JP2004177366A - 計量味付けシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】味付けの適切な品質を保証することのできる計量味付けシステムを提供する。
【解決手段】物品の重量を計量する計量装置と、該計量装置の下流に配置され、物品に応じた重量の調味料を供給して味付けを行う味付け装置と、該味付け装置の下流に配置され、味付けされた物品の重量を測定する重量チェッカとを備えた計量味付けシステムに関する。計量装置で計量された物品の測定重量および調味料の重量に基づく基準値を設定する設定手段と、基準値、物品に応じた調味料の重量に基づく閾値および前記重量チェッカで測定したチェッカ測定重量に基づいて、当該物品の味付量に応じた仕分けを行う仕分部とを備えている。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は計量味付システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来は下記特許文献1のように、上流で計量された個々の被計量物群の計量値に応じた量の調味料を被計量物にまぶす味付けシステムが提案されている。
この装置にあっては、個々の被計量物群の計量値に応じて適切な量の調味料がまぶされるため、味付けの均一化を図り得る。
しかし、この装置にあっては、味付け装置のトラブルにより味付けがされなかった場合にはその被計量物群を検出する手段がないため、味付けされない被計量物群が製品として出荷されるおそれがあった。
【0003】
一方、下記の特許文献2のシステムのように、上流の計量装置から個々の被計量物群の計量値と、その被計量物群を下流の重量チェッカで計量した重量値とをつき合わせ、その差をとり、計量物群が適切であるか否かを判断する装置が提案されている。この装置にあっては、個々の計量物群に応じて重量チェッカの基準値を都度変更させて個々の物品群に対応させて物品の過不足を検知することができる。
しかし、この装置では物品の過不足を判断できるのみで、味付けの程度の適切さを判断することはできない。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−171913号公報
【0005】
【特許文献2】
特開2002−229611号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は味付けの適切な品質を保証することのできる計量味付けシステムを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明を達成するために、本第1発明は、物品の重量を計量する計量装置と、該計量装置の下流に配置され、前記物品に応じた重量の調味料を供給して味付けを行う味付け装置と、該味付け装置の下流に配置され、味付けされた物品の重量を測定する重量チェッカとを備えた計量味付けシステムであって、前記計量装置で計量された物品の測定重量および前記調味料の重量に基づく基準値を設定する設定手段と、前記基準値、物品に応じた調味料の重量に基づく閾値および前記重量チェッカで測定したチェッカ測定重量に基づいて、当該物品の味付量に応じた仕分けを行う仕分部とを備えている。
【0008】
本第1発明においては、チェッカ測定重量Wdと、前記基準値ΣWとを比較し、その過不足量(偏差)Δ=Wd−ΣWと前記閾値SHiとを比較する。今、物品が搬送途中で抜けたりしなければ、前記過不足量Δは実際に添加された味付量に応じて変動する。
したがって、チェッカ測定重量Wdと味付前の測定重量Wcとの偏差により味付の過不足量Δを知ることで、味付の適切さが担保される。すなわち、味付状態に応じて物品を仕分部で仕分することができる。しかも、従来から存在する重量チェッカを用いてソフトウエアを追加するだけで味付の良否や味付制御を行うことができる。
【0009】
本第1発明においては、前記物品の測定重量Wcに対応する下限値および/または上限値が前記閾値SHiとして設定され、前記上限値および/または下限値が複数設定されているのが好ましい。
