JP2004178237A - 属性データのレイヤ管理 - Google Patents
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Abstract
【課題】地図上の任意の地点の属性情報を容易に管理可能なデータベースを構築する。
【解決手段】地図データベースDBは、地図レイヤと属性レイヤにより構成されている。地図レイヤには地図データが記録されており、属性レイヤには、地図上の任意の地点に属性を与えるためのデータが記録されている。各属性レイヤと地図レイヤとは、共通の座標系で同一地域の領域を表している。各属性レイヤには、属性を表す属性情報と、その属性に該当する地図上の領域を表すポリゴンデータとが対応付けて記録されている。このようなデータベースであれば、属性レイヤ毎に属性情報の修正を容易に行うことができる。
【選択図】 図2
【解決手段】地図データベースDBは、地図レイヤと属性レイヤにより構成されている。地図レイヤには地図データが記録されており、属性レイヤには、地図上の任意の地点に属性を与えるためのデータが記録されている。各属性レイヤと地図レイヤとは、共通の座標系で同一地域の領域を表している。各属性レイヤには、属性を表す属性情報と、その属性に該当する地図上の領域を表すポリゴンデータとが対応付けて記録されている。このようなデータベースであれば、属性レイヤ毎に属性情報の修正を容易に行うことができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地図上の任意の地点に対して種々の属性を与えることが可能なデータベースに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子地図データを利用する技術として地価の鑑定を行う技術があった(例えば、特許文献1参照)。この技術では、過去に取引きがあった最寄りの物件の地価情報を参照することにより、地図上の任意の地点の地価を鑑定していた。
【0003】
地価の鑑定の際には、過去の取引物件情報だけではなく、その土地の種々の属性を考慮することが望ましい。属性とは、例えば、その土地が属する地域の地目や学区、最寄駅までの距離、鶏舎その他の異臭源からの距離や方角などといった情報である。従来の電子地図データでは、このような属性情報は、土地や建物などのオブジェクト毎に対応付けることが可能であった。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−73239号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の電子地図データは、例えば、ある地域の学区名が変更された場合に、その地域に存在する全てのオブジェクトの属性情報を修正する必要があり、属性情報の管理が大変煩わしかった。また、最寄駅までの距離のように、オブジェクト間の位置関係に関する属性を得るためには、雑多なオブジェクトが混在する地図データから、地域内に存在する駅を検索する必要があった。かかる検索には、例えば、「鶏舎その他の異臭源」のようにオブジェクトの属性情報からの特定が困難な場合もあった。このような課題は、電子地図データを利用する地価鑑定システムに限られず、都市計画システムや種々の調査システムなど、地理的に設定された属性情報の活用が望まれるシステムに共通の課題であった。
【0006】
そこで、本発明は、容易にオブジェクトの属性情報を管理可能なデータベースの構築を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記課題の少なくとも一部を解決するため、本発明を以下のように構成した。すなわち、
地図上の任意の地点の地理的座標に基づき、該地点に対応する属性が特定可能な属性データベースであって、
評価目的の異なる複数種の属性レイヤを備え、
前記属性レイヤは、前記地図上の重複した領域を各々共通の座標系により表しており、
前記各属性レイヤには、前記評価目的に応じた属性を特定するための属性情報と、該属性情報に対応する地点または地域を表す属性範囲情報とが対応付けて記録されている属性データベースである。
【0008】
1つの属性レイヤには、属性情報と属性範囲情報とが2組以上記録されていてもよい。例えば、指定された地点の属する「学区」を判別することが評価目的である属性レイヤであれば、「a学区」や「b学区」といった複数の属性情報をその属性範囲情報とともに1つの属性レイヤに記録することができる。このとき、評価目的が同一の範囲内であれば属性範囲情報によって表される地域または地点に重複があってもよい。例えば、2つの学区に重複する領域が存在する可能性等があるためである。各属性レイヤには、地物の形状等を表すオブジェクトデータを排除し、属性情報と属性範囲情報のみを記録することが好ましい。また、地理的座標とは、例えば、緯度、経度によって表される座標や、データベース固有のx,y座標などとすることができる。
【0009】
本発明の属性データベースによれば、属性情報をオブジェクト単位ではなく、レイヤ単位で管理することができる。従って、容易に属性情報を管理することができる。例えば、一定の地域でまとまって属性情報を修正する必要がある場合でも、容易にその修正が可能である。また、属性範囲情報を修正することにより、一定の属性となる地域の範囲を容易に変更することができる。その他、属性レイヤ自体の削除や新規追加なども容易に行うことができる。
【0010】
上記属性データベースにおいて、
前記属性情報は、土地利用分類、地目、用途地域、所定の地点からの距離、所定の地点からの所要時間、行政界、校区、地価のうち、少なくとも1つに関する属性を特定するための情報であるものとしてもよい。
【0011】
「土地利用分類」に関する属性とは、例えば、「商業用地」や「住宅用地」「工業用地」等といったその土地の利用分類である。「地目」に関する属性とは、例えば、「田」「畑」「宅地」など、不動産登記法に基づき登記されたその土地の用途である。「用途地域」に関する属性とは、例えば、「第1種低層住居専用地域」「第1種中高層住居専用地域」など、都市計画法に基づき制定されたその地域の用途である。
【0012】
「所定の地点からの距離」あるいは「所定の地点からの所要時間」に関する属性とは、例えば、駅やバス停、学校、役所、病院などからの距離や所要時間に応じて定めた一定の区分とすることができる。例えば、「100m以内」「100〜200m圏内」「200m以上」あるいは、「歩いて10分以内」「歩いて10〜15分」「歩いて15分以上」などといった区分である。
【0013】
「行政界」に関する属性とは、例えば、「北九州市」「福岡市」などの行政界を表す区分である。「学区」に関する属性とは、小学校や中学校などの学区を表す区分である。「地価」に関する属性としては、例えば、「10万円」「20万円」などといった一定の地域の平均地価や平均坪単価を属性情報とすることができる。
【0014】
上記属性範囲情報には、これらのような属性に該当する地域の範囲が記録される。この属性範囲情報は、ポリゴンデータとして記録されると好適である。ポリゴンデータは、閉じた図形であるため、指定された地理的座標がその地域に含まれるかどうかを容易に判別できるからである。
【0015】
上記属性データベースにおいて、
前記属性情報は、前記地点との位置関係に基づく距離および方角の少なくとも一方の演算によって前記属性を与えるための情報であるものとしてもよい。例えば、高層建築物、不動産の取引価格、異臭源、交通拠点、日常生活で利用される生活関連拠点、公共施設、災害を誘因する危険箇所等に関する情報である。
【0016】
このような属性情報によれば、コンピュータが所定の演算を行うことにより、指定された地点にその演算に基づく属性を与えることができる。例えば、高層建築物の存在する位置情報が記録されていれば、その位置と指定された地理的座標との距離や方角を演算することにより、日当たりの良し悪しに関する情報を属性として与えることができる。また、不動産の取引価格に関する情報が記録されていれば、指定された地理的座標の最寄りの不動産情報を検索することにより地価の目安を属性として与えることができる。さらに、ごみ焼却場や鶏舎、化学工場地帯など、異臭源になり得る地点や地域の情報が記録されていれば、指定された地理的座標とその地域独特の風向き応じて異臭がする可能性の有無を属性として与えることができる。その他、交通拠点や日常生活で利用される生活関連拠点、公共施設などに関する情報が記録されていれば、指定された地理的座標とそれらの場所との距離を演算することにより、その地点が便利な場所であるかどうかを属性として与えることができる。また、災害を誘因する危険箇所等の情報が記録されていれば、その地点が避難場所に適しているかどうか等、安全度に関する属性を与えることができる。
【0017】
また、本発明は、上述した属性データベースを利用した以下の属性特定装置としても構成することができる。すなわち、
地図上の任意の地点に対応する属性を特定する属性特定装置であって、
上記種々の属性データベースを参照する参照部と、
前記地図上の任意の地点の地理的座標を前記座標系により入力する入力部と、
