JP2004181281A - 非磁性金属選別機 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造とすることで製作及び使用中の保守管理が容易となり非磁性金属を効率よく分離することが可能な非磁性金属選別機を提供する。
【解決手段】非磁性金属11が混在している原料12を搬送するコンベア用のベルト13と、ベルト13に内側から接してベルト13の進行方向を実質的に水平方向又は原料の安息角未満の傾斜方向から、垂直方向又は斜め下方向に滑らかに変える非導電性材料からなるガイド部材14と、ガイド部材14を介してベルト13の内側に設けられ、外周部に磁石16が配置されて高速回転することによって、原料12中の非磁性金属11に飛翔力を与える磁気ロータ17とを有し、ガイド部材14は、磁気ロータ17をベルト13に近づけて原料に回転磁界を積極的に加える磁気誘導部26を備え、しかも、ガイド部材14の磁気誘導部26以外の部分はベルト13が円滑に移動する低摩擦構造となっている。
【選択図】 図1
【解決手段】非磁性金属11が混在している原料12を搬送するコンベア用のベルト13と、ベルト13に内側から接してベルト13の進行方向を実質的に水平方向又は原料の安息角未満の傾斜方向から、垂直方向又は斜め下方向に滑らかに変える非導電性材料からなるガイド部材14と、ガイド部材14を介してベルト13の内側に設けられ、外周部に磁石16が配置されて高速回転することによって、原料12中の非磁性金属11に飛翔力を与える磁気ロータ17とを有し、ガイド部材14は、磁気ロータ17をベルト13に近づけて原料に回転磁界を積極的に加える磁気誘導部26を備え、しかも、ガイド部材14の磁気誘導部26以外の部分はベルト13が円滑に移動する低摩擦構造となっている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、アルミニウムや銅等の有用な非磁性金属が混在している原料から、非磁性金属を分離するために使用する非磁性金属選別機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、原料中に混入しているアルミニウムや銅等の有用な非磁性金属を分離するため、例えば、図7に示すような、非導電性の材料で構成されているベルトドラム90に掛け渡されたコンベヤーベルト91で原料92を搬送させながら、ベルトドラム90の内側に設けられた円筒ドラム93内に配置され、周方向に隣り合って異なる磁極を有している磁石装置94を高速で回転させて、更に、基端側がベルトドラム90の中心95に取付けられ先端側が磁石装置94の回転軸96に取付けられているアーム97により磁石装置94をベルトドラム90の中心95の回りで揺動させて、非磁性金属98を分離し容器99で回収する非磁性金属選別機100が使用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特公平8−4759号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載された非磁性金属選別機100では、ベルトドラム90の内側で磁石装置94を偏心させて回転及び揺動させるため、ベルトドラム90の端面に少なくとも3箇所のそれぞれ対となる軸受群を設置する必要がある。このため、ベルトドラム90の構造が非常に複雑となる。特に、大型機になると、軸受も大型となり、製造コストが上昇するという問題が生じる。各軸受を固定する金属金具には高い機械加工精度が要求され、組み立てにも高度の熟練技能が要求される。また、磁石装置94を偏心させた上で磁石装置94の位置を揺動自在にする機構は非常に複雑となって、製造コストを更に上昇させるという問題が生じる。
【0005】
更に、ベルトドラム90の軸受はコンベアベルト91の重量と原料92の重量を支えなければならず、磁石装置94の軸受では磁石装置94の重量を支えると共に高速回転による熱が発生するため、非磁性金属選別機100を安定して長期間にわたって使用していくには、各軸受の管理、例えば給油管理、軸受寿命管理を十分に実施することが不可欠となる。更に、非磁性金属98の分離を行う上で強い磁気が必要とされる場合、ベルトドラム90の厚みをできるだけ薄くして原料92に加える磁界の強さを大きくする必要があるが、ベルトドラム90を非金属の非磁性材料、例えば樹脂で製作する場合、ベルトドラム90に一定の強度と剛性を付与するためには、ベルトドラム90の厚みの減少に限界が生じる。このため、要求されるような磁界の強さを実現できない場合も生じる。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、簡単な構造とすることで製作及び使用中の保守管理が容易となり非磁性金属を効率よく分離することが可能な非磁性金属選別機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う第1の発明に係る非磁性金属選別機は、非磁性金属が混在している原料を搬送するコンベア用のベルトと、前記ベルトに内側から接して該ベルトの進行方向を実質的に水平方向又は前記原料の安息角未満の傾斜方向から、垂直方向又は斜め下方向に滑らかに変える非導電性材料からなり、使用に当っては固定状態で配置されるガイド部材と、前記ガイド部材を介して前記ベルトの内側に設けられ、外周部に磁石が配置されて高速回転することによって、前記原料中の非磁性金属に飛翔力を与える磁気ロータとを有し、前記ガイド部材には、前記磁気ロータを前記ベルトに近づけて前記原料に回転磁界を積極的に加える磁気誘導部を備え、しかも、前記ガイド部材の前記磁気誘導部を除く部分は前記ベルトが円滑に移動する低摩擦構造となっている。
【0007】
移動するベルトの内側にガイド部材を接触させてベルトの進行方向を変えるようにしたので、ガイド部材をベルトの進行に合わせて回転させる必要がなくなり、ガイド部材の構造を簡単にすることができる。またガイド部材を非導電性材料としたので、磁気ロータを高速回転(例えば、800〜3600rpm)させてもガイド部材に渦電流は発生しない。このため、ガイド部材自体が発熱することはない。また、ガイド部材の磁気誘導部を除く部分をベルトが円滑に移動できるような低摩擦構造としたので、ベルトとの摩擦及び滑りによる発熱を防止することができる。なお、磁気ロータから一定距離(例えば、50mm)以上離れると、磁気ロータの磁界の影響は大きく減衰するので、ガイド部材を支える支持体や、磁気ロータを保護するケーシングには、例えば、鉄等の金属を使用することができる。
【0008】
磁気誘導部には、磁気ロータからの磁力を減衰させずに原料に加えることができる磁性特性を備えた材質を設ける。これによって、原料がベルトに載って磁気誘導部の上部を通過する際に、原料に効果的に磁力を作用させることができ、原料中の非磁性金属には回転磁界により渦電流を誘起することができる。そして、この渦電流により発生した磁束と、高速で回転する磁気ロータの磁石の磁束との相互作用により、非磁性金属は磁気ロータから磁気的反撥力を受けて飛翔し、原料から分離される。従って、飛翔分離された非磁性金属を収集することにより原料から非磁性金属を回収することができる。また、ベルトの進行方向がガイド部材により垂直方向又は斜め下方向に滑らかに変えられるため、非磁性金属が除去された後の残りの原料はベルト上から重力により落下する。従って、落下した原料を収集することにより、非磁性金属が除去された残りの原料を回収することができる。
【0009】
第1の発明に係る非磁性金属選別機において、前記磁気誘導部には耐熱性及び前記ベルトに対して低摩擦係数の板材が設けられていることが好ましい。
磁気誘導部に設ける材料を耐熱性とすることにより、磁性金属が混在する原料を選別中にベルトが停止し、磁気ロータの回転に伴う回転磁界で磁性金属中に渦電流が誘起されて発熱が生じても、板材自体、ガイド部材、及び磁気ロータの損傷を防止することができる。また、磁気誘導部に設ける材料をベルトに対して低摩擦係数のものとすることにより、ベルトとの摩擦及び滑りによる発熱を防止できる。更に、耐熱性及びベルトに対して低摩擦係数となる材料を板状として使用することにより、製作、取付け、及び交換が容易となる。ここで、耐熱性、及びベルトに対して低摩擦係数が達成される板材としては、例えば、400℃以上の耐熱性を有する無機材料や、炭素繊維とセラミックスとを複合化した複合材料、あるいは、アルミナ、窒化珪素等のセラミックスを使用することができる。特に、複合材料やセラミックスを使用すると、耐熱及び耐摩耗性が向上するので好ましい。
【0010】
第1の発明に係る非磁性金属選別機において、前記ガイド部材の前記磁気誘導部を除く部分は、前記ベルトに対して低摩擦係数の材料が使用されていることが好ましい。
ガイド部材の磁気誘導部を除く部分は、ベルトと接して原料を搬送しているベルトを支持すると共に、ベルトの進行方向を変える作用を有している。このため、ベルトに対して低摩擦係数の材料を使用することで、ベルトとの間の摩擦を軽減することができ、ベルトの進行方向を滑らかに変えることができる。ここで、ガイド部材は、例えば、超高分子量ポリエチレン等の高分子材料を使用して作製することができる。
【0011】
第1の発明に係る非磁性金属選別機において、前記ガイド部材の前記磁気誘導部を除く部分で、しかも、前記ベルトが当接する部分には、1又は2以上の小径ローラが設けられて、前記ベルトの一部又は全部が前記小径ローラを介して前記ガイド部材に接していることが好ましい。
高磁力を必要とする飛翔分離を行う場合、ベルトの厚みを極度に薄くする(例えば、0.5mm)必要がある。この場合、ガイド部材でベルトが当接する部分に小径ローラを設けることにより、ベルトとの接触面積を小さくしてベルトに対する摺動抵抗を減少させて、ベルトとの間の摩擦を軽減することができる。
【0012】
第1の発明に係る非磁性金属選別機において、前記ガイド部材が、前記磁気ロータの軸心を中心にして、回動調整可能となっていることが好ましい。
ガイド部材を磁気ロータの軸心を中心に回動させることにより、原料に加える回転磁界の方向を変化させて、非磁性金属が飛翔する際の方向を調整することができる。
【0013】
前記目的に沿う第2の発明に係る非磁性金属選別機は、非磁性金属が混在している原料を搬送するコンベア用のベルトと、前記ベルトに内側から接して該ベルトの進行方向を滑らかに変える非導電性材料からなり、使用に当っては固定状態で配置されるガイド部材と、前記ガイド部材を介して前記ベルトの内側に設けられ、外周部に磁石が配置されて高速回転することによって、前記原料中の非磁性金属に飛翔力を与える磁気ロータと、前記ガイド部材と一体となって前記磁気ロータを覆うカバー部材とを有し、前記ガイド部材には、前記磁気ロータを前記ベルトに近づけて前記原料に回転磁界を積極的に加える磁気誘導部を備え、しかも、前記ガイド部材の前記磁気誘導部を除く部分は前記ベルトが円滑に移動する低摩擦構造となっている。
【0014】
移動するベルトの内側にガイド部材を接触させるようにしたので、ガイド部材をベルトの進行に合わせて回転させる必要がなくなり、ガイド部材の構造を簡単にすることができる。そして、ガイド部材と一体となって磁気ロータを覆うカバー部材を設けることにより、ガイド部材、カバー部材、及び磁気ロータを一体構造物として取り扱うことが可能となる。また、ベルトの一端側にガイド部材を配置すると、このガイド部材で移動するベルトの進行方向を反転することができる。ガイド部材を非導電性材料としたので、磁気ロータを高速回転(例えば、800〜3600rpm)させてもガイド部材に渦電流は発生しない。このため、ガイド部材自体が発熱することはない。また、ガイド部材の磁気誘導部を除く部分をベルトが円滑に移動できるような低摩擦構造としたので、ベルトとの摩擦及び滑りによる発熱を防止することができる。
なお、磁気ロータから一定距離(例えば、50mm)以上離れると、磁気ロータの磁界の影響は大きく減衰するので、ガイド部材と一体となって使用するカバー部材には、例えば、鉄等の金属を使用することができる。
【0015】
磁気誘導部には、磁気ロータからの磁力を減衰させずに原料に加えることができる磁性特性を備えた材質を設ける。これによって、原料がベルトに載って磁気誘導部の上部を通過する際に、原料に効果的に磁力を作用させることができ、原料中の非磁性金属には回転磁界により渦電流を誘起することができる。そして、この渦電流により発生した磁束と、高速で回転する磁気ロータの磁石の磁束との相互作用により、非磁性金属は磁気ロータから磁気的反撥力を受けて飛翔し、原料から分離される。
ここで、非磁性金属の飛翔分離は、ベルトの進行方向が代わるベルトの一端側で行われるので、飛翔分離された非磁性金属を収集することにより原料から非磁性金属を回収することができる。また、非磁性金属が除去された後の残りの原料はベルト上から重力により落下するので、落下した原料を収集することにより、非磁性金属が除去された残りの原料を回収することができる。
【0016】
第2の発明に係る非磁性金属選別機において、前記ガイド部材の前記磁気誘導部を除く部分で、しかも、前記ベルトが当接する部分には、複数の小径ローラが設けられて、前記ベルトの一部又は全部が前記小径ローラを介して前記ガイド部材に接していることが好ましい。
高磁力を必要とする飛翔分離を行う場合、ベルトの厚みを極度に薄くする(例えば、0.5mm)必要がある。この場合、ガイド部材でベルトが当接する部分に小径ローラを設けることにより、ベルトとの接触面積を小さくしてベルトに対する摺動抵抗を減少させて、ベルトとの間の摩擦を軽減することができる。
【0017】
第2の発明に係る非磁性金属選別機において、前記カバー部材は、断面円弧状のカバー筒と、前記カバー筒及び前記ガイド部材の両端をそれぞれ覆う端部板材とを有していることが好ましい。このような構成とすることにより、ガイド部材とカバー部材とを組み合わせて、磁気ロータ全体を完全に覆うことができる。
【0018】
第2の発明に係る非磁性金属選別機において、前記カバー部材を前記磁気ロータの軸受に固定して、前記ガイド部材、前記カバー部材及び前記磁気ロータを一体構造とすることが好ましい。このような構成とすることにより、磁気ロータをガイド部材及びカバー部材を用いて密閉状態にして、磁気ロータを回転させることができる。
【0019】