【0010】
上限値や下限値が複数設定されることで、合否判別の他にランク付けを行うことができる。
また、前記閾値SHiとしては、物品の品種ごとに一定値を採用してもよいが、実際に計量した物品の測定重量Wcに基づいてランク付けや合否判別を行えば、より正確なランク付けや合否判別を行うことができる。
【0011】
本第1発明においては、調味料の重量を、つまり、前記計量装置で計量された物品の測定重量に対応する値を、更に最低下限値として設定するのが好ましい。かかる最低下限値に基づいて味付けされていないものの排除を行うことができるからである。
したがって、最低下限値は、全く味付けされなかった場合に得られるチェッカ測定重量Wdに近似した値が設定される。
【0012】
一方、本第2発明は、物品の重量を計量する計量装置と、該計量装置の下流に配置され、前記物品に応じた重量の調味料を供給して味付けを行う味付け装置と、該味付け装置の下流に配置され、味付けされた物品の重量を測定する重量チェッカとを備えた計量味付けシステムであって、前記計量装置で計量された物品の測定重量と前記調味料の重量とに基づく制御のための基準値を設定する設定手段と、前記重量チェッカで測定したチェッカ測定重量と前記基準値とに基づいて前記味付け装置による味付量を制御する制御手段とを備えている。
【0013】
本第2発明においては、チェッカ測定重量Wdと、前記基準値ΣWとを比較し、その過不足量(偏差)Δ=Wd−ΣWを知る。今、物品が搬送途中で抜けたりしなければ、前記過不足量Δは実際に添加された味付量に応じて変動する。したがって、過不足量Δを知ることで、味付の適切さが担保される。すなわち、過不足量Δで添加量をフィードバック制御することにより、所定の添加量の調味料を添加することができる。しかも、従来から存在する重量チェッカを用いてソフトウエアを追加するだけで味付の良否や味付制御を行うことができる。
【0014】
本発明においては、前記チェッカ測定重量Wdと前記計量装置にて計量された物品の測定重量Wcとから、前記物品に実際に添加された調味料の実添加量Wrを算出し、前記味付け装置で供給された調味料の重量Wsと前記実添加量Wrに基づき前記味付け装置の調味料の供給制御を行うのが好ましい。実添加量Wrと供給された調味料の重量Wsとを比較することで、より適切な調味料付加の制御を行うことができる。
【0015】
本発明においては、前記味付け装置と前記重量チェッカとの間に前記物品を包装する包装機を備えている場合には、前記基準値ΣWには該包装機で物品を包装する包装袋の重量Wbを加味して設定するのが好ましい。
包材に収容した後に重量を測定する方が、実際の商品の重量を正確にチェックすることができる。また、包材重量の加味によりさらに適切な基準値ΣWの設定が可能なため、正確な重量チェックが可能になる。
【0016】
本システムの味付け装置は、前記計量装置で計量された物品の測定重量Wcに応じた調味料の重量Wsを供給するのが好ましい。
添加量を物品の実際の量に応じて変えることができるから、味のバラツキを小さくすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面にしたがって説明する。
全体構成:
図1において、本計量味付けシステムは、上流から下流に向って、搬送コンベヤ100、組合せ計量装置1、味付装置20、製袋包装機200、立上りコンベヤ60、シールチェッカ61、重量チェッカ300および振分装置(仕分部)62を備えている。前記搬送コンベア100は、被計量物である物品Mを組合せ計量装置1の分散フィーダ2の中央部へ落下させる。なお、物品Mは数個ないし多数個が集められて後に袋詰めされて商品Mとなる。
【0018】
組合せ計量装置1:
