬送方向についての上流側には、手差しされる定型以外の記録材Pがセットされる手差しトレイ21、手差しトレイ21上の記録材Pを給送する給紙ローラ22、搬送されてきた記録材Pと感光ドラム1上のトナー像との同期を取るレジストローラ24が配設されている。さらに、転写ローラ5の下方には、定型の記録材Pを収納する給紙カセット26、ここから記録材Pをレジストローラ24に向けて給送する給紙ローラ27が配設されている。同図中、23は、手差しされた記録材Pの後端を検知する後端検知センサであり、25はレジストセンサである。いずれも後述のように記録材Pの長さ検知手段として作用する。
【0026】
ついで、上述構成の画像形成装置の動作を簡単に説明する。
【0027】
図7中の時計回り回転駆動された感光ドラム1は、その表面が帯電ローラ2によって所定の電位に均一に帯電される。帯電後の感光ドラム1表面は、画像情報に応じてON/OFF制御される露光装置3からのレーザビームの走査露光(イメージ露光)を受けて静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像器4によってトナーが付着され、トナー像(可視画像)として現像される。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法、FEED現像法等が用いられ、上述のイメージ露光の組み合わせで反転現像が用いられることが多い。
【0028】
記録材Pは手差しトレイ21又は給紙カセット26から、給紙ローラ22又は給紙ローラ27によって取り出され、手差しトレイ21からの給紙の場合は後端検知センサ23で記録材サイズ検知、つまり記録材Pの搬送長さの検知が行われる。手差しトレイ21、給紙カセット26のいずれからの給紙の場合も、記録材Pは、レジストローラ24によって、感光ドラム1表面に形成されたトナー像と同期を取り、感光ドラム1と転写ローラ5とで形成される転写ニップ部に供給される。転写ニップ部において、感光ドラム1上のトナー像は電源(不図示)による転写バイアスの作用で記録材P表面に転写される。表面に未定着トナー像を担持した記録材Pは定着装置6に搬送され、表面の未定着トナー像が定着装置6の定着ニップ部で加熱加圧されて定着された後、装置本体外部に排出される。一方、トナー像の転写後の感光ドラム1は、表面に残った転写残トナーがクリーナ7によって除去され、次の画像形成に供される。28は、本画像形成装置が置かれている環境の温度及び湿度を検出するための温湿度センサであり、さらには、温湿度センサ28の検出値に基づいて、本画像形成装置の置かれている環境の絶対水分量(空気1kg中の水分量)を計算する不図示の電算部を備えている。
【0029】
ここで上述の定着装置6について、図8において詳述する。定着ローラ2として外径40mm、肉厚1mmのアルミニウム芯金21上に、厚さ2mmのシリコンゴム23を被せ、最外層に離型層として厚さ50μmのPFAチューブ層を設けてある。また加圧ローラは、直径20mmの鉄芯金11上に厚さ8mmの弾性層としてシリコンゴムに、離形層としてPFAチューブ50μmを被服してある。また2つのローラは周速150mm/sで回転駆動している。さらに定着ローラ内部には、ヒータ3が設けられており、内部より定着ローラを加熱する。また定着ローラ1の表面温度は、定着ローラと非接触に設けられた温度検知素子4によって検出され、不図示の温度制御回路によって、ヒータを断続的に作動させることで、上記表面温度は、所定の温度に制御される。定着ローラ及び加圧ローラの硬度は60°(1kg荷重でAsker−Cにて測定)である。上記加圧ローラを上記定着ローラに加圧力21.5N(ニュートン)で押し当て約6mmの定着ニップNを得た。
【0030】
また転写紙が、定着ローラに巻きつくのを防止するための転写材分離手段24(以下では非接触分離板金と呼ぶ)は、SUSの0.2mmの板を定着ローラ長手方向(紙面垂直方向)全域に近接させて設けられている。また非接触分離板を矢印Yの方向に移動することのできる非接触分離板金移動手段25も設けられている。また前記非接触分離板金25は、温湿度センサからの出力値をもとに計算された、画像形成装置がおかれている環境の絶対水分量に応じて、矢印Y方向に非接触分離板金を移動するようになっている。
【0031】
