JP2004184259A - カレンダ機構付き時計 - Google Patents
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Abstract
【課題】日付を進めるときと日付を戻すときにも、正確に日付変更が可能なカレンダ機構付き時計を提供すること。
【解決手段】日ジャンパ12の剛体の規正部12aは、平面形状が二等辺三角形の係合端部を有する略五角形の部材であって、固定の案内ピン12eが係合する縦長の案内溝12dが形成された部材である。日ジャンパ12のばね部は、一対の左右対称に湾曲した板ばね12bと12cで構成されている。板ばね12bと12cは、その一端は固定ネジ12fに固定され、且つその他端は剛体の規正部12aの左右に夫々一体に固着されている。このような構成によって、日ジャンパ12の剛体の規正部12aは、日車11のピッチ円に対する法線方向に移動するように配置され、且つ板ばね12bと12cで日車11の内歯11aに押しつけられている。
【選択図】 図1
【解決手段】日ジャンパ12の剛体の規正部12aは、平面形状が二等辺三角形の係合端部を有する略五角形の部材であって、固定の案内ピン12eが係合する縦長の案内溝12dが形成された部材である。日ジャンパ12のばね部は、一対の左右対称に湾曲した板ばね12bと12cで構成されている。板ばね12bと12cは、その一端は固定ネジ12fに固定され、且つその他端は剛体の規正部12aの左右に夫々一体に固着されている。このような構成によって、日ジャンパ12の剛体の規正部12aは、日車11のピッチ円に対する法線方向に移動するように配置され、且つ板ばね12bと12cで日車11の内歯11aに押しつけられている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、31枚の内歯が形成された日車と、隣合う2つの内歯に係合して日車の回転方向に沿った位置を規正する日ジャンパと、1日に1日分だけ日車を回転させる日回し車を有するカレンダ機構付き時計に関する。
【0002】
【従来の技術】
【従来の技術】
31枚の内歯が形成された日車と、隣合う2つの内歯に係合して日車の回転方向に沿った位置を規正する日ジャンパと、1日に1日分だけ日車を回転させる日回し車を有するカレンダ機構付き時計は、特許文献1、特許文献2及び特許文献3などに開示されている。
【0003】
隣合う2つの内歯に係合して日車の回転方向に沿った位置を規正する日ジャンパは、時計に加えられた衝撃などによって日車が回転しないように日車の位置を規正すると共に、日回し車が日車を回転させるときには内歯の1枚分だけ確実に回転する部品で、日車の内歯と係合する剛体の日ジャンパ規正部と前記日ジャンパ規正部を日車の内歯と係合する方向に押圧する日ジャンパばね部とを有する。
【0004】
即ち、図4に示す特許文献1に開示されたカレンダ機構付き時計において、日ジャンパ116は、日車案内板118から延伸したばね部116bの先端に剛体の規正部116aが形成されたものである。この日ジャンパ116は、日車案内板118と一体に形成された部品である。このような構成により、ばね部116bの弾性力によって規正部116aは日車110の内歯に係合されている。
【0005】
また、図5に示す特許文献2に開示されたカレンダ機構付き時計において、日ジャンパ1416は、略L字状の剛体の支持部の一端から延伸したばね部1416fの先端に剛体の規正部1416a,1416bが形成されたものである。略L字状の剛体の支持部は回転軸1416cに支持され、その他端である尾部1416tは地板1412に形成された位置決め部1412dに当接し、位置決めされている。このような構成により、ばね部1416fの弾性力によって規正部1416a,1416bは日車1410の内歯1410a,1410bに係合されている。
【0006】
また、図6に示す特許文献3に開示されたカレンダ機構付き時計において、日ジャンパ54は、U字状に湾曲されたばね部54aと剛体の規正部54bを有する。日車51の内歯に係合する三角形の係合端が形成された剛体の規正部54bは、回転軸54cによって地板に回動自在に取り付けられている。規正部54bの三角形の係合端とは反対側の端部にはばね部54aの一端が一体に固着されている。ばね部54aの他端には当接部が形成され、前記当接部は日車案内板56に当接されている。このような構成により、U字状に湾曲されたばね部54aの弾性力によって、規正部54bは日車51の内歯に係合されている。
