JP2004184112A - ストローク情報計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】泳者の特定部位を追尾することなく、ストローク情報を高精度に計測することを可能としたストローク情報計測装置を提供する。
【解決手段】水泳中の泳者150を撮像手段2により撮像し、演算部3の画素抽出手段で、取得した各画像データ中の所定の計測ラインに対応する位置の画素データを抽出し、その積算手段で抽出した画素の画素値を二値化して積算し、通過時間判定手段では積算データの時系列変化から泳者150の計測ライン通過時間を判定し、サーバー部5へ送付する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水泳中の泳者を撮像することにより、泳者の各ストロークに要する時間や各ストロークにより進行する距離等を測定するためのストローク情報計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
競泳においては、泳者のペース配分が競技力向上のための重要な要素の1つとなっている。そのため、泳者の各ストロークに要する時間(以下、「ストローク時間」とする)や各ストロークにより進行する距離(以下、「ストローク距離」とする)といったストローク情報の測定が求められている。
【0003】
従来から、このようなストローク情報の測定は、水泳中の泳者をビデオ等で撮影し、人間がそのビデオ映像を見ながらストップウォッチを用いて測定するというように、人手に頼って行われていた。
【0004】
ストローク情報を測定する技術としては、特許文献1や特許文献2の技術が知られている。特許文献1には、水泳中の泳者の動きをモーションキャプチャで捉えるとの記載がある。また、特許文献2には、泳者の特定部位に計測ターゲットを付し、これらをカメラにより画像検出することで測定を行うとの記載がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−159173号公報(0014〜0018段落、図2)
【特許文献2】
特開2002−277481号公報(0035〜0049段落、図2〜図6)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、水泳中の泳者は、水面上に露出する部位は泳者の動きによって変わり、また、泳法によってもその部位は異なる。そのため、水面上に設置したカメラによっても水中カメラによっても所定のターゲット部位を連続して追尾することが難しい。さらに、水飛沫や波の影響によってターゲット部位の追尾はより困難を強いられる。
【0007】
そこで本発明は、泳者の特定部位を追尾することなく、ストローク情報を高精度に計測することを可能としたストローク情報計測装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係るストローク情報計測装置は、水泳中の泳者を撮像手段により撮像して、取得した画像データを基にして泳者のストローク情報を測定するストローク情報測定装置において、取得した各画像データにおいて所定の計測ラインに対応する位置の画素データを抽出抽出する画素抽出手段と、抽出した画素の画素値を二値化して積算する積算手段と、積算手段から出力された積算データの時系列変化から泳者の計測ライン通過時間を判定する通過時間判定手段と、を備えているものである。
【0009】
設定した計測ライン上の画素データを抽出して二値化することで、コースの背景データ(プール床面、水面、コースロープ等)から水泳中の泳者の身体画像に対応する画素データを泳者の泳法・姿勢によらずに正確に抽出することができる。そして、こうして二値化したデータを積算することで、コース上の所定の計測ラインを泳者が通過する時点を高精度に判定することが可能となる。この装置によれば、泳者にターゲットを付す必要がないため、簡便でかつ、泳法・姿勢等によらない測定が可能となる。また、泳ぎを妨げることがないので、競技大会や通常の練習時にも測定が可能となり、泳者のトレーニングに役立つ。
【0010】
この撮像手段を泳者の泳ぐコースに沿って複数台配列してコースに沿って所定の計測ラインを複数配列することが好ましい。計測ラインを複数配列することで、区間ごとのラップタイムの測定等を容易に行えるようになる。
【0011】