前記入力した地理的座標と、前記各属性レイヤの前記属性範囲情報との位置関係に基づいて、前記地点の属性を特定する属性特定部と、
を備えることを要旨とする。
【0018】
本発明の属性特定装置によれば、地図上の任意の地点の属性を容易に特定することができる。特定する方法としては、入力した地理的座標と一致する、または、その座標を内包する属性範囲情報を抽出し、これに対応する属性情報を検索することにより属性を特定することができる。また、上述したように、入力した地理的座標と属性範囲情報との位置関係に基づき、距離や方角を演算することにより属性を与えるものとしてもよい。
【0019】
上記属性特定装置において、
更に、属性レイヤを選択する属性レイヤ選択部を備え、
前記属性特定部は、前記選択された属性レイヤを用いて前記地点の属性を特定するものとしてもよい。
【0020】
こうすることにより、ユーザは自分の知りたい属性のみを特定することができる。また、ユーザが選択するのではなく、上記属性特定装置を利用するユーザに応じて自動的に属性レイヤを選択するものとしてもよい。このような構成であれば、例えば、会員ユーザに対しては全ての属性レイヤを利用した属性の特定を行い、試用ユーザに対しては一部の属性レイヤを利用した大まかな属性の特定を行うといったサービスを提供することができる。
【0021】
また、本発明は、地図上の任意の地点における地価を算出する地価算出装置としても構成することができる。すなわち、
地図上の任意の地点における地価を算出する地価算出装置であって、
上記種々の属性データベースを参照する参照部と、
地価を算出するための地価算出パラメータと前記属性とを対応付けて記憶した記憶部と、
前記地図上の任意の地点の地理的座標を前記座標系により入力する入力部と、
前記入力した地理的座標と、前記各属性レイヤの前記属性範囲情報との位置関係に基づいて、前記地点の属性を特定する属性特定部と、
前記特定した属性に対応する前記地価算出パラメータを用いて前記入力した地理的座標に対応する地点の地価を算出する地価算出部と、
を備えることを要旨とする。
【0022】
かかる地価算出装置によれば、上述の属性データベースを用いて、種々の属性を反映させた地価の算出を行うことができる。例えば、行政界に関する属性情報には、地価算出パラメータとしてその行政界の平均地価を対応付ける。そして、土地利用分類に関する属性情報には地価算出パラメータとしてその平均地価を変動させるための係数を対応付ける。係数とは、例えば、住宅用地は「1」、商業用地は「0.8」、工業用地は「0.6」などといった値である。上記地価算出部は、これらのパラメータを乗ずることにより指定された地点の地価を求めることができる。なお、ここでは、地価算出パラメータは上記記憶部に記憶されているものとしたが、属性データベースに記録されているものとしてもよい。
【0023】
上記地価算出装置において、
更に、前記入力された地点の実際の取引価格を入力する取引価格入力部と、
該取引価格と前記算出した地価とに基づき前記地価算出パラメータを補正するパラメータ補正部とを備えるものとしてもよい。こうすることにより、実際の取引価格をフィードバックさせ、より精度の高い地価の算出を行うことが可能となる。
【0024】
また、本発明は、上述した属性データベースを生成する属性データ生成装置として構成してもよい。この属性データ生成装置は、予め用意された地図データを参照して、属性レイヤの設定対象となる地域を表示する地図表示部、該地図上でユーザからの指示により、属性情報の内容および該属性情報を付与する地点または地域を特定する属性設定部、特定された地点または地域を属性範囲情報とし、前記属性情報と対応づけて、前記地図データと共通の座標系で保存する属性レイヤ生成部とを備えることにより構成される。属性レイヤ生成部は、前記座標系で記録された情報として、属性情報、属性範囲情報のみを記録することが好ましい。
【0025】
また、本発明は、上述した属性データベースを利用して、ユーザの所望する属性に該当する地点や地域を検索して表示する地域検索装置として構成してもよい。この地域検索装置は、前記属性データベースを参照する参照部と、ユーザから検索条件として1つまたは複数の属性を入力する入力部と、該入力した属性をすべて満足する地点または地域を前記属性レイヤを用いて検索する検索部と、該検索した地点または地域を地図上に表示する表示部と、を備えることにより構成される。
【0026】
また、本発明は、上述した属性データベースを利用して、同一属性となる地点を検索する同一属性検索装置として構成してもよい。この同一属性検索装置は、前記属性データベースを参照する参照部と、ユーザから前記地図上の任意の地点を入力する入力部と、前記属性レイヤから、前記入力された地点に対応する属性情報を検索する検索部と、該検索された属性情報と同一の属性情報となる地域または地点を抽出する抽出部と、該抽出した地域または地点を地図上に表示する表示部と、を備えることにより構成される。
【0027】
また、本発明は、上述した属性データベースや属性特定装置、地価算出装置としての態様のほか、コンピュータによる属性特定方法や地価算出方法、属性の特定や地価の算出を実現するためのプログラム、これらのプログラムや属性データベースを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としても構成することができる。記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、DVD、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置などコンピュータが読取り可能な種々の媒体を利用することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について実施例に基づき次の順序で説明する。
A.地価算出システムの概略構成:
B.地図データベースの概略構造:
C.地価算出処理:
D.メンテナンス処理:
E.属性レイヤの他の態様:
F.変形例1:
G.変形例2:
【0029】
A.地価算出システムの概略構成:
図1は、実施例としての地価算出システム10の概略構成を示す説明図である。地価算出システム10は、クライアントPCとWebサーバWS、およびデータベースサーバDSにより構成される。クライアントPCとWebサーバWSとはインターネットを介して接続されており、WebサーバWSとデータベースサーバDSとはLANにより接続されている。データベースサーバDSには地図データベースDBが格納されている。
【0030】
クライアントPCにはWebブラウザ(以下、単に「ブラウザ」という)がインストールされている。ユーザは、ブラウザを操作することによりWebサーバWSに対して種々の指示を行うことができる。WebサーバWSには、地価算出プログラムがインストールされている。地価算出プログラムは、クライアントPCからの指示に従い、データベースサーバDSに格納された地図データベースDBを参照し、地価の算出等を行う。算出を行った結果はクライアントPCに送信され、ブラウザ上に表示される。地価算出プログラムは、perl言語やc言語などによって記述するCGI(Common Gateway Interface)プログラムとして構成することができる。
【0031】
B.地図データベースの概略構造:
図2は、地図データベースDBの概略構造を示す説明図である。図示するように、地図データベースDBは地図レイヤと属性レイヤによって構成されている。地図レイヤとは、地図データを記録するためのレイヤであり、属性レイヤとは、地図上の任意の地点に対して属性を与えるためのレイヤである。
【0032】
地図レイヤには、土地や建物、道路などの形状が所定の座標系で表された地図データが記録されている。この地図データは、地価算出プログラムがクライアントPCのブラウザに地図を表示させるために用いるデータである。
【0033】
属性レイヤは、評価目的毎に複数のレイヤに分類されている。本実施例では、図示するように、行政界レイヤと、校区レイヤと、土地利用分類レイヤと、最寄駅レイヤとに分類されているものとした。地図レイヤと各属性レイヤは、共通の座標系で同一地域の領域を表している。各属性レイヤには、属性を表す属性情報と、その属性に対応する地図上の領域を表したポリゴンデータとが対応付けて記録されている。
【0034】
ここで、各属性レイヤの詳細について説明する。行政界レイヤは、指定された地点の属する行政界を判別することが評価目的である属性レイヤであり、属性情報として行政名が、ポリゴンデータとしてその行政界の形状が記録されている。また、その行政界の人口と平均地価も記録されているため、指定した地点の含まれる行政界の人口や平均地価を判別することができる。
【0035】
校区レイヤは、指定された地点の属する校区を判別することが評価目的である属性レイヤであり、属性情報として校区名が、ポリゴンデータとしてその校区の領域が記録されている。また、その校区の評判を表すパラメータも記録されているため、例えば、評判のよい校区ほど地価が高くなるように地価算出プログラムに計算させることができる。
【0036】