【0007】
更に、図7に示すカレンダ機構付き時計に採用されている従来の日ジャンパ12は、剛体の規正部12aとU字状に湾曲されたばね部12kを有する。日車11の内歯11aに係合する三角形の係合端が形成された剛体の規正部12aは、回転軸12lによって地板13に回動自在に取り付けられている。規正部12aの三角形の係合端とは反対側の端部にはばね部12kの一端が一体に固着されている。ばね部12kの他端は地板13に立設された固定ピン12mに当接され、これによってばね部12kの湾曲は固定ピン12mの位置で規正されている。このような構成により、U字状に湾曲されたばね部12kの弾性力によって、規正部12aは日車11の内歯11aに係合されている。
【0008】
ばね部と規正部とで構成されている日ジャンパの形状は様々であるが、従来の日ジャンパは日車を規正位置に保持すると共に日送りの際の日付変更を正確に行えるような構造となっている。即ち、図7の規正部12aと日車11の内歯11aとの係合状態から理解されるように、規正部12aの左側の係合面12aaと左側の内歯11aaとの係合角度と規正部12aの右側の係合面12abと右側の内歯11abとの係合角度を比較すると、前者が後者よりも鋭角になっている。従って、日車は反時計方向には回転し難くされている。これは、通常は日付を戻すことがないからである。しかしながら、海外旅行が日常的になってきた現代では、日付変更の際に日付を戻す必要がある。ところが、上述した従来の日ジャンパ構造では、日付を戻すときにばね部の弾性力に抗して加えられる巻真の回転力は日送りの場合よりも大きく、そのため日付が2日も戻るという正確でない日付変更が発生することがあった。
【0009】
【特許文献1】特開平10−300868号公報
【特許文献2】特開平11−281772号公報
【特許文献3】特開2001−141848号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、日車の回転方向に沿った位置を規正する日ジャンパを有する時計において、日付を進めるときは勿論のこと、日付を戻すときにも正確に日付変更が可能なカレンダ機構付き時計を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、日車の内歯と係合する剛体の規正部と前記規正部を日車の内歯に押しつけるばね部とを有して日車の回転方向に沿った位置を規正する日ジャンパを備える時計において、日ジャンパを日車のピッチ円に対する法線方向に移動するように配置された剛体の規正部と、剛体の規正部を日車の内歯に押しつけるばね部とで構成した。
【0012】
そして、日ジャンパの剛体の規正部を、平面形状が二等辺三角形の係合端部を有する略五角形の部材であって、且つ固定の案内ピンが係合する縦長の案内溝が形成された部材で構成した。
【0013】
また、剛体の規正部を日車の内歯に押しつけるばね部の代表的なもは、一対の左右対称に湾曲した板ばねを用いたもの、一対の左右に張り渡された板ばねを用いたもの、及び1個のコイルバネを用いたものの3種類である。
【0014】
即ち、剛体の規正部を日車の内歯に押しつけるばね部は一対の左右対称に湾曲した板ばねであって、その一端は同じ固定位置に固定され、且つその他端は前記剛体の規正部の左右に夫々固着された一対の板ばねで構成されている。
【0015】
また、剛体の規正部を日車の内歯に押しつけるばね部は、一対の左右対称に張り渡された板ばねであって、その一端は左右対称の固定位置に夫々固定され、且つその他端は前記剛体の規正部の左右に夫々固着された一対の板ばねで構成されている。
【0016】
更に、剛体の規正部を日車の内歯に押しつけるばね部は、一端が日車のピッチ円に対する法線方向の固定位置に固定され、且つ他端が前記剛体の規正部に固着されたコイルバネで構成されている。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、理解を容易にするために時車や日回し車などの部品を示さず、日車11、第1実施形態の日ジャンパ12、地板13及び巻真14のみを示したカレンダ機構付き時計の平面図である。
【0018】
第1実施形態の日ジャンパ12は、日車11のピッチ円に対する法線方向に移動するように配置された剛体の規正部12aと、夫々の一端が規正部12aに一体に固着された一対の左右対称に湾曲した板ばね12bと12cとを有するばね部とで構成されたものである。
