JP2004181680A - 画像形成装置 - Google Patents

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雄祐 中沢
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Abstract

【課題】インク粒子を正確にコントロールすることの可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】搬送ベルト14は、無端状であり、3つのベルトローラ20A、20B、20Cに張架されている。ベルトローラ20A、20B、20Cの少なくとも1つが導電性を有し接地されると共に、図示しない駆動手段により回転駆動され、搬送ベルト14がX方向へ移動可能とされている。本実施形態では、ベルトローラ20Aが駆動手段により回転駆動され、かつ、導電性を有し接地されている。搬送ベルト14は、絶縁層14A及び導電層14Bから構成されており、絶縁層14A側がインクヘッド16に対向し、絶縁層14Aのインクヘッド16と逆側の導電層14B側がベルトローラ20A、20B、20Cに接するように配置されている。導電層14Bの電位は、ベルトローラ20Aにより、基準電位0Vに保持されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像形成装置に係り、特に、帯電したインク粒子を吐出することにより記録媒体に画像形成する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
帯電したインク粒子を吐出することにより記録媒体に画像形成する画像形成装置においては、インク粒子を吐出するヘッドと、画像の形成される記録媒体との間には、吐出されたインク粒子が記録媒体上の所望の位置に到達できるように、電界が形成されるのが一般的である。例えば、特許文献1においては、インク粒子と、記録媒体の画像形成側及び記録媒体搬送ベルトの記録媒体側と、を互いに逆極性にする技術が開示されている。これにより、インク粒子にクーロン力が作用して、インク粒子が記録媒体に誘引され正確な進路をとることができるとされている。
【0003】
しかしながら、実際は、特許文献1に記載された技術では、記録媒体搬送ベルト及び記録媒体の電位が不安定であるため、記録媒体の画像形成側表面上で電位差が生じることがあり、必ずしもインク粒子を正確にコントロールすることはできない。
【0004】
また、特許文献2には、金属ベースの表面に誘電体層が形成された搬送ベルトが記載されている。ここでの搬送ベルトは、金属ベースがローラを介して接地されており、このため記録媒体上の電位も安定させることが可能である。
【0005】
しかしながら、金属べース、及び誘電体層として具体的に何を使用するのかは開示はされておらず、上記画像形成装置の搬送ベルトに適した材料が求められていた。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−199071公報
【特許文献2】
特開昭56−51369号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事実に着目してなされたものであり、インク粒子を正確にコントロールすることの可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達するために、請求項1に記載の画像形成装置は、帯電したインク粒子を記録媒体に向かって吐出することによりこの記録媒体に画像形成する画像形成手段と、前記画像形成手段に対向して記録媒体を保持すると共にポリイミド樹脂、または、フッ素樹脂で構成された絶縁層と、この絶縁層の前記画像形成手段と逆側に導電性を有する導電層と、を備えた保持部材と、前記画像形成手段と前記記録媒体との間に前記インク粒子を前記記録媒体に向かって移動させる電界を発生させる電界発生手段と、前記導電層を基準電位に保持する電位保持手段と、を含んで構成されている。
【0009】
