JP2004182995A - 自動車用部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】他物品との摺動性が良好で、耐摩耗性に優れ、劣化し難い自動車用防振部材の製造方法を提供する。
【解決手段】自動車用防振部材の基体の有機材料からなる膜形成すべき面を、前処理として、酸素(O2 )ガスのプラズマに曝した後、フッ素(F)含有ガス及び水素(H2 )ガスから選ばれた少なくとも1種のガスのプラズマに曝して該膜形成すべき面をフッ素終端処理又は(及び)水素終端処理する前処理工程と、前処理工程後に、該膜形成すべき面に耐摩耗性、潤滑性のあるDLC膜をプラズマCVD法により形成する工程とを含む自動車用防振部材の製造方法。
【選択図】図3
Description
また、自動車用シール材は、該シール材によりシールされる物品との接触による摩耗、劣化を防止するために、表面にグリースを塗布したり、基材にオイルを添加して成形したり等する。
また、自動車用バルブ部品の材質として、比較的耐熱性が優れるポリイミド系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂等の樹脂が提案されている。
また、自動車用タイヤについては、タイヤ外部から内部へ水蒸気が透過し易く、内部にチューブを有するものでは水蒸気により該チューブが劣化し易かった。また、雨天時には外周の溝の中に水、泥が溜まり易かった。
また、樹脂からなる自動車用バルブ部品は、弁体と弁座が相互に接触することにより摩耗、劣化したり、摺動性が低下したりする。
また特に、他物品との摺動性が良好で、耐摩耗性に優れ、劣化し難く、さらにガスバリア性に優れる自動車用ホース及びその製造方法を提供することを課題とする。
また特に、耐摩耗性に優れ、劣化し難く、さらに撥水性に優れる自動車用ダイヤフラム及びその製造方法を提供することを課題とする。
また特に、他物品との摺動性が良好で、耐摩耗性に優れ、劣化し難い自動車用シール材及びその製造方法を提供することを課題とする。
また、本発明に係る自動車用ホースは、自動車用ホース基体の表面の一部又は全部に耐摩耗性、潤滑性を有する炭素膜が形成されているため、その部分は他物品との滑りが良く、またその部分は他物品との摩擦により摩耗や劣化が生じ難い。さらに、該炭素膜が摩耗し難いことから良好な潤滑性が長期にわたり維持される。また、該炭素膜はガスバリア性を有しているため、本発明に係る自動車用ホースは、ホースの該炭素膜形成部分では外部から内部へ或いは内部から外部へガスが透過し難い。
また、本発明に係る自動車用タイヤは、自動車用タイヤ基体の表面の一部又は全部に耐摩耗性、潤滑性を有する炭素膜が形成されているため、その部分は他物品との滑りが良く、またその部分は他物品との摩擦により摩耗や劣化が生じ難い。さらに、該炭素膜が摩耗し難いことから良好な潤滑性が長期にわたり維持される。特に、ホイールとの接触部分に炭素膜が形成されているときには該ホイールとの摩擦によっても摩耗、劣化し難い。また外表面(路面との接触面を除く)に炭素膜が形成されているときには外部からの光や排気ガスに曝されても劣化し難い。また、該炭素膜はガスバリア性を有しているため、タイヤの内表面に炭素膜が形成されているときには、タイヤ外部から内部へ水蒸気が透過し難く、タイヤの内部にチューブを有するタイプのものでは水蒸気による該チューブの劣化が抑制される。さらに、該炭素膜は撥水性を有しているため、タイヤ外周の溝の内表面に炭素膜が形成されているときには、雨天時にも該溝内に水や泥等が溜まり難い。なお、本発明に係る自動車用タイヤは、タイヤ外周の路面との接触面には炭素膜は形成されていない。
前記自動車用ダイヤフラム基体の表面の一部又は全部としては、該自動車用ダイヤフラムの固定具等の他物品との接触面や前記液体等との接触面等が考えられる。
また、本発明に係る自動車用シール材は、自動車用シール材基体の表面の一部又は全部に耐摩耗性、潤滑性を有する炭素膜が形成されているため、その部分は他物品との滑りが良く、またその部分は他物品との摩擦により摩耗や劣化が生じ難い。さらに、該炭素膜が摩耗し難いことから良好な潤滑性が長期にわたり維持される。