【0019】
剛体の規正部12aは、平面形状が二等辺三角形の係合端部を有する略五角形の部材であって、且つ固定の案内ピン12eが係合する縦長の案内溝12dが形成された部材である。固定の案内ピン12eは地板13に立設されている。
【0020】
一対の左右対称に湾曲した板ばね12bと12cとで構成されたばね部において、左側の板ばね12bと右側の板ばね12cの一端は、日車のピッチ円に対する法線方向に位置する固定点で、固定ネジ12fによって地板13に固定されている。
【0021】
このような構成の第1実施形態の日ジャンパ12において、剛体の規正部12aは、日車11のピッチ円に対する法線方向に移動する。剛体の規正部12aの移動量は、案内ピン12eと係合する案内溝12dの長さによって制限される。従って、第1実施形態の日ジャンパ12は、その剛体の規正部12aが一対の左右対称に湾曲した板ばね12bと12cによって日車11の内歯11aに押しつけられる。それ故、第1実施形態の日ジャンパ12は、日車を所定の位置に確実に規正し、時計の落下等の衝撃によって誤った日送りや日戻しが発生することがない。しかも、剛体の規正部12aの二等辺三角形の係合端部と日車の隣合う2つの内歯との係合は左右対称になっている。このため、日車の回転トルクは日送りの際と日戻しの際で変わらないから、日送りも日戻しも円滑に行われる。
【0022】
次に、図2は、理解を容易にするために時車や日回し車などの部品を示さず、日車11、第2実施形態の日ジャンパ12、地板13及び巻真14のみを示したカレンダ機構付き時計の平面図である。
【0023】
第2実施形態の日ジャンパ12は、日車11のピッチ円に対する法線方向に移動するように配置された剛体の規正部12aと、夫々の一端が剛体の規正部12aに一体に固着された左右対称に延伸した板ばね12bと12cとを有するばね部とで構成されたものである。
【0024】
剛体の規正部12aは、平面形状が二等辺三角形の係合端部を有する略五角形の部材であって、且つ固定の案内ピン12eが係合する縦長の案内溝12dが形成された部材である。固定の案内ピン12eは地板13に立設されている。
【0025】
一対の左右対称に延伸した板ばね12bと12cとで構成されたばね部において、左側の板ばね12bの延伸端は固定ピン12gに当接し、右側の板ばね12cの延伸端は固定ピン12hに当接している。固定ピン12gと固定ピン12hは、左右対称の位置で地板13に夫々立設されている。
【0026】
このような構成の第2実施形態の日ジャンパ12において、剛体の規正部12aは、日車11のピッチ円に対する法線方向に移動する。そして、剛体の規正部12aの移動量は、案内ピン12eと係合する案内溝12dの長さによって制限される。従って、第2実施形態の日ジャンパ12は、その剛体の規正部12aが一対の左右対称に延伸した板ばね12bと12cによって日車11の内歯11aに押しつけられる。それ故、第1実施形態の日ジャンパ12は、日車を所定の位置に確実に規正し、時計の落下等の衝撃によって誤った日送りや日戻しが発生することがない。しかも、剛体の規正部12aの二等辺三角形の係合端部と日車の隣合う2つの内歯との係合は左右対称になっている。このため、日車の回転トルクは日送りの際と日戻しの際で変わらないから、日送りも日戻しも円滑に行われる。
【0027】
更に、図3は、理解を容易にするために時車や日回し車などの部品を示さず、日車11、第3実施形態の日ジャンパ12、地板13及び巻真14のみを示したカレンダ機構付き時計の平面図である。
【0028】
第3実施形態の日ジャンパ12は、日車11のピッチ円に対する法線方向に移動するように配置された剛体の規正部12aと、コイル状のばね部12jとで構成されたものである。
【0029】
剛体の規正部12aは、平面形状が二等辺三角形の係合端部を有する略五角形の部材であって、且つ固定の案内ピン12eが係合する縦長の案内溝12dが形成された部材である。固定の案内ピン12eは地板13に立設されている。
【0030】
コイル状のばね部12jは、一端は日車11のピッチ円に対する法線方向に配置された固定ピン12nに固定され、且つ他端は剛体の規正部12aに固着されている。コイル状のばね部12jの他端が固着される部分は、剛体の規正部12aの日車11の内歯11aと反対側の端部である。
【0031】