土地利用分類レイヤは、指定された地点の土地利用分類を判別することが評価目的である属性レイヤであり、属性情報として土地利用分類の分類名が、ポリゴンデータとしてその分類に該当する領域が記録されている。土地利用分類とは、例えば、住宅用地、商業用地、工業用地など、その土地の利用目的を表す分類である。この土地利用分類レイヤを用いることにより、例えば、商業用地よりも住宅用地の方が地価が高くなるように地価算出プログラムに計算させることができる。
【0037】
最寄駅レイヤは、指定された地点と最寄駅間の大まかな距離を判別することが評価目的である属性レイヤであり、属性情報として最寄駅までの距離が、ポリゴンデータとしてその距離に応じた領域が記録されている。図では、最寄駅まで100m圏内の領域と、100m〜200mの圏内となる領域とが記録されている場合を示した。この最寄駅レイヤを用いることにより、例えば、駅に近い領域ほど地価が高くなるように地価算出プログラムに計算させることができる。
【0038】
以上で説明したように、レイヤ状に構成した属性データを参照することにより、地図上の任意の地点を指定するだけで、その地点の属性情報を容易に特定することが可能となる。また、地図上に存在するオブジェクト毎に属性情報を持たせる必要がないため、データ容量の削減を図ることもできる。
【0039】
C.地価算出処理:
図3は、地価算出システム10が上述した地図データベースDBを利用して地価の算出を行う処理のフローチャートである。まず、クライアントPCは、ユーザからブラウザに所定のURLの入力を受けることにより地価算出プログラムの実行要求をWebサーバWSにリクエストする(ステップS10)。URLは例えば次のような形式である。
【0040】
http://(WebサーバWSのドメイン名またはIPアドレス)/(地価算出プログラム名)
【0041】
WebサーバWSは、クライアントPCからこのようなリクエストを受信すると地価算出プログラムを実行し(ステップS11)、所定のHTMLページをレスポンスとしてクライアントPCに返信する(ステップS12)。このHTMLページには、地図レイヤに記録された地図データを表す画像が含まれている。クライアントPCは、受信したHTMLページをブラウザ上に表示する(ステップS13)。図4は、クライアントPCのモニタ上に表示されたブラウザと地図の一例を示す図である。
【0042】
ユーザは、ブラウザに表示された地図の中から、地価を算出する地点を指定する(ステップS14)。指定は地図上の任意の地点をマウスでクリックすることにより行うことができる。土地や建物などのオブジェクト単位で地点が指定された場合には、そのオブジェクトの中心点など、そのオブジェクトの代表点が指定されたものとして扱ってもよい。こうして指定された地点の座標データは、クライアントPCからWebサーバWSに送信される。WebサーバWSは、この座標データを受信すると、各属性レイヤからその座標を含むポリゴンデータを検索し、そのポリゴンデータに対応付けられた属性情報を特定する(ステップS15)。例えば、図2で示したP(x,y)という座標が指定された場合には、
【0043】
(行政名) ××区;
(人口) 30万人;
(平均地価) 20万円/m2;
(学区) △△学区;
(学区評判) 良;
(土地利用分類)住宅用地;
(最寄駅) 最寄駅まで200m圏内;
【0044】
という属性情報が特定されることになる。次に、WebサーバWSは、特定された属性情報に応じて所定の係数を「平均地価」に乗ずることにより地価を算出する(ステップS16)。図5には、各属性情報に応じて設定された係数表を示した。この係数表は、WebサーバWSのハードディスク内に記録されていてもよいし、地図データベースDBに記録されていてもよい。この係数表を用いることにより、上記地点Pにおける地価は、以下のように算出することができる。
【0045】
【0046】
WebサーバWSは、このように地価を算出すると、算出した地価を表示させるためのHTMLページを生成しクライアントPCに送信する(ステップS17)。このとき、地価の算出に用いた属性情報や係数などの要因も併せて表示させるものとしてもよい。最後に、クライアントPCは、受信したHTMLページをブラウザに表示させ(ステップS18)、一連の処理が終了する。
【0047】
なお、上記フローチャートのステップS14において座標を指定するのと同時、あるいは前後して、地価算出に利用する属性レイヤをユーザが選択するものとしてもよい。図6は、属性レイヤを選択させるためのブラウザ上のインターフェイスの一例を示す図である。例えば、校区レイヤのみを選択すれば、学区の評判のみを地価に反映させることができる。また、ユーザによる選択ではなく、WebサーバWSが属性レイヤを自動的に選択するものとしてもよい。例えば、この地価算出システム10の利用にあたり会費を支払ったユーザに対しては全てのレイヤを反映させた詳細な地価の算出を行い、試用ユーザに対しては利用するレイヤを少なくし、大まかな地価の算出のみができるといったシステムを構成することが可能となる。
【0048】
上記処理により算出した地価は、あくまで推測値であるため、実際の取引時には異なる地価により取引される場合がある。そこで、地価算出プログラムに、ユーザやオペレータから実際の取引価格をフィードバックし、地価算出に用いる係数を補正する機能を追加すれば、より精度の高い地価算出を行うことが可能となる。この場合、例えば、
【0049】
(算出した地価):(実際の取引価格)=(学区評判の係数)×(土地利用分類)×(最寄駅の係数):(学区評判の補正後の係数)×(土地利用分類の補正後の係数)×(最寄駅の補正後の係数);
【0050】
といった演算式により各係数の補正値を求めればよい。
【0051】
D.メンテナンス処理:
図2で示したように、属性情報をレイヤ状に管理することにより、次のような効果も奏する。すなわち、一部の属性情報に変更が生じたとしても、該当するレイヤだけを修正すればよいため、メンテナンス性に優れるという効果である。
【0052】
図7には、地図データベースDBのメンテナンスを行う際のフローチャートを示した。まず、データベースサーバDSのオペレータは、メンテナンスの種類を選択する(ステップS20)。メンテナンスの種類とは、例えば、レイヤの更新、レイヤの削除、新規レイヤの追加といった処理である。
【0053】
そして、そのメンテナンスの種類に応じた指示をデータベースサーバDSに対して行う(ステップS21)。例えば、更新後のデータをサーバに入力させたり、削除を行うレイヤを指定したり、新規レイヤのデータを入力させる、といった指示である。
【0054】
最後に、データベースサーバDSは地図データベースDBに対して、レイヤの更新、レイヤの削除、新規レイヤの追加等、選択された種類に応じた処理を行い(ステップS22)、メンテナンスを終了する。なお、メンテナンスはデータベースサーバDSではなく、データベースサーバDSとLANにより接続した端末から行うものとしてもよい。
【0055】
以上の処理によりオペレータは、地図データベースDBのメンテナンスを行うことができる。メンテナンスは、属性レイヤ毎に行うことができるため、作業の効率化を図ることが可能となる。
【0056】
E.属性レイヤの他の態様:
地図データベースDBには、以上で説明したもの以外にも、様々な属性レイヤを記録することができる。図8は、属性レイヤの他の態様を示す説明図である。
【0057】
(a)道路沿レイヤには、属性情報として国道や県道、市町村道など道路の種別が、ポリゴンデータとして、その道路沿いとなる領域が記録されている。この道路沿レイヤにより、地図レイヤ上で指定された任意の地点が道路沿いであるかどうかを容易に判別することができる。また、例えば、道路沿いではない地点より道路沿いの地点の方が地価が高くなるように地価算出プログラムに計算させることができる。その他、例えば、トラック等の通行による騒音や排気ガス等の問題に鑑み、市町村道沿いより県道沿いの方が、県道沿いより国道沿いの方が地価が安くなるよう計算させることもできる。
【0058】
上記道路沿レイヤの構成では、道路沿いとなる領域をポリゴンデータとして記録するものとした。しかし、道路沿いとなる領域ではなく、道路の形状自体や道路を表す直線を記録するものとしてもよい。この場合、地図上の任意の地点が指定されると、図3のフローチャートのステップS16においてWebサーバWSがその地点に最も近い場所に存在する道路を検出し、その道路までの距離や、その道路の種別に応じて地価を変動させることができる。
【0059】
(b)高層建築物レイヤには、高層建築物の存在する地点の座標が記録されている。この高層建築物レイヤを用いることにより、例えば、地図上の任意の地点との距離や方角に応じて日当たりの良し悪しをWebサーバWSが判定し、その結果をその地点に対応する属性として特定することができる。また、地図上で指定された地点が高層建築物の北側の所定の距離内に存在するときは、日当たりが悪くなるため地価を下げるといったように、指定された地点と高層建築物との位置関係に応じて地価を変動させることもできる。もちろん、日当たりの良い地域や悪い地域を予めポリゴンデータとして記録した属性レイヤを用意するものとしてもよい。
【0060】
