JP2004180414A - 界磁巻線温度演算装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】稼動中に界磁巻線の温度を精度よく、かつ、連続して推定することが可能となる界磁巻線温度演算装置を得ることを目的とする。
【解決手段】回転機1の電流計測手段3と、電圧計測手段4と、近傍温度計測手段5と、界磁巻線温度値を演算する演算部6とを備え、演算部6は、所定時間ごと連続して計測した界磁電流値、界磁電圧値の複数個を1ブロックとして計測値を格納する計測値格納手段7と、1ブロックとされた内の界磁電流値の隣り合う各界磁電流値の差が第1の所定値を超えず且つ界磁電圧値の隣り合う各界磁電圧値の差が第2の所定値を超えていないブロックのみを有効とする判別手段8と、有効ブロックの電流平均値および電圧平均値を算出する電流、電圧平均値算出手段9、10と、1ブロック毎の電流、電圧平均値と近傍温度値とから1ブロックに対応する界磁巻線温度を算出する算出手段11とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】回転機1の電流計測手段3と、電圧計測手段4と、近傍温度計測手段5と、界磁巻線温度値を演算する演算部6とを備え、演算部6は、所定時間ごと連続して計測した界磁電流値、界磁電圧値の複数個を1ブロックとして計測値を格納する計測値格納手段7と、1ブロックとされた内の界磁電流値の隣り合う各界磁電流値の差が第1の所定値を超えず且つ界磁電圧値の隣り合う各界磁電圧値の差が第2の所定値を超えていないブロックのみを有効とする判別手段8と、有効ブロックの電流平均値および電圧平均値を算出する電流、電圧平均値算出手段9、10と、1ブロック毎の電流、電圧平均値と近傍温度値とから1ブロックに対応する界磁巻線温度を算出する算出手段11とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、回転機の界磁巻線温度を演算する界磁巻線温度演算装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の界磁巻線温度演算は、界磁巻線の界磁電流、界磁電圧および界磁巻線の近傍温度を計測し、その計測値を所定の関係式に代入して、界磁巻線の温度を演算している(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特許第3227865号公報
【特許文献2】
特開2002−58221号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の界磁巻線温度演算装置は以上のように構成されており、一般的に界磁電流および界磁電圧の測定値は回転機の性質上ばらつきが大きいため、それらの値をそのまま関係式に代入し界磁巻線の温度を算出すると、実際の温度と異なる値が多く検出され、正確な温度の変化を確認することができなくなるという問題点があった。
【0005】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、稼動中に界磁巻線の温度を精度よく、かつ、連続して推定することが可能となる界磁巻線温度演算装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る界磁巻線温度演算装置は、界磁巻線を有する回転機に供給される界磁電流を計測する電流計測手段と、界磁巻線の界磁電圧を計測する電圧計測手段と、界磁巻線の近傍温度を測定する近傍温度計測手段と、電流計測手段、電圧計測手段、及び近傍温度計測手段の計測結果に基づいて界磁巻線温度値を演算する演算部とを備えた界磁巻線温度演算装置において、演算部は、電流計測手段および電圧計測手段にて所定時間ごと連続して計測した界磁電流値および界磁電圧値の複数個を1ブロックとして計測値を格納する計測値格納手段と、1ブロックとされた内の界磁電流値の隣り合う各界磁電流値の差が第1の所定値を超えておらず、かつ、1ブロックとされた内の界磁電圧値の隣り合う各界磁電圧値の差が第2の所定値を超えていないブロックのみを有効とする判別手段と、判別手段において有効とされたブロックの1ブロックにおける界磁電流値の電流平均値を算出する電流平均値算出手段と、判別手段において有効とされたブロックの1ブロックにおける電圧平均値を算出する電圧平均値算出手段と、1ブロック毎の電流平均値と電圧平均値と近傍温度値とから1ブロックに対応する界磁巻線温度を算出する算出手段とを備えたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1の回転機に接続された界磁巻線温度演算装置の構成を示す図である。