JP2004183894A - 動圧軸受 - Google Patents

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Abstract

【課題】 例えばスピンドルモータに用いられる動圧軸受において、動力損失を減少させ、機能性を向上させ、モータの駆動時には高い半径方向剛性が得られ、モータの始動時及び停止時には良好な軸方向剛性が得られるようにする。
【解決手段】 本発明は、軸(14)と、軸を僅かな半径方向隙間で貫通させる軸受スリーブ(12)と、軸受スリーブ(12)の一方の端部に軸受スリーブと相対的に回転不能に結合されたカウンタープレート(30)とを有する。軸の、カウンタープレート(30)側の端部にスラストプレート(32)又は半径方向の寸法が軸の軸端部に近付くに連れ次第に増大する拡張部(42)が設けられ、軸(14)と軸受スリーブ(12)の間に、軸受流体で満たされ、大気圧より大である過圧を発生させる手段を備える軸受隙間が形成されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ディスクドライブ装置用、例えばハードディスクドライブ装置用スピンドルモータとして用いられるブラシレスDCモータ、及び特にそのようなスピンドルモータに具備される動圧軸受に関する。
コンピュータ並びにその他の電子機器にデジタル化された情報を保存する手段として長年にわたり、ハードディスクドライブ装置が用いられてきた。情報は磁気ディスク上の同心のトラックに書き込まれるのであるが、実際の情報は磁気遷移の形でディスクに記憶されている。ディスク自体はモータによって駆動されるスピンドルに取り付けられ、情報へのアクセスはディスクの表面上を半径方向に動くスイングアームに取り付けられたトランスデューサによって行われる。誤りなく情報の書き込みや読み出しを行うには、書き込み/読み込みヘッド即ち、トランスデューサをディスクトラックに正確にあわせる必要がある。つまり、確実なデータ転写には安定した、正確な回転軸受が必要である。
ディスクドライブ装置用スピンドルモータとして、ここで説明するように構成されているブラシレス直流モータの場合、従来の技術では、駆動スピンドルを回転自在に支持する手段として転がり軸受が用いられてきた。この場合、高い動作精度及び正確さは、軸受の遊びをなくし、挿入した後も、予圧が付与されるように軸受を取り付けることによって、得られてきた。更に、軸受の転動体と内外輪の寸法公差も厳しく抑えられた。回転ノイズや、耐衝撃性が劣るといったシステム上の欠点についてはやむを得ないとされてきた。
流体軸受乃至は動圧軸受を用いることで、従来のスピンドルモータ用玉軸受に見られる欠点を大幅に改善することができる。流体軸受乃至は動圧軸受の場合、気体又は液体から成る流体が、固定されたベース又はハウジングの軸受面と回転するスピンドル又はハブの軸受面を隔てる役目を担う。液状の潤滑剤としては例えば油や磁性流体があげられるが、この他に、空気を用いた動圧軸受も存在する。
動圧軸受は、従来の玉軸受に比べ、回転精度が高く、対衝撃性がより高く、ノイズ発生が少ない点で有利である。
ロータに固定された軸が動圧軸受により軸支されているディスク用スピンドルモータは従来から知られている。従来の技術による動圧軸受は、例えば、軸受スリーブから成り、この軸受スリーブ(ブッシュ)は一方の端部がカウンタープレートにより閉塞されている。スリーブの内部には流体、好ましくは油に覆われた軸が挿入されている。軸受スリーブの内周面若しくは軸の外周面には、動圧を発生させる溝が設けられている。
低出力スピンドルモータにおいては、アキシャルピボット軸受を有する動圧軸受が知られている。このような軸受の場合、軸受をカウンタープレートの支点で支持して、一方向に作用する力を受け、軸方向反力は、例えばロータとステータの協動による磁気作用によって発生させる。しかしながら、この種の動圧軸受は軸方向剛性が低いため、例えばディスクドライブのように両軸方向における高い剛性が求められる用途には問題がある。その一方で、アキシャルピボット軸受を有する動圧軸受は摩擦量が少なく、動力損失が少なくて済む。
