JP2004183620A - 高速回転機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】潤滑用オイルが運転によって減量する。この問題を解決し、オイルトラップを自動的にオイル槽にもどすことができる高速回転機器を提供する。
【解決手段】オイルトラップOTは排気パイプ8において真空ポンプVPまでに介在されるが、ガス流路内に多孔質材のオイルフィルタOFが内設されている。そして、さらにこのオイルトラップOTの底部には回収路9が接続されている。この回収路9の他端はハウジング1の低部に配置されたオイル槽1Yの底部に接続されている。したがって、トラップされたオイルミストは、オイルトラップOTの底部から回収路9にて下方に流下しオイル槽1Yに流出する。さらにこの回収路9の一部には、ハウジング1の底部に配置されたオイル槽1Yと同一の位置に油面の高さを表示し、油量を計測するための計測部MGが設置されている。したがって、油面に位置する目盛の値から油量が計測できる。
【選択図】 図1
【解決手段】オイルトラップOTは排気パイプ8において真空ポンプVPまでに介在されるが、ガス流路内に多孔質材のオイルフィルタOFが内設されている。そして、さらにこのオイルトラップOTの底部には回収路9が接続されている。この回収路9の他端はハウジング1の低部に配置されたオイル槽1Yの底部に接続されている。したがって、トラップされたオイルミストは、オイルトラップOTの底部から回収路9にて下方に流下しオイル槽1Yに流出する。さらにこの回収路9の一部には、ハウジング1の底部に配置されたオイル槽1Yと同一の位置に油面の高さを表示し、油量を計測するための計測部MGが設置されている。したがって、油面に位置する目盛の値から油量が計測できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば気体レーザ発振器装置におけるガス循環用としての電動コンプレッサとしてのブロワ等に適用できる高速回転機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえばフロー型二酸化炭素ガスレーザ発振器装置の場合、炭酸ガスと他のガスの混合ガスを流しながら圧縮し、レーザ発振器に供給して共振させるようになっており、装置内にガス循環回路が構成されている。その循環回路の構成における一要素のブロワとしてターボ翼を高速で回転させてガスを圧縮し、レーザ発振器に供給する高速回転機器が使用されている。
【0003】
この種の高速回転機器は、ハウジング内の上方にターボ翼を回転可能に配設してガス圧縮し排出する機構を設けるとともに、下方にはこのターボ翼を高速回転駆動させるモータを配設している。そしてこのターボ翼と回転軸からなる高速回転体は、機械的な軸受方式で軸受けされ、オイルによる潤滑手段が併設されている。そのため、オイルミストがガス圧縮とともに排出されないよう真空ポンプで排気する方式が採用されている(たとえば、特許文献1参照。)。
この高速回転機器の具体的な構成は、図2に示すとおりで、ハウジング1の内方でその上方にターボ翼7が回転可能に配設され、同じく下方にはこのターボ翼7を高速回転駆動させるモータ2が配設され、両者が連結されている。このモータ2はハウジング1の側に固設された電極コイル2Kと、この電極コイル2Kに対応して回転軸4に固設された回転子2Mで構成され、電極コイル2Kにはインバータ3から電気エネルギーが供給される。
【0004】
回転軸4は上部転がり軸受5と下部転がり軸受6を介してハウジング1に対し、回転可能に保持されているが、この回転軸4の上方に形成された取付軸4Sにターボ翼7が固設されている。このモータ2および回転軸4を保持する上部転がり軸受5と下部転がり軸受6はモータ室M内に配設されている。
ターボ翼7がモータ2によって高速回転駆動されると、ガスは吸気口1Kから吸入され、圧縮されて排気口1Hより排出される。この吸気口1Kから排気口1Hまでがガス圧縮室Cを形成する。この排気口1Hからのガスは上記したようにガス循環回路(図示せず)を経てレーザ発振器(図示せず)に供給される。
【0005】