図において、界磁巻線温度演算装置1は界磁巻線を有する回転機2に接続されている。界磁巻線温度演算装置1は回転機2に供給される界磁電流を計測する電流計測手段3と、界磁巻線の界磁電圧を計測する電圧計測手段4と、界磁巻線の近傍温度を測定する近傍温度計測手段5と、電流計測手段3、電圧計測手段4、及び近傍温度計測手段5の計測結果に基づいて界磁巻線温度値を演算する演算部6とを備える。
【0008】
演算部6は、電流計測手段3および電圧計測手段4にて所定時間ごと、例えば1秒ごとの連続して計測した界磁電流値および界磁電圧値の複数個、例えば180個すなわち3分間分の値を1ブロックとして格納する計測値格納手段7と、1ブロックとされた内の界磁電流値の隣り合う各界磁電流値の差が第1の所定値(αアンペア)を超えておらず、かつ、1ブロックとされた内の界磁電圧値の隣り合う各界磁電圧値の差が第2の所定値(βボルト)を超えていないブロックのみを有効とする判別手段8とを備える。
【0009】
さらに、判別手段8において有効とされたブロックの1ブロックにおける界磁電流値の電流平均値を算出する電流平均値算出手段9と、判別手段8において有効とされたブロックの1ブロックにおける界磁電圧値の電圧平均値を算出する電圧平均値算出手段10と、1ブロック毎の電流平均値と電圧平均値と近傍温度値とから当該1ブロックに対応する界磁巻線温度を所定の関係式に代入して算出する算出手段11とを備える。また、電流計測手段3にて計測された界磁電流値および電圧計測手段4にて計測された界磁電圧値の高周波成分を除去するフィルタ12を備え、このフィルタ12を介した後に演算部6に各信号は入力される。
【0010】
次に上記のように構成された実施の形態1の界磁巻線温度演算装置の動作について説明する。まず、界磁温度演算装置1の電流計測手段3および電圧計測手段4に、回転機2より界磁電流値If・界磁電圧値Vfが入力される。次に、界磁電流値If、界磁電圧値Vfの高周波成分は計算結果に悪影響をおよぼすため、例えば5HzのLPフィルタ12をそれぞれ経て演算部6に取り込む。
【0011】
次に、計測値格納手段7では、所定時間ごと例えば1秒おきの界磁電流値If・界磁電圧値Vfの連続Data N個(例えば180個=180秒=3分)をひとまとめにして1ブロックとし格納する。次に、判別手段8は各ブロック内の相隣り合う電流値の差が第1の所定値であるαA(アンペア)を超えるか否かを判断する。さらに、各ブロック内の相隣り合う電圧値の差が第2の所定値βV(ボルト)を超えているか否かを判断する。そして、ブロック内において第1および第2の所定値を超えている電流値および電圧値が存在すれば、そのブロック内の全ての電流値および電圧値を不採用として判別する。
【0012】
尚、第1の所定値および第2の所定値とは、実際の電流値、電圧値の変化において起こりえない程度の値を指し、すなわちそのような値を温度の演算に入れるのが不適であると考えられる数値を特定するものである。よって、N、αおよびβなどは機種毎(回転機の種類など)によって異なり、調整変更できるParameterとする。
【0013】
次に、電流平均値算出手段9にて判別手段8において採用とされたブロックの、そのブロック単位で電流平均値If´を算出する。また、電圧平均値算出手段10にて判別手段8において採用とされたブロックの、そのブロック単位で電圧平均値Vf´を算出する。次に、算出手段11にて、これらの電流平均値If´および電圧平均値Vf´と、近傍温度計測手段5にて検出された界磁巻線の近傍温度Tcを下記の温度計算式にて算出する。
【0014】
(式1)
Vf”=Vf´−Rca×If´−Vb
(式2)
Tf=(234.5+Tc)×Vf”/(If´×Rfc)−234.5
If´:電流平均値(A)
Vf´:電圧平均値(V)
Tc:界磁巻線の近傍温度(℃)
Rca:界磁盤・Motor間Cable抵抗値(Ω)
(但し、RcaはTc(℃)に対する測定値で、また、Cable往復の抵抗の合計で、回転機の固定値である。)
Rfc:界磁Coil抵抗値
(但し、RfcはTc(℃)に対する測定値で、回転機における固定値である。)
Vb:Brush電圧降下(回転機の固定値)
Vf”:界磁Coil電圧降下(V)(式1よりの計算値)