上記した、従来の技術による動圧軸受は下記の特許文献1に開示されている。
米国特許第4,934,836号明細書
なお、発明の実施の形態の説明において、以下の特許文献に言及する。
米国特許第5,667,303号明細書 独国特許出願公開第102 39 886号明細書
本発明の課題は、動力損失が少なく且つ機能性に優れ、スピンドルモータの省エネルギー化に寄与する、スピンドルモータ、特にディスクドライブ用スピンドルモータに具備される動圧軸受を提供することである。同時に本発明は、モータの駆動時には高い半径方向剛性が得られ、モータの始動時及び停止時には良好な軸方向剛性が得られる動圧軸受の提供を目的としている。
本発明は、
軸(14)と、
前記軸(14)を僅かな半径方向隙間で貫通させる軸受スリーブ(12)と、
前記軸受スリーブ(12)の一方の端部に前記軸受スリーブ(12)と相対的に回転不能に結合された受け部材カウンタープレート(30)と
を具備する動圧軸受であって、
前記軸(14)と、前記軸受スリーブ(12)及び前記カウンタープレート(30)の間に、軸受流体が満たされた軸受隙間(50)が設けられ、
前記カウンタープレート(30)の領域に介在する軸受流体に、大気圧より大である過圧を発生させる手段(36)を備える
動圧軸受を提供する。
本発明による軸受は、軸と、軸を僅かな半径方向隙間で貫通させる軸受スリーブを含む。軸受スリーブの一方の端部には、軸受スリーブに相対的に回転不能に結合されたカウンタープレートが設けられている。本発明では、軸のカウンタープレート側の軸方向端部にスラストプレート又は軸方向端部に近付くに連れ半径方向の寸法が次第に増大する部分を有する拡張部、例えば円錐状の拡張部が設けられる。半径方向の寸法が次第に増大する軸端部は、軸の回転軸線に対して傾斜した輪郭を有し、対応するように形成された軸受スリーブに受けられる。
本発明によれば、軸の外周面又は軸を貫通させる軸受スリーブの内周面にはラジアル動圧軸受を構成する溝の群が設けられている。溝の群は軸の直線状の領域乃至は部分(まっすぐに延びた部分)に設けても良いし、半径方向の寸法が次第に増大する領域に設けても良い。溝の群は、軸と軸受スリーブの隙間に溜められた軸受流体に、軸の下部の領域において過圧を発生させるよう構成されている。ここで、「軸受流体の下部の領域における過圧」とは、軸受流体に、軸受スリーブの開口端部からカウンタープレートに向かって増加する圧力が発生するという意味であって、この時、カウンタープレートの領域における軸受流体の圧力は大気圧よりも大である。この過圧は潤滑流体の液圧とこれに対向する動圧によってもたらされたものである。この過圧によって、モータの駆動の際は軸がカウンタープレートから離れるように力が作用し、従来の技術ではピボット軸受若しくは磁気による引き又は押し(引力又は斥力)といった手段によって実現されていた軸方向の力が発生する。
通常のアキシャル動圧軸受の場合、流動方向が制約された動圧が発生する。このため、軸の端部若しくは軸の端部に配置されたスラストプレート、又はこれに対向するカウンタープレート、並びに軸の端部とカウンタープレートの比較的狭い隙間に溝の群を設ける必要が生じる。これは大きなエネルギー損失の原因となる。このようなエネルギー損失をできるだけ抑えるため、従来の技術では、上記で述べたピボット軸受のようなアキシャル動圧軸受の利用或いは磁気による引き又は押しの作用といった構成が提案された。しかしながら、上記の構成においては加工公差を厳しく抑えなければならない。例えば、軸受に磁気による力を与える場合、部材間の間隔の増加に伴い、磁力も二次関数的に減少することに注意しなければならない。ピボット軸受の配置には、軸の端部に隙間が全く無いか、あったとしても最低限の隙間であることが前提となる。これ故、上記の2つの軸受のどちらを用いるにしてもアキシャル隙間の公差は最低限に抑えられなければならない。
