JP2004184188A - 磁歪式トルクセンサ - Google Patents

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剛 久保田
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Abstract

【課題】トルク受感部に磁気異方性を持たせるための加工が容易であるとともに高感度かつ高精度であり、さらにコストの低減も図ることのできる磁歪式トルクセンサを提供する。
【解決手段】回転軸の長手方向の中心軸に対して0度より大きく90度より小さい角度をなす方向に直線状に貫通または穿設されて成る複数の孔部を有し、前記回転軸に加わるトルクを受感する第1および第2の受感部を備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コイルを流れる電流によって磁化された強磁性体製の回転軸に加わるトルクに起因する回転軸の歪に伴う透磁率の変化に基づいてトルクを検出する磁歪式トルクセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
磁歪効果を利用した非接触式の磁歪式トルクセンサは、強磁性体から成る回転軸にトルクが加わるときの歪に応じた回転軸自身の透磁率変化により、その周囲に巻回されたコイルを含む交流抵抗のインピーダンス変化が生じ、このインピーダンス変化からトルクを検出するものである。
【0003】
従来、このような磁歪式トルクセンサにおいて、トルクを正確に検知するとともに、温度特性を改善するために、トルクが作用する回転軸の中心軸線に対して傾斜した方向の磁気異方性を有する2組の磁歪材を、それぞれ逆方向を指向するように傾斜させて配置する試みがなされている。
【0004】
例えば、以下に示す特許文献1では、トルク受感部をなす磁歪材にらせん状の溝を形成し、その磁歪材を一般鋼で挟む形で接合するによって磁気異方性を発現させる技術についての開示がなされている。
【0005】
また、トルク受感部に磁歪材の膜を形成し、回転軸に対してねじり応力を加えた状態で熱処理を施すことによって磁気異方性を発現させ技術も提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−330524号公報
【0007】
【特許文献2】
特開2002−82000号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術のうち、特許文献1に開示されている技術の場合、溝を形成するための加工が難しいために手間がかかり、トルクの検出特性にばらつきが生じる恐れがあるのは勿論のこと、非効率かつ高コストであった。
【0009】
また、特許文献2に開示されている技術の場合、ねじり応力を加えた状態で熱処理を施すため、成膜室の大きさが制限される上、熱処理前の工程が増加するなど、やはり効率とコストの面で改善すべき点があった。
【0010】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、トルク受感部に磁気異方性を持たせるための加工が容易であるとともに高感度かつ高精度であり、さらにコストの低減も図ることのできる磁歪式トルクセンサを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の本発明は、強磁性体から成る回転軸の周囲に磁場を与えるためのコイルを巻回し、外部から加わるトルクによる前記回転軸の歪に起因する透磁率の変化に基づいて前記トルクを検知する磁歪式トルクセンサにおいて、前記回転軸の長手方向の中心軸に対して0度より大きく90度より小さい角度をなす方向に直線状に貫通または穿設されて成る複数の孔部を有し、前記回転軸に加わるトルクを受感する第1および第2の受感部を備えたことを要旨とする。
【0012】
請求項1記載の本発明によれば、磁歪式トルクセンサにおいて、前記回転軸の長手方向の中心軸に対して0度より大きく90度より小さい角度をなす方向に直線状に貫通または穿設されて成る複数の孔部を有し、前記回転軸に加わるトルクを受感する第1および第2の受感部を備えることにより、トルク受感部に磁気異方性を持たせるための加工が容易であるとともに高感度かつ高精度であり、さらにコストの低減も実現することができる。
【0013】
請求項2記載の本発明は、請求項1記載の発明において、前記第1および第2の受感部は、前記回転軸の長手方向の中心軸と直交する軸のいずれかを対称軸として互いに対称な形状をなすことを要旨とする。