ところで、回転軸4には図2に示すとおり、軸芯上に中空孔4Hが形成されているが、この中空孔4Hの下方部は内孔が上方拡がりのテーパ状をなし、これらの部位が潤滑用のオイルL内に浸漬されている。したがって、中空孔4Hの下方域に侵入している潤滑用のオイルLは、回転軸4の回転による遠心力の作用を受けて上方に移動し、この作用で中空孔4Hはポンプ機能を発揮する。こうして潤滑用のオイルLは順次上方へ送り出され、射出孔4Tより外方に放出されてモータ2の冷却や上部転がり軸受5と下部転がり軸受6の潤滑を行なう。潤滑や冷却を終えた潤滑用のオイルLは再び下方のオイル槽1Yに溜められ、循環する。
【0006】
このように潤滑用のオイルLは、循環して上部転がり軸受5と下部転がり軸受6の潤滑を行なうが、この潤滑によって特にモータ室M内には噴霧状のオイルLが存在・浮遊することになる。モータ室Mにおける噴霧状のオイルLの存在は、上部転がり軸受5と下部転がり軸受6等における潤滑を良好にするが、このオイルミストがガス圧縮室Cに流入するとレーザ発振器などに流入し、レーザの発振機能を低下させる。このことからガス圧縮室Cとモータ室Mとは、シール部Sで遮断されるようになっている。すなわち、ハウジング1は上部転がり軸受5の上方位置において回転軸4が非接触で貫通できる範囲の最小径の貫通孔1Aが穿設され、回転軸4と協働してシール部Sが形成されている。このシール部Sはたとえばラビリンスシール等が適用される。
【0007】
他方、モータ室Mは外設した真空ポンプVPにて真空に排気される。これは上記したように、モータ室Mが潤滑用のオイルLのミストが充満しており、シール部Sの小さい隙間からガス圧縮室Cに漏洩するのを防止しなければならないからである。なお、この真空排気においては、排気パイプ8にオイルトラップOTが介設されている。さらに、ハウジング1の底部におけるオイル槽1Yにはオイル油面計OGが設置されていて、油量が計測できるようになっている。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−22243号公報(第3−4頁、第1図、第2図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
オイルトラップOTの介設によって、オイルトラップOTからのオイルLを回収することにより、オイルLの減少量をある程度阻止できる。また、オイル油面計OGの設置により、現時点の油量を確認でき、高速回転機器の安全な運転を保障できる。しかしながら、オイルトラップOTも次第に油量が増大するし、またオイル槽1Yにおける油量も少なくなるので、高速回転機器の運転中止時にオイルトラップOTからのオイルLを回収してオイル槽1Yに移し替える作業が必要であり、メンテナンスを必要とする。
本発明はこのような問題を解決する高速回転機器を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の高速回転機器は、上記課題を解決するために、ガス圧縮を行なうターボ翼とこのターボ翼を高速回転駆動するためのモータと、この両者を連結する垂直に配設した回転軸とこの回転軸を回転自在に保持する上部と下部に設けた転がり軸受と、ターボ翼が配設されたガス圧縮室と転がり軸受および回転駆動用のモータが配設されたモータ室を区画遮断し、かつ回転軸を貫通させるシール孔が穿設されたシール部とを備え、前記回転軸の内部には前記転がり軸受へ潤滑用オイルを供給する中空孔が設けられ、かつ下方端部にはオイル槽内の潤滑用オイルを汲み上げるポンプ機構が設けられ、転がり軸受を潤滑したけたがオイル槽内に戻るように構成された高速回転機器において、前記モータ室を排気する排気系に潤滑用のオイルをトラップするトラップ機構と、トラップした潤滑用のオイルをオイル槽に回収させるオイル回収路を設けたものである。また、オイルの回収路の下方端はオイル槽の油面位置より低位、具体的には底部位に接続される。そしてさらに、このオイル回収系にはオイル槽の油量を計測する計測部を設置したものである。したがって、トラップ゜機構にてトラップされた潤滑用オイルはオイル槽に自動的に回収される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図1に示す実施例にしたがつて、本発明の高速回転機器を説明する。