第2の発明に係る非磁性金属選別機において、前記ガイド部材の下方には、前記ベルトをガイドする従動ローラを設けることが好ましい。ガイド部材の下方に従動ローラを設けることで、ガイド部材でベルトの進行方向を滑らかに変化させ、従動ローラでベルトの進行方向を反転させるようにすることで、ベルト反転時の摺動抵抗を減少させて、ベルトの移動をより容易にすることができる。
【0020】
前記目的に沿う第3の発明に係る非磁性金属選別機は、外周部に磁石が配置されて高速回転する磁気ロータと、前記磁気ロータ上に非磁性金属が混在している原料を投入するシュートと、前記磁気ロータと前記シュートの中間位置にあって非導電性材料からなって、前記シュートから排出される前記原料を前記磁気ロータの外周部近傍に導く磁気誘導部を備え、更に前記磁気ロータに一旦近づけた前記原料を前記磁気ロータの外周部から離して下方に落下させるガイド部材とを有し、しかも、前記ガイド部材は使用に当っては固定状態で配置され、前記磁気ロータによって前記原料中の非磁性金属を飛翔させて分離する。
【0021】
原料をシュートの上流側に投入すると、重力により原料は自然落下を開始し、シュート内を滑走して磁気誘導部に到達する。磁気誘導部には磁気ロータの高速回転(例えば、800〜3600rpm)により発生する回転磁界が形成されているので、原料が磁気誘導部の上方を通過する際に、原料中の非磁性金属には回転磁界により渦電流が誘起される。そして、この渦電流により形成される磁束と、高速で回転する磁気ロータの磁石の磁束との相互作用により、非磁性金属は磁気ロータから磁気的反撥力を受けて飛翔し、原料から分離される。従って、飛翔分離された非磁性金属を収集することにより、原料から非磁性金属を回収することができる。また、非磁性金属が除去された後の原料は磁気誘導部を通過し、ガイド部材に導かれて引き続き下方に落下する。従って、落下した原料を収集することにより、非磁性金属が除去された原料を回収することができる。
【0022】
第3の発明に係る非磁性金属選別機において、前記磁気誘導部には耐熱性及び前記原料に対して低摩擦係数の板材が設けられ、前記ガイド部材には非導電性で前記原料に対して低摩擦係数の材料が使用されていることが好ましい。
磁気誘導部に原料に対して低摩擦係数の板材を設けることにより、磁気ロータが原料と直接接触するのを防止して、磁気ロータの保護を行うことができる。ここで、板材とすることにより、製作、取付け、及び交換が容易となる。
【0023】
磁気誘導部に原料に対して低摩擦係数の材料を使用することで、原料との間で生じる摩擦及び滑りによる発熱を防止できる。更に、耐熱性の材料とすることにより、付着した磁性金属に磁気ロータの回転に伴う回転磁界で渦電流が誘起されて発熱が生じても、発熱による板材自体、ガイド部材、及び磁気ロータの損傷を防止することができる。なお、板材には、例えば、400℃以上の耐熱性を有する無機材料や、炭素繊維とセラミックスとを複合化した複合材料、あるいは、アルミナ、窒化珪素等のセラミックスを使用することができる。特に、複合材料やセラミックスを使用すると、耐熱及び耐摩耗性が向上するので好ましい。
また、ガイド部材に非導電性で、原料に対して低摩擦係数の材料を使用することで、回転磁界による渦電流の発生を防止して、原料の移動を阻害しないようにすることができる。ここで、ガイド部材は、例えば、超高分子量ポリエチレン等の高分子材料を使用して作製することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の第1の実施の形態に係る非磁性金属選別機の説明図、図2は同非磁性金属選別機の第1の変形例に係るガイド部材を示す説明図、図3は同非磁性金属選別機の第2の変形例に係るガイド部材を示す説明図、図4は本発明の第2の実施の形態に係る非磁性金属分離装置の説明図、図5は本発明の第3の実施の形態に係る非磁性金属分離装置の説明図、図6は同非磁性金属分離装置におけるガイド部材、カバー部材、及び磁気ロータの配置関係を説明する断面図である。
【0025】
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る非磁性金属選別機10は、非磁性金属11が混在している原料12を搬送するコンベア用のベルト13と、ベルト13に内側から接してベルト13の進行方向を実質的に水平方向から斜め下方向に滑らかに変える非導電性材料からなるガイド部材14と、ガイド部材14を保持する支持体15とを有している。更に、非磁性金属選別機10は、ガイド部材14を介してベルト13の内側に設けられ、外周部に磁石16が複数配置されて高速回転することによって、原料12中の非磁性金属11に飛翔力を与える磁気ロータ17を有している。以下、これらについて詳しく説明する。
【0026】
原料12とは、例えば、非磁性金属11の粒体が非金属の粉粒体18に混入した混合物を指す。なお、原料12としては、これ以外に、例えば、非磁性金属の粒体が磁性金属の粒体に混入した混合物、非磁性金属の粒体が磁性金属の粒体及び非金属の粉粒体との混合物に混入した場合等が考えられる。
ベルト13は、例えば、厚み0.5〜9.0mmのゴムを用いてエンドレス状に形成され、回転する駆動ロータ19と、原料12の搬送方向の下流端に配置された小径の従動ローラ20とに巻回されている。なお、従動ローラ20の軸心は、駆動ロータ19の軸心よりも下方に配置されている。そして、ガイド部材14は駆動ローラ19と従動ローラ20の中間に配置されている。ここで、ベルト13に接するガイド部材14の上流側(ベルト13の受入側)は、駆動ローラ19の頂部の高さと実質的に同一高さとなるように、またベルト13に接するガイド部材14の下流側(ベルト13の排出側)は従動ローラ20の軸心の位置よりも高くなるように支持体15により保持されている。
【0027】
ガイド部材14は、例えば、ベルト13の受入側に設けられた第1の摺動部材21と、ベルト13の排出側に設けられた第2の摺動部材22を有している。第1の摺動部材21は、例えば板状となって、その上面でベルト13と接して移動するベルト13を内側から支持している。第2の摺動部材22は、例えば片側円弧状となって、その上面でベルト13と接しながら円弧に沿わせてベルト13を移動させることにより、ベルト13の進行方向を実質的に水平方向から斜め下方向に滑らかに変えている。また、第1の摺動部21の基端側は支持体15に設けられた取付け部23、24に固定されており、第2の摺動部材22の基端側は支持体15に設けられた取付け部25に固定されている。
【0028】
また、第1の摺動部材21と第2の摺動部材22の間には隙間が形成され、第1及び第2の摺動部材21、22の上面側の先部で両側がそれぞれ支持されて、第1及び第2の摺動部材21、22の上面を滑らかに連結する板材27を設けることにより、磁気誘導部26が形成されている。ここで、第1及び第2の摺動部材21、22はベルト13が円滑に移動する低摩擦構造となっており、非導電性でベルト13に対して低摩擦係数となる材料、例えば、超高分子量ポリエチレン等の高分子材料で作製されている。また、板材27は耐熱性及びベルト13に対して低摩擦係数の材料、例えば、炭素繊維とセラミックスを主体とした複合材料で製作されている。なお、原料12に大きな磁界を加える観点からは、板材27の厚みは薄い程好ましいが、使用中の耐荷重や耐変形性を考慮すると厚みは、例えば1〜5mm程度となる。
【0029】
磁気ロータ17は支持体15の内部に設けられており、図示しない駆動機構により高速回転する回転軸28と、回転軸28の外周部に周方向に隙間を空けて配置された実質的に同一形状の複数の磁石16を有している。ここで、磁石16としては、例えば、磁束の強さがベルト13の表面で0.2テスラ以上のものを使用することができ、各磁石16は周方向に、例えば異なる磁極が隣り合うように配置されている。磁気ロータ17を支持体15の内部に設けることにより、磁気ロータ17を保護することが容易にできる。なお、磁気ロータ17に設けられた各磁石16の先端から一定距離、例えば、50mm以上離れると実質的に磁界の影響は受け難くなるので、支持体15で各磁石16の先端から50mm以上離すことが可能な箇所には、例えば、鉄等の金属を使用することができる。金属を使用することで、支持体15の製作を低コストで行うことが可能になると共に、支持体15の固定も容易に行える。
【0030】
第1及び第2の摺動部材21、22の先部の内側は、磁気ロータ17が回転した際に各磁石16先端が描く軌跡と相似形状となるように円弧加工されている。これによって、磁気ロータ17を、各磁石16の先端と板材27の下面との距離が、例えば2〜5mm程度となるように近接して設けることができ、磁気ロータ17をベルト13に近づけることができる。そして、磁気ロータ17の各磁石16の表面からは、磁気ロータ17の半径方向に向かう磁力線が発生しているので、磁気ロータ17を高速回転させると、磁気誘導部26には強い回転磁界が形成される。その結果、磁気誘導部26の上方に原料12を存在させることにより、原料12に強い回転磁界を積極的に与えることができる。
なお、回転磁界は、交番磁界に限定する必要はないので、回転軸28の外周部に配置する磁石16の極性に制約は生じない。また、回転磁界の周期は、例えば 160〜1200Hz以上であればよいので、周方向に配置する磁石16の個数や間隔に制約はなく、回転軸28の外径や回転速度に合わせて決定すればよい。
【0031】
続いて、本発明の第1の実施の形態に係る非磁性金属選別機10の使用方法につて説明する。
先ず、駆動ローラ19を回転させて、駆動ローラ19からガイド部材14まで実質的に水平方向に移動し、次いでガイド部材14で進行方向を斜め下方向に滑らかに変えて、従動ローラ20で進行方向を反転して駆動ローラ19に戻るベルト13の移動を形成する。なお、このときのベルト13の移動速度は、例えば、40〜120m/分とする。更に、磁気ロータ17を、例えば、800〜3600rpmで回転させて、磁気誘導部26に大きな回転磁界を形成する。次いで、図示しない原料供給機構により非磁性金属11の粒体が非金属の粉粒体18に混入して混合状態となっている原料12をベルト13上に、図示しない原料供給装置から供給する。
【0032】
供給された原料12はベルト13に載せられて水平に移動しガイド部材14を構成する第1の摺動部材21の上に到達する。そして、第1の摺動部材21の上を通過して磁気誘導部26に設けられた板材27の上に到達する。磁気誘導部26には、大きな回転磁界が形成されているので、原料12がベルト13に載って磁気誘導部26の上方を通過する際に、原料12中の非磁性金属11にはこの回転磁界により渦電流が誘起される。そして、この渦電流によって形成される磁束と、非磁性金属11中に渦電流を形成させた磁気ロータ17の磁石16の磁束との相互作用により、非磁性金属11は磁石16から磁気的反撥力を受けてある速度で飛び上がる。従って、非磁性金属11は、このときの飛び出し速度とベルト13による水平方向の移動速度とを合成して得られる飛翔速度でベルト13から離脱し空中に舞い上がり、次いで落下する。
【0033】
一方、非金属の粉粒体18と回転磁界との間には磁気的な相互作用は発生しないので、非金属の粉粒体18はベルト13に載ったまま磁気誘導部26を通過し、第2の摺動部材22の上に到達する。ここで、ベルト13は第2の摺動部材22の上面に接しながらその進行方向を斜め下方に滑らかに変える。このため、ベルト13に載っていた非金属の粉粒体18は、重力によりベルト13の上を滑降し始め、ベルト13から離脱する。従って、非磁性金属11が落下する方向の先にに非磁性金属11の収集用の容器29を、また非金属の粉粒体18が落下する方向の先に非金属の粉粒体18の収集用の容器30をそれぞれ設置することにより、原料12から非磁性金属11と非金属の粉粒体18とを分離して回収できる。なお、非磁性金属11の落下経路と非金属の粉粒体18の落下経路の中間に仕切壁31を設けることにより、落下中に非磁性金属11と非金属の粉粒体18とが再び混入することを防止して、非磁性金属11と非金属の粉粒体18との分離精度を向上させることができる。
【0034】
図2は、第1の変形例として、磁気ロータ17の軸心を中心にして、回動調整可能となっているガイド部材32を示している。
ガイド部材32は、例えば、ベルト13の受入側に設けられた第1の摺動部材34と、ベルト13の排出側に設けられた第2の摺動部材22aを有している。第1の摺動部材34は、例えば片側円弧状となって、その上面でベルト13と接して移動するベルト13を内側から支持している。また、第2の摺動部材22aは第2の摺動部材22と実質的に同じ形状である。第1の摺動部材34の形状を片側円弧状とすることにより、ガイド部材32を磁気ロータ17の軸心の周りに回動させた際に、第1の摺動部材34の上面をベルト13の内側に滑らかに接するようにすることができる。ここで、第1の摺動部材34の基端側は支持体35に設けられた取付け部36に固定されており、第2の摺動部材22aの基端側は支持体35に設けられた取付け部37に固定されている。このため、支持体35を回動させることにより、ガイド部材32を磁気ロータ17の軸心を中心にして、回動調整することが可能となる。
【0035】
また、第1の摺動部材34、第2の摺動部材22a、支持体35は、それぞれ第1の摺動部材21、第2の摺動部材22、支持体15と同一の材料で作製することができる。更に、第1及び第2の摺動部材34、22aの先部の内側は、磁気ロータ17が回転した際の各磁石16の先端が描く軌跡と相似形状になるように円弧加工されている。これによって、磁気ロータ17を、各磁石16の先端と板材27の下面との距離が、例えば2〜5mm程度となるように近接して設けることができる。
【0036】
図3に、第2の変形例として、第2の摺動部材39に複数の小径ローラ40を設けたガイド部材32aを示す。なお、ガイド部材32aは、1又は2以上の小径ローラ40を設けたことが特徴であって、それ以外は実質的にガイド部材14と同じ構成である。