上記に対して、本発明による動圧軸受の場合、軸方向の力は、軸の端部とカウンタープレートの軸方向の隙間幅に左右されない潤滑流体の液圧に基いて発生する。過圧によって発生した力は、圧力の大きさに、この圧力が作用する面の大きさを乗じることで求められる。
過圧によって軸方向に生じた力は、スラストプレート部又は半径方向寸法が次第に増大する軸の拡張部のところで相殺される。しかしながら、軸端部では大気圧より大である過圧が存在する。軸端部に作用している力Fは次の式によって求めることができる。

F=(過圧−大気圧)×軸端部面積

力Fは、回転中の軸をカウンタープレートから離す作用をする。上記で述べたように力Fはカウンタープレートと軸端部の隙間幅に左右されない。このため、軸端部のところに比較的大きな隙間を設けても差し支えず、これによって摩擦損を大幅に減少させ、若しくは摩擦損を限りなく零に近づけることできる。更に、本発明によれば、動圧軸受を設けるに当たって必要である公差精度の要求を和らげることができる。最後に、本発明による軸受の場合、比較的大きな直径を有する軸を用いることが可能で、しかも軸受の動力損失を増加させることがない。実施にあたっては、軸端部の大きさ及び過圧と大気圧の差との関係を適切に調整して軸受が十分な軸方向荷重性能を発揮することができるようにする。
軸端部の領域において、カウンタープレートと対向するスラストプレート又は半径方向の寸法が次第に増大する拡張部の面に溝の群を設けることで更なるアキシャル軸受を形成することができる。
モータを始動及び停止させるとき、アキシャル軸受の形成のため、溝の群によって「圧力のクッション」が発生する。
上記で説明したように、モータの駆動時にラジアル軸受の溝の群によって過圧が生じると、軸は過圧から発生した力によってカウンタープレートから離れるように持ち上げられ、これによって、軸とカウンタープレートの隙間は、アキシャル軸受がもはや作用しなくなる程に拡大する。
半径方向の寸法が次第に増大する拡張部を設けることは、こうして形成された動圧軸受にアキシャル軸受要素及びラジアル軸受要素を備えられるという更なる利点をもたらす。これによって軸受の軸方向剛性が全体として更に改善される。又、半径方向の寸法が次第に増大する拡張部の外周に、軸受の安定性及び軸の下方における圧力の形成に寄与する溝の群を設けても良い。
本発明の場合、過圧は例えば軸の外周面若しくは軸受スリーブの内周面に動圧溝の群を設けることで発生させることが可能である。動圧溝は、スリーブに対する軸の相対的運動の方向に向かって互いに接近しそれぞれの一端で互いに連結された第1及び第2の部分からなり、例えば、円弧状又は正弦状に形成されている。
溝の群のうちの一部の溝については、各溝のうち、カウンタープレートから遠い側に位置する部分の長さは、カウンタープレートに近い側に位置する部分の長さより長い。
このような溝構造によって、軸受隙間の中で、必要とされる軸受流体の過圧が発生する。溝の群の構成によって、過圧は軸の長さ方向に沿って軸受スリーブの開口端部からカウンタープレートの方向に次第に増加する。
本発明によれば、動力損失が少なく且つ機能性に優れ、スピンドルモータのエネルギー損失が少なくなり、また、モータの駆動時には高い半径方向剛性が得られ、モータの始動時及び停止時には良好な軸方向剛性が得られる。
本発明について、好ましい実施の形態をもとに図面との関連において詳しく説明する。
図1に示されているスピンドルモータは、図示しないディスクドライブ装置への装着に用いられるベースプレート10を含む。ベースプレート10には、軸14を軸支する軸受スリーブ12が相対的に回転不能に結合されている。軸14には、ベースプレート10及び軸受スリーブ12に対して相対的に回転するロータ16が、軸14に対して相対的に回転不能に結合され、ベースプレート10にはステータ18が相対的に回転不能に結合されている。