図2に示すように、前記組合せ計量装置1の分散フィーダ2および各供給トラフ3iはそれぞれ加振装置の駆動により振動することで、分散フィーダ2上の物品Mを、各供給トラフ3iの下流に設けられた多数のプールホッパ4iに供給する。これら各プールホッパ4iには、ゲート5iが設けられ前記各供給トラフ3iから供給されて受け取った物品Mを一時的に収容して貯留する。前記各プールホッパ4iの下流には計量ホッパ6iが設けられている。これら各計量ホッパ6iには、前記プールホッパ4iから該計量ホッパ6iに投入された物品Mの重量を検出する重量検出器7iを備えた計量ヘッドおよびゲート8iが設けられている。ゲート8iの下方には大きな集合排出シュート9が設けられており、後述するように、前記各重量検出器7iで検出された物品Mの重量を組み合わせることで、物品Mを一まとめにして目標値もしくは目標値に近い値とし、図1の味付装置20に物品Mを落下させる。
【0019】
味付装置20:
図3に示すように、前記味付装置20は、物品Mに調味料Sを供給して味付けを行うものであり、スクリューコンベヤからなる搬送部24と、調味料供給装置40とを備えている。前記集合排出シュート9から取込シュート17を介して前記搬送部24内に落下した物品Mは、該搬送部24内の螺旋羽根29によって略水平方向に搬送される。
ここで、図4(a)〜(d)に示すように、搬送部24内の商品Mは、該搬送部24内の下部に溜まり、回転する前記螺旋羽根29によってそれぞれ区画(#1〜#6)されたまま搬送される。すなわち、物品Mは、前記組合せ計量装置1によって計量されて一まとめにされた物品Miごとに区画され、互いに交じり合わないようにして搬送される。
【0020】
図3の前記搬送部24の上方には、前記調味料供給装置40が設けられている。調味料供給装置40は、搬送部24内に調味料Sを噴射する噴射ガン41,42を備えている。前記噴射ガン41,42は、エアコンプレッサ44に接続されている。チャージタンク45に貯蔵された粉体状の調味料Sは、後述する所定量がスクリューフィーダ46で計り取られ、前記エアコンプレッサ44からのエア圧によって、前記噴射ガン41,42から搬送部24内に噴射される。
【0021】
前述のように、図4の物品Miは前記一まとめにされたまま別々に区画されて搬送されているので、噴射ガン41,42により、当該区画された物品Miごとに、当該物品Miに対応する所定量の調味料Sが噴射される。
物品Mは、味付装置20によって味付が行われた後、前記製袋包装機200に送られる。
なお、螺旋羽根29に図4の攪拌バー28を固定し、該攪拌バー28が螺旋羽根29と共に搬送部24内を回転することで、物品Mが攪拌されるようにしてもよい。
【0022】
図3の前記調味料供給装置40は、ロードセルのような重量検出器49に付加されている。調味料供給装置40の制御を行う味付制御部21(図5)は、図4の1つの区画(#i)に対し噴射ガン41,42から調味料Sを噴射する前後において、前記重量検出器49からの重量信号を受け取り、1つの区画の物品Miごとに供給した調味料Sの供給重量Wsを算出する。
【0023】
製袋包装機200:
図1の前記製袋包装機200は、いわゆる縦型ピロー包装機で、フィルムロールFrから巻き出したシート状のフィルムFを縦シーラ201で溶着して筒状に形成し、上方から落下する物品Mを筒状のフィルムF内に充填した状態で、前記フィルムFにおける物品Mの上方の端部(フィルムのエンド)F1をエンドシーラ202で溶着する(シールする)と共に切断して商品Mを連続的に包装する(たとえば、特開平4−28105号公報参照)。包装済の商品Mは下方に落下すると共に、立上りコンベヤ60によってシールチェッカ61上に搬送される。
【0024】
前記シールチェッカ61は、商品Mを押え具61aで上から押さえながら下流に搬送すると共に、包装袋のシール不良を検査する。商品Mは、前記シールチェック後、前記重量チェッカ300に搬送される。
【0025】
重量チェッカ300:
前記重量チェッカ300は、商品Mの重量を計量するロードセルのような重量検出器305と、重量検出器305の上部に支持されたコンベヤ303を有している。重量チェッカ300は、商品Mを搬送しながら該商品Mごとに重量を測定する。測定後、商品Mは重量チェッカ300から前記振分装置62に搬送される。