計測ラインごとに測定した泳者の計測ライン通過時間データと、計測ラインの位置データとを基にして、ストローク周期を含むストロークに関する情報を算出するストローク情報算出部をさらに備えていることが好ましい。計測ライン通過時間データは、泳者の体の一部が計測ラインを通過した時点を示すデータであり、その計測ラインを通過したときの泳者の姿勢によって、計測ラインを最初に通過する体の箇所は異なってくる。そして、手や足といった部位は、頭部や胴部といった身体の中心部に対して周期的に動かされるため、泳者の身体の最先端位置は、泳法のストロークに応じて周期的に移動することになる。しかしながら、1ストロークより短い数m以内の距離においては、頭部や胴部といった身体の中心部は、ほぼ一定のスピードで移動する。また、どの泳法においても頭部が周期的に移動する泳者の身体の最先端に位置することになるため、計測ライン通過データから、身体中心部の移動を推定することが可能である。そして、身体中心部の移動と、計測ライン通過時間データにおける周期性から、ストロークごとの移動距離や移動速度、平均速度、ストロークの時間等のストローク情報を算出することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の参照番号を附し、重複する説明は省略する。
【0013】
図1は、本発明に係るストローク情報計測装置の構成を示す概略構成図であり、図2〜図4は、その詳細な部分構成図である。ストローク情報計測装置1は、プール100内でコースロープ110によって区切られたコース120内を水泳中の泳者150を撮像する複数のデジタル映像出力可能なビデオカメラ(撮像手段)2で撮像し、撮像データを各ビデオカメラ2ごとに設けられた演算部3で処理して、処理データをLAN等のネットワーク部4で接続されたサーバー部5に送り、さらにストローク情報を求めたうえで、同じネットワーク部4に接続された表示処理部6へ送り、所望の情報を表示モニター7上に表示せしめる。
【0014】
ビデオカメラ2は、プール100のコース120方向に沿って複数台配列されており、例えば、プール100を見下ろす天井、壁面あるいはコース脇に沿って設置される。各ビデオカメラ2は、8コース設けられているコース120全てを同時に撮像するものであり、隣接するビデオカメラ2の撮像範囲を一部重ね合わせることで、コース120の一端から他端までを撮像可能としている。このビデオカメラ2は、NTSC(National Television System Committee)コンポジットビデオ信号をA/D変換した画像信号を出力する機能を有する。この画像信号は、例えば、各フレームサイズが640×480、各画素情報は、RGB24bitである。なお、ビデオカメラ2自体はアナログビデオ信号を出力するものであって、各演算部3で、または各演算部3とビデオカメラ2との間に接続されるA/D変換器によってビデオ信号をA/D変換する構成としてもよい。
【0015】
各演算部3、サーバー部5、表示処理部6は、いずれもCPU、メモリ、ハードディスク等の記憶手段、通信手段、入出力手段から構成されており、専用のシステムであっても、汎用のパーソナルコンピューター、EWS等を基にしたシステムであってもよい。後述する各機能部は、ハード的に区分されている場合のほか、ソフトウェアによって区分されている場合も含む。
【0016】
各演算部3は図2に示されるように、ビデオカメラ2から転送されてきた画像データを一時的に蓄積しておく画像メモリ部30と、計測範囲を設定する領域設定部31と、計測範囲における計測ライン上の画素データを抽出する画素抽出部(画素抽出手段)32と、抽出した画素の積算を行う積算部(積算手段)33と、積算されてデータを時系列に整理する時系列データ変換部34と、時系列に整理されたデータから泳者の通過時間を判定する通過時間判定部(通過時間判定手段)35と、ネットワーク部4との通信を行う送受信部36と、全体の制御を行う制御部37とからなる。演算部2は、図1に示されるように各ビデオカメラ2に対応して1つずつ設けてもよいし、後述する計測ライン(計測位置)をビデオカメラ2の1台あたり複数箇所配置する場合には、高速処理を容易にするため、ビデオカメラ2の1台あたり複数の演算部3を配置してもよい。逆に、演算部3の演算処理性能が高い場合には、複数のビデオカメラ2から送られた画像データを1つの演算部3で処理してもよい。ビデオカメラ2と演算部3とが1対1に対応していない場合には、ビデオカメラ2をネットワーク部4に接続する構成としてもよい。
【0017】
