JP2004183598A - 流体ポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】流体ポンプにおいて、電動モーター側への流体の侵入を防止でき、水の供給に用いられる場合に、電動モーターにおける錆びの発生を回避できるようにする。
【解決手段】電動モーター7の回転軸13が貫通する前記ポンプハウジング4の貫通穴4Aに、前記ポンプハウジング4の厚さよりの長いブッシュ11を圧入すると共に、前記ブッシュ11の外径よりも大きな内径のチューブ12で、ポンプハウジング4の電動モーター7側端面から回転子7B端面までの間の回転軸13の周囲を覆う。
【選択図】 図2
【解決手段】電動モーター7の回転軸13が貫通する前記ポンプハウジング4の貫通穴4Aに、前記ポンプハウジング4の厚さよりの長いブッシュ11を圧入すると共に、前記ブッシュ11の外径よりも大きな内径のチューブ12で、ポンプハウジング4の電動モーター7側端面から回転子7B端面までの間の回転軸13の周囲を覆う。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両用燃料電池システムにおいて、電解質膜を適正な加湿状態に保持すべく水を圧送供給するのに好適な流体ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用燃料電池システムにおいては、電解質膜が適度に加湿されることにより、イオン伝導率が向上して電気化学反応に伴う発電量を多くすることができるため、従来から、燃料電池スタックに供給する燃焼ガス及び酸化ガスに対し流体ポンプによって加湿用の水を供給することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、従来、内燃機関にガソリンを供給する流体ポンプとして、例えば、特許文献2に開示されるようなものがあった。
このものは、電動モーターを収容する筒状のケーシングと、該ケーシング内に設けられ、流体の吸込口及び吐出口を有するポンプハウジングと、該ポンプハウジング内に回転可能に設けられ、前記電動モーターにより回転駆動されるインペラとを有して構成される、所謂タービン型流体ポンプである。
【0004】
そして、前記インペラが電動モーターで回転駆動されると、そのポンプ作用により吸込口を介して燃料が吸込まれ、この吸込まれた燃料は前記ケーシング内へ吐出され、前記ケーシングの吸込口とは反対側に設けられる吐出口から外部へ吐出される。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−141088号公報
【特許文献2】
特開平08−042484号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術の流体ポンプでは、吸込口から吸込まれた燃料がケーシング内を流通する構成であるため、前記ポンプハウジングの電動モーターの回転軸が貫通する貫通穴の部分からのケーシング内への燃料の漏れ出しについては許容されていた。
【0007】
しかし、上述した従来技術の流体ポンプを、燃料電池システムでの加湿水供給用ポンプとして使用する場合、前記ケーシング内に水が侵入すると、電動モーターに錆等が発生して円滑な回転を妨げると共に、ポンプ効率が低下し、電動モーターの寿命を低下させるため、ポンプハウジングから直接外部に水を吐き出すように吐出口を設けると共に、前記貫通穴の部分からの水の侵入を防止する必要が生じる。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、ポンプハウジングの電動モーターの回転軸が貫通する貫通穴の部分からのケーシング内への燃料の漏れ出しを防止でき、以って、燃料電池システムにおいて加湿用ポンプとして使用可能な流体ポンプを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そのため請求項1記載の発明では、電動モーターの回転軸が貫通するポンプハウジングの貫通穴に、ブッシュを圧入する構成とした。
【0010】
係る構成によると、回転軸がポンプハウジングを貫通する部分において、ブッシュによりクリアランスが縮小され、電動モーター側への流体(水)の侵入が抑制される。
【0011】