【0026】
振分装置62:
前記振分装置62は、後述するように、商品Mを振り分けることで仕分けを行い、不良であれば系外に排出すると共に、良品であれば下流に搬送する。なお、良品についても必要に応じたランク分けを行う。
【0027】
制御の構成:
図5(a)に示すように、前記組合せ計量装置1、味付装置20、製袋包装機200および重量チェッカ300は、前記各機器をそれぞれ制御するコントローラ10,22や制御部21,23を備えている。前記各コントローラ10,22および制御部21,23は、それぞれ、リモートコントローラ(リモコン)50に図示しないインターフェイスを介して接続されている。
【0028】
前記組合せ計量装置1の各重量検出器7iは、検出した重量をマルチプレクサ70に出力する。マルチプレクサ70は、所定の同期信号が印加されると各計量信号をA/D変換器71に出力する。該A/D変換器71は各計量信号をデジタル信号からなる計量値に変換して該計量値を組合せコントローラ10に出力する。
【0029】
組合せコントローラ10は、前記計量値の1以上を組み合わせた物品Mの組合せ計量値を算出して、該組合せ計量値を所定の目標値と比較し、組合せ計量値が該目標値に等しいかまたは近い組合せを求め、当該組合せに対応する図2のゲート8iを開放させて、計量ホッパ6iから集合排出シュート9に物品Mを組合せ、当該商品Mを味付装置20に排出させる。
一方、図5の前記組合せコントローラ10は、当該組合せに用いた組合せ計量値を物品の測定重量(以下、「味付前測定値」という)Wcとして前記リモコン50に送信する。
【0030】
前記味付装置20には、味付制御部21が接続されている。味付制御部21は、前記リモコン50から、後述する調味料Sの供給重量(調味料の重量)Wsを物品ごとに受け取ると、調味料供給装置40から搬送部24内の物品Mごとに、当該供給重量Wsの調味料Sを添加する。
【0031】
前記製袋包装機200には、包装コントローラ22が接続されている。包装コントローラ22は、前記リモコン50から袋の長さや幅等を受け取ると、当該製袋情報に基づいて袋を作成し、当該袋に前記調味料Sの添加された物品Mを詰める。
【0032】
前記チェッカ制御部23には、計量手段34が接続されている。商品Mがコンベヤ303上を搬送されると、計量手段34が重量検出器305からの出力を重量信号に変換し、チェッカ制御部23に出力する。チェッカ制御部23は、当該重量信号に基づきチェッカ測定重量Wdを算出し、リモコン50に送信する。
【0033】
前記リモコン50は、後述するように、前記各機器からの信号に基づき商品Mの良否判別やランク分けを行うと共に、味付装置20のフィードバック制御などを行う。一方、リモコン50には、振分装置62が接続されており、リモコン50は、前記良否判別やランク分けに従って、該振分装置62に振分信号を出力する。振分装置62は当該振分信号に基づいて該商品Mをランクごとに振り分けたり、あるいは、系外に排出する。
【0034】
なお、図5の前記リモコン50には、前記コントローラ10,22や制御部21,23の他に、立上りコンベヤ60やシールチェッカ61など他の機器が接続されているが、以下の説明においては、説明の簡略化のために、前記他の機器の制御等については、その説明を省略する。
【0035】
リモートコントローラ50:
前記リモコン50には、種々の表示を行うと共に、スクリーンにタッチすることで種々の入力を行うためのタッチスクリーン54が接続されている。
前記リモコン50はCPU51および記憶部52を備えている。前記記憶部52は商品情報記憶部52aを備えている。図5(b)に示すように、前記商品情報記憶部52aには、商品No. ごとに、品名、目標値、袋幅および袋長さなどの商品情報が、各々の商品ごとに互いに関連付けられて予め記憶されている。
なお、前記記憶部52には、後述する供給重量Wsや閾値SHi,SLi等を算出するための値が記憶されている。
【0036】
システムの動作:
つぎに、前記リモコン50のCPU51の演算内容を中心に、本システムの動作について、図6のフローチャートを用いて説明する。
まず、オペレータが、所定の操作を行い、前記リモコン50のタッチスクリーン54にタッチして商品の指定を行った後、本システムをスタートさせる。
ステップS1では、前記CPU51は商品情報記憶部52aから当該指定された商品の目標値を読み出し、組合せコントローラ10に送信する。
【0037】
一方、CPU51は、商品情報記憶部52aから読み出した当該商品Mの袋幅および袋長さ等を前記包装コントローラ22に送信すると共に、当該袋長さ等に基づいて風袋重量(包装袋の重量)Wbを算出する。具体的には、前記風袋重量Wbは、たとえば、包装に用いるフィルムの単位面積当たりの重量と、フィルム幅およびフィルムの送り量とに基づいて算出される。
【0038】
組合せ;
前記組合せコントローラ10は、前記目標値に基づいて物品Mを組合せて、前記味付装置20へ当該物品Mを排出させると共に、前記組合せた組合せ重量値を味付前測定値Wcとして、リモコン50に送信する。
ステップS2において、リモコン50は、前記味付前測定値Wcを受信すると、ステップS3に進む。
【0039】
味付;
ステップS3では、CPU51が、味付前測定値Wcに基づいて調味料Sの供給重量Wsを算出して、ステップS4に進む。供給重量Wsは、たとえば、味付前測定値Wcに所定の値を乗算することにより、該味付前測定値Wcに対する所定の割合として設定される。
なお、供給重量Wsに対する味付前測定値Wcの割合は、商品の種類ごとに異なる値に設定してもよい。
【0040】
ステップS4では、リモコン50が当該供給重量Wsを味付制御部21に送信する。前記味付制御部21は、受信した供給重量Wsに基づき、味付装置20に当該供給重量Wsの調味料Sを噴射させて商品Mの味付を図りステップS5に進む。
【0041】
ここで、味付前測定値Wcは、前述のように、前記組合せによって一まとめにされた物品Mの重量であるため、計量排出される度に若干異なる値になる。そのため、商品Mの味を一定に保つためには、味付前測定値Wcごとに、当該味付前測定値Wcに応じた調味料Sを添加するのが好ましい。
前述のように、図4に示す前記物品Mは、搬送部24内において、組合せ計量装置1によって一まとめにされた状態で区画されたまま搬送される。したがって、一定の味を保つために、味付前測定値Wcごとに算出した前記供給重量Wsの調味料Sが、当該供給重量Wsに対応する商品Mに添加される。
【0042】
包装;
前記味付後、物品Mが製袋包装機200によって包装されて商品Mとなり、下流に搬送される。
ステップS5では、製袋包装機200による包装が完了する毎に、リモコン50が包装コントローラ22からの包装完了信号を受信して、ステップS6に進む。
【0043】
基準値ΣW算出;
ステップS6では、CPU(設定手段)51が、以下の(1) 式に基づいて当該商品Mの基準値ΣW、すなわち、商品Mの総重量を商品Mごとに算出して設定する。
基準値ΣW=味付前測定値Wc+供給重量Ws+風袋重量Wb …(1)
【0044】
閾値算出;
ステップS7では、CPU51が前記味付前測定値Wcに基づいて、袋詰する1袋ごとの閾値SHi,SLiの算出を行いステップS8に進む。図7に示すように、CPU51は、味付前測定値Wcに所定の値を乗算し、上限閾値SH1〜SH3、下限閾値SL1〜SL3および最下限閾値SLMIN を算出する。前記上限閾値は、第1上限閾値SH1から第3上限閾値SH3にかけて、より大きな閾値が設定される。一方、下限閾値は、第1下限閾値SL1から第3下限閾値SL3ないし最下限閾値SLMIN にかけて、より小さな負数からなる閾値が設定される。たとえば、本実施形態では、供給重量Wsの一例として、供給重量Wsを味付前測定値Wcに対する5パーセントに設定し(Wc×0.05)、前記閾値を算出するために味付前測定値Wcに乗算する値は、0.01刻みで設定している。
【0045】