(c)異臭源レイヤには、例えば、ごみ焼却場や化学工場など、異臭源となり得る地点や地域の位置を記録しておく。こうすることにより、例えば、その異臭源に近い地点ほど地価が安くなるように地価算出プログラムに計算させることができる。また、例えば、地図上の任意の地点とその地方独特の風向きに基づきWebサーバWSが異臭の漂う可能性の有無を判定し、その結果をその地点に対応する属性として特定することができる。
【0061】
(d)取引物件レイヤには、過去に取引が行われた地点の座標とその地価とを記録する。こうすることにより、例えば、過去に取引が行われた地点が複数あれば、最寄りの取引状況を参照して地価を決定することができる。
【0062】
F.変形例1:
上記実施例では、地図データベースDBを用いて地価の算出を行う例について説明した。しかし、地図データベースDBはこれに限られず、例えば、ユーザにより指定された属性を全て満足する地点や地域を検索して表示させる地域検索システムに用いることもできる。かかる地域検索システムは、図1で示したシステム構成においてWebサーバWSに地域検索プログラムがインストールされているものとする。
【0063】
図9は、地域検索処理のフローチャートである。まず、クライアントPCは、ユーザからブラウザに所定のURLの入力することにより地域検索プログラムの実行要求をWebサーバWSにリクエストする(ステップS20)。WebサーバWSは、クライアントPCからこのようなリクエストを受信すると、地域検索プログラムを実行し(ステップS21)、所定のHTMLページをレスポンスとしてクライアントPCに返信する(ステップS22)。このHTMLページには、属性を選択するためのリストが含まれている。クライアントPCは、受信したHTMLページをブラウザ上に表示する(ステップS23)。
【0064】
ユーザは、ブラウザに表示された属性リストの中から、所望する属性を選択する(ステップS24)。こうして選択された属性は、クライアントPCからWebサーバWSに送信される。WebサーバWSは、この選択された属性を受信すると、各属性レイヤからその選択された属性に対応するポリゴンデータを検索し(ステップS25)、全てのポリゴンが重複する地域を抽出する(ステップS26)。
【0065】
次にWebサーバWSは、抽出した地域を強調表示した地図を地図レイヤを用いて生成し、その地図を表示するためのHTMLページをクライアントPCに送信する(ステップS27)。最後に、クライアントPCは、受信したHTMLページをブラウザに表示させ(ステップS28)、一連の処理が終了する。
【0066】
このような地域検索システムによれば、ユーザは、好みの属性を持つ地域を容易に検索することができる。従って、例えば、様々な属性を指定して不動産の検索を行う不動産検索システムとして応用することもできる。
【0067】
G.変形例2:
また、上記地図データベースDBは、任意の物件と同じ属性を有する物件を検索する同一属性物件検索システムに用いることもできる。かかるシステムは、図1で示したシステム構成においてWebサーバWSに同一属性物件検索プログラムがインストールされているものとする。また、地図レイヤには、家屋や土地の形状等を表すオブジェクトデータが記録されているものとする。
【0068】
図10は、同一属性物件検索処理のフローチャートである。まず、クライアントPCは、ユーザからブラウザの所定のURLを入力することにより同一属性物件検索プログラムの実行要求をWebサーバWSにリクエストする(ステップS30)。WebサーバWSは、クライアントPCからこのようなリクエストを受信すると、同一属性物件検索プログラムを実行し(ステップS31)、所定のHTMLページをレスポンスとしてクライアントPCに返信する(ステップS32)。このHTMLページには、地図上の任意の物件や地点を指定するための地図が含まれている。クライアントPCは、受信したHTMLページをブラウザ上に表示する(ステップS33)。
【0069】
ユーザは、ブラウザに表示された地図の中から、所望の地点や物件を指定する(ステップS34)。こうして指定された地点や物件の座標データは、クライアントPCからWebサーバWSに送信される。WebサーバWSは、この座標データを受信すると、各属性レイヤからその座標を含むポリゴンデータを検索し、そのポリゴンデータに対応付けられた属性情報を特定する(ステップS35)。例えば、図2で示したP(x,y)という座標が指定された場合には、
【0070】
(行政名) ××区;
(人口) 30万人;
(平均地価) 20万円/m2;
(学区) △△学区;
(学区評判) 良;
(土地利用分類)住宅用地;
(最寄駅) 最寄駅まで200m圏内;
【0071】
という属性情報が特定されることになる。次にWebサーバWSは、このように特定された属性情報を全て備える地域を属性レイヤを用いて検索し、検索した地域に存在する物件を地図レイヤから抽出する(ステップS36)。
【0072】
WebサーバWSは、このように抽出した物件を強調表示した地図を生成し、この地図を表示するためのHTMLページをクライアントPCに送信する(ステップS37)。最後に、クライアントPCは、受信したHTMLページをブラウザに表示させ(ステップS38)、一連の処理が終了する。
【0073】
このような同一属性検索システムによれば、属性等の細かな指定を行うことなく容易に同一の属性となる物件を検索することができる。従って、例えば、現在居住している住宅と同一属性の不動産を探すときなどに便利である。なお、上記ステップS35において特定された属性情報のうち、行政名や学区などの条件は任意に省くことが可能であってもよい。こうすることにより、より広範囲な地域から同一属性の物件を検索することが可能となる。
【0074】
以上、本発明の種々の実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採ることができる。例えば、地価算出システム10は複数の装置により構成したが、これと同等の構成を1台の装置で実現してもよい。また、図2のステップS16における地価算出処理を省略し、ステップS15で抽出した属性情報をクライアントPCに表示させる構成としてもよい。このような構成であれば、地価算出システム10を属性特定システムとして構成することができる。また、上述した各種処理はソフトウェアにより実現してもよいし、ハードウェアにより実現してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】地価算出システム10の概略構成を示す説明図である。
【図2】地図データベースDBの概略構造を示す説明図である。
【図3】地価算出システム10が地図データベースDBを利用して地価の算出を行うフローチャートである。
【図4】クライアントPCのモニタ上に表示された地図の一例を示す図である。
【図5】各属性のパラメータに応じた係数表である。
【図6】属性レイヤを選択させるためのブラウザ上のインターフェイスの一例を示す説明図である。
【図7】地図データベースのメンテナンスを行うフローチャートである。
【図8】属性レイヤの変形例を示す説明図である。
【図9】地域検索処理のフローチャートである。
【図10】同一属性物件検索処理のフローチャートである。
【符号の説明】
10…地価算出システム
DS…データベースサーバ
PC…クライアント
DB…地図データベース
WS…Webサーバ
【発明の属する技術分野】
本発明は、地図上の任意の地点に対して種々の属性を与えることが可能なデータベースに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子地図データを利用する技術として地価の鑑定を行う技術があった(例えば、特許文献1参照)。この技術では、過去に取引きがあった最寄りの物件の地価情報を参照することにより、地図上の任意の地点の地価を鑑定していた。
【0003】
地価の鑑定の際には、過去の取引物件情報だけではなく、その土地の種々の属性を考慮することが望ましい。属性とは、例えば、その土地が属する地域の地目や学区、最寄駅までの距離、鶏舎その他の異臭源からの距離や方角などといった情報である。従来の電子地図データでは、このような属性情報は、土地や建物などのオブジェクト毎に対応付けることが可能であった。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−73239号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の電子地図データは、例えば、ある地域の学区名が変更された場合に、その地域に存在する全てのオブジェクトの属性情報を修正する必要があり、属性情報の管理が大変煩わしかった。また、最寄駅までの距離のように、オブジェクト間の位置関係に関する属性を得るためには、雑多なオブジェクトが混在する地図データから、地域内に存在する駅を検索する必要があった。かかる検索には、例えば、「鶏舎その他の異臭源」のようにオブジェクトの属性情報からの特定が困難な場合もあった。このような課題は、電子地図データを利用する地価鑑定システムに限られず、都市計画システムや種々の調査システムなど、地理的に設定された属性情報の活用が望まれるシステムに共通の課題であった。
【0006】