ロータ16は、概して椀型のハブ20と、ハブ20に同軸的に固定された軸14を含む。ハブ20の内周面には、圧着乃至は圧入固定又は接着によって固定されたロータマグネット22が設けられ、ハブ20の外周面には、図示しない一枚又は複数枚のディスクを装着できるようになっている。
ステータ18は、コア24とコア24に巻回されたステータ巻線26を含む。ステータ18とロータ16は同心の僅かな隙間17をおいて対向している。
軸受スリーブ12の一方の端部は、貫通している軸14の軸端部14’と対向するカウンタープレート30によって閉塞されている。
軸14の軸端部14’にはスラストプレート32が、しまりばめを構成するように嵌められている。スラストプレート32とカウンタープレート30の間にはアキシャル軸受が形成されるが、そのためにカウンタープレート30の表面に溝の群34が設けられる。
軸14の外周面又は軸14を貫通させる軸受スリーブ12の内周面に溝の群36を設けることで一つ又は複数のラジアル軸受が形成される。溝の群36が設けられることで、モータの回転時には軸14と軸受スリーブ12の間にラジアル軸受が形成される。
溝の群34によってカウンタープレート30とスラストプレート32の間にアキシャル軸受が形成される。
溝の群を構成する溝の各々は、正弦型、ヘリングボーン型であっても良く、スパイラル型であってもよく、またその他の形状であって良い。
通常、カウンタープレート30とは反対側にあるスラストプレート32の面(図1で上側の面)と、これと向かい合う軸受スリーブ12の環状端面の間には、溝の群34’によって第2のスラスト軸受が形成される。
軸受スリーブ12の、カウンタープレート30の反対側に位置する開口端部38では、軸受スリーブ12と軸14の間に、毛細管シールの役目を果たす円錐状(縦断面がくさび型)の隙間40が形成されている。上記毛細管シールの基本については例えば上記の特許文献2(米国特許第5,667,303号明細書)に説明されている。円錐状隙間は軸受隙間50と繋がっている貯留部を構成し、温度の上昇に伴って貯留部中で、軸受流体の上面の位置が上昇する。この構造によって、軸受流体が軸受スリーブ12の外に流出するのを回避できる。
本発明の軸受においては、後に図3を参照してさらに詳しく説明するように、軸14と軸受スリーブ12の隙間50に介在する流体48の下部に過圧を発生させるため、軸に垂直な面を中心として非対称な溝が形成されている。
このような過圧を発生させる手段を設けない場合、モータの駆動時に、溝の群34によって形成されているアキシャル軸受の領域で比較的高い摩擦損失が生じる。これは、比較的大きな面積を有する面が、互いに僅かな隙間33をおいて相対的に回転しているからである。このようなアキシャル軸受によってスピンドルモータに生じる損失はこのモータ全体の摩擦のおよそ50%を占めている。本発明は、このようなスピンドルモータの動圧軸受の摩擦損を減少させることを目的とする。
図2は本発明によるモータの断面図であって図1と同様の部材若しくはこれらに相当する部材には図1と同一の符号を付し、説明は省略する。
図2に示されている実施の形態では、軸14の、カウンタープレート30の近傍における軸の端部14’に軸に対して垂直な方向、即ち半径方向の寸法が次第に増大する、例えば円錐状の拡張部42が設けられている。
図示の例では、拡張部42は双円錐型(互いに逆向きの円錐を底面で結合した形)となっている。しかしながら、拡張部を完全な円錐型としても良く、また回転楕円型、半球型、若しくは球形としても良い。
軸14の拡張部42は、半径方向の軸受荷重及び軸方向の軸受荷重の双方を受けられるよう形成することが重要である。さらに、半径方向の寸法が次第に増大する、例えば円錐状の拡張部を設けることで、拡張部と軸の間に圧力が掛かる部分の長さが長くなるため、非常に良好な対衝撃性が得られることである。
なお、図示の例では、拡張部42が、軸14に取り付けられた部材であって、軸端部14’と拡張部42の端部が同一平面上にある。