図1は従来の構成を示す図2と同様、高速回転機器の構成を縦断面して示す図で、ハウジング1の中央部内方に回転軸4が垂直に設置され、この回転軸4の上方にターボ翼7が取付軸4Sを介して軸着されている。この回転軸4はモータ2によって高速回転されるが、ハウジング1に架設されモータ室M内に配置された上部転がり軸受5と下部転がり軸受6にて支承されている。このモータ室M内は、排気パイプ8を介して真空ポンプVPによって排気される。この排気パイプ8にはオイルトラップOTが介在されている。
回転軸4は高速回転されることによって、上部転がり軸受5と下部転がり軸受6に回転自在に保持されたターボ翼7がガス圧縮室C内にて高速回転され、吸気口1Kからのガスが圧縮され、排気口1Hより排出される。なお、図1において、図2と同一の符号で示めされる部品は図2と同一の部品、機構であり、詳細な説明は省略する。
【0012】
さて、本発明の高速回転機器は、以上の構成において、オイルトラップOTとオイル槽1Yが連結されたものである。以下この点について説明する。オイルトラップOTは排気パイプ8において真空ポンプVPまでに介在されているが、このオイルトラップOT内には多孔質材のオイルフィルタOFが内設されている。オイルミストはこのオイルフィルタOFにてトラップされる。またこのオイルトラップOTの底部には、回収路9が接続されており、この回収路9の他端はハウジング1の底部に配置されたオイル槽1Yの底部に接続されている。
【0013】
したがって、オイル槽1Y内のオイルLが、回転軸4の下端部に設けられたポンプ機構によって上方に汲み上げられ、上部転がり軸受5や下部転がり軸受6を潤滑し、またモータ2を冷却した後、下方に流れ落ちて再びオイル槽1Y内に還流するが、この過程でオイルミストが生まれる。この場合オイルミストはモータ室M内に充満するが、シール部Sによってガス圧縮室Cに漏れ出ることは阻止される。同時にガス圧縮室Cは排気パイプ8を介して真空ポンプVPによって排気され、排気パイプ8に介在されたオイルトラップOTにてトラップされることになる。
【0014】
そして、オイルトラップOTにおいて、オイルフィルタOFによりトラップされたオイルミストは、トラップOTの底部から回収路9にて下方に流下しオイル槽1Yに流出する。したがって回収のための移し換え作業が不要となる。
【0015】
さらに図示実施例においては、回収路9の一部には、ハウジング1の底部に配置されたオイル槽1Yと同一の位置に油面の高さを表示し、油量を計測するための計測部MGが設置されている。具体的には図示例に示すように回収路9の全体または一部が透明に形成され、あるいは、透明の材料で構成され、その透明の管路に目盛が付記されている。したがって、油面が位置する目盛の値から、油量が計測される。
【0016】
本発明が提供する高速回転機器は以上詳述したとおりであるが、発明の構成は上記あるいは図示例に示される構成に限定されるものではなく、種々の変形例をも包含する。
【0017】
たとえば図示例の場合、オイルトラップOTを外設した構成として示したが、このオイルトラップOTをハウジング1内に一体的に形成内設するタイプの高速回転機器にも適用可能である。この場合、排気パイプ8や回収路9がハウジング1内に収まり高速回転機器の小型化が図れる。ハウジング1内に一体的に内設する形ではなく、ハウジング1の外面に接着設置する形としても小型化が図れる。さらに回収路9にオイルLの給油と廃油の切換弁を設置することも可能で、この場合この弁を介してオイル槽1Yに対するオイルLの補給を行うことも可能である。また、回収路9を柔軟なパイプで構成して、特に油量を計測するための計測部MG位置を所望の位置、すなわち運転操作上目視しやすい位置に設置できるようにすることもできる。
【0018】
オイルトラップOTの構成、特にオイルフィルタOFの構造様式などについては図示例や上記説明内容には限定されない。油量を計測するための計測部MGについても図示例は一例であって種々の形式のものを採用できる。また、この計測部MGも回収路9をハウジング1内に一体的に設置する場合には、ハウジング1内に一体的に埋設することができる。なお、図示例では、シール部Sを簡略な構成で示したが、ラビリンス形のシール機構やテーパ形の組み合わせによる方式など種々のシール機構を採用する高速回転機器に対しても本発明は適用可能である。
【0019】
【発明の効果】