このような構成の第3実施形態の日ジャンパ12において、剛体の規正部12aは、日車11のピッチ円に対する法線方向に移動する。そして、剛体の規正部12aの移動量は、案内ピン12eと係合する案内溝12dの長さによって制限される。従って、第3実施形態の日ジャンパ12は、その剛体の規正部12aがコイル状のばね部12jによって日車11の内歯11aに押しつけられる。それ故、第3実施形態の日ジャンパ12は、日車を所定の位置に確実に規正し、時計の落下等の衝撃によって誤った日送りや日戻しが発生することがない。しかも、剛体の規正部12aの二等辺三角形の係合端部と日車の隣合う2つの内歯との係合は左右対称になっている。このため、日車の回転トルクは日送りの際と日戻しの際で変わらないから、日送りも日戻しも円滑に行われる。
【0032】
【発明の効果】
本発明により、日車の内歯と係合する剛体の規正部と前記規正部を日車の内歯に押しつけるばね部とを有して日車の回転方向に沿った位置を規正する日ジャンパを備える時計において、日付を進めるときは勿論のこと、日付を戻すときにも正確に日付変更が可能なカレンダ機構付き時計を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたカレンダ機構付き時計の日車と第1実施形態の日ジャンパのみを示した平面図である。
【図2】本発明が適用されたカレンダ機構付き時計の日車と第2実施形態の日ジャンパのみを示した平面図である。
【図3】本発明が適用されたカレンダ機構付き時計の日車と第3実施形態の日ジャンパのみを示した平面図である。
【図4】第1の従来のカレンダ機構付き時計の平面図である。
【図5】第2の従来のカレンダ機構付き時計の平面図である。
【図6】第3の従来のカレンダ機構付き時計の平面図である。
【図7】第4の従来のカレンダ機構付き時計の日車と日ジャンパのみを示した拡大平面図である。
【符号の説明】
11 日車
11a 内歯
11aa 左側の内歯
11ab 右側の内歯
12 日ジャンパ
12a 剛体の規正部
12aa 左側の係合面
12ab 右側の係合面
12b 左側の板ばね
12c 右側の板ばね
12d 案内溝
12e 案内ピン
12f 固定ネジ
12g 固定ピン
12h 固定ピン
12j コイル状のばね部
12k U字状に湾曲されたばね部
12l 回転軸
12m 固定ピン
13 地板
14 巻真
【発明の属する技術分野】
本発明は、31枚の内歯が形成された日車と、隣合う2つの内歯に係合して日車の回転方向に沿った位置を規正する日ジャンパと、1日に1日分だけ日車を回転させる日回し車を有するカレンダ機構付き時計に関する。
【0002】
【従来の技術】
【従来の技術】
31枚の内歯が形成された日車と、隣合う2つの内歯に係合して日車の回転方向に沿った位置を規正する日ジャンパと、1日に1日分だけ日車を回転させる日回し車を有するカレンダ機構付き時計は、特許文献1、特許文献2及び特許文献3などに開示されている。
【0003】
隣合う2つの内歯に係合して日車の回転方向に沿った位置を規正する日ジャンパは、時計に加えられた衝撃などによって日車が回転しないように日車の位置を規正すると共に、日回し車が日車を回転させるときには内歯の1枚分だけ確実に回転する部品で、日車の内歯と係合する剛体の日ジャンパ規正部と前記日ジャンパ規正部を日車の内歯と係合する方向に押圧する日ジャンパばね部とを有する。
【0004】
即ち、図4に示す特許文献1に開示されたカレンダ機構付き時計において、日ジャンパ116は、日車案内板118から延伸したばね部116bの先端に剛体の規正部116aが形成されたものである。この日ジャンパ116は、日車案内板118と一体に形成された部品である。このような構成により、ばね部116bの弾性力によって規正部116aは日車110の内歯に係合されている。
【0005】
また、図5に示す特許文献2に開示されたカレンダ機構付き時計において、日ジャンパ1416は、略L字状の剛体の支持部の一端から延伸したばね部1416fの先端に剛体の規正部1416a,1416bが形成されたものである。略L字状の剛体の支持部は回転軸1416cに支持され、その他端である尾部1416tは地板1412に形成された位置決め部1412dに当接し、位置決めされている。このような構成により、ばね部1416fの弾性力によって規正部1416a,1416bは日車1410の内歯1410a,1410bに係合されている。
【0006】