本発明における自動車用防振部材基体、自動車用ホース基体、自動車用ダイヤフラム基体及び自動車用シール材基体は、少なくとも膜形成面が、それぞれ有機材料、例えばゴム、樹脂から選ばれた少なくとも1種の有機材料からなるものであることが考えられる。
また、本発明の自動車用防振部材が重量物を保持するものであるとき等、強度や硬度が大きいことが求められる場合、その基体の材料又は表面材料としてゴムより強度や硬度が大きい樹脂を用いることができる。
また、本発明の自動車用ダイヤフラムや自動車用シール材についても同様で、反応性が高いガスや液体と接触するとき等は、ゴムより化学的に安定で劣化し難い樹脂をその材料又はガス若しくは液体接触表面材料として用いることができる。自動車用シール材基体の材料又は表面材料として用いることができる樹脂としては、例えばポリアミド系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂等を挙げることができる。
また、本発明における自動車用ボディ基体は、少なくとも膜形成面が、樹脂等の有機材料からなるものであることが考えられる。一般には、自動車用ボディは金属等からなるボディ本体の外表面に樹脂等からなる塗膜が形成されている。ボディ本体も樹脂製の場合がある。
また、本発明に係る自動車用防振部材の製造方法、自動車用ホースの製造方法、自動車用タイヤの製造方法、自動車用ダイヤフラムの製造方法、自動車用バルブ部品の製造方法、自動車用シール材の製造方法及び自動車用ボディの製造方法において、前記炭素膜形成に先立ち、前処理として、前記各基体の膜形成面をそれぞれ前処理用ガス、例えばフッ素(F)含有ガス、水素(H2 )ガス及び酸素(O2 )ガスから選ばれた少なくとも1種の前処理用ガスのプラズマに曝すことが考えられる。この場合、本発明の自動車用防振部材、自動車用ホース、自動車用タイヤ、自動車用ダイヤフラム、自動車用バルブ部品、自動車用シール材及び自動車用ボディにおいて、前記各基体は、それぞれこのような前処理を施されたものとなる。
前記各基体を、それぞれ前記前処理用ガスのプラズマに曝すことにより、基体表面が清浄化され、又はさらに基体表面粗度が向上する。これらは、炭素膜の密着性向上に寄与し、高密着性炭素膜を得ることができる。
本発明方法において、それぞれ炭素膜形成に先立って行うプラズマによる基体の前処理は、同種類のプラズマを用いて或いは異なる種類のプラズマを用いて複数回行っても構わない。例えば、自動車用防振部材基体、自動車用ホース基体、自動車用ダイヤフラム基体、自動車用バルブ部品基体、自動車用シール材基体及び自動車用ボディ基体の膜形成面がそれぞれゴム、樹脂等の有機材料からなる場合及び普通には有機材料から形成されている自動車用タイヤの場合、該基体を酸素ガスプラズマに曝した後、フッ素含有ガスプラズマ又は水素ガスプラズマに曝し、その上に炭素膜を形成するときには、基体表面がクリーニングされた後、該面がフッ素終端又は水素終端されて、その後形成する炭素膜と該基体表面との密着性は非常に良好なものとなる。
また、本発明によると、他物品との摺動性が良好で、耐摩耗性に優れ、劣化し難く、さらにガスバリア性に優れる自動車用ホース及びその製造方法を提供することができる。
また、本発明によると、耐摩耗性に優れ、劣化し難く、さらに撥水性に優れる自動車用ダイヤフラム及びその製造方法を提供することができる。
また、本発明によると、他物品との摺動性が良好で、耐摩耗性に優れ、劣化し難い自動車用シール材及びその製造方法を提供することができる。
図1は本発明に係る自動車用防振部材の製造、自動車用ホースの製造、自動車用タイヤの製造、自動車用ダイヤフラムの製造、自動車用バルブ部品の製造、自動車用シール材の製造及び自動車用ボディの製造にそれぞれ用いることができる成膜装置の1例の概略構成を示す図である。また、図3(A)は本発明に係る自動車用防振部材の1例の断面図であり、図3(B)は本発明に係る自動車用ホースの1例の断面図であり、図3(C)は本発明に係る自動車用タイヤの1例の断面図であり、図3(D)は本発明に係る自動車用ダイヤフラムの1例の断面図であり、図3(E)は本発明に係る自動車用バルブ部品の1例(弁体)の一部の側面図であり、図3(F)は本発明に係る自動車用シール材の1例の断面図であり、図3(G)は参考的に示す自動車用窓ガラスの1例(フロントガラス)の断面図であり、図3(H)は本発明に係る自動車用ボディ特にその部品の1例の断面図である。