小径ローラ40は、小径ローラ40の軸方向に沿って小径ローラ40の外周部の一部が両側から保持材41により滑らかに保持され、小径ローラ40の頂部付近が保持材41の上面からわずかに(例えば3〜10mm)突出している。そして、第2の摺動部材39の円弧部に凹部を形成し、この凹部に小径ローラ40を保持している保持材41を装入して、保持材41に形成した通し孔42を介してボルト(図示しない)で凹部に固定することにより、第2の摺動部材39に複数の小径ローラ40(図3では4個)を設けることができる。ここで、小径ローラ40、保持材41、及び取付け用のボルトは、非導電性で、ベルト13に対して低摩擦係数の材料、例えば、超高分子量ポリエチレン等の高分子材料で作製する。ベルト13に内側から接してベルト13の進行方向を実質的に水平方向から斜め下方向に滑らかに変わるようにガイド部材32aを配置すると、ベルト13の内周面が第2の摺動部材39の上を通過する際には、各小径ローラ40の頂部に接触しながら通過する。このとき、各小径ロール40はベルト13と接触して保持材41内に収納された状態でそれぞれ回転する。このため、ベルト13は第2の摺動部材39の上を非常に円滑に移動することができ、摩擦及び滑りによる発熱が防止される。
【0037】
図4に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る非磁性金属選別機43は、高速回転する磁気ロータ17と、磁気ロータ17上に非磁性金属11が混在している原料12を投入するシュート45と、磁気ロータ17とシュート45の中間位置にあってシュート45から排出される原料12を磁気ロータ17に一旦近づけてから離して下方に落下させるガイド部材46とを有している。以下、これらについて詳しく説明する。
【0038】
シュート45は、原料12の投入口47が形成された原料投入部48と、投入した原料12が滑降する樋部49を有している。そして、原料投入部48及び樋部49は、例えば、非磁性体のステンレス鋼を使用して作製することができる。
ここで、ガイド部材46は非導電性材料からなって、シュート45から排出される原料12を磁気ロータ17に一旦近づけてから離して下方に落下させるために、原料12が滑降する樋部49の内側表面とガイド部材46の外側表面とは滑らかに接続することが必要となる。このため、ガイド部材46は、例えば、前記したガイド部材32と同一の構成とすることが好ましい。
【0039】
ガイド部材46は、原料12の受入側に設けられた第1の摺動部材50と、原料12の排出側に設けられた第2の摺動部材51を有している。第1の摺動部材50は片側円弧状となっており、その上面で樋部49の内側表面と滑らかに接続することができる。また、第2の摺動部材51は片側円弧状となっており、上面を移動する物体の進行方向を斜め下方に滑らかに変えながら表面より離脱させることができる。ここで、第1の摺動部材50の基端側は支持体35に設けられた取付け部36に固定されており、第2の摺動部材51の基端側は支持体35に設けられた取付け部37に固定されている。また、第1、第2の摺動部材50、51は、それぞれ第1の摺動部材34、第2の摺動部材22aと同一の材料で作製することができる。
【0040】
また、第1の摺動部材50と第2の摺動部材51の間に隙間を設けることにより、磁気誘導部52が形成されている。そして、磁気誘導部52は、第1及び第2の摺動部材50、51の上面側の先部で両側がそれぞれ支持されて、第1及び第2の摺動部材50、51の上面を滑らかに連結する板材53で覆われている。ここで、第1及び第2の摺動部材50、51は、非導電性で原料12に対して低摩擦係数となる材料、例えば、超高分子量ポリエチレン等の高分子材料で作製されている。また、板材53は耐熱性及び原料12に対して低摩擦係数の材料、例えば、炭素繊維とセラミックスを主体とした複合材料で製作されている。なお、原料12に大きな磁界を加える観点からは、板材53の厚みは薄い程好ましいが、使用中の耐荷重や耐変形性を考慮すると厚みは、例えば1〜5mm程度となる。
【0041】
更に、第1及び第2の摺動部材50、51の先部の内側は、磁気ロータ17が回転した際の各磁石16の先端が描く軌跡と相似形状になるように円弧加工されている。これによって、磁気ロータ17を、各磁石16の先端と板材53の下面との距離が、例えば2〜5mm程度となるように近接して設けることができる。
そして、磁気ロータ17の各磁石16の表面からは、磁気ロータ17の半径方向に向かう磁力線が発生しているので、磁気ロータ17を高速回転させると、磁気誘導部52には強い回転磁界が形成される。その結果、磁気誘導部52の上方に原料12を存在させることにより、原料12に強い回転磁界を積極的に与えることができる。
なお、樋部49の先端と磁気ロータ17の外周部に設けられた磁石16との最近接距離は50cm以上とする。これによって、磁気ロータ17の回転による回転磁界の影響を実質的に受けなくして、樋部49の先部に渦電流が形成されて発熱するのを防止できる。
【0042】
続いて、本発明の第2の実施の形態に係る非磁性金属選別機43の使用方法につて説明する。
先ず、磁気ロータ17を高速回転(例えば、800〜3600rpm)させて、磁気誘導部52に大きな回転磁界を発生させる。次いで、原料投入部48に設けられた投入口47より非磁性金属11の粒体が非金属の粉粒体18に混入し混合状態となっている原料12を投入する。投入された原料12は、樋部49を滑降し、ガイド部材46を構成する第1の摺動部材50の上に到達する。次いで、原料12は第1の摺動部材50の上を通過して磁気誘導部52を覆っている板材53の上に到達する。その結果、原料12は、磁気ローター17の外周部近傍に導かれることになる。
【0043】
磁気誘導部52には、大きな回転磁界が形成されているので、原料12が磁気誘導部52を覆っている板材53の上を通過する際に、原料12中の非磁性金属11にはこの回転磁界により渦電流が誘起される。そして、この渦電流によって形成される磁束と、非磁性金属11中に渦電流を形成させた磁気ロータ17の磁石16の磁束との相互作用により、非磁性金属11は磁石16から磁気的反撥力を受けてある速度で飛び上がる。従って、非磁性金属11は、このときの飛び出し速度と下方に滑降する滑降速度とを合成して得られる飛翔速度で板材53から離脱し空中に舞い上がり、次いで落下する。
【0044】
一方、非金属の粉粒体18と回転磁界との間には磁気的な相互作用は発生しないので、非金属の粉粒体18は板材53を通過し、第2の摺動部材51の上に到達する。そして、非金属の粉粒体18は第2の摺動部材51の表面に沿ってその進行方向を斜め下方に滑らかに変えながら滑降する。その結果、一旦磁気ロータ17に近づいた非金属の粉粒体18は、磁気ロータ17の外周部から離れていく。そして、進行方向を斜め下方に滑らかに変えながら滑降した非金属の粉粒体18は、第2の摺動部材51の表面から離脱する。
従って、非磁性金属11が落下する方向の先に非磁性金属11の収集用の容器54を、また非金属の粉粒体18が落下する方向の先に非金属の粉粒体18の収集用の容器55をそれぞれ設置することにより、原料12から非磁性金属11と非金属の粉粒体18とを分離して回収できる。非磁性金属11の落下経路と非金属の粉粒体18の落下経路の中間に仕切壁56を設けることにより、落下中に非磁性金属11と非金属の粉粒体18とが混合することを防止して、非磁性金属11と非金属の粉粒体18との分離精度を向上させることができる。なお、符号57は、原料12から非磁性金属11を選別する際に発生する粉塵の飛散を防止するために設けた防塵カバーを示す。
【0045】
図5、6に示すように、本発明の第3の実施の形態に係る非磁性金属選別機58は、非磁性金属11が混在している原料12を搬送するコンベア用のベルト13と、ベルト13に内側から接してベルト13の進行方向を滑らかに変える非導電性材料からなるガイド部材59と、ガイド部材59を介してベルト13の内側に設けられ、外周部に磁石60が配置されて高速回転することによって、原料12中の非磁性金属11に飛翔力を与える磁気ロータ61と、ガイド部材59と一体となって磁気ロータ61を覆うカバー部材62とを有している。以下、これらについて詳しく説明する。
【0046】
ガイド部材59は、例えば、ベルト13の受入側に設けられた第1の摺動部材63と、ベルト13の排出側に設けられた第2の摺動部材64を有している。第1の摺動部材63は、例えば板状となって、その上面でベルト13と接して移動するベルト13を内側から支持している。第2の摺動部材64は、例えば片側円弧状となって、その上面でベルト13と接しながら円弧に沿わせてベルト13を移動させることにより、ベルト13の進行方向を滑らかに反転させている。また、第1の摺動部材63の基端側はカバー部材62に設けられた取付け部65に固定されており、第2の摺動部材64の基端側はカバー部材62に設けられた取付け部66に固定されている。
【0047】
第1の摺動部材63と第2の摺動部材64の間には隙間が形成され、第1及び第2の摺動部材63、64の上面側の先部で両側がそれぞれ支持されて、第1及び第2の摺動部材63、64の上面を滑らかに連結する板材67を設けることにより、磁気誘導部68が形成されている。ここで、第1及び第2の摺動部材63、64はベルト13が円滑に移動するように、非導電性でベルト13に対して低摩擦係数のとなる材料、例えば、超高分子量ポリエチレン等の高分子材料で作製されている。
また、板材67は耐熱性及びベルト13に対して低摩擦係数の材料、例えば、炭素繊維とセラミックスを主体とした複合材料で製作されている。なお、原料12に大きな磁界を加える観点からは、板材67の厚みは薄い程好ましいが、使用中の耐荷重や耐変形性を考慮すると厚みは、例えば1〜5mm程度となる。
【0048】
第2の摺動部材64には、ベルト13が更に円滑に移動するように複数の小径ローラ69が設けられている。ここで、小径ローラ69は、小径ローラ69の軸方向に沿って小径ローラ69の外周部の一部が両側から保持材70により滑らかに保持され、小径ローラ69の頂部付近が保持材70の上面からわずかに(例えば3〜10mm)突出している。そして、第2の摺動部材64の円弧部に凹部を形成し、この凹部に小径ローラ69を保持している保持材70を装入して、保持材70に形成した図示しない通し孔を介してボルトで凹部に固定することにより、第2の摺動部材64に複数の小径ローラ69を設けることができる。なお、小径ローラ69、保持材70、及び取付け用のボルトは、非導電性で、ベルト13に対して低摩擦係数の材料、例えば、超高分子量ポリエチレン等の高分子材料で作製する。
このような構成とすることにより、ベルト13の内周面が第2の摺動部材64の上を通過する際に、各小径ローラ69の頂部に接触しながら通過するようにできる。このとき、各小径ロール69はベルト13と接触して保持材70内に収納された状態でそれぞれ回転する。このため、ベルト13は第2の摺動部材64の上を非常に円滑に移動することができ、摩擦及び滑りによる発熱が防止される。
【0049】
磁気ロータ61は、ガイド部材59とカバー部材62により形成される空間部71の内部に設けられており、例えば、駆動力伝達機構の一例であるスプロケット72を介して図示しない駆動機構から伝達される回転力により高速回転する回転軸73と、回転軸73の中央部の拡径した領域の外周部に周方向に隙間を空けて配置された実質的に同一形状の複数の磁石60を有している。ここで、磁石60としては、例えば、磁束の強さがベルト13の表面で0.2テスラ以上のものを使用することができ、各磁石60は周方向に、例えば異なる磁極が隣り合うように配置されている。磁気ロータ61を空間部71の内部に設けることにより、磁気ロータ61を密閉して保護することが容易にできる。
なお、磁気ロータ61に設けられた各磁石60の先端から一定距離、例えば、50mm以上離れると実質的に磁界の影響は受け難くなるので、カバー部材62を構成するカバー筒74と、回転軸73の軸受75に固定されている各端板部材76は、例えば、鉄等の金属を使用して製作することができる。金属を使用することで、カバー部材62の製作を低コストで行うことが可能になると共に、カバー部材62の固定も容易に行える。
【0050】
第1及び第2の摺動部材63、64の先部の内側は、磁気ロータ61が回転した際に各磁石60先端が描く軌跡と相似形状となるように円弧加工されている。これによって、磁気ロータ61を、各磁石60の先端と板材67の下面との距離が、例えば2〜5mm程度となるように近接して設けることができ、磁気ロータ61をベルト13に近づけることができる。そして、磁気ロータ61の各磁石60の表面からは、磁気ロータ61の半径方向に向かう磁力線が発生しているので、磁気ロータ61を高速回転させると、磁気誘導部68には強い回転磁界が形成される。その結果、磁気誘導部68の上方に原料12を存在させることにより、原料12に強い回転磁界を積極的に与えることができる。
なお、回転磁界は、交番磁界に限定する必要はないので、回転軸73の外周部に配置する磁石60の極性に制約は生じない。また、回転磁界の周期は、例えば 160〜1200Hz以上であればよいので、周方向に配置する磁石60の個数や間隔に制約はなく、回転軸73の外径や回転速度に合わせて決定すればよい。
【0051】
続いて、本発明の第3の実施の形態に係る非磁性金属選別機58の使用方法につて説明する。
先ず、図示しない駆動ローラを回転させて、駆動ローラからガイド部材59まで実質的に水平方向に移動し、次いでガイド部材59で進行方向を反転して駆動ローラに戻るベルト13の移動を形成する。なお、このときのベルト13の移動速度は、例えば、40〜120m/分とする。更に、磁気ロータ61を、例えば、800〜3600rpmで回転させて、磁気誘導部68に大きな回転磁界を形成する。次いで、図示しない原料供給機構により非磁性金属11の粒体が非金属の粉粒体18に混入して混合状態となっている原料12をベルト13上に、図示しない原料供給装置から供給する。
【0052】
供給された原料12はベルト13に載せられて水平に移動しガイド部材59を構成する第1の摺動部材63の上に到達する。そして、第1の摺動部材63の上を通過して磁気誘導部68に設けられた板材67の上に到達する。磁気誘導部68には、大きな回転磁界が形成されているので、原料12がベルト13に載って磁気誘導部68の上方を通過する際に、原料12中の非磁性金属11にはこの回転磁界により渦電流が誘起される。そして、この渦電流によって形成される磁束と、非磁性金属11中に渦電流を形成させた磁気ロータ61の磁石60の磁束との相互作用により、非磁性金属11は磁石60から磁気的反撥力を受けてある速度で飛び上がる。従って、非磁性金属11は、このときの飛び出し速度とベルト13による水平方向の移動速度とを合成して得られる飛翔速度でベルト13から離脱し空中に舞い上がり、次いで落下する。