そこで、本発明は、容易にオブジェクトの属性情報を管理可能なデータベースの構築を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記課題の少なくとも一部を解決するため、本発明を以下のように構成した。すなわち、
地図上の任意の地点の地理的座標に基づき、該地点に対応する属性が特定可能な属性データベースであって、
評価目的の異なる複数種の属性レイヤを備え、
前記属性レイヤは、前記地図上の重複した領域を各々共通の座標系により表しており、
前記各属性レイヤには、前記評価目的に応じた属性を特定するための属性情報と、該属性情報に対応する地点または地域を表す属性範囲情報とが対応付けて記録されている属性データベースである。
【0008】
1つの属性レイヤには、属性情報と属性範囲情報とが2組以上記録されていてもよい。例えば、指定された地点の属する「学区」を判別することが評価目的である属性レイヤであれば、「a学区」や「b学区」といった複数の属性情報をその属性範囲情報とともに1つの属性レイヤに記録することができる。このとき、評価目的が同一の範囲内であれば属性範囲情報によって表される地域または地点に重複があってもよい。例えば、2つの学区に重複する領域が存在する可能性等があるためである。各属性レイヤには、地物の形状等を表すオブジェクトデータを排除し、属性情報と属性範囲情報のみを記録することが好ましい。また、地理的座標とは、例えば、緯度、経度によって表される座標や、データベース固有のx,y座標などとすることができる。
【0009】
本発明の属性データベースによれば、属性情報をオブジェクト単位ではなく、レイヤ単位で管理することができる。従って、容易に属性情報を管理することができる。例えば、一定の地域でまとまって属性情報を修正する必要がある場合でも、容易にその修正が可能である。また、属性範囲情報を修正することにより、一定の属性となる地域の範囲を容易に変更することができる。その他、属性レイヤ自体の削除や新規追加なども容易に行うことができる。
【0010】
上記属性データベースにおいて、
前記属性情報は、土地利用分類、地目、用途地域、所定の地点からの距離、所定の地点からの所要時間、行政界、校区、地価のうち、少なくとも1つに関する属性を特定するための情報であるものとしてもよい。
【0011】
「土地利用分類」に関する属性とは、例えば、「商業用地」や「住宅用地」「工業用地」等といったその土地の利用分類である。「地目」に関する属性とは、例えば、「田」「畑」「宅地」など、不動産登記法に基づき登記されたその土地の用途である。「用途地域」に関する属性とは、例えば、「第1種低層住居専用地域」「第1種中高層住居専用地域」など、都市計画法に基づき制定されたその地域の用途である。
【0012】
「所定の地点からの距離」あるいは「所定の地点からの所要時間」に関する属性とは、例えば、駅やバス停、学校、役所、病院などからの距離や所要時間に応じて定めた一定の区分とすることができる。例えば、「100m以内」「100〜200m圏内」「200m以上」あるいは、「歩いて10分以内」「歩いて10〜15分」「歩いて15分以上」などといった区分である。
【0013】
「行政界」に関する属性とは、例えば、「北九州市」「福岡市」などの行政界を表す区分である。「学区」に関する属性とは、小学校や中学校などの学区を表す区分である。「地価」に関する属性としては、例えば、「10万円」「20万円」などといった一定の地域の平均地価や平均坪単価を属性情報とすることができる。
【0014】
上記属性範囲情報には、これらのような属性に該当する地域の範囲が記録される。この属性範囲情報は、ポリゴンデータとして記録されると好適である。ポリゴンデータは、閉じた図形であるため、指定された地理的座標がその地域に含まれるかどうかを容易に判別できるからである。
【0015】
上記属性データベースにおいて、
前記属性情報は、前記地点との位置関係に基づく距離および方角の少なくとも一方の演算によって前記属性を与えるための情報であるものとしてもよい。例えば、高層建築物、不動産の取引価格、異臭源、交通拠点、日常生活で利用される生活関連拠点、公共施設、災害を誘因する危険箇所等に関する情報である。
【0016】
このような属性情報によれば、コンピュータが所定の演算を行うことにより、指定された地点にその演算に基づく属性を与えることができる。例えば、高層建築物の存在する位置情報が記録されていれば、その位置と指定された地理的座標との距離や方角を演算することにより、日当たりの良し悪しに関する情報を属性として与えることができる。また、不動産の取引価格に関する情報が記録されていれば、指定された地理的座標の最寄りの不動産情報を検索することにより地価の目安を属性として与えることができる。さらに、ごみ焼却場や鶏舎、化学工場地帯など、異臭源になり得る地点や地域の情報が記録されていれば、指定された地理的座標とその地域独特の風向き応じて異臭がする可能性の有無を属性として与えることができる。その他、交通拠点や日常生活で利用される生活関連拠点、公共施設などに関する情報が記録されていれば、指定された地理的座標とそれらの場所との距離を演算することにより、その地点が便利な場所であるかどうかを属性として与えることができる。また、災害を誘因する危険箇所等の情報が記録されていれば、その地点が避難場所に適しているかどうか等、安全度に関する属性を与えることができる。
【0017】
また、本発明は、上述した属性データベースを利用した以下の属性特定装置としても構成することができる。すなわち、
地図上の任意の地点に対応する属性を特定する属性特定装置であって、
上記種々の属性データベースを参照する参照部と、
前記地図上の任意の地点の地理的座標を前記座標系により入力する入力部と、
前記入力した地理的座標と、前記各属性レイヤの前記属性範囲情報との位置関係に基づいて、前記地点の属性を特定する属性特定部と、
を備えることを要旨とする。
【0018】
本発明の属性特定装置によれば、地図上の任意の地点の属性を容易に特定することができる。特定する方法としては、入力した地理的座標と一致する、または、その座標を内包する属性範囲情報を抽出し、これに対応する属性情報を検索することにより属性を特定することができる。また、上述したように、入力した地理的座標と属性範囲情報との位置関係に基づき、距離や方角を演算することにより属性を与えるものとしてもよい。
【0019】
上記属性特定装置において、
更に、属性レイヤを選択する属性レイヤ選択部を備え、
前記属性特定部は、前記選択された属性レイヤを用いて前記地点の属性を特定するものとしてもよい。
【0020】
こうすることにより、ユーザは自分の知りたい属性のみを特定することができる。また、ユーザが選択するのではなく、上記属性特定装置を利用するユーザに応じて自動的に属性レイヤを選択するものとしてもよい。このような構成であれば、例えば、会員ユーザに対しては全ての属性レイヤを利用した属性の特定を行い、試用ユーザに対しては一部の属性レイヤを利用した大まかな属性の特定を行うといったサービスを提供することができる。
【0021】
また、本発明は、地図上の任意の地点における地価を算出する地価算出装置としても構成することができる。すなわち、
地図上の任意の地点における地価を算出する地価算出装置であって、
上記種々の属性データベースを参照する参照部と、
地価を算出するための地価算出パラメータと前記属性とを対応付けて記憶した記憶部と、
前記地図上の任意の地点の地理的座標を前記座標系により入力する入力部と、
前記入力した地理的座標と、前記各属性レイヤの前記属性範囲情報との位置関係に基づいて、前記地点の属性を特定する属性特定部と、
前記特定した属性に対応する前記地価算出パラメータを用いて前記入力した地理的座標に対応する地点の地価を算出する地価算出部と、
を備えることを要旨とする。
【0022】
かかる地価算出装置によれば、上述の属性データベースを用いて、種々の属性を反映させた地価の算出を行うことができる。例えば、行政界に関する属性情報には、地価算出パラメータとしてその行政界の平均地価を対応付ける。そして、土地利用分類に関する属性情報には地価算出パラメータとしてその平均地価を変動させるための係数を対応付ける。係数とは、例えば、住宅用地は「1」、商業用地は「0.8」、工業用地は「0.6」などといった値である。上記地価算出部は、これらのパラメータを乗ずることにより指定された地点の地価を求めることができる。なお、ここでは、地価算出パラメータは上記記憶部に記憶されているものとしたが、属性データベースに記録されているものとしてもよい。
【0023】
上記地価算出装置において、
更に、前記入力された地点の実際の取引価格を入力する取引価格入力部と、
該取引価格と前記算出した地価とに基づき前記地価算出パラメータを補正するパラメータ補正部とを備えるものとしてもよい。こうすることにより、実際の取引価格をフィードバックさせ、より精度の高い地価の算出を行うことが可能となる。
【0024】