前記最下限閾値SLMIN は、後述するように、味付けされていないものや、内容物が搬送途上で抜けたものの排除に用いるための閾値であり、供給重量Wsまたは供給重量Wsに近似した値の負数を設定するのが好ましい。たとえば、本実施形態では、前記負数として、味付前測定値Wcを算出するための値0.05に近似した0.04の負数−0.04 に設定している。
【0046】
重量チェック;
前記製袋包装機200により包装された商品Mは、図1の立上りコンベヤ60およびシールチェッカ61を通り、重量チェッカ300に供給される。
図5(a)のチェッカ制御部23は、計量手段34からの重量信号に基づき、チェッカ測定重量Wdを算出し、リモコン50に送信する。
ステップS8において、リモコン50が前記チェッカ測定重量Wdを受信してステップS9に進む。
【0047】
ステップS9では、CPU51が、以下の(2) 式に基づいて、商品Mごとに過不足量Δを算出する。
過不足量Δ=チェッカ測定重量Wd−基準値ΣW …(2)
ここで、味付前測定値Wcは、組合せ計量装置1の重量検出器7iによって実際に計量された値である。また、製袋包装機200によるフィルムの送り量には誤差が生じにくいため、風袋重量Wbは概ね正確な値である。一方、搬送部24内に噴射された調味料は、その全てが物品の表面に付着するのではなく、一部が物品の表面に付着し、残りがスクリューコンベヤの底部に溜まる。つまり、供給重量Wsと実際に物品に添加された調味料の実添加量Wrとは異なる。
したがって、重量チェッカ300が実際に計測したチェッカ測定重量Wdから基準値ΣWを減算した過不足量Δ(=チェッカ測定重量Wd−基準値Σw)は、実際に添加された調味料Sの重量と、噴射される調味料Sの供給重量Wsつまり添加すべき調味料Sの重量との差である。
【0048】
前記ステップS9の後、過不足量Δに基づいて、味付装置20による調味料Sの供給制御を行うステップS10と、該過不足量Δに基づいて、商品Mの仕分けを行うステップS11以降の工程とが並行して行われる。この過不足量Δは、前記ステップS7で算出した各閾値と比較される。
【0049】
仕分け;
ステップS11では、前記CPU(仕分部)51が前記過不足量Δおよび閾値SHi,SLiに基づき、以下のように商品Mの仕分けを行う。
第1ランク;
前記過不足量Δが第1下限閾値SL1以上、かつ、第1上限閾値SH1以下である場合には、当該商品Mを最も正確に味付の行われた第1ランクとして仕分けされる。
第2ランク;
前記過不足量Δが第1下限閾値SL1よりも小、かつ、第2下限閾値SL2以上である場合、または、過不足量Δが第1上限閾値SH1よりも大、かつ、第2上限閾値SH2以下である場合には、第1ランクの次に味付が正確に行われた第2ランクとして当該商品Mを仕分けする。
第3ランク;
同様に、過不足量Δが第2下限閾値SL2よりも小、かつ、第3下限閾値SL3以上である場合、または、過不足量Δが第2上限閾値SH2よりも大、かつ、第3上限閾値SH3以下である場合には、第2ランクの次に味付けが正確に行われた第3ランクとして当該商品Mを仕分けする。
過不足量Δが、以上の3種類のランクである場合には、ステップS13に進み、当該物品Mを下流に搬送する。
【0050】
ラインアウト;
前記過不足量Δが第3下限閾値SL3よりも小、かつ、最下限閾値SLMIN 以上である場合、または、過不足量Δが第3上限閾値SH3よりも大である場合には、調味料Sが軽量または過量である不良品と判断し、ステップS12に進む。
ステップS12では、リモコン50は、振分装置62に振分信号を出力する。当該不良である商品Mが振分装置62上に搬送されると、該振分装置62により、該商品Mが系外に排出される。
一方、前記過不足量Δが、最下限閾値SLMIN よりも小である場合には、CPU51が当該商品Mには味付けがなされていないと判断し、前記振分装置62によって当該物品Mを系外に排出させる共に、たとえば、タッチスクリーン54に味付装置20の点検が必要である旨の警告表示等を行わせる。
【0051】