従って、水の供給用として流体ポンプを用いた場合に、水が貫通穴から電動モーター側へ侵入して電動モーターに錆等が発生することを防止できる。
請求項2記載の発明では、前記ブッシュの長さを、前記貫通穴の部分における前記ポンプハウジングの厚さよりも長くする構成とした。
【0012】
係る構成によると、ブッシュによるクリアランスの小さい部分の長さが長く確保され、より電動モーター側への流体(水)の侵入が抑制される。
請求項3記載の発明では、前記ブッシュの外径よりも大きな内径のチューブで、ポンプハウジングの電動モーター側端面から電動モーターの回転子端面までの間の回転軸の周囲を覆う構成とした。
【0013】
上記構成によると、ブッシュと回転軸との間のクリアランスが電動モーター側に解放される部分が、チューブによって閉塞空間とされる。
従って、水の供給用として流体ポンプを用いた場合に、ブッシュと回転軸との間のクリアランスを介して電動モーター側に漏れ出した微量な水を、前記チューブの内側に閉じ込めることができ、貫通穴から電動モーターへの水の浸入をより確実に防止できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明に係る流体ポンプを適用する固体高分子型燃料電池システムの概略図である。
【0015】
この図1において、流体ポンプ(水ポンプ)21は、水貯蔵タンク14より吸上げた水(好ましくは純水)を、水噴射弁16a,16bを介して加湿器17a,17bへそれぞれ供給する。
【0016】
前記加湿器17a,17bには、燃焼ガスとしての水素を供給する水素供給管19及び酸化ガスとしての酸素を供給する酸素供給管18がそれぞれ配設され、前記水噴射弁16a,16bにより噴射される水がそれぞれのガスに混入される。
【0017】
前記加湿器17a,17bにて加湿された供給ガス(水素,酸素)は、湿潤状態を維持しながら燃料電池スタック20へと供給され、該燃料電池スタック20において電気化学反応により発電が行われる。
【0018】
尚、前記水噴射弁16a,16bに供給される水の圧力を調整するためのプレッシャレギュレータ15が設けられている。
ここで、図2に基づいて、前記流体ポンプ(水ポンプ)21の構造を詳細に説明する。
【0019】
図2において、ケーシング1は、その軸方向一端側にポンプハウジング2が取付けられ、内部に電動モーター7が配置されている。
前記ポンプハウジング2は、外側ポンプハウジング3及び内側ポンプハウジング4の2つのハウジング部材を、上下方向で衝合することで構成され、該ポンプハウジング2内にはインペラ5が内設される。
【0020】
前記外側ポンプハウジング3には、流体(水)の吸込口9,吐出口10が形成されると共に(図3参照)、内側ポンプハウジング4と対向する面に、インペラ5を収容するための凹陥部3Aが形成されている。
【0021】
そして、外側ポンプハウジング3は、ケーシング1の下端側にカシメ等の手段で嵌合状態で取り付けられ、ケーシング1を外側から閉塞する。
一方、内側ポンプハウジング4には、電動モーター7の回転軸13が貫通する貫通穴4Aが形成されている。
【0022】
前記インペラ5は、前記外側ポンプハウジング3の凹陥部3A内に回転可能に設けられる。
該インペラ5は、例えば耐食性,耐磨耗性に優れた樹脂材によって略円板状に形成され、図4に示すように、外周部の表裏に外周端面方向に開口する複数の羽根5B,5B・・・及び溝部5C,5C・・・をそれぞれ備える。
【0023】
そして、インペラ5は、凹陥部3A内で外側ポンプハウジング3の上面と内側ポンプハウジング4の下面との間に、上,下面がフローティングシールされ、この状態で回転軸6と一体に電動モーター7により回転駆動される。
【0024】
前記電動モーター7は、ケーシング1の内側に固定されるヨーク7Aと、該ヨーク7Aの内側に挿入される回転子7B及びコンミテータ7Cと、該コンミテータ7Cに摺接する一対のブラシ(図示せず)等により構成されている。
【0025】
支軸6は、一端がハウジングカバー(図示せず)に圧入固定され、他端が外側ポンプハウジング3に圧入固定される。
該支軸6には、前記回転子7B及びコンミテータ7Cが遊嵌され、前記回転子7B及びコンミテータ7Cを回転可能に支持すると共に、前記インペラ5が遊嵌され、前記インペラ5を回転可能に支持する。
【0026】