本発明が提供する高速回転機器は以上詳述したとおりであるから、トラップした潤滑用オイルを運転中に常時継続してオイル槽に戻すことができる。また、オイルの回収路に油面を表示する手段を有するので、高速回転機器を据え付ける場合据え付け場所が奥まった狭い場所でもオイル回収路に油面の状況を目視できる位置に配置しておけば、油量を容易に計測でき、油面点検作業を向上させ、合わせて高速回転機器の安全な運転を保障する。さらに上記したようにこの回収路にオイルの給油と廃油の切換弁を設置した場合、オイルの補給が容易に行える利点も有する。したがって、操作性のすぐれた高速回転機器を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による高速回転機器の構成を示す縦断面図である。
【図2】従来における高速回転機器の構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 ウジング
1A 貫通孔
1H 排気口
1K 吸気口
1Y オイル槽
2 モータ
2K 電極コイル
2M 回転子
3 インバータ
4 回転軸
4S 取付軸
4H 中空孔
4T 射出孔
5 上部転がり軸受
6 下部転がり軸受
7 ターボ翼
8 排気パイプ
9 回収路
VP 真空ポンプ
C ガス圧縮室
M モータ室
S シール部
L オイル
OG オイル油面計
OT オイルトラップ
OF オイルフィルタ
MG 計測部
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば気体レーザ発振器装置におけるガス循環用としての電動コンプレッサとしてのブロワ等に適用できる高速回転機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえばフロー型二酸化炭素ガスレーザ発振器装置の場合、炭酸ガスと他のガスの混合ガスを流しながら圧縮し、レーザ発振器に供給して共振させるようになっており、装置内にガス循環回路が構成されている。その循環回路の構成における一要素のブロワとしてターボ翼を高速で回転させてガスを圧縮し、レーザ発振器に供給する高速回転機器が使用されている。
【0003】
この種の高速回転機器は、ハウジング内の上方にターボ翼を回転可能に配設してガス圧縮し排出する機構を設けるとともに、下方にはこのターボ翼を高速回転駆動させるモータを配設している。そしてこのターボ翼と回転軸からなる高速回転体は、機械的な軸受方式で軸受けされ、オイルによる潤滑手段が併設されている。そのため、オイルミストがガス圧縮とともに排出されないよう真空ポンプで排気する方式が採用されている(たとえば、特許文献1参照。)。
この高速回転機器の具体的な構成は、図2に示すとおりで、ハウジング1の内方でその上方にターボ翼7が回転可能に配設され、同じく下方にはこのターボ翼7を高速回転駆動させるモータ2が配設され、両者が連結されている。このモータ2はハウジング1の側に固設された電極コイル2Kと、この電極コイル2Kに対応して回転軸4に固設された回転子2Mで構成され、電極コイル2Kにはインバータ3から電気エネルギーが供給される。
【0004】
回転軸4は上部転がり軸受5と下部転がり軸受6を介してハウジング1に対し、回転可能に保持されているが、この回転軸4の上方に形成された取付軸4Sにターボ翼7が固設されている。このモータ2および回転軸4を保持する上部転がり軸受5と下部転がり軸受6はモータ室M内に配設されている。
ターボ翼7がモータ2によって高速回転駆動されると、ガスは吸気口1Kから吸入され、圧縮されて排気口1Hより排出される。この吸気口1Kから排気口1Hまでがガス圧縮室Cを形成する。この排気口1Hからのガスは上記したようにガス循環回路(図示せず)を経てレーザ発振器(図示せず)に供給される。
【0005】
ところで、回転軸4には図2に示すとおり、軸芯上に中空孔4Hが形成されているが、この中空孔4Hの下方部は内孔が上方拡がりのテーパ状をなし、これらの部位が潤滑用のオイルL内に浸漬されている。したがって、中空孔4Hの下方域に侵入している潤滑用のオイルLは、回転軸4の回転による遠心力の作用を受けて上方に移動し、この作用で中空孔4Hはポンプ機能を発揮する。こうして潤滑用のオイルLは順次上方へ送り出され、射出孔4Tより外方に放出されてモータ2の冷却や上部転がり軸受5と下部転がり軸受6の潤滑を行なう。潤滑や冷却を終えた潤滑用のオイルLは再び下方のオイル槽1Yに溜められ、循環する。
【0006】