また、この装置を用いて本発明に係る自動車用ホースを製造するにあたっても、前記自動車用防振部材の製造と同様にして、自動車用ホース基体S2の外表面S2´(図3参照)に前記表面処理及び炭素膜形成を行う。この間、自動車用ホース基体S2の一部を電極2に接触させて、図示しない回転手段にて基体S2をその軸の回りに回転させ、基体S2の外表面S2´にほぼ均一に表面処理及び成膜が行われるようにする。前記の防振部材についても必要に応じ同様に回転させればよい。
また、この装置を用いて本発明に係る自動車用タイヤを製造するにあたっても、前記自動車用防振部材の製造と同様にして、自動車用タイヤ基体S3の外表面(路面との接触部分を除く)S3´(図3参照)に前記表面処理及び炭素膜形成を行う。この間、自動車用タイヤ基体S3の一部を電極2に接触させて、図示しない回転手段にて基体S3をその軸の回りに回転させ、基体S3の外表面(路面との接触部分を除く)S3´にほぼ均一に表面処理及び成膜が行われるようにする。なお、タイヤ基体S3の外表面のうち路面と接触する部分を予め適当なフィルム等でマスクした状態で成膜を行い、該部分には炭素膜が形成されないようにする。
また、この装置を用いて本発明に係る自動車用ダイヤフラムを製造するにあたっても、前記自動車用防振部材の製造と同様にして、自動車用ダイヤフラム基体S4の外表面S4´(図3参照)に前記表面処理及び炭素膜形成を行う。
また、この装置を用いて本発明に係る自動車用バルブ部品(図示の例では自動車の吸排気弁に採用される弁体)を製造するにあたっても、前記自動車用防振部材の製造と同様にして、自動車用バルブ部品基体S5の他物品との接触面(図示の例では弁座への当接面)S5´(図3参照)に前記表面処理及び炭素膜形成を行う。
また、この装置を用いて本発明に係る自動車用シール材を製造するにあたっても、前記自動車用防振部材の製造と同様にして、自動車用シール材基体S6(ここではリング状のもの)の他物品との接触面S6´(図3参照)に前記表面処理及び炭素膜形成を行う。
また、この装置を用いて本発明に係る自動車用ボディ(部品)を製造するにあたっても、前記自動車用防振部材の製造と同様にして、自動車用ボディ(部品)基体S8の外表面S8´(図3参照)に前記表面処理及び炭素膜形成を行う。
また、本発明方法を実施するにあたり、図1の装置に代えて図2に示す成膜装置を用いることができ、この場合、基体が立体構造物であるときにも該基体の表面に効率良く膜形成することができる。
前述した、図1の装置を用いた自動車用防振部材の製造において、前処理用ガスプラズマによる試験片の前処理を行わず、該試験片の外表面に直接DLC膜を形成した。
試験片材質 EPDM
サイズ 20cm×20cm×厚さ1cm
高周波電極2サイズ 40cm×40cm
成膜条件
成膜用原料ガス メタン(CH4 ) 100sccm
高周波電力 周波数13.56MHz、300W
成膜真空度 0.1Torr
成膜速度 500Å/min
成膜時間 20min
前記実験例1において、成膜に先立ち、同試験片に次の条件で水素ガスプラズマによる前処理を施した。成膜条件は前記実験例1と同様とした。
前処理条件
前処理用ガス 水素(H2 ) 100sccm
高周波電力 周波数13.56MHz、300W
処理真空度 0.1Torr
処理時間 5min
前記実験例1において、成膜に先立ち、同試験片に次の条件でフッ素化合物ガスプラズマによる前処理を施した。成膜条件は前記実験例1と同様とした。
前処理条件
前処理用ガス 6フッ化硫黄(SF6 ) 100sccm
高周波電力 周波数13.56MHz、300W
処理真空度 0.1Torr
処理時間 5min
前記実験例1において、成膜に先立ち、同試験片に次の条件で酸素ガスプラズマによる第1の前処理を施し、さらに水素ガスプラズマによる第2の前処理を施した。成膜条件は前記実験例1と同様とした。
第1前処理条件