前記回転軸13は、筒状に形成され、一端が前記回転子7Bに固定される一方、その中空部に前記支軸6が挿通され、先端部が前記インペラ5と回転方向に係合することで、回転子7B,回転軸13と一体にインペラ5が回転駆動される。
【0027】
図中、符号8は、インペラ5を収容する凹陥部3Aの外周側に形成された流体通路を示し、該流体通路8は、その一端側が吸込口9に連通し、他端側が吐出口10に連通している(図3参照)。
【0028】
ここで、内側ポンプハウジング部4の回転軸13が挿通される貫通穴4Aに、内側ポンプハウジング部4の厚さよりも長い円筒状のブッシュ11を圧入させてある。
【0029】
前記ブッシュ11は、例えばシリコン等の耐錆性を有する材料から形成され、該ブッシュ11によってクリアランスが小さくかつ長いシール部を構成している。
【0030】
更に、前記ブッシュ11の外径よりも大きな内径のチューブ12の一端を、回転子7Bの端部7Dに固着し、その先端開口部が前記ブッシュ11外側の内側ポンプハウジング4の上面に当接されるようにしてある。
【0031】
即ち、チューブ12は、その先端が前記ブッシュ11外側の内側ポンプハウジング4の上面に摺接しつつ、前記回転子7Bと一体に回転するようになっており、前記内側ポンプハウジング4と回転子7Bとの間の回転軸13の周囲が、前記チューブ12で覆われる。
【0032】
前記チューブ12は、前記ブッシュ11と同様に、例えばシリコン等の耐錆性を有する材料から形成される。
前記ブッシュ11によってクリアランスが小さくかつ長いシール部を構成し、水の電動モーター7側への侵入を抑制するが、前記ブッシュ11と回転軸13との間のクラアランスを介して電動モーター7側へ漏れ出した微量の水は、前記チューブ12で囲まれる閉塞空間に閉じ込められることになり、電動モーター7側への侵入が阻止される。
【0033】
本実施の形態による流体ポンプ21は、上述の如き構成を有するもので、次にその作動を、図5を参照しつつ説明する。
電動モーター7の回転子7Bに駆動電流が供給されると、回転子7Bが回転軸13と一体に回転し、ポンプハウジング2内でインペラ5を回転駆動する。
【0034】
そして、インペラ5の回転により、水貯蔵タンク14内の水が吸込口9から流体通路8へと吸込まれ、この水は、インペラ5の各羽根5Bにより流体通路8に沿って圧送されつつ、吐出口10から外部の配管(図示せず)へ吐出される。
【0035】
ここで、前記ポンプハウジング2内と電動モーター7が収容されるケーシング1内の空間とは、内側ポンプハウジング4の回転軸13及び支軸6を挿通するための貫通穴4Aによって連通されているため、流体通路8内に供給された水が、貫通穴4Aを介して電動モーター7側へ浸入してしまう可能性がある。
【0036】
しかし、本実施形態では、内側ポンプハウジング4の回転軸13が貫通する貫通穴4Aと、前記回転軸13との間に、内側ポンプハウジング4の厚さよりも長く、クリアランスの小さい部分を長く確保できるブッシュ11を圧入し、かつ、電動モーター7の回転子7Bに、前記ブッシュ11を介して漏れ出した微小の水を閉じ込めるチューブ12を固定して、電動モーター7側への水の浸入を防止している。
【0037】
これにより、電動モーター部7への水の浸入によって錆等が発生することを回避でき、円滑な回転を妨げること無く、ポンプ効率・耐久性を向上させることができる。
【0038】
また、ブッシュ11及びチューブ12には耐錆性を有する材料によって形成したことにより、これ自体に錆等の発生が無く、ブッシュ11及びチューブ12の錆びによって円滑な回転が妨げることが無い。
【0039】
尚、上記実施形態では、ブッシュ11及びチューブ12の2重構造によって、電動モーター7側への水の侵入を抑止する構成としたが、ブッシュ11のみで水の侵入の抑止を図る構成としても良い。
【0040】
更に、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術思想について、以下にその効果と共に記載する。
(イ)請求項1〜3のいずれか1つに記載の流体ポンプにおいて、前記流体ポンプが、燃料電池システムにおいて、燃焼ガス及び/又は酸化ガスに水を混入する手段に水を供給するためのポンプであることを特徴とする流体ポンプ。
【0041】
係る構成によると、燃焼ガス(水素)及び/又は酸化ガス(酸素又は空気)を加湿すべく、水を混入させる燃料電池システムにおいて、前記水の供給に用いられる流体ポンプを構成する電動モーターに水が浸入することを抑止でき、以って、水の浸入による電動モーターの錆びの発生を回避できる。