このように潤滑用のオイルLは、循環して上部転がり軸受5と下部転がり軸受6の潤滑を行なうが、この潤滑によって特にモータ室M内には噴霧状のオイルLが存在・浮遊することになる。モータ室Mにおける噴霧状のオイルLの存在は、上部転がり軸受5と下部転がり軸受6等における潤滑を良好にするが、このオイルミストがガス圧縮室Cに流入するとレーザ発振器などに流入し、レーザの発振機能を低下させる。このことからガス圧縮室Cとモータ室Mとは、シール部Sで遮断されるようになっている。すなわち、ハウジング1は上部転がり軸受5の上方位置において回転軸4が非接触で貫通できる範囲の最小径の貫通孔1Aが穿設され、回転軸4と協働してシール部Sが形成されている。このシール部Sはたとえばラビリンスシール等が適用される。
【0007】
他方、モータ室Mは外設した真空ポンプVPにて真空に排気される。これは上記したように、モータ室Mが潤滑用のオイルLのミストが充満しており、シール部Sの小さい隙間からガス圧縮室Cに漏洩するのを防止しなければならないからである。なお、この真空排気においては、排気パイプ8にオイルトラップOTが介設されている。さらに、ハウジング1の底部におけるオイル槽1Yにはオイル油面計OGが設置されていて、油量が計測できるようになっている。
【0008】
【特許文献1】
特開2000−22243号公報(第3−4頁、第1図、第2図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
オイルトラップOTの介設によって、オイルトラップOTからのオイルLを回収することにより、オイルLの減少量をある程度阻止できる。また、オイル油面計OGの設置により、現時点の油量を確認でき、高速回転機器の安全な運転を保障できる。しかしながら、オイルトラップOTも次第に油量が増大するし、またオイル槽1Yにおける油量も少なくなるので、高速回転機器の運転中止時にオイルトラップOTからのオイルLを回収してオイル槽1Yに移し替える作業が必要であり、メンテナンスを必要とする。
本発明はこのような問題を解決する高速回転機器を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の高速回転機器は、上記課題を解決するために、ガス圧縮を行なうターボ翼とこのターボ翼を高速回転駆動するためのモータと、この両者を連結する垂直に配設した回転軸とこの回転軸を回転自在に保持する上部と下部に設けた転がり軸受と、ターボ翼が配設されたガス圧縮室と転がり軸受および回転駆動用のモータが配設されたモータ室を区画遮断し、かつ回転軸を貫通させるシール孔が穿設されたシール部とを備え、前記回転軸の内部には前記転がり軸受へ潤滑用オイルを供給する中空孔が設けられ、かつ下方端部にはオイル槽内の潤滑用オイルを汲み上げるポンプ機構が設けられ、転がり軸受を潤滑したけたがオイル槽内に戻るように構成された高速回転機器において、前記モータ室を排気する排気系に潤滑用のオイルをトラップするトラップ機構と、トラップした潤滑用のオイルをオイル槽に回収させるオイル回収路を設けたものである。また、オイルの回収路の下方端はオイル槽の油面位置より低位、具体的には底部位に接続される。そしてさらに、このオイル回収系にはオイル槽の油量を計測する計測部を設置したものである。したがって、トラップ゜機構にてトラップされた潤滑用オイルはオイル槽に自動的に回収される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図1に示す実施例にしたがつて、本発明の高速回転機器を説明する。
図1は従来の構成を示す図2と同様、高速回転機器の構成を縦断面して示す図で、ハウジング1の中央部内方に回転軸4が垂直に設置され、この回転軸4の上方にターボ翼7が取付軸4Sを介して軸着されている。この回転軸4はモータ2によって高速回転されるが、ハウジング1に架設されモータ室M内に配置された上部転がり軸受5と下部転がり軸受6にて支承されている。このモータ室M内は、排気パイプ8を介して真空ポンプVPによって排気される。この排気パイプ8にはオイルトラップOTが介在されている。
回転軸4は高速回転されることによって、上部転がり軸受5と下部転がり軸受6に回転自在に保持されたターボ翼7がガス圧縮室C内にて高速回転され、吸気口1Kからのガスが圧縮され、排気口1Hより排出される。なお、図1において、図2と同一の符号で示めされる部品は図2と同一の部品、機構であり、詳細な説明は省略する。
【0012】