【0014】
請求項3記載の本発明は、請求項1または2記載の発明において、前記第1および第2の受感部は、前記複数の孔部の各々の位置が、前記回転軸の所定角回転後に当該回転前の前記複数の孔部のいずれかの位置と一致する回転対称性を有することを要旨とする。
【0015】
請求項4記載の本発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、前記複数の孔部は、少なくとも前記回転軸の長手方向の中心軸に対して45度の角度をなす方向に貫通または穿設されて成ることを要旨とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る磁歪式トルクセンサの構成を表す部分断面図である。同図に示す磁歪式トルクセンサ1は、外部からのトルクにより回転する回転軸11、回転軸11上でトルクを直接受感する受感部13Aおよび13B(第1および第2の受感部)、受感部13Aおよび13Bの周囲にそれぞれ巻回されるコイル15Aおよび15B、以上の部位を収容するヨーク17から少なくとも構成されている。
【0018】
回転軸11は、ベアリング19Aおよび19Bを介して磁歪式トルクセンサ1本体に対して回転可能に支持されている。この回転軸11は、通過する磁束の状態に応じて非磁性体でもよいし強磁性体でもよい。図1においては、回転軸11の両端は異なる形状をなしている。これは、ベアリング19A側をモータに連結する一方で、ベアリング19B側をブレーキに連結し、そのモータで回転軸11を回転させ、ブレーキをかけたときに生じるトルクが回転軸11に加わる場合を想定しているためであるが、両端の構成はこれに限られるわけではなく、両端が他の形状を有する場合でも以後の説明は全く変わらない。
【0019】
ヨーク17は磁性材料から成り、回転軸11とともにコイルを流れる電流によって生じる磁束を還流させて磁束の磁路を構成する。
【0020】
なお、図示はしないが、各コイルの外側にさらに2次コイルをそれぞれ巻回し、それらとコイル15Aおよび15Bとの相互誘導を利用してトルクを検出する構成にすることも可能である。
【0021】
また、図1は、あくまで磁歪式トルクセンサ1要部の構成を示すものであり、図面記載を簡略化している部分もある。例えば、磁歪式トルクセンサ1を適用対象に固定するためのネジ等の部材については記載を省略している。
【0022】
図2は、図1に示す磁歪式トルクセンサ1の矢視A方向の側面図である。同図に示すように、磁歪式トルクセンサ1のヨーク17側面が円形をなしていることが好ましいが、回転軸11の長手方向中心軸(軸心)に対して対称であれば、適用対象や磁歪式トルクセンサ1の配置位置等に応じて適宜変更可能である。
【0023】
受感部13Aおよび13Bは、回転軸11上に孔部としての貫通孔を複数設けることによって構成され、回転軸11の長手方向の中心軸に対して0度より大きく90度より小さい所定の傾斜角をなす方向に磁気異方性を有している。磁気異方性とは、巨視的な磁化が一定方向を指向する傾向のことであり、外部磁場がないときに磁化が安定する方向、すなわち内部エネルギー(または磁気異方性エネルギー)が安定する方向は磁化容易軸と呼ばれる。
【0024】
このような磁気異方性を持たせるために、回転軸11のうち周囲にコイル15Aまたは15Bが巻回されている部分には、複数の貫通孔がドリル等を用いて回転軸11を貫通することによって設けられている。図1の受感部13Aおよび13Bに記載した破線は、貫通孔の一部を明示するために記載したものである。
【0025】
図3は、回転軸11上で貫通されて成る貫通孔の一構成例を示す説明図である。図3(a)は、回転軸11表面における複数の貫通孔の配列を示す側面図である。同図に示す場合、複数の貫通孔21は、回転軸11上に規則的に二列に配列されるようにドリル等によって貫通されて形成される。より具体的には、直径が10mm程度の回転軸11に対して、1.5mm径のドリルで貫通した2列をなす貫通孔21が設けられている。
【0026】
図3(b)は、図3(a)の矢視B方向の側面図であり、貫通孔21は破線により表示している。
【0027】
貫通孔21は、それぞれ図3(a)の矢視C方向のY−Y線断面図と矢視D方向のX−X線断面図である図3(c)と図3(d)に示すように、回転軸11の長手方向に対して45度の傾斜角をなす方向に直線状に貫通されて成る。
【0028】