また、図6に示す特許文献3に開示されたカレンダ機構付き時計において、日ジャンパ54は、U字状に湾曲されたばね部54aと剛体の規正部54bを有する。日車51の内歯に係合する三角形の係合端が形成された剛体の規正部54bは、回転軸54cによって地板に回動自在に取り付けられている。規正部54bの三角形の係合端とは反対側の端部にはばね部54aの一端が一体に固着されている。ばね部54aの他端には当接部が形成され、前記当接部は日車案内板56に当接されている。このような構成により、U字状に湾曲されたばね部54aの弾性力によって、規正部54bは日車51の内歯に係合されている。
【0007】
更に、図7に示すカレンダ機構付き時計に採用されている従来の日ジャンパ12は、剛体の規正部12aとU字状に湾曲されたばね部12kを有する。日車11の内歯11aに係合する三角形の係合端が形成された剛体の規正部12aは、回転軸12lによって地板13に回動自在に取り付けられている。規正部12aの三角形の係合端とは反対側の端部にはばね部12kの一端が一体に固着されている。ばね部12kの他端は地板13に立設された固定ピン12mに当接され、これによってばね部12kの湾曲は固定ピン12mの位置で規正されている。このような構成により、U字状に湾曲されたばね部12kの弾性力によって、規正部12aは日車11の内歯11aに係合されている。
【0008】
ばね部と規正部とで構成されている日ジャンパの形状は様々であるが、従来の日ジャンパは日車を規正位置に保持すると共に日送りの際の日付変更を正確に行えるような構造となっている。即ち、図7の規正部12aと日車11の内歯11aとの係合状態から理解されるように、規正部12aの左側の係合面12aaと左側の内歯11aaとの係合角度と規正部12aの右側の係合面12abと右側の内歯11abとの係合角度を比較すると、前者が後者よりも鋭角になっている。従って、日車は反時計方向には回転し難くされている。これは、通常は日付を戻すことがないからである。しかしながら、海外旅行が日常的になってきた現代では、日付変更の際に日付を戻す必要がある。ところが、上述した従来の日ジャンパ構造では、日付を戻すときにばね部の弾性力に抗して加えられる巻真の回転力は日送りの場合よりも大きく、そのため日付が2日も戻るという正確でない日付変更が発生することがあった。
【0009】
【特許文献1】特開平10−300868号公報
【特許文献2】特開平11−281772号公報
【特許文献3】特開2001−141848号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、日車の回転方向に沿った位置を規正する日ジャンパを有する時計において、日付を進めるときは勿論のこと、日付を戻すときにも正確に日付変更が可能なカレンダ機構付き時計を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、日車の内歯と係合する剛体の規正部と前記規正部を日車の内歯に押しつけるばね部とを有して日車の回転方向に沿った位置を規正する日ジャンパを備える時計において、日ジャンパを日車のピッチ円に対する法線方向に移動するように配置された剛体の規正部と、剛体の規正部を日車の内歯に押しつけるばね部とで構成した。
【0012】
そして、日ジャンパの剛体の規正部を、平面形状が二等辺三角形の係合端部を有する略五角形の部材であって、且つ固定の案内ピンが係合する縦長の案内溝が形成された部材で構成した。
【0013】
また、剛体の規正部を日車の内歯に押しつけるばね部の代表的なもは、一対の左右対称に湾曲した板ばねを用いたもの、一対の左右に張り渡された板ばねを用いたもの、及び1個のコイルバネを用いたものの3種類である。
【0014】
即ち、剛体の規正部を日車の内歯に押しつけるばね部は一対の左右対称に湾曲した板ばねであって、その一端は同じ固定位置に固定され、且つその他端は前記剛体の規正部の左右に夫々固着された一対の板ばねで構成されている。
【0015】
また、剛体の規正部を日車の内歯に押しつけるばね部は、一対の左右対称に張り渡された板ばねであって、その一端は左右対称の固定位置に夫々固定され、且つその他端は前記剛体の規正部の左右に夫々固着された一対の板ばねで構成されている。
【0016】
更に、剛体の規正部を日車の内歯に押しつけるばね部は、一端が日車のピッチ円に対する法線方向の固定位置に固定され、且つ他端が前記剛体の規正部に固着されたコイルバネで構成されている。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、理解を容易にするために時車や日回し車などの部品を示さず、日車11、第1実施形態の日ジャンパ12、地板13及び巻真14のみを示したカレンダ機構付き時計の平面図である。