【0053】
一方、非金属の粉粒体18と回転磁界との間には磁気的な相互作用は発生しないので、非金属の粉粒体18はベルト13に載ったまま磁気誘導部68を通過し、第2の摺動部材64の上に到達する。ここで、ベルト13は第2の摺動部材64に設けられた各小径ローラ69の頂部と接しながらその進行方向を滑らかに反転する。このため、ベルト13に載っていた非金属の粉粒体18は、重力によりベルト13の上を滑降し始め、ベルト13から離脱する。従って、非磁性金属11が落下する方向の先にに非磁性金属11の収集用の容器77を、また非金属の粉粒体18が落下する方向の先に非金属の粉粒体18の収集用の容器78をそれぞれ設置することにより、原料12から非磁性金属11と非金属の粉粒体18とを分離して回収できる。
なお、非磁性金属11の落下経路と非金属の粉粒体18の落下経路の中間に仕切壁79を設けることにより、落下中に非磁性金属11と非金属の粉粒体18とが再び混入することを防止して、非磁性金属11と非金属の粉粒体18との分離精度を向上させることができる。更に、ベルト13の一端側を、容器77、78と一体となって覆うようにカバー80を設けることにより、原料12から非磁性金属11と非金属の粉粒体18とを分離して回収する際に発生する粉塵の飛散を防止することができる。
【0054】
本発明の第4の実施の形態に係る非磁性金属選別機は、図1に示す第1の実施の形態に係る非磁性金属選別機10において、支持体15の代りに第3の実施の形態におけるガイド部材59とカバー部材62と磁気ロータ61から構成される支持体を設けたことが特徴であって、それ以外は実質的に非磁性金属選別機10と同じ構成である。このため、第4の実施の形態に係る非磁性金属選別機の詳細な説明と、その使用方法についての説明は省略する。
【0055】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明の非磁性金属選別機を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。例えば、第1の実施の形態では原料を駆動ローラから実質的に水平方向に搬送したが、原料の安息角未満の角度であれば、原料を斜め上方あるいは斜め下方に搬送することができる。また、非磁性金属が飛翔分離された後の非金属の粉粒体は斜め下方に落下させるようにしたが、従動ローラとガイド部材の位置を調節して非金属の粉粒体を垂直に落下させることもできる。磁気誘導部に設ける板材として、実施例では複合材料を使用したが、超高分子量ポリエチレン等の高分子材料、やアルミナ、窒化珪素等のセラミックスを使用してもよい。また、小径ローラをガイド部材の第2の摺動部材に設けたが、第1及び第2の摺動部材の両者に設けることもできる。
【0056】
【発明の効果】
請求項1〜5記載の非磁性金属選別機においては、非磁性金属が混在している原料を搬送するコンベア用のベルトと、ベルトに内側から接してベルトの進行方向を実質的に水平方向又は原料の安息角未満の傾斜方向から、垂直方向又は斜め下方向に滑らかに変える非導電性材料からなり、使用に当っては固定状態で配置されるガイド部材と、ガイド部材を介してベルトの内側に設けられ、外周部に磁石が配置されて高速回転することによって、原料中の非磁性金属に飛翔力を与える磁気ロータとを有し、ガイド部材には、磁気ロータをベルトに近づけて原料に回転磁界を積極的に加える磁気誘導部を備え、しかも、ガイド部材の磁気誘導部以外の部分はベルトが円滑に移動する低摩擦構造となっているので、ガイド部材を固定し磁気ロータのみを回転させることにより軸受の設置個数を1対とすることができ、非磁性金属選別機の構造を簡単にすることが可能となる。更に、例えば、ガイド部材、及びガイド部材を固定する支持体を用いて、磁気ロータを保護するためのケーシングを容易に構成することができる。その結果、非磁性金属選別機の保守管理を容易に行うことが可能になると共に、非磁性金属選別機を容易に、かつ安価に製作することが可能となる。
【0057】
特に、請求項2記載の非磁性金属選別機においては、磁気誘導部には耐熱性及びベルトに対して低摩擦係数の板材が設けられているので、発熱から板材、ガイド部材、及び磁気ロータを保護することができ、長期間にわたって非磁性金属の安定した飛翔分離を行うことが可能となる。更に、磁気誘導部を板状とすることで、使用中の保守管理を容易に行うことができる。
【0058】
請求項3記載の非磁性金属選別機においては、ガイド部材の磁気誘導部を除く部分は、ベルトに対して低摩擦係数の材料が使用されているので、摩擦や滑りによる発熱を防止して、安定したベルトの走行を可能にすることができる。
【0059】
請求項4記載の非磁性金属選別機においては、ガイド部材の磁気誘導部を除く部分で、しかも、ベルトが当接する部分には、1又は2以上の小径ローラが設けられて、ベルトの一部又は全部が小径ローラを介してガイド部材に接しているので、ベルト移動に対する摩擦を更に軽減することができ、より厚みの薄いベルトを使用して原料に加える磁界の強さを大きくすることが可能となる。その結果、原料の対象範囲を拡大することができると共に、非磁性金属をより効率よく分離することが可能となる。
【0060】
請求項5記載の非磁性金属選別機においては、ガイド部材が、磁気ロータの軸心を中心にして、回動調整可能となっているので、非磁性金属を飛翔させる際の角度を調整することができ、非磁性金属の飛翔分離の精度を向上させることがきる。また、原料中の磁性金属は磁気ロータに強く吸引されてベルトに吸着して移動するため、ベルトの進行方向が変化を開始する位置で回転磁界が最大となるようにガイド部材を磁気ロータの軸心周りに回転させることにより、原料を非磁性金属、磁性金属、及び非金属の3区分に効率よく分離して回収することも可能となる。
【0061】
請求項6〜10記載の非磁性金属選別機においては、非磁性金属が混在している原料を搬送するコンベア用のベルトと、ベルトに内側から接してベルトの進行方向を滑らかに変える非導電性材料からなり、使用に当っては固定状態で配置されるガイド部材と、ガイド部材を介してベルトの内側に設けられ、外周部に磁石が配置されて高速回転することによって、原料中の非磁性金属に飛翔力を与える磁気ロータと、ガイド部材と一体となって磁気ロータを覆うカバー部材とを有し、ガイド部材には、磁気ロータをベルトに近づけて原料に回転磁界を積極的に加える磁気誘導部を備え、しかも、ガイド部材の磁気誘導部を除く部分はベルトが円滑に移動する低摩擦構造となっているので、ガイド部材をベルトの一端側に配置して、ベルトの進行方向を容易に反転することが可能となる。その際、ガイド部材、カバー部材、及び磁気ロータを一体的に取り扱うことができてベルトの一端側を容易に覆うことができるので、原料から非磁性金属と非金属の粉粒体とを分離して回収する際に発生する粉塵の飛散を容易に抑えることが可能となる。
【0062】
特に、請求項7記載の非磁性金属選別機においては、ガイド部材の磁気誘導部を除く部分で、しかも、ベルトが当接する部分には、複数の小径ローラが設けられて、ベルトの一部又は全部が小径ローラを介してガイド部材に接しているので、ベルト移動に対する摩擦を更に軽減することができ、より厚みの薄いベルトを使用して原料に加える磁界の強さを大きくすることが可能となる。その結果、原料の対象範囲を拡大することができると共に、非磁性金属をより効率よく分離することが可能となる。
【0063】
請求項8記載の非磁性金属選別機においては、カバー部材は、断面円弧状のカバー筒と、カバー筒及びガイド部材の両端をそれぞれ覆う端部板材とを有しているので、ガイド部材と組み合わせて磁気ローラを完全に覆うことができ、磁気ローラを粉塵から容易に保護することが可能になると共に、ガイド部材、カバー部材、及び磁気ロータを一体的に取り扱うことが可能になる。
【0064】
請求項9記載の非磁性金属選別機においては、カバー部材は磁気ロータの軸受に固定され、ガイド部材、カバー部材及び磁気ロータが一体構造となっているので、非磁性金属選別機本体側に対しての磁気ロータの取付け、取り外しが容易になって、非磁性金属選別機の組み立てや保守管理を容易に行うことが可能になる。
【0065】
請求項10記載の非磁性金属選別機においては、ガイド部材の下方には、ベルトをガイドする従動ローラが設けられているので、ベルトの進行方向を従動ローラを用いて滑らかに反転させることができ、ベルトが進行方向を変える際に発生する摩擦や滑りによる発熱を防止して、安定したベルトの走行を可能にすることができる。
【0066】
請求項11及び12記載の非磁性金属選別機においては、外周部に磁石が配置されて高速回転する磁気ロータと、磁気ロータ上に非磁性金属が混在している原料を投入するシュートと、磁気ロータとシュートの中間位置にあって非導電性材料からなって、シュートから排出される原料を磁気ロータの外周部近傍に導く磁気誘導部を備え、更に磁気ロータに一旦近づけた原料を磁気ロータの外周部から離して下方落下させるガイド部材とを有し、しかも、前記ガイド部材は使用に当っては固定状態で配置され、磁気ロータによって原料中の非磁性金属を飛翔させて分離するので、自然落下を利用した原料の搬送中に、原料の中から非磁性金属を効率的に分離することが可能となる。更に、ガイド部材、及びガイド部材を固定する支持体を用いて、磁気ロータを保護するためのケーシングを容易に構成することができる。その結果、非磁性金属選別機の保守管理を容易に行うことが可能になると共に、非磁性金属選別機を容易に、かつ安価に製作することが可能となる。
【0067】
特に、請求項12記載の非磁性金属選別機においては、磁気誘導部には耐熱性及び原料に対して低摩擦係数の板材が設けられ、ガイド部材には非導電性で原料に対して低摩擦係数の材料が使用されているので、回転磁界による発熱を防止し原料の移動を阻害しないようにすることができ、原料中から非磁性金属を効率よく分離することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る非磁性金属選別機の説明図である。
【図2】同非磁性金属選別機の第1の変形例に係るガイド部材を示す説明図である。
【図3】同非磁性金属選別機の第2の変形例に係るガイド部材を示す説明図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る非磁性金属分離装置の説明図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る非磁性金属分離装置の説明図である。
【図6】同非磁性金属分離装置におけるガイド部材、カバー部材、及び磁気ロータの配置関係を説明する断面図である。
【図7】従来例に係る非磁性金属選別機の説明図である。
【符号の説明】
10:非磁性金属選別機、11:非磁性金属、12:原料、13:ベルト、14:ガイド部材、15:支持体、16:磁石、17:磁気ロータ、18:非金属の粉粒体、19:駆動ローラ、20:従動ローラ、21:第1の摺動部材、22、22a:第2の摺動部材、23〜25:取付け部、26:磁気誘導部、27:板材、28:回転軸、29、30:容器、31:仕切壁、32、32a:ガイド部材、34:第1の摺動部材、35:支持体、36、37:取付け部、39:第2の摺動部材、40:小径ローラ、41:保持材、42:通し孔、43:非磁性金属選別機、45:シュート、46:ガイド部材、47:投入口、48:原料投入部、49:樋部、50:第1の摺動部材、51:第2の摺動部材、52:磁気誘導部、53:板材、54、55:容器、56:仕切壁、57:防塵カバー、58:非磁性金属選別機、59:ガイド部材、60:磁石、61:磁気ロータ、62:カバー部材、63:第1の摺動部材、64:第2の摺動部材、65、66:取付け部、67:板材、68:磁気誘導部、69:小径ローラ、70:保持材、71:空間部、72:スプロケット、73:回転軸、74:カバー筒、75:軸受、76:端板部材、77、78:容器、79:仕切壁、80:カバー
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、アルミニウムや銅等の有用な非磁性金属が混在している原料から、非磁性金属を分離するために使用する非磁性金属選別機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、原料中に混入しているアルミニウムや銅等の有用な非磁性金属を分離するため、例えば、図7に示すような、非導電性の材料で構成されているベルトドラム90に掛け渡されたコンベヤーベルト91で原料92を搬送させながら、ベルトドラム90の内側に設けられた円筒ドラム93内に配置され、周方向に隣り合って異なる磁極を有している磁石装置94を高速で回転させて、更に、基端側がベルトドラム90の中心95に取付けられ先端側が磁石装置94の回転軸96に取付けられているアーム97により磁石装置94をベルトドラム90の中心95の回りで揺動させて、非磁性金属98を分離し容器99で回収する非磁性金属選別機100が使用されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特公平8−4759号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に記載された非磁性金属選別機100では、ベルトドラム90の内側で磁石装置94を偏心させて回転及び揺動させるため、ベルトドラム90の端面に少なくとも3箇所のそれぞれ対となる軸受群を設置する必要がある。このため、ベルトドラム90の構造が非常に複雑となる。特に、大型機になると、軸受も大型となり、製造コストが上昇するという問題が生じる。各軸受を固定する金属金具には高い機械加工精度が要求され、組み立てにも高度の熟練技能が要求される。また、磁石装置94を偏心させた上で磁石装置94の位置を揺動自在にする機構は非常に複雑となって、製造コストを更に上昇させるという問題が生じる。
【0005】