Tf:界磁巻線温度(℃)
【0015】
上記の式により、判別手段8にて有効であると判断された各ブロックごとに界磁巻線温度Tf(℃)を演算することができる。このように演算された界磁巻線温度を各ブロックの時刻ごとに表、グラフなどにて示し、容易に確認することができる。
【0016】
上記のように構成された実施の形態1の界磁巻線温度演算装置は、ブロックごとに区切り、ブロックにおいて通常では考えられない変化値を有するものが存在する場合、界磁巻線温度の演算から除去しているため、精度に優れた演算を行うことができ、界磁巻線温度の実際の値に追随した演算結果を得ることができる。
【0017】
尚、上記実施の形態1においては、ブロックごとの界磁巻線温度を算出する例を示したが、実際には界磁巻線温度は回転機が連続して回転している状況であるため、ノイズ等が混入しており、実温度との相関が極めて難しいという問題点がある。このことをさらに解消するために、例えば、算出手段11に、回転機1の固有温度定数を加味して界磁巻線温度を平滑化して算出する方法が考えられる。
【0018】
平滑化ルーチン
(式3)
Tfdsp[n]=Sqr(Tf^2×(1−Exp(−KV))+Tfdsp[0]^2×Exp(−KV))
KV:固有温度定数
Tfdsp[n]:平滑化界磁巻線温度値
尚、Tfdsp[0]はTfdspのあらかじめ設定されている初期設定値とする。
【0019】
(式3)のTfに上記実施の形態1の(式2)にて求められた値を代入することにより、平滑化された温度分布を得ることができる。よって、表やグラフなどに表示した際に、より一層精度よく表示することができる。
【0020】
実施の形態2.
上記実施の形態1においては、界磁巻線温度を演算する例を示したが、この界磁巻線温度をさらに利用する例について実施の形態2において説明する。図2はこの発明の実施の形態2の界磁巻線温度演算装置の構成を示すブロック図である。図において、上記実施の形態1と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。回転機2には、その界磁巻線近傍に設置されている例えばファンなどの送風手段13を備えている。
【0021】
そして、界磁巻線温度演算装置には、算出手段11にて算出された界磁巻線温度(実施の形態1にて求められた値)に応じて回転機を冷却する送風手段13の駆動容量を算出して送風手段13に指示する送風指示手段14を備え、さらに送風指示手段14は、算出手段11に不具合が生じると、送風手段13の駆動容量最大値を指示する。そして、算出手段11が停止すると、送風手段13に駆動容量最大値を指示する緊急指示手段15を備える。また、この緊急指示手段15は外部の電源からの駆動を可能にしておくものである。
【0022】
上記のように構成された実施の形態2の界磁巻線温度演算装置は、送風指示手段14が算出手段11にて算出した界磁巻線温度により、送風手段13の駆動容量を決定し指示しているため、送風手段13の無駄な電力を削減することができる。また、算出手段11に不具合が発生した場合は、送風手段12を駆動容量最大値とし、算出手段11の不具合により、回転機1全体を停止することなく、作業を続行することができる。
【0023】
また、算出手段11が停止するなど装置全体に異常が発生した場合においては、緊急指示手段14により送風手段12に指示を行うことができるため、回転機1を停止することなく運転を持続することができる。
【0024】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、界磁巻線を有する回転機に供給される界磁電流を計測する電流計測手段と、界磁巻線の界磁電圧を計測する電圧計測手段と、界磁巻線の近傍温度を測定する近傍温度計測手段と、電流計測手段、電圧計測手段、及び近傍温度計測手段の計測結果に基づいて界磁巻線温度値を演算する演算部とを備えた界磁巻線温度演算装置において、演算部は、電流計測手段および電圧計測手段にて所定時間ごと連続して計測した界磁電流値および界磁電圧値の複数個を1ブロックとして計測値を格納する計測値格納手段と、1ブロックとされた内の界磁電流値の隣り合う各界磁電流値の差が第1の所定値を超えておらず、かつ、1ブロックとされた内の界磁電圧値の隣り合う各界磁電圧値の差が第2の所定値を超えていないブロックのみを有効とする判別手段と、判別手段において有効とされたブロックの1ブロックにおける界磁