加えて、回転軸11(特にそのうちの受感部13Aおよび13B)は、長手方向の中心軸に対して180度回転対称になっている。すなわち、回転軸11を長手方向の中心軸に対して180度回転させると、各貫通孔21が回転前のいずれかの貫通孔21の位置に一致する。このような対称性を持たせるのは、回転軸11の磁気異方性の方向が揃うようにした方が感度を高くすることができるためである。
【0029】
貫通孔21は、回転軸11の長手方向中心軸に対して45度をなしていれば、受感部13Aおよび13Bの感度を上げる意味で最も好ましい。それ以外でも回転軸11の長手方向と平行でなければ構わないが、貫通孔を設けるときの加工の難易度は傾斜角によらないので、以後、最適値である45度の角度で貫通孔21を形成したものとして説明する。
【0030】
図4は、外部からトルクが加わるときに受感部13Aおよび13Bに加わる作用を模式的に示す説明図である。
【0031】
このうち図4(a)は、受感部13AがP方向に回転(図で受感部13の左側面から見たときに反時計回りに回転)するトルクが加わっている。このようなトルクが加わると受感部13Aの表面では引張変形を受け、受感部13Aの透磁率が増加する。その結果、受感部13Aを貫通する磁束も増加する。
【0032】
他方、図4(b)は、図4(a)と同様に受感部13BがP方向に回転するトルクが加わっている。この場合、受感部13Bの形状は、図4(a)とは鉛直方向を対称軸として対称な方向を指向しているため、特性が図4(a)の場合と逆になり、受感部13Bに圧縮変形が生じ、受感部13Bの透磁率は減少する。その結果、受感部13Bを貫通する磁束も減少する。
【0033】
以上説明したように、磁化容易軸の方向が異なる二つの受感部13Aおよび13Bを回転軸11に設けることにより、トルクを受感するときの二つのコイル15Aおよび15Bにおける自己インダクタンス変化の差がトルクの大きさに応じて大きくなるため、この差を差動増幅することによってトルクに対応するセンサ出力信号を得ることができる。このセンサ信号の大きさと出力値の正負により、トルクの大きさおよび方向を検出することができる。また、二つの受感部13Aおよび13Bを用いれば、前述した感度の向上に加えて、温度特性の改善も実現することができる。
【0034】
ちなみに、二つの受感部に設けられる貫通孔21の傾斜方向を逆にして本実施形態に係る磁歪式トルクセンサを構成することも勿論可能である。
【0035】
従来のように、受感部の表面に溝等を設けることによって磁気異方性を発現させる場合には、切削加工を行うための高度な技術が必要になる。これに対して本実施形態の磁歪式トルクセンサ1は、回転軸11をドリル等で貫通するだけの簡単な加工で済み、加工時間の大幅な削減とコストダウンを図ることが可能となる。
【0036】
ところで、貫通孔21の径およびその数、並びに貫通位置は、回転軸11の軸径や磁歪式トルクセンサ1の適用対象に応じた所望の感度等に応じて適宜変化する。
【0037】
例えば、回転軸11の軸径が大きい場合には、貫通孔をさらに多数設けることが可能になる。図5は、そのような例を示す説明図である。回転軸11には、図5(a)に示すように4つの貫通孔の列が設けられている。このうち、回転軸11の長手方向中心軸に近い方の列をなす複数の貫通孔を貫通孔31と記載する一方、遠い方の列をなす複数の貫通孔を貫通孔33と記載する。なお、図5(a)の貫通孔31および33は、1.5mm径のドリルを用いて形成してもよいし、軸径が大きいことに鑑みて、3mm径のドリルを用いて形成してもよい。
【0038】
図5(b)は、図5(a)の矢視E方向の側面図である。同図に示すように、貫通孔は、回転軸11の軸心に近い方に列をなす貫通孔31と、それらの貫通孔31よりも回転軸11の表面に近いほうで貫通される貫通孔33とがそれぞれ対をなして設けられており、回転軸11の長手方向中心軸に対して180度の回転対称性を有する。
【0039】
図5(c)は、貫通孔31の形成例を示す図5(a)の矢視F方向のX’−X’線断面図である。また、図5(d)は、貫通孔33の形成例を示す図5(a)の矢視F方向のY’−Y’線断面図である。これらの図からも明らかなように、貫通孔31および33は、すべて回転軸11の長手方向中心軸に対して45度の傾斜角をなすように貫通されている。
【0040】
図5を用いて説明した場合のように、さらに多数の貫通孔を設けることにより、回転軸11の全体積中で磁気異方性を有する体積の割合が増加するので、感度を一段と向上させることができる。
【0041】