また、本発明は、上述した属性データベースを生成する属性データ生成装置として構成してもよい。この属性データ生成装置は、予め用意された地図データを参照して、属性レイヤの設定対象となる地域を表示する地図表示部、該地図上でユーザからの指示により、属性情報の内容および該属性情報を付与する地点または地域を特定する属性設定部、特定された地点または地域を属性範囲情報とし、前記属性情報と対応づけて、前記地図データと共通の座標系で保存する属性レイヤ生成部とを備えることにより構成される。属性レイヤ生成部は、前記座標系で記録された情報として、属性情報、属性範囲情報のみを記録することが好ましい。
【0025】
また、本発明は、上述した属性データベースを利用して、ユーザの所望する属性に該当する地点や地域を検索して表示する地域検索装置として構成してもよい。この地域検索装置は、前記属性データベースを参照する参照部と、ユーザから検索条件として1つまたは複数の属性を入力する入力部と、該入力した属性をすべて満足する地点または地域を前記属性レイヤを用いて検索する検索部と、該検索した地点または地域を地図上に表示する表示部と、を備えることにより構成される。
【0026】
また、本発明は、上述した属性データベースを利用して、同一属性となる地点を検索する同一属性検索装置として構成してもよい。この同一属性検索装置は、前記属性データベースを参照する参照部と、ユーザから前記地図上の任意の地点を入力する入力部と、前記属性レイヤから、前記入力された地点に対応する属性情報を検索する検索部と、該検索された属性情報と同一の属性情報となる地域または地点を抽出する抽出部と、該抽出した地域または地点を地図上に表示する表示部と、を備えることにより構成される。
【0027】
また、本発明は、上述した属性データベースや属性特定装置、地価算出装置としての態様のほか、コンピュータによる属性特定方法や地価算出方法、属性の特定や地価の算出を実現するためのプログラム、これらのプログラムや属性データベースを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としても構成することができる。記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、DVD、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置などコンピュータが読取り可能な種々の媒体を利用することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について実施例に基づき次の順序で説明する。
A.地価算出システムの概略構成:
B.地図データベースの概略構造:
C.地価算出処理:
D.メンテナンス処理:
E.属性レイヤの他の態様:
F.変形例1:
G.変形例2:
【0029】
A.地価算出システムの概略構成:
図1は、実施例としての地価算出システム10の概略構成を示す説明図である。地価算出システム10は、クライアントPCとWebサーバWS、およびデータベースサーバDSにより構成される。クライアントPCとWebサーバWSとはインターネットを介して接続されており、WebサーバWSとデータベースサーバDSとはLANにより接続されている。データベースサーバDSには地図データベースDBが格納されている。
【0030】
クライアントPCにはWebブラウザ(以下、単に「ブラウザ」という)がインストールされている。ユーザは、ブラウザを操作することによりWebサーバWSに対して種々の指示を行うことができる。WebサーバWSには、地価算出プログラムがインストールされている。地価算出プログラムは、クライアントPCからの指示に従い、データベースサーバDSに格納された地図データベースDBを参照し、地価の算出等を行う。算出を行った結果はクライアントPCに送信され、ブラウザ上に表示される。地価算出プログラムは、perl言語やc言語などによって記述するCGI(Common Gateway Interface)プログラムとして構成することができる。
【0031】
B.地図データベースの概略構造:
図2は、地図データベースDBの概略構造を示す説明図である。図示するように、地図データベースDBは地図レイヤと属性レイヤによって構成されている。地図レイヤとは、地図データを記録するためのレイヤであり、属性レイヤとは、地図上の任意の地点に対して属性を与えるためのレイヤである。
【0032】
地図レイヤには、土地や建物、道路などの形状が所定の座標系で表された地図データが記録されている。この地図データは、地価算出プログラムがクライアントPCのブラウザに地図を表示させるために用いるデータである。
【0033】
属性レイヤは、評価目的毎に複数のレイヤに分類されている。本実施例では、図示するように、行政界レイヤと、校区レイヤと、土地利用分類レイヤと、最寄駅レイヤとに分類されているものとした。地図レイヤと各属性レイヤは、共通の座標系で同一地域の領域を表している。各属性レイヤには、属性を表す属性情報と、その属性に対応する地図上の領域を表したポリゴンデータとが対応付けて記録されている。
【0034】
ここで、各属性レイヤの詳細について説明する。行政界レイヤは、指定された地点の属する行政界を判別することが評価目的である属性レイヤであり、属性情報として行政名が、ポリゴンデータとしてその行政界の形状が記録されている。また、その行政界の人口と平均地価も記録されているため、指定した地点の含まれる行政界の人口や平均地価を判別することができる。
【0035】
校区レイヤは、指定された地点の属する校区を判別することが評価目的である属性レイヤであり、属性情報として校区名が、ポリゴンデータとしてその校区の領域が記録されている。また、その校区の評判を表すパラメータも記録されているため、例えば、評判のよい校区ほど地価が高くなるように地価算出プログラムに計算させることができる。
【0036】
土地利用分類レイヤは、指定された地点の土地利用分類を判別することが評価目的である属性レイヤであり、属性情報として土地利用分類の分類名が、ポリゴンデータとしてその分類に該当する領域が記録されている。土地利用分類とは、例えば、住宅用地、商業用地、工業用地など、その土地の利用目的を表す分類である。この土地利用分類レイヤを用いることにより、例えば、商業用地よりも住宅用地の方が地価が高くなるように地価算出プログラムに計算させることができる。
【0037】
最寄駅レイヤは、指定された地点と最寄駅間の大まかな距離を判別することが評価目的である属性レイヤであり、属性情報として最寄駅までの距離が、ポリゴンデータとしてその距離に応じた領域が記録されている。図では、最寄駅まで100m圏内の領域と、100m〜200mの圏内となる領域とが記録されている場合を示した。この最寄駅レイヤを用いることにより、例えば、駅に近い領域ほど地価が高くなるように地価算出プログラムに計算させることができる。
【0038】
以上で説明したように、レイヤ状に構成した属性データを参照することにより、地図上の任意の地点を指定するだけで、その地点の属性情報を容易に特定することが可能となる。また、地図上に存在するオブジェクト毎に属性情報を持たせる必要がないため、データ容量の削減を図ることもできる。
【0039】
C.地価算出処理:
図3は、地価算出システム10が上述した地図データベースDBを利用して地価の算出を行う処理のフローチャートである。まず、クライアントPCは、ユーザからブラウザに所定のURLの入力を受けることにより地価算出プログラムの実行要求をWebサーバWSにリクエストする(ステップS10)。URLは例えば次のような形式である。
【0040】
http://(WebサーバWSのドメイン名またはIPアドレス)/(地価算出プログラム名)
【0041】
WebサーバWSは、クライアントPCからこのようなリクエストを受信すると地価算出プログラムを実行し(ステップS11)、所定のHTMLページをレスポンスとしてクライアントPCに返信する(ステップS12)。このHTMLページには、地図レイヤに記録された地図データを表す画像が含まれている。クライアントPCは、受信したHTMLページをブラウザ上に表示する(ステップS13)。図4は、クライアントPCのモニタ上に表示されたブラウザと地図の一例を示す図である。
【0042】
ユーザは、ブラウザに表示された地図の中から、地価を算出する地点を指定する(ステップS14)。指定は地図上の任意の地点をマウスでクリックすることにより行うことができる。土地や建物などのオブジェクト単位で地点が指定された場合には、そのオブジェクトの中心点など、そのオブジェクトの代表点が指定されたものとして扱ってもよい。こうして指定された地点の座標データは、クライアントPCからWebサーバWSに送信される。WebサーバWSは、この座標データを受信すると、各属性レイヤからその座標を含むポリゴンデータを検索し、そのポリゴンデータに対応付けられた属性情報を特定する(ステップS15)。例えば、図2で示したP(x,y)という座標が指定された場合には、
【0043】
(行政名) ××区;
(人口) 30万人;
(平均地価) 20万円/m2;
(学区) △△学区;
(学区評判) 良;
(土地利用分類)住宅用地;
(最寄駅) 最寄駅まで200m圏内;
【0044】