本発明の画像形成装置では、保持部材を構成する導電層の電位が電位保持手段により基準電位に保持されている。したがって、絶縁層よりも画像形成手段側に位置する絶縁層の電位が安定する。これにより、電界発生手段により発生される画像形成手段と記録媒体との間の電界を安定させることができ、この電界によりインク粒子を正確にコントロールすることができる。
【0010】
また、本発明の保持部材に要求される性能としては、▲1▼延びや撓みがなく、記録媒体の保持精度が安定していること(寸度安定性)、▲2▼インク付着による汚れのクリーニングや他の構成部材との接触等に対する耐傷性、▲3▼静電吸着力が画像形成中に安定している(電荷保持性)、▲4▼駆動させた場合に、ローラやプラテンに柔軟に沿い、駆動系に過大な負担をかけることなく駆動できる(駆動性)、があげられるが、上記のように、保持部材の絶縁層を、ポリイミド樹脂、または、フッ素樹脂で構成し、導電層は、柔軟性金属で構成することにより、寸度安定性、耐傷性、電荷保持性、及び駆動性に優れた保持部材とすることができる。特に、前記▲1▼〜▲3▼の要求性能と▲4▼の要求性能とは、トレードオフの関係となっており、▲1▼〜▲3▼の要求性能と▲4▼の要求性能の双方を満たすのは困難であるが、本発明によれば、双方の要求を満たすことができる。
【0011】
なお、フッ素樹脂としては、4フッ化エチレン樹脂(PTFE)、4フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(PFA)、4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)、4フッ化エチレン・エチレン共重合樹脂(ETFE)、3フッ化塩化エチレン樹脂(PCTFE)、3フッ化塩化エチレン・エチレン共重合樹脂(ECTFE)、フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、フッ化ビニル樹脂(PVF)が該当する。
【0012】
また、本発明の画像形成装置の保持部材は、請求項2に記載のように、無端状のベルトであり、前記記録媒体を搬送可能とされていることを特徴とすることができる。保持部材をこのような構成にすることにより、簡易に記録媒体への画像形成を行うことができる。
【0013】
また、本発明の画像形成装置の絶縁層は、請求項3に記載のように、厚みを、10μm〜500μmとするのが好ましい。
【0014】
また、本発明の画像形成装置の導電層は、請求項4に記載のように、厚みを、10μm〜200μmとするのが好ましい。
【0015】
さらに、本発明の画像形成装置の絶縁層は、請求項5に記載のように、平均表面粗さRaを、Ra≦20μmとするのが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置10は、ハウジング12内に、インクヘッド16及び記録用紙Pを搬送する搬送ベルト14を備える。
【0018】
インクヘッド16は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各々のインクヘッド16C、16M、16Y、16Kから構成されており、記録用紙Pへ画像を形成する画像形成位置Hの、搬送ベルト14の外側に配置されている。
【0019】
本発明で好適に使用されるインクジェットヘッドは、インク流路内での荷電粒子を電気泳動させて開口付近のインク濃度を増加させ、吐出を行うインクジェット方法に関し、主に記録媒体または記録媒体背面に配置された対向電極に起因する静電吸引力によりインク滴の吐出を行うものである。従って、記録媒体あるいは対向電極がヘッドに対向していない場合や、ヘッドと対向する位置にあっても記録媒体あるいは対向電極に電圧が印加されていない場合には、誤って吐出電極に電圧が印加された場合や振動が与えられた場合でもインク滴の吐出は起こらず、装置内を汚すことはない。
【0020】
図1に示すように、搬送ベルト14は、無端状であり、3つのベルトローラ20A、20B、20Cに張架されている。ベルトローラ20A、20B、20Cの少なくとも1つが導電性を有し接地されると共に、図示しない駆動手段により回転駆動され、搬送ベルト14がX方向へ移動可能とされている。本実施形態では、ベルトローラ20Aが駆動手段により回転駆動され、かつ、導電性を有し接地されている。