ネットワーク部4は、例えば、電線、光ケーブル等の有線回線や赤外線、電波、光等の無線回線またはそれらの組み合わせによって接続された回線網であって、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)、Netware(Novell社商標)、NETBEUI(NetBIOS Extended User Interface)等の各種プロトコルによって制御される。
【0018】
サーバー部5は、図3に示されるように、全体の制御を行う制御部50と、ネットワーク部4との通信を行う送受信部51と、各演算部3から受信したデータを基にして区間速度を検出する区間速度検出部52と、通過時間情報判定部53と、時系列情報を一時的に記憶する通過時間情報メモリ部54と、測定データ、解析データを蓄積記憶しておくデータベース部55と、各種のストローク情報を算出する周期情報演算部(ストローク情報算出手段)56とを備える。この周期情報演算部56は、差分処理部560と理論値算出部561と周期算出部562とストローク情報演算部563とからなる。また、サーバー部5には、キーボード、マウス等の外部入力装置8が接続されており、周期情報演算に必要な各種のデータの入力や出力の設定が可能となっている。
【0019】
表示処理部6は、図4に示されるように、全体の制御を行う制御部60と、ネットワーク部4との通信を行う送受信部61と、表示するテキストデータの処理を行う数値表示部62とグラフィックデータの処理を行うグラフ表示部63とを備える。この表示処理部6は、サーバー部5の一部として構成されていてもよい。なお、図示は省略したが、モニター7に表示される表示内容を変更できるよう構成した場合には、表示内容の変更を選択可能とするため表示処理部6に外部入力装置を接続することが好ましい。
【0020】
次に、このストローク情報計測装置1の動作、つまりこの装置を用いたストローク情報の計測方法について具体的に説明する。
【0021】
まず、ビデオカメラ2と演算部3における処理について説明する。図5は、ビデオカメラ2で取得される画像データの例(図5(a))と、演算部3における処理対象範囲を説明する図(図5(b))であり、図6は、演算部3における処理のフローチャートであり、図7は演算部3で生成される時系列データを示すグラフである。
【0022】
各ビデオカメラ2からは、フレーム毎(すなわち、1/30秒毎)に、泳者150の泳いでいるプール100の画像データが出力されている。この画像は例えば、図5(a)に示される画像である。この画像データは演算部3の画像メモリ部30へと格納され、1フレームごと(1フィールドごとであってもよい)に画素抽出部32へと取り込まれる(ステップS1)。領域設定部31には、予めビデオカメラ2ごとにコース120内の計測範囲130と計測位置である計測ライン140の位置データが設定され、画像データ上の画素位置データとして格納されている。画素抽出部32は領域設定部31に格納されている計測ライン140の画素位置データを基にして、当該画素位置の画像データを抽出する画素抽出を行う(ステップS2)。積算部33は、抽出された画素の画像データを色相値によるしきい値判定により二値化し(ステップS3)、計測ライン140に沿って積算する積算処理を行う(ステップS4)。しきい値を適正に設定することで、プール100の背景画像(水面、床面や波、水飛沫、コースロープの影、泳者150の影等を含む)から泳者150の画像データを精度よく抽出することができる。この二値化に際しては、泳者150の存在しない状態でのプール100の画像、つまり背景データを予め撮影しておき、それと得られた画像との差分について演算を行ったり、RGB各色についてしきい値判定を行ってもよい。
【0023】
積算されたデータは、時系列データ変換部34へと送られ、所定の時刻データ、計測位置140と関連づけた時系列データに変換され、メモリあるいは記録媒体等に書き込まれる(ステップS5)。この時刻データは、ビデオカメラ2からのフレーム数により生成しても、積算部3内部のタイマー等により生成してもよいが、サーバー部5で公式記録用の時計を基にして生成すると、時刻データの精度を確保し、各積算部33のデータを揃えることができ、好ましい。ステップS2〜S5の処理は1つの画像データ中に存在する各計測位置140ごとに実施されるが、この処理は並列的に実行しても時分割処理により実行してもよい。
【0024】