ここで、ワックスを内包した重合法によって作られた球形のキヤノン製黒色トナーAを用いて、転写材の分離性(転写材が定着ローラに巻きつくか、巻きつかないか)と非接触分離板金のトナー汚れの検討を行った。
【0032】
転写材は、A4サイズの坪量64g/cm2(転写材I)の再生紙を用い、図9のように先端余白を3〜5mmとして、転写材の進行方向に対して先端から5cmにトナーの載り量を1.0mg/cm2(本実施例のコピー機で、トナーが最も多量に載った状態)として、1分間に30枚の画像を出力した。本実施例のコピー機に使われる転写材の中で、転写材Iが、最も定着ローラに巻きつきやすく、トナーも載り量が多いほど、定着ローラに巻きつきやすいことは確認済みである。また非接触分離板金と定着ローラとの距離は、定着ローラが室温(23℃)の状態で、800μmとした。これは、定着ローラを190℃に温調してシリコンゴム等が膨張しても、非接触分離板金が定着ローラと接触しない距離である。
【0033】
まず、画像形成装置の置かれている環境の絶対水分量と転写材の分離性の検討を行なった結果を図6に示す。
【0034】
図6から、環境の絶対水分量が15g/kg以下であれば、非接触分離板金は無くても、転写材は定着器から排出できることがわかる。これは、環境の絶対水分量が大きいほど、転写材の含水分量が大きくなり、転写材の剛性がなくなり、定着ローラに巻きつきやすくなるためと考えられる。
【0035】
そこで、環境の絶対水分量が15g/kg以下の場合は、非接触分離板金を図10(b)のように、定着ローラから離しておき、環境の絶対水分量が15g/kg以上になったら、非接触分離板金を図10(a)のように定着ローラと800μmの距離に近接させることとすることで、環境の変化に応じて、非接触分離板金に、最もトナーが付着しづらいようにすることが可能となり、画像汚れもおきにくくなる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、トナー像が形成される像担持体と、該像担持体上のトナー像を転写材に転写する転写手段と、筒状の加熱回転部材と加圧回転部材とを圧接させて、定着ニップ部を形成し、該定着ニップ部にトナー像を担持した該転写材を挿通することにより、該トナー像を加熱加圧して該記録材表面に定着させる定着装置を備えた画像形成装置において、該転写材剥離手段を移動する手段、及び画像形成装置がおかれている環境の温度及び湿度を検知する手段が設けられており前記検知手段の値に基づいて転写材剥離手段を移動することで、転写材分離手段に付着してしまったトナーで出力画像が汚れる欠陥の出づらい定着装置を備えた画像形成装置を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】オイルを内包したトナーの一例としての重合トナーの構成を示す断面の概略図である。
【図2】従来技術の定着装置の概略を表す断面図である。
【図3】定着ローラ巻きつきが起こる画像例を示した図である。
【図4】従来例における非接触の転写材分離手段の一例を示す概略構成図である。
【図5】非接触の転写材分離手段が、定着ローラに巻きついた転写材を分離する仕組みを説明した図である。
【図6】実施例1における分離性の検討結果を示す表である。
【図7】実施例1における画像形成装置の概略図である。
【図8】実施例1における定着装置の概略を表す断面図である。
【図9】実施例1における検討用の画像を示した図である。
【図10】実施例1における、非接触分離板金の汚れの検討における、非接触分離板金の位置を示す図である。
Claims (1)
- トナー像が形成される像担持体と、該像担持体上のトナー像を転写材に転写する転写手段と、筒状の加熱回転部材と加圧回転部材とを圧接させて、定着ニップ部を形成し、該定着ニップ部にトナー像を担持した該転写材を挿通することにより、該トナー像を加熱加圧して該記録材表面に定着させる定着装置を備えた画像形成装置において、
定着装置の加熱回転部材から転写材を剥離させる、転写材剥離手段が、加熱回転部材と非接触に設けられており、
該転写材剥離手段を移動する手段、及び画像形成装置がおかれている環境の温度及び湿度を検知する手段が設けられており
前記検知手段の値に基づいて転写材剥離手段を移動することを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
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