電流値の電流平均値を算出する電流平均値算出手段と、判別手段において有効とされたブロックの1ブロックにおける電圧平均値を算出する電圧平均値算出手段と、1ブロック毎の電流平均値と電圧平均値と近傍温度値とから1ブロックに対応する界磁巻線温度を算出する算出手段とを備えたもので、稼動中に界磁巻線の温度を精度よく、かつ、連続して推定することが可能となる界磁巻線温度演算装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による界磁巻線温度演算装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態2による界磁巻線温度演算装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 界磁巻線温度演算装置、2 回転機、3 電流計測手段、
4 電圧計測手段、5 近傍温度計測手段、6 演算部、7 計測値格納手段、
8 判別手段、9 電流平均値算出手段、10 電圧平均値算出手段、
11 算出手段、12 フィルタ、14 送風指示手段、15 緊急指示手段。
【発明の属する技術分野】
この発明は、回転機の界磁巻線温度を演算する界磁巻線温度演算装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の界磁巻線温度演算は、界磁巻線の界磁電流、界磁電圧および界磁巻線の近傍温度を計測し、その計測値を所定の関係式に代入して、界磁巻線の温度を演算している(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特許第3227865号公報
【特許文献2】
特開2002−58221号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の界磁巻線温度演算装置は以上のように構成されており、一般的に界磁電流および界磁電圧の測定値は回転機の性質上ばらつきが大きいため、それらの値をそのまま関係式に代入し界磁巻線の温度を算出すると、実際の温度と異なる値が多く検出され、正確な温度の変化を確認することができなくなるという問題点があった。
【0005】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、稼動中に界磁巻線の温度を精度よく、かつ、連続して推定することが可能となる界磁巻線温度演算装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る界磁巻線温度演算装置は、界磁巻線を有する回転機に供給される界磁電流を計測する電流計測手段と、界磁巻線の界磁電圧を計測する電圧計測手段と、界磁巻線の近傍温度を測定する近傍温度計測手段と、電流計測手段、電圧計測手段、及び近傍温度計測手段の計測結果に基づいて界磁巻線温度値を演算する演算部とを備えた界磁巻線温度演算装置において、演算部は、電流計測手段および電圧計測手段にて所定時間ごと連続して計測した界磁電流値および界磁電圧値の複数個を1ブロックとして計測値を格納する計測値格納手段と、1ブロックとされた内の界磁電流値の隣り合う各界磁電流値の差が第1の所定値を超えておらず、かつ、1ブロックとされた内の界磁電圧値の隣り合う各界磁電圧値の差が第2の所定値を超えていないブロックのみを有効とする判別手段と、判別手段において有効とされたブロックの1ブロックにおける界磁電流値の電流平均値を算出する電流平均値算出手段と、判別手段において有効とされたブロックの1ブロックにおける電圧平均値を算出する電圧平均値算出手段と、1ブロック毎の電流平均値と電圧平均値と近傍温度値とから1ブロックに対応する界磁巻線温度を算出する算出手段とを備えたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1の回転機に接続された界磁巻線温度演算装置の構成を示す図である。図において、界磁巻線温度演算装置1は界磁巻線を有する回転機2に接続されている。界磁巻線温度演算装置1は回転機2に供給される界磁電流を計測する電流計測手段3と、界磁巻線の界磁電圧を計測する電圧計測手段4と、界磁巻線の近傍温度を測定する近傍温度計測手段5と、電流計測手段3、電圧計測手段4、及び近傍温度計測手段5の計測結果に基づいて界磁巻線温度値を演算する演算部6とを備える。
【0008】