【0018】
第1実施形態の日ジャンパ12は、日車11のピッチ円に対する法線方向に移動するように配置された剛体の規正部12aと、夫々の一端が規正部12aに一体に固着された一対の左右対称に湾曲した板ばね12bと12cとを有するばね部とで構成されたものである。
【0019】
剛体の規正部12aは、平面形状が二等辺三角形の係合端部を有する略五角形の部材であって、且つ固定の案内ピン12eが係合する縦長の案内溝12dが形成された部材である。固定の案内ピン12eは地板13に立設されている。
【0020】
一対の左右対称に湾曲した板ばね12bと12cとで構成されたばね部において、左側の板ばね12bと右側の板ばね12cの一端は、日車のピッチ円に対する法線方向に位置する固定点で、固定ネジ12fによって地板13に固定されている。
【0021】
このような構成の第1実施形態の日ジャンパ12において、剛体の規正部12aは、日車11のピッチ円に対する法線方向に移動する。剛体の規正部12aの移動量は、案内ピン12eと係合する案内溝12dの長さによって制限される。従って、第1実施形態の日ジャンパ12は、その剛体の規正部12aが一対の左右対称に湾曲した板ばね12bと12cによって日車11の内歯11aに押しつけられる。それ故、第1実施形態の日ジャンパ12は、日車を所定の位置に確実に規正し、時計の落下等の衝撃によって誤った日送りや日戻しが発生することがない。しかも、剛体の規正部12aの二等辺三角形の係合端部と日車の隣合う2つの内歯との係合は左右対称になっている。このため、日車の回転トルクは日送りの際と日戻しの際で変わらないから、日送りも日戻しも円滑に行われる。
【0022】
次に、図2は、理解を容易にするために時車や日回し車などの部品を示さず、日車11、第2実施形態の日ジャンパ12、地板13及び巻真14のみを示したカレンダ機構付き時計の平面図である。
【0023】
第2実施形態の日ジャンパ12は、日車11のピッチ円に対する法線方向に移動するように配置された剛体の規正部12aと、夫々の一端が剛体の規正部12aに一体に固着された左右対称に延伸した板ばね12bと12cとを有するばね部とで構成されたものである。
【0024】
剛体の規正部12aは、平面形状が二等辺三角形の係合端部を有する略五角形の部材であって、且つ固定の案内ピン12eが係合する縦長の案内溝12dが形成された部材である。固定の案内ピン12eは地板13に立設されている。
【0025】
一対の左右対称に延伸した板ばね12bと12cとで構成されたばね部において、左側の板ばね12bの延伸端は固定ピン12gに当接し、右側の板ばね12cの延伸端は固定ピン12hに当接している。固定ピン12gと固定ピン12hは、左右対称の位置で地板13に夫々立設されている。
【0026】
このような構成の第2実施形態の日ジャンパ12において、剛体の規正部12aは、日車11のピッチ円に対する法線方向に移動する。そして、剛体の規正部12aの移動量は、案内ピン12eと係合する案内溝12dの長さによって制限される。従って、第2実施形態の日ジャンパ12は、その剛体の規正部12aが一対の左右対称に延伸した板ばね12bと12cによって日車11の内歯11aに押しつけられる。それ故、第1実施形態の日ジャンパ12は、日車を所定の位置に確実に規正し、時計の落下等の衝撃によって誤った日送りや日戻しが発生することがない。しかも、剛体の規正部12aの二等辺三角形の係合端部と日車の隣合う2つの内歯との係合は左右対称になっている。このため、日車の回転トルクは日送りの際と日戻しの際で変わらないから、日送りも日戻しも円滑に行われる。
【0027】
更に、図3は、理解を容易にするために時車や日回し車などの部品を示さず、日車11、第3実施形態の日ジャンパ12、地板13及び巻真14のみを示したカレンダ機構付き時計の平面図である。
【0028】
第3実施形態の日ジャンパ12は、日車11のピッチ円に対する法線方向に移動するように配置された剛体の規正部12aと、コイル状のばね部12jとで構成されたものである。
【0029】
剛体の規正部12aは、平面形状が二等辺三角形の係合端部を有する略五角形の部材であって、且つ固定の案内ピン12eが係合する縦長の案内溝12dが形成された部材である。固定の案内ピン12eは地板13に立設されている。
【0030】