こうして得られる特定の計測ライン140における積算値の時間変化は図7に示されるようになる。積算値が大きいほど、計測ライン140とクロスする泳者150の身体の長さが長いことを表す。したがって、この積算値のピークの立ち上がり時点を判定することで、泳者150の計測ライン140通過タイミングを判定することができる。図7には、50メートルプールを往復した場合の、往きと、復りの通過タイミングがピーク値として示されている。
【0025】
通過時間判定部35は、計測ライン140ごとにこのピーク検出を行う(ステップS6)。ピークが検出されなかった場合、つまり、泳者150が未だ計測ライン140に到達していないか、すでに通過後の場合には、ステップS7の後、そのまま処理を終了することで、次のフレーム処理に移行する。ピークが検出された場合には、ステップS7の後、このピークの立ち上がり時点から計測ライン140の通過時間を判定して、計測ライン140に関連づけた通過時間データを出力する。送受信部36はこのデータをネットワーク部4を介してサーバー部5へと転送する。なお、制御部37は、サーバー部5からの指令に基づき、演算部3における処理の開始、終了、計測ライン140の設定・変更等を制御する。
【0026】
次に、サーバー部5における処理について説明する。図8、図9はサーバー部における処理を示すフローチャートであり、図10、図11がストロークポイントの自動抽出について説明するグラフであり、図12、図13が、通過時刻データを示すグラフであり、図14がストローク情報の一例を示すグラフである。
【0027】
まず、制御部50は、送受信部51を介してネットワーク部4を介した演算部3との接続を確立する(ステップS11)。次に、外部入力装置8からの解析開始ボタン入力(ステップS12)により、各演算部3へ、解析開始命令を送信する(ステップS13)。これにより、各演算部3は、上述した通過時間データの解析・出力を開始する。ここで、解析開始は、操作者が外部入力装置8を操作して行ってよいが、記録員のスタート合図、公式記録計のスタート等に連動して開始させてもよい。
【0028】
次に、通過時間データの収集・解析処理を行う(ステップS14)。具体的には、送受信部51がネットワーク部4を経由して各演算部3の送受信部36から上述した通過時間データを受信する(ステップS21)。そして、区間速度検出部52は、受信したデータから計測ライン140のコース、位置、時間の各情報を読み取る(ステップS22)。読み取った計測ライン140のコース、位置情報からコース120内の距離情報へと変換を行い(ステップS23)、区間速度の算出を行う(ステップS24)。具体的には、同一コース120内の最新の通過時間データがt秒にプール100の一端からLの位置を通過したことを示し、一つ前の通過時間データがtn−1秒にプール100の同じ一端からLn−1の位置を通過したことを示している場合には、区間速度VはV=(L−Ln−1)/(t−tn−1)となる(この場合、Vが正の場合には、プール100のこの一端から離れる方向に泳者150が移動し、負の場合には、プール100のこの一端に近づく方向に移動していることを示す)。次に、通過時間情報判定部53はこうして求めた区間速度Vが所定の速度範囲内に合致しているか否かを判定する(ステップS25)。速度範囲外の場合には、エラーデータ(ノイズ)として次の処理をスキップすることで、区間速度データを破棄する。速度範囲内に合致している場合には、通過時間情報メモリ部54とデータベース部55にコース120ごと(つまり泳者150ごと)に区分して経過時間情報を書き込む。
【0029】
この経過時間情報は送受信部51によりネットワーク部4を経由して表示処理部6へと送られる。また、周期情報演算部56により処理され、所定のストローク情報が得られる。その処理については後述する。
【0030】
全泳者150がゴールしたら、操作者が外部入力装置8を操作するか、公式記録計からの信号により、解析停止ボタン(信号)が入力される(ステップS15)。そして、制御部50が送受信部51により演算部3へと解析停止命令を送信し、処理を終了する。
【0031】
周期情報演算部56はリアルタイムで、または、全計測が終了した後に、各コース120ごとの経過時間情報をもとにしてストローク周期、ストローク時間、ストローク長をそれぞれ算出する。データ算出は後刻行うことも可能であるが、リアルタイムまたは計測終了直後に算出を行い、泳者に提供すると、泳者がデータと自分の泳いだときの感覚とのマッチングをさせやすく、より有効な利用が図れる利点がある。