前処理用ガス 酸素(O2 ) 100sccm
高周波電力 周波数13.56MHz、300W
処理真空度 0.1Torr
処理時間 5min
第2前処理条件
前処理用ガス 水素(H2 ) 100sccm
高周波電力 周波数13.56MHz、300W
処理真空度 0.1Torr
処理時間 5min
前記実験例1において、成膜に先立ち、同試験片に次の条件で酸素ガスプラズマによる第1の前処理を施し、さらにフッ素化合物ガスプラズマによる第2の前処理を施した。成膜条件は前記実験例1と同様とした。
第1前処理条件
前処理用ガス 酸素(O2 ) 100sccm
高周波電力 周波数13.56MHz、300W
処理真空度 0.1Torr
処理時間 5min
第2前処理条件
前処理用ガス 6フッ化硫黄(SF6 ) 100sccm
高周波電力 周波数13.56MHz、300W
処理真空度 0.1Torr
処理時間 5min
実験例6
前述した、図1の装置を用いた自動車用防振部材の製造において、前処理用ガスプラズマによる試験片の前処理を行わず、該試験片の外表面に直接DLC膜を形成した。
試験片材質 ポリイミド
サイズ 20cm×20cm×厚さ1cm
高周波電極2サイズ 40cm×40cm
成膜条件
成膜用原料ガス メタン(CH4 ) 100sccm
高周波電力 周波数13.56MHz、300W
成膜真空度 0.1Torr
成膜速度 500Å/min
成膜時間 20min
前記実験例6において、成膜に先立ち、同試験片に次の条件で水素ガスプラズマによる前処理を施した。成膜条件は前記実験例6と同様とした。
前処理条件
前処理用ガス 水素(H2 ) 100sccm
高周波電力 周波数13.56MHz、300W
処理真空度 0.1Torr
処理時間 5min
前記実験例6において、成膜に先立ち、同試験片に次の条件でフッ素化合物ガスプラズマによる前処理を施した。成膜条件は前記実験例6と同様とした。
前処理条件
前処理用ガス 6フッ化硫黄(SF6 ) 100sccm
高周波電力 周波数13.56MHz、300W
処理真空度 0.1Torr
処理時間 5min
前記実験例6において、成膜に先立ち、同試験片に次の条件で酸素ガスプラズマによる第1の前処理を施し、さらに水素ガスプラズマによる第2の前処理を施した。成膜条件は前記実験例6と同様とした。
第1前処理条件
前処理用ガス 酸素(O2 ) 100sccm
高周波電力 周波数13.56MHz、300W
処理真空度 0.1Torr
処理時間 5min
第2前処理条件
前処理用ガス 水素(H2 ) 100sccm
高周波電力 周波数13.56MHz、300W
処理真空度 0.1Torr
処理時間 5min
前記実験例6において、成膜に先立ち、同試験片に次の条件で酸素ガスプラズマによる第1の前処理を施し、さらにフッ素化合物ガスプラズマによる第2の前処理を施した。成膜条件は前記実験例6と同様とした。
第1前処理条件
前処理用ガス 酸素(O2 ) 100sccm
高周波電力 周波数13.56MHz、300W
処理真空度 0.1Torr
処理時間 5min
第2前処理条件
前処理用ガス 6フッ化硫黄(SF6 ) 100sccm
高周波電力 周波数13.56MHz、300W
処理真空度 0.1Torr
処理時間 5min
摩擦係数は、試験片表面にアルミニウムからなるピン状物品の先端部を当接させ、且つ、該ピン状物品に10gの荷重をかけた状態でこのピンを20mm/secの速度で移動させたときの値を測定し、摩耗特性は、試験片表面にダイアモンドからなるピン状物品の先端部を当接させ、且つ、それに100gの荷重をかけた状態で20mm/secの速度で移動させ、1時間あたりに摩耗した深さを測定することで評価した。膜密着性は、円柱状部材を接着剤を用いて膜表面に接合させ、該円柱状部材を膜に対して垂直方向に引っ張って該膜を試験片本体から剥離させ、剥離に要した力を測定する引っ張り法により評価した。撥水性は、試験片上に水滴をおき、その接触角を測定することで評価した。
結果を次表に示す。
摩擦係数 摩耗特性 膜密着強度 接触角
(μm/h) (kg/mm2) ( ° )
実験例1 1 0.9 2 100
実験例2 1 0.7 4 100