なお、軸径が大きくさらに多数の貫通孔を設けることができる場合には、たとえば軸心に対する回転対称性をさらに高めることも可能である。感度だけを考慮した場合、理想的には円と同様の回転対称性を有していれば最も好ましいが、実際には適用対象に応じて確保すべきトルクレンジや軸径は異なるため、個々のケースに対して感度と体積減による強度変化のバランスを保持しうる最適な貫通方法を選択することになる。
【0042】
図6は、貫通孔を多数設けるとともに、回転軸11の軸心に対する回転対称性をさらに高めた場合の例を示す説明図である。
【0043】
このうち、図6(a)は、複数の貫通孔の配列を示す側面図である。同図に示す複数の貫通孔は、回転軸11上に規則的に配列されるようにドリル等によって貫通される。各貫通孔が回転軸11の長手方向中心軸に対して45度の角度をなす点については上述した場合(図3を参照)と同様であるが、図6(a)の矢視G方向の側面図である図6(b)に示すように、図3の場合よりも高い回転対称性を有する。より具体的には、表面で列をなす直線状の貫通孔41、43、および45は、矢視G方向から見ると、互いに60度の角度をなして貫通されているように見える。したがって、回転軸11を長手方向中心軸に対して120度回転したときに、各貫通孔は回転前のいずれかの貫通孔の位置にする。すなわち、回転軸11は長手方向中心軸に対して120度の回転対称性を有している。
【0044】
なお、図6(b)の矢視H方向のZ−Z断面図は、図5(b)に示したものと同様である。
【0045】
また、図6においても、1.5mm径または3mm径のドリルによって同じ径を有する複数の貫通孔を形成することに変わりはない。
【0046】
このように回転軸11の軸心方向に対する対称性を高めることにより、回転軸11の最表面に近い部分に磁気異方性を発現させることが可能となるため、本実施形態に係る磁歪式トルクセンサの感度を向上させる意味ではより好ましい。
【0047】
例えば、回転軸11の長手方向中心軸に対して、一般に(360/n)度回転対称(nは2以上の整数)となるように貫通孔を形成することができる。このうち、90度回転対称(n=4)の場合には、図6(b)に対応する側面図において、貫通孔が正方形の各辺(の一部)に対応する。また、72度回転対称(n=5)の場合には、図6(b)に対応する側面図において、貫通孔は正5角形の各辺(の一部)に対応する。
【0048】
この意味では、円と同程度の回転対称性を有するように貫通孔を設ければ感度をいくらでもよくすることができるが、一方で貫通技術の難度が高くなるとともに、回転軸11の強度が弱くなるという問題も生じる。そこで、適用対象によって感度と体積減による強度変化のバランスを優先させる必要も出てくるので、貫通孔をどのように設けるかは、適用対象に応じて最適なものを選択するのが望ましい。
【0049】
図7は、回転軸11の第4の構成例を示す説明図である。このうち図7(a)は側面図を示し、図7(b)は図7(a)の矢視I方向の側面図を示している。
【0050】
磁束を通すのは回転軸11の表面なので、貫通孔はできるだけ軸心から遠く最表面に近い方が望ましい。そこで、磁束が通る表面積を増加させるために、図7においては、貫通孔51を図3と同様に設けた後、回転軸11の一部を削り、貫通孔51を露出させ、さらに感度を上昇を図っている。また、この形状を鍛造により形成することで、さらに加工難易度を低下し、その結果加工時間を一段と短縮することができる。
【0051】
以上説明した本発明の一実施形態によれば、貫通孔をドリルで貫通して貫通孔を設けるだけの簡単な加工で済むため、上記従来技術で説明した場合のような切削、マスキング等の難しい加工が不要であり、回転軸に磁気異方性を発現させるための加工が容易である。したがって、加工時間も大幅に短縮可能であり、コストも削減できる。
【0052】
また、溶射等を用いる場合のように、磁歪材を無駄に消費することがないため、材料費も削減できる。
【0053】
以上説明した磁歪式トルクセンサは、例えば、電動アシスト自転車や電動車椅子等、人力に加えて電動モータを補助駆動力として利用する小型電動移動体において、人力によって外部から加わるトルクを検出する場合、あるいはオートバイ等の自動二輪車、四輪バギー、水上ビーグル等の操舵軸上に設けてハンドル操作時の回転トルクを検出するために好適である。これらの適用対象ごとに、磁歪式トルクセンサの大きさや回転軸の径、検出するトルクの絶対値および要求精度は異なる。しかしながら、その基本構成はいずれも上述したものに他ならない。
【0054】
ところで、本発明は、以上説明した実施の形態のみに限られるわけではない。
【0055】