という属性情報が特定されることになる。次に、WebサーバWSは、特定された属性情報に応じて所定の係数を「平均地価」に乗ずることにより地価を算出する(ステップS16)。図5には、各属性情報に応じて設定された係数表を示した。この係数表は、WebサーバWSのハードディスク内に記録されていてもよいし、地図データベースDBに記録されていてもよい。この係数表を用いることにより、上記地点Pにおける地価は、以下のように算出することができる。
【0045】
【0046】
WebサーバWSは、このように地価を算出すると、算出した地価を表示させるためのHTMLページを生成しクライアントPCに送信する(ステップS17)。このとき、地価の算出に用いた属性情報や係数などの要因も併せて表示させるものとしてもよい。最後に、クライアントPCは、受信したHTMLページをブラウザに表示させ(ステップS18)、一連の処理が終了する。
【0047】
なお、上記フローチャートのステップS14において座標を指定するのと同時、あるいは前後して、地価算出に利用する属性レイヤをユーザが選択するものとしてもよい。図6は、属性レイヤを選択させるためのブラウザ上のインターフェイスの一例を示す図である。例えば、校区レイヤのみを選択すれば、学区の評判のみを地価に反映させることができる。また、ユーザによる選択ではなく、WebサーバWSが属性レイヤを自動的に選択するものとしてもよい。例えば、この地価算出システム10の利用にあたり会費を支払ったユーザに対しては全てのレイヤを反映させた詳細な地価の算出を行い、試用ユーザに対しては利用するレイヤを少なくし、大まかな地価の算出のみができるといったシステムを構成することが可能となる。
【0048】
上記処理により算出した地価は、あくまで推測値であるため、実際の取引時には異なる地価により取引される場合がある。そこで、地価算出プログラムに、ユーザやオペレータから実際の取引価格をフィードバックし、地価算出に用いる係数を補正する機能を追加すれば、より精度の高い地価算出を行うことが可能となる。この場合、例えば、
【0049】
(算出した地価):(実際の取引価格)=(学区評判の係数)×(土地利用分類)×(最寄駅の係数):(学区評判の補正後の係数)×(土地利用分類の補正後の係数)×(最寄駅の補正後の係数);
【0050】
といった演算式により各係数の補正値を求めればよい。
【0051】
D.メンテナンス処理:
図2で示したように、属性情報をレイヤ状に管理することにより、次のような効果も奏する。すなわち、一部の属性情報に変更が生じたとしても、該当するレイヤだけを修正すればよいため、メンテナンス性に優れるという効果である。
【0052】
図7には、地図データベースDBのメンテナンスを行う際のフローチャートを示した。まず、データベースサーバDSのオペレータは、メンテナンスの種類を選択する(ステップS20)。メンテナンスの種類とは、例えば、レイヤの更新、レイヤの削除、新規レイヤの追加といった処理である。
【0053】
そして、そのメンテナンスの種類に応じた指示をデータベースサーバDSに対して行う(ステップS21)。例えば、更新後のデータをサーバに入力させたり、削除を行うレイヤを指定したり、新規レイヤのデータを入力させる、といった指示である。
【0054】
最後に、データベースサーバDSは地図データベースDBに対して、レイヤの更新、レイヤの削除、新規レイヤの追加等、選択された種類に応じた処理を行い(ステップS22)、メンテナンスを終了する。なお、メンテナンスはデータベースサーバDSではなく、データベースサーバDSとLANにより接続した端末から行うものとしてもよい。
【0055】
以上の処理によりオペレータは、地図データベースDBのメンテナンスを行うことができる。メンテナンスは、属性レイヤ毎に行うことができるため、作業の効率化を図ることが可能となる。
【0056】
E.属性レイヤの他の態様:
地図データベースDBには、以上で説明したもの以外にも、様々な属性レイヤを記録することができる。図8は、属性レイヤの他の態様を示す説明図である。
【0057】
(a)道路沿レイヤには、属性情報として国道や県道、市町村道など道路の種別が、ポリゴンデータとして、その道路沿いとなる領域が記録されている。この道路沿レイヤにより、地図レイヤ上で指定された任意の地点が道路沿いであるかどうかを容易に判別することができる。また、例えば、道路沿いではない地点より道路沿いの地点の方が地価が高くなるように地価算出プログラムに計算させることができる。その他、例えば、トラック等の通行による騒音や排気ガス等の問題に鑑み、市町村道沿いより県道沿いの方が、県道沿いより国道沿いの方が地価が安くなるよう計算させることもできる。
【0058】
上記道路沿レイヤの構成では、道路沿いとなる領域をポリゴンデータとして記録するものとした。しかし、道路沿いとなる領域ではなく、道路の形状自体や道路を表す直線を記録するものとしてもよい。この場合、地図上の任意の地点が指定されると、図3のフローチャートのステップS16においてWebサーバWSがその地点に最も近い場所に存在する道路を検出し、その道路までの距離や、その道路の種別に応じて地価を変動させることができる。
【0059】
(b)高層建築物レイヤには、高層建築物の存在する地点の座標が記録されている。この高層建築物レイヤを用いることにより、例えば、地図上の任意の地点との距離や方角に応じて日当たりの良し悪しをWebサーバWSが判定し、その結果をその地点に対応する属性として特定することができる。また、地図上で指定された地点が高層建築物の北側の所定の距離内に存在するときは、日当たりが悪くなるため地価を下げるといったように、指定された地点と高層建築物との位置関係に応じて地価を変動させることもできる。もちろん、日当たりの良い地域や悪い地域を予めポリゴンデータとして記録した属性レイヤを用意するものとしてもよい。
【0060】
(c)異臭源レイヤには、例えば、ごみ焼却場や化学工場など、異臭源となり得る地点や地域の位置を記録しておく。こうすることにより、例えば、その異臭源に近い地点ほど地価が安くなるように地価算出プログラムに計算させることができる。また、例えば、地図上の任意の地点とその地方独特の風向きに基づきWebサーバWSが異臭の漂う可能性の有無を判定し、その結果をその地点に対応する属性として特定することができる。
【0061】
(d)取引物件レイヤには、過去に取引が行われた地点の座標とその地価とを記録する。こうすることにより、例えば、過去に取引が行われた地点が複数あれば、最寄りの取引状況を参照して地価を決定することができる。
【0062】
F.変形例1:
上記実施例では、地図データベースDBを用いて地価の算出を行う例について説明した。しかし、地図データベースDBはこれに限られず、例えば、ユーザにより指定された属性を全て満足する地点や地域を検索して表示させる地域検索システムに用いることもできる。かかる地域検索システムは、図1で示したシステム構成においてWebサーバWSに地域検索プログラムがインストールされているものとする。
【0063】
図9は、地域検索処理のフローチャートである。まず、クライアントPCは、ユーザからブラウザに所定のURLの入力することにより地域検索プログラムの実行要求をWebサーバWSにリクエストする(ステップS20)。WebサーバWSは、クライアントPCからこのようなリクエストを受信すると、地域検索プログラムを実行し(ステップS21)、所定のHTMLページをレスポンスとしてクライアントPCに返信する(ステップS22)。このHTMLページには、属性を選択するためのリストが含まれている。クライアントPCは、受信したHTMLページをブラウザ上に表示する(ステップS23)。
【0064】
ユーザは、ブラウザに表示された属性リストの中から、所望する属性を選択する(ステップS24)。こうして選択された属性は、クライアントPCからWebサーバWSに送信される。WebサーバWSは、この選択された属性を受信すると、各属性レイヤからその選択された属性に対応するポリゴンデータを検索し(ステップS25)、全てのポリゴンが重複する地域を抽出する(ステップS26)。
【0065】
次にWebサーバWSは、抽出した地域を強調表示した地図を地図レイヤを用いて生成し、その地図を表示するためのHTMLページをクライアントPCに送信する(ステップS27)。最後に、クライアントPCは、受信したHTMLページをブラウザに表示させ(ステップS28)、一連の処理が終了する。
【0066】
このような地域検索システムによれば、ユーザは、好みの属性を持つ地域を容易に検索することができる。従って、例えば、様々な属性を指定して不動産の検索を行う不動産検索システムとして応用することもできる。
【0067】
G.変形例2:
また、上記地図データベースDBは、任意の物件と同じ属性を有する物件を検索する同一属性物件検索システムに用いることもできる。かかるシステムは、図1で示したシステム構成においてWebサーバWSに同一属性物件検索プログラムがインストールされているものとする。また、地図レイヤには、家屋や土地の形状等を表すオブジェクトデータが記録されているものとする。
【0068】