更に、ベルトドラム90の軸受はコンベアベルト91の重量と原料92の重量を支えなければならず、磁石装置94の軸受では磁石装置94の重量を支えると共に高速回転による熱が発生するため、非磁性金属選別機100を安定して長期間にわたって使用していくには、各軸受の管理、例えば給油管理、軸受寿命管理を十分に実施することが不可欠となる。更に、非磁性金属98の分離を行う上で強い磁気が必要とされる場合、ベルトドラム90の厚みをできるだけ薄くして原料92に加える磁界の強さを大きくする必要があるが、ベルトドラム90を非金属の非磁性材料、例えば樹脂で製作する場合、ベルトドラム90に一定の強度と剛性を付与するためには、ベルトドラム90の厚みの減少に限界が生じる。このため、要求されるような磁界の強さを実現できない場合も生じる。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、簡単な構造とすることで製作及び使用中の保守管理が容易となり非磁性金属を効率よく分離することが可能な非磁性金属選別機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う第1の発明に係る非磁性金属選別機は、非磁性金属が混在している原料を搬送するコンベア用のベルトと、前記ベルトに内側から接して該ベルトの進行方向を実質的に水平方向又は前記原料の安息角未満の傾斜方向から、垂直方向又は斜め下方向に滑らかに変える非導電性材料からなり、使用に当っては固定状態で配置されるガイド部材と、前記ガイド部材を介して前記ベルトの内側に設けられ、外周部に磁石が配置されて高速回転することによって、前記原料中の非磁性金属に飛翔力を与える磁気ロータとを有し、前記ガイド部材には、前記磁気ロータを前記ベルトに近づけて前記原料に回転磁界を積極的に加える磁気誘導部を備え、しかも、前記ガイド部材の前記磁気誘導部を除く部分は前記ベルトが円滑に移動する低摩擦構造となっている。
【0007】
移動するベルトの内側にガイド部材を接触させてベルトの進行方向を変えるようにしたので、ガイド部材をベルトの進行に合わせて回転させる必要がなくなり、ガイド部材の構造を簡単にすることができる。またガイド部材を非導電性材料としたので、磁気ロータを高速回転(例えば、800〜3600rpm)させてもガイド部材に渦電流は発生しない。このため、ガイド部材自体が発熱することはない。また、ガイド部材の磁気誘導部を除く部分をベルトが円滑に移動できるような低摩擦構造としたので、ベルトとの摩擦及び滑りによる発熱を防止することができる。なお、磁気ロータから一定距離(例えば、50mm)以上離れると、磁気ロータの磁界の影響は大きく減衰するので、ガイド部材を支える支持体や、磁気ロータを保護するケーシングには、例えば、鉄等の金属を使用することができる。
【0008】
磁気誘導部には、磁気ロータからの磁力を減衰させずに原料に加えることができる磁性特性を備えた材質を設ける。これによって、原料がベルトに載って磁気誘導部の上部を通過する際に、原料に効果的に磁力を作用させることができ、原料中の非磁性金属には回転磁界により渦電流を誘起することができる。そして、この渦電流により発生した磁束と、高速で回転する磁気ロータの磁石の磁束との相互作用により、非磁性金属は磁気ロータから磁気的反撥力を受けて飛翔し、原料から分離される。従って、飛翔分離された非磁性金属を収集することにより原料から非磁性金属を回収することができる。また、ベルトの進行方向がガイド部材により垂直方向又は斜め下方向に滑らかに変えられるため、非磁性金属が除去された後の残りの原料はベルト上から重力により落下する。従って、落下した原料を収集することにより、非磁性金属が除去された残りの原料を回収することができる。
【0009】
第1の発明に係る非磁性金属選別機において、前記磁気誘導部には耐熱性及び前記ベルトに対して低摩擦係数の板材が設けられていることが好ましい。
磁気誘導部に設ける材料を耐熱性とすることにより、磁性金属が混在する原料を選別中にベルトが停止し、磁気ロータの回転に伴う回転磁界で磁性金属中に渦電流が誘起されて発熱が生じても、板材自体、ガイド部材、及び磁気ロータの損傷を防止することができる。また、磁気誘導部に設ける材料をベルトに対して低摩擦係数のものとすることにより、ベルトとの摩擦及び滑りによる発熱を防止できる。更に、耐熱性及びベルトに対して低摩擦係数となる材料を板状として使用することにより、製作、取付け、及び交換が容易となる。ここで、耐熱性、及びベルトに対して低摩擦係数が達成される板材としては、例えば、400℃以上の耐熱性を有する無機材料や、炭素繊維とセラミックスとを複合化した複合材料、あるいは、アルミナ、窒化珪素等のセラミックスを使用することができる。特に、複合材料やセラミックスを使用すると、耐熱及び耐摩耗性が向上するので好ましい。
【0010】
第1の発明に係る非磁性金属選別機において、前記ガイド部材の前記磁気誘導部を除く部分は、前記ベルトに対して低摩擦係数の材料が使用されていることが好ましい。
ガイド部材の磁気誘導部を除く部分は、ベルトと接して原料を搬送しているベルトを支持すると共に、ベルトの進行方向を変える作用を有している。このため、ベルトに対して低摩擦係数の材料を使用することで、ベルトとの間の摩擦を軽減することができ、ベルトの進行方向を滑らかに変えることができる。ここで、ガイド部材は、例えば、超高分子量ポリエチレン等の高分子材料を使用して作製することができる。
【0011】
第1の発明に係る非磁性金属選別機において、前記ガイド部材の前記磁気誘導部を除く部分で、しかも、前記ベルトが当接する部分には、1又は2以上の小径ローラが設けられて、前記ベルトの一部又は全部が前記小径ローラを介して前記ガイド部材に接していることが好ましい。
高磁力を必要とする飛翔分離を行う場合、ベルトの厚みを極度に薄くする(例えば、0.5mm)必要がある。この場合、ガイド部材でベルトが当接する部分に小径ローラを設けることにより、ベルトとの接触面積を小さくしてベルトに対する摺動抵抗を減少させて、ベルトとの間の摩擦を軽減することができる。
【0012】
第1の発明に係る非磁性金属選別機において、前記ガイド部材が、前記磁気ロータの軸心を中心にして、回動調整可能となっていることが好ましい。
ガイド部材を磁気ロータの軸心を中心に回動させることにより、原料に加える回転磁界の方向を変化させて、非磁性金属が飛翔する際の方向を調整することができる。
【0013】
前記目的に沿う第2の発明に係る非磁性金属選別機は、非磁性金属が混在している原料を搬送するコンベア用のベルトと、前記ベルトに内側から接して該ベルトの進行方向を滑らかに変える非導電性材料からなり、使用に当っては固定状態で配置されるガイド部材と、前記ガイド部材を介して前記ベルトの内側に設けられ、外周部に磁石が配置されて高速回転することによって、前記原料中の非磁性金属に飛翔力を与える磁気ロータと、前記ガイド部材と一体となって前記磁気ロータを覆うカバー部材とを有し、前記ガイド部材には、前記磁気ロータを前記ベルトに近づけて前記原料に回転磁界を積極的に加える磁気誘導部を備え、しかも、前記ガイド部材の前記磁気誘導部を除く部分は前記ベルトが円滑に移動する低摩擦構造となっている。
【0014】
移動するベルトの内側にガイド部材を接触させるようにしたので、ガイド部材をベルトの進行に合わせて回転させる必要がなくなり、ガイド部材の構造を簡単にすることができる。そして、ガイド部材と一体となって磁気ロータを覆うカバー部材を設けることにより、ガイド部材、カバー部材、及び磁気ロータを一体構造物として取り扱うことが可能となる。また、ベルトの一端側にガイド部材を配置すると、このガイド部材で移動するベルトの進行方向を反転することができる。ガイド部材を非導電性材料としたので、磁気ロータを高速回転(例えば、800〜3600rpm)させてもガイド部材に渦電流は発生しない。このため、ガイド部材自体が発熱することはない。また、ガイド部材の磁気誘導部を除く部分をベルトが円滑に移動できるような低摩擦構造としたので、ベルトとの摩擦及び滑りによる発熱を防止することができる。
なお、磁気ロータから一定距離(例えば、50mm)以上離れると、磁気ロータの磁界の影響は大きく減衰するので、ガイド部材と一体となって使用するカバー部材には、例えば、鉄等の金属を使用することができる。
【0015】
磁気誘導部には、磁気ロータからの磁力を減衰させずに原料に加えることができる磁性特性を備えた材質を設ける。これによって、原料がベルトに載って磁気誘導部の上部を通過する際に、原料に効果的に磁力を作用させることができ、原料中の非磁性金属には回転磁界により渦電流を誘起することができる。そして、この渦電流により発生した磁束と、高速で回転する磁気ロータの磁石の磁束との相互作用により、非磁性金属は磁気ロータから磁気的反撥力を受けて飛翔し、原料から分離される。
ここで、非磁性金属の飛翔分離は、ベルトの進行方向が代わるベルトの一端側で行われるので、飛翔分離された非磁性金属を収集することにより原料から非磁性金属を回収することができる。また、非磁性金属が除去された後の残りの原料はベルト上から重力により落下するので、落下した原料を収集することにより、非磁性金属が除去された残りの原料を回収することができる。
【0016】
第2の発明に係る非磁性金属選別機において、前記ガイド部材の前記磁気誘導部を除く部分で、しかも、前記ベルトが当接する部分には、複数の小径ローラが設けられて、前記ベルトの一部又は全部が前記小径ローラを介して前記ガイド部材に接していることが好ましい。
高磁力を必要とする飛翔分離を行う場合、ベルトの厚みを極度に薄くする(例えば、0.5mm)必要がある。この場合、ガイド部材でベルトが当接する部分に小径ローラを設けることにより、ベルトとの接触面積を小さくしてベルトに対する摺動抵抗を減少させて、ベルトとの間の摩擦を軽減することができる。
【0017】
第2の発明に係る非磁性金属選別機において、前記カバー部材は、断面円弧状のカバー筒と、前記カバー筒及び前記ガイド部材の両端をそれぞれ覆う端部板材とを有していることが好ましい。このような構成とすることにより、ガイド部材とカバー部材とを組み合わせて、磁気ロータ全体を完全に覆うことができる。
【0018】
第2の発明に係る非磁性金属選別機において、前記カバー部材を前記磁気ロータの軸受に固定して、前記ガイド部材、前記カバー部材及び前記磁気ロータを一体構造とすることが好ましい。このような構成とすることにより、磁気ロータをガイド部材及びカバー部材を用いて密閉状態にして、磁気ロータを回転させることができる。
【0019】
第2の発明に係る非磁性金属選別機において、前記ガイド部材の下方には、前記ベルトをガイドする従動ローラを設けることが好ましい。ガイド部材の下方に従動ローラを設けることで、ガイド部材でベルトの進行方向を滑らかに変化させ、従動ローラでベルトの進行方向を反転させるようにすることで、ベルト反転時の摺動抵抗を減少させて、ベルトの移動をより容易にすることができる。
【0020】
前記目的に沿う第3の発明に係る非磁性金属選別機は、外周部に磁石が配置されて高速回転する磁気ロータと、前記磁気ロータ上に非磁性金属が混在している原料を投入するシュートと、前記磁気ロータと前記シュートの中間位置にあって非導電性材料からなって、前記シュートから排出される前記原料を前記磁気ロータの外周部近傍に導く磁気誘導部を備え、更に前記磁気ロータに一旦近づけた前記原料を前記磁気ロータの外周部から離して下方に落下させるガイド部材とを有し、しかも、前記ガイド部材は使用に当っては固定状態で配置され、前記磁気ロータによって前記原料中の非磁性金属を飛翔させて分離する。
【0021】
原料をシュートの上流側に投入すると、重力により原料は自然落下を開始し、シュート内を滑走して磁気誘導部に到達する。磁気誘導部には磁気ロータの高速回転(例えば、800〜3600rpm)により発生する回転磁界が形成されているので、原料が磁気誘導部の上方を通過する際に、原料中の非磁性金属には回転磁界により渦電流が誘起される。そして、この渦電流により形成される磁束と、高速で回転する磁気ロータの磁石の磁束との相互作用により、非磁性金属は磁気ロータから磁気的反撥力を受けて飛翔し、原料から分離される。従って、飛翔分離された非磁性金属を収集することにより、原料から非磁性金属を回収することができる。また、非磁性金属が除去された後の原料は磁気誘導部を通過し、ガイド部材に導かれて引き続き下方に落下する。従って、落下した原料を収集することにより、非磁性金属が除去された原料を回収することができる。
【0022】
第3の発明に係る非磁性金属選別機において、前記磁気誘導部には耐熱性及び前記原料に対して低摩擦係数の板材が設けられ、前記ガイド部材には非導電性で前記原料に対して低摩擦係数の材料が使用されていることが好ましい。
磁気誘導部に原料に対して低摩擦係数の板材を設けることにより、磁気ロータが原料と直接接触するのを防止して、磁気ロータの保護を行うことができる。ここで、板材とすることにより、製作、取付け、及び交換が容易となる。
【0023】
磁気誘導部に原料に対して低摩擦係数の材料を使用することで、原料との間で生じる摩擦及び滑りによる発熱を防止できる。更に、耐熱性の材料とすることにより、付着した磁性金属に磁気ロータの回転に伴う回転磁界で渦電流が誘起されて発熱が生じても、発熱による板材自体、ガイド部材、及び磁気ロータの損傷を防止することができる。なお、板材には、例えば、400℃以上の耐熱性を有する無機材料や、炭素繊維とセラミックスとを複合化した複合材料、あるいは、アルミナ、窒化珪素等のセラミックスを使用することができる。特に、複合材料やセラミックスを使用すると、耐熱及び耐摩耗性が向上するので好ましい。
また、ガイド部材に非導電性で、原料に対して低摩擦係数の材料を使用することで、回転磁界による渦電流の発生を防止して、原料の移動を阻害しないようにすることができる。ここで、ガイド部材は、例えば、超高分子量ポリエチレン等の高分子材料を使用して作製することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の第1の実施の形態に係る非磁性金属選別機の説明図、図2は同非磁性金属選別機の第1の変形例に係るガイド部材を示す説明図、図3は同非磁性金属選別機の第2の変形例に係るガイド部材を示す説明図、図4は本発明の第2の実施の形態に係る非磁性金属分離装置の説明図、図5は本発明の第3の実施の形態に係る非磁性金属分離装置の説明図、図6は同非磁性金属分離装置におけるガイド部材、カバー部材、及び磁気ロータの配置関係を説明する断面図である。
【0025】