なお、商品Mの種類に応じて、前記第2ランクや第3ランクの商品Mも系外に排出させるようにしてもよい。また、第2ランクや第3ランクの物品Mを第1ランクの物品Mとは、それぞれ異なる経路に振り分けて搬送し、味付けのランクごとに箱詰めしてもよい。
【0052】
調味料の供給制御;
一方、前記ステップS9の後、ステップS10では、前記過不足量Δに応じて、味付装置20による調味料Sの供給量のフィードバック制御を行う。
たとえば、前記過不足量Δに基づいてフィードバック制御を行うようにしてもよい。過不足量Δがマイナスの値である場合、すなわち、実際に添加された調味料Sの重量である実添加量Wrが、供給重量Wsよりも少ない場合には、当該過不足量Δに応じて供給重量Wsが増量される。一方、過不足量Δがプラスの値である場合、すなわち、実際に添加された調味料Sの重量が供給重量Wsよりも多い場合には、当該過不足量Δに応じて供給重量Wsが減量される。
なお、実添加量Wrは下記の(3) 式で求められる。
実添加量Wr=チェッカ測定重量Wd−(味付前測定値Wc+風袋重量Wb)…(3)
【0053】
なお、供給重量Wsは、必ずしも個々の味付前測定値Wcごとに求める必要はなく、たとえば、商品Mごとに設定された設定値を用いてもよい。また、風袋重量Wbは、商品の種類ごとに算出する必要はなく、たとえば、予め算出ないし計量した値を記憶部52に記憶させるようにしてもよい。
【0054】
また、前記実施形態では、過不足量(実偏差)Δを算出すると共に、閾値として偏差の上限値や下限値を設定し、当該実偏差Δと比較することにより仕分けを行ったが、基準値(総重量)ΣWに対応する上限値や下限値を設定し、これらの上下限値とチェッカ測定重量Wdと比較することにより、仕分けを行ってもよい。
また、前記供給重量Wsと実添加量Wrとに基づいて商品Mの仕分けを行うようにしてもよい。たとえば、供給重量Wsに所定数を乗算して、上限閾値SHiや下限閾値SLiを算出し、実添加量Wrと当該閾値SHi,SLiとを比較することにより、味付けによる商品Mの仕分けを行ってもよい。
【0055】
また、調味料の重量としては、実際に供給された供給重量Wsではなく、味付前測定値Wcに所定の値(物品ごとに定まる定数)を乗算して求めた値を用いてもよい。この場合、風袋重量Wbが一定であるとすれば、基準値ΣWの値の変化は、味付前測定値Wcの変化に応じて、リニアに変化する。
なお、実際の包材の長さを測定して風袋重量Wbの変化を加味してもよい。
【0056】
また、前記実施形態では、リモコン50を設けたが、リモコン50を設ける代わりに、本システムの各機器を互いに接続し、前記各機器のうち、いずれかの機器に設定手段や仕分部を設けてもよい。たとえば、チェッカ制御部23が各機器からの信号を受信し、仕分けや供給重量Wsのフィードバック制御を行うようにしてもよい。
【0057】
また、かかる場合には、個々の商品Mの袋に、基準値ΣWを書き込んだIDタグや磁気テープを貼付し、重量チェッカ300の上流で基準値ΣWを読み取るようにしてもよい。
さらに、商品Mの袋の識別は、当該袋に印字ないし貼付したバーコードを読み取ることによって行うこととしてもよい。
【0058】
また、前記味付装置20は、必ずしもスクリューコンベヤである必要はなく、たとえば、タンブラを用いたり(特公平4−35132号公報参照)、帯電散布手段(特開2000−171913号公報参照)を用いてもよい。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、チェッカ測定重量Wdと味付前の測定重量Wcとの偏差により味付の過不足量Δを知ることで、味付の適切さが担保される。すなわち、味付状態に応じて物品を仕分部で仕分したり、あるいは、過不足量Δで添加量をフィードバック制御することができる。しかも、従来から存在する重量チェッカを用いてソフトウエアを追加するだけで味付の良否や味付制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる計量味付けシステムの概略側面図である。
【図2】組合せ計量装置の機能を示す概念図である。