軸14に設けられる拡張部42の形状に関する選択肢については、この他に上記の特許文献3(独国特許出願公開第102 39 886号明細書)を参照されたい。但し、本発明は円錐状若しくはこれに類似する拡張部を有する軸に限定されない。本発明は、図1との関連で既に述べているように、軸と通常のスラストプレートの組み合わせにも適用される。但し、本発明の場合、図1との関連で既に述べているように、スラストプレートとカウンタープレートの間にアキシャル動圧軸受が形成されるのではなく、軸方向動圧による力が発生する。このことについては円錐状の拡張部との関連で下記する。
図1の実施の形態で示されているように、円錐状の拡張部42若しくは対向するカウンタープレート30の対向面にアキシャル動圧軸受を形成する溝の群34を設けても良い。但し、本発明によるスピンドルモータを実現するために、上記アキシャル動圧軸受は必ずしも必要ではない。本発明は溝の群34なしでも実現できるが、モータの始動及び停止における特性からすると、溝の群34は有効であると思われる。
本発明では、軸14の直線部(まっすぐに延びた部分)の外周面46の領域及び必要に応じて拡張部42の外周面44の領域において、軸14の外周面又は軸受スリーブ12の内周面に、軸14と軸受スリーブ12の隙間50に介在する流体48の下部に過圧を発生させる溝の群(図示せず)が設けられる。溝の群によって過圧を発生させるには、図3との関連で以下に説明するように、非対称である溝の群が設けられる。
この過圧によって、動圧軸受には公式「力=圧力×面積」によって求められる軸方向の力が発生する。また、スラストプレート又は円錐状の拡張部42においては、この軸方向の力は、相殺される。それはカウンタープレート30の方向に発生する力が反対方向の力と等しいからである。しかしながら、軸14の軸端部14’においては過圧によって軸14をカウンタープレート30から離す力が発生し、これによって拡張部42と軸受スリーブ12の間に狭い軸受隙間56が、又、カウンタープレート30と軸14の間には比較的大きな隙間58が生じることになる。反対側の軸端部において過圧と対抗する大気圧は上記の過圧より小さい。
カウンタープレート30と軸14の比較的大きな隙間58によって、この領域におけるカウンタープレート30と軸14の相対運動に伴う損失は殆ど零となる。円錐状の拡張部42に与えられている傾斜によって、拡張部42と軸受スリーブ12の間に、軸方向には比較的小であって、半径方向には比較的大(これは傾斜角度に左右される)である軸受要素が形成される。軸の直径及び隙間幅にもよるが、ラジアル軸受によって発生するエネルギー損は基本的にアキシャル軸受より小さいため、拡張部42を有する軸受は、損失に関して言えば、例えば図1に示されているような、一対のスラストプレート(スラストプレートとカウンタープレート)から形成されるアキシャル軸受よりも有利である。
モータが回転している時には、最終的に、過圧を一定に保ち、円錐状の拡張部42を有する軸14とカウンタープレート30の間隔が一定に保たれるように、圧力の平衡状態が達成される。軸の直径及び溝の寸法を適切に定めることで所望の過圧を設定することができる。
図2に示されているように、スラストプレート又は円錐状の拡張部42には、軸受流体を流動させるための流路49を設けるようにしても良い。しかしながら、流路49は本発明にとって必須ではないので、省略しても差し支えない。特に、流路49が軸受隙間50における圧力の形成に不利であると判断された時も、流路49は省略して良い。
図3は、図1に示されているスピンドルモータと類似した構造を有するスピンドルモータの部分断面図である。図3は、所望の過圧を得るための、軸の領域における溝の群を説明するためのものであるので、本図に関する説明は溝の群に限定される。図3のその他の部分は本発明の構成要素ではない。