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る非磁性金属選別機10は、非磁性金属11が混在している原料12を搬送するコンベア用のベルト13と、ベルト13に内側から接してベルト13の進行方向を実質的に水平方向から斜め下方向に滑らかに変える非導電性材料からなるガイド部材14と、ガイド部材14を保持する支持体15とを有している。更に、非磁性金属選別機10は、ガイド部材14を介してベルト13の内側に設けられ、外周部に磁石16が複数配置されて高速回転することによって、原料12中の非磁性金属11に飛翔力を与える磁気ロータ17を有している。以下、これらについて詳しく説明する。
【0026】
原料12とは、例えば、非磁性金属11の粒体が非金属の粉粒体18に混入した混合物を指す。なお、原料12としては、これ以外に、例えば、非磁性金属の粒体が磁性金属の粒体に混入した混合物、非磁性金属の粒体が磁性金属の粒体及び非金属の粉粒体との混合物に混入した場合等が考えられる。
ベルト13は、例えば、厚み0.5〜9.0mmのゴムを用いてエンドレス状に形成され、回転する駆動ロータ19と、原料12の搬送方向の下流端に配置された小径の従動ローラ20とに巻回されている。なお、従動ローラ20の軸心は、駆動ロータ19の軸心よりも下方に配置されている。そして、ガイド部材14は駆動ローラ19と従動ローラ20の中間に配置されている。ここで、ベルト13に接するガイド部材14の上流側(ベルト13の受入側)は、駆動ローラ19の頂部の高さと実質的に同一高さとなるように、またベルト13に接するガイド部材14の下流側(ベルト13の排出側)は従動ローラ20の軸心の位置よりも高くなるように支持体15により保持されている。
【0027】
ガイド部材14は、例えば、ベルト13の受入側に設けられた第1の摺動部材21と、ベルト13の排出側に設けられた第2の摺動部材22を有している。第1の摺動部材21は、例えば板状となって、その上面でベルト13と接して移動するベルト13を内側から支持している。第2の摺動部材22は、例えば片側円弧状となって、その上面でベルト13と接しながら円弧に沿わせてベルト13を移動させることにより、ベルト13の進行方向を実質的に水平方向から斜め下方向に滑らかに変えている。また、第1の摺動部21の基端側は支持体15に設けられた取付け部23、24に固定されており、第2の摺動部材22の基端側は支持体15に設けられた取付け部25に固定されている。
【0028】
また、第1の摺動部材21と第2の摺動部材22の間には隙間が形成され、第1及び第2の摺動部材21、22の上面側の先部で両側がそれぞれ支持されて、第1及び第2の摺動部材21、22の上面を滑らかに連結する板材27を設けることにより、磁気誘導部26が形成されている。ここで、第1及び第2の摺動部材21、22はベルト13が円滑に移動する低摩擦構造となっており、非導電性でベルト13に対して低摩擦係数となる材料、例えば、超高分子量ポリエチレン等の高分子材料で作製されている。また、板材27は耐熱性及びベルト13に対して低摩擦係数の材料、例えば、炭素繊維とセラミックスを主体とした複合材料で製作されている。なお、原料12に大きな磁界を加える観点からは、板材27の厚みは薄い程好ましいが、使用中の耐荷重や耐変形性を考慮すると厚みは、例えば1〜5mm程度となる。
【0029】
磁気ロータ17は支持体15の内部に設けられており、図示しない駆動機構により高速回転する回転軸28と、回転軸28の外周部に周方向に隙間を空けて配置された実質的に同一形状の複数の磁石16を有している。ここで、磁石16としては、例えば、磁束の強さがベルト13の表面で0.2テスラ以上のものを使用することができ、各磁石16は周方向に、例えば異なる磁極が隣り合うように配置されている。磁気ロータ17を支持体15の内部に設けることにより、磁気ロータ17を保護することが容易にできる。なお、磁気ロータ17に設けられた各磁石16の先端から一定距離、例えば、50mm以上離れると実質的に磁界の影響は受け難くなるので、支持体15で各磁石16の先端から50mm以上離すことが可能な箇所には、例えば、鉄等の金属を使用することができる。金属を使用することで、支持体15の製作を低コストで行うことが可能になると共に、支持体15の固定も容易に行える。
【0030】
第1及び第2の摺動部材21、22の先部の内側は、磁気ロータ17が回転した際に各磁石16先端が描く軌跡と相似形状となるように円弧加工されている。これによって、磁気ロータ17を、各磁石16の先端と板材27の下面との距離が、例えば2〜5mm程度となるように近接して設けることができ、磁気ロータ17をベルト13に近づけることができる。そして、磁気ロータ17の各磁石16の表面からは、磁気ロータ17の半径方向に向かう磁力線が発生しているので、磁気ロータ17を高速回転させると、磁気誘導部26には強い回転磁界が形成される。その結果、磁気誘導部26の上方に原料12を存在させることにより、原料12に強い回転磁界を積極的に与えることができる。
なお、回転磁界は、交番磁界に限定する必要はないので、回転軸28の外周部に配置する磁石16の極性に制約は生じない。また、回転磁界の周期は、例えば 160〜1200Hz以上であればよいので、周方向に配置する磁石16の個数や間隔に制約はなく、回転軸28の外径や回転速度に合わせて決定すればよい。
【0031】
続いて、本発明の第1の実施の形態に係る非磁性金属選別機10の使用方法につて説明する。
先ず、駆動ローラ19を回転させて、駆動ローラ19からガイド部材14まで実質的に水平方向に移動し、次いでガイド部材14で進行方向を斜め下方向に滑らかに変えて、従動ローラ20で進行方向を反転して駆動ローラ19に戻るベルト13の移動を形成する。なお、このときのベルト13の移動速度は、例えば、40〜120m/分とする。更に、磁気ロータ17を、例えば、800〜3600rpmで回転させて、磁気誘導部26に大きな回転磁界を形成する。次いで、図示しない原料供給機構により非磁性金属11の粒体が非金属の粉粒体18に混入して混合状態となっている原料12をベルト13上に、図示しない原料供給装置から供給する。
【0032】
供給された原料12はベルト13に載せられて水平に移動しガイド部材14を構成する第1の摺動部材21の上に到達する。そして、第1の摺動部材21の上を通過して磁気誘導部26に設けられた板材27の上に到達する。磁気誘導部26には、大きな回転磁界が形成されているので、原料12がベルト13に載って磁気誘導部26の上方を通過する際に、原料12中の非磁性金属11にはこの回転磁界により渦電流が誘起される。そして、この渦電流によって形成される磁束と、非磁性金属11中に渦電流を形成させた磁気ロータ17の磁石16の磁束との相互作用により、非磁性金属11は磁石16から磁気的反撥力を受けてある速度で飛び上がる。従って、非磁性金属11は、このときの飛び出し速度とベルト13による水平方向の移動速度とを合成して得られる飛翔速度でベルト13から離脱し空中に舞い上がり、次いで落下する。
【0033】
一方、非金属の粉粒体18と回転磁界との間には磁気的な相互作用は発生しないので、非金属の粉粒体18はベルト13に載ったまま磁気誘導部26を通過し、第2の摺動部材22の上に到達する。ここで、ベルト13は第2の摺動部材22の上面に接しながらその進行方向を斜め下方に滑らかに変える。このため、ベルト13に載っていた非金属の粉粒体18は、重力によりベルト13の上を滑降し始め、ベルト13から離脱する。従って、非磁性金属11が落下する方向の先にに非磁性金属11の収集用の容器29を、また非金属の粉粒体18が落下する方向の先に非金属の粉粒体18の収集用の容器30をそれぞれ設置することにより、原料12から非磁性金属11と非金属の粉粒体18とを分離して回収できる。なお、非磁性金属11の落下経路と非金属の粉粒体18の落下経路の中間に仕切壁31を設けることにより、落下中に非磁性金属11と非金属の粉粒体18とが再び混入することを防止して、非磁性金属11と非金属の粉粒体18との分離精度を向上させることができる。
【0034】
図2は、第1の変形例として、磁気ロータ17の軸心を中心にして、回動調整可能となっているガイド部材32を示している。
ガイド部材32は、例えば、ベルト13の受入側に設けられた第1の摺動部材34と、ベルト13の排出側に設けられた第2の摺動部材22aを有している。第1の摺動部材34は、例えば片側円弧状となって、その上面でベルト13と接して移動するベルト13を内側から支持している。また、第2の摺動部材22aは第2の摺動部材22と実質的に同じ形状である。第1の摺動部材34の形状を片側円弧状とすることにより、ガイド部材32を磁気ロータ17の軸心の周りに回動させた際に、第1の摺動部材34の上面をベルト13の内側に滑らかに接するようにすることができる。ここで、第1の摺動部材34の基端側は支持体35に設けられた取付け部36に固定されており、第2の摺動部材22aの基端側は支持体35に設けられた取付け部37に固定されている。このため、支持体35を回動させることにより、ガイド部材32を磁気ロータ17の軸心を中心にして、回動調整することが可能となる。
【0035】
また、第1の摺動部材34、第2の摺動部材22a、支持体35は、それぞれ第1の摺動部材21、第2の摺動部材22、支持体15と同一の材料で作製することができる。更に、第1及び第2の摺動部材34、22aの先部の内側は、磁気ロータ17が回転した際の各磁石16の先端が描く軌跡と相似形状になるように円弧加工されている。これによって、磁気ロータ17を、各磁石16の先端と板材27の下面との距離が、例えば2〜5mm程度となるように近接して設けることができる。
【0036】
図3に、第2の変形例として、第2の摺動部材39に複数の小径ローラ40を設けたガイド部材32aを示す。なお、ガイド部材32aは、1又は2以上の小径ローラ40を設けたことが特徴であって、それ以外は実質的にガイド部材14と同じ構成である。
小径ローラ40は、小径ローラ40の軸方向に沿って小径ローラ40の外周部の一部が両側から保持材41により滑らかに保持され、小径ローラ40の頂部付近が保持材41の上面からわずかに(例えば3〜10mm)突出している。そして、第2の摺動部材39の円弧部に凹部を形成し、この凹部に小径ローラ40を保持している保持材41を装入して、保持材41に形成した通し孔42を介してボルト(図示しない)で凹部に固定することにより、第2の摺動部材39に複数の小径ローラ40(図3では4個)を設けることができる。ここで、小径ローラ40、保持材41、及び取付け用のボルトは、非導電性で、ベルト13に対して低摩擦係数の材料、例えば、超高分子量ポリエチレン等の高分子材料で作製する。ベルト13に内側から接してベルト13の進行方向を実質的に水平方向から斜め下方向に滑らかに変わるようにガイド部材32aを配置すると、ベルト13の内周面が第2の摺動部材39の上を通過する際には、各小径ローラ40の頂部に接触しながら通過する。このとき、各小径ロール40はベルト13と接触して保持材41内に収納された状態でそれぞれ回転する。このため、ベルト13は第2の摺動部材39の上を非常に円滑に移動することができ、摩擦及び滑りによる発熱が防止される。
【0037】
図4に示すように、本発明の第2の実施の形態に係る非磁性金属選別機43は、高速回転する磁気ロータ17と、磁気ロータ17上に非磁性金属11が混在している原料12を投入するシュート45と、磁気ロータ17とシュート45の中間位置にあってシュート45から排出される原料12を磁気ロータ17に一旦近づけてから離して下方に落下させるガイド部材46とを有している。以下、これらについて詳しく説明する。
【0038】
シュート45は、原料12の投入口47が形成された原料投入部48と、投入した原料12が滑降する樋部49を有している。そして、原料投入部48及び樋部49は、例えば、非磁性体のステンレス鋼を使用して作製することができる。
ここで、ガイド部材46は非導電性材料からなって、シュート45から排出される原料12を磁気ロータ17に一旦近づけてから離して下方に落下させるために、原料12が滑降する樋部49の内側表面とガイド部材46の外側表面とは滑らかに接続することが必要となる。このため、ガイド部材46は、例えば、前記したガイド部材32と同一の構成とすることが好ましい。
【0039】
ガイド部材46は、原料12の受入側に設けられた第1の摺動部材50と、原料12の排出側に設けられた第2の摺動部材51を有している。第1の摺動部材50は片側円弧状となっており、その上面で樋部49の内側表面と滑らかに接続することができる。また、第2の摺動部材51は片側円弧状となっており、上面を移動する物体の進行方向を斜め下方に滑らかに変えながら表面より離脱させることができる。ここで、第1の摺動部材50の基端側は支持体35に設けられた取付け部36に固定されており、第2の摺動部材51の基端側は支持体35に設けられた取付け部37に固定されている。また、第1、第2の摺動部材50、51は、それぞれ第1の摺動部材34、第2の摺動部材22aと同一の材料で作製することができる。
【0040】
また、第1の摺動部材50と第2の摺動部材51の間に隙間を設けることにより、磁気誘導部52が形成されている。そして、磁気誘導部52は、第1及び第2の摺動部材50、51の上面側の先部で両側がそれぞれ支持されて、第1及び第2の摺動部材50、51の上面を滑らかに連結する板材53で覆われている。ここで、第1及び第2の摺動部材50、51は、非導電性で原料12に対して低摩擦係数となる材料、例えば、超高分子量ポリエチレン等の高分子材料で作製されている。また、板材53は耐熱性及び原料12に対して低摩擦係数の材料、例えば、炭素繊維とセラミックスを主体とした複合材料で製作されている。なお、原料12に大きな磁界を加える観点からは、板材53の厚みは薄い程好ましいが、使用中の耐荷重や耐変形性を考慮すると厚みは、例えば1〜5mm程度となる。
【0041】
更に、第1及び第2の摺動部材50、51の先部の内側は、磁気ロータ17が回転した際の各磁石16の先端が描く軌跡と相似形状になるように円弧加工されている。これによって、磁気ロータ17を、各磁石16の先端と板材53の下面との距離が、例えば2〜5mm程度となるように近接して設けることができる。
そして、磁気ロータ17の各磁石16の表面からは、磁気ロータ17の半径方向に向かう磁力線が発生しているので、磁気ロータ17を高速回転させると、磁気誘導部52には強い回転磁界が形成される。その結果、磁気誘導部52の上方に原料12を存在させることにより、原料12に強い回転磁界を積極的に与えることができる。