例えば、回転軸11に複数の貫通孔を設ける代わりに、穿設によって有底の孔部である穿設孔61を複数設けることによって受感部13Aおよび13Bを構成してもよい。図8は、この場合の受感部の一構成例を示す説明図であり、図8(a)の側面図に対して、図8(b)が矢視J方向のW−W線断面図を、図8(c)が矢視K方向のV−V線断面図をそれぞれ示している。なお、図8においては、穿設孔61の穿設方向が回転軸11の長手方向中心軸に対して45度の角度をなす最適な場合を図示している。
【0056】
以上のように構成される受感部を有する回転軸11が、長手方向中心軸に対して180度の回転対称性を有するのは明らかである。なお、上述した貫通孔の場合と同様に、さらに高い回転対称性を有する形状の回転軸11を形成することも可能である。
【0057】
このように穿設孔を複数設けることによって受感部を構成する場合にも、上述した実施の形態と同様の効果が得られるのは勿論であり、特に、孔部の体積増により磁歪式トルクセンサの感度を向上させる意味で大きな効果を得ることができる。
【0058】
この例からも明らかなように、本発明は、上述した実施の形態と同様の効果を奏する範囲内において、種々の設計変更等を行うことが可能であるとともに、前述した以外にもさまざまな適用例を想定することができる。すなわち、本発明は、上記実施形態と同様の効果を奏するさまざまな実施の形態等を含みうるものである。
【0059】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明によれば、トルク受感部に磁気異方性を持たせるための加工が容易であるとともに高感度かつ高精度であり、さらにコストの低減も図ることのできる磁歪式トルクセンサを提供することができる。
【0060】
特に、本発明によれば、トルクを受感するのに最適な磁気異方性を容易に受感部に持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る磁歪式トルクセンサの構成を示す部分断面図である。
【図2】図1の矢視A方向の側面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る磁歪式トルクセンサの受感部の構成例を示す説明図である。
【図4】外部からトルクが加わり、受感部に透磁率変化が生じる場合の概略を示す説明図である。
【図5】受感部の別な構成例を示す説明図である。
【図6】受感部の第3の構成例を示す説明図である。
【図7】受感部の第4の構成例を示す説明図である。
【図8】本発明の別な実施形態に係る磁歪式トルクセンサの受感部の構成例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 磁歪式トルクセンサ
11 回転軸
13、13A、13B 受感部
15A、15B コイル
17 ヨーク
19A、19B ベアリング
21、31、33、41、43、45、51 貫通孔
61 穿設孔

Claims (4)

  1. 強磁性体から成る回転軸の周囲に磁場を与えるためのコイルを巻回し、外部から加わるトルクによる前記回転軸の歪に起因する透磁率の変化に基づいて前記トルクを検知する磁歪式トルクセンサにおいて、
    前記回転軸の長手方向の中心軸に対して0度より大きく90度より小さい角度をなす方向に直線状に貫通または穿設されて成る複数の孔部を有し、前記回転軸に加わるトルクを受感する第1および第2の受感部を備えたことを特徴とする磁歪式トルクセンサ。
  2. 前記第1および第2の受感部は、前記回転軸の長手方向の中心軸と直交する軸のいずれかを対称軸として互いに対称な形状をなすことを特徴とする請求項1記載の磁歪式トルクセンサ。
  3. 前記第1および第2の受感部は、前記複数の孔部の各々の位置が、前記回転軸の所定角回転後に当該回転前の前記複数の孔部のいずれかの位置と一致する回転対称性を有することを特徴とする請求項1または2記載の磁歪式トルクセンサ。
  4. 前記複数の孔部は、少なくとも前記回転軸の長手方向の中心軸に対して45度の角度をなす方向に貫通または穿設されて成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の磁歪式トルクセンサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009122042A (ja) * 2007-11-16 2009-06-04 Toshiba Corp 磁歪式トルクセンサシャフトの製造方法

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