【0021】
搬送ベルト14は、図4に示すように、絶縁層14A及び導電層14Bから構成されており、絶縁層14A側がインクヘッド16に対向し、絶縁層14Aのインクヘッド16と逆側の導電層14B側がベルトローラ20A、20B、20Cに接するように配置されている。絶縁層14Aは、ポリイミド樹脂、または、フッ素樹脂で構成されている。絶縁層14Aの厚みは、10μm〜500μm、平均表面粗さRaは、Ra≦20μmであることが好ましい。導電層14Bは、柔軟性金属、例えばステンレス薄膜で構成されている。導電層14Bの電位は、ベルトローラ20Aにより、基準電位0Vに保持されている。
【0022】
インクヘッド16は、図2、図3に示すように、一方向のインク流Qが形成されるインクリザーバ72と、インクリザーバ72のインク滴Gが吐出される側の壁を構成する基板74と、インクを記録用紙Pへ向けて吐出する複数の吐出部76と、を有する。吐出部76の各々には、インクリザーバ72から飛翔するインク滴Gを記録用紙Pへ向けて案内するインクガイド部78が設けられ、基板74には、インクガイド部78がそれぞれ挿通する開口75が形成されており、インクガイド部78と開口75の内壁面との間にはインクが上昇し、インクメニスカス82が形成されている。インクガイド部78と記録用紙Pとのギャップdは200μm〜1000μm程度であることが多い。また、インクガイド部78は、下端側で支持棒部80に固定されている。
【0023】
基板74は、図2に示すように、2つの吐出電極を所定間隔で離して電気的に絶縁している絶縁層84、絶縁層84の外側のインク滴Gが吐出される側に設けられた第1吐出電極86、第1吐出電極86を覆う絶縁層88、絶縁層88の外側のインク滴Gが吐出される側に設けられたガード電極90、及び、ガード電極90を覆う絶縁層92、を備える。また、基板74は、絶縁層84の外側の第1吐出電極86と逆側に設けられた第2吐出電極96、第2吐出電極96を覆う絶縁層98、を備える。ガード電極90は、第1吐出電極86や第2吐出電極96に印加された電圧によって隣接する吐出部に電界上の影響が生じることを防止するために設けられている。
【0024】
更に、インクヘッド16には、インク流路72の底面を構成する浮遊導電板102が設けられている。浮遊導電板102は、第1吐出電極86及び第2吐出電極96に印加されたパルス状の吐出電圧によって定常的に生じる誘導電圧により、インク流路72内の正に帯電したインク粒子(荷電粒子)Rを記録用紙P側へ向けて泳動させる。浮遊導電板102のインク流路72側は、電気絶縁性であると共にインクに対して耐腐食性である被覆膜104で被覆されており、これにより、インクヘの電荷注入等によりインクの物性や成分が不安定化するのが防止されている。絶縁性被覆膜の電気抵抗は、1012Ω・cm以上が望ましく、より望ましくは1013Ω・cm以上である。また、絶縁性被覆膜はインクに対して耐腐食性であることが望ましく、これにより浮遊導電板102がインクに腐食されることが防止される。また、浮遊導電板102の被覆膜104で被覆された側と逆側は、絶縁部材106で覆われている。被覆膜104及び絶縁部材106により、浮遊導電板102は完全に電気的絶縁状態にされている。
【0025】
なお、浮遊導電板102は、インクヘッド1ユニットにつき1個以上である(例えば、C、M、Y、Kの4つのヘッドがあった場合、浮遊導電板数は最低各1個づつ有し、CとMのヘッドユニット間で共通の浮遊導電板とすることはない)。
【0026】
インク流路72に入れるインクは、粒径0.1〜5.0μm程度の着色荷電粒子をキャリア液中に分散したものを用いる。キャリア液は、高い電気抵抗率(1010Ωcm以上)を有する誘電性の液体であることが要求される。仮に電気抵抗率の低いキャリア液を使用すると、吐出電極によって印加される電圧によりキャリア液自身が電荷注入を受けて帯電してしまうため、荷電粒子(帯電したインク粒子)Rの濃度が高められず、濃縮がおこらない。また、電気抵抗率の低いキャリア液は、隣接する記録電極間で電気的導通を生じさせる懸念もあるため、本形態には不向きである。
【0027】