なお、樋部49の先端と磁気ロータ17の外周部に設けられた磁石16との最近接距離は50cm以上とする。これによって、磁気ロータ17の回転による回転磁界の影響を実質的に受けなくして、樋部49の先部に渦電流が形成されて発熱するのを防止できる。
【0042】
続いて、本発明の第2の実施の形態に係る非磁性金属選別機43の使用方法につて説明する。
先ず、磁気ロータ17を高速回転(例えば、800〜3600rpm)させて、磁気誘導部52に大きな回転磁界を発生させる。次いで、原料投入部48に設けられた投入口47より非磁性金属11の粒体が非金属の粉粒体18に混入し混合状態となっている原料12を投入する。投入された原料12は、樋部49を滑降し、ガイド部材46を構成する第1の摺動部材50の上に到達する。次いで、原料12は第1の摺動部材50の上を通過して磁気誘導部52を覆っている板材53の上に到達する。その結果、原料12は、磁気ローター17の外周部近傍に導かれることになる。
【0043】
磁気誘導部52には、大きな回転磁界が形成されているので、原料12が磁気誘導部52を覆っている板材53の上を通過する際に、原料12中の非磁性金属11にはこの回転磁界により渦電流が誘起される。そして、この渦電流によって形成される磁束と、非磁性金属11中に渦電流を形成させた磁気ロータ17の磁石16の磁束との相互作用により、非磁性金属11は磁石16から磁気的反撥力を受けてある速度で飛び上がる。従って、非磁性金属11は、このときの飛び出し速度と下方に滑降する滑降速度とを合成して得られる飛翔速度で板材53から離脱し空中に舞い上がり、次いで落下する。
【0044】
一方、非金属の粉粒体18と回転磁界との間には磁気的な相互作用は発生しないので、非金属の粉粒体18は板材53を通過し、第2の摺動部材51の上に到達する。そして、非金属の粉粒体18は第2の摺動部材51の表面に沿ってその進行方向を斜め下方に滑らかに変えながら滑降する。その結果、一旦磁気ロータ17に近づいた非金属の粉粒体18は、磁気ロータ17の外周部から離れていく。そして、進行方向を斜め下方に滑らかに変えながら滑降した非金属の粉粒体18は、第2の摺動部材51の表面から離脱する。
従って、非磁性金属11が落下する方向の先に非磁性金属11の収集用の容器54を、また非金属の粉粒体18が落下する方向の先に非金属の粉粒体18の収集用の容器55をそれぞれ設置することにより、原料12から非磁性金属11と非金属の粉粒体18とを分離して回収できる。非磁性金属11の落下経路と非金属の粉粒体18の落下経路の中間に仕切壁56を設けることにより、落下中に非磁性金属11と非金属の粉粒体18とが混合することを防止して、非磁性金属11と非金属の粉粒体18との分離精度を向上させることができる。なお、符号57は、原料12から非磁性金属11を選別する際に発生する粉塵の飛散を防止するために設けた防塵カバーを示す。
【0045】
図5、6に示すように、本発明の第3の実施の形態に係る非磁性金属選別機58は、非磁性金属11が混在している原料12を搬送するコンベア用のベルト13と、ベルト13に内側から接してベルト13の進行方向を滑らかに変える非導電性材料からなるガイド部材59と、ガイド部材59を介してベルト13の内側に設けられ、外周部に磁石60が配置されて高速回転することによって、原料12中の非磁性金属11に飛翔力を与える磁気ロータ61と、ガイド部材59と一体となって磁気ロータ61を覆うカバー部材62とを有している。以下、これらについて詳しく説明する。
【0046】
ガイド部材59は、例えば、ベルト13の受入側に設けられた第1の摺動部材63と、ベルト13の排出側に設けられた第2の摺動部材64を有している。第1の摺動部材63は、例えば板状となって、その上面でベルト13と接して移動するベルト13を内側から支持している。第2の摺動部材64は、例えば片側円弧状となって、その上面でベルト13と接しながら円弧に沿わせてベルト13を移動させることにより、ベルト13の進行方向を滑らかに反転させている。また、第1の摺動部材63の基端側はカバー部材62に設けられた取付け部65に固定されており、第2の摺動部材64の基端側はカバー部材62に設けられた取付け部66に固定されている。
【0047】
第1の摺動部材63と第2の摺動部材64の間には隙間が形成され、第1及び第2の摺動部材63、64の上面側の先部で両側がそれぞれ支持されて、第1及び第2の摺動部材63、64の上面を滑らかに連結する板材67を設けることにより、磁気誘導部68が形成されている。ここで、第1及び第2の摺動部材63、64はベルト13が円滑に移動するように、非導電性でベルト13に対して低摩擦係数のとなる材料、例えば、超高分子量ポリエチレン等の高分子材料で作製されている。
また、板材67は耐熱性及びベルト13に対して低摩擦係数の材料、例えば、炭素繊維とセラミックスを主体とした複合材料で製作されている。なお、原料12に大きな磁界を加える観点からは、板材67の厚みは薄い程好ましいが、使用中の耐荷重や耐変形性を考慮すると厚みは、例えば1〜5mm程度となる。
【0048】
第2の摺動部材64には、ベルト13が更に円滑に移動するように複数の小径ローラ69が設けられている。ここで、小径ローラ69は、小径ローラ69の軸方向に沿って小径ローラ69の外周部の一部が両側から保持材70により滑らかに保持され、小径ローラ69の頂部付近が保持材70の上面からわずかに(例えば3〜10mm)突出している。そして、第2の摺動部材64の円弧部に凹部を形成し、この凹部に小径ローラ69を保持している保持材70を装入して、保持材70に形成した図示しない通し孔を介してボルトで凹部に固定することにより、第2の摺動部材64に複数の小径ローラ69を設けることができる。なお、小径ローラ69、保持材70、及び取付け用のボルトは、非導電性で、ベルト13に対して低摩擦係数の材料、例えば、超高分子量ポリエチレン等の高分子材料で作製する。
このような構成とすることにより、ベルト13の内周面が第2の摺動部材64の上を通過する際に、各小径ローラ69の頂部に接触しながら通過するようにできる。このとき、各小径ロール69はベルト13と接触して保持材70内に収納された状態でそれぞれ回転する。このため、ベルト13は第2の摺動部材64の上を非常に円滑に移動することができ、摩擦及び滑りによる発熱が防止される。
【0049】
磁気ロータ61は、ガイド部材59とカバー部材62により形成される空間部71の内部に設けられており、例えば、駆動力伝達機構の一例であるスプロケット72を介して図示しない駆動機構から伝達される回転力により高速回転する回転軸73と、回転軸73の中央部の拡径した領域の外周部に周方向に隙間を空けて配置された実質的に同一形状の複数の磁石60を有している。ここで、磁石60としては、例えば、磁束の強さがベルト13の表面で0.2テスラ以上のものを使用することができ、各磁石60は周方向に、例えば異なる磁極が隣り合うように配置されている。磁気ロータ61を空間部71の内部に設けることにより、磁気ロータ61を密閉して保護することが容易にできる。
なお、磁気ロータ61に設けられた各磁石60の先端から一定距離、例えば、50mm以上離れると実質的に磁界の影響は受け難くなるので、カバー部材62を構成するカバー筒74と、回転軸73の軸受75に固定されている各端板部材76は、例えば、鉄等の金属を使用して製作することができる。金属を使用することで、カバー部材62の製作を低コストで行うことが可能になると共に、カバー部材62の固定も容易に行える。
【0050】
第1及び第2の摺動部材63、64の先部の内側は、磁気ロータ61が回転した際に各磁石60先端が描く軌跡と相似形状となるように円弧加工されている。これによって、磁気ロータ61を、各磁石60の先端と板材67の下面との距離が、例えば2〜5mm程度となるように近接して設けることができ、磁気ロータ61をベルト13に近づけることができる。そして、磁気ロータ61の各磁石60の表面からは、磁気ロータ61の半径方向に向かう磁力線が発生しているので、磁気ロータ61を高速回転させると、磁気誘導部68には強い回転磁界が形成される。その結果、磁気誘導部68の上方に原料12を存在させることにより、原料12に強い回転磁界を積極的に与えることができる。
なお、回転磁界は、交番磁界に限定する必要はないので、回転軸73の外周部に配置する磁石60の極性に制約は生じない。また、回転磁界の周期は、例えば 160〜1200Hz以上であればよいので、周方向に配置する磁石60の個数や間隔に制約はなく、回転軸73の外径や回転速度に合わせて決定すればよい。
【0051】
続いて、本発明の第3の実施の形態に係る非磁性金属選別機58の使用方法につて説明する。
先ず、図示しない駆動ローラを回転させて、駆動ローラからガイド部材59まで実質的に水平方向に移動し、次いでガイド部材59で進行方向を反転して駆動ローラに戻るベルト13の移動を形成する。なお、このときのベルト13の移動速度は、例えば、40〜120m/分とする。更に、磁気ロータ61を、例えば、800〜3600rpmで回転させて、磁気誘導部68に大きな回転磁界を形成する。次いで、図示しない原料供給機構により非磁性金属11の粒体が非金属の粉粒体18に混入して混合状態となっている原料12をベルト13上に、図示しない原料供給装置から供給する。
【0052】
供給された原料12はベルト13に載せられて水平に移動しガイド部材59を構成する第1の摺動部材63の上に到達する。そして、第1の摺動部材63の上を通過して磁気誘導部68に設けられた板材67の上に到達する。磁気誘導部68には、大きな回転磁界が形成されているので、原料12がベルト13に載って磁気誘導部68の上方を通過する際に、原料12中の非磁性金属11にはこの回転磁界により渦電流が誘起される。そして、この渦電流によって形成される磁束と、非磁性金属11中に渦電流を形成させた磁気ロータ61の磁石60の磁束との相互作用により、非磁性金属11は磁石60から磁気的反撥力を受けてある速度で飛び上がる。従って、非磁性金属11は、このときの飛び出し速度とベルト13による水平方向の移動速度とを合成して得られる飛翔速度でベルト13から離脱し空中に舞い上がり、次いで落下する。
【0053】
一方、非金属の粉粒体18と回転磁界との間には磁気的な相互作用は発生しないので、非金属の粉粒体18はベルト13に載ったまま磁気誘導部68を通過し、第2の摺動部材64の上に到達する。ここで、ベルト13は第2の摺動部材64に設けられた各小径ローラ69の頂部と接しながらその進行方向を滑らかに反転する。このため、ベルト13に載っていた非金属の粉粒体18は、重力によりベルト13の上を滑降し始め、ベルト13から離脱する。従って、非磁性金属11が落下する方向の先にに非磁性金属11の収集用の容器77を、また非金属の粉粒体18が落下する方向の先に非金属の粉粒体18の収集用の容器78をそれぞれ設置することにより、原料12から非磁性金属11と非金属の粉粒体18とを分離して回収できる。
なお、非磁性金属11の落下経路と非金属の粉粒体18の落下経路の中間に仕切壁79を設けることにより、落下中に非磁性金属11と非金属の粉粒体18とが再び混入することを防止して、非磁性金属11と非金属の粉粒体18との分離精度を向上させることができる。更に、ベルト13の一端側を、容器77、78と一体となって覆うようにカバー80を設けることにより、原料12から非磁性金属11と非金属の粉粒体18とを分離して回収する際に発生する粉塵の飛散を防止することができる。
【0054】
本発明の第4の実施の形態に係る非磁性金属選別機は、図1に示す第1の実施の形態に係る非磁性金属選別機10において、支持体15の代りに第3の実施の形態におけるガイド部材59とカバー部材62と磁気ロータ61から構成される支持体を設けたことが特徴であって、それ以外は実質的に非磁性金属選別機10と同じ構成である。このため、第4の実施の形態に係る非磁性金属選別機の詳細な説明と、その使用方法についての説明は省略する。
【0055】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明の非磁性金属選別機を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。例えば、第1の実施の形態では原料を駆動ローラから実質的に水平方向に搬送したが、原料の安息角未満の角度であれば、原料を斜め上方あるいは斜め下方に搬送することができる。また、非磁性金属が飛翔分離された後の非金属の粉粒体は斜め下方に落下させるようにしたが、従動ローラとガイド部材の位置を調節して非金属の粉粒体を垂直に落下させることもできる。磁気誘導部に設ける板材として、実施例では複合材料を使用したが、超高分子量ポリエチレン等の高分子材料、やアルミナ、窒化珪素等のセラミックスを使用してもよい。また、小径ローラをガイド部材の第2の摺動部材に設けたが、第1及び第2の摺動部材の両者に設けることもできる。
【0056】
【発明の効果】
請求項1〜5記載の非磁性金属選別機においては、非磁性金属が混在している原料を搬送するコンベア用のベルトと、ベルトに内側から接してベルトの進行方向を実質的に水平方向又は原料の安息角未満の傾斜方向から、垂直方向又は斜め下方向に滑らかに変える非導電性材料からなり、使用に当っては固定状態で配置されるガイド部材と、ガイド部材を介してベルトの内側に設けられ、外周部に磁石が配置されて高速回転することによって、原料中の非磁性金属に飛翔力を与える磁気ロータとを有し、ガイド部材には、磁気ロータをベルトに近づけて原料に回転磁界を積極的に加える磁気誘導部を備え、しかも、ガイド部材の磁気誘導部以外の部分はベルトが円滑に移動する低摩擦構造となっているので、ガイド部材を固定し磁気ロータのみを回転させることにより軸受の設置個数を1対とすることができ、非磁性金属選別機の構造を簡単にすることが可能となる。更に、例えば、ガイド部材、及びガイド部材を固定する支持体を用いて、磁気ロータを保護するためのケーシングを容易に構成することができる。その結果、非磁性金属選別機の保守管理を容易に行うことが可能になると共に、非磁性金属選別機を容易に、かつ安価に製作することが可能となる。
【0057】
特に、請求項2記載の非磁性金属選別機においては、磁気誘導部には耐熱性及びベルトに対して低摩擦係数の板材が設けられているので、発熱から板材、ガイド部材、及び磁気ロータを保護することができ、長期間にわたって非磁性金属の安定した飛翔分離を行うことが可能となる。更に、磁気誘導部を板状とすることで、使用中の保守管理を容易に行うことができる。