(ロ)請求項3記載の流体ポンプにおいて、前記ブッシュ及びチューブが、耐錆性を有する材料で形成されることを特徴とする流体ポンプ。
【0042】
これにより、ブッシュ及びチューブで錆びが発生することがなく、錆びの発生によって円滑な回転を妨げることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態において本発明に係る流体ポンプを適用するの燃料電池システムの概略図。
【図2】実施の形態における流体ポンプを示す断面図。
【図3】図2中の矢示I−I方向から見た要部断面図。
【図4】インペラの斜視図。
【図5】ポンプハウジング内での流体の流れを示す状態図。
【符号の説明】
1…ケーシング、2…ポンプハウジング、3…外側ポンプハウジング、3A…凹陥部、4…内側ポンプハウジング、4A…貫通穴、5…インペラ、6…支軸、7…電動モーター、7B…回転子、8…流体通路、9…吸込口、10…吐出口、11…ブッシュ、12…チューブ、13…回転軸、14…水貯蔵タンク、16a,16b…水噴射弁、17a,17b…加湿器、21…流体ポンプ
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両用燃料電池システムにおいて、電解質膜を適正な加湿状態に保持すべく水を圧送供給するのに好適な流体ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用燃料電池システムにおいては、電解質膜が適度に加湿されることにより、イオン伝導率が向上して電気化学反応に伴う発電量を多くすることができるため、従来から、燃料電池スタックに供給する燃焼ガス及び酸化ガスに対し流体ポンプによって加湿用の水を供給することが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、従来、内燃機関にガソリンを供給する流体ポンプとして、例えば、特許文献2に開示されるようなものがあった。
このものは、電動モーターを収容する筒状のケーシングと、該ケーシング内に設けられ、流体の吸込口及び吐出口を有するポンプハウジングと、該ポンプハウジング内に回転可能に設けられ、前記電動モーターにより回転駆動されるインペラとを有して構成される、所謂タービン型流体ポンプである。
【0004】
そして、前記インペラが電動モーターで回転駆動されると、そのポンプ作用により吸込口を介して燃料が吸込まれ、この吸込まれた燃料は前記ケーシング内へ吐出され、前記ケーシングの吸込口とは反対側に設けられる吐出口から外部へ吐出される。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−141088号公報
【特許文献2】
特開平08−042484号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術の流体ポンプでは、吸込口から吸込まれた燃料がケーシング内を流通する構成であるため、前記ポンプハウジングの電動モーターの回転軸が貫通する貫通穴の部分からのケーシング内への燃料の漏れ出しについては許容されていた。
【0007】
しかし、上述した従来技術の流体ポンプを、燃料電池システムでの加湿水供給用ポンプとして使用する場合、前記ケーシング内に水が侵入すると、電動モーターに錆等が発生して円滑な回転を妨げると共に、ポンプ効率が低下し、電動モーターの寿命を低下させるため、ポンプハウジングから直接外部に水を吐き出すように吐出口を設けると共に、前記貫通穴の部分からの水の侵入を防止する必要が生じる。
【0008】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、ポンプハウジングの電動モーターの回転軸が貫通する貫通穴の部分からのケーシング内への燃料の漏れ出しを防止でき、以って、燃料電池システムにおいて加湿用ポンプとして使用可能な流体ポンプを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そのため請求項1記載の発明では、電動モーターの回転軸が貫通するポンプハウジングの貫通穴に、ブッシュを圧入する構成とした。
【0010】