演算部6は、電流計測手段3および電圧計測手段4にて所定時間ごと、例えば1秒ごとの連続して計測した界磁電流値および界磁電圧値の複数個、例えば180個すなわち3分間分の値を1ブロックとして格納する計測値格納手段7と、1ブロックとされた内の界磁電流値の隣り合う各界磁電流値の差が第1の所定値(αアンペア)を超えておらず、かつ、1ブロックとされた内の界磁電圧値の隣り合う各界磁電圧値の差が第2の所定値(βボルト)を超えていないブロックのみを有効とする判別手段8とを備える。
【0009】
さらに、判別手段8において有効とされたブロックの1ブロックにおける界磁電流値の電流平均値を算出する電流平均値算出手段9と、判別手段8において有効とされたブロックの1ブロックにおける界磁電圧値の電圧平均値を算出する電圧平均値算出手段10と、1ブロック毎の電流平均値と電圧平均値と近傍温度値とから当該1ブロックに対応する界磁巻線温度を所定の関係式に代入して算出する算出手段11とを備える。また、電流計測手段3にて計測された界磁電流値および電圧計測手段4にて計測された界磁電圧値の高周波成分を除去するフィルタ12を備え、このフィルタ12を介した後に演算部6に各信号は入力される。
【0010】
次に上記のように構成された実施の形態1の界磁巻線温度演算装置の動作について説明する。まず、界磁温度演算装置1の電流計測手段3および電圧計測手段4に、回転機2より界磁電流値If・界磁電圧値Vfが入力される。次に、界磁電流値If、界磁電圧値Vfの高周波成分は計算結果に悪影響をおよぼすため、例えば5HzのLPフィルタ12をそれぞれ経て演算部6に取り込む。
【0011】
次に、計測値格納手段7では、所定時間ごと例えば1秒おきの界磁電流値If・界磁電圧値Vfの連続Data N個(例えば180個=180秒=3分)をひとまとめにして1ブロックとし格納する。次に、判別手段8は各ブロック内の相隣り合う電流値の差が第1の所定値であるαA(アンペア)を超えるか否かを判断する。さらに、各ブロック内の相隣り合う電圧値の差が第2の所定値βV(ボルト)を超えているか否かを判断する。そして、ブロック内において第1および第2の所定値を超えている電流値および電圧値が存在すれば、そのブロック内の全ての電流値および電圧値を不採用として判別する。
【0012】
尚、第1の所定値および第2の所定値とは、実際の電流値、電圧値の変化において起こりえない程度の値を指し、すなわちそのような値を温度の演算に入れるのが不適であると考えられる数値を特定するものである。よって、N、αおよびβなどは機種毎(回転機の種類など)によって異なり、調整変更できるParameterとする。
【0013】
次に、電流平均値算出手段9にて判別手段8において採用とされたブロックの、そのブロック単位で電流平均値If´を算出する。また、電圧平均値算出手段10にて判別手段8において採用とされたブロックの、そのブロック単位で電圧平均値Vf´を算出する。次に、算出手段11にて、これらの電流平均値If´および電圧平均値Vf´と、近傍温度計測手段5にて検出された界磁巻線の近傍温度Tcを下記の温度計算式にて算出する。
【0014】
(式1)
Vf”=Vf´−Rca×If´−Vb
(式2)
Tf=(234.5+Tc)×Vf”/(If´×Rfc)−234.5
If´:電流平均値(A)
Vf´:電圧平均値(V)
Tc:界磁巻線の近傍温度(℃)
Rca:界磁盤・Motor間Cable抵抗値(Ω)
(但し、RcaはTc(℃)に対する測定値で、また、Cable往復の抵抗の合計で、回転機の固定値である。)
Rfc:界磁Coil抵抗値
(但し、RfcはTc(℃)に対する測定値で、回転機における固定値である。)
Vb:Brush電圧降下(回転機の固定値)
Vf”:界磁Coil電圧降下(V)(式1よりの計算値)
Tf:界磁巻線温度(℃)
【0015】
上記の式により、判別手段8にて有効であると判断された各ブロックごとに界磁巻線温度Tf(℃)を演算することができる。このように演算された界磁巻線温度を各ブロックの時刻ごとに表、グラフなどにて示し、容易に確認することができる。
【0016】
上記のように構成された実施の形態1の界磁巻線温度演算装置は、ブロックごとに区切り、ブロックにおいて通常では考えられない変化値を有するものが存在する場合、界磁巻線温度の演算から除去しているため、精度に優れた演算を行うことができ、界磁巻線温度の実際の値に追随した演算結果を得ることができる。
【0017】