【0032】
理論値算出部561は、泳者150が平均速度Vsnで移動すると仮定した場合の時間tにおける推定位置Lsnを算出する。具体的には、Lsn=Lsn−1+(t−tn−1)×Vsnとなる。この平均速度Vsnは、ストローク時間より長い単位時間tをとり、時間tn−1−tから時間tn−1内の平均速度を用いればよい。あるいは、平均的な泳者150の速度として設定してもよい。
【0033】
差分処理部560は、こうして求めた推定位置Lsnと実際に得られた測定データLsとの差分を算出して、周期算出部562へと転送する。周期算出部562では、送られてきた差分データを移動距離ごとにプロットし、以下の手法によって、周期点を算出する。なお、この場合、差分データは推定値より泳者の移動距離が多い場合にプラス、少ない場合にマイナスの値をとることになる。
【0034】
まず、算出範囲内での極小点を求める(図10の▲1▼)。次に、極小点以前で最も差分データのマイナス方向への変化が大きな区間(同図▲2▼)と、極小点以降で最も差分データのプラス方向への変化が大きな区間(同図▲3▼)を求める。そして、▲2▼と▲3▼で求めた区間をそれぞれ延長した交点(同図▲4▼)を求め、この交点の指す位置を周期点の距離とする。この距離を通過する時間は前後の点から補間して算出する。これが抽出ストロークポイントとなる。図12に抽出ストロークポイントの算出例を示す。ストロークポイントの位置、時間をプロットしたのが図12であり、これを距離に対してプロットしなおしたのが図13である。距離に対する通過時間のプロットデータは、泳者の体の最先端部の移動を表しているため、周期的に変動するが、このように抽出ストロークポイントで比較すると、姿勢の差異を除外した泳者の身体の移動を比較することができるため、トレーニングに役立つ情報が得られる。
【0035】
さらに、周期算出部562は隣接するストロークポイント間の距離からストローク長を、隣接するストロークポイントの時間差からストローク時間を算出する。図14はこうして求めたストローク長、ストローク時間、ストローク速度(ストローク中の平均速度)の距離による変化を示している。50m前後でストローク長、ストローク時間のデータが切れているのは、泳者150のターン前後のため、正確なストローク情報が得られないためである。
【0036】
表示処理部6の制御部60は、ネットワーク部4を経由して送受信部61から測定結果、解析結果を受信する。そして、数値表示部62でテキストデータとして処理するか、グラフ表示部63でグラフィックデータとして処理を行い、図15(a)に示されるようにテキストデータとして表示させたり、図15(b)に示されるようにグラフとして表示させる。また、任意のビデオカメラ2の画像にオーバーレイ表示させてもよい。
【0037】
周期算出部562が、上述した手法によってストローク情報を精度よく判定するためには、計測ライン140はストローク長の1/8程度の間隔で配置されていることが好ましい。日本選手権レベルの泳者の場合でストローク長は、自由形、背泳で0.7〜1.3m、バタフライで1.8m〜2.2m、平泳ぎで1.5〜2.8mである。したがって、ストローク長算出のためには、計測ライン140は、それぞれ11cm、25cm、30cm程度の間隔で設定されていることが好ましい。一方、間隔を短くしても精度の向上に対して、処理の増加の影響のほうが大きくなるため、間隔の下限としてはストローク長の1/16程度と考えられる。また、計測ライン140が1mごとの所定の間隔に配置されているほうが通過タイムを広く利用できる。そこで、計測ライン140は、日本選手権レベルの場合で、5〜25cm間隔、より好ましくは10cmまたは20cm間隔で設定することが好ましいといえる。なお、泳者150のレベル、ストローク長によって、最適な計測ライン140間隔は変動し得る。
【0038】
以上の説明では、極小点からストロークポイントを抽出する例を説明したが、ストロークポイントの抽出はこれに限られるものではない。本発明によれば、通過時間データとしては、泳者150の身体の最先端部が計測ライン140を通過した時間が得られる。一方、いずれの泳法においても、ストロークの途中で一時的に頭部が身体の最先端に位置する時点が存在しうる。図16はこの様子を模式的に示した図である。先端部は泳者150の手のストローク運動によってストロークに合わせて周期的に移動する。これに対して、頭部は比較的一定のスピードで移動していく。したがって、各ストロークごとに頭部が泳者の先端部(通常は水面上に露出している先端部)に位置した時点を求め、求めたこれらの時点、距離を直線、スプライン関数などで補間することによって連続的な頭部位置を推定してもよい。図17はこうして求めた頭部位置を先端部位置の変化とともに示すグラフである。