係る構成によると、回転軸がポンプハウジングを貫通する部分において、ブッシュによりクリアランスが縮小され、電動モーター側への流体(水)の侵入が抑制される。
【0011】
従って、水の供給用として流体ポンプを用いた場合に、水が貫通穴から電動モーター側へ侵入して電動モーターに錆等が発生することを防止できる。
請求項2記載の発明では、前記ブッシュの長さを、前記貫通穴の部分における前記ポンプハウジングの厚さよりも長くする構成とした。
【0012】
係る構成によると、ブッシュによるクリアランスの小さい部分の長さが長く確保され、より電動モーター側への流体(水)の侵入が抑制される。
請求項3記載の発明では、前記ブッシュの外径よりも大きな内径のチューブで、ポンプハウジングの電動モーター側端面から電動モーターの回転子端面までの間の回転軸の周囲を覆う構成とした。
【0013】
上記構成によると、ブッシュと回転軸との間のクリアランスが電動モーター側に解放される部分が、チューブによって閉塞空間とされる。
従って、水の供給用として流体ポンプを用いた場合に、ブッシュと回転軸との間のクリアランスを介して電動モーター側に漏れ出した微量な水を、前記チューブの内側に閉じ込めることができ、貫通穴から電動モーターへの水の浸入をより確実に防止できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明に係る流体ポンプを適用する固体高分子型燃料電池システムの概略図である。
【0015】
この図1において、流体ポンプ(水ポンプ)21は、水貯蔵タンク14より吸上げた水(好ましくは純水)を、水噴射弁16a,16bを介して加湿器17a,17bへそれぞれ供給する。
【0016】
前記加湿器17a,17bには、燃焼ガスとしての水素を供給する水素供給管19及び酸化ガスとしての酸素を供給する酸素供給管18がそれぞれ配設され、前記水噴射弁16a,16bにより噴射される水がそれぞれのガスに混入される。
【0017】
前記加湿器17a,17bにて加湿された供給ガス(水素,酸素)は、湿潤状態を維持しながら燃料電池スタック20へと供給され、該燃料電池スタック20において電気化学反応により発電が行われる。
【0018】
尚、前記水噴射弁16a,16bに供給される水の圧力を調整するためのプレッシャレギュレータ15が設けられている。
ここで、図2に基づいて、前記流体ポンプ(水ポンプ)21の構造を詳細に説明する。
【0019】
図2において、ケーシング1は、その軸方向一端側にポンプハウジング2が取付けられ、内部に電動モーター7が配置されている。
前記ポンプハウジング2は、外側ポンプハウジング3及び内側ポンプハウジング4の2つのハウジング部材を、上下方向で衝合することで構成され、該ポンプハウジング2内にはインペラ5が内設される。
【0020】
前記外側ポンプハウジング3には、流体(水)の吸込口9,吐出口10が形成されると共に(図3参照)、内側ポンプハウジング4と対向する面に、インペラ5を収容するための凹陥部3Aが形成されている。
【0021】
そして、外側ポンプハウジング3は、ケーシング1の下端側にカシメ等の手段で嵌合状態で取り付けられ、ケーシング1を外側から閉塞する。
一方、内側ポンプハウジング4には、電動モーター7の回転軸13が貫通する貫通穴4Aが形成されている。
【0022】
前記インペラ5は、前記外側ポンプハウジング3の凹陥部3A内に回転可能に設けられる。
該インペラ5は、例えば耐食性,耐磨耗性に優れた樹脂材によって略円板状に形成され、図4に示すように、外周部の表裏に外周端面方向に開口する複数の羽根5B,5B・・・及び溝部5C,5C・・・をそれぞれ備える。
【0023】
そして、インペラ5は、凹陥部3A内で外側ポンプハウジング3の上面と内側ポンプハウジング4の下面との間に、上,下面がフローティングシールされ、この状態で回転軸6と一体に電動モーター7により回転駆動される。
【0024】
前記電動モーター7は、ケーシング1の内側に固定されるヨーク7Aと、該ヨーク7Aの内側に挿入される回転子7B及びコンミテータ7Cと、該コンミテータ7Cに摺接する一対のブラシ(図示せず)等により構成されている。
【0025】
支軸6は、一端がハウジングカバー(図示せず)に圧入固定され、他端が外側ポンプハウジング3に圧入固定される。