誘電性液体の比誘電率は5以下が好ましく、より好ましくは4以下、更に好ましくは3.5以下である。このような比誘電率の範囲とすることによって、誘電性液体中の荷電粒子に有効に電界が作用され、泳動が起こりやすくなる。
【0028】
本発明に用いる誘電性液体として好ましくは直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、または芳香族炭化水素、およびこれらの炭化水素のハロゲン置換体がある。例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン.イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、アイソパーC、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL(アイソパー:エクソン社の商品名)、シェルゾール70、シェルゾール71(シェルゾール:シェルオイル社の商品名)、アムスコOMS、アムスコ460溶剤(アムスコ:スピリッツ社の商品名)、シリコーンオイル(例えは信越シリコーン社製KF−96L)等を単独あるいは混合して用いる。
【0029】
上記の非水溶媒中に、分散される着色粒子は、色材自身を分散粒子として誘電性液体中に分散させてもよいし、定着性を向上させるための分散樹脂粒子中に含有させてもよい。含有させる場合、顔料などは分散樹脂粒子の樹脂材料で被覆して樹脂被覆粒子とする方法などが一般的であり、染料などは分散樹脂粒子を着色して着色粒子とする方法などが―般的である。色材としては、従来からインクジェットインク組成物、印刷用インキ組成物、あるいは電子写真用液体現像剤に用いられている顔料および染料であれはどれでも使用可能である。これらの着色粒子は、インク全体に対して0.5〜30重量%の範囲で含有されることが好ましく、より好ましくは1.5〜25重量%、更に好ましくは3〜20重量%の範囲で含有されることが望ましい。
【0030】
本発明の誘電性溶媒中に、分散された着色粒子の粒子の平均粒径は0.1μm〜5μmが好ましい。より好ましくは0.2μm〜1.5μmであり、更に好ましくは0.4μm〜1.0μmの範囲である。この粒径はCAPA−500(堀場製作所(株)製商品名)により求めたものである。
【0031】
またインク組成物として、粘度は0.5〜5mPa・secの範囲が好ましく、より好ましくは0.6〜3.0mPa・sec、更に好ましくは0.7〜2.0mPa・secの範囲である。着色粒子は荷電を有し、必要に応じて電子写真用液体現像剤に用いられている種々の荷電制御剤が使用でき、その荷電量は5〜200μC/gの範囲が望ましく、より好ましくは10〜150μC/g、更に好ましくは15〜100μC/gの範囲である。また荷電制御剤の添加によって誘電性溶媒の電気抵抗が変化する事もあり、下記に定義する分配率Pが、50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上である。
【0032】
P=100×(σ1−σ2)/σ1
ここでσ1はインク組成物の電気伝導度、σ2はインク組成物を遠心分離器にかけた上澄みの電気伝導度である。電気伝導度はLCRメーター(安藤電気(株)社製AG−4311)及び液体用電極(川口電機製作所(株)社製LP−05型)を使用し、印加電圧5V、周波数lkHzの条件で測定を行った値である。また遠心分離は、小型高速冷却遠心機(トミー精工(株)社製SRX−201)を使用し、回転速度14500rpm、温度23°Cの条件で30分間行った。
【0033】
以上のようなインク組成物とすることによって、荷電粒子の泳動が起こりやすくなり、濃縮しやすくなる。
【0034】
一方、インク組成物の電気伝導度σ1は、100〜3000pS/cmの範囲が好ましく、より好ましくは150〜2500pS/cm、更に好ましくは200〜2000pS/cmの範囲である。以上の様な電気伝導度の範囲とすることによって、吐出電極に印加する電圧が極端に高くならず、隣接する記録電極間での電気的導通を生じさせる懸念もない。またインク組成物の表面張力は、15〜50mN/mの範囲が好ましく、より好ましくは15.5〜45mN/m、さらに好ましくは16〜40mN/mの範囲である。表面張力をこの範囲とすることによって、吐出電極に印加する電圧が極端に高くならず、ヘッド周りにインクが濡れ広がり汚染することがない。