コイル状のばね部12jは、一端は日車11のピッチ円に対する法線方向に配置された固定ピン12nに固定され、且つ他端は剛体の規正部12aに固着されている。コイル状のばね部12jの他端が固着される部分は、剛体の規正部12aの日車11の内歯11aと反対側の端部である。
【0031】
このような構成の第3実施形態の日ジャンパ12において、剛体の規正部12aは、日車11のピッチ円に対する法線方向に移動する。そして、剛体の規正部12aの移動量は、案内ピン12eと係合する案内溝12dの長さによって制限される。従って、第3実施形態の日ジャンパ12は、その剛体の規正部12aがコイル状のばね部12jによって日車11の内歯11aに押しつけられる。それ故、第3実施形態の日ジャンパ12は、日車を所定の位置に確実に規正し、時計の落下等の衝撃によって誤った日送りや日戻しが発生することがない。しかも、剛体の規正部12aの二等辺三角形の係合端部と日車の隣合う2つの内歯との係合は左右対称になっている。このため、日車の回転トルクは日送りの際と日戻しの際で変わらないから、日送りも日戻しも円滑に行われる。
【0032】
【発明の効果】
本発明により、日車の内歯と係合する剛体の規正部と前記規正部を日車の内歯に押しつけるばね部とを有して日車の回転方向に沿った位置を規正する日ジャンパを備える時計において、日付を進めるときは勿論のこと、日付を戻すときにも正確に日付変更が可能なカレンダ機構付き時計を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたカレンダ機構付き時計の日車と第1実施形態の日ジャンパのみを示した平面図である。
【図2】本発明が適用されたカレンダ機構付き時計の日車と第2実施形態の日ジャンパのみを示した平面図である。
【図3】本発明が適用されたカレンダ機構付き時計の日車と第3実施形態の日ジャンパのみを示した平面図である。
【図4】第1の従来のカレンダ機構付き時計の平面図である。
【図5】第2の従来のカレンダ機構付き時計の平面図である。
【図6】第3の従来のカレンダ機構付き時計の平面図である。
【図7】第4の従来のカレンダ機構付き時計の日車と日ジャンパのみを示した拡大平面図である。
【符号の説明】
11 日車
11a 内歯
11aa 左側の内歯
11ab 右側の内歯
12 日ジャンパ
12a 剛体の規正部
12aa 左側の係合面
12ab 右側の係合面
12b 左側の板ばね
12c 右側の板ばね
12d 案内溝
12e 案内ピン
12f 固定ネジ
12g 固定ピン
12h 固定ピン
12j コイル状のばね部
12k U字状に湾曲されたばね部
12l 回転軸
12m 固定ピン
13 地板
14 巻真
Claims (5)
- 日車の内歯と係合する剛体の規正部と前記規正部を日車の内歯に押しつけるばね部とを有して日車の回転方向に沿った位置を規正する日ジャンパを有する時計において、前記日ジャンパは日車のピッチ円に対する法線方向に移動するように配置された剛体の規正部と前記剛体の規正部を日車の内歯に押しつけるばね部とで構成されたものであることを特徴とするカレンダ機構付き時計。
- 前記剛体の規正部は、平面形状が二等辺三角形の係合端部を有する略五角形の部材であって、且つ固定の案内ピンが係合する縦長の案内溝が形成された部材であることを特徴とする請求項1のカレンダ機構付き時計。
- 前記ばね部は、一対の左右対称に湾曲した板ばねであって、その一端は同じ固定位置に固定され、且つその他端は前記剛体の規正部の左右に夫々固着された一対の板ばねで構成されていることを特徴とする請求項1のカレンダ機構付き時計。
- 前記ばね部は、一対の左右対称に張り渡された板ばねであって、その一端は左右対称の固定位置に夫々固定され、且つその他端は前記剛体の規正部の左右に夫々固着された一対の板ばねで構成されていることを特徴とする請求項1のカレンダ機構付き時計。
- 前記ばね部は、一端が日車のピッチ円に対する法線方向の固定位置に固定され、且つ他端が前記剛体の規正部に固着されたコイルバネで構成されていることを特徴とする請求項1のカレンダ機構付き時計。
Priority Applications (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2002
- 2002-12-04 JP JP2002352216A patent/JP2004184259A/ja active Pending
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