図3は、軸14を僅かな隙間で貫通させる軸受スリーブ12を示し、軸受スリーブ12と軸14の間には隙間50が形成されている。又、図3には、軸受スリーブを閉塞するカウンタープレート30及び図1のスラストプレートと同一の機能を有するスラストプレート32が示されている。軸14は2つの溝の列52、54から成る溝の群を有し、各溝は放物線状若しくは正弦曲線の一部の形状に形成されている。
溝の各々は、上記のように、軸14と軸受スリーブ12の相対的運動の方向に対して次第に相互の間隔が小さくなり、遂には互いに連結される一対の溝部分で構成される。
溝の列52、54のうち、カウンタープレート30からより遠い側に設けられた溝の列54を構成する溝の各々において、カウンタープレート30から遠い側に位置する部分の長さは、カウンタープレート30に近い側に位置する部分の長さより長い。
このような構造によって溝の列54はモータが駆動されている時、軸受隙間50に介在する軸受流体に過圧が発生する。軸14と軸受スリーブ12の間に設けられた溝の列54より下の軸受隙間50,56,58の全域及び図3に示されているスラストプレート32とカウンタープレート30の間に介在するこの過圧は「力=圧力×面積」の法則により、軸受において半径方向と軸方向の双方に作用する力を発生させる。この分野を専門とする者は、軸14に作用している半径方向の力が相殺されることを理解するであろう。同様に、スラストプレート32に作用している軸方向の力も相殺される。軸14の軸端部14’に作用している軸方向の力に対抗する力は大気圧のみであるので、過圧は軸14をカウンタープレート30から押し離す。本発明による軸受の場合、この作用が利用される。
図4は、本発明によるスピンドルモータの断面図であって、モータを駆動することで軸14の長さ方向に発生する圧力のパターンが概略的に示されている。図4は基本的に図3と一致しているので、スピンドルモータの種々の特徴に関する説明は省略する。
図3との関連で既に説明したように、軸の駆動面に位置する軸の上側の(カウンタープレート30から遠い側の)溝の列54においては、各溝が、長さの異なる放物線を成す。溝の列54を構成する溝の各々において、より外側に(カウンタープレート30から遠い側に)位置する部分の長さは、より内側に(カウンタープレート30に近い側に)位置する部分の長さより長い。それ故、軸14が回転しているとき、軸受流体において図4にPで示されているパターンを有するポンプ作用が発生する。
この時、溝の列54の上側(カウンタープレート30からより遠い側)における軸受流体の圧力はP0である。軸方向位置に沿って圧力の変化を見ると、圧力は溝の列の中心(各溝を成す一対の部分が互いに連結される位置)に向かって次第に上昇し、その後、次第に低下して溝の列54の下側(カウンタープレート側)でP1になる。溝の列54と溝の列52の間の領域における圧力はやはり圧力P1である。溝の列52の各溝は対称に形成されているので、溝の列52はその内部においては、曲線Pからわかるように圧力が上昇するが、溝の列の下側では、再び同じ圧力P1となり、軸14の軸端部14’における流体の圧力はP1である。即ち、溝の列52は、軸の下端における圧力(これがアキシャル軸受作用を決定する)を変えるものではない。
これによって、軸14の軸端部14’には次の公式から得られる力Fが作用する。

F=(P1−P0)×(軸端部14’の基本面積)

このことから、力Fは、損失が殆どない状態で発生するアキシャル軸受力であって、これ故、軸受の損失を全体的に減少できる。
本願明細書、図面及び請求項に開示した特徴は、単独であろうと任意の組合せであろうと本発明の実現に寄与するものである。
本発明の一実施の形態のスピンドルモータの断面図である。 本発明の他の実施の形態のスピンドルモータの断面図である。 溝の群について説明するための、スピンドルモータの断面図である。 本発明の一実施の形態における、モータ内の圧力パターンを概略的に示す図である。
符号の説明