【0035】
インクヘッド16には、インクタンク18から輸送部材17を介してインクの供給がなされている。また、インクヘッド16は、図示しないヘッドドライバと接続されている。ヘッドドライバは、画像形成装置10の制御全般を行う図示しない制御部と接続され、制御部からの制御信号に基づいてインクヘッド16を動作させる。
【0036】
画像形成装置10の下部には、記録用紙Pを収納するストッカー25が配置されている。ストッカー25の記録用紙Pを排出する側には、フィードローラ26が設けられている。記録用紙Pは、フィードローラ26によりストッカー25から排出され、複数の紙送りローラ28により搬送ベルト14上へ供給される。搬送ベルト14の外側の、記録用紙Pが供給される位置と画像形成位置Hとの間には、帯電用スコロトロン30が配置されている。帯電用スコロトロン30は、図3に示すように、記録用紙P及び搬送ベルト14のインクヘッド16側を負極に帯電させる。これにより、記録用紙Pが搬送ベルト14に静電吸着される。
【0037】
図1に示すように、ベルトローラ20Bとベルトローラ20Cの間の、搬送ベルト14の外側には、除電用スコロトロン32、及び、剥離爪34が配置されている。除電用スコロトロン32は、記録用紙Pを除電し、剥離爪34は、除電された記録用紙Pを搬送ベルト14から剥離させる。
【0038】
なお、本発明に用いられる記録媒体としては、通常用いられる印刷用紙である上質紙、微コート紙、コート紙が挙げられる。また表面に樹脂フィルム層を有する、例えばポリオレフィンラミネート紙、及びプラスチックフィルム、例えばポリエステルフィルム、ポリスチレンフィルム、塩化ビニルフィルム、ポリオレフィンフィルム等も使用できる。さらに、表面に金属が蒸着されたり、又は金属泊が張り合わされたプラスチックフィルム、加工紙も使用できる。勿論、インクジェット用の専用紙、専用フィルムも使用できる。
【0039】
剥離爪34と、記録用紙Pが排出される排出トレイ38との間には、排出ローラ36が配置されている。剥離爪34により搬送ベルト14から剥離された記録用紙Pは、排出ローラ36により排出トレイ38へ排出される。
【0040】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0041】
ユーザーにより、印刷指示が行われると、ベルトローラ20Aが回転駆動して、搬送ベルト14がX方向へ移動すると共に、フィードローラ26により、図示しないストッカーから記録用紙Pがガイド28を経て搬送ベルト14へ送り出され、X方向へ搬送される。帯電用スコロトロン30に対向する位置で、記録用紙Pは、図3に示すように、インクヘッド16側が負に帯電される。同時に、搬送ベルト14も、この位置で記録用紙P側が負に帯電される。この帯電により、記録用紙Pは搬送ベルト14に静電吸着される。この状態で、記録用紙Pは画像形成位置Hへ移動する。搬送ベルト14の導電層14Bは、ベルトローラ20Aにより基準電位0Vに保持されている。したがって、画像形成位置Hでは、絶縁層14A及び記録用紙Pの電位が安定する。
【0042】
インクヘッド16からインクを飛翔させて記録用紙Pに記録するには、インクリザーバ72内のインクを循環させることによりインク流Qを発生させた状態にし、ガード電極90に所定の正電圧(例えば +100V)を印加する。
【0043】
更に、インクガイド部78に案内されて開口75から飛翔したインク滴G中の正の荷電粒子Rが記録用紙Pにまで引き付けられるような飛翔電界Eが、第1吐出電極86及び第2吐出電極96と、記録用紙Pと、の間に形成されるように、第1吐出電極86及び第2吐出電極96と記録媒体Pとの間に電圧を印加する(ギャップdが500μmである場合に、1kV〜3.0kV程度の電位差を形成することを目安とする)。
【0044】
ここで、前述のように、基準電位0Vに保たれた導電層14Bにより、記録用紙Pの画像形成側表面の電位は安定しているので、第1吐出電極86及び第2吐出電極96と、記録用紙Pとの間に、安定した飛翔電界Eを形成することができる。