尚、上記実施の形態1においては、ブロックごとの界磁巻線温度を算出する例を示したが、実際には界磁巻線温度は回転機が連続して回転している状況であるため、ノイズ等が混入しており、実温度との相関が極めて難しいという問題点がある。このことをさらに解消するために、例えば、算出手段11に、回転機1の固有温度定数を加味して界磁巻線温度を平滑化して算出する方法が考えられる。
【0018】
平滑化ルーチン
(式3)
Tfdsp[n]=Sqr(Tf^2×(1−Exp(−KV))+Tfdsp[0]^2×Exp(−KV))
KV:固有温度定数
Tfdsp[n]:平滑化界磁巻線温度値
尚、Tfdsp[0]はTfdspのあらかじめ設定されている初期設定値とする。
【0019】
(式3)のTfに上記実施の形態1の(式2)にて求められた値を代入することにより、平滑化された温度分布を得ることができる。よって、表やグラフなどに表示した際に、より一層精度よく表示することができる。
【0020】
実施の形態2.
上記実施の形態1においては、界磁巻線温度を演算する例を示したが、この界磁巻線温度をさらに利用する例について実施の形態2において説明する。図2はこの発明の実施の形態2の界磁巻線温度演算装置の構成を示すブロック図である。図において、上記実施の形態1と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。回転機2には、その界磁巻線近傍に設置されている例えばファンなどの送風手段13を備えている。
【0021】
そして、界磁巻線温度演算装置には、算出手段11にて算出された界磁巻線温度(実施の形態1にて求められた値)に応じて回転機を冷却する送風手段13の駆動容量を算出して送風手段13に指示する送風指示手段14を備え、さらに送風指示手段14は、算出手段11に不具合が生じると、送風手段13の駆動容量最大値を指示する。そして、算出手段11が停止すると、送風手段13に駆動容量最大値を指示する緊急指示手段15を備える。また、この緊急指示手段15は外部の電源からの駆動を可能にしておくものである。
【0022】
上記のように構成された実施の形態2の界磁巻線温度演算装置は、送風指示手段14が算出手段11にて算出した界磁巻線温度により、送風手段13の駆動容量を決定し指示しているため、送風手段13の無駄な電力を削減することができる。また、算出手段11に不具合が発生した場合は、送風手段12を駆動容量最大値とし、算出手段11の不具合により、回転機1全体を停止することなく、作業を続行することができる。
【0023】
また、算出手段11が停止するなど装置全体に異常が発生した場合においては、緊急指示手段14により送風手段12に指示を行うことができるため、回転機1を停止することなく運転を持続することができる。
【0024】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、界磁巻線を有する回転機に供給される界磁電流を計測する電流計測手段と、界磁巻線の界磁電圧を計測する電圧計測手段と、界磁巻線の近傍温度を測定する近傍温度計測手段と、電流計測手段、電圧計測手段、及び近傍温度計測手段の計測結果に基づいて界磁巻線温度値を演算する演算部とを備えた界磁巻線温度演算装置において、演算部は、電流計測手段および電圧計測手段にて所定時間ごと連続して計測した界磁電流値および界磁電圧値の複数個を1ブロックとして計測値を格納する計測値格納手段と、1ブロックとされた内の界磁電流値の隣り合う各界磁電流値の差が第1の所定値を超えておらず、かつ、1ブロックとされた内の界磁電圧値の隣り合う各界磁電圧値の差が第2の所定値を超えていないブロックのみを有効とする判別手段と、判別手段において有効とされたブロックの1ブロックにおける界磁電流値の電流平均値を算出する電流平均値算出手段と、判別手段において有効とされたブロックの1ブロックにおける電圧平均値を算出する電圧平均値算出手段と、1ブロック毎の電流平均値と電圧平均値と近傍温度値とから1ブロックに対応する界磁巻線温度を算出する算出手段とを備えたもので、稼動中に界磁巻線の温度を精度よく、かつ、連続して推定することが可能となる界磁巻線温度演算装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による界磁巻線温度演算装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態2による界磁巻線温度演算装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 界磁巻線温度演算装置、2 回転機、3 電流計測手段、