図10は、同一属性物件検索処理のフローチャートである。まず、クライアントPCは、ユーザからブラウザの所定のURLを入力することにより同一属性物件検索プログラムの実行要求をWebサーバWSにリクエストする(ステップS30)。WebサーバWSは、クライアントPCからこのようなリクエストを受信すると、同一属性物件検索プログラムを実行し(ステップS31)、所定のHTMLページをレスポンスとしてクライアントPCに返信する(ステップS32)。このHTMLページには、地図上の任意の物件や地点を指定するための地図が含まれている。クライアントPCは、受信したHTMLページをブラウザ上に表示する(ステップS33)。
【0069】
ユーザは、ブラウザに表示された地図の中から、所望の地点や物件を指定する(ステップS34)。こうして指定された地点や物件の座標データは、クライアントPCからWebサーバWSに送信される。WebサーバWSは、この座標データを受信すると、各属性レイヤからその座標を含むポリゴンデータを検索し、そのポリゴンデータに対応付けられた属性情報を特定する(ステップS35)。例えば、図2で示したP(x,y)という座標が指定された場合には、
【0070】
(行政名) ××区;
(人口) 30万人;
(平均地価) 20万円/m2;
(学区) △△学区;
(学区評判) 良;
(土地利用分類)住宅用地;
(最寄駅) 最寄駅まで200m圏内;
【0071】
という属性情報が特定されることになる。次にWebサーバWSは、このように特定された属性情報を全て備える地域を属性レイヤを用いて検索し、検索した地域に存在する物件を地図レイヤから抽出する(ステップS36)。
【0072】
WebサーバWSは、このように抽出した物件を強調表示した地図を生成し、この地図を表示するためのHTMLページをクライアントPCに送信する(ステップS37)。最後に、クライアントPCは、受信したHTMLページをブラウザに表示させ(ステップS38)、一連の処理が終了する。
【0073】
このような同一属性検索システムによれば、属性等の細かな指定を行うことなく容易に同一の属性となる物件を検索することができる。従って、例えば、現在居住している住宅と同一属性の不動産を探すときなどに便利である。なお、上記ステップS35において特定された属性情報のうち、行政名や学区などの条件は任意に省くことが可能であってもよい。こうすることにより、より広範囲な地域から同一属性の物件を検索することが可能となる。
【0074】
以上、本発明の種々の実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採ることができる。例えば、地価算出システム10は複数の装置により構成したが、これと同等の構成を1台の装置で実現してもよい。また、図2のステップS16における地価算出処理を省略し、ステップS15で抽出した属性情報をクライアントPCに表示させる構成としてもよい。このような構成であれば、地価算出システム10を属性特定システムとして構成することができる。また、上述した各種処理はソフトウェアにより実現してもよいし、ハードウェアにより実現してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】地価算出システム10の概略構成を示す説明図である。
【図2】地図データベースDBの概略構造を示す説明図である。
【図3】地価算出システム10が地図データベースDBを利用して地価の算出を行うフローチャートである。
【図4】クライアントPCのモニタ上に表示された地図の一例を示す図である。
【図5】各属性のパラメータに応じた係数表である。
【図6】属性レイヤを選択させるためのブラウザ上のインターフェイスの一例を示す説明図である。
【図7】地図データベースのメンテナンスを行うフローチャートである。
【図8】属性レイヤの変形例を示す説明図である。
【図9】地域検索処理のフローチャートである。
【図10】同一属性物件検索処理のフローチャートである。
【符号の説明】
10…地価算出システム
DS…データベースサーバ
PC…クライアント
DB…地図データベース
WS…Webサーバ
Claims (14)
- 地図上の任意の地点の地理的座標に基づき、該地点に対応する属性が特定可能な属性データベースであって、
評価目的の異なる複数種の属性レイヤを備え、
前記属性レイヤは、前記地図上の重複した領域を各々共通の座標系により表しており、
前記各属性レイヤには、前記評価目的に応じた属性を特定するための属性情報と、該属性情報に対応する地点または地域を表す属性範囲情報とが対応付けて記録されている属性データベース。 - 請求項1に記載の属性データベースであって、
前記属性情報は、土地利用分類、地目、用途地域、所定の地点からの距離、所定の地点からの所要時間、行政界、校区、地価のうち、少なくとも1つに関する属性を特定するための情報である属性データベース。 - 請求項1に記載の属性データベースであって、
前記属性情報は、前記地点との位置関係に基づく距離および方角の少なくとも一方の演算によって前記属性を与えるための情報である属性データベース。 - 請求項3に記載の属性データベースであって、
前記属性情報は、高層建築物、不動産の取引価格、異臭源、交通拠点、日常生活で利用される生活関連拠点、公共施設、災害を誘因する危険箇所のうち、少なくとも1つに関する情報である、属性データベース。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の属性データベースであって、
前記属性範囲情報がポリゴンデータとして記録された、属性データベース。 - 地図上の任意の地点に対応する属性を特定する属性特定装置であって、
請求項1〜5のいずれかに記載の属性データベースを参照する参照部と、
前記地図上の任意の地点の地理的座標を前記座標系により入力する入力部と、
前記入力した地理的座標と、前記各属性レイヤの前記属性範囲情報との位置関係に基づいて、前記地点の属性を特定する属性特定部と、
を備える属性特定装置。 - 請求項6に記載の属性特定装置であって、
更に、属性レイヤを選択する属性レイヤ選択部を備え、
前記属性特定部は、前記選択された属性レイヤを用いて前記地点の属性を特定する、属性特定装置。 - 地図上の任意の地点における地価を算出する地価算出装置であって、
請求項1〜5のいずれかに記載の属性データベースを参照する参照部と、
地価を算出するための地価算出パラメータと前記属性とを対応付けて記憶した記憶部と、
前記地図上の任意の地点の地理的座標を前記座標系により入力する入力部と、
前記入力した地理的座標と、前記各属性レイヤの前記属性範囲情報との位置関係に基づいて、前記地点の属性を特定する属性特定部と、
前記特定した属性に対応する前記地価算出パラメータを用いて前記入力した地理的座標に対応する地点の地価を算出する地価算出部と、
を備える地価算出装置。 - コンピュータが地図上の任意の地点に対応する属性を特定する属性特定方法であって、
前記地図上の任意の地点の地理的座標を前記座標系により入力する工程と、
請求項1〜5のいずれかに記載の属性データベースを参照する工程と、
前記入力した地理的座標と、前記各属性レイヤの前記属性範囲情報との位置関係に基づいて、前記地点の属性を特定する工程と、
を含む属性特定方法。 - コンピュータが地図上の任意の地点における地価を算出する地価算出方法であって、
前記地図上の任意の地点の地理的座標を前記座標系により入力する工程と、
請求項1〜5のいずれかに記載の属性データベースを参照する工程と、
前記入力した地理的座標と、前記各属性レイヤの前記属性範囲情報との位置関係に基づいて、前記地点の属性を特定する工程と、
地価を算出するための地価算出パラメータと前記属性との対応関係を参照する工程と、
前記特定した属性に対応する前記地価算出パラメータを用いて前記地点の地価を算出する工程と、
を含む地価算出方法。 - コンピュータが地図上の任意の地点に対応する属性を特定するためのプログラムであって、
前記地図上の任意の地点の地理的座標を前記座標系により入力する機能と、
請求項1〜5のいずれかに記載の属性データベースを参照する機能と、
前記入力した地理的座標と、前記各属性レイヤの前記属性範囲情報との位置関係に基づいて、前記地点の属性を特定する機能と、
をコンピュータに実現させるためのプログラム。 - コンピュータが地図上の任意の地点における地価を算出するためのプログラムであって、
前記地図上の任意の地点の地理的座標を前記座標系により入力する機能と、
請求項1〜5のいずれかに記載の属性データベースを参照する機能と、
前記入力した地理的座標と、前記各属性レイヤの前記属性範囲情報との位置関係に基づいて、前記地点の属性を特定する機能と、
地価を算出するための地価算出パラメータと前記属性との対応関係を参照する工程と、
前記特定した属性に対応する前記地価算出パラメータを用いて前記地点の地価を算出する機能と、
をコンピュータに実現させるためのプログラム。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の属性データベースを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
- 請求項11または12に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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