【0045】
制御部からの画像信号に応じてヘッドドライバが駆動して、第1吐出電極86及び第2吐出電極96にパルス電圧が印加されると、荷電粒子濃度が高められたインク滴Gが開口75から吐出する(例えば、初期の荷電粒子濃度が3〜15%である場合、インク滴Gの荷電粒子濃度が30%以上になる)。
【0046】
その際、第1吐出電極86及び第2吐出電極96の両者にパルス電圧が印加された場合にのみインク滴Gが吐出するように、第1吐出電極86と第2吐出電極96との間の電界を調整しておく。これにより、マトリックス駆動が可能となり、ドライバの数を低減させることができる。すなわちインク滴吐出が起こらない状態では、記録媒体に向かう吸引電界が、1.5×10V/m以下、より好ましくは1.0×10V/m以下の範囲に収まるようにし、吐出が起こる状態では記録媒体に向かう電界が、2.0×10V/m以上、より好ましくは2.5×10V/m以上の範囲になるように設定する。例えば、第1吐出電極46と第2吐出電極56との間隔が50μmである場合、第1吐出電極46及び第2吐出電極56に何れも +600Vのパルス電圧を印加する。パルス幅は数十μsから数百μs程度であることが多い。記録媒体Pに記録されるドット径は、パルス電圧の大きさや電圧の印加時間に依存しており、調整可能である。
【0047】
このようにパルス状の正電圧を印加すると、開口75からインク滴Gがインクガイド部78に案内されて飛翔する。飛翔したインク滴Gは、前述のように、電位0Vの導電層14Bにより安定化されている飛翔電界Eにより、正確にコントロールされ、記録用紙Pの所定の位置に付着される。
【0048】
また、浮遊導電板102には、第1吐出電極86及び第2吐出電極96に印加された正電圧により正の誘導電圧が発生する。第1吐出電極86及び第2吐出電極96に印加される電圧がパルス状であっても、この誘導電圧はほぼ定常的な電圧である(例えば吐出電極に600Vと0Vとが交互に繰り返されるパルス状の電圧が印加された場合、浮遊導電板102には定常的に約300Vの正電圧が生じる)。従って、浮遊導電板102及びガード電極90と、記録媒体Pとの間に形成される飛翔電界Eによって、インク流路72内で正に帯電している荷電粒子Rは上方へ移動する力を受け、基板74の近傍での荷電粒子Rの濃度が高くなる。なお、このとき、開口75内のインクは、インクの表面張力によって荷電粒子Rがインク上部(インクガイド先端部)に押しとどめられ、電圧印加条件及びインク物性等の条件を選ぶことにより、開口75内の荷電粒子Rに働く記録媒体Pからの静電吸引力を制御することができ、その結果、さらに荷電粒子Rの濃度を高めることもできる。
【0049】
図3に示すように、使用する吐出部(すなわちインク滴を吐出させるチャンネル)の個数が多い場合、吐出に必要な荷電粒子数が多くなるが、使用する第1吐出電極86及び第2吐出電極96の枚数が多くなるため、浮遊導電板102に誘起される誘導電圧は高くなり、記録用紙P側へ移動する荷電粒子Rの個数も増大する。
【0050】
図5に示すように、使用する吐出部の個数が少ない場合、使用する第1吐出電極86及び第2吐出電極96の枚数が少ないため、浮遊導電板102に誘起される誘導電圧は小さい。したがって、記録用紙P側へ移動する荷電粒子Rの数が相対的に少なくなるが、吐出に必要な荷電粒子数も少なくなるため、インク上部でのインク濃度は適度な濃度となる。これにより、吐出部を使用する個数が少なくても、インク下流の吐出部(インク滴を吐出していないチャンネル)76Bの開口75Bが詰まることを回避できると共に、使用している吐出部76Aの開口75A近くから飛翔するインク滴Gの濃度を良好に高めることができる。
【0051】