10 ベースプレート、 12 軸受スリーブ、 14 軸、 14’ 軸端部、 16 ロータ、 17 隙間、 18 ステータ、 20 ハブ、 24 コア、 22 ロータマグネット、 26 ステータ巻線、 30 カウンタープレート、 32 スラストプレート、 33 隙間、 34,34’ 溝の群、 36 溝の群、 38 開口端部、 40 隙間、 42 拡張部、 44 拡張部の外周面、 46 軸の直線部の外周面、 48 軸受流体、 49 流路、 50 軸受隙間、 52 溝の列、 54 溝の列、 56,58 軸受隙間、 P 圧力、 F 力。

Claims (12)

  1. 軸(14)と、
    前記軸(14)を僅かな半径方向隙間で貫通させる軸受スリーブ(12)と、
    前記軸受スリーブ(12)の一方の端部に前記軸受スリーブ(12)と相対的に回転不能に結合された受け部材カウンタープレート(30)と
    を具備する動圧軸受であって、
    前記軸(14)と、前記軸受スリーブ(12)及び前記カウンタープレート(30)の間に、軸受流体が満たされた軸受隙間(50)が設けられ、
    前記カウンタープレート(30)の領域に介在する軸受流体に、大気圧より大である過圧を発生させる手段(36)を備える
    動圧軸受。
  2. 前記過圧を発生させる手段(36)が、前記軸(14)の外周面又は前記軸(14)を貫通させる前記軸受スリーブ(12)の内周面に設けられた溝の群(36)を含むことを特徴とする請求項1に記載の動圧軸受。
  3. 前記溝の群(36)を構成する溝の各々が、前記カウンタープレート(30)から遠い側の第1の部分と前記カウンタープレート(30)に近い側の第2の部分を有し、前記第1の部分と前記第2の部分は次第に接近し、それぞれの一端で互いに連結され、前記第1の部分が、前記第2の部分よりも長いことを特徴とする請求項2に記載の動圧軸受。
  4. 前記溝の群(36)が、ラジアル動圧軸受の一部であることを特徴とする請求項2又は3に記載の動圧軸受。
  5. 前記溝の群(36)が、前記カウンタープレートの近傍に設けられた第1の溝の列(52)と、前記第1の溝の列よりも前記カウンタープレートから遠い側に設けられた第2の溝の列(54)とを有し、
    前記第2の溝の列(54)を構成する溝の各々の前記第1の部分が、前記第2の部分よりも長いことを特徴とする請求項4に記載の動圧軸受。
  6. 前記軸(14)の、前記カウンタープレート側の軸端部(14’)において、前記軸(14)にスラストプレート(32)が取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の動圧軸受。
  7. 前記軸(14)の前記カウンタープレート(30)側の軸端部(14’)に、軸に対して直角方向の寸法が軸(14)の前記軸端部(14’)に近付くに連れて増大する部分を有する拡張部(42)が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の動圧軸受。
  8. 前記拡張部が略円錐状の外面を有することを特徴とする請求項7に記載の動圧軸受。
  9. 前記拡張部(42)が双円錐型のものであることを特徴とする請求項7に記載の動圧軸受。
  10. 前記拡張部(42)が、前記軸(14)に取り付けられた部材であって、前記軸端部(14’)と前記拡張部(42)の端部が同一平面上にあることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の動圧軸受。
  11. 前記スラストプレート(32)又は前記拡張部(42)に軸受流体を循環させるための流路(49)が設けられていることを特徴とする請求項6乃至10のいずれか1項に記載の動圧軸受。
  12. 前記カウンタープレート(30)に溝の群(34)が設けられていることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の動圧軸受。
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