該支軸6には、前記回転子7B及びコンミテータ7Cが遊嵌され、前記回転子7B及びコンミテータ7Cを回転可能に支持すると共に、前記インペラ5が遊嵌され、前記インペラ5を回転可能に支持する。
【0026】
前記回転軸13は、筒状に形成され、一端が前記回転子7Bに固定される一方、その中空部に前記支軸6が挿通され、先端部が前記インペラ5と回転方向に係合することで、回転子7B,回転軸13と一体にインペラ5が回転駆動される。
【0027】
図中、符号8は、インペラ5を収容する凹陥部3Aの外周側に形成された流体通路を示し、該流体通路8は、その一端側が吸込口9に連通し、他端側が吐出口10に連通している(図3参照)。
【0028】
ここで、内側ポンプハウジング部4の回転軸13が挿通される貫通穴4Aに、内側ポンプハウジング部4の厚さよりも長い円筒状のブッシュ11を圧入させてある。
【0029】
前記ブッシュ11は、例えばシリコン等の耐錆性を有する材料から形成され、該ブッシュ11によってクリアランスが小さくかつ長いシール部を構成している。
【0030】
更に、前記ブッシュ11の外径よりも大きな内径のチューブ12の一端を、回転子7Bの端部7Dに固着し、その先端開口部が前記ブッシュ11外側の内側ポンプハウジング4の上面に当接されるようにしてある。
【0031】
即ち、チューブ12は、その先端が前記ブッシュ11外側の内側ポンプハウジング4の上面に摺接しつつ、前記回転子7Bと一体に回転するようになっており、前記内側ポンプハウジング4と回転子7Bとの間の回転軸13の周囲が、前記チューブ12で覆われる。
【0032】
前記チューブ12は、前記ブッシュ11と同様に、例えばシリコン等の耐錆性を有する材料から形成される。
前記ブッシュ11によってクリアランスが小さくかつ長いシール部を構成し、水の電動モーター7側への侵入を抑制するが、前記ブッシュ11と回転軸13との間のクラアランスを介して電動モーター7側へ漏れ出した微量の水は、前記チューブ12で囲まれる閉塞空間に閉じ込められることになり、電動モーター7側への侵入が阻止される。
【0033】
本実施の形態による流体ポンプ21は、上述の如き構成を有するもので、次にその作動を、図5を参照しつつ説明する。
電動モーター7の回転子7Bに駆動電流が供給されると、回転子7Bが回転軸13と一体に回転し、ポンプハウジング2内でインペラ5を回転駆動する。
【0034】
そして、インペラ5の回転により、水貯蔵タンク14内の水が吸込口9から流体通路8へと吸込まれ、この水は、インペラ5の各羽根5Bにより流体通路8に沿って圧送されつつ、吐出口10から外部の配管(図示せず)へ吐出される。
【0035】
ここで、前記ポンプハウジング2内と電動モーター7が収容されるケーシング1内の空間とは、内側ポンプハウジング4の回転軸13及び支軸6を挿通するための貫通穴4Aによって連通されているため、流体通路8内に供給された水が、貫通穴4Aを介して電動モーター7側へ浸入してしまう可能性がある。
【0036】
しかし、本実施形態では、内側ポンプハウジング4の回転軸13が貫通する貫通穴4Aと、前記回転軸13との間に、内側ポンプハウジング4の厚さよりも長く、クリアランスの小さい部分を長く確保できるブッシュ11を圧入し、かつ、電動モーター7の回転子7Bに、前記ブッシュ11を介して漏れ出した微小の水を閉じ込めるチューブ12を固定して、電動モーター7側への水の浸入を防止している。
【0037】
これにより、電動モーター部7への水の浸入によって錆等が発生することを回避でき、円滑な回転を妨げること無く、ポンプ効率・耐久性を向上させることができる。
【0038】
また、ブッシュ11及びチューブ12には耐錆性を有する材料によって形成したことにより、これ自体に錆等の発生が無く、ブッシュ11及びチューブ12の錆びによって円滑な回転が妨げることが無い。
【0039】
尚、上記実施形態では、ブッシュ11及びチューブ12の2重構造によって、電動モーター7側への水の侵入を抑止する構成としたが、ブッシュ11のみで水の侵入の抑止を図る構成としても良い。
【0040】
更に、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術思想について、以下にその効果と共に記載する。
(イ)請求項1〜3のいずれか1つに記載の流体ポンプにおいて、前記流体ポンプが、燃料電池システムにおいて、燃焼ガス及び/又は酸化ガスに水を混入する手段に水を供給するためのポンプであることを特徴とする流体ポンプ。