また、画像形成装置10(図1参照)の運転停止時には、第1吐出電極86及び第2吐出電極96の少なくとも一方に一定の正電圧を印加しておく。このとき、帯電用スコロトロン30による記録用紙Pへの負帯電は行われていないので、飛翔電界Eは発生せず、これにより、第1吐出電極86及び第2吐出電極96と浮遊導電板102との間に生じる飛翔電界Eと逆方向の電界によって荷電粒子Rが浮遊導電板102へ向けて移動し、インク流路72中の基板74の近傍での荷電粒子Rの濃度が低くなり、開口75がセルフクリーニングされる(図6参照)。なお、浮遊導電板102を絶縁状態と、セルフクリーニング用の正電圧の印加状態と、に切換可能にするスイッチ(図示せず)を浮遊導電板102に接続し、画像形成装置10の運転中には浮遊導電板102を電気絶縁状態にし、画像形成装置10の運転停止時には浮遊導電板102に負電圧を印加してもよい。
【0052】
以上説明したように、本実施形態では、画像形成位置Hの搬送ベルト14の内側に配置された導電層14Bが、基準電位0Vに保持されているので、記録用紙Pの画像形成側表面の電位を安定させることができる。その結果、第1吐出電極86及び第2吐出電極96と、記録用紙Pとの間に、安定した飛翔電界Eを形成することができ、飛翔したインク滴Gを正確にコントロールすることができる。
【0053】
また、浮遊導電板102を電気的に浮遊状態(floating状態)、すなわち電気的に絶縁状態にしていることにより、基板74近傍での荷電粒子Rの濃度は、吐出部の使用数(すなわち吐出電極の使用数)が多いときには高く、少ないときには低くなり、濃度が自動的に調整される。従って、吐出部の使用数が少ない場合や、吐出部を使用していない場合でも、吐出部の開口が目詰まりすることを回避できる。
【0054】
また、本実施形態では、インク全体に飛翔力を及ぼしているのではなく、キャリア液中に分散させた固形成分である荷電粒子(帯電したインク粒子)Rに飛翔力を及ぼしているので、普通紙をはじめとして非吸収性のPETフィルム等の種々の記録媒体に画像を記録することが可能であると共に、記録媒体上で滲みや流動が生じることがなく、種々の記録媒体に高画質で記録画像を形成することができる。
【0055】
なお、本実施形態では、インク粒子が正電荷に帯電している例について説明したが、インク粒子は負電荷に帯電していてもよい。また、インク粒子の帯電極性と第1吐出電極86及び第2吐出電極96の帯電極性とが同極性の場合について説明したが、これは、逆極性であってもよい。また、記録媒体Pの帯電極性と、第1吐出電極86及び第2吐出電極96の帯電極性も、必ずしも逆極性である必要はなく、インク粒子が記録用紙Pへ向かって移動可能な電界が形成されるのであれば、記録媒体Pの帯電極性と、第1吐出電極86及び第2吐出電極96の帯電極性は、同極性であってもよい。
【0056】
また、本実施形態では、ベルトローラ20Aが接地されている例について説明したが、ベルトローラ20Aは、一定の電圧が印加されているものであってもよい。
【0057】
さらに、本実施形態では、搬送ベルト14がX方向へ移動することにより記録用紙Pが帯電され、記録用紙Pに画像形成が行われる例について説明したが、搬送ベルト14は記録用紙Pを保持するのみで、帯電用スコロトロン30及びインクヘッド16が移動することにより記録用紙Pを帯電させ、記録用紙Pに画像形成を行う構成とすることもできる。
【0058】
【実施例】
次に、本発明に係る画像形成装置の1実施例について説明する。
【0059】
前記実施形態におけるインクヘッド16と記録媒体Pとの間のギャップを500μm、吐出電極への印加電圧を0V、600V、浮遊導電板を300V、記録媒体Pに対する表面帯電電位は−1.5kV(一定)として、前記実施形態における絶縁層14Aに、ポリイミド(実施例1)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)(実施例2)を用いた場合、ポリエチレン(比較例1)を用いた場合とで比較を行った。なお、その他の条件は同一とする。
【0060】
また、電荷保持性の評価は、スコロトロン帯電で搬送ベルト(記録媒体なし)の表面電位を−1000Vに帯電させ、それから2分後の表面電位の残存率で行った。
【0061】
【表1】
Figure 2004181680
[表1]の結果から、ポリイミド、ポリフッ化ビニリデンを用いた場合には、ポリエチレンを用いた場合と比較して、優れた電荷保持性と耐久性を得られることが確認できた。
【0062】
次に、ポリイミド、及び、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)の厚みを変えて比較を行った。