【0039】
このように頭部位置の移動に置き換えることで、手先の動きの変化だけでない実際の泳法の評価を行うことができるようになり、トレーニング効果の評価を精度よく、安定して行うことができる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、泳者に特定ターゲットを付する必要がなく、任意の距離におけるラップタイムを自動的に計測できるため、泳者にきめ細かいストローク情報の提供が可能となる。さらに、競技大会等においても計測が可能であるため、泳者のトレーニングに役立つ。また、各種のストローク情報をリアルタイムあるいは競泳終了から間もない時点で提供することが可能となるため、泳者やコーチにとってストローク情報データと自分の感覚とをマッチングさせやすく、データの利用性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るストローク情報計測装置の構成を示す概略構成図である。
【図2】図1の装置の演算部の詳細構成図である。
【図3】図1の装置のサーバー部の概略構成図である。
【図4】図1の装置の表示処理部の詳細構成図である。
【図5】ビデオカメラ2で取得される画像データの例(a)と、演算部3における処理対象範囲を説明する図(b)である。
【図6】演算部3における処理のフローチャートである。
【図7】演算部3で生成される時系列データを示すグラフである。
【図8】サーバー部5におるけメイン処理のフローチャートである。
【図9】図8の収集処理のフローチャートである。
【図10】ストロークポイントの自動抽出について説明するグラフである。
【図11】ストロークポイントの自動抽出について説明する別のグラフである。
【図12】通過時刻データの一例を示すグラフである。
【図13】通過時刻データの別の例を示すグラフである。
【図14】ストローク情報の一例を示すグラフである。
【図15】モニター7の表示例を示す図である。
【図16】泳者の水泳中の身体の先端部と頭部の位置移動を示す模式的なグラフである。
【図17】実データによる図16に対応するグラフである。
【符号の説明】
1…ストローク情報計測装置、2…ビデオカメラ、3…演算部、4…ネットワーク部、5…サーバー部、6…表示処理部、7…モニター、8…外部入力装置、30…画像メモリ部、31…領域設定部、32…画素抽出部(画素抽出手段)、33…積算部(積算手段)、34…時系列データ変換部、35…通過時間判定部(通過時間判定手段)、36…送受信部、37…制御部、50…制御部、51…送受信部、52…区間速度検出部、53…通過時間情報判定部、54…通過時間情報メモリ部、55…データベース部、56…周期情報演算部(ストローク情報算出手段)、60…制御部、61…送受信部、62…数値表示部、63…グラフ表示部、100…プール、110…コースロープ、120…コース、130…計測範囲、140…計測ライン、150…泳者、560…差分処理部、561…理論値算出部、562…周期算出部、563…ストローク情報演算部。

Claims (3)

  1. 水泳中の泳者を撮像手段により撮像して、取得した画像データを基にして泳者のストローク情報を測定するストローク情報測定装置において、
    取得した各画像データにおいて所定の計測ラインに対応する位置の画素データを抽出する画素抽出手段と、
    抽出した画素の画素値を二値化して積算する積算手段と、
    前記積算手段から出力された積算データの時系列変化から泳者の計測ライン通過時間を判定する通過時間判定手段と、
    を備えているストローク情報計測装置。
  2. 前記撮像手段を泳者の泳ぐコースに沿って複数台配列してコースに沿って前記所定の計測ラインを複数配列している請求項1記載のストローク情報計測装置。
  3. 計測ラインごとに測定した泳者の計測ライン通過時間データと、計測ラインの位置データとを基にして、ストローク周期を含むストロークに関する情報を算出するストローク情報算出手段をさらに備えている請求項2記載のストローク情報計測装置。
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