実験例3 1 0.7 4 100
実験例4 1 0.5 5 100
実験例5 1 0.5 5 100
実験例6 1 0.7 2 110
実験例7 1 0.6 4 110
実験例8 1 0.6 4 110
実験例9 1 0.5 5 110
実験例10 1 0.5 5 110
比較実験例1 3 2.5 ─ 80
比較実験例2 3 1.8 ─ 85
このように、DLC膜を被覆した実験例1〜5及び実験例6〜10の各試験片では、アルミニウム材との間の摩擦係数はDLC膜を被覆していない比較実験例1及び比較実験例2の試験片よりそれぞれ小さく、潤滑性(摺動性)がよいことが分かる。また、ダイアモンド材との間の摩耗特性値もDLC膜を被覆していない比較実験例1及び比較実験例2の試験片より小さかった。
次に、前記実験例1と同様にして、ポリ塩化ビニリデンからなるフィルム(柔軟剤として脂肪酸誘導体を、安定剤としてエポキシ化植物油を添加したもの)の一方の表面上にDLC膜を形成したフィルム状の試験片(実験例11)及びDLC膜を形成していない未処理の同様のフィルム状の試験片(比較実験例3)について、透湿度(水蒸気透過率)及び酸素透過率をそれぞれ測定した。
透 湿 度 酸素透過率
(cc/m2/day) (cc/m2/day)
実験例11 0.9 1.2
比較実験例3 12.5 14.0
このように、DLC膜を被覆した実験例11の試験片ではDLC膜を被覆していない比較実験例3の試験片より、水蒸気及び酸素のいずれの透過も抑制されていることが分かる。
また、以上のことから自動車用タイヤ基体の表面の一部又は全部に炭素膜(特にDLC膜)を形成した本発明の自動車用タイヤは、その部分の潤滑性、耐摩耗性、ガスバリア性及び撥水性に優れることが分かる。
また、以上のことから自動車用バルブ部品基体の表面の一部又は全部に炭素膜(特にDLC膜)を形成した本発明の自動車用バルブ部品は、その部分の潤滑性及び耐摩耗性に優れることが分かる。
また、以上のことから自動車用ボディ基体の表面の一部又は全部に炭素膜(特にDLC膜)を形成した本発明の自動車用ボディは、その部分の耐摩耗性及び撥水性に優れることが分かる。
なお、ここには示していないが、表面の一部又は全部に炭素膜(特にDLC膜)を形成した自動車用窓ガラスについても、同様にその部分の良好な耐摩耗性及び撥水性を示す結果が得られた。
11、11´ 排気装置
2 高周波電極
21、21´ ヒータ
22、51 マッチングボックス
23、52 高周波電源
3 接地電極
4、4´ プラズマ原料ガス供給部
5 誘導コイル電極
S1 被成膜自動車用防振部材基体
S1′ 基体S1の他物品との接触面
S2 被成膜自動車用ホース基体
S2′ 基体S2の外表面
S3 被成膜自動車用タイヤ基体
S3′ 基体S3の外表面(路面との接触部分を除く)
S4 被成膜自動車用ダイヤフラム基体
S4′ 基体S4の外表面
S5 被成膜自動車用バルブ部品基体
S5′ 基体S5の他物品との接触面
S6 被成膜自動車用シール材基体
S6′ 基体S6の他物品との接触面
S7 被成膜自動車用フロントガラス基体
S7′ 基体S7の外表面
S8 被成膜自動車用ボディ基体
S8′ 基体S8の外表面
F 炭素膜
Claims (3)
- 自動車用防振部材の基体の有機材料からなる膜形成すべき面を、前処理として、フッ素(F)含有ガス及び水素(H2 )ガスから選ばれた少なくとも1種のガスのプラズマに曝して該膜形成すべき面をフッ素終端処理又は(及び)水素終端処理する前処理工程と、
前記前処理工程後に、該膜形成すべき面に耐摩耗性、潤滑性のあるDLC膜をプラズマCVD法により形成する工程と
を含むことを特徴とする自動車用防振部材の製造方法。 - 前記前処理工程では、前記基体の膜形成すべき面を酸素(O2 )ガスのプラズマに曝した後、前記フッ素(F)含有ガス及び水素(H2 )ガスから選ばれた少なくとも1種のガスのプラズマに曝す請求項1記載の自動車用防振部材の製造方法。
- 前記有機材料はゴム又は樹脂である請求項1又は2記載の自動車用防振部材の製造方法。
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