【0041】
係る構成によると、燃焼ガス(水素)及び/又は酸化ガス(酸素又は空気)を加湿すべく、水を混入させる燃料電池システムにおいて、前記水の供給に用いられる流体ポンプを構成する電動モーターに水が浸入することを抑止でき、以って、水の浸入による電動モーターの錆びの発生を回避できる。
(ロ)請求項3記載の流体ポンプにおいて、前記ブッシュ及びチューブが、耐錆性を有する材料で形成されることを特徴とする流体ポンプ。
【0042】
これにより、ブッシュ及びチューブで錆びが発生することがなく、錆びの発生によって円滑な回転を妨げることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態において本発明に係る流体ポンプを適用するの燃料電池システムの概略図。
【図2】実施の形態における流体ポンプを示す断面図。
【図3】図2中の矢示I−I方向から見た要部断面図。
【図4】インペラの斜視図。
【図5】ポンプハウジング内での流体の流れを示す状態図。
【符号の説明】
1…ケーシング、2…ポンプハウジング、3…外側ポンプハウジング、3A…凹陥部、4…内側ポンプハウジング、4A…貫通穴、5…インペラ、6…支軸、7…電動モーター、7B…回転子、8…流体通路、9…吸込口、10…吐出口、11…ブッシュ、12…チューブ、13…回転軸、14…水貯蔵タンク、16a,16b…水噴射弁、17a,17b…加湿器、21…流体ポンプ
Claims (3)
- 電動モーターを収容する筒状のケーシングと、該ケーシング内に設けられ、流体の吸込口及び吐出口を有するポンプハウジングと、該ポンプハウジング内に回転可能に設けられ、前記電動モーターにより回転駆動されるインペラとを有する流体ポンプにおいて、
前記電動モーターの回転軸が貫通する前記ポンプハウジングの貫通穴に、ブッシュを圧入したことを特徴とする流体ポンプ。 - 前記ブッシュの長さが、前記貫通穴の部分における前記ポンプハウジングの厚さよりも長いことを特徴とする請求項1記載の流体ポンプ。
- 前記ブッシュの外径よりも大きな内径のチューブで、前記ポンプハウジングの電動モーター側端面から電動モーターの回転子端面までの間の前記回転軸の周囲を覆うことを特徴とする請求項1記載の流体ポンプ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002353725A JP2004183598A (ja) | 2002-12-05 | 2002-12-05 | 流体ポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002353725A JP2004183598A (ja) | 2002-12-05 | 2002-12-05 | 流体ポンプ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004183598A true JP2004183598A (ja) | 2004-07-02 |
Family
ID=32754947
Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004183598A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11221012B2 (en) | 2019-02-20 | 2022-01-11 | Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki | Turbo fluid machine |
-
2002
- 2002-12-05 JP JP2002353725A patent/JP2004183598A/ja active Pending
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US11221012B2 (en) | 2019-02-20 | 2022-01-11 | Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki | Turbo fluid machine |
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