4 電圧計測手段、5 近傍温度計測手段、6 演算部、7 計測値格納手段、
8 判別手段、9 電流平均値算出手段、10 電圧平均値算出手段、
11 算出手段、12 フィルタ、14 送風指示手段、15 緊急指示手段。
Claims (6)
- 界磁巻線を有する回転機に供給される界磁電流を計測する電流計測手段と、上記界磁巻線の界磁電圧を計測する電圧計測手段と、上記界磁巻線の近傍温度を測定する近傍温度計測手段と、上記電流計測手段、電圧計測手段、及び近傍温度計測手段の計測結果に基づいて上記界磁巻線温度値を演算する演算部とを備えた界磁巻線温度演算装置において、上記演算部は、上記電流計測手段および上記電圧計測手段にて所定時間ごと連続して計測した上記界磁電流値および上記界磁電圧値の複数個を1ブロックとして計測値を格納する計測値格納手段と、上記1ブロックとされた内の界磁電流値の隣り合う各界磁電流値の差が第1の所定値を超えておらず、かつ、上記1ブロックとされた内の界磁電圧値の隣り合う各界磁電圧値の差が第2の所定値を超えていない上記ブロックのみを有効とする判別手段と、上記判別手段において有効とされたブロックの1ブロックにおける界磁電流値の電流平均値を算出する電流平均値算出手段と、上記判別手段において有効とされたブロックの1ブロックにおける電圧平均値を算出する電圧平均値算出手段と、上記1ブロック毎の上記電流平均値と上記電圧平均値と上記近傍温度値とから上記1ブロックに対応する上記界磁巻線温度を算出する算出手段とを備えたことを特徴とする界磁巻線温度演算装置。
- 上記電流計測手段にて計測された界磁電流値および上記電圧計測手段にて計測された界磁電圧値の高周波成分を除去するフィルタを備え、上記フィルタを介した後の上記界磁電流値および上記界磁電圧値を上記演算部の各手段に入力することを特徴とする請求項1に記載の界磁巻線温度演算装置。
- 上記算出手段は、上記回転機の固有温度定数を加味して上記界磁巻線温度を平滑化して算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の界磁巻線温度演算装置。
- 上記算出手段にて算出された上記界磁巻線温度に応じて上記回転機を冷却する送風手段の駆動容量を算出して上記送風手段に指示する送風指示手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の界磁巻線温度演算装置。
- 上記算出手段に不具合が生じると、上記送風指示手段は上記送風手段の駆動容量最大値を指示することを特徴とする請求項4に記載の界磁巻線温度演算装置。
- 上記算出手段が停止すると、上記送風手段に駆動容量最大値を指示する緊急指示手段を備えたことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の界磁巻線演算装置。
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---|---|---|---|
JP2002343201A JP2004180414A (ja) | 2002-11-27 | 2002-11-27 | 界磁巻線温度演算装置 |
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JP2002343201A JP2004180414A (ja) | 2002-11-27 | 2002-11-27 | 界磁巻線温度演算装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7723933B2 (en) | 2006-01-12 | 2010-05-25 | Mitsubishi Electric Corporation | Vehicular generator-motor control apparatus |
JP2015105924A (ja) * | 2013-12-02 | 2015-06-08 | 株式会社オートネットワーク技術研究所 | 温度算出装置及び保護装置 |
-
2002
- 2002-11-27 JP JP2002343201A patent/JP2004180414A/ja active Pending
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