【0058】
請求項3記載の非磁性金属選別機においては、ガイド部材の磁気誘導部を除く部分は、ベルトに対して低摩擦係数の材料が使用されているので、摩擦や滑りによる発熱を防止して、安定したベルトの走行を可能にすることができる。
【0059】
請求項4記載の非磁性金属選別機においては、ガイド部材の磁気誘導部を除く部分で、しかも、ベルトが当接する部分には、1又は2以上の小径ローラが設けられて、ベルトの一部又は全部が小径ローラを介してガイド部材に接しているので、ベルト移動に対する摩擦を更に軽減することができ、より厚みの薄いベルトを使用して原料に加える磁界の強さを大きくすることが可能となる。その結果、原料の対象範囲を拡大することができると共に、非磁性金属をより効率よく分離することが可能となる。
【0060】
請求項5記載の非磁性金属選別機においては、ガイド部材が、磁気ロータの軸心を中心にして、回動調整可能となっているので、非磁性金属を飛翔させる際の角度を調整することができ、非磁性金属の飛翔分離の精度を向上させることがきる。また、原料中の磁性金属は磁気ロータに強く吸引されてベルトに吸着して移動するため、ベルトの進行方向が変化を開始する位置で回転磁界が最大となるようにガイド部材を磁気ロータの軸心周りに回転させることにより、原料を非磁性金属、磁性金属、及び非金属の3区分に効率よく分離して回収することも可能となる。
【0061】
請求項6〜10記載の非磁性金属選別機においては、非磁性金属が混在している原料を搬送するコンベア用のベルトと、ベルトに内側から接してベルトの進行方向を滑らかに変える非導電性材料からなり、使用に当っては固定状態で配置されるガイド部材と、ガイド部材を介してベルトの内側に設けられ、外周部に磁石が配置されて高速回転することによって、原料中の非磁性金属に飛翔力を与える磁気ロータと、ガイド部材と一体となって磁気ロータを覆うカバー部材とを有し、ガイド部材には、磁気ロータをベルトに近づけて原料に回転磁界を積極的に加える磁気誘導部を備え、しかも、ガイド部材の磁気誘導部を除く部分はベルトが円滑に移動する低摩擦構造となっているので、ガイド部材をベルトの一端側に配置して、ベルトの進行方向を容易に反転することが可能となる。その際、ガイド部材、カバー部材、及び磁気ロータを一体的に取り扱うことができてベルトの一端側を容易に覆うことができるので、原料から非磁性金属と非金属の粉粒体とを分離して回収する際に発生する粉塵の飛散を容易に抑えることが可能となる。
【0062】
特に、請求項7記載の非磁性金属選別機においては、ガイド部材の磁気誘導部を除く部分で、しかも、ベルトが当接する部分には、複数の小径ローラが設けられて、ベルトの一部又は全部が小径ローラを介してガイド部材に接しているので、ベルト移動に対する摩擦を更に軽減することができ、より厚みの薄いベルトを使用して原料に加える磁界の強さを大きくすることが可能となる。その結果、原料の対象範囲を拡大することができると共に、非磁性金属をより効率よく分離することが可能となる。
【0063】
請求項8記載の非磁性金属選別機においては、カバー部材は、断面円弧状のカバー筒と、カバー筒及びガイド部材の両端をそれぞれ覆う端部板材とを有しているので、ガイド部材と組み合わせて磁気ローラを完全に覆うことができ、磁気ローラを粉塵から容易に保護することが可能になると共に、ガイド部材、カバー部材、及び磁気ロータを一体的に取り扱うことが可能になる。
【0064】
請求項9記載の非磁性金属選別機においては、カバー部材は磁気ロータの軸受に固定され、ガイド部材、カバー部材及び磁気ロータが一体構造となっているので、非磁性金属選別機本体側に対しての磁気ロータの取付け、取り外しが容易になって、非磁性金属選別機の組み立てや保守管理を容易に行うことが可能になる。
【0065】
請求項10記載の非磁性金属選別機においては、ガイド部材の下方には、ベルトをガイドする従動ローラが設けられているので、ベルトの進行方向を従動ローラを用いて滑らかに反転させることができ、ベルトが進行方向を変える際に発生する摩擦や滑りによる発熱を防止して、安定したベルトの走行を可能にすることができる。
【0066】
請求項11及び12記載の非磁性金属選別機においては、外周部に磁石が配置されて高速回転する磁気ロータと、磁気ロータ上に非磁性金属が混在している原料を投入するシュートと、磁気ロータとシュートの中間位置にあって非導電性材料からなって、シュートから排出される原料を磁気ロータの外周部近傍に導く磁気誘導部を備え、更に磁気ロータに一旦近づけた原料を磁気ロータの外周部から離して下方落下させるガイド部材とを有し、しかも、前記ガイド部材は使用に当っては固定状態で配置され、磁気ロータによって原料中の非磁性金属を飛翔させて分離するので、自然落下を利用した原料の搬送中に、原料の中から非磁性金属を効率的に分離することが可能となる。更に、ガイド部材、及びガイド部材を固定する支持体を用いて、磁気ロータを保護するためのケーシングを容易に構成することができる。その結果、非磁性金属選別機の保守管理を容易に行うことが可能になると共に、非磁性金属選別機を容易に、かつ安価に製作することが可能となる。
【0067】
特に、請求項12記載の非磁性金属選別機においては、磁気誘導部には耐熱性及び原料に対して低摩擦係数の板材が設けられ、ガイド部材には非導電性で原料に対して低摩擦係数の材料が使用されているので、回転磁界による発熱を防止し原料の移動を阻害しないようにすることができ、原料中から非磁性金属を効率よく分離することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る非磁性金属選別機の説明図である。
【図2】同非磁性金属選別機の第1の変形例に係るガイド部材を示す説明図である。
【図3】同非磁性金属選別機の第2の変形例に係るガイド部材を示す説明図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る非磁性金属分離装置の説明図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る非磁性金属分離装置の説明図である。
【図6】同非磁性金属分離装置におけるガイド部材、カバー部材、及び磁気ロータの配置関係を説明する断面図である。
【図7】従来例に係る非磁性金属選別機の説明図である。
【符号の説明】
10:非磁性金属選別機、11:非磁性金属、12:原料、13:ベルト、14:ガイド部材、15:支持体、16:磁石、17:磁気ロータ、18:非金属の粉粒体、19:駆動ローラ、20:従動ローラ、21:第1の摺動部材、22、22a:第2の摺動部材、23〜25:取付け部、26:磁気誘導部、27:板材、28:回転軸、29、30:容器、31:仕切壁、32、32a:ガイド部材、34:第1の摺動部材、35:支持体、36、37:取付け部、39:第2の摺動部材、40:小径ローラ、41:保持材、42:通し孔、43:非磁性金属選別機、45:シュート、46:ガイド部材、47:投入口、48:原料投入部、49:樋部、50:第1の摺動部材、51:第2の摺動部材、52:磁気誘導部、53:板材、54、55:容器、56:仕切壁、57:防塵カバー、58:非磁性金属選別機、59:ガイド部材、60:磁石、61:磁気ロータ、62:カバー部材、63:第1の摺動部材、64:第2の摺動部材、65、66:取付け部、67:板材、68:磁気誘導部、69:小径ローラ、70:保持材、71:空間部、72:スプロケット、73:回転軸、74:カバー筒、75:軸受、76:端板部材、77、78:容器、79:仕切壁、80:カバー
Claims (12)
- 非磁性金属が混在している原料を搬送するコンベア用のベルトと、
前記ベルトに内側から接して該ベルトの進行方向を実質的に水平方向又は前記原料の安息角未満の傾斜方向から、垂直方向又は斜め下方向に滑らかに変える非導電性材料からなり、使用に当っては固定状態で配置されるガイド部材と、
前記ガイド部材を介して前記ベルトの内側に設けられ、外周部に磁石が配置されて高速回転することによって、前記原料中の非磁性金属に飛翔力を与える磁気ロータとを有し、
前記ガイド部材には、前記磁気ロータを前記ベルトに近づけて前記原料に回転磁界を積極的に加える磁気誘導部を備え、しかも、前記ガイド部材の前記磁気誘導部を除く部分は前記ベルトが円滑に移動する低摩擦構造となっていることを特徴とする非磁性金属選別機。 - 請求項1記載の非磁性金属選別機において、前記磁気誘導部には耐熱性及び前記ベルトに対して低摩擦係数の板材が設けられていることを特徴とする非磁性金属選別機。
- 請求項1及び2のいずれか1項に記載の非磁性金属選別機において、前記ガイド部材の前記磁気誘導部を除く部分は、前記ベルトに対して低摩擦係数の材料が使用されていることを特徴とする非磁性金属選別機。
- 請求項1及び2のいずれか1項に記載の非磁性金属選別機において、前記ガイド部材の前記磁気誘導部を除く部分で、しかも、前記ベルトが当接する部分には、1又は2以上の小径ローラが設けられて、前記ベルトの一部又は全部が前記小径ローラを介して前記ガイド部材に接していることを特徴とする非磁性金属選別機。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の非磁性金属選別機において、前記ガイド部材が、前記磁気ロータの軸心を中心にして、回動調整可能となっていることを特徴とする非磁性金属選別機。
- 非磁性金属が混在している原料を搬送するコンベア用のベルトと、
前記ベルトに内側から接して該ベルトの進行方向を滑らかに変える非導電性材料からなり、使用に当っては固定状態で配置されるガイド部材と、
前記ガイド部材を介して前記ベルトの内側に設けられ、外周部に磁石が配置されて高速回転することによって、前記原料中の非磁性金属に飛翔力を与える磁気ロータと、
前記ガイド部材と一体となって前記磁気ロータを覆うカバー部材とを有し、
前記ガイド部材には、前記磁気ロータを前記ベルトに近づけて前記原料に回転磁界を積極的に加える磁気誘導部を備え、しかも、前記ガイド部材の前記磁気誘導部を除く部分は前記ベルトが円滑に移動する低摩擦構造となっていることを特徴とする非磁性金属選別機。 - 請求項6記載の非磁性金属選別機において、前記ガイド部材の前記磁気誘導部を除く部分で、しかも、前記ベルトが当接する部分には、複数の小径ローラが設けられて、前記ベルトの一部又は全部が前記小径ローラを介して前記ガイド部材に接していることを特徴とする非磁性金属選別機。
- 請求項6及び7のいずれか1項に記載の非磁性金属選別機において、前記カバー部材は、断面円弧状のカバー筒と、前記カバー筒及び前記ガイド部材の両端をそれぞれ覆う端部板材とを有していることを特徴とする非磁性金属選別機。
- 請求項6〜8のいずれか1項に記載の非磁性金属選別機において、前記カバー部材は前記磁気ロータの軸受に固定され、前記ガイド部材、前記カバー部材及び前記磁気ロータが一体構造となっていることを特徴とする非磁性金属選別機。
- 請求項6〜9のいずれか1項に記載の非磁性金属選別機において、前記ガイド部材の下方には、前記ベルトをガイドする従動ローラが設けられていることを特徴とする非磁性金属選別機。
- 外周部に磁石が配置されて高速回転する磁気ロータと、
前記磁気ロータ上に非磁性金属が混在している原料を投入するシュートと、
前記磁気ロータと前記シュートの中間位置にあって非導電性材料からなって、前記シュートから排出される前記原料を前記磁気ロータの外周部近傍に導く磁気誘導部を備え、更に前記磁気ロータに一旦近づけた前記原料を前記磁気ロータの外周部から離して下方に落下させるガイド部材とを有し、
しかも、前記ガイド部材は固定状態で配置され、前記磁気ロータによって前記原料中の非磁性金属を飛翔させて分離することを特徴とする非磁性金属選別機。 - 請求項11記載の非磁性金属選別機において、前記磁気誘導部には耐熱性及び前記原料に対して低摩擦係数の板材が設けられ、前記ガイド部材には非導電性で前記原料に対して低摩擦係数の材料が使用されていることを特徴とする非磁性金属選別機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002347971A JP2004181281A (ja) | 2002-11-29 | 2002-11-29 | 非磁性金属選別機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002347971A JP2004181281A (ja) | 2002-11-29 | 2002-11-29 | 非磁性金属選別機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004181281A true JP2004181281A (ja) | 2004-07-02 |
Family
ID=32751013
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002347971A Pending JP2004181281A (ja) | 2002-11-29 | 2002-11-29 | 非磁性金属選別機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004181281A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107837961A (zh) * | 2017-12-01 | 2018-03-27 | 无锡宇能选煤机械厂 | 螺旋筛煤机专用除铁器 |
JP2018165009A (ja) * | 2017-03-28 | 2018-10-25 | 宇部興産株式会社 | 廃プラスチック混合物からの炭素繊維強化複合材料の分別回収方法 |
CN109229631A (zh) * | 2018-08-24 | 2019-01-18 | 安徽铭海通科技有限公司 | 一种五金加工分类传送装置 |
-
2002
- 2002-11-29 JP JP2002347971A patent/JP2004181281A/ja active Pending
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070529 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071002 |