【0063】
【表2】
Figure 2004181680
[表2]の結果から、絶縁層の厚みを10μm〜500μmとした場合に、優れた電荷保持性と耐久性を得られることが確認できた。
【0064】
次に、導電層の厚みを変えて比較を行った。なお、ここでは、絶縁層として125μmのポリイミドを使用し、導電層としてステンレス薄膜を使用した
【0065】
【表3】
Figure 2004181680
[表3]の結果から、導電層の厚みを10μm〜200μmとした場合に、優れた電荷保持性と耐久性を得られることが確認できた。
【0066】
次に、ポリイミド、及び、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)の平均表面粗さRaを変化させて比較を行った。
【0067】
【表4】
Figure 2004181680
[表4]の結果から平均表面粗さRaを20μm以下とした場合に、優れた電荷保持性と耐久性を得られることが確認できた。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像形成装置によれば、電位保持手段により保持部材の導電層の電位が基準電位に保持されているので、保持部材の絶縁層及び記録媒体の電位を安定させることができ、その結果、帯電されたインク粒子を正確にコントロールすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の画像形成装置の構成を示す側面断面図である。
【図2】本実施形態の画像形成装置に設けられたインクヘッドを示す部分斜視図である(判りやすくするために、各吐出部でのガード電極のエッジは描いていない)。
【図3】本実施形態で、インクヘッドの吐出部の使用数が多いときの荷電粒子の分布状態を示す側面断面図である(図2の矢視X−Xに相当)。
【図4】本実施形態の搬送ベルトの断面図である。
【図5】本実施形態で、ヘッドの吐出部の使用数が少ないときの荷電粒子の分布状態を示す側面断面図である(図2の矢視X−Xに相当)。
【図6】本実施形態で、画像形成装置の使用を停止したときの荷電粒子の分布状態を示す側面断面図である(図2の矢視X−Xに相当)。
【符号の説明】
10 画像形成装置
14 搬送ベルト
14A 絶縁層
14B 導電層
16 インクヘッド
20A ベルトローラ
30 帯電用スコロトロン
32 除電用スコロトロン
G インク滴
H 画像形成位置
P 記録用紙

Claims (5)

  1. 帯電したインク粒子を記録媒体に向かって吐出することによりこの記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
    記録媒体を前記画像形成手段と対向するように保持すると共にポリイミド樹脂、または、フッ素樹脂で構成された絶縁層と、この絶縁層の前記画像形成手段と逆側に導電性を有する導電層と、を備えた保持部材と、
    前記画像形成手段と前記記録媒体との間に前記インク粒子を前記記録媒体に向かって移動させる電界を発生させる電界発生手段と、
    前記導電層を基準電位に保持する電位保持手段と、
    を備えた画像形成装置。
  2. 前記保持部材は、前記絶縁層と前記導電層とが一体となった無端状のベルトであり、前記記録媒体を搬送可能とされていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記絶縁層の厚みは、10μm〜500μmであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記導電層の厚みは、10μm〜200μmであることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記絶縁層の平均表面粗さRaは、Ra≦20μmであることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の画像形成装置。
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