さて、本発明の高速回転機器は、以上の構成において、オイルトラップOTとオイル槽1Yが連結されたものである。以下この点について説明する。オイルトラップOTは排気パイプ8において真空ポンプVPまでに介在されているが、このオイルトラップOT内には多孔質材のオイルフィルタOFが内設されている。オイルミストはこのオイルフィルタOFにてトラップされる。またこのオイルトラップOTの底部には、回収路9が接続されており、この回収路9の他端はハウジング1の底部に配置されたオイル槽1Yの底部に接続されている。
【0013】
したがって、オイル槽1Y内のオイルLが、回転軸4の下端部に設けられたポンプ機構によって上方に汲み上げられ、上部転がり軸受5や下部転がり軸受6を潤滑し、またモータ2を冷却した後、下方に流れ落ちて再びオイル槽1Y内に還流するが、この過程でオイルミストが生まれる。この場合オイルミストはモータ室M内に充満するが、シール部Sによってガス圧縮室Cに漏れ出ることは阻止される。同時にガス圧縮室Cは排気パイプ8を介して真空ポンプVPによって排気され、排気パイプ8に介在されたオイルトラップOTにてトラップされることになる。
【0014】
そして、オイルトラップOTにおいて、オイルフィルタOFによりトラップされたオイルミストは、トラップOTの底部から回収路9にて下方に流下しオイル槽1Yに流出する。したがって回収のための移し換え作業が不要となる。
【0015】
さらに図示実施例においては、回収路9の一部には、ハウジング1の底部に配置されたオイル槽1Yと同一の位置に油面の高さを表示し、油量を計測するための計測部MGが設置されている。具体的には図示例に示すように回収路9の全体または一部が透明に形成され、あるいは、透明の材料で構成され、その透明の管路に目盛が付記されている。したがって、油面が位置する目盛の値から、油量が計測される。
【0016】
本発明が提供する高速回転機器は以上詳述したとおりであるが、発明の構成は上記あるいは図示例に示される構成に限定されるものではなく、種々の変形例をも包含する。
【0017】
たとえば図示例の場合、オイルトラップOTを外設した構成として示したが、このオイルトラップOTをハウジング1内に一体的に形成内設するタイプの高速回転機器にも適用可能である。この場合、排気パイプ8や回収路9がハウジング1内に収まり高速回転機器の小型化が図れる。ハウジング1内に一体的に内設する形ではなく、ハウジング1の外面に接着設置する形としても小型化が図れる。さらに回収路9にオイルLの給油と廃油の切換弁を設置することも可能で、この場合この弁を介してオイル槽1Yに対するオイルLの補給を行うことも可能である。また、回収路9を柔軟なパイプで構成して、特に油量を計測するための計測部MG位置を所望の位置、すなわち運転操作上目視しやすい位置に設置できるようにすることもできる。
【0018】
オイルトラップOTの構成、特にオイルフィルタOFの構造様式などについては図示例や上記説明内容には限定されない。油量を計測するための計測部MGについても図示例は一例であって種々の形式のものを採用できる。また、この計測部MGも回収路9をハウジング1内に一体的に設置する場合には、ハウジング1内に一体的に埋設することができる。なお、図示例では、シール部Sを簡略な構成で示したが、ラビリンス形のシール機構やテーパ形の組み合わせによる方式など種々のシール機構を採用する高速回転機器に対しても本発明は適用可能である。
【0019】
【発明の効果】
本発明が提供する高速回転機器は以上詳述したとおりであるから、トラップした潤滑用オイルを運転中に常時継続してオイル槽に戻すことができる。また、オイルの回収路に油面を表示する手段を有するので、高速回転機器を据え付ける場合据え付け場所が奥まった狭い場所でもオイル回収路に油面の状況を目視できる位置に配置しておけば、油量を容易に計測でき、油面点検作業を向上させ、合わせて高速回転機器の安全な運転を保障する。さらに上記したようにこの回収路にオイルの給油と廃油の切換弁を設置した場合、オイルの補給が容易に行える利点も有する。したがって、操作性のすぐれた高速回転機器を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による高速回転機器の構成を示す縦断面図である。