【図3】組合せ計量装置、味付装置および製袋包装機を示す一部破断した概略側面図である。
【図4】味付け方法を示す概略断面図である。
【図5】(a)は本システムの概略構成図であり、(b)は記憶部の記憶内容を示す図表である。
【図6】本システムの動作を示すフローチャートである。
【図7】仕分と合否判定の方法を示す図表である。
【符号の説明】
1:組合せ計量装置
20:味付装置
62:振分装置
200:製袋包装機
300:重量チェッカ
M:商品、物品
Wc:味付前測定値(測定重量)
Ws:供給重量(調味料の重量)
Wb:風袋重量(包装袋の重量)
ΣW:基準値(総重量)=Wc+Ws+Wb
Wd:チェッカ測定重量
Δ:過不足量=Wd−ΣW
Wr:(調味料の)実添加量=Wd−(Wc+Wb)
SH3:第3上限値
SH2:第2上限値
SH1:第1上限値
SL1:第1下限値
SL2:第2下限値
SL3:第3下限値
SLMIN :最低下限値

Claims (8)

  1. 物品の重量を計量する計量装置と、
    該計量装置の下流に配置され、前記物品に応じた重量の調味料を供給して味付けを行う味付け装置と、
    該味付け装置の下流に配置され、味付けされた物品の重量を測定する重量チェッカとを備えた計量味付けシステムであって、
    前記計量装置で計量された物品の測定重量および前記調味料の重量に基づく基準値を設定する設定手段と、
    前記基準値、前記調味料の重量に基づく閾値および前記重量チェッカで測定したチェッカ測定重量に基づいて、当該物品の味付量に応じた仕分けを行う仕分部とを備えた計量味付けシステム。
  2. 請求項1において、
    前記閾値が下限値および/または上限値として設定され、
    前記上限値および/または下限値が複数設定されていることを特徴とする計量味付けシステム。
  3. 請求項1または請求項2に記載の計量味付けシステムであって、
    前記調味料の重量値を更に最低下限値として設定することを特徴とする計量味付けシステム。
  4. 請求項1、2もしくは3において、
    前記チェッカ測定重量と前記基準値とに基づいて前記味付け装置による味付量を制御する制御手段を更に備えた計量味付けシステム。
  5. 物品の重量を計量する計量装置と、
    該計量装置の下流に配置され、前記物品に応じた重量の調味料を供給して味付けを行う味付け装置と、
    該味付け装置の下流に配置され、味付けされた物品の重量を測定する重量チェッカとを備えた計量味付けシステムであって、
    前記計量装置で計量された物品の測定重量と前記調味料の重量とに基づく制御のための基準値を設定する設定手段と、
    前記重量チェッカで測定したチェッカ測定重量と前記基準値とに基づいて前記味付け装置による味付量を制御する制御手段とを備えた計量味付けシステム。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の計量味付けシステムであって、
    前記チェッカ測定重量と前記計量装置にて計量された物品の測定重量とから、前記物品に実際に添加された調味料の実添加量を算出し、前記味付け装置で供給された調味料の重量と前記実添加量に基づき前記味付け装置の調味料の供給制御を行うことを特徴とする計量味付けシステム。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の計量味付けシステムであって、
    前記味付け装置と前記重量チェッカとの間に前記物品を包装する包装機を備え、
    前記基準値には該包装機で物品を包装する包装袋の重量が加味して設定されることを特徴とする計量味付けシステム。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の計量味付けシステムであって、
    前記味付け装置は、前記計量装置で計量された物品の測定重量に応じた調味料の重量を供給する計量味付けシステム。
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