【図2】従来における高速回転機器の構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 ウジング
1A 貫通孔
1H 排気口
1K 吸気口
1Y オイル槽
2 モータ
2K 電極コイル
2M 回転子
3 インバータ
4 回転軸
4S 取付軸
4H 中空孔
4T 射出孔
5 上部転がり軸受
6 下部転がり軸受
7 ターボ翼
8 排気パイプ
9 回収路
VP 真空ポンプ
C ガス圧縮室
M モータ室
S シール部
L オイル
OG オイル油面計
OT オイルトラップ
OF オイルフィルタ
MG 計測部
Claims (2)
- ガス圧縮を行なうターボ翼とこのターボ翼を高速回転駆動するためのモータとこの両者を連結する垂直に配設した回転軸とこの回転軸を回転自在に保持する上部と下部に設けた転がり軸受と、前記ターボ翼が配設されたガス圧縮室と転がり軸受および前記モータが配設されたモータ室を区画遮断しかつ回転軸を貫通させるシール機構とを備え、前記回転軸の内部には前記転がり軸受へ潤滑用オイルを供給する中空孔が設けられ、かつ下方端部にはオイル槽内の潤滑用オイルを汲み上げ前記中空孔へ送り出すポンプ機構が設けられ、転がり軸受を潤滑した後オイル槽内に戻るように構成された高速回転機器において、前記モータ室を排気する排気系に潤滑用オイルをトラップするトラップ機構と、トラップした潤滑用オイルをオイル槽に回収させるオイル回収路を設けたことを特徴とする高速回転機器。
- オイル回収路の下方端はオイル槽の油面位置より低位に接続されかつこのオイル回収路にはオイル槽の油量を計測する計測部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の高速回転機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002354592A JP2004183620A (ja) | 2002-12-06 | 2002-12-06 | 高速回転機器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002354592A JP2004183620A (ja) | 2002-12-06 | 2002-12-06 | 高速回転機器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004183620A true JP2004183620A (ja) | 2004-07-02 |
Family
ID=32755532
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002354592A Pending JP2004183620A (ja) | 2002-12-06 | 2002-12-06 | 高速回転機器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004183620A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006177280A (ja) * | 2004-12-24 | 2006-07-06 | Shimadzu Corp | 高速回転機器 |
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2002
- 2002-12-06 JP JP2002354592A patent/JP2004183620A/ja active Pending
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US12029849B2 (en) | 2016-04-29 | 2024-07-09 | Fisher & Paykel Healthcare Limited | Blower for breathing apparatus |
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Legal Events
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A